説明

光ピックアップ装置および光ディスク装置

【課題】本発明は、BDの2層ディスクまたはそれ以上の層数のディスクに対し、安定したフォーカス誤差信号およびトラッキング誤差信号を検出することのできる光ピックアップ、光ディスク装置を提供することを目的とする。
【解決手段】光ディスクから反射した光束を分岐する偏光回折格子と、偏光回折格子により分岐された光束を受光する光検出器を備えた光ピックアップ装置であって、偏光回折格子を回折した回折格子0次回折光と回折格子+1次回折光の偏光が略直交させ、回折格子と光検出器の間に複数の領域を持つ偏光フィルタを搭載する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ピックアップ装置および光ディスク装置に関する発明である。
【背景技術】
【0002】
本技術分野の背景技術として、例えば特開2006-344344号公報(特許文献1)がある。本公報には課題として「複数の記録層を有する光ディスクから所望の信号を精度良く取得する」と記載があり、解決手段として「光源ユニット51から出射されたP偏光の光束は、光ディスク15で反射され、S偏光となってレンズ61に入射する。そして1/4波長板62、63では、いずれも、光軸の+X側に入射した光束+1/4波長の光学的位相差が付与され。−X側に入射した光束に−1/4波長の光学位相差が与えられる。これにより、1/4波長板63を介した信号光はS偏光、迷光はP偏光となり、偏光光学素子64では信号光のみが透過する。」と記載されている。また、例えば非特許文献1には課題として「2層ディスクを記録/再生するとき、目的の層とは異なる層から反射した光がある他層迷光がフォトディテクタに入射するとTE信号にオフセットが生じる。このため、他層迷光対策のない従来の構成では、2層ディスクでのTE信号のオフセットが単層の場合に比べ大きくなり、安定な制御が妨げられる。」と記載があり、解決手段として「トラッキング用フォトディテクタを他層迷光のない領域に配置する」と記載されている。また、その構成については特開2004−281026(特許文献2)においても記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006-344344号公報(第26頁、図3、図5)
【特許文献2】特開2004−281026号公報(第71頁、図22、図24、図25)
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】電子情報通信学会 信学技報CPM2005−149(2005−10)(第33頁、図4、図5)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
光ピックアップ装置は、一般に光ディスク内にある所定の記録トラック上に正しくスポットを照射するため、フォーカス誤差信号の検出により対物レンズをフォーカス方向に変位させてフォーカス方向に調整が行われる他、トラッキング誤差信号を検出して対物レンズをディスク状記録媒体の半径方向へ変位させてトラッキング調整が行われる。これらの信号により対物レンズの位置制御が行われる。
上記サーボ信号のうち、トラッキング誤差信号については、記録層が2層存在する2層ディスクとなることで大きな課題がある。2層ディスクでは、目的の記録層を反射した信号光の他に目的でない記録層を反射した迷光が同じ受光面上に入射する。受光面上に信号光と迷光が入射すると、2つの光が干渉し、その変動成分がトラッキング誤差信号に検出されてしまうのである。
【0006】
この問題に対し、特許文献1では、光ディスクで反射した光ビームを集光レンズで絞り、2枚の1/4波長板と偏光光学素子を透過させて広がった光を集光レンズで絞り検出器に照射する構成としている。そのため、検出光学系が複雑となりピックアップ装置のサイズが大きくなるという課題がある。
【0007】
非特許文献1(特許文献2)では、フォーカス用光検出器の周囲に生じるフォーカス用光ビームの他層からの迷光の外側にトラッキング用光検出器を配置し、さらにホログラム素子の中央部で回折した光を他層からの迷光の外側に飛ばす構成にしている。これにより2層ディスクであっても安定したトラッキング制御が行えると記載している。ところが、複数の層が存在する多層ディスクに対応するには大きな課題がある。非特許文献1(特許文献2)のような構成にすると信号光と多層からの光を分離するために回折格子の回折角が大きくしなければならない。回折角が大きくなると光検出器のサイズが大きくなることに伴うピックアップ装置のサイズの課題やコストの課題が発生する。また、製造に起因する回折効率の低下やスポットの歪みが生じることが課題となる。特に回折効率の低下は多層ディスクのS/Nの観点から大きな課題となっている。
【0008】
そこで本発明の目的は、上記方式において課題となる2層およびそれ以上の記録面を有するディスクに対しても安定した再生信号およびサーボ信号が検出可能でかつ小型化可能な光ピックアップ装置あるいは光ディスク装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的は、一例として、特許請求の範囲に記載の発明によって達成できる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば複数の情報記録面を有する情報記録媒体を記録再生する場合に、安定した再生信号およびサーボ信号を得ることが可能でかつ小型化可能な光ピックアップ装置およびこれを搭載した光ディスク装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】実施例1における光学系を説明する図である。
