説明

光学用ポリカーネート樹脂の製造方法

【課題】ダストの発生が少なく、光学用ポリカーボネート樹脂として好適に使用できる乾燥されたポリカーボネート樹脂の製造方法を提供する。
【解決手段】円筒の一端の入口側円板4に被乾燥物の供給装置8が挿入される入口中空軸6と乾燥ガスの出口9が設置され、出口側円板16に取り付けられた出口中空軸19を含み、これらの中空軸によって支持され、出口側中空軸には被乾燥物の排出装置と加熱媒体の流入管20及びドレン排出管25が設けられた回転円筒式乾燥機を用いて、ポリカーボネート樹脂を乾燥するに際して、回転軸密封用シール部14にV型ゴムシールを使用し、密封用シール部の先端にエアーシール流路を設けることを特徴とする光学用ポリカーボネート樹脂の製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転円筒内に多数の加熱管を軸心と平行に設けた間接加熱管付回転円筒式乾燥機による、光学用ポリカーボネート樹脂の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
光学用ポリカーボネート樹脂は、例えばCD−ROM、MOあるいはDVD用のディスクを成形した場合、読みとりエラーや書き込みエラーなどのトラブルを引き起こす原因となるダストの極力少ないものが望まれる。樹脂の溶液状態では、ダストの除去を行うことは比較的容易で、濾過操作等により可能である。しかし、樹脂を固体として析出させる工程以降では混入したダストの除去が困難であるため、ダストの混入はもとより、後工程でのダストの発生を抑制することが必要である。
【0003】
ここでいうダストとは、空気中のチリやゴミ、原料中に含まれる不純物、溶媒中に残存する浮遊物、機器や配管の内部で発生する金属粉等ばかりでなく、乾燥工程で粉末が熱履歴を受けた際に、ポリマーの分解や再配列などが発生して生成する異物(いわゆる樹脂焼け、焼けゴミ等)に由来するものの内、短径0.5μm以上である物質を指し、通常市販されている光学顕微鏡や微粒子カウンター等の測定機器を用いることによって、定量出来る物をいう。これらが光学用ポリカーボネート樹脂に混在すると、成形したディスク中で屈折異常や反射異常を引き起こし、読みとりエラーや書き込みエラーなどのトラブルを引き起こす。
【0004】
乾燥機に関わるこの問題を解決する方法は種々提案されている。パドル型乾燥機を用いる乾燥方法(特許文献1,2参照)は、翼の回転により、粉粒体にせん断をかけて、自己発熱を発生させて熱効率良く樹脂を乾燥できる特徴を持つが、せん断混合により樹脂がパドル表面で溶融するなどのトラブルが発生すると共に粉粒体は破壊されやすく、微粉が多量に発生し、幅広い粒度分布の粉粒体となり押出性や取扱性が悪くなる。さらに、樹脂の溶融等により負荷のかかった場合、機器の摩耗等により発生するダストの増加や機器のトラブル等の問題も発生する。また、大型化した場合、被乾燥物の層が厚くなり熱効率の低下がみられる他、たわみによって翼とケーシングの間に隙間ができる等の問題があることから直径や全長に制限がある。そのため、通常、台数の増設あるいは多軸化が必要となり複雑で不経済であった。また、加熱媒体を通したシャフトと接触するシール材には、通常、耐熱性の問題からグランドパッキンを使用しており、摩耗により隙間ができ、内部が加圧状態では、粉体がシール部に入りやすく摩耗をさらに促進し、減圧では、外気からダストが侵入する可能性があった。いずれにしても、グランドパッキンの摩耗粉の混入は避けられなかった。
【0005】
同様に、竪型乾燥機を用いたポリカーボネート固形粒子の乾燥方法(特許文献3,4参照)は、乾燥機内の流動状態を改良し、残存溶媒を低減せしめる乾燥方法であるが、片軸受けの場合は大型化した場合に粉体の荷重で芯ぶれが起こりスクリューと器壁が接触したり、軸シール部の金属を摩耗させたりする問題がある。また、両軸受けの場合は下部軸受けが粉体中に設置されるために軸シ−ル部に粉体が混入してシ−ル不良、シ−ル材の摩耗等を引き起こす。したがって、小型の場合は優れた方式であるが、年産1万トン以上の大型設備に採用する場合には光学材料用乾燥機としては不十分であった。
【0006】
この他にも、流動乾燥機、気流乾燥機等があるが、これらは乾燥用のガスを多量に必要とし、乾燥機排出ガス中に多くの微粉を同伴することから、バグフィルターやサイクロン・スクラバー等の回収設備が大型化し経済的でない。また、バグフィルターで捕集したとしても、捕集された樹脂中にはフィルター繊維が混入する可能性がある為に再利用の際には用途を限定される等の問題があった。
【0007】
