説明

光学素子

【課題】良好な光学特性を維持しつつ、更なる部品点数の削減、小型化、低コスト化および量産性の向上を実現することができる光学素子を提供する。
【解決手段】空洞部6が光路中に形成され、空洞部6の内面に光の進行方向に対して所定の傾斜角度をなす傾斜面6cが形成された光学ブロック2を備え、少なくとも、空洞部6の内面ならびに光学ブロック2の光の入射および/または出射端における外部との界面に、同一構造の多層膜12が形成され、空洞部6の内面における傾斜面6cに形成された多層膜12が、使用する光に対して少なくとも波長選択機能を有し、傾斜面6c以外に形成された多層膜12が、使用する光に対して反射防止機能を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学素子に係り、特に、光情報の送受信を行うのに好適な光学素子に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、光の波長を選択して光を反射または透過させる波長選択性を有する光学素子として、使用する光の波長に応じて光を反射または透過させる光学フィルタを備えた光学素子が知られている。
【0003】
このような光学素子は、光ファイバ通信システムにおける一心双方向の伝送システムに搭載される光分波または光合波用の波長多重送受信モジュール等に用いられている。
【0004】
このような光学素子に関連する発明としては、例えば、特許文献1および特許文献2に記載の発明がある。
【0005】
これらの文献には、部品点数の削減、調芯工程の削減、組み立て容易化、小型化および低コスト化等の効果を奏することができる発明が開示されている。
【0006】
また、従来、前述した光学フィルタは、基板上に誘電体の多層膜を成膜することによって得られていた。
【0007】
【特許文献1】特開2004−354752号公報
【特許文献2】特開2005−84188号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、近年の光ファイバ通信技術の普及や需要増にともない、光情報の送受信を行う光学素子に対して、部品点数の削減、小型化、低コスト化および量産性の向上の要求が更に強まっている。
【0009】
しかし、特許文献1および特許文献2に記載の発明においては、光学フィルタと、この光学フィルタが保持される光学ブロック(筐体等)とを個別に製造した上で、さらに、光学ブロックの所定の位置に光学フィルタを設置する煩雑な作業を要していたため、量産性に問題があった。
【0010】
仮に、光学ブロックの表面に成膜法を用いて多層膜からなる光学フィルタを形成する場合には、光学フィルタを設置する作業を省くことはできるものの、光学ブロックにおける光学フィルタが成膜される面以外の面にも多層膜が成膜されることで、光学素子の光学特性を損ねてしまう虞があった。
【0011】
例えば、光の入射端あるいは出射端にレンズ面を備えた光学ブロックにおいて、レンズ面上に多層膜が成膜される場合には、多層膜の特性如何によっては、レンズ面に対する光の入射あるいはレンズ面からの光の出射が阻害される虞があった。
【0012】
また、光学フィルタを設置する作業を簡便かつ適切に行うには、光学ブロックにおける光学フィルタの設置位置がある程度の大きさを有することを余儀なくされていたため、従来以上の小型化は困難となっていた。
【0013】
さらに、従来から、光学素子の光学特性を向上させる観点から、光学ブロックに反射防止膜を成膜することが行われていたが、このような反射防止膜を成膜する場合には、部品点数がさらに多くなるととともに、コストが上昇し、量産化への対応がさらに困難となっていた。
【0014】
したがって、従来は、更なる部品点数の削減、小型化、低コスト化および量産性の向上の要求に十分に応えることができないといった問題が生じていた。
【0015】
そこで、本発明は、このような問題点に鑑みなされたものであり、良好な光学特性を維持しつつ、更なる部品点数の削減、小型化、低コスト化および量産性の向上を実現することができる光学素子を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
前述した目的を達成するため、本発明の請求項1に係る光学素子の特徴は、光の波長を選択して光を反射または透過させる波長選択機能を有する光学素子において、開口を有する空洞部が光路中に形成され、前記空洞部の内面に光の進行方向に対して所定の傾斜角度をなす傾斜面が形成された光学ブロックを備え、少なくとも、前記空洞部の内面および前記光学ブロックの光の入射および/または出射端における外部との界面に、同一構造の多層膜が形成され、前記空洞部の内面における前記傾斜面に形成された前記多層膜が、使用する光に対して前記波長選択機能を有し、前記傾斜面以外に形成された前記多層膜が、使用する光に対して反射防止機能を有する点にある。
【0017】
なお、光学ブロックの光の入射および/または出射端とは、光情報の送受信の際に、光学ブロックにおいて、光の入射端および光の出射端の少なくとも一方として機能する部位のことをいうものとする(以下、同様)。
【0018】
