説明

光安定性ポリマー終点検出窓を有するケミカルメカニカルポリッシングパッドおよびそれを用いた研磨方法

【課題】磁性基板、光学基板および半導体基板から選択される基板を研磨するのに適している、ケミカルメカニカルポリッシングパッドを提供する。
【解決手段】アミン部分の未反応−NCO部分に対する化学量論比が95%未満で前記芳香族ポリアミンおよびイソシアネート末端プレポリマーポリオールが提供され、前記光安定性ポリマー終点検出窓が、1kPaの一定軸引張荷重で60℃一定温度で100分で測定したときに0.02%以下の時間依存性歪みを示し、厚み1.3mmの窓について波長380nmにおいて、15%以上の光学複光路透過率(optical double pass transmission)を示し、かつ研磨表面が、磁性基板、光学基板および半導体基板から選択される基板を研磨するのに適している、ケミカルメカニカルポリッシングパッド。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的に、ケミカルメカニカルポリッシングの分野に関する。特に本発明は、光安定性ポリマー終点検出窓を有するケミカルメカニカルポリッシングパッドを対象にする。本発明はまた、光安定性ポリマー終点検出窓を有するケミカルメカニカルポリッシングパッドを用いる、基板のケミカルメカニカルポリッシングの方法を対象にする。
【背景技術】
【0002】
集積回路および他の電子機器の製造においては、導電材料、半導体材料および絶縁材料の複数の層が、半導体ウエーハの表面上に蒸着され、またはそこから除去される。導電材料、半導体材料および絶縁材料の薄い層が、多数の蒸着技術で蒸着されうる。近代的な加工処理における通常の蒸着技術は、スパッタリングとしても知られる物理蒸着(PVD)、化学蒸着(CVD)、プラズマCVD(PECVD)、および電気化学的めっき(ECP)を含む。
【0003】
材料の層が連続して蒸着し除去されるため、ウエーハの最上表面は非平坦となる。後続の半導体加工(たとえば金属コーティング)が、ウエーハが平坦な表面を有することを必要とするために、ウエーハを平坦化する必要がある。平坦化は、起伏のある表面、凝集した材料、結晶格子の損傷、スクラッチおよび汚染された層または材料のような、望ましくない表面トポグラフィー及び表面欠陥を除去するうえで有効である。
【0004】
ケミカルメカニカルプラナリゼーション、またはケミカルメカニカルポリッシング(CMP)は、半導体ウエーハのような基板を平坦化するために用いられる公知の技術である。従来のCMPにおいては、ウエーハはキャリアアセンブリ上にマウントされ、CMP装置中の研磨パッドと接触するように位置取りされる。キャリアアセンブリは制御可能な圧力をウエーハに与え、それを研磨パッドに押し付ける。パッドは、外部駆動力によって、ウエーハに対して動かされる(たとえば回転する)。それと同時に、研磨媒体(たとえばスラリー)がウエーハと研磨パッドの間に供給される。このようにして、パッド表面および研磨媒体の化学的および機械的な作用によって、ウエーハ表面は研磨され平坦化される。
【0005】
ケミカルメカニカルポリッシングに伴って提示される1つの課題は、いつ基板が目的とする程度に研磨されたかを決定することである。インサイツで研磨終点を決定する方法が開発されてきた。インサイツ光学的終点決定技術は、(1)単一の波長での光学的反射信号をモニターすること、または、(2)複数の波長からの光学的反射信号をモニターすることの2つの基本的なカテゴリーに分けられる。光学的終点決定のために用いられる一般的な波長は、可視スペクトル(たとえば400〜700nm)、紫外線スペクトル(315〜400nm)、および赤外線スペクトル(たとえば700〜1000nm)のものを含む。米国特許第5,433,651号においては、Lustigらは、レーザー源からの光がウエーハ表面上に送られ、そしてその反射信号がモニターされる、単一の波長を用いるポリマー終点検出法を開示した。ウエーハ表面の組成がある金属から別の金属に変わると、反射率が変わる。それで、この反射率の変化が研磨終点を検知するために用いられる。米国特許第6,106,662号においては、Bibbyらは、光学スペクトルの可視範囲での反射光の強度スペクトルを得るために分光計を使用することを開示した。金属CMPの応用については、Bibbyらは、研磨終点を検知するために全スペクトルを用いることを教示する。
【0006】
これらの光学的に終点を決定する技術を提供するために、窓を有するケミカルメカニカルポリッシングパッドが開発された。たとえば、米国特許第5,605,760号においては、Robertsは、パッドの少なくとも一部が広い範囲の波長のレーザー光に対して透明な研磨パッドを開示する。開示された実施態様のいくつかにおいて、Robertsは透明な窓部分を含み、その他の部分が不透明な研磨パッドを教示する。窓部分は成形品の研磨パッド中の透明ポリマーの棒またはプラグでありうる。棒またはプラグは研磨パッド中に挿入成形する(すなわち「一体化窓」)ことができるか、または成形作業の後に、研磨パッド中の切り抜き中に取りつける(すなわち「差し込み窓」)ことができる。
【0007】
米国特許第6,984,163号に記載されるような、脂肪族イソシアネート系ポリウレタン材料は、広範な光スペクトルにわたって改善された光透過率を提供した。残念ながら、これらの脂肪族ポリウレタンの窓には、厳しい研磨への適用に必要な耐久性が欠ける傾向がある。
