説明

光変調装置、それを用いた中継システムおよびネットワークシステム

【課題】2次の非線形歪と3次の非線形歪とを同時に抑制可能な光変調装置を提供する。
【解決手段】光変調装置10は、レーザ光源1と、光変調器2と、制御部3とを備える。制御部3は、電圧Vをレーザ光LB2(光信号)に変換するときの非線形歪み(=2次の歪みおよび3次の歪み)を抑制するための波長λを有するレーザ光LB1を発生するようにレーザ光源1を制御する。レーザ光源1は、制御部3からの制御に従って、波長λを有するレーザ光LB1を発生し、その発生したレーザ光LB1を光変調器2へ導く。光変調器2は、レーザ光LB1の強度を電圧Vに応じた透過強度に変換することにより、電圧Vをレーザ光LB2に変換する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、光変調装置、それを用いた中継システムおよびネットワークシステムに関し、特に、非線形歪みを抑制可能な光変調装置、それを用いた中継システムおよびネットワークシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、放送と通信との融合に関するサービスシステムが注目されており、放送と通信との融合システムを実現する基盤ネットワークとしてソフトウェア光ファイバ無線ネットワーク(SDNW:Software Defined Radio−on−Fiber Network)に関する研究が行なわれている。
【0003】
SDNWにおいては、RoF(Radio−on−Fiber)ネットワークがユーザの端末(携帯電話機およびPDA(Personal Digital Assistant)等)および高度道路交通システム(ITS:Intelligent Transport System)等と、インターネットとの間のリンクを構築する機能を果たす。
【0004】
そして、RoFネットワークは、UHF(Ultra High Frequency)帯のデジタル放送、2GHz帯の3G携帯電話および5GHz帯の無線LAN(IEEE802.11a,IEEE802.11n)等、強度が複雑に変化するRF信号を一括して直接光変調する必要があるため、非常にダイナミックレンジが高い、即ち、低歪/低雑音の電波の光変換技術を必要とする。
【0005】
従来、電気信号を光信号に変換する装置として電界吸収型光変調器(EAM:Electro−Absorption Modulator)が知られている(非特許文献1)。この電界吸収型光変調器は、入射された光の透過強度を印加された電圧に比例する透過強度に設定して出力するものであり、一般に歪が最小となるバイアス電圧で動作される。
【非特許文献1】Young−Shik Kang, Jiyoun Lim, Sung−Bock Kim, Jeha Kim,“Improvement of linearity in EAM by composite QWs”,International Topical Meeting on Microwave Photonics, 10−12 September, 2003.
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、従来の電界吸収型光変調器においては、マルチオクターブ伝送時の歪の原因となる2次の非線形歪と3次の非線形歪とを同時に抑制することが困難である。
【0007】
そこで、この発明は、かかる問題を解決するためになされたものであり、その目的は、2次の非線形歪と3次の非線形歪とを同時に抑制可能な光変調装置を提供することである。
【0008】
また、この発明の別の目的は、2次の非線形歪と3次の非線形歪とを同時に抑制可能な光変調装置を備える中継システムを提供することである。
【0009】
更に、この発明の別の目的は、2次の非線形歪と3次の非線形歪とを同時に抑制可能な光変調装置を備えるネットワークシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この発明によれば、光変調装置は、光変調器と、光源とを備える。光変調器は、入射光の透過強度を印加電圧に比例した透過強度に設定して出力する。光源は、光変調器の出力と印加電圧との関係における非線形歪みを抑制する波長を有するレーザ光を発生し、その発生したレーザ光を入射光として光変調器へ導く。
【0011】
好ましくは、光変調装置は、制御手段を更に備える。制御手段は、光変調器の出力に基づいて非線形歪みを検出するとともに、その検出した非線形歪みを抑制するための波長を検出し、その検出した波長を有するレーザ光を出射するように光源を制御する。光源は、制御手段からの制御に応じて、制御手段によって検出された波長を有するレーザ光を発生して光変調器へ導く。
【0012】
好ましくは、制御手段は、非線形歪みを抑制するためにシフトさせるレーザ光の波長のシフト量と、印加電圧との関係を示すテーブルを保持しており、非線形歪みを検出すると、テーブルを参照してシフト量を検出し、その検出したシフト量に基づいて、非線形歪みを抑制するための波長を検出する。
【0013】
また、この発明によれば、中継システムは、受信機と、光変調装置と、光ファイバ伝送線路と、送信機とを備える。受信機は、無線信号を受信し、その受信した無線信号を電圧からなる電気信号に変換して出力する。光変調装置は、受信機からの電気信号を光信号に変換して出力する。光ファイバ伝送線路は、光変調装置から出力された光信号を伝送する。送信機は、光ファイバ伝送線路によって伝送された光信号を電気信号に変換するとともに、その変換した電気信号を無線信号として放射する。光変調装置は、光変調器と、光源とを含む。光変調器は、入射光の透過強度を電気信号を構成する電圧に比例した透過強度に設定して光ファイバ伝送線路へ出力する。光源は、光変調器の出力と電気信号との関係における非線形歪みを抑制する所定の波長を有するレーザ光を発生し、その発生したレーザ光を入射光として光変調器へ導く。
【0014】
更に、この発明によれば、中継システムは、第1および第2の送受信機と、第1および第2の送受信モジュールと、第1および第2の光ファイバ伝送線路とを備える。第1の送受信機は、無線通信空間から第1の無線信号を受信し、その受信した第1の無線信号を第1の電圧からなる第1の電気信号に変換して出力するとともに、第2の電気信号を第1の無線信号に変換して無線通信空間へ送信する。第1の送受信モジュールは、第1の送受信機からの第1の電気信号を第1の光信号に変換して出力するとともに、第2の光信号を第2の電気信号に変換して第1の送受信機へ出力する。第1の光ファイバ伝送線路は、第1の光変調装置から出力された第1の光信号を伝送する。第2の送受信モジュールは、第1の光ファイバ伝送線路によって伝送された第1の光信号を第3の電気信号に変換し、その変換した第3の電気信号を出力するとともに、第2の電圧からなる第4の電気信号を第2の光信号に変換して出力する。第2の送受信機は、第3の電気信号を第2の無線信号に変換して無線通信空間へ送信するとともに、無線通信空間から第2の無線信号を受信し、その受信した第2の無線信号を第4の電気信号に変換して第2の送受信モジュールへ出力する。第2の光ファイバ伝送線路は、第2の送受信モジュールから出力された第2の光信号を第1の送受信モジュールへ伝送する。第1の送受信モジュールは、第1の光変調装置と、第1の光電変換機とを含む。第1の光変調装置は、第1の電気信号を第1の光信号に変換して第1の光ファイバ伝送線路へ出力する。第1の光電変換器は、第2の光信号を第2の電気信号に変換する。第2の送受信モジュールは、第2の光電変換器と、第2の光変調装置とを含む。第2の光電変換器は、第1の光信号を第3の電気信号に変換する。第2の光変調装置は、第4の電気信号を第2の光信号に変換する。第1の光変調装置は、第1の光変調器と、第1の光源とからなる。第1の光変調器は、第1の入射光の透過強度を第1の電気信号を構成する第1の電圧に比例した透過強度に設定して第1の光ファイバ伝送線路へ出力する。第1の光源は、第1の光変調器の出力と第1の電圧との関係における非線形歪みを抑制する第1の波長を有する第1のレーザ光を発生し、その発生した第1のレーザ光を第1の入射光として第1の光変調器へ導く。第2の光変調装置は、第2の光変調器と、第2の光源とからなる。第2の光変調器は、第2の入射光の透過強度を第4の電気信号を構成する第2の電圧に比例した透過強度に設定して第2の光ファイバ伝送線路へ出力する。第2の光源は、第2の光変調器の出力と第2の電圧との関係における非線形歪みを抑制する第2の波長を有する第2のレーザ光を発生し、その発生した第2のレーザ光を第2の入射光として第2の光変調器へ導く。
【0015】
更に、この発明によれば、ネットワークシステムは、通信装置と、通信機器と、第1および第2の送受信モジュールと、光ファイバ伝送線路とを備える。通信装置は、通信ネットワークとの間でデジタル信号を送受信するとともに、通信ネットワークから受信したデジタル信号を第1の電圧からなる第1のアナログ信号に変換する。通信機器は、通信装置との間で通信を行なう。第1の送受信モジュールは、通信装置から受けた第1のアナログ信号を光信号に変換して出力するとともに、光信号を受信し、その受信した光信号を第1のアナログ信号に変換して通信装置へ出力する。第2の送受信モジュールは、光信号を受信し、その受信した光信号を第2の電圧からなる第2のアナログ信号に変換して出力するとともに、第2のアナログ信号を光信号に変換して通信機器へ出力する。光ファイバ伝送線路は、第1および第2の送受信モジュール間で光信号を伝送する。第1の送受信モジュールは、第1の光変調装置と、第1の光電変換器とを含む。第1の光変調装置は、第1のアナログ信号を光信号に変換して光ファイバ伝送線路へ出力する。第1の光電変換器は、光信号を第1のアナログ信号に変換する。第2の送受信モジュールは、第2の光電変換器と、第2の光変調装置とを含む。第2の光電変換器は、光信号を第2のアナログ信号に変換する。第2の光変調装置は、第2のアナログ信号を光信号に変換して光ファイバ伝送線路へ出力する。第1の光変調装置は、第1の光変調器と、第1の光源とからなる。第1の光変調器は、第1の入射光の透過強度を第1のアナログ信号を構成する第1の電圧に比例した透過強度に設定して光ファイバ伝送線路へ出力する。第1の光源は、第1の光変調器の出力と第1の電圧との関係における非線形歪みを抑制する第1の波長を有する第1のレーザ光を発生し、その発生した第1のレーザ光を第1の入射光として第1の光変調器へ導く。第2の光変調装置は、第2の光変調器と、第2の光源とからなる。第2の光変調器は、第2の入射光の透過強度を第2のアナログ信号を構成する第2の電圧に比例した透過強度に設定して光ファイバ伝送線路へ出力する。第2の光源は、第2の光変調器の出力と第2の電圧との関係における非線形歪みを抑制する第2の波長を有する第2のレーザ光を発生し、その発生した第2のレーザ光を第2の入射光として第2の光変調器へ導く。
