光ファイバーケーブル入線装置及び電気通信エンクロージャシステム
光ファイバーを収容したケーブルを電気通信エンクロージャの中に挿入するための入線装置について説明する。入線装置は、強化部材固定区分を有するハウジングを有し、強化部材固定区分は、少なくとも1本の強化部材をハウジングに締結するように構成されている。入線装置は、ファイバーガイド装置を更に有する。入線装置は、シングルファイバー光ケーブルアセンブリにおいて使用されても、マルチファイバー光ケーブルアセンブリにおいて使用されてもよい。また、ケーブルアセンブリを準備する方法についても説明する。また、入線装置を有する電気通信エンクロージャについても説明する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ファーバーを収容したケーブルを電気通信用のエンクロージャの中に、例えば、端子クロージャ、プレスタブ端子、光ネットワーク端子、又は他のジャンクションボックスの中に挿入するための入線装置に関する。
【背景技術】
【0002】
通信ケーブルは至る所に存在し、あらゆる形式のデータを広範なネットワークを介して配信するために使用されている。ケーブルの大多数は導電性ケーブル(典型的には銅)であるが、ますます大量のデータが伝送されるようになるにつれて、光ファイバーケーブルの使用が、電気通信システムにおいて急速に拡大している。加えて、データ伝送が増加するにつれて、光ファイバーネットワークは、構内、企業、又は私邸であり得るエンドユーザーにより接近して拡大している。
【0003】
電気通信ケーブルはデータネットワークを中継するものであるため、ケーブルを定期的に開けて、ケーブルの中の1本以上の電気通信線をスプライス接続できるようにすることが必要であり、それによって、他のケーブル又は電気通信ネットワークの「枝」にデータを配信することが可能となる。電気通信ケーブルが開けられる各地点では、ケーブルの露出した内部を保護するために、電気通信エンクロージャを設けることが必要である。ケーブル枝線は、ネットワークが個人宅、企業、オフィスなどに達するまで更に分配することができる。これらのネットワークはしばしば、FTTP(Fiber To The Premise)又はFTTH(Fiber To The Home)ネットワークと呼ばれる。
【0004】
FTTHネットワークにおいて、光ファイバーは、エンドユーザーの所に引き込まれ、エンドユーザーの所の壁上に装着された光ネットワーク端末(ONT)ユニットに接続される。ONTは、この光信号を通常の電気信号に変換して、音声(電話)、インターネット(データ)、及び映像信号をエンドユーザーに提供する。
【0005】
ファイバー端子は、典型的にはFTTPネットワークにおいてエンドユーザーの近くに設置されて最終的なサービスをエンドユーザーに配信する電気通信エンクロージャの一種である。典型的なファイバー端子は、典型的には4人から12人のエンドユーザーを有する少数の構内にサービスを引き込むように(サービス接続を提供するように)設計される。ファイバー端子からの最後のサービス接続は、引き込みケーブルを使用して、エンドユーザーの所に設置されたONTになされる。典型的には、ケーブルの光ファイバーの端子端部に取り付けられた光コネクタが、現場での導入を迅速で信頼性の高いものにするために好まれている。
【0006】
FTTPネットワークで使用されるファイバー端子には2つの基本的なタイプ、つまり、統合端子クロージャとプレスタブ端子とがある。プレスタブ端子は、導入されたマルチファイバーケーブルを有し、そのマルチファイバーケーブルは、15m(50フィート)から1524m(5000フィート)まで長さが様々である。このケーブルの一方の端部は、通常、分配スプライスクロージャ内の分配ケーブルに接続される。このマルチファイバーケーブルのもう一方の端部は、典型的には4本から12本の光ファイバーを有するものであり、SC APCコネクタなどの通常の業界標準コネクタで終端される。このケーブルアセンブリは、マルチファイバーファンアウトケーブルアセンブリと呼ばれることもある。マルチファイバーケーブルの予めコネクタ化された端部は、消費者に供給されるとき、別々に提供されても、プレスタブ端子に予め取り付けられてもよい。予め終端されたシングルファイバー引き込みケーブルは、一方又は双方の端部を光コネクタで予め終端されていてもよい。
【0007】
従来の水密入線装置が米国特許第6,487,344号に記載されており、この装置は、電気通信エンクロージャの壁内のポートの中に挿入することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
密封され強化された特殊な光コネクタ又はプラグによる解決策が、現在、FTTPネットワークで使用されるいくつかの引き込みケーブルにおいて展開されている。このシステムは、光接続を端子クロージャの壁に近接させるように提供されるものであり、そのため、過酷な環境条件にさらされるとサービスの中断を生じることがある。このコネクタ台は、特殊な嵌合レセプタクルをクロージャの壁内に装着することを必要とする。結局、このコネクタ及びレセプタクルの設計では、サービスの導入に先立った光インターフェースの清掃が困難となる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1の実施形態において、入線装置は、少なくとも1本の強化部材をハウジング内に締結するように構成された内部強化部材固定区分を有するハウジングと、ファイバーガイド装置とを有している。ファイバーガイド装置は、シングルファイバーケーブル又はマルチファイバーケーブルに適応を収容するように設計されてもよい。例示的なファイバーガイド装置には、マルチファイバーファンアウト装置が含まれる。曲げ半径を抑制すると共に、入線装置の第1の側部上でのケーブルに対する張力を緩和するために、ストレインリリーフ部材が入線装置に嵌められてもよい。一態様において、ハウジングは単本体構造をなすことができ、その単本体構造は、強化部材固定区分と、単本体構造の外表面上に形成された向き制御区分と、単本体構造の外表面内に形成された、シール部材を受容するための環状チャネルと、単本体構造の外表面内に形成されたロック係合機構と、単本体構造の第2の端部内に形成されたファイバーガイドレセプタクルとを有する。
【0010】
別の実施形態において、少なくとも1つの入線装置が、所定の長さの光ファイバーケーブル上に装着されて、光ファイバーケーブルアセンブリを形成してもよい。入線装置は、少なくとも1本の強化部材をハウジング内に締結するように構成された内部強化部材固定区分を有するハウジングと、ファイバーガイド装置とを有する。所望により、光コネクタが、入線装置の第2の端部を出る少なくとも1本の光ファイバーに装着されてもよい。ケーブルをファイバーネットワークの中に導入するのを容易にするために、引張ソックスがケーブルの端部の上に嵌められてもよい。光ファイバーケーブルアセンブリは、マルチファイバーリボンケーブル、シングルファイバーケーブル、及びマルチファイバー遊離緩衝管ケーブルのうちの1つを有してもよい。
【0011】
本発明の更に別の態様は、ケーブルアセンブリを作成する方法を提供する。光ファイバーケーブルは、ケーブルの少なくとも1本の光ファイバーと少なくとも1本の強化部材とを露出させるように作成される。ケーブルは、内部強化部材固定区分を有するハウジングの第1の端部の中に挿入される。少なくとも1本の強化部材が、固定区分内に固定される。少なくとも1本の光ファイバーが、光ファイバーガイド装置の中に挿入され、ファイバーガイド装置は、ハウジングの第2の端部の上に装着される。
【0012】
別の実施形態は、ケーブルアセンブリの現場組み立て用の部品一式を提供する。部品一式は、内部強化部材固定区分を有するハウジングと、少なくとも1つのファイバーガイド装置と、ファイバー保持器と、中に入るケーブル及び外に出るファイバーのためのファイバーガイドカバー及びストレインリリーフ部材とを有する。部品一式は、整列用インサート、少なくとも1本の保護管、少なくとも1つの光コネクタ、及び/又はケーブル装着済みのハウジングを受容するように形作られた引張ソックスを更に有することができる。
【0013】
別の例示的な実施形態において、ファンアウト装置は、光ファイバーケーブルからの複数の光ファイバーを整理する。ファンアウト装置は、基部とガイド支持体とを有し、ガイド支持体は、基部から延びる前側部と後側部とを有する。ガイド支持体は、複数のファイバーガイドチャネルを有し、ファイバーガイドチャネルの第1の組が、ガイド支持体の前側部上に配設されている。ファイバーガイドチャネルの第1の組の各々は、漏斗形状の入口チャネル部分と、開口チャネル部分とを有する。ファンアウト装置は、ガイド支持体と基部との間に配設された棚を更に有してもよい。棚は、それぞれガイド支持体の後側部上の対応する第2の開口チャネル部分と整列する、複数の第2の漏斗形状の入口チャネル部分を有してもよい。
【0014】
本発明の別の態様において、電気通信エンクロージャシステムは、電気通信エンクロージャの開口部内に受容される入線装置を有するケーブルアセンブリを含む。入線装置は、少なくとも1本の強化部材をハウジング内に締結するように構成された内部強化部材固定区分を有するハウジングと、ファイバーガイド装置とを含む。入線装置の挿入を可能にするために、所望によるポートアダプタが開口部内に配設されてもよい。光ファイバーケーブルアセンブリは、マルチファイバーリボンケーブル、シングルファイバーケーブル、及びマルチファイバー遊離緩衝管ケーブルのうちの1つを有してもよい。
【0015】
本発明の上記の概要は、本発明の説明した各実施形態又はすべての実現形態を記載することを意図したものではない。図及び以下の詳細な説明によって、これらの実施形態をより具体的に例示する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
本発明について、添付の図面を参照して更に説明することにする。
【図1A】本発明の実施形態による引き込みケーブルアセンブリ。
【図1B】遊離緩衝管を有する1つの例示的な引き込みケーブル構成。
【図1C】本発明の実施形態によるマルチファイバーファンアウトケーブルアセンブリ。
【図1D】中心管ファイバーリボンケーブルを有する1つの例示的な引き込みケーブル構成。
【図2】本発明の実施形態による入線装置の等角図。
【図3】本発明の実施形態による入線装置の分解図。
【図4】本発明の実施形態による入線装置の横断面図。
【図5A】本発明の実施形態による入線装置の強化部材固定区分の詳細横断面図。
【図5B】本発明の実施形態による入線装置の強化部材固定区分の拡大横断面図。
【図6】本発明の実施形態による入線装置のファイバーガイド装置の詳細横断面図。
【図7】本発明の実施形態による入線装置のファイバーガイド装置の分解図。
【図8】マルチファイバーオリフィスプレートの1つの例示的な実施形態の等角図。
【図9】本発明の実施形態によるマルチファイバーケーブルファンアウトアセンブリの等角図。
【図10】本発明の実施形態によるマルチファイバーケーブルファンアウトアセンブリの分解図。
【図11】本発明の実施形態によるマルチファイバーケーブルファンアウトアセンブリの一部分の等角図。
【図12】本発明の実施形態によるマルチファイバーケーブルファンアウト装置の詳細分解図。
【図13A】本発明の実施形態によるマルチファイバーケーブルファンアウト装置の詳細等角図。
【図13B】本発明の実施形態によるマルチファイバーケーブルファンアウト装置の別の詳細等角図。
【図13C】本発明の実施形態によるマルチファイバーケーブルファンアウト装置の詳細等角図。
【図14】本発明の実施形態による引張ソックスの等角図。
【図15】本発明の実施形態による引張ソックスの詳細等角図。
【図16】本発明の実施形態による電気通信エンクロージャの等角図。
【図17】本発明の実施形態による電気通信エンクロージャの内部構造の等角図。
【図18】本発明の別の実施形態による電気通信エンクロージャの内部構造の等角図。
【図19】本発明の別の実施形態による電気通信エンクロージャの内部構造の等角図。
【図20】本発明の別の実施形態による電気通信エンクロージャの内部構造の等角図。
【図21】本発明の別の実施形態によるポートアダプタの分解図。
【図22】本発明の別の実施形態による電気通信エンクロージャに導入されたポートアダプタの等角図。
【図23】本発明の別の実施形態による電気通信エンクロージャの等角図。
【図24A】図23の電気通信エンクロージャ内に導入されたポートアダプタアセンブリの等角図。
【図24B】図23の電気通信エンクロージャ内に導入されたポートアダプタアセンブリの別の等角図。
【図25】光学装置モジュールを有する、本発明の別の実施形態による電気通信エンクロージャの概略図。
【図26】複数の光学装置モジュールを有する、本発明の別の実施形態による電気通信エンクロージャの概略図。
【0017】
本発明は様々な修正及び代替の形態に容易に応じるが、その細部を、一例として図面に示してあり、また詳しく説明することにする。しかしながら、その意図は、記載した特定の実施形態に本発明を限定することではないことを理解されたい。逆に、その意図は、添付の特許請求の範囲で定義される本発明の範囲に含まれるすべての修正物、等価物、及び代替物を網羅することである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
好ましい実施形態の以下の詳細な説明において、添付の図面を参照するが、その図面は本願の一部をなすものであり、また、本発明が実施され得る特定の実施形態を一例として示すものである。説明する実施形態は、本発明によるすべての実施形態を網羅することを意図したものではない。他の実施形態を利用することもでき、また、構造的又は論理的な変更が、本発明の範囲から逸脱することなくなされうることが理解される。以下の詳細な説明は、したがって、限定的な意味で解釈されるべきではなく、また、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によって定義される。
【0019】
本明細書における例示的な実施形態は、光ファイバーケーブルを電気通信エンクロージャの中に挿入するための入線装置を提供する。本発明の入線装置の設計の独自の利点には、ハウジングが頑健であること、及び、最小数の部品(例えばファイバーガイド装置)を変更することによってシングルファイバーケーブル又はマルチファイバーケーブルのいずれも収容できることが挙げられる。例示的な入線装置は、電気通信エンクロージャ内に導入されると周辺を密封するように設計される。周辺を密封することにより、入線装置は、防水性若しくは耐水性の密封をもたらし、かつ/又は、塵、虫、若しくは他の異物がエンクロージャに侵入するのを防止するように設計されることができる。また、本明細書で説明するハウジングは、強化部材固定区分と、向き制御区分と、シール部材と、ロック機構と、ファイバーガイド取り付け区分とを組み込みかつ/又は収容する単一の構造を提供するので、「単本体ハウジング」とも呼ばれる。
【0020】
本発明の第1の実施形態において、例示的な入線装置は、予め終端された引き込みケーブルの一部である。図1Aは、引き込みケーブル60の第1及び第2の端部61、62上に装着された2つの入線装置50と2つの光コネクタ30とを有する引き込みケーブルアセンブリ10を示している。図1Aは、2つの例示的な入線装置を有する予め終端された引き込みケーブルを示しているが、予め終端された引き込みケーブルの別の実施形態が、単の例示的な入線装置を有してもよい。引き込みケーブルの第2の端部への接続は、メカニカルスプライス、フュージョンスプライス、又は屋外設置型コネクタを使用してなされてもよい。あるいは、例示的な入線装置は、シングルファイバーケーブルアセンブリへのシングルファイバー分配ケーブル上に装着されることができる。
【0021】
図1Bは、スミトモ・エレクトリック・ライトウェイブ社(Sumitomo Electric Lightwave)(ノースカロライナ州リサーチトライアングルパーク(Research Triangle Park))から入手可能な、例示的な汎用光ファイバー引き込みケーブルの横断面図を示す。引き込みケーブル60は、遊離緩衝管65と緩衝管の両側に設置された一対の強化部材68とを囲む半硬質の外側シース64を有する。1本から12本の光ファイバー63が、遮水ジェル又はグリース66によって囲まれた緩衝管内に存在することができる。類似したケーブルには、ピレリケーブルズアンドシステム社(Pirelli Cables and System)(ノースカロライナ州コロンビア(Columbia)、NC)から入手可能なResiLink ADF(商標)All−Dielectric Flat Drop Cable及びOFS社(OFS)(ジョージア州ノースクロス(Northcross)、GA)から入手可能なMini DP Flat Drop Cableが挙げられる。光ファイバーは、ガラス繊維を囲み保護する高分子コーティングを有する。強化部材は、半硬質の棒材であっても、例えばアラミド繊維でできたルースファイバの集まりであってもよい。
【0022】
本発明の別の実施形態において、例示的な入線装置は、予め終端されたマルチファイバーケーブルの一部である。図1C及び9は、マルチファイバーケーブル160の第1の端部161上に装着された入線装置150と複数の光コネクタ30とを有するマルチファイバーケーブルファンアウトアセンブリ100を示している。マルチファイバーケーブル160の第2の端部(図示せず)への接続は、複数の単心メカニカルスプライス若しくは複数のフュージョンスプライス、マルチファイバーメカニカルスプライス、マルチファイバーフュージョンスプライス、又は複数の屋外設置型コネクタを使用してなされてもよい。
【0023】
図1Dは、ピレリケーブルズアンドシステム社(Pirelli Cables and System)から入手可能な別の例示的な汎用マルチファイバーケーブル160を示している。このケーブルは、遊離緩衝管165と緩衝管の両側に設置された一対の強化部材168とを囲む半硬質の外部シース164を有している。4本から12本の光ファイバー163が、遮水ジェル又はグリース166によって囲まれた緩衝管内にファイバーリボン162の形態で存在する。あるいは、ファイバーリボンは、遊離緩衝管を伴うことなく直接シース内に存在してもよい。
【0024】
各光ファイバーは、中心のガラス繊維を囲み保護する高分子コーティングを有する。強化部材は、一般に、圧縮されたアラミド繊維の少なくとも1本の半硬質の棒材の形態をなす。複数のこれらの半硬質の強化部材がマルチファイバーケーブル内に存在する場合、これらの強化部材は、光ファイバーリボンケーブル又は保護管の周りに配置されてもよい。あるいは、マルチファイバーケーブルは、半硬質の中心強化部材と、光ファイバーリボンケーブル又は保護管を囲む、複数の遊離した又は織り込まれた柔軟な強化部材との組み合わせを有してもよい。
【0025】
例えば、光コネクタ30は、引き込みケーブル又はマルチファイバーケーブルの端部上に装着されてもよい。コネクタ30は、数例を挙げれば、SC、DC、SC−DC、ST、FC、又はLCコネクタなどのコネクタであってもよく、また、例えば、PC(positive contact)又はAPC(斜め研磨コネクタ)タイプのコネクタのどちらであってもよい。実例のコネクタには、いずれもスリーエム社(3M Company)(ミネソタ州セントポール、NM(St. Paul, NM))から入手可能な3M(商標)No Polish Connector SC Plug、3M(商標)Hot Melt LC Connector、及び3M(商標)CRIMPLOK(商標)ST SM 126 UM Connectorが挙げられる。本発明のいくつかの実施形態において、コネクタが、光ファイバーの端部に付けられなくてもよく、代わりに、光ファイバーの自由端部が、フュージョンスプライスか、又はスリーエム社(3M Company)(ミネソタ州セントポール、NM(St. Paul, NM))から入手可能な3M(商標)Fibrlok(商標)IIメカニカルスプライスなどのメカニカルスプライスのいずれかを使用してネットワークにスプライス接続されてもよい。あるいは、数例を挙げれば、SC、DC、SC−DC、ST、FC、若しくはLCコネクタなど、現場で装着可能なコネクタ、又は、スリーエム社(3M Company)(ミネソタ州セントポール、NM(St. Paul, NM))から入手可能な3M(商標)SC No Polish Connectorがある。
【0026】
図2〜4並びに図5A及び5Bは、例示的な入線装置50を示している。入線装置は、第1の端部205と第2の端部210とを有する、本願において単本体ハウジングと呼ばれるハウジング200と、第2の端部において単本体ハウジングに取り付け可能なファイバーガイド装置220とを有している。単本体ハウジングは、形状が概ね円筒状であり、内部通路215を有しており、内部通路215は、ハウジングの第1の端部から第2の端部まで単本体ハウジングの長さに沿って延びている。ハウジングは通路入口216を有し、通路入口216は、特定の種類の引き込みケーブル及びマルチファイバーケーブル(すなわち、丸形ケーブル、平形ケーブルなど)を収容するように構成されてもよい。
【0027】
加えて、単本体ハウジング200は、ハウジングの内方部分に形成された内部強化部材固定区分230を有している。この強化部材固定区分は、少なくとも1本の強化部材68を単本体ハウジングに締結するように構成されることができる。強化部材固定区分は、光ファイバーを通すための開口部又は通路231と、少なくとも1本の強化部材を少なくとも1つの固定穴又はチャンバー235の中に通すための少なくとも1つの開口部232とを有している(図5A及び5Bを参照)。強化部材68が固定穴235の中に挿入されると、強化部材68は、少なくとも1つのメカニカルファスナー、つまりピン238によって定位置にロックされることができ、そのメカニカルファスナーは、強化部材68がメカニカルファスナーの端部と固定穴の対向する壁部との間で捕捉されるように、固定穴の壁部内の穴237を通過する。メカニカルファスナー、つまりピン238は、所望により、単本体ハウジングの外壁201内の凹部239に差し込まれてもよい。
【0028】
単本体ハウジング200の他の機構には、第1及び第2のケーブルストレインリリーフ取り付け表面(240、245)、向き制御区分250、シール部材275を保持するための環状チャネル270、ロック係合機構273、及びファイバーガイド装置取り付け区分223がある。
【0029】
第1のケーブルストレインリリーフ取り付け表面240は、通路入口216と第2のケーブルストレインリリーフ取り付け表面245との間に設置されている。第2のケーブルストレインリリーフ取り付け表面245は、第1のケーブルストレインリリーフ取り付け表面240と向き制御区分250との間に設置されている。第1のケーブルストレインリリーフ取り付け表面の外側の周囲長は、第2のケーブルストレインリリーフ取り付け表面の周囲長よりも短く、そのため、二部型ケーブルシール及びストレインリリーフ部材260(図9を参照)は、単本体ハウジングの全径を増加させることなく、単本体ハウジングに取り付けられることができる。二部型ケーブルシール及びストレインリリーフ部材は、引き込みケーブルを単本体ハウジング200に固定しかつ密封する。また、このケーブルストレインリリーフ部材は、引き込みケーブルが電気通信エンクロージャに導入されるとき、ケーブルの適切な曲げ半径を維持することによって、引き込みケーブルに張力緩和をもたらす。ケーブルストレインリリーフ部材はまた、引き抜き力に逆らってケーブルを保持する。
【0030】
一実施形態において、第1及び第2のケーブルストレインリリーフ取り付け表面(240、245)は、平滑な表面組織を有してもよい。別の実施形態において、第1及び第2のケーブルストレインリリーフ取り付け表面は、リブ付きの、波形の、又は他の粗い表面組織を有してもよい。図2〜4並びに図5A及び5Bは、リブ247を有する第1及び第2のケーブルストレインリリーフ取り付け表面の実施形態を示す。粗いリブ付きの、波形の、又は他の粗い表面組織を第1及び第2のケーブルストレインリリーフ取り付け表面上に有することは、ケーブルシール及びストレインリリーフ部材260への単本体ハウジングの結合の機械的強度を改善するために有利となることがある。
【0031】
二部型ケーブルシール及びストレインリリーフ部材260は、ケーブル被覆の一部分を囲む、図1Aに示すような第1の層262と第2の層264の2層で構成されている。ケーブルシール及びストレインリリーフ部材の第1の層262は、第1のケーブルストレインリリーフ取り付け表面240に取り付けられ、単本体ハウジングの端部からある距離(例えば、約7.6cm(3インチ)から約15.2cm(6インチ))にわたって延びる。ケーブルシール及びストレインリリーフ部材の第2の層264は、第2のケーブルストレインリリーフ取り付け表面245に取り付けられ、単本体ハウジング200の端部を越えて、ある長さにわたって、ケーブルシール及びストレインリリーフ部材260の第1の層262の上に延びる。ケーブルシール及びストレインリリーフ部材260の層262、264は、成形された予備形成ストレインリリーフブーツ、復元可能スリーブ、又は、タイコエレクトロニクス社(Tyco Electronics Corporation)(ペンシルバニア州ハリスバーグ(Harrisburg))から入手可能なATUM及びTAT熱収縮チューブ並びにスリーエム社(3M Company)(ミネソタ州セントポール、NM(St. Paul, NM))から入手可能なHDTチューブなどの接着剤塗膜熱収縮チューブを有してもよい。
【0032】
向き制御区分250は、既知の又は制御された向きで電気通信エンクロージャ内の補助ポート構造の中に入線装置50が挿入されるときに利用されることができる。図2において、向き制御区分は、単本体ハウジング200上に、第2のケーブルストレインリリーフ取り付け表面245と、シール部材275を保持するように構成された環状チャネル270との間に配置されている。向き制御区分の外部寸法は、単本体ハウジングの残りよりもいくぶんか大きくてもよい。本発明のいくつかの実施形態において、向き制御区分によって、入線装置の最大の横断面径が決まる。向き制御区分の各部分は、単本体ハウジングの概ね円筒形の表面から延びる当接表面252を形成してもよい。これらの当接表面は、電気通信エンクロージャのポート内のショルダーと協働して、入線装置を電気通信エンクロージャ内に適切に着座させることができる。
【0033】
向き制御区分250は、複数の切り子面254を有する多角形形状を構成する外部形状を有し、一方でエンクロージャポートの後部分が対応する雌型の形状を有してもよい。あるいは、向き制御区分は、単本体ハウジングが、円形を切り詰めた横断面又はD字形状の横断面を有するように、少なくとも1つの平坦な切り子面と少なくとも1つの円弧状の区分とを備える、単本体ハウジングの外表面上のいかなる外部の多角形形状を有してもよい。向き制御区分の外部形状は、電気通信エンクロージャ内の対応する雌型の形状のポートの少なくとも一部分と係合する。
【0034】
シール部材275は、単本体ハウジング内の環状チャネル270内に配置される。このチャネルは好ましくは、向き制御区分に近接して位置する。一実施形態において、シール部材275はゴム製のOリングである。
【0035】
ロック係合機構273は、溝又はトレンチの形態をなすことができ、環状チャネル270とファイバーガイド装置取り付け区分223との間に設置されることができる。ロック係合機構は、ネック274によって環状チャネル270から分離されている。ネックは、ロック係合機構とチャネル270との間に十分な空間をもたらしており、そのため、装置がポート内に完全に着座されると、ロック係合機構は電気通信エンクロージャの内側に入る。装置を電気通信エンクロージャのポート内に確実に締結するために、二又ロックキー276(図15及び22)などのキー締め機構がロック機構の中に挿入されてもよい。例示的な二又ロック機構は、ハンドル277と、ハンドルから延びる2本の歯(278、279)とを有する。2本の歯は、単本体ハウジング200の両側のロック係合機構273の中に嵌り、装置がポート内で滑るのを防止する。
【0036】
図2及び4は、第2の端部における単本体ハウジングへのファイバーガイド装置の取り付けを示している。ファイバーガイド装置は、少なくとも1本の光ファイバーを案内するための少なくとも1つのファイバーガイドを有する。
【0037】
開示される入線装置50、150の1つの有利な態様は、相当な圧力又は力が光ファイバーに作用することなく、光ファイバーが装置を自在に通過することである。ケーブル及び強化部材は、単本体ハウジングの第1の端部に確実に取り付けられる。
【0038】
単本体ハウジング200の第2の端部210において光ファイバーを通路215の中心に保つために、保持装置290が使用されている。このファイバー保持器290は、単本体ハウジングの長さに応じて任意に選択されてもよい。ファイバー保持器は、2つのウイング294(図7を参照)を有するc字形状の受容領域292を有し、これら2つのウイング294は、「c字」の頂部分及び底部分から延びる。ウイングは、単本体ハウジング200の第2の端部210内のスロット266(図3)と協働して、遊離管又はファイバーリボンケーブルが、ハウジング内で回転したり、曲がったり、ねじれたりするのを防止する。整列用インサート265が、ファイバー保持器290のc字形状の受容領域292の中に挿入されることができる。例示的な一実施形態において、整列用インサートは、スリットを有する円柱状の発泡体の整列用トインサート265aを構成しており、このスリットは、インサートの長さに沿ってかつ円柱の幅の約60%にわたって延びている(図10及び12を参照)。光ファイバーリボンがスリットの中に配置されてもよく、また、インサートは、ファイバー保持器290の中に嵌められてもよい。あるいは、タイゴンチューブなどのチューブ265b(図7)の短い区分が、1本以上の光ファイバー又は1本以上のファイバーリボンを収容した1本以上の遊離緩衝管を案内するために、整列用インサートとして使用されることができる。
