説明

光導波路基板および高調波発生デバイス

【課題】 リッジ型光導波路を有する光導波路基板において、三次元光導波路を入射光が伝搬する際の損失を低減できるような構造を提供することである。
【解決手段】 光導波路基板13は、強誘電性材料からなる強誘電体層3の表面に形成されているリッジ部15と、このリッジ部15の両側にそれぞれ設けられており、リッジ部よりも低い段差部25A、25Bとを備える。各段差部の外側にそれぞれ溝16が形成されており、リッジ部15に三次元光導波路が設けられている

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、疑似位相整合方式の高調波発生デバイス、光変調素子として好適に使用できる光導波路基板に関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在、各種材料に光導波路を形成し、光を制御するデバイスを開発しようとする研究がなされており、こうしたデバイスが、光通信用のシステムに組み込まれようとしている。特に、リッジ構造といわれる光導波路形状は、光の閉じ込め性を高くすることができ、光を制御する効率が高いので、光変調器、光スイッチング素子等において期待される導波路構造となっている。
【0003】
ニオブ酸リチウムやタンタル酸リチウム単結晶のような非線形光学結晶は二次の非線形光学定数が高く、これら結晶に周期的な分極反転構造を形成することで、疑似位相整合(Quasi-Phase-Matched :QPM)方式の第二高調波発生(Second-Harmonic-Generation:SHG)デバイスを実現できる。また、この周期分極反転構造内に導波路を形成することで、高効率なSHGデバイスが実現でき、光通信用、医学用、光化学用、各種光計測用等の幅広い応用が可能である。
【0004】
特許文献1(特開平4−335328号公報)の記載によれば、ニオブ酸リチウムやタンタル酸リチウムのような強誘電体単結晶基板に光導波路を形成するため、基板の加工面に、基板を構成する結晶よりも屈折率の高い液相エピタキシャル膜(LPE膜)を形成している。そして、液相エピタキシャル膜をドライエッチングにより加工することによって、リッジ構造体を形成し、このリッジ構造体の中に光を閉じ込めている。
【0005】
また、本出願人は、特許文献2(特開平9−269430号公報)において、酸化物単結晶をエキシマレーザーによってアブレーション加工することで、第二高調波発生デバイス用のリッジ型光導波路を形成することを開示した。こうした酸化物単結晶として、ニオブ酸リチウム、ニオブ酸リチウム−タンタル酸リチウム固溶体を開示した。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平4−335328号公報
【特許文献2】特開平9−269430号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
このようなリッジ型光導波路において、光学特性(基本光の損失、第2高調波発生(SHG)出力)を測定したところ、設計条件にもよるが、基本光の損失が大きくなる傾向が見られ、SHG出力も理論値に比べて高くなかった。
【0008】
これは、例えばSHGの基本光が横方向に漏れやすく、光をリッジ部分に閉じ込めて伝搬させにくくしており、これによって基本光の損失が増大しているのではないかと考えられる。
【0009】
本発明の課題は、リッジ型光導波路を有する光導波路基板において、三次元光導波路を入射光が伝搬する際の損失を低減できるような構造を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
発明は、強誘電性材料からなる強誘電体層の表面に形成されているリッジ部と、このリッジ部の両側にそれぞれ設けられており、リッジ部よりも低い段差部とを備えており、各段差部の外側にそれぞれ溝が形成されており、リッジ部に三次元光導波路が設けられていることを特徴とする、光導波路基板に係るものである。
【0011】
また、本発明は、前記光導波路基板を備えており、光導波路に周期分極反転構造が形成されていることを特徴とする、高調波発生デバイスに係るものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明者は、例えば図1に模式的に示す断面を有する光導波路を形成し、その形態と光学特性との関係を検討した。
【0013】
図1においては、例えばMgOドープニオブ酸リチウム単結晶からなる層3と支持基体1とが接着層2によって接着されている。層3には一対の略平行な細長い溝6が形成されており、これらの溝6によってリッジ部5が形成されている。リッジ部5および溝6によって光導波路構造4が形成され、リッジ部5が三次元光導波路として機能する。