【0016】
好ましくは、通信装置、通信機器、第1および第2の送受信モジュールおよび光ファイバ伝送線路は、家屋内に配置される。
【0017】
好ましくは、通信機器は、デジタル家電装置およびAV機器の少なくとも1つからなる。
【0018】
好ましくは、通信機器は、第2の送受信モジュールとの間で無線通信を行なう無線装置である。
【0019】
好ましくは、通信機器は、第2の送受信モジュールとの間で無線通信を行なう無線装置、デジタル家電装置およびAV機器の少なくとも1つからなる。
【発明の効果】
【0020】
この発明による光変調装置は、入射光の透過強度を印加電圧に応じた透過強度に設定して出力する光変調器と、電圧をレーザ光に変換するときの非線形歪み(2次歪みおよび3次歪み)を抑制する所定の波長を有するレーザ光を発生し、その発生したレーザ光を入射光として光変調器へ導く光源とを備える。
【0021】
従って、この発明によれば、2次歪みおよび3次歪みを同時に抑制できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
【0023】
図1は、この発明の実施の形態による光変調装置の構成を示す概略ブロック図である。図1を参照して、この発明の実施の形態による光変調装置10は、レーザ光源1と、光変調器2と、制御部3とを備える。
【0024】
レーザ光源1は、波長を切換え可能なレーザからなる。そして、レーザ光源1は、制御部3からの制御に従って、波長λのレーザ光を発生し、その発生したレーザ光LB1を光変調器2へ導く。
【0025】
光変調器2は、光の透過強度が印加電圧に比例する電界吸収型光変調器(EAM)からなる。そして、光変調器2は、レーザ光源1からのレーザ光LB1の透過強度を制御部3から受けた電圧Vに比例する透過強度に設定してレーザ光LB2を出力する。
【0026】
制御部3は、後述する方法によって、光変調器2に電圧Vが印加されたときに光変調器2の出力(=レーザ光LB2)と電圧Vとの関係における非線形歪(=2次および3次の非線形歪)を抑制するための波長λを決定し、その決定した波長λを有するレーザ光LB1を発生するようにレーザ光源1を制御する。即ち、制御部3は、電圧Vおよび波長λによって、光変調器2の出力における非線形歪を抑制するようにレーザ光源1および光変調器2を制御する。
【0027】
次に、光変調器2の出力における非線形歪を抑制する方法について説明する。図2は、実験に用いた電界吸収型光変調器における光出力とバイアス電圧との関係を示す図である。
【0028】
図2において、縦軸は、光出力を表し、横軸は、バイアス電圧を表す。また、曲線k1は、電界吸収型光変調器EAM1の光出力とバイアス電圧との関係を示し、曲線k2は、電界吸収型光変調器EAM2の光出力とバイアス電圧との関係を示す。
【0029】
電界吸収型光変調器EAM1,EAM2の各々において、光出力は、電界吸収型光変調器EAM1,EAM2に印加されるバイアス電圧が正の電圧から負の電圧へ変化するに従って指数関数的に低くなる。
【0030】
そして、電界吸収型光変調器EAM1,EAM2における光出力特性をバイアス電圧Vの指数関数によって近似すると、次式のようになる。
【0031】
【数1】

【0032】
なお、式(1)において、Vは、バイアス電圧であり、Pは、バイアス電圧Vが0Vであるときの光出力パワーであり、t〜tは、定数である。
【0033】
このように、電界吸収型光変調器EAM1,EAM2の光出力は、4次の指数項を用いた多項式によって近似される。
【0034】
図3は、波長を変化させたときの電界吸収型光変調器の光出力とバイアス電圧との関係を示す図である。また、図4は、バイアス電圧を変化させたときの電界吸収型光変調器の光出力と波長との関係を示す図である。
【0035】
図3において、縦軸は、光出力を表し、横軸は、バイアス電圧を表す。また、曲線k3〜k6は、それぞれ、波長が1545nm,1555nm,1565nm,1575nmである場合の光出力とバイアス電圧との関係を示す。
【0036】
図4において、縦軸は、光出力を表し、横軸は、波長を表す。また、曲線k7〜k12は、それぞれ、バイアス電圧Vが0V,−0.2V,−0.4V,−0.6V,−0.8V,−1.0Vであるときの光出力と波長との関係を示す。
【0037】
図3を参照して、各波長において、光出力は、バイアス電圧Vが正の電圧から負の電圧へ変化するに従って指数関数的に低くなる。そして、1つのバイアス電圧においては、光出力は、波長が長くなるに従って強くなる。
【0038】
1560nm〜1580nmの波長範囲において、光出力を1nm間隔で測定すると、図4に示すようになる。図4を参照して、各バイアス電圧において、光出力は、波長が長くなるに従って指数関数的に強くなる。そして、電界吸収型光変調器における光出力特性を波長λの指数関数によって近似すると、次式のようになる。
【0039】
【数2】

【0040】
なお、式(2)において、r〜rは、定数である。
【0041】
電界吸収型光変調器における光出力特性は、バイアス電圧Vに対して式(1)のように表され、波長λに対して式(2)のように表される。従って、電界吸収型光変調器における光出力特性は、バイアス電圧Vおよび波長λに対して次式のように表される。
【0042】
【数3】

【0043】
なお、式(3)において、Tλ=λ1(V)は、波長λ1におけるバイアス電圧Vに対する強度透過特性を表し、RV=V1(λ)は、バイアス電圧V1における波長λに対する強度透過特性を表す。
【0044】
従って、バイアス電圧Vおよび波長λに対する電界吸収型光変調器の強度透過特性は、式(3)をテイラー展開した次式によって表される。
【0045】
【数4】

【0046】
電界吸収型光変調器のバイアス電圧Vおよび波長λは、狭い範囲で見ると、強度透過特性に対して独立変数と見做せるので、バイアス電圧Vおよび波長λに対する電界吸収型光変調器の強度透過特性は、次式のように、バイアス電圧Vおよび波長λの各々によるテイラー展開の和で表され得る。
【0047】
【数5】

【0048】
非線形歪みが発生しない条件は、電界吸収型光変調器の光出力がバイアス電圧Vに対して比例関係であることから、波長λとバイアス電圧Vとの間に比例関係が成立するように調整できれば、非線形歪みは、発生しない。
【0049】
式(1)の第n次導関数は、一般化すると、次式によって表される。
【0050】
【数6】

【0051】
同様に、式(2)の第n次導関数は、一般化すると、次式によって表される。
【0052】
【数7】

【0053】
波長λ=1570nmおよびバイアス電圧V1=−0.4Vの場合における式(1)の定数t〜tおよび式(2)の定数r〜rを表1に示す。
【0054】
【表1】

【0055】
表1に示す定数t〜tおよび定数r〜rを用いると、式(3)は、次式によって表される。
【0056】
【数8】

【0057】
従って、バイアス電圧Vと波長λとの関係は、次式の連立方程式により得られる。
【0058】
【数9】

【0059】
なお、Kは、定数である。
【0060】
式(9)は、複雑であり、解くのは、困難であるため、式(9)に示す関係を有するバイアス電圧Vと波長λとの関係を数値計算によって求めた。
【0061】
図5は、式(9)におけるバイアス電圧Vと波長λとの関係を数値計算で求めたときの波長シフトとRF電圧との関係を示す図である。図5において、縦軸は、波長シフトを表し、横軸は、RF電圧を表す。
【0062】
曲線k13は、式(9)におけるVの項、Vの項、λの項、λの項およびλの項が消去されるように数値計算された波長シフトとRF電圧との関係を示す。即ち、2次の歪みおよび3次の歪みが消去されるように数値計算された波長シフトとRF電圧との関係を示す。
【0063】
上述したように、式(9)におけるλは、波長λ1=1570nmを中心とした波長の変動分であり、式(9)におけるVは、電圧V1=−0.4Vを中心とした電圧の変動分である。従って、Vの項、Vの項、λの項、λの項およびλの項が消去されるように数値計算されたλおよびVは、それぞれ、図5における波長の変動分および電圧の変動分を表す。
【0064】
そして、上述した方法によって数値計算されたλ(=波長の変動分)およびV(=電圧の変動分)をプロットすると、図5に示す曲線k13になる。
【0065】
光変調装置10において、制御部3は、曲線k13を保持している。そして、制御部3は、曲線k13を参照して光変調器2に印加するRF電圧に対応した波長シフトを求め、その求めた波長シフトに基づいて2次の歪みおよび3次の歪みを消去するための波長を求める。
【0066】
