説明

光ファイバ・ケーブル

【課題】 引込み線路用途のために特に構成された光ファイバを提供すること。
【解決手段】 2つの並んだサブユニットを有する平形構成の光ファイバ引込みケーブルについて述べる。一方のサブユニットは、ケーブル耐力部材例えば鋼線または撚り線を含む。他方のサブユニットは、光ファイバ・サブユニットであり、光ファイバを含みさらに1つまたは複数の追加耐力部材も含む。好ましい実施形態では、ケーブルは乾いたものであり、光ファイバをケーブル外装に結合する共形ケースを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、引込み線路用途のために特に構成された光ファイバに関する。
【背景技術】
【0002】
局所電話およびケーブル・サービス・プロバイダからのファイバ・ツ・ザ・プレミシズ(FTTP)が、急速に実現されている。このサービスは、近隣道路および市街道路に設置された局所光ファイバ配線ケーブルを備える広帯域光ファイバ配線ネットワークを必要とする。局所配線ケーブルは、多ファイバ数(マルチファイバ)ケーブルである。単一ファイバ・ケーブルまたは数本のファイバ・ケーブルが、道路から建物への「引込み」線路に使用される。多くの場合、架空引込み線路が使用され、この引込み線路には特別の要求条件がある。他の場合には、埋込み引込み線路が使用され、この埋込み引込み線路には異なる特定の要求条件がある。
【0003】
光ファイバ引込みケーブルは、いくつかの設計で作られる。これらの設計の大部分は初期の銅ケーブルのものによく似ている。物理的な類似は計画的なものであるので、ケーブル外観は既存の銅のものと一致しており、標準的なハードウェアおよび取付け装置は、両方に使用することができる。このように、「A引込み」光ファイバ・ケーブルは、A引込み銅ケーブルの光ファイバ版であり、同じ平形構成またはリボン状構成で作られる。架空引込みケーブルは、一般に、1つまたは複数の支持用耐力部材(補強部材)を有する。一般的なA引込みケーブル設計または平形ケーブル設計は、2つの耐力部材の間に1つまたは複数の光ファイバを備える。例えば、米国特許第6,501,888号を参照されたい。
【0004】
光ファイバ・ケーブルは、また一般に、ケーブル中の水エクスカーションを防止するためにゲル充填剤を含む。水がケーブルに入ったとき、ケーブルの長さに沿った水の流れは、ゲルによって阻止される。しかし、ゲル充填ケーブルは、相継ぎ作業の前にゲルを光ファイバから完全に除去しなければならいので、取付けおよび修理をするのに時間がかかる。さらに、引込み線は、一般に、顧客の家または建物の側面に取り付けられるので、ケーブル中の材料が顧客の建物に流れ出ることによって、外見的な問題または他の問題が生じることがある。
【0005】
架空引込みケーブルは、風および氷堆積のために、および異なる熱膨張によって生じる機械的歪みのために、相当な動きおよび垂れを受けるので、架空引込みケーブルは一般に緩みファイバ設計になっている。この設計では、光ファイバは、ケーブル・ケースの中に緩んだ状態で「浮いて」収容されている。前提は、この動きの少なくとも一部から光ファイバを機械的に分離することである。しかし、この設計の欠点は、たった今言及した動きのためにケーブルがファイバ引っ込みになることがあることである。光ファイバ・ケーブルの外側スリーブがたるむか、または光ファイバに対して延びたときに、ファイバ引っ込みが起こる。過剰なファイバ引っ込みは、ファイバの損傷または破壊をもたらすことがある。
【0006】
引込みケーブルのいくつかの例が、米国特許第4,761,053号に記載されている。これらの例の大部分は、銅引込み線について記載しているが、少数の光ファイバ引込み線も与えられている。これらは、たった今言及したような緩みファイバ設計を示している。
【0007】
他のFTTP引込みケーブル設計は、第51回国際電線およびケーブル・シンポジュウム、議事録、500〜506頁に示されている。この設計は、組合せ平形ファイバ・ケーブルおよび線支持部材である。
【特許文献1】米国特許第6,501,888号
【特許文献2】米国特許第4,761,053号
【非特許文献1】第51回国際電線およびケーブル・シンポジュウム、議事録、500〜506頁
