説明

光ファイバプラグ及びその製造方法

【課題】光ファイバプラグ及びその製造方法の提供。
【解決手段】この光ファイバプラグはプラグ及び該プラグ内に一体成形された少なくとも1本の光ファイバを包含する。該光ファイバプラグの製造方法は、少なくとも1本の光ファイバをプラグ成形用の型中の設定位置に置き並びにアラインし、その後、型中にプラグの原料を注入し、最後にプラグを硬化成形した後、型から取りだして光ファイバプラグを得るステップを包含する。これにより、本発明は光ファイバがプラグ内に一体成形され、光ファイバが正確にプラグ中に固定され、良好な光特性の光ファイバプラグを得られる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は光ファイバプラグ及びその製造方法に係り、特に従来のスポット接着工程を省き、光ファイバを正確にプラグ中に固定して、良好な光特性を得られる光ファイバプラグ及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
光ファイバは光線を伝送でき外形が細微なガラス繊維或いは透明プラスチック繊維であり、中心部分の光ファイバと外層の被覆層を包含する。光通信に使用される時は、通常、その一端にプラグが取付けられて、光ファイバプラグが形成される。図1と図2に示されるのは、光ファイバプラグのプラグカバーセット及び光ファイバケーブル7の一端を該プラグカバーセットに取り付けた立体図である。該プラグカバーセットはプラグカバー6とプラグカバーハンドル61を包含し、該プラグカバー6と該プラグカバーハンドル61の中央部分に貫通孔62が開設されている。光ファイバケーブル7はプラグカバーハンドル61の貫通孔62より挿入され、且つ光ファイバケーブル7の一端の光ファイバ71が貫通孔62を突き抜け、これにより該貫通孔62の内径は光ファイバケーブル7及び光ファイバ71の外径より大きい。ゆえに、組立時には、まず光ファイバケーブル7及び光ファイバ71に接着剤63を付けた後、さらに光ファイバ71を貫通孔62中に通し、接着剤63により光ファイバケーブル7と光ファイバ71をプラグカバーセットの貫通孔62中に固定して使用する。
【0003】
しかし、光ファイバケーブル7を組み立てる時、光ファイバケーブル7の定位には非常に厳格な要求があり、すなわち、光ファイバケーブル7の中心と貫通孔62の孔径中心のアライメントの偏差は5μmより小さくなければならず、上述の接着剤63により光ファイバケーブル7とプラグを固定すると、光ファイバ71が貫通孔62中に挿入される時に、該接着剤63が毛細管現象により貫通孔62の一側壁に付着し、並びに光ファイバ71挿入時の押圧により、接着剤63に気泡が発生し、気泡の膨張係数は固体より大きいため、気泡が光ファイバ71を圧迫しやすく、このため光ファイバ71に偏りが発生し、或いは気泡により圧迫されて切断され、これにより光の伝送特性に影響が生じ、光ファイバケーブル7とプラグの接合の歩留りを下げ、且つ接着剤63によるスポット接着の方式は、その精密で複雑な工程に高精度の組立設備が必要であるのみならず、生産コストをアップする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は上述の周知の技術の不足に対して、周知のスポット接着の工程を排除し、光ファイバを正確にプラグ中に固定でき、良好な光特性を獲得できるようにする光ファイバプラグ及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述の目的を達成するため、本発明は一種の光ファイバプラグを提供し、それは、プラグ及び該プラグ内に一体成形された少なくとも1本の光ファイバを包含する。
【0006】
ある実施例において、上述のプラグと光ファイバの接続構造は、少なくとも一つの盲孔とされ、光ファイバは該盲孔中に成形される。
【0007】
ある実施例において、上述の光ファイバプラグはさらに少なくとも一つの透明異質基板を包含し、該透明異質基板と光ファイバは共に一体にプラグの盲孔の一端に成形され並びに盲孔とある間距離間し、該透明異質基板の材質は透明なガラス或いはプラスチックとされる。
【0008】
ある実施例において、上述のプラグと光ファイバの接続構造は、少なくとも1つの貫通孔とされ、光ファイバは該貫通孔中に成形される。
【0009】
また上述の目的を達成するため、本発明は光ファイバプラグの製造方法を提供し、それは、少なくとも1本の光ファイバをプラグ成形用の型中の設定位置に置き並びにアラインし、その後、型中にプラグの原料を注入し、最後にプラグを硬化成形した後、型から取りだして光ファイバプラグを得るステップを包含する。
【発明の効果】
【0010】
総合すると、本発明は光ファイバとプラグを一体成形し、余分に接着剤をつける必要がなく、これにより接着剤硬化変形及び孔径公差の問題を防止でき、並びに有効に気泡の発生を免除し、光ファイバのプラグ内への取付け時に発生するアライメント変移を減らし、これにより光ファイバを正確にプラグ中に固定して、良好な光特性の光ファイバプラグを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】周知の技術の光ファイバプラグの部分立体図である。
【図2】図1の光ファイバプラグの別角度から見た立体図である。
