説明

光ピックアップ

【課題】RF信号のS/N比が良好となり、光ディスクの再生品質を向上できる光ピックアップを提供する。
【解決手段】レーザダイオードから射出され対物レンズにより光ディスクに集光され光ディスクで反射されたレーザビームは対物レンズを通過後、回折光学素子5が有する領域5a、5b、5c、5dに分割された回折面に入射し、各領域で0次光と1次光に分割され、各1次光は各々が分割された受光面9a、9c、9d、9bで受光され、各0次光は分割されていない受光面9eで受光される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ディスク装置に備えられる光ピックアップに関する。
【背景技術】
【0002】
CD、DVD、BD、HD−DVD等の光ディスクを用いた記録再生を行う光ディスク装置には、光ピックアップが備えられる。光ピックアップは例えば、レーザダイオード、対物レンズ、ミラー等の各光学素子、光検出器を有する構成であり、レーザダイオードから射出され対物レンズにより光ディスクに集光されたレーザビームは光ディスクで反射し、対物レンズを通過し、各光学素子を通過し、光検出器が有する受光面で受光される。受光面は田の字状に4分割され、受光面の各領域で検出される電気信号からサーボ信号やRF信号が検出される。RF信号に基づき情報の再生が行われる。
【0003】
また、受光面の分割された各領域で検出される電気信号に基づき光検出器の位置が検出されるので、これを利用して光ピックアップの製造工程における光検出器の配置調整が行われる。
【0004】
なお、光検出器の配置調整については例えば下記特許文献1に開示されている。
【特許文献1】特開2005−276391号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記従来の光ピックアップでは、RF信号を検出するのに、受光面の分割された各領域で検出される電気信号を電流−電圧変換する回路や電圧信号を増幅する増幅回路が分割数だけ必要であり、さらに増幅された電圧信号を加算する回路も必要であるため、ノイズが大きくなりやすく、RF信号のS/N比が悪化し、光ディスク(特に低反射率ディスク(相変化型ディスク、2層ディスク等))の再生品質が劣化するという問題がある。
【0006】
本発明は上記問題点を鑑みてなされたもので、RF信号のS/N比が良好となり、光ディスクの再生品質を向上できる光ピックアップを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために本発明の光ピックアップは、
光源と、該光源が射出した光ビームを光ディスクに集光させる対物レンズと、回折光学素子と、光検出器と、前記対物レンズおよび前記回折光学素子を一体でフォーカス方向およびトラッキング方向に駆動させる駆動手段と、を備えた光ピックアップであって、
前記回折光学素子は回折面を有し、前記回折面は複数の領域に分割され、前記光ディスクで反射された前記光ビームは前記対物レンズを通過後、前記回折面に入射し、前記回折面の各領域で0次光と1次光に分割され、
前記回折面の各領域から射出される各1次光は、前記光検出器が有する各々が分割されている各受光面で受光され、
前記回折面の各領域から射出される各0次光は、前記光検出器が有する分割されていない一つの受光面で受光される、
ことを特徴としている。
【0008】
このような構成によれば、1次光を用いてフォーカスエラー信号、トラッキングエラー信号および光検出器の位置を表す信号を検出でき、各サーボおよび光検出器の配置調整ができる。そして、0次光をRF信号検出に用いることができ、0次光は分割されていない受光面で受光されるので、0次光に基づくRF信号のS/N比が良好となり、光ディスクの再生品質を向上できる。
【0009】
また、本発明の光ピックアップは、
光源と、該光源が射出した光ビームを光ディスクに集光させる対物レンズと、回折光学素子と、光検出器と、前記対物レンズおよび前記回折光学素子を一体でフォーカス方向およびトラッキング方向に駆動させる駆動手段と、を備えた光ピックアップであって、
前記回折光学素子は円形状の回折面を有し、該回折面はラジアル方向およびタンデンシャル方向の分割線により第一の領域と第二の領域と第三の領域と第四の領域とに四等分され、前記第一の領域と前記第二の領域とが対角に配置され、前記第三の領域と前記第四の領域とが対角に配置され、前記光ディスクで反射された前記光ビームは前記対物レンズを通過後、前記回折面に入射し、前記回折面の各領域で0次光と1次光に分割され、
前記光検出器は第一の受光面と第二の受光面と第三の受光面と第四の受光面と第五の受光面とを有し、
前記対物レンズにより集光される前記光ビームが前記光ディスクの記録面上に合焦するときに、前記第一の領域から射出される1次光は焦点を結んでから前記第一の受光面で受光され、タンデンシャル方向およびラジアル方向の線分と円弧とを有し1/4円形状である第一のスポットが前記第一の受光面に形成され、
前記対物レンズにより集光される前記光ビームが前記光ディスクの記録面上に合焦するときに、前記第二の領域から射出される1次光は焦点を結んでから前記第二の受光面で受光され、タンデンシャル方向およびラジアル方向の線分と円弧とを有し1/4円形状である第二のスポットが前記第二の受光面に形成され、
前記対物レンズにより集光される前記光ビームが前記光ディスクの記録面上に合焦するときに、前記第三の領域から射出される1次光は焦点を結ぶ前に前記第三の受光面で受光され、タンデンシャル方向およびラジアル方向の線分と円弧とを有し1/4円形状である第三のスポットが前記第三の受光面に形成され、