【0039】
入線装置50、150は、好適ないかなるプラスチック材料で形成されてもよい。一実施形態において、単本体ハウジング、ファイバー保持器、ファイバーガイドプレート、カバー、及びロックキーは、射出成形、押し出し、鋳造、機械加工などの方法によって高分子材料で形成される。例えば、これらの部品は、成形ポリプロピレン、ナイロン、ポリプロピレン/ナイロンの混合物、又はこれらのポリマーのガラス繊維注入変形でできていてもよい。材料の選択は、限定はするものではないが、数例を挙げると、化学暴露条件、温度及び湿度条件を含めた環境暴露条件、紫外線暴露条件、難燃性要件、材料強度、並びに剛性を含む要因に依存する。
【0040】
シングルファイバーオリフィスプレート
図2〜4に示す例示的なファイバーガイド装置220の第1の実施形態において、ファイバーガイド装置は、シングルファイバーオリフィスプレートを備えている。例示的なシングルファイバーオリフィスプレート320について、図6及び7を参照してより詳細に説明する。このオリフィスプレートは、穴341を有するディスク形状の基部340を備えており、穴341は、基部の中心を通じて基部の第1の側部342から第2の側部345に延びている。一対のフランジ352が、基部340の第1の側部342上に装着されており、また基部340の第1の側部342から離れて延びている。フランジは、基部340の第1の端部342の縁部から後退していてもよい。例えば、オリフィスプレートが単本体ハウジング200の第2の端部210の中に挿入されるとき、フランジ352はハウジング通路215の中に滑り込むことができる。オリフィスプレート320はまた、基部340の第1の側部342から延びる少なくとも1つのラッチ355を有していてもよく、ラッチ355は、単本体ハウジング200の第2の端部210内のスロット212と係合して、オリフィスプレート320を単本体ハウジングに固定してもよい。あるいは、オリフィスプレートは、単本体ハウジングの第2の端部内の定位置に接着剤で接合されてもよい。
【0041】
オリフィスプレート320は、基部340の第2の側部345上に装着されたキャップ360を更に有することができる。ファイバーガイド365はキャップ360の頂側部から延びていてもよく、また、ボス370がキャップの底側部から延びていてもよい。ボス370は、中心を通じた通路375を有しており、通路375は、ファイバーガイド365を通じた穴366と整列している。
【0042】
一例においては、ファイバーガイドは、圧着リング380の利用が可能となるように、キャップ360の頂部から十分な距離にわたって延びていてもよい。圧着リングは、被覆ファンアウトチューブ396などの保護チューブのある区分をシングルファイバーオリフィスプレートに固定することができる。オリフィスプレートを通過する光ファイバーの最小曲げ半径を抑制するために、所望によるゴム製のファイバーストレインリリーフ部材又はブーツ395が、圧着リング380の上に配置されてもよい。
【0043】
マルチファイバーオリフィスプレート
別の態様において、図9は、マルチファイバーケーブル160上に装着されたマルチファイバーケーブルファンアウトアセンブリ100を示す。このファンアウトアセンブリは、上述したものなどの単本体ハウジング200と、マルチファイバーガイド装置(図示せず)と、所望によるカバー470とを有する入線装置150を有し、カバー470は、それに取り付けられたファイバーストレインリリーフ部材又はブーツ495と、ケーブルシール及びストレインリリーフ部材260とを有している。マルチファイバーケーブルの光ファイバーの各々は、保護管462内に収容され、光ファイバーコネクタ30で終端されてもよい。
【0044】
図8に示す例示的なファイバーガイド装置の別の実施形態において、ファイバーガイド装置は、マルチファイバーオリフィスプレート420を備えることができる。オリフィスプレート420は、第1の側部442と第2の側部445とを有するディスク形状の基部440を含んでいる。一対のフランジ(図示せず)が、基部440の第1の側部442上に装着され、かつその第1の側部442から離れて延びていてもよい。このフランジは、オリフィスプレートが単本体ハウジング200の第2の端部210の中に挿入されるとき、フランジがハウジング通路215の中に滑り込むことができるように、基部440の第1の端部442の縁部から後退していてもよい。オリフィスプレートはまた、オリフィスプレートの第1の側部から延びる少なくとも1つのラッチ455を有していて、ラッチ455は、単本体ハウジング200の第2の端部210内のスロット212と係合してオリフィスプレート420を単本体ハウジングに固定してもよい。あるいは、オリフィスプレートは、単本体ハウジングの第2の端部内の定位置に接着剤で接合されてもよい。
【0045】
オリフィスプレート420は、基部440の第2の側部445上に装着されたキャップ460を有することができる。キャップ460は、基部440を貫いて延びる複数のファイバー通路466を有しており、ファイバー通路466は、複数の別々のファイバーを基部の第1の前側部442から第2の側部445に通過させることができるようになる。各ファイバー通路466は、ファイバーをオリフィスプレートの中に送り込むのを容易にするために、基部440の第1の側部442上に円錐形の入口(図示せず)を有してもよい。
【0046】
漏斗形状のファイバー出口ポートを有する所望のカバー470(図9)が、マルチファイバーオリフィスプレート420の上に滑らされてもよく、また、所望によるファイバーストレインリリーフブーツ495が、マルチファイバーに張力緩和をもたらすために、出口ポートの漏斗形状の部分の上に滑らされてもよい。
【0047】
マルチファイバーファンアウト装置
マルチファイバーケーブル用の別のファイバーガイド装置が、図10〜12及び図13A〜13Cに示すマルチファイバーファンアウト装置又はマルチファイバーオーガナイザ520である。このマルチファイバーファンアウト装置は、第1の側部540と第2の側部542とを有するディスク形状の基部540を有する。このディスクは、光ファイバー又は光ファイバーリボンが基部540を通過することができるように、中央オリフィス(図示せず)又は実質的にU字形状の切り抜き541を有してもよい。一対のフランジ(図示せず)が、基部540の第1の側部542上に装着され、かつその第1の側部542から離れて延びていてもよい。このフランジは、ファンアウト装置が単本体ハウジング200の第2の端部210の中に挿入されるとき、フランジがハウジング通路215の中に滑り込むように、基部540の第1の端部542の縁部から後退していてもよい。この基部はまた、基部の第1の側部から延びる少なくとも1つのラッチ555を有してもよく、ラッチ555は、単本体ハウジング200の第2の端部210内のスロット212と係合してファンアウト装置520をハウジングに固定するようになる。あるいは、ファンアウト装置は、単本体ハウジングの第2の端部内の定位置に接着剤で接合されてもよい。
【0048】
ファンアウト装置520は、基部540の第2の側部545の両側に装着された2本の脚部525を含むことができる。ガイド支持体530が、基部の第2の側部の上方に脚部525の間に配置されている。このガイド支持体は、前側部531と、後側部532と、頂端部533と、底端部534とを有している。
【0049】
このガイド支持体は、複数のファイバーガイドチャネルを有しており、ファイバーガイドチャネルの第1の組みが、ガイド支持体の前側部上に配設されている。第1の組の第1のファイバーガイドチャネルの各々は、第1の漏斗形状の入口チャネル部分と、支持体上の第1の開口チャネル部分とを有している。第1の漏斗形状の入口チャネル部分は、ガイド支持体530の底端部534に設置されることができる。各第1の漏斗形状の入口チャネル部分535の幅狭端部は、対応する第1の開口チャネル部分550内に向かって開口しており、第1の開口チャネル部分550は、漏斗形状の入口チャネル部分の幅狭端部からガイド支持体の頂端部533に延びている。第1の開口チャネル部分の幅は、第1の漏斗形状の入口チャネル部分の幅狭端部の幅よりも広い。第1の開口チャネル部分550は、その中に第1の保護管580をぴったりと保持するように構成されている。漏斗形状の入口チャネル部分535の幅狭開口部は、開口チャネル部分550内に着座された保護管の中心孔582への入口と整列するように配列されている(図13C)。この構成では、ファイバーを管580の中心孔582と手動で整列させる必要なしに、ファイバーを第1の保護管の中に挿入することが可能となり、第1の保護管580は、第1の漏斗形状の入口チャネル部分535と中心を合わせられている。
【0050】
複数の第2の開口チャネル部分552が、それらが底端部534から支持ガイドの頂端部533に延びるように、支持ガイド530の後側部532上に設置されることができる。
【0051】
棚560が、基部540の上の脚部525の間に配置されている。また、棚560は、ガイド支持体530の下方にかつガイド支持体530とずらして配置されてもよい。この棚は、前側部561と後側部562とを有している。複数の第2の漏斗形状の入口チャネル部分565が、棚560の前側部561上に設置されている。棚560上の各第2の漏斗形状の入口チャネル部分552の幅狭端部は、ガイド支持体532の後側部532上に設置された対応する第2の開口チャネル部分552に向かって開口している。第2の開口チャネル部分552の幅は、第2の漏斗形状の入口チャネル部分565の幅狭端部の幅よりも広い。第2の開口チャネル部分552は、その中に第2の保護管582をぴったりと保持するように構成されている。第2の漏斗形状の入口チャネル部分562は、第2の開口チャネル部分552内に着座された保護管585の中心孔586の入口と整列し、保護管585は、第2の漏斗形状の入口チャネル部分535と中心を合わせられる。
【0052】
あるいは、ファンアウト装置は、ガイドチャネルの第2の組をガイド支持体の後側部上に有することができる。この第2の組のガイドチャネルの各々は、第2の漏斗形状の入口チャネル部分及び第2の開口チャネル部分をガイド支持体の後側部上に有する。この構成において、棚は上述のように除かれる。
【0053】
所望により、支持ガイド530はスロット545を有していてもよく、スロット545は、支持ガイド530の頂端部533から支持ガイドの底端部534への途中まで延びている。このスロットにより、脚部525の頂部は撓むことができる。
【0054】
漏斗形状の出線部575を有するカバー570が、装置を保護するためにマルチファイバーファンアウト装置520の上に滑らせてもよい。ファンアウト装置の脚部525は、カバー570内のスロット572に挿入されてもよい。カバーは、脚部の戻り止め526が漏斗形状の出線部575の基部にあるくぼみ又はスロット576と係合するまで、軸方向に脚部525の下方に滑る。所望のファイバーストレインリリーフ部材又はブーツ595が、出線部の幅狭端部に取り付けられてもよい。
【0055】
入線装置を有する電気通信エンクロージャ
電気通信ケーブルが開けられる各地点では、ケーブルの露出した内部を保護するために、電気通信エンクロージャが設けられる。ファイバー端子は、最終サービスをエンドユーザーに配信するためにFTTPネットワークで使用される電気通信エンクロージャの一種である。ファイバー端子は、典型的には4人から12人のエンドユーザーを有する少数の家庭又は企業にサービス接続を提供するように設計される。
【0056】
2つの基本的なタイプのファイバー端子、つまり、統合端子クロージャ及びプレスタブ端子がFTTPネットワークで使用されている。プレスタブ端子は、導入されたマルチファイバーケーブルを有し、そのマルチファイバーケーブルは、長さが15m(50フィート)から1524m(5000フィート)まで様々なものとなり得る。端子に接続するマルチファイバーケーブルの端部は、典型的には、4本から12本のファイバーを有し、それらのファイバーは、SC APCコネクタなどの標準的な光ファイバーコネクタでそれぞれ終端される。このケーブルのもう一方の端部は、メカニカルスプライス又はフュージョンスプライスのいずれかを使用して、分配スプライスクロージャ又は分配キャビネット内の分配ケーブルに接続されてもよい。マルチファイバーケーブルのこの予めコネクタ化された端部は、消費者に供給されるとき、別々に提供されてもよく、またプレスタブ端子に予め導入されていてもよい。
【0057】
ファイバー端子の一目的は、各エンドユーザーにサービスを提供する個々の引き込みケーブルへの、このマルチファイバーケーブルのジャンクションを保護することである。
【0058】
本発明の実施形態による例示的な電気通信エンクロージャ又はプレスタブ端子600が、図16に示されている。エンクロージャ600は、基部622と、その基部622に取り外し可能に固定されたカバー又はハウジング624とを有する。基部622は、図1A及び1Cに示す光ファイバーケーブルアセンブリ10、100を受容するための少なくとも1つのポート626を有する。基部622は、特定のエンクロージャ600に必要となるように、1つ、2つ、又は任意の数のポート626を有してもよい。ハウジング624は中空であり、ハウジング624の第1の端部632から第2の端部634へと延びる長手方向の内部空洞を画定する。ハウジング624の第1の端部632における開口部は、従来の方式で基部622の上に嵌りかつ基部622と係合するように、形作られ寸法決めされる。ハウジング624は、ベイル又はクランプ620によって基部622に固定されてもよい。係合すると、基部622とハウジング624は、端子600の内部構成要素を、風雨、虫及び他の外部障害から保護する。
【0059】
例示的な実施形態において、ハウジング624及びその中に形成された空洞は、横断面図において実質的に楕円形であり、また、ハウジング624の閉じた第2の端部634は、実質的にドーム形状をなす。基部622は、横断方向において、ハウジング624の開放端部の形状に整合する実質的に楕円形の断面を有する。しかしながら、実際には、基部622及びハウジング624の形状は、そのようには限定されず、また、他の実施形態において、ハウジング624及び基部622は、他の形状及び断面を有してもよい。例えば、ハウジング624及び基部622の横断面の形状は、特定の用途に対して要求又は所望されるように、実質的に円形、長方形、正方形、又は他の任意の形状であってもよい。ハウジング624の閉じた第2の端部634は、同様に任意の好適な形状であってもよい。他の実施形態において、ハウジング624の閉じた第2の端部634は、図示の実施形態において示すように、ハウジング624の残部と一体式では形成されていない。例えば、他の実施形態において、ハウジング624は、2つの開いた端部を有する長手方向の中空本体などの構成部品のアセンブリを備えていてもよく、閉じた第2の端部634を形成するために、キャップ又は他の類似の装置が使用される。
【0060】
エンクロージャ600の基部は、マルチファイバー電気通信ケーブルアセンブリ100を受容するための1つ以上のポートを有することができる。加えて、1つ以上のポートが、特定の消費者又は建物にサービスを供給する、入線装置50を有する1つ以上の引き込みケーブルアセンブリ10を通すように構成されることができる。所望により、引き込みケーブルアセンブリ10を導入するのに先立って、プレスタブ端子のポートを塞ぐために、プラグがポートの中に嵌められてもよい。
【0061】
この目的で、ポートの少なくとも一部分は、単本体ハウジングの向き制御区分の形状に対応する独特の形状を有してもよく、これについては以下で説明される。
【0062】
ポート構造は、ポート626の前端部627からポートの後端部628に延びる入線通路611を有している。前端部において、入線通路611、すなわちポートの内壁629(図19)は、縮径した出線部分を有しており、その出線部分は、ロック係合機構273を含めて入線装置50(図2)の第2の端部210を容易に通すことができるが、より径の大きい向き制御区分は通さない。
【0063】
入線通路611の後半部は、形状において六角形をなすことができ、すなわち、入線装置の向き区分の六角形の外表面に対応する雌型の形状を有することができる。入線装置50が図16に示すようなポート内に着座されるとき、向き制御区分250は通路611の六角形の入線部625の中に少なくとも部分的に挿入され、それによって、ポート626内での入線装置の回転が防止される。この構成により、ケーブル入線装置は、後にケーブル60に及ぼされ得る外部捩り応力に耐えることができる。あるいは、入線通路611の後半部は、入線装置50の向き制御区分の外側横断面形状に対応する別の内部構造を有してもよい。
【0064】
ポートは、入線通路のより径の大きい後部分と入線通路の縮径した出線部分との間に、ショルダー又は渡り(図示せず)を有してもよい。このショルダーは、入線装置がポートを完全に貫いて挿入されるのを防止することができる。
【0065】
シール部材275(図4)は、単本体ハウジング200内の環状チャネル270内に配置される。環状チャネルは、向き制御区分250の当接表面252のすぐ前方にあってもよい。入線装置が図16に示すようなポート内に着座されるとき、密封部材は、環状チャネルと通路611の内壁との間で圧縮されて周辺を密封する。
【0066】
支持フレーム640は、図17〜19に示すように、そのフレーム640から延びる1つ以上の装着ブラケット部分642によって、基部622に固定されることができる。装着ブラケット部分642は、基部622にボルト又はねじによって固定されるように構成されることができる。他の実施形態において、支持フレーム640は、限定するものではないが、ボルト、ねじ、フレーム640及び基部622の上の連結要素、接着剤、又は他の任意の好適な装置若しくは材料を含む従来のいかなる機構によって基部622に固定されてもよい。
【0067】
一態様において、支持フレーム640は、エンクロージャ600が閉じられると、ハウジング624の内部空洞の中に長手方向に延びるように形作られる。
【0068】
一実施形態において、装着ブラケット部分642は、フレーム640及び装着ブラケット部分642を単一片の金属薄板から型押しすること、フレーム640及び装着ブラケット部分642を単一ユニットとして成形すること、又はフレーム640を装着ブラケット部分642の上にオーバーモールドすることなどによって、支持フレーム640と一体に形成されることができる。別の実施形態において、装着ブラケット部分642は、支持フレーム640とは別に形成され、次いで、ねじ、ボルト、溶接、接着剤、スナップ嵌め、機械的な締り嵌めなどのような任意の好適な従来の手段を用いてフレーム640に固定されることができる。
【0069】
本明細書で説明した実施形態及び実現形態において、エンクロージャ600、支持フレーム640、及びそれらの要素の様々な構成部品は、任意の好適な材料で形成される。その材料は、意図する用途に応じて選択され、またポリマーと金属の双方を含んでもよい。一実施形態において、基部622及びハウジング624は、射出成形、押し出し、鋳造、機械加工などの方法によって高分子材料で形成され、一方で、支持フレーム640及びその構成部品は、成形、鋳造、型押し、機械加工などの方法によって金属で形成される。材料の選択は、限定するものではないが数例を挙げると、化学暴露条件、温度及び湿度条件を含めた環境暴露条件、難燃性要件、材料強度、並びに剛性を含む要因に依存する。
【0070】
プレスタブ端子のある実施形態において、マルチファイバーケーブルは、その上に装着された入線装置150を有する。マルチファイバーのファイバーは、フュージョンスプライス又はメカニカルスプライスのいずれかを用いて個々の引き込みケーブルのファイバーにスプライス接続される。この例示的な実施形態の場合、スプライスインサート(図示せず)又は複数のメカニカルスプライスホルダー(図示しないが、参照によってすべてが本願に組み込まれる同一所有者の米国特許公開第2006−0067637号に記載されている)が、マルチファイバーケーブルを個々の引き込みケーブルに接続するために使用されるスプライスを保持するために、フレーム640に取り付けられてもよい。
【0071】
図17に示される別の実施形態において、プレスタブ端子が、入線装置150を有するマルチファイバーケーブルアセンブリを有し、入線装置150は、プレスタブ端子の基部622内に装着される。このマルチファイバーケーブルアセンブリは、複数の光コネクタ30で予め終端されている。コネクタは、継ぎ手フィールド650の中に嵌められてもよく、継ぎ手フィールド650は、支持フレーム640に取り付けられたブラケット652上に装着されている。図18は、基部622内に装着された入線装置50を有する、予め終端された光引き込みケーブルアセンブリを示しており、基部622は、継ぎ手フィールド650を使用して、予め終端されたマルチファイバーケーブルアセンブリに接続されている。マルチファイバーケーブルのファイバーを引き込みケーブルのファイバーから分離して保護すると共にもつれを防止するために、分離プレート645がフレーム640上に装着されることができる。
【0072】
分離プレートの別の機能は、エンクロージャ内での作業を分離できることである。マルチファイバーケーブルアセンブリは、工場でクロージャ内に予め導入され、分離プレートが加えられてもよい。次いで、スプライスクロージャ内のマルチファイバーケーブルの第2の端部をスプライス接続することによって、プレスタブ端子をFTTHネットワークに導入することができる。サービスプロバイダが、特定のエンドユーザー用のサービスを設定する必要がある場合、サービスプロバイダは技能者を送り、図1Aに示すような引き込みケーブルアセンブリ10をプレスタブ端子とエンドユーザーとの間に導入することができる。技能者は、一方の端部上に装着された入線装置50を有する、予め終端された引き込みケーブルアセンブリ10を、プレスタブ端子の基部622内の空いたポート626(図19)の中に挿入することができ、また、二又ロックキー276(図15)などのキー締め機構を入線装置の単本体ハウジング200上のロック係合機構273の中に挿入することによって、その引き込みケーブルアセンブリ10を定位置にロックすることができる。次いで、技能者は、予め終端された引き込みケーブルアセンブリの端部上の光コネクタ30を、端子内の継ぎ体650内の指定されたカプラーの中に単純に差し込む。
【0073】
図20に示される別の実施形態においては、プレスタブ端子は、マルチファイバーケーブルアセンブリを有する基部622を有し、マルチファイバーケーブルアセンブリは、その中に入線装置150を装着される。このマルチファイバーケーブルアセンブリは、複数の光コネクタ30で予め終端される。入線装置50をその上に装着された光引き込みケーブルが、フュージョンスプライス又はメカニカルスプライス675のいずれかを使用して、短いファイバーピグテールにスプライス接続されてもよい。この実施形態の場合、スプライスインサート670、又は参照によってすべてが本願に組み込まれる同一所有者の米国特許公開第2006−0067637号に記載されている複数のメカニカルスプライスホルダー(図示せず)が、個々の引き込みケーブルをファイバーピグテール690に接続するために使用されるスプライスを保持するために、フレーム640に取り付けられてもよい。予め終端されたマルチファイバーケーブルアセンブリ上のコネクタ30は、フレーム640に取り付けられたブラケット652上に装着された継ぎ手フィールド650を使用して、ファイバーピグテール690に接合されてもよい。あるいは、例えば図25に示すように、シングルファイバー上で搬送された信号を、複数のエンドユーザーに搬送される複数の信号へと、個々の引き込みケーブルアセンブリによって分離するために、プレスタブ端子は、シングルファイバーケーブルアセンブリ又はマルチファイバーケーブルアセンブリなどのファイバーケーブルアセンブリ、及び光学装置モジュールを装備されてもよい。
【0074】
図25は、ハウジング(図示せず)と基部822とを有する別のプレスタブ端子を示しており、基部822は、入線装置50を有する、予めコネクタ化されたシングルファイバーケーブルアセンブリを有し、入線装置50は、基部822のポート826に装着されている。シングルファイバーケーブルアセンブリは、光学装置モジュール870の入力部分872に接続されることができる。光学装置モジュール870は、光学装置モジュール870の出力部分874に取り付けられた複数の引き込みケーブルアセンブリ(図示せず)への分配のために、光ファイバー上で搬送された信号を分離してもよい。
【0075】
光学装置モジュールには、1×Nスプリッタ、2×Nスプリッタ、及び/又は波長分割マルチプレクサカプラーを挙げることができる。例えば、図25に示す光学装置モジュールは、1×8スプリッタモジュールである。
【0076】
光学装置モジュール870は、それぞれ光学装置モジュール870の入力部分872及び出力部分874から延びる入力及び出力ファイバー873、875上で、標準的な光ファイバーコネクタで予めコネクタ化されてもよい。図25は、光学装置モジュールの両側に入力部分872と出力部分とを有する光学装置モジュールモジュールを示している。しかしながら、入力部分及び出力部分を、光学装置モジュールの同じ側部に又は光学装置モジュールの隣接する側部に有することは、本発明の範囲内であると見なされるべきである。シングルファイバーケーブルアセンブリ上のコネクタ30は、入力コネクタ継ぎ手878によって入力ファイバー873に接続されてもよい。入力コネクタ継ぎ手878は、支持フレーム840に固定されても、支持フレーム840に固定されたブラケット852内に配置されてもよい。出力ファイバー875の各々は、支持フレーム840に固定されたブラケット852上に装着された継ぎ体850内のコネクタ継ぎ手851のうちの1つを使用して、引き込みケーブルアセンブリに取り付けられてもよい。光学装置モジュール870が、シングルファイバーケーブルアセンブリに結合され、光学装置モジュールの出力ファイバー875上のコネクタが、コネクタフィールド850内の継ぎ手851内に導入された後、光学装置モジュール870は、通常のメカニカルファスナー(すなわち、例えばねじ若しくはフックループ式ファスナーによって)、両面テープ、又は固定ストラップで支持フレームに固定されてもよい。
【0077】
予めコネクタ化された光学装置モジュールを使用することは、その光学装置モジュールが、プラグアンドプレイ式の導入をもたらし、また、本明細書で説明されているシングルファイバー及び/又はマルチファイバーケーブルアセンブリと共に使用するとき、現場で光ファイバーをスプライス接続する必要をなくすことができるため、有利となり得る。この手法の別の利点となり得ることとして、端子及びシングルファイバーケーブルアセンブリは、ネットワークが設置されているときに導入されてもよく、また、光学装置モジュールのコストは、サービスがエンドユーザーによって求められるまで遅延されてもよい。加えて、端子の容量は、1×4光スプリッタを1×8又は1×16光スプリッタと交換し、したがって、単一の端子エンクロージャで供給される引き込みケーブルの数を2倍に、更には4倍にすることによって増大されてもよい。
【0078】
端子エンクロージャの容量を増大させる別の方法は、複数の光学装置モジュールを端子エンクロージャの中に追加することである。図26は、複数の光学装置(例えばスプリッタモジュール)によってプレスタブ端子エンクロージャの容量を増大させることができる例示的な実施形態を示している。この例示的なプレスタブ端子は、ハウジング(図示せず)と基部822とを有し、基部822は、入線装置50を有する、予めコネクタ化されたシングルファイバーケーブルアセンブリを有し、入線装置50は、基部822のポート826内に装着されている。シングルファイバーケーブルアセンブリは、第1の光学装置モジュール880の入力部分882に接続されることができる。第1の光学装置モジュール880は、光学装置モジュール880の出力部分884に取り付けられた複数の引き込みケーブルアセンブリ(図示せず)への分配のために、シングルファイバーケーブルアセンブリから光ファイバー上で搬送された信号を分離してもよい。図26に示すように、第1の光学装置モジュールは、1×4の予めコネクタ化されたスプリッタモジュールである。第1の光学装置は、1本の入力ファイバー883と、4本の出力ファイバー885a、885bとを有する。
【0079】
シングルファイバーケーブルアセンブリ上のコネクタ30は、第1の入力コネクタ継ぎ手888によって入力ファイバー883に接続されてもよい。入力コネクタ継ぎ手888は、支持フレーム840に固定されても、支持フレーム840に固定されたブラケット852内に配置されてもよい。例示的な実施形態において、第1の光学装置の3本の出力ファイバー885aが、ブラケット852の異なる部分に装着された継ぎ手フィールド850内のコネクタ継ぎ手851を使用して引き込みケーブル(図示せず)に接続されてもよい。第1の光学装置モジュール880がシングルファイバーケーブルアセンブリに結合され、第1の光学装置モジュール880の出力ファイバー885上のコネクタが、コネクタフィールド850内の継ぎ手に導入された後、残りの出力ファイバー885bは、第2の入力コネクタ継ぎ手898に中継されてもよい。
【0080】