【0014】
このような導波路においては、溝6の側面5b、8は、通常は表面5aに対して垂直にすることは困難であり、5aに対する垂直軸に対して傾斜している。また、溝6の底面7は略平坦である。
【0015】
ところが、底面7の下側において、矢印Aで示すように入射光(高調波発生素子の場合は基本光)が漏れやすく、光をリッジ部分に閉じ込めて伝搬させるのを難しくしているものと考えられた。
【0016】
本発明者は、この知見に基づき、例えば図2に示すように、リッジ部5の両側にそれぞれ溝10を設けるのに際して、各溝10内にそれぞれ細長い突起11を形成することを想到した。このような突起11を形成することによって、内側溝20を堀り込み、伝搬光の横方向への漏れ量を少なくし、光閉じ込め効果を向上させることができる。
【0017】
SHG出力は、基本光の損失が小さければ小さいほど高くなりやすく、また、光の閉じ込め状態が強ければ強いほど高くなるので、本例では高い出力が得られることになる。
【0018】
但し、図2の光導波路構造には若干の問題があることが分かった。即ち、溝20の掘り込みが大きいところで(例えば22)で欠けが生じることがある。例として、図3に導波路の上面から観察した写真を示す。また、図4にも、光導波路の断面において観察された例を示す。
【0019】
このように深く溝を形成しようとすると、レーザー光の強度に耐えられず、導波路にダメージを与えることがある。欠け22の生じた導波路については、光学特性は悪く、基本光の損失が極めて悪く、SHGの出力も低くなるので、製造歩留りが低下する。
【0020】
内側溝20の深さD1を浅くし、欠け22が生じにくいようにすると、伝搬光の閉じ込めが弱くなり、高調波発生出力も低下する傾向が見られる。
【0021】
ここで、本発明においては、例えば図5に模式的に示すように、層3の表面にリッジ部15を形成し、リッジ部15の両側にそれぞれ段差部25A、25Bを形成し、各段差部25A、25Bの外側にそれぞれ溝16を形成し、リッジ部15に三次元光導波路が設けられている。
【0022】
この場合には、リッジ部15の最大高さ(D4)部分15aから両側にいったん段差部25A、25Bを設け、次いで段差部25A、25Bの外側に溝16を設ける。前述した加工時の欠けは、溝16の深さD4が大きくなるのにつれて生じ易くなる。また、三次元光導波路を主として構成するのはリッジ部分15であるので、リッジ部分15(特に角部24)に欠けが発生すると、光が散乱しやすくなり、光の伝搬損失が増加する。
【0023】
これに対して、本発明においては、リッジ部の最大高さ部分15aに隣接して段差部25A、25Bを設けているので、その段差はD5であり、D5はD4に比べて小さくできる。従って、リッジ部分15の中央の最大高さ部分15aの(特に角部24周辺での)欠けが生じにくくなる。この結果、欠けによる光学特性劣化への影響を低減できる。
【0024】
一方、段差部25A、25Bの溝底からの高さは(D4−D5)となる。段差部25A、25B(特にその角部26近辺)では、溝16の深さD4が大きくなると確かに欠けが生じ易くなる。しかし、段差部25A、25Bにおける欠けの生じ易さは、段差部の高さ(D4−D5)に依存しているので、図2に示すようなリッジ部5に比べて欠けは生じにくくなる。その上、段差部25A、25Bの角部26は光導波路の中心から離れていることから、仮に欠けが生じても、光学特性には大きな影響を与えない。
【0025】
このように二段以上の段差を形成することによって、溝16の深さD4を大きくして光導波路の横方向の閉じ込めを強くしつつ、かつリッジ部分15における欠けを低減し、伝搬光の損失を低減し、高調波発生効率を増大させることができる。
【0026】
また、本発明を高調波発生素子に適用した場合には、次の作用効果が得られる。即ち、定性的には波長の長い基本光はコア径の大きい導波路の方が好ましく、波長の短い第二高調波に対しては、コア径が小さいことが好ましい。従って、段差部25A、25Bを設けることによって基本光の伝搬特性を向上させるのとともに、第二高調波についてはリッジ部15内で十分に良好な伝達特性を得ることができ、段差部がない場合に比べて導波路形状の設計自由度が高まる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】図1は、比較例の光導波路構造を模式的に示す断面図である。
【図2】図2は、参考形態に係る光導波路基板12を模式的に示す断面図である。
