説明

光学ユニット

【課題】簡素な構成でありながら収差の発生を極力抑え、光線の入射角を高精度に検出することが可能な光学ユニットを提供する。
【解決手段】光源1と、受光素子列3と、光源1からの出射光を試料配置部2a1に入射させると共に試料配置部2a1からの全反射光を受光素子列3に導くプリズム2とを有する。プリズムは、試料配置部2a1を有する放物形状の光学面2aと、放物形状の光学面2aの焦点Pからこの光学面2aに入射しこの光学面2aで全反射した光をプリズム2の外部に垂直に出射させる出射面2bを有する。受光素子列3の各受光素子は、出射面2bから垂直に出射した光を受光面で垂直に受光するように配置される。さらに、光源1からの出射光が、放物形状の光学面2aの焦点Pを中心として発散する発散光となるように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、屈折率や免疫測定値など、試料又は試料中の物質を定量分析する試料分析光学ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、試料分析装置として、試料配置部に対し、全反射する角度を含む所定範囲の入射角を有する光(以下、所定の光とする)を入射させ、該試料配置部からの夫々の入射角に対応した反射光の強度を夫々検出し、検出した強度が急激に変化したときの入射角を検出する装置がある。
【0003】
このような試料分析装置として、例えば、物質同士の屈折率差を利用して分析を行なう装置がある。この試料分析装置では、屈折率が既知の物質からなる試料配置部に、被検査試料を配置する。そして、この試料配置部の表面に、収束する所定の光を入射させる。すると、全反射臨界角より小さい角度で入射した光は、試料配置部の表面で全反射しなくなる。このときの入射角度を検出することにより、被検査試料の屈折率が求まり、被検出試料の物性が解析できる。
【0004】
また、例えば、表面プラズモンの発生を利用した試料分析装置では、上記試料配置部の表面に金属膜を備えている。そして、試料配置部の金属膜に被検査試料を配置し、この金属膜の表面に、収束する所定の光を入射させる。ここで、臨界角以上の角度の光が入射すると、金属膜と被検査試料との界面において電界分布を有するエバネッセント波が生じる。そして、このエバネッセント波によって、金属膜に表面プラズモンが励起される。そして更に、臨界角以上の角度で入射した光のうち、特定の入射角度で入射した光に関して、エバネッセント波と表面プラズモンとが波数整合を生じて共鳴状態となる。この共鳴状態のときには、光のエネルギーが表面プラズモンに移行する。そのため、特定の入射角度で入射した光では、反射した光の強度が急激に低下する。そこで、この反射した光の強度が急激に低下するときの入射角度を検出することにより、表面プラズモンの波数が求まり、被検出試料の物性が解析できる。
【0005】
表面プラズモンの発生を利用した試料分析装置として、次の特許文献1に記載のものが開示されている。
特許文献1の試料分析装置は、図10に示すように、光源部、レンズ55、透明基板56及び光検出器58で構成されている。光源部は、レーザ光照射装置51、光ファイバー52、コリメーションレンズ53、ミラー54に備わる短冊形状の開口部(図示省略)を有している。特許文献1では、光源部からの平行光P1をレンズ55を介して収束光に変換する。試料(図示省略)が配置される透明基板56の反対側の面には、金属膜57が成膜されている。そして、この金属膜57の表面に収束光が照射される。そして、全反射した光を、レンズ55を介して収集する。収集された光は、光源部からの平行光と逆向きの平行光P2に変換され光検出器58で検出される。
従来、試料分析装置は、この特許文献1に記載の試料分析装置のように、光を検査位置に照射させる際に、光源部からの平行光を、レンズを介して収束光に変換させていた。
【特許文献1】特開2005−337940号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1に記載の試料分析装置では、レンズを介して平行光を収束光に変換させて、収束する所定の光を発生させている。この場合、レンズに収差があると、各光線が光軸と交わる位置および角度が、レンズへの入射位置に応じて理想状態からずれてしまう。
【0007】
例えば、レンズに収差がない場合は、レンズに入射する光線の光線高が高くなるにつれて、金属膜57の表面に入射する光線の角度も大きくなる。したがって、入射角が臨界角よりも大きい角度範囲の光線では、必ず全反射が生じる。ところが、レンズに収差がある場合は、レンズに入射する光線の光線高が高くなるにつれて、金属膜57の表面に入射する光線の角度が理想状態の角度よりも大きくなったり、小さくなったりする。そのため、入射角が臨界角よりも大きい角度範囲の光線であっても、全反射が生じたり生じなかったりする。
【0008】
このため、全反射した光を光検出器で検出しても、入射角を高精度に特定できない。レンズの収差を抑えるためには、収差補正用のレンズを複数枚用いたり、あるいはレンズ面を非球面形状にする必要があるが、それでは、部材点数が増加してスペースが多くとられたり、コスト高になってしまう。
【0009】