そして、この請求項1に係る発明によれば、光学ブロックに多層膜を形成することによって、光学フィルタの機能に相当する波長選択機能を得ることができるので、光学フィルタを光学ブロックに設置する煩雑な作業を省くことが可能となる。
【0019】
また、成膜法を用いて多層膜を成膜することができるので、小型の光学ブロックにも対応することが可能となる。
【0020】
さらに、光学ブロックに形成された同一構造の多層膜に、その形成位置に応じて、光学フィルタの機能に相当する波長選択機能または反射防止膜の機能に相当する反射防止機能といった別個の光学機能をもたせることができることにより、多層膜の存在を原因として光学特性が劣化することを防止することが可能となる。
【0021】
さらにまた、光学フィルタに相当する部材と反射防止膜に相当する部材とを同一構造の多層膜によって同時に形成することが可能となる。
【0022】
この結果、良好な光学特性を維持しつつ、更なる部品点数の削減、小型化、低コスト化および量産性の向上を実現することができる。
【0023】
また、請求項2に係る光学素子の特徴は、請求項1において、前記多層膜が、次の(1)および(2)に示す各条件式、
[傾斜面以外に形成された多層膜の場合]
λ<λ<λT50%<λ (1)
[傾斜面に形成された多層膜の場合]
λ<λTP50%かつλTS50%<λ<λ (2)
但し、
λ:使用する第1の光の中心波長
λ:使用する第2の光の中心波長
λT50%:多層膜における無偏光の光の透過率が50%となる波長
λ:反射帯中心波長
λTP50%:多層膜におけるP偏光の透過率が50%となる波長
λTS50%:多層膜におけるS偏光の透過率が50%となる波長
を満足するショートウェイブパスフィルタである点にある。
【0024】
そして、この請求項2に係る発明によれば、傾斜面以外に形成された多層膜が(1)の条件式を満足するショートウェイブパスフィルタであることにより、この傾斜面以外に形成された多層膜が、使用する光に対するより良好な反射防止機能を有することが可能となる。また、傾斜面に形成された多層膜が(2)の条件式を満足するショートウェイブパスフィルタであることにより、この傾斜面に形成された多層膜が、使用する光に対するより良好な波長選択機能を有することが可能となる。この結果、光学特性をさらに向上させることができる。
【0025】
さらに、請求項3に係る光学素子の特徴は、請求項1または2において、前記空洞部が、前記光学ブロックに複数形成されている点にある。
【0026】
そして、この請求項3に係る発明によれば、空洞部の個数を多くすることにより、光学ブロックにおける空洞部と空洞部ではない部分との屈折率差を有効に利用して所望の光路を簡便に設計することが可能となる。この結果、例えば、光学素子に対する光の入射角度と、その光の光学素子からの出射角度とを同一角度にすることができ、ひいては、更なる小型化を図ることができる。また、波長選択機能を有する多層膜の個数を多くすることが可能となり、この結果、より多様な波長の光を用いた光情報の送受信に柔軟に対応することができる。
【0027】
さらにまた、請求項4に係る光学素子の特徴は、請求項1〜3のいずれか1項において、前記光学ブロックの光の入射および/または出射端に、前記光学ブロックと同一の材料からなるレンズが前記光学ブロックと一体に形成されている点にある。
【0028】
そして、この請求項4に係る発明によれば、レンズと光学ブロックとを同一の材料によって同時に製造することが可能となり、また、レンズと光学ブロックとの位置調整の作業を要しなくすることが可能となる。この結果、さらに量産に適した安価な光学素子を実現することができる。
【0029】
また、請求項5に係る光学素子の特徴は、請求項1〜4のいずれか1項において、前記光学ブロックの光の入射および/または出射端が、前記光学ブロックに複数形成され、各入射および/または出射端に、光電変換素子が保持される第1の保持部または光伝送路の端部が保持される第2の保持部が、前記光学ブロックと同一の材料によって前記光学ブロックと一体に形成されている点にある。
【0030】
そして、この請求項5に係る発明によれば、光学ブロック、第1保持部および第2保持部を同一の材料によって同時に形成することが可能となる。この結果、さらに量産性に優れたより安価な光学素子を実現することができる。
【0031】
さらに、請求項6に係る光学素子の特徴は、請求項1〜5のいずれか1項において、前記光学ブロックの全面に、前記多層膜が形成されている点にある。
【0032】
そして、この請求項6に係る発明によれば、光学ブロックにおける特定の面を選択して多層膜を形成するのに要する手間を省くことが可能となる。この結果、さらに量産性に優れた光学素子を実現することができる。
【発明の効果】
【0033】
本発明に係る光学素子によれば、良好な光学特性を維持しつつ、更なる部品点数の削減、小型化、低コスト化および量産性の向上を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
(第1実施形態)
以下、本発明に係る光学素子の第1実施形態について、図1を参照して説明する。
【0035】