【図2】実施例1における回折格子を示す図である。
【図3】実施例1における受光面を示す図である。
【図4】実施例1における偏光フィルタを示す図である。
【図5】実施例1における2層ディスクを記録/再生時の迷光の形状(検出器上)を示す図である。
【図6】実施例1における他の回折格子を示す図である。
【図7】実施例1における他の受光面を示す図である。
【図8】実施例2における受光面を示す図である。
【図9】実施例2における偏光フィルタを示す図である。
【図10】実施例2における2層ディスクを記録/再生時の迷光の形状(検出器上)を示す図である。
【図11】実施例3における受光面を示す図である。
【図12】実施例3における偏光フィルタを示す図である。
【図13】実施例3における2層ディスクを記録/再生時の迷光の形状(検出器上)を示す図である。
【図14】実施例4における光学系を説明する図である。
【図15】実施例4における回折格子を示す図である。
【図16】実施例4における受光面を示す図である。
【図17】実施例4における偏光フィルタを示す図である。
【図18】実施例4における2層ディスクを記録/再生時の迷光の形状(検出器上)を示す図である。
【図19】実施例4における他の回折格子を示す図である。
【図20】実施例5における光学的再生装置を説明する図である。
【図21】実施例6における光学的記録再生装置を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0012】
図1は本発明の第1の実施例に係る光学系について示している。
半導体レーザ50からは、波長略405nmの光ビームが発散光として出射される。半導体レーザ50から出射した光ビームはビームスプリッタ52を反射する。なお一部の光ビームはビームスプリッタ52を透過しフロントモニタ53に入射する。一般的に記録型の光ディスクに情報を記録する場合には、光ディスクの記録面に所定の光量を照射させるため、半導体レーザの光量を高精度に制御する必要がある。このため、フロントモニタ53は記録型の光ディスクに信号を記録する際に、半導体レーザ50の光量の変化を検出し、半導体レーザ50の駆動回路(図示せず)にフィードバックされる。これにより光ディスク上の光量をモニタすることが可能となる。
【0013】
ビームスプリッタ52を反射した光ビームはコリメートレンズ51により略平行な光ビームに変換される。コリメートレンズ51を透過した光ビームはビームエキスパンダ54に入射する。ビームエキスパンダ54は、光ビームの発散・収束状態を変えることで、光ディスク100のカバー層の厚み誤差による球面収差を補償することに使用される。ビームエキスパンダ54を出射した光ビームは立ち上げミラー55を反射、1/4波長板56を透過後、アクチュエータ5に搭載された対物レンズ2により光ディスク100上に集光される。
【0014】
光ディスク100により反射した光ビームは、対物レンズ2、1/4波長板56、立ち上げミラー55、ビームエキスパンダ54、コリメートレンズ51、ビームスプリッタ52を経て、偏光回折格子11に入射する。図2は、偏光性回折格子11を示している。偏光回折格子11は領域ごとに回折格子ピッチ、溝方向が異なっており、各領域を出射した光束は異なる方向に回折する。そして偏光回折格子11を回折した光ビームは、検出レンズ57、偏光フィルタ101を経て検出器10に入射する。このとき、検出レンズ57によって所定の非点収差が与えられるため、非点収差方式によってフォーカス誤差信号を検出できる構成となっている。
【0015】
ここで、最初にトラッキング誤差信号検出について説明を行う。一般的なトラッキング誤差信号検出方法として、差動プッシュプル方式が知られている。この差動プッシュプル方式(DPP:Differential Push Pull方式)は、回折格子によって光ビームをメインビームとサブビーム+1次、サブビーム−1次に分割し、半径方向のメインビームから得られるプッシュプル(MPP)信号とサブビーム+1次とサブビーム−1次から得られるプッシュプル(SPP)信号を以下の演算を行うことでDCオフセットを低減している。
【0016】
【数1】

なお、kはメインビームとサブビームの光量比を補正する係数である。
ところが、DPP方式は2層およびそれ以上のディスクを再生した場合に問題が発生する。これについて最も簡単な2層ディスクで説明を行う。
【0017】