また、検出できる入射角の幅を拡げるには、所定の光における入射角の範囲を大きくする必要がある。そのためには、レンズのNAを大きくする必要があるが、レンズのNAを大きくすると収差がさらに大きくなってしまう。その収差を抑えるために、収差補正用のレンズを複数枚用いるか、あるいはレンズ面を非球面形状にするのでは、部材点数がさらに増加して複雑な構成になる。さらにスペースが多くとられるので、コスト高になってしまう。
【0010】
本発明は、上記従来の課題に鑑みてなされたものであり、簡素な構成でありながら収差の発生を極力抑え、光線の入射角を高精度に検出することが可能な光学ユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するため、本発明による光学ユニットは、光源と、受光素子列と、前記光源からの出射光を前記試料配置部に入射させると共に該試料配置部からの全反射光を前記受光素子列に導くプリズムとを有し、前記プリズムは、前記試料配置部を有する放物形状の光学面と、前記放物形状の光学面の焦点から前記放物形状の光学面に入射し該前記放物形状の光学面で全反射した光を該プリズムの外部に垂直に出射させる出射面を有し、前記受光素子列の各受光素子は、前記出射面から垂直に出射した光を受光面で垂直に受光するように配置され、さらに、前記光源からの出射光が、前記放物形状の光学面の焦点を中心として発散する発散光となるように構成されていることを特徴としている。
【0012】
また、本発明の光学ユニットにおいては、前記プリズムは、全体が略二分の一のカマボコ形状に形成された透明部材で構成され、前記出射面が前記放物形状の対称軸に垂直な平面で構成され、さらに、前記放物形状の対称軸を含み該対称軸に平行な平面を有し、前記光源は、発散光を出射し、且つ、前記放物形状の対称軸を含み該対称軸に平行な平面における前記放物形状の光学面の焦点位置に配置されているのが好ましい。
【0013】
また、本発明の光学ユニットにおいては、前記プリズムは、さらに、前記放物形状の光学面の焦点を中心とする前記光源からの発散光を垂直に入射させる球面形状の入射面を有するのが好ましい。
【0014】
また、本発明の光学ユニットにおいては、前記プリズムは、全体が前記放物形状の光学面の対称軸を中心として、放物線を所定の角度回転させた形状に形成された透明部材で構成され、前記出射面が前記放物形状の対称軸に垂直な平面で構成され、さらに、前記放物形状の光学面の焦点を中心とする前記光源からの出射光を垂直に入射させる球面形状の入射面を有し、前記光源は、発散光を出射し、且つ、前記入射面における前記放物形状の光学面の焦点位置に配置され、前記受光素子列の各受光素子は、2次元方向に配置されているのが好ましい。
【0015】
また、本発明の光学ユニットにおいては、前記プリズムは、全体が略二分の一のカマボコ形状に形成された透明部材で構成され、さらに、前記放物形状の対称軸に垂直な面に対して垂直な入射面と、前記放物形状の光学面の焦点位置上方から前記入射面に対し垂直に入射した平行光を発散光に変換して前記放物形状の光学面に偏向する発散光変換手段を有し、前記光源は、平行光を出射し、且つ、出射した該平行光が前記プリズムにおける前記放物形状の光学面の焦点位置上方から前記入射面に対し垂直に入射するように配置されているのが好ましい。
【0016】
また、本発明の光学ユニットにおいては、前記発散光変換手段は、前記放物形状の光学面の焦点を通り、前記放物形状の対称軸に対して垂直で、且つ、頂点が前記入射面側を向いた円錐形状の孔に反射膜を備えてなる反射面からなるのが好ましい。
【0017】
また、本発明の光学ユニットにおいては、前記プリズムは、全体がカマボコ形状に形成された透明部材で構成され、さらに、前記放物形状の光学面の対称軸を隔てて前記出射面と同一平面上に設けられた入射面を有し、前記光源は、平行光を出射し、且つ、出射した該平行光が前記プリズムにおける前記入射面に対し垂直に入射するように配置されているのが好ましい。
【0018】
また、本発明の光学ユニットにおいては、前記試料配置部に金属膜が蒸着されているのが好ましい。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、低コストで収差を生ずることなく、全反射光の強度が急激に変化する入射角を、高精度に検出することが可能な光学ユニットが得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
実施形態の説明に先立ち、光学ユニットの基本構成及び作用について、概略的に説明する。
図1は光学ユニットの基本構成を概念的に示すブロック図である。
光学ユニットは、光源1と、プリズム2と、受光素子列3とを有して構成されている。
光源1は、プリズム2の放物形状の光学面2aと向かい合う位置に配置されている。この光源1の位置は、プリズム2の放物形状の光学面2aの焦点位置である。なお、プリズム2の具体的な構成については後述する。この光源1は、発散光を出射させるように構成されている。発散光を出射させることができる構成であれば、光源1は、例えば、光源1にレンズを組合せた構成、あるいは、ファイバーを組合せた構成など、どのような構成でもよい。
【0021】