例えば、制御部3は、光変調器2に印加する電圧の変動分(=RF電圧)が0.2Vであるとき、曲線k13を参照して、0.2VのRF電圧に対応する23nmの波長シフトを求める。この23nmの波長シフトは、1570nmからの波長シフトを表すので、制御部3は、23nmを1570nmに加算して、2次の歪みおよび3次の歪みを消去するための波長を1593nm(=1570nm+23nm)と求める。
【0067】
そして、制御部3は、2次の歪みおよび3次の歪みを消去するための波長を求めると、その求めた波長(=1593nm)を有するレーザ光を発生するようにレーザ光源1を制御する。
【0068】
光変調装置10における全体動作について説明する。制御部3は、V1=−0.4Vを中心とし、RF電圧が0.6Vである電圧Vを光変調器2に印加する場合、曲線k13を参照して、0.6VのRF電圧に対応する22nmの波長シフトを求め、その求めた波長シフト(=23nm)を1570nmに加算して、2次の歪みおよび3次の歪みを消去するための波長を1592nm(=1570nm+22nm)と求める。
【0069】
そして、制御部3は、その求めた波長1592nmを有するレーザ光LB1を発生するようにレーザ光源1を制御するとともに、電圧V(中心電圧:−0.4V、RF電圧:0.6V)を光変調器2へ出力する。
【0070】
レーザ光源1は、制御部3からの制御に従って、1592nmの波長を有するレーザ光LB1を発生し、その発生したレーザ光LB1を光変調器2へ導く。光変調器2は、制御部3から電圧V(中心電圧:−0.4V、RF電圧:0.6V)を受け、レーザ光LB1をレーザ光源1から受ける。そして、光変調器2は、レーザ光LB1の強度を電圧V(中心電圧:−0.4V、RF電圧:0.6V)に応じた透過強度に変換することにより、電圧V(中心電圧:−0.4V、RF電圧:0.6V)をレーザ光LB2に変換し、その変換したレーザ光LB2を出力する。
【0071】
この場合、レーザ光LB1の波長は、光変調器2において電圧V(中心電圧:−0.4V、RF電圧:0.6V)をレーザ光LB2に変換するときの2次の歪みおよび3次の歪みを抑制する波長(=1592nm)を有するので、光変調器2は、レーザ光LB1に基づいて、非線形歪み(=2次の歪みおよび3次の歪み)を抑制して電圧V(中心電圧:−0.4V、RF電圧:0.6V)をレーザ光LB2に変換する。
【0072】
このように、光変調装置10は、電圧Vをレーザ光LB2(光信号)に変換するときの非線形歪み(=2次の歪みおよび3次の歪み)を抑制するための波長λを有するレーザ光LB1を発生するようにレーザ光源1を制御する制御部3と、制御部3からの制御に従って、波長λを有するレーザ光LB1を発生するレーザ光源1と、レーザ光LB1の強度を電圧V(中心電圧:−0.4V、RF電圧:0.6V)に応じた透過強度に変換することにより、電圧V(中心電圧:−0.4V、RF電圧:0.6V)をレーザ光LB2に変換する光変調器2とを備える。
【0073】
従って、この発明によれば、非線形歪み(=2次の歪みおよび3次の歪み)を抑制して電圧V(中心電圧:−0.4V、RF電圧:0.6V)をレーザ光LB2に変換できる。
【0074】
[応用例1]
図6は、この発明の実施の形態による光変調装置を用いた中継システムの構成を示す概略ブロック図である。図6を参照して、中継システム100は、光変調装置10と、受信機20と、光ファイバ伝送線路30と、光電変換器40と、送信機50とを備える。
【0075】
なお、中継システム100においては、レーザ光源1は、光ファイバ伝送線路4によって光変調器2に接続される。
【0076】
光変調装置10は、光ファイバ伝送線路30によって光電変換器40に接続される。受信機20は、光変調装置10の光変調器2に接続される。光電変換器40は、光ファイバ伝送線路30によって光変調器2に接続されるとともに、送信機40に接続される。
【0077】
受信機20は、無線通信空間から無線信号RFを受信し、その受信した無線信号RFを電圧Vからなる電気信号ES(V)に変換して光変調装置10の光変調器2へ出力する。光変調装置10において、制御部3は、受信機20から光変調器2へ出力された電気信号ES(V)の電圧Vを検出し、その検出した電圧Vに基づいて、光変調器2の出力と電圧Vとの関係における非線形歪みを抑制するための波長λを上述した方法によって検出し、その検出した波長λを有するレーザ光を発生するようにレーザ光源1を制御する。また、光変調装置10において、レーザ光源1は、制御部3からの制御に従って波長λを有するレーザ光を発生し、その発生したレーザ光を光ファイバ伝送線路4を介して光変調器2へ導く。更に、光変調器2は、レーザ光源1からのレーザ光の透過強度を受信機20から受けた電気信号ES(V)の電圧Vに比例する透過強度に変換し、その変換した透過強度を有する光信号OSを光ファイバ伝送線路30へ出射する。これによって、光変調装置10は、受信機20から受けた電気信号ES(V)を非線形歪みを抑制して光信号OSに変換し、その変換した光信号OSを光ファイバ伝送線路30へ出力する。
【0078】
光ファイバ伝送線路30は、光変調装置10からの光信号OSを光電変換器40へ伝送する。光電変換器40は、光ファイバ伝送線路30から光信号OSを受信し、その受信した光信号OSを電気信号ES(V)に変換して送信機50へ出力する。
【0079】
送信機50は、光電変換器40から受けた電気信号ES(V)を無線信号に変換して無線通信空間へ送信する。
【0080】
このように、中継システム100は、受信機20が無線通信空間から受信した無線信号RFを非線形歪みを抑制して光信号OSに変換して光電変換器40へ送信し、光電変換器40および送信機50は、光信号OSを無線信号に変換して無線通信空間へ送信する。即ち、中継システム100は、受信機20が無線通信空間から受信した無線信号RFを中継する。
【0081】
[応用例2]
図7は、この発明の実施の形態による光変調装置を用いた中継システムの構成を示す他の概略ブロック図である。図7を参照して、中継システム200は、送受信機210,260と、送受信モジュール220,250と、光ファイバ伝送線路230,240とを備える。
【0082】
送受信モジュール220は、光変調装置221と、光電変換器222とを含む。光変調装置221は、図1に示す光変調装置10と同じ構成からなる。また、送受信モジュール250は、光変調装置251と、光電変換器252とを含む。光変調装置251は、図1に示す光変調装置10と同じ構成からなる。
【0083】
送受信機210は、光変調装置221の光変調器2と、光電変換器222とに接続される。光ファイバ伝送線路230は、光変調装置221の光変調器2を送受信モジュール250の光電変換器252に接続する。
【0084】
光ファイバ伝送線路240は、光変調装置251の光変調器2を送受信モジュール220の光電変換器222に接続する。送受信機260は、光変調装置251の光変調器2と、光電変換器252とに接続される。
【0085】
送受信機210は、無線通信空間から無線信号RF1を受信し、その受信した無線通信RF1を電圧V1からなる電気信号ES1(V1)に変換して光変調装置221の光変調器2へ出力する。また、送受信機210は、光電変換器222から受けた電気信号ES2(V2)(電圧V2からなる)を無線信号RF1に変換して無線通信空間へ送信する。
【0086】
光変調装置221は、送受信機210から受けた電気信号ES1(V1)を非線形歪みを抑制して光信号OS1に変換し、その変換した光信号OS1を光ファイバ伝送線路230へ出力する。
【0087】
光電変換器222は、光ファイバ伝送線路240から受けた光信号OS2を電圧V2からなる電気信号ES2(V2)に変換し、その変換した電気信号ES2(V2)を送受信機210へ出力する。
【0088】
光ファイバ伝送線路230は、光変調装置221から出力された光信号OS1を送受信モジュール250の光電変換器252へ伝搬する。光ファイバ伝送線路240は、送受信モジュール250の光変調装置251から出力された光信号OS2を送受信モジュール220の光電変換器222へ伝搬する。
【0089】
光変調装置251は、送受信機260から受けた電気信号ES4(V4)(電圧V4からなる)を非線形歪みを抑制して光信号OS2に変換し、その変換した光信号OS2を光ファイバ伝送線路240へ出力する。
【0090】
光電変換器252は、光ファイバ伝送線路230から光信号OS1を受信し、その受信した光信号OS1を電圧V3からなる電気信号ES3(V3)に変換して送受信機260へ出力する。
【0091】
送受信機260は、光電変換器252から受けた電気信号ES3(V3)を無線信号RF2に変換して無線通信空間へ送信する。また、送受信機260は、無線通信空間から無線信号RF2を受信し、その受信した無線信号RF2を電圧V4からなる電気信号ES4(V4)に変換して光変調装置251へ出力する。
【0092】
中継システム200の全体動作について説明する。送受信機210は、無線通信空間から無線信号RF1を受信し、その受信した無線信号RF1を電圧V1からなる電気信号ES1(V1)に変換して光変調装置221の光変調器2へ出力する。光変調装置221において、制御部3は、送受信機210から光変調器2へ出力された電気信号ES1(V1)の電圧V1を検出し、その検出した電圧V1に基づいて、光変調器2の出力と電圧V1との関係における非線形歪みを抑制するための波長λ1を上述した方法によって検出し、その検出した波長λ1を有するレーザ光を発生するようにレーザ光源1を制御する。そして、光変調装置221のレーザ光源1は、制御部3からの制御に従って波長λ1を有するレーザ光を発生し、その発生したレーザ光を光ファイバ伝送線路4を介して光変調器2へ導く。そうすると、光変調器2は、レーザ光源1からのレーザ光の透過強度を送受信機210から受けた電気信号ES1(V1)の電圧V1に比例する透過強度に変換し、その変換した透過強度を有する光信号OS1を光ファイバ伝送線路230へ出射する。これによって、光変調装置221は、送受信機210から受けた電気信号ES1(V1)を非線形歪みを抑制して光信号OS1に変換し、その変換した光信号OS1を光ファイバ伝送線路230へ出力する。