一方、回転円筒型乾燥機も合成樹脂の乾燥に使用されている。この乾燥機は、回転する胴体の内壁にそって乾燥機全長にわたって同芯円状に加熱管を配列した回転乾燥機である。被乾燥材料は加熱管に接触して伝導により熱を得るほか、輻射及び加熱された乾燥用ガスからも熱が与えられる利点もあり、乾燥効率が良い。また、伝熱面積を確保するために回転円筒部の径や長さを大きくすることも簡単であり、大型化が容易である。一般にこの形式の乾燥機は密封用シール部の径が大きいため、グランドシ−ル方式が採用されることが多い。しかし、密封用シールの径が大きい、すなわち摺動部分が大きいため、グランドシ−ルから発生するダストにより、被乾燥物が汚染する問題があった。
【0008】
また、ハロゲン化炭化水素溶媒を含んだポリカーボネートを乾燥する場合は、乾燥機のハロゲン化炭化水素又は塩化水素をはじめとする分解物が金属を腐食し、ダストが発生する問題があった。この問題に対しては、ポリカーボネート樹脂及び含ハロゲン化炭化水素溶媒からなる混合物を乾燥処理するにあたり、該ポリカーボネート樹脂の混合物と接触する部分の材質が、銅及び/又はニッケルの含有量が85%以上である金属又は合金からなる処理装置内で処理する方法及び装置(特許文献5参照)が提案されている。
【0009】
確かに、ニッケル200(Ni:98重量%、Cu:0.13重量%)、モネル400(NI:66重量%、Cu:31.5重量%、Fe:1.35重量%)、キュプロニッケル(Ni:30重量%、Cu:69重量%、Fe:0.6重量%)等において耐食性の高いニッケル及び/又は銅の含有量の多い合金ほど、ハロゲン化炭化水素又はその分解物に対する腐食性に関しては好ましいが、実際の大型な装置へ導入する場合、銅が多いと材質硬度が下がり摩耗しやすい欠点があり、ニッケルが多いと材料のコストが高くなるという問題がある。
【0010】
【特許文献1】特公昭53−15899号公報
【特許文献2】特公昭55−33966号公報
【特許文献3】特開平8−39545号公報
【特許文献4】特開平8−39551号公報
【特許文献5】特開平2−233733号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
回転円筒式乾燥機は、乾燥効率が良いため、樹脂の乾燥に使われる場合もあるが、上記の様な欠点があるため、光学用ポリカーボネート樹脂の乾燥には適していなかった。一般に、この形式の乾燥機は密封用シール部の構造が、グランドパッキン方式となっており、該シール材(アスベスト系、ゴム系、テフロン系、耐熱樹脂アラミド等)と可動部(金属材)の間で無潤滑摺動するために、常に少量の摩耗粉が発生することは避けられない。また、粉体がシ−ル材に接触する事を防止する為にシール用のエアーを吹き込むという工夫をしても、必ずしも万全ではなく、密封用シール部に被乾燥樹脂が徐々に入り込み、入り込んだ樹脂がグランドパッキンを削ったり溶融してシール部の芯ぶれを引き起こし、軸とハウジング等の金属接触で金属粉等のダストの発生や、焼き付き停止等の問題があった。さらに、ポリカーボネート樹脂が含有するハロゲン化炭化水素又はその分解物により乾燥機内のハロゲン化炭化水素又はその分解物との接触部の金属を腐食させ、ダストとして混入する問題があった。本発明は、ダストの混入の少ない、乾燥された光学用ポリカーボネート樹脂の製造方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
発明者らは、内部に多数の加熱媒体用の加熱管を含む回転円筒式乾燥機に於いて、円筒の一端の入口側円板に被乾燥物の供給装置が挿入される入口中空部軸と乾燥ガスの出口が設置され、出口側円板(蒸気室)に取り付けられた出口中空軸を含み、これらの中空軸によって支持され、出口側中空軸には被乾燥物の排出装置と加熱媒体の流入管及びドレン排出管が設けられた回転多管型乾燥機を用いて光学用ポリカーボネート樹脂を乾燥するに際し、回転軸密封用シール部にV型ゴムシール(潤滑用グリース使用)を使用して摩耗粉の発生を極力抑え、密封用シール部の先端に粉体巻き込み防止のためのエアーシール流路を設けることによって、ダストが少ない光学用ポリカーボネート樹脂を効率的、経済的に乾燥できることを見出した。
【0013】
更には、ポリカーボネートの反応溶媒として用いるハロゲン化炭化水素又はその分解物と接触する部分を、Mo:11.5〜18.0重量%、Cr:13.5〜23.5重量%、Fe:1.0〜8.0重量%、W:1.5〜5.5重量%、Ni:残部からなる金属材料もしくはそのライニング材料とするとする光学用ポリカーボネート樹脂の製造方法である。
【発明の効果】
【0014】
本発明の方法によれば、従来の回転円筒式乾燥機の高い処理能力の特徴を維持したまま、ダスト混入を少なくすることが出来、乾燥された光学用ポリカーボネート樹脂を製造する方法を提供するものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
