説明

光レセプタクル及び光モジュール

【課題】 特に、フェルールの接続孔への挿抜によるフェルール表面への削り屑の付着を抑制し、さらには優れた溶接性及びスリーブの寸法精度を確保することが可能な光レセプタクル及び光モジュールを提供することを目的としている。
【解決手段】 フェルールを接続するための接続孔30を有する光レセプタクル1において、第1孔6を備える本体部材4と、前記第1孔6内に収納され、第2孔12を備えるスリーブ5と、を有し、前記スリーブ5は前記第1孔6の挿入口側6aに設けられ、前記第2孔12から前記第1孔6に通ずる前記接続孔30が構成されており、前記スリーブ5は、前記本体部材4よりも硬度が高いセラミックス材料で形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フェルールを接続するための接続孔を備える光レセプタクル及び光モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
下記に示す特許文献には光レセプタクルに関する発明が開示されている。光レセプタクルは、フェルールに対する接続孔を備える。光レセプタクルを構成する本体部材は例えばフェライト系ステンレス鋼で形成される。
【0003】
従来では、光レセプタクルにフェルールの挿抜を繰り返すと、前記フェライト系ステンレス鋼が削れて削り屑がフェルールの表面に付着した。
【0004】
そのため、同じフェルールを複数の光レセプタクルに接続して所定の調整や試験を行う場合のように複数回の挿抜が繰り返されると、削り屑が前記フェルールの表面に徐々に付着し、フェルール径が太る結果、前記フェルールを光レセプタクルに接続できなくなる不具合が生じていた。
【0005】
特許文献2,3に記載された発明には、樹脂スリーブを備えた光レセプタクルに関する発明が開示されているが、樹脂スリーブの場合、フェルールに強い負荷がかかるような状況では樹脂の弾性変形によりフェルールの光レセプタクル内における位置が変化する可能性があり、また樹脂の経時変化により樹脂スリーブの性質が変化し、光学特性等に影響を及ぼす可能性もある。
【0006】
また特許文献4に記載された発明には、セラミックス等で形成されたスリーブを備える光レセプタクルが開示されている。この文献では、スリーブがスリーブケース内を先端から後端にかけて貫通している。そして前記スリーブケースの基端側が第1ホルダに接続された構成となっているが、前記スリーブの一部が第1ホルダ方向に向けて突出した状態にあるため、スリーブの突出部分に圧力が加わるとスリーブの割れ等が生じやすい構造となっている。また、スリーブケースの基端面を溶接するような場合、スリーブが基端に露出した状態にあるため、溶接時の熱衝撃がスリーブにも伝わり、その結果、セラミックスで形成されたスリーブが割れたり、スリーブの寸法精度に影響を及ぼす可能性がある。また上記したスリーブケース等、スリーブを支持する部材の厚みが溶接面側である基端側で薄いような場合には、スリーブを基端側にまで設けると熱衝撃がスリーブにより伝わりやすく、スリーブに対する溶接の影響がより大きくなってしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2003−344716号公報
【特許文献2】特開平6−27353号公報
【特許文献3】特開平7−234344号公報
【特許文献4】特開2009−58555号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は上記従来の課題を解決するためのものであり、特に、フェルールの接続孔への挿抜によるフェルール表面への削り屑の付着を抑制し、さらには優れた溶接性及びスリーブの寸法精度を確保することが可能な光レセプタクル及び光モジュールを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、フェルールを接続するための接続孔を有する光レセプタクルにおいて、
第1孔を備える本体部材と、前記第1孔内に収納され、第2孔を備えるスリーブと、を有し、
前記本体部材には、外周面に凹部が形成された他の部分に比べて前記第1孔までの厚さが薄い薄肉部が形成されており、
前記スリーブは前記薄肉部よりも前記第1孔の挿入口側に設けられ、前記第2孔から前記第1孔に通ずる前記接続孔が構成されており、