図1は、本実施形態における光学素子1を説明するための図を示したものである。この図1に示すように、本実施形態における光学素子1は、図1における紙面垂直方向に所定の厚みを有する略台形状の光学ブロック2を有しており、この光学ブロック2は、同一の樹脂材料によって形成されている。また、光学ブロック2は、射出成形法を用いて一体成形することができる。
【0036】
光学ブロック2を形成する樹脂材料としては、例えば、ポリエーテルイミド(PEI)、シクロオレフィンポリマーまたはポリカーボネート等を用いるようにしてもよい。
【0037】
以下、便宜上、光学ブロック2の図1における紙面手前側の面(正面)を第1面2a、裏面を第2面2b、図1における右側面を第3面2c、下側面を第4面2d、左側面を第5面2e、上側面を第6面2fと称する。
【0038】
光学ブロック2には、第1面2aから第2面2bにわたって各面2a、2bに直交する平面直角三角形状の貫通孔3が穿設されている。
【0039】
この貫通孔3によって、光学ブロック2における光路中に、第1面2aに形成された開口5aと第2面2bに形成された開口5bとの2つの開口5a、5bを有する直角三角柱形状の空洞部6が形成されている。
【0040】
なお、空洞部6の内面は、互いに直交した状態で隣接する第1面6aおよび第2面6bと、第1面6aおよび第2面6bの双方との間で鋭角をなした状態で両面6a、6bに隣接する第3面(以下、傾斜面6cと称する)とによって形成されている。
【0041】
空洞部6の内面における第1面6aは、光学ブロック2の第3面2cに対して光学ブロック2の樹脂材料を隔てて平行に対向している。また、空洞部6の内面における第2面6bは、光学ブロック2の第4面2dに対して光学ブロック2の樹脂材料を隔てて平行に対向している。さらに、空洞部6の内面における傾斜面6cは、光学ブロック2の第5面2eに対して光学ブロック2の樹脂材料を隔てて傾斜を有した状態で対向している。
【0042】
さらに、図1に示すように、傾斜面6cは、この傾斜面6cと光学ブロック2の第3面2cの外側(図1における右方)に配置される光伝送路としての光ファイバ8との間の光路上を進行する光の進行方向に対して、所定の傾斜角度θをなしている。
【0043】
また、傾斜面6cは、この傾斜面6cと光学ブロック2の第4面2dの外側(図1における下方)に配置される第1光電変換素子9との間の光路上を進行する光の進行方向に対して、所定の傾斜角度θをなしている。
【0044】
さらに、傾斜面6cは、この傾斜面6cと光ファイバ8との間の光路上を進行する光の進行方向に対して、所定の傾斜角度θをなしている。
【0045】
なお、第1光電変換素子9および第2光電変換素子10には、発光素子と受光素子との双方が搭載されていてもよく、または、いずれか一方の素子が搭載されていてもよい。
【0046】
そして、本実施形態において、空洞部6の内面における全面6a、6b、6cには、多層膜12が形成されている。
【0047】
また、光学ブロック2の光の入射および/または出射端における外部との界面としての光学ブロック2の第3面2cにおける光ファイバ8に臨む一定範囲の領域には、空洞部6の内面に形成されたものと同一構造の多層膜12が形成されている。
【0048】
さらに、光学ブロック2の光の入射および/または出射端における外部との界面としての光学ブロック2の第4面2dにおける第1光電変換素子9に臨む一定範囲の領域には、空洞部6の内面に形成されたものと同一構造の多層膜12が形成されている。
【0049】
さらにまた、光学ブロック2の光の入射および/または出射端における外部との界面としての光学ブロック2の第5面2eにおける第2光電変換素子10に臨む一定範囲の領域には、空洞部6の内面に形成されたものと同一構造の多層膜12が形成されている。
【0050】
そして、これらの多層膜12のうち、空洞部6の内面における傾斜面6cに形成された多層膜12は、使用する第1の光としての中心波長λ=980nmの光および使用する第2の光としての中心波長λ=1310nmの光に対して、光の波長を選択して光を反射または透過させる波長選択機能を有している。
【0051】
具体的には、傾斜面6cに形成された多層膜12は、光ファイバ8側から中心波長λ=980nmの光(以下、第1使用光と称する)が入射した場合には、この第1使用光を第2光電変換素子10側に透過させるようになっている。逆に、当該多層膜12は、第2光電変換素子10側から発光素子が発した第1使用光が入射した場合には、この第1使用光を光ファイバ8側に透過させるようになっている。
【0052】
これにより、光ファイバ8と第2光電変換素子10とを光学的に結合することができ、第1使用光を用いた一心双方向の光情報の送受信が可能となる。なお、第1使用光は、傾斜面6cに形成された多層膜12における透過の際に、空洞部6の空気層と、多層膜12と、光学ブロック2の樹脂材料との屈折率差により若干屈折することになるが、これを見込んで第2光電変換素子10および光ファイバ8の位置を設定すれば、光ファイバ8と第2光電変換素子10とを適切に結合することができる。
【0053】
