説明

光レセプタクル

【課題】本発明の態様は、スリーブとスタブとレンズとの間における軸ズレを抑制することができる光レセプタクルを提供する。
【解決手段】光電変換素子パッケージ側に突出したレンズを一体に備えるハウジングと、前記ハウジングの前記レンズが突出した側とは反対側に内在され、光ファイバを具備したプラグフェルールを挿入する内孔を有したスリーブと、前記スリーブの内孔の前記プラグフェルールを挿入する側とは反対側に配置され、且つ前記スリーブの軸方向途中位置において前記光ファイバの先端と密着する凸曲面からなる第一端面並びに前記レンズの側に設けられた第二端面を有するスタブと、を備えた光レセプタクルであって、前記スリーブの前記スタブが配設された側の外周の一部が、前記ハウジングに圧入固定され、前記スリーブの圧入固定されていない部分が前記ハウジングと接着剤により接合されたことを特徴とする光レセプタクルが提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の態様は、一般に、光レセプタクルに関する。
【背景技術】
【0002】
光通信などの分野においては、光ファイバコネクタを受光素子や発光素子などの光素子と光学的に接続させるために、光レセプタクルが用いられている。
また、光レセプタクルには、光ファイバコネクタに設けられたプラグフェルールとの調心を行うための光接続部が備えられている。
この様な光接続部としては、プラグフェルールを挿入するための内孔を有するスリーブと、スリーブの内孔に溶融接合された透明材料からなるスタブと、を備えたものが知られている(特許文献1の図1、図2などを参照)。
特許文献1に記載されている光接続部を用いるものとすれば、プラグフェルールとスタブとの軸ズレを抑制することができる。
【0003】
一方、光接続部と光素子との間にレンズを設けた光レセプタクルが提案されている(特許文献2の図4を参照)。
特許文献2に記載されている光レセプタクルにおいては、レンズはハウジングに形成され、スリーブとスタブとは分離された状態でハウジング内に設けられている。
そのため、スリーブとスタブとレンズとの軸合わせを正確に行うことができなくなるおそれがある。
この場合、スリーブとハウジングとを圧入や接着剤などで固定することが記載されている(特許文献2の[0011]段落を参照)。そのため、ハウジングにスリーブを圧入するようにすれば、スリーブとレンズとの軸合わせを行うことができる。
しかしながら、スリーブの軸方向の全域を圧入しようとすれば、スリーブが傾いて圧入されたり、ハウジングが変形してスリーブが傾いたりするおそれがある。また、スリーブの軸方向の全域を圧入することでハウジングが変形すると、光ファイバコネクタとの接続が困難となったり、変形部分に生じたクラックなどが進行して破損したりするおそれもある。
また、スタブとスリーブ、スタブとレンズ、との軸合わせに関しては考慮がされていなかった。
そのため、スリーブとスタブとレンズとの間における軸ズレを抑制することができないおそれがある。その結果、スリーブの内孔に挿入されるプラグフェルールとスタブとレンズとの間における軸ズレが発生し、光レセプタクルの機能が損なわれたり、特性にばらつきが生じたりするおそれがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−171545号公報
【特許文献2】特開2009−258365号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の態様は、かかる課題の認識に基づいてなされたものであり、スリーブとスタブとレンズとの間における軸ズレを抑制することができる光レセプタクルを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の発明は、光電変換素子パッケージ側に突出したレンズを一体に備えるハウジングと、前記ハウジングの前記レンズが突出した側とは反対側に内在され、光ファイバを具備したプラグフェルールを挿入する内孔を有したスリーブと、前記スリーブの内孔の前記プラグフェルールを挿入する側とは反対側に配置され、且つ前記スリーブの軸方向途中位置において前記光ファイバの先端と密着する凸曲面からなる第一端面並びに前記レンズの側に設けられた第二端面を有するスタブと、を備えた光レセプタクルであって、前記スリーブの前記スタブが配設された側の外周の一部が、前記ハウジングに圧入固定され、前記スリーブの圧入固定されていない部分が前記ハウジングと接着剤により接合されたことを特徴とする光レセプタクルである。
この光レセプタクルによれば、スリーブとスタブとレンズとの間における軸ズレを抑制することができる。また、圧入固定をレンズに近い側で行うことができるので、軸合わせ精度を向上させることができる。
また、スリーブの圧入固定されていない部分がハウジングと接着剤により接合されることで、ハウジングとスリーブとの接合強度を確保することができる。
【0007】
また、第2の発明は、光電変換素子パッケージ側に突出したレンズを一体に備えるハウジングと、前記ハウジングの前記レンズが突出した側とは反対側に内在され、光ファイバを具備したプラグフェルールを挿入する内孔を有したスリーブと、前記スリーブの内孔の前記プラグフェルールを挿入する側とは反対側に配置され、且つ前記スリーブの軸方向途中位置において前記光ファイバの先端と密着する凸曲面からなる第一端面並びに前記レンズの側に設けられた第二端面を有するスタブと、を備えた光レセプタクルであって、前記スタブの前記第二端面が前記スリーブの端面よりも突出した位置に設けられ、前記スタブの前記第二端面と前記スリーブの端面との間において前記スタブの少なくとも一部が、前記ハウジングに圧入固定され、前記スリーブが前記ハウジングと接着剤により接合されたことを特徴とする光レセプタクルである。
この光レセプタクルによれば、スリーブとスタブとレンズとの間における軸ズレを抑制することができる。また、圧入固定をレンズに近い側で行うことができるので、軸合わせ精度を向上させることができる。