即ち、本発明は、密封用シール部をV型ゴムシール(グリ−ス潤滑式)とし、エアシール流路を密封用シール部の先端(乾燥機内部側)に設けた内部に多数の加熱媒体用加熱管を有する円筒回転式乾燥装置を用いる光学用ポリカーボネート樹脂の製造方法である。
【0016】
またその際にハロゲン化炭化水素をはじめとする溶媒又はその分解物と接触する部分を、Mo:11.5〜18.0重量%、Cr:13.5〜23.5重量%、Fe:1.0〜8.0重量%、W:1.5〜5.5重量%、Ni:残部からなる金属材料もしくはそのライニング材料とした乾燥機を用いる光学用ポリカーボネート樹脂の製造方法である。
【0017】
さらには回転円筒の半径をRとした時、熱媒用の加熱管の間隔が径方向に0.6〜0.96Rの間に設置された回転円筒式乾燥機を用いる光学用ポリカーボネート樹脂の製造方法である。
【0018】
また乾燥する際の運転状態として回転多管式乾燥機内の充填率が10〜30容量%、機内圧力を−200〜300mmAqで、加熱管により被乾燥物のガラス転移点Tg±30℃の温度範囲内で加熱し、さらにTg±30℃の温度範囲の乾燥用ガス(空気又は窒素)を被乾燥物の出口側から入口側に供給する光学用ポリカーボネート樹脂の製造方法である。
【0019】
次に、図面を参照して本発明で使用される回転円筒式乾燥機について具体的に説明する。
【0020】
図1は、回転円筒式乾燥機の全体図である。
図2は、回転円筒式乾燥機のA−A断面図である。
図3は、図1のB部の拡大図、同様に図4はC部、図5はD部の拡大図である。胴体3に設けられた入口円盤4には、内部に被乾燥物の供給用スクリューコンベア5を挿入した入口中空軸6が固定されている。入口側ケーシングには被乾燥物の入口8とガス出口9がある。入口中空軸6と入口側ケーシングとの間の隙間は密封装置14によってシールされ、それによって乾燥用ガスと粉体の外部への漏れが防止される。乾燥物の出口側には、出口側管板15が取り付けられ、胴体3の端部には出口円盤16が取り付けられている。管板15と出口円盤16によって蒸気室17が形成される。各加熱管1は両端が入口円板4および管板15に設けられた孔に取り付けられて、その間に延びている。出口円盤16には、軸受け18に支持された出口中空軸19が取り付けられている。蒸気入口もしくは流入管20と凝縮水排出管21は出口中空軸19に設置されている。更に、出口中空軸19には内部に送り羽根23を備えると共に蒸気室17を貫通し、蒸気流入管20に連結された蒸気内管24とドレン排出管21に接続されたドレン内管25は出口中空軸の中心に設けられている。26は蒸気内管24と蒸気室17の連絡管、27は蒸気室17内に設けた仕切板で、仕切板27の近くにドレン内管28に接続されたドレン内管25が設けられている。出口中空軸19はガス入口29および乾燥物出口30を有するケーシング31に対し、密封装置32、33によって連結される。
【0021】
本発明の回転円筒式乾燥機において、密封装置14、32、33の密封用シール部の摺動部分は、直接熱源と接触しないため、バイトンゴム、パーフルオロゴム等をゴム系シール材料を使用することができる。また摺動発熱を極力抑えるためのシール部形状はV字、Y字、U字型のパッキンを使用できるが、接触面積が小さいグリース潤滑作用を付与したV字型が最適である。これにより、摩耗粉の発生及び隙間ができることを抑え、粉体の入り込み及び外気からのダストの侵入を防止することができる。
【0022】
この時の潤滑用グリースとしては、例えばシェル社製、アルバニアEPグリースRO等の一般に市販されている潤滑油を適宜使用することができる。
【0023】
更に、密封用シール部の先端(乾燥機内部側)にエアーシール室(C)からのエアー流路を設け、エアーシール吹き出し口(I)から3〜30m/Sの線速度でエアーを吹き出すことによって、密封用シール部に樹脂粉体が入り込むことを防ぐことが出来る。その結果、シール部材の摩耗を防ぎ、ダストの発生を抑制できる。
【0024】
また、本発明で使用される回転円筒式乾燥機内で被乾燥物及び溶媒として用いるハロゲン化炭化水素又はその分解物と接触する部分の材質は、Mo:11.5〜18.0重量%、Cr:13.5〜23.5重量%、Fe:1.0〜8.0重量%、W:1.5〜5.5重量%、Ni:残部からなる合金(以下、合金Aと略記する。)である。
【0025】
さらに加熱管1、胴体3の全てを合金Aとしても良いが、ハロゲン化炭化水素が滞在しない部位まで合金Aを用いるのはあまり経済的ではない。主にハロゲン化炭化水素は、胴体3の供給側で蒸発してしまうため、回転円筒式乾燥機の大きさ、被乾燥物に含有するハロゲン化炭化水素量、乾燥温度等の条件により変化するが、加熱管1、胴体3の供給側を合金Aとし、乾燥により実質的にハロゲン化炭化水素が存在しなくなる部分以降の材質はステンレス鋼とすることが出来る。ステンレス鋼としては、具体的にSUS304、SUS304L、SUS316、SUS316L、SUS317およびSUS317L等が挙げられる。