また、傾斜面6cに形成された多層膜12は、光ファイバ8側から中心波長λ=1310nmの光(以下、第2使用光と称する)が入射した場合には、この第2使用光を第1光電変換素子9側に反射させるようになっている。逆に、当該多層膜12は、第1光電変換素子9側から発光素子が発した第2使用光が入射した場合には、この第2使用光を光ファイバ8側に反射させるようになっている。
【0054】
これにより、光ファイバ8と第1光電変換素子9とを光学的に結合することができ、第2使用光を用いた一心双方向の光情報の送受信が可能となる。
【0055】
一方、傾斜面6c以外に形成された多層膜12として、空洞部6の内面における第1面6aに形成された多層膜12と、光学ブロック2の第3面2cにおける光ファイバ8に臨む一定範囲の領域に形成された多層膜12とは、各多層膜12を透過する第1使用光および第2使用光の双方に対する反射防止機能を有している。
【0056】
また、傾斜面6c以外に形成された多層膜12として、光学ブロック2の第5面2eにおける第2光電変換素子10に臨む一定範囲の領域に形成された多層膜12は、この多層膜12を透過する第1使用光に対する反射防止機能を有している。
【0057】
さらに、傾斜面6c以外に形成された多層膜12として、空洞部6の内面における第2面6bに形成された多層膜12と、光学ブロック2の第4面2dにおける第1光電変換素子9に臨む一定範囲の領域に形成された多層膜12とは、各多層膜12を透過する第2使用光に対する反射防止機能を有している。
【0058】
これらの傾斜面6cおよび傾斜面6c以外に形成された多層膜12は、例えば、誘電体としての高屈折率物質の薄膜と、誘電体としての低屈折率物質の薄膜とを、交互に繰り返し積層することによって形成することができる。高屈折率物質としては、例えば、TiO、Ta、HfO等を用いるようにしてもよい。また、低屈折率物質としては、例えば、Al、SiO等を用いるようにしてもよい。
【0059】
さらに、傾斜面6cおよび傾斜面6c以外に形成された多層膜12は、原子層堆積法(ALD:Atomic Layer Deposition)等の成膜法によって同一の成膜材料を用いて同時に形成することができる。
【0060】
このように、本実施形態においては、光学ブロック2に多層膜12を形成することによって、光学フィルタの機能に相当する波長選択機能を得ることができるので、従来のような別体の光学フィルタを光学ブロック2に設置する煩雑な作業を省くことが可能となる。また、成膜法を用いて多層膜12を形成することができるので、小型の光学ブロック2にも対応することが可能となる。さらに、光学ブロック2に形成された同一構造の多層膜12に、その形成位置に応じて、波長選択機能または反射防止機能といった別個の光学機能をもたせることができることにより、傾斜面6c以外に形成された多層膜12の存在を原因として光学素子1の光学特性が劣化することはない。さらにまた、光学フィルタに相当する部材と、反射防止膜に相当する部材とを同一構造の多層膜12によって同時に形成することが可能となる。
【0061】
この結果、良好な光学特性を維持しつつ、更なる部品点数の削減、小型化、低コスト化および量産性の向上を実現することができる。
【0062】
上記構成に加えて、さらに、本実施形態においては、多層膜12が、次の(1)および(2)に示す各条件式を満足する。
[傾斜面6c以外に形成された多層膜12の場合]
λ<λ<λT50%<λ (1)
[傾斜面6cに形成された多層膜12の場合]
λ<λTP50%かつλTS50%<λ<λ (2)
但し、(1)式および(2)式において、λは、前述した第1使用光の中心波長(980nm)を、λは、前述した第2使用光の中心波長(1310nm)を示す。
【0063】
また、(1)および(2)式において、λは、反射帯中心波長、すなわち、多層膜12において完全に反射される光の中心波長である。この反射帯中心波長は、多層膜12の膜構造(膜材料、層数および膜厚等)が同一の場合であっても、多層膜12に対する光の入射角度に応じて異なる値をとる。例えば、多層膜12の面法線に対して入射光のなす角度が0°(0°入射)の場合には、λ=約1550nmとなり、45°(45°入射)の場合には、λ=約1400nmとなる。この例を(1)および(2)式に当てはめると、傾斜面6c以外に形成された多層膜12については、図1からも分かるように、ほぼ0°入射とみなすことができるので、λ=約1550nmとなる。また、傾斜面6cに形成された多層膜12については、傾斜面6cの傾斜角度θ、θ、θを45±5°とすれば、ほぼ45°入射とみなすことができるので、λ=約1400nmとなる。
【0064】
さらに、(1)式において、λT50%は、傾斜面6c以外に形成された多層膜12における無偏光の光の透過率が50%となる波長を示す。
【0065】
さらにまた、(2)式において、λTP50%は、傾斜面6cに形成された多層膜12におけるP偏光(入射光の入射方向と入射面の法線方向とが作る面内で振動している光)の透過率が50%となる波長を、λTS50%は、傾斜面6cに形成された多層膜12におけるS偏光(P偏光と垂直な面内で振動している光)の透過率が50%となる波長を示す。
【0066】
