説明

光ファイバプローブ装置

【課題】
試料の中を伝搬する光信号を取り込む光ファイバプローブと試料との距離を制御する光ファイバプローブ装置を提供する。
【解決手段】
試料10から被測定光を取り込む光ファイバプローブ1と、広帯域光を位置検出光として出射する広帯域光源5と、その位置検出光を光分岐器6を介して受けて光ファイバプローブ1に入射させるとともに、この入射された位置検出光の内の、光ファイバプローブ1の開口部端面1eで反射された第1の反射光及び試料10の表面で反射された第2の反射光と試料10から入射される被測定光とを分波する波長分波器4と、波長分波器4からの反射光を光分岐器6を介して受け、上記の第1の反射光と第2の反射光との位相差に起因して生じる光スペクトルのリップルを検出する光スペクトル検出手段7と、この光スペクトルのリップルから光ファイバプローブ1の開口部端面1eと試料10の表面との距離Lを求める処理手段8とを備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ファイバプローブと試料との距離を制御する光ファイバプローブ装置に関し、特に試料の中を伝搬する光信号を取り込むための光ファイバプローブに適用できる光ファイバプローブ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、エバネッセント光によって物体表面の形状や構造を観察する近接場光学顕微鏡等に用いられる光ファイバプローブを対象として、光ファイバプローブに働くシアフォース(せん断応力)を検出して位置制御を行う光ファイバプローブ装置があった。(例えば、特許文献1参照)
【0003】
すなわち、光ファイバプローブ(以下、適宜プローブという)をピエゾ素子によって振動させ、共振状態にして徐々に試料に近づける。プローブ先端と試料表面との距離が徐々に近づき10nm以下程度になると両者の間にファンデルワールス力が働き始め、これによってせん断応力が働く。このせん断応力とともにプローブの振動振幅が変化するので、この振動振幅を測定することにより間接的にせん断応力、すなわちプローブ先端と試料表面との距離を測定することができる。プローブの振動振幅を測定する方法として、プローブにレーザ光を照射し、そのとき生じる反射光の回折パターンを測定するもの、又はプローブ先端に施された金属部とこのプローブ先端から所定距離離れて配置された電極との間に生じる静電容量を測定するものがあった。
【0004】
【特許文献1】特開平11−160329号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、このような従来の光ファイバプローブに働くせん断応力を検出して行う光ファイバプローブ装置では、光ファイバプローブがエバネッセント光の測定を対象としているために、エバネッセント光を取り込むための光ファイバプローブ先端の開口部は非常に小さい。したがって、この光ファイバプローブを用いてフォトニック結晶デバイス、光集積回路、光プリント板、光導波路等の中を伝搬する光信号を取り込んで評価しようとした場合、取り込める光信号レベルがあまりにも弱すぎるという問題があった。また、取り込める光信号レベルを大きくするためには、開口部を大きくし、さらにプローブ先端と試料表面との距離を近接場領域(数10nm程度)に比べてもっと離す必要があるが、その場合、せん断応力が働き難くなり正確な距離の測定が難しくなるという問題があった。
【0006】
本発明は、試料へ光を出射しその反射光を用いて試料に対する光ファイバプローブの位置制御を行うことで、これらの課題を解決し、試料の中を伝搬する光信号を取り込むための光ファイバプローブに適用できる光ファイバプローブ装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の請求項1の光ファイバプローブ装置では、載置台に載置された試料からの光を被測定光として取り込む開口部を先端に有し、該開口部の開口部端面を前記試料に近接して配置された光ファイバプローブ(1)と、前記載置台及び前記光ファイバプローブの少なくともどちらか一方を移動させて、該光ファイバプローブの開口部端面の前記試料の表面に対する相対的な位置を変化させる移動手段(2)と、所定の波長範囲でなる広帯域光を発生し前記光ファイバプローブの位置を検出するための位置検出光として出射する広帯域光源(5)と、該広帯域光源からの前記位置検出光を分岐して出射する光分岐器(6)と、該光分岐器からの前記位置検出光を受けて前記光ファイバプローブに入射させるとともに、該光ファイバプローブに入射された当該位置検出光の内の、該光ファイバプローブの開口部端面で反射された第1の反射光及び前記試料の表面で反射された第2の反射光と前記試料から前記開口部を介して入射される前記被測定光とを分波し、分波した該第1及び第2の反射光を前記光分岐器に出射する波長分波器(4)と、前記光分岐器から分岐して出射される前記第1及び第2の反射光を受け、該第1の反射光と該第2の反射光との位相差に起因して生じる光スペクトルのリップルを検出し、それに基づいたデータを出力する光スペクトル検出手段(7)と、該光スペクトル検出手段からの前記データにより前記光ファイバプローブの開口部端面と前記試料の表面との距離を求め、かつ、前記位置を変化させるための制御信号を前記移動手段に出力する処理手段(8)とを備えた。
【0008】