前記対物レンズにより集光される前記光ビームが前記光ディスクの記録面上に合焦するときに、前記第四の領域から射出される1次光は焦点を結ぶ前に前記第四の受光面で受光され、タンデンシャル方向およびラジアル方向の線分と円弧とを有し1/4円形状である第四のスポットが前記第四の受光面に形成され、
前記第一の受光面には、前記第一の受光面の端部から前記第一のスポットが有する円弧を通って前記第一のスポット上までタンデンシャル方向に伸びるような第一の分割線と、該第一の分割線が有する前記第一のスポット上の端点を通り前記第一の受光面の端部から端部までラジアル方向に伸びるような第二の分割線とが設けられ、
前記第二の受光面には、前記第二の受光面の端部から前記第二のスポットが有する円弧を通って前記第二のスポット上までタンデンシャル方向に伸びるような第三の分割線と、該第三の分割線が有する前記第二のスポット上の端点を通り前記第二の受光面の端部から端部までラジアル方向に伸びるような第四の分割線とが設けられ、
前記第三の受光面には、前記第三のスポット上を通り前記第三の受光面の端部から端部までラジアル方向に伸びるような第五の分割線が設けられ、
前記第四の受光面には、前記第四のスポット上を通り前記第四の受光面の端部から端部までラジアル方向に伸びるような第六の分割線が設けられ、
前記回折面の各領域から射出される各0次光が分割されていない前記第五の受光面で受光される、
ことを特徴としている。
【0010】
このような構成によれば、光検出器で受光される1次光により、いわゆるスポットサイズ方式によるフォーカスエラー信号および光検出器のラジアル方向位置、タンデンシャル方向位置、回転方向位置の各位置を表す信号が検出でき、上記フォーカスエラー信号に基づくフォーカスサーボを行った状態で上記光検出器の各位置を表す信号をモニタすることで光検出器の配置調整が行える。また、光検出器で受光される1次光により、いわゆるCFF(Correct Far Field)方式およびDPD方式によるトラッキングエラー信号を検出でき、このいずれかの方式によるトラッキングエラー信号を用いたトラッキングサーボが行える。これらのトラッキングエラー信号は光検出器のずれの影響を受けにくく、トラッキング性能の悪化を抑えられる。そして、RF信号検出のための0次光は分割されていない受光面で受光されるので、0次光に基づくRF信号はS/N比が良好となり、光ディスクの再生品質を向上できる。
【0011】
また、本発明の光ピックアップでは、上記構成において、
前記第一の受光面には、前記第一のスポットが有するラジアル方向の線分を挟んで前記第二の分割線と対向し前記第一の受光面の端部から端部までラジアル方向に伸びるような分割線が設けられ、
前記第二の受光面には、前記第二のスポットが有するラジアル方向の線分を挟んで前記第四の分割線と対向し前記第二の受光面の端部から端部までラジアル方向に伸びるような分割線が設けられ、
前記第三の受光面には、前記第三のスポットが有するラジアル方向の線分を挟んで前記第五の分割線と対向し前記第三の受光面の端部から端部までラジアル方向に伸びるような分割線が設けられ、
前記第四の受光面には、前記第四のスポットが有するラジアル方向の線分を挟んで前記第六の分割線と対向し前記第四の受光面の端部から端部までラジアル方向に伸びるような分割線が設けられる、
ことが望ましい。
【0012】
このような構成の受光面から得られるフォーカスエラー信号を用いてフォーカスサーボを行うことで、2層ディスクを再生した場合の再生品質の悪化を防ぐことができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明の光ピックアップによれば、RF信号のS/N比が良好となり、光ディスクの再生品質を向上できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態について図面を参照しながら説明する。図1に、本発明に係る光ディスク装置の構成のうち光ピックアップ1およびサーボ系の構成を示す。
【0015】
光ピックアップ1は、レーザダイオード2、コリメータレンズ3、ハーフミラー4、回折光学素子5、対物レンズ6、アクチュエータ8、光検出器9を有する。アクチュエータ8は、対物レンズ6および回折光学素子5を保持するレンズホルダ、フォーカスコイル、トラッキングコイル、マグネット等を有し、対物レンズ6および回折光学素子5を一体でフォーカス方向およびトラッキング方向に駆動させる。
【0016】
レーザダイオード2は、再生する光ディスクに対応する波長のレーザビームをコリメータレンズ3へ射出し、コリメータレンズ3は、入射されるレーザビームを平行光にする。ハーフミラー4は、コリメータレンズ3から入射されるレーザビームを回折光学素子5へ反射し、回折光学素子5を通過したレーザビームは対物レンズ6により光ディスク10に集光される。そして、光ディスク10で反射されたレーザビームは対物レンズ6を通過し、回折光学素子5により0次光および1次光に分割される。回折光学素子5から射出される0次光および1次光はハーフミラー4を透過し、光検出器9で受光される。
【0017】
図2に、回折光学素子5におけるレーザビームの分割および光検出器9における受光の様子を示す。ただし、図2は、対物レンズ6により集光されるレーザビームが光ディスク10の記録面上に合焦し、対物レンズ6がトラッキング方向の中立位置にある状態での図である。
【0018】
回折光学素子5が有する円形状である回折面は、ラジアル方向の分割線およびタンジェンシャル方向の分割線により領域5a、5b、5c、5dに4等分される。また、光検出器9は、同一基板上に四角形状の各受光面9a、9b、9c、9d、9eが形成される構成であり、0次光用の受光面9e、1次光用の受光面9a、9c、9d、9bの順にラジアル方向に配列される。
【0019】