また、スリーブの圧入固定されていない部分がハウジングと接着剤により接合されることで、ハウジングとスリーブとの接合強度を確保することができる。
また、スタブの少なくとも一部がハウジングに圧入固定されるので、プラグフェルールが挿入されるスリーブの内孔と、スタブと、レンズとの軸合わせを直接的に行うようにすることができる。そのため、スリーブとスタブとレンズとの軸合わせ精度をさらに向上させることができる。
【0008】
また、第3の発明は、第1の発明または第2の発明において、前記ハウジングの圧入固定がされる部分には、前記スリーブまたは前記スタブに向けて突出した周方向に連続する一条の凸部が設けられたこと、を特徴とする光レセプタクルである。
この光レセプタクルによれば、周方向に連続する一条の凸部を設けているので、スリーブとハウジングとの間に注入された接着剤が、スタブの第二端面やレンズが形成されている部分などにまで回り込むことを抑制することができる。
【0009】
また、第4の発明は、第1の発明または第2の発明において、前記ハウジングの圧入固定がされる部分には、前記スリーブまたは前記スタブに向けて突出した複数の凸部が設けられたこと、を特徴とする光レセプタクルである。
この光レセプタクルによれば、スリーブやスタブをハウジングに圧入する際に発生する応力を低減させることができる。そのため、スリーブやスタブが傾いて圧入されたり、ハウジングが変形してスリーブやスタブが傾いたりすることを抑制することができる。また、ハウジングの変形を抑制することができるので、光ファイバコネクタとの接続が困難となったり、変形部分に生じたクラックなどが進行して破損したりすることを抑制することができる。
【0010】
また、第5の発明は、第4の発明において、前記複数の凸部は、3個以上設けられ、周方向において均等に配置されたことを特徴とする光レセプタクルである。
この光レセプタクルによれば、スリーブとスタブとレンズとの軸合わせ精度や軸合わせの安定性をさらに向上させることができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明の態様によれば、スリーブとスタブとレンズとの間における軸ズレを抑制することができる光レセプタクルを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る光レセプタクルを例示するための模式断面図である。
【図2】本発明の第2の実施形態に係る光レセプタクルを例示するための模式斜視断面図である。
【図3】光レセプタクルの模式平面図である。すなわち、光接続部2を圧入する側から見た図である。
【図4】本発明の第3の実施形態に係る光レセプタクルを例示するための模式断面図である。
【図5】光レセプタクルの模式平面図である。
【図6】孔部が設けられていないハウジングに光接続部を接合する場合を例示するための模式図である。
【図7】孔部が設けられたハウジングに光接続部を接合する場合を例示するための模式断面図である。
【図8】本発明の第4の実施形態に係る光レセプタクルを例示するための模式断面図である。
【図9】他の実施形態に係る軸合わせ部を例示するための模式図である。
【図10】他の実施形態に係る軸合わせ部を例示するための模式断面図である。
【図11】本発明の第6の実施形態に係る光レセプタクルを例示するための模式断面図である。
【図12】本発明の第7の実施形態に係る光レセプタクルを例示するための模式断面図である。
【図13】軸合わせ部を有していないハウジングに光接続部を接合する様子を例示するための模式工程断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について例示をする。尚、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
[第1の実施形態]
図1は、本発明の第1の実施形態に係る光レセプタクルを例示するための模式断面図である。
なお、図1は、プラグフェルール10が挿入された状態を表している。
図1に示すように、光レセプタクル1には光接続部2とハウジング5とが設けられている。
【0014】
また、光接続部2にはスリーブ3とスタブ4とが設けられている。
スリーブ3は、ハウジング5のレンズ6が突出した側とは反対側に内在され、光ファイバ11を具備したプラグフェルール10を挿入する内孔3aを有したものとすることができる。
スリーブ3は、例えば、円筒状を呈し、セラミックス、結晶化ガラス、金属、樹脂などからなるものとすることができる。
この場合、スリーブ3をハウジング5に圧入することを考慮すると、剛性が高いものとすることが好ましい。
その様なものとしては、例えば、ジルコニアなどのセラミックス、結晶化ガラスなどを例示することができる。
【0015】
結晶化ガラスとしては、例えば、LiO−Al−SiO系であって主結晶相としてβ−スポジュメン固溶体を析出する結晶化ガラスなどを例示することができる。
LiO−Al−SiO系であって主結晶相としてβ−スポジュメン固溶体を析出する結晶化ガラスを用いるものとすれば、加熱延伸成形法による製作が可能となるため、スリーブ3の内径寸法(内孔3aの直径寸法)の精度を極めて高くすることができる。その結果、プラグフェルール10の挿入が困難となったり、プラグフェルール10の把持が困難となったりすることを抑制することができる。
【0016】
スリーブ3の内孔3aの先端近傍(プラグフェルール10を挿入する側の端部近傍)には、面取り部3bが設けられている。面取り部3bは、内孔3aの軸線に対して20°〜45°程度の角度を有するテーパ面を備えている。面取り部3bは、プラグフェルール10を内孔3aに挿抜し易くするために設けられる。
スリーブ3の内孔3aには中実の円柱状を呈するスタブ4が気密に固着されている。