第2の光学装置モジュール890は、第2の光学装置モジュール890の入力ファイバー893を第1の光学装置モジュール880からの出力ファイバー885bに第2の入力コネクタ継ぎ手898内で接続することによってプレスタブ端子の容量を更に増大させるために、第1の光学装置モジュール880とカスケード接続されることができる。図26に示すように、第2の光学装置モジュール890は、1×4の予めコネクタ化されたスプリッタモジュールである。第2の光学装置モジュール890からの4本の出力ファイバー895は、継ぎ手フィールド850を通じて4本の更なる引き込みケーブルアセンブリ(図示せず)を接続するために使用されることができる。
【0081】
第1及び第2の光学装置モジュール880、890は、通常のメカニカルファスナー(すなわち、ねじによって若しくはフックループ式ファスナーによって)、両面テープ、又は固定ストラップ(図示せず)で支持フレームに固定されてよい。
【0082】
このカスケード接続の拡張技法により、出力ファイバー885aによって第1の光学装置モジュール880に接続された消費者へのサービスを中断することなく、プレスタブ端子に対する容量増大が可能となる。この構造により、更に多くのサービスポイントが必要とされたときに更なるスプリッタモジュールを追加することによる漸増的な容量増大が可能となる。
【0083】
あるいは、シングルファイバーケーブルアセンブリは、マルチファイバーケーブルアセンブリと置き換えられる場合には、並列の光学装置配列もまた企図される。マルチファイバーケーブルアセンブリ内のファイバーの各々は、別々の光学装置モジュールに接続されてもよく、それらの光学装置モジュールは、複数の引き込みケーブルアセンブリに接続されることができる。
【0084】
予めコネクタ化された光学装置モジュールの使用について、予め終端された端子に関連して説明したが、この手法が、予め終端されたケーブルアセンブリ(例えばシングルファイバーケーブルアセンブリ又はマルチファイバーアセンブリ)が使用されるいかなる電気通信エンクロージャに利用されてもよいことは理解されたい。例えば、この容量拡張性手法は、アンテナエンクロージャ、ファイバー分配ユニット若しくはハブ、光ネットワーク端子、壁掛けボックスなどにおいて用いられてもよい。
【0085】
図19に示される別の実施形態においては、プレスタブ端子は、マルチファイバーケーブルアセンブリを有する基部を有しており、マルチファイバーケーブルアセンブリは、入線装置150を装着されている。このマルチファイバーケーブルアセンブリは、複数の光コネクタ30で予め終端されている。このケーブルアセンブリは、スプライスクロージャ内の配信線にスプライス接続された時点で接続の折り返しテストが可能となるように端子に導入されてもよい。この実施形態における継ぎ手フィールド650内の継ぎ手は、マルチファイバーケーブル内の第2の光ファイバー上に装着された第2の光コネクタ637に連結されたマルチファイバーケーブル内の第1の光ファイバー上に装着された第1の光コネクタ636を有することができる。この構成により、プレスタブ端子の線を分配クロージャ、分配キャビネット、又は中枢のネットワーク施設からテストすることが可能となり、したがって、引き込みケーブルを接続して最終サービスをエンドユーザーに配信するのに先立って回線が検証される。折り返しテストの形式が、すべてが参照によって本願に組み込まれる同一所有者の米国特許公開第2007−0189695−A1号において、より詳細に記載されている。
【0086】
図23に示す別の例示的な実施形態において、電気通信エンクロージャ900は、一体型のスプライスクロージャ912と端子クロージャ914とを有している。図示のように、エンクロージャ900は、支持ケーブルから一対のハンガー(図示せず)によって懸架されるように適合された、地番面上の(すなわち地表上の)エンクロージャである。
【0087】
スプライスクロージャ912は、縁部又は継ぎ目921に沿って開放することができるケーシング920を備えており、その縁部又は継ぎ目921は、埃、水、虫などがケーシング920の中に進入するのを制限するために、嵌合する隆起部と溝部とを有してラビリンスタイプのシールを形成している。一般に、ケーシング920は、ヒンジ928に沿って互いに回転可能に接続された第1及び第2の半円筒状のケーシング区分922、924を備える。本発明による一実施形態において、ヒンジ928は、ケーシング区分922、924と一体であってもよい。好ましくは、エンクロージャ900は、ポリエチレンなどの好適なポリマー材料から成形される。エンクロージャ900は、ブロー成形、射出成形などの任意の通常の成形技術で製作されてよい。
【0088】
図23に示すように、スプライスクロージャ912は、第1及び第2の反対端部を有する、細長い実質的に円筒形の形状を有している。ケーシング920に入る電気通信ケーブル(図示せず)を受容すると共にその電気通信ケーブルの周りを密封するための端部シール(図示せず)が、第1及び第2の端部930、932に配置される。端部シールは、参照によって本願に組み込まれる米国特許第4,857,672号に従って形成されてもよく、スプライスクロージャ912の第1及び第2の端部930、932内の凹部931内に支持される。
【0089】
スプライスクロージャは、ケーシング920内の閉鎖されたスプライス領域にアクセスできるように、第1のケーシング区分922(上側の位置にある)を第2のケーシング区分924(下側の位置にある)に対して回転させることによって開放されることができる。特に、ケーシング920の第1及び第2の区分922、924は、ケーシング920が開放されるとケーシング920の内部のスプライス領域の中まで実質的に視界が遮られることがないように方向付けされる。2つの円筒形のケーシング区分922、924は、ラッチ又は締結装置(図示せず)によって、閉じられた状態で固定されてもよい。
【0090】
ケーシング920の区分924は、端子クロージャ914に接合しかつ端子クロージャ914を支持するための支持表面を有してもよい。支持表面は、ケーシング920の内側及び外側で概ね平坦であり、少なくとも1つの開口部952と共に形成され、その開口部952を通じて、光ファイバー又は銅線などの電気通回線が、スプライスクロージャ912から端子クロージャ914の中に進むことができる。支持表面は、継ぎ目921の下、ケーシング920の側部に位置しており、そのため、その支持表面上で支持される端子クロージャ914は、電気通信エンクロージャ900の側部又は前部から容易にアクセス可能となる。
【0091】
端子クロージャ914は、スプライスクロージャ912と端子クロージャ914とを一体構造にする任意の好適な方式で、支持表面においてスプライスクロージャ912に接合されてもよい。スプライスクロージャ92及び端子クロージャ914が、最初に別のユニットとして形成される場合、接合するスプライスクロージャ912と端子クロージャ914は、爆発鋲、子ねじ、ボルト、熱溶接、音波溶接などを用いて接合されることができる。その代わりに、スプライスクロージャ912及び端子クロージャ914は、最初に別のユニットとして形成されるのではなく、クロージャ912、914を単一の構造として合わせたものに成形されてもよい。
【0092】
端子クロージャ914は、頂壁部940と、底壁部942と、側壁部944、945と、背壁部946と、蓋948とを備える。蓋948は、端子クロージャ914の頂壁部940にヒンジ結合され、好ましくは、圧縮成形されたヒンジ950によってヒンジ結合される。つまり、ヒンジ950は、端子クロージャ914の頂壁部940及び蓋948と一体である。端子クロージャ914は、ポリエチレンなどの好適なポリマー材料から、ブロー成形又は射出成形などの任意の通常の成形技術によって成形されてもよい。蓋948及び底壁部942は、蓋948を閉位置に保持するためのラッチ955、956を有する。
【0093】
図23及び24Aを参照すると、1本以上のデータ回線が、スプライスクロージャ912内の光ファイバーピグテールにスプライス接続された後、これらのファイバーピグテール970は次いで、1つ以上の開口部952を通じて端子クロージャの中に中継されることができる。ファイバーピグテール970は次いで、端子エンクロージャ内の継ぎ手フィールド980に挿入されることができる。継ぎ手フィールドは、適正な光ファイバーコネクタ継ぎ手フィールド982を受けるように寸法が決められた、一組以上の金属ブラケット981を有してもよい。所望により、コネクタフィールドは保護カバー983を有していてもよく、保護カバー983は、スプライスクロージャから光ファイバーピグテール970が挿入された継ぎ手フィールドの部分の上に取り付けられる。継ぎ手フィールドはまた、余長なファイバーピグテールを保護カバーの下に格納するために、あるファイバー格納機能を所望により有してもよい。
【0094】
端子クロージャ914内で、ファイバーピグテールは、図23、24A、及び24Bに示すように端子クロージャ914の外側から延びる、予め終端された引き込みケーブルアセンブリ10に接続されてもよい。電気通信エンクロージャ900の例示的な使用法において、光コネクタ30が、引き込みケーブル60の個々の光ファイバーの終端をなしてもよい。
【0095】
必要に応じて、端子クロージャ914の蓋948を開放することによって、端子クロージャ914内のすべての光コネクタ30に同時にアクセスすることができてもよい。光コネクタ30にアクセスすることは、例えば、電気通信エンクロージャ900を導入する間に、又は新たな消費者のためにサービス接続を確立するときに、望まれるか又は必要となることがある。
【0096】
図23、24A、及び24Bを参照すると、アダプタアセンブリ990を利用して、引き込みケーブルアセンブリ10への真っ直ぐな結合を可能にすることができる。アダプタアセンブリ990は、少なくとも2つの通路又はポート992を有する本体部分991と、本体部分と嵌合するように構成された補強プレート995とを有している。各ポート992は、第1の端部994aと第2の端部994bとを有しており、また、引き込みケーブルアセンブリ10の入線装置50を中に受けるように、かつ入線装置の一部分がポートの全長にわたって自在に進むことができるように、寸法が決められてもよい。アダプタアセンブリ990は、少なくとも2つのポート992の第1の端部994aが、端子クロージャ914の底壁部942内の切り抜き985などの単純な切り抜き又はノックアウトポート(knockouts port)を通過するように、寸法を決められることができる。補強プレート995は、端子クロージャの中に挿入された時点で、アダプタアセンブリ990の本体部分991と嵌合されてもよい。本体部分991及び補強プレート995は、通常のメカニカルファスナー、接着剤、又は超音波溶接を用いて、エンクロージャにかつ/又は互いに固定されてもよい。図24A及び24Bは、ボルトとナットのタイプのメカニカルファスナーによって定位置に保持された4ポートアダプタアセンブリを示している。リベット、小ねじなどの他のタイプのメカニカルファスナーもまた、本発明の範囲内であると見なされるべきである。所望により、更なる環境保護が望まれる場合、本体部分991と補強プレート995とを互いに締結するのに先立って、本体部分と端子クロージャ914の底壁部942との間、及び/又は、端子クロージャの底壁部942と補強プレートとの間に、弾性のシールガスケットが配置されてもよい。
【0097】
ポート992の第1の端部994aに、入線通路993、すなわちポートの内壁は、縮径した出線部分を有することができる。この出線構成により、入線装置50の第2の端部は、ロック係合機構を含めて容易に通過することができるが、より径の大きい向き制御部分は通過することができない。
【0098】
ポート992の第2の端部994bにおいて、入線通路993、すなわちポートの後部の内表面は、形状が六角形であることができ、すなわち、それによって、入線装置50の向き制御区分250(図2)の六角形の外表面に対応する雌型の形状をなす。入線装置50が、図24Aに示すように、アダプタ990内のポート992内に着座されるとき、装置の向き制御区分は、通路993の六角形の入線部の中に少なくとも部分的に挿入されることができ、それによって、ポート内での入線装置の回転が防止される。したがって、ケーブル入線装置50は、後にケーブルに及ぼされ得る外部捩り応力に耐えることができる。
【0099】
ポートは、入線通路のより径の大きい後部分と入線通路の縮径した出線部分との間に、ショルダー又は渡り(図示せず)を有してもよい。このショルダーは、入線装置がポートを完全に貫いて挿入されるのを防止することができる。
【0100】
図24A〜24Bは、二又ロックキー276が装置の単本体ハウジング上のロック係合機構の中に挿入された状態でポートアダプタアセンブリ990に固定された入線装置50を示している。次いで、技能者は、予め終端された引き込みケーブルアセンブリ10の端部上の光コネクタ30を、端子内の継ぎ手フィールド980内の指定されたカプラー982の中に容易に差し込むことができる。
【0101】
所望により、電気通信エンクロージャ900には、プラグ99をアダプタアセンブリポート内に挿入された1つ以上のポートアダプタアセンブリを装備されてもよい。図23は、1つのプラグ999及び7つの引き込みケーブルアセンブリ10を導入された電気通信エンクロージャを示している。この構成において、電気通信エンクロージャは、新たな展開の初期の構築段階の間に分配回線にスプライス接続されてもよいが、引き込みケーブルは、消費者がサービスを望むまで、追加する必要がない。有利なことに、これによって、サービスを要求する消費者が存在しかつ収益源が創始されるまで、ネットワーク拡張の一部分が遅延される。
【0102】
ポートアダプタ
図21及び22を参照すると、入線装置を電気通信エンクロージャ又はONT 700の中に挿入することを可能にするアダプタが示されている。アダプタ710は、入線通路714を有する本体部分712を有しており、入線通路714は、第1の端部717から第2の端部716に延びている。アダプタは、入線装置50を中に受容するように、かつ入線装置の一部分がポートの全長にわたってに自在に通過できるように、寸法を決められることができる。フランジ720は、本体部分712から横方向に外向きに延びている。アダプタの本体部分712の第1の端部717及びフランジ720は、アダプタの第1の端部が、ONT 700(図21)の壁部704内の切り抜き702などの単純な切り抜き又はノックアウトポートを通過するように、寸法を決められることができる。フランジ720は、アダプタ710が切り抜き702を通過するのを防止する。ONTの内部に配置された保持ナット730は、アダプタ710の第1の端部上の雄ねじ718と係合してアダプタを切り抜き702内に固定することができる。あるいは、アダプタは、接着剤、スナップ嵌め、又は他の機械的機構によって電気通信クロージャに取り付けられてもよい。弾性シールガスケット740が、アダプトとエンクロージャ700との間に水分の封止をもたらす。所望により、アダプタ712の第1の端部717が切り抜き702の中に挿入されると、保持ナット730が定位置にねじ込まれる前に、更なる密封をポートにもたらすために、第2の弾性シールガスケット及びワッシャ(図示せず)が、アダプタ712の第1の端部717の上に嵌められてもよい。あるいは、ポートアダプタは、ONT 700の壁部704の切り抜き702に定位置にスナップ嵌めされるように設計されてもよい。
【0103】
その前端部717に、入線通路714、すなわちアダプタの内壁は、縮径した出線部分を有することができる。この出線構成により、入線装置50の第2の端部は、ロック係合機構を含めて容易に通過することができるが、より径の大きい向き制御部分は通過することができない。
【0104】
入線通路714の後端部716、すなわちアダプタ710の後方の内表面は、形状が六角形であることができ、すなわち、それによって、入線装置の向き制御区分250(図2)の六角形の外表面に対応する雌型の形状をなす。入線装置が、図22に示すようなポートアダプタに着座されるとき、向き制御区分は通路714の六角形の入線部の中に少なくとも部分的に挿入されることができ、それによって、ポート内での入線装置の回転が防止される。したがって、ケーブル入線装置50は、後にケーブルに及ぼされ得る外部捩り応力に耐えることができる。
【0105】
ポートは、入線通路のより径の大きい後部分と入線通路の縮径した出線部分との間に、ショルダー又は渡り(図示せず)を有してもよい。このショルダーは、入線装置がポートを完全に貫いて挿入されるのを防止することができる。
【0106】
シール部材275は、単本体ハウジング200(図2)内の環状チャネル270内に配置されることができる。環状チャネルは、向き制御区分の当接表面のすぐ前方に位置することができる。入線装置が、図22に示すように、ポートアダプタ内に着座されるとき、シール部材は、環状チャネルと通路714の内壁との間で圧縮されて周辺を密封する。
【0107】
図22に示すように、入線装置50は、二又ロックキー276が装置の単本体ハウジング上のロック係合機構の中に挿入された状態で、ポートアダプタの中に固定されることができる。
【0108】
いくつかの実施形態において、マルチポートアセンブリが、上述したポートアダプタの代わりに使用される。これらのマルチポートアダプタアセンブリの例が、図23、24A及び24Bに示されている。マルチポートアダプタアセンブリは、少なくとも2つのポートを有する。例えば、図23に示すポートアダプタアセンブリは8つのポートを有し、図24A及び24Bに示すポートアダプタアセンブリは4つのポートを有する。ポートアセンブリアダプタ内のポートの数は、そのポートアセンブリアダプタが使用される電気通信エンクロージャの容量に基づくことができる。
【0109】
引張ソックス
別の実施形態において、ケーブルアセンブリ10、100の端部を包み保護するために、また必要に応じて導管を通じてケーブルを引っ張るのを容易にするために、引張ソックスが、開示する入線装置50、150と共に使用されてもよい。引張ソックスは、入線装置、及びその入線装置を電気通信エンクロージャ内に導入するのに必要となり得る任意の更なる部品に適応するように設計されることができる。
【0110】
図14及び15は、例示的な引張ソックス800の2つの図を示している。例示的な態様において、引張ソックスは、形状適合性の(form fitting)入線装置受容区分810と、トランク830と、引張ループ840とを有する単一の部品を構成している。
【0111】
入線装置受容区分810は、概して、入線装置(50、150)の単本体ハウジング200の外部形状に類似した内部形状を有するように構成されてもよい。具体的には、入線部分812は、ケーブル密封及び応力緩和部材260の上にぴったりと嵌るように構成されることができる。入線装置受容区分810の一部分814は、図14に示すように六角形の形状を有する単本体ハウジング200の向き制御区分の形状に構成されてもよいが、他の形状もまた、本発明の範囲内であると見なすことができる。入線装置(50、150)が引張ソックスの入線装置受容区分810の中に挿入されると、単本体ハウジング200上の密封部材は、トランク830の端部内にぴったりと嵌り、引張ソックスを密封する。
【0112】
入線装置受容区分810は、2つのアーム821、822を更に有しており、アーム821、822は、受容区分の各側に1つある一対のスリット820によって分離されている。アームの分離により、ロックキーが引張ソックス内に導入された状態で入線装置を挿入することが容易となる。また、アームは、各アームの両側に一対の孔824を有していてもよい。例えば、入線装置を引張ソックス内に固定するために、一対のケーブルタイが、入線装置の両側でソックスのアーム内の一対の整列した穴824を通じて締結されてもよい。あるいは、単一のケーブルタイが、引張ソックスの入線部分の周りで円周方向にそのケーブルタイを巻き付けてアームを閉じるために使用されてもよい。引張ソックスの第2のアーム822上に設置された一対の穴と相互にかみ合うことができる一対のポスト又はマッシュルーム形のキャップを第1のアーム821上に有するといった、引張ソックスのアームを閉じるための他の代わりの機械的装置もまた企図することができる。
【0113】
トランク830は、光ファイバーの終端されていない端部又は終端された端部を収容するのに十分な長さのものであるべきである。このトランクは、長い円筒状の部分834と、受容区分の反対側の引張ソックスの第2の端部835にある閉じたドーム形状の端部とを有している。引張ソックスの円筒状の部分は、トランク区分830の曲げを容易にするために、波形にされてもよい(すなわち、交互に並ぶ隆起部832と溝833の構造を有する)。この構造は、1つ以上の湾曲部を含んだ導管を通してケーブルが引っ張られる場合、ファイバーネットワークにケーブルを導入する際に特に有利となることがある。導管を通して引張ソックス800を案内するために、コード、ケーブル、又はワイヤーが、引張ソックス800のドーム形状の端部835の頂部上にある引張ループ840に取り付けられてもよい。
【0114】
引張ソックスは、任意の好適なプラスチック材料から単一片として形成されてよい。一実施形態において、引張ソックスは、射出成形、ブロー成形、押し出し、鋳造などの方法によって、高分子材料で形成されることができる。例えば、これらの部品は、成形された高密度ポリエチレン又は低密度ポリエチレンでできていてもよい。
【0115】
シングルファイバーオリフィスプレートを有する入線装置の組み立て
入線装置50を光ファイバー引き込みケーブル60に導入する例示的な方法についてこれから説明する。図1Bに示すように、引き込みケーブルは、保護用の遊離緩衝管内に収容された単一の光ファイバーを有し、遊離緩衝管は、緩衝管の両側に設置された2つの周辺強化部材を有する。半硬質の外側シース64のうち約35.5cm(14インチ)〜約71cm(24インチ)を引き込みケーブルから除去して、少なくとも1本のファイバー63と少なくとも1本の強化部材68とを収容した遊離緩衝管65を露出させることができる。強化部材は、残りの外側シースの端部から約1.9cm(0.75インチ)延びるようにトリミングされることができる。少なくとも1本の半硬質の強化部材を作製して入線装置への組み付けを容易にするために、速乾性接着剤(すなわち、ヘンケルロックタイト社(Henkle Loctite Corporation)(コネチカット州ロックウッド(Rockwood))から入手可能なロックタイト480(Loctite 480)(商標)などのエポキシ接着剤、又はスリーエム社(3M Company)(ミネソタ州セントポール、NM(St. Paul, NM))から入手可能な3M(商標)スコッチウェルド(Scotch- Weld)(商標)Instant Adhesive CA8などのシアノアクリレート))の小液滴が、遊離ファイバー強化部材に塗布されてもよい。
【0116】
ケーブルシール及びストレインリリーフ部材の第1及び第2の層262、264は、ケーブルの上に嵌めることができる。
【0117】
準備された引き込みケーブルの端部は、通路入口216を通じて単本体ハウジング200の第1の端部205の中に挿入されることができる。光ファイバーを収容した遊離緩衝管は、単本体ハウジングの第2の端部から延びるように、強化部材固定区分230内の開口部231を通じて送り込まれることができる。
【0118】
強化部材は、強化部材固定区分230内の2つの側方開口部232(図4及び5に示すように)を通じて送り込まれることができ、2つの側方開口部232は、固定区分のいずれかの側部に設置された2つの固定穴235に通じている。ケーブルは、強化部材が固定穴235内に完全に着座されるまで、単本体ハウジングの中に押し込まれることができる。固定穴内における強化部材の位置は、単本体ハウジングの外壁内の穴237を通じて穴を覗くことによって確認されることができる。ケーブル強化部材は、特殊なプラスチック製タッピンねじを使用して固定穴内に保持されることができ、そのプラスチック製タッピンねじは、単本体ハウジングの壁201内の穴237を通じて挿入され、強化部材を穴の壁とねじの端部との間に捕捉する。所望により、接着材料が、ケーブルを単本体ハウジングに導入するのに先立って通路入口216内に置かれてもよく、また、その接着剤は、ケーブルがハウジング内に配置された後に、ただし強化部材を固定するためにメカニカルファスナーが適所に置かれる前に、単本体ハウジングの壁201内の穴237を通じて固定穴に加えられてもよい。
【0119】
ケーブルシール及びケーブルストレインリリーフ部材260の第1の層262は、第1のストレインリリーフ取り付け表面240の上に嵌められることができる。例示的な実施形態において、第1の層は、タイコエレクトロニクス社(Tyco Electronics Corporation)から入手可能なATUM−12/3−0などの接着剤塗膜熱収縮チューブの約15.2cm(6インチ)長の片を備える。その熱収縮チューブに熱を加えて、引き込みケーブル及び第1のストレインリリーフ取り付け表面の周りに緊密にしぼませることができる。ケーブル密封及びケーブルストレインリリーフ部材260の第2の層264は、取り付けられた第1の層262及び第2のストレインリリーフ取り付け表面245の上にわたって滑らされることができる。例示的な実施形態において、第2の層は、タイコエレクトロニクス社(Tyco Electronics Corporation)から入手可能なATUM−24/6−0などの接着剤塗膜熱収縮チューブの約10.2cm(4インチ)長の片を備える。その熱収縮チューブに熱を加えて、第1の層及び第2のストレインリリーフ取り付け表面245の周りに緊密にしぼませることができる。所望により、接着剤塗膜常温収縮チューブが、ケーブルシール及びストレインリリーフ部材260の第1及び第2の層として使用されてもよい。
【0120】
整列用インサート265(例えば、サンゴバン・パフォーマンス・プラスティクス社(Saint-Gobain Performance Plastics Corporation)(オーロラ(Aurora)、OH)から入手可能な、短尺のTygon(商標)柔軟チューブ265b)が、ファイバー保持器290のc字形状の受容領域292の中に挿入されることができる。光ファイバーを含んだ遊離緩衝管65は、整列用インサートを通してねじ込まれることができる。ファイバー保持器は、2つのウイング294が単本体ハウジング200の第2の端部内のスロット266と協働して、ケーブルがハウジング内で回転するのを防止するように、単本体ハウジング200の第2の端部210の中に挿入されることができる。
【0121】
遊離緩衝管65は、ファイバー保持器290の先端から約0.6cm(0.25インチ)〜約1.25cm(0.5インチ)切断され除去されることができる。光ファイバーは、市販のケーブルクリーナーを用いて又はイソプロピルアルコールを用いて拭くことによって清掃することができる。遊離緩衝管から外に延びる光ファイバー63は、シングルファイバーオリフィスプレート320を通してねじ込まれることができる。
【0122】
被覆の約1.25cm(0.5インチ)を、3mmの被覆ファンアウトチューブ396(約30.5cm(12インチ)〜約45.7cm(18インチ))の全長から除去することができる。図6を参照すると、ファンアウトチューブは、中心にある、より小さな900μmの管398を囲む外側被覆397を有している。複数の遊離ファイバー強化部材(図示せず)が、被覆と中央管との間に挟まれてもよい。被覆ファンアウトチューブの他の直径(例えば、2.4mm、1.6mm及び1mm)が利用可能であり、また用いられてもよい。光ファイバー63の自由端部は、管398の中に、他方の端部から現れるまで送り込まれる。管398がファイバーガイド365内の穴366に入り、ファンアウトチューブの強化部材がファイバーガイドの周りで末広がりとなることができるように、被覆ファンアウトチューブがオリフィスプレート320に向かって滑らされる間、ファイバーは保持される。ファンアウト管は、オリフィスプレート320に対して着座するまで下方に滑らされることができる。遊離強化部材がファイバーガイド365と圧着リング380との間に捕捉されるまで、圧着リング380が、ファンアウト管の下方に、露出したファイバーガイド365の上にわたって滑らされることができる。圧着リングは、最初にファイバーガイドに圧着されることができる。第2の圧着が、圧着リングをファンアウト管396の被覆397に接続するために実施されることができる。ゴム製のファイバーストレインリリーフブーツ又は部材395が、オリフィスプレートを出るファイバーの曲げ半径を抑制するために、圧着リングの上に嵌められることができる。ファイバーストレインリリーフ部材又はブーツ395は、入線装置の第2の端部における曲げ半径を抑制するために、圧着リングの上に配置されてもよい。
【0123】
あるいは、管398のみが使用されてもよい。この場合、管は、シングルファイバーオリフィスプレートのボス370及びファイバーガイド365に、接着剤で接合されてもよい。
【0124】
次いで、シングルファイバーオリフィスプレート320は、単本体ハウジングの第2の端部210の中に導入されることができる。例えば、プレートの第1の側部342上のボス370は、ファイバー保持器290の上に延びる遊離緩衝管65の残りの区分の上に嵌められることができる。また、基部340の第1の側部342から延びるラッチ355が、単本体ハウジングの第2の端部上に設置されたスロット212と係合されることができる。光ファイバーは、単本体ハウジングの通路の内部のファイバーを真っ直ぐにし、かつ整列させるように、ぴんと引っ張られる。
【0125】
マルチファイバーオリフィスプレートを有する入線装置の組み立て