2層ディスクは記録面が2面存在する光ディスクであり、それぞれの記録面で反射光が発生する。このため、2層ディスクでは光ビームは光ディスクによって2つに分離され、2つの光路を辿って検出器に入射する。例えば片方の層に焦点を合わせた場合、その光ビームは検出器面上にスポット(信号光)を形成し、もう片方の層を反射した光ビーム(迷光)が検出器上にぼけた状態で入射する。この時、検出器上ではそれぞれの層を反射した信号光と迷光とが検出器面上で重なり合い、干渉が発生する。本来、周波数の同じレーザを出射したビームは時間的に変化しないが、光ディスクの回転によりそれぞれの層の間隔が変化するため、2つの光の位相関係が時間的に変化し、トラッキング誤差信号であるDPP信号の変動を引き起こす。このDPP信号の変動は主にSPP信号に大きく起因している。これは、メインビーム(0次回折光)とサブビーム+1次回折光とサブビーム−1次回折光の光量比は一般的に10:1:1〜20:1:1であり、メインビームに対してサブビームの光量が小さいため、サブビームの信号光とメインビームの迷光との干渉が信号光に対して大きく発生してしまうのである。干渉については公知であるため説明は省略する。これにより、SPP信号が大きく変動してしまい、結果としてトラッキング誤差信号であるDPP信号が大きく変動してしまうのである。トラッキング誤差信号の変動が発生すると、光ディスク上のスポットがトラックに沿って追従できなくなり、主に記録・再生信号劣化の問題が起こる。
【0018】
この問題に対し、非特許文献1(特許文献2)では光ディスク上に1つのスポットを形成し、その反射光を複数の領域に分けることで信号光と迷光を分離して検出している。これによりトラッキング誤差信号を検出する受光部に迷光が入射しないため、安定したトラッキング誤差信号を検出することが可能となっている。しかし、多層ディスクの場合には、以下の問題が発生する。
【0019】
多層ディスクになると必然的に、表面に最も近い側の層と最も遠い側の層の間隔は2層ディスクの層の間隔に対して大きくなってしまう。このため、受光部上の迷光の大きさが2層ディスクの迷光に比べて大きくなる。ここで、非特許文献1(特許文献2)のように、迷光の外側で信号光を検出するような受光部間隔とすることができるが、このような構成にすると信号光と多層からの光を分離するために回折格子の回折角が大きくしなければならない。回折角が大きくなると光検出器のサイズが大きくなることに伴うピックアップ装置のサイズの課題やコストの課題が発生する。また、製造に起因する回折効率の低下やスポットの歪みが生じることが課題となる。特に回折効率の低下は多層ディスクのS/Nの観点から大きな課題となっている。
【0020】
これに対し、本実施例では、偏光回折格子11および偏光フィルタ101を搭載することで回折角を小さくできるため、回折効率を落とさずに多層ディスクに対応することが可能である。また非特許文献1(特許文献2)の検出器よりも小型化可能となっている。
【0021】
まず本実施例に関して、単層ディスクで説明を行う。図2に示す回折格子11は、偏光回折格子となっており、例えば、垂直方向の偏光に対して+1次回折光:0次回折光:−1次回折光=1:0:0、水平方向の偏光に対して+1次回折光:0次回折光:−1次回折光=0:1:0とする。このとき、偏光回折格子11の垂直方向、水平方向の軸の取り方は、図2のように入射偏光に対して、わずかに傾けてある。このため、偏光回折格子の軸の取り方次第で0次回折光と+1次回折光の偏光状態が異なるにも関わらず、0次回折光と+1次回折光の光量比を変えることが可能となっている。ここでは、偏光回折格子を回折した光ビームは、0次回折光:+1次回折光の光量比は7:3とする。また、偏光回折格子11は図2に示すように領域Da、Db、Dc、Dd、Deh、Dfg、Diで構成されており、各領域の溝周期、溝方向が異なっている。
【0022】
偏光回折格子11を回折した信号光は偏光フィルタ101を透過し、検出器10に入射する。検出器10は、図3に示すように10つの受光部がある。回折格子領域Da、Db、Dc、Dd、Deh、Dfg、Diを回折した0次回折光は、受光部a0、b0、c0、d0に入射する。また、回折格子領域Da、Db、Dc、Dd、Deh、Dfgを回折した+1次回折光は、受光部a1、b1、c1、d1、eh1、fg1にそれぞれ入射する。受光部a0、b0、c0、d0およびa1、b1、c1、d1、eh1、fg1から得られたA0、B0、C0、D0、A1、B1、C1、D1、EH1、FG1の信号を以下の演算によりフォーカス誤差信号(FES)、トラッキング誤差信号(TES)、RF信号を生成する。
【0023】
【数2】

なお、kt1は対物レンズが変位した際にトラッキング誤差信号にDC成分を発生させないようにする係数である。以上の演算により良好なRF信号、サーボ信号が検出可能である。
【0024】
次に、多層ディスクについて説明する。ここでは例として3層ディスク(以下、ディスク表面に近い側から順に、Layer2、Layer1、Layer0と呼ぶ)の表面に近い側の層(Layer2)にフォーカス制御した場合について説明を行う。3層ディスクを反射した信号光、迷光は、対物レンズ2、1/4波長板56、立ち上げミラー55、ビームエキスパンダ54、コリメートレンズ51、ビームスプリッタ52を経て偏光性回折格子11に入射する。偏光性回折格子11を回折した信号光と迷光は、偏光フィルタ101を一部透過し検出器に入射する。偏光フィルタ101は図4のような形状となっており、領域1は垂直方向の偏光成分(+1次回折光成分)のみを透過し、領域2は水平方向の成分(0次回折光成分)のみを透過する特性を有している。また、領域1は受光部a1、b1、c1、d1、eh1、fg1に相当する領域に配置されており、領域2は受光部a0、b0、c0、d0に相当する領域に配置されている。このような偏光フィルタは例えばフォトニック結晶で実現可能である。
【0025】
