光ファイバ接続のための成端システム
本明細書において開示する成端システム及び装置は、光ファイバ又はケーブルに取り付けられ、光ファイバを前処理すると共に/或いは光結合部を作る他のコンポーネントと協働し、それにより光ファイバのための簡単且つ確実でありしかも容易な成端を提供するハンドラを用いる。例えば、ハンドラは、次のもの、即ち、被覆除去工具、被覆除去クリーニング工具、光ファイバの端部を前処理するための劈開工具及び/又は光結合部を作るためのコネクタ‐ハンドラアダプタのうちの1つ又は2つ以上と協働するのが良い。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ファイバ結合部を迅速、容易且つ確実な仕方で作るための成端システム及びそのコンポーネントに関する。具体的に説明すると、開示する成端システムは、光ファイバ又はケーブルに取り付けられ、光ファイバを前処理すると共に/或いは光結合部を作る他のコンポーネントと協働するハンドラを用いる。
【0002】
〔関連出願の説明〕
本願は、2009年1月19日に出願された米国特許出願第61/145,681号(発明の名称:TERMINATION SYSTEM FOR FIBER OPTIC CONNECTION )の権益主張出願であり、この米国特許出願を参照により引用し、その記載内容全体を本明細書の一部とする。
【背景技術】
【0003】
光ファイバは、広帯域音声、映像及びデータ伝送等のために公衆網と私設又は構内網の両方において種々の用途に用いられている。光ファイバを使用した場合の利点としては、帯域幅が極めて広く且つノイズが極めて少ない作業の実現が挙げられる。光ファイバの使用の増加及び多様化により、光ファイバの配線経路を相互接続すると共に再構成する効率的な方法を提供することが重要である。アダプタを用いて互いに嵌合する光ファイバコネクタがこの目的のために開発された。光ファイバコネクタが伝送信号を著しくは減衰させず又は変更しないことが重要である。融着接続は、光コネクタをケーブルの一端に設ける一方法である。具体的に説明すると、工場研磨が行われた光ファイバコネクタピグテールを光ファイバケーブルの一端に融着接続するのが良い。しかしながら、融着接続では、融着スプライサの使用及び作業者の訓練が必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
融着スプライサの使用及び作業者の訓練を不要にするため、現場でのメカニカルスプライスを可能にする光ファイバコネクタが開発された。しかしながら、メカニカルスプライスの品質は、光ファイバコネクタの設計、光ファイバの前処理、光ファイバの軸合わせ、作業者による布設等に応じて大幅に異なる場合がある。例えば、作業者は、バッファ層を光ファイバから除去し、次に光ファイバに被着されている被覆を除去しなければならない場合がある。しかる後、光ファイバは、メカニカルスプライスコネクタ中への挿入のために適当な長さへの劈開(cleaving:光ファイバに切れ目を入れて割り裂くこと)が必要になる場合がある。現場スプライスの光減衰が高過ぎる場合、作業者は、所望の結果を得るために光ファイバコネクタを接続し直さなければならない。これらの理由で、簡単且つ確実でありしかも組立てが容易な仕方での光ファイバケーブルの成端は、特に未熟な作業者にとって難題である。簡単且つ確実でありしかも組立てが容易であるロバスト光ファイバケーブル成端が要望されていながら、依然として解決されていない。
【0005】
本明細書において開示する成端システム及び装置は、光ファイバ又はケーブルに取り付けられ、光ファイバを前処理すると共に/或いは光結合部を作るための他のコンポーネント、例えば1つ又は2つ以上の光ファイバ前処理工具と協働するハンドラを用い、それにより、光ファイバのための簡単且つ確実であり、しかも容易な成端部(即ち、光結合部)を提供する。例えば、ハンドラは、次のもの、即ち、被覆除去工具、被覆除去/クリーニング工具、光ファイバの端部を前処理するための劈開工具及び/又は光結合部を作るための光ファイバコネクタのコネクタ‐ハンドラアダプタのうちの1つ又は2つ以上と協働するのが良い。
【0006】
追加の特徴及び利点は、以下の詳細な説明に記載されており、一部は、このような説明から当業者には容易に明らかであり、或いは、以下の詳細な説明、特許請求の範囲並びに添付の図面を含む明細書において開示する実施形態を実施することによって認識されよう。
【0007】
上述の概要説明と以下の詳細な説明の両方は、種々の実施形態に関しており、特許請求の範囲に記載された発明の性質及び性格を理解するための概観又は枠組を提供するようになっていることは理解されるべきである。添付の図面は、種々の実施形態の一層の理解を提供するために添付されており、本明細書に組み込まれてその一部をなす。図面は、本明細書において説明する種々の実施形態を示しており、詳細な説明と一緒になって、特許請求の範囲に記載された本発明の原理及び作用を説明するのに役立つ。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】光ファイバに取り付けられた1つの例示のハンドラの斜視図である。
【図2】図1のハンドラの分解組立て図である。
【図3】光ファイバケーブルに取り付けられた図1のハンドラの断面図である。
【図4a】ハンドラが開放位置から閉鎖位置に光ファイバにどのように取り付けるかを示す図1のハンドラの部分切除図である。
【図4b】ハンドラが開放位置から閉鎖位置に光ファイバにどのように取り付けるかを示す図1のハンドラの部分切除図である。
【図4c】図1のハンドラに類似した別のハンドラの部分切除図であり、シュラウドが伸長した状態でハンドラを示す図である。
【図4d】図1のハンドラに類似した別のハンドラの部分切除図であり、シュラウドが引き込まれた状態のハンドラを示す図である。
【図5a】ケーブルに取り付けられると共に光ファイバの端部の前処理のためのバッファストリッパと協働するハンドラの別の実施形態の斜視図である。
【図5b】ケーブルに取り付けられると共に光ファイバの端部の前処理のためのバッファストリッパと協働するハンドラの別の実施形態の斜視図である。
【図6a】ケーブルに取り付けられると共に光ファイバの端部の前処理のために被覆ストリッパ及びバッファストリッパと協働するハンドラの斜視図である。
【図6b】ケーブルに取り付けられると共に光ファイバの端部の前処理のために被覆ストリッパ及びバッファストリッパと協働するハンドラの斜視図である。
【図7a】光ファイバのそれぞれの端部を前処理するために用いられている図5a及び図5bのバッファストリッパの斜視図である。
【図7b】光ファイバのそれぞれの端部を前処理するために用いられている図6a及び図6bの被覆ストリッパ及びバッファストリッパの斜視図である。
【図8】ケーブルの端部を前処理するための装置と協働するハンドラの別の実施形態を示す図である。
【図9】ケーブルの端部を前処理するための装置と協働するハンドラの別の実施形態を示す図である。
【図10】ケーブルの端部を前処理するための装置と協働するハンドラの別の 実施形態を示す図である。
【図11】ケーブルの端部を前処理するための装置と協働するハンドラの別の実施形態を示す図である。
【図12】ケーブルの端部を前処理するための装置と協働するハンドラの別の実施形態を示す図である。
【図13】成端部のために光ファイバを所定長さに切断するクレーバ内に挿入されている図1のハンドラの斜視図である。
【図14】光ファイバの被覆を除去すると共に光ファイバを成端部のための所望の長さに劈開する組み合わせ型クリーニング/劈開装置内に挿入された図5aのハンドラの斜視図である。
【図15】光結合のためにパネルに取り付けられたコネクタ‐ハンドラアダプタに取り付けられたハンドラの全体的説明図である。
【図16】光結合のためにコネクタ‐ハンドラアダプタに取り付けられる前の別のハンドラの斜視図である。
【図17】光結合のためにコネクタ‐ハンドラアダプタに取り付けられた後の別のハンドラの斜視図である。
【図18】図16及び図17のハンドラ及びコネクタ‐ハンドラアダプタの部分組立て図である。
【図19】図17の嵌合状態のハンドラとコネクタ‐ハンドラアダプタの断面図である。
【図20】ハンドラの光ファイバとコネクタ‐ハンドラアダプタの光ファイバスタブとの間の光結合部を作るための一機械的作動手段の技術的思想を示す図である。
【図21】ハンドラの光ファイバとコネクタ‐ハンドラアダプタの光ファイバスタブとの間の光結合部を作るための一機械的作動手段の技術的思想を示す図である。
【図22】ハンドラの光ファイバとコネクタ‐ハンドラアダプタの光ファイバスタブとの間の光結合部を作るための一機械的作動手段の技術的思想を示す図である。
【図23】ハンドラの光ファイバとコネクタ‐ハンドラアダプタの光ファイバスタブとの間の光結合部を作るための一機械的作動手段の技術的思想を示す図である。
【図24】ハンドラの光ファイバとコネクタ‐ハンドラアダプタの光ファイバスタブとの間の光結合部を作るための一機械的作動手段の技術的思想を示す図である。
【図25】ハンドラの光ファイバとコネクタ‐ハンドラアダプタの光ファイバスタブとの間の光結合部を作るための一機械的作動手段の技術的思想を示す図である。
【図26】ハンドラの光ファイバとコネクタ‐ハンドラアダプタの光ファイバスタブとの間の光結合部を作るための一機械的作動手段の技術的思想を示す図である。
【図27】ハンドラの光ファイバとコネクタ‐ハンドラアダプタの光ファイバスタブとの間の光結合部を作るための一機械的作動手段の技術的思想を示す図である。
【図28】ハンドラの光ファイバとコネクタ‐ハンドラアダプタの光ファイバスタブとの間の光結合部を作るための一機械的作動手段の技術的思想を示す図である。
【図29】ハンドラの光ファイバとコネクタ‐ハンドラアダプタの光ファイバスタブとの間の光結合部を作るための一機械的作動手段の技術的思想を示す図である。
【図30】ハンドラの光ファイバとコネクタ‐ハンドラアダプタの光ファイバスタブとの間の光結合部を作るための一機械的作動手段の技術的思想を示す図である。
【図31】ハンドラの光ファイバとコネクタ‐ハンドラアダプタの光ファイバスタブとの間の光結合部を作るための別の機械的作動手段の技術的思想を示す図である。
【図32】ハンドラの光ファイバとコネクタ‐ハンドラアダプタの光ファイバスタブとの間の光結合部を作るための別の機械的作動手段の技術的思想を示す図である。
【図33】ハンドラの光ファイバとコネクタ‐ハンドラアダプタの光ファイバスタブとの間の光結合部を作るための別の機械的作動手段の技術的思想を示す図である。
【図34】ハンドラの光ファイバとコネクタ‐ハンドラアダプタの光ファイバスタブとの間の光結合部を作るための別の機械的作動手段の技術的思想を示す図である。
【図35】ハンドラの光ファイバとコネクタ‐ハンドラアダプタの光ファイバスタブとの間の光結合部を作るための別の機械的作動手段の技術的思想を示す図である。
【図36】ハンドラの光ファイバとコネクタ‐ハンドラアダプタの光ファイバスタブとの間の光結合部を作るための別の機械的作動手段の技術的思想を示す図である。
【図37】ハンドラの光ファイバとコネクタ‐ハンドラアダプタの光ファイバスタブとの間の光結合部を作るための別の機械的作動手段の技術的思想を示す図である。
【図38】別のハンドラ及び別のコネクタ‐ハンドラアダプタの斜視図であり、ハンドラのシースが伸長位置にある状態を示す図である。
【図39】ハンドラのシースが引き込み位置にあり、それにより光ファイバが露出された状態で示された図1のハンドラ及びコネクタ‐ハンドラアダプタの斜視図である。
【図40】成端部のために互いに嵌合状態にある図1のハンドラとコネクタ‐ハンドラアダプタの断面図である。
【図41】ハンドラ及びコネクタ‐ハンドラアダプタの成端組立体の斜視図である。
【図42】嵌合時におけるハンドラとコネクタ‐ハンドラアダプタとの間のカム相互作用状態を示す縦断面図である。
【図43】機械的成端部を作るためのハンドラとコネクタ‐ハンドラアダプタとの間のカム相互作用の横断面図である。
【図44】ハンドラの光ファイバとコネクタ‐ハンドラアダプタの光ファイバスタブとの間の光結合部を作るための別の機械的作動手段の技術的思想を示す図である。
【図45】ハンドラの光ファイバとコネクタ‐ハンドラアダプタの光ファイバスタブとの間の光結合部を作るための別の機械的作動手段の技術的思想を示す図である。
【図46】ハンドラの光ファイバとコネクタ‐ハンドラアダプタの光ファイバスタブとの間の光結合部を作るための別の機械的作動手段の技術的思想を示す図である。
【図47】ハンドラの光ファイバとコネクタ‐ハンドラアダプタの光ファイバスタブとの間の光結合部を作るための別の機械的作動手段の技術的思想を示す図である。
【図48】ハンドラの光ファイバとコネクタ‐ハンドラアダプタの光ファイバスタブとの間の光結合部を作るための別の機械的作動手段の技術的思想を示す図である。
【図49】ハンドラの光ファイバとコネクタ‐ハンドラアダプタの光ファイバスタブとの間の光結合部を作るための別の機械的作動手段の技術的思想を示す図である。
【図50】ハンドラの光ファイバとコネクタ‐ハンドラアダプタの光ファイバスタブとの間の光結合部を作るための別の機械的作動手段の技術的思想を示す図である。
【図51】ハンドラの光ファイバとコネクタ‐ハンドラアダプタの光ファイバスタブとの間の光結合部を作るための別の機械的作動手段の技術的思想を示す図である。
【図52】ハンドラの光ファイバとコネクタ‐ハンドラアダプタの光ファイバスタブとの間の光結合部を作るための別の機械的作動手段の技術的思想を示す図である。
【図53】ハンドラの光ファイバとコネクタ‐ハンドラアダプタの光ファイバスタブとの間の光結合部を作るための別の機械的作動手段の技術的思想を示す図である。
【図54】ハンドラの光ファイバとコネクタ‐ハンドラアダプタの光ファイバスタブとの間の光結合部を作るための別の機械的作動手段の技術的思想を示す図である。
【図55】ハンドラの光ファイバとコネクタ‐ハンドラアダプタの光ファイバスタブとの間の光結合部を作るための別の機械的作動手段の技術的思想を示す図である。
【図56】光ファイバハンドラが取り付けられていて、光ファイバコネクタの一部分をなす光ファイバコネクタの斜視図、
【図57】図56に示されたハンドラの詳細図である。
【図58】図56に示されたハンドラの詳細図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
次に、本発明の好ましい実施形態を詳細に参照するが、このような実施形態の実施例が添付の図面に示されている。可能な場合にはいつでも、同一の参照符号が同一のコンポーネント又は部分を示すために用いられる。本明細書において説明する実施形態は、光ファイバケーブルの端部を前処理すると共に/或いは成端する例示の方法及び装置である。さらに、開示する技術的思想により有利には作業者による容易に再現可能であると共に確実な成端が可能である。次に、好ましい実施形態を詳細に参照するが、このような実施形態の実施例が添付の図面に示されている。可能な場合にはいつでも、同一の参照符号が同一のコンポーネント又は部分を示すために用いられている。同一の参照符号は、可能な場合にはいつでも、同一のコンポーネント又は部分を示すために用いられている。
【0010】