【図3】図3は、図2の光導波路基板の表面を示す写真であり、光導波路のエッジに欠けが生じている。
【図4】図4は、図2の光導波路基板の断面を示す写真であり、光導波路のエッジに欠けが生じている。
【図5】図5は、本発明の実施形態に係る光導波路基板13を模式的に示す断面図である。
【図6】図6は、参考形態に係る光導波路基板12Aを模式的に示す断面図である。
【図7】図7は、参考形態に係る光導波路基板12Bを模式的に示す断面図である。
【図8】図8は、本発明の他の実施形態に係る光導波路基板13Aを模式的に示す断面図である。
【図9】図9は、本発明の他の実施形態に係る光導波路基板13Bを模式的に示す断面図である。
【図10】図10は、光導波路基板13を形成するためのマスクの一例を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
参考形態において好ましくは、リッジ部と各突起との間にそれぞれ内側溝が形成されている。これによってリッジ部における光の閉じ込めを一層向上させることができる。例えば図2に示す例では、リッジ部5と各突起11との間に内側溝20が形成されている。
【0029】
参考形態において好ましくは、リッジ部から見たときに、各突起の外側にそれぞれ外側溝が形成されている。これによって光の横方向への閉じ込めを一層向上させることができる。また、このように内側溝と外側溝とを設けると、各溝の深さを調整することで、光の閉じ込めを強くしつつ、欠けなどの加工時の損傷を低下させる設計を行い易くなる。
【0030】
好適な形態においては、外側溝が内側溝よりも深い。例えば、図2に示す例においては、外側溝21の深さD2を内側溝20の深さD1よりも大きくする。このように内側溝20の深さD1を相対的に小さくすることによって、リッジ部5の角部22における欠けの頻度を低減できる。これとともに、外側溝21の深さD2を相対的に大きくすることによって、光の閉じ込めを改善できる。
【0031】
参考形態においては、内側溝20の深さD1が小さいと、リッジ部への光の閉じ込めが弱くなり、伝搬光の損失が増大するので、この観点からは、D1は1.0μm以上であることが好ましく、1.5μm以上であることが更に好ましい。また、内側溝の深さD1が大きくなると、リッジ部5において欠けが発生しやすくなるので、この観点からは、D1は4μm以下であることが好ましく、3μm以下であることが更に好ましい。
【0032】
参考形態においては、外側溝21の深さD2が小さいと、リッジ部への光の閉じ込めが弱くなり、伝搬光の損失が増大するので、この観点からは、D2は1.0μm以上であることが好ましく、1.5μm以上であることが更に好ましい。また、外側溝の深さD2が大きくなると、突起11において欠けが発生しやすくなるので、この観点からは、D2は4μm以下であることが好ましく、3μm以下であることが更に好ましい。なお、図2の図面では、溝10の深さD3は外側溝21の深さD2と一致する。
【0033】
D1とD2との差は特に限定されないが、前述の作用効果の観点からは、0.1μm以上であることが好ましい。
【0034】
突起11の高さH1は特に限定されないが、溝10の深さD3よりも小さいことが好ましい。これによって、突起11における欠けの発生を低減でき、また光の閉じ込めの点からも問題は少ない。
【0035】
参考形態においては、リッジ5の幅W1が広いと、光の閉じ込めが弱くなり、特にSHGを発光させる効率が低くなるので、この観点からは、W1は6.5μm以下であることが好ましく、5.5μm以下であることが更に好ましい。一方、リッジ5の幅W1が狭いと、光の閉じ込めが強くなり、マルチモードが励振されやすくなるので、この観点からは、W1は3μm以上であることがこのましく、3.5μm以上であることが更に好ましい。
【0036】
参考形態においては、溝10の幅W2、W3が狭いと、光の閉じ込めが弱くなり、伝搬光の損失が大きくなるので、この観点からは、W2、W3は2μm以上であることがこのましく、3μm以上であることが更に好ましい。
【0037】
参考形態においては、誘電体層3の厚みT1が厚いと、光の閉じ込めが弱くなり、伝搬光の損失が大きくなるので、この観点からは、T1は6μm以下であることがこのましく、5μm以下であることがさらに好ましい。一方、T1が薄いと、光の閉じ込めが強くなり、マルチモードが励振されやすくなるので、この観点からは、T1は2.5μm以上であることがこのましく、3μm以上であることが更に好ましい。
【0038】
参考形態において好ましくは、強誘電体層と支持基体とを接着する下地接着層2を備えている(図2参照)。