【0093】
光ファイバ伝送線路230は、光変調装置221からの光信号OS1を光電変換器252へ伝送する。そして、光電変換器252は、光ファイバ伝送線路230から光信号OS1を受信し、その受信した光信号OS1を電気信号ES3(V3)に変換して送受信機260へ出力する。
【0094】
送受信機260は、光電変換器252から受けた電気信号ES3(V3)を無線信号RF2に変換して無線通信空間へ送信する。
【0095】
また、送受信機260は、無線通信空間から無線信号RF2を受信し、その受信した無線信号RF2を電圧V4からなる電気信号ES4(V4)に変換して光変調装置251の光変調器2へ出力する。光変調装置251において、制御部3は、送受信機260から光変調器2へ出力された電気信号ES4(V4)の電圧V4を検出し、その検出した電圧V4に基づいて、光変調器2の出力と電圧V4との関係における非線形歪みを抑制するための波長λ2を上述した方法によって検出し、その検出した波長λ2を有するレーザ光を発生するようにレーザ光源1を制御する。そして、光変調装置251のレーザ光源1は、制御部3からの制御に従って波長λ2を有するレーザ光を発生し、その発生したレーザ光を光ファイバ伝送線路4を介して光変調器2へ導く。そうすると、光変調器2は、レーザ光源1からのレーザ光の透過強度を送受信機260から受けた電気信号ES4(V4)の電圧V4に比例する透過強度に変換し、その変換した透過強度を有する光信号OS2を光ファイバ伝送線路240へ出射する。これによって、光変調装置251は、送受信機260から受けた電気信号ES4(V4)を非線形歪みを抑制して光信号OS2に変換し、その変換した光信号OS2を光ファイバ伝送線路240へ出力する。
【0096】
光ファイバ伝送線路240は、光変調装置251からの光信号OS2を光電変換器222へ伝送する。そして、光電変換器222は、光ファイバ伝送線路240から光信号OS2を受信し、その受信した光信号OS2を電気信号ES2(V2)に変換して送受信機210へ出力する。
【0097】
送受信機210は、光電変換器222から受けた電気信号ES2(V2)を無線信号RF1に変換して無線通信空間へ送信する。
【0098】
このように、中継システム200は、送受信機210が無線通信空間から受信した無線信号RF1を送受信モジュール220において非線形歪みを抑制して光信号OS1に変換して送受信モジュール250へ送信し、送受信モジュール250および送受信機260は、光信号OS1を無線信号RF2に変換して無線通信空間へ送信するとともに、送受信機260が無線通信空間から受信した無線信号RF2を送受信モジュール250において非線形歪みを抑制して光信号OS2に変換して送受信モジュール220へ送信し、送受信モジュール220および送受信機210は、光信号OS2を無線信号RF1に変換して無線通信空間へ送信する。即ち、中継システム200は、無線通信空間から受信した無線信号RF1,RF2を双方向で中継する。
【0099】
[応用例3]
図8は、この発明の実施の形態による光変調装置を用いたネットワークシステムの構成を示す概略図である。図8を参照して、ネットワークシステム300は、ゲートウェイ310と、送受信モジュール320,340,360,400,420と、光ファイバ伝送線路330,350,390,410と、携帯電話機370と、デジタル家電装置380と、無線LAN(Local Area Network)システム430と、AV(Audio Video)機器440とを備える。
【0100】
ゲートウェイ310、送受信モジュール320,340,360,400,420、光ファイバ伝送線路330,350,390,410、携帯電話機370、デジタル家電装置380、無線LANシステム430、およびAV機器440は、家屋460内に配置される。従って、ネットワークシステム300は、オフィスまたは家庭内におけるネットワークを構成する。また、送受信モジュール320,340,360,400,420の各々は、図7に示す送受信モジュール220,250と同じ構成からなる。
【0101】
ゲートウェイ310は、IP(Internet Protocol)ネットワーク450に接続される。送受信モジュール320は、ゲートウェイ310に接続される。光ファイバ伝送線路330は、送受信モジュール340を送受信モジュール320に接続する。送受信モジュール340は、アンテナ341を有し、光ファイバ伝送線路330を介して送受信モジュール320に接続される。
【0102】
光ファイバ伝送線路350は、送受信モジュール360を送受信モジュール340に接続する。送受信モジュール360は、光ファイバ伝送線路350を介して送受信モジュール340に接続される。デジタル家電装置380は、送受信モジュール360に接続される。
【0103】
光ファイバ伝送線路390は、送受信モジュール400を送受信モジュール320に接続する。送受信モジュール400は、アンテナ401を有し、光ファイバ伝送線路390を介して送受信モジュール320に接続される。
【0104】
光ファイバ伝送線路410は、送受信モジュール420を送受信モジュール400に接続する。送受信モジュール420は、光ファイバ伝送線路410を介して送受信モジュール400に接続される。AV機器440は、送受信モジュール420に接続される。
【0105】
ゲートウェイ310は、IPネットワーク450との間でデジタル信号を送受信する。そして、ゲートウェイ310は、IPネットワーク450から受信したデジタル信号をアナログ信号に変換して送受信モジュール320へ送信し、送受信モジュール320から受けたアナログ信号をデジタル信号に変換してIPネットワーク450へ送信する。
【0106】
送受信モジュール320は、ゲートウェイ310から受けたアナログ信号ANS(電圧Vからなる)を非線形歪みを抑制して光信号OS1に変換し、その変換した光信号OS1を光ファイバ伝送線路330を介して送受信モジュール340へ送信する。また、送受信モジュール320は、ゲートウェイ310から受けたアナログ信号ANSを非線形歪みを抑制して光信号OS2に変換し、その変換した光信号OS2を光ファイバ伝送線路390を介して送受信モジュール400へ送信する。更に、送受信モジュール320は、光ファイバ伝送線路330から光信号OS1を受信し、その受信した光信号OS1をアナログ信号ANSに変換してゲートウェイ310へ送信する。更に、送受信モジュール320は、光ファイバ伝送線路390から光信号OS2を受信し、その受信した光信号OS2をアナログ信号ANSに変換してゲートウェイ310へ送信する。
【0107】
光ファイバ伝送線路330は、送受信モジュール320,340間で光信号OS1を伝送する。送受信モジュール340において、光変調器2および光電変換器222(図7参照)は、アンテナ341に接続され、光変調器2は、光ファイバ伝送線路330,350に接続され、光電変換器222は、光ファイバ伝送線路330,350に接続される。従って、送受信モジュール340は、光変調器2によって、光ファイバ伝送線路330から光信号OS1を受信するとともに、その受信した光信号OS1を非線形歪みを抑制して光信号OS3に変換して光ファイバ伝送線路350へ送信する。また、送受信モジュール340は、光変調器2によって、光ファイバ伝送線路350から光信号OS3を受信するとともに、その受信した光信号OS3を非線形歪みを抑制して光信号OS1に変換して光ファイバ伝送線路330へ送信する。更に、送受信モジュール340は、光電変換器222によって、光ファイバ伝送線路330から光信号OS1を受信し、その受信した光信号OS1を電圧V1からなる電気信号ES1(V1)に変換してアンテナ341へ出力する。更に、送受信モジュール340は、光電変換器222によって、光ファイバ伝送線路350から光信号OS3を受信し、その受信した光信号OS3を電圧V1からなる電気信号ES1(V1)に変換してアンテナ341へ出力する。更に、送受信モジュール340は、アンテナ341から受けた電気信号ES1(V1)を非線形歪みを抑制して光信号OS1に変換し、その変換した光信号OS1を光ファイバ伝送線路330へ送信する。更に、送受信モジュール340は、アンテナ341から受けた電気信号ES1(V1)を非線形歪みを抑制して光信号OS3に変換し、その変換した光信号OS3を光ファイバ伝送線路350へ送信する。
【0108】
アンテナ341は、送受信モジュール340から受けた電気信号ES1(V1)を無線信号RF1に変換して携帯電話機370へ送信するとともに、携帯電話機370から無線信号RF1を受信し、その受信した無線信号RF1を電気信号ES1(V1)に変換して送受信モジュール340へ出力する。
【0109】
光ファイバ伝送線路350は、送受信モジュール340,360間で光信号OS3を伝搬する。
【0110】
送受信モジュール360は、光ファイバ伝送線路350から光信号OS3を受信し、その受信した光信号OS3を電圧V2からなる電気信号ES2(V2)に変換してデジタル家電装置380へ送信する。また、送受信モジュール360は、デジタル家電装置380から受けた電気信号ES2(V2)を非線形歪みを抑制して光信号OS3に変換し、その変換した光信号OS3を光ファイバ伝送線路350へ出力する。
【0111】
携帯電話機370は、アンテナ341との間で無線信号RF1を送受信する。デジタル家電装置380は、送受信モジュール360から受信した電気信号ES2(V2)の信号処理を行ない、所定の動作を行なう。
【0112】