【図3】本発明の光ファイバプラグの実施例の断面図である。
【図4】本発明の光ファイバプラグの別の実施例の断面図である。
【図5】図3の光ファイバプラグの型中で成形時の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の技術内容、構造特徴、達成する目的及び作用効果を詳細に説明するため、以下に実施例を挙げて図面と組み合わせて説明する。
【0013】
図3から図6を参照されたい。本発明の光ファイバプラグ100はプラグ1と該プラグ1内に一体成形された少なくとも1本の光ファイバ2を包含する。
【0014】
上述のプラグ1と光ファイバ2の接続構造は、少なくとも一つの盲孔(図示せず)とされ、光ファイバ2は該盲孔中に成形される。上述の光ファイバプラグ100はさらに少なくとも一つの透明異質基板3を包含し、該透明異質基板3と光ファイバ2は共に一体にプラグ1の盲孔の一端に成形され並びに盲孔とある間距離間する。
【0015】
該透明異質基板3の接地により光ファイバプラグ100の光透過率と強度が増加する。透明異質基板3の表面は平面とされるか、或いは光学偏光、屈折効果を有する曲面、或いはフレネル面、或いは回折パターン面とされる。透明異質基板3の材質は透明なガラス或いはプラスチックとされる。
【0016】
該プラグ1と光ファイバ2の接続構造は、少なくとも1つの貫通孔(図示せず)とされてもよく、光ファイバ2は該貫通孔中に成形される。
【0017】
上述の光ファイバプラグの製造方法は、以下のステップを包含する。すなわち、少なくとも1本の光ファイバ2をプラグ1成形用の型中の設定位置に置き並びにアラインするステップ、その後、型中にプラグ1の原料を注入するステップ、及び、最後にプラグ1を硬化成形した後、型から取りだして、光ファイバプラグ100を得るステップ。
【0018】
上述のステップ中、少なくとも1本の透明異質基板3と少なくとも1本の光ファイバ2を共にプラグ1成形用の型中の設定位置に置き並びにアラインしてもよい。その後、型内にプラグ1の原料を注入する。最後に、プラグ1を硬化成形した後、型から取りだして、透明異質基板を包含する光ファイバプラグ100を得る。
【0019】
上述の成形方式は注入成形、射出成形或いは加圧成形とすることができる。
【0020】
総合すると、本発明の光ファイバプラグ100は、光ファイバ2をプラグ1内に一体成形し、光ファイバをプラグに挿入するステップを省略でき、余分に接着剤をつける必要がなく、これにより接着剤硬化変形及び孔径公差の問題を防止でき、並びに有効に気泡の発生を免除し、光ファイバのプラグ内への挿入時に発生するアライメント変移を減らし、これにより光ファイバ2を正確にプラグ1中に固定して、良好な光特性の光ファイバプラグ100を得ることができる。
【符号の説明】
【0021】
100 光ファイバプラグ 1 プラグ
2 光ファイバ 3 透明異質基板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光ファイバプラグにおいて、プラグ及び該プラグ内に一体成形された少なくとも1本の光ファイバを包含したことを特徴とする、光ファイバプラグ。
【請求項2】
請求項1記載の光ファイバプラグにおいて、該プラグと該光ファイバの接続構造が少なくとも1つの盲孔とされ、該光ファイバは該盲孔中に成形されることを特徴とする、光ファイバプラグ。
【請求項3】
請求項2記載の光ファイバプラグにおいて、該光ファイバプラグはさらに少なくとも1つの透明異質基板を包含し、該透明異質基板と該光ファイバは共に一体に該プラグの盲孔の一端に成形され並びに盲孔とある間距離間することを特徴とする、光ファイバプラグ。
【請求項4】
請求項3記載の光ファイバプラグにおいて、該透明異質基板の材質が透明なガラスとされたことを特徴とする、光ファイバプラグ。
【請求項5】
請求項3記載の光ファイバプラグにおいて、該透明異質基板の材質が透明なプラスチックとされたことを特徴とする、光ファイバプラグ。
【請求項6】
請求項1記載の光ファイバプラグにおいて、該プラグと該光ファイバの接続構造が少なくとも1つの貫通孔とされ、該光ファイバは該貫通孔中に成形されることを特徴とする、光ファイバプラグ。
【請求項7】
光ファイバプラグの製造方法において、
少なくとも1本の光ファイバをプラグ成形用の型中の設定位置に置き並びにアラインするステップ、
その後、型中にプラグの原料を注入するステップ、
最後にプラグを硬化成形した後、型から取りだして光ファイバプラグを得るステップ、 を包含したことを特徴とする、光ファイバプラグの製造方法。
【請求項8】
請求項7記載の光ファイバプラグの製造方法において、少なくとも1つの透明異質基板と少なくとも1本の光ファイバを共にプラグ成形用の型中の設定位置に置き並びにアラインすることを特徴とする、光ファイバプラグの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−242507(P2011−242507A)
【公開日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−113049(P2010−113049)
【出願日】平成22年5月17日(2010.5.17)
【出願人】(508217940)光燿科技股▲ふん▼有限公司 (5)
【Fターム(参考)】