下地接着層2に無機接着剤層を設け、無機接着剤層を強誘電体層に接触させることができる。図6は、この実施形態に係るものである。
【0039】
図6の基板12Aは図2の基板12と同様のものであるが、しかし接着層は、有機接着剤層33と無機接着剤層32との二つに分かれている。そして強誘電体層3には無機接着剤層32が接触している。
【0040】
このように、強誘電体層3に無機接着剤を接触させることによって、この無機接着剤層がバッファ層として作用し、光学的な安定性が向上する。
【0041】
また、強誘電体層の表面側を被覆する上側基板を設けることができる。
また、強誘電体層と上側基板とを接着する上側接着層を設けることができる。
更に、無機接着剤を強誘電体層に接触させることができる。
【0042】
図7は、これらの形態に係る光導波路基板12Bを概略的に示す断面図である。
図7の基板12Bでは、強誘電体層3上に、無機接着剤層34および有機接着剤層35を介して上側基板36を貼り合わせている。無機接着剤層の厚さはほぼ一定であり、有機接着剤35は、強誘電体層3の凹部に充填されている。
【0043】
このように上側基板36を設けることによって、光導波路基板の厚さ方向での光学特性、応力分布が対称になり、温度等の外乱に対して安定になる。
【0044】
本発明においては、段差部25A、25Bの深さD5が小さいと、横方向への光の閉じ込めが弱くなるので、光の閉じ込めを強くするという観点からは、段差部25A、25Bの深さD5は0.5μm以上であることが好ましく、1.0μm以上であることが更に好ましい。一方、段差部の深さD5が大きくなると、リッジ部15の形成時に欠けが発生しやすくなるので、この観点からは、D5は4μm以下とすることが好ましく、3μm以下とすることが更に好ましい。
【0045】
本発明においては、溝16の深さD4が小さいと、横方向への光の閉じ込めが弱くなるので、光の閉じ込めを強くするという観点からは、溝16の深さD4は0.5μm以上であることが好ましく、1.0μm以上であることが更に好ましい。一方、溝16の深さD4が大きくなると、段差部25A、25Bの形成時に欠けが発生しやすくなるので、この観点からは、D4は4μm以下とすることが好ましく、3μm以下とすることが更に好ましい。
【0046】
本発明においては、リッジ15の幅W4が広いと、光の閉じ込めが弱くなり、特にSHGを発光させる効率が低くなるので、この観点からは、W1は6.5μm以下であることが好ましく、5.5μm以下であることが更に好ましい。一方、リッジ5の幅W1が狭いと、光の閉じ込めが強くなり、マルチモードが励振されやすくなるので、この観点からは、W1は3μm以上であることがこのましく、3.5μm以上であることが更に好ましい。
【0047】
本発明においては、段差部25A、25Bの幅W5、W6が狭いと、本発明の効果が著しく低下するので、この観点からは、W5、W6は1μm以上であることがこのましく、2μm以上であることが更に好ましい。一方、W5、W6が広いと、光の閉じ込めが弱くなり、SHGを発光される効率が低くなるので、この観点からは、W5、W6は4μm以下であることが好ましく、3μm以下であることがさらに好ましい。
【0048】
本発明においては、溝16の段差部25A、25Bの幅を差し引いたW7、W8が狭いと、光閉じ込めが弱く、伝搬光の損失が大きくなるので、この観点からは、W7、W8は1μm以上であることがこのましく、2μm以上であることが更に好ましい。
【0049】
本発明においては、誘電体層3の厚みT2が厚いと、光の閉じ込めが弱くなり、伝搬光の損失が大きくなるので、この観点からは、T2は6μm以下であることがこのましく、5μm以下であることがさらに好ましい。一方、T2が薄いと、光の閉じ込めが強くなり、マルチモードが励振されやすくなるので、この観点からは、T2は2.5μm以上であることがこのましく、3μm以上であることが更に好ましい。
【0050】
本発明において好ましくは、強誘電体層と支持基体とを接着する下地接着層2を備えている(図5参照)。
【0051】
本発明において、下地接着層2に無機接着剤層を設け、無機接着剤層を強誘電体層に接触させることができる。図8は、この実施形態に係るものである。
図8の基板13Aは図5の基板13と同様のものであるが、しかし接着層は、有機接着剤層33と無機接着剤層32との二つに分かれている。そして強誘電体層3には無機接着剤層32が接触している。
【0052】
このように、強誘電体層3に無機接着剤を接触させることによって、この無機接着剤層32がバッファ層として作用し、光学的な安定性が向上する。
【0053】