図1は、例示の光ファイバハンドラ10(以下「ハンドラ」という)の斜視図であり、このハンドラは、光ファイバケーブル30(以下「ケーブル」という)に取り付けられている。ケーブル30は、光ファイバ32を覆う1つ又は2つ以上の保護層、例えばバッファ層34(図2)を有するが、他のケーブル30の構成の採用が可能である。ハンドラ10は、これが現場における成端を簡単且つ迅速に、しかも確実にするので有利である。具体的に説明すると、ハンドラ10は、ケーブル30のバッファ層34に固定され、光ファイバ32がハンドラ10の前側端部から延びていて、それにより、ハンドラは、光ファイバ前処理及び/又は成端のための1つ又は2つ以上の他の装置(例えば、光ファイバ前処理工具又は成端構造体)に係合することができる。他の実施形態では、ハンドラは、光ファイバ、ケーブルジャケット等に直接固定されるのが良く、簡単にいえば、ハンドラは、光ファイバを固定し、光ファイバが動くのを阻止し、しかる後、ハンドラは、適当な前処理工具及び/又は成端構造体と協働するのが良い。例えば、開示するハンドラと協働する適当な成端構造体としては、融着接続又はメカニカルスプライス接続のための構造体、例えば光ファイバコネクタ又はコネクタ‐ハンドラアダプタが挙げられる。
【0011】
一例を挙げると、代表的な方法ステップは、光ファイバ及び/又はケーブルをハンドラ内に挿入するステップ、光ファイバ及び/又はケーブルをハンドラに固定するステップ、バッファ及び/又は光ファイバ被覆を除去するステップ及び光ファイバを所定長さに劈開するステップを含む。本明細書において開示するハンドラは、光ファイバの前処理及びその成端を未熟な作業員にとって簡単且つ容易でありしかも再現可能であるようにするのに有用である。換言すると、未熟な作業者は、光ファイバをハンドラ内に固定し、手順を迅速且つ容易にするための他のコンポーネントと協働してハンドラを用いることによって高品質の光ファイバ成端部を作ることができる。例えば、ハンドラを用いることにより、例えば1つ又は2つ以上の被覆を光ファイバから除去するために光ファイバ長さを測定してマーキングするステップが省かれる。
【0012】
図2は、第1のハンドラ10の部分組立て図であり、固定機構体又は固定部材、例えばカム11、光ファイバ支持体12、例えば、光ファイバ32を保護するために動くことができるシュラウド、ハンドラ本体14及びカバー16を示している。図3は、ケーブル30に固定されたハンドラ10の断面図である。カム11は、ハンドラ10をケーブル30と共に固定するために用いられる。簡単に説明すると、ケーブル30を適当な着座状態になるまで組み立て状態のハンドラ10内に挿入し(即ち、適当な長さ分を挿入し)、次に、カム11を回転させてケーブル30のバッファ層(参照符号が付けられていない)に固定する。具体的に説明すると、ケーブル30をカム11の通路内に挿入し、ハンドラ本体14のボア14a又は通路内に案内すると共にこれを通って案内する。図3に示されているように、ケーブル30は、光ファイバ32がシュラウド12を越えて延びるよう挿入される。一例を挙げると、シュラウド12は、劈開された光ファイバ及び端面を保護する光ファイバ支持体及び/又は他の装置と嵌合する案内としての役目を果たすことができる。図示のように、ケーブル30のバッファ層の一部分及び光ファイバ被覆をハンドラ10内への挿入前に除去する。しかしながら、ハンドラの他の実施形態は、ハンドラをケーブルに固定する前に除去されるバッファ層の一部分及び/又は光ファイバ被覆を必要としない場合がある。さらに、ハンドラ10は、ハンドラからのケーブル30又は光ファイバの解除取り出しを可能にする。
【0013】
図4a及び図4bは、ハンドラをケーブル30にどのように固定するかを示すハンドラ10の部分切除図である。具体的に説明すると、ハンドラ本体14の後側部分は、ハンドラ本体の固定機能を示す状態で断面で示されている。図4aは、カム11を開放位置(即ち、ケーブルに固定されていない状態)で示し、図4bは、ハンドラ10をケーブル30に固定するための閉鎖位置に回されたカム11を示している。図示のように、カム11の通路は、ハンドラ本体14の把持レバー14bをケーブル30のバッファ層中に押し込むために長円形の形をしている。換言すると、カム11を開放位置から閉鎖位置に回すと、長円形通路は、把持レバー14bの球状部分に接触し、これをケーブル30のバッファ層中に押し込む。その結果、ケーブル30は、ハンドラ10に固定され、ハンドラ10は、光ファイバ/ケーブル前処理作業、コネクタ接続等のための他の装置とインターフェイスすることができ、それにより、これら作業が作業者にとって簡単且つ容易であり、しかも再現可能になる。例えば、ハンドラ10は、次の前処理及び/又はコネクタ接続を行なうために他の装置へのスナップ嵌め等に適した幾何学的形状を有している。
【0014】
さらに、カム11を開放位置に回転させることによりハンドラ10をケーブル30から取り外すことができ、把持レバー14は、必要ならばケーブル30を取り外すことができるようスプリングバックすることができる。当然のことながら、ケーブルへの固定のためのハンドラの他の形式及び/又は構成の採用が可能である。例えば、ケーブルをハンドラに固定するのにカムは不要である。
【0015】
一例として、図4c及び図4dは、ハンドラ10に類似した別のハンドラ10′の部分切除図である。図示のように、図4c及び図4dは、シュラウドがそれぞれ伸長位置及び引き込み位置にある状態でハンドラ10′を示している。この実施形態では、シュラウド12は、シュラウド12が、通常、図4cに示されているように延びるように弾性部材13によって前方に付勢されている。シュラウド12を内方に押すと、弾性部材13、例えば圧縮ばねは、図4dに示されているように縮み、それにより、ケーブル30の光ファイバ32が露出する。ハンドラの他の実施形態は、シュラウドを付勢する弾性部材を更に有するのが良い。
【0016】
図5a及び図5bは、それぞれ、ケーブル30に取り付けられている別のハンドラ20の斜視図である。ハンドラ20は、バッファ層の一部分を除去することによって光ファイバの端部の前処理のためのバッファストリッパ40との協働を可能にする。図示のように、ハンドラ20は、ケーブル30をハンドラ20内に挿入し、ラッチを用いてクランプしてケーブル30を固定するために開くことができるようヒンジ止め設計のものである。この実施形態では、ヒンジ(即ち、回動軸線)は、光ファイバを受け入れる通路と本質的に位置合わせされる。さらに、ハンドラ20は、他の装置と協働するのに適した幾何学的形状を有している。同様に、バッファストリッパ40は、ケーブル30をバッファストリッパ40内に挿入し、ラッチを用いてクランプしてケーブル30を固定するために開くことができるようヒンジ止め設計のものとして示されている。ハンドラ20及びバッファストリッパ40は、バッファストリッパ40の一部分が図7aに最も良く示されているようにハンドラ20内に嵌まり込むと共に/或いはこれに取り付けられるような互いに協働する幾何学的形状を有するのが良い。例えば、バッファストリッパ40は、バッファストリッパ40に係合してこれをハンドラ20に対して位置決めし、次に、これを離脱させるよう押されるラッチ(参照符号で示されていない)を有するのが良い。ストリッパの全長は、被覆除去ゲージ又は光ファイバ測定ガイドとして機能するよう選択されるのが良い。換言すると、作業者がストリッパ40の遠位端部と整列し又はこれから延びる光ファイバを視認すると、作業者には、光ファイバの適当な長さ分が成端及びコネクタ接続プロセス(即ち、劈開及びコネクタ接続)のために被覆除去されていることが分かる。
【0017】
図6a及び図6bは、それぞれ、ケーブル30に取り付けられると共にバッファ層の一部分と光ファイバの被覆の一部分の両方を除去することにより光ファイバの端部の前処理のための被覆ストリッパ60と協働する更に別のハンドラ50の斜視図である。被覆ストリッパ60も又、ヒンジ(即ち、ピボット点)が、光ファイバを受け入れる通路と本質的に位置合わせされた光ファイバを受け入れる通路と本質的に位置合わせされた(即ち、本質的に平行である)場合にケーブル30に被さるヒンジ式設計のものである。ハンドラの他の変形例では、ヒンジによって取り付けられないで、互いにスナップ嵌め関係をなす2つの別々の部分を用いても良い。図示のように、バッファストリッパ40と被覆ストリッパ60は、インターロックし、バッファストリッパ40は、バッファストリッパ40に係合してこれをハンドラ20に対して位置決めし、次に、バッファストリッパ40を離脱させるよう押されるラッチ(参照符号で示されていない)を有する。図示のように、それぞれの装置は、この装置をハンドラから解除するよう押され、次に、バッファ層及び/又は光ファイバ被覆の一部分を除去するために矢印の方向に引っ張られるラッチを有する。これにより、1回の迅速且つ簡単であり、しかも確実な作業でバッファ層及び/又は光ファイバ被覆の被覆除去が行なわれる。しかる後、被覆除去された光ファイバをハンドラ20内に固定し、次の作業がいつでも行なわれる状態にする。例えばバッファストリッパ40及び被覆ストリッパ60のような装置は、1回使用に適していて次に処分され、又はこれら装置の摩耗、ブレードの交換等まで多数回使用するのに適した設計のものであって良い。
【0018】
他の変形例では、バッファストリッパ及び被覆ストリッパを一装置中に組み込むことができる。一例を挙げると、図8〜図12は、バッファ層を除去すると共に光ファイバ被覆を除去するのに適した被覆除去装置80と協働する別の実施形態としてのハンドラ70を示している。図8は、ハンドラ70及びケーブル30を覆って位置決めされているヒンジ式設計を有していて、ハンドラ70をケーブル30に固定するラッチを用いた被覆除去装置80を示している。図9に示されているように、被覆除去装置80は、ハンドラ70に設けられた凹み(参照番号は付与されていない)凹みとそれぞれ嵌合するボス(参照符号は付与されていない)をそれぞれ備えたアーム(参照符号は付与されていない)を有し、その結果、このような装置は、ケーブル30上に容易に位置合わせされると共に位置決めされるよう互いに協働する。被覆除去装置80は、本体80a及びバッファ層カッタ80bを有している。バッファ層カッタ80bは、本体80a内に嵌まり込み、ケーブル30のバッファ層に切れ目を入れるのに適している。さらに、被覆除去装置80は、バッファ層カッタの前方に設けられていて、光ファイバ被覆を除去する内部ブレード(見えない)を有している。図10は、ハンドラ70及びケーブル30を覆って設けられた被覆除去装置80を示しており、それぞれのラッチは、閉鎖位置にある。被覆除去装置のラッチが閉鎖位置にあるとき、内部ブレードは、光ファイバ被覆に食い込む。しかる後、図1に示されているように、被覆除去装置80のバッファ層カッタ80bを押し下げてバッファ層に切れ目を入れ、次にこのカッタを前方に滑らせてバッファ層を前方に押す。これは、光ファイバの被覆の除去を助ける。というのは、これは、被覆除去中、バッファ層上への被覆の付着を阻止するからである。最後に、被覆除去装置80を図12に矢印で示されているようにハンドラ70から遠ざかって前方に引っ張るのが良く、それにより、バッファ層と光ファイバ被覆の両方を一ステップで除去する。この実施形態では、被覆除去装置80は、1回使用用であり、次に処分され、ハンドラ内の光ファイバは、次のステップがいつでも実施可能な状態にある。
【0019】
図13は、光ファイバを成端のための所望の長さに切断するためのクレーバ内に挿入されている図1のハンドラの斜視図である。クレーバ90は、ハンドラ10をクレーバと位置合わせすると共に位置決めするインターフェイス92を有し、それにより、光ファイバは、成端のための正確な長さに劈開されるようになる。図示のように、インターフェイス92は、再現可能な劈開長さの実現を可能にするためにハンドラ10に設けられたボス(参照符号は付与されていない)とスナップ嵌合する凹部(参照符号は付与されていない)を有するが、クレーバは、ハンドラとインターフェイスする任意適当な幾何学的形状のものであって良い。インターフェイス92は、ハンドラの相補キー止め特徴部と位置合わせ可能なキー止め特徴部を有するのが良い。クレーバ90は、押されたときに光ファイバを劈開するボタン93を更に有している。他の実施形態では、クレーバは、バッファストリッパ及び/又は光ファイバ被覆ストリッパを備えるのが良い。図14は、光ファイバの被覆除去及び成端のための所望長さへの光ファイバの劈開を一ステップで実施する組合せ型光ファイバ被覆クリーナ/劈開装置95中に挿入されたハンドラ20の斜視図である。当然のことながら、他の変形例の採用が可能である。
【0020】
図15は、パネル95に取り付けられたコネクタ‐ハンドラアダプタ98に取り付けられているハンドラ20の全体的説明図である。ハンドラ20が正しく準備されてコネクタ‐ハンドラアダプタ中に挿入されると、光結合部(即ち、成端部)がコネクタ‐ハンドラアダプタの他端部に取り付けられている光ファイバコネクタにより作られる。また、コネクタ‐ハンドラアダプタは、他の構造体、例えばパッチパネル、アダプタパネル、壁取り付け型ボックス、モジュール、接続箱等に取り付け可能である。当然のことながら、他のハンドラ及び/又はコネクタ‐ハンドラアダプタが使用可能であると共に/或いはこれら形式の取り付け形態を有することができる。
【0021】
図16及び図17は、それぞれ、光結合のためにコネクタ‐ハンドラアダプタに取り付けられる前及び取り付けられた後の別のハンドラの斜視図である。上述したように、ケーブル30は、ハンドラ10に取り付けられ、光ファイバは、成端のために前処理されている(即ち、光結合のためにコネクタ‐ハンドラアダプタ中へのハンドラの挿入)。換言すると、バッファ層及び光ファイバ被覆が除去され、後にはコア及びクラッドが残され、次に、光ファイバが所望長さに劈開されている。
【0022】
図18は、ハンドラ10及びコネクタ‐ハンドラアダプタ100の部分分解組立て図である。コネクタ‐ハンドラアダプタ100は、迅速且つ容易であり、しかも確実な成端部を作るためにハンドラ10と嵌合する。例えば、ハンドラ10は、コネクタ‐ハンドラアダプタ100に機械的に取り付け可能であり、例えば、これにラッチ止めし、機械的作動手段を用いて成端部を作る。コネクタ‐ハンドラアダプタ100は、従来型アダプタとは異なっている。というのは、従来型アダプタは、光コネクタと嵌合するためにそれぞれの端部内に光コネクタを受け入れるからである。他方、コネクタ‐ハンドラアダプタ100は、コネクタを一端で受け入れるに過ぎず、他端は、図17に示されているようにハンドラ10を受け入れる。この実施形態は、後側部分のところにフェルールアダプタを有するコネクタ‐ハンドラアダプタ100を示しているが、他の実施形態は、光ファイバジャッキとして構成されても良く(即ち、光ファイバコネクタを受け入れなくても良く)、各端部のところに挿入されたハンドラを有しても良い等である。
【0023】
コネクタ‐ハンドラアダプタ100は、本体102及び端キャップ104を備えたハウジングを有するが、他のハウジングは、一体構造のものであっても良い。コネクタ‐ハンドラアダプタ100は、一端(即ち、後側部分)にカップラ107及び位置合わせスリーブ106を有している。組み立て時に、位置合わせスリーブ106は、カップラ107内に受け入れられる。この実施形態では、カップラ107は、反対側の他端部のところで成端組立体110を受け入れ、この成端組立体は、光ファイバコネクタ(図示せず)と後側端部のところで嵌合可能である。成端組立体110は、スプライス作動手段120により作動され、それにより成端部を固定する。その結果、コネクタ‐ハンドラアダプタ100は、カップラ107に係合するために光ファイバコネクタを後側部分のところで受け入れる構造体、例えばパッチパネル、アダプタパネル、壁取り付け型ボックス、モジュール、接続箱等に取り付け可能である。一例を挙げると、カップラの後側端部は、適当な光ファイバコネクタインターフェイス、例えばSC、ST、LC等に係合してこれを固定するよう構成されているのが良い。