光ディスク10で反射され対物レンズ6を通過したレーザビームは回折光学素子5が有する回折面に入射し、各領域5a、5b、5c、5dで0次光と1次光に分割される。各領域5a、5b、5c、5dから射出される各0次光L0は分割されていない受光面9eで受光され、受光面上で円形状のスポットSeを形成する。スポットSeは受光面9eで電流信号に変換され、この電流信号は光ピックアップ1外部の電流−電圧変換回路および増幅回路によりRF信号に変換され、このRF信号に基づき情報の再生が行われる。
【0020】
また、対物レンズ6により集光されるレーザビームが光ディスク10の記録面上に合焦した状態で、回折光学素子5が有する回折面の対角に配置された領域5aおよび領域5cから射出される1次光L1は、それぞれ受光面9aおよび受光面9cに到達する前に焦点を結び、受光面9aおよび受光面9cで受光される。受光面9a、9cにはタンデンシャル方向およびラジアル方向の線分と円弧を有する1/4円形状のスポットSa、Scが形成され、スポットScはスポットSaを180°回転させた形状となる。
【0021】
また、対物レンズ6により集光されるレーザビームが光ディスク10の記録面上に合焦した状態で、回折光学素子5が有する回折面の対角に配置された領域5dおよび領域5bから射出される1次光L1は、それぞれ焦点を結ぶ前に受光面9dおよび受光面9bで受光される。受光面9d、9bにはタンデンシャル方向およびラジアル方向の線分と円弧を有する1/4円形状のスポットSd、Sbが形成され、スポットSbはスポットSdを180°回転させた形状となる。そして、各スポットSa、Sc、Sd、Sbの面積は等しく、各スポットSa、Sc、Sd、Sbが有するラジアル方向の線分は同一線上に位置される。
【0022】
対物レンズ6により集光されるレーザビームが光ディスク10の記録面上に合焦し、対物レンズ6がトラッキング方向の中立位置にある状態(図2の状態)で、受光面9a端部からスポットSaの円弧を通ってスポットSa上までタンデンシャル方向に伸びるような分割線DL1が受光面9aに設けられる。また、分割線DL1のスポットSa上の端点を通り受光面9aの端部から端部までラジアル方向に伸びるような分割線DL2が受光面9aに設けられる。これら分割線DL1、DL2によって受光面9aは領域A、B、Cに分割される。
【0023】
また、対物レンズ6により集光されるレーザビームが光ディスク10の記録面上に合焦し、対物レンズ6がトラッキング方向の中立位置にある状態(図2の状態)で、受光面9c端部からスポットScの円弧を通ってスポットSc上までタンデンシャル方向に伸びるような分割線DL3が受光面9cに設けられる。また、分割線DL3のスポットSc上の端点を通り受光面9cの端部から端部までラジアル方向に伸びるような分割線DL4が受光面9cに設けられる。これら分割線DL3、DL4によって受光面9cは領域F、G、Hに分割される。また、図2の状態で、領域AとH、領域BとG、領域CとFとでスポットの面積は等しい。
【0024】
また、対物レンズ6により集光されるレーザビームが光ディスク10の記録面上に合焦し、対物レンズ6がトラッキング方向の中立位置にある状態(図2の状態)で、スポットSd上を通り受光面9dの端部から端部までラジアル方向に伸びるような分割線DL5が受光面9dに設けられる。この分割線DL5によって受光面9dは領域I、Jに分割される。
【0025】
また、対物レンズ6により集光されるレーザビームが光ディスク10の記録面上に合焦し、対物レンズ6がトラッキング方向の中立位置にある状態(図2の状態)で、スポットSb上を通り受光面9bの端部から端部までラジアル方向に伸びるような分割線DL6が受光面9bに設けられる。この分割線DL6によって受光面9bは領域M、Nに分割される。また、図2の状態で、領域IとN、領域JとMとでスポットの面積は等しく、領域C、F、J、Mのスポットの面積は等しい。
【0026】
ここで、以上のような受光面の各領域で検出される検出信号の強度を各領域の記号と同一記号で以下表すとすると、いわゆるスポットサイズ方式によるフォーカスエラー信号SSDは(1)式のように表される。
SSD=((A+B+G+H)−(C+F))−((I+N)−(J+M))
=(A+B+G+H+J+M)−(C+F+I+N) (1)
【0027】
(1)式より、対物レンズ6により集光されるレーザビームが光ディスク10の記録面上に合焦している場合、フォーカスエラー信号SSDは0となるが、光ディスク10の記録面のぶれにより対物レンズ6と記録面との距離が変化し焦点が外れると、受光面9a、9c上のスポットSa、Scが合焦時よりも線分が伸びてサイズが大きくなり、受光面9d、9b上のスポットSd、Sbが合焦時よりも線分が縮みサイズが小さくなり、フォーカスエラー信号SSDが正値となるか、または、受光面9a、9c上のスポットSa、Scが合焦時よりも線分が縮みサイズが小さくなり、受光面9d、9b上のスポットSd、Sbが合焦時よりも線分が伸びてサイズが大きくなり、フォーカスエラー信号SSDが負値となる。よって、光ディスク10の再生中、光検出器9からの検出信号に基づき演算回路11(図1参照)で演算されるフォーカスエラー信号SSDを0とするよう、サーボ回路12がアクチュエータドライバ13を介してアクチュエータ8に駆動信号を送信し、対物レンズ6をフォーカス方向に駆動する。光ディスク10の再生中、このようなフォーカスサーボがされることにより、対物レンズ6により集光されるレーザビームが光ディスク10の記録面上に合焦する。
【0028】
また、いわゆるCFF(Correct Far Field)方式によるトラッキングエラー信号CFFは、(2)式で表される。
CFF=(A+B+C+I+J)−(F+G+H+M+N) (2)