このような偏光フィルタ101が挿入されることにより、受光部上の信号光と迷光の関係は図5に示すようになる。ここで、実線がLayer2を反射した信号光、破線がLayer1を反射した迷光、1点鎖線がLayer0反射した迷光を示しており、斜線部は最も影響のある迷光(光量の大きい0次回折光の迷光)を示している。また、図5(a)は偏光フィルタが搭載された場合で、図5(b)は偏光フィルタがない場合を示している。このように、偏光フィルタがなければ受光部a1、b1、fg1、eh1に0次回折光の迷光成分が入射してしまう。このため、これらの受光部から得られた信号が変動してしまい問題となる。それに対し、偏光フィルタを挿入することで受光部上の信号光と迷光を分離することが可能となる(図5矢印)。ここで、受光部a0、b0、c0、d0に迷光が入射するが信号光の光量が大きいため、実用上の問題とならない。
【0026】
非特許文献1(特許文献2)のような構成では、受光部間隔を広げなければ迷光を分離することはできない。また、受光部の間隔を広げると上記したように回折格子の回折角が大きくなり、回折効率の問題が課題となる。それに対し、本実施例のように偏光フィルタを搭載することで、従来よりも小さい回折角で信号成分のみを検出することが可能となり、安定したサーボ信号を検出することが可能となる。また、回折角を小さくできる構成とするため検出器を小型化することも可能となる。
【0027】
本実施例では、3層ディスクで説明を行ったが、2層または3層以上であっても効果が得られることは言うまでもない。また、偏光回折格子の偏光特性はこれに限定されるわけでなく、本実施例と異なっていても偏光回折格子を用いることで同様の効果が得られることは言うまでもない。さらに、偏光フィルタは、受光部に張り付けても、離れていても同様の効果が得られることは言うまでもない。そして、偏光フィルタの形状は、本実施例の形状に限定されるわけではなく、信号光と迷光を分離できるパターンであれば同様の効果が得られることは言うまでもない。また、偏光回折格子のパターンは、本実施例に限定されるわけではなく、図6のようなパターンであっても同様の効果が得られることは言うまでもない。さらに検出器のパターンもこれに限定されることはなく、例えば、図7のような検出器パターンであっても受光部に入射する信号光と迷光を偏光フィルタで分離ことにより同様の効果が得られることは言うまでもない。また、偏光フィルタは、領域1、領域2で偏光特性の異なる偏光回折格子としても同様の効果が得られることは言うまでもない。
【実施例2】
【0028】
図8は本発明の第2の実施例に係る光ピックアップの検出器の一例を示した概略構成図である。光学系は図1と同様の構成であり、実施例1とは回折格子および検出器が異なっている。
【0029】
まず本実施例に関して、単層ディスクで説明を行う。図2に示す回折格子11は、偏光回折格子となっており、例えば、垂直方向の偏光に対して+1次回折光:0次回折光:−1次回折光=1:0:1、水平方向の偏光に対して+1次回折光:0次回折光:−1次回折光=0:1:0とする。このとき、偏光回折格子の垂直方向、水平方向の軸の取り方は、図2のように入射偏光に対して、わずかに傾けてある。このため、偏光回折格子の軸の取り方次第で0次回折光と+1次回折光(−1次回折光)、の偏光状態が異なるにも関わらず、0次回折光と+1次回折光(−1次回折光)の光量比を変えることが可能となっている。ここでは、偏光回折格子を回折した光ビームは、+1次回折光:0次回折光:−1次回折光=1:10:1とする。また、偏光回折格子11は図2に示すように領域Da、Db、Dc、Dd、Deh、Dfg、Diで構成されている。
【0030】
偏光回折格子11を回折した信号光は偏光フィルタ101を透過し、検出器10に入射する。検出器10は、図8に示すように12つの受光部がある。回折格子領域Da、Db、Dc、Dd、Deh、Dfg、Di回折した0次回折光は、受光部a、b、c、dに入射する。また、回折格子領域Da、Db、Dc、Ddを回折した+1次回折光は受光部e1、f1、g1、h1に入射し、−1次回折光は受光部e2、f2、g2、h2に入射する。受光部a、b、c、dおよび受光部e1、f1、g1、h1、e2、f2、g2、h2から得られたA、B、C、DおよびE1、F1、G1、H1、E2、F2、G2、H2の信号を以下の演算によりフォーカス誤差信号(FES)、トラッキング誤差信号(TES)、RF信号を生成する。
【0031】
【数3】

なお、kt2は対物レンズが変位した際にトラッキング誤差信号にDC成分を発生させないようにする係数である。以上の演算により良好なRF信号、サーボ信号が検出可能である。
【0032】
次に、多層ディスクについて説明する。ここでは例として3層ディスクの表面に近い側の層(Layer2)にフォーカス制御した場合について説明を行う。3層ディスクを反射した信号光、迷光は、対物レンズ2、1/4波長板56、立ち上げミラー55、ビームエキスパンダ54、コリメートレンズ51、ビームスプリッタ52を経て偏光性回折格子11に入射する。偏光性回折格子11を回折した信号光と迷光は、偏光フィルタ101を一部透過し検出器に入射する。偏光フィルタ101は図9のような形状となっており、領域1は垂直方向の偏光成分(±1次回折光成分)のみを透過し、領域2は水平方向の偏光成分(0次回折光成分)のみを透過する特性を有している。また、領域1は受光部e1、f1、g1、h1、e2、f2、g2、h2に相当する領域に配置されており、領域2は受光部a、b、c、dに相当する領域に配置されている。
【0033】