【0026】
具体的には、回転円筒の被乾燥物入口から出口の長さをLとした時、少なくとも乾燥機内部の被乾燥物入口側から1/4Lまでの部分を合金Aにすることが好ましい。そして、残りの部分をステンレス鋼にすることが経済的である。
【0027】
一方、回転円筒式乾燥機において、回転円筒の半径をRとした時、熱媒用の管が径方向に0.6〜0.96Rの間に設置することで、光学用ポリカーボネート樹脂を乾燥機内で滞留させることなく均一に乾燥できヤケ樹脂の発生を防止できる。
【0028】
また、回転円筒式乾燥機を用いて、光学用ポリカーボネート樹脂を乾燥する際に、充填率を低く抑えることは粉面の高さが密封用シール部より離れて低くなるため、密封用シール部に該樹脂が入り込むことを防ぐ効果がある。しかし、処理能力が低下するために、経済性を考慮すると、該樹脂の充填率を10〜30容量%にすることが望ましい。
【0029】
回転円筒式乾燥機を用いて、光学用ポリカーボネート樹脂を効率よく乾燥するためには、該乾燥機内の圧力は常圧付近であり、好ましくは−200〜300mmAqである。そして、該樹脂のガラス転移点Tg±30℃の温度範囲内で加熱管により加熱する。また、乾燥用ガス(空気、窒素又はその混合物並びに該樹脂に不活性なガス)は常温でも供給しても良いが、乾燥効率を良くするにはTg±30℃範囲に予熱した方が好ましい。この乾燥用ガスは該樹脂の出口側から入口側に供給する。残存溶媒中に可燃性溶媒を含有する場合、爆発範囲に入らないように風量を調節して乾燥を行う。一般には乾燥条件は減圧、高温で行うことが効率的で好適であるが、過度に高温した場合、該樹脂を溶融してしまうため上記の温度範囲で乾燥することが好ましい。しかし、過度に減圧した場合、外気とともにダストを吸入し、過度に加圧にした場合密封用シール部に粉体が入り込んでダストの増加要因となるため好ましくない。上記の圧力範囲であれば、ダストの増加がなく、且つ効率よく乾燥することができる。
【0030】
以下、本発明において乾燥される光学用ポリカーボネート樹脂について説明する。
【0031】
本発明の方法で乾燥される光学用ポリカーボネート樹脂は、その製法は問わないが、一例として挙げると有機溶媒およびアルカリ水溶液の存在下に、ビスフェノール化合物とホスゲンとを反応させて得られるポリカーボネート樹脂を、樹脂溶液からスラリ−化された湿潤状態にあるポリカーボネート樹脂である。
【0032】
更に詳細には、上記の湿潤状態にあるポリカーボネート樹脂は、好適には精製されたポリカーボネート樹脂の良溶媒溶液に溶かした溶液又はポリカーボネート樹脂の非或いは貧溶媒を沈殿が生じない程度添加してなる液を温水中に添加し、溶媒を留去する温水滴下法、又は通常の沈殿法で得た良溶媒および非或いは貧溶媒を含む湿潤粉末を温水中で処理し、溶媒を留去する沈殿温水処理法もしくは樹脂溶液をニーダで粒状化する方法で製造されるものである。
【0033】
ここで、ポリカーボネート樹脂は、通常のビスフェノール化合物を使用してなる芳香族のホモ或いはコーポリカーボネート樹脂、更に分岐されたもの、末端に長鎖アルキル基を導入したものなどの粘度平均分子量10,000〜40,000のもの、これらのポリカーボネート樹脂の製法において、末端停止剤やコモノマーとして炭素−炭素不飽和二重結合その他のグラフト化が可能な点を持つポリカーボネート樹脂を製造し、これにポリスチレンなどをグラフトしたもの、又はポリスチレン等にフェノール系水酸基、またはその他のポリカーボネート樹脂のグラフト重合が可能な基を持つ化合物を共重合したものを用い、これにポリカーボネート樹脂をグラフト重合したものなどいずれでも使用可能である。
【0034】
本発明で使用するビスフェノール化合物としては、具体的にはビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(3,5−ジブロ−4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(2−t−ブチル−4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)エタン、1,1−ビス(2−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)エタン、1−フェニル−1,1−ビス(3−フルオロ−4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(以下、ビスフェノ−ルAと略記する。)