【0024】
図19の断面図で最も良く示されているように、成端組立体110は、ホルダ111、光ファイバスタブ112、フェルール114及びスプライス部品、例えば下側スプライス部品116と上側スプライス部品118を有している。ホルダ111の後側部分にはフェルール114が固定されている。図示のように、光ファイバ32と光結合関係をなすために光ファイバスタブ112がフェルール114から延びる状態でこれに取り付けられている。ホルダ111は、光ファイバスタブ112を光ファイバ32に軸合わせするためのスプライス部品を収納状態で更に有している。具体的に説明すると、光ファイバスタブ112は、準備されたハンドラ10がコネクタ‐ハンドラアダプタ100に取り付けられると、光ファイバ32と一緒にスプライス部品相互間に配置される。この実施形態では、成端組立体110は、光ファイバスタブ112と光ファイバ32との間のメカニカルスプライスを作るために光ファイバスタブ112を光ファイバ32に軸合わせしてこれを固定するよう互いに協働する下側スプライス部品116及び上側スプライス部品118を有している。スプライス部品は、これら相互間に、光ファイバを軸合わせすると共に固定する溝又は小径通路を形成する。さらに、スプライス部品は、各端部に位置していて、スプライス部品の各端部への光ファイバの受け入れを助ける引き込み部分を形成するのが良い。例えば、この実施形態は、上側スプライス部品118を下側スプライス部品116に向かって押すために上側スプライス部品118に係合するスプライス作動手段120を用いた機械的作動手段を用いており、それにより、光ファイバスタブ112及び光ファイバ32を上側スプライス部品118と下側スプライス部品116との間にクランプすることによりメカニカルスプライスを形成している。
【0025】
簡単に説明すると、ハンドラ10に図16に示されているようにケーブル30を取り付けて図17に示されているようにコネクタ‐ハンドラアダプタ100内に挿入してこれに取り付けた後、光ファイバ32と光ファイバスタブ112を互いに突き合わせる。しかる後、スプライス作動手段120を本体102内に押し込み、このスプライス作動手段は、ホルダ111を介して露出状態にある上側スプライス部品118の突出部(参照符号は付与されていない)を押す。この実施形態は、解除可能ではなく又は可逆的ではないスプライス作動手段を示しているが、他のスプライス作動手段は、スプライス作動手段に関して解除可能な又は可逆的な特徴部を有しても良い。ハンドラ10及びこれと協働する構造体は、これら部品を嵌合のために正しい向きに位置合わせすると共に案内する互いに相補するキー止め特徴部を更に有するのが良い。さらに、これら構造体は、これら部品を嵌合状態に保つと共に/或いはこれら部品を可逆的に解除するための任意適当な形式の固定又はラッチ止め機構体を有するのが良い。
【0026】
一例を挙げると、図20〜図24は、解除可能であると共に可逆的であるスプライス作動手段に関する技術的思想を示している。具体的に説明すると、図20〜図24は、ハンドラ及び成端組立体の光ファイバスタブによって保持された光ファイバ相互間に光結合部を作るためのウェッジ作動手段を備えた成端のための機械的作動手段を示している。より具体的に説明すると、図20及び図21は、それぞれ、成端組立体210及びシュラウド212を示しており、このシュラウドは、図22に示されているようにスプライス作動手段に関して相互作用するそれぞれのウェッジ表面を有している。成端組立体210は、成端組立体110とほぼ同じであるが、異なる形式の機械的作動手段を有している。成端組立体210は、ホルダ211を有し、このホルダは、スプライス部品(見えない)をホルダ211内で互いに押すよう撓む片持ちアームとして構成されたウェッジ部分211aを備えている。ウェッジ部分211aは、光ファイバ支持体又はシュラウド212に設けられたウェッジ部分212aと相互作用する。ウェッジ部分212aは、シュラウド212の前部から延びる突出部である。簡単に説明すると、ウェッジ部分212aは、ウェッジ部分211aと相互作用してこれを押し(即ち、ホルダのウェッジは、ホルダの片持ちアームを撓ませる)、スプライス部品を互いに上方に押し、それにより、光ファイバスタブ及び光ファイバを定位置に固定することによりメカニカルスプライスを形成する。図23は、スプライス部品216,218を互いに押すためのウェッジ部分211aとウェッジ部分212aの相互作用を説明する拡大詳細図である。上述したように、スプライス部品216,218は、これらの間に光ファイバスタブ112及び光ファイバ32をクランプすることによりメカニカルスプライスを形成している。図24は、ハンドラ210が取り付けられたコネクタ‐ハンドラアダプタ240の一部分を形成する成端組立体210を示している。図25は、嵌合前におけるコネクタ‐ハンドラアダプタ240及びハンドラ210の斜視図であり、図26は、例えば嵌合の際、シュラウド212が引っ込められて光ファイバ32が露出された状態のハンドラ210の斜視図である。図27〜図30は、他の種々の断面図を示している。このスプライス作動手段は、解除可能であると共に可逆的である。というのは、ハンドラ210を離脱させると、ウェッジ相互間の相互作用が解除され、ハンドラ210を再び挿入すると、再び生じさせることができる。当然のことながら、他のウェッジ作動手段の採用が可能であり、例えば、スプライス作動手段のためのウェッジ部分をスプライス部品に設けることができる。他の変形例は、スプライス作動手段のための単一のウェッジ表面を用いても良い。
【0027】
図31〜図37は、解除可能ではなく、可逆的でもないスプライス作動手段に関する別の技術的思想を示している。しかしながら、これらの図に示されている技術的思想は、これが解除機構体を更に有する場合、解除可能であると共に可逆的である場合がある。具体的に説明すると、図31〜図37は、ハンドラの光ファイバと成端組立体の光ファイバスタブとの間にメカニカルスプライスを固定するためにばね作動手段を用いた成端組立体用の機械的作動手段を示している。図31及び図32は、それぞれ、図31に示されているようなスプライス作動手段のために互いに相互作用する成端組立体310及び光ファイバ支持体又はシュラウド312の部分を示している。成端組立体310は、成端組立体110とほぼ同じであるが、ばね押しされた機械的作動手段を有している。具体的に説明すると、成端組立体310は、開口部311aを備えたホルダ311を有し、その結果、スプライス作動手段320は、いったん開口部310と位置合わせされると開口部310aを通過してスプライス部品316,318を互いに押すようになっている。換言すると、シュラウド312の前部に設けられた突出部は、ハンドラを挿入しているときにスプライス作動手段320を左側に押し、ついには、スプライス作動手段320は、開口部310aと位置が合い、その結果、スプライス作動手段320は、スプライス部品まで動くようになっている。この実施形態では、スプライス作動手段320は、弾性部材322、例えば圧縮ばねを用いてスプライス部品に向かって付勢される。他の弾性部材及び/又は形態の例としては、ボタンと一体化された板ばね、皿座金等が挙げられるが、これらには限定されない。図33は、嵌合前におけるコネクタ‐ハンドラアダプタ340及びハンドラ300の斜視図であり、図34は、例えば嵌合の際、シュラウド312が引っ込められて光ファイバ32が露出された状態のハンドラ300の斜視図である。図35〜図37は、スプライス作動手段320の動作原理を示す種々の他の断面図である。
【0028】
図38〜図43は、ハンドラの光ファイバと成端組立体の光ファイバスタブとの間のメカニカルスプライスを固定するためのカム作動手段を用いる成端組立体用の別の機械的作動手段を示す図である。図38は、伸長位置にあるハンドラ400の光ファイバ支持体又はシュラウド412を示すハンドラ400及びコネクタ‐ハンドラアダプタ440の斜視図であり、図39は、ハンドラのシースが引き込み位置にあり、それにより光ファイバ32が露出された状態を示すハンドラ400及びコネクタ‐ハンドラアダプタ440の斜視図である。成端組立体410は、成端組立体110とほぼ同じであるが、カム作動される機械的作動手段を有している。図40〜図42は、1つ又は2つ以上の溝(参照符号は付与されていない)を備えたカム411を有する成端組立体410の種々の図であり、その結果、スプライス作動手段420は、シュラウド412に設けられている1対のボス412aと係合すると、回転し、それにより、スプライス部品416,418を互いに押す。換言すると、シュラウド412の前部に設けられたボス412aは、カム411の溝と位置が合ってこれに係合し、そしてカム411を回転させ、ハンドラ400は、スプライス部品を一緒に動かす。さらに、ハンドラ400をコネクタ‐ハンドラアダプタ440から離脱させると共に取り外すと、スプライス作動手段が解除され、これは、ハンドラ400を再び挿入した場合に可逆的である。図43は、ボス412aと成端組立体410との間のカム相互作用を説明する横断面図である。
【0029】
図44〜図48は、ハンドラの光ファイバとコネクタ‐ハンドラアダプタの光ファイバスタブとの間の光結合部を作るための別の機械的作動手段の技術的思想を示す図である。図44は、ハンドラ500及び解除可能且つ可逆的なスプライス作動手段を備えたコネクタ‐ハンドラアダプタ540の斜視図である。成端組立体510は、くさびの作用により作動される機械的作動手段を備えた成端組立体210とほぼ同じであるが、解除ボタン519を用いて解除可能である。図45〜図48は、コネクタ‐ハンドラアダプタ540に取り付けられたハンドラ500の種々の断面図である。具体的に説明すると、図45及び図46は、コネクタ‐ハンドラアダプタ540内に挿入されてこれに取り付けられたハンドラ500を示しており、それにより、解除ボタン519は、係合位置まで上方に押されている。換言すると、シュラウド512のウェッジ部分(参照符号は付与されていない)は、スプライス部品を互いに押すと共に解除ボタンを係合位置まで押す。しかしながら、この実施形態では、くさび形表面を用いてシュラウド512を後方に押すことにより解除ボタン519を下方に押してスプライス作動手段を解除することができる(即ち、離脱させることができる)。一例を挙げると、図47及び図48は、下方に押されてシュラウド512を後方に押した解除ボタン519を示しており、それにより、スプライス作動手段が解除されている。ハンドラ500は、取り外されて異なるコネクタ‐ハンドラアダプタにより再構成可能であり、又は、同一のコネクタ‐ハンドラアダプタにより再び成端可能である。
【0030】
図49〜図55は、ハンドラの光ファイバとコネクタ‐ハンドラアダプタの光ファイバスタブとの間の光結合部を作るための別の機械的作動手段の技術的思想を示す図である。図49は、ハンドラ600及び解除可能且つ可逆的なスプライス作動手段を備えたコネクタ‐ハンドラアダプタ640の斜視図である。成端組立体610は、くさびの作用により作動される機械的作動手段を備えた成端組立体210とほぼ同じであるが、長手方向に摺動する解除ボタン619を用いて解除可能である。図50及び図53に最も良く示されているように、解除ボタン619は、係合位置と離脱位置との間で摺動可能である。図50〜図52は、コネクタ‐ハンドラアダプタ640に取り付けられたハンドラ600の種々の図である。具体的に説明すると、図50〜図52は、コネクタ‐ハンドラアダプタ640内に挿入されてこれに取り付けられたハンドラ600を示しており、それにより、解除ボタン619は、係合位置まで前方に押されている。換言すると、シュラウド612は、スプライス部品を互いに押すと共に解除ボタンを係合位置まで押す。しかしながら、この実施形態では、シュラウド612を後方に押すことにより解除ボタン619を後方に押してスプライス作動手段を解除することができる(即ち、離脱させることができる)。一例を挙げると、図53〜図55は、後方に押されてシュラウド612を後方に押した解除ボタン619を示しており、それにより、スプライス作動手段が解除される。ハンドラ600は、取り外されて異なるコネクタ‐ハンドラアダプタにより再構成可能であり、又は、同一のコネクタ‐ハンドラアダプタにより再び成端可能である。
【0031】
さらに別の実施形態では、ハンドラは、アダプタをコネクタに一体化させるのではなく、光ファイバコネクタに取り付け可能である。図56は、ハンドラ700が光ファイバコネクタ730に取り付けられて光ファイバコネクタの一部分をなしている成端の完成状態を示している。ハンドラ700は、例えばスナップ嵌め等により光ファイバコネクタ530の一部分(即ち、後側端部)に取り付けられる。しかる後、作業者は、光ファイバコネクタ730を所望に応じてアダプタ等内に差し込むことができる。
【0032】
光ファイバコネクタ230は、ハンドラ700内に固定された光ファイバとメカニカルスプライス接続関係をなすスタブ光ファイバ736を備えた光ファイバフェルール734を有している。さらに、光ファイバコネクタ730は、光ファイバ相互間のメカニカルスプライス接続部を構成する少なくとも1つのスプライス部品を収納状態で備えたフェルールホルダ(見えない)を有している。ハンドラ700は、前処理された光ファイバをコネクタ内に案内して損傷を阻止する。というのは、前処理された光ファイバは、ストリッパとの協働により又は他の適当な仕方で適当な長さに劈開されるからである。ハンドラ700は、前処理された光ファイバをコネクタ内に案内し、損傷を阻止する。というのは、前処理された光ファイバは、正しい長さに劈開されるからでる。しかる後、適当な構造体を作動させてハンドラ700によって保持されている光ファイバと光ファイバコネクタ730のスタブ光ファイバ(見えない)との間の内部メカニカルスプライス接続を達成する。しかる後、光ファイバコネクタを適当な試験工具を用いて連続性試験を実施するのが良い。
【0033】
図56に示されている実施形態では、ハンドラ700は、光ファイバコネクタ730の外側部分に取り付けられているが、他の実施形態では、光ファイバコネクタの他の部分/コンポーネントに取り付けられても良い。具体的に説明すると、ハンドラ700は、スプライスハウジング756の一部分に取り付けられており、スプライスハウジング756のこの部分を外側ハウジングに対して回転させると、スプライスハウジングは、スプライスハウジング内の1つ又は2つ以上のスプライス部品を開放位置から閉鎖位置に作動させ、それにより、光ファイバ相互間のメカニカルスプライスを固定する。
【0034】
上述の実施形態のどれについても、ハンドラの前側端部から光ファイバは、スタブを光ファイバからハンドラの前側端部又は他の基準面、例えばラッチ止めボスまでの距離よりも僅かに長い距離を有するのが良く(即ち、光ファイバが延びる長さは、ラッチ止めボスからスタブ光ファイバの後側端面までの距離よりも長い)、それにより、光ファイバコネクタ内への挿入時に光ファイバに曲がり部を生じさせてスタブ光ファイバとハンドラによって固定されている光ファイバとの物理的接触(直接接触ともいう)を保証する。換言すると、光ファイバの曲がり部は、ハンドラ内に固定されている光ファイバをスタブ光ファイバの方に向かって押すばね力を生じさせる。さらに、光ファイバハンドラ700は、作業者により光ファイバコネクタ730から解除可能であり、それにより、光ファイバを必要ならば再位置決めすると共に/或いは再固定する。簡単に説明すると、スプライス作動機構体を逆にして光ファイバに加わるスプライス部品のクランプ力をゼロにする。次に、ハンドラを光ファイバコネクタから取り外し、ハンドラを開いて光ファイバをハンドラから解除し、それにより前処理及び成端時にもう一度試行のために再位置決めすると共に前処理する。しかしながら、他の実施形態は、必要ならば、ワンショット成端形式の設計により永続的であっても良い。