【0029】
また、いわゆるDPD方式によるトラッキングエラー信号DPDは、(3)式で表される。
DPD=(A+B+C+F+G+H)φ(I+J+M+N) (3)
ただし、φは位相差であることを表す。
【0030】
よって、光ディスク10の再生中、光検出器9からの検出信号に基づき演算回路11(図1参照)で演算されるトラッキングエラー信号CFFまたはDPDを0とするよう、サーボ回路12がアクチュエータドライバ13を介してアクチュエータ8に駆動信号を送信し、対物レンズ6をトラッキング方向に駆動する。光ディスク10の再生中、このようなトラッキングサーボがされることにより、対物レンズ6により集光されるレーザビームが光ディスク10のトラックに追従する。なお、上記(2)式、(3)式から分かるようにトラッキングエラー信号CFFおよびDPDは、光検出器9が多少ずれて受光面がずれても影響を受けることはなく、トラッキング性能は劣化しない。
【0031】
ここで、(4)式で表されるような信号PD−Xを考える。
PD−X=(B+H)−(A+G) (4)
【0032】
対物レンズ6により集光されるレーザビームが光ディスク10の記録面上に合焦し、対物レンズ6がトラッキング方向の中立位置にある状態(図2の状態)で、上記信号PD−Xは0となる。ここで、光検出器9がラジアル方向にずれたとすると、図3のようにずれ量に応じて線形に上記信号PD−Xに正値または負値が現れる。よって、上記信号PD−Xにより光検出器9のラジアル方向位置を検出できる。
【0033】
また、(5)式で表されるような信号PD−Yを考える。
PD−Y=(A+B+F)−(C+G+H) (5)
【0034】
対物レンズ6により集光されるレーザビームが光ディスク10の記録面上に合焦し、対物レンズ6がトラッキング方向の中立位置にある状態(図2の状態)で、上記信号PD−Yは0となる。ここで、光検出器9がタンデンシャル方向にずれたとすると、図4のようにずれ量に応じて線形に上記信号PD−Yに正値または負値が現れる。よって、上記信号PD−Yにより光検出器9のタンデンシャル方向位置を検出できる。
【0035】
また、(6)式で表されるような信号PD−θを考える。
PD−θ=(I+M)−(J+N) (6)
【0036】
対物レンズ6により集光されるレーザビームが光ディスク10の記録面上に合焦し、対物レンズ6がトラッキング方向の中立位置にある状態(図2の状態)で、上記信号PD−θは0となる。ここで、図2の状態でのスポットSaおよびScそれぞれの中心点を結ぶ線分の中点周りに光検出器9が回転してずれたとすると、図5のように回転ずれ量に応じて上記信号PD−θに正値または負値が現れる。よって、上記信号PD−θにより光検出器9の回転方向位置を検出できる。
【0037】
本発明に係る光ピックアップの製造工程における光検出器9の配置調整は、上記のPD−X、PD−Y、PD−θを用いて次のように行う。まず、光ディスク10にレーザを照射し上記フォーカスエラー信号SSDを0とするように対物レンズ6をアクチュエータ8によりフォーカス方向に駆動させて、フォーカスサーボを行った状態としておく。そして、まずPD−Xをモニタしつつ、これが0となるように光検出器9をラジアル方向に移動調整する。次に、PD−Yをモニタしつつ、これが0となるように光検出器9をタンデンシャル方向に移動調整する。そして、最後にPD−θをモニタしつつ、これが0となるように光検出器9を回転調整する。
【0038】
このように、1次光を用いて光検出器の配置調整および各種サーボを行え、RF信号検出のための0次光は分割されていない受光面で受光されるので、0次光に基づくRF信号のS/N比は良好となり、光ディスクの再生品質を向上できる。
【0039】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。光ピックアップおよびサーボ系の構成は第1実施形態(図1)と同様であり、本実施形態では、光検出器9が有する受光面の分割形態が第1実施形態と異なる。
【0040】
図6に、回折光学素子5におけるレーザビームの分割および光検出器9における受光の様子を示す。ただし、図6は、対物レンズ6により集光されるレーザビームが光ディスク10の記録面上に合焦し、対物レンズ6がトラッキング方向の中立位置にある状態での図である。
【0041】
回折光学素子5が有する円形状である回折面は、ラジアル方向の分割線およびタンジェンシャル方向の分割線により領域5a、5b、5c、5dに4等分される。また、光検出器9は、同一基板上に四角形状の各受光面9a、9b、9c、9d、9eが形成される構成であり、0次光用の受光面9e、1次光用の受光面9a、9c、9d、9bの順にラジアル方向に配列される。
【0042】
光ディスク10で反射され対物レンズ6を通過したレーザビームは回折光学素子5が有する回折面に入射し、各領域5a、5b、5c、5dで0次光と1次光に分割される。各領域5a、5b、5c、5dから射出される各0次光L0は分割されていない受光面9eで受光され、受光面上で円形状のスポットSeを形成する。スポットSeは受光面9eで電流信号に変換され、この電流信号は光ピックアップ1外部の電流−電圧変換回路および増幅回路によりRF信号に変換され、このRF信号に基づき情報の再生が行われる。
【0043】
また、対物レンズ6により集光されるレーザビームが光ディスク10の記録面上に合焦した状態で、回折光学素子5が有する回折面の対角に配置された領域5aおよび領域5cから射出される1次光L1は、それぞれ受光面9aおよび受光面9cに到達する前に焦点を結び、受光面9aおよび受光面9cで受光される。受光面9a、9cにはタンデンシャル方向およびラジアル方向の線分と円弧を有する1/4円形状のスポットSa、Scが形成され、スポットScはスポットSaを180°回転させた形状となる。