光ファイバ伝送線路390は、送受信モジュール320,440間で光信号OS2を伝搬する。送受信モジュール400において、光変調器2および光電変換器222(図7参照)は、アンテナ401に接続され、光変調器2は、光ファイバ伝送線路390,410に接続され、光電変換器222は、光ファイバ伝送線路390,410に接続される。従って、送受信モジュール400は、光変調器2によって、光ファイバ伝送線路390から光信号OS2を受信するとともに、その受信した光信号OS2を非線形歪みを抑制して光信号OS4に変換して光ファイバ伝送線路410へ送信する。また、送受信モジュール400は、光変調器2によって、光ファイバ伝送線路410から光信号OS4を受信するとともに、その受信した光信号OS4を非線形歪みを抑制して光信号OS2に変換して光ファイバ伝送線路390へ送信する。更に、送受信モジュール400は、光電変換器222によって、光ファイバ伝送線路390から光信号OS2を受信し、その受信した光信号OS2を電圧V3からなる電気信号ES3(V3)に変換してアンテナ401へ出力する。更に、送受信モジュール400は、光電変換器222によって、光ファイバ伝送線路410から光信号OS4を受信し、その受信した光信号OS4を電圧V3からなる電気信号ES3(V3)に変換してアンテナ401へ出力する。更に、送受信モジュール400は、アンテナ401から受けた電気信号ES3(V3)を非線形歪みを抑制して光信号OS2に変換し、その変換した光信号OS2を光ファイバ伝送線路390へ送信する。更に、送受信モジュール400は、アンテナ401から受けた電気信号ES3(V3)を非線形歪みを抑制して光信号OS4に変換し、その変換した光信号OS4を光ファイバ伝送線路10へ送信する。
【0113】
アンテナ401は、送受信モジュール400から受けた電気信号ES3(V3)を無線信号RF2に変換して無線LANシステム430へ送信するとともに、無線LANシステム430から無線信号RF2を受信し、その受信した無線信号RF2を電気信号ES3(V3)に変換して送受信モジュール400へ出力する。
【0114】
光ファイバ伝送線路410は、送受信モジュール400,420間で光信号OS4を伝搬する。
【0115】
送受信モジュール420は、光ファイバ伝送線路410から光信号OS4を受信し、その受信した光信号OS4を電圧V4からなる電気信号ES4(V4)に変換してAV機器440へ送信する。また、送受信モジュール420は、AV機器440から受けた電気信号ES4(V4)を非線形歪みを抑制して光信号OS4に変換し、その変換した光信号OS4を光ファイバ伝送線路410へ出力する。
【0116】
無線LANシステム430は、アンテナ401との間で無線信号RF2を送受信する。AV機器440は、送受信モジュール420から受信した電気信号ES4(V4)の信号処理を行ない、音声または映像をユーザに与える。
【0117】
携帯電話機370がIPネットワーク450との間で通信を行なう動作について説明する。携帯電話機370は、無線信号RF1をアンテナ341へ送信し、アンテナ341は、携帯電話機370から無線信号RF1を受信し、その受信した無線信号RF1を電気信号ES1(V1)に変換して送受信モジュール340へ出力する。
【0118】
そうすると、送受信モジュール340において、光変調装置221(図7参照)は、アンテナ341からの電気信号ES1(V1)を非線形歪みを抑制して光信号OS1に変換し、その変換した光信号OS1を光ファイバ伝送線路330を介して送受信モジュール320へ送信する。
【0119】
送受信モジュール320は、光電変換器222(図7参照)によって、光ファイバ伝送線路330を介して送受信モジュール340から光信号OS1を受信し、その受信した光信号OS1をアナログ信号ANSに変換してゲートウェイ310へ送信する。そして、ゲートウェイ310は、アナログ信号ANSをデジタル信号に変換してIPネットワーク450へ送信する。
【0120】
その後、ゲートウェイ310は、IPネットワーク450からデジタル信号を受信すると、その受信したデジタル信号をアナログ信号ANSに変換して送受信モジュール320へ送信する。そして、送受信モジュール320は、ゲートウェイ310から受信したアナログ信号ANSを非線形歪みを抑制して光信号OS1に変換し、その変換した光信号OS1を光ファイバ伝送線路330を介して送受信モジュール340へ送信する。
【0121】
送受信モジュール340は、光ファイバ伝送線路330を介して送受信モジュール320から光信号OS1を受信し、その受信した光信号OS1を電気信号ES1(V1)に変換してアンテナ341へ出力する。そして、アンテナ341は、電気信号ES1(V1)を無線信号RF1に変換して携帯電話機370へ送信し、携帯電話機370は、アンテナ341から無線信号RF1を受信する。
【0122】
このようにして、携帯電話機370は、IPネットワーク450との間で通信を行なう。
【0123】
デジタル家電装置380、無線LANシステム430およびAV機器440も、携帯電話機370と同じ動作に従ってIPネットワーク450との間で通信を行なう。
【0124】
次に、携帯電話機370とデジタル家電装置380との間で通信を行なう動作について説明する。携帯電話機370は、無線信号RF1をアンテナ341へ送信し、アンテナ341は、携帯電話機370から無線信号RF1を受信し、その受信した無線信号RF1を電気信号ES1(V1)に変換して送受信モジュール340へ出力する。
【0125】
そうすると、送受信モジュール340において、光変調装置221(図7参照)は、アンテナ341からの電気信号ES1(V1)を非線形歪みを抑制して光信号OS3に変換し、その変換した光信号OS3を光ファイバ伝送線路350を介して送受信モジュール360へ送信する。
【0126】
送受信モジュール360は、光電変換器222(図7参照)によって、光ファイバ伝送線路350を介して送受信モジュール340から光信号OS3を受信し、その受信した光信号OS3を電気信号ES2(V2)に変換してデジタル家電装置380へ送信する。
【0127】
その後、デジタル家電装置380は、電気信号ES2(V2)を送受信モジュール360へ送信する。そして、送受信モジュール360は、デジタル家電装置380から受信した電気信号ES2(V2)を非線形歪みを抑制して光信号OS3に変換し、その変換した光信号OS3を光ファイバ伝送線路350を介して送受信モジュール340へ送信する。
【0128】
送受信モジュール340は、光ファイバ伝送線路350を介して送受信モジュール360から光信号OS3を受信し、その受信した光信号OS3を電気信号ES1(V1)に変換してアンテナ341へ出力する。そして、アンテナ341は、電気信号ES1(V1)を無線信号RF1に変換して携帯電話機370へ送信し、携帯電話機370は、アンテナ341から無線信号RF1を受信する。
【0129】
このようにして、携帯電話機370は、デジタル家電装置380との間で通信を行なう。
【0130】
携帯電話機370、デジタル家電装置380、無線LAシステム430およびAV機器440は、上述した携帯電話機370とデジタル家電装置380との間の通信と同じ方法によって相互に通信を行なう。
【0131】
上述したように、オフィスまたは家庭内に設置された携帯電話機370、デジタル家電装置380、無線LAシステム430およびAV機器440は、IPネットワーク450との間で通信を行なうとともに、相互に通信を行なう。従って、家屋460内のあらゆる場所において、携帯電話、無線LAN、およびテレビジョン放送等のサービスを受けることができる。
【0132】
そして、このような各種のサービスにおいては、各種の周波数帯域からなる電気信号を非線形歪みを抑制して光信号に変換する必要があるが、送受信モジュール320,340,360,400,420は、非線形歪みを抑制して電気信号を光信号に変換するので、ネットワークシステム300においては、各種の周波数帯域からなる電気信号を非線形歪みを抑制して光信号に変換して通信を行なうことができる。
【0133】
また、送受信モジュール320,340,360,400,420は、同じ構成からなるので、相互に異なる周波数を有する信号を送受信する携帯電話機370、デジタル家電装置380、無線LAN430およびAV機器440と接続する位置に送受信モジュールを配置する場合にも、携帯電話機370、デジタル家電装置380、無線LAN430およびAV機器440にそれぞれ対応した送受信モジュールを作製する必要がなく、ネットワークシステム300を容易に構築できる。
【0134】
なお、ゲートウェイ310は、「通信装置」を構成する。
【0135】
また、携帯電話機370、デジタル家電装置380、無線LAN430およびAV機器440は、「通信機器」を構成する。
【0136】
更に、送受信モジュール320は、「第1の送受信モジュール」を構成し、送受信モジュール340,360,400,420の各々は、「第2の送受信モジュール」を構成する。
【0137】
[応用例4]
図9は、この発明の実施の形態による光変調装置を用いた光変調調整装置の構成を示す概略図である。図9を参照して、光変調調整装置500は、図1に示す光変調装置10に受信機11、光ファイバ伝送線路12および光電変換器13を追加したものであり、その他は、光変調装置10と同じである。
【0138】
なお、光変調調整装置500においては、光変調器2の出力側は、光ファイバ伝送線路5に接続される。
【0139】
受信機11は、光変調装置10の光変調器2に接続される。光ファイバ伝送線路12は、その一方端が光ファイバ伝送線路5に接続され、他方端が光電変換器13に接続される。光電変換器13は、光変調装置10の制御部3に接続される。
【0140】