スタブ4は、スリーブ3の内孔3aのプラグフェルール10を挿入する側とは反対側に配置され、且つスリーブ3の軸方向途中位置において光ファイバ11の先端と密着する凸曲面からなる曲面4a(第一端面)、並びにレンズ6の側に設けられた斜面4b(第二端面)を有する。
すなわち、スタブ4は、スリーブ3の先端3cとは反対側の端部3d側に設けられている。
そのため、スリーブ3の内孔3aにプラグフェルール10を挿入することで、プラグフェルール10とスタブ4との軸合わせを行うことができる。
【0017】
スタブ4は、例えば、接着剤などを用いて固着させることができる。また、内孔3aにスタブ4となる円柱状の素材を挿入して、熱処理(例えば、アーク放電、レーザ、火炎、熱処理炉などの間接加熱)を行い、スタブ4を形成させるとともに内孔3aにスタブ4を溶融接合させるようにすることもできる。
この場合、スタブ4とスリーブ3との軸合わせを考慮すると、内孔3aにスタブ4を溶融接合させるようにすることが好ましい。
【0018】
スタブ4は、ガラスなどの透明材料からなるものとすることができる。
例えば、スタブ4は、ホウケイ酸ガラスなどからなるものとすることができる。
ホウケイ酸ガラスとしては、質量%で、SiO:65〜85%、B:8〜25%、LiO+NaO+KO:1.5〜10%、Al:10%以下、MgO+CaO+SrO+BaO+ZnO:5%以下、を含有するものとすることができる。また、質量%で、SiO:67〜80%、B:12〜19%、LiO+NaO+KO:2〜9.5%、Al:6%以下、MgO+CaO+SrO+BaO+ZnO:3%以下、Fe:0.05%以下、を含有するものとしてもよい。
【0019】
また、スタブ4の先端側(プラグフェルール10との当接側)には、熱処理(例えば、アーク放電、レーザ、火炎、熱処理炉などの間接加熱)などにより形成された凸状の曲面(球状面)4aが設けられている。
そして、スリーブ3の先端側から挿入されたプラグフェルール10の端部が、スタブ4の端部(曲面4a側の端部)と当接するようになっている。この場合、プラグフェルール10の内部に設けられた光ファイバ11のコア部とスタブ4の曲面4aとが当接するようになっている。
【0020】
また、スタブ4の曲面4aが設けられた端部と反対側の端部は、スリーブ3の軸方向と直交する面に対して所定の傾斜角度を有する斜面4bとされている。この斜面4bは、いわゆる反射戻り光を抑制するために設けられている。例えば、光素子から出射したレーザ光などが斜面4bに入射することで反射が生じたとしても、その反射光が光素子に戻らないようになっている。また、同様に、光ファイバ11を伝播してきた光がスタブ4に入射し、斜面4b、および光素子表面で反射が生じたとしても、その反射光が光ファイバ11に戻らないようになっている。
この傾斜角度が小さいと反射戻り光が多くなり、傾斜角度が大きいと結合損失が大きくなる。そのため、傾斜角度はこれらを考慮しつつ適宜決定する。この場合、傾斜角度は4〜15°程度とすることが好ましい。
なお、スタブ4の端部を斜面4bとすることで反射戻り光を抑制する場合を例示したがこれに限定されるわけではない。
例えば、スタブ4の軸方向の長さを一定以上にしておけば斜面4bではなく平面(スリーブ3の軸方向と直交する面)としても「スタブ4の端部」または「ハウジング5の端面(仕切り部5cのレンズ6が形成されている部分と反対側にある面)」からの反射光がプラグフェルール10側に戻ることを抑制することができる。
また、図1に例示をしたものは、「ハウジング5の端面(仕切り部5cのレンズ6が形成されている部分と反対側にある面)」が平面(スリーブ3の軸方向と直交する面)の場合であるが、「ハウジング5の端面」を斜面とすることができる。なお、「ハウジング5の端面」を斜面とすれば、「スタブ4の端部」を斜面4bとする必要はない。
ここで、光電変換素子パッケージ20に設けられた図示しない光素子表面からの反射光がプラグフェルール10側に戻ることを防ぐためには、光路上のどこかで光を曲げる必要がある。この場合、「ハウジング5の端面」を斜面とするなどしてハウジング5に光を曲げる機能を持たせるようにすれば、光路進行方向はハウジング5(レンズ6)によって決まることになる。
そのため、光素子が設けられた光電変換素子パッケージ20をハウジング5に接合する際には、ハウジング5と光素子との位置合わせを行えばよいことになる。すなわち、ハウジング5とスリーブ3/スタブ4との組み合わせにおける方向性は任意のものとすることができるようになる。
【0021】
ハウジング5は、基端部5aと、保持部5bと、基端部5aと保持部5bとの間に設けられた仕切り部5cとを有する。
基端部5aには、図示しない光素子が設けられた光電変換素子パッケージ20が接合される。
保持部5bには、前述した光接続部2が軸合わせされるとともに接合される。
仕切り部5cには、光電変換素子パッケージ20側に突出したレンズ6が一体的に形成されている。
この場合、ハウジング5は、光透過性の樹脂から形成されるようにすることができる。例えば、ハウジング5は、ポリエーテルイミド樹脂(PEI)、ポリカーボネート樹脂(PC)、ポリメタクリル酸メチル樹脂(PMMA)などから形成されるようにすることができる。
【0022】
次に、保持部5bについてさらに説明する。
保持部5bには、保持部5bの軸方向に沿って接合部5b1と軸合わせ部5b2とが設けられている。
この場合、レンズ6が形成されている側には軸合わせ部5b2が設けられ、レンズ6が形成される側とは反対側には接合部5b1が設けられている。
すなわち、軸合わせ部5b2はレンズ6に近い側に設けられている。そのため、ハウジング5と光接続部2との軸合わせ精度、ひいては、スリーブ3とスタブ4とレンズ6との軸合わせ精度を向上させることができる。
【0023】
接合部5b1は、円形断面を有する孔となっている。そして、接合部5b1の軸方向に直交する方向の寸法(円形断面を有する孔の直径寸法)は、スリーブ3の外径寸法よりも大きくなっている。そのため、接合部5b1とスリーブ3との間に隙間が形成されるようになっている。そして、形成された隙間に接着剤などを注入することでハウジング5に光接続部2が接合されるようになっている。