【特許文献3】米国特許出願番号第10/233,719号
【特許文献4】米国特許第6,317,542号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
小型サイズで低コストを可能にするFTTP引込みケーブルを提案する新しい設計が絶えず求められている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者等は、小型平形断面を有し引込みケーブル用途に適した光ファイバ・ケーブルを設計した。この新しい設計は、互いに並んで成形された2つのサブユニットの2要素構成を有する。好ましいことに、2つのサブユニットは幾何学的に一致している。一方のサブユニットは光ファイバを含み、他方のユニットは耐力部材を含む。光ファイバを含むサブユニットは、また、1つまたは複数の別個の追加の耐力部材も含む。好ましい実施形態では、ケーブルは結合ファイバ設計であり、また乾式である。結合設計は、頑丈でファイバ引っ込みが起こりにくい一体型組立品を形成する。光ファイバ・サブユニットから容易に分離される耐力部材と、および別個の耐力部材と平形ケーブル断面を組み合わせることで、多様な引込みケーブルの用途に十分に適応する設計がもたらされる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
図1を参照すると、光ファイバ・サブユニット12および耐力部材サブユニット13を有する平形光ファイバ引込みケーブルが全体的に10で示されている。両方がケース11に入れられている。これらのサブユニットは、好ましくは、図示のようにほぼ同じサイズであり、ケーブル断面に対称性を与えている。もしくは、これらのサブユニットは、異なるサイズであってもよい。後者の場合、望ましければ、ケース11を押し出し成形するために対称押出型を使用して、対称性を実現することができる。図示の実施形態では、光ファイバ・サブユニットは2本のファイバ15を含む。1本のファイバまたは2本を超えるファイバを使用することもできる。
【0011】
サブユニット12および13は、図2および3により詳細に示す。図2は、光ファイバ・サブユニット12の断面である。ここでは、1本の光ファイバが15で示されている。光ファイバは、従来の被覆ガラスまたはプラスチック・ファイバである。光ファイバ・サブユニットは、緩みファイバ設計であってもよく、この場合、光ファイバはチューブ中に浮遊している。しかし、好ましい設計は図示のものであり、この場合、光ファイバは、共形ケース層18に結合された内部ポリマー層14に埋め込まれて、光ファイバ・サブユニットを完成している。光ファイバ・サブユニットは、サブユニット13と共にケーブル外装11中に布線されている。
【0012】
図示のように、光ファイバ・サブユニットを含むケーブル10の部分に、3つのポリマー層11、14および18がある。これらを区別し画定するために、以下の説明では、光ファイバを取り囲みかつ光ファイバをケーブルの外側部分に結合する内側ケースを光ファイバ・ケースまたはOFケースと呼ぶ。OFケースを取り囲みかつ1つまたは複数の耐力部材を含む共形層である層18は、OFSMケースと呼ぶ。そして、外側ケーブル被覆物を形成する外側ケース11は、ケーブル・ケースと呼ぶ。本発明の好ましい実施形態では、3つの層すべてが存在している。OFケースおよびOFSMケースを備える光ファイバ・サブユニット組立品は、以下でOFサブユニットと呼ぶ。図1、5および6に示す実施形態では、OFケースは2本の光ファイバ15を含み、OFSMケースは2つの耐力部材16および17を含む。
【0013】
例示の設計では、2つの耐力部材16および17は光ファイバ15の両側に位置している。耐力部材16および17、および光ファイバ15は、好ましくは「一列に並んで」いる。すなわち、これらの中心は同じ軸上にある。耐力部材16および17は、いくつかの有用な特徴を有する。耐力部材16および17は、引っ張り強さの大きな材料、例えば強化ファイバを有する樹脂で作られる。この目的のためのファイバは、よく知られており、また広く使用されている。例に、ガラス・ファイバおよびケブラー(アラミド)ファイバがある。樹脂は様々なポリマー・ホスト材料のどれでもよいが、好ましくは、加熱またはUV放射によって硬化される熱硬化性ウレタンまたはアクリル樹脂である。金属線も使用されるかもしれないが、非金属強化ファイバの耐力部材が好ましい。というのは、それは接地する必要がなく、落雷およびその誘起電流を受け難いからである。