受信機11は、例えば、周波数帯域f1を有する成分ES1(f1)と、周波数帯域f2を有する成分ES1(f2)とからなる電気信号ES1を光変調器2へ出力する。光ファイバ伝送線路12は、光変調器2が光ファイバ伝送線路5へ出射した光信号OSの一部OSprtを光電変換器13へ導く。光電変換器13は、光ファイバ伝送線路12から受信した光信号OSの一部OSprtを電圧Vからなる電気信号ES2に変換して光変調装置10の制御部3へ出力する。
【0141】
図10は、図9に示す制御部3の構成を示す概略図である。図10を参照して、制御部3は、バンドパスフィルタ(BPF:Band Pass Filter)31,32と、電力検出部33,34と、ループフィルタ35とを含む。
【0142】
電力検出部33,34は、BPF31,32に対応して設けられ、それぞれ、BPF31,32に接続される。ループフィルタ35は、電力検出部33,34に接続される。
【0143】
光変調器2が出力する光信号OSは、複数の成分OS(f1),OS(f2)からなる。複数の成分OS(f1),OS(f2)の各々は、2次の歪みおよび3次の歪みを検出するためのパイロットトーンを含んでいる。
【0144】
BPF31,32の各々は、光電変換部13から電気信号ES2を受ける。この電気信号ES2は、周波数f1の成分、周波数f2の成分、周波数f1の2次成分(=2f1)、周波数f1の3次成分(=3f1)、周波数f2の2次成分(=2f2)、周波数f2の3次成分(=3f2)、周波数f1,f2の2次成分(=f1±f2)および周波数f1,f2の3次成分(=2f1±f2,2f2±f1)を含む。
【0145】
そして、BPF31は、電気信号ES2の8個の成分のうち、周波数f1の2次成分(=2f1)のみを電力検出部33へ透過させる。BPF32は、電気信号ES2の8個の成分のうち、周波数f1,f2の3次成分(=2f1−f2)のみを電力検出部34へ透過させる。
【0146】
電力検出部33は、周波数f1の2次成分(=2f1)の電力PW1を検出し、その検出した電力PW1をループフィルタ35へ出力する。電力検出部34は、周波数f1,f2の3次成分(=2f1−f2)の電力PW2を検出し、その検出した電力PW2をループフィルタ35へ出力する。
【0147】
ループフィルタ35は、それぞれ、電力検出部33,34から電力PW1,PW2を受ける。そして、ループフィルタ35は、電力PW1,PW2に基づいて、後述する方法によって、2次の歪みおよび3次の歪みを抑制するための制御値を決定し、その決定した制御値をレーザ光源1へ出力する。
【0148】
図11は、電気信号の周波数成分の概念図である。図11を参照して、成分SS1,SS2は、信号成分であり、それぞれ、周波数f1,f2を有する。成分SS3〜SS5は、2次歪みであり、それぞれ、周波数2f1,2f2,f1+f2を有する。成分SS6,SS7は、3次歪みであり、それぞれ、周波数2f1−f2,2f2−f1を有する。
【0149】
この発明においては、2次歪みを示す成分SS3〜SS5のうち、成分SS3(周波数2f1)にパイロット信号PLT1を設定し、3次歪みを示す成分SS6,SS7のうち、成分SS6(周波数2f1−f2)にパイロット信号PLT2を設定する。
【0150】
現在の波長をλとすると、2次歪みおよび3次歪みは、それぞれ、波長λについての2次式および3次式であるため、2次歪みの電力および3次歪みの電力は、それぞれ、|λ|,|λ|に比例する。
【0151】
図12は、非線形歪みの電力と波長との関係を示す図である。図12において、縦軸は、非線形歪みの電力を表し、横軸は、波長を表す。また、曲線k14は、2次歪みと波長との関係を示し、曲線k15は、3次歪みと波長との関係を示す。更に、λ0は、制御目標値である。
【0152】
図12を参照して、2次歪みの電力は、|λ|に比例し(曲線k14参照)、3次歪みの電力は、|λ|に比例する(曲線k15参照)。そして、2次歪みの電力および3次歪みの電力は、波長がλ0(=制御目標値)であるとき、最小となる。この発明においては、波長がλ0であるとき、2次歪みおよび3次歪みは、消去されるものとする。
【0153】
波長がλ0からずれると、2次歪みの電力および3次歪みの電力は、単調に増加する。即ち、波長がλ0からずれると、非線形歪みが増加する。
【0154】
従って、2次歪みの電力PW1および3次歪みの電力PW2を検出し、その検出した2次歪みの電力PW1および3次歪みの電力PW2がそれぞれ電力PW02(波長がλ0であるときの2次歪みの電力)および電力PW03(波長がλ0であるときの3次歪みの電力)になるように、波長をλ0に近づける。
【0155】
この場合、電力検出イブ33,34は、それぞれ、電力PW1,PW2を検出し、その検出した電力PW1,PW2をループフィルタ35へ出力する。ループフィルタ35は、電力PW1,PW2が増加すれば、電力PW1,PW2をそれぞれ電力PW02および電力PW03に近づけるための波長λを曲線k14,k15を参照して検出し、その検出した波長λを有するレーザ光を発生するようにレーザ光源1を制御する。
【0156】
図13は、図9に示す光変調調整装置500における調整動作を説明するためのフローチャートである。なお、図13においては、波長λを長波長側(図12において右側)へシフトさせることを「波長を正方向へシフトさせる」と言い、波長λを短波長側(図12おいて左側)へシフトさせることを「波長を負方向へシフトさせる」と言う。
【0157】
図13を参照して、一連の動作が開始されると、ループフィルタ35は、波長λを初期値λ1に設定する(ステップS1)。そして、ループフィルタ35は、波長λを初期値λ1よりも長波長側または短波長側の波長λmに設定し、その設定した波長λmを有するレーザ光を発生するようにレーザ光源1を制御する。即ち、波長λを正負いずれかにシフトさせる(ステップS2)。
【0158】
そして、レーザ光源1は、ループフィルタ35の制御に従って波長λmを有するレーザ光を発生し、その発生したレーザ光を光ファイバ伝送線路4を介して光変調器2へ導く。受信機11は、それぞれ周波数2f1,2f2−f1にパイロット信号PLT1,PLT2を設定した電気信号ES1を発生して光変調器2へ出力する。
【0159】
光変調器2は、レーザ光源1からのレーザ光の透過強度を電気信号ES1を構成する電圧に応じた透過強度に変換することによって電気信号ES1を光信号OSに変換し、その変換した光信号OSを光ファイバ伝送線路5へ出力する。
【0160】
光ファイバ伝送線路12は、光ファイバ伝送線路5を伝搬する光信号OSの一部OSprtを光電変換部13へ導く。そして、光電変換部13は、光ファイバ伝送線路12から受けた光信号OSの一部OSprtを電圧Vからなる電気信号ES2に変換して光変調装置10の制御部3へ出力する。
【0161】
そうすると、制御部3において、BPF31は、電気信号ES2のうち、周波数2f1を有する成分SS3のみを電力検出部33へ透過させ、BPF32は、電気信号ES2のうち、周波数2f2−f1を有する成分SS6のみを電力検出部34へ透過させる。そして、電力検出部33は、成分SS3の電力PW1を検出してループフィルタ35へ出力し、電力検出部34は、成分SS3の電力PW2を検出してループフィルタ35へ出力する。これにより、歪み量が検出される(ステップS3)。
【0162】
その後、ループフィルタ35は、電力PW1,PW2に基づいて、歪み量が増加したか否かを判定する(ステップS4)。より具体的には、ループフィルタ35は、電力PW1,PW2が増加しているとき、歪み量が増加したと判定し、電力PW1,PW2が減少しているとき、歪み量が減少したと判定する。
【0163】
ステップS4において、歪み量が増加したと判定されたとき、ループフィルタ35は、波長λをステップS2においてシフトさせた方向と逆方向へシフトさせ(ステップS5)、そのシフトさせた波長を有するレーザ光を発生するようにレーザ光源1を制御する。その後、一連の動作は、後述するステップS7へ移行する。
【0164】
一方、ステップS4において、歪み量が増加していないと判定されたとき、ループフィルタ35は、波長λをステップS2においてシフトさせた方向と同じ方向にシフトさせ(ステップS6)、そのシフトさせた波長を有するレーザ光を発生するようにレーザ光源1を制御する。
【0165】
ステップS5またはステップS6の後、レーザ光源1は、ループフィルタ35からの制御に従って、所定の波長を有するレーザ光を発生して光変調器2へ導き、光変調器2は、電気信号ES1を光信号OSに変換し、光電変換器13は、光信号OSの一部OSprtを電気信号ES2に変換し、制御部3のBPF31,BPF32および電力検出部33,34は、上述した動作によって、歪み量を検出する(ステップS7)。
【0166】
そうすると、ループフィルタ35は、歪み量が目標値(例えば、電力PW02,PW03)に達したか否かを判定する(ステップS8)。そして、歪み量が目標値に達していないとき、一連の動作は、ステップS4へ戻り、ステップS8において、歪み量が目標値に達したと判定されるまで、上述したステップS4〜ステップS8が繰り返し実行される。
【0167】
そして、ステップS8において、歪み量が目標値に達したと判定されると、一連の動作は終了する。
【0168】
このように、光変調調整装置500は、光変調装置10から出射される光信号の非線形歪み(=2次歪みおよび3次歪み)を検出し、その検出した非線形歪みが消去されるようにレーザ光源1が発生する波長λを調整する。これによって、非線形歪み(=2次歪みおよび3次歪み)を消去して電気信号を光信号に変換するように光変調装置10を調整できる。
【0169】