【0024】
軸合わせ部5b2は、円環状を呈している。すなわち、軸合わせ部5b2は、スリーブ3に向けて突出した周方向に連続する一条の凸部となっている。軸合わせ部5b2の軸方向に直交する方向の寸法(円環の内径寸法)は、スリーブ3の外径寸法以下となっている。軸合わせ部5b2の軸方向に直交する方向の寸法をスリーブ3の外径寸法以下とすれば、ハウジング5と光接続部2との軸合わせ、ひいては、スリーブ3とスタブ4とレンズ6との軸合わせを行うことができる。
また、軸合わせ部5b2の形態を円環状とし、軸合わせ部5b2の軸方向に直交する方向の寸法をこのようにすることで、接合部5b1とスリーブ3との間に注入された接着剤などが、スタブ4の斜面4bや仕切り部5cのレンズ6が形成されている部分などにまで回り込むことを抑制することができる。
この場合、スリーブ3の端部3dと軸合わせ部5b2の端部5b3とを当接させるようにすれば、接着剤などがスタブ4の斜面4bや仕切り部5cのレンズ6が形成されている部分などに回り込むことをさらに抑制することができる。また、ハウジング5に対する光接続部2の軸方向位置を決めることもできる。
【0025】
軸合わせ部5b2の軸方向に直交する方向の寸法を余り短くすると、軸合わせ部5b2にスリーブ3を圧入した際にハウジング5にクラックなどが発生するおそれがある。また、軸合わせ部5b2にスリーブ3を圧入する際の作業性などが悪化するおそれもある。
また、ハウジング5と光接続部2との接合強度は、接合部5b1における接合により確保することができる。そのため、軸合わせ部5b2においては、ハウジング5と光接続部2との軸合わせを行うことができれば、ハウジング5と光接続部2との接合強度が必ずしも確保される必要はない。
そこで、軸合わせ部5b2の軸方向に直交する方向の寸法は、ハウジング5の強度、軸合わせ部5b2にスリーブ3を圧入する際の作業性、ハウジング5と光接続部2との軸合わせ精度などを考慮して適宜決定するようにすることができる。
【0026】
また、軸合わせ部5b2の軸方向の寸法を余り長くすると、軸合わせ部5b2にスリーブ3を圧入した際にハウジング5にクラックなどが発生するおそれがある。また、軸合わせ部5b2にスリーブ3を圧入する際の作業性などが悪化するおそれもある。
例えば、特許文献2に記載されている光レセプタクルのように、スリーブ3の軸方向の全域を圧入しようとすれば、スリーブ3が傾いて圧入されたり、ハウジング5が変形してスリーブ3が傾いたりするおそれがある。この場合、ハウジング5が変形すると、光ファイバコネクタとの接続が困難となったり、変形部分に生じたクラックなどが進行して破損したりするおそれもある。
また、軸合わせ部5b2の軸方向の寸法を余り長くすると、接合部5b1の軸方向の寸法が短くなってハウジング5と光接続部2との接合強度が小さくなりすぎるおそれがある。
そこで、軸合わせ部5b2の軸方向の寸法は、ハウジング5の強度、軸合わせ部5b2にスリーブ3を圧入する際の作業性、ハウジング5と光接続部2との軸合わせ精度などを考慮して適宜決定するようにすることができる。
【0027】
本実施の形態によれば、ハウジング5の保持部5bに軸合わせ部5b2を設けているので、スリーブ3とスタブ4とレンズ6との間における軸ズレを抑制することができる。また、軸合わせ部5b2をレンズ6に近い側に設けるようにしているので、軸合わせ精度を向上させることができる。
また、保持部5bに設けられた接合部5b1とスリーブ3との間に接着剤などを注入することで、ハウジング5とスリーブ3との接合強度を確保することができる。この場合、軸合わせ部5b2を設けているので、接合部5b1とスリーブ3との間に注入された接着剤などが、スタブ4の斜面4bや仕切り部5cのレンズ6が形成されている部分などにまで回り込むことを抑制することができる。
【0028】
[第2の実施形態]
図2は、本発明の第2の実施形態に係る光レセプタクルを例示するための模式斜視断面図である。
なお、図2において図中の矢印Aは光接続部2を圧入する方向を表している。
図3は、光レセプタクルの模式平面図である。すなわち、光接続部2を圧入する側から見た図である。
なお、光接続部2は前述した光レセプタクル1の場合と同様とすることができるので省略して描いている。
そのため、図2はハウジング15の模式斜視断面図とし、図3はハウジング15の模式平面図としている。
図2、図3に示すように、本実施の形態に係る光レセプタクルに設けられたハウジング15と、前述した光レセプタクル1に設けられたハウジング5と、では軸合わせ部15b2の形態が異なっている。
すなわち、軸合わせ部15b2は、スリーブ3に向けて突出した複数の凸部となっている。
なお、図3に示すものは、軸合わせ部15b2が周方向に等しい間隔で配置された3個の凸部からなる場合である。
この場合、複数の凸部が3個以上設けられ周方向において均等に配置されたものとすれば、軸合わせ部15b2による軸合わせ精度や軸合わせの安定性を向上させることができる。
また、中心軸Cから軸合わせ部15b2までの最短寸法Lは、スリーブ3の外径の半径寸法以下となっている。中心軸Cから軸合わせ部15b2までの最短寸法Lをスリーブ3の外径の半径寸法以下とすることで、ハウジング15と光接続部2との軸合わせ、ひいては、スリーブ3とスタブ4とレンズ6との軸合わせを行うことができる。
【0029】
本実施の形態によれば、ハウジング15の保持部5bに軸合わせ部15b2を設けているので、スリーブ3とスタブ4とレンズ6との間における軸ズレを抑制することができる。また、軸合わせ部15b2をレンズ6に近い側に設けるようにしているので、軸合わせ精度を向上させることができる。