【0044】
また、対物レンズ6により集光されるレーザビームが光ディスク10の記録面上に合焦した状態で、回折光学素子5が有する回折面の対角に配置された領域5dおよび領域5bから射出される1次光L1は、それぞれ焦点を結ぶ前に受光面9dおよび受光面9bで受光される。受光面9d、9bにはタンデンシャル方向およびラジアル方向の線分と円弧を有する1/4円形状のスポットSd、Sbが形成され、スポットSbはスポットSdを180°回転させた形状となる。そして、各スポットSa、Sc、Sd、Sbの面積は等しく、各スポットSa、Sc、Sd、Sbが有するラジアル方向の線分は同一線上に位置される。
【0045】
対物レンズ6により集光されるレーザビームが光ディスク10の記録面上に合焦し、対物レンズ6がトラッキング方向の中立位置にある状態(図6の状態)で、受光面9a端部からスポットSaの円弧を通ってスポットSa上までタンデンシャル方向に伸びるような分割線DL1が受光面9aに設けられる。また、分割線DL1のスポットSa上の端点を通り受光面9aの端部から端部までラジアル方向に伸びるような分割線DL2が受光面9aに設けられる。また、スポットSaが有するラジアル方向の線分を挟んで分割線DL2と対向し受光面9aの端部から端部までラジアル方向に伸びるような分割線DL7が受光面9aに設けられる。これら分割線DL1、DL2、DL7によって受光面9aは領域A、B、C、Dに分割される。
【0046】
また、対物レンズ6により集光されるレーザビームが光ディスク10の記録面上に合焦し、対物レンズ6がトラッキング方向の中立位置にある状態(図6の状態)で、受光面9c端部からスポットScの円弧を通ってスポットSc上までタンデンシャル方向に伸びるような分割線DL3が受光面9cに設けられる。また、分割線DL3のスポットSc上の端点を通り受光面9cの端部から端部までラジアル方向に伸びるような分割線DL4が受光面9cに設けられる。また、スポットScが有するラジアル方向の線分を挟んで分割線DL4と対向し受光面9cの端部から端部までラジアル方向に伸びるような分割線DL8が受光面9cに設けられる。これら分割線DL3、DL4、DL8によって受光面9cは領域E、F、G、Hに分割される。また、図6の状態で、領域AとH、領域BとG、領域CとFとでスポットの面積は等しい。
【0047】
また、対物レンズ6により集光されるレーザビームが光ディスク10の記録面上に合焦し、対物レンズ6がトラッキング方向の中立位置にある状態(図6の状態)で、スポットSd上を通り受光面9dの端部から端部までラジアル方向に伸びるような分割線DL5が受光面9dに設けられる。また、スポットSdが有するラジアル方向の線分を挟んで分割線DL5と対向し受光面9dの端部から端部までラジアル方向に伸びるような分割線DL9が受光面9dに設けられる。この分割線DL5、DL9によって受光面9dは領域I、J、Kに分割される。
【0048】
また、対物レンズ6により集光されるレーザビームが光ディスク10の記録面上に合焦し、対物レンズ6がトラッキング方向の中立位置にある状態(図6の状態)で、スポットSb上を通り受光面9bの端部から端部までラジアル方向に伸びるような分割線DL6が受光面9bに設けられる。また、スポットSbが有するラジアル方向の線分を挟んで分割線DL6と対向し受光面9bの端部から端部までラジアル方向に伸びるような分割線DL10が受光面9bに設けられる。この分割線DL6、DL10によって受光面9bは領域L、M、Nに分割される。また、図6の状態で、領域IとN、領域JとMとでスポットの面積は等しく、領域C、F、J、Mのスポットの面積は等しい。
【0049】
ここで、図7に、第1実施形態において、光ディスク10が2層ディスクの場合に、光ディスク10に対する対物レンズ6のフォーカス方向位置を変化させたときの上記(1)式で表されるフォーカスエラー信号の挙動を実線の波形で示す。また、図7中、点線の波形は、2つある記録面のうち対物レンズ6に近い側の記録面(1層目の記録面)のみ光ディスク10が有しているとした場合の上記(1)式で表されるフォーカスエラー信号の挙動を示し、一点鎖線の波形は、2つある記録面のうち対物レンズ6から遠い側の記録面(2層目の記録面)のみ光ディスク10が有しているとした場合の上記(1)式で表されるフォーカスエラー信号の挙動を示す。従って、実線の波形は、点線の波形と一点鎖線の波形との和となる。
【0050】
点線の波形においてフォーカスエラー信号が0となる対物レンズ6のフォーカス方向位置は、対物レンズ6により集光されるレーザビームが1層目の記録面上に合焦するような対物レンズ6のフォーカス方向位置を表している。このような対物レンズ6のフォーカス方向位置付近では、一点鎖線の波形の裾野におけるフォーカスエラー信号がプラス値であるため、実線の波形は点線の波形を図7中上側へ持ち上げたような形となり、実線の波形においてフォーカスエラー信号が0となる対物レンズ6のフォーカス方向位置は、上記の対物レンズ6により集光されるレーザビームが1層目の記録面上に合焦するような対物レンズ6のフォーカス方向位置とはずれる(このずれを図7中、フォーカスオフセットとして図示)。2層ディスクの再生時は、実線の波形で表されるフォーカスエラー信号が0となるようフォーカスサーボがされるので、対物レンズ6により集光されるレーザビームが1層目の記録面上に合焦するような対物レンズ6のフォーカス方向位置とはずれた位置に対物レンズ6が制御され、対物レンズ6により集光されるレーザビームが1層目の記録面上に合焦せず、1層目の再生品質が悪化してしまう。
【0051】