なお、上記においては、2つの周波数帯に設定されたパイロット信号の電力を検出することにより2次歪みおよび3次歪みを検出する構成について説明したが、この発明においては、これに限らず、3個以上の周波数帯に設定されたパイロット信号の電力を検出することにより2次歪みおよび3次歪みを検出するようにしてもよい。この場合、制御部3は、設定されるパイロット信号の数n(nは3以上の整数)に応じたn個のBPFと、n個のBPFに応じて設けられたn個の電力検出部と、1個のループフィルタとを含む。そして、制御部3は、上述した方法によって2次歪みおよび3次歪みを検出するとともに、その検出した2次歪みおよび3次歪みを制御目標値に抑制するための制御値(=波長λ)を決定し、その決定した波長λを有するレーザ光を発生するようにレーザ光源1を制御する。
【0170】
[応用例5]
図14は、この発明の実施の形態による光変調装置を用いた光変調調整装置の構成を示す他の概略図である。図14を参照して、光変調調整装置600は、送信モジュール610と、光ファイバ伝送線路620,630と、受信モジュール640とを備える。
【0171】
送信モジュール610は、光変調装置611と、光電変換器612とを含む。受信モジュール640は、光電変換器641と、歪み検出部642と、光変調器643と、レーザ光源644と、光ファイバ伝送線路645とを含む。
【0172】
光変調装置611は、図1に示す光変調装置10と同じ構成からなる。光電変換器612は、光変調装置611の制御部3と、送受信機650とに接続される。
【0173】
光ファイバ伝送線路620は、一方端が光変調装置611の光変調器2に接続され、他方端が受信モジュール640の光電変換器641に接続される。光ファイバ伝送線路630は、一方端が送信モジュール610の光電変換器612に接続され、他方端が受信モジュール640の光変調器643に接続される。
【0174】
光電変換器641は、歪み検出部642および送受信機660に接続される。歪み検出部642は、光電変換器641、光変調器643および送受信機660に接続される。光変調器643は、光ファイバ伝送線路630によって送信モジュール610の光電変換部612に接続され、光ファイバ伝送線路645によってレーザ光源644に接続される。
【0175】
送受信機650は、無線通信空間から無線信号RF1を受信し、その受信した無線通信RF1を電圧V1からなる電気信号ES1(V1)に変換して光変調装置611の光変調器2へ出力する。また、送受信機650は、光電変換器612から受けた電気信号ES2(V2)(電圧V2からなる)を無線信号RF1に変換して無線通信空間へ送信する。
【0176】
光変調装置611は、送受信機650から受けた電気信号ES1(V1)を非線形歪みを抑制して光信号OS1に変換し、その変換した光信号OS1を光ファイバ伝送線路620へ出力する。
【0177】
光電変換器612は、光ファイバ伝送線路630から受けた光信号OS2を電圧V2からなる電気信号ES2(V2)に変換し、その変換した電気信号ES2(V2)を送受信機650へ出力する。
【0178】
光ファイバ伝送線路620は、光変調装置611から出力された光信号OS1を受信モジュール640の光電変換器641へ伝搬する。光ファイバ伝送線路630は、受信モジュール640の光変調器643から出力された光信号OS2を送信モジュール610の光電変換器612へ伝搬する。
【0179】
光変調器643は、送受信機660から電気信号ES4(V4)(電圧V4からなる)を受け、歪み検出部643から歪みを補正するための制御値(=波長λ)を受ける。そして、光変調器643は、歪みを補正するための制御値をパイロット信号として電気信号ES4(V4)に重畳し、その制御値を重畳した電気信号ES4(V4)を光信号OS2に変換し、その変換した光信号OS2を光ファイバ伝送線路630へ出力する。
【0180】
光電変換器641は、光ファイバ伝送線路620から光信号OS1を受信し、その受信した光信号OS1を電圧V3からなる電気信号ES3(V3)に変換して送受信機660へ出力する。
【0181】
送受信機660は、光電変換器641から受けた電気信号ES3(V3)を無線信号RF2に変換して無線通信空間へ送信する。また、送受信機660は、無線通信空間から無線信号RF2を受信し、その受信した無線信号RF2を電圧V4からなる電気信号ES4(V4)に変換して光変調器643へ出力する。
【0182】
歪み検出部642は、図9および図10に示す制御部3と同じ方法によって、光信号OS1を変換した電気信号ES3(V3)に含まれる歪みを検出するとともに、その検出した歪みを補正するための制御値(=波長λ)を生成して光変調器643へ出力する。
【0183】
レーザ光源644は、所定の波長を有するレーザ光を発生し、その発生したレーザ光を光変調器643へ導く。
【0184】
光変調調整装置600の全体動作について説明する。送受信機650は、無線通信空間から無線信号RF1を受信し、その受信した無線信号RF1を電圧V1からなる電気信号ES1(V1)に変換して光変調装置611の光変調器2へ出力する。光変調装置611において、レーザ光源1は、所定の波長を有するレーザ光を発生して光変調器2へ導き、光変調器2は、レーザ光源1からのレーザ光の透過強度を送受信機650から受けた電気信号ES1(V1)の電圧V1に比例する透過強度に変換し、その変換した透過強度を有する光信号OS1を光ファイバ伝送線路620へ出射する。
【0185】
光ファイバ伝送線路620は、光変調装置611からの光信号OS1を光電変換器641へ伝送する。そして、光電変換器641は、光ファイバ伝送線路620から光信号OS1を受信し、その受信した光信号OS1を電気信号ES3(V3)に変換して送受信機660および歪み検出部642へ出力する。
【0186】
歪み検出部642は、上述した方法によって非線形歪み(2次歪みおよび3次歪み)を検出するとともに、その検出した非線形歪み(2次歪みおよび3次歪み)を補正するための制御値(=波長λ)を決定して光変調器643へ出力する。送受信機660は、光電変換器641から受けた電気信号ES3(V3)を無線信号RF2に変換して無線通信空間へ送信する。
【0187】
また、送受信機660は、無線通信空間から無線信号RF2を受信し、その受信した無線信号RF2を電圧V4からなる電気信号ES4(V4)に変換して光変調器643へ出力する。レーザ光源644は、所定の波長を有するレーザ光を発生し、その発生したレーザ光を光ファイバ伝送線路645を介して光変調器643へ導く。そうすると、光変調器643は、歪み検出部642からの制御値(=波長)を電気信号ES4(V4)に重畳し、レーザ光源644から受けたレーザ光に基づいて、その制御値を重畳した電気信号ES4(V4)を光信号OS2に変換し、その変換した光信号OS2を光ファイバ伝送線路630へ出射する。
【0188】
光ファイバ伝送線路630は、光変調器643からの光信号OS2を光電変換器612へ伝送する。そして、光電変換器612は、光ファイバ伝送線路630から光信号OS2を受信し、その受信した光信号OS2を電気信号ES2(V2)に変換して光変調装置611の制御部3と、送受信機650とへ出力する。
【0189】
送受信機650は、光電変換器612から受けた電気信号ES2(V2)を無線信号RF1に変換して無線通信空間へ送信する。また、光変調装置611において、制御部3は、電気信号ES2(V2)にパイロット信号として含まれている制御値(=波長λ)を検出し、その検出した波長λを有するレーザ光を発生するようにレーザ光源1を制御する。そして、レーザ光源1は、制御部3からの制御に従って、波長λを有するレーザ光を発生して光変調器2へ導く。
【0190】
上述した動作を繰り返し行なうことによって、光変調装置611のレーザ光源1は、光変調器2において電気信号ES1(V1)を光信号OS1に変換するときの非線形歪み(=2次歪みおよび3次歪み)を目標値に設定するための波長λ0を有するレーザ光を発生するように調整される。
【0191】
なお、光変調調整装置600は、受信モジュール640で非線形歪み(=2次歪みおよび3次歪み)を検出するとともに、その検出した非線形歪み(=2次歪みおよび3次歪み)を補正するための制御値(=波長λ)を決定して送信モジュール610へ送信し、送信モジュール610において、非線形歪み(=2次歪みおよび3次歪み)が目標値になるようにレーザ光源1が発生するレーザ光の波長を調整することを特徴とする。
【0192】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【産業上の利用可能性】
【0193】
この発明は、2次の非線形歪と3次の非線形歪とを同時に抑制可能な光変調装置に適用される。また、この発明は、2次の非線形歪と3次の非線形歪とを同時に抑制可能な光変調装置を備える中継システムに適用される。更に、この発明は、2次の非線形歪と3次の非線形歪とを同時に抑制可能な光変調装置を備えるネットワークシステムに適用される。
【図面の簡単な説明】
【0194】
【図1】この発明の実施の形態による光変調装置の構成を示す概略ブロック図である。
【図2】実験に用いた電界吸収型光変調器における光出力とバイアス電圧との関係を示す図である。
【図3】波長を変化させたときの電界吸収型光変調器の光出力とバイアス電圧との関係を示す図である。
【図4】バイアス電圧を変化させたときの電界吸収型光変調器の光出力と波長との関係を示す図である。
【図5】式(9)におけるバイアス電圧Vと波長λとの関係を数値計算で求めたときの波長シフトとRF電圧との関係を示す図である。
【図6】この発明の実施の形態による光変調装置を用いた中継システムの構成を示す概略ブロック図である。
【図7】この発明の実施の形態による光変調装置を用いた中継システムの構成を示す他の概略ブロック図である。
【図8】この発明の実施の形態による光変調装置を用いたネットワークシステムの構成を示す概略図である。
【図9】この発明の実施の形態による光変調装置を用いた光変調調整装置の構成を示す概略図である。
【図10】図9に示す制御部の構成を示す概略図である。