【0035】
さらに、作動機構体は、メカニカルスプライスが所望の性能レベルを満たしている場合、スプライス部品の解除を可能にする非作動及び/又は再活性特徴部を有するのが良い。換言すると、作業者は、スプライス部品に加わる付勢力を除き、光ファイバを再位置決めすると共に/或いは再劈開することによりスプライスを実施するのが良く、次に、光ファイバを再位置決め/再挿入して適当なメカニカルスプライス接続を行なうことができる。一例を挙げると、外側ハウジングをスプライスハウジングに対して一方向に回転させてスプライス部品を互いに付勢するのが良く、次に外側ハウジングを他方の方向に回転させてスプライス部品に加わる付勢力を除く。
【0036】
図57及び図58は、それぞれ、開放位置で示されたハンドラ700の斜視図及び端面図である。ハンドラ700は、互いに取り付けられる第1の部分712及び第2の部分714を有している。第2の部分714は、第1の部分712に対して回動することができ(これとは逆の関係が成り立つ)、ハンドラ700は、このハンドラを貫通して第1の端部711から第2の端部713まで延びていて、1本又は2本以上に光ファイバを受け入れる通路(参照符号は付与されていない)を備えている。この実施形態では、第1の部分712と第2の部分714との間の回動軸線は、光ファイバのための通路に全体として垂直である。
【0037】
ハンドラ700は、第1の部分712を第2の部分714に対して回動させることにより少なくとも1本の光ファイバをハンドラ700に固定して光ファイバ、バッファ層等にクランプすることができるよう構成されているのが良い。図58は、第1の部分712と第2の部分714との間に形成されていて、多くのサイズの光ファイバ又はバッファ付き光ファイバ(即ち、裸光ファイバ、被覆光ファイバ又はアップコート付き/バッファ付き光ファイバ)を固定するクランプ部分(参照符号は付与されていない)を構成する通路を示すハンドラ700の端面図である。具体的に説明すると、ハンドラ700は、一端に隣接して位置する回動箇所716及び他端に隣接して位置していて、第1の部分712を第2の部分714に固定するラッチ止め部分718を有している。ピボット箇所716は、ハンドラ700の後側端部に隣接して位置し、ラッチ止め部分718は、ハンドラ700の前側端部に隣接して位置しているが、この構成は、他の実施形態では逆であっても良い。ハンドラ700は、第2の部分714に設けられていて、第1の部分712を閉鎖位置で第2の部分714に固定する弾性フィンガ(参照符号は付与されていない)を用いている。さらに、第1の部分712の一部は、ハンドラ700が開放及び/又は閉鎖位置にあるとき、第2の部分714の一部内に嵌まり込み、それにより、比較的コンパクトな設計が得られる。図示のように、光ファイバハンドラ700は、弾性部材又はばねを用いて外方の位置に付勢される光ファイバ支持体(参照符号は付与されていない)を更に有している。
【0038】
ハンドラ700は、第2のラッチ止め特徴部を用いて光ファイバコネクタ730に解除可能な仕方で取り付け可能に構成されている。ハンドラ700は、第2の端部713に隣接して示されているように、ラッチ止め部分718の下に位置する第2のラッチ止め特徴部(参照符号は付与されていない)、例えば1つ又は2つ以上の凹部を有している。ハンドラ700の第2のラッチ止め特徴部は、光ファイバコネクタ730のラッチ止め構造体、例えばスプライスハウジング756に設けられている弾性ラッチ止めフィンガと協働する。簡単に説明すると、ハンドラ700が光ファイバコネクタ730に対して完全に取り付けられると、光ファイバコネクタ730のラッチ止め構造体は、ハンドラ700のラッチ止め構造体とスナップ嵌め関係をなす。さらに、ラッチ止め特徴部は又、ハンドラ700のためのキー止め特徴部としての役目を果たす。ハンドラを光ファイバコネクタ730に挿入してこれに固定すると、ハンドラ700によって固定された光ファイバは、引き込み部を通過して挿入され、そしてスプライス部品のところに位置決めされ、そしてスタブ光ファイバ736に突き合わされる。さらに、光ファイバは、スタブ光ファイバ736との物理的接触状態を維持するための曲がり部を有する。というのは、この光ファイバは、光ファイバコネクタ内の距離よりも僅かに長いからである。この場合、作業者は、作動特徴部を回転させることによりメカニカルスプライスを固定するのが良く、それにより、光ファイバをこの中にクランプし、機械的成端プロセスを完了させる。
【0039】
作動特徴部756は、1つ又は2つ以上のスプライス部品を付勢するためにスプライスハウジングに対する適当な運動、例えば回転運動を利用する。具体的に説明すると、作動特徴部756は、1つ又は2つ以上のスプライス部品を付勢するカム面(即ち、偏心面)を有し、それにより、スタブ光ファイバ736とハンドラ内に固定された光ファイバとの突き合わせ状態を確保する。
【0040】
簡単に説明すると、作動特徴部756、この場合、カム面は、スプライスハウジングを回転させているときにスプライスハウジングの窓を貫通している1つ又は2つ以上のスプライス部品のキール(keel)を押し、それにより、スプライス部品を互いに付勢し、光ファイバの相互突き合わせ状態を確保する。この実施形態では、外側ハウジング750は、LCコネクタのフットプリントを備え、この外側ハウジングは、そのいずれかの側に設けられたラッチ耳部(参照符号は付与されていない)と一緒に成形されていて、LCコネクタをLCアダプタ内に固定するラッチ758を有している。当然のことながら、開示した技術思想は、他の光ファイバコネクタフットプリントに利用できる。
【0041】
当該技術分野において知られているように、光ファイバコネクタのコンポーネント(即ち、スプライスハウジング及び/又はスプライスコンポーネント)等のうちの1つ又は2つ以上又はこれらコンポーネントの幾つかの部分は、作業者及び/又は工具が知られているようにメカニカルスプライスの連続性を評価するためにメカニカルスプライスのグローを視認することができるよう半透明であるのが良い。例えば、米国特許第6,816,661号明細書は、メカニカルスプライスの連続性を評価する方法を開示している。さらに、ハウジング又は他のコンポーネントは、メカニカルスプライスの連続性を評価するためにメカニカルスプライスのグローを視認するための1つ又は2つ以上のビューポートを有するのが良い。
【0042】
好ましい実施形態及び特定の実施例を図示すると共に本明細書において説明したが、他の実施形態及び他の実施例が実質的に同一の機能を実行すると共に/或いは実質的に同一の結果を達成できることは当業者には容易に明らかであろう。このような均等例としての実施形態及び実施例の全ては、開示内容の精神及び範囲に含まれると共に特許請求の範囲に記載された本発明の範囲に含まれるものである。また、図示の実施形態の種々の改造例及び変形例を想到できることは当業者には明らかであろう。開示内容及び/又は特許請求の範囲に記載された本発明の範囲は、これら改造例及び変形例を含むものである。
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ファイバ結合部を迅速、容易且つ確実な仕方で作るための成端システム及びそのコンポーネントに関する。具体的に説明すると、開示する成端システムは、光ファイバ又はケーブルに取り付けられ、光ファイバを前処理すると共に/或いは光結合部を作る他のコンポーネントと協働するハンドラを用いる。
【0002】
〔関連出願の説明〕
本願は、2009年1月19日に出願された米国特許出願第61/145,681号(発明の名称:TERMINATION SYSTEM FOR FIBER OPTIC CONNECTION )の権益主張出願であり、この米国特許出願を参照により引用し、その記載内容全体を本明細書の一部とする。
【背景技術】
【0003】
光ファイバは、広帯域音声、映像及びデータ伝送等のために公衆網と私設又は構内網の両方において種々の用途に用いられている。光ファイバを使用した場合の利点としては、帯域幅が極めて広く且つノイズが極めて少ない作業の実現が挙げられる。光ファイバの使用の増加及び多様化により、光ファイバの配線経路を相互接続すると共に再構成する効率的な方法を提供することが重要である。アダプタを用いて互いに嵌合する光ファイバコネクタがこの目的のために開発された。光ファイバコネクタが伝送信号を著しくは減衰させず又は変更しないことが重要である。融着接続は、光コネクタをケーブルの一端に設ける一方法である。具体的に説明すると、工場研磨が行われた光ファイバコネクタピグテールを光ファイバケーブルの一端に融着接続するのが良い。しかしながら、融着接続では、融着スプライサの使用及び作業者の訓練が必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
融着スプライサの使用及び作業者の訓練を不要にするため、現場でのメカニカルスプライスを可能にする光ファイバコネクタが開発された。しかしながら、メカニカルスプライスの品質は、光ファイバコネクタの設計、光ファイバの前処理、光ファイバの軸合わせ、作業者による布設等に応じて大幅に異なる場合がある。例えば、作業者は、バッファ層を光ファイバから除去し、次に光ファイバに被着されている被覆を除去しなければならない場合がある。しかる後、光ファイバは、メカニカルスプライスコネクタ中への挿入のために適当な長さへの劈開(cleaving:光ファイバに切れ目を入れて割り裂くこと)が必要になる場合がある。現場スプライスの光減衰が高過ぎる場合、作業者は、所望の結果を得るために光ファイバコネクタを接続し直さなければならない。これらの理由で、簡単且つ確実でありしかも組立てが容易な仕方での光ファイバケーブルの成端は、特に未熟な作業者にとって難題である。簡単且つ確実でありしかも組立てが容易であるロバスト光ファイバケーブル成端が要望されていながら、依然として解決されていない。
【0005】
本明細書において開示する成端システム及び装置は、光ファイバ又はケーブルに取り付けられ、光ファイバを前処理すると共に/或いは光結合部を作るための他のコンポーネント、例えば1つ又は2つ以上の光ファイバ前処理工具と協働するハンドラを用い、それにより、光ファイバのための簡単且つ確実であり、しかも容易な成端部(即ち、光結合部)を提供する。例えば、ハンドラは、次のもの、即ち、被覆除去工具、被覆除去/クリーニング工具、光ファイバの端部を前処理するための劈開工具及び/又は光結合部を作るための光ファイバコネクタのコネクタ‐ハンドラアダプタのうちの1つ又は2つ以上と協働するのが良い。
【0006】
追加の特徴及び利点は、以下の詳細な説明に記載されており、一部は、このような説明から当業者には容易に明らかであり、或いは、以下の詳細な説明、特許請求の範囲並びに添付の図面を含む明細書において開示する実施形態を実施することによって認識されよう。
【0007】
上述の概要説明と以下の詳細な説明の両方は、種々の実施形態に関しており、特許請求の範囲に記載された発明の性質及び性格を理解するための概観又は枠組を提供するようになっていることは理解されるべきである。添付の図面は、種々の実施形態の一層の理解を提供するために添付されており、本明細書に組み込まれてその一部をなす。図面は、本明細書において説明する種々の実施形態を示しており、詳細な説明と一緒になって、特許請求の範囲に記載された本発明の原理及び作用を説明するのに役立つ。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】光ファイバに取り付けられた1つの例示のハンドラの斜視図である。
【図2】図1のハンドラの分解組立て図である。
【図3】光ファイバケーブルに取り付けられた図1のハンドラの断面図である。
【図4a】ハンドラが開放位置から閉鎖位置に光ファイバにどのように取り付けるかを示す図1のハンドラの部分切除図である。
【図4b】ハンドラが開放位置から閉鎖位置に光ファイバにどのように取り付けるかを示す図1のハンドラの部分切除図である。
【図4c】図1のハンドラに類似した別のハンドラの部分切除図であり、シュラウドが伸長した状態でハンドラを示す図である。
【図4d】図1のハンドラに類似した別のハンドラの部分切除図であり、シュラウドが引き込まれた状態のハンドラを示す図である。
【図5a】ケーブルに取り付けられると共に光ファイバの端部の前処理のためのバッファストリッパと協働するハンドラの別の実施形態の斜視図である。
【図5b】ケーブルに取り付けられると共に光ファイバの端部の前処理のためのバッファストリッパと協働するハンドラの別の実施形態の斜視図である。
【図6a】ケーブルに取り付けられると共に光ファイバの端部の前処理のために被覆ストリッパ及びバッファストリッパと協働するハンドラの斜視図である。
【図6b】ケーブルに取り付けられると共に光ファイバの端部の前処理のために被覆ストリッパ及びバッファストリッパと協働するハンドラの斜視図である。
【図7a】光ファイバのそれぞれの端部を前処理するために用いられている図5a及び図5bのバッファストリッパの斜視図である。
【図7b】光ファイバのそれぞれの端部を前処理するために用いられている図6a及び図6bの被覆ストリッパ及びバッファストリッパの斜視図である。
【図8】ケーブルの端部を前処理するための装置と協働するハンドラの別の実施形態を示す図である。
【図9】ケーブルの端部を前処理するための装置と協働するハンドラの別の実施形態を示す図である。
【図10】ケーブルの端部を前処理するための装置と協働するハンドラの別の 実施形態を示す図である。
【図11】ケーブルの端部を前処理するための装置と協働するハンドラの別の実施形態を示す図である。
【図12】ケーブルの端部を前処理するための装置と協働するハンドラの別の実施形態を示す図である。
【図13】成端部のために光ファイバを所定長さに切断するクレーバ内に挿入されている図1のハンドラの斜視図である。
【図14】光ファイバの被覆を除去すると共に光ファイバを成端部のための所望の長さに劈開する組み合わせ型クリーニング/劈開装置内に挿入された図5aのハンドラの斜視図である。
【図15】光結合のためにパネルに取り付けられたコネクタ‐ハンドラアダプタに取り付けられたハンドラの全体的説明図である。
【図16】光結合のためにコネクタ‐ハンドラアダプタに取り付けられる前の別のハンドラの斜視図である。
【図17】光結合のためにコネクタ‐ハンドラアダプタに取り付けられた後の別のハンドラの斜視図である。
【図18】図16及び図17のハンドラ及びコネクタ‐ハンドラアダプタの部分組立て図である。
【図19】図17の嵌合状態のハンドラとコネクタ‐ハンドラアダプタの断面図である。
【図20】ハンドラの光ファイバとコネクタ‐ハンドラアダプタの光ファイバスタブとの間の光結合部を作るための一機械的作動手段の技術的思想を示す図である。
【図21】ハンドラの光ファイバとコネクタ‐ハンドラアダプタの光ファイバスタブとの間の光結合部を作るための一機械的作動手段の技術的思想を示す図である。
【図22】ハンドラの光ファイバとコネクタ‐ハンドラアダプタの光ファイバスタブとの間の光結合部を作るための一機械的作動手段の技術的思想を示す図である。