、2,2−ビス(3,5−ジブロム−4−ヒドロキシフェニル)プロパン(以下、TBAと略記する。),2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(2−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジフルオロフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−ブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−クロロフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−フルオロフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−1−メチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−ブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−クロロフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−ブロモ−4−ヒドロキシ−5−クロロフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1−ビス(2−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニルブタン、1,1−ビス(2−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ブタン、1,1−ビス(2−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)イソブタン、1,1−ビス(2−t−アミル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ブタン、1,1−ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)プタン、1,1−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)ブタン、4,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタン、1,1−ビス(2−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ヘプタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタンなどのビス(ヒドロキシアリール)アルカン類;1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン(以下、ビスフェノールZと略記する。)、1,1−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,5,5−トリメチルシクロヘキサンなどのビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロアルカン類;4,4’−ジヒドロキシビフェニル、4,4’−ジヒドロキシ−2,2’−ジメチルビフェニル、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルビフェニル、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジシクロヘキシルビフェニルなどのジヒドキシビフェニル類;ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)エーテルなどのビス(ヒドロキシアリール)エーテル類;ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(ヒドロキシアリール)スルホン類などのビス(ヒドロキシアリール)スルホン類;ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホキシド、ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)スルホキシド、ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)スルホキシドなどのビス(ヒドロキシアリール)スルホキシド類;ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルファイド、ビス(3−メチル4−ヒドロキシフェニル)スルファイドなどのビス(ヒドロキシアリール)スルファイド類;ビス(4−ヒドロキシフェニル)ケトン、その他、両末端フェノール変成シロキサン類、片末端フェノール変成シロキサン類、両末端フェノール変成シラン類、片末端フェノール変成シラン類などが例示される。これらは、2種類以上併用して用いてもよい。中でもビスフェノ−ルA、ビスフェノ−ルZ、TBAから選ばれるものが望ましい。