受光素子列3は、プリズム2の出射面2bと向かい合う位置に配置されている。また、受光素子列3の各素子は、1つの方向に沿って配置されている。ここで、試料配置部2a1には、発散する所定の光が入射する。この発散する所定の光の各光線は、その入射角が徐々に変化する。受光素子列3の各素子は、この入射角の変化に対応する方向に配置されている。なお、試料配置部2a1は、後述するプリズム2の一部である。また、光学ユニットでは、受光した反射光の強度の変化に基づいて、入射角が検出される。反射光の強度の変化が生じる位置は、受光素子の位置から検出することができる。よって、光源1と受光素子列3は、このような検出ができるように調整されている。
【0022】
プリズム2は、光源1からの出射光を試料配置部2a1に入射させると共に、試料配置部2a1からの全反射光を受光素子列3に導くように構成されている。詳しくは、プリズム2は、放物形状の光学面2aと、出射面2bを有している。放物形状の光学面2aは、試料配置部2a1を有している。試料配置部2a1は放物形状の光学面2aの一部ということができる。出射面2bは、試料配置部2a1(放物形状の光学面2a)で全反射した光を、プリズム2の外部に出射させるように構成されている。このとき、全反射した光は平行光になっている。そこで、出射面2bは、面の法線が各光線に対して垂直となるような平面とするのが好ましい。なお、プリズム2において、光源1と向かい合う面は入射面となる。この入射面は、面の法線が各光線に対して垂直となるような面となるのが好ましい。
【0023】
また、受光素子列3の各受光素子は、プリズム2における出射面2bから垂直に出射した光を受光面で垂直に受光するように配置されている。
さらに、この光学ユニットでは、光源1からの出射光が、発散光となるように構成されている。この発散光は所定の光であって、プリズム2における放物形状の光学面2aの焦点(不図示)を中心として発散する光である。
【0024】
このように構成された光学ユニットでは、光源1から出射した光は、プリズム2における放物形状の光学面2aの焦点(不図示)を中心として発散する発散光となる。この発散光は、入射面を介してプリズム2に入射する。プリズム2の内部に入射した発散光は、所定の光となって、放物形状の光学面2aにおける試料配置部2a1に入射する。ここで、発散光は、放物形状の光学面2aの焦点(不図示)を中心とする光である。よって、放物形状の光学面2aは、発散光を全反射することにより平行光に変換する作用を有する。このため、試料配置部2a1に入射した発散光(所定の光)は、試料配置部2a1で全反射されることにより平行光に変換される。平行光に変換された光は、出射面2bからプリズム2の外部に垂直に出射する。出射面2bからプリズム2の外部に垂直に出射した光は、受光素子列3における各受光素子の受光面で受光される。
【0025】
このように、上記の光学ユニットでは、光源1からの出射光が、発散光となるようにしている。この発散光は、プリズム2における放物形状の光学面2aの焦点(不図示)を中心として発散する光である。プリズム2の内部に入射した光は、プリズム2以外の媒質を通ることなく所定の光のままで試料配置部2a1に入射する。そして、放物形状の光学面2aを介して、入射する発散光を構成する全ての光線を平行光に変換して反射させるようにしている。さらに、出射面2dは、放物形状の光学面2aによって変換された平行光を垂直に出射させる。このとき、全反射した光を構成する各光線は、いずれも全反射したときの角度を射出位置の情報として保持している。
【0026】
即ち、この光学ユニットによれば、プリズム2の内部で放物形状の光学面2aへ向かう発散光、及びプリズム2から出射する平行光が、いずれも屈折させられることがない。しかも、所定の光の入射及び全反射による平行光への変換が、放物形状の光学面2aで行われる。このため、この光学ユニットによれば、プリズム2で発生する収差を小さく抑えることができる。特に、入射面が面の法線が各光線に対して垂直となるような面であれば、収差を生じない。
【0027】
このように、光源1からの出射光を構成する各光線は、いずれも、発散する所定の光となる。さらに、プリズム2では収差が良好に補正されている(あるいは無収差)ので、所定の収束光は、位置ずれ及び角度ずれを生じることなく試料配置部2a1(放物形状の光学面2a)の所定位置に夫々入射する。また、試料配置部2a1(放物形状の光学面2a)で全反射した発散光は、平行光に変換されて出射面2bから垂直に出射される。出射面2bから射出された平行光は、位置ずれ及び角度ずれを生じることなく受光素子列3において夫々対応する受光素子で受光される。
【0028】
このような光学ユニットは、例えば、試料分析用装置に利用することができる。試料分析用装置では、この光学ユニットの試料配置部2a1に放物形状に試料を配置する。このとき、試料は変形可能であることが望ましい。そして、放物形状の光学面2aの焦点位置に発散する所定の光を照射し、全反射して得られる反射光を受光素子列3で受光する。受光素子列3では、入射角度に対応する位置の受光素子によって光強度の分布が得られる。この光強度分布を解析することにより、臨界角となる入射角を高精度に求めることができる。そして、その入射角から試料の諸物性を特定することができる。
また、この光学ユニットにおいて試料配置部2a1に、例えば、金属薄膜や金属微粒子をコーティングする等、金属膜を蒸着する。このようにすれば、表面プラズモン共鳴により反射光の強度が急激に変化するときの入射角を高精度に求めることができる。そして、その入射角から試料の諸物性を特定することができる。