入線装置をマルチファイバー光ケーブル160の上に導入する例示的な方法が、図2、8及び9に示す構造を参照してここに示される。例えば、ファイバーリボンケーブル162を囲む遊離緩衝管165を、遊離緩衝管の両側に設置された2本の周辺強化部材168と共に露出させるために、半硬質の外側シース164の約35.5cm(14インチ)〜約71cm(24インチ)がケーブルから除去されることができる(図1Dを参照)。強化部材は、残りの外側シースの端部のために約1.9cm(0.75インチ)延びるようにトリミングされることができる。ケーブル保持器290を含めた単本体ハウジング200へのケーブルの取り付けは、前述の通りに実施される。
【0126】
チューブをオリフィスプレートに固定するために接着剤を使用して、900μmのチューブ(長さが約30.5cm(12インチ)〜約62.2cm(24インチ)のもの)などのチューブの複数の区分が、マルチファイバーオリフィスプレート420の複数のオリフィス466(図8を参照)の中に挿入されることができる。
【0127】
遊離緩衝管165は、ファイバー保持器の先端から約0.6cm(0.25インチ)〜約1.25cm(0.5インチ)切断され除去されることができる。ファイバーリボンケーブル162のファイバー163は、互いに分離されて、250μmのファイバーなどの複数のファイバーを生じることができる。ファイバーの各々は、1本のファイバーが各保護管内に設けられるように、マルチファイバーオリフィスプレートアセンブリ内のオリフィスにチューブと共に通されることができる。次いで、マルチファイバーオリフィスプレート420は、ディスク形状の基部440の第1の側部442から延びるラッチ455を、単本体ハウジング200の第2の端部上に設置されたスロット212と係合させることによって、単本体ハウジング200の第2の端部210の中に導入されることができる。光ファイバーは、単本体ハウジングの通路の内部のファイバーを真っ直ぐにし、かつ整列させるように、ぴんと引っ張られることができる。
【0128】
光ファイバーを収容したチューブは、所望により、漏斗形状の出線部を有するカバーアセンブリ470を通して送り込まれてもよい(図9)。カバーは、オリフィスプレート420又は単本体ハウジング200のいずれかに取り付けられることができる。タイゴンチューブなどの所望による1本のチューブ495をカバーの漏斗形状の出線部分の上にわたって滑らせて、複数の光ファイバーに更なる張力緩和をもたらすことができる。
【0129】
マルチファイバーファンアウト装置を有する入線装置の組み立て
入線装置をマルチファイバー光ケーブルの上に導入する別の例示的な方法において、ファイバーリボンケーブル590を、ファイバーリボンの両側に設置された2本の周辺強化部材168と共に露出させるために、半硬質の外側シースの約35.5cm(14インチ)〜約71cm(24インチ)がケーブルから除去されることができる。強化部材は、残りの外側シースの端部から約1.9cm(0.75インチ)延びるようにトリミングされることができる。発泡体の整列用インサート265aが管状のインサート265bに代わって使用されることを除いては、本体ハウジング200へのケーブルの取り付けは、ケーブル保持器290を含めて、前述の通りに達成されることができる。
【0130】
900μmのチューブ(長さが30.5cm(12インチ)〜約62.2cm(24インチ)のもの)などの保護チューブ580、585の複数の区分が、ファンアウト装置520のガイド支持体の分配部分上の開口チャネル部分550、552の中に置かれることができ(図13Aを参照)、また、各管が漏斗形状の入口チャネル部分535、565の出口に当接するまで下方に滑らされることができる。この例示的な実施形態においては、最大6本の第1の保護管580が前側部531上で挿入されることができ、最大6本の第2の保護管585がガイド支持体530の後側部532上で挿入されることができる。チューブをファンアウト装置に接合するために、少量の接着剤(例えば、スリーエム社(3M Company)(ミネソタ州セントポール、NM(St. Paul, NM))から入手可能なCA8若しくはその等価物)、接着テープの小片、又はそれらの組み合わせが、開口チャネル部分550、552内に挿入されたチューブに付けられてもよい。
【0131】
ファイバーリボンケーブル590のファイバーは、互いに分離されて、250μmのファイバーなどの複数のファイバーを生じることができる。ファイバーの各々は、チューブを導入されたファンアウト装置の頂側部から漏斗形状の入口チャネル部分535、565の中に挿入されることができる。漏斗形状の入口チャネル部分は、ファンアウト装置内のチューブ580、585の内孔582、586と整列し、また、チューブ内の内孔へのファイバーの整列化がファンアウト装置によって達成されるので組み立てを容易にすることができる。棚560の前側部561上の第2の漏斗形状の入口チャネル部分565を使用して、ファンアウト装置520の後側部532に取り付けられた保護チューブ585の中に最大6本のファイバーを挿入することができる。次いで、ガイド支持体530上の第1の漏斗形状の入口チャネル部分535を使用して、ファンアウト装置の前側部531上の保護チューブ580の中に最大6本のファイバーを挿入することができる。
【0132】
次いで、ファンアウト装置520は、ディスク形状の基部540の第1の側部から延びるラッチ555を単本体ハウジングの第2の端部上に設置されたスロット212と係合させることによって、単本体ハウジング200の第2の端部210の中に導入されることができる(図13A及び13Bを参照)。光ファイバーは、単本体ハウジングの通路の内部のファイバーを真っ直ぐにし,かつ整列させるように、ぴんと引っ張られることができる。必要に応じて、ファイバーを光コネクタで終端させるのに十分な長さを得るために、ファイバーの約10.2cm(4インチ)〜15.2cm(6インチ)が、保護チューブ580、585から延びているべきである。
【0133】
光ファイバーを収容したチューブは、漏斗形状の出線部575を有するカバーアセンブリ570を通して送り込まれてもよい。ファイバーがカバーを通して送り込まれた時点で、カバー内の整列スロット572は、ファンアウト装置520の支持脚部525と整列されている。カバーは、脚部の端部にある戻り止め526がカバー内の一対のくぼみ又はスロット576と係合するまで、定位置に滑らされることができる。タイゴンチューブなどの所望による1本のチューブをカバーの漏斗形状の出線部分の上にわたって滑らせて、複数の光ファイバーに更なる張力緩和をもたらすことができる。
【0134】
光ケーブルアセンブリの終端
所望により、マルチファイバーケーブルアセンブリ用のSC APC、FC、若しくはLCコネクタ又はそれらの組み合わせなどの光コネクタ30が、業界の標準的な慣例に従って、光ファイバーの端子端部上に装着されてもよい。例えば、通常のコネクタには、スリーエム社(3M Company)(ミネソタ州セントポール、NM(St. Paul, NM))から入手可能なクリンプロック(Crimplok)(商標)コネクタなどの遠隔グリップコネクタ(remote grip connector)を含めることができる。クリンプロック(Crimplok)(商標)コネクタは、ここで簡潔にまとめる既知の方法によって光ファイバー上に装着されることができる。コネクタのストレインリリーフブーツ及び圧着リングを、終端されたファイバー上にねじ留めすることができる。コネクタは、作動工具(図示せず)内に着座されることができる。光ファイバーの端子端部は、緩衝コーティングを剥ぎ取られることができる。次いで、ファイバーは、ファイバーがフェレールの端部を通して突出するまで、コネクタの中に挿入されることができる。
【0135】
圧着工具を使用して、スリーブを保護チューブの周りに圧縮して、ファイバーを定位置に固定することができる。次に、作動工具を使用して、圧着要素キャップを押し付け、圧着要素がコネクタフェルールの後方の裸のガラスファイバーの周りを閉鎖するようにすることができる。ストレインリリーフブーツが定位置に滑り込まされて、コネクタの組み立てが完了する。余分な長さのファイバーは、コネクタを研磨するのに備えて、約80マイクロメール〜100マイクロメートルがフェルール先端から突出する状態に残して除去されることができる。次いで、コネクタは、一般に認められている技術を用いて研磨されることができる。所望により、ファイバーの端面を保護するために、保護ダストカバー(図示せず)がコネクタに加えられてもよい。
【0136】
あるいは、参照によってすべてが本願に組み込まれる、同一所有者の米国特許第7,147,384号に記載されているように、ホットメルトコネクタが、少なくとも1本の光ファイバーの端子端部に用いられてもよい。
【0137】
引張ソックスの装着
入線装置50及び光ファイバー、並びに光ファイバーの端子端部に取り付けられた光コネクタを保護するために、図14及び15に示すように、引き込みケーブルアセンブリであり得るケーブルアセンブリの端部の上に、引張ソックス800を嵌めることができる。引張ソックスのアーム821、822は、分離されることができる。光ファイバーの終端されていない端部又は終端された端部は、引張ソックスのトランク830の中に送り込まれることができる。入線装置(ロックキー276を定位置に有する)は、シール部材が引張ソックス内に包含されるまで挿入されることができる。次いで、アームは、入線装置の両側でソックスのアーム821、822内の穴824を通して締結された一対のケーブルタイ826を使用して、互いに押し付けられ、定位置に固定されることができる。
【0138】
引張ソックスが、湿った又は汚れた導管を通してケーブルアセンブリを引っ張るために使用される場合、ソックスは、アームの接合部の約5cm(2インチ)上方(すなわちトランク上)からケーブルシールの端部及びストレインリリーフ部材を過ぎた下方に、スリーエム社(3M Company)(ミネソタ州セントポール、NM(St. Paul, NM))から入手可能な3M(商標)Super 88T接着テープなどのビニールテープを螺旋状に巻き付けられることができる。
【0139】
電気通信エンクロージャの中への入線装置の挿入
入線装置50、150(図2及び9)は、ポート626を有する電気通信エンクロージャ600(図16)の中に挿入されることができ、ポート626は、単本体ハウジング200の向き制御区分250に対する相補的な構造を有する。光ファイバーの自由端部、光ファイバーを収容した保護管、又は予めコネクタ化された光ファイバーが、ポートを通して、まずその入口通路611を経て送り込まれることができる。
【0140】
次いで、入線装置50、150が、ポート内に着座する(すなわち、向き制御装置の当接表面がポートの内部のショルダーと接触する時点)まで、入線通路611を経てポート626の中に送り込まれる。入線装置は、向き制御区分をポート内の相補的な雌型の向き制御構造と整列させるように、回転されてもよい。入線装置50上のシール部材は、単本体ハウジング200内の環状チャネルと電気通信エンクロージャ600のポート626の通路611の内壁との間で押されて密封をもたらす。単本体ハウジングの第2の端部は、ロック係合機構がロックキー276と自在に係合するように、クロージャの中に延びることができる。入線装置が適切に着座すると、ロックキーは、定位置へとロック係合機構の中に滑り込んで、電気通信エンクロージャのポート内に入線装置を固定する。
【0141】
ケーブルアセンブリの端部がコネクタを有している場合、コネクタ30は、図17及び18に示すように、電気通信エンクロージャ内の継ぎ手フィールド650に取り付けられてもよい。あるいは、ケーブルアセンブリが、予め取り付けられたコネクタを有していない場合、技能者は、装置を電気通信エンクロージャの中に挿入する前に、フィールドに導入されるコネクタをケーブルアセンブリの端部に加えるように選択することができ、また、技能者は、ファイバーの自由端部をスプライスインサート670(図20)にスプライス接続し、選択されたネットワークアーキテクチャに応じてメカニカルスプライス接続かフュージョンスプライス接続のいずれかを使用してファイバーを接続することができる。
【0142】
あるいは、装置が、入線装置に必要となる相補的なポート構造ではなく、穴、切り抜き、又はノックアウト702を有する電気通信エンクロージャと共に使用される場合、図21及び22に示すように、所望によるポートアダプタ710が、入線装置50の導入に先立って導入されることができる。入線装置を導入するために、保持ナット730が、アダプタ本体712から取り外されることができる。アダプタ本体は、穴又はノックアウトを通して挿入されることができ、保持ナットは下方に締結され、弾性のガスケット740を圧縮して封止をなす。
【0143】
上述した入線装置は、設計を簡潔でかつ使い勝手のよいものにし、それによって、FTTHネットワークの最後の区間の導入を著しく容易にする。加えて、入線装置が必要とする電気通信エンクロージャ内部の空間を、より小さくすることができる。また、いくつかの実施形態において、入線装置は、プレスタブ端子の一部として使用されるとき、端子の外壁とは対照的に、端子内の光ファイバーの接続点となる。この構成において、更なる保護が、マルチファイバーフィーダーケーブルと個々の引き込みケーブルとの接続点にもたらされる。
【0144】
入線装置の使用を、電気通信ケーブル又は同軸銅ケーブルを用いた用途、等価なプロセス、並びに本発明が応用され得る多数の構造に展開する様々な修正例が、本発明の対象とされる当業者には、本明細書を検討すれば容易に明らかとなろう。
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ファーバーを収容したケーブルを電気通信用のエンクロージャの中に、例えば、端子クロージャ、プレスタブ端子、光ネットワーク端子、又は他のジャンクションボックスの中に挿入するための入線装置に関する。
【背景技術】
【0002】
通信ケーブルは至る所に存在し、あらゆる形式のデータを広範なネットワークを介して配信するために使用されている。ケーブルの大多数は導電性ケーブル(典型的には銅)であるが、ますます大量のデータが伝送されるようになるにつれて、光ファイバーケーブルの使用が、電気通信システムにおいて急速に拡大している。加えて、データ伝送が増加するにつれて、光ファイバーネットワークは、構内、企業、又は私邸であり得るエンドユーザーにより接近して拡大している。
【0003】
電気通信ケーブルはデータネットワークを中継するものであるため、ケーブルを定期的に開けて、ケーブルの中の1本以上の電気通信線をスプライス接続できるようにすることが必要であり、それによって、他のケーブル又は電気通信ネットワークの「枝」にデータを配信することが可能となる。電気通信ケーブルが開けられる各地点では、ケーブルの露出した内部を保護するために、電気通信エンクロージャを設けることが必要である。ケーブル枝線は、ネットワークが個人宅、企業、オフィスなどに達するまで更に分配することができる。これらのネットワークはしばしば、FTTP(Fiber To The Premise)又はFTTH(Fiber To The Home)ネットワークと呼ばれる。
【0004】
FTTHネットワークにおいて、光ファイバーは、エンドユーザーの所に引き込まれ、エンドユーザーの所の壁上に装着された光ネットワーク端末(ONT)ユニットに接続される。ONTは、この光信号を通常の電気信号に変換して、音声(電話)、インターネット(データ)、及び映像信号をエンドユーザーに提供する。
【0005】
ファイバー端子は、典型的にはFTTPネットワークにおいてエンドユーザーの近くに設置されて最終的なサービスをエンドユーザーに配信する電気通信エンクロージャの一種である。典型的なファイバー端子は、典型的には4人から12人のエンドユーザーを有する少数の構内にサービスを引き込むように(サービス接続を提供するように)設計される。ファイバー端子からの最後のサービス接続は、引き込みケーブルを使用して、エンドユーザーの所に設置されたONTになされる。典型的には、ケーブルの光ファイバーの端子端部に取り付けられた光コネクタが、現場での導入を迅速で信頼性の高いものにするために好まれている。
【0006】
FTTPネットワークで使用されるファイバー端子には2つの基本的なタイプ、つまり、統合端子クロージャとプレスタブ端子とがある。プレスタブ端子は、導入されたマルチファイバーケーブルを有し、そのマルチファイバーケーブルは、15m(50フィート)から1524m(5000フィート)まで長さが様々である。このケーブルの一方の端部は、通常、分配スプライスクロージャ内の分配ケーブルに接続される。このマルチファイバーケーブルのもう一方の端部は、典型的には4本から12本の光ファイバーを有するものであり、SC APCコネクタなどの通常の業界標準コネクタで終端される。このケーブルアセンブリは、マルチファイバーファンアウトケーブルアセンブリと呼ばれることもある。マルチファイバーケーブルの予めコネクタ化された端部は、消費者に供給されるとき、別々に提供されても、プレスタブ端子に予め取り付けられてもよい。予め終端されたシングルファイバー引き込みケーブルは、一方又は双方の端部を光コネクタで予め終端されていてもよい。
【0007】
従来の水密入線装置が米国特許第6,487,344号に記載されており、この装置は、電気通信エンクロージャの壁内のポートの中に挿入することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
密封され強化された特殊な光コネクタ又はプラグによる解決策が、現在、FTTPネットワークで使用されるいくつかの引き込みケーブルにおいて展開されている。このシステムは、光接続を端子クロージャの壁に近接させるように提供されるものであり、そのため、過酷な環境条件にさらされるとサービスの中断を生じることがある。このコネクタ台は、特殊な嵌合レセプタクルをクロージャの壁内に装着することを必要とする。結局、このコネクタ及びレセプタクルの設計では、サービスの導入に先立った光インターフェースの清掃が困難となる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1の実施形態において、入線装置は、少なくとも1本の強化部材をハウジング内に締結するように構成された内部強化部材固定区分を有するハウジングと、ファイバーガイド装置とを有している。ファイバーガイド装置は、シングルファイバーケーブル又はマルチファイバーケーブルに適応を収容するように設計されてもよい。例示的なファイバーガイド装置には、マルチファイバーファンアウト装置が含まれる。曲げ半径を抑制すると共に、入線装置の第1の側部上でのケーブルに対する張力を緩和するために、ストレインリリーフ部材が入線装置に嵌められてもよい。一態様において、ハウジングは単本体構造をなすことができ、その単本体構造は、強化部材固定区分と、単本体構造の外表面上に形成された向き制御区分と、単本体構造の外表面内に形成された、シール部材を受容するための環状チャネルと、単本体構造の外表面内に形成されたロック係合機構と、単本体構造の第2の端部内に形成されたファイバーガイドレセプタクルとを有する。
【0010】
別の実施形態において、少なくとも1つの入線装置が、所定の長さの光ファイバーケーブル上に装着されて、光ファイバーケーブルアセンブリを形成してもよい。入線装置は、少なくとも1本の強化部材をハウジング内に締結するように構成された内部強化部材固定区分を有するハウジングと、ファイバーガイド装置とを有する。所望により、光コネクタが、入線装置の第2の端部を出る少なくとも1本の光ファイバーに装着されてもよい。ケーブルをファイバーネットワークの中に導入するのを容易にするために、引張ソックスがケーブルの端部の上に嵌められてもよい。光ファイバーケーブルアセンブリは、マルチファイバーリボンケーブル、シングルファイバーケーブル、及びマルチファイバー遊離緩衝管ケーブルのうちの1つを有してもよい。
【0011】
本発明の更に別の態様は、ケーブルアセンブリを作成する方法を提供する。光ファイバーケーブルは、ケーブルの少なくとも1本の光ファイバーと少なくとも1本の強化部材とを露出させるように作成される。ケーブルは、内部強化部材固定区分を有するハウジングの第1の端部の中に挿入される。少なくとも1本の強化部材が、固定区分内に固定される。少なくとも1本の光ファイバーが、光ファイバーガイド装置の中に挿入され、ファイバーガイド装置は、ハウジングの第2の端部の上に装着される。
【0012】
別の実施形態は、ケーブルアセンブリの現場組み立て用の部品一式を提供する。部品一式は、内部強化部材固定区分を有するハウジングと、少なくとも1つのファイバーガイド装置と、ファイバー保持器と、中に入るケーブル及び外に出るファイバーのためのファイバーガイドカバー及びストレインリリーフ部材とを有する。部品一式は、整列用インサート、少なくとも1本の保護管、少なくとも1つの光コネクタ、及び/又はケーブル装着済みのハウジングを受容するように形作られた引張ソックスを更に有することができる。
【0013】
別の例示的な実施形態において、ファンアウト装置は、光ファイバーケーブルからの複数の光ファイバーを整理する。ファンアウト装置は、基部とガイド支持体とを有し、ガイド支持体は、基部から延びる前側部と後側部とを有する。ガイド支持体は、複数のファイバーガイドチャネルを有し、ファイバーガイドチャネルの第1の組が、ガイド支持体の前側部上に配設されている。ファイバーガイドチャネルの第1の組の各々は、漏斗形状の入口チャネル部分と、開口チャネル部分とを有する。ファンアウト装置は、ガイド支持体と基部との間に配設された棚を更に有してもよい。棚は、それぞれガイド支持体の後側部上の対応する第2の開口チャネル部分と整列する、複数の第2の漏斗形状の入口チャネル部分を有してもよい。
【0014】
本発明の別の態様において、電気通信エンクロージャシステムは、電気通信エンクロージャの開口部内に受容される入線装置を有するケーブルアセンブリを含む。入線装置は、少なくとも1本の強化部材をハウジング内に締結するように構成された内部強化部材固定区分を有するハウジングと、ファイバーガイド装置とを含む。入線装置の挿入を可能にするために、所望によるポートアダプタが開口部内に配設されてもよい。光ファイバーケーブルアセンブリは、マルチファイバーリボンケーブル、シングルファイバーケーブル、及びマルチファイバー遊離緩衝管ケーブルのうちの1つを有してもよい。
【0015】
本発明の上記の概要は、本発明の説明した各実施形態又はすべての実現形態を記載することを意図したものではない。図及び以下の詳細な説明によって、これらの実施形態をより具体的に例示する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
本発明について、添付の図面を参照して更に説明することにする。
【図1A】本発明の実施形態による引き込みケーブルアセンブリ。
【図1B】遊離緩衝管を有する1つの例示的な引き込みケーブル構成。
【図1C】本発明の実施形態によるマルチファイバーファンアウトケーブルアセンブリ。
【図1D】中心管ファイバーリボンケーブルを有する1つの例示的な引き込みケーブル構成。
【図2】本発明の実施形態による入線装置の等角図。
【図3】本発明の実施形態による入線装置の分解図。
【図4】本発明の実施形態による入線装置の横断面図。
【図5A】本発明の実施形態による入線装置の強化部材固定区分の詳細横断面図。
【図5B】本発明の実施形態による入線装置の強化部材固定区分の拡大横断面図。
【図6】本発明の実施形態による入線装置のファイバーガイド装置の詳細横断面図。
【図7】本発明の実施形態による入線装置のファイバーガイド装置の分解図。
【図8】マルチファイバーオリフィスプレートの1つの例示的な実施形態の等角図。
【図9】本発明の実施形態によるマルチファイバーケーブルファンアウトアセンブリの等角図。
【図10】本発明の実施形態によるマルチファイバーケーブルファンアウトアセンブリの分解図。
【図11】本発明の実施形態によるマルチファイバーケーブルファンアウトアセンブリの一部分の等角図。
【図12】本発明の実施形態によるマルチファイバーケーブルファンアウト装置の詳細分解図。
【図13A】本発明の実施形態によるマルチファイバーケーブルファンアウト装置の詳細等角図。
【図13B】本発明の実施形態によるマルチファイバーケーブルファンアウト装置の別の詳細等角図。
【図13C】本発明の実施形態によるマルチファイバーケーブルファンアウト装置の詳細等角図。
【図14】本発明の実施形態による引張ソックスの等角図。
【図15】本発明の実施形態による引張ソックスの詳細等角図。
【図16】本発明の実施形態による電気通信エンクロージャの等角図。
【図17】本発明の実施形態による電気通信エンクロージャの内部構造の等角図。
【図18】本発明の別の実施形態による電気通信エンクロージャの内部構造の等角図。
【図19】本発明の別の実施形態による電気通信エンクロージャの内部構造の等角図。
【図20】本発明の別の実施形態による電気通信エンクロージャの内部構造の等角図。
【図21】本発明の別の実施形態によるポートアダプタの分解図。
【図22】本発明の別の実施形態による電気通信エンクロージャに導入されたポートアダプタの等角図。
【図23】本発明の別の実施形態による電気通信エンクロージャの等角図。
【図24A】図23の電気通信エンクロージャ内に導入されたポートアダプタアセンブリの等角図。
【図24B】図23の電気通信エンクロージャ内に導入されたポートアダプタアセンブリの別の等角図。
【図25】光学装置モジュールを有する、本発明の別の実施形態による電気通信エンクロージャの概略図。
【図26】複数の光学装置モジュールを有する、本発明の別の実施形態による電気通信エンクロージャの概略図。
【0017】
本発明は様々な修正及び代替の形態に容易に応じるが、その細部を、一例として図面に示してあり、また詳しく説明することにする。しかしながら、その意図は、記載した特定の実施形態に本発明を限定することではないことを理解されたい。逆に、その意図は、添付の特許請求の範囲で定義される本発明の範囲に含まれるすべての修正物、等価物、及び代替物を網羅することである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
好ましい実施形態の以下の詳細な説明において、添付の図面を参照するが、その図面は本願の一部をなすものであり、また、本発明が実施され得る特定の実施形態を一例として示すものである。説明する実施形態は、本発明によるすべての実施形態を網羅することを意図したものではない。他の実施形態を利用することもでき、また、構造的又は論理的な変更が、本発明の範囲から逸脱することなくなされうることが理解される。以下の詳細な説明は、したがって、限定的な意味で解釈されるべきではなく、また、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によって定義される。
【0019】
本明細書における例示的な実施形態は、光ファイバーケーブルを電気通信エンクロージャの中に挿入するための入線装置を提供する。本発明の入線装置の設計の独自の利点には、ハウジングが頑健であること、及び、最小数の部品(例えばファイバーガイド装置)を変更することによってシングルファイバーケーブル又はマルチファイバーケーブルのいずれも収容できることが挙げられる。例示的な入線装置は、電気通信エンクロージャ内に導入されると周辺を密封するように設計される。周辺を密封することにより、入線装置は、防水性若しくは耐水性の密封をもたらし、かつ/又は、塵、虫、若しくは他の異物がエンクロージャに侵入するのを防止するように設計されることができる。また、本明細書で説明するハウジングは、強化部材固定区分と、向き制御区分と、シール部材と、ロック機構と、ファイバーガイド取り付け区分とを組み込みかつ/又は収容する単一の構造を提供するので、「単本体ハウジング」とも呼ばれる。
【0020】
本発明の第1の実施形態において、例示的な入線装置は、予め終端された引き込みケーブルの一部である。図1Aは、引き込みケーブル60の第1及び第2の端部61、62上に装着された2つの入線装置50と2つの光コネクタ30とを有する引き込みケーブルアセンブリ10を示している。図1Aは、2つの例示的な入線装置を有する予め終端された引き込みケーブルを示しているが、予め終端された引き込みケーブルの別の実施形態が、単の例示的な入線装置を有してもよい。引き込みケーブルの第2の端部への接続は、メカニカルスプライス、フュージョンスプライス、又は屋外設置型コネクタを使用してなされてもよい。あるいは、例示的な入線装置は、シングルファイバーケーブルアセンブリへのシングルファイバー分配ケーブル上に装着されることができる。
【0021】
図1Bは、スミトモ・エレクトリック・ライトウェイブ社(Sumitomo Electric Lightwave)(ノースカロライナ州リサーチトライアングルパーク(Research Triangle Park))から入手可能な、例示的な汎用光ファイバー引き込みケーブルの横断面図を示す。引き込みケーブル60は、遊離緩衝管65と緩衝管の両側に設置された一対の強化部材68とを囲む半硬質の外側シース64を有する。1本から12本の光ファイバー63が、遮水ジェル又はグリース66によって囲まれた緩衝管内に存在することができる。類似したケーブルには、ピレリケーブルズアンドシステム社(Pirelli Cables and System)(ノースカロライナ州コロンビア(Columbia)、NC)から入手可能なResiLink ADF(商標)All−Dielectric Flat Drop Cable及びOFS社(OFS)(ジョージア州ノースクロス(Northcross)、GA)から入手可能なMini DP Flat Drop Cableが挙げられる。光ファイバーは、ガラス繊維を囲み保護する高分子コーティングを有する。強化部材は、半硬質の棒材であっても、例えばアラミド繊維でできたルースファイバの集まりであってもよい。
【0022】