前記スリーブは、前記本体部材よりも硬度が高いセラミックス材料で形成されていることを特徴とするものである。
【0010】
また本発明における光モジュールは、レンズ及び光学素子を有する光学装置が、本発明における光レセプタクルの基端側に接続されていることを特徴とするものである。
【0011】
本発明では、前記本体部材には、外周面に凹部が形成された他の部分に比べて前記第1孔までの厚さが薄い薄肉部が形成されている。前記凹部を、例えば、光学装置に対して本体部材を位置合わせする際の支持部(チャック部)として用いることが出来る。そして上記のように本体部材よりも硬度が高いセラミック材料から成るスリーブを本体部材に形成された前記薄肉部よりも第1孔の挿入口側に設けたことで、フェルールの光レセプタクルへの挿抜の際、フェルール表面を本体部材より硬度が高いスリーブに設けられた第2孔の壁面に摺動させることができ、よって、従来に比べて、挿抜による削り屑が前記フェルールの表面に付着するのを抑制できる。またスリーブを本体部材に設けられた薄肉部よりも第1孔の挿入口側にのみ設けたことで、本体部材の基端側を溶接する際に、熱衝撃がスリーブに掛かるのを抑制でき、これにより、スリーブの割れや損傷等を防止でき、良好な溶接性及びスリーブの寸法精度を確保することが出来る。また本発明では、スリーブを凹部よりも挿入口側に設けているため、スリーブの収納のために前記薄肉部を更に薄く形成しなくてもよく、凹部を備えた本体部材を強度を維持しつつ適切に形成することができる。
【0012】
また本発明では、前記本体部材の外周面には、他の部分よりも外方に突出する前方領域が前記挿入口側に設けられており、
前記フェルールを保持するためのばね部材が、前記前方領域と前記前方領域よりも基端側の後方領域との間に形成される段差に溶接されて固定支持されていることが好ましい。
【0013】
本発明では、上記により、本体部材の前方に位置する肉厚部分に、スリーブを設置することができ、スリーブを本体部材に圧入しても本体部材に加わる応力により前記本体部材が損傷を受ける不具合を抑制でき、スリーブを本体部材内の所定位置に適切に保持することが出来る。また、厚みの薄い部分は、溶接による熱衝撃が伝わりやすいが、本発明ではスリーブを厚みの薄い基端側から離しているため、スリーブへの溶接の影響を小さくすることが出来る。更に、本発明では、ばね部材を本体部材の基端側から装着して段差に接触させて固定することが可能である。
【0014】
また本発明では、前記本体部材の前記挿入口とは反対側の基端側に、前記フェルールの挿入方向への移動を規制するための規制部材が設けられ、前記本体部材と前記規制部材とが溶接により固定されていることが好ましい。
【0015】
本発明によれば、上記のように本体部材の基端側に規制部材を設けるような構成であっても、スリーブに対する前記溶接の影響を極力小さくすることが可能である。
【0016】
本発明では、前記第2孔の径は、前記第2孔よりも基端側の第1孔の径に比べて小さいことが好ましい。フェルールを第2の挿入孔から第1の挿入孔にかけての接続孔内に挿入したとき、フェルールが第2孔の壁面に当接するのを抑制でき、より効果的に削り屑がフェルール表面に付着するのを抑制することが出来る。
【0017】
また本発明では、前記スリーブはジルコニアで形成されていることが好ましい。これにより、より効果的に削り屑がフェルール表面に付着するのを抑制することが出来る。
【発明の効果】
【0018】
本発明の光レセプタクル及び光モジュールによれば、フェルールの接続孔への挿抜によるフェルール表面への削り屑の付着を抑制し、さらには優れた溶接性及びスリーブの寸法精度を確保することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本実施形態における光モジュールの部分縦断面図、
【図2】図1に示す光モジュールの光レセプタクルにフェルールを接続した状態を示す部分縦断面図、
【図3】図1に示す光レセプタクルの拡大縦断面図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1は本実施形態における光モジュールの部分縦断面図、図2は、図1に示す光モジュールの光レセプタクルにフェルールを接続した状態を示す部分縦断面図、図3は、図1に示す光レセプタクルの拡大縦断面図である。
各図においてX1方向が前方、X2方向が後方である。