また、一点鎖線の波形においてフォーカスエラー信号が0となる対物レンズ6のフォーカス方向位置は、対物レンズ6により集光されるレーザビームが2層目の記録面上に合焦するような対物レンズ6のフォーカス方向位置を表している。このような対物レンズ6のフォーカス方向位置付近では、点線の波形の裾野におけるフォーカスエラー信号がマイナス値であるため、実線の波形は一点鎖線の波形を図7中下側へ持ち下げたような形となり、実線の波形においてフォーカスエラー信号が0となる対物レンズ6のフォーカス方向位置は、上記の対物レンズ6により集光されるレーザビームが2層目の記録面上に合焦するような対物レンズ6のフォーカス方向位置とはずれる(このずれを図7中、フォーカスオフセットとして図示)。2層ディスクの再生時は、実線の波形で表されるフォーカスエラー信号が0となるようフォーカスサーボがされるので、対物レンズ6により集光されるレーザビームが2層目の記録面上に合焦するような対物レンズ6のフォーカス方向位置とはずれた位置に対物レンズ6が制御され、対物レンズ6により集光されるレーザビームが2層目の記録面上に合焦せず、2層目の再生品質が悪化してしまう。
【0052】
上記のように第1実施形態では、2層ディスクを再生する場合に再生品質が悪化するという問題がある(なお、1層ディスクの再生については問題なし)。その原因は、図7中の点線および一点鎖線の波形の裾野が大きく、点線および一点鎖線の波形が干渉することである。ここで、対物レンズ6により集光されるレーザビームが記録面上に合焦するような対物レンズ6のフォーカス方向位置から大きく離れた位置に対物レンズ6がある場合、受光面9aおよび9c上のスポットSaおよびScが図2のような状態からそれぞれ180°回転させたような状態となり領域CおよびFのみにスポットが位置するか、または、受光面9dおよび9b上のスポットSdおよびSbが図2のような状態からそれぞれ180°回転させたような状態となり領域JおよびMのみにスポットが位置する。このようなときの上記(1)式で表されるフォーカスエラー信号が、図7中の点線および一点鎖線の波形の裾野が大きいことに影響している。
【0053】
そこで、第2実施形態では、第1実施形態における領域C、F、J、Mをさらに分割し、前述した図3のように領域C、D、E、F、J、K、L、Mを設け、フォーカスエラー信号は下記(7)式で表す。
SSD'=(A+B+D+E+G+H+J+M)−(C+F+I+K+L+N) (7)
【0054】
そして、光ディスク10の再生中、光検出器9からの検出信号に基づき演算回路11(図1参照)で演算されるフォーカスエラー信号SSD'を0とするよう、サーボ回路12がアクチュエータドライバ13を介してアクチュエータ8に駆動信号を送信し、対物レンズ6をフォーカス方向に駆動することで、フォーカスサーボが行われる。
【0055】
ここで、図8に、光ディスク10が2層ディスクの場合に、光ディスク10に対する対物レンズ6のフォーカス方向位置を変化させたときの上記(7)式で表されるフォーカスエラー信号の挙動を実線の波形で示す。また、図8中、点線の波形は、1層目の記録面のみ光ディスク10が有しているとした場合の上記(7)式で表されるフォーカスエラー信号の挙動を示し、一点鎖線の波形は、2層目の記録面のみ光ディスク10が有しているとした場合の上記(7)式で表されるフォーカスエラー信号の挙動を示す。従って、実線の波形は、点線の波形と一点鎖線の波形との和となる。
【0056】
点線の波形においてフォーカスエラー信号が0となる対物レンズ6のフォーカス方向位置は、対物レンズ6により集光されるレーザビームが1層目の記録面上に合焦するような対物レンズ6のフォーカス方向位置を表している。ここで、一点鎖線の波形の裾野は前述した第1実施形態(図7)よりも小さくなっている。そのため、対物レンズ6により集光されるレーザビームが1層目の記録面上に合焦するような対物レンズ6のフォーカス方向位置付近では、一点鎖線におけるフォーカスエラー信号はほぼ0であり、実線の波形は点線の波形とほぼ重なり、実線の波形においてフォーカスエラー信号が0となる対物レンズ6のフォーカス方向位置は、上記の対物レンズ6により集光されるレーザビームが1層目の記録面上に合焦するような対物レンズ6のフォーカス方向位置とはずれない(図8中、フォーカスオフセット無しとして図示)。2層ディスクの再生時は、実線の波形で表されるフォーカスエラー信号が0となるようフォーカスサーボがされるので、対物レンズ6により集光されるレーザビームが1層目の記録面上に合焦するような対物レンズ6のフォーカス方向位置に対物レンズ6は制御されることとなり、対物レンズ6により集光されるレーザビームは1層目の記録面上に合焦するので、1層目の再生品質が悪化することはない。
【0057】
また、一点鎖線の波形においてフォーカスエラー信号が0となる対物レンズ6のフォーカス方向位置は、対物レンズ6により集光されるレーザビームが2層目の記録面上に合焦するような対物レンズ6のフォーカス方向位置を表している。ここで、点線の波形の裾野は前述した第1実施形態(図7)よりも小さくなっている。そのため、対物レンズ6により集光されるレーザビームが2層目の記録面上に合焦するような対物レンズ6のフォーカス方向位置付近では、点線におけるフォーカスエラー信号はほぼ0であり、実線の波形は一点鎖線の波形とほぼ重なり、実線の波形においてフォーカスエラー信号が0となる対物レンズ6のフォーカス方向位置は、上記の対物レンズ6により集光されるレーザビームが2層目の記録面上に合焦するような対物レンズ6のフォーカス方向位置とはずれない(図8中、フォーカスオフセット無しとして図示)。2層ディスクの再生時は、実線の波形で表されるフォーカスエラー信号が0となるようフォーカスサーボがされるので、対物レンズ6により集光されるレーザビームが2層目の記録面上に合焦するような対物レンズ6のフォーカス方向位置に対物レンズ6は制御されることとなり、対物レンズ6により集光されるレーザビームは2層目の記録面上に合焦するので、2層目の再生品質が悪化することはない。