また、本発明の請求項2の光ファイバプローブ装置では、載置台に載置された試料からの光を被測定光として取り込む開口部を先端に有し、該開口部の開口部端面を前記試料に近接して配置された光ファイバプローブ(1)と、前記載置台及び前記光ファイバプローブの少なくともどちらか一方を移動させて、該光ファイバプローブの開口部端面の前記試料の表面に対する相対的な位置を変化させる移動手段(2)と、所定の波長範囲の光を順次発生し前記光ファイバプローブの位置を検出するための位置検出光として出射する波長可変光源(15)と、該波長可変光源からの前記位置検出光を分岐して出射する光分岐器(6)と、該光分岐器からの前記位置検出光を受けて前記光ファイバプローブに入射させるとともに、該光ファイバプローブに入射された当該位置検出光の内の、該光ファイバプローブの開口部端面で反射された第1の反射光及び前記試料の表面で反射された第2の反射光と前記試料から前記開口部を介して入射される前記被測定光とを分波し、分波した該第1及び第2の反射光を前記光分岐器に出射する波長分波器(4)と、前記光分岐器から分岐して出射される前記第1及び第2の反射光を受け、該第1の反射光と該第2の反射光との位相差に起因して生じる光強度のリップルを検出し、それに基づいたデータを出力する光強度検出手段(17)と、前記波長可変光源に前記所定の波長範囲の光を順次発生させるための掃引信号を出力するとともに、該波長可変光源から順次発生されて出射される前記位置検出光の発振波長と前記光強度検出手段からの前記データとで決まる光スペクトルのリップルから前記光ファイバプローブの開口部端面と前記試料の表面との距離を求め、かつ、前記位置を変化させるための制御信号を前記移動手段に出力する処理手段(18)とを備えた。
【0009】
また、本発明の請求項3の光ファイバプローブ装置では、載置台に載置された試料からの光を被測定光として取り込むための、減反射膜が施された開口部端面を備えた開口部を先端に有し、該開口部の開口部端面を前記試料に近接して配置された光ファイバプローブ(1)と、前記載置台及び前記光ファイバプローブの少なくともどちらか一方を移動させて、該光ファイバプローブの開口部端面の前記試料の表面に対する相対的な位置を変化させる移動手段(2)と、所定波長の光を発生し前記光ファイバプローブの位置を検出するための位置検出光として出射する光源(25)と、該光源からの前記位置検出光を分岐して出射する光分岐器(6)と、該光分岐器からの前記位置検出光を受けて前記光ファイバプローブに入射させるとともに、該光ファイバプローブに入射された当該位置検出光の前記試料の表面で反射されて戻ってきた反射光と前記試料から前記開口部を介して入射される前記被測定光とを分波し、分波した前記反射光を前記光分岐器に出射する波長分波器(4)と、前記光分岐器から分岐して出射される前記反射光を受け、該反射光の光強度を検出し、それに基づいたデータを出力する光強度検出手段(27)と、前記光ファイバプローブの開口部端面と前記試料の表面との距離に対する前記反射光の光強度の関係を予め記憶している距離テーブル(28a)を有し、前記光強度検出手段からの前記データで前記距離テーブルを参照することにより、前記光ファイバプローブの開口部端面と前記試料の表面との距離を求め、かつ、前記位置を変化させるための制御信号を前記移動手段に出力する処理手段(28)とを備えた。
【0010】
また、本発明の請求項4の光ファイバプローブ装置では、上述した請求項1〜3のいずれかの光ファイバプローブ装置において、前記光分岐器がサーキュレータで置き換えられているようにした。
【0011】
また、本発明の請求項5の光ファイバプローブ装置では、載置台に載置された試料からの光を被測定光として取り込むための、減反射膜が施された開口部端面を備えた開口部を先端に有し、該開口部の開口部端面を前記試料に近接して配置された光ファイバプローブ(1)と、前記載置台及び前記光ファイバプローブの少なくともどちらか一方を移動させて、該光ファイバプローブの開口部端面の前記試料の表面に対する相対的な位置を変化させる移動手段(2)と、所定波長のレーザ光を発生し出射するレーザ光源(35)と、
該レーザ光源からの前記レーザ光を前記光ファイバプローブの位置を検出するための位置検出光と参照光とに分波して出射するとともに、逆方向に反射されて戻ってくる該位置検出光と該参照光とを合波して干渉光を出射するビームスプリッタ(11)と、該ビームスプリッタからの前記参照光を逆方向に反射する反射手段(12)と、前記ビームスプリッタからの前記位置検出光を受けて前記光ファイバプローブに入射させるとともに、該光ファイバプローブに入射された当該位置検出光の前記試料の表面で反射されて戻ってきた反射光と前記試料から前記開口部を介して入射される前記被測定光とを分波し、分波した前記位置検出光の反射光を前記ビームスプリッタに出射する波長分波器(4)と、前記ビームスプリッタから出射される前記干渉光を受け、該干渉光の光強度を検出し、それに基づいたデータを出力する光強度検出手段(27)と、前記光ファイバプローブの開口部端面と前記試料の表面との距離を変化させるために、前記位置を変化させるための制御信号を前記移動手段に出力するとともに、その距離の変化に伴って生じる干渉縞の強度変化に対応した前記光強度検出手段からの前記データにより当該距離の変化を求める処理手段(38)とを備えた。
【0012】