ここで、(1)式は、傾斜面6c以外に形成された多層膜12が第1使用光および第2使用光に対して反射防止機能を有するための条件を示している。すなわち、(1)式は、傾斜面6c以外に形成された多層膜12が、この多層膜12に入射した無偏光の状態の第1使用光および第2使用光を、良好な透過率で透過させることができることを示している。
【0067】
そして、この(1)式を満足することにより、傾斜面6c以外に形成された多層膜12が、第1使用光および第2使用光に対するより良好な反射防止機能を有することが可能となる。この結果、光学特性をさらに向上させることができる。
【0068】
一方、(2)式は、傾斜面6cに形成された多層膜12が第1使用光および第2使用光に対して波長選択機能を有するための条件を示している。すなわち、(2)式は、傾斜面6cに形成された多層膜12が、この多層膜12に入射したP偏光またはS偏光の状態の第1使用光を、良好な透過率で透過させることができることを示している。さらに、(2)式は、傾斜面6cに形成された多層膜12が、この多層膜12に入射したP偏光またはS偏光の状態の第2使用光を、良好な反射率で反射させることができることを示している。
【0069】
そして、この(2)式を満足することにより、傾斜面6cに形成された多層膜12が、第1使用光および第2使用光に対するより良好な波長選択機能を有することが可能となる。この結果、光学特性をさらに向上させることができる。
【0070】
さらに、傾斜面6cの傾斜角度を45°とした場合、およそ45°±5°にコリメートされた光を使用すれば、傾斜面6cに形成される多層膜12が波長選択機能を有するために好適な角度にすることが可能となる。この結果、光学特性にさらに優れた光学素子1を実現することができる。また、本実施形態の多層膜12のようなショートウェイブパスフィルタ(SWPF)を光学ブロック2に同時に成膜することで、量産性に優れた光学素子1を提供することができる。
【0071】
(第2実施形態)
次に、本発明に係る光学素子の第2実施形態について、第1実施形態との差異を中心に図2〜図7を参照して説明する。なお、第1実施形態と基本的構成が同一もしくはこれに類する箇所については、同一の符号を用いて説明する。
【0072】
図2は、本実施形態における光学素子15を示す斜視図である。また、図3は、光学素子15を図1と同方向からみた正面図である。さらに、図4は、図3の右側面図であり、図5は、図3の左側面図であり、図6は図3の下面図である。また、図7は、図4のA−A断面図である。
【0073】
図2、図3および図7に示すように、本実施形態における光学素子15は、光学ブロック2に、第1実施形態と同様の多層膜12が形成された空洞部6を有しているだけでなく、この空洞部6と第2光電変換素子10との間の光路上に、空洞部6と同一形状の第2の空洞部16を有している。
【0074】
この第2の空洞部16の内面における傾斜面16cは、空洞部6の傾斜面6cに対して光学ブロック2の樹脂材料を隔てて平行に対向している。また、第2の空洞部16の内面における第1面16aは、光学ブロック2の第5面2eに対して光学ブロック2の樹脂材料を隔てて平行に対向している。さらに、第2の空洞部16における第2面16bは、光学ブロック2の第6面2fに対して光学ブロック2の樹脂材料を隔てて平行に対向している。
【0075】
そして、第2の空洞部16についても、空洞部6と同様に、内面における全面16a、16b、16cに、空洞部6の内面に形成された多層膜12と同一構造の多層膜12が形成されている。
【0076】
そして、第2の空洞部16における傾斜面16cに形成された多層膜12は、第1使用光に対して波長選択機能を有している。
【0077】
具体的には、傾斜面16cに形成された多層膜12は、光ファイバ8側から空洞部6を経て第1使用光が入射した場合には、この第1使用光を第2光電変換素子10側に透過させるようになっている。逆に、当該多層膜12は、第2光電変換素子10側から発光素子によって出射された第1使用光が入射した場合には、この第1使用光を空洞部6側に透過させるようになっている。
【0078】
ここで、前述のように、第1使用光は、空洞部6の傾斜面6cに形成された多層膜12を透過する際に、若干屈折することになる。
【0079】
第2の空洞部16は、空洞部6側から入射した第1使用光を、第2の空洞部16(空気層)と第2の空洞部16ではない部分2、12との屈折率差を利用して空洞部6における屈折方向と逆方向に屈折させるようになっている。
【0080】
これにより、光学ブロック2の第3面2cに対する第1使用光の入射角度と、光学ブロック2の第5面2eからの第1使用光の出射角度とを同一角度(第3面2c、第5面2eの面法線に対して0°)にすることができる。
【0081】
この結果、図3に示すように、光ファイバ8、光学ブロック2および第2光電変換素子10を横一線に配置することができ、第1実施形態における光学素子1の効果に加えて、さらに、よりコンパクトな構成を実現することができる。
【0082】
一方、第2の空洞部16における第1面16aに形成された多層膜12は、傾斜面16c側から入射する第1使用光あるいは第2光電変換素子10側から入射する第1使用光に対して反射防止機能を有している。したがって、この第1面16aに形成された多層膜12によって、第1使用光を用いた光情報の送受信を行う際の光学特性をさらに向上させることができる。