このような偏光フィルタ101が挿入されることにより、受光部上の信号光と迷光の関係は図10に示すようになる。ここで、実線がLayer2を反射した信号光、破線がLayer1を反射した迷光、1点鎖線がLayer0反射した迷光を示しており、斜線部は最も影響のある迷光(光量の大きい0次回折光の迷光)を示している。また、図10(a)は偏光フィルタが搭載された場合で、図10(b)は偏光フィルタがない場合を示している。このように、偏光フィルタがなければ受光部e1、f1、g1、h1、e2、f2、g2、h2に0次回折光の迷光成分が入射してしまう。それに対し、偏光フィルタを挿入することで受光部上の信号光と迷光を分離することが可能となる(図10矢印)。ここで、受光部a、b、c、dに迷光が入射するが信号光の光量が大きいため、実用上の問題とならない。これにより、安定したサーボ信号を検出することが可能となる。また、回折角を小さくできる構成とするため検出器を小型化することも可能となる。
【0034】
本実施例では、3層ディスクで説明を行ったが、2層または3層以上であっても効果が得られることは言うまでもない。また、偏光回折格子の偏光特性はこれに限定されるわけでなく、本実施例と異なっていても偏光回折格子を用いることで同様の効果が得られることは言うまでもない。さらに、偏光フィルタは、受光部に張り付けても、離れていても同様の効果が得られることは言うまでもない。そして、偏光フィルタの形状は、本実施例の形状に限定されるわけではなく、信号光と迷光を分離できるパターンであれば同様の効果が得られることは言うまでもない。また、偏光回折格子のパターンは、本実施例に限定されるわけではなく、図6のようなパターンであっても同様の効果が得られることは言うまでもない。さらに検出器のパターンもこれに限定されることはなく、受光部に入射する信号光と迷光を偏光フィルタで分離することで同様の効果が得られることは言うまでもない。また、偏光フィルタは、領域1、領域2で偏光特性の異なる偏光回折格子としても同様の効果が得られることは言うまでもない。
【実施例3】
【0035】
図11は本発明の第3の実施例に係る光ピックアップの検出器の一例を示した概略構成図である。光学系は図1と同様の構成であり、実施例1とは回折格子および検出器が異なっている。
【0036】
まず本実施例に関して、単層ディスクで説明を行う。図2に示す回折格子11は、偏光回折格子となっており、例えば、垂直方向の偏光に対して+1次回折光:0次回折光:−1次回折光=1:0:1、水平方向の偏光に対して+1次回折光:0次回折光:−1次回折光=0:1:0とする。このとき、偏光回折格子の垂直方向、水平方向の軸の取り方は、図2のように入射偏光に対して、傾けてある。このため、偏光回折格子の軸の取り方次第で0次回折光と+1次回折光(−1次回折光)、の偏光状態が異なるにも関わらず、0次回折光と+1次回折光の光量比を変えることが可能となっている。ここでは、偏光回折格子を回折した光ビームは、+1次回折光:0次回折光:−1次回折光=1:10:1とする。また、図2に示すように偏光回折格子11は領域Da、Db、Dc、Dd、Deh、Dfg、Diで構成されている。
【0037】
偏光回折格子11を回折した信号光は偏光フィルタ101を透過し、検出器10に入射する。検出器10は、図11に示すように12つの受光部がある。回折格子領域Da、Db、Dc、Dd、Deh、Dfg、Diを回折した0次回折光は、受光部a、b、c、dに入射する。また、回折格子領域Deh、Dfgを回折した+1次回折光は受光部e1、f1、g1、h1に入射し、−1次回折光は受光部e2、f2、g2、h2に入射する。受光部a、b、c、dおよび受光部e1、f1、g1、h1、e2、f2、g2、h2から得られたA、B、C、D、E1、F1、G1、H1、E2、F2、G2、H2の信号を以下の演算によりフォーカス誤差信号(FES)、トラッキング誤差信号(TES)、RF信号を生成する。
【0038】
【数4】

なお、kt3は対物レンズが変位した際にトラッキング誤差信号にDC成分を発生させないようにする係数である。以上の演算により良好なRF信号、サーボ信号が検出可能である。
【0039】
次に、多層ディスクについて説明する。ここでは例として3層ディスクの表面に近い側の層(Layer2)にフォーカス制御した場合について説明を行う。3層ディスクを反射した信号光、迷光は、対物レンズ2、1/4波長板56、立ち上げミラー55、ビームエキスパンダ54、コリメートレンズ51、ビームスプリッタ52を経て偏光性回折格子11に入射する。偏光性回折格子11を回折した信号光と迷光は、偏光フィルタ101を一部透過し検出器に入射する。偏光フィルタ101は図12のような形状となっており、領域1は垂直方向の偏光成分(+1次回折光成分)のみを透過し、領域2は水平方向の偏光成分(0次回折光成分)のみを透過する特性を有している。また、領域1は受光部e1、f1、g1、h1、e2、f2、g2、h2に相当する領域に配置されており、領域2は受光部a、b、c、dに相当する領域に配置されている。
【0040】