軸合わせ部15b2をスリーブ3に向けて突出した複数の凸部としているので、軸合わせ部15b2にスリーブ3を圧入する際に発生する応力を低減させることができる。そのため、スリーブ3が傾いて圧入されたり、ハウジング15が変形してスリーブ3が傾いたりすることを抑制することができる。また、ハウジング15の変形を抑制することができるので、光ファイバコネクタとの接続が困難となったり、変形部分に生じたクラックなどが進行して破損したりすることを抑制することができる。
また、保持部5bに設けられた接合部5b1とスリーブ3との間に接着剤などを注入することで、ハウジング15とスリーブ3との接合強度を確保することができる。
【0030】
[第3の実施形態]
図4は、本発明の第3の実施形態に係る光レセプタクルを例示するための模式断面図である。
また、図4において図中の矢印Aは光接続部2を圧入する方向を表している。
図5は、光レセプタクルの模式平面図である。すなわち、光接続部2を圧入する側から見た図である。
なお、光接続部2は前述した光レセプタクル1の場合と同様とすることができるので省略して描いている。
そのため、図4はハウジング25の模式断面図とし、図5はハウジング25の模式平面図としている。
【0031】
図4、図5に示すように、本実施の形態に係る光レセプタクルに設けられたハウジング25は、基端部25aと、保持部25bと、基端部25aと保持部25bとの間に設けられた仕切り部25cとを有する。
基端部25aには、図示しない光素子が設けられた光電変換素子パッケージ20が接合される。また、光電変換素子パッケージ20を接合する際に基端部25aの内部の空気が抜けるように孔部25a1が設けられている。
保持部25bには、前述した光接続部2が軸合わせされるとともに接合される。
仕切り部25cには、光電変換素子パッケージ20側に突出したレンズ26が一体的に形成されている。なお、前述したレンズ6は基端部5aに形成された空間に突出するようにして設けられているが、レンズ26は基端部25aに形成された空間には突出していない。
【0032】
保持部25bには、保持部25bの軸方向に沿って接合部25b1と軸合わせ部25b2とが設けられている。
この場合、レンズ26が形成されている側には軸合わせ部25b2が設けられ、レンズ26が形成される側とは反対側には接合部25b1が設けられている。
すなわち、軸合わせ部25b2はレンズ26に近い側に設けられている。そのため、ハウジング25と光接続部2との軸合わせ精度、ひいては、スリーブ3とスタブ4とレンズ26との軸合わせ精度を向上させることができる。
なお、接合部25b1は前述した接合部5b1と同様とすることができる。また、端部25b3は前述した端部5b3と同様とすることができる。そのため、これらの詳細な説明は省略する。
【0033】
本実施の形態に係る軸合わせ部25b2は、前述した軸合わせ部15b2と同様にスリーブ3に向けて突出した複数の凸部となっている。
例えば、図5に示すように、軸合わせ部25b2が周方向に等しい間隔で配置された3個の凸部からなるものとすることができる。
この場合、複数の凸部が3個以上設けられ周方向において均等に配置されたものとすれば、軸合わせ部25b2による軸合わせ精度や軸合わせの安定性を向上させることができる。
【0034】
また、中心軸Cから軸合わせ部25b2までの最短寸法L1は、スリーブ3の外径の半径寸法以下となっている。中心軸Cから軸合わせ部25b2までの最短寸法L1をスリーブ3の外径の半径寸法以下とすることで、ハウジング25と光接続部2との軸合わせ、ひいては、スリーブ3とスタブ4とレンズ26との軸合わせを行うことができる。
また、凸部は半円柱形状を呈している。そのため、凸部の大きさを小さくすることができるので、軸合わせ部25b2にスリーブ3を圧入する際に発生する応力をさらに低減させることができる。
また、軸合わせ部25b2の一方の端部は、端部25b3の位置にある。
そのため、ハウジング25の樹脂成形後に接合部25b1に挿入されていたコアピンを抜けやすくすることができる。
【0035】
また、軸合わせ部25b2と仕切り部25cとの間には、スリーブ3を接合する際に保持部25bの内部の空気が抜けるように孔部25dが設けられている。
次に、孔部25dについてさらに説明する。
図6は、孔部が設けられていないハウジング105に光接続部2を接合する場合を例示するための模式図である。なお、図6(a)は模式断面図、図6(b)は光接続部2を圧入する側から見た図である。
図7は、孔部25dが設けられたハウジング35に光接続部2を接合する場合を例示するための模式断面図である。
なお、図6、図7においては、軸合わせ部やレンズなどの他の要素を省略している。
【0036】
図6に示すように、スリーブ3と接合部105b1との間に接着剤106を注入し、ハウジング105を光接続部2に押し込むようにすると、光接続部2と接着剤106と接合部105b1とにより密閉空間が形成される。この様な密閉空間が形成されると、密閉空間内の空気の逃げ場がないため密閉空間内の圧力が上昇することになる。そして、さらにハウジング105を無理矢理に押し込んだ場合には、密閉空間内の空気は接着剤106を押しのけて逃げ道を作ろうとする。この場合、接着剤106が周囲に飛び散ることになるが、ハウジング105の外部に接着剤106が飛び散るのみならず、スタブ4の斜面4bにも飛び散った接着剤106が付着する場合がある。
【0037】
これに対して、図7に示すように、孔部25dを設けるようにすれば、ハウジング35を光接続部2に押し込むようにしても光接続部2と接着剤106と接合部35b1とにより密閉空間が形成されることがない。すなわち、孔部25dを介して空気を逃がすことができるので、ハウジング35とスタブ3との圧入をスムーズに行うことができる。また、接着剤の飛び散りを防止することができるので、スタブ4の斜面4bに接着剤106が付着することを防止することができる。
【0038】
本実施の形態によれば、図2において例示をしたものと同様の効果を享受することができる。
またさらに、凸部の大きさを小さくしているので、軸合わせ部25b2にスリーブ3を圧入する際に発生する応力をさらに低減させることができる。