また、本発明においては、強誘電体層の表面側を被覆する上側基板を設けることができる。
また、本発明において、強誘電体層と上側基板とを接着する上側接着層を設けることができる。
更に、本発明において、無機接着剤を強誘電体層に接触させることができる。
【0054】
図9は、これらの実施形態に係る光導波路基板13Bを概略的に示す断面図である。
図9の基板13Bでは、強誘電体層3上に、無機接着剤層34および有機接着剤層35を介して上側基板36を貼り合わせている。無機接着剤層の厚さはほぼ一定であり、有機接着剤35は、強誘電体層3の凹部に充填されている。
【0055】
このように上側基板36を設けることによって、光導波路基板の厚さ方向での光学特性、応力分布が対称になり、温度等の外乱に対して安定になる。
【0056】
強誘電体層にリッジ構造を形成するための加工方法は限定されず、機械加工、イオンミリング、ドライエッチング、レーザーアブレーションなどの方法を用いることができる。
【0057】
研削加工装置としては、各種装置が可能であるが、現在、その機械精度の高さから、精密マイクログラインダーと呼ばれている研削装置を使用することが特に好ましい。また、精密研削加工法としては、ELID研削(電解作用によりドレッシングしながら研削を行う方法)を適用できる。ELID研削とは、砥石を電解作用によりドレッシングしながら研削作業に供し、加工性能を改善、安定させる加工法であり、「砥粒加工学会誌」Vol.39,No.5,1995年9月号第2頁に記載されている。
【0058】
仕上げの平面研磨加工の方法として、ケミカルメカニカルポリシングを用いることができる。
【0059】
あるいは、機械加工は、ダイシングなどの方法を用いて行うことができる。好適な実施形態においては、ダイシング加工機に幅0.1〜0.2mm、メッシュ数#200〜3000の砥石を設置し、回転数10000〜50000rpm、送り速度50〜300mm/minの運転条件で溝を形成する。
【0060】
レーザーアブレーションとは、加工対象である材料を構成する各分子間の結合エネルギーと同等のエネルギーの波長の光を、材料へと向かって照射することによって、各分子を解離、蒸発させて除去加工する方法である。これは、熱的加工ではないので、レーザー照射部分のみを選択的に加工することができ、加工部分の周辺への影響がないので、リッジ構造体の高精度の加工が可能である。ここで言うレーザーアブレーションは、多光子吸収過程によるものを含み、若干の熱的影響がある場合(擬似熱的加工)も含む。
【0061】
層3を構成する材料の吸収端の波長と、レーザー光の波長との差を、100nm以下とすることが好ましく、50nm以下とすることが一層好ましい。こうした方法によって、ニオブ酸リチウム、タンタル酸リチウム、ニオブ酸リチウム−タンタル酸リチウム固溶体、
LiNb15、LaGaSiO14からなる母材を、波長150〜300nmのレーザー光で加工して溝を形成できる。
【0062】
加工用のレーザービームの種類としてはエキシマレーザー、Nd−YAGレーザーの第4次高調波等を好ましく使用できる。エキシマレーザーの応用技術に関する文献としては、「O plus E」1995年11月号、第64〜108頁の特集「実用期に入ったエキシマレーザー」を挙げることができる。
【0063】
好適な実施形態においては、エキシマレーザーを用いて溝を形成する。この際、単位面積当たり5〜10J/cmの高い強度のレーザーを直接照射して、基材3の残り厚み100μm程度まで粗加工し、1〜4J/cmの比較的低い強度のレーザーを10〜30回スキャンさせて溝を形成する。あるいは、他の実現方法として、研削、研磨加工により基材3の残り厚み5μm程度まで薄板状に加工を行い、0.5〜2J/cmの比較的低い強度のレーザーを2〜3回スキャンさせて溝を形成する。
【0064】
例えば図2、図5に示すように、強誘電体層3を支持基体1に対して接着層2を介して接着することができる。また、上側基板と強誘電体層とを接着層を介して接着することができる。
【0065】
こうした接着剤は、無機接着剤であってよく、有機接着剤であってよく、無機接着剤と有機接着剤との組み合わせであってよい。
【0066】
有機接着剤の具体例は特に限定されないが、エポキシ系接着剤、熱硬化型接着剤、紫外線硬化性接着剤、ニオブ酸リチウムなどの電気光学効果を有する材料と比較的近い熱膨張係数を有するアロンセラミックスC(商品名、東亜合成社製)(熱膨張係数13×10−6/K)を例示できる。
【0067】