【0008】
従来のポリマー系終点検知窓は、波長330〜425nmの光に曝されると、しばしば望ましくない劣化を示す。このことは特に、紫外線スペクトル中の光に曝されると分解するまたは黄変する傾向のある、芳香族ポリアミンから得られるポリマー終点検出窓にあてはまる。歴史的には、このような波長の光を、終点検出窓に曝す前に減衰させるために、終点検出の目的に使われる光の通り道にフィルターが時々使われたこともあった。しかしながら、より薄い材料層およびより小型の装置サイズの実現を容易にするために、半導体研磨への適用に際しては、終点検出の目的のために、より短波長光を用いるとの圧力が増加してきている。
【0009】
従って、基板研磨の終点を検知する目的のために400nm未満の波長の光の使用を可能にして、その光に曝されたときに劣化せず、望ましくない窓の変形を示さず、かつ厳しい研磨への適用のために必要とされる耐久性を有する、光安定性ポリマー終点検出窓が必要とされる。
【発明の概要】
【0010】
本発明は、研磨表面を有する研磨層と、アミン部分を含む芳香族ポリアミンおよび未反応−NCO部分を含むイソシアネート末端プレポリマーポリオールのポリウレタン反応生成物、ならびに紫外線吸収剤およびヒンダードアミン系光安定剤の少なくとも1つを含む光安定剤成分を含む光安定性ポリマー終点検出窓とを含むケミカルメカニカルポリッシングパッドであって、前記芳香族ポリアミンおよびイソシアネート末端プレポリマーポリオールが、未反応−NCO部分に対するアミン部分の化学量論比が95%未満で提供され、前記光安定性ポリマー終点検出窓が、1kPaの一定軸引張荷重で、60℃一定温度で100分で測定したときに0.02%以下の時間依存性歪みを示し、かつ厚みが1.3mmの窓について波長380nmにおいて、15%以上の光学複光路透過率(optical double pass transmission)を示し、かつ前記研磨表面が、磁性基板、光学基板および半導体基板から選択される基板を研磨するのに適している、ケミカルメカニカルポリッシングパッドを提供する。
【0011】
本発明は、プラテン、光源および光検出器を有するケミカルメカニカルポリッシング装置を用意すること、磁性基板、光学基板および半導体基板から選択される少なくとも1つの基板を用意すること、本発明のケミカルメカニカルポリッシングパッドを用意すること、該ケミカルメカニカルポリッシングパッドを前記プラテン上に取りつけること、場合により、前記研磨表面と基板の間の界面に研磨媒体を供給すること、前記研磨表面と基板との間に動的接触を起こし、少なくとも前記基板からいくらかの材料が除去されること、および前記光安定性ポリマー終点検出窓を通して光源から光を送り、基板表面から反射され、光安定性ポリマー終点検出窓を通って戻り、光検出器に入射する光を分析することにより研磨終点を決定すること、を含む基板のケミカルメカニカルポリッシングの方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】非架橋粘弾性ポリマー材料の、典型的な時間依存性歪み応答の概略プロットである。
【図2】製造されたままの耐クリープ性ポリマー終点検出窓材料の、時間依存性歪み応答のプロットである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明のケミカルメカニカルポリッシングパッドは、磁性基板、光学基板および半導体基板から選択される基板の研磨に有用である。特に、本発明のケミカルメカニカルポリッシングパッドは半導体ウエーハの研磨、特に銅バリアまたはシャロートレンチアイソレーション(STI)への応用のような、終点検出を利用する高度な応用に有用である。
【0014】
本明細書および添付の請求項中で用いられる用語「研磨媒体」は、粒子を含んだ研磨溶液および、砥粒を含まない研磨溶液および反応性液体研磨溶液のような粒子を含まない研磨溶液を包含する。
【0015】
本明細書および添付の請求項中で用いられる用語「ポリ(ウレタン)」は、
(a)(i)イソシアネートおよび(ii)ポリオール(ジオールを含む)の反応から生成するポリウレタン、ならびに(b)(i)イソシアネートと(ii)ポリオール(ジオールを含む)および(iii)水、アミン類(ジアミンおよびポリアミンを含む)または水およびアミン類(ジアミンおよびポリアミンを含む)の組み合わせとの反応から生成する(ポリ)ウレタンを包含する。
【0016】
光安定性ポリマー終点検出窓に関して本明細書および添付の請求項中で用いられる用語「複光路透過率」または「DPT」は、下式を用いて決定される:
【0017】
【数1】


ここで、IWSi、IW、IASi、およびIAはSD1024F分光器、キセノン閃光灯および3mm光ファイバーケーブルを含むVerity SP2006 Spectral Interferometerを用いて、3mm光ファイバーケーブルの光放出表面を光安定性ポリマー終点検出窓の第1面に対して(かつ垂直に)原点のところに配置し、光を窓の厚みを通して透過させ、光安定性ポリマー終点検出窓の実質的に第1面に平行な第2面に対して位置する表面から反射して窓の厚みを通って戻ってきた380nm光の強度を原点で測定することにより測定される;IWSiは、原点から窓を通って透過して、かつ窓の第2面に対して配置されたシリコンブランケットウエーハの表面から反射して窓を通って原点に戻ってきた380nm光の強度の測定値である;IWは、原点から窓を通って透過して、かつ黒体の表面から反射して窓を通って原点に戻ってきた380nm光の強度の測定値である;IASiは、原点から光安定性ポリマー終点検出窓の厚みに等しい空気の厚みを通って透過して、3mm光ファイバーケーブルの光放出表面に垂直に配置されたシリコンブランケットウエーハの表面から反射して、反射して空気の厚みを通って原点に戻ってきた380nm光の強度の測定値である;そして、IAは、3mm光ファイバーケーブルの光放出表面での黒体から反射した380nm光の強度の測定値である。