このような偏光フィルタ101が挿入されることにより、受光部上の信号光と迷光の関係は図13に示すようになる。ここで、実線がLayer2を反射した信号光、破線がLayer1を反射した迷光、1点鎖線がLayer0反射した迷光を示しており、斜線部は最も影響のある迷光(光量の大きい0次回折光の迷光)を示している。また、図13(a)は偏光フィルタが搭載された場合で、図13(b)は偏光フィルタがない場合を示している。このように、偏光フィルタがなければ受光部e1、f1、g1、h1、e2、f2、g2、h2に0次回折光の迷光成分が入射してしまう。それに対し、偏光フィルタを挿入することで受光部上の信号光と迷光を分離することが可能となる(図13矢印)。ここで、受光部a、b、c、dに迷光が入射するが信号光の光量が大きいため、実用上の問題とならない。これにより、安定したサーボ信号を検出することが可能となる。また、回折角を小さくできる構成とするため検出器を小型化することも可能となる。
【0041】
本実施例では、3層ディスクで説明を行ったが、2層または3層以上であっても効果が得られることは言うまでもない。また、偏光回折格子の偏光特性はこれに限定されるわけでなく、本実施例と異なっていても偏光回折格子を用いることで同様の効果が得られることは言うまでもない。さらに、偏光フィルタは、受光部に張り付けても、離れていても同様の効果が得られることは言うまでもない。そして、偏光フィルタの形状は、本実施例の形状に限定されるわけではなく、信号光と迷光を分離できるパターンであれば同様の効果が得られることは言うまでもない。また、偏光回折格子のパターンは、本実施例に限定されるわけではなく、図6のようなパターンであっても同様の効果が得られることは言うまでもない。さらに検出器のパターンもこれに限定されることはなく、受光部に入射する信号光と迷光を偏光フィルタで分離することで同様の効果が得られることは言うまでもない。また、偏光フィルタは、領域1、領域2で偏光特性の異なる偏光回折格子としても同様の効果が得られることは言うまでもない。
【実施例4】
【0042】
図14は本発明の実施例4に係る光ピックアップの光学系を示している。
半導体レーザ50からは、波長略405nmの光ビームが発散光として出射される。半導体レーザ50から出射した光ビームはビームスプリッタ52を反射する。なお一部の光ビームはビームスプリッタ52を透過しフロントモニタ53に入射する。一般的に記録型の光ディスクに情報を記録する場合には、光ディスクの記録面に所定の光量を照射させるため、半導体レーザの光量を高精度に制御する必要がある。このため、フロントモニタ53は記録型の光ディスクに信号を記録する際に、半導体レーザ50の光量の変化を検出し、半導体レーザ50の駆動回路(図示せず)にフィードバックされる。これにより光ディスク上の光量をモニタすることが可能となる。
【0043】
ビームスプリッタ52を反射した光ビームはコリメートレンズ51により略平行な光ビームに変換される。コリメートレンズ51を透過した光ビームはビームエキスパンダ54に入射する。ビームエキスパンダ54は、光ビームの発散・収束状態を変えることで、光ディスク100のカバー層の厚み誤差による球面収差を補償することに使用される。ビームエキスパンダ54を出射した光ビームは立ち上げミラー55を反射、1/4波長板56を透過後、アクチュエータ5に搭載された対物レンズ2により光ディスク100上に集光される。
【0044】
光ディスク100により反射した光ビームは、対物レンズ2、1/4波長板56、立ち上げミラー55、ビームエキスパンダ54、コリメートレンズ51、ビームスプリッタ52を透過し、偏光回折格子11に入射する。図15は、偏光性回折格子11を示している。偏光回折格子11は領域ごとに回折格子ピッチ、溝方向が異なっており、各領域を出射した光束は異なる方向に回折する。そして偏光回折格子11を回折した光ビームは、偏光フィルタ101を経て検出器10に入射する。
【0045】
まず本実施例に関して、単層ディスクで説明を行う。図15に示す回折格子11は、偏光回折格子となっており、例えば、垂直方向の偏光に対して+1次回折光:0次回折光:−1次回折光=1:0:1、水平方向の偏光に対して+1次回折光:0次回折光:−1次回折光=0:1:0とする。このとき、偏光回折格子の垂直方向、水平方向の軸の取り方は、図15のように入射偏光に対して、わずかに傾けてある。このため、偏光回折格子の軸の取り方次第で0次回折光と+1次回折光(−1次回折光)、の偏光状態が異なるにも関わらず、0次回折光と+1次回折光の光量比を変えることが可能となっている。ここでは、偏光回折格子を回折した光ビームは、+1次回折光:0次回折光:−1次回折光=1:10:1とする。また、偏光回折格子11は、回折格子領域Da、Db、Dc、Dd、De、Df、Dg、Dh、Diの9つの領域で構成されており、各領域の溝周期、溝方向が異なっている。
【0046】
偏光回折格子11を回折した信号光は偏光フィルタ101を透過し、検出器10に入射する。検出器10は、図16に示すように18つの受光部がある。回折格子領域Da、Db、Dc、Dd、De、Df、Dg、Dh、Diを回折した0次回折光は受光部Oに入射する。また回折格子Da、Db、Dc、Dd、De、Df、Dg、Dhを回折した+1次回折光は受光部a1、b1、c1、d1、e1、f1、g1、h1に入射し、−1次回折光は受光部a2、b2、c2、d2、r、s、t、u、vに入射する。
【0047】
受光面a1、b1、c1、d1、e1、f1、g1、h1、i1、r、s、t、u、v、e2、f2、g2、h2から得られたA1、B1、C1、D1、E1、F1、G1、H1、I1、A2、B2、C2、D2、R、S、T、U、Vの信号を以下の演算によりフォーカス誤差信号、トラッキング誤差信号、RF信号を生成する。
【0048】
【数5】