【0083】
さらに、図7に示すように、本実施形態において、光学ブロック2の光の入射および/または出射端における外部との界面としての光学ブロック2の第3面2cにおける光ファイバ8に臨む一定範囲の領域内には、光学ブロック2と同一の樹脂材料からなる第1レンズ18が、光学ブロック2と一体に形成されている。
【0084】
この第1レンズ18は、傾斜面6cと光ファイバ8との間の光路上を進行する第1使用光および第2使用光の進行方向を規定するようになっている。
【0085】
また、図7に示すように、光学ブロック2の光の入射および/または出射端における外部との界面としての光学ブロック2の第4面2dに形成された第1凸部13の先端面には、光学ブロック2と同一の樹脂材料からなる第2レンズ19が、光学ブロック2と一体に形成されている。
【0086】
この第2レンズ19は、傾斜面6cと第1光電変換素子9との間の光路上を進行する第2使用光の進行方向を規定するようになっている。
【0087】
さらに、図7に示すように、光学ブロック2の光の入射および/または出射端における外部との界面としての光学ブロック2の第5面2eに形成された第2凸部14の先端面には、光学ブロック2と同一の樹脂材料からなる第3レンズ20が、光学ブロック2と一体に形成されている。
【0088】
この第3レンズ20は、傾斜面16cと第2光電変換素子10との間の光路上を進行する第1使用光の進行方向を規定するようになっている。
【0089】
したがって、本実施形態においては、レンズ18、19、20と光学ブロック2とを同一の樹脂材料によって同時に製造することが可能となり、また、レンズ18、19、20と光学ブロック2との位置調整の作業を要しなくすることが可能となる。この結果、さらに量産に適した安価な光学素子を実現することができる。
【0090】
さらに、図7に示すように、本実施形態において、光学ブロック2の光の入射および/または出射端としての光学ブロック2の第3面2c上には、第2の保持部として筒状の光ファイバ保持部22が、第1レンズ18を囲むように形成されており、この光ファイバ保持部22には、光ファイバ8の端部が保持されている。
【0091】
また、図7に示すように、光学ブロック2の光の入射および/または出射端としての第1凸部13には、第1の保持部としての筒状の第1光電変換素子保持部23が、第2レンズ19を囲むように形成されており、この第1光電変換素子保持部23には、第1光電変換素子9が保持されている。
【0092】
さらに、図7に示すように、光学ブロック2の光の入射および/または出射端としての第2凸部14には、第1の保持部としての筒状の第2光電変換素子保持部24が、第3レンズ20を囲むように形成されており、この第2光電変換素子保持部24には、第2光電変換素子10が保持されている。
【0093】
したがって、本実施形態においては、光学ブロック2、光ファイバ保持部22、第1光電変換素子保持部23および第2光電変換素子保持部24を同一の樹脂材料によって同時に形成することが可能となる。この結果、さらに量産性に優れたより安価な光学素子15を実現することができる。
【実施例】
【0094】
次に、本発明の実施例について、図8〜図12を参照して説明する。
【0095】
<第1実施例>
図8に示すように、第1実施例における多層膜12は、ポリエーテルイミド樹脂からなる光学ブロック2に、ALD法を用いてTiOの薄膜とAlの薄膜とを交互に繰り返し積層することによって形成された合計45層の多層膜12とされている。
【0096】
各層の薄膜の膜厚および光学膜厚は、図8のように設定されている。なお、図8において、膜厚は、薄膜の物理的な厚みである。また、図8において、光学膜厚は、真空中の光の波長を基準として換算した膜厚、すなわち、薄膜の物理的な厚みに、基準とした波長における膜材料の屈折率を乗じたものである。
【0097】
なお、TiOの薄膜は、TiCl(四塩化チタン)およびHO(水)を材料とし、両材料のガスを交互に間歇的にチャンバ内に導入して化学反応させることによって成膜されたものである。一方、Alの薄膜は、TMA(トリメチルアルミニウム)およびHO(水)を材料とし、両材料のガスを交互に間歇的にチャンバ内に導入して化学反応させることによって成膜されたものである。
【0098】
また、多層膜12を形成する際のTiOの薄膜の成膜レートは、化学反応の1サイクルごとに成膜されるTiOの膜厚が約0.045nmであった。一方、多層膜12を形成する際のAlの薄膜の成膜レートは、化学反応の1サイクルごとに成膜されるAlの膜厚が約0.1nmであった。
【0099】
さらに、TiOの全層の薄膜を成膜するのに要した化学反応のサイクルの総数は、約68500サイクルであった。一方、Alの全層の薄膜を成膜するのに要した化学反応のサイクルの総数は、約47300サイクルであった。
【0100】
このようにして形成された本実施例の多層膜12は、図9に示すような透過率の特性を有している。
【0101】