【0021】
図1に示す光モジュール1は、光レセプタクル2と、光レセプタクル2の基端側に接続された光学装置3とを有して構成される。
【0022】
図1,図2,図3に示すように光レセプタクル2は、例えばフェライト系ステンレス鋼(SUS)で形成された本体部材4と、スリーブ5とを有して構成される。あるいは本体部材4はオーステナイト系であってもよい。
【0023】
本体部材4には中央部に貫通する第1孔6が形成されている。第1孔6は本体部材4の前方(X1)を向く先端面4aから後方(X2)を向く基端面4bにかけて貫いて形成されている(主に図3参照)。
【0024】
第1孔6はX1−X2方向に直交する方向での水平断面が円形でX1−X2方向に延びる略円柱状である。図3に示すように、第1孔6は、前方(X1)に位置する挿入口側6aと後方(X2)に位置する基端側6bとに区別される。そして、第1孔6の挿入口側6aでの径(直径)d1は、前記基端側6bでの径(直径)d2よりもやや大きくなっている。以下、特に断らない限り「径」とは直径を指す。図3に示すように、第1孔6の挿入口側6a及び基端側6bでは夫々、一定の径d1,d2にて形成されている。
【0025】
なお、図3に示すように、第1孔6の先端面4aと同位置における径d5は、挿入口側6aでの径d1よりもやや広くなっており、後述するスリーブ5を先端面4aから第1孔6内へ圧入しやすくなっている。
【0026】
図1,図2,図3に示すように、本体部材4の外周面4cは、X1−X2方向に直交する水平断面が円形状である。外周面4cは前方(X1)に位置する前方領域7と後方(X2)に位置する後方領域8とに区別される。図3に示すように、前方領域7は後方領域8に比べて外方に突出した形状である。そして前方領域7と後方領域8との間に段差9が形成されている。
【0027】
また図3に示すように、後方領域8には第1孔6に近づく方向に凹む凹部10が形成されている。図3に示すように、前方領域7では、外周面4cから第1孔6までの厚み(平均値)T1が、後方領域8での厚み(平均値)T2よりも厚くなっている。また、後方領域8に形成された凹部10の部分は他の部分に比べて外周面4cから第1孔6までの厚みが最も薄い(図3では厚みをT3で示している)薄肉部11となっている。
【0028】
ここで図3に示す実施形態では、第1孔6の径d1で形成された挿入口側6aのX1−X2方向への長さ寸法L1は、外周面4cに形成された前方領域7のX1−X2方向への長さ寸法L2よりも長いが、このような形状に限定されるものではない。例えば前記長さ寸法L1と長さ寸法L2は同じであってもよいし、長さ寸法L1は長さ寸法L2より短くてもよい。ただし長さ寸法L1は次に説明するスリーブ5の長さ寸法とほぼ同じであるから、長さ寸法L1はあまり短すぎても本発明における効果(削り屑がフェルール表面に付着するのを抑制する)を適切に発揮出来なくなる。本実施形態では、少なくとも、第1孔6の径d1で形成された挿入口側6aが後方領域8に形成された凹部10よりも前方(X1)に位置している。
【0029】
本実施形態では図1,図2,図3に示すように、本体部材4の第1孔6の径d1から成る挿入口側6aにスリーブ5が収納されている。スリーブ5の中央部にはX1−X2方向にて貫通する第2孔12が形成されている。スリーブ5は略円筒形状の精密スリーブである。スリーブ5を第1孔6の挿入口側6aに収納することで、図3に示すように、光レセプタクル2には、第2孔12から第1孔6に通ずる接続孔30が形成されている。
【0030】
スリーブ5の外径はd3であり、前記外径d3は、第1孔6の挿入口側6aでの径d1とほぼ同じである(図3参照)。また、スリーブ5の内径(第2孔12の直径)はd4である。
【0031】
第2孔12の径d4は、第1孔6の基端側6bでの径d2よりもやや小さく形成される。
【0032】
本実施形態では、スリーブ5は本体部材4よりも硬度が高いセラミックス材料で形成される。本実施形態では特に前記スリーブ5はジルコニア(二酸化ジルコニウム)で形成されることが好適である。スリーブ5は、射出成形、プレス成形、押出成形等で形成された成形体を焼結して形成されている。
そして、前記スリーブ5が本体部材4の第1孔6の挿入口側6aに圧入される。
【0033】
図1に示すように本実施形態の光レセプタクル2には、ばね部材15が取り付けられる。
【0034】