また、軸合わせ部25b2と仕切り部25cとの間に孔部25dを設けているので、ハウジング25に光接続部2を接合する際に接着剤106が飛び散ることを防止することができる。そのため、ハウジング25に光接続部2を接合する際にスタブ4の斜面4bなどに接着剤106が付着することを防止することができる。
【0039】
[第4の実施形態]
図8は、本発明の第4の実施形態に係る光レセプタクルを例示するための模式断面図である。
また、図8において図中の矢印Aは光接続部2を圧入する方向を表している。
なお、光接続部2は前述した光レセプタクル1の場合と同様とすることができるので省略して描いている。
そのため、図8はハウジング45の模式断面図としている。
【0040】
図8に示すように、本実施の形態に係る光レセプタクルに設けられたハウジング45と、図4、図5において例示をしたハウジング25と、では軸合わせ部の形態が異なっている。
本実施の形態においては、軸合わせ部25b2の他にも軸合わせ部25b21を設けている。すなわち、周方向に配置された複数の凸部からなる軸合わせ部を周方向に複数組備えている。なお、図8に示すものは、周方向に等しい間隔で配置された3個の凸部からなる軸合わせ部を周方向に2組備えている。そして、軸合わせ部25b21の軸方向の長さが軸合わせ部25b2の軸方向の長さより長くなっている。
【0041】
この場合、軸方向から見て軸合わせ部25b2を構成する凸部と軸合わせ部25b21を構成する凸部とが重ならないように軸合わせ部25b21を配設するようにすることができる。
例えば、軸合わせ部25b2を構成する凸部が周方向に120°等配で設けられている場合には、軸合わせ部25b21を構成する凸部を周方向に60°ずらした位置に設けるようにすることができる。
【0042】
本実施の形態によれば、図4、図5において例示をしたものと同様の効果を享受することができる。
またさらに、軸合わせ部を周方向に複数組備えているので、軸合わせ精度をさらに向上させることができる。また、一部の凸部の軸方向の長さを長くすることで、圧入時の応力の増加を抑制しつつ軸合わせ精度を向上させるようにすることができる。また、光接続部2が傾くことをさらに抑制することができる。
また、軸合わせ部25b2、軸合わせ部25b21の一方の端部は、端部25b3の位置にある。
そのため、ハウジング45の樹脂成形後に接合部25b1に挿入されていたコアピンを抜けやすくすることができる。
【0043】
[第5の実施形態]
以下に説明をする実施形態は、ハウジングの樹脂成形性をも考慮した軸合わせ部を例示するものである。
図9は、他の実施形態に係る軸合わせ部を例示するための模式図である。
なお、図9(a)は模式平面図である。すなわち、光接続部2を圧入する側から見た図である。
また、図9(b)は軸合わせ部を例示するための模式断面図である。
図9(b)において図中の矢印Aは光接続部2を圧入する方向を表している。
なお、図9において軸合わせ部の説明に関係しない部分については適宜省略して描いている。
図9(a)、(b)に示すように、周方向に配置された複数の凸部からなる軸合わせ部を軸方向に2列設けるようにすることができる。
例えば、光接続部2を圧入する側から見て接合部55b1の奥側に軸合わせ部55b2を設け、その手前側に軸合わせ部55b21を設けるようにすることができる。
そして、光接続部2を圧入する側から見て奥側に設けられる軸合わせ部55b2を図4、図5に例示をした軸合わせ部25b2と同様とし、手前側に設けられる軸合わせ部55b21をハウジング55の樹脂成形をも考慮したものとすることができる。
例えば、軸合わせ部55b21を構成する凸部の大きさを軸合わせ部55b2を構成する凸部の大きさよりも小さくしたり、軸合わせ部55b21を構成する凸部の高さを軸合わせ部55b2を構成する凸部の高さよりも低くしたりすることができる。また、軸合わせ部55b21を構成する凸部の抜け勾配を軸合わせ部55b2を構成する凸部の抜け勾配よりも大きくするようにすることもできる。
この様な軸合わせ部55b21とすれば、ハウジング55の樹脂成形後に接合部55b1に挿入されていたコアピンを抜けやすくすることができる。
【0044】
図10も他の実施形態に係る軸合わせ部を例示するための模式断面図である。
また、図10において図中の矢印Aは光接続部2を圧入する方向を表している。
なお、図10において軸合わせ部の説明に関係しない部分については適宜省略して描いている。
図10に示すように、光接続部2を圧入する側から見て接合部65b1の奥側に螺旋状の軸合わせ部65b2を設けるようにすることができる。
螺旋状の軸合わせ部65b2とすれば、ハウジング65の樹脂成形後に接合部65b1に挿入されていたコアピンを回転させることで抜くことができるようになる。
【0045】
以上に説明をした各実施形態は光接続部2のスリーブ3を用いて軸合わせを行う場合である。
すなわち、スリーブ3のスタブ4が配設された側の外周の一部が、ハウジングに圧入固定され、スリーブ3の圧入固定されていない部分がハウジングと接着剤により接合される場合である。
これに対し、以下に説明をする各実施形態はスリーブ3から突出するスタブ4を用いて軸合わせを行う場合である。
すなわち、スタブ4の斜面4bがスリーブ3の端面よりも突出した位置に設けられ、スタブ4の斜面4bとスリーブ3の端面との間においてスタブ4の少なくとも一部が、ハウジングに圧入固定され、スリーブ3がハウジングと接着剤により接合される場合である。
【0046】
[第6の実施形態]
図11は、本発明の第6の実施形態に係る光レセプタクルを例示するための模式断面図である。
なお、図11は、プラグフェルール10が挿入された状態を表している。
【0047】
図11に示すように、光レセプタクル71には光接続部2とハウジング75とが設けられている。
ハウジング75は、基端部75aと、保持部75bと、基端部75aと保持部75bとの間に設けられた仕切り部75cとを有する。