また、本発明の請求項6の光ファイバプローブ装置では、載置台に載置された試料からの光を被測定光として取り込むための、減反射膜が施された開口部端面を備えた開口部を先端に有し、該開口部の開口部端面を前記試料に近接して配置された光ファイバプローブ(1)と、前記載置台及び前記光ファイバプローブの少なくともどちらか一方を移動させて、該光ファイバプローブの開口部端面の前記試料の表面に対する相対的な位置を変化させる移動手段(2)と、所定の波長範囲でなる広帯域光を発生し出射する広帯域光源(5)と、該広帯域光源からの前記広帯域光を前記光ファイバプローブの位置を検出するための位置検出光と参照光とに分波して出射するとともに、逆方向に反射されて戻ってくる該位置検出光と該参照光とを合波して干渉光を出射するビームスプリッタ(11)と、該ビームスプリッタからの前記参照光を逆方向に反射する反射手段(12)と、前記ビームスプリッタからの前記位置検出光を受けて前記光ファイバプローブに入射させるとともに、該光ファイバプローブに入射された当該位置検出光の前記試料の表面で反射されて戻ってきた反射光と前記試料から前記開口部を介して入射される前記被測定光とを分波し、分波した前記位置検出光の反射光を前記ビームスプリッタに出射する波長分波器(4)と、前記ビームスプリッタから出射される前記干渉光を受け、該干渉光の光強度を検出し、それに基づいたデータを出力する光強度検出手段(27)と、前記光ファイバプローブの開口部端面と前記試料の表面との距離に対する前記干渉光の光強度の関係を予め記憶している距離テーブル(48a)を有し、前記光強度検出手段からの前記データで前記距離テーブルを参照することにより、前記光ファイバプローブの開口部端面と前記試料の表面との距離を求め、かつ、前記位置を変化させるための制御信号を前記移動手段に出力する処理手段(48)とを備えた。
【0013】
また、本発明の請求項7の光ファイバプローブ装置では、上述した請求項6の光ファイバプローブ装置において、前記ビームスプリッタと前記反射手段との間に、前記ビームスプリッタから出射される前記参照光の光路長を変化させる光遅延器(13)を備えた。
【発明の効果】
【0014】
本発明の請求項1及び2の光ファイバプローブ装置では、光ファイバプローブの開口部端面で反射されて戻ってきた第1の反射光と試料の表面で反射されて戻ってきた第2の反射光との位相差に起因して生じる光スペクトルのリップルを検出して光ファイバプローブの開口部端面と試料の表面との距離を求めるようにしたので、光ファイバプローブの開口部端面と試料の表面との距離を直接、精度よく求めることができる。
【0015】
本発明の請求項3の光ファイバプローブ装置では、光ファイバプローブの位置を検出するための位置検出光を試料に向けて出射するとともに、試料の表面で反射されて戻ってくるその反射光の光強度を検出し、それに基づいたデータで、光ファイバプローブの開口部端面と試料の表面との距離に対する反射光の光強度の関係を予め記憶している距離テーブルを参照して、光ファイバプローブの開口部端面と試料の表面との距離を求めるようにした。これにより、光ファイバプローブの開口部端面と試料の表面との距離を素早く求めることができ、その結果、光ファイバプローブの位置制御も素早く行うことができる。
【0016】
本発明の請求項4の光ファイバプローブ装置では、光分岐器をサーキュレータで置き換えるようにしたので、光スペクトル検出手段又は光強度検出手段に入射される反射光の強度を大きくすることができ、その結果、光ファイバプローブの開口部端面と試料の表面との距離をより正確に求めることができる。
【0017】
本発明の請求項5の光ファイバプローブ装置では、レーザ光を光ファイバプローブの位置を検出するための位置検出光と参照光とに分波し、それぞれを試料及び反射手段に向けて出射するとともに、逆方向にそれぞれ反射されて戻ってくる位置検出光と参照光とを合波して干渉光を発生させ、その干渉光の光強度を検出した後に、それに基づいたデータの変化から光ファイバプローブの開口部端面と試料の表面との距離の変化を求めるようにしたので、その距離の変化をサブミクロン(レーザ光の波長の細かさ)で求めることができる。
【0018】
本発明の請求項6の光ファイバプローブ装置では、広帯域光を光ファイバプローブの位置を検出するための位置検出光と参照光とに分波し、それぞれを試料及び反射手段に向けて出射するとともに、逆方向に反射されて戻ってくるそれぞれの位置検出光と参照光とを合波して干渉光を発生させ、その干渉光の光強度を検出した後に、それに基づいたデータで、光ファイバプローブの開口部端面と試料の表面との距離に対する干渉光の光強度の関係を予め記憶している距離テーブルを参照して、光ファイバプローブの開口部端面と試料の表面との距離を求めるようにした。これにより、光ファイバプローブの開口部端面と試料の表面との距離を素早く求めることができ、その結果、光ファイバプローブの位置制御も素早く行うことができる。また、広帯域光(波長幅が大きい)を用いているために干渉光の光強度幅が小さくでき、距離分解能を上げることができる。例えば、波長幅が数10nmであればサブミクロンの距離分解能となる。
【0019】
本発明の請求項7の光ファイバプローブ装置では、ビームスプリッタと反射手段との間に、ビームスプリッタから出射される参照光の光路長を変化させる光遅延器を備えるようにしたので、例えビームスプリッタと試料の表面間の光路長が長い場合であっても、ビームスプリッタと反射手段間の光路長を長くしないで済み、装置の小型化ができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下に本発明の実施形態を記載する。
【0021】