本発明の別の実施形態において、例示的な入線装置は、予め終端されたマルチファイバーケーブルの一部である。図1C及び9は、マルチファイバーケーブル160の第1の端部161上に装着された入線装置150と複数の光コネクタ30とを有するマルチファイバーケーブルファンアウトアセンブリ100を示している。マルチファイバーケーブル160の第2の端部(図示せず)への接続は、複数の単心メカニカルスプライス若しくは複数のフュージョンスプライス、マルチファイバーメカニカルスプライス、マルチファイバーフュージョンスプライス、又は複数の屋外設置型コネクタを使用してなされてもよい。
【0023】
図1Dは、ピレリケーブルズアンドシステム社(Pirelli Cables and System)から入手可能な別の例示的な汎用マルチファイバーケーブル160を示している。このケーブルは、遊離緩衝管165と緩衝管の両側に設置された一対の強化部材168とを囲む半硬質の外部シース164を有している。4本から12本の光ファイバー163が、遮水ジェル又はグリース166によって囲まれた緩衝管内にファイバーリボン162の形態で存在する。あるいは、ファイバーリボンは、遊離緩衝管を伴うことなく直接シース内に存在してもよい。
【0024】
各光ファイバーは、中心のガラス繊維を囲み保護する高分子コーティングを有する。強化部材は、一般に、圧縮されたアラミド繊維の少なくとも1本の半硬質の棒材の形態をなす。複数のこれらの半硬質の強化部材がマルチファイバーケーブル内に存在する場合、これらの強化部材は、光ファイバーリボンケーブル又は保護管の周りに配置されてもよい。あるいは、マルチファイバーケーブルは、半硬質の中心強化部材と、光ファイバーリボンケーブル又は保護管を囲む、複数の遊離した又は織り込まれた柔軟な強化部材との組み合わせを有してもよい。
【0025】
例えば、光コネクタ30は、引き込みケーブル又はマルチファイバーケーブルの端部上に装着されてもよい。コネクタ30は、数例を挙げれば、SC、DC、SC−DC、ST、FC、又はLCコネクタなどのコネクタであってもよく、また、例えば、PC(positive contact)又はAPC(斜め研磨コネクタ)タイプのコネクタのどちらであってもよい。実例のコネクタには、いずれもスリーエム社(3M Company)(ミネソタ州セントポール、NM(St. Paul, NM))から入手可能な3M(商標)No Polish Connector SC Plug、3M(商標)Hot Melt LC Connector、及び3M(商標)CRIMPLOK(商標)ST SM 126 UM Connectorが挙げられる。本発明のいくつかの実施形態において、コネクタが、光ファイバーの端部に付けられなくてもよく、代わりに、光ファイバーの自由端部が、フュージョンスプライスか、又はスリーエム社(3M Company)(ミネソタ州セントポール、NM(St. Paul, NM))から入手可能な3M(商標)Fibrlok(商標)IIメカニカルスプライスなどのメカニカルスプライスのいずれかを使用してネットワークにスプライス接続されてもよい。あるいは、数例を挙げれば、SC、DC、SC−DC、ST、FC、若しくはLCコネクタなど、現場で装着可能なコネクタ、又は、スリーエム社(3M Company)(ミネソタ州セントポール、NM(St. Paul, NM))から入手可能な3M(商標)SC No Polish Connectorがある。
【0026】
図2〜4並びに図5A及び5Bは、例示的な入線装置50を示している。入線装置は、第1の端部205と第2の端部210とを有する、本願において単本体ハウジングと呼ばれるハウジング200と、第2の端部において単本体ハウジングに取り付け可能なファイバーガイド装置220とを有している。単本体ハウジングは、形状が概ね円筒状であり、内部通路215を有しており、内部通路215は、ハウジングの第1の端部から第2の端部まで単本体ハウジングの長さに沿って延びている。ハウジングは通路入口216を有し、通路入口216は、特定の種類の引き込みケーブル及びマルチファイバーケーブル(すなわち、丸形ケーブル、平形ケーブルなど)を収容するように構成されてもよい。
【0027】
加えて、単本体ハウジング200は、ハウジングの内方部分に形成された内部強化部材固定区分230を有している。この強化部材固定区分は、少なくとも1本の強化部材68を単本体ハウジングに締結するように構成されることができる。強化部材固定区分は、光ファイバーを通すための開口部又は通路231と、少なくとも1本の強化部材を少なくとも1つの固定穴又はチャンバー235の中に通すための少なくとも1つの開口部232とを有している(図5A及び5Bを参照)。強化部材68が固定穴235の中に挿入されると、強化部材68は、少なくとも1つのメカニカルファスナー、つまりピン238によって定位置にロックされることができ、そのメカニカルファスナーは、強化部材68がメカニカルファスナーの端部と固定穴の対向する壁部との間で捕捉されるように、固定穴の壁部内の穴237を通過する。メカニカルファスナー、つまりピン238は、所望により、単本体ハウジングの外壁201内の凹部239に差し込まれてもよい。
【0028】
単本体ハウジング200の他の機構には、第1及び第2のケーブルストレインリリーフ取り付け表面(240、245)、向き制御区分250、シール部材275を保持するための環状チャネル270、ロック係合機構273、及びファイバーガイド装置取り付け区分223がある。
【0029】
第1のケーブルストレインリリーフ取り付け表面240は、通路入口216と第2のケーブルストレインリリーフ取り付け表面245との間に設置されている。第2のケーブルストレインリリーフ取り付け表面245は、第1のケーブルストレインリリーフ取り付け表面240と向き制御区分250との間に設置されている。第1のケーブルストレインリリーフ取り付け表面の外側の周囲長は、第2のケーブルストレインリリーフ取り付け表面の周囲長よりも短く、そのため、二部型ケーブルシール及びストレインリリーフ部材260(図9を参照)は、単本体ハウジングの全径を増加させることなく、単本体ハウジングに取り付けられることができる。二部型ケーブルシール及びストレインリリーフ部材は、引き込みケーブルを単本体ハウジング200に固定しかつ密封する。また、このケーブルストレインリリーフ部材は、引き込みケーブルが電気通信エンクロージャに導入されるとき、ケーブルの適切な曲げ半径を維持することによって、引き込みケーブルに張力緩和をもたらす。ケーブルストレインリリーフ部材はまた、引き抜き力に逆らってケーブルを保持する。
【0030】
一実施形態において、第1及び第2のケーブルストレインリリーフ取り付け表面(240、245)は、平滑な表面組織を有してもよい。別の実施形態において、第1及び第2のケーブルストレインリリーフ取り付け表面は、リブ付きの、波形の、又は他の粗い表面組織を有してもよい。図2〜4並びに図5A及び5Bは、リブ247を有する第1及び第2のケーブルストレインリリーフ取り付け表面の実施形態を示す。粗いリブ付きの、波形の、又は他の粗い表面組織を第1及び第2のケーブルストレインリリーフ取り付け表面上に有することは、ケーブルシール及びストレインリリーフ部材260への単本体ハウジングの結合の機械的強度を改善するために有利となることがある。
【0031】
二部型ケーブルシール及びストレインリリーフ部材260は、ケーブル被覆の一部分を囲む、図1Aに示すような第1の層262と第2の層264の2層で構成されている。ケーブルシール及びストレインリリーフ部材の第1の層262は、第1のケーブルストレインリリーフ取り付け表面240に取り付けられ、単本体ハウジングの端部からある距離(例えば、約7.6cm(3インチ)から約15.2cm(6インチ))にわたって延びる。ケーブルシール及びストレインリリーフ部材の第2の層264は、第2のケーブルストレインリリーフ取り付け表面245に取り付けられ、単本体ハウジング200の端部を越えて、ある長さにわたって、ケーブルシール及びストレインリリーフ部材260の第1の層262の上に延びる。ケーブルシール及びストレインリリーフ部材260の層262、264は、成形された予備形成ストレインリリーフブーツ、復元可能スリーブ、又は、タイコエレクトロニクス社(Tyco Electronics Corporation)(ペンシルバニア州ハリスバーグ(Harrisburg))から入手可能なATUM及びTAT熱収縮チューブ並びにスリーエム社(3M Company)(ミネソタ州セントポール、NM(St. Paul, NM))から入手可能なHDTチューブなどの接着剤塗膜熱収縮チューブを有してもよい。
【0032】
向き制御区分250は、既知の又は制御された向きで電気通信エンクロージャ内の補助ポート構造の中に入線装置50が挿入されるときに利用されることができる。図2において、向き制御区分は、単本体ハウジング200上に、第2のケーブルストレインリリーフ取り付け表面245と、シール部材275を保持するように構成された環状チャネル270との間に配置されている。向き制御区分の外部寸法は、単本体ハウジングの残りよりもいくぶんか大きくてもよい。本発明のいくつかの実施形態において、向き制御区分によって、入線装置の最大の横断面径が決まる。向き制御区分の各部分は、単本体ハウジングの概ね円筒形の表面から延びる当接表面252を形成してもよい。これらの当接表面は、電気通信エンクロージャのポート内のショルダーと協働して、入線装置を電気通信エンクロージャ内に適切に着座させることができる。
【0033】
向き制御区分250は、複数の切り子面254を有する多角形形状を構成する外部形状を有し、一方でエンクロージャポートの後部分が対応する雌型の形状を有してもよい。あるいは、向き制御区分は、単本体ハウジングが、円形を切り詰めた横断面又はD字形状の横断面を有するように、少なくとも1つの平坦な切り子面と少なくとも1つの円弧状の区分とを備える、単本体ハウジングの外表面上のいかなる外部の多角形形状を有してもよい。向き制御区分の外部形状は、電気通信エンクロージャ内の対応する雌型の形状のポートの少なくとも一部分と係合する。
【0034】
シール部材275は、単本体ハウジング内の環状チャネル270内に配置される。このチャネルは好ましくは、向き制御区分に近接して位置する。一実施形態において、シール部材275はゴム製のOリングである。
【0035】
ロック係合機構273は、溝又はトレンチの形態をなすことができ、環状チャネル270とファイバーガイド装置取り付け区分223との間に設置されることができる。ロック係合機構は、ネック274によって環状チャネル270から分離されている。ネックは、ロック係合機構とチャネル270との間に十分な空間をもたらしており、そのため、装置がポート内に完全に着座されると、ロック係合機構は電気通信エンクロージャの内側に入る。装置を電気通信エンクロージャのポート内に確実に締結するために、二又ロックキー276(図15及び22)などのキー締め機構がロック機構の中に挿入されてもよい。例示的な二又ロック機構は、ハンドル277と、ハンドルから延びる2本の歯(278、279)とを有する。2本の歯は、単本体ハウジング200の両側のロック係合機構273の中に嵌り、装置がポート内で滑るのを防止する。
【0036】
図2及び4は、第2の端部における単本体ハウジングへのファイバーガイド装置の取り付けを示している。ファイバーガイド装置は、少なくとも1本の光ファイバーを案内するための少なくとも1つのファイバーガイドを有する。
【0037】
開示される入線装置50、150の1つの有利な態様は、相当な圧力又は力が光ファイバーに作用することなく、光ファイバーが装置を自在に通過することである。ケーブル及び強化部材は、単本体ハウジングの第1の端部に確実に取り付けられる。
【0038】
単本体ハウジング200の第2の端部210において光ファイバーを通路215の中心に保つために、保持装置290が使用されている。このファイバー保持器290は、単本体ハウジングの長さに応じて任意に選択されてもよい。ファイバー保持器は、2つのウイング294(図7を参照)を有するc字形状の受容領域292を有し、これら2つのウイング294は、「c字」の頂部分及び底部分から延びる。ウイングは、単本体ハウジング200の第2の端部210内のスロット266(図3)と協働して、遊離管又はファイバーリボンケーブルが、ハウジング内で回転したり、曲がったり、ねじれたりするのを防止する。整列用インサート265が、ファイバー保持器290のc字形状の受容領域292の中に挿入されることができる。例示的な一実施形態において、整列用インサートは、スリットを有する円柱状の発泡体の整列用トインサート265aを構成しており、このスリットは、インサートの長さに沿ってかつ円柱の幅の約60%にわたって延びている(図10及び12を参照)。光ファイバーリボンがスリットの中に配置されてもよく、また、インサートは、ファイバー保持器290の中に嵌められてもよい。あるいは、タイゴンチューブなどのチューブ265b(図7)の短い区分が、1本以上の光ファイバー又は1本以上のファイバーリボンを収容した1本以上の遊離緩衝管を案内するために、整列用インサートとして使用されることができる。
【0039】
入線装置50、150は、好適ないかなるプラスチック材料で形成されてもよい。一実施形態において、単本体ハウジング、ファイバー保持器、ファイバーガイドプレート、カバー、及びロックキーは、射出成形、押し出し、鋳造、機械加工などの方法によって高分子材料で形成される。例えば、これらの部品は、成形ポリプロピレン、ナイロン、ポリプロピレン/ナイロンの混合物、又はこれらのポリマーのガラス繊維注入変形でできていてもよい。材料の選択は、限定はするものではないが、数例を挙げると、化学暴露条件、温度及び湿度条件を含めた環境暴露条件、紫外線暴露条件、難燃性要件、材料強度、並びに剛性を含む要因に依存する。
【0040】
シングルファイバーオリフィスプレート
図2〜4に示す例示的なファイバーガイド装置220の第1の実施形態において、ファイバーガイド装置は、シングルファイバーオリフィスプレートを備えている。例示的なシングルファイバーオリフィスプレート320について、図6及び7を参照してより詳細に説明する。このオリフィスプレートは、穴341を有するディスク形状の基部340を備えており、穴341は、基部の中心を通じて基部の第1の側部342から第2の側部345に延びている。一対のフランジ352が、基部340の第1の側部342上に装着されており、また基部340の第1の側部342から離れて延びている。フランジは、基部340の第1の端部342の縁部から後退していてもよい。例えば、オリフィスプレートが単本体ハウジング200の第2の端部210の中に挿入されるとき、フランジ352はハウジング通路215の中に滑り込むことができる。オリフィスプレート320はまた、基部340の第1の側部342から延びる少なくとも1つのラッチ355を有していてもよく、ラッチ355は、単本体ハウジング200の第2の端部210内のスロット212と係合して、オリフィスプレート320を単本体ハウジングに固定してもよい。あるいは、オリフィスプレートは、単本体ハウジングの第2の端部内の定位置に接着剤で接合されてもよい。
【0041】
オリフィスプレート320は、基部340の第2の側部345上に装着されたキャップ360を更に有することができる。ファイバーガイド365はキャップ360の頂側部から延びていてもよく、また、ボス370がキャップの底側部から延びていてもよい。ボス370は、中心を通じた通路375を有しており、通路375は、ファイバーガイド365を通じた穴366と整列している。
【0042】
一例においては、ファイバーガイドは、圧着リング380の利用が可能となるように、キャップ360の頂部から十分な距離にわたって延びていてもよい。圧着リングは、被覆ファンアウトチューブ396などの保護チューブのある区分をシングルファイバーオリフィスプレートに固定することができる。オリフィスプレートを通過する光ファイバーの最小曲げ半径を抑制するために、所望によるゴム製のファイバーストレインリリーフ部材又はブーツ395が、圧着リング380の上に配置されてもよい。
【0043】
マルチファイバーオリフィスプレート
別の態様において、図9は、マルチファイバーケーブル160上に装着されたマルチファイバーケーブルファンアウトアセンブリ100を示す。このファンアウトアセンブリは、上述したものなどの単本体ハウジング200と、マルチファイバーガイド装置(図示せず)と、所望によるカバー470とを有する入線装置150を有し、カバー470は、それに取り付けられたファイバーストレインリリーフ部材又はブーツ495と、ケーブルシール及びストレインリリーフ部材260とを有している。マルチファイバーケーブルの光ファイバーの各々は、保護管462内に収容され、光ファイバーコネクタ30で終端されてもよい。
【0044】
図8に示す例示的なファイバーガイド装置の別の実施形態において、ファイバーガイド装置は、マルチファイバーオリフィスプレート420を備えることができる。オリフィスプレート420は、第1の側部442と第2の側部445とを有するディスク形状の基部440を含んでいる。一対のフランジ(図示せず)が、基部440の第1の側部442上に装着され、かつその第1の側部442から離れて延びていてもよい。このフランジは、オリフィスプレートが単本体ハウジング200の第2の端部210の中に挿入されるとき、フランジがハウジング通路215の中に滑り込むことができるように、基部440の第1の端部442の縁部から後退していてもよい。オリフィスプレートはまた、オリフィスプレートの第1の側部から延びる少なくとも1つのラッチ455を有していて、ラッチ455は、単本体ハウジング200の第2の端部210内のスロット212と係合してオリフィスプレート420を単本体ハウジングに固定してもよい。あるいは、オリフィスプレートは、単本体ハウジングの第2の端部内の定位置に接着剤で接合されてもよい。
【0045】
オリフィスプレート420は、基部440の第2の側部445上に装着されたキャップ460を有することができる。キャップ460は、基部440を貫いて延びる複数のファイバー通路466を有しており、ファイバー通路466は、複数の別々のファイバーを基部の第1の前側部442から第2の側部445に通過させることができるようになる。各ファイバー通路466は、ファイバーをオリフィスプレートの中に送り込むのを容易にするために、基部440の第1の側部442上に円錐形の入口(図示せず)を有してもよい。
【0046】
漏斗形状のファイバー出口ポートを有する所望のカバー470(図9)が、マルチファイバーオリフィスプレート420の上に滑らされてもよく、また、所望によるファイバーストレインリリーフブーツ495が、マルチファイバーに張力緩和をもたらすために、出口ポートの漏斗形状の部分の上に滑らされてもよい。
【0047】
マルチファイバーファンアウト装置
マルチファイバーケーブル用の別のファイバーガイド装置が、図10〜12及び図13A〜13Cに示すマルチファイバーファンアウト装置又はマルチファイバーオーガナイザ520である。このマルチファイバーファンアウト装置は、第1の側部540と第2の側部542とを有するディスク形状の基部540を有する。このディスクは、光ファイバー又は光ファイバーリボンが基部540を通過することができるように、中央オリフィス(図示せず)又は実質的にU字形状の切り抜き541を有してもよい。一対のフランジ(図示せず)が、基部540の第1の側部542上に装着され、かつその第1の側部542から離れて延びていてもよい。このフランジは、ファンアウト装置が単本体ハウジング200の第2の端部210の中に挿入されるとき、フランジがハウジング通路215の中に滑り込むように、基部540の第1の端部542の縁部から後退していてもよい。この基部はまた、基部の第1の側部から延びる少なくとも1つのラッチ555を有してもよく、ラッチ555は、単本体ハウジング200の第2の端部210内のスロット212と係合してファンアウト装置520をハウジングに固定するようになる。あるいは、ファンアウト装置は、単本体ハウジングの第2の端部内の定位置に接着剤で接合されてもよい。
【0048】
ファンアウト装置520は、基部540の第2の側部545の両側に装着された2本の脚部525を含むことができる。ガイド支持体530が、基部の第2の側部の上方に脚部525の間に配置されている。このガイド支持体は、前側部531と、後側部532と、頂端部533と、底端部534とを有している。
【0049】
このガイド支持体は、複数のファイバーガイドチャネルを有しており、ファイバーガイドチャネルの第1の組みが、ガイド支持体の前側部上に配設されている。第1の組の第1のファイバーガイドチャネルの各々は、第1の漏斗形状の入口チャネル部分と、支持体上の第1の開口チャネル部分とを有している。第1の漏斗形状の入口チャネル部分は、ガイド支持体530の底端部534に設置されることができる。各第1の漏斗形状の入口チャネル部分535の幅狭端部は、対応する第1の開口チャネル部分550内に向かって開口しており、第1の開口チャネル部分550は、漏斗形状の入口チャネル部分の幅狭端部からガイド支持体の頂端部533に延びている。第1の開口チャネル部分の幅は、第1の漏斗形状の入口チャネル部分の幅狭端部の幅よりも広い。第1の開口チャネル部分550は、その中に第1の保護管580をぴったりと保持するように構成されている。漏斗形状の入口チャネル部分535の幅狭開口部は、開口チャネル部分550内に着座された保護管の中心孔582への入口と整列するように配列されている(図13C)。この構成では、ファイバーを管580の中心孔582と手動で整列させる必要なしに、ファイバーを第1の保護管の中に挿入することが可能となり、第1の保護管580は、第1の漏斗形状の入口チャネル部分535と中心を合わせられている。
【0050】
複数の第2の開口チャネル部分552が、それらが底端部534から支持ガイドの頂端部533に延びるように、支持ガイド530の後側部532上に設置されることができる。
【0051】
棚560が、基部540の上の脚部525の間に配置されている。また、棚560は、ガイド支持体530の下方にかつガイド支持体530とずらして配置されてもよい。この棚は、前側部561と後側部562とを有している。複数の第2の漏斗形状の入口チャネル部分565が、棚560の前側部561上に設置されている。棚560上の各第2の漏斗形状の入口チャネル部分552の幅狭端部は、ガイド支持体532の後側部532上に設置された対応する第2の開口チャネル部分552に向かって開口している。第2の開口チャネル部分552の幅は、第2の漏斗形状の入口チャネル部分565の幅狭端部の幅よりも広い。第2の開口チャネル部分552は、その中に第2の保護管582をぴったりと保持するように構成されている。第2の漏斗形状の入口チャネル部分562は、第2の開口チャネル部分552内に着座された保護管585の中心孔586の入口と整列し、保護管585は、第2の漏斗形状の入口チャネル部分535と中心を合わせられる。
【0052】
あるいは、ファンアウト装置は、ガイドチャネルの第2の組をガイド支持体の後側部上に有することができる。この第2の組のガイドチャネルの各々は、第2の漏斗形状の入口チャネル部分及び第2の開口チャネル部分をガイド支持体の後側部上に有する。この構成において、棚は上述のように除かれる。
【0053】
所望により、支持ガイド530はスロット545を有していてもよく、スロット545は、支持ガイド530の頂端部533から支持ガイドの底端部534への途中まで延びている。このスロットにより、脚部525の頂部は撓むことができる。
【0054】
漏斗形状の出線部575を有するカバー570が、装置を保護するためにマルチファイバーファンアウト装置520の上に滑らせてもよい。ファンアウト装置の脚部525は、カバー570内のスロット572に挿入されてもよい。カバーは、脚部の戻り止め526が漏斗形状の出線部575の基部にあるくぼみ又はスロット576と係合するまで、軸方向に脚部525の下方に滑る。所望のファイバーストレインリリーフ部材又はブーツ595が、出線部の幅狭端部に取り付けられてもよい。
【0055】
入線装置を有する電気通信エンクロージャ
電気通信ケーブルが開けられる各地点では、ケーブルの露出した内部を保護するために、電気通信エンクロージャが設けられる。ファイバー端子は、最終サービスをエンドユーザーに配信するためにFTTPネットワークで使用される電気通信エンクロージャの一種である。ファイバー端子は、典型的には4人から12人のエンドユーザーを有する少数の家庭又は企業にサービス接続を提供するように設計される。
【0056】
2つの基本的なタイプのファイバー端子、つまり、統合端子クロージャ及びプレスタブ端子がFTTPネットワークで使用されている。プレスタブ端子は、導入されたマルチファイバーケーブルを有し、そのマルチファイバーケーブルは、長さが15m(50フィート)から1524m(5000フィート)まで様々なものとなり得る。端子に接続するマルチファイバーケーブルの端部は、典型的には、4本から12本のファイバーを有し、それらのファイバーは、SC APCコネクタなどの標準的な光ファイバーコネクタでそれぞれ終端される。このケーブルのもう一方の端部は、メカニカルスプライス又はフュージョンスプライスのいずれかを使用して、分配スプライスクロージャ又は分配キャビネット内の分配ケーブルに接続されてもよい。マルチファイバーケーブルのこの予めコネクタ化された端部は、消費者に供給されるとき、別々に提供されてもよく、またプレスタブ端子に予め導入されていてもよい。
【0057】
ファイバー端子の一目的は、各エンドユーザーにサービスを提供する個々の引き込みケーブルへの、このマルチファイバーケーブルのジャンクションを保護することである。
【0058】
本発明の実施形態による例示的な電気通信エンクロージャ又はプレスタブ端子600が、図16に示されている。エンクロージャ600は、基部622と、その基部622に取り外し可能に固定されたカバー又はハウジング624とを有する。基部622は、図1A及び1Cに示す光ファイバーケーブルアセンブリ10、100を受容するための少なくとも1つのポート626を有する。基部622は、特定のエンクロージャ600に必要となるように、1つ、2つ、又は任意の数のポート626を有してもよい。ハウジング624は中空であり、ハウジング624の第1の端部632から第2の端部634へと延びる長手方向の内部空洞を画定する。ハウジング624の第1の端部632における開口部は、従来の方式で基部622の上に嵌りかつ基部622と係合するように、形作られ寸法決めされる。ハウジング624は、ベイル又はクランプ620によって基部622に固定されてもよい。係合すると、基部622とハウジング624は、端子600の内部構成要素を、風雨、虫及び他の外部障害から保護する。
【0059】
例示的な実施形態において、ハウジング624及びその中に形成された空洞は、横断面図において実質的に楕円形であり、また、ハウジング624の閉じた第2の端部634は、実質的にドーム形状をなす。基部622は、横断方向において、ハウジング624の開放端部の形状に整合する実質的に楕円形の断面を有する。しかしながら、実際には、基部622及びハウジング624の形状は、そのようには限定されず、また、他の実施形態において、ハウジング624及び基部622は、他の形状及び断面を有してもよい。例えば、ハウジング624及び基部622の横断面の形状は、特定の用途に対して要求又は所望されるように、実質的に円形、長方形、正方形、又は他の任意の形状であってもよい。ハウジング624の閉じた第2の端部634は、同様に任意の好適な形状であってもよい。他の実施形態において、ハウジング624の閉じた第2の端部634は、図示の実施形態において示すように、ハウジング624の残部と一体式では形成されていない。例えば、他の実施形態において、ハウジング624は、2つの開いた端部を有する長手方向の中空本体などの構成部品のアセンブリを備えていてもよく、閉じた第2の端部634を形成するために、キャップ又は他の類似の装置が使用される。
【0060】
エンクロージャ600の基部は、マルチファイバー電気通信ケーブルアセンブリ100を受容するための1つ以上のポートを有することができる。加えて、1つ以上のポートが、特定の消費者又は建物にサービスを供給する、入線装置50を有する1つ以上の引き込みケーブルアセンブリ10を通すように構成されることができる。所望により、引き込みケーブルアセンブリ10を導入するのに先立って、プレスタブ端子のポートを塞ぐために、プラグがポートの中に嵌められてもよい。
【0061】
この目的で、ポートの少なくとも一部分は、単本体ハウジングの向き制御区分の形状に対応する独特の形状を有してもよく、これについては以下で説明される。
【0062】
ポート構造は、ポート626の前端部627からポートの後端部628に延びる入線通路611を有している。前端部において、入線通路611、すなわちポートの内壁629(図19)は、縮径した出線部分を有しており、その出線部分は、ロック係合機構273を含めて入線装置50(図2)の第2の端部210を容易に通すことができるが、より径の大きい向き制御区分は通さない。
【0063】
入線通路611の後半部は、形状において六角形をなすことができ、すなわち、入線装置の向き区分の六角形の外表面に対応する雌型の形状を有することができる。入線装置50が図16に示すようなポート内に着座されるとき、向き制御区分250は通路611の六角形の入線部625の中に少なくとも部分的に挿入され、それによって、ポート626内での入線装置の回転が防止される。この構成により、ケーブル入線装置は、後にケーブル60に及ぼされ得る外部捩り応力に耐えることができる。あるいは、入線通路611の後半部は、入線装置50の向き制御区分の外側横断面形状に対応する別の内部構造を有してもよい。
【0064】
ポートは、入線通路のより径の大きい後部分と入線通路の縮径した出線部分との間に、ショルダー又は渡り(図示せず)を有してもよい。このショルダーは、入線装置がポートを完全に貫いて挿入されるのを防止することができる。