【0014】
耐力部材16および17は、また、光ファイバ・サブユニットの側面を保護するための強化として作用する。図示の形をしたケーブルの最も無防備な部分は、光ファイバ・サブユニット12の外の端部である。相継ぎに使用される鋭利な道具または取付けで生じた鋭い表面は、サブユニットの端部に影響を与えがちである。一列設計では、光ファイバ・システムはこれらの危険から効果的に保護されている。以下でより詳細に説明するように、光ファイバ・サブユニットが耐力部材サブユニットからはがされたとき、光ファイバは依然として保護されている。
【0015】
耐力部材サブユニットは、全体的に13で示し、以下でSMサブユニットと呼ぶ。SMサブユニットの一実施形態を、図3に示す断面図で示す。図3は、耐力部材19および耐力部材ケース20を有するSMサブユニットを示す。耐力部材ケース20は、SMケースと呼ぶ。SMサブユニットの耐力部材の材料は、OFSM16、17の材料と同じであってもよく、またはOFSM16、17の材料と異なってもよい。低コスト高耐力のために、鋼が特に適している。鋼はまた、可能性のある接地接続のための導体を提供し、また埋込みケーブルの位置を突き止めるのに有用である。より大きな自由度が望ましい用途では、SMサブユニットは、単一の鋼ストランドかまたは小さな鋼ストランドから成る編み組み鋼ロープかのどちらかを備えることができる。
【0016】
稲妻によるケーブル構造全体の損傷の危険性が高い用途では、非伝導性耐力部材が好ましい。SMサブユニットの目的は、取付けおよびサービス中のケーブルに引っ張り強さを与えることである。SMサブユニットは、圧縮強さを与える必要がない。したがって、非金属SMユニットは、可撓性であることが可能であり、可撓性ファイバガラス、糸状アラミド、または半可撓性ファイバガラス/樹脂補強材から成ることができる。好ましい実施形態では、光ファイバ・サブユニットと同じ直径に被覆された2.7mm半可撓性ファイバガラス/樹脂補強材が使用される。可撓性耐力部材19を使用する非金属構成は、米国特許第6,501,888号で教示されるような従来技術設計の厳しい制限を克服する。この設計は、硬いファイバガラス補強材に依拠して引っ張りおよび圧縮強さを実現し、その結果として、そのケーブルは非常に硬く、取付け時に扱い難い。可撓性非金属耐力部材19が使用されるとき、モジュール構造ケーブル10は従来技術設計よりも相当に可撓性がある。
【0017】
ケース層用の材料は、様々なポリマーから選ぶことができる。適切な選択は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、エチレン−ビニルアセテートポリマー、エチレンアクリル酸ポリマー、エステルをベースにしたポリマー、および前述のもののコポリマーのようなポリオレフィンおよびエステルをベースにしたポリマーである。特定の例は、PolyOne会社から入手できる引込みケーブル級ポリ塩化ビニル樹脂のGeonW2402である。これらの材料は、例として与えられ、可能性のある適切な材料を制限しない。各場合に、ポリマーの密度および他の特性は、所望の特性を実現するように当技術分野でよく知られている方法によって調整される。例えば、光ファイバ引込みケーブルは、難燃剤ポリマーを必要とすることがある。例は、Dow Chemical会社から入手することができる難燃性低煙ゼロ−ハロゲン樹脂であるDGDA−1638−NTである。ケースは、任意の適切な方法例えば押出しまたはUVコーティングによって付けることができる。
【0018】
副ケースおよび主ケースを構成する材料の間の相対的な収縮が、また、使用中の引込みケーブルの長手方向後退の量に影響を及ぼす。その効果を減らすために、ケーブル・ケースの材料は、炭酸カルシウムのようなフィラーを10%以上含むことができる。他のケース層は、また、少なくとも10%のフィラーを含むことができる。