なお、この光学ユニットでは、所定の光におけるそれぞれの光線は、試料配置部2a1の夫々異なる部位に入射する構成となっている。従って、この光学ユニットにおいては、全体に均質で、且つ、放物形状に変形可能な試料が分析対象となる。
【0029】
このように、上記の光学ユニットによれば、被検査対象を、入射角に幅を持たせた光で収差を生じることなく照射できる。このため、光線の入射角を高精度に検出するために、収差補正用レンズや非球面レンズを用いずに済む。また、配置スペースを減らして小型化、さらにはコストを低減できる。
【0030】
第一実施形態
図2は第一実施形態にかかる光学ユニットの全体の構成を概略的に示す図であって、(a)は光軸方向に沿う断面図、(b)は受光素子側から見た図である。図3は図2に示す光学ユニットに用いるプリズムの外観を示す斜視図である。なお、図2中、Sは試料である。また、座標系を図のように取ることとする。
【0031】
第一実施形態の光学ユニットでは、プリズム2は、全体が略二分の一のカマボコ形状(略1/4円筒形状)に形成された透明部材で構成されている。このプリズム2は、放物形状の光学面2a、出射面2b及び平面2cを有している。放物形状の光学面2aは、放物面の一部を帯状に切り取ったものである。ただし、本実施形態では、放物形状の光学面2aは、放物線を短手方向(y方向)に平行移動して形成された面となっている。すなわち、放物形状の光学面2aは、長手方向(x方向)には光学的パワーを有するが、短手方向(y方向)には光学的パワーを持っていない。
また、対称軸Lは、放物面の回転対称軸(中心軸)である。出射面2bは、対称軸Lに垂直な平面で構成されている。また、平面2cは、対称軸Lを含み対称軸Lに平行な面である。なお、プリズム2の平面2cにおける焦点Pの位置近傍に、光源1を収納可能な溝(図示省略)を設けてもよい。
光源1は、発散光を発する点光源で構成されている。そして、光源1は、例えば、プリズム2の平面2cにおける焦点Pの位置近傍に設けた溝(図示省略)に収容されている。このようにすることによって、平面2cにおける放物形状の光学面2aの焦点Pの位置に光源1が配置される。
その他の構成は、図1に示した構成と同じである。
【0032】
このように構成された第一実施形態の光学ユニットでは、光源1から出射した発散光は、プリズム2の内部に入射する。プリズム2の内部に入射した発散光は、放物形状の光学面2aの焦点Pを中心として発散する発散光である。さらに、この発散光は、発散する所定の光である。この発散光は、放物形状の光学面2aにおける試料配置部2a1に入射する。ここで、放物形状の光学面2aは、放物形状の光学面2aの焦点Pを中心として発散する発散光を、全反射することにより平行光に変換する作用を有する。このため、試料配置部2a1に入射した発散光は、試料配置部2a1で全反射されることにより平行光に変換される。平行光に変換された光は、出射面2bからプリズム2の外部に垂直に出射する。出射面2bからプリズム2の外部に垂直に出射した光は、受光素子列3における各受光素子の受光面で垂直に受光される。
【0033】
上述のように、本実施形態の放物形状の光学面2aは、短手方向には光学的パワーを持っていない。そのため、光源1から射出した発散光のうち、短手方向に広がる発散角の大きな光は、放物形状の光学面2aに入射する前に、側面2fの間で全反射する。あるいは、発散角の大きな光は、放物形状の光学面2aで反射された後に、側面2fの間で全反射を繰り返す。よって、出射面2bから射出する光束の形状は複雑な形状になる。
側面2fの間での反射を防止するには、光源から射出する発散光の発散角を小さくすれば良い。ただし、このようにすると、試料配置部2a1の面積が小さくなるので、試料Sの大きさが制限される。また、試料出射面2bから射出する光の形状を受光素子(受光面)の形状(略長方形状)と同じにするには、例えば、光源1が配置されている溝部の面形状をシリンドリカル状にすれば良い。このようにすると、長手方向には発散し、短手方向には平行な光を形成することができる。あるいは、光源1をプリズム2から離れた位置に配置し、光源1とプリズム2の間にシリンドリカルレンズを配置する。そして、焦点Pに線状の収束光が形成されるようにしても良い。
【0034】
このように、第一実施形態の光学ユニットでは、光源1からの出射光が、発散光となるようにしている。この発散光は、プリズム2における放物形状の光学面2aの焦点(不図示)を中心として発散する光である。プリズム2の内部に入射した光は、プリズム2以外の媒質を通ることなく所定の光のままで試料配置部2a1に入射する。そして、放物形状の光学面2aを介して、入射する発散光を構成する全ての光線を平行光に変換して反射させるようにしている。さらに、出射面2dは、放物形状の光学面2aによって変換された平行光を垂直に出射させる。このとき、全反射した光を構成する各光線は、いずれも全反射したときの角度を射出位置の情報として保持している。
【0035】
即ち、第一実施形態の光学ユニットによれば、プリズム2の内部で放物形状の光学面2aへ向かう発散光、及びプリズム2から出射する平行光が、いずれも屈折させられることがない。しかも、所定の光の入射及び全反射による平行光への変換が、放物形状の光学面2aで行われる。このため、この光学ユニットによれば、プリズム2で収差が生じない。
【0036】