【0058】
このように第2実施形態では、受光面の分割形態を工夫し、フォーカスエラー信号を(7)式で表すことにより、2層ディスク再生時の再生品質の悪化を防いでいる。なお、1層ディスクの再生についても問題はないことは勿論である。
【0059】
また、第2実施形態での光ディスク10再生時のトラッキングサーボについては、上記(2)式または(3)式で表されるトラッキングエラー信号を用いて第1実施形態と同様に行えばよい。
【0060】
また、第2実施形態では、光ディスク10にレーザを照射し上記(7)式で表されるフォーカスエラー信号が0となるようフォーカスサーボを行った状態で、上記(4)式、(5)式、(6)式で表される信号をそれぞれモニタし、それぞれが0となるよう光検出器9の配置調整を行う。このように第2実施形態においても、1次光を用いて光検出器の配置調整および各種サーボを行え、RF信号検出のための0次光は分割されていない受光面で受光され、0次光に基づくRF信号のS/N比は良好となり、光ディスクの再生品質を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】は、本発明に係る光ピックアップおよびサーボ系の構成を示す図である。
【図2】は、第1実施形態における回折光学素子におけるレーザビームの分割および光検出器における受光の様子を示す図である。
【図3】は、光検出器のラジアル方向ずれ量と信号PD−Xとの関係図である。
【図4】は、光検出器のタンデンシャル方向ずれ量と信号PD−Yとの関係図である。
【図5】は、光検出器の回転ずれ量と信号PD−θとの関係図である。
【図6】は、第2実施形態における回折光学素子におけるレーザビームの分割および光検出器における受光の様子を示す図である。
【図7】は、第1実施形態において2層ディスクに対する対物レンズのフォーカス方向位置を変化させたときの(1)式で表されるフォーカスエラー信号の挙動等を示す図である。
【図8】は、第2実施形態において2層ディスクに対する対物レンズのフォーカス方向位置を変化させたときの(7)式で表されるフォーカスエラー信号の挙動等を示す図である。
【符号の説明】
【0062】
1 光ピックアップ
2 レーザダイオード
3 コリメータレンズ
4 ハーフミラー
5 回折光学素子
5a〜5e 回折面の領域
6 対物レンズ
8 アクチュエータ
9 光検出器
9a〜9e 受光面
10 光ディスク
11 演算回路
12 サーボ回路
13 アクチュエータドライバ
L0 0次光
L1 1次光
DL1〜DL10 分割線
Sa〜Se スポット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源と、該光源が射出した光ビームを光ディスクに集光させる対物レンズと、回折光学素子と、光検出器と、前記対物レンズおよび前記回折光学素子を一体でフォーカス方向およびトラッキング方向に駆動させる駆動手段と、を備えた光ピックアップであって、
前記回折光学素子は円形状の回折面を有し、該回折面はラジアル方向およびタンデンシャル方向の分割線により第一の領域と第二の領域と第三の領域と第四の領域とに四等分され、前記第一の領域と前記第二の領域とが対角に配置され、前記第三の領域と前記第四の領域とが対角に配置され、前記光ディスクで反射された前記光ビームは前記対物レンズを通過後、前記回折面に入射し、前記回折面の各領域で0次光と1次光に分割され、
前記光検出器は第一の受光面と第二の受光面と第三の受光面と第四の受光面と第五の受光面とを有し、
前記対物レンズにより集光される前記光ビームが前記光ディスクの記録面上に合焦するときに、前記第一の領域から射出される1次光は焦点を結んでから前記第一の受光面で受光され、タンデンシャル方向およびラジアル方向の線分と円弧とを有し1/4円形状である第一のスポットが前記第一の受光面に形成され、
前記対物レンズにより集光される前記光ビームが前記光ディスクの記録面上に合焦するときに、前記第二の領域から射出される1次光は焦点を結んでから前記第二の受光面で受光され、タンデンシャル方向およびラジアル方向の線分と円弧とを有し1/4円形状である第二のスポットが前記第二の受光面に形成され、
前記対物レンズにより集光される前記光ビームが前記光ディスクの記録面上に合焦するときに、前記第三の領域から射出される1次光は焦点を結ぶ前に前記第三の受光面で受光され、タンデンシャル方向およびラジアル方向の線分と円弧とを有し1/4円形状である第三のスポットが前記第三の受光面に形成され、
前記対物レンズにより集光される前記光ビームが前記光ディスクの記録面上に合焦するときに、前記第四の領域から射出される1次光は焦点を結ぶ前に前記第四の受光面で受光され、タンデンシャル方向およびラジアル方向の線分と円弧とを有し1/4円形状である第四のスポットが前記第四の受光面に形成され、
前記第一の受光面には、前記第一の受光面の端部から前記第一のスポットが有する円弧を通って前記第一のスポット上までタンデンシャル方向に伸びるような第一の分割線と、該第一の分割線が有する前記第一のスポット上の端点を通り前記第一の受光面の端部から端部までラジアル方向に伸びるような第二の分割線と、前記第一のスポットが有するラジアル方向の線分を挟んで前記第二の分割線と対向し前記第一の受光面の端部から端部までラジアル方向に伸びるような第三の分割線と、が設けられ、