【0018】
本明細書および添付の請求項中で用いられる用語「初期複光路透過率(initial double pass transmission)」または「DPT」は、強度500mW/cm2を与えるように調整された、100W水銀蒸気ショートアークランプにより直径5mmの光ファイバー管を通して発生する高強度の紫外光に曝される前の製造直後の光安定性ポリマー終点検出窓によって示される、380nmの波長の光についてのDPTである。
【0019】
本明細書および添付の請求項中で用いられる用語「露光複光路透過率(exposed double pass transmission)」または「DPT」は、強度500mW/cm2を与えるように調整された、100W水銀蒸気ショートアークランプにより直径5mmの光ファイバー管を通して発生する高強度の紫外光に曝された後の光安定性ポリマー終点検出窓によって示される、380nmの波長の光についてのDPTである。
【0020】
本明細書および添付の請求項中で用いられる用語「加速光安定性」または「ALS」は、380nmの波長の光について下式を用いて決定される:
【0021】
【数2】

【0022】
光安定性ポリマー終点検出窓に関して本明細書および添付の請求項中で用いられる用語「クリアウインドウ」は、光安定性ポリマー終点検出窓が、380nmの波長の光について、15%以上の初期複光路透過率を示すことを意味する。
【0023】
光安定性ポリマー終点検出窓に関して本明細書および添付の請求項中で用いられる用語「耐クリープ性ウインドウ」は、1kPaの一定軸引張荷重で、60℃一定温度で100分で測定したときに、光安定性ポリマー終点検出窓が、負の歪みを含めて0.02%以下の時間依存性歪みを示すことを意味する。
【0024】
用語「クリープ応答性」および「時間依存性歪み」は、光安定性ポリマー終点検出窓に関して本明細書および添付の請求項中では同じ意味で使われて、1kPaの一定軸引張荷重で、60℃一定温度で測定される時間依存性歪みのことを意味する。
【0025】
本発明のケミカルメカニカルポリッシングパッドは、基板研磨操作の光学的終点検出を可能にする光安定性ポリマー終点検出窓を含む。光安定性ポリマー終点検出窓は好ましくは、容認可能な光学的透過率(すなわちそれらはクリアウインドウである);ケミカルメカニカルポリッシングパッドで研磨される表面に欠陥をもたらすことが少ないこと;および、波長330〜425nmの光に曝されることを含む研磨プロセスの厳しさに、大幅な光学的劣化なく(すなわちそれらが波長380nmの光について0.65以上のALSを示す)耐える能力、を含む、いくつかのプロセス基準を示す。
【0026】
本発明のケミカルメカニカルポリッシングパッド中の光安定性ポリマー終点検出窓は、アミン部分を含む芳香族ポリアミンおよび未反応−NCO部分を含むイソシアネート末端プレポリマーポリオールのポリウレタン反応生成物、および、紫外線吸収剤およびヒンダードアミン系光安定剤の少なくとも1つを含む光安定剤成分を含む。
【0027】
本発明のケミカルメカニカルポリッシングパッド中の光安定性ポリマー終点検出窓は、0.65以上(好ましくは0.70以上、より好ましくは0.90以上)の加速光安定性、および、波長380nmの光について10%以上(好ましくは10%以上〜100%、より好ましくは15%以上、最も好ましくは15%以上〜75%)の初期複光路透過率を示すように組み立てられる。好ましくは光安定性ポリマー終点検出窓は、0.90以上の加速光安定性、および波長380nmの光について15%以上(最も好ましくは15%以上〜75%の初期複光路透過率を示す。
【0028】
好ましくは本発明のケミカルメカニカルポリッシングパッド中の光安定性ポリマー終点検出窓は、芳香族ポリアミンおよびイソシアネート末端プレポリマーポリオールのポリウレタン反応生成物であり、芳香族ポリアミンおよびイソシアネート末端プレポリマーポリオールは、アミン部分の未反応−NCO部分に対する化学量論比が95%未満で供給される。この化学量論は、化学量論レベルの原料を供給することにより直接的に、またはいくらかの−NCOと水を意図的に反応させるかもしくは偶発的な水分への曝露により間接的に、のいずれかで達成されうる。
【0029】