【図23】ハンドラの光ファイバとコネクタ‐ハンドラアダプタの光ファイバスタブとの間の光結合部を作るための一機械的作動手段の技術的思想を示す図である。
【図24】ハンドラの光ファイバとコネクタ‐ハンドラアダプタの光ファイバスタブとの間の光結合部を作るための一機械的作動手段の技術的思想を示す図である。
【図25】ハンドラの光ファイバとコネクタ‐ハンドラアダプタの光ファイバスタブとの間の光結合部を作るための一機械的作動手段の技術的思想を示す図である。
【図26】ハンドラの光ファイバとコネクタ‐ハンドラアダプタの光ファイバスタブとの間の光結合部を作るための一機械的作動手段の技術的思想を示す図である。
【図27】ハンドラの光ファイバとコネクタ‐ハンドラアダプタの光ファイバスタブとの間の光結合部を作るための一機械的作動手段の技術的思想を示す図である。
【図28】ハンドラの光ファイバとコネクタ‐ハンドラアダプタの光ファイバスタブとの間の光結合部を作るための一機械的作動手段の技術的思想を示す図である。
【図29】ハンドラの光ファイバとコネクタ‐ハンドラアダプタの光ファイバスタブとの間の光結合部を作るための一機械的作動手段の技術的思想を示す図である。
【図30】ハンドラの光ファイバとコネクタ‐ハンドラアダプタの光ファイバスタブとの間の光結合部を作るための一機械的作動手段の技術的思想を示す図である。
【図31】ハンドラの光ファイバとコネクタ‐ハンドラアダプタの光ファイバスタブとの間の光結合部を作るための別の機械的作動手段の技術的思想を示す図である。
【図32】ハンドラの光ファイバとコネクタ‐ハンドラアダプタの光ファイバスタブとの間の光結合部を作るための別の機械的作動手段の技術的思想を示す図である。
【図33】ハンドラの光ファイバとコネクタ‐ハンドラアダプタの光ファイバスタブとの間の光結合部を作るための別の機械的作動手段の技術的思想を示す図である。
【図34】ハンドラの光ファイバとコネクタ‐ハンドラアダプタの光ファイバスタブとの間の光結合部を作るための別の機械的作動手段の技術的思想を示す図である。
【図35】ハンドラの光ファイバとコネクタ‐ハンドラアダプタの光ファイバスタブとの間の光結合部を作るための別の機械的作動手段の技術的思想を示す図である。
【図36】ハンドラの光ファイバとコネクタ‐ハンドラアダプタの光ファイバスタブとの間の光結合部を作るための別の機械的作動手段の技術的思想を示す図である。
【図37】ハンドラの光ファイバとコネクタ‐ハンドラアダプタの光ファイバスタブとの間の光結合部を作るための別の機械的作動手段の技術的思想を示す図である。
【図38】別のハンドラ及び別のコネクタ‐ハンドラアダプタの斜視図であり、ハンドラのシースが伸長位置にある状態を示す図である。
【図39】ハンドラのシースが引き込み位置にあり、それにより光ファイバが露出された状態で示された図1のハンドラ及びコネクタ‐ハンドラアダプタの斜視図である。
【図40】成端部のために互いに嵌合状態にある図1のハンドラとコネクタ‐ハンドラアダプタの断面図である。
【図41】ハンドラ及びコネクタ‐ハンドラアダプタの成端組立体の斜視図である。
【図42】嵌合時におけるハンドラとコネクタ‐ハンドラアダプタとの間のカム相互作用状態を示す縦断面図である。
【図43】機械的成端部を作るためのハンドラとコネクタ‐ハンドラアダプタとの間のカム相互作用の横断面図である。
【図44】ハンドラの光ファイバとコネクタ‐ハンドラアダプタの光ファイバスタブとの間の光結合部を作るための別の機械的作動手段の技術的思想を示す図である。
【図45】ハンドラの光ファイバとコネクタ‐ハンドラアダプタの光ファイバスタブとの間の光結合部を作るための別の機械的作動手段の技術的思想を示す図である。
【図46】ハンドラの光ファイバとコネクタ‐ハンドラアダプタの光ファイバスタブとの間の光結合部を作るための別の機械的作動手段の技術的思想を示す図である。
【図47】ハンドラの光ファイバとコネクタ‐ハンドラアダプタの光ファイバスタブとの間の光結合部を作るための別の機械的作動手段の技術的思想を示す図である。
【図48】ハンドラの光ファイバとコネクタ‐ハンドラアダプタの光ファイバスタブとの間の光結合部を作るための別の機械的作動手段の技術的思想を示す図である。
【図49】ハンドラの光ファイバとコネクタ‐ハンドラアダプタの光ファイバスタブとの間の光結合部を作るための別の機械的作動手段の技術的思想を示す図である。
【図50】ハンドラの光ファイバとコネクタ‐ハンドラアダプタの光ファイバスタブとの間の光結合部を作るための別の機械的作動手段の技術的思想を示す図である。
【図51】ハンドラの光ファイバとコネクタ‐ハンドラアダプタの光ファイバスタブとの間の光結合部を作るための別の機械的作動手段の技術的思想を示す図である。
【図52】ハンドラの光ファイバとコネクタ‐ハンドラアダプタの光ファイバスタブとの間の光結合部を作るための別の機械的作動手段の技術的思想を示す図である。
【図53】ハンドラの光ファイバとコネクタ‐ハンドラアダプタの光ファイバスタブとの間の光結合部を作るための別の機械的作動手段の技術的思想を示す図である。
【図54】ハンドラの光ファイバとコネクタ‐ハンドラアダプタの光ファイバスタブとの間の光結合部を作るための別の機械的作動手段の技術的思想を示す図である。
【図55】ハンドラの光ファイバとコネクタ‐ハンドラアダプタの光ファイバスタブとの間の光結合部を作るための別の機械的作動手段の技術的思想を示す図である。
【図56】光ファイバハンドラが取り付けられていて、光ファイバコネクタの一部分をなす光ファイバコネクタの斜視図、
【図57】図56に示されたハンドラの詳細図である。
【図58】図56に示されたハンドラの詳細図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
次に、本発明の好ましい実施形態を詳細に参照するが、このような実施形態の実施例が添付の図面に示されている。可能な場合にはいつでも、同一の参照符号が同一のコンポーネント又は部分を示すために用いられる。本明細書において説明する実施形態は、光ファイバケーブルの端部を前処理すると共に/或いは成端する例示の方法及び装置である。さらに、開示する技術的思想により有利には作業者による容易に再現可能であると共に確実な成端が可能である。次に、好ましい実施形態を詳細に参照するが、このような実施形態の実施例が添付の図面に示されている。可能な場合にはいつでも、同一の参照符号が同一のコンポーネント又は部分を示すために用いられている。同一の参照符号は、可能な場合にはいつでも、同一のコンポーネント又は部分を示すために用いられている。
【0010】
図1は、例示の光ファイバハンドラ10(以下「ハンドラ」という)の斜視図であり、このハンドラは、光ファイバケーブル30(以下「ケーブル」という)に取り付けられている。ケーブル30は、光ファイバ32を覆う1つ又は2つ以上の保護層、例えばバッファ層34(図2)を有するが、他のケーブル30の構成の採用が可能である。ハンドラ10は、これが現場における成端を簡単且つ迅速に、しかも確実にするので有利である。具体的に説明すると、ハンドラ10は、ケーブル30のバッファ層34に固定され、光ファイバ32がハンドラ10の前側端部から延びていて、それにより、ハンドラは、光ファイバ前処理及び/又は成端のための1つ又は2つ以上の他の装置(例えば、光ファイバ前処理工具又は成端構造体)に係合することができる。他の実施形態では、ハンドラは、光ファイバ、ケーブルジャケット等に直接固定されるのが良く、簡単にいえば、ハンドラは、光ファイバを固定し、光ファイバが動くのを阻止し、しかる後、ハンドラは、適当な前処理工具及び/又は成端構造体と協働するのが良い。例えば、開示するハンドラと協働する適当な成端構造体としては、融着接続又はメカニカルスプライス接続のための構造体、例えば光ファイバコネクタ又はコネクタ‐ハンドラアダプタが挙げられる。
【0011】
一例を挙げると、代表的な方法ステップは、光ファイバ及び/又はケーブルをハンドラ内に挿入するステップ、光ファイバ及び/又はケーブルをハンドラに固定するステップ、バッファ及び/又は光ファイバ被覆を除去するステップ及び光ファイバを所定長さに劈開するステップを含む。本明細書において開示するハンドラは、光ファイバの前処理及びその成端を未熟な作業員にとって簡単且つ容易でありしかも再現可能であるようにするのに有用である。換言すると、未熟な作業者は、光ファイバをハンドラ内に固定し、手順を迅速且つ容易にするための他のコンポーネントと協働してハンドラを用いることによって高品質の光ファイバ成端部を作ることができる。例えば、ハンドラを用いることにより、例えば1つ又は2つ以上の被覆を光ファイバから除去するために光ファイバ長さを測定してマーキングするステップが省かれる。
【0012】
図2は、第1のハンドラ10の部分組立て図であり、固定機構体又は固定部材、例えばカム11、光ファイバ支持体12、例えば、光ファイバ32を保護するために動くことができるシュラウド、ハンドラ本体14及びカバー16を示している。図3は、ケーブル30に固定されたハンドラ10の断面図である。カム11は、ハンドラ10をケーブル30と共に固定するために用いられる。簡単に説明すると、ケーブル30を適当な着座状態になるまで組み立て状態のハンドラ10内に挿入し(即ち、適当な長さ分を挿入し)、次に、カム11を回転させてケーブル30のバッファ層(参照符号が付けられていない)に固定する。具体的に説明すると、ケーブル30をカム11の通路内に挿入し、ハンドラ本体14のボア14a又は通路内に案内すると共にこれを通って案内する。図3に示されているように、ケーブル30は、光ファイバ32がシュラウド12を越えて延びるよう挿入される。一例を挙げると、シュラウド12は、劈開された光ファイバ及び端面を保護する光ファイバ支持体及び/又は他の装置と嵌合する案内としての役目を果たすことができる。図示のように、ケーブル30のバッファ層の一部分及び光ファイバ被覆をハンドラ10内への挿入前に除去する。しかしながら、ハンドラの他の実施形態は、ハンドラをケーブルに固定する前に除去されるバッファ層の一部分及び/又は光ファイバ被覆を必要としない場合がある。さらに、ハンドラ10は、ハンドラからのケーブル30又は光ファイバの解除取り出しを可能にする。
【0013】
図4a及び図4bは、ハンドラをケーブル30にどのように固定するかを示すハンドラ10の部分切除図である。具体的に説明すると、ハンドラ本体14の後側部分は、ハンドラ本体の固定機能を示す状態で断面で示されている。図4aは、カム11を開放位置(即ち、ケーブルに固定されていない状態)で示し、図4bは、ハンドラ10をケーブル30に固定するための閉鎖位置に回されたカム11を示している。図示のように、カム11の通路は、ハンドラ本体14の把持レバー14bをケーブル30のバッファ層中に押し込むために長円形の形をしている。換言すると、カム11を開放位置から閉鎖位置に回すと、長円形通路は、把持レバー14bの球状部分に接触し、これをケーブル30のバッファ層中に押し込む。その結果、ケーブル30は、ハンドラ10に固定され、ハンドラ10は、光ファイバ/ケーブル前処理作業、コネクタ接続等のための他の装置とインターフェイスすることができ、それにより、これら作業が作業者にとって簡単且つ容易であり、しかも再現可能になる。例えば、ハンドラ10は、次の前処理及び/又はコネクタ接続を行なうために他の装置へのスナップ嵌め等に適した幾何学的形状を有している。
【0014】
さらに、カム11を開放位置に回転させることによりハンドラ10をケーブル30から取り外すことができ、把持レバー14は、必要ならばケーブル30を取り外すことができるようスプリングバックすることができる。当然のことながら、ケーブルへの固定のためのハンドラの他の形式及び/又は構成の採用が可能である。例えば、ケーブルをハンドラに固定するのにカムは不要である。
【0015】
一例として、図4c及び図4dは、ハンドラ10に類似した別のハンドラ10′の部分切除図である。図示のように、図4c及び図4dは、シュラウドがそれぞれ伸長位置及び引き込み位置にある状態でハンドラ10′を示している。この実施形態では、シュラウド12は、シュラウド12が、通常、図4cに示されているように延びるように弾性部材13によって前方に付勢されている。シュラウド12を内方に押すと、弾性部材13、例えば圧縮ばねは、図4dに示されているように縮み、それにより、ケーブル30の光ファイバ32が露出する。ハンドラの他の実施形態は、シュラウドを付勢する弾性部材を更に有するのが良い。
【0016】
図5a及び図5bは、それぞれ、ケーブル30に取り付けられている別のハンドラ20の斜視図である。ハンドラ20は、バッファ層の一部分を除去することによって光ファイバの端部の前処理のためのバッファストリッパ40との協働を可能にする。図示のように、ハンドラ20は、ケーブル30をハンドラ20内に挿入し、ラッチを用いてクランプしてケーブル30を固定するために開くことができるようヒンジ止め設計のものである。この実施形態では、ヒンジ(即ち、回動軸線)は、光ファイバを受け入れる通路と本質的に位置合わせされる。さらに、ハンドラ20は、他の装置と協働するのに適した幾何学的形状を有している。同様に、バッファストリッパ40は、ケーブル30をバッファストリッパ40内に挿入し、ラッチを用いてクランプしてケーブル30を固定するために開くことができるようヒンジ止め設計のものとして示されている。ハンドラ20及びバッファストリッパ40は、バッファストリッパ40の一部分が図7aに最も良く示されているようにハンドラ20内に嵌まり込むと共に/或いはこれに取り付けられるような互いに協働する幾何学的形状を有するのが良い。例えば、バッファストリッパ40は、バッファストリッパ40に係合してこれをハンドラ20に対して位置決めし、次に、これを離脱させるよう押されるラッチ(参照符号で示されていない)を有するのが良い。ストリッパの全長は、被覆除去ゲージ又は光ファイバ測定ガイドとして機能するよう選択されるのが良い。換言すると、作業者がストリッパ40の遠位端部と整列し又はこれから延びる光ファイバを視認すると、作業者には、光ファイバの適当な長さ分が成端及びコネクタ接続プロセス(即ち、劈開及びコネクタ接続)のために被覆除去されていることが分かる。
【0017】
図6a及び図6bは、それぞれ、ケーブル30に取り付けられると共にバッファ層の一部分と光ファイバの被覆の一部分の両方を除去することにより光ファイバの端部の前処理のための被覆ストリッパ60と協働する更に別のハンドラ50の斜視図である。被覆ストリッパ60も又、ヒンジ(即ち、ピボット点)が、光ファイバを受け入れる通路と本質的に位置合わせされた光ファイバを受け入れる通路と本質的に位置合わせされた(即ち、本質的に平行である)場合にケーブル30に被さるヒンジ式設計のものである。ハンドラの他の変形例では、ヒンジによって取り付けられないで、互いにスナップ嵌め関係をなす2つの別々の部分を用いても良い。図示のように、バッファストリッパ40と被覆ストリッパ60は、インターロックし、バッファストリッパ40は、バッファストリッパ40に係合してこれをハンドラ20に対して位置決めし、次に、バッファストリッパ40を離脱させるよう押されるラッチ(参照符号で示されていない)を有する。図示のように、それぞれの装置は、この装置をハンドラから解除するよう押され、次に、バッファ層及び/又は光ファイバ被覆の一部分を除去するために矢印の方向に引っ張られるラッチを有する。これにより、1回の迅速且つ簡単であり、しかも確実な作業でバッファ層及び/又は光ファイバ被覆の被覆除去が行なわれる。しかる後、被覆除去された光ファイバをハンドラ20内に固定し、次の作業がいつでも行なわれる状態にする。例えばバッファストリッパ40及び被覆ストリッパ60のような装置は、1回使用に適していて次に処分され、又はこれら装置の摩耗、ブレードの交換等まで多数回使用するのに適した設計のものであって良い。