【0035】
末端停止剤あるいは分子量調節剤としては一価のフェノール性水酸基を有する化合物が挙げられ、通常のフェノール、p-t-ブチルフェノール、トリブロモフェノール等の他、長鎖アルキルフェノール、脂肪族カルボン酸クロライド、脂肪族カルボン酸、芳香族カルボン酸、芳香族酸クロライド、ヒドロキシ安息香酸アルキルエステル、アルキルエーテルフェノールなどが挙げられる。また、反応性二重結合を有する末端停止剤を用いてもよく、その場合の例として、アクリル酸、ビニル酢酸、2−ペンテン酸、3−ペンテン酸、5−ヘキセン酸、9−ウンデセン酸などの不飽和カルボン酸;アクリル酸クロライド、ソルビン酸クロライド、アリルアルコ−ルクロロホーメート、イソプロペニルフェノールクロロホルメートまたはヒドロキシスチレンクロロホーメート等の酸クロライドまたはクロロホーメート;イソプロペニルフェノール、ヒドロキシスチレン、ヒドロキシフェニルマレイミド、ヒドロキシ安息香酸アリルエステルまたはヒドロキシ安息香酸メチルアリルエステルなどの不飽和基を有するフェノール類等が挙げられる。これらの化合物は通常の末端停止剤と併用してもよく、上記したビスフェノール化合物1モルに対して、通常、1〜25モル%、好ましくは1.5〜10モル%の範囲で使用される。
【0036】
更に分岐化剤を上記のビスフェノール化合物に対して、0.01〜5.0モル%、特に0.1〜3.0モル%の範囲で併用して分岐化ポリカーボネートとすることができる。分岐化剤としては、フロログルシン、2,6−ジメチル−2,4,6−トリ(4−ヒドロキシフェニル)ヘプテン−3、4,6−ジメチル−2,4,6−トリ(4−ヒドロキシフェニル)ヘプテン−2、1,3,5−トリ(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾール、1,1,1−トリ(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,6−ビス(2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェノール、α,α′,α″−トリ(4−ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリイソプロピルベンゼンなどで例示されるポリヒドロキシ化合物、及び3,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オキシインドール(=イサチンビスフェノール)、5−クロルイサチンビスフェノール、5,7−ジクロルイサチンビスフェノール、5ーブロムイサチンビスフェノールなどが例示される。
【0037】
溶媒としては、ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタン、クロロホルム、トルエン、クロロベンゼン、1,1,1-トリクロロエタン等のハロゲン化炭化水素がポリカーボネート樹脂の重合反応等に使用する良溶媒として例示され、特にジクロロメタンが好適である。
【0038】
非或いは貧溶媒としては、トルエン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレンが例示され、特にトルエン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、シクロヘキサンが好適である。
【0039】
精製されたポリカーボネート樹脂溶液は、通常、ポリカーボネート樹脂重合反応液から有機相と水相に分離し、有機相を中和、水洗、濃縮等を行い、更に遠心分離法又は精密濾過等のダスト除去を行うことにより製造される。精製されたポリカーボネート樹脂溶液中の微細なダストは少ないほど好ましく、例えば0.5μm以上のダストがポリカーボネート樹脂溶液1ml中1000個以下にすることが好ましく、また樹脂濃度は10〜30重量%が好ましい。
【0040】
ポリカーボネート樹脂の良溶媒溶液に溶かした溶液又はポリカーボネート樹脂の非或いは貧溶媒を沈殿が生じない程度添加して得た均一溶液は、そのままニーダーで溶媒留去しながら破砕することによってポリカーボネート粉粒体を得ることができる。またこれらの樹脂溶液を温水中にて造粒、撹拌機や湿式粉砕機で粉砕する事によって粉粒体の水スラリーとし、水を分離することによって湿潤粉末を得ることができる。以上により得られた水スラリーより分離、水切りしたポリカーボネート樹脂の粉粒体は、通常、溶媒としてジクロロメタンのみを使用した場合、水の他に、ジクロロメタン約0.5〜1重量%、また貧溶媒を併用した場合には、水の他に、ジクロロメタン約0.1〜0.3重量%および貧溶媒約1〜2重量%程度含有する。
【実施例】
【0041】
次に、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。