【0019】
本発明の好ましいケーブル設計は、ファイバ後退だけでなく引っ込みの有害な結果に本質的に対処する。緩みファイバ設計である従来の引込みケーブルでは、ケーブルの外装は、光ファイバ組立品に無関係に(ケーブルたるみのために)自由に縮みまたは膨張する。ここで説明するケーブル設計では、光ファイバ・システムの外装(ケーブル・ケース)への結合によって、光ファイバ・システムとケーブル・ケースとの間の相対的寸法変化が最小限になり、ケーブル中の要素間の分離または光ファイバの破壊の可能性が低減される。その上、本発明の結合されたケーブル構造は、ケーブル組立品全体の収縮とたるみの両方を妨げる。
【0020】
上述の有利点をもたらす、光ファイバ組立品のOFケースへの結合およびOFケースのケーブル・ケースへの結合の向上は、光ファイバとOFケースとの間、OFケースとOFSMケースとの間、およびOFSMケースとケーブル・ケースとの間の密着性によって部分的に実現される。この密着性は、ケーブル処理で熱を使用してユニットを互いに融合させることによって、または様々な部品の摩擦結合によって起こることができる。
【0021】
ここで説明するケーブル設計は、主に、架空または直接埋込み引込み用途を主に目的としているが、ケーブル・ケース材料は、空気吹込み実装のために特に設計することができる。2002年9月3日に出願された米国特許出願番号第10/233,719号を参照されたい。この出願を参照して本明細書に組み込む。架空引込みケーブル用途では、UV太陽光によって生じる劣化を防ぐために、ケーブル・ケースにカーボン・ブラックを加えることができる。適切なケーブル・ケース材料についての他の詳細は、米国特許第6,317,542号に見出すことができる。
【0022】
本発明の引込みケーブル設計の他の特徴は、双対耐力部材(図1の16、17)の配列によって、相継ぎその他のために光ファイバ・サブユニットを好都合にはがすことができるようになる。光ファイバをOFサブユニットの残りから切り離すために、光ファイバのどちらかの側の点でOFケースの端部に切り目をつけ、そして2つの耐力部材を使用して、光ファイバを露出させるようにサブユニットを引きちぎることができる。個々のファイバをはがし、従来の実施にしたがって相継ぎする。すなわち接続する。
【0023】
同じように、OFサブユニットをSMサブユニットから切り離すために同様な手順を使用することができる。ここで、SM耐力部材をケーブルから引き離す。この切離しを図4に示す。この図で、単体ケーブルを41で示す。ケーブルは容易に上述のサブユニットすなわちOFサブユニット43とSMサブユニット44とに切り離される。図4において、OFサブユニットは、顧客建物のコネクタ・ボックス47に、それから光ファイバ・コネクタ46につながっているのが示されており、またSMユニットは顧客位置にも関連した締付けデバイス45につながっている。OFサブユニットをケーブルから引き離す際に、耐力部材(図3の19)だけがケーブルの残り部分から離れるように、ケースを選ぶことができる。これは、図3のケース20を適切に選ぶことで容易に達成することができる。低耐力ポリマー、およびケーブル・ケースに付着するポリマーは、耐力部材19でSMケースを引き裂くことを保証すること
【0024】
OFケースおよびSMケースは、各層が指示された特性を有している2以上の層を備えることができる。いくつかの場合には、光ファイバ組立品に隣接する内側接着性ケース層を有するのが有利であることがある。または、いくつかの場合に好ましいことがあるように、ケースを省略することができる。そのような2つの実施形態を図5および6に示す。
【0025】
図5は、SMケースが省略された実施形態を示す。図6は、SMケースとOFケースとの両方が省略された実施形態を示す。SMケースの1つの機能は、ケーブル布線プロセスを簡単にすることである。OFサブユニットとSMサブユニットとの両方がほぼ同じ直径である場合、対称な形のケーブルの押出しは簡単である。しかし、ケーブル布線装置の適切な選択で、等しくない直径のサブユニットを使用して対称形を実現することができる。この接続における他の選択肢は、OFサブユニットとほぼ同じ直径の耐力部材19を使用することである。