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態の光ファイバプローブ装置の構成を図1に示す。光ファイバプローブ1は、図2に示すように、コア1a、クラッド1b及び金属又は誘電体により形成された被覆部1cで構成されており、フォトニック結晶デバイス、光集積回路、光プリント板、光導波路等の試料10の中を伝搬する光信号の一部を評価のために被測定光として取り込めるように、その先端に設けられた開口部1dの開口部端面1eが載置台3に載せられた試料10の表面に近接して配置されている。移動手段2は、例えばアクチュエータで構成され、処理手段8から出力される制御信号aによって載置台3を上下方向に移動させて、開口部端面1eの試料10の表面に対する位置を変化させる。そして、これにより、開口部端面1eと試料10の表面との距離Lを変化させる。
【0022】
広帯域光源5は、例えばLED光源、SLD光源等で構成されおり、光ファイバプローブ1の位置を検出する(すなわち光ファイバプローブ1の開口部端面1eと試料10の表面との距離Lを検出する)ために、被測定光の波長を含まない所定の波長範囲でなる広帯域光を発生し位置検出光として光分岐器6に出射する。光分岐器6は、例えば光カップラ、ビームスプリッタであり、広帯域光源5からの位置検出光を分岐して波長分波器4に出射するとともに、波長分波器4から入射される反射光(後述する)を分岐して光スペクトル検出手段7に出射する。なお、光分岐器6はサーキュレータに置き換えることができる。この場合、サーキュレータはアイソレーションが取れて挿入損が小さいために、波長分波器4から入射される、光ファイバプローブ1の開口部端面1eあるいは試料10の表面から反射されて戻ってくる位置検出光の反射光(一般的に光強度が微弱)を光スペクトル検出手段7に入射させる場合に有効である。
【0023】
波長分波器4は、光分岐器6からの位置検出光を受けて光ファイバプローブ1に入射させる。光ファイバプローブ1に入射された位置検出光は、図2に示すように、その一部は光ファイバプローブ1の開口部端面1eで反射されて反射光(第1の反射光)となり、またその別の一部は試料10の表面で反射されて反射光(第2の反射光)となって戻ってくる。波長分波器4は、それらの反射光と、図2に示す、試料10から開口部1dを介して入射される被測定光とを分波して、反射光は光分岐器6に出射し、被測定光は試料特性評価装置(図示しない)に出射する。なお、試料特性評価装置は、光パワメータ、光サンプリングオシロスコープ等であり、被測定光の光強度、アイパターン等の特性を測定し評価する。
【0024】
光スペクトル検出手段7は、例えば回折格子、受光器等で構成される光スペクトラムアナライザであり、光分岐器6からの反射光を受け、この反射光に含まれている光ファイバプローブ1の開口部端面1eで反射されて戻ってきた第1の反射光と試料10の表面で反射されて戻ってきた第2の反射光との位相差に起因して生じる、図3に示すような光スペクトルのリップルを検出し、それに基づいたデータを出力する。
【0025】
処理手段8は、光スペクトル検出手段7から入力される光スペクトルのリップルを示すデータにより光ファイバプローブ1の開口部端面1eと試料10の表面との距離Lを求める。すなわち、光スペクトルのリップルのピークが、図3に示すように、波長λ1、λ2であるとすると、距離Lは[L=(1/2)・((λ1・λ2)/(λ2−λ1))]で表わされる。例えば、広帯域光源5から出射される広帯域光(位置検出光)を中心波長1300nm、波長幅50nmとして、50nmのリップルを測定した場合、すなわちλ2−λ1=50nm、λ1=1275nm、λ2=1325nmであった場合、距離Lは約17μmと求められる。
【0026】
なお、上述の説明では、広帯域光源5から位置検出光として出射される広帯域光の波長範囲を、被測定光の波長を含まない所定の波長範囲としたが、試料10からの被測定光が光ファイバプローブ1に入射されていない状態で、試料10の表面に対する光ファイバプローブ1の位置制御を行う場合には、上記所定の波長範囲の中に被測定光の波長を含むものであってもよい。
【0027】
[第2実施形態]
本発明の第2実施形態の光ファイバプローブ装置の構成を図4に示す。第2実施形態は、図1に示した第1実施形態とは、光ファイバプローブ1の開口部端面1eで反射されて戻ってきた第1の反射光と試料10の表面で反射されて戻ってきた第2の反射光との位相差に起因して生じる光スペクトルのリップルから光ファイバプローブ1の開口部端面1eと試料10の表面との距離Lを求める点で同じであり、その光スペクトルのリップルの検出の仕方のみが異なっている。すなわち、第1実施形態では、広帯域光源5と光スペクトル検出手段7の組み合わせにより、波長の選択性を受信側に持たせるようにしたのに対して、第2実施形態の場合には、処理手段18から入力される掃引信号bで制御される波長可変光源15と光強度検出手段17の組み合わせにより、波長の選択性を送信側に持たせた点で異なる。以下、主にこの異なる点について説明する。
【0028】
波長可変光源15は、光ファイバプローブ1の位置を検出する(すなわち光ファイバプローブ1の開口部端面1eと試料10の表面との距離Lを検出する)ために、処理手段18から入力される掃引信号bにしたがって、被測定光の波長を含まない所定の波長範囲の光を順次発生し位置検出光として光分岐器6に出射する。また、光強度検出手段17は、例えば受光器等で構成される光パワメータであり、光分岐器6からの反射光を受け、この反射光に含まれている光ファイバプローブ1の開口部端面1eで反射されて戻ってきた第1の反射光と試料10の表面で反射されて戻ってきた第2の反射光との位相差に起因して生じる光強度のリップルを検出し、それに基づいたデータを出力する。そして、処理手段18は、波長可変光源15に所定の波長範囲の光を順次発生させるための掃引信号bを出力するとともに、波長可変光源15から順次発生されて出射される位置検出光の発振波長と光強度検出手段17から入力される光強度のリップルを示すデータとを対応させて、図3に示すような光スペクトルのリップルを求め、さらにこの光スペクトルのリップルから光ファイバプローブ1の開口部端面1eと試料10の表面との距離Lを求める。