また無機接着剤としては、低誘電率で接着温度(作業温度)が約600℃以下のものが好ましい。また、加工の際に十分な接着強度が得られるものが好ましい。具体的には、酸化珪素、酸化鉛、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化ホウ素等の組成を単体もしくは複数組み合わせたガラスが好ましい。
また、他の無機接着剤としては、例えば五酸化タンタル、酸化チタン、五酸化ニオブ、酸化亜鉛がある。
【0068】
無機接着層の形成方法は特に限定されず、スパッタ法、蒸着法、スピンコート法、ゾルゲル法などがある。
【0069】
また、強誘電体層3と支持基体1との間に接着剤のシートを介在させ、接合することができる。好ましくは、熱硬化性、光硬化性あるいは光増粘性の樹脂接着剤からなるシートを、強誘電体層3の裏面と支持基体1との間に介在させ、シートを硬化させる。このようなシートとしては、300μm以下のフィルム樹脂が適当である。
【0070】
支持基体1の材質は特に限定されない。好適な実施形態においては、支持基体1における熱膨張係数の最小値が強誘電体層3における熱膨張係数の最小値の1/5倍以上であり、かつ支持基体1における熱膨張係数の最大値が強誘電体層3における熱膨張係数の最大値の5倍以下である。
【0071】
ここで、強誘電体層3、支持基体1をそれぞれ構成する各電気光学材料に熱膨張係数の異方性がない場合には、強誘電体層3、支持基体1において最小の熱膨張係数と最大の熱膨張係数とは一致する。強誘電体層3、支持基体1を構成する各電気光学材料に熱膨張係数の異方性がある場合には、各軸ごとに熱膨張係数が変化する場合がある。例えば、強誘電体層3を構成する各電気光学材料がニオブ酸リチウムである場合には、X軸方向、Y軸方向の熱膨張係数が16×10-6/℃であり、これが最大値となる。Z軸方向の熱膨張係数が5×10-6/℃であり、これが最小値となる。従って、支持基体1の熱膨張係数の最小値は1×10-6/℃以上とし、支持基体1の熱膨張係数の最大値は80×10-6/℃以下とする。なお、例えば石英ガラスの熱膨張係数は0.5×10-6/℃であり、1×10-6/℃未満である。
【0072】
この観点からは、支持基体1の熱膨張係数の最小値を、強誘電体層3における熱膨張係数の最小値の1/2倍以上とすることが更に好ましい。また、支持基体1の熱膨張係数の最大値を、強誘電体層3の熱膨張係数の最大値の2倍以下とすることが更に好ましい。
【0073】
支持基体1の具体的材質は、上記の条件を満足する限り、特に限定されず,ニオブ酸リチウム、タンタル酸リチウム、石英ガラスなどのガラスや水晶、Siなどを例示することができる。この場合、熱膨張差の観点では、強誘電体薄層と誘電体層とを同じ材質とすることが好ましく、ニオブ酸リチウム単結晶が特に好ましい。
【0074】
好適な実施形態においては、支持基体1における熱膨張係数の最小値が上側基板36における熱膨張係数の最小値の1/5倍以上であり、かつ支持基体1における熱膨張係数の最大値が上側基板36における熱膨張係数の最大値の5倍以下である。
【0075】
ここで、上側基板36、支持基体1をそれぞれ構成する各電気光学材料に熱膨張係数の異方性がない場合には、上側基板36、支持基体1において最小の熱膨張係数と最大の熱膨張係数とは一致する。上側基板36、支持基体1を構成する各電気光学材料に熱膨張係数の異方性がある場合には、各軸ごとに熱膨張係数が変化する場合がある。
【0076】
この観点からは、支持基体1の熱膨張係数の最小値を、上側基板36における熱膨張係数の最小値の1/2倍以上とすることが更に好ましい。また、支持基体1の熱膨張係数の最大値を、上側基板36の熱膨張係数の最大値の2倍以下とすることが更に好ましい。
【0077】
上側基板の材質は特に限定されない。
上側基板36の具体的材質は、上記の条件を満足する限り、特に限定されず,ニオブ酸リチウム、タンタル酸リチウム、石英ガラス等のガラスや水晶、Siなどを例示することができる。この場合、熱膨張差の観点では、支持基板と上側基板を同じ材質とすることが好ましく、ニオブ酸リチウム単結晶が特に好ましい。
【0078】
また、上側基板を、熱伝導性の高い材質、たとえばSiによって形成することで、基板の長さ方向の温度分布が均一になり、高出力時のSHGの安定性が改善される。
上側基板の厚さも特に限定されないが、上記の観点からは100μm以上が好ましい。また、上側基板の厚さの上限も特にないが、実用的には2mm以下が好ましい。
【実施例】
【0079】
(比較例1)
図1に示すような光導波路基板を製造した。