【0026】
架空取付けの好ましい実施形態では、SMサブユニットは、直径がほぼ2.0mmでOFサブユニットの外径に一致するように上に被覆された単一鋼ストランドを備える。ケーブルが氷および風の負荷に耐え抜くことができるように十分な引っ張り強さを実現するには、比較的大きな鋼ストランドが必要である。
【0027】
直接埋込み取付けに好ましい実施形態では、SMサブユニットは、直径がほぼ1.2mmでOFサブユニットの外径に一致するように上に被覆された単一鋼ストランドを備える。この比較的小さな鋼ストランドは、従来の装置を使用して位置を突き止めるのに十分な伝導性はもちろんのこと、この用途にとって十分な引っ張り剛性を有する。
【0028】
図7は、架空引込み線取付けの図であり、本発明の主要な特徴を示す。引込みケーブル71は、建物72の側面に取り付けられた状態で示されている。ケーブルは点Sで分離され、SM耐力部材は建物の締付け金具73に取り付けられている。ケーブルのOFサブユニットは、接続ボックス77につながり、この接続ボックスで、初めに説明したように、OFサブユニットがはがされ、そして光ファイバは顧客のシステムに接続されている。OFサブユニットがもはや支持されていないまたはSMサブユニットで保護されていないが、OFサブユニット・ループ75は、OFサブユニット中の耐力部材によって基本的に同等な保護および支持を持ち続けることが、本発明のケーブル設計の有利点である。これによって、ループ75は、取付けで必要になる場合には十分な距離にわたって延びることができるようになる。その上、OFサブユニットが耐炎性材料で作られる場合、OFサブユニットは、求められればブレークアウト・ケーブルとして顧客建物の中に直接引き込むことができる。ファイバの終端中に、OFサブユニットの耐力部材は、好都合なことにファイバの歪み緩和を実現するように使用することもできる。ファイバおよび耐力部材のケースは、はがして除去することができ、耐力部材と裸のファイバとだけが残される。耐力部材は、切り取り、そして接続ボックスに締め付けるか接着することができ、たるんだファイバがコネクタに入ったままになる。このたるんだファイバは、ケーブルの熱的または機械的歪みに起因する応力によって生じるファイバ・スプライスの破損および関連したサービス停止を防ぐことができる。
【0029】
本発明の利益を依然として達成しながら、図示の要素の幾何学的形状寸法に修正を加えることができる。例えば、耐力部材は、丸い断面を有するものとして図に示した。また、光ファイバ・システムも丸い断面で示されている。これらの形のどちらも変えることができる。
【0030】
引込み用途を目的とする光ファイバ・ケーブルは、一般に、ケーブルの点で、比較的小さな寸法および比較的少ない光ファイバ(例えば、1〜12)を有する。幅全体は1.27cm(0.5インチ)未満であることがある。厚さは、一般に、幅の0.3倍から0.7倍まで変化する。好ましい断面は、「トラック」形である。この説明的な用語は、ほぼ直線でつながれた2個の半円を定義するようにここで使用した。好ましくは、2個の半円は同じ半径である。ただし、必須ではない。トラックかまたは8字形の形状かのどちらかの対称構成には、いくつかの実際的な有利点がある。それは、広く使用されている様々な銅ケーブルの形によく似ている。これらのうちには、A引込み架空銅ケーブル、C引込み埋込み銅ケーブル、およびF引込み自己支持銅ケーブルがある。これは、顧客にアピールする互換性機能を実現する。また、前に取り付けられた装置の部分、例えばコネクタのハードウェアを再使用することができるようになる。
【0031】
耐力部材という用語は、耐力部材の周囲の材料よりも実質的に大きな引っ張り強さを有する材料のストランドと定義される。耐力部材は、ケーブル技術では、よく知られまた広く使用されているので、用語の意味は明らかで確定している。
【0032】
光ファイバ・サブユニット中の光ファイバは、束ねることができるし、または光ファイバ・リボンとして形成することができる。後者の場合、光ファイバ・サブユニットは、図6に示す構造、すなわちケース14のない構造であることができる。
【0033】