【0029】
なお、上述の説明では、波長可変光源15から位置検出光として順次出射される光の波長範囲を、被測定光の波長を含まない所定の波長範囲としたが、試料10からの被測定光が光ファイバプローブ1に入射されていない状態で、試料10の表面に対する光ファイバプローブ1の位置制御を行う場合には、上記所定の波長範囲の中に被測定光の波長を含むものであってもよい。
【0030】
[第3実施形態]
本発明の第3実施形態の光ファイバプローブ装置の構成を図5に示す。図1に示した第1実施形態と同一要素には同一符号を付し詳細説明は省略する。光ファイバプローブ1は、その先端の開口部端面1eが載置台3に載せられた試料10の表面に近接して配置されている。なお、開口部端面1eには、減反射膜が施されており、光ファイバプローブ1に入射される位置検出光(後述する)の、この開口部端面1eにおける反射を少なくしている。移動手段2は、処理手段28から出力される制御信号aによって載置台3を上下方向に移動させて、開口部端面1eの試料10の表面に対する位置を変化させる。そして、これにより、開口部端面1eと試料10の表面との距離Lを変化させる。光源25は、光ファイバプローブ1の位置を検出する(すなわち光ファイバプローブ1の開口部端面1eと試料10の表面との距離Lを検出する)ために、被測定光の波長とは異なる所定の波長の光を発生し位置検出光として光分岐器6に出射する。光分岐器6は、光源25からの位置検出光を分岐して波長分波器4に出射するとともに、波長分波器4から入射される反射光(後述する)を分岐して光強度検出手段27に出射する。
【0031】
波長分波器4は、光分岐器6からの位置検出光を受けて光ファイバプローブ1に入射させるとともに、光ファイバプローブ1に入射されたこの位置検出光の試料10の表面で反射されて戻ってくる反射光と、試料10から開口部1d(図2参照)を介して入射される被測定光とを分波して、反射光は光分岐器6に出射し、被測定光は試料特性評価装置(図示しない)に出射する。光強度検出手段27は、光分岐器6からの反射光を受け、この反射光の光強度を検出し、それに基づくデータを出力する。AD変換器9はこのデータをディジタル値に変換して処理手段28に出力する。処理手段28は、光ファイバプローブ1の開口部端面1eと試料10の表面との距離Lに対する反射光の光強度の、図6に示すような関係を予め記憶している距離テーブル28aを有しており、AD変換器9から入力されるデータでこの距離テーブル28aを参照することにより、光ファイバプローブ1の開口部端面1eと試料10の表面との距離Lを求める。この方法は、距離テーブル28aを参照することで、素早く、光ファイバプローブ1の開口部端面1eと試料10の表面との距離Lを求めることができ、その結果、光ファイバプローブ1の位置制御も素早く行うことができる。
【0032】
なお、上述の説明では、光源25から位置検出光として出射される光の波長を、被測定光の波長とは異なる所定の波長としたが、試料10からの被測定光が光ファイバプローブ1に入射されていない状態で、試料10の表面に対する光ファイバプローブ1の位置制御を行う場合には、上記所定の波長と被測定光の波長とが同一のものであってもよい。
【0033】
[第4実施形態]
本発明の第4実施形態の光ファイバプローブ装置の構成を図7に示す。図1に示した第1実施形態と同一要素には同一符号を付し詳細説明は省略する。光ファイバプローブ1は、その先端の開口部端面1eが載置台3に載せられた試料10の表面に近接して配置されている。なお、開口部端面1eには、減反射膜が施されており、光ファイバプローブ1に入射される位置検出光(後述する)の、この開口部端面1eにおける反射を少なくしている。移動手段2は、処理手段38から出力される制御信号aによって載置台3を上下方向に移動させて、開口部端面1eの試料10の表面に対する位置を変化させる。そして、これにより、開口部端面1eと試料10の表面との距離Lを変化させる。レーザ光源35は、例えば可干渉性の良好な(干渉距離の長い)He−Neレーザ等で構成されており、光ファイバプローブ1の位置を検出する(すなわち移動手段2より光ファイバプローブ1の開口部端面1eと試料10の表面との距離Lを変化させたときの、その変化量を検出する)ために、被測定光の波長とは異なる所定の波長(既知の波長)のレーザ光を発生してビームスプリッタ(BS)11に出射する。
【0034】
ビームスプリッタ11は、レーザ光源35からのレーザ光を光ファイバプローブ1の位置を検出するための位置検出光と参照光とに分波して、それぞれを波長分波器4と反射手段12に出射するとともに、逆方向にそれぞれ反射されて戻ってくる位置検出光の反射光(後述する)と参照光とを合波して干渉光を発生させ、その干渉光を光強度検出手段27に出射する。反射手段12は、例えばミラーで構成され、ビームスプリッタ11からの参照光を逆方向に反射する。波長分波器4は、ビームスプリッタ11からの位置検出光を受けて光ファイバプローブ1に入射させるとともに、光ファイバプローブ1に入射されたこの位置検出光の試料10の表面で反射されて戻ってくる反射光と、試料10から開口部1d(図2参照)を介して入射される被測定光とを分波して、位置検出光の反射光はビームスプリッタ11に出射し、被測定光は試料特性評価装置(図示しない)に出射する。
【0035】