なお、基端部75a、仕切り部75cは、前述した基端部5a、仕切り部5cとそれぞれ同様とすることができるので詳細な説明は省略する。
【0048】
保持部75bには、保持部75bの軸方向に沿って接合部75b1と軸合わせ部75b2とが設けられている。
なお、接合部75b1は、前述した接合部5b1と同様とすることができるので詳細な説明は省略する。
【0049】
軸合わせ部75b2は、円環状を呈している。すなわち、軸合わせ部75b2は、スタブ4に向けて突出した周方向に連続する一条の凸部となっている。軸合わせ部75b2の軸方向に直交する方向の寸法(円環の内径寸法)は、スタブ4の外径寸法以下となっている。軸合わせ部75b2の軸方向に直交する方向の寸法をスタブ4の外径寸法以下とすれば、ハウジング75と光接続部2との軸合わせ、ひいては、スリーブ3とスタブ4とレンズ6との軸合わせを行うことができる。
また、軸合わせ部75b2の形態を円環状とし、軸合わせ部75b2の軸方向に直交する方向の寸法をこのようにすることで、接合部75b1とスリーブ3との間に注入された接着剤などが、スタブ4の斜面4bや仕切り部5cのレンズ6が形成されている部分などにまで回り込むことを抑制することができる。
この場合、スリーブ3の端部3dと軸合わせ部75b2の端部75b3とを当接させるようにすれば、接着剤などがスタブ4の斜面4bや仕切り部5cのレンズ6が形成されている部分などに回り込むことをさらに抑制することができる。また、ハウジング75に対する光接続部2の軸方向位置を決めることもできる。
【0050】
軸合わせ部75b2の軸方向に直交する方向の寸法を余り短くすると、軸合わせ部75b2にスタブ4を圧入した際にハウジング75にクラックなどが発生するおそれがある。また、軸合わせ部75b2にスタブ4を圧入する際の作業性などが悪化するおそれもある。
また、ハウジング75と光接続部2との接合強度は、接合部75b1における接合により確保することができる。そのため、軸合わせ部75b2においては、ハウジング75と光接続部2との軸合わせを行うことができれば、ハウジング75と光接続部2との接合強度が必ずしも確保される必要はない。
そこで、軸合わせ部75b2の軸方向に直交する方向の寸法は、ハウジング75の強度、軸合わせ部75b2にスタブ4を圧入する際の作業性、ハウジング75と光接続部2との軸合わせ精度などを考慮して適宜決定するようにすることができる。
【0051】
この場合、レンズ6が形成されている側には軸合わせ部75b2が設けられ、レンズ6が形成される側とは反対側には接合部75b1が設けられている。
すなわち、軸合わせ部75b2はレンズ6に近い側に設けられている。
またさらに、スリーブ3から突出するスタブ4を用いて軸合わせを行う様にすれば、プラグフェルール10が挿入されるスリーブ3の内孔3aと、スタブ4と、レンズ6との軸合わせを直接的に行うようにすることができる。そのため、スリーブ3とスタブ4とレンズ6との軸合わせ精度をさらに向上させることができる。
【0052】
本実施の形態によれば、図1において例示をしたものと同様の効果を享受することができる。
またさらに、スタブ4を用いて軸合わせを行うようにしているので、スリーブ3とスタブ4とレンズ6との軸合わせ精度をさらに向上させることができる。
【0053】
[第7の実施形態]
図12は、本発明の第7の実施形態に係る光レセプタクルを例示するための模式断面図である。
図12に示すように、本実施の形態に係る光レセプタクル81に設けられたハウジング85は、基端部85aと、保持部85bと、基端部85aと保持部85bとの間に設けられた仕切り部85cとを有する。
なお、基端部85a、仕切り部85cは、前述した基端部25a、仕切り部25cとそれぞれ同様とすることができるので詳細な説明は省略する。
また、孔部85a1、孔部85dは、前述した孔部25a1、孔部25dとそれぞれ同様とすることができるので詳細な説明は省略する。
保持部85bには、保持部85bの軸方向に沿って接合部85b1と軸合わせ部85b2とが設けられている。
なお、接合部85b1は、前述した接合部25b1と同様とすることができるので詳細な説明は省略する。
【0054】
軸合わせ部85b2は、スタブ4に向けて突出した複数の凸部となっている。
例えば、軸合わせ部85b2が周方向に等しい間隔で配置された3個の凸部からなるものとすることができる。
この場合、複数の凸部が3個以上設けられ周方向において均等に配置されたものとすれば、軸合わせ部85b2による軸合わせ精度や軸合わせの安定性を向上させることができる。
【0055】
また、中心軸Cから軸合わせ部85b2までの最短寸法は、スタブ4の外径の半径寸法以下となっている。中心軸Cから軸合わせ部85b2までの最短寸法をスタブ4の外径の半径寸法以下とすることで、ハウジング85と光接続部2との軸合わせ、ひいては、スリーブ3とスタブ4とレンズ26との軸合わせを行うことができる。
また、凸部は半円柱形状を呈している。そのため、凸部の大きさを小さくすることができるので、軸合わせ部85b2にスタブ4を圧入する際に発生する応力を低減させることができる。
【0056】
またさらに、スリーブ3から突出するスタブ4を用いて軸合わせを行う様にすれば、プラグフェルール10が挿入されるスリーブ3の内孔3aと、スタブ4と、レンズ6との軸合わせを直接的に行うようにすることができる。そのため、スリーブ3とスタブ4とレンズ6との軸合わせ精度をさらに向上させることができる。
【0057】
本実施の形態によれば、図11において例示をしたものと同様の効果を享受することができる。
またさらに、凸部の大きさを小さくしているので、軸合わせ部85b2にスタブ4を圧入する際に発生する応力を低減させることができる。
また、軸合わせ部85b2と仕切り部85cとの間に孔部85dを設けているので、ハウジング85に光接続部2を接合する際に接着剤が飛び散ることを防止することができる。そのため、ハウジング85に光接続部2を接合する際にスタブ4の斜面4bなどに接着剤が付着することを防止することができる。