【0042】
乾燥試料の作成
ジクロロメタンを溶媒とする界面重合法により、ビスフェノールA、塩化カルボニル、フェノールから粘度平均分子量1.5×104 のビスフェノールAポリカーボネート樹脂のジクロロメタン溶液を連続的に合成し、3重量%塩酸で中和、純水で洗浄後、ジクロロメタンで濃調して樹脂濃度20%の溶液とした。このポリカーボネート樹脂溶液の容量に対して0.2容量倍のn−ヘプタンを撹拌しながら添加することによってポリカーボネート樹脂溶液を調製し、これを濾過精度0.2μmのカートリッジフィルターで精密濾過し精製された精製ポリカーボネート樹脂溶液とした。この精製ポリカーボネート樹脂溶液を加熱撹拌下の45℃の温水に添加しつつ、溶媒のジクロロメタンと固形化用溶媒のn−ヘプタンを留去し、ポリカーボネートの水スラリー液をデカンターにかけ、ポリカーボネートの湿潤粉末を6kg/hで得た。この湿潤粉末の乾燥について、以下の実施例を示す。ダストの測定は、光散乱式自動微粒子計測器を用いて測定した。
【0043】
実施例1
回転円筒式乾燥機〔全長3000mm×胴径270mm 、密封用シール部:V型ゴムシール(潤滑用グリース使用)、堰高さ25%、先端(乾燥機内部側)にエアーシール流路、機内材質:合金A(Mo:16.0重量%、Cr:16.0重量%、Fe:5.0重量%、W:4.0重量%、Ni:残部)、熱媒用の管配置:半径をRとした時の中心からの位置0.75R×10本、回転数13rpm〕を用い伝熱面温度、乾燥エアー温度、機内圧力、充填率を変えて粘度平均分子量1.5×104 のポリカーボネート湿潤粉末を5.5kg/hで1週間連続乾燥した。
【0044】
乾燥後のポリカーボネート樹脂200gをジクロロメタン3000mlに溶解して、孔径10μmのメンブレンフィルターで濾過を行い、フィルター上に捕集されたダストを光学顕微鏡を用いて観察したところ、10μm以上のダストは見られず、乾燥機内部をファイバースコープで目視確認した結果、機内の材質に変化は無かった。更に乾燥して得られたポリカーボネート樹脂1gをジクロロメタン100mlに溶解した溶液を光散乱式自動微粒子計測器を用いて0.5〜5.0μmのダスト量を測定した。その結果と乾燥機の運転条件(1)〜(5)を表1に示す。また、このポリカーボネート樹脂のガラス転移温度を、示差走査熱量計(DSC)にて測定したところ、144℃であった。
【表1】

【0045】
比較例1
密封用シール部:グランドパッキン(アスベスト/シリコン/ポリ四フッ化エチレンの複合体)、グランドパッキン後部(乾燥機外側)にエアーシール流路とした以外は実施例1と同様として乾燥を行った。次に実施例1と同様にジクロロメタンに溶解したところ、10μm以上のダストが少量見られた。そのためダストを電子プローブ微小分析装置(以下EPMAと略す)で分析したところ、グランドパッキンに由来するフッ素とケイ素を検出した。機内には変化ないもののグランドパッキンに摩耗が見られた。更に実施例1と同様に光散乱式自動微粒子計測器を用いてダスト量を測定した。その結果と乾燥機の運転条件(1)〜(5)を表2に示す。
【表2】

【0046】
比較例2
密封用シール部:グランドパッキン、グランドパッキン後部(乾燥機外側)にエアーシール流路、機内材質:SUS316、熱媒用の管配置:半径をRとした時の中心からの位置0.58R×10本、とした以外は実施例1と同様として乾燥を行った。次に実施例1と同様にジクロロメタンに溶解したところ、10μm以上のダストが多量に見られた。ダストをEPMAで分析したところ、SUS316とポリカーボネートの炭化物の他にグランドパッキンに由来すると思われるフッ素とケイ素を検出した。機内を観察すると被乾燥物の入口から700mmまでは多数の孔食が認められたが、被乾燥物の入口から1000mm以後出口では孔食および腐食は認められなかった。しかし、樹脂の焼き付きが加熱管全体に見られ、グランドパッキンの摩耗も見られた。更に実施例1と同様に光散乱式粒子センサーを用いてダスト量を測定した。その結果と乾燥機の運転条件(1)〜(5)を表3に示す。
【表3】

【0047】
比較例3
2軸のパドル型乾燥機〔有効容積0.065 m3 、1950L×301 W×550 H、スチームジャケット付き、密封用シール部:グランドパッキン、堰高さ80%、機内材質:ハステロイC(Mo:15.6重量%、Cr:15.7重量%、Fe:5.4重量%、W:3.6重量%、Ni:残部)〕を用い粘度平均分子量1.5×104 のポリカーボネート湿潤粉末を5.5kg/h で1週間連続乾燥した。次に実施例1と同様にジクロロメタンに溶解したところ、10μm以上のダストが少量見られた。ダストをEPMAで分析したところポリカーボネートの炭化物の他にグランドパッキンに由来すると思われるフッ素とケイ素を検出した。また機内を確認したところ、表面に変化ないもののグランドパッキンに摩耗が見られた。更に実施例1と同様に光散乱式自動微粒子計測器を用いてダスト量を測定した。その結果と乾燥機の運転条件を表4に示す。