図1,図2に示すように、ばね部材15は固定部15aと、前記固定部15aの両端から前方(X1)に向けて延出し、ばね部材15の取付状態において本体部材4の先端面4aよりも更に前方(X1)に延出する2本の把持部15b,15bとを有して構成される。
【0035】
ばね部材15の固定部15aには中央部に穴15cが形成されている(図1参照)。穴15cは、図3に示す本体部材4の後方領域8での最大外径と同等かそれよりもやや大きく、本体部材4の前方領域7での外径よりも小さい大きさである。このため、ばね部材15を、穴15cを通じて本体部材4の基端面4b側から挿入すると、図1,図2に示すばね部材15の固定部15aの内側端部15a1が、図3に示す段差9の部分と接触し、それよりも前方への移動を妨げる。その状態で、ばね部材15の内側端部15a1と本体部材4間をYAG溶接して、ばね部材15を本体部材4に固定する。
【0036】
図1,図2に示すようにばね部材15の把持部15bには、各把持部15b間の間隔が前方(X1)に向けて徐々に狭くなる第1の傾斜部15b1と、第1の傾斜部15b1の前方端部から前方(X1)に向けて各把持部15b間の間隔が徐々に広くなる第2の傾斜部15b2が形成されている。このため図2に示すようにフェルール20を光レセプタクル2の接続孔30に挿入したときに、フェルール20に接続された鉤部21の部分を把持部15b,15bの第1の傾斜部15b1,15b1間で挟んで保持することが可能である。
【0037】
図1,図2に示すように本体部材4の基端面4bには、フェルール20の挿入方向(X2方向)への移動を規制するための規制部材22が設けられている。規制部材22には、中央部に光を通すための貫通孔22aが形成されているが、前記貫通孔22aの径は、本体部材4に形成された第1孔6の径やスリーブ5に形成された第2孔12の径よりも小さい。そして図2に示すように、フェルール20の先端が規制部材22に突き当てられて、フェルール20の挿入方向への位置決めが行われる。
本体部材4と規制部材22とはYAG溶接により固定されている。
【0038】
図1,図2に示すように、規制部材22の基端側にはレンズ23や光学素子24を備えた光学装置3が取り付けられている。光学装置3には光を通すための貫通孔3aが形成されている。光学素子24は、例えば半導体レーザであり封止された状態にある。前記貫通孔3aを通じて光学素子24からレーザ光が前方(X1)に発せられる。
【0039】
図2に示すフェルール20は光ファイバ25を保護するとともに図2に示すように光レセプタクル2に形成された接続孔30に挿入される部分である。フェルール20はセラミックスで形成され例えばジルコニアで形成される。図2に示すようにフェルール20を光レセプタクル2に接続した状態で、光学装置3からレーザ光を照射し、本体部材4に形成された凹部10を図示しないチャック部材を用いてチャッキングし、本体部材4を水平方向(X1−X2方向に対して直交する方向)に移動させつつ光軸調整等を行う。調整が終了したら本体部材4と規制部材22間をYAG溶接し固定する。あるいは所定の光学特性が得られるか試験するためにフェルール20を光レセプタクル2の接続孔30に挿入する。そして上記した調整や試験が終了したらフェルール20を光レセプタクル2から抜く。
【0040】
本実施形態では、図1,図2,図3に示すように、本体部材4の後方領域8には凹部10が形成され、この凹部10が形成された部分は他の部分よりも薄い薄肉部11となっており、前記凹部10を、光学装置3に対して本体部材4の位置合わせを行う際に支持部(チャック部)として用いることが出来る。そして本発明では、図1,図2,図3に示すように本体部材4よりも硬度が高いセラミックス材料から成るスリーブ5を本体部材4に形成された薄肉部11よりも第1孔6の挿入口側6aにのみ設けた。このためフェルール20の挿抜の際に、フェルール20表面を本体部材4よりも硬度が高いスリーブ5に設けられた第2孔12の壁面に摺動させることが出来る。特に、図3に示すように、第2孔12の径d4を、第1孔6の基端側6bでの径d2よりも小さくすることで、図2に示すようにスリーブ5を接続孔30に挿入したときに、スリーブ5が基端側6bでの第1孔6の壁面に当接するのを防止できる。以上により、上記した調整や試験等のために同じフェルール20を用いて複数回の挿抜を行っても、本実施形態では、従来に比べてフェルール20の挿抜によるステンレス鋼の削り屑が出にくく、フェルール20表面に削り屑が付着するのを抑制できる。このためフェルール20の径が太るのを抑制でき、同じフェルール20を用いて上記した調整や試験を繰り返し行うことが可能になる。