好ましくは95%未満のアミン部分の未反応−NCO部分に対する化学量論比を用いて製造されるケミカルメカニカルポリッシングパッド中の光安定性ポリマー終点検出窓は、耐クリープ性ウインドウとして組み立てられる。より好ましくは、耐クリープ性ウインドウは、アミン部分の未反応−NCO部分に対する化学量論比が90%以下(最も好ましくは75〜90%)となるように組み立てられ、1kPaの一定軸引張荷重で60℃一定温度で100分で測定したときに、時間依存性歪みが0.02%以下を示し、ASTM D2240−05に従って測定されたショアD硬度が45〜80(好ましくはショアD硬度が50〜80、最も好ましくはショアD硬度が55〜75)を示し、そして厚み1.3mmの窓について波長380nmで15%以上の光学複光路透過率を示す。化学量論比が95%以下であると、過剰のイソシアネート基が生じる。過剰のイソシアネート基は光安定性ポリマー終点検出窓中の架橋を促進する。架橋は、波長が300nmと500nmの間の光の十分な透過率を維持したままで、光安定性ポリマー終点検出窓の寸法安定性を向上させると信じられている。
【0030】
1kPaの一定軸引張荷重で60℃一定温度で100分で測定したときの時間依存性歪みが0.02以下であると、光安定性ポリマー終点検出窓が過剰な変形をおこさずに研磨の厳しさに耐えることが可能になると信じられている。場合により、準安定ポリウレタンは、ポリマー終点検出窓の耐クリープ性をさらに増加させるのに役立つ。本明細書において、「準安定ポリウレタン」は、温度、応力または温度と応力の組み合わせに対して非弾性的に収縮するポリウレタンである。たとえば、光安定性ポリマー終点検出窓の不完全な硬化またはその製造に伴う未緩和応力の結果、基板(特に半導体ウエーハ)の研磨に伴う応力および上昇した温度に曝されるときに窓の物理的寸法が収縮することはありえる。準安定ポリウレタンを含む光安定性ポリマー終点検出窓は、1kPaの一定軸引張荷重で60℃一定温度で100分で測定したときに、負の時間依存性歪みを示しうる。この負の時間依存性歪みは、光安定性ポリマー終点検出窓に優れた耐クリープ性を与える。
【0031】
本発明のポリマー終点検出窓の作製に用いるのに適切な芳香族ポリアミンは、たとえば、ジエチルトルエンジアミン(「DETDA」);3,5−ジメチルチオ−2,4−トルエンジアミンおよびその異性体;3,5−ジエチルトルエン−2,4−ジアミンおよびその異性体(たとえば3,5−ジエチルトルエン−2,6−ジアミン);4,4’−ビス−(sec−ブチルアミノ)−ジフェニルメタン;1,4−ビス−(sec−ブチルアミノ)−ベンゼン;4,4’−メチレン−ビス−(2−クロロアニリン)(「MOCA」);4,4’メチレン−ビス−(3−クロロ−2,6−ジエチルアニリン)(「MCDEA」);ポリテトラメチレンオキシド−ジ−p−アミノ安息香酸;N,N’−ジアルキルジアミノジフェニルメタン;p,p’−メチレンジアニリン(「MDA」);m−フェニレンジアミン(「MPDA」);4,4’−メチレン−ビス−(2,6−ジエチルアニリン)(「MDEA」);4,4’−メチレン−ビス−(2,3−ジクロロアニリン)(「MDCA」);4,4’−ジアミノ−3,3’−ジエチル−5,5’−ジメチルジフェニルメタン;2,2’,3,3’−テトラクロロジアミノジフェニルメタン;トリメチレングリコールジ−p−アミノ安息香酸;およびそれらの混合物を含む。好ましくは、芳香族ポリアミンはDETDAを含む。最も好ましくは、芳香族ポリアミンはDETDAである。
【0032】
本発明の光安定性ポリマー終点検出窓の作製に用いるのに適切な、未反応−NCO部分を含むイソシアネート末端プレポリマーポリオールは、脂肪族またはシクロ脂肪族ジイソシアネートとプレポリマー混合物中のポリオールの反応を通して製造される。光安定性ポリマー終点検出窓中の架橋を促進するために、イソシアネート末端プレポリマーポリオールは1分子あたり平均2より大きい未反応−NCO部分を示すことができる。
【0033】
未反応−NCO部分を含むイソシアネート末端プレポリマーポリオールの製造に用いるのに適切な脂肪族ポリイソシアネートは、たとえば、メチレン−ビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)(「H12MDI」);シクロヘキシルジイソシアネート;イソホロンジイソシアネート(「IPDI」);ヘキサメチレンジイソシアネート(「HDI」);プロピレン−1,2−ジイソシアネート;テトラメチレン−1,4−ジイソシアネート;1,6−ヘキサメチレン−ジイソシアネート;ドデカン−1,12−ジイソシアネート;シクロブタン−1,3−ジイソシアネート;シクロヘキサン−1,3−ジイソシアネート;シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート;1−イソシアナト−3,3,5−トリメチル−5−イソシアナトメチルシクロヘキサン;メチルシクロヘキシレンジイソシアネート;ヘキサメチレンジイソシアネートのトリイソシアネート;2,4,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジイソシアネートのトリイソシアネート;ヘキサメチレンジイソシアネートのウレトジオン;エチレンジイソシアネート;2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート;2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート;ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート;およびそれらの混合物を含む。好ましくは、脂肪族ポリイソシアネートは14重量%未満の未反応イソシアネート基を有する。
【0034】