具体的には、周期17.6μmの周期状分極反転構造を形成した厚さ500μmのMgOドープニオブ酸リチウム基板を、厚さ1mmのノンドープニオブ酸リチウム基板1に貼り合せ、MgOドープニオブ酸リチウム基板の表面を厚さ5μmとなるまで研削、研磨で削り落とした。次いで、溝6はレーザーアブレーション加工で形成し、図1の形状とした。図1において、リッジ部5の幅が5.5μmであり、溝6の深さが2μmである。リッジ加工後、長さ45mmで素子を作製し、両端を端面研磨した。
【0080】
この導波路において、光学特性(基本光の損失、SHG出力)を測定したところ、基本光の損失が1.5dB/cmと大きく、SHG出力は 基本光を2mW入力した時に5μWであった。ここで、導波路に入力する基本光および出力されるSHGの光出力にはフレネル損失を差し引いた値で示した。なお、この導波路の基本光の波長は約1.56μmで、SHG光の波長は約0.78μmであった。
【0081】
(参考例1)
図2に示すリッジ型光導波路構造9を有する光導波路基板12を製造した。
具体的には、比較例1と同様、周期状分極反転を形成した厚さ500μmのMgOドープニオブ酸リチウム基板を、厚さ1mmのノンドープニオブ酸リチウム基板1に貼り合せ、MgOドープニオブ酸リチウム基板の表面を厚さ5μmとなるまで研削、研磨で削り落とした。次いで、溝10をレーザーアブレーション加工で形成し、図2の形状とした。
【0082】
溝の幅はマスクの幅に依存し、溝の各部分の深さはレーザー光の出力、基板を走査する速度、繰り返し走査回数に依存する。図2において、リッジ部5の幅が5.5μmであり、内側溝20の深さD1が1.9μmであり、外側溝21の深さD2および溝10の最大深さD3がともに2.2μmであり、突起11の高さH1が0.8μmであった。
【0083】
図2の光導波路の光学特性を評価した結果、基本光の損失が0.8dB/cmと低減され、SHG出力が、基本光を2mW入力した時に10μWに向上した。理論的には明らかではないが、内側溝20により、基本光の横方向への漏れ量が少なく、光閉じ込め効果が向上したものと思われる。SHG出力は、基本光の損失が小さければ小さいほど高くなりやすく、また、光の閉じ込め状態が強ければ高くなるので、高い出力が得られることになる。
【0084】
ただし、製造の際に、図3、図4に示すような欠けが見られることがあった。図3には、光導波路の上面から観察した写真を示し、図4は、光導波路の断面において観察された例を示す。このように深く溝を形成しようとすると、レーザー光の強度に耐えられず、導波路にダメージを与えることがある。欠けの生じた導波路については、光学特性は悪く、基本光の損失が極めて悪く、SHG出力も低くなっている。このような欠けは、例えば光導波路基板の製造個数10個に対して3個発生した。
【0085】
(参考例2)
参考例1と同様にして、図2に示す光導波路基板を作製した。ただし、図2において、リッジ部5の幅が5.5μmであり、内側溝20の深さD1が1.4μmであり、外側溝21の深さD2および溝10の最大深さD3がともに1.5μmであり、突起11の高さH1が0.6μmであった。
【0086】
図2の光導波路の光学特性を評価した結果、基本光の損失が1.2dB/cmと低減され、SHG出力が、基本光を2mW入力した時に8μWに向上した。ただし、上述した欠けはほとんど発生しなくなった。
【0087】
(参考例3)
D1、D2、D3を種々変更し、上記と同様の実験を行った結果、D1、D2は2μm以上とすることが、伝搬光の損失低減、SHG出力向上の点で好ましいことが分かった。しかし、この場合には上述した欠けが発生する可能性があり、歩留り低下の原因となることも判明した。
【0088】
(実施例1)
図5に示す光導波路基板13を作製した。
具体的には、周期状分極反転構造を形成した厚さ500μmのMgOドープニオブ酸リチウム基板を、厚さ1mmのノンドープニオブ酸リチウム基板1に貼り合せ、MgOドープニオブ酸リチウム基板の表面を厚さ5μmとなるまで研削、研磨で削り落とした。次いで、溝16をレーザーアブレーション加工で形成し、図5の形状とした。
【0089】
溝の幅はマスクの幅に依存し、溝の各部分の深さはレーザー光の出力、基板を走査する速度、繰り返し走査回数に依存する。例えば、図6に示すような形状のマスク30を使用する。このマスク30には一対の開口31が形成されており、各開口31は、長さL1の開口部分31aと長さL2の開口部分31bとからなり、各開口31はそれぞれ溝16に対応している。開口部分31aの長さL1は開口部分31bの長さL2よりも小さい。
【0090】
レーザー光光源を固定した上で、マスク30を矢印Bのように移動させ、開口31の透過光を強誘電体層3の表面に照射する。すると、開口部分31aからのレーザー光の照射時簡T1は長さL1に比例し、開口31bからのレーザー光の照射時間T2は長さL2に比例する。従って、開口部分31aの下には、深さD5の相対的に浅い段差部25A、25Bが形成され、開口部分31bの下には、深さD4の溝16が形成される。