なお、kt4は対物レンズが変位した際にトラッキング誤差信号にDC成分を発生させないようにする係数である。以上の演算により良好なRF信号、サーボ信号が検出可能である。
【0049】
次に、多層ディスクについて説明する。ここでは例として3層ディスクの表面に近い側の層(Layer2)にフォーカス制御した場合について説明を行う。3層ディスクを反射した信号光、迷光は、対物レンズ2、1/4波長板56、立ち上げミラー55、ビームエキスパンダ54、コリメートレンズ51、ビームスプリッタ52を経て偏光性回折格子11に入射する。偏光性回折格子11を回折した信号光と迷光は、偏光フィルタ101を一部透過し検出器に入射する。偏光フィルタ101は図17のような形状となっており、領域1は垂直方向の偏光成分(+1次回折光成分)のみを透過し、領域2は水平方向の偏光成分(0次回折光成分)のみを透過する特性を有している。また、領域1は受光部a1、b1、c1、d1、e1、f1、g1、h1、a2、b2、c2、d2、r、s、t、u、vに相当する領域に配置されており、領域2は受光部Oに相当する領域に配置されている。
【0050】
このような偏光フィルタ101が挿入されることにより、受光部上の信号光と迷光の関係は図18に示すようになる。ここで、実線がLayer2を反射した信号光、破線がLayer1を反射した迷光、1点鎖線がLayer0反射した迷光を示しており、斜線部は最も影響のある迷光(光量の大きい0次回折光の迷光)を示している。また、図18(a)は偏光フィルタが搭載された場合で、図18(b)は偏光フィルタがない場合を示している。このように、偏光フィルタがなければ受光部a1、b1、c1、d1、e1、f1、g1、h1、a2、b2、c2、d2、r、s、t、u、vに0次回折光の迷光成分が入射してしまう。それに対し、偏光フィルタを挿入することで受光部上の信号光と迷光を分離することが可能となる(図18矢印)。これにより、安定したサーボ信号を検出することが可能となる。また、回折角を小さくできる構成とするため検出器を小型化することも可能となる。
【0051】
本実施例では、3層ディスクで説明を行ったが、2層または3層以上であっても効果が得られることは言うまでもない。また、偏光回折格子の偏光特性はこれに限定されるわけでなく、本実施例と異なっていても偏光回折格子を用いることで同様の効果が得られることは言うまでもない。さらに、偏光フィルタは、受光部に張り付けても、離れていても同様の効果が得られることは言うまでもない。そして、偏光フィルタの形状は、本実施例の形状に限定されるわけではなく、信号光と迷光を分離できるパターンであれば同様の効果が得られることは言うまでもない。また、偏光回折格子のパターンは、本実施例に限定されるわけではなく、図19のようなパターンであっても同様の効果が得られることは言うまでもない。さらに検出器のパターンもこれに限定されることはなく受光部に入射する信号光と迷光を偏光フィルタで分離することで同様の効果が得られることは言うまでもない。また、偏光フィルタは、領域1、領域2で偏光特性の異なる偏光回折格子としても同様の効果が得られることは言うまでもない。
【実施例5】
【0052】
実施例5では、光ピックアップ装置1を搭載した、光学的情報再生装置について説明する。図20は光学的情報再生装置の概略構成である。光ピックアップ装置1は、光ディスク100の半径方向に沿って駆動できる機構が設けられており、アクセス制御回路173からのアクセス制御信号に応じて位置制御される。
レーザ点灯回路177からは所定のレーザ駆動電流が光ピックアップ装置1内の半導体レーザに供給され、半導体レーザからは再生に応じて所定の光量でレーザ光が出射される。なお、レーザ点灯回路177は光ピックアップ装置1内に組み込むこともできる。
【0053】
光ピックアップ装置1内の光検出器から出力された信号は、サーボ信号生成回路174および情報信号再生回路175に送られる。サーボ信号生成回路174では前記光検出器からの信号に基づいてフォーカス誤差信号、トラッキング誤差信号ならびにチルト制御信号などのサーボ信号が生成され、これを基にアクチュエータ駆動回路173を経て光ピックアップ装置1内のアクチュエータを駆動して、対物レンズの位置制御がなされる。
【0054】
前記情報信号再生回路175では、前記光検出器からの信号に基づいて光ディスク100に記録されている情報信号が再生される。
前記サーボ信号生成回路174および情報信号再生回路175で得られた信号の一部はコントロール回路176に送られる。このコントロール回路176にはスピンドルモータ駆動回路171、アクセス制御回路173、サーボ信号生成回路174、レーザ点灯回路177、球面収差補正素子駆動回路179などが接続され、光ディスク100を回転させるスピンドルモータ180の回転制御、アクセス方向およびアクセス位置の制御、対物レンズのサーボ制御、光ピックアップ装置1内の半導体レーザ発光光量の制御、ディスク基板厚さの違いによる球面収差の補正などが行われる。
【実施例6】
【0055】
実施例6では、光ピックアップ装置1を搭載した、光学的情報記録再生装置について説明する。図21は光学的情報記録再生装置の概略構成である。この装置で前記図20に説明した光学的情報記録再生装置と相違する点は、コントロール回路176とレーザ点灯回路177の間に情報信号記録回路178を設け、情報信号記録回路178からの記録制御信号に基づいてレーザ点灯回路177の点灯制御を行って、光ディスク100へ所望の情報を書き込む機能が付加されている点である。