未反応−NCO部分を含むイソシアネート末端プレポリマーポリオールの製造に用いるのに適切なポリオールは、たとえば、ポリエーテルポリオール、ヒドロキシ末端ポリブタジエン(部分/完全水素化誘導体を含む)、ポリエステルポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、およびポリカーボネートポリオールを含む。ポリオール中の炭化水素鎖は飽和または不飽和結合および置換または非置換の芳香族基および環状基を有することができる。好ましいポリオールは、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(「PTMEG」);ポリエチレンプロピレングリコール;ポリオキシプロピレングリコール;ポリエチレンアジペートグリコール;ポリブチレンアジペートグリコール;ポリエチレンプロピレンアジペートグリコール;o−フタレート−1,6−ヘキサンジオール;ポリ(ヘキサメチレンアジペート)グリコール;1,6−ヘキサンジオール開始のポリカプロラクトン;ジエチレングリコール開始のポリカプロラクトン;トリメチロールプロパン開始のポリカプロラクトン;ネオペンチルグリコール開始のポリカプロラクトン;1,4−ブタンジオール開始のポリカプロラクトン;PTMEG開始のポリカプロラクトン;ポリフタレートカーボネート;ポリ(ヘキサメチレンカーボネート)グリコール;1,4−ブタンジオール;ジエチレングリコール;トリプロピレングリコールおよびそれらの混合物を含む。最も好ましいポリオールはPTMEGである。
【0035】
本発明の光安定性ポリマー終点検出窓の製造に用いるのに適切な、任意に用いられる鎖延長剤は、たとえばヒドロキシ末端ジオール、トリオールおよびテトロールを含む。好ましい鎖延長剤は、エチレングリコール;ジエチレングリコール;ポリエチレングリコール;プロピレングリコール;ポリプロピレングリコール;ポリテトラメチレンエーテルグリコール;1,3−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン;1,3−ビス−[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ]ベンゼン;1,3−ビス−{2−[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ]エトキシ}ベンゼン;1,4−ブタンジオール;1,5−ペンタンジオール;1,6−ヘキサンジオール;レゾルシノール−ジ−(β−ヒドロキシエチル)エーテル;ヒドロキノン−ジ−(β−ヒドロキシエチル)エーテル;およびそれらの混合物を含む。より好ましい鎖延長剤は、1,3−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン;1,3−ビス−[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ]ベンゼン;1,3−ビス−{2−[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ]エトキシ}ベンゼン;1,4−ブタンジオール;およびそれらの混合物を含む。任意に用いられる鎖延長剤は、飽和、不飽和の芳香族基および環状基を含むことができる。追加的に、任意に用いられる鎖延長剤はハロゲンを含むことができる。好ましくは、鎖延長剤は少なくとも1分子当たり3つの、−OHおよび−NHから選択される反応部分を有する。
【0036】
ポリウレタン反応生成物の架橋は複数の機構を通しておこりうる。そのような機構の1つは、芳香族ポリアミン中に存在するイソシアネート反応部分(すなわち−OHおよび−NH)に関してプレポリマー中の過剰のイソシアネート基と、ポリウレタン反応生成物の製造に任意に用いられる鎖延長剤とを用いることである。別の機構は、2個より多い未反応の脂肪族イソシアネート基を含むプレポリマーを用いることである。2個より多い未反応の脂肪族イソシアネート基を含むプレポリマーの硬化反応は、架橋がより起こりやすい有益な構造をもたらす。別の機構は、2個より多いイソシアネート反応部分(すなわち−OHおよび−NH)を有する架橋ポリオール、2個より多いイソシアネート反応部分(すなわち−OHおよび−NH)を有する架橋ポリアミン、またはそれらの組み合わせを用いることである。場合により、光安定性ポリマー終点検出窓に耐クリープ性を与える架橋の増加を示すために、ポリウレタン反応生成物が選択される。
【0037】
本発明の光安定性ポリマー終点検出窓の作製に用いるのに適切な光安定剤成分は、たとえば、370nmと700nmの間の波長の光の透過率を強く減衰させない光安定剤化合物を含む。光安定剤成分は、ヒンダードアミン化合物および紫外線安定剤化合物を含む。好ましい光安定剤化合物は、ヒンダードアミン化合物、トリス−アリールトリアジン化合物、ヒドロキシフェニルトリアジン、ベンゾトリアゾール化合物、ベンゾフェノン化合物、ベンゾオキサジノン化合物、シアノアクリレート化合物、アミド官能基化合物およびそれらの混合物を含む。より好ましい光安定剤化合物は、ヒンダードアミン化合物、ヒドロキシフェニルトリアジン化合物、ベンゾトリアゾール化合物、ベンゾフェノン化合物およびそれらの混合物を含む。最も好ましい光安定剤化合物は、ヒンダードアミン化合物と、ベンゾフェノン化合物、ベンゾトリアゾール化合物およびヒドロキシフェニルトリアジン化合物の少なくとも1つとの組み合わせを含む。
【0038】