このように、光源1からの出射光を構成する各光線は、いずれも、発散する所定の光となる。さらに、プリズム2では収差が良好に補正されている(あるいは無収差)ので、所定の収束光は、位置ずれ及び角度ずれを生じることなく試料配置部2a1(放物形状の光学面2a)の所定位置に夫々入射する。また、試料配置部2a1(放物形状の光学面2a)で全反射した発散光は、平行光に変換されて出射面2bから垂直に出射される。出射面2bから射出された平行光は、位置ずれ及び角度ずれを生じることなく受光素子列3において夫々対応する受光素子で受光される。
【0037】
このような光学ユニットは、例えば、試料分析用装置に利用することができる。試料分析用装置では、この光学ユニットの試料配置部2a1に放物形状に試料を配置する。このとき、試料は変形可能であることが望ましい。そして、放物形状の光学面2aの焦点位置に発散する所定の光を照射し、全反射して得られる反射光を受光素子列3で受光する。受光素子列3では、入射角度に対応する位置の受光素子によって光強度の分布が得られる。この光強度分布を解析することにより、臨界角となる入射角を高精度に求めることができる。そして、その入射角から試料の諸物性を特定することができる。
また、この光学ユニットにおいて試料配置部2a1に、例えば、金属薄膜や金属微粒子をコーティングする等、金属膜を蒸着する。このようにすれば、表面プラズモン共鳴により反射光の強度が急激に変化するときの入射角を高精度に求めることができる。そして、その入射角から試料の諸物性を特定することができる。
なお、第一実施形態の光学ユニットでは、所定の光におけるそれぞれの光線は、試料配置部2a1の夫々異なる部位に入射する構成となっている。従って、この光学ユニットにおいては、全体に均質で、且つ、放物形状に変形可能な試料が分析対象となる。
【0038】
このように、第一実施形態の光学ユニットによれば、被検査対象を、入射角に幅を持たせた光で収差を生じることなく照射できる。このため、光線の入射角を高精度に検出するために、収差補正用レンズや非球面レンズを用いずに済む。また、配置スペースを減らして小型化、さらにはコストを低減できる。
【0039】
なお、第一実施形態の光学ユニットにおいては、プリズム2の平面2cにおける焦点Pの位置近傍に、光源1を収納可能な溝(図示省略)を設けている。しかしながら、その代わりに、図4(a),(b)に示すように、球面形状の入射面2dを設けてもよい。この場合、球面形状の入射面2dは、放物形状の光学面2aの焦点Pに光源1を配置したとき、焦点Pを中心とする発散光が垂直に入射するような形状であるのが好ましい。
このようにすれば、プリズム2の入射面2dは、光源1から出射した発散光をプリズム2の内部に垂直に入射させることになる。よって、光源1から出射した発散光を構成する各光線は、いずれも焦点Pを中心として発散する方向がそのまま保持される。ここで、上記のように、プリズム2の内部で放物形状の光学面2aへ向かう発散光、及び平行光に変換されたプリズム2からの出射光は、屈折させられることがない。このため、入射面2dを球面形状にすれば、この発散光及び平行光に加えて、光源1からプリズム2へ入射する入射光も屈折させられることがなくなる。そして、光源1からの出射光(発散する所定の光)を構成する各光線は、いずれも、プリズム2の内部において、より位置ずれ及び角度ずれを生じることがない。すなわち、光源1からの出射光は、より正確に、放物形状の光学面2aにおける試料配置部2a1の所定位置に入射するようになる。その結果、受光素子列3を介して、臨界角となる入射角をより一層高精度に検出することができる。
【0040】
第二実施形態
図5は本発明の第二実施形態にかかる光学ユニットの要部の構成を示す説明図であって、(a)は光軸に沿う断面図、(b)は光源側から見た側面図、(c)は受光素子側から見た側面図、(d)は変形例を示す図である。なお、図5中、Sは試料である。また、座標系を図のように取ることとする。
【0041】
第二実施形態の光学ユニットでは、プリズム2は、全体が1/8球形状(半球を1/4にした形状)に形成された透明部材で構成されている。このプリズム2は、放物形状の光学面2a、出射面2b、平面2c及び入射面2dを有している。放物形状の光学面2aは、対称軸Lを中心として放物線を90°回転させた形状になっている。
出射面2bは、対称軸Lに垂直な平面2bで構成されている。また、入射面2dは平面2cの一部に設けられている。入射面2dの形状は、放物形状の光学面2aの焦点Pを中心とする球面形状となっている。
光源1は、発散光を発する点光源で構成されている。そして、光源1は、入射面2dにおける放物形状の光学面2aの焦点Pに配置されている。
受光素子列3の各受光素子は、光分布のy方向に対して積分できるようなサイズを有しているもの、もしくは検出器が2次元的に配置されたCCDのようなものである。
それ以外の構成は第一実施形態と同様である。
また、図5(d)に示すプリズム2は変形例であって、全体が1/4球形状(半球を1/2にした形状)に形成された透明部材で構成されている。放物形状の光学面2aは、対称軸Lを中心として放物線を180°回転させた形状になっている。
図2と図5を用いて両者の光の分布を比較すると、図2〜4のプリズムの場合、出射面2bから出射した光はシート状に分布する。これに対して、図5では紙面に垂直な方向にも、同様に広がることとなる。つまり、断面が円形もしくは円形の一部の形状を持つコリメート光となって出射面2bより出射する。