いくつかの用途では、例えば埋込み取付けでは、ケーブル中に水阻止剤を含むことが望ましいことがある。SMサブユニット13とOFサブユニット12との間の接触ゾーンの近くの水膨張可能糸は、その目的に適切であろう。糸は、また、取付け中にサブユニットを切り離すのに役立つように引裂きひもとしても使用することができる。
【0034】
本発明の様々な他の修正が当業者に浮かぶであろう。当技術が進歩してきた原理およびその同等物に基本的に依拠し、本明細書の特定の教示から逸脱するものすべては、説明しかつ特許を請求するような本発明の範囲内で適切に考える。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の光ファイバ引込みケーブルの一実施形態を示す断面図である。
【図2】光ファイバ組立品を含むサブユニットを示す断面図である。
【図3】耐力部材を含むサブユニットを示す断面図である。
【図4】ケーブル中の2つのサブユニットの切離しを示す模式図である。
【図5】図1と同様な図であり、本発明に従った他のケーブル設計を示す。
【図6】図1と同様な図であり、本発明に従った他のケーブル設計を示す。
【図7】引込みケーブル取付けを示す模式図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光ファイバ・サブユニットおよび耐力部材サブユニットを備える光ファイバ・ケーブルであって、両方のサブユニットが共通のケーブル・ケースの中に入れられ、かつ両方のサブユニットが少なくとも1つの耐力部材を含む光ファイバ・ケーブル。
【請求項2】
前記耐力部材サブユニットが、基本的に耐力部材から成る、請求項1に記載の光ファイバ・ケーブル。
【請求項3】
前記耐力部材が鋼を備える、請求項2に記載の光ファイバ・ケーブル。
【請求項4】
前記耐力部材が非金属連続ファイバ補強材を備える、請求項2に記載の光ファイバ・ケーブル。
【請求項5】
前記耐力部材サブユニットが、前記耐力部材を入れるポリマー・ケースをさらに備える、請求項2に記載の光ファイバ・ケーブル。
【請求項6】
前記光ファイバ・サブユニットが、少なくとも1つの光ファイバと、前記少なくとも1つの光ファイバを共形的にコーティングする第1のケース層とを備える、請求項1に記載の光ファイバ・ケーブル。
【請求項7】
前記光ファイバ・サブユニットが、前記第1のケースを共形的にコーティングする第2のケースを備え、前記第2のケースが少なくとも1つの耐力部材を含む、請求項6に記載の光ファイバ・ケーブル。
【請求項8】
前記第2のケースが2つの耐力部材を含み、前記少なくとも1つの光ファイバが前記2つの耐力部材の間に位置している、請求項7に記載の光ファイバ・ケーブル。
【請求項9】
前記少なくとも1つの光ファイバおよび前記2つの耐力部材が、共通の軸に沿って並んでいる、請求項8に記載の光ファイバ・ケーブル。
【請求項10】
前記ケーブルの断面がトラックの形である、請求項1に記載の光ファイバ・ケーブル。
【請求項11】
前記光ファイバ・サブユニットが、ただ1つの光ファイバを備える、請求項1に記載の光ファイバ・ケーブル。
【請求項12】
前記光ファイバ・サブユニットが、一緒に束ねられた2以上の光ファイバを備える、請求項1に記載の光ファイバ・ケーブル。
【請求項13】
前記光ファイバ・サブユニットが、一緒にリボン状にされた2以上の光ファイバを備える、請求項1に記載の光ファイバ・ケーブル。
【請求項14】
前記第1のケースと前記第2のケースとの間の境界面が、連続したポリマー間の界面である、請求項7に記載の光ファイバ・ケーブル。
【請求項15】
前記第1のケースが、前記少なくとも1つの光ファイバを覆って押し出し成形される、請求項14に記載の光ファイバ・ケーブル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−58892(P2006−58892A)
【公開日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−238070(P2005−238070)
【出願日】平成17年8月19日(2005.8.19)
【出願人】(302003314)フルカワ エレクトリック ノース アメリカ インコーポレーテッド (75)
【Fターム(参考)】