図9の破線のグラフ(Tp45)に示すように、本実施例において、45°入射が行われる多層膜12、すなわち、傾斜面6cに形成された多層膜12については、P偏光の透過率が50%となる波長λTP50%=約1253nmが、第1使用光の中心波長980nmよりも大きく、第2使用光の中心波長1310nmよりも小さい。
【0102】
また、図9の一点鎖線のグラフ(Ts45)に示すように、前述した45°入射が行われる多層膜12は、S偏光の透過率が50%となる波長λTS50%=約1211nmが、第1使用光の中心波長980nmよりも大きく、第2使用光の中心波長1310nmよりも小さい。
【0103】
すなわち、傾斜面6cに形成された多層膜12は、(2)の条件式を満足するものである。
【0104】
これにより、傾斜面6cに形成された多層膜12が、波長選択機能によって、多層膜12に入射した第1使用光を良好な透過率で透過させることができるとともに、多層膜12に入射した第2使用光を良好な反射率で反射させることができる。
【0105】
また、図9の実線のグラフ(T0)に示すように、本実施例において、0°入射が行われる多層膜12、すなわち、傾斜面6c以外に形成された多層膜12については、無偏光の透過率が50%となる波長λT50%=約1333nmが、第1使用光および第2使用光の中心波長よりも大きく、反射帯中心波長1500nmよりも小さい。
【0106】
すなわち、傾斜面6c以外に形成された多層膜12は、(1)の条件式を満足するものである。
【0107】
これにより、傾斜面6c以外に形成された多層膜12が、多層膜12に入射した第1使用光および第2使用光を良好な透過率で透過させることができ、良好な反射防止機能を発揮することができる。
【0108】
次に、図10は、このような多層膜12の反射防止機能をより具体的に示したものであり、光学素子15への入力光と出力光の光学特性を示す図である。
【0109】
すなわち、本実施例における多層膜12は、光学素子15における傾斜面6cの多層膜12によって透過された第1使用光に対して、図10の実線のグラフ(T)に示すような透過率の特性を有している。
【0110】
また、本実施例における多層膜12は、光学素子15における傾斜面6cの多層膜12によって反射された第2使用光に対して、図10の破線のグラフ(R)に示す透過率の特性を有している。
【0111】
図10に示すように、本実施例における多層膜12は、傾斜面6cの多層膜12によって透過された第1使用光、および、傾斜面6cの多層膜12によって反射された第2使用光に対して、いずれも、90%を大きく超える良好な透過率を有することが分かる。
【0112】
したがって、本実施例における多層膜12は、第1使用光および第2使用光に対して良好な反射防止機能を発揮することができる。
【0113】
<第2実施例>
図11に示すように、第2実施例における多層膜12は、ポリエーテルイミド樹脂からなる光学ブロック2に、ALD法を用いてTiOの薄膜とSiOの薄膜とを交互に繰り返し積層することによって形成された合計40層の多層膜12とされている。
【0114】
各層の薄膜の膜厚および光学膜厚は、図11のように設定されている。
【0115】
本実施例の多層膜12は、図12に示すような透過率の特性を有している。
【0116】
図12の破線のグラフ(Tp45)に示すように、本実施例において、45°入射が行われる傾斜面6cに形成された多層膜12については、P偏光の透過率が50%となる波長λTP50%=約1244nmが、第1使用光の中心波長980nmよりも大きく、第2使用光の中心波長1310nmよりも小さい。
【0117】
また、図12の一点鎖線のグラフ(Ts45)に示すように、本実施例において、45°入射が行われる傾斜面6cに形成された多層膜12については、S偏光の透過率が50%となる波長λTS50%=約1194nmが、第1使用光の中心波長980nmよりも大きく、第2使用光の中心波長1310nmよりも小さい。
【0118】
すなわち、傾斜面6cに形成された多層膜12は、(2)の条件式を満足するものである。
【0119】
これにより、傾斜面6cに形成された多層膜12が、波長選択機能によって、多層膜12に入射した第1使用光を良好な透過率で透過させることができるとともに、多層膜12に入射した第2使用光を良好な反射率で反射させることができる。
【0120】
さらに、図12の実線のグラフ(T0)に示すように、本実施例において、0°入射が行われる傾斜面6c以外に形成された多層膜12については、無偏光の透過率が50%となる波長λT50%=約1330nmが、第1使用光および第2使用光の中心波長よりも大きく、反射帯中心波長1500nmよりも小さい。
【0121】
すなわち、傾斜面6c以外に形成された多層膜12は、(1)の条件式を満足するものである。
【0122】
これにより、傾斜面6c以外に形成された多層膜12が、多層膜12に入射した第1使用光および第2使用光を良好な透過率で透過させることができ、良好な反射防止機能を発揮することができる。
【0123】
以上述べたように、本発明に係る光学素子1、15によれば、(1)および(2)の各条件式を満足する波長選択機能および反射防止機能を有する同一構造の多層膜12を備えたことにより、良好な光学特性を維持しつつ、更なる部品点数の削減、小型化、低コスト化および量産性の向上を実現することができる。