【0018】
他の変形例では、バッファストリッパ及び被覆ストリッパを一装置中に組み込むことができる。一例を挙げると、図8〜図12は、バッファ層を除去すると共に光ファイバ被覆を除去するのに適した被覆除去装置80と協働する別の実施形態としてのハンドラ70を示している。図8は、ハンドラ70及びケーブル30を覆って位置決めされているヒンジ式設計を有していて、ハンドラ70をケーブル30に固定するラッチを用いた被覆除去装置80を示している。図9に示されているように、被覆除去装置80は、ハンドラ70に設けられた凹み(参照番号は付与されていない)凹みとそれぞれ嵌合するボス(参照符号は付与されていない)をそれぞれ備えたアーム(参照符号は付与されていない)を有し、その結果、このような装置は、ケーブル30上に容易に位置合わせされると共に位置決めされるよう互いに協働する。被覆除去装置80は、本体80a及びバッファ層カッタ80bを有している。バッファ層カッタ80bは、本体80a内に嵌まり込み、ケーブル30のバッファ層に切れ目を入れるのに適している。さらに、被覆除去装置80は、バッファ層カッタの前方に設けられていて、光ファイバ被覆を除去する内部ブレード(見えない)を有している。図10は、ハンドラ70及びケーブル30を覆って設けられた被覆除去装置80を示しており、それぞれのラッチは、閉鎖位置にある。被覆除去装置のラッチが閉鎖位置にあるとき、内部ブレードは、光ファイバ被覆に食い込む。しかる後、図1に示されているように、被覆除去装置80のバッファ層カッタ80bを押し下げてバッファ層に切れ目を入れ、次にこのカッタを前方に滑らせてバッファ層を前方に押す。これは、光ファイバの被覆の除去を助ける。というのは、これは、被覆除去中、バッファ層上への被覆の付着を阻止するからである。最後に、被覆除去装置80を図12に矢印で示されているようにハンドラ70から遠ざかって前方に引っ張るのが良く、それにより、バッファ層と光ファイバ被覆の両方を一ステップで除去する。この実施形態では、被覆除去装置80は、1回使用用であり、次に処分され、ハンドラ内の光ファイバは、次のステップがいつでも実施可能な状態にある。
【0019】
図13は、光ファイバを成端のための所望の長さに切断するためのクレーバ内に挿入されている図1のハンドラの斜視図である。クレーバ90は、ハンドラ10をクレーバと位置合わせすると共に位置決めするインターフェイス92を有し、それにより、光ファイバは、成端のための正確な長さに劈開されるようになる。図示のように、インターフェイス92は、再現可能な劈開長さの実現を可能にするためにハンドラ10に設けられたボス(参照符号は付与されていない)とスナップ嵌合する凹部(参照符号は付与されていない)を有するが、クレーバは、ハンドラとインターフェイスする任意適当な幾何学的形状のものであって良い。インターフェイス92は、ハンドラの相補キー止め特徴部と位置合わせ可能なキー止め特徴部を有するのが良い。クレーバ90は、押されたときに光ファイバを劈開するボタン93を更に有している。他の実施形態では、クレーバは、バッファストリッパ及び/又は光ファイバ被覆ストリッパを備えるのが良い。図14は、光ファイバの被覆除去及び成端のための所望長さへの光ファイバの劈開を一ステップで実施する組合せ型光ファイバ被覆クリーナ/劈開装置95中に挿入されたハンドラ20の斜視図である。当然のことながら、他の変形例の採用が可能である。
【0020】
図15は、パネル95に取り付けられたコネクタ‐ハンドラアダプタ98に取り付けられているハンドラ20の全体的説明図である。ハンドラ20が正しく準備されてコネクタ‐ハンドラアダプタ中に挿入されると、光結合部(即ち、成端部)がコネクタ‐ハンドラアダプタの他端部に取り付けられている光ファイバコネクタにより作られる。また、コネクタ‐ハンドラアダプタは、他の構造体、例えばパッチパネル、アダプタパネル、壁取り付け型ボックス、モジュール、接続箱等に取り付け可能である。当然のことながら、他のハンドラ及び/又はコネクタ‐ハンドラアダプタが使用可能であると共に/或いはこれら形式の取り付け形態を有することができる。
【0021】
図16及び図17は、それぞれ、光結合のためにコネクタ‐ハンドラアダプタに取り付けられる前及び取り付けられた後の別のハンドラの斜視図である。上述したように、ケーブル30は、ハンドラ10に取り付けられ、光ファイバは、成端のために前処理されている(即ち、光結合のためにコネクタ‐ハンドラアダプタ中へのハンドラの挿入)。換言すると、バッファ層及び光ファイバ被覆が除去され、後にはコア及びクラッドが残され、次に、光ファイバが所望長さに劈開されている。
【0022】
図18は、ハンドラ10及びコネクタ‐ハンドラアダプタ100の部分分解組立て図である。コネクタ‐ハンドラアダプタ100は、迅速且つ容易であり、しかも確実な成端部を作るためにハンドラ10と嵌合する。例えば、ハンドラ10は、コネクタ‐ハンドラアダプタ100に機械的に取り付け可能であり、例えば、これにラッチ止めし、機械的作動手段を用いて成端部を作る。コネクタ‐ハンドラアダプタ100は、従来型アダプタとは異なっている。というのは、従来型アダプタは、光コネクタと嵌合するためにそれぞれの端部内に光コネクタを受け入れるからである。他方、コネクタ‐ハンドラアダプタ100は、コネクタを一端で受け入れるに過ぎず、他端は、図17に示されているようにハンドラ10を受け入れる。この実施形態は、後側部分のところにフェルールアダプタを有するコネクタ‐ハンドラアダプタ100を示しているが、他の実施形態は、光ファイバジャッキとして構成されても良く(即ち、光ファイバコネクタを受け入れなくても良く)、各端部のところに挿入されたハンドラを有しても良い等である。
【0023】
コネクタ‐ハンドラアダプタ100は、本体102及び端キャップ104を備えたハウジングを有するが、他のハウジングは、一体構造のものであっても良い。コネクタ‐ハンドラアダプタ100は、一端(即ち、後側部分)にカップラ107及び位置合わせスリーブ106を有している。組み立て時に、位置合わせスリーブ106は、カップラ107内に受け入れられる。この実施形態では、カップラ107は、反対側の他端部のところで成端組立体110を受け入れ、この成端組立体は、光ファイバコネクタ(図示せず)と後側端部のところで嵌合可能である。成端組立体110は、スプライス作動手段120により作動され、それにより成端部を固定する。その結果、コネクタ‐ハンドラアダプタ100は、カップラ107に係合するために光ファイバコネクタを後側部分のところで受け入れる構造体、例えばパッチパネル、アダプタパネル、壁取り付け型ボックス、モジュール、接続箱等に取り付け可能である。一例を挙げると、カップラの後側端部は、適当な光ファイバコネクタインターフェイス、例えばSC、ST、LC等に係合してこれを固定するよう構成されているのが良い。
【0024】
図19の断面図で最も良く示されているように、成端組立体110は、ホルダ111、光ファイバスタブ112、フェルール114及びスプライス部品、例えば下側スプライス部品116と上側スプライス部品118を有している。ホルダ111の後側部分にはフェルール114が固定されている。図示のように、光ファイバ32と光結合関係をなすために光ファイバスタブ112がフェルール114から延びる状態でこれに取り付けられている。ホルダ111は、光ファイバスタブ112を光ファイバ32に軸合わせするためのスプライス部品を収納状態で更に有している。具体的に説明すると、光ファイバスタブ112は、準備されたハンドラ10がコネクタ‐ハンドラアダプタ100に取り付けられると、光ファイバ32と一緒にスプライス部品相互間に配置される。この実施形態では、成端組立体110は、光ファイバスタブ112と光ファイバ32との間のメカニカルスプライスを作るために光ファイバスタブ112を光ファイバ32に軸合わせしてこれを固定するよう互いに協働する下側スプライス部品116及び上側スプライス部品118を有している。スプライス部品は、これら相互間に、光ファイバを軸合わせすると共に固定する溝又は小径通路を形成する。さらに、スプライス部品は、各端部に位置していて、スプライス部品の各端部への光ファイバの受け入れを助ける引き込み部分を形成するのが良い。例えば、この実施形態は、上側スプライス部品118を下側スプライス部品116に向かって押すために上側スプライス部品118に係合するスプライス作動手段120を用いた機械的作動手段を用いており、それにより、光ファイバスタブ112及び光ファイバ32を上側スプライス部品118と下側スプライス部品116との間にクランプすることによりメカニカルスプライスを形成している。
【0025】
簡単に説明すると、ハンドラ10に図16に示されているようにケーブル30を取り付けて図17に示されているようにコネクタ‐ハンドラアダプタ100内に挿入してこれに取り付けた後、光ファイバ32と光ファイバスタブ112を互いに突き合わせる。しかる後、スプライス作動手段120を本体102内に押し込み、このスプライス作動手段は、ホルダ111を介して露出状態にある上側スプライス部品118の突出部(参照符号は付与されていない)を押す。この実施形態は、解除可能ではなく又は可逆的ではないスプライス作動手段を示しているが、他のスプライス作動手段は、スプライス作動手段に関して解除可能な又は可逆的な特徴部を有しても良い。ハンドラ10及びこれと協働する構造体は、これら部品を嵌合のために正しい向きに位置合わせすると共に案内する互いに相補するキー止め特徴部を更に有するのが良い。さらに、これら構造体は、これら部品を嵌合状態に保つと共に/或いはこれら部品を可逆的に解除するための任意適当な形式の固定又はラッチ止め機構体を有するのが良い。
【0026】
一例を挙げると、図20〜図24は、解除可能であると共に可逆的であるスプライス作動手段に関する技術的思想を示している。具体的に説明すると、図20〜図24は、ハンドラ及び成端組立体の光ファイバスタブによって保持された光ファイバ相互間に光結合部を作るためのウェッジ作動手段を備えた成端のための機械的作動手段を示している。より具体的に説明すると、図20及び図21は、それぞれ、成端組立体210及びシュラウド212を示しており、このシュラウドは、図22に示されているようにスプライス作動手段に関して相互作用するそれぞれのウェッジ表面を有している。成端組立体210は、成端組立体110とほぼ同じであるが、異なる形式の機械的作動手段を有している。成端組立体210は、ホルダ211を有し、このホルダは、スプライス部品(見えない)をホルダ211内で互いに押すよう撓む片持ちアームとして構成されたウェッジ部分211aを備えている。ウェッジ部分211aは、光ファイバ支持体又はシュラウド212に設けられたウェッジ部分212aと相互作用する。ウェッジ部分212aは、シュラウド212の前部から延びる突出部である。簡単に説明すると、ウェッジ部分212aは、ウェッジ部分211aと相互作用してこれを押し(即ち、ホルダのウェッジは、ホルダの片持ちアームを撓ませる)、スプライス部品を互いに上方に押し、それにより、光ファイバスタブ及び光ファイバを定位置に固定することによりメカニカルスプライスを形成する。図23は、スプライス部品216,218を互いに押すためのウェッジ部分211aとウェッジ部分212aの相互作用を説明する拡大詳細図である。上述したように、スプライス部品216,218は、これらの間に光ファイバスタブ112及び光ファイバ32をクランプすることによりメカニカルスプライスを形成している。図24は、ハンドラ210が取り付けられたコネクタ‐ハンドラアダプタ240の一部分を形成する成端組立体210を示している。図25は、嵌合前におけるコネクタ‐ハンドラアダプタ240及びハンドラ210の斜視図であり、図26は、例えば嵌合の際、シュラウド212が引っ込められて光ファイバ32が露出された状態のハンドラ210の斜視図である。図27〜図30は、他の種々の断面図を示している。このスプライス作動手段は、解除可能であると共に可逆的である。というのは、ハンドラ210を離脱させると、ウェッジ相互間の相互作用が解除され、ハンドラ210を再び挿入すると、再び生じさせることができる。当然のことながら、他のウェッジ作動手段の採用が可能であり、例えば、スプライス作動手段のためのウェッジ部分をスプライス部品に設けることができる。他の変形例は、スプライス作動手段のための単一のウェッジ表面を用いても良い。
【0027】
図31〜図37は、解除可能ではなく、可逆的でもないスプライス作動手段に関する別の技術的思想を示している。しかしながら、これらの図に示されている技術的思想は、これが解除機構体を更に有する場合、解除可能であると共に可逆的である場合がある。具体的に説明すると、図31〜図37は、ハンドラの光ファイバと成端組立体の光ファイバスタブとの間にメカニカルスプライスを固定するためにばね作動手段を用いた成端組立体用の機械的作動手段を示している。図31及び図32は、それぞれ、図31に示されているようなスプライス作動手段のために互いに相互作用する成端組立体310及び光ファイバ支持体又はシュラウド312の部分を示している。成端組立体310は、成端組立体110とほぼ同じであるが、ばね押しされた機械的作動手段を有している。具体的に説明すると、成端組立体310は、開口部311aを備えたホルダ311を有し、その結果、スプライス作動手段320は、いったん開口部310と位置合わせされると開口部310aを通過してスプライス部品316,318を互いに押すようになっている。換言すると、シュラウド312の前部に設けられた突出部は、ハンドラを挿入しているときにスプライス作動手段320を左側に押し、ついには、スプライス作動手段320は、開口部310aと位置が合い、その結果、スプライス作動手段320は、スプライス部品まで動くようになっている。この実施形態では、スプライス作動手段320は、弾性部材322、例えば圧縮ばねを用いてスプライス部品に向かって付勢される。他の弾性部材及び/又は形態の例としては、ボタンと一体化された板ばね、皿座金等が挙げられるが、これらには限定されない。図33は、嵌合前におけるコネクタ‐ハンドラアダプタ340及びハンドラ300の斜視図であり、図34は、例えば嵌合の際、シュラウド312が引っ込められて光ファイバ32が露出された状態のハンドラ300の斜視図である。図35〜図37は、スプライス作動手段320の動作原理を示す種々の他の断面図である。
【0028】
図38〜図43は、ハンドラの光ファイバと成端組立体の光ファイバスタブとの間のメカニカルスプライスを固定するためのカム作動手段を用いる成端組立体用の別の機械的作動手段を示す図である。図38は、伸長位置にあるハンドラ400の光ファイバ支持体又はシュラウド412を示すハンドラ400及びコネクタ‐ハンドラアダプタ440の斜視図であり、図39は、ハンドラのシースが引き込み位置にあり、それにより光ファイバ32が露出された状態を示すハンドラ400及びコネクタ‐ハンドラアダプタ440の斜視図である。成端組立体410は、成端組立体110とほぼ同じであるが、カム作動される機械的作動手段を有している。図40〜図42は、1つ又は2つ以上の溝(参照符号は付与されていない)を備えたカム411を有する成端組立体410の種々の図であり、その結果、スプライス作動手段420は、シュラウド412に設けられている1対のボス412aと係合すると、回転し、それにより、スプライス部品416,418を互いに押す。換言すると、シュラウド412の前部に設けられたボス412aは、カム411の溝と位置が合ってこれに係合し、そしてカム411を回転させ、ハンドラ400は、スプライス部品を一緒に動かす。さらに、ハンドラ400をコネクタ‐ハンドラアダプタ440から離脱させると共に取り外すと、スプライス作動手段が解除され、これは、ハンドラ400を再び挿入した場合に可逆的である。図43は、ボス412aと成端組立体410との間のカム相互作用を説明する横断面図である。