【0065】
シール部材275(図4)は、単本体ハウジング200内の環状チャネル270内に配置される。環状チャネルは、向き制御区分250の当接表面252のすぐ前方にあってもよい。入線装置が図16に示すようなポート内に着座されるとき、密封部材は、環状チャネルと通路611の内壁との間で圧縮されて周辺を密封する。
【0066】
支持フレーム640は、図17〜19に示すように、そのフレーム640から延びる1つ以上の装着ブラケット部分642によって、基部622に固定されることができる。装着ブラケット部分642は、基部622にボルト又はねじによって固定されるように構成されることができる。他の実施形態において、支持フレーム640は、限定するものではないが、ボルト、ねじ、フレーム640及び基部622の上の連結要素、接着剤、又は他の任意の好適な装置若しくは材料を含む従来のいかなる機構によって基部622に固定されてもよい。
【0067】
一態様において、支持フレーム640は、エンクロージャ600が閉じられると、ハウジング624の内部空洞の中に長手方向に延びるように形作られる。
【0068】
一実施形態において、装着ブラケット部分642は、フレーム640及び装着ブラケット部分642を単一片の金属薄板から型押しすること、フレーム640及び装着ブラケット部分642を単一ユニットとして成形すること、又はフレーム640を装着ブラケット部分642の上にオーバーモールドすることなどによって、支持フレーム640と一体に形成されることができる。別の実施形態において、装着ブラケット部分642は、支持フレーム640とは別に形成され、次いで、ねじ、ボルト、溶接、接着剤、スナップ嵌め、機械的な締り嵌めなどのような任意の好適な従来の手段を用いてフレーム640に固定されることができる。
【0069】
本明細書で説明した実施形態及び実現形態において、エンクロージャ600、支持フレーム640、及びそれらの要素の様々な構成部品は、任意の好適な材料で形成される。その材料は、意図する用途に応じて選択され、またポリマーと金属の双方を含んでもよい。一実施形態において、基部622及びハウジング624は、射出成形、押し出し、鋳造、機械加工などの方法によって高分子材料で形成され、一方で、支持フレーム640及びその構成部品は、成形、鋳造、型押し、機械加工などの方法によって金属で形成される。材料の選択は、限定するものではないが数例を挙げると、化学暴露条件、温度及び湿度条件を含めた環境暴露条件、難燃性要件、材料強度、並びに剛性を含む要因に依存する。
【0070】
プレスタブ端子のある実施形態において、マルチファイバーケーブルは、その上に装着された入線装置150を有する。マルチファイバーのファイバーは、フュージョンスプライス又はメカニカルスプライスのいずれかを用いて個々の引き込みケーブルのファイバーにスプライス接続される。この例示的な実施形態の場合、スプライスインサート(図示せず)又は複数のメカニカルスプライスホルダー(図示しないが、参照によってすべてが本願に組み込まれる同一所有者の米国特許公開第2006−0067637号に記載されている)が、マルチファイバーケーブルを個々の引き込みケーブルに接続するために使用されるスプライスを保持するために、フレーム640に取り付けられてもよい。
【0071】
図17に示される別の実施形態において、プレスタブ端子が、入線装置150を有するマルチファイバーケーブルアセンブリを有し、入線装置150は、プレスタブ端子の基部622内に装着される。このマルチファイバーケーブルアセンブリは、複数の光コネクタ30で予め終端されている。コネクタは、継ぎ手フィールド650の中に嵌められてもよく、継ぎ手フィールド650は、支持フレーム640に取り付けられたブラケット652上に装着されている。図18は、基部622内に装着された入線装置50を有する、予め終端された光引き込みケーブルアセンブリを示しており、基部622は、継ぎ手フィールド650を使用して、予め終端されたマルチファイバーケーブルアセンブリに接続されている。マルチファイバーケーブルのファイバーを引き込みケーブルのファイバーから分離して保護すると共にもつれを防止するために、分離プレート645がフレーム640上に装着されることができる。
【0072】
分離プレートの別の機能は、エンクロージャ内での作業を分離できることである。マルチファイバーケーブルアセンブリは、工場でクロージャ内に予め導入され、分離プレートが加えられてもよい。次いで、スプライスクロージャ内のマルチファイバーケーブルの第2の端部をスプライス接続することによって、プレスタブ端子をFTTHネットワークに導入することができる。サービスプロバイダが、特定のエンドユーザー用のサービスを設定する必要がある場合、サービスプロバイダは技能者を送り、図1Aに示すような引き込みケーブルアセンブリ10をプレスタブ端子とエンドユーザーとの間に導入することができる。技能者は、一方の端部上に装着された入線装置50を有する、予め終端された引き込みケーブルアセンブリ10を、プレスタブ端子の基部622内の空いたポート626(図19)の中に挿入することができ、また、二又ロックキー276(図15)などのキー締め機構を入線装置の単本体ハウジング200上のロック係合機構273の中に挿入することによって、その引き込みケーブルアセンブリ10を定位置にロックすることができる。次いで、技能者は、予め終端された引き込みケーブルアセンブリの端部上の光コネクタ30を、端子内の継ぎ体650内の指定されたカプラーの中に単純に差し込む。
【0073】
図20に示される別の実施形態においては、プレスタブ端子は、マルチファイバーケーブルアセンブリを有する基部622を有し、マルチファイバーケーブルアセンブリは、その中に入線装置150を装着される。このマルチファイバーケーブルアセンブリは、複数の光コネクタ30で予め終端される。入線装置50をその上に装着された光引き込みケーブルが、フュージョンスプライス又はメカニカルスプライス675のいずれかを使用して、短いファイバーピグテールにスプライス接続されてもよい。この実施形態の場合、スプライスインサート670、又は参照によってすべてが本願に組み込まれる同一所有者の米国特許公開第2006−0067637号に記載されている複数のメカニカルスプライスホルダー(図示せず)が、個々の引き込みケーブルをファイバーピグテール690に接続するために使用されるスプライスを保持するために、フレーム640に取り付けられてもよい。予め終端されたマルチファイバーケーブルアセンブリ上のコネクタ30は、フレーム640に取り付けられたブラケット652上に装着された継ぎ手フィールド650を使用して、ファイバーピグテール690に接合されてもよい。あるいは、例えば図25に示すように、シングルファイバー上で搬送された信号を、複数のエンドユーザーに搬送される複数の信号へと、個々の引き込みケーブルアセンブリによって分離するために、プレスタブ端子は、シングルファイバーケーブルアセンブリ又はマルチファイバーケーブルアセンブリなどのファイバーケーブルアセンブリ、及び光学装置モジュールを装備されてもよい。
【0074】
図25は、ハウジング(図示せず)と基部822とを有する別のプレスタブ端子を示しており、基部822は、入線装置50を有する、予めコネクタ化されたシングルファイバーケーブルアセンブリを有し、入線装置50は、基部822のポート826に装着されている。シングルファイバーケーブルアセンブリは、光学装置モジュール870の入力部分872に接続されることができる。光学装置モジュール870は、光学装置モジュール870の出力部分874に取り付けられた複数の引き込みケーブルアセンブリ(図示せず)への分配のために、光ファイバー上で搬送された信号を分離してもよい。
【0075】
光学装置モジュールには、1×Nスプリッタ、2×Nスプリッタ、及び/又は波長分割マルチプレクサカプラーを挙げることができる。例えば、図25に示す光学装置モジュールは、1×8スプリッタモジュールである。
【0076】
光学装置モジュール870は、それぞれ光学装置モジュール870の入力部分872及び出力部分874から延びる入力及び出力ファイバー873、875上で、標準的な光ファイバーコネクタで予めコネクタ化されてもよい。図25は、光学装置モジュールの両側に入力部分872と出力部分とを有する光学装置モジュールモジュールを示している。しかしながら、入力部分及び出力部分を、光学装置モジュールの同じ側部に又は光学装置モジュールの隣接する側部に有することは、本発明の範囲内であると見なされるべきである。シングルファイバーケーブルアセンブリ上のコネクタ30は、入力コネクタ継ぎ手878によって入力ファイバー873に接続されてもよい。入力コネクタ継ぎ手878は、支持フレーム840に固定されても、支持フレーム840に固定されたブラケット852内に配置されてもよい。出力ファイバー875の各々は、支持フレーム840に固定されたブラケット852上に装着された継ぎ体850内のコネクタ継ぎ手851のうちの1つを使用して、引き込みケーブルアセンブリに取り付けられてもよい。光学装置モジュール870が、シングルファイバーケーブルアセンブリに結合され、光学装置モジュールの出力ファイバー875上のコネクタが、コネクタフィールド850内の継ぎ手851内に導入された後、光学装置モジュール870は、通常のメカニカルファスナー(すなわち、例えばねじ若しくはフックループ式ファスナーによって)、両面テープ、又は固定ストラップで支持フレームに固定されてもよい。
【0077】
予めコネクタ化された光学装置モジュールを使用することは、その光学装置モジュールが、プラグアンドプレイ式の導入をもたらし、また、本明細書で説明されているシングルファイバー及び/又はマルチファイバーケーブルアセンブリと共に使用するとき、現場で光ファイバーをスプライス接続する必要をなくすことができるため、有利となり得る。この手法の別の利点となり得ることとして、端子及びシングルファイバーケーブルアセンブリは、ネットワークが設置されているときに導入されてもよく、また、光学装置モジュールのコストは、サービスがエンドユーザーによって求められるまで遅延されてもよい。加えて、端子の容量は、1×4光スプリッタを1×8又は1×16光スプリッタと交換し、したがって、単一の端子エンクロージャで供給される引き込みケーブルの数を2倍に、更には4倍にすることによって増大されてもよい。
【0078】
端子エンクロージャの容量を増大させる別の方法は、複数の光学装置モジュールを端子エンクロージャの中に追加することである。図26は、複数の光学装置(例えばスプリッタモジュール)によってプレスタブ端子エンクロージャの容量を増大させることができる例示的な実施形態を示している。この例示的なプレスタブ端子は、ハウジング(図示せず)と基部822とを有し、基部822は、入線装置50を有する、予めコネクタ化されたシングルファイバーケーブルアセンブリを有し、入線装置50は、基部822のポート826内に装着されている。シングルファイバーケーブルアセンブリは、第1の光学装置モジュール880の入力部分882に接続されることができる。第1の光学装置モジュール880は、光学装置モジュール880の出力部分884に取り付けられた複数の引き込みケーブルアセンブリ(図示せず)への分配のために、シングルファイバーケーブルアセンブリから光ファイバー上で搬送された信号を分離してもよい。図26に示すように、第1の光学装置モジュールは、1×4の予めコネクタ化されたスプリッタモジュールである。第1の光学装置は、1本の入力ファイバー883と、4本の出力ファイバー885a、885bとを有する。
【0079】
シングルファイバーケーブルアセンブリ上のコネクタ30は、第1の入力コネクタ継ぎ手888によって入力ファイバー883に接続されてもよい。入力コネクタ継ぎ手888は、支持フレーム840に固定されても、支持フレーム840に固定されたブラケット852内に配置されてもよい。例示的な実施形態において、第1の光学装置の3本の出力ファイバー885aが、ブラケット852の異なる部分に装着された継ぎ手フィールド850内のコネクタ継ぎ手851を使用して引き込みケーブル(図示せず)に接続されてもよい。第1の光学装置モジュール880がシングルファイバーケーブルアセンブリに結合され、第1の光学装置モジュール880の出力ファイバー885上のコネクタが、コネクタフィールド850内の継ぎ手に導入された後、残りの出力ファイバー885bは、第2の入力コネクタ継ぎ手898に中継されてもよい。
【0080】
第2の光学装置モジュール890は、第2の光学装置モジュール890の入力ファイバー893を第1の光学装置モジュール880からの出力ファイバー885bに第2の入力コネクタ継ぎ手898内で接続することによってプレスタブ端子の容量を更に増大させるために、第1の光学装置モジュール880とカスケード接続されることができる。図26に示すように、第2の光学装置モジュール890は、1×4の予めコネクタ化されたスプリッタモジュールである。第2の光学装置モジュール890からの4本の出力ファイバー895は、継ぎ手フィールド850を通じて4本の更なる引き込みケーブルアセンブリ(図示せず)を接続するために使用されることができる。
【0081】
第1及び第2の光学装置モジュール880、890は、通常のメカニカルファスナー(すなわち、ねじによって若しくはフックループ式ファスナーによって)、両面テープ、又は固定ストラップ(図示せず)で支持フレームに固定されてよい。
【0082】
このカスケード接続の拡張技法により、出力ファイバー885aによって第1の光学装置モジュール880に接続された消費者へのサービスを中断することなく、プレスタブ端子に対する容量増大が可能となる。この構造により、更に多くのサービスポイントが必要とされたときに更なるスプリッタモジュールを追加することによる漸増的な容量増大が可能となる。
【0083】
あるいは、シングルファイバーケーブルアセンブリは、マルチファイバーケーブルアセンブリと置き換えられる場合には、並列の光学装置配列もまた企図される。マルチファイバーケーブルアセンブリ内のファイバーの各々は、別々の光学装置モジュールに接続されてもよく、それらの光学装置モジュールは、複数の引き込みケーブルアセンブリに接続されることができる。
【0084】
予めコネクタ化された光学装置モジュールの使用について、予め終端された端子に関連して説明したが、この手法が、予め終端されたケーブルアセンブリ(例えばシングルファイバーケーブルアセンブリ又はマルチファイバーアセンブリ)が使用されるいかなる電気通信エンクロージャに利用されてもよいことは理解されたい。例えば、この容量拡張性手法は、アンテナエンクロージャ、ファイバー分配ユニット若しくはハブ、光ネットワーク端子、壁掛けボックスなどにおいて用いられてもよい。
【0085】
図19に示される別の実施形態においては、プレスタブ端子は、マルチファイバーケーブルアセンブリを有する基部を有しており、マルチファイバーケーブルアセンブリは、入線装置150を装着されている。このマルチファイバーケーブルアセンブリは、複数の光コネクタ30で予め終端されている。このケーブルアセンブリは、スプライスクロージャ内の配信線にスプライス接続された時点で接続の折り返しテストが可能となるように端子に導入されてもよい。この実施形態における継ぎ手フィールド650内の継ぎ手は、マルチファイバーケーブル内の第2の光ファイバー上に装着された第2の光コネクタ637に連結されたマルチファイバーケーブル内の第1の光ファイバー上に装着された第1の光コネクタ636を有することができる。この構成により、プレスタブ端子の線を分配クロージャ、分配キャビネット、又は中枢のネットワーク施設からテストすることが可能となり、したがって、引き込みケーブルを接続して最終サービスをエンドユーザーに配信するのに先立って回線が検証される。折り返しテストの形式が、すべてが参照によって本願に組み込まれる同一所有者の米国特許公開第2007−0189695−A1号において、より詳細に記載されている。
【0086】
図23に示す別の例示的な実施形態において、電気通信エンクロージャ900は、一体型のスプライスクロージャ912と端子クロージャ914とを有している。図示のように、エンクロージャ900は、支持ケーブルから一対のハンガー(図示せず)によって懸架されるように適合された、地番面上の(すなわち地表上の)エンクロージャである。
【0087】
スプライスクロージャ912は、縁部又は継ぎ目921に沿って開放することができるケーシング920を備えており、その縁部又は継ぎ目921は、埃、水、虫などがケーシング920の中に進入するのを制限するために、嵌合する隆起部と溝部とを有してラビリンスタイプのシールを形成している。一般に、ケーシング920は、ヒンジ928に沿って互いに回転可能に接続された第1及び第2の半円筒状のケーシング区分922、924を備える。本発明による一実施形態において、ヒンジ928は、ケーシング区分922、924と一体であってもよい。好ましくは、エンクロージャ900は、ポリエチレンなどの好適なポリマー材料から成形される。エンクロージャ900は、ブロー成形、射出成形などの任意の通常の成形技術で製作されてよい。
【0088】
図23に示すように、スプライスクロージャ912は、第1及び第2の反対端部を有する、細長い実質的に円筒形の形状を有している。ケーシング920に入る電気通信ケーブル(図示せず)を受容すると共にその電気通信ケーブルの周りを密封するための端部シール(図示せず)が、第1及び第2の端部930、932に配置される。端部シールは、参照によって本願に組み込まれる米国特許第4,857,672号に従って形成されてもよく、スプライスクロージャ912の第1及び第2の端部930、932内の凹部931内に支持される。
【0089】
スプライスクロージャは、ケーシング920内の閉鎖されたスプライス領域にアクセスできるように、第1のケーシング区分922(上側の位置にある)を第2のケーシング区分924(下側の位置にある)に対して回転させることによって開放されることができる。特に、ケーシング920の第1及び第2の区分922、924は、ケーシング920が開放されるとケーシング920の内部のスプライス領域の中まで実質的に視界が遮られることがないように方向付けされる。2つの円筒形のケーシング区分922、924は、ラッチ又は締結装置(図示せず)によって、閉じられた状態で固定されてもよい。
【0090】
ケーシング920の区分924は、端子クロージャ914に接合しかつ端子クロージャ914を支持するための支持表面を有してもよい。支持表面は、ケーシング920の内側及び外側で概ね平坦であり、少なくとも1つの開口部952と共に形成され、その開口部952を通じて、光ファイバー又は銅線などの電気通回線が、スプライスクロージャ912から端子クロージャ914の中に進むことができる。支持表面は、継ぎ目921の下、ケーシング920の側部に位置しており、そのため、その支持表面上で支持される端子クロージャ914は、電気通信エンクロージャ900の側部又は前部から容易にアクセス可能となる。
【0091】
端子クロージャ914は、スプライスクロージャ912と端子クロージャ914とを一体構造にする任意の好適な方式で、支持表面においてスプライスクロージャ912に接合されてもよい。スプライスクロージャ92及び端子クロージャ914が、最初に別のユニットとして形成される場合、接合するスプライスクロージャ912と端子クロージャ914は、爆発鋲、子ねじ、ボルト、熱溶接、音波溶接などを用いて接合されることができる。その代わりに、スプライスクロージャ912及び端子クロージャ914は、最初に別のユニットとして形成されるのではなく、クロージャ912、914を単一の構造として合わせたものに成形されてもよい。
【0092】
端子クロージャ914は、頂壁部940と、底壁部942と、側壁部944、945と、背壁部946と、蓋948とを備える。蓋948は、端子クロージャ914の頂壁部940にヒンジ結合され、好ましくは、圧縮成形されたヒンジ950によってヒンジ結合される。つまり、ヒンジ950は、端子クロージャ914の頂壁部940及び蓋948と一体である。端子クロージャ914は、ポリエチレンなどの好適なポリマー材料から、ブロー成形又は射出成形などの任意の通常の成形技術によって成形されてもよい。蓋948及び底壁部942は、蓋948を閉位置に保持するためのラッチ955、956を有する。
【0093】
図23及び24Aを参照すると、1本以上のデータ回線が、スプライスクロージャ912内の光ファイバーピグテールにスプライス接続された後、これらのファイバーピグテール970は次いで、1つ以上の開口部952を通じて端子クロージャの中に中継されることができる。ファイバーピグテール970は次いで、端子エンクロージャ内の継ぎ手フィールド980に挿入されることができる。継ぎ手フィールドは、適正な光ファイバーコネクタ継ぎ手フィールド982を受けるように寸法が決められた、一組以上の金属ブラケット981を有してもよい。所望により、コネクタフィールドは保護カバー983を有していてもよく、保護カバー983は、スプライスクロージャから光ファイバーピグテール970が挿入された継ぎ手フィールドの部分の上に取り付けられる。継ぎ手フィールドはまた、余長なファイバーピグテールを保護カバーの下に格納するために、あるファイバー格納機能を所望により有してもよい。
【0094】
端子クロージャ914内で、ファイバーピグテールは、図23、24A、及び24Bに示すように端子クロージャ914の外側から延びる、予め終端された引き込みケーブルアセンブリ10に接続されてもよい。電気通信エンクロージャ900の例示的な使用法において、光コネクタ30が、引き込みケーブル60の個々の光ファイバーの終端をなしてもよい。
【0095】
必要に応じて、端子クロージャ914の蓋948を開放することによって、端子クロージャ914内のすべての光コネクタ30に同時にアクセスすることができてもよい。光コネクタ30にアクセスすることは、例えば、電気通信エンクロージャ900を導入する間に、又は新たな消費者のためにサービス接続を確立するときに、望まれるか又は必要となることがある。
【0096】
図23、24A、及び24Bを参照すると、アダプタアセンブリ990を利用して、引き込みケーブルアセンブリ10への真っ直ぐな結合を可能にすることができる。アダプタアセンブリ990は、少なくとも2つの通路又はポート992を有する本体部分991と、本体部分と嵌合するように構成された補強プレート995とを有している。各ポート992は、第1の端部994aと第2の端部994bとを有しており、また、引き込みケーブルアセンブリ10の入線装置50を中に受けるように、かつ入線装置の一部分がポートの全長にわたって自在に進むことができるように、寸法が決められてもよい。アダプタアセンブリ990は、少なくとも2つのポート992の第1の端部994aが、端子クロージャ914の底壁部942内の切り抜き985などの単純な切り抜き又はノックアウトポート(knockouts port)を通過するように、寸法を決められることができる。補強プレート995は、端子クロージャの中に挿入された時点で、アダプタアセンブリ990の本体部分991と嵌合されてもよい。本体部分991及び補強プレート995は、通常のメカニカルファスナー、接着剤、又は超音波溶接を用いて、エンクロージャにかつ/又は互いに固定されてもよい。図24A及び24Bは、ボルトとナットのタイプのメカニカルファスナーによって定位置に保持された4ポートアダプタアセンブリを示している。リベット、小ねじなどの他のタイプのメカニカルファスナーもまた、本発明の範囲内であると見なされるべきである。所望により、更なる環境保護が望まれる場合、本体部分991と補強プレート995とを互いに締結するのに先立って、本体部分と端子クロージャ914の底壁部942との間、及び/又は、端子クロージャの底壁部942と補強プレートとの間に、弾性のシールガスケットが配置されてもよい。
【0097】
ポート992の第1の端部994aに、入線通路993、すなわちポートの内壁は、縮径した出線部分を有することができる。この出線構成により、入線装置50の第2の端部は、ロック係合機構を含めて容易に通過することができるが、より径の大きい向き制御部分は通過することができない。
【0098】
ポート992の第2の端部994bにおいて、入線通路993、すなわちポートの後部の内表面は、形状が六角形であることができ、すなわち、それによって、入線装置50の向き制御区分250(図2)の六角形の外表面に対応する雌型の形状をなす。入線装置50が、図24Aに示すように、アダプタ990内のポート992内に着座されるとき、装置の向き制御区分は、通路993の六角形の入線部の中に少なくとも部分的に挿入されることができ、それによって、ポート内での入線装置の回転が防止される。したがって、ケーブル入線装置50は、後にケーブルに及ぼされ得る外部捩り応力に耐えることができる。
【0099】
ポートは、入線通路のより径の大きい後部分と入線通路の縮径した出線部分との間に、ショルダー又は渡り(図示せず)を有してもよい。このショルダーは、入線装置がポートを完全に貫いて挿入されるのを防止することができる。
【0100】
図24A〜24Bは、二又ロックキー276が装置の単本体ハウジング上のロック係合機構の中に挿入された状態でポートアダプタアセンブリ990に固定された入線装置50を示している。次いで、技能者は、予め終端された引き込みケーブルアセンブリ10の端部上の光コネクタ30を、端子内の継ぎ手フィールド980内の指定されたカプラー982の中に容易に差し込むことができる。
【0101】
所望により、電気通信エンクロージャ900には、プラグ99をアダプタアセンブリポート内に挿入された1つ以上のポートアダプタアセンブリを装備されてもよい。図23は、1つのプラグ999及び7つの引き込みケーブルアセンブリ10を導入された電気通信エンクロージャを示している。この構成において、電気通信エンクロージャは、新たな展開の初期の構築段階の間に分配回線にスプライス接続されてもよいが、引き込みケーブルは、消費者がサービスを望むまで、追加する必要がない。有利なことに、これによって、サービスを要求する消費者が存在しかつ収益源が創始されるまで、ネットワーク拡張の一部分が遅延される。
【0102】
ポートアダプタ
図21及び22を参照すると、入線装置を電気通信エンクロージャ又はONT 700の中に挿入することを可能にするアダプタが示されている。アダプタ710は、入線通路714を有する本体部分712を有しており、入線通路714は、第1の端部717から第2の端部716に延びている。アダプタは、入線装置50を中に受容するように、かつ入線装置の一部分がポートの全長にわたってに自在に通過できるように、寸法を決められることができる。フランジ720は、本体部分712から横方向に外向きに延びている。アダプタの本体部分712の第1の端部717及びフランジ720は、アダプタの第1の端部が、ONT 700(図21)の壁部704内の切り抜き702などの単純な切り抜き又はノックアウトポートを通過するように、寸法を決められることができる。フランジ720は、アダプタ710が切り抜き702を通過するのを防止する。ONTの内部に配置された保持ナット730は、アダプタ710の第1の端部上の雄ねじ718と係合してアダプタを切り抜き702内に固定することができる。あるいは、アダプタは、接着剤、スナップ嵌め、又は他の機械的機構によって電気通信クロージャに取り付けられてもよい。弾性シールガスケット740が、アダプトとエンクロージャ700との間に水分の封止をもたらす。所望により、アダプタ712の第1の端部717が切り抜き702の中に挿入されると、保持ナット730が定位置にねじ込まれる前に、更なる密封をポートにもたらすために、第2の弾性シールガスケット及びワッシャ(図示せず)が、アダプタ712の第1の端部717の上に嵌められてもよい。あるいは、ポートアダプタは、ONT 700の壁部704の切り抜き702に定位置にスナップ嵌めされるように設計されてもよい。
【0103】
その前端部717に、入線通路714、すなわちアダプタの内壁は、縮径した出線部分を有することができる。この出線構成により、入線装置50の第2の端部は、ロック係合機構を含めて容易に通過することができるが、より径の大きい向き制御部分は通過することができない。
【0104】
入線通路714の後端部716、すなわちアダプタ710の後方の内表面は、形状が六角形であることができ、すなわち、それによって、入線装置の向き制御区分250(図2)の六角形の外表面に対応する雌型の形状をなす。入線装置が、図22に示すようなポートアダプタに着座されるとき、向き制御区分は通路714の六角形の入線部の中に少なくとも部分的に挿入されることができ、それによって、ポート内での入線装置の回転が防止される。したがって、ケーブル入線装置50は、後にケーブルに及ぼされ得る外部捩り応力に耐えることができる。
【0105】
ポートは、入線通路のより径の大きい後部分と入線通路の縮径した出線部分との間に、ショルダー又は渡り(図示せず)を有してもよい。このショルダーは、入線装置がポートを完全に貫いて挿入されるのを防止することができる。
【0106】
シール部材275は、単本体ハウジング200(図2)内の環状チャネル270内に配置されることができる。環状チャネルは、向き制御区分の当接表面のすぐ前方に位置することができる。入線装置が、図22に示すように、ポートアダプタ内に着座されるとき、シール部材は、環状チャネルと通路714の内壁との間で圧縮されて周辺を密封する。
【0107】
図22に示すように、入線装置50は、二又ロックキー276が装置の単本体ハウジング上のロック係合機構の中に挿入された状態で、ポートアダプタの中に固定されることができる。
【0108】