本発明のケミカルメカニカルポリッシングパッドに用いられる光安定性ポリマー終点検出窓は好ましくは0.1〜5重量%の光安定剤成分を含む。より好ましくは、光安定性ポリマー終点検出窓は0.2〜3重量%(さらにより好ましくは0.25〜2重量%、最も好ましくは0.3〜1.5重量%)の光安定剤成分を含む。
【0039】
本発明のケミカルメカニカルポリッシングパッドに用いられる光安定性ポリマー終点検出窓は差し込み窓および一体化窓から選択される。
【0040】
本発明のケミカルメカニカルポリッシングパッド中の研磨層はポリマー材料で、それはポリカーボネート、ポリスルホン、ナイロン、ポリエーテル、ポリエステル、ポリスチレン、アクリルポリマー、ポリメチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブタジエン、ポリエチレンイミン、ポリウレタン、ポリエーテルスルホン、ポリアミド、ポリエーテルイミド、ポリケトン、エポキシ、シリコーン、EPDMおよびそれらの組み合わせから選択されるポリマーを含む。好ましくは、研磨層はポリウレタンを含む。当業者は、所与の研磨操作のためのケミカルメカニカルポリッシングパッドにおいて使用するのに適した厚の研磨層を選択することを理解するであろう。好ましくは、研磨層は20〜150ミル(より好ましくは30〜125ミル、最も好ましくは40〜120ミル)の平均厚みを示す。
【0041】
本発明のケミカルメカニカルポリッシングパッドは場合により、研磨層に接続する基層をさらに含む。研磨層は場合により、接着剤を用いて基層に取り付けることができる。接着剤は、感圧接着剤、ホットメルト接着剤、コンタクト接着剤およびそれらの組み合わせから選択することができる。好ましくは、接着剤はホットメルト接着剤または感圧接着剤である。より好ましくは、接着剤はホットメルト接着剤である。
【0042】
本発明のケミカルメカニカルポリッシングパッドは場合により、基層および、研磨層と基層に接続し、かつそれらの間に挿入された少なくとも1つの追加層をさらに含む。種々の層は場合により接着剤を用いて共に接続することができる。接着剤は、感圧接着剤、ホットメルト接着剤、コンタクト接着剤およびそれらの組み合わせから選択することができる。好ましくは、接着剤はホットメルト接着剤または感圧接着剤である。より好ましくは、接着剤はホットメルト接着剤である。
【0043】
本発明のケミカルメカニカルポリッシングパッドは、好ましくは、研磨機のプラテンと接続するように適合させられる。本発明のケミカルメカニカルポリッシングパッドは場合により、感圧接着剤および真空の少なくとも1つを用いてプラテンに貼り付けられるように適合させられる。
【0044】
本発明のケミカルメカニカルポリッシングパッドの研磨層の研磨表面は場合により、基板の研磨を容易にするために、マクロ構造およびミクロ構造の少なくとも1つを示す。好ましくは、研磨表面は、(i)ハイドロプレーン現象の少なくとも1つを緩和すること、(ii)研磨媒体の流れに影響を与えること、(iii)研磨層の剛性を変更すること、(iv)エッジ効果を低減すること、および(v)研磨くずの研磨表面と基板の間の領域からの移動を容易にすることの少なくとも1つを実施するように設計されている、マクロ構造を示す。
【0045】
本発明のケミカルメカニカルポリッシングパッドの研磨層の研磨表面は場合により、穿孔および溝の少なくとも1つから選択されるマクロ構造を示す。好ましくは、穿孔は研磨表面部分の方向または全ての方向から研磨層の厚みを通してのびることができる。好ましくは、研磨中にパッドが回転すると、少なくとも1つの溝が基板全面を掃くように、溝が研磨表面上に配置される。好ましくは、溝は曲線状の溝、直線状の溝およびその組み合わせから選択される。溝は10ミル以上、好ましくは10〜150ミルの深さを示す。好ましくは溝は、10ミル以上、15ミル以上、および15〜150ミルから選択される深さ、10ミル以上および10〜100ミルから選択される幅、ならびに30ミル以上、50ミル以上、50〜200ミル、70〜200ミル、および90〜200ミルから選択されるピッチの組み合わせを有する少なくとも2つの溝を含む溝パターンを形成する。
【0046】
基板のケミカルメカニカルポリッシングのための本発明の方法は、プラテン、光源および光検出器(好ましくは多重センサー分光器)を有するケミカルメカニカルポリッシング装置を用意すること、磁性基板、光学基板および半導体基板(好ましくは半導体基板、最も好ましくは半導体ウエーハ)から選択される少なくとも1つの基板を用意すること、本発明のケミカルメカニカルポリッシングパッドを用意すること、ケミカルメカニカルポリッシングパッドをプラテン上に取りつけること、場合により、研磨表面と基板の間の界面に研磨媒体を供給すること、研磨表面と基板との間に動的接触を起こし、少なくとも基板からいくらかの材料が除去されること、および光安定性ポリマー終点検出窓を通して光源から光を送り、基板表面から反射され、光安定性ポリマー終点検出窓を通って戻り、光検出器に入射する光を分析することにより研磨終点を決定すること、を含む。好ましくは、基板表面から反射し、光安定性ポリマー終点検出窓を通って送られる、370nm超え〜400nmの波長の光の波長の分析に基づいて、研磨終点は決定される。より好ましくは、基板表面から反射して、光安定性ポリマー終点検出窓を通って送られる複数の波長の光の分析に基づいて決定され、分析される波長の一つは、波長が370nm超え〜400nmである。好ましくは、本発明の方法で用いられるケミカルメカニカルポリッシングパッド中の光安定性ポリマー終点検出窓は、耐クリープ性ウインドウである。