【0058】
[軸合わせ部の作用]
次に、前述した軸合わせ部が有する作用について説明する。
図13は、軸合わせ部を有していないハウジング115に光接続部2を接合する様子を例示するための模式工程断面図である。
図13(a)は、ハウジング115と光接続部2との間に接着剤106を注入し、それを治具110、治具111にセットした状態を表している。
すなわち、光接続部2の内孔3aに柱状の治具111を挿入し、治具110によりハウジング115を支持することで、光接続部2とハウジング115との水平方向と鉛直方向の位置を決めた状態を表している。
【0059】
図13(b)は、高温雰囲気において接着剤106を硬化させる様子を表している。
接着剤106を硬化させるために、図13(a)に示した状態のものを高温雰囲気に置くとそれぞれの材料が有する熱膨張係数の差により相対的な位置が変化する。すなわち、光接続部2とハウジング115との相対的な位置が変化する。
【0060】
図13(c)は、接着剤106を硬化させた後に常温まで冷却させた様子を表している。
図13(b)に示した状態のものを常温まで冷却させた場合、熱膨張したハウジング115が元の状態に戻ろうとするが接着剤106が硬化しているので元の状態に戻りきれないことになる。そのため、図13(b)に示した状態において位置ずれが発生すると、接着剤106の硬化後に発生した位置ずれがそのまま残るおそれがある。
【0061】
これに対して、前述した軸合わせ部を設けるものとすれば、図13(b)に示すような状態となった場合においても光接続部2とハウジング115との相対的な位置関係を維持することができる。そのため、接着剤106の硬化後に発生する位置ずれを抑制することができる。
本発明者の得た知見によれば、軸合わせ部を設けていない場合に25μm程度あった位置ずれを10μm以下、さらには5μm以下にまで低減させることができる。
すなわち、位置ずれを1/2.5〜1/5以下にまで低減させることができる。
【符号の説明】
【0062】
1 光レセプタクル、2 光接続部、3 スリーブ、4 スタブ、4a 曲面、4b 斜面、5 ハウジング、5a 基端部、5b 保持部、5b1 接合部、5b2 軸合わせ部、5c 仕切り部、6 レンズ、10 プラグフェルール、15 ハウジング、15b2 軸合わせ部、20 光電変換素子パッケージ、25 ハウジング、25b1 接合部、25b2 軸合わせ部、25d 孔部、35 ハウジング、45 ハウジング、25b21 軸合わせ部、26 レンズ、55 ハウジング、25b2 軸合わせ部、55b21 軸合わせ部、65 ハウジング、65b2 軸合わせ部、71 光レセプタクル、75 ハウジング、75a 基端部、75b 保持部、75b1 接合部、75b2 軸合わせ部、75c 仕切り部、81 光レセプタクル、85 ハウジング、85a 基端部、85b 保持部、85b1 接合部、85b2 軸合わせ部、85c 仕切り部、85d 孔部、106 接着剤、110 治具、111 治具、115 ハウジング

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光電変換素子パッケージ側に突出したレンズを一体に備えるハウジングと、
前記ハウジングの前記レンズが突出した側とは反対側に内在され、光ファイバを具備したプラグフェルールを挿入する内孔を有したスリーブと、
前記スリーブの内孔の前記プラグフェルールを挿入する側とは反対側に配置され、且つ前記スリーブの軸方向途中位置において前記光ファイバの先端と密着する凸曲面からなる第一端面並びに前記レンズの側に設けられた第二端面を有するスタブと、
を備えた光レセプタクルであって、
前記スリーブの前記スタブが配設された側の外周の一部が、前記ハウジングに圧入固定され、前記スリーブの圧入固定されていない部分が前記ハウジングと接着剤により接合されたことを特徴とする光レセプタクル。
【請求項2】
光電変換素子パッケージ側に突出したレンズを一体に備えるハウジングと、
前記ハウジングの前記レンズが突出した側とは反対側に内在され、光ファイバを具備したプラグフェルールを挿入する内孔を有したスリーブと、
前記スリーブの内孔の前記プラグフェルールを挿入する側とは反対側に配置され、且つ前記スリーブの軸方向途中位置において前記光ファイバの先端と密着する凸曲面からなる第一端面並びに前記レンズの側に設けられた第二端面を有するスタブと、
を備えた光レセプタクルであって、
前記スタブの前記第二端面が前記スリーブの端面よりも突出した位置に設けられ、前記スタブの前記第二端面と前記スリーブの端面との間において前記スタブの少なくとも一部が、前記ハウジングに圧入固定され、前記スリーブが前記ハウジングと接着剤により接合されたことを特徴とする光レセプタクル。
【請求項3】
前記ハウジングの圧入固定がされる部分には、前記スリーブまたは前記スタブに向けて突出した周方向に連続する一条の凸部が設けられたこと、を特徴とする請求項1または2に記載の光レセプタクル。
【請求項4】
前記ハウジングの圧入固定がされる部分には、前記スリーブまたは前記スタブに向けて突出した複数の凸部が設けられたこと、を特徴とする請求項1または2に記載の光レセプタクル。
【請求項5】
前記複数の凸部は、3個以上設けられ、周方向において均等に配置されたことを特徴とする請求項4記載の光レセプタクル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−78486(P2012−78486A)
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−222377(P2010−222377)
【出願日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【出願人】(000010087)TOTO株式会社 (3,889)
【Fターム(参考)】