光強度検出手段27は、ビームスプリッタ11からの干渉光を受け、この干渉光の光強度を検出し、それに基づくデータを出力する。AD変換器9はこのデータをディジタル値に変換して処理手段38に出力する。処理手段38は、光ファイバプローブ1の開口部端面1eと試料10の表面との距離Lを変化させるための制御信号aを移動手段2に出力するとともに、この距離Lの変化に伴って生じるAD変換器9から入力されるデータの変化から距離Lの変化量を求める。具体的に説明すると、干渉光の光強度は参照光の光路長(ビームスプリッタ11と反射手段12間の往復の距離)と位置検出光の光路長(ビームスプリッタ11と試料10の表面間の往復の距離)との光路長差がレーザ光の波長λの整数倍となるときに最大となり、この整数倍の波長に対してλ/2異なるときに最小となる。そのために、移動手段2により距離Lを変化させると、図8に示すように、干渉光の光強度がλ/2の周期で正弦波状に変わる。したがって、この干渉光の光強度変化(干渉縞の強度変化)を観察することにより、この距離Lの変化量を求めることができる。λ/2よりも細かく距離Lの変化を求める場合は、AD変換器9からのディジタル値によりその間の距離を求めることができる。
【0036】
なお、上述の説明では、レーザ光源35から出射されるレーザ光の波長を、被測定光の波長とは異なる所定の波長としたが、試料10からの被測定光が光ファイバプローブ1に入射されていない状態で、試料10の表面に対する光ファイバプローブ1の位置制御を行う場合には、上記所定の波長と被測定光の波長とが同一のものであってもよい。
【0037】
[第5実施形態]
本発明の第5実施形態の光ファイバプローブ装置の構成を図9に示す。第5実施形態は、図7に示した第4実施形態とは、試料10の表面で反射されて戻ってくる位置検出光の反射光と、反射手段12で反射されて戻ってくる参照光とを合波して干渉光を発生させ、その干渉光の光強度から光ファイバプローブ1の開口部端面1eと試料10の表面との距離Lの変化を検出すること(すなわち干渉計を構成して測定すること)は同じであるが、第4実施形態では、可干渉性の良好なレーザ光を用いて干渉光の光強度がレーザ光の波長の周期で繰り返して変わることを利用して、相対的な距離Lの変化を求めるようにしたのに対して、第5実施形態の場合には、波長幅の広い広帯域光を用い、参照光の光路長と位置検出光の光路長とが一致したときに、干渉光の光強度が最大となることを利用して、距離Lの変化を求める点で異なる。以下、主にこの異なる点について説明する。
【0038】
広帯域光源5は、例えばLED光源、SLD光源等で構成されおり、光ファイバプローブ1の位置を検出する(すなわち光ファイバプローブ1の開口部端面1eと試料10の表面との距離Lを検出する)ために、被測定光の波長を含まない所定の波長範囲でなる広帯域光を発生してビームスプリッタ(BS)11に出射する。ビームスプリッタ11は、広帯域光源5からの広帯域光を光ファイバプローブの位置を検出するための位置検出光と参照光とに分波して、それぞれを波長分波器4と、光遅延器13を介して反射手段12に出射するとともに、逆方向にそれぞれ反射されて戻ってくる位置検出光の反射光と参照光とを合波して干渉光を発生させ、その干渉光を光強度検出手段27に出射する。
【0039】
なお、広帯域光を用いる場合には、上述したように、参照光の光路長(ビームスプリッタ11と反射手段12間の往復の距離)と位置検出光の光路長(ビームスプリッタ11と試料10の表面間の往復の距離)を一致させる必要があるため、反射手段12及び光遅延器13の少なくともどちらか一方でその光路長を一致させるように、距離又は(及び)遅延量を調整している。光遅延器13で調整する場合には、例えビームスプリッタ11と試料10の表面間の光路長が長い場合であっても、ビームスプリッタ11と反射手段12間の光路長を長くしないで済み、装置の小型化ができる。
【0040】
光強度検出手段27は、ビームスプリッタ11からの干渉光を受け、この干渉光の光強度を検出し、それに基づいたデータを出力する。AD変換器9はこのデータをディジタル値に変換して処理手段48に出力する。処理手段48は、光ファイバプローブ1の開口部端面1eと試料10の表面との距離L(すなわち、ビームスプリッタ11と試料10の表面間の距離を換算して)に対する反射光の光強度の、図10に示すような関係を予め記憶している距離テーブル48aを有しており、AD変換器9から入力されるデータでこの距離テーブル48aを参照することにより、光ファイバプローブ1の開口部端面1eと試料10の表面との距離Lを求める。
【0041】
第5実施形態は、距離テーブル48aを参照することで、素早く、光ファイバプローブ1の開口部端面1eと試料10の表面との距離Lを求めることができ、その結果、光ファイバプローブ1の位置制御も素早く行うことができる。また、広帯域光(波長幅が大きい)を用いているために干渉光の光強度幅が小さくでき、距離分解能を上げることができる。例えば、波長幅が数10nmであればサブミクロンの距離分解能となる。
【0042】
なお、図9の構成では、干渉計を構成するのにビームスプリッタ11を用いたが光カプラを用いてもよい。また、上述の説明では、広帯域光源5から出射される広帯域光の波長範囲を、被測定光の波長を含まない所定の波長範囲としたが、試料10からの被測定光が光ファイバプローブ1に入射されていない状態で、試料10の表面に対する光ファイバプローブ1の位置制御を行う場合には、上記所定の波長範囲の中に被測定光の波長を含むものであってもよい。
【0043】