この場合には、受光素子列3がy方向に積分できるようなサイズを有すればよい。もしくはCCDのような2次元撮像素子で画像取得後にy方向について積分すればよい。
その他の構成及び作用は、図4に示した第一実施形態の変形例の光学ユニットと略同じで、効果についても第一実施形態の光学ユニットと略同じである。
【0042】
第三実施形態
図6は本発明の第三実施形態にかかる光学ユニットの全体の構成を概略的に示す説明図であって、(a)は光軸に沿う断面図、(b)は(a)の放物形状の焦点側をみた側面図である。なお、図6中、Sは試料である。
【0043】
第三実施形態の光学ユニットでは、プリズム2は、全体が略二分の一のカマボコ形状(略半円筒形状)に形成された透明部材で構成されている。このプリズム2は、放物形状の光学面2a、出射面2b、入射面2d及び発散光変換手段2eを有している。入射面2dは、対称軸Lに垂直な面、例えば出射面2bに対して垂直な面となっている。
【0044】
発散光変換手段2eは、円錐形状の孔と、円錐面に反射膜が形成された反射面で構成されている。この円錐形状の孔は、その中心軸が放物形状の光学面2aの焦点Pを通るように形成されている。また、円錐形状の孔は、その中心軸が対称軸Lに対して垂直で、且つ、その頂点が入射面2d側を向いて形成されている。よって、発散光変換手段2eにおける反射面は、放物形状の光学面2aと向かい合うことになる。
【0045】
光源1は、プリズム2の入射面2dと向かい合う位置に配置されている。また、光源1は、平行光を出射するように構成されている。平行光を出射させることができる構成であれば、例えば、発散光を出射する光源にコリメートレンズを組合せた構成、あるいは、さらにそれにファイバーを組合せた構成など、どのような構成でもよい。また、光源1は、出射した平行光がプリズム2における放物形状の光学面2aの焦点P位置上方から入射面2dに対し垂直に入射するように配置されている。
その他の構成は、図3に示した第一実施形態の変形例の光学ユニットと略同じである。
【0046】
このように構成された第三実施形態の光学ユニットでは、光源1から出射した平行光は、プリズム2の入射面2dに垂直に入射する。入射面2dを透過してプリズム2の内部に入射した光は、発散光変換手段2eである円錐形状の反射面に入射する。円錐形状の反射面2eに入射した平行光は、円錐形状の反射面2eで反射されることにより、発散光に変換される。この発散光は、プリズム2における放物形状の光学面2aの焦点Pを中心として発散する光である。これにより、発散する所定の光となって、放物形状の光学面2aにおける試料配置部2a1に入射する。
以下の作用は、第一実施形態の光学ユニットと略同じである。
【0047】
このように、第三実施形態の光学ユニットでは、プリズム2の入射面2dは、光源1から出射した平行光を、プリズム2の内部に垂直に入射させる。よって、平行光を構成する各光線は、いずれも平行のままの状態が保持される。また、発散光変換手段2eを、プリズム2の内部(放物形状の光学面2aの焦点Pの位置)に設けている。これにより、プリズム2の内部に入射した平行光を、扇形状の発散光に変換している。この扇形状の発散光は、放物形状の光学面2aの焦点P位置を中心とした発散光である。よって、発散光変換手段2eによって、扇形状の発散光を所定の光にして放物形状の光学面2aに入射させることができる。このため、プリズム2の内部で放物形状の光学面2aへ向かう光及び平行光に変換されたプリズム2からの出射光に加えて、光源1から出射したプリズム2への入射光も屈折させられることがなくなる。そして、光源1からの出射光を構成する各光線は、いずれも、プリズム2の内部において、より正確に位置ずれ及び角度すれを起こすことがない。そして、この各光線は、放物形状の光学面2aにおける試料配置部2a1の所定位置に夫々入射するようになる。その結果、受光素子列3を介して、臨界角となる入射角をより一層高精度に検出することができる。
その他の効果は、第一実施形態の光学ユニットと略同じである。
【0048】
第四実施形態
図7は本発明の第四実施形態にかかる光学ユニットの全体の構成を概略的に示す図であって、(a)は光軸に沿う断面図、(b)は受光素子側から見た図である。図8は図7に示す光学ユニットに用いるプリズムの外観を示す斜視図である。なお、図7中、Sは試料である。また、座標系を図のように取ることとする。
【0049】
第四実施形態の光学ユニットでは、プリズム2は、全体がカマボコ形状(略半円筒形状)に形成された透明部材で構成されている。このプリズム2は、放物形状の光学面2a、出射面2b及び入射面2dを有している。プリズム2において、入射面2dは、放物形状の光学面2aの対称軸Lを隔てて出射面2bと同一平面上に設けられている。
光源1は、平行光を出射するように構成されている。平行光を出射させることができる構成であれば、例えば、発散光を出射する光源にコリメートレンズを組合せた構成、あるいは、さらにそれにファイバーを組合せた構成など、どのような構成でもよい。また、光源1は、出射した平行光がプリズム2における入射面2dに対し垂直に入射するように配置されている。
その他の構成は、図3に示した第一実施形態の変形例の光学ユニットと略同じである。
【0050】