【図11】電気信号の周波数成分の概念図である。
【図12】非線形歪みと波長との関係を示す図である。
【図13】図9に示す光変調調整装置における調整動作を説明するためのフローチャートである。
【図14】この発明の実施の形態による光変調装置を用いた光変調調整装置の構成を示す他の概略図である。
【符号の説明】
【0195】
1,644 レーザ光源、2,643 光変調器、3 制御部、4,5,12,30,230,240,330,350,390,410,620,630,645 光ファイバ伝送線路、10,221,251,611 光変調装置、11,20 受信機、13,40,222,252,612,641 光電変換器、31,32 BPF、33,34 電力検出部、35 ループフィルタ、50 送信機、100,200 中継システム、210,260,650,660 送受信機、220,250320,340,360,400,420 送受信モジュール、300 ネットワークシステム、310 ゲートウェイ、341,401 アンテナ、370 携帯電話機、380 デジタル家電装置、430 無線LAN、440 AV機器、450 IPネットワーク、460 家屋、500,600 光変調調整装置、610 送信モジュール、640 受信モジュール、642 歪み検出部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入射光の透過強度を印加電圧に比例した透過強度に設定して出力する光変調器と、
前記光変調器の出力と前記印加電圧との関係における非線形歪みを抑制する波長を有するレーザ光を発生し、その発生したレーザ光を前記入射光として前記光変調器へ導く光源とを備える光変調装置。
【請求項2】
前記光変調器の出力に基づいて前記非線形歪みを検出するとともに、その検出した非線形歪みを抑制するための波長を検出し、その検出した波長を有するレーザ光を出射するように前記光源を制御する制御手段を更に備え、
前記光源は、前記制御手段からの制御に応じて前記検出された波長を有するレーザ光を発生して前記光変調器へ導く、請求項1に記載の光変調装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記非線形歪みを抑制するためにシフトさせる前記レーザ光の波長のシフト量と、前記印加電圧との関係を示すテーブルを保持しており、前記非線形歪みを検出すると、前記テーブルを参照して前記シフト量を検出し、その検出したシフト量に基づいて前記非線形歪みを抑制するための波長を検出する、請求項2に記載の光変調装置。
【請求項4】
無線信号を受信し、その受信した無線信号を電圧からなる電気信号に変換して出力する受信機と、
前記受信機からの電気信号を光信号に変換して出力する光変調装置と、
前記光変調装置から出力された光信号を伝送する光ファイバ伝送線路と、
前記光ファイバ伝送線路によって伝送された光信号を電気信号に変換するとともに、その変換した電気信号を無線信号として放射する送信機とを備え、
前記光変調装置は、
入射光の透過強度を前記電気信号を構成する電圧に比例した透過強度に設定して前記光ファイバ伝送線路へ出力する光変調器と、
前記光変調器の出力と前記電気信号との関係における非線形歪みを抑制する波長を有するレーザ光を発生し、その発生したレーザ光を前記入射光として前記光変調器へ導く光源とを含む、中継システム。
【請求項5】
無線通信空間から第1の無線信号を受信し、その受信した第1の無線信号を第1の電圧からなる第1の電気信号に変換して出力するとともに、第2の電気信号を前記第1の無線信号に変換して前記無線通信空間へ送信する第1の送受信機と、
前記第1の送受信機からの第1の電気信号を第1の光信号に変換して出力するとともに、第2の光信号を前記第2の電気信号に変換して前記第1の送受信機へ出力する第1の送受信モジュールと、
前記第1の光変調装置から出力された第1の光信号を伝送する第1の光ファイバ伝送線路と、
前記第1の光ファイバ伝送線路によって伝送された第1の光信号を第3の電気信号に変換し、その変換した第3の電気信号を出力するとともに、第2の電圧からなる第4の電気信号を前記第2の光信号に変換して出力する第2の送受信モジュールと、
前記第3の電気信号を第2の無線信号に変換して前記無線通信空間へ送信するとともに、前記無線通信空間から前記第2の無線信号を受信し、その受信した第2の無線信号を前記第4の電気信号に変換して前記第2の送受信モジュールへ出力する第2の送受信機と、
前記第2の送受信モジュールから出力された第2の光信号を前記第1の送受信モジュールへ伝送する第2の光ファイバ伝送線路とを備え、
前記第1の送受信モジュールは、
前記第1の電気信号を前記第1の光信号に変換して前記第1の光ファイバ伝送線路へ出力する第1の光変調装置と、
前記第2の光信号を前記第2の電気信号に変換する第1の光電変換器とを含み、
前記第2の送受信モジュールは、
前記第1の光信号を前記第3の電気信号に変換する第2の光電変換器と、
前記第4の電気信号を前記第2の光信号に変換する第2の光変調装置とを含み、
前記第1の光変調装置は、
第1の入射光の透過強度を前記第1の電気信号を構成する第1の電圧に比例した透過強度に設定して前記第1の光ファイバ伝送線路へ出力する第1の光変調器と、
前記第1の光変調器の出力と前記第1の電圧との関係における非線形歪みを抑制する第1の波長を有する第1のレーザ光を発生し、その発生した第1のレーザ光を前記第1の入射光として前記第1の光変調器へ導く第1の光源とからなり、
前記第2の光変調装置は、
第2の入射光の透過強度を前記第4の電気信号を構成する第2の電圧に比例した透過強度に設定して前記第2の光ファイバ伝送線路へ出力する第2の光変調器と、
前記第2の光変調器の出力と前記第2の電圧との関係における非線形歪みを抑制する第2の波長を有する第2のレーザ光を発生し、その発生した第2のレーザ光を前記第2の入射光として前記第2の光変調器へ導く第2の光源とからなる、中継システム。
【請求項6】
通信ネットワークとの間でデジタル信号を送受信するとともに、前記通信ネットワークから受信したデジタル信号を第1の電圧からなる第1のアナログ信号に変換する通信装置と、
前記通信装置との間で通信を行なう通信機器と、
前記通信装置から受けた第1のアナログ信号を光信号に変換して出力するとともに、前記光信号を受信し、その受信した光信号を前記第1のアナログ信号に変換して前記通信装置へ出力する第1の送受信モジュールと、
前記光信号を受信し、その受信した光信号を第2の電圧からなる第2のアナログ信号に変換して出力するとともに、前記第2のアナログ信号を前記光信号に変換して前記通信機器へ出力する第2の送受信モジュールと、
前記第1および第2の送受信モジュール間で前記光信号を伝送する光ファイバ伝送線路とを備え、
前記第1の送受信モジュールは、
前記第1のアナログ信号を前記光信号に変換して前記光ファイバ伝送線路へ出力する第1の光変調装置と、
前記光信号を前記第1のアナログ信号に変換する第1の光電変換器とを含み、
前記第2の送受信モジュールは、
前記光信号を前記第2のアナログ信号に変換する第2の光電変換器と、
前記第2のアナログ信号を前記光信号に変換して前記光ファイバ伝送線路へ出力する第2の光変調装置とを含み、
前記第1の光変調装置は、
第1の入射光の透過強度を前記第1のアナログ信号を構成する第1の電圧に比例した透過強度に設定して前記光ファイバ伝送線路へ出力する第1の光変調器と、
前記第1の光変調器の出力と前記第1の電圧との関係における非線形歪みを抑制する第1の波長を有する第1のレーザ光を発生し、その発生した第1のレーザ光を前記第1の入射光として前記第1の光変調器へ導く第1の光源とからなり、
前記第2の光変調装置は、
第2の入射光の透過強度を前記第2のアナログ信号を構成する第2の電圧に比例した透過強度に設定して前記光ファイバ伝送線路へ出力する第2の光変調器と、
前記第2の光変調器の出力と前記第2の電圧との関係における非線形歪みを抑制する第2の波長を有する第2のレーザ光を発生し、その発生した第2のレーザ光を前記第2の入射光として前記第2の光変調器へ導く第2の光源とからなる、ネットワークシステム。
【請求項7】
前記通信装置、前記通信機器、前記第1および第2の送受信モジュールおよび前記光ファイバ伝送線路は、家屋内に配置される、請求項6に記載のネットワークシステム。
【請求項8】
前記通信機器は、デジタル家電装置およびAV機器の少なくとも1つからなる、請求項7に記載のネットワークシステム。
【請求項9】
前記通信機器は、前記第2の送受信モジュールとの間で無線通信を行なう無線装置である、請求項7に記載のネットワークシステム。
【請求項10】
前記通信機器は、前記第2の送受信モジュールとの間で無線通信を行なう無線装置、デジタル家電装置およびAV機器の少なくとも1つからなる、請求項7に記載のネットワークシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2007−288700(P2007−288700A)
【公開日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−116278(P2006−116278)
【出願日】平成18年4月20日(2006.4.20)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成17年度、総務省、研究テーマ「広帯域無線信号の一括光伝送による放送・通信の融合に関する研究」に関する委託研究、産業活力再生特別措置法第30条の適用を受ける特許出願
【出願人】(503420833)学校法人大阪工大摂南大学 (62)
【出願人】(393031586)株式会社国際電気通信基礎技術研究所 (905)
【出願人】(504176911)国立大学法人大阪大学 (1,536)
【Fターム(参考)】