上述の第1実施形態〜第5実施形態では、移動手段2が載置台3を上下方向に移動させて、光ファイバプローブ1の開口部端面1eと試料10の表面との距離Lを変化させるようにしたが、移動手段2が光ファイバプローブ1を上下方向に移動させるようにしてもよい。ただし、第5実施形態の場合には、ビームスプリッタ11から光ファイバプローブ1の開口部端面1eまでの光路長を一定にして、光ファイバプローブ1を上下方向に移動させる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の第1実施形態の構成を示す図
【図2】本発明の光ファイバプローブを説明するための図
【図3】本発明の第1及び第2実施形態の動作を説明するための図
【図4】本発明の第2実施形態の構成を示す図
【図5】本発明の第3実施形態の構成を示す図
【図6】本発明の第3実施形態の動作を説明するための図
【図7】本発明の第4実施形態の構成を示す図
【図8】本発明の第4実施形態の動作を説明するための図
【図9】本発明の第5実施形態の構成を示す図
【図10】本発明の第5実施形態の動作を説明するための図
【符号の説明】
【0045】
1・・・光ファイバプローブ、1a・・・コア、1b・・・クラッド、1c・・・被覆部、1d・・・開口部、1e・・・開口部端面、2・・・移動手段、3・・・載置台、4・・・波長分波器、5・・・広帯域光源、6・・・光分岐器、7・・・光スペクトル検出手段、8,18,28,38,48・・・処理手段、9・・・AD変換器(A/D)、10・・・試料、11・・・ビームスプリッタ(BS)、12・・・反射手段、13・・・光遅延器、15・・・波長可変光源、17,27・・・光強度検出手段、25・・・光源、28a,48a・・・距離テーブル。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
載置台に載置された試料からの光を被測定光として取り込む開口部を先端に有し、該開口部の開口部端面を前記試料に近接して配置された光ファイバプローブ(1)と、
前記載置台及び前記光ファイバプローブの少なくともどちらか一方を移動させて、該光ファイバプローブの開口部端面の前記試料の表面に対する相対的な位置を変化させる移動手段(2)と、
所定の波長範囲でなる広帯域光を発生し前記光ファイバプローブの位置を検出するための位置検出光として出射する広帯域光源(5)と、
該広帯域光源からの前記位置検出光を分岐して出射する光分岐器(6)と、
該光分岐器からの前記位置検出光を受けて前記光ファイバプローブに入射させるとともに、該光ファイバプローブに入射された当該位置検出光の内の、該光ファイバプローブの開口部端面で反射された第1の反射光及び前記試料の表面で反射された第2の反射光と前記試料から前記開口部を介して入射される前記被測定光とを分波し、分波した該第1及び第2の反射光を前記光分岐器に出射する波長分波器(4)と、
前記光分岐器から分岐して出射される前記第1及び第2の反射光を受け、該第1の反射光と該第2の反射光との位相差に起因して生じる光スペクトルのリップルを検出し、それに基づいたデータを出力する光スペクトル検出手段(7)と、
該光スペクトル検出手段からの前記データにより前記光ファイバプローブの開口部端面と前記試料の表面との距離を求め、かつ、前記位置を変化させるための制御信号を前記移動手段に出力する処理手段(8)とを備えたことを特徴とする光ファイバプローブ装置。
【請求項2】
載置台に載置された試料からの光を被測定光として取り込む開口部を先端に有し、該開口部の開口部端面を前記試料に近接して配置された光ファイバプローブ(1)と、
前記載置台及び前記光ファイバプローブの少なくともどちらか一方を移動させて、該光ファイバプローブの開口部端面の前記試料の表面に対する相対的な位置を変化させる移動手段(2)と、
所定の波長範囲の光を順次発生し前記光ファイバプローブの位置を検出するための位置検出光として出射する波長可変光源(15)と、
該波長可変光源からの前記位置検出光を分岐して出射する光分岐器(6)と、
該光分岐器からの前記位置検出光を受けて前記光ファイバプローブに入射させるとともに、該光ファイバプローブに入射された当該位置検出光の内の、該光ファイバプローブの開口部端面で反射された第1の反射光及び前記試料の表面で反射された第2の反射光と前記試料から前記開口部を介して入射される前記被測定光とを分波し、分波した該第1及び第2の反射光を前記光分岐器に出射する波長分波器(4)と、
前記光分岐器から分岐して出射される前記第1及び第2の反射光を受け、該第1の反射光と該第2の反射光との位相差に起因して生じる光強度のリップルを検出し、それに基づいたデータを出力する光強度検出手段(17)と、
前記波長可変光源に前記所定の波長範囲の光を順次発生させるための掃引信号を出力するとともに、該波長可変光源から順次発生されて出射される前記位置検出光の発振波長と前記光強度検出手段からの前記データとで決まる光スペクトルのリップルから前記光ファイバプローブの開口部端面と前記試料の表面との距離を求め、かつ、前記位置を変化させるための制御信号を前記移動手段に出力する処理手段(18)とを備えたことを特徴とする光ファイバプローブ装置。
【請求項3】
載置台に載置された試料からの光を被測定光として取り込むための、減反射膜が施された開口部端面を備えた開口部を先端に有し、該開口部の開口部端面を前記試料に近接して配置された光ファイバプローブ(1)と、
前記載置台及び前記光ファイバプローブの少なくともどちらか一方を移動させて、該光ファイバプローブの開口部端面の前記試料の表面に対する相対的な位置を変化させる移動手段(2)と、
所定波長の光を発生し前記光ファイバプローブの位置を検出するための位置検出光として出射する光源(25)と、