【実施例】
【0047】
下記実施例にて本発明のいくつかの実施態様が詳細に記載される。
【0048】
比較例C及び実施例1〜10
終点検出窓の作製
終点検出窓ブロックを、一体化窓としてケミカルメカニカルポリッシング層と一体化させるために、下記のごとく作製した。表1に示される安定剤パッケージ(「SP」)を、表1に示す量で、芳香族ポリアミン(「AP」)(すなわちジエチルトルエンジアミン「DETDA」)と合わせた。合わせた安定剤/芳香族ポリアミンをその後イソシアネート末端プレポリマーポリオール(「ITPP」)(すなわちChemturaから入手可能なLW570)と、−NHの−NCOに対する化学量論比80%で合わせた。生成物をその後モールドに注入した。モールドの内容物をその後オーブンの中で18時間硬化した。オーブンの設定温度は最初の20分間は93℃で、その後の15時間40分間は104℃で、その後最後の2時間で21℃に降温した。その後、従来の手段による研磨パッドケーキ(cakes)への導入を容易にするために、窓ブロックを切断し、プラグにした。
【0049】
【表1】

【0050】
実施例11:硬度
実施例5に従って作製された光安定性ポリマー終点検出窓の硬度をASTM D2240−05に従って測定し、ショアD硬度は67であった。
【0051】
実施例12:透過率試験および加速光安定性
SD1024F Spectrograph、キセノン閃光電灯および3mm光ファイバーケーブルからなるVerity SP2006-Spectral Interferometer、を用いて透過率試験を行った。SpectraViewアプリケーションソフトウエア・バージョン4.40を用いてデータ解析を行った。Verity SP2006の測定範囲は200〜800nmである。表2に報告する加速光安定性(「ALS」)データは、380nmの波長の光に対して標準2パス配置を用いて行った光透過率測定(すなわちIWSi、IW、IASiおよびIA)から算出した。すなわち、光を試料を通して送り、IWSiおよびIW用にはシリコンブランケットウエーハから反射させ、またはIASiおよびIA用には黒体で反射させ)、試料を通し検出器に送り戻して、それに入射する380nmの波長の光の強度を測定した。
【0052】
DPTの算出に用いる透過率測定値を、各々の試料について、高強度の紫外線光源に曝す前にIWSiおよびIWを測定することにより決定した。DPTの算出に用いる透過率測定値を、各々の試料について、直径5mmの光ファイバー管を通して強度500mW/cm2を与えるように調整された、100W水銀蒸気ショートアークランプで発生させた高強度の紫外光に曝した後にIWSiおよびIWを測定することにより決定した。各々の場合について、試料を試料露光テーブル上に設置し、試料露光テーブル表面の上方2.54cmに位置する直径5mmの光ファイバー管からの光に2分間曝した。その後、各々の試料につき、下記式を用いてALSを算出して、その結果を表2に示した。
【0053】
【数3】

【0054】
表2に示す試料について報告のある透過カットオフ波長(「λco」)は、それ以下では算出したDPTがゼロになる波長である。λcoは高強度の紫外線光源に曝されていない試料を用いて決定されたことに留意すべきである。
【0055】
【表2】

【0056】
実施例13:耐クリープ性
一定応力σをかけられた時の試料の時間依存性歪みε(t)を測定するために、実施例5に記載の手順に従って作製した耐クリープ性光安定性ポリマー終点検出窓の試料に対して、引っ張りクリープ試験を行った。時間依存性歪みは試料の変形程度の評価基準であり、下式で定義される。
【0057】
【数4】


かけられた応力は、加えた力Fを試験試料の断面積で割ったものとして定義される。引っ張りクリープコンプライアンスD(t)は以下の通り定義される。
【0058】
【数5】


一般的にクリープコンプライアンスは対数目盛りで示される。実験の歪み値が負であって、負の数の対数は定義できないので、耐クリープ性光安定性ポリマー終点検出窓材料の歪み値がクリープコンプライアンスの代わりに報告される。一定応力下では両方の値は同義である。従って、耐クリープ性光安定性ポリマー終点検出窓材料の測定された歪み値は、技術的な意味をもつ。
【0059】
クリープコンプライアンスを時間の関数としてプロットし、かつ粘弾性ポリマーのクリープ応答(歪み)の典型的な例を時間の関数として図1に示す。t=0のときに応力σが加えられる。ポリマーは最初に弾性的に変形し、かつ時間とともにゆっくりと伸び(クリープ)続ける(左側の曲線)。応力を除くと、ポリマーはもとに戻る(右側の曲線)。粘弾性材料は完全には戻らないが、その一方純粋な弾性材料はその元の長さに戻る。
【0060】