【0029】
図44〜図48は、ハンドラの光ファイバとコネクタ‐ハンドラアダプタの光ファイバスタブとの間の光結合部を作るための別の機械的作動手段の技術的思想を示す図である。図44は、ハンドラ500及び解除可能且つ可逆的なスプライス作動手段を備えたコネクタ‐ハンドラアダプタ540の斜視図である。成端組立体510は、くさびの作用により作動される機械的作動手段を備えた成端組立体210とほぼ同じであるが、解除ボタン519を用いて解除可能である。図45〜図48は、コネクタ‐ハンドラアダプタ540に取り付けられたハンドラ500の種々の断面図である。具体的に説明すると、図45及び図46は、コネクタ‐ハンドラアダプタ540内に挿入されてこれに取り付けられたハンドラ500を示しており、それにより、解除ボタン519は、係合位置まで上方に押されている。換言すると、シュラウド512のウェッジ部分(参照符号は付与されていない)は、スプライス部品を互いに押すと共に解除ボタンを係合位置まで押す。しかしながら、この実施形態では、くさび形表面を用いてシュラウド512を後方に押すことにより解除ボタン519を下方に押してスプライス作動手段を解除することができる(即ち、離脱させることができる)。一例を挙げると、図47及び図48は、下方に押されてシュラウド512を後方に押した解除ボタン519を示しており、それにより、スプライス作動手段が解除されている。ハンドラ500は、取り外されて異なるコネクタ‐ハンドラアダプタにより再構成可能であり、又は、同一のコネクタ‐ハンドラアダプタにより再び成端可能である。
【0030】
図49〜図55は、ハンドラの光ファイバとコネクタ‐ハンドラアダプタの光ファイバスタブとの間の光結合部を作るための別の機械的作動手段の技術的思想を示す図である。図49は、ハンドラ600及び解除可能且つ可逆的なスプライス作動手段を備えたコネクタ‐ハンドラアダプタ640の斜視図である。成端組立体610は、くさびの作用により作動される機械的作動手段を備えた成端組立体210とほぼ同じであるが、長手方向に摺動する解除ボタン619を用いて解除可能である。図50及び図53に最も良く示されているように、解除ボタン619は、係合位置と離脱位置との間で摺動可能である。図50〜図52は、コネクタ‐ハンドラアダプタ640に取り付けられたハンドラ600の種々の図である。具体的に説明すると、図50〜図52は、コネクタ‐ハンドラアダプタ640内に挿入されてこれに取り付けられたハンドラ600を示しており、それにより、解除ボタン619は、係合位置まで前方に押されている。換言すると、シュラウド612は、スプライス部品を互いに押すと共に解除ボタンを係合位置まで押す。しかしながら、この実施形態では、シュラウド612を後方に押すことにより解除ボタン619を後方に押してスプライス作動手段を解除することができる(即ち、離脱させることができる)。一例を挙げると、図53〜図55は、後方に押されてシュラウド612を後方に押した解除ボタン619を示しており、それにより、スプライス作動手段が解除される。ハンドラ600は、取り外されて異なるコネクタ‐ハンドラアダプタにより再構成可能であり、又は、同一のコネクタ‐ハンドラアダプタにより再び成端可能である。
【0031】
さらに別の実施形態では、ハンドラは、アダプタをコネクタに一体化させるのではなく、光ファイバコネクタに取り付け可能である。図56は、ハンドラ700が光ファイバコネクタ730に取り付けられて光ファイバコネクタの一部分をなしている成端の完成状態を示している。ハンドラ700は、例えばスナップ嵌め等により光ファイバコネクタ530の一部分(即ち、後側端部)に取り付けられる。しかる後、作業者は、光ファイバコネクタ730を所望に応じてアダプタ等内に差し込むことができる。
【0032】
光ファイバコネクタ230は、ハンドラ700内に固定された光ファイバとメカニカルスプライス接続関係をなすスタブ光ファイバ736を備えた光ファイバフェルール734を有している。さらに、光ファイバコネクタ730は、光ファイバ相互間のメカニカルスプライス接続部を構成する少なくとも1つのスプライス部品を収納状態で備えたフェルールホルダ(見えない)を有している。ハンドラ700は、前処理された光ファイバをコネクタ内に案内して損傷を阻止する。というのは、前処理された光ファイバは、ストリッパとの協働により又は他の適当な仕方で適当な長さに劈開されるからである。ハンドラ700は、前処理された光ファイバをコネクタ内に案内し、損傷を阻止する。というのは、前処理された光ファイバは、正しい長さに劈開されるからでる。しかる後、適当な構造体を作動させてハンドラ700によって保持されている光ファイバと光ファイバコネクタ730のスタブ光ファイバ(見えない)との間の内部メカニカルスプライス接続を達成する。しかる後、光ファイバコネクタを適当な試験工具を用いて連続性試験を実施するのが良い。
【0033】
図56に示されている実施形態では、ハンドラ700は、光ファイバコネクタ730の外側部分に取り付けられているが、他の実施形態では、光ファイバコネクタの他の部分/コンポーネントに取り付けられても良い。具体的に説明すると、ハンドラ700は、スプライスハウジング756の一部分に取り付けられており、スプライスハウジング756のこの部分を外側ハウジングに対して回転させると、スプライスハウジングは、スプライスハウジング内の1つ又は2つ以上のスプライス部品を開放位置から閉鎖位置に作動させ、それにより、光ファイバ相互間のメカニカルスプライスを固定する。
【0034】
上述の実施形態のどれについても、ハンドラの前側端部から光ファイバは、スタブを光ファイバからハンドラの前側端部又は他の基準面、例えばラッチ止めボスまでの距離よりも僅かに長い距離を有するのが良く(即ち、光ファイバが延びる長さは、ラッチ止めボスからスタブ光ファイバの後側端面までの距離よりも長い)、それにより、光ファイバコネクタ内への挿入時に光ファイバに曲がり部を生じさせてスタブ光ファイバとハンドラによって固定されている光ファイバとの物理的接触(直接接触ともいう)を保証する。換言すると、光ファイバの曲がり部は、ハンドラ内に固定されている光ファイバをスタブ光ファイバの方に向かって押すばね力を生じさせる。さらに、光ファイバハンドラ700は、作業者により光ファイバコネクタ730から解除可能であり、それにより、光ファイバを必要ならば再位置決めすると共に/或いは再固定する。簡単に説明すると、スプライス作動機構体を逆にして光ファイバに加わるスプライス部品のクランプ力をゼロにする。次に、ハンドラを光ファイバコネクタから取り外し、ハンドラを開いて光ファイバをハンドラから解除し、それにより前処理及び成端時にもう一度試行のために再位置決めすると共に前処理する。しかしながら、他の実施形態は、必要ならば、ワンショット成端形式の設計により永続的であっても良い。
【0035】
さらに、作動機構体は、メカニカルスプライスが所望の性能レベルを満たしている場合、スプライス部品の解除を可能にする非作動及び/又は再活性特徴部を有するのが良い。換言すると、作業者は、スプライス部品に加わる付勢力を除き、光ファイバを再位置決めすると共に/或いは再劈開することによりスプライスを実施するのが良く、次に、光ファイバを再位置決め/再挿入して適当なメカニカルスプライス接続を行なうことができる。一例を挙げると、外側ハウジングをスプライスハウジングに対して一方向に回転させてスプライス部品を互いに付勢するのが良く、次に外側ハウジングを他方の方向に回転させてスプライス部品に加わる付勢力を除く。
【0036】
図57及び図58は、それぞれ、開放位置で示されたハンドラ700の斜視図及び端面図である。ハンドラ700は、互いに取り付けられる第1の部分712及び第2の部分714を有している。第2の部分714は、第1の部分712に対して回動することができ(これとは逆の関係が成り立つ)、ハンドラ700は、このハンドラを貫通して第1の端部711から第2の端部713まで延びていて、1本又は2本以上に光ファイバを受け入れる通路(参照符号は付与されていない)を備えている。この実施形態では、第1の部分712と第2の部分714との間の回動軸線は、光ファイバのための通路に全体として垂直である。
【0037】
ハンドラ700は、第1の部分712を第2の部分714に対して回動させることにより少なくとも1本の光ファイバをハンドラ700に固定して光ファイバ、バッファ層等にクランプすることができるよう構成されているのが良い。図58は、第1の部分712と第2の部分714との間に形成されていて、多くのサイズの光ファイバ又はバッファ付き光ファイバ(即ち、裸光ファイバ、被覆光ファイバ又はアップコート付き/バッファ付き光ファイバ)を固定するクランプ部分(参照符号は付与されていない)を構成する通路を示すハンドラ700の端面図である。具体的に説明すると、ハンドラ700は、一端に隣接して位置する回動箇所716及び他端に隣接して位置していて、第1の部分712を第2の部分714に固定するラッチ止め部分718を有している。ピボット箇所716は、ハンドラ700の後側端部に隣接して位置し、ラッチ止め部分718は、ハンドラ700の前側端部に隣接して位置しているが、この構成は、他の実施形態では逆であっても良い。ハンドラ700は、第2の部分714に設けられていて、第1の部分712を閉鎖位置で第2の部分714に固定する弾性フィンガ(参照符号は付与されていない)を用いている。さらに、第1の部分712の一部は、ハンドラ700が開放及び/又は閉鎖位置にあるとき、第2の部分714の一部内に嵌まり込み、それにより、比較的コンパクトな設計が得られる。図示のように、光ファイバハンドラ700は、弾性部材又はばねを用いて外方の位置に付勢される光ファイバ支持体(参照符号は付与されていない)を更に有している。
【0038】
ハンドラ700は、第2のラッチ止め特徴部を用いて光ファイバコネクタ730に解除可能な仕方で取り付け可能に構成されている。ハンドラ700は、第2の端部713に隣接して示されているように、ラッチ止め部分718の下に位置する第2のラッチ止め特徴部(参照符号は付与されていない)、例えば1つ又は2つ以上の凹部を有している。ハンドラ700の第2のラッチ止め特徴部は、光ファイバコネクタ730のラッチ止め構造体、例えばスプライスハウジング756に設けられている弾性ラッチ止めフィンガと協働する。簡単に説明すると、ハンドラ700が光ファイバコネクタ730に対して完全に取り付けられると、光ファイバコネクタ730のラッチ止め構造体は、ハンドラ700のラッチ止め構造体とスナップ嵌め関係をなす。さらに、ラッチ止め特徴部は又、ハンドラ700のためのキー止め特徴部としての役目を果たす。ハンドラを光ファイバコネクタ730に挿入してこれに固定すると、ハンドラ700によって固定された光ファイバは、引き込み部を通過して挿入され、そしてスプライス部品のところに位置決めされ、そしてスタブ光ファイバ736に突き合わされる。さらに、光ファイバは、スタブ光ファイバ736との物理的接触状態を維持するための曲がり部を有する。というのは、この光ファイバは、光ファイバコネクタ内の距離よりも僅かに長いからである。この場合、作業者は、作動特徴部を回転させることによりメカニカルスプライスを固定するのが良く、それにより、光ファイバをこの中にクランプし、機械的成端プロセスを完了させる。
【0039】
作動特徴部756は、1つ又は2つ以上のスプライス部品を付勢するためにスプライスハウジングに対する適当な運動、例えば回転運動を利用する。具体的に説明すると、作動特徴部756は、1つ又は2つ以上のスプライス部品を付勢するカム面(即ち、偏心面)を有し、それにより、スタブ光ファイバ736とハンドラ内に固定された光ファイバとの突き合わせ状態を確保する。
【0040】
簡単に説明すると、作動特徴部756、この場合、カム面は、スプライスハウジングを回転させているときにスプライスハウジングの窓を貫通している1つ又は2つ以上のスプライス部品のキール(keel)を押し、それにより、スプライス部品を互いに付勢し、光ファイバの相互突き合わせ状態を確保する。この実施形態では、外側ハウジング750は、LCコネクタのフットプリントを備え、この外側ハウジングは、そのいずれかの側に設けられたラッチ耳部(参照符号は付与されていない)と一緒に成形されていて、LCコネクタをLCアダプタ内に固定するラッチ758を有している。当然のことながら、開示した技術思想は、他の光ファイバコネクタフットプリントに利用できる。
【0041】
当該技術分野において知られているように、光ファイバコネクタのコンポーネント(即ち、スプライスハウジング及び/又はスプライスコンポーネント)等のうちの1つ又は2つ以上又はこれらコンポーネントの幾つかの部分は、作業者及び/又は工具が知られているようにメカニカルスプライスの連続性を評価するためにメカニカルスプライスのグローを視認することができるよう半透明であるのが良い。例えば、米国特許第6,816,661号明細書は、メカニカルスプライスの連続性を評価する方法を開示している。さらに、ハウジング又は他のコンポーネントは、メカニカルスプライスの連続性を評価するためにメカニカルスプライスのグローを視認するための1つ又は2つ以上のビューポートを有するのが良い。
【0042】
好ましい実施形態及び特定の実施例を図示すると共に本明細書において説明したが、他の実施形態及び他の実施例が実質的に同一の機能を実行すると共に/或いは実質的に同一の結果を達成できることは当業者には容易に明らかであろう。このような均等例としての実施形態及び実施例の全ては、開示内容の精神及び範囲に含まれると共に特許請求の範囲に記載された本発明の範囲に含まれるものである。また、図示の実施形態の種々の改造例及び変形例を想到できることは当業者には明らかであろう。開示内容及び/又は特許請求の範囲に記載された本発明の範囲は、これら改造例及び変形例を含むものである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
機械的成端部を作る光ファイバハンドラであって、
前記光ファイバハンドラを貫通して延び、前記光ファイバハンドラの互いに反対側の端に開口した前側端及び後側端を備えた通路を有し、前記光ファイバハンドラは、1本又は2本以上の光ファイバを前記光ファイバハンドラ内に収容状態で固定することができ、前記光ファイバハンドラは、成端部のために前記1本又は2本以上の光ファイバを前処理する少なくとも1つの光ファイバ前処理工具と協働することができ、前記光ファイバハンドラは、前記成端部の一部分をなしている、光ファイバハンドラ。
【請求項2】
光ファイバ又はケーブルに取り付け可能な固定機構体を更に有する、請求項1記載の光ファイバハンドラ。
【請求項3】
前記光ファイバハンドラは、裸の光ファイバ又はバッファ付き光ファイバを固定することができる、請求項1記載の光ファイバハンドラ。
【請求項4】
シュラウドが前記光ファイバハンドラの長手方向に沿って動くことができる、請求項1記載の光ファイバハンドラ。
【請求項5】
前記シュラウドは、少なくとも1つのボス又は少なくとも1つの突起を有する、請求項4記載の光ファイバハンドラ。
【請求項6】