前記第二の受光面には、前記第二の受光面の端部から前記第二のスポットが有する円弧を通って前記第二のスポット上までタンデンシャル方向に伸びるような第四の分割線と、該第四の分割線が有する前記第二のスポット上の端点を通り前記第二の受光面の端部から端部までラジアル方向に伸びるような第五の分割線と、前記第二のスポットが有するラジアル方向の線分を挟んで前記第五の分割線と対向し前記第二の受光面の端部から端部までラジアル方向に伸びるような第六の分割線と、が設けられ、
前記第三の受光面には、前記第三のスポット上を通り前記第三の受光面の端部から端部までラジアル方向に伸びるような第七の分割線と、前記第三のスポットが有するラジアル方向の線分を挟んで前記第七の分割線と対向し前記第三の受光面の端部から端部までラジアル方向に伸びるような第八の分割線と、が設けられ、
前記第四の受光面には、前記第四のスポット上を通り前記第四の受光面の端部から端部までラジアル方向に伸びるような第九の分割線と、前記第四のスポットが有するラジアル方向の線分を挟んで前記第九の分割線と対向し前記第四の受光面の端部から端部までラジアル方向に伸びるような第十の分割線と、が設けられ、
前記回折面の各領域から射出される各0次光が分割されていない前記第五の受光面で受光される、
ことを特徴とする光ピックアップ。
【請求項2】
光源と、該光源が射出した光ビームを光ディスクに集光させる対物レンズと、回折光学素子と、光検出器と、前記対物レンズおよび前記回折光学素子を一体でフォーカス方向およびトラッキング方向に駆動させる駆動手段と、を備えた光ピックアップであって、
前記回折光学素子は回折面を有し、前記回折面は複数の領域に分割され、前記光ディスクで反射された前記光ビームは前記対物レンズを通過後、前記回折面に入射し、前記回折面の各領域で0次光と1次光に分割され、
前記回折面の各領域から射出される各1次光は、前記光検出器が有する各々が分割されている各受光面で受光され、
前記回折面の各領域から射出される各0次光は、前記光検出器が有する分割されていない一つの受光面で受光される、
ことを特徴とする光ピックアップ。
【請求項3】
光源と、該光源が射出した光ビームを光ディスクに集光させる対物レンズと、回折光学素子と、光検出器と、前記対物レンズおよび前記回折光学素子を一体でフォーカス方向およびトラッキング方向に駆動させる駆動手段と、を備えた光ピックアップであって、
前記回折光学素子は円形状の回折面を有し、該回折面はラジアル方向およびタンデンシャル方向の分割線により第一の領域と第二の領域と第三の領域と第四の領域とに四等分され、前記第一の領域と前記第二の領域とが対角に配置され、前記第三の領域と前記第四の領域とが対角に配置され、前記光ディスクで反射された前記光ビームは前記対物レンズを通過後、前記回折面に入射し、前記回折面の各領域で0次光と1次光に分割され、
前記光検出器は第一の受光面と第二の受光面と第三の受光面と第四の受光面と第五の受光面とを有し、
前記対物レンズにより集光される前記光ビームが前記光ディスクの記録面上に合焦するときに、前記第一の領域から射出される1次光は焦点を結んでから前記第一の受光面で受光され、タンデンシャル方向およびラジアル方向の線分と円弧とを有し1/4円形状である第一のスポットが前記第一の受光面に形成され、
前記対物レンズにより集光される前記光ビームが前記光ディスクの記録面上に合焦するときに、前記第二の領域から射出される1次光は焦点を結んでから前記第二の受光面で受光され、タンデンシャル方向およびラジアル方向の線分と円弧とを有し1/4円形状である第二のスポットが前記第二の受光面に形成され、
前記対物レンズにより集光される前記光ビームが前記光ディスクの記録面上に合焦するときに、前記第三の領域から射出される1次光は焦点を結ぶ前に前記第三の受光面で受光され、タンデンシャル方向およびラジアル方向の線分と円弧とを有し1/4円形状である第三のスポットが前記第三の受光面に形成され、
前記対物レンズにより集光される前記光ビームが前記光ディスクの記録面上に合焦するときに、前記第四の領域から射出される1次光は焦点を結ぶ前に前記第四の受光面で受光され、タンデンシャル方向およびラジアル方向の線分と円弧とを有し1/4円形状である第四のスポットが前記第四の受光面に形成され、
前記第一の受光面には、前記第一の受光面の端部から前記第一のスポットが有する円弧を通って前記第一のスポット上までタンデンシャル方向に伸びるような第一の分割線と、該第一の分割線が有する前記第一のスポット上の端点を通り前記第一の受光面の端部から端部までラジアル方向に伸びるような第二の分割線とが設けられ、
前記第二の受光面には、前記第二の受光面の端部から前記第二のスポットが有する円弧を通って前記第二のスポット上までタンデンシャル方向に伸びるような第三の分割線と、該第三の分割線が有する前記第二のスポット上の端点を通り前記第二の受光面の端部から端部までラジアル方向に伸びるような第四の分割線とが設けられ、
前記第三の受光面には、前記第三のスポット上を通り前記第三の受光面の端部から端部までラジアル方向に伸びるような第五の分割線が設けられ、
前記第四の受光面には、前記第四のスポット上を通り前記第四の受光面の端部から端部までラジアル方向に伸びるような第六の分割線が設けられ、
前記回折面の各領域から射出される各0次光が分割されていない前記第五の受光面で受光される、
ことを特徴とする光ピックアップ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−188544(P2007−188544A)
【公開日】平成19年7月26日(2007.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−3116(P2006−3116)
【出願日】平成18年1月11日(2006.1.11)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】