いくつかの実施形態において、マルチポートアセンブリが、上述したポートアダプタの代わりに使用される。これらのマルチポートアダプタアセンブリの例が、図23、24A及び24Bに示されている。マルチポートアダプタアセンブリは、少なくとも2つのポートを有する。例えば、図23に示すポートアダプタアセンブリは8つのポートを有し、図24A及び24Bに示すポートアダプタアセンブリは4つのポートを有する。ポートアセンブリアダプタ内のポートの数は、そのポートアセンブリアダプタが使用される電気通信エンクロージャの容量に基づくことができる。
【0109】
引張ソックス
別の実施形態において、ケーブルアセンブリ10、100の端部を包み保護するために、また必要に応じて導管を通じてケーブルを引っ張るのを容易にするために、引張ソックスが、開示する入線装置50、150と共に使用されてもよい。引張ソックスは、入線装置、及びその入線装置を電気通信エンクロージャ内に導入するのに必要となり得る任意の更なる部品に適応するように設計されることができる。
【0110】
図14及び15は、例示的な引張ソックス800の2つの図を示している。例示的な態様において、引張ソックスは、形状適合性の(form fitting)入線装置受容区分810と、トランク830と、引張ループ840とを有する単一の部品を構成している。
【0111】
入線装置受容区分810は、概して、入線装置(50、150)の単本体ハウジング200の外部形状に類似した内部形状を有するように構成されてもよい。具体的には、入線部分812は、ケーブル密封及び応力緩和部材260の上にぴったりと嵌るように構成されることができる。入線装置受容区分810の一部分814は、図14に示すように六角形の形状を有する単本体ハウジング200の向き制御区分の形状に構成されてもよいが、他の形状もまた、本発明の範囲内であると見なすことができる。入線装置(50、150)が引張ソックスの入線装置受容区分810の中に挿入されると、単本体ハウジング200上の密封部材は、トランク830の端部内にぴったりと嵌り、引張ソックスを密封する。
【0112】
入線装置受容区分810は、2つのアーム821、822を更に有しており、アーム821、822は、受容区分の各側に1つある一対のスリット820によって分離されている。アームの分離により、ロックキーが引張ソックス内に導入された状態で入線装置を挿入することが容易となる。また、アームは、各アームの両側に一対の孔824を有していてもよい。例えば、入線装置を引張ソックス内に固定するために、一対のケーブルタイが、入線装置の両側でソックスのアーム内の一対の整列した穴824を通じて締結されてもよい。あるいは、単一のケーブルタイが、引張ソックスの入線部分の周りで円周方向にそのケーブルタイを巻き付けてアームを閉じるために使用されてもよい。引張ソックスの第2のアーム822上に設置された一対の穴と相互にかみ合うことができる一対のポスト又はマッシュルーム形のキャップを第1のアーム821上に有するといった、引張ソックスのアームを閉じるための他の代わりの機械的装置もまた企図することができる。
【0113】
トランク830は、光ファイバーの終端されていない端部又は終端された端部を収容するのに十分な長さのものであるべきである。このトランクは、長い円筒状の部分834と、受容区分の反対側の引張ソックスの第2の端部835にある閉じたドーム形状の端部とを有している。引張ソックスの円筒状の部分は、トランク区分830の曲げを容易にするために、波形にされてもよい(すなわち、交互に並ぶ隆起部832と溝833の構造を有する)。この構造は、1つ以上の湾曲部を含んだ導管を通してケーブルが引っ張られる場合、ファイバーネットワークにケーブルを導入する際に特に有利となることがある。導管を通して引張ソックス800を案内するために、コード、ケーブル、又はワイヤーが、引張ソックス800のドーム形状の端部835の頂部上にある引張ループ840に取り付けられてもよい。
【0114】
引張ソックスは、任意の好適なプラスチック材料から単一片として形成されてよい。一実施形態において、引張ソックスは、射出成形、ブロー成形、押し出し、鋳造などの方法によって、高分子材料で形成されることができる。例えば、これらの部品は、成形された高密度ポリエチレン又は低密度ポリエチレンでできていてもよい。
【0115】
シングルファイバーオリフィスプレートを有する入線装置の組み立て
入線装置50を光ファイバー引き込みケーブル60に導入する例示的な方法についてこれから説明する。図1Bに示すように、引き込みケーブルは、保護用の遊離緩衝管内に収容された単一の光ファイバーを有し、遊離緩衝管は、緩衝管の両側に設置された2つの周辺強化部材を有する。半硬質の外側シース64のうち約35.5cm(14インチ)〜約71cm(24インチ)を引き込みケーブルから除去して、少なくとも1本のファイバー63と少なくとも1本の強化部材68とを収容した遊離緩衝管65を露出させることができる。強化部材は、残りの外側シースの端部から約1.9cm(0.75インチ)延びるようにトリミングされることができる。少なくとも1本の半硬質の強化部材を作製して入線装置への組み付けを容易にするために、速乾性接着剤(すなわち、ヘンケルロックタイト社(Henkle Loctite Corporation)(コネチカット州ロックウッド(Rockwood))から入手可能なロックタイト480(Loctite 480)(商標)などのエポキシ接着剤、又はスリーエム社(3M Company)(ミネソタ州セントポール、NM(St. Paul, NM))から入手可能な3M(商標)スコッチウェルド(Scotch- Weld)(商標)Instant Adhesive CA8などのシアノアクリレート))の小液滴が、遊離ファイバー強化部材に塗布されてもよい。
【0116】
ケーブルシール及びストレインリリーフ部材の第1及び第2の層262、264は、ケーブルの上に嵌めることができる。
【0117】
準備された引き込みケーブルの端部は、通路入口216を通じて単本体ハウジング200の第1の端部205の中に挿入されることができる。光ファイバーを収容した遊離緩衝管は、単本体ハウジングの第2の端部から延びるように、強化部材固定区分230内の開口部231を通じて送り込まれることができる。
【0118】
強化部材は、強化部材固定区分230内の2つの側方開口部232(図4及び5に示すように)を通じて送り込まれることができ、2つの側方開口部232は、固定区分のいずれかの側部に設置された2つの固定穴235に通じている。ケーブルは、強化部材が固定穴235内に完全に着座されるまで、単本体ハウジングの中に押し込まれることができる。固定穴内における強化部材の位置は、単本体ハウジングの外壁内の穴237を通じて穴を覗くことによって確認されることができる。ケーブル強化部材は、特殊なプラスチック製タッピンねじを使用して固定穴内に保持されることができ、そのプラスチック製タッピンねじは、単本体ハウジングの壁201内の穴237を通じて挿入され、強化部材を穴の壁とねじの端部との間に捕捉する。所望により、接着材料が、ケーブルを単本体ハウジングに導入するのに先立って通路入口216内に置かれてもよく、また、その接着剤は、ケーブルがハウジング内に配置された後に、ただし強化部材を固定するためにメカニカルファスナーが適所に置かれる前に、単本体ハウジングの壁201内の穴237を通じて固定穴に加えられてもよい。
【0119】
ケーブルシール及びケーブルストレインリリーフ部材260の第1の層262は、第1のストレインリリーフ取り付け表面240の上に嵌められることができる。例示的な実施形態において、第1の層は、タイコエレクトロニクス社(Tyco Electronics Corporation)から入手可能なATUM−12/3−0などの接着剤塗膜熱収縮チューブの約15.2cm(6インチ)長の片を備える。その熱収縮チューブに熱を加えて、引き込みケーブル及び第1のストレインリリーフ取り付け表面の周りに緊密にしぼませることができる。ケーブル密封及びケーブルストレインリリーフ部材260の第2の層264は、取り付けられた第1の層262及び第2のストレインリリーフ取り付け表面245の上にわたって滑らされることができる。例示的な実施形態において、第2の層は、タイコエレクトロニクス社(Tyco Electronics Corporation)から入手可能なATUM−24/6−0などの接着剤塗膜熱収縮チューブの約10.2cm(4インチ)長の片を備える。その熱収縮チューブに熱を加えて、第1の層及び第2のストレインリリーフ取り付け表面245の周りに緊密にしぼませることができる。所望により、接着剤塗膜常温収縮チューブが、ケーブルシール及びストレインリリーフ部材260の第1及び第2の層として使用されてもよい。
【0120】
整列用インサート265(例えば、サンゴバン・パフォーマンス・プラスティクス社(Saint-Gobain Performance Plastics Corporation)(オーロラ(Aurora)、OH)から入手可能な、短尺のTygon(商標)柔軟チューブ265b)が、ファイバー保持器290のc字形状の受容領域292の中に挿入されることができる。光ファイバーを含んだ遊離緩衝管65は、整列用インサートを通してねじ込まれることができる。ファイバー保持器は、2つのウイング294が単本体ハウジング200の第2の端部内のスロット266と協働して、ケーブルがハウジング内で回転するのを防止するように、単本体ハウジング200の第2の端部210の中に挿入されることができる。
【0121】
遊離緩衝管65は、ファイバー保持器290の先端から約0.6cm(0.25インチ)〜約1.25cm(0.5インチ)切断され除去されることができる。光ファイバーは、市販のケーブルクリーナーを用いて又はイソプロピルアルコールを用いて拭くことによって清掃することができる。遊離緩衝管から外に延びる光ファイバー63は、シングルファイバーオリフィスプレート320を通してねじ込まれることができる。
【0122】
被覆の約1.25cm(0.5インチ)を、3mmの被覆ファンアウトチューブ396(約30.5cm(12インチ)〜約45.7cm(18インチ))の全長から除去することができる。図6を参照すると、ファンアウトチューブは、中心にある、より小さな900μmの管398を囲む外側被覆397を有している。複数の遊離ファイバー強化部材(図示せず)が、被覆と中央管との間に挟まれてもよい。被覆ファンアウトチューブの他の直径(例えば、2.4mm、1.6mm及び1mm)が利用可能であり、また用いられてもよい。光ファイバー63の自由端部は、管398の中に、他方の端部から現れるまで送り込まれる。管398がファイバーガイド365内の穴366に入り、ファンアウトチューブの強化部材がファイバーガイドの周りで末広がりとなることができるように、被覆ファンアウトチューブがオリフィスプレート320に向かって滑らされる間、ファイバーは保持される。ファンアウト管は、オリフィスプレート320に対して着座するまで下方に滑らされることができる。遊離強化部材がファイバーガイド365と圧着リング380との間に捕捉されるまで、圧着リング380が、ファンアウト管の下方に、露出したファイバーガイド365の上にわたって滑らされることができる。圧着リングは、最初にファイバーガイドに圧着されることができる。第2の圧着が、圧着リングをファンアウト管396の被覆397に接続するために実施されることができる。ゴム製のファイバーストレインリリーフブーツ又は部材395が、オリフィスプレートを出るファイバーの曲げ半径を抑制するために、圧着リングの上に嵌められることができる。ファイバーストレインリリーフ部材又はブーツ395は、入線装置の第2の端部における曲げ半径を抑制するために、圧着リングの上に配置されてもよい。
【0123】
あるいは、管398のみが使用されてもよい。この場合、管は、シングルファイバーオリフィスプレートのボス370及びファイバーガイド365に、接着剤で接合されてもよい。
【0124】
次いで、シングルファイバーオリフィスプレート320は、単本体ハウジングの第2の端部210の中に導入されることができる。例えば、プレートの第1の側部342上のボス370は、ファイバー保持器290の上に延びる遊離緩衝管65の残りの区分の上に嵌められることができる。また、基部340の第1の側部342から延びるラッチ355が、単本体ハウジングの第2の端部上に設置されたスロット212と係合されることができる。光ファイバーは、単本体ハウジングの通路の内部のファイバーを真っ直ぐにし、かつ整列させるように、ぴんと引っ張られる。
【0125】
マルチファイバーオリフィスプレートを有する入線装置の組み立て
入線装置をマルチファイバー光ケーブル160の上に導入する例示的な方法が、図2、8及び9に示す構造を参照してここに示される。例えば、ファイバーリボンケーブル162を囲む遊離緩衝管165を、遊離緩衝管の両側に設置された2本の周辺強化部材168と共に露出させるために、半硬質の外側シース164の約35.5cm(14インチ)〜約71cm(24インチ)がケーブルから除去されることができる(図1Dを参照)。強化部材は、残りの外側シースの端部のために約1.9cm(0.75インチ)延びるようにトリミングされることができる。ケーブル保持器290を含めた単本体ハウジング200へのケーブルの取り付けは、前述の通りに実施される。
【0126】
チューブをオリフィスプレートに固定するために接着剤を使用して、900μmのチューブ(長さが約30.5cm(12インチ)〜約62.2cm(24インチ)のもの)などのチューブの複数の区分が、マルチファイバーオリフィスプレート420の複数のオリフィス466(図8を参照)の中に挿入されることができる。
【0127】
遊離緩衝管165は、ファイバー保持器の先端から約0.6cm(0.25インチ)〜約1.25cm(0.5インチ)切断され除去されることができる。ファイバーリボンケーブル162のファイバー163は、互いに分離されて、250μmのファイバーなどの複数のファイバーを生じることができる。ファイバーの各々は、1本のファイバーが各保護管内に設けられるように、マルチファイバーオリフィスプレートアセンブリ内のオリフィスにチューブと共に通されることができる。次いで、マルチファイバーオリフィスプレート420は、ディスク形状の基部440の第1の側部442から延びるラッチ455を、単本体ハウジング200の第2の端部上に設置されたスロット212と係合させることによって、単本体ハウジング200の第2の端部210の中に導入されることができる。光ファイバーは、単本体ハウジングの通路の内部のファイバーを真っ直ぐにし、かつ整列させるように、ぴんと引っ張られることができる。
【0128】
光ファイバーを収容したチューブは、所望により、漏斗形状の出線部を有するカバーアセンブリ470を通して送り込まれてもよい(図9)。カバーは、オリフィスプレート420又は単本体ハウジング200のいずれかに取り付けられることができる。タイゴンチューブなどの所望による1本のチューブ495をカバーの漏斗形状の出線部分の上にわたって滑らせて、複数の光ファイバーに更なる張力緩和をもたらすことができる。
【0129】
マルチファイバーファンアウト装置を有する入線装置の組み立て
入線装置をマルチファイバー光ケーブルの上に導入する別の例示的な方法において、ファイバーリボンケーブル590を、ファイバーリボンの両側に設置された2本の周辺強化部材168と共に露出させるために、半硬質の外側シースの約35.5cm(14インチ)〜約71cm(24インチ)がケーブルから除去されることができる。強化部材は、残りの外側シースの端部から約1.9cm(0.75インチ)延びるようにトリミングされることができる。発泡体の整列用インサート265aが管状のインサート265bに代わって使用されることを除いては、本体ハウジング200へのケーブルの取り付けは、ケーブル保持器290を含めて、前述の通りに達成されることができる。
【0130】
900μmのチューブ(長さが30.5cm(12インチ)〜約62.2cm(24インチ)のもの)などの保護チューブ580、585の複数の区分が、ファンアウト装置520のガイド支持体の分配部分上の開口チャネル部分550、552の中に置かれることができ(図13Aを参照)、また、各管が漏斗形状の入口チャネル部分535、565の出口に当接するまで下方に滑らされることができる。この例示的な実施形態においては、最大6本の第1の保護管580が前側部531上で挿入されることができ、最大6本の第2の保護管585がガイド支持体530の後側部532上で挿入されることができる。チューブをファンアウト装置に接合するために、少量の接着剤(例えば、スリーエム社(3M Company)(ミネソタ州セントポール、NM(St. Paul, NM))から入手可能なCA8若しくはその等価物)、接着テープの小片、又はそれらの組み合わせが、開口チャネル部分550、552内に挿入されたチューブに付けられてもよい。
【0131】
ファイバーリボンケーブル590のファイバーは、互いに分離されて、250μmのファイバーなどの複数のファイバーを生じることができる。ファイバーの各々は、チューブを導入されたファンアウト装置の頂側部から漏斗形状の入口チャネル部分535、565の中に挿入されることができる。漏斗形状の入口チャネル部分は、ファンアウト装置内のチューブ580、585の内孔582、586と整列し、また、チューブ内の内孔へのファイバーの整列化がファンアウト装置によって達成されるので組み立てを容易にすることができる。棚560の前側部561上の第2の漏斗形状の入口チャネル部分565を使用して、ファンアウト装置520の後側部532に取り付けられた保護チューブ585の中に最大6本のファイバーを挿入することができる。次いで、ガイド支持体530上の第1の漏斗形状の入口チャネル部分535を使用して、ファンアウト装置の前側部531上の保護チューブ580の中に最大6本のファイバーを挿入することができる。
【0132】
次いで、ファンアウト装置520は、ディスク形状の基部540の第1の側部から延びるラッチ555を単本体ハウジングの第2の端部上に設置されたスロット212と係合させることによって、単本体ハウジング200の第2の端部210の中に導入されることができる(図13A及び13Bを参照)。光ファイバーは、単本体ハウジングの通路の内部のファイバーを真っ直ぐにし,かつ整列させるように、ぴんと引っ張られることができる。必要に応じて、ファイバーを光コネクタで終端させるのに十分な長さを得るために、ファイバーの約10.2cm(4インチ)〜15.2cm(6インチ)が、保護チューブ580、585から延びているべきである。
【0133】
光ファイバーを収容したチューブは、漏斗形状の出線部575を有するカバーアセンブリ570を通して送り込まれてもよい。ファイバーがカバーを通して送り込まれた時点で、カバー内の整列スロット572は、ファンアウト装置520の支持脚部525と整列されている。カバーは、脚部の端部にある戻り止め526がカバー内の一対のくぼみ又はスロット576と係合するまで、定位置に滑らされることができる。タイゴンチューブなどの所望による1本のチューブをカバーの漏斗形状の出線部分の上にわたって滑らせて、複数の光ファイバーに更なる張力緩和をもたらすことができる。
【0134】
光ケーブルアセンブリの終端
所望により、マルチファイバーケーブルアセンブリ用のSC APC、FC、若しくはLCコネクタ又はそれらの組み合わせなどの光コネクタ30が、業界の標準的な慣例に従って、光ファイバーの端子端部上に装着されてもよい。例えば、通常のコネクタには、スリーエム社(3M Company)(ミネソタ州セントポール、NM(St. Paul, NM))から入手可能なクリンプロック(Crimplok)(商標)コネクタなどの遠隔グリップコネクタ(remote grip connector)を含めることができる。クリンプロック(Crimplok)(商標)コネクタは、ここで簡潔にまとめる既知の方法によって光ファイバー上に装着されることができる。コネクタのストレインリリーフブーツ及び圧着リングを、終端されたファイバー上にねじ留めすることができる。コネクタは、作動工具(図示せず)内に着座されることができる。光ファイバーの端子端部は、緩衝コーティングを剥ぎ取られることができる。次いで、ファイバーは、ファイバーがフェレールの端部を通して突出するまで、コネクタの中に挿入されることができる。
【0135】
圧着工具を使用して、スリーブを保護チューブの周りに圧縮して、ファイバーを定位置に固定することができる。次に、作動工具を使用して、圧着要素キャップを押し付け、圧着要素がコネクタフェルールの後方の裸のガラスファイバーの周りを閉鎖するようにすることができる。ストレインリリーフブーツが定位置に滑り込まされて、コネクタの組み立てが完了する。余分な長さのファイバーは、コネクタを研磨するのに備えて、約80マイクロメール〜100マイクロメートルがフェルール先端から突出する状態に残して除去されることができる。次いで、コネクタは、一般に認められている技術を用いて研磨されることができる。所望により、ファイバーの端面を保護するために、保護ダストカバー(図示せず)がコネクタに加えられてもよい。
【0136】
あるいは、参照によってすべてが本願に組み込まれる、同一所有者の米国特許第7,147,384号に記載されているように、ホットメルトコネクタが、少なくとも1本の光ファイバーの端子端部に用いられてもよい。
【0137】
引張ソックスの装着
入線装置50及び光ファイバー、並びに光ファイバーの端子端部に取り付けられた光コネクタを保護するために、図14及び15に示すように、引き込みケーブルアセンブリであり得るケーブルアセンブリの端部の上に、引張ソックス800を嵌めることができる。引張ソックスのアーム821、822は、分離されることができる。光ファイバーの終端されていない端部又は終端された端部は、引張ソックスのトランク830の中に送り込まれることができる。入線装置(ロックキー276を定位置に有する)は、シール部材が引張ソックス内に包含されるまで挿入されることができる。次いで、アームは、入線装置の両側でソックスのアーム821、822内の穴824を通して締結された一対のケーブルタイ826を使用して、互いに押し付けられ、定位置に固定されることができる。
【0138】
引張ソックスが、湿った又は汚れた導管を通してケーブルアセンブリを引っ張るために使用される場合、ソックスは、アームの接合部の約5cm(2インチ)上方(すなわちトランク上)からケーブルシールの端部及びストレインリリーフ部材を過ぎた下方に、スリーエム社(3M Company)(ミネソタ州セントポール、NM(St. Paul, NM))から入手可能な3M(商標)Super 88T接着テープなどのビニールテープを螺旋状に巻き付けられることができる。
【0139】
電気通信エンクロージャの中への入線装置の挿入
入線装置50、150(図2及び9)は、ポート626を有する電気通信エンクロージャ600(図16)の中に挿入されることができ、ポート626は、単本体ハウジング200の向き制御区分250に対する相補的な構造を有する。光ファイバーの自由端部、光ファイバーを収容した保護管、又は予めコネクタ化された光ファイバーが、ポートを通して、まずその入口通路611を経て送り込まれることができる。
【0140】
次いで、入線装置50、150が、ポート内に着座する(すなわち、向き制御装置の当接表面がポートの内部のショルダーと接触する時点)まで、入線通路611を経てポート626の中に送り込まれる。入線装置は、向き制御区分をポート内の相補的な雌型の向き制御構造と整列させるように、回転されてもよい。入線装置50上のシール部材は、単本体ハウジング200内の環状チャネルと電気通信エンクロージャ600のポート626の通路611の内壁との間で押されて密封をもたらす。単本体ハウジングの第2の端部は、ロック係合機構がロックキー276と自在に係合するように、クロージャの中に延びることができる。入線装置が適切に着座すると、ロックキーは、定位置へとロック係合機構の中に滑り込んで、電気通信エンクロージャのポート内に入線装置を固定する。
【0141】
ケーブルアセンブリの端部がコネクタを有している場合、コネクタ30は、図17及び18に示すように、電気通信エンクロージャ内の継ぎ手フィールド650に取り付けられてもよい。あるいは、ケーブルアセンブリが、予め取り付けられたコネクタを有していない場合、技能者は、装置を電気通信エンクロージャの中に挿入する前に、フィールドに導入されるコネクタをケーブルアセンブリの端部に加えるように選択することができ、また、技能者は、ファイバーの自由端部をスプライスインサート670(図20)にスプライス接続し、選択されたネットワークアーキテクチャに応じてメカニカルスプライス接続かフュージョンスプライス接続のいずれかを使用してファイバーを接続することができる。
【0142】
あるいは、装置が、入線装置に必要となる相補的なポート構造ではなく、穴、切り抜き、又はノックアウト702を有する電気通信エンクロージャと共に使用される場合、図21及び22に示すように、所望によるポートアダプタ710が、入線装置50の導入に先立って導入されることができる。入線装置を導入するために、保持ナット730が、アダプタ本体712から取り外されることができる。アダプタ本体は、穴又はノックアウトを通して挿入されることができ、保持ナットは下方に締結され、弾性のガスケット740を圧縮して封止をなす。
【0143】
上述した入線装置は、設計を簡潔でかつ使い勝手のよいものにし、それによって、FTTHネットワークの最後の区間の導入を著しく容易にする。加えて、入線装置が必要とする電気通信エンクロージャ内部の空間を、より小さくすることができる。また、いくつかの実施形態において、入線装置は、プレスタブ端子の一部として使用されるとき、端子の外壁とは対照的に、端子内の光ファイバーの接続点となる。この構成において、更なる保護が、マルチファイバーフィーダーケーブルと個々の引き込みケーブルとの接続点にもたらされる。
【0144】
入線装置の使用を、電気通信ケーブル又は同軸銅ケーブルを用いた用途、等価なプロセス、並びに本発明が応用され得る多数の構造に展開する様々な修正例が、本発明の対象とされる当業者には、本明細書を検討すれば容易に明らかとなろう。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の端部と第2の端部とを有するハウジングであって、
前記ハウジングは、前記ハウジングの内方部分内に形成され、かつ光ファイバーの少なくとも1本の強化部材を前記ハウジングに固定するように構成された強化部材固定区分を有し、前記強化部材固定区分が、前記ハウジングと前記ハウジング内に形成された光ファイバー通路との間に配設された前記少なくとも1本の強化部材を保持するための少なくとも1つの固定穴を備えるハウジングと、
前記ハウジングの前記第2の端部内に配設された取り外し可能なファイバーガイド装置とを備える入線装置。
【請求項2】
前記ハウジングが単本体構造を構成し、前記単本体構造が、前記強化部材固定区分と、前記単本体構造の外表面上に形成された向き制御区分と、前記単本体構造の前記外表面内に形成された、シール部材を受容するための環状チャネルと、前記単本体構造の前記外表面内に形成されたロック係合機構と、前記単本体構造の第2の端部内に形成されたファイバーガイドレセプタクルとを有する、請求項1に記載の入線装置。
【請求項3】
前記ファイバーガイド装置の上に軸方向に配置されたカバーを更に備える、請求項1又は2に記載の入線装置。
【請求項4】
前記ファイバーガイド装置と、前記ファイバーガイド装置の上に軸方向に配置されたカバーとのうちの一方の上に装着可能なファイバーストレインリリーフ部材を更に備える、請求項3に記載の入線装置。
【請求項5】
前記入線装置を電気通信エンクロージャのポートの中に固定するように構成されたロック機構を更に備える、請求項1〜4のいずれか一項に記載の入線装置。
【請求項6】
少なくとも1本の光ファイバーを前記ハウジング内で中心に置くために、前記ハウジングの第2の端部に近接してかつ前記固定区分と前記ファイバーガイド装置との間に、内部通路内に配置されたファイバー保持器を更に備える、請求項1〜5のいずれか一項に記載の入線装置。
【請求項7】
前記ファイバーガイド装置が、シングルファイバーオリフィス、マルチファイバーオリフィスプレート、及びマルチファイバーファンアウト装置のうちの1つを備える、請求項1〜6のいずれか一項に記載の入線装置。
【請求項8】
前記マルチファイバーファンアウト装置が、
基部と、
前記基部から延びる前側部と後側部とを有するガイド支持体とを備え、
前記ガイド支持体が、複数のファイバーガイドチャネルを有し、前記ファイバーガイドチャネルの第1の組が、前記ガイド支持体の前記前側部上に配設されており、
前記第1の組のファイバーガイドチャネルの各々が、漏斗形状の入口チャネル部分と、開口チャネル部分とを有する、請求項7に記載の入線装置。
【請求項9】
前記光ファイバーケーブルの少なくとも一方の端部に装着されて光ファイバーケーブルアセンブリとなり、前記光ファイバーケーブルが、少なくとも1本の光ファイバーと、少なくとも1本の強化部材とを有する、請求項1〜8のいずれか一項に記載の入線装置。
【請求項10】
前記光ファイバーの端子端部に接続された光コネクタを更に備える、請求項9に記載の光ファイバーケーブルアセンブリ。
【請求項11】
前記入線装置の実質的な部分の上に配置された引張ソックスを更に備える、請求項9又は10に記載の光ファイバーケーブルアセンブリ。
【請求項12】
前記光ファイバーケーブルの前記第1及び第2の端部上に装着された第1及び第2の入線装置を有する、請求項9〜11のいずれか一項に記載の光ファイバーケーブルアセンブリ。
【請求項13】
前記光ファイバーケーブルの少なくとも一方の端部に装着されており、前記光ファイバーケーブルが、少なくとも1本の光ファイバーと少なくとも1本の強化部材とを有し、前記入線装置が、電気通信エンクロージャのポート内に固定されている、請求項1〜12のいずれか一項に記載の入線装置。
【請求項14】