このように構成された第四実施形態の光学ユニットでは、光源1から出射した平行光は、プリズム2の入射面2dに垂直に入射する。この平行光は、平行光のまま入射面2dを透過してプリズム2の内部に入射する。入射した平行光は、対称軸Lを隔てて試料配置部2a1とは反対側の所定部位に入射する。ここで、放物形状の光学面2aは、対称軸Lと平行に入射する光を反射することにより、焦点Pに向かう収束光に変換する作用を有する。このため、所定部位に入射した平行光は、放物形状の光学面2aで反射されることによって、収束光に変換される。この収束光は焦点Pに向かい、焦点Pを通った後に焦点Pを中心として発散する発散光となる。この発散光は、発散する所定の光である。これにより、発散する所定の光が、放物形状の光学面2aにおける試料配置部2a1に入射する。
以下の作用は、第一実施形態の光学ユニットと略同じである。
【0051】
このように、第四実施形態の光学ユニットでは、プリズム2の入射面2dは、光源1から出射した平行光を、プリズム2の内部に垂直に入射させる。よって、平行光を構成する各光線は、いずれも平行のままの状態が保持される。また、プリズム2の内部に入射した平行光は、対称軸Lに平行な光である。このような平行光を、放物形状の光学面2aにおける対称軸Lを隔てて試料配置部2a1とは反対側の所定部位に入射させるようにしている。これにより、プリズム2の内部に入射した平行光を、放物形状の光学面2aの焦点Pに集光することができる。さらに、焦点Pの位置で集光した光は、焦点Pを中心とした発散光に変換される。これにより、発散する所定の光が得られる。そして、この発散する所定の光を、放物形状の光学面2aに入射させることができる。更に、発散する所定の光は、放物形状の光学面2aで反射されて平行光になり、プリズム2の外に射出する。このため、光源1から出射したプリズム2へ入射する入射光、プリズム2の内部の所定部位へ向かう光及び平行光に変換されたプリズム2からの出射光は、いずれも屈折させられることがなくなる。そして、光源1からの出射光を構成する各光線は、いずれも、プリズム2の内部において、より正確に位置ずれ及び角度ずれを生じることがない。そして、この各光線は、放物形状の光学面2aにおける試料配置部2a1の所定位置に夫々入射するようになる。その結果、受光素子列3を介して、臨界角となる入射角をより一層高精度に検出することができる。
その他の効果は、第一実施形態の光学ユニットと略同じである。
【0052】
第五実施形態
図9は本発明の第五実施形態にかかる光学ユニットの構成を概略的に示す説明図であって、(a)は全体の構成を概略的に示す斜視図、(b)はプリズムの放物形状の光学面側から見た平面図、(c)は受光素子側から見た図である。なお、図9中、Sは試料である。また、座標系を図のように取ることとする。
【0053】
第五実施形態の光学ユニットでは、プリズム2は、半球形状に形成された透明部材で構成されている。このプリズム2は、放物形状の光学面2a、出射面2b及び入射面2dを有している。放物形状の光学面2aは、対称軸Lを中心として放物線を360°回転させた形状になっている。また、プリズム2において、入射面2dは、放物形状の光学面2aの対称軸Lを隔てて出射面2bと同一平面上に設けられている。
光源1は、平行光を出射するように構成されている。平行光を出射させることができる構成であれば、例えば、発散光を出射する光源にコリメートレンズを組合せた構成、あるいは、さらにそれにファイバーを組合せた構成など、どのような構成でもよい。また、光源1は、出射した平行光がプリズム2における入射面2dに対し垂直に入射するように配置されている。
受光素子列3の各受光素子は、光分布のy方向に対して積分できるようなサイズを有しているもの、もしくは検出器が2次元的に配置されたCCDのようなものである。
その他の構成は、図7(a)に示した第四実施形態の変形例の光学ユニットと略同じである。
【0054】
図7b、9cを用いて両者の光の分布を比較すると、第四実施形態のプリズムの場合、出射面2bから出射した光はシート状に分布するのに対し、本第五実施形態では、断面が円形のコリメート光となって出射面2bより出射する。
この場合には、受光素子列3がy方向に積分できるようなサイズを有すればよい。もしくはCCDのような2次元撮像素子で画像取得後にy方向について積分すればよい。
その他作用及び効果は第四実施形態と略同様である。
【産業上の利用可能性】
【0055】
本発明の光学ユニットは、全反射を利用して試料の物性を分析する医療、医学、生物学の分野に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明の光学ユニットの基本構成を概念的に示すブロック図である。
【図2】本発明の第一実施形態にかかる光学ユニットの全体の構成を概略的に示す図であって、(a)は光軸方向に沿う断面図、(b)は受光素子側から見た図である。
【図3】図2に示す光学ユニットに用いるプリズムの外観を示す斜視図である。
【図4】本発明の第一実施形態にかかる光学ユニットの変形例を示す説明図であって、(a)は光軸に沿う断面図、(b)は光学ユニットにおけるプリズムを光源側から見た斜視図である。
【図5】本発明の第二実施形態にかかる光学ユニットの要部の構成を示す説明図であって、(a)は光軸に沿う断面図、(b)は光源側から見た側面図、(c)は受光素子側から見た側面図、(d)は変形例を示す図である。