TA Instruments Q800 DMAを用い、引っ張りクランプ固定具を用いてクリープ測定を行った。研磨温度をシミュレートするために、全てのクリープ実験を60℃で行った。応力をかける前に試験試料を試験温度で15分間平衡させた。試料にかけた応力は1kPaであった。試験の前に試験試料の寸法をマイクロメータを用いて測定した。試験試料の公称寸法は15mmx5mmx2mmであった。試料に120分間応力をかけた。120分後に加えた応力は除かれ、測定をさらに30分間続けた。クリープコンプライアンスおよび試料歪みを時間の関数として記録した。測定に供された耐クリープ性光安定性窓は、製造された一体化窓パッドに由来する。製造時のままの状態での耐クリープ性光安定性ポリマー終点検出窓材料の、負の時間依存性歪み応答を図2に示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
研磨表面を有する研磨層と、
アミン部分を含む芳香族ポリアミンおよび未反応−NCO部分を含むイソシアネート末端プレポリマーポリオールのポリウレタン反応生成物、ならびに紫外線吸収剤およびヒンダードアミン系光安定剤のうち少なくとも1つを含む光安定剤成分を含む光安定性ポリマー終点検出窓と
を含むケミカルメカニカルポリッシングパッドであって、
前記芳香族ポリアミンおよびイソシアネート末端プレポリマーポリオールが、未反応−NCO部分に対するアミン部分の化学量論比が95%未満で提供され、
前記光安定性ポリマー終点検出窓が、1kPaの一定軸引張荷重で60℃一定温度で100分で測定したときに0.02%以下の時間依存性歪みを示し、厚み1.3mmの窓について波長380nmにおいて、15%以上の光学複光路透過率(optical double pass transmission)を示し、かつ
前記研磨表面が、磁性基板、光学基板および半導体基板から選択される基板を研磨するのに適している、
ケミカルメカニカルポリッシングパッド。
【請求項2】
前記光安定性ポリマー終点検出窓が0.1〜5重量%の光安定剤成分を含む、請求項1に記載のケミカルメカニカルポリッシングパッド。
【請求項3】
前記光安定性ポリマー終点検出窓が、出力強度500mW/cm2を与えるように調整された、100W水銀蒸気ショートアークランプにより直径5mmの光ファイバー管を通して発生した光に曝されたときに、380nmで測定された0.65以上の加速光安定性を示す、請求項2に記載のケミカルメカニカルポリッシングパッド。
【請求項4】
前記光安定性ポリマー終点検出窓が、380nmの光について15%以上の複光路透過率(double pass transmission)を示す、請求項2に記載のケミカルメカニカルポリッシングパッド。
【請求項5】
前記光安定性ポリマー終点検出窓が、負の時間依存性歪み(negative time dependent strain)を伴って準安定である、請求項3に記載のケミカルメカニカルポリッシングパッド。
【請求項6】
前記イソシアネート末端プレポリマーポリオールが1分子当たり平均2個より多い−NCO部分を含む、請求項1に記載のケミカルメカニカルポリッシングパッド。
【請求項7】
前記光安定性ポリマー終点検出窓が、芳香族ポリアミン、イソシアネート末端プレポリマーポリオールおよび鎖延長剤のポリウレタン反応生成物を含み、
前記鎖延長剤が1分子当たり少なくとも3個の反応性部分を有し、かつ
前記鎖延長剤が架橋ポリオール、架橋ポリアミンおよびその組み合わせから選択される、
請求項1に記載のケミカルメカニカルポリッシングパッド。
【請求項8】
前記芳香族ポリアミンおよびイソシアネート末端プレポリマーポリオールが、未反応−NCO部分に対するアミン部分の化学量論比が90%未満で提供され、
前記光安定性ポリマー終点検出窓が、1kPaの一定軸引張荷重で、60℃一定温度で100分で測定したときに、負の時間依存性歪み(negative time dependent strain)を示し、50〜80のショアD硬さおよび、厚み1.3mmの窓について波長380nmで15%より大きい複光路透過率(optical double pass transmission)を示す、
請求項1に記載のケミカルメカニカルポリッシングパッド。
【請求項9】
前記光安定性ポリマー終点検出窓が一体化窓である、請求項1に記載のケミカルメカニカルポリッシングパッド。
【請求項10】
プラテン、光源および光検出器を有するケミカルメカニカルポリッシング装置を用意すること、
磁性基板、光学基板および半導体基板から選択される少なくとも1つの基板を用意すること、
請求項1〜9のいずれか一項に記載のケミカルメカニカルポリッシングパッドを用意すること、
該ケミカルメカニカルポリッシングパッドを前記プラテン上に取りつけること、
場合により、前記研磨表面と基板の間の界面に研磨媒体を供給すること、
前記研磨表面と基板との間に動的接触を起こし、少なくとも前記基板からいくらかの材料が除去されること、および
前記光安定性ポリマー終点検出窓を通して光源から光を送り、基板表面から反射され、光安定性ポリマー終点検出窓を通って戻り、光検出器に入射する光を分析することにより研磨終点を決定すること、
を含む、基板のケミカルメカニカルポリッシングの方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−71416(P2012−71416A)
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−205548(P2011−205548)
【出願日】平成23年9月21日(2011.9.21)
【出願人】(504089426)ローム アンド ハース エレクトロニック マテリアルズ シーエムピー ホウルディングス インコーポレイテッド (125)
【Fターム(参考)】