前記少なくとも1つの光ファイバ前処理工具は、光ファイバを切断するクレーバであり、前記クレーバは、前記光ファイバハンドラにより固定された前記光ファイバを所定長さに切断するために前記光ファイバハンドラを前記クレーバに位置合わせすると共に位置決めするインターフェイスを有する、請求項1記載の光ファイバハンドラ。
【請求項7】
前記クレーバは又、前記光ファイバを被覆除去する、請求項6記載の光ファイバハンドラ。
【請求項8】
前記少なくとも1つの光ファイバ前処理工具は、1つ又は2つ以上の被覆を光ファイバから除去するストリッパであり、前記ストリッパは、前記光ファイバハンドラとインターフェイスするよう構成されている、請求項1記載の光ファイバハンドラ。
【請求項9】
前記光ファイバハンドラは、作業者のために前記少なくとも1つの光ファイバ前処理工具内にあらかじめ装填されている、請求項1記載の光ファイバハンドラ。
【請求項10】
少なくとも1本の光ファイバに取り付け可能な光ファイバ光ファイバハンドラであって、
第1の部分を有し、
第2の部分を有し、前記第2の部分は、前記第1の部分に対して回動することができ、前記光ファイバハンドラは、前記光ファイバハンドラを貫通して前記光ファイバハンドラの第1の端から第2の端まで延びる通路を備え、前記光ファイバハンドラは、前記第1の部分を前記第2の部分に対して回動させることにより少なくとも1本の光ファイバを前記光ファイバハンドラに固定することができ、
前記光ファイバハンドラの長手方向に沿って動くことができる光ファイバ支持体を有する、光ファイバハンドラ。
【請求項11】
前記光ファイバハンドラは、前記第1の端に隣接して位置する回動点及び第2の端に隣接して位置していて、前記第1の部分を前記第2の部分に固定するラッチ止め部分を有する、請求項10記載の光ファイバハンドラ。
【請求項12】
前記回動点は、全体として前記通路に垂直な回動軸線を有する、請求項11記載の光ファイバハンドラ。
【請求項13】
前記光ファイバハンドラを別の構造体に取り付けるための少なくとも1つのラッチ止め特徴部を更に有する、請求項10記載の光ファイバハンドラ。
【請求項14】
前記光ファイバハンドラは、キー止め特徴部を更に有する、請求項10記載の光ファイバハンドラ。
【請求項15】
前記第1の部分の一部は、前記第2の部分の一部内に嵌まり込む、請求項10記載の光ファイバハンドラ。
【請求項16】
前記通路は、裸の光ファイバ、被覆光ファイバ、又はアップコート付き光ファイバを固定するクランプ部分を備えている、請求項10記載の光ファイバハンドラ。
【請求項17】
前記光ファイバ支持体は、弾性部材を用いて外方に付勢される、請求項10記載の光ファイバハンドラ。
【請求項18】
前記光ファイバハンドラは、前記光ファイバコネクタの一部分をなすよう前記光ファイバコネクタに取り付けられる、請求項10記載の光ファイバハンドラ。
【請求項19】
前記光ファイバハンドラは、成端部のために前記少なくとも1本の光ファイバを前処理する少なくとも1つの光ファイバ前処理工具と協働することができる、請求項10記載の光ファイバハンドラ。
【請求項20】
前記少なくとも1つの光ファイバ前処理工具は、光ファイバを切断するクレーバであり、前記クレーバは、前記光ファイバハンドラにより固定された前記光ファイバを所定長さに合わせて前処理するために前記光ファイバハンドラを前記クレーバに位置合わせすると共に位置決めするインターフェイスを有する、請求項19記載の光ファイバハンドラ。
【請求項21】
前記少なくとも1つの光ファイバ前処理工具は、1つ又は2つ以上の被覆を前記光ファイバハンドラにより固定された光ファイバから除去するストリッパであり、前記ストリッパは、前記光ファイバハンドラとインターフェイスするよう構成されている、請求項10記載の光ファイバハンドラ。
【請求項22】
前記光ファイバハンドラは、作業者のために前記少なくとも1つの光ファイバ前処理工具内にあらかじめ装填されている、請求項19記載の光ファイバハンドラ。
【請求項23】
前記光ファイバハンドラは、少なくとも1本の光ファイバに固定され、前記光ファイバハンドラは、前記少なくとも1本の光ファイバを再位置決めすると共に/或いは再固定するために作業者により前記少なくとも1本の光ファイバから解除可能である、請求項19記載の光ファイバハンドラ。
【請求項24】
成端部のために光ファイバを前処理する方法であって、
光ファイバを用意するステップと、
前記成端部の一部分をなす光ファイバハンドラを用意するステップと、
前記光ファイバを前記光ファイバハンドラに固定するステップと、
光ファイバ前処理工具を用意するステップとを有し、前記光ファイバハンドラは、成端部のために前記光ファイバを前処理するよう前記光ファイバ前処理工具とインターフェイスする、方法。
【請求項25】
前記光ファイバハンドラを成端組立体に取り付けるステップを更に有する、請求項24記載の方法。
【請求項26】
前記光ファイバ前処理工具は、被覆除去工具、クリーニング工具、被覆除去/クリーニング工具、及び劈開工具から成る群から選択される、請求項24記載の方法。
【請求項27】
前記光ファイバは、裸の光ファイバ又はバッファ付き光ファイバである、請求項24記載の方法。
【請求項28】
機械的成端部を作るコネクタ‐ハンドラアダプタであって、前記コネクタ‐ハンドラアダプタは、
ハンドラを受け入れるよう構成された第1の端部及び光ファイバコネクタを受け入れる第2の端部を備えたハウジングと、
第1のスプライスコンポーネント、第2のスプライスコンポーネント、及びメカニカルスプライス作動手段を含む成端組立体とを有する、コネクタ‐ハンドラアダプタ。
【請求項29】
前記機械的スプライス作動手段は、スプライス作動手段、ウェッジ作動手段、ばね作動手段、及びカム作動手段から成る群から選択される、請求項28記載のコネクタ‐ハンドラアダプタ。
【請求項30】
前記成端組立体は、ホルダ、光ファイバスタブ、及びフェルールを更に含む、請求項28記載のコネクタ‐ハンドラアダプタ。
【請求項1】
機械的成端部を作る光ファイバハンドラであって、
前記光ファイバハンドラを貫通して延び、前記光ファイバハンドラの互いに反対側の端に開口した前側端及び後側端を備えた通路を有し、前記光ファイバハンドラは、1本又は2本以上の光ファイバを前記光ファイバハンドラ内に収容状態で固定することができ、前記光ファイバハンドラは、成端部のために前記1本又は2本以上の光ファイバを前処理する少なくとも1つの光ファイバ前処理工具と協働することができ、前記光ファイバハンドラは、前記成端部の一部分をなしている、光ファイバハンドラ。
【請求項2】
光ファイバ又はケーブルに取り付け可能な固定機構体を更に有する、請求項1記載の光ファイバハンドラ。
【請求項3】
前記光ファイバハンドラは、裸の光ファイバ又はバッファ付き光ファイバを固定することができる、請求項1記載の光ファイバハンドラ。
【請求項4】
シュラウドが前記光ファイバハンドラの長手方向に沿って動くことができる、請求項1記載の光ファイバハンドラ。
【請求項5】
前記シュラウドは、少なくとも1つのボス又は少なくとも1つの突起を有する、請求項4記載の光ファイバハンドラ。
【請求項6】
前記少なくとも1つの光ファイバ前処理工具は、光ファイバを切断するクレーバであり、前記クレーバは、前記光ファイバハンドラにより固定された前記光ファイバを所定長さに切断するために前記光ファイバハンドラを前記クレーバに位置合わせすると共に位置決めするインターフェイスを有する、請求項1記載の光ファイバハンドラ。
【請求項7】
前記クレーバは又、前記光ファイバを被覆除去する、請求項6記載の光ファイバハンドラ。
【請求項8】
前記少なくとも1つの光ファイバ前処理工具は、1つ又は2つ以上の被覆を光ファイバから除去するストリッパであり、前記ストリッパは、前記光ファイバハンドラとインターフェイスするよう構成されている、請求項1記載の光ファイバハンドラ。
【請求項9】
前記光ファイバハンドラは、作業者のために前記少なくとも1つの光ファイバ前処理工具内にあらかじめ装填されている、請求項1記載の光ファイバハンドラ。
【請求項10】
少なくとも1本の光ファイバに取り付け可能な光ファイバ光ファイバハンドラであって、
第1の部分を有し、
第2の部分を有し、前記第2の部分は、前記第1の部分に対して回動することができ、前記光ファイバハンドラは、前記光ファイバハンドラを貫通して前記光ファイバハンドラの第1の端から第2の端まで延びる通路を備え、前記光ファイバハンドラは、前記第1の部分を前記第2の部分に対して回動させることにより少なくとも1本の光ファイバを前記光ファイバハンドラに固定することができ、
前記光ファイバハンドラの長手方向に沿って動くことができる光ファイバ支持体を有する、光ファイバハンドラ。
【請求項11】
前記光ファイバハンドラは、前記第1の端に隣接して位置する回動点及び第2の端に隣接して位置していて、前記第1の部分を前記第2の部分に固定するラッチ止め部分を有する、請求項10記載の光ファイバハンドラ。
【請求項12】
前記回動点は、全体として前記通路に垂直な回動軸線を有する、請求項11記載の光ファイバハンドラ。
【請求項13】
前記光ファイバハンドラを別の構造体に取り付けるための少なくとも1つのラッチ止め特徴部を更に有する、請求項10記載の光ファイバハンドラ。
【請求項14】
前記光ファイバハンドラは、キー止め特徴部を更に有する、請求項10記載の光ファイバハンドラ。
【請求項15】
前記第1の部分の一部は、前記第2の部分の一部内に嵌まり込む、請求項10記載の光ファイバハンドラ。
【請求項16】
前記通路は、裸の光ファイバ、被覆光ファイバ、又はアップコート付き光ファイバを固定するクランプ部分を備えている、請求項10記載の光ファイバハンドラ。
【請求項17】
前記光ファイバ支持体は、弾性部材を用いて外方に付勢される、請求項10記載の光ファイバハンドラ。
【請求項18】
前記光ファイバハンドラは、前記光ファイバコネクタの一部分をなすよう前記光ファイバコネクタに取り付けられる、請求項10記載の光ファイバハンドラ。
【請求項19】
前記光ファイバハンドラは、成端部のために前記少なくとも1本の光ファイバを前処理する少なくとも1つの光ファイバ前処理工具と協働することができる、請求項10記載の光ファイバハンドラ。
【請求項20】
前記少なくとも1つの光ファイバ前処理工具は、光ファイバを切断するクレーバであり、前記クレーバは、前記光ファイバハンドラにより固定された前記光ファイバを所定長さに合わせて前処理するために前記光ファイバハンドラを前記クレーバに位置合わせすると共に位置決めするインターフェイスを有する、請求項19記載の光ファイバハンドラ。
【請求項21】
前記少なくとも1つの光ファイバ前処理工具は、1つ又は2つ以上の被覆を前記光ファイバハンドラにより固定された光ファイバから除去するストリッパであり、前記ストリッパは、前記光ファイバハンドラとインターフェイスするよう構成されている、請求項10記載の光ファイバハンドラ。
【請求項22】
前記光ファイバハンドラは、作業者のために前記少なくとも1つの光ファイバ前処理工具内にあらかじめ装填されている、請求項19記載の光ファイバハンドラ。
【請求項23】
前記光ファイバハンドラは、少なくとも1本の光ファイバに固定され、前記光ファイバハンドラは、前記少なくとも1本の光ファイバを再位置決めすると共に/或いは再固定するために作業者により前記少なくとも1本の光ファイバから解除可能である、請求項19記載の光ファイバハンドラ。
【請求項24】
成端部のために光ファイバを前処理する方法であって、
光ファイバを用意するステップと、
前記成端部の一部分をなす光ファイバハンドラを用意するステップと、
前記光ファイバを前記光ファイバハンドラに固定するステップと、
光ファイバ前処理工具を用意するステップとを有し、前記光ファイバハンドラは、成端部のために前記光ファイバを前処理するよう前記光ファイバ前処理工具とインターフェイスする、方法。
【請求項25】
前記光ファイバハンドラを成端組立体に取り付けるステップを更に有する、請求項24記載の方法。
【請求項26】
前記光ファイバ前処理工具は、被覆除去工具、クリーニング工具、被覆除去/クリーニング工具、及び劈開工具から成る群から選択される、請求項24記載の方法。
【請求項27】
前記光ファイバは、裸の光ファイバ又はバッファ付き光ファイバである、請求項24記載の方法。
【請求項28】
機械的成端部を作るコネクタ‐ハンドラアダプタであって、前記コネクタ‐ハンドラアダプタは、
ハンドラを受け入れるよう構成された第1の端部及び光ファイバコネクタを受け入れる第2の端部を備えたハウジングと、
第1のスプライスコンポーネント、第2のスプライスコンポーネント、及びメカニカルスプライス作動手段を含む成端組立体とを有する、コネクタ‐ハンドラアダプタ。
【請求項29】
前記機械的スプライス作動手段は、スプライス作動手段、ウェッジ作動手段、ばね作動手段、及びカム作動手段から成る群から選択される、請求項28記載のコネクタ‐ハンドラアダプタ。
【請求項30】
前記成端組立体は、ホルダ、光ファイバスタブ、及びフェルールを更に含む、請求項28記載のコネクタ‐ハンドラアダプタ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4b】
【図4c】
【図4d】
【図5a】
【図5b】
【図6a】
【図6b】
【図7a】
【図7b】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図43】
【図44】
【図45】
【図46】
【図47】
【図48】
【図49】
【図50】
【図51】
【図52】
【図53】
【図54】
【図55】
【図56】
【図57】
【図58】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4b】
【図4c】
【図4d】
【図5a】
【図5b】
【図6a】
【図6b】
【図7a】
【図7b】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図43】
【図44】
【図45】
【図46】
【図47】
【図48】
【図49】
【図50】
【図51】
【図52】
【図53】
【図54】
【図55】
【図56】
【図57】
【図58】
【公表番号】特表2012−515936(P2012−515936A)
【公表日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−546421(P2011−546421)
【出願日】平成22年1月19日(2010.1.19)
【国際出願番号】PCT/US2010/021346
【国際公開番号】WO2010/083499
【国際公開日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【出願人】(509300522)コーニング ケーブル システムズ リミテッド ライアビリティ カンパニー (23)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年1月19日(2010.1.19)
【国際出願番号】PCT/US2010/021346
【国際公開番号】WO2010/083499
【国際公開日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【出願人】(509300522)コーニング ケーブル システムズ リミテッド ライアビリティ カンパニー (23)
【Fターム(参考)】
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