【図6】本発明の第三実施形態にかかる光学ユニットの全体の構成を概略的に示す説明図であって、(a)は光軸に沿う断面図、(b)は(a)の放物形状の焦点側を見た側面図である。
【図7】本発明の第四実施形態にかかる光学ユニットの全体の構成を概略的に示す図であって、(a)は光軸に沿う断面図、(b)は受光素子側から見た図である。
【図8】図7に示す光学ユニットに用いるプリズムの外観を示す斜視図である。
【図9】本発明の第五実施形態にかかる光学ユニットの構成を概略的に示す説明図であって、(a)は全体の構成を概略的に示す斜視図、(b)はプリズムの放物形状の光学面側から見た平面図、(c)は受光素子側から見た図である。
【図10】従来の試料分析装置の一例を示す概略構成図である。
【符号の説明】
【0057】
1 光源
2 プリズム
2a 放物形状の光学面
2a1 試料配置部
2b 出射面
2c 放物形状の対称軸Lを含み対称軸Lに平行な平面
2d 入射面
2e 発散光変換手段
3 受光素子列
51 レーザ光照射装置
52 光ファイバー
53 コリメーションレンズ
54 ミラー
55 レンズ
56 透明基板
57 金属膜
58 光検出器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源と、
受光素子列と、
前記光源からの出射光を前記試料配置部に入射させると共に該試料配置部からの全反射光を前記受光素子列に導くプリズムとを有し、
前記プリズムは、前記試料配置部を有する放物形状の光学面と、前記放物形状の光学面の焦点から前記放物形状の光学面に入射し該前記放物形状の光学面で全反射した光を該プリズムの外部に垂直に出射させる出射面を有し、
前記受光素子列の各受光素子は、前記出射面から垂直に出射した光を受光面で垂直に受光するように配置され、さらに、
前記光源からの出射光が、前記放物形状の光学面の焦点を中心として発散する発散光となるように構成されていることを特徴とする光学ユニット。
【請求項2】
前記プリズムは、全体が略二分の一のカマボコ形状に形成された透明部材で構成され、前記出射面が前記放物形状の対称軸に垂直な平面で構成され、さらに、前記放物形状の対称軸を含み該対称軸に平行な平面を有し、
前記光源は、発散光を出射し、且つ、前記放物形状の対称軸を含み該対称軸に平行な平面における前記放物形状の光学面の焦点位置に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の光学ユニット。
【請求項3】
前記プリズムは、さらに、前記放物形状の光学面の焦点を中心とする前記光源からの発散光を垂直に入射させる球面形状の入射面を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の光学ユニット。
【請求項4】
前記プリズムは、全体が前記放物形状の光学面の対称軸を中心として、放物線を所定の角度回転させた形状に形成された透明部材で構成され、前記出射面が前記放物形状の対称軸に垂直な平面で構成され、さらに、前記放物形状の光学面の焦点を中心とする前記光源からの出射光を垂直に入射させる球面形状の入射面を有し、
前記光源は、発散光を出射し、且つ、前記入射面における前記放物形状の光学面の焦点位置に配置され、
前記受光素子列の各受光素子は、2次元方向に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の光学ユニット。
【請求項5】
前記プリズムは、全体が略二分の一のカマボコ形状に形成された透明部材で構成され、さらに、前記放物形状の対称軸に垂直な面に対して垂直な入射面と、前記放物形状の光学面の焦点位置上方から前記入射面に対し垂直に入射した平行光を発散光に変換して前記放物形状の光学面に偏向する発散光変換手段を有し、
前記光源は、平行光を出射し、且つ、出射した該平行光が前記プリズムにおける前記放物形状の光学面の焦点位置上方から前記入射面に対し垂直に入射するように配置されていることを特徴とする請求項1に記載の光学ユニット。
【請求項6】
前記発散光変換手段は、前記放物形状の光学面の焦点を通り、前記放物形状の対称軸に対して垂直で、且つ、頂点が前記入射面側を向いた円錐形状の孔に反射膜を備えてなる反射面からなることを特徴とする請求項5に記載の光学ユニット。
【請求項7】
前記プリズムは、全体がカマボコ形状に形成された透明部材で構成され、さらに、前記放物形状の光学面の対称軸を隔てて前記出射面と同一平面上に設けられた入射面を有し、
前記光源は、平行光を出射し、且つ、出射した該平行光が前記プリズムにおける前記入射面に対し垂直に入射するように配置されていることを特徴とする請求項1に記載の光学ユニット。
【請求項8】
前記試料配置部に金属膜が蒸着されていることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の光学ユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−109287(P2009−109287A)
【公開日】平成21年5月21日(2009.5.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−280602(P2007−280602)
【出願日】平成19年10月29日(2007.10.29)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】