【表4】

【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】第1図は、回転円筒式乾燥機を円筒方向に中心線上を上下に切った全体断面図である。
【図2】第2図は、第1図の回転円筒式乾燥機のA−A断面図である。
【図3】第3図の回転円筒式乾燥機の被乾燥物の入口側の密封部Bの拡大図である。
【図4】第4図の回転円筒式乾燥機の被乾燥物の出口側の密封部Cの拡大図である。
【図5】第5図の回転円筒式乾燥機の被乾燥物の出口側の密封部Dの拡大図である。
【図6】第6図の密封部にグランドパッキンを用いた回転円筒式乾燥機の被乾燥物の入口側の密封部Bの拡大図である。
【図7】第7図の密封部にグランドパッキンを用いた回転円筒式乾燥機の被乾燥物の出口側の密封部C、Dの拡大図である。
【符号の説明】
【0049】
1 :加熱管3 :回転円筒胴体4 :入口円盤5 :スクリューコンベア6 :入口中空軸8 :湿潤粉体入口9 :ガス出口14:密封装置15:出口側管板16:出口円盤17:蒸気室18:軸受け19:出口中空軸20:加熱用蒸気入口21:凝縮水出口23:粉体用抜き出し羽根24:蒸気内管25:ドレン内管26:蒸気連結管27:蒸気室仕切板28:ドレン内管30:乾燥物出口31:出口ケーシング32:密封装置33:密封装置34:ボールベアリング35:ベアリングサポート36:エアーシール室37:Vパッキン38:ランタンリング39:グランド押さえ40:グランドパッキン41:シールエアー入口42:シールエアー吹き出し口43:スリーブ44:エアーシール室45:グランドパッキン46:シールリング47:バックアップリング48:グランド押さえ49:シールエアー入口


【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に多数の加熱媒体用の加熱管を有する回転円筒式乾燥機に於いて、円筒の一端の入口側円板に被乾燥物の供給装置が挿入される入口中空部軸と乾燥ガスの出口が設置され、出口側円板(蒸気室)に取り付けられた出口中空軸を含み、これらの中空軸によって支持され、出口側中空軸には被乾燥物の排出装置と加熱媒体の流入管及びドレン排出管が設けられた回転円筒式乾燥機を用いて光学用ポリカーボネート樹脂を乾燥するに際し、回転軸密封用シール部にV型ゴムシールを使用し、密封用シール部の先端にエアーシール流路を設けることを特徴とする光学用ポリカーボネート樹脂の製造方法。
【請求項2】
被乾燥物に残存している溶媒として用いたハロゲン化炭化水素又はその分解物と接触する部分が、Mo:11.5〜18.0重量%、Cr:13.5〜23.5重量%、Fe:1.0〜8.0重量%、W:1.5〜5.5重量%、Ni:残部からなる金属材料もしくはそのライニング材料とする請求項1記載の光学用ポリカーボネート樹脂の製造方法。
【請求項3】
回転円筒の半径をRとした時、熱媒用の加熱管が径方向に0.6〜0.96Rの間に設置されている回転円筒式乾燥機を用いる請求項1記載の光学用ポリカーボネート樹脂の製造方法。
【請求項4】
該回転円筒式乾燥機内の被乾燥物の充填率が10〜30容量%である請求項1記載の光学用ポリカーボネート樹脂の製造方法。
【請求項5】
該回転円筒型乾燥機内の圧力を−200〜300mmAq、被乾燥物のガラス転移点Tg±30℃の温度範囲内で加熱し、Tg±30℃の温度範囲の乾燥用ガス(空気又は窒素)を被乾燥物の出口側から入口側に供給する請求項1記載の光学用ポリカーボネート樹脂の製造方法。
【請求項6】
回転円筒の被乾燥物入口から出口の長さをLとした時、少なくとも乾燥機内部の被乾燥物入口側から1/4Lまでの部分の材質が、Mo:11.5〜18.0重量%、Cr:13.5〜23.5重量%、Fe:1.0〜8.0重量%、W:1.5〜5.5重量%、Ni:残部からなる金属材料もしくはそのライニング材料とする請求項2記載の光学用ポリカーボネート樹脂の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−297938(P2006−297938A)
【公開日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−122684(P2006−122684)
【出願日】平成18年4月26日(2006.4.26)
【分割の表示】特願平11−44893の分割
【原出願日】平成11年2月23日(1999.2.23)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
【出願人】(000004466)三菱瓦斯化学株式会社 (1,281)
【Fターム(参考)】