該光源からの前記位置検出光を分岐して出射する光分岐器(6)と、
該光分岐器からの前記位置検出光を受けて前記光ファイバプローブに入射させるとともに、該光ファイバプローブに入射された当該位置検出光の前記試料の表面で反射されて戻ってきた反射光と前記試料から前記開口部を介して入射される前記被測定光とを分波し、分波した前記反射光を前記光分岐器に出射する波長分波器(4)と、
前記光分岐器から分岐して出射される前記反射光を受け、該反射光の光強度を検出し、それに基づいたデータを出力する光強度検出手段(27)と、
前記光ファイバプローブの開口部端面と前記試料の表面との距離に対する前記反射光の光強度の関係を予め記憶している距離テーブル(28a)を有し、前記光強度検出手段からの前記データで前記距離テーブルを参照することにより、前記光ファイバプローブの開口部端面と前記試料の表面との距離を求め、かつ、前記位置を変化させるための制御信号を前記移動手段に出力する処理手段(28)とを備えたことを特徴とする光ファイバプローブ装置。
【請求項4】
前記光分岐器がサーキュレータで置き換えられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の光ファイバプローブ装置。
【請求項5】
載置台に載置された試料からの光を被測定光として取り込むための、減反射膜が施された開口部端面を備えた開口部を先端に有し、該開口部の開口部端面を前記試料に近接して配置された光ファイバプローブ(1)と、
前記載置台及び前記光ファイバプローブの少なくともどちらか一方を移動させて、該光ファイバプローブの開口部端面の前記試料の表面に対する相対的な位置を変化させる移動手段(2)と、
所定波長のレーザ光を発生し出射するレーザ光源(35)と、
該レーザ光源からの前記レーザ光を前記光ファイバプローブの位置を検出するための位置検出光と参照光とに分波して出射するとともに、逆方向に反射されて戻ってくる該位置検出光と該参照光とを合波して干渉光を出射するビームスプリッタ(11)と、
該ビームスプリッタからの前記参照光を逆方向に反射する反射手段(12)と、
前記ビームスプリッタからの前記位置検出光を受けて前記光ファイバプローブに入射させるとともに、該光ファイバプローブに入射された当該位置検出光の前記試料の表面で反射されて戻ってきた反射光と前記試料から前記開口部を介して入射される前記被測定光とを分波し、分波した前記位置検出光の反射光を前記ビームスプリッタに出射する波長分波器(4)と、
前記ビームスプリッタから出射される前記干渉光を受け、該干渉光の光強度を検出し、それに基づいたデータを出力する光強度検出手段(27)と、
前記光ファイバプローブの開口部端面と前記試料の表面との距離を変化させるために、前記位置を変化させるための制御信号を前記移動手段に出力するとともに、その距離の変化に伴って生じる干渉縞の強度変化に対応した前記光強度検出手段からの前記データにより当該距離の変化を求める処理手段(38)とを備えたことを特徴とする光ファイバプローブ装置。
【請求項6】
載置台に載置された試料からの光を被測定光として取り込むための、減反射膜が施された開口部端面を備えた開口部を先端に有し、該開口部の開口部端面を前記試料に近接して配置された光ファイバプローブ(1)と、
前記載置台及び前記光ファイバプローブの少なくともどちらか一方を移動させて、該光ファイバプローブの開口部端面の前記試料の表面に対する相対的な位置を変化させる移動手段(2)と、
所定の波長範囲でなる広帯域光を発生し出射する広帯域光源(5)と、
該広帯域光源からの前記広帯域光を前記光ファイバプローブの位置を検出するための位置検出光と参照光とに分波して出射するとともに、逆方向に反射されて戻ってくる該位置検出光と該参照光とを合波して干渉光を出射するビームスプリッタ(11)と、
該ビームスプリッタからの前記参照光を逆方向に反射する反射手段(12)と、
前記ビームスプリッタからの前記位置検出光を受けて前記光ファイバプローブに入射させるとともに、該光ファイバプローブに入射された当該位置検出光の前記試料の表面で反射されて戻ってきた反射光と前記試料から前記開口部を介して入射される前記被測定光とを分波し、分波した前記位置検出光の反射光を前記ビームスプリッタに出射する波長分波器(4)と、
前記ビームスプリッタから出射される前記干渉光を受け、該干渉光の光強度を検出し、それに基づいたデータを出力する光強度検出手段(27)と、
前記光ファイバプローブの開口部端面と前記試料の表面との距離に対する前記干渉光の光強度の関係を予め記憶している距離テーブル(48a)を有し、前記光強度検出手段からの前記データで前記距離テーブルを参照することにより、前記光ファイバプローブの開口部端面と前記試料の表面との距離を求め、かつ、前記位置を変化させるための制御信号を前記移動手段に出力する処理手段(48)とを備えたことを特徴とする光ファイバプローブ装置。
【請求項7】
前記ビームスプリッタと前記反射手段との間に、前記ビームスプリッタから出射される前記参照光の光路長を変化させる光遅延器(13)を備えたことを特徴とする請求項6に記載の光ファイバプローブ装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−84370(P2006−84370A)
【公開日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−270723(P2004−270723)
【出願日】平成16年9月17日(2004.9.17)
【出願人】(000000572)アンリツ株式会社 (838)
【Fターム(参考)】