前記ハウジングの内方部分内に形成され、かつ光ファイバーケーブルの少なくとも1本の強化部材を前記ハウジングに締結するように構成された強化部材固定区分を有するハウジングと、
少なくとも1つの取り外し可能なファイバーガイド装置と、
ファイバーガイド装置の上に配設可能なカバーと、
ロック機構と、
前記ファイバーガイド装置と前記カバーとの少なくとも一方の上に配設可能なファイバーストレインリリーフ部材部材と、
ケーブルシール及びストレインリリーフ部材とを備える、請求項1に記載の入線装置用の部品一式。
【請求項15】
ファイバー保持器とファイバー整列部材とを更に備える、請求項14に記載の部品一式。
【請求項16】
少なくとも1つの光コネクタを更に備える、請求項14又は15に記載の部品一式。
【請求項17】
請求項1に記載の入線装置を光ファイバーケーブルの上に装着してケーブルアセンブリを形成する方法であって、
前記光ファイバーケーブルの少なくとも1本の光ファイバーと少なくとも1本の強化部材とを露出させるように、前記光ファイバーケーブルを準備する工程であって、前記強化部材固定区分が、前記ハウジングと前記ハウジング内に形成された光ファイバー通路との間に配設された前記少なくとも1本の強化部材を保持するための、少なくとも1つの固定穴を備える工程と、
前記少なくとも1本の強化部材をトリミングする工程と、
前記ケーブルを前記ハウジングの第1の端部に挿入する工程と、
前記少なくとも1本の強化部材を、前記ハウジング内に形成された前記内部強化部材固定区分内に固定する工程と、
前記ハウジング内に挿入される前記光ファイバーケーブル上のケーブルシール及びストレインリリーフ部材を、前記ハウジングの前記第1の端部に固定する工程と、
前記少なくとも1本の光ファイバーを前記光ファイバーガイド装置内に導入する工程と、
前記ファイバーガイド装置を前記ハウジングの第2の端部に取り付ける工程とを含む方法。
【請求項18】
少なくとも1本の保護管を前記ファイバーガイド装置に取り付ける工程を更に含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
カバーを前記ファイバーガイド装置の上に取り付ける工程を更に含む、請求項17又は18に記載の方法。
【請求項20】
光コネクタを前記少なくとも1本の光ファイバーの端子端部に取り付ける工程を更に含む、請求項17〜19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
前記ファイバーガイド装置が、マルチファイバーファンアウト装置を備える、請求項17〜20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
少なくとも1本の保護管を、前記ファンアウト装置上に形成されたガイドチャネル内に置く工程を更に含み、少なくとも1本の光ファイバーを前記ファンアウト装置内に導入する工程が、個々の光ファイバーを保護管に通すことを含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
第1の光ファイバーケーブルアセンブリであって、
少なくとも1本の光ファイバーと少なくとも1本の強化部材とを有する光ファイバーケーブルと、
前記光ファイバーケーブルの少なくとも一方の端部上に装着された入線装置であって、
第1の端部と第2の端部とを有するハウジングであって、
前記ハウジングの内方部分内に形成されかつ前記光ファイバーケーブルの前記少なくとも1本の強化部材を前記ハウジングに固定するように構成された強化部材固定区分を有し、前記強化部材固定区分が、前記ハウジングと前記ハウジング内に形成された光ファイバー通路との間に配設された前記少なくとも1本の強化部材を保持するための少なくとも1つの固定穴を備えるハウジングと、
前記ハウジングの前記第2の端部によって受容されるように構成されたファイバーガイド装置とを備える入線装置とを備える第1の光ファイバーケーブルアセンブリと、
前記第1の光ファイバーケーブルアセンブリが電気通信エンクロージャの開口部内に固定される電気通信エンクロージャとを備える電気通信エンクロージャシステム。
【請求項24】
前記開口部が、入線通路を有するポートを備え、前記入線通路の一部分が、前記ハウジングの外表面の一部分上に形成された多角形形状の向き制御区分を受容するように形作られている、請求項23に記載の電気通信エンクロージャシステム。
【請求項25】
前記開口部の中に嵌められたポートアダプタを更に備え、前記ポートアダプタが、入線通路を有し、前記入線通路の一部分が、前記ハウジングの外表面の一部分上に形成された多角形形状の向き制御区分を受容するように形作られている、請求項23又は24に記載の電気通信エンクロージャシステム。
【請求項26】
前記第1の光ファイバーケーブルアセンブリが、マルチファイバー光ケーブル上に装着されたマルチファイバー入線装置を備える、予め端末処理されたマルチファイバーケーブルアセンブリであり、前記マルチファイバー光ケーブルが、複数の光ファイバーを有し、該複数の光ファイバーの端子端部に取り付けられた複数の光コネクタを有する、請求項23〜25に記載の電気通信エンクロージャシステム。
【請求項27】
前記電気通信エンクロージャの内部空洞に配設された継ぎ手フィールドを更に備え、前記予め端末処理されたマルチファイバーケーブルアセンブリの前記光コネクタが、前記継ぎ手フィールドの中に挿入される、請求項23〜26のいずれか一項に記載の電気通信エンクロージャシステム。
【請求項28】
前記予め端末処理されたマルチファイバーケーブルアセンブリに前記継ぎ手フィールドによって接続された、予め端末処理された引き込みケーブルアセンブリを更に備える、請求項23〜27のいずれか一項に記載の電気通信エンクロージャシステム。
【請求項29】
コネクタ化されたピグテールファイバーにスプライス接続されたシングルファイバーケーブルアセンブリを更に備え、前記ピグテールファイバーが、前記予め端末処理されたマルチファイバーケーブルアセンブリに前記継ぎ手フィールドによって接続される、請求項27に記載の電気通信エンクロージャシステム。
【請求項30】
前記第1の光ファイバーケーブルアセンブリが、前記少なくとも1本の光ファイバーに接続された少なくとも1つの光コネクタを有する、予め端末処理された引き込みケーブルアセンブリである、請求項23〜29のいずれか一項に記載の電気通信エンクロージャシステム。
【請求項31】
前記第1の光ファイバーケーブルアセンブリがシングルファイバーケーブルアセンブリであり、前記シングルファイバーケーブルアセンブリが、前記光ファイバー上で搬送される信号を、前記光学装置モジュールの出力部分に取り付けられた複数の引き込みケーブルアセンブリへの分配のために分離するように、光学装置モジュールの入力部分に接続される、請求項23〜30のいずれか一項に記載の電気通信エンクロージャシステム。
【請求項32】
前記入線装置の前記ファイバーガイド装置が、マルチファイバーファンアウト装置を構成し、該マルチファイバーファンアウト装置が、
基部と、
前記基部から延びる前側部と後側部とを有するガイド支持体とを備え、
前記ガイド支持体が、複数のファイバーガイドチャネルを有し、前記ファイバーガイドチャネルの第1の組が、前記ガイド支持体の前記前側部上に配設されており、
前記第1の組みの各第1のファイバーガイドチャネルが、漏斗形状の入口チャネル部分と、開口チャネル部分とを有する、請求項23〜31のいずれか一項に記載の電気通信エンクロージャシステム。
【請求項33】
前記電気通信エンクロージャが基部を有し、前記開口部が前記基部内に形成されており、カバーが前記基部に取り外し可能に固定可能である、請求項23〜32のいずれか一項に記載の電気通信エンクロージャシステム。
【請求項34】
前記基部に固定された支持フレームを更に有する、請求項33に記載の電気通信エンクロージャシステム。
【請求項35】
前記支持フレームに取り付けられたブラケット内に導入された継ぎ手フィールドを更に有する、請求項34に記載の電気通信エンクロージャシステム。
【請求項36】
前記電気通信エンクロージャが光ネットワーク端子である、請求項23〜35のいずれか一項に記載の電気通信エンクロージャシステム。
【請求項37】
前記入線装置の前記ハウジングが単本体構造を備え、該単本体構造が、前記強化部材固定区分と、前記単本体構造の前記外表面内に形成されたシール部材を受容するための環状チャネルと、前記単本体構造の前記外表面内に形成されたロック係合機構と、前記単本体構造の前記第2の端部内に形成されたファイバーガイドレセプタクルとを有する、請求項23〜36のいずれか一項に記載の電気通信エンクロージャシステム。
【請求項38】
前記電気通信エンクロージャの外壁内の少なくとも第1及び第2の開口部の中に嵌め込まれたポートアダプタアセンブリを更に備え、前記ポートアダプタアセンブリが、前記電気通信エンクロージャの少なくとも第1及び第2の開口部と嵌合可能な少なくとも第1及び第2のポートを有する本体部分を有する、請求項23〜37のいずれか一項に記載の電気通信エンクロージャシステム。
【請求項39】
前記ポートアダプタアセンブリが、前記本体部分を前記外壁に取り付けるための補強プレートを更に有する、請求項38に記載の電気通信エンクロージャシステム。
【請求項40】
複数の光ファイバーを整理するためのファンアウト装置であって、
基部と、
前記基部から延びる前側部と後側部とを有するガイド支持体とを備え、
前記ガイド支持体が、複数のファイバーガイドチャネルを有し、前記ファイバーガイドチャネルの第1の組が、前記ガイド支持体の前記前側部上に配設されており、
前記第1の組みの各第1のファイバーガイドチャネルが、漏斗形状の入口チャネル部分と、開口チャネル部分とを有するファンアウト装置。
【請求項41】
各漏斗形状の入口チャネルの幅狭端部が、対応する前記開口チャネル部分に通じている、請求項40に記載のファンアウト装置。
【請求項42】
前記開口チャネル部分の幅が、各漏斗形状の入口チャネル部分の前記幅狭端部よりも広い、請求項40又は41に記載のファンアウト装置。
【請求項43】
前記ガイド支持体の前記後側部上に配設された複数の第2の開口チャネル部分を更に備える、請求項40〜42のいずれか一項に記載のファンアウト装置。
【請求項44】
前記ガイド支持体と前記基部との間に配設された棚を更に備え、前記棚が、複数の第2の漏斗形状の入口チャネル部分を有し、該複数の第2の漏斗形状の入口チャネル部分がそれぞれ、対応する第2の開口チャネル部分と整列する、請求項43に記載のファンアウト装置。
【請求項45】
前記ガイド支持体の前記前側部上の前記第1の開口チャネル部分のうちの1つ内にぴったりと保持される保護管を更に備え、前記保護管の入口が、前記対応する第1の漏斗形状の入口チャネルと中心を合わせられる、請求項40〜44のいずれか一項に記載のファンアウト装置。
【請求項46】
前記ガイド支持体の前記後側部上の前記第2の開口チャネル部分のうちの1つ内にぴったりと保持される保護管を更に備え、前記保護管の入口が、前記棚上の前記対応する第2の漏斗形状の入口チャネル部分と中心を合わせられる、請求項44に記載のファンアウト装置。
【請求項47】
光ファイバーが、前記棚上に配設された前記第2の漏斗形状の入口チャネル部分のうちの1つの中に挿入され、前記対応する第2の開口チャネル部分内に配設された前記第2の保護管の中に送り込まれる、請求項46に記載のファンアウト装置。
【請求項48】
前記ガイド支持体が、前記基部から延びる一対の脚部の間に固定される、請求項40〜47のいずれか一項に記載のファンアウト装置。
【請求項49】
前記ファンアウト装置の上に取り外し可能に配置された漏斗形状の出線部を有するカバーを更に備える、請求項40〜47に記載のファンアウト装置。
【請求項50】
前記カバーの前記出線部に取り付けられたファイバーストレインリリーフ部材を更に備える、請求項49に記載のファンアウト装置。
【請求項51】
前記ファンアウト装置が、入線装置のハウジングに装着可能である、請求項40〜50のいずれか一項に記載のファンアウト装置。
【請求項1】
第1の端部と第2の端部とを有するハウジングであって、
前記ハウジングは、前記ハウジングの内方部分内に形成され、かつ光ファイバーの少なくとも1本の強化部材を前記ハウジングに固定するように構成された強化部材固定区分を有し、前記強化部材固定区分が、前記ハウジングと前記ハウジング内に形成された光ファイバー通路との間に配設された前記少なくとも1本の強化部材を保持するための少なくとも1つの固定穴を備えるハウジングと、
前記ハウジングの前記第2の端部内に配設された取り外し可能なファイバーガイド装置とを備える入線装置。
【請求項2】
前記ハウジングが単本体構造を構成し、前記単本体構造が、前記強化部材固定区分と、前記単本体構造の外表面上に形成された向き制御区分と、前記単本体構造の前記外表面内に形成された、シール部材を受容するための環状チャネルと、前記単本体構造の前記外表面内に形成されたロック係合機構と、前記単本体構造の第2の端部内に形成されたファイバーガイドレセプタクルとを有する、請求項1に記載の入線装置。
【請求項3】
前記ファイバーガイド装置の上に軸方向に配置されたカバーを更に備える、請求項1又は2に記載の入線装置。
【請求項4】
前記ファイバーガイド装置と、前記ファイバーガイド装置の上に軸方向に配置されたカバーとのうちの一方の上に装着可能なファイバーストレインリリーフ部材を更に備える、請求項3に記載の入線装置。
【請求項5】
前記入線装置を電気通信エンクロージャのポートの中に固定するように構成されたロック機構を更に備える、請求項1〜4のいずれか一項に記載の入線装置。
【請求項6】
少なくとも1本の光ファイバーを前記ハウジング内で中心に置くために、前記ハウジングの第2の端部に近接してかつ前記固定区分と前記ファイバーガイド装置との間に、内部通路内に配置されたファイバー保持器を更に備える、請求項1〜5のいずれか一項に記載の入線装置。
【請求項7】
前記ファイバーガイド装置が、シングルファイバーオリフィス、マルチファイバーオリフィスプレート、及びマルチファイバーファンアウト装置のうちの1つを備える、請求項1〜6のいずれか一項に記載の入線装置。
【請求項8】
前記マルチファイバーファンアウト装置が、
基部と、
前記基部から延びる前側部と後側部とを有するガイド支持体とを備え、
前記ガイド支持体が、複数のファイバーガイドチャネルを有し、前記ファイバーガイドチャネルの第1の組が、前記ガイド支持体の前記前側部上に配設されており、
前記第1の組のファイバーガイドチャネルの各々が、漏斗形状の入口チャネル部分と、開口チャネル部分とを有する、請求項7に記載の入線装置。
【請求項9】
前記光ファイバーケーブルの少なくとも一方の端部に装着されて光ファイバーケーブルアセンブリとなり、前記光ファイバーケーブルが、少なくとも1本の光ファイバーと、少なくとも1本の強化部材とを有する、請求項1〜8のいずれか一項に記載の入線装置。
【請求項10】
前記光ファイバーの端子端部に接続された光コネクタを更に備える、請求項9に記載の光ファイバーケーブルアセンブリ。
【請求項11】
前記入線装置の実質的な部分の上に配置された引張ソックスを更に備える、請求項9又は10に記載の光ファイバーケーブルアセンブリ。
【請求項12】
前記光ファイバーケーブルの前記第1及び第2の端部上に装着された第1及び第2の入線装置を有する、請求項9〜11のいずれか一項に記載の光ファイバーケーブルアセンブリ。
【請求項13】
前記光ファイバーケーブルの少なくとも一方の端部に装着されており、前記光ファイバーケーブルが、少なくとも1本の光ファイバーと少なくとも1本の強化部材とを有し、前記入線装置が、電気通信エンクロージャのポート内に固定されている、請求項1〜12のいずれか一項に記載の入線装置。
【請求項14】
前記ハウジングの内方部分内に形成され、かつ光ファイバーケーブルの少なくとも1本の強化部材を前記ハウジングに締結するように構成された強化部材固定区分を有するハウジングと、
少なくとも1つの取り外し可能なファイバーガイド装置と、
ファイバーガイド装置の上に配設可能なカバーと、
ロック機構と、
前記ファイバーガイド装置と前記カバーとの少なくとも一方の上に配設可能なファイバーストレインリリーフ部材部材と、
ケーブルシール及びストレインリリーフ部材とを備える、請求項1に記載の入線装置用の部品一式。
【請求項15】
ファイバー保持器とファイバー整列部材とを更に備える、請求項14に記載の部品一式。
【請求項16】
少なくとも1つの光コネクタを更に備える、請求項14又は15に記載の部品一式。
【請求項17】
請求項1に記載の入線装置を光ファイバーケーブルの上に装着してケーブルアセンブリを形成する方法であって、
前記光ファイバーケーブルの少なくとも1本の光ファイバーと少なくとも1本の強化部材とを露出させるように、前記光ファイバーケーブルを準備する工程であって、前記強化部材固定区分が、前記ハウジングと前記ハウジング内に形成された光ファイバー通路との間に配設された前記少なくとも1本の強化部材を保持するための、少なくとも1つの固定穴を備える工程と、
前記少なくとも1本の強化部材をトリミングする工程と、
前記ケーブルを前記ハウジングの第1の端部に挿入する工程と、
前記少なくとも1本の強化部材を、前記ハウジング内に形成された前記内部強化部材固定区分内に固定する工程と、
前記ハウジング内に挿入される前記光ファイバーケーブル上のケーブルシール及びストレインリリーフ部材を、前記ハウジングの前記第1の端部に固定する工程と、
前記少なくとも1本の光ファイバーを前記光ファイバーガイド装置内に導入する工程と、
前記ファイバーガイド装置を前記ハウジングの第2の端部に取り付ける工程とを含む方法。
【請求項18】
少なくとも1本の保護管を前記ファイバーガイド装置に取り付ける工程を更に含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
カバーを前記ファイバーガイド装置の上に取り付ける工程を更に含む、請求項17又は18に記載の方法。
【請求項20】
光コネクタを前記少なくとも1本の光ファイバーの端子端部に取り付ける工程を更に含む、請求項17〜19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
前記ファイバーガイド装置が、マルチファイバーファンアウト装置を備える、請求項17〜20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
少なくとも1本の保護管を、前記ファンアウト装置上に形成されたガイドチャネル内に置く工程を更に含み、少なくとも1本の光ファイバーを前記ファンアウト装置内に導入する工程が、個々の光ファイバーを保護管に通すことを含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
第1の光ファイバーケーブルアセンブリであって、
少なくとも1本の光ファイバーと少なくとも1本の強化部材とを有する光ファイバーケーブルと、
前記光ファイバーケーブルの少なくとも一方の端部上に装着された入線装置であって、
第1の端部と第2の端部とを有するハウジングであって、
前記ハウジングの内方部分内に形成されかつ前記光ファイバーケーブルの前記少なくとも1本の強化部材を前記ハウジングに固定するように構成された強化部材固定区分を有し、前記強化部材固定区分が、前記ハウジングと前記ハウジング内に形成された光ファイバー通路との間に配設された前記少なくとも1本の強化部材を保持するための少なくとも1つの固定穴を備えるハウジングと、
前記ハウジングの前記第2の端部によって受容されるように構成されたファイバーガイド装置とを備える入線装置とを備える第1の光ファイバーケーブルアセンブリと、
前記第1の光ファイバーケーブルアセンブリが電気通信エンクロージャの開口部内に固定される電気通信エンクロージャとを備える電気通信エンクロージャシステム。
【請求項24】
前記開口部が、入線通路を有するポートを備え、前記入線通路の一部分が、前記ハウジングの外表面の一部分上に形成された多角形形状の向き制御区分を受容するように形作られている、請求項23に記載の電気通信エンクロージャシステム。
【請求項25】
前記開口部の中に嵌められたポートアダプタを更に備え、前記ポートアダプタが、入線通路を有し、前記入線通路の一部分が、前記ハウジングの外表面の一部分上に形成された多角形形状の向き制御区分を受容するように形作られている、請求項23又は24に記載の電気通信エンクロージャシステム。
【請求項26】
前記第1の光ファイバーケーブルアセンブリが、マルチファイバー光ケーブル上に装着されたマルチファイバー入線装置を備える、予め端末処理されたマルチファイバーケーブルアセンブリであり、前記マルチファイバー光ケーブルが、複数の光ファイバーを有し、該複数の光ファイバーの端子端部に取り付けられた複数の光コネクタを有する、請求項23〜25に記載の電気通信エンクロージャシステム。
【請求項27】
前記電気通信エンクロージャの内部空洞に配設された継ぎ手フィールドを更に備え、前記予め端末処理されたマルチファイバーケーブルアセンブリの前記光コネクタが、前記継ぎ手フィールドの中に挿入される、請求項23〜26のいずれか一項に記載の電気通信エンクロージャシステム。
【請求項28】
前記予め端末処理されたマルチファイバーケーブルアセンブリに前記継ぎ手フィールドによって接続された、予め端末処理された引き込みケーブルアセンブリを更に備える、請求項23〜27のいずれか一項に記載の電気通信エンクロージャシステム。
【請求項29】
コネクタ化されたピグテールファイバーにスプライス接続されたシングルファイバーケーブルアセンブリを更に備え、前記ピグテールファイバーが、前記予め端末処理されたマルチファイバーケーブルアセンブリに前記継ぎ手フィールドによって接続される、請求項27に記載の電気通信エンクロージャシステム。
【請求項30】
前記第1の光ファイバーケーブルアセンブリが、前記少なくとも1本の光ファイバーに接続された少なくとも1つの光コネクタを有する、予め端末処理された引き込みケーブルアセンブリである、請求項23〜29のいずれか一項に記載の電気通信エンクロージャシステム。
【請求項31】
前記第1の光ファイバーケーブルアセンブリがシングルファイバーケーブルアセンブリであり、前記シングルファイバーケーブルアセンブリが、前記光ファイバー上で搬送される信号を、前記光学装置モジュールの出力部分に取り付けられた複数の引き込みケーブルアセンブリへの分配のために分離するように、光学装置モジュールの入力部分に接続される、請求項23〜30のいずれか一項に記載の電気通信エンクロージャシステム。
【請求項32】
前記入線装置の前記ファイバーガイド装置が、マルチファイバーファンアウト装置を構成し、該マルチファイバーファンアウト装置が、
基部と、
前記基部から延びる前側部と後側部とを有するガイド支持体とを備え、
前記ガイド支持体が、複数のファイバーガイドチャネルを有し、前記ファイバーガイドチャネルの第1の組が、前記ガイド支持体の前記前側部上に配設されており、
前記第1の組みの各第1のファイバーガイドチャネルが、漏斗形状の入口チャネル部分と、開口チャネル部分とを有する、請求項23〜31のいずれか一項に記載の電気通信エンクロージャシステム。
【請求項33】
前記電気通信エンクロージャが基部を有し、前記開口部が前記基部内に形成されており、カバーが前記基部に取り外し可能に固定可能である、請求項23〜32のいずれか一項に記載の電気通信エンクロージャシステム。
【請求項34】
前記基部に固定された支持フレームを更に有する、請求項33に記載の電気通信エンクロージャシステム。
【請求項35】
前記支持フレームに取り付けられたブラケット内に導入された継ぎ手フィールドを更に有する、請求項34に記載の電気通信エンクロージャシステム。
【請求項36】
前記電気通信エンクロージャが光ネットワーク端子である、請求項23〜35のいずれか一項に記載の電気通信エンクロージャシステム。
【請求項37】
前記入線装置の前記ハウジングが単本体構造を備え、該単本体構造が、前記強化部材固定区分と、前記単本体構造の前記外表面内に形成されたシール部材を受容するための環状チャネルと、前記単本体構造の前記外表面内に形成されたロック係合機構と、前記単本体構造の前記第2の端部内に形成されたファイバーガイドレセプタクルとを有する、請求項23〜36のいずれか一項に記載の電気通信エンクロージャシステム。
【請求項38】
前記電気通信エンクロージャの外壁内の少なくとも第1及び第2の開口部の中に嵌め込まれたポートアダプタアセンブリを更に備え、前記ポートアダプタアセンブリが、前記電気通信エンクロージャの少なくとも第1及び第2の開口部と嵌合可能な少なくとも第1及び第2のポートを有する本体部分を有する、請求項23〜37のいずれか一項に記載の電気通信エンクロージャシステム。
【請求項39】
前記ポートアダプタアセンブリが、前記本体部分を前記外壁に取り付けるための補強プレートを更に有する、請求項38に記載の電気通信エンクロージャシステム。
【請求項40】
複数の光ファイバーを整理するためのファンアウト装置であって、
基部と、
前記基部から延びる前側部と後側部とを有するガイド支持体とを備え、
前記ガイド支持体が、複数のファイバーガイドチャネルを有し、前記ファイバーガイドチャネルの第1の組が、前記ガイド支持体の前記前側部上に配設されており、
前記第1の組みの各第1のファイバーガイドチャネルが、漏斗形状の入口チャネル部分と、開口チャネル部分とを有するファンアウト装置。
【請求項41】
各漏斗形状の入口チャネルの幅狭端部が、対応する前記開口チャネル部分に通じている、請求項40に記載のファンアウト装置。
【請求項42】
前記開口チャネル部分の幅が、各漏斗形状の入口チャネル部分の前記幅狭端部よりも広い、請求項40又は41に記載のファンアウト装置。
【請求項43】
前記ガイド支持体の前記後側部上に配設された複数の第2の開口チャネル部分を更に備える、請求項40〜42のいずれか一項に記載のファンアウト装置。
【請求項44】
前記ガイド支持体と前記基部との間に配設された棚を更に備え、前記棚が、複数の第2の漏斗形状の入口チャネル部分を有し、該複数の第2の漏斗形状の入口チャネル部分がそれぞれ、対応する第2の開口チャネル部分と整列する、請求項43に記載のファンアウト装置。
【請求項45】
前記ガイド支持体の前記前側部上の前記第1の開口チャネル部分のうちの1つ内にぴったりと保持される保護管を更に備え、前記保護管の入口が、前記対応する第1の漏斗形状の入口チャネルと中心を合わせられる、請求項40〜44のいずれか一項に記載のファンアウト装置。
【請求項46】
前記ガイド支持体の前記後側部上の前記第2の開口チャネル部分のうちの1つ内にぴったりと保持される保護管を更に備え、前記保護管の入口が、前記棚上の前記対応する第2の漏斗形状の入口チャネル部分と中心を合わせられる、請求項44に記載のファンアウト装置。
【請求項47】
光ファイバーが、前記棚上に配設された前記第2の漏斗形状の入口チャネル部分のうちの1つの中に挿入され、前記対応する第2の開口チャネル部分内に配設された前記第2の保護管の中に送り込まれる、請求項46に記載のファンアウト装置。
【請求項48】
前記ガイド支持体が、前記基部から延びる一対の脚部の間に固定される、請求項40〜47のいずれか一項に記載のファンアウト装置。
【請求項49】
前記ファンアウト装置の上に取り外し可能に配置された漏斗形状の出線部を有するカバーを更に備える、請求項40〜47に記載のファンアウト装置。
【請求項50】
前記カバーの前記出線部に取り付けられたファイバーストレインリリーフ部材を更に備える、請求項49に記載のファンアウト装置。
【請求項51】
前記ファンアウト装置が、入線装置のハウジングに装着可能である、請求項40〜50のいずれか一項に記載のファンアウト装置。
【図1A】
【図1B】
【図1C】
【図1D】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13A】
【図13B】
【図13C】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24A】
【図24B】
【図25】
【図26】
【図1B】
【図1C】
【図1D】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13A】
【図13B】
【図13C】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24A】
【図24B】
【図25】
【図26】
【公表番号】特表2010−521707(P2010−521707A)
【公表日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−553805(P2009−553805)
【出願日】平成20年3月14日(2008.3.14)
【国際出願番号】PCT/US2008/057010
【国際公開番号】WO2008/115795
【国際公開日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【出願人】(505005049)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (2,080)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年3月14日(2008.3.14)
【国際出願番号】PCT/US2008/057010
【国際公開番号】WO2008/115795
【国際公開日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【出願人】(505005049)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (2,080)
【Fターム(参考)】
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