【0124】
なお、本発明は、前述した実施の形態に限定されるものではなく、必要に応じて種々の変更が可能である。
【0125】
例えば、多層膜12を、光学ブロック2の全面に形成してもよい。このようにすれば、光学ブロック2における特定の面を選択して多層膜12を形成するのに要する手間を省くことができ、さらに量産性に優れた光学素子を実現することができる。また、光学ブロック2の全面に多層膜12を形成することで、樹脂材料の吸湿を防ぎ、光学特性の劣化を防止することができる。
【0126】
また、傾斜面を備えた空洞部は、必要に応じて3個以上形成するようにしてもよいことは勿論である。
【0127】
さらに、本実施形態における光学素子1、15を直列に複数接続するようにしてもよい。このようにすれば、より多くの波長を用いた送受信に対応することができ、利便性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0128】
【図1】本発明に係る光学素子の第1実施形態を示す原理図
【図2】本発明に係る光学素子の第2実施形態を示す斜視図
【図3】本発明に係る光学素子の第2実施形態を示す正面図
【図4】図3の右側面図
【図5】図3の左側面図
【図6】図3の下面図
【図7】図4のA−A断面図
【図8】本発明に係る光学素子の第1実施例において、多層膜の構造に関するデータを示す図
【図9】本発明に係る光学素子の第1実施例において、多層膜の透過率の特性を示すグラフ
【図10】本発明に係る光学素子の第1実施例において、多層膜の反射防止特性を示すグラフ
【図11】本発明に係る光学素子の第2実施例において、多層膜の構造に関するデータを示す図
【図12】本発明に係る光学素子の第2実施例において、多層膜の透過率の特性を示すグラフ
【符号の説明】
【0129】
1、15 光学素子
2 光学ブロック
6、16 空洞部
8 光ファイバ
9 第1光電変換素子
10 第2光電変換素子
12 多層膜
18 第1レンズ
19 第2レンズ
20 第3レンズ
22 光ファイバ保持部
23 第1光電変換素子保持部
24 第2光電変換素子保持部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光の波長を選択して光を反射または透過させる波長選択機能を有する光学素子において、
開口を有する空洞部が光路中に形成され、前記空洞部の内面に光の進行方向に対して所定の傾斜角度をなす傾斜面が形成された光学ブロックを備え、
少なくとも、前記空洞部の内面ならびに前記光学ブロックの光の入射および/または出射端における外部との界面に、同一構造の多層膜が形成され、
前記空洞部の内面における前記傾斜面に形成された前記多層膜が、使用する光に対して前記波長選択機能を有し、
前記傾斜面以外に形成された前記多層膜が、使用する光に対して反射防止機能を有することを特徴とする光学素子。
【請求項2】
前記多層膜が、次の(1)および(2)に示す各条件式、
[傾斜面以外に形成された多層膜の場合]
λ<λ<λT50%<λ (1)
[傾斜面に形成された多層膜の場合]
λ<λTP50%かつλTS50%<λ<λ (2)
但し、
λ:使用する第1の光の中心波長
λ:使用する第2の光の中心波長
λT50%:多層膜における無偏光の光の透過率が50%となる波長
λ:反射帯中心波長
λTP50%:多層膜におけるP偏光の透過率が50%となる波長
λTS50%:多層膜におけるS偏光の透過率が50%となる波長
を満足するショートウェイブパスフィルタであることを特徴とする請求項1記載の光学素子。
【請求項3】
前記空洞部が、前記光学ブロックに複数形成されていること
を特徴とする請求項1または2記載の光学素子。
【請求項4】
前記光学ブロックの光の入射および/または出射端に、前記光学ブロックと同一の材料からなるレンズが前記光学ブロックと一体に形成されていること
を特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の光学素子。
【請求項5】
前記光学ブロックの光の入射および/または出射端が、前記光学ブロックに複数形成され、各入射および/または出射端に、光電変換素子が保持される第1の保持部または光伝送路の端部が保持される第2の保持部が、前記光学ブロックと同一の材料によって前記光学ブロックと一体に形成されていること
を特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の光学素子。
【請求項6】
前記光学ブロックの全面に、前記多層膜が形成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載の光学素子。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2007−164179(P2007−164179A)
【公開日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−331895(P2006−331895)
【出願日】平成18年12月8日(2006.12.8)
【出願人】(000208765)株式会社エンプラス (403)
【Fターム(参考)】