【0056】
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
【符号の説明】
【0057】
2:対物レンズ、5:アクチュエータ、10:検出器、11:回折格子、50:半導体レーザ、51:コリメートレンズ、52:ビームスプリッタ、53:フロントモニタ、54:ビームエキスパンダ、55:立ち上げミラー、56:1/4波長板、57:検出レンズ、100:光ディスク、101:偏光フィルタ、171:スピンドルモータ回路、172:アクセス制御回路、173:アクチュエータ駆動回路、174:サーボ信号生成回路、175:情報信号再生回路、176:コントロール回路、177:レーザ点灯回路、178:情報記録回路、179:球面収差補正素子駆動回路、180:スピンドルモータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光ピックアップ装置であって、
レーザ光を出射する半導体レーザと、
前記半導体レーザから出射された光束を光ディスクに照射する対物レンズと、
前記光束を分岐する回折格子と、
前記回折格子により分岐された光束を受光する複数の受光部を有する光検出器を備え、
前記対物レンズと光検出器の間に所定の偏光成分の光束を透過する偏光素子を搭載していることを特徴とする光ピックアップ装置。
【請求項2】
請求項1記載の光ピックアップ装置において、
前記偏光素子は、前記所定の偏光成分と略直交する偏光成分の光束を反射もしくは吸収もしくは回折することを特徴とする光ピックアップ装置。
【請求項3】
請求項1又は2記載の光ピックアップ装置であって、
前記偏光素子は前記回折格子と前記光検出器の間に配置されていることを特徴とする光ピックアップ装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか一項記載の光ピックアップ装置であって、
前記偏光素子は検光子であることを特徴とする光ピックアップ装置。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか一項記載の光ピックアップ装置であって、
前記偏光素子は偏光フィルタであることを特徴とする光ピックアップ装置。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれか一項記載の光ピックアップ装置であって、
前記回折格子を透過する透過光もしくは0次回折光と、前記回折格子で回折された±1次回折光の偏光が略直交していることを特徴とする光ピックアップ装置。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれか一項記載の光ピックアップ装置であって、
前記偏光素子は、少なくとも2つ以上の偏光特性の異なる領域を有していることを特徴とする光ピックアップ装置。
【請求項8】
請求項1から請求項7のいずれか一項記載の光ピックアップ装置であって、
前記回折格子で回折された±1次回折光もしくは+1次回折光もしくは−1次回折光を検出する受光部に入射する前記回折格子の0次回折光もしくは前記回折格子を透過する透過光は、前記偏光素子により減光されることを特徴する光ピックアップ装置。
【請求項9】
請求項1から請求項8のいずれか一項記載の光ピックアップ装置であって、
前記回折格子の0次回折光もしくは前記回折格子を透過する透過光を検出する受光部に入射する前記回折格子で回折された±1次回折光もしくは+1次回折光もしくは−1次回折光は、前記偏光素子により減光されることを特徴する光ピックアップ装置。
【請求項10】
請求項1から請求項9のいずれか一項記載の光ピックアップ装置であって、
前記偏光素子はフォトニック結晶であることを特徴とする光ピックアップ装置。
【請求項11】
請求項1から請求項10のいずれか一項記載の光ピックアップ装置であって、
前記偏光素子は偏光回折格子であることを特徴とする光ピックアップ装置。
【請求項12】
請求項1から請求項11のいずれか一項記載の光ピックアップ装置であって、
前記回折格子は偏光回折格子であることを特徴とする光ピックアップ装置。
【請求項13】
請求項1から請求項12のいずれか一項記載の光ピックアップ装置であって、
前記回折格子を回折した0次回折光を再生信号に用いることを特徴とする光ピックアップ装置。
【請求項14】
請求項1から請求項13のいずれか一項記載の光ピックアップ装置と、
前記光ピックアップ装置内における前記半導体レーザを駆動するレーザ点灯回路と、
前記光ピックアップ装置内の前記光検出器から検出された信号を用いてフォーカス誤差信号やトラッキング誤差信号を生成するサーボ信号生成回路と、
光ディスクに記録された情報信号を再生する情報信号再生回路と、
を搭載した光ディスク装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2011−65699(P2011−65699A)
【公開日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−214010(P2009−214010)
【出願日】平成21年9月16日(2009.9.16)
【出願人】(000153535)株式会社日立メディアエレクトロニクス (452)
【Fターム(参考)】