【0041】
また本実施形態では、スリーブ5を本体部材4の薄肉部11よりも挿入口側6aにのみ設けたことで、本体部材4の基端面4bと規制部材22間を溶接する際に、熱衝撃がスリーブ5に掛かるのを抑制できる。このため精密スリーブである本実施形態のスリーブ5が割れたり損傷等を受ける不具合を防止でき、良好な溶接性及びスリーブ5の寸法精度を確保することが可能である。
【0042】
また本実施形態では前記凹部10よりも前方(X1)にスリーブ5を設置しているから、上記した削り屑の低減や良好な溶接性及びスリーブ5の寸法精度の確保とともにスリーブ5の収納のために前記薄肉部11を更に薄く形成しなくてもよく、凹部10を備えた本体部材4を強度を維持しつつ適切に形成できる。
【0043】
また本実施形態では、図3に示すように、本体部材4の前方領域7での外周面から第1孔6までの厚みT1(平均値)は、後方領域8での厚みT2(平均値)よりも厚くなっている。そして本実施形態では、肉厚部分である第1孔6の挿入口側6aにスリーブ5を収納しているから、スリーブ5を本体部材4の第1孔6に圧入等したときに、本体部材4に加わる応力により本体部材4が損傷を受ける不具合を抑制できる。したがってスリーブ5を本体部材4の前方の所定位置に適切に保持することが出来る。また厚みの薄い部分では、溶接の際の熱衝撃が伝播しやすくなるが、本実施形態では、厚みの薄い部分から離してスリーブ5を設置するからスリーブ5への溶接の影響をより効果的に抑制することが出来る。
【符号の説明】
【0044】
1 光モジュール
2 光レセプタクル
3 光学装置
4 本体部材
5 スリーブ
6 第1孔
6a 挿入口側
6b 基端側
7 前方領域
8 後方領域
9 段差
10 凹部
11 薄肉部
12 第2孔
15 ばね部材
20 フェルール
22 規制部材
24 光学素子
25 光ファイバ
30 接続孔
d1〜d5 径

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フェルールを接続するための接続孔を有する光レセプタクルにおいて、
第1孔を備える本体部材と、前記第1孔内に収納され、第2孔を備えるスリーブと、を有し、
前記本体部材には、外周面に凹部が形成された他の部分に比べて前記第1孔までの厚さが薄い薄肉部が形成されており、
前記スリーブは前記薄肉部よりも前記第1孔の挿入口側に設けられ、前記第2孔から前記第1孔に通ずる前記接続孔が構成されており、
前記スリーブは、前記本体部材よりも硬度が高いセラミックス材料で形成されていることを特徴とする光レセプタクル。
【請求項2】
前記本体部材の外周面には、他の部分よりも外方に突出する前方領域が前記挿入口側に設けられており、
前記フェルールを保持するためのばね部材が、前記前方領域と前記前方領域よりも基端側の後方領域との間に形成される段差に溶接されて固定支持されている請求項1記載の光レセプタクル。
【請求項3】
前記本体部材の前記挿入口とは反対側の基端側に、前記フェルールの挿入方向への移動を規制するための規制部材が設けられ、前記本体部材と前記規制部材とが溶接により固定されている請求項1又は2に記載の光レセプタクル。
【請求項4】
前記第2孔の径は、前記第2孔よりも基端側の第1孔の径に比べて小さい請求項1ないし3のいずれか1項に記載の光レセプタクル。
【請求項5】
前記スリーブはジルコニアで形成されている請求項1ないし4のいずれか1項に記載の光レセプタクル。
【請求項6】
レンズ及び光学素子を有する光学装置が、請求項1ないし5のいずれか1項に記載された光レセプタクルの基端側に接続されていることを特徴とする光モジュール。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−133562(P2011−133562A)
【公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−290954(P2009−290954)
【出願日】平成21年12月22日(2009.12.22)
【出願人】(000010098)アルプス電気株式会社 (4,263)
【Fターム(参考)】