【0091】
得られた光導波路基板においては、リッジ部15の幅が5.5μmであり、段差部25A、25Bの深さD5が1.0μmであり、段差部25A、25Bの幅がそれぞれ2μmであり、段差部の深さD4は2.5μmであった。
【0092】
この結果、基本光の伝搬損失は0.6dBであり、SHG出力は、基本光を2mW入力した時に15μWであった。また、歩留まりに関していえば、導波路の中央で欠けが生じにくい構造であることが起因して、安定して低損失な導波路が得られ、SHG出力のバラツキも小さかった。
また、加工によるダメージについては、溝の深さD4を2.5μm程度まで大きくしても、欠けは観測されず、歩留りの高い導波路形状となっている。
【0093】
(参考例4)
図7に示す光導波路基板12Bを製造した。
具体的には、周期17.6μmの周期状分極反転を形成した厚さ500μmのMgO ドープニオブ酸リチウム基板表面に、SiO2膜32 をスパッタ法で成膜した後、厚さ1mm のノンドープニオブ酸リチウム基板1に有機接着剤33で貼り合わせた。その後、MgO ドープニオブ酸リチウム基板の表面を厚さ5μmとなるまで研削・研磨で削り落として強誘電体層3を形成した。次いで、実施例1と同様な溝をレーザーアブレーション加工で形成した。
【0094】
作製した導波路の上に、Ta2O5 膜34をスパッタ法で成膜した後に、厚さ0.5mm のノンドープニオブ酸リチウム基板36を有機接着剤35で貼り合わせた後、研削・研磨で100μmまで削り落とした。
この光導波路基板(SHG素子)12Bの光学特性を評価した結果、基本光の損失は実施例1と同様の0.8dB/cm であり、SHG 出力が基本光2mW の入力に対し、10μW
が得られた。
また本光導波路基板の長時間動作試験を行った結果、従来構造の3倍の30000 時間までSHG 出力低下が見られなかった。
【0095】
(実施例2)
また、図9に示す光導波路基板13Bも参考例4と同様にして作成し、同様の結果を得た。
【0096】
(参考例5)
図7に示す光導波路基板12Bを作製した。
具体的には、周期6.57μmの周期状分極反転を形成した厚さ500μmのMgO ドープニオブ酸リチウム基板表面にSiO2 32をスパッタ法で成膜した後、厚さ1mm のノンドープニオブ酸リチウム基板1に有機接着剤33で貼り合わせた。その後、MgO ドープニオブ酸リチウム基板の表面を厚さ3.7μmとなるまで研削・研磨で削り落とし、強誘電体層3を得た。次いで、実施例1と同様な溝をレーザーアブレーション法で形成した。
作製した光導波路の上にTa2O5膜34をスパッタ法で成膜した後に、厚さ0.5mm のSi 基板36を有機接着剤35で貼り合わせた。
【0097】
この光導波路基板(SHG素子)の光学特性を評価した結果、基本光の損失は0.8dB/cm であり、SHG 出力が基本光100mW の入力に対し20mW が得られた。
また、本素子の高出力動作試験を行った結果、SHG 出力において従来構造の2倍の500mW を得ることができた。
【0098】
(実施例3)
また、図9に示す光導波路基板13Bも参考例5と同様にして作成し、同様の結果を得た。
【0099】
より短波のSHG光を発生させたい場合には、導波路のサイズは相対的に小さくすることが好ましい。基板部の厚さについていえば、基本光の波長が1mm程度であれば、基板部の厚さは3.5mmぐらいにすることが好ましい。反対に長い波長のSHGを発生させたいという場合には、基板部の厚さを6mm、7mmに増加させることが好ましい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
強誘電性材料からなる強誘電体層の表面に形成されているリッジ部と、このリッジ部の両側にそれぞれ設けられており、前記リッジ部よりも低い段差部とを備えており、前記各段差部の外側にそれぞれ溝が形成されており、前記リッジ部に三次元光導波路が設けられていることを特徴とする、光導波路基板。
【請求項2】
前記強誘電体層の底面側を支持する支持基体を備えていることを特徴とする、請求項1記載の光導波路基板。
【請求項3】
前記支持基体における熱膨張係数の最小値が前記強誘電体層における熱膨張係数の最小値の1/5倍以上であり、かつ前記支持基体における熱膨張係数の最大値が前記強誘電体層における熱膨張係数の最大値の5倍以下であることを特徴とする、請求項1または2記載の光導波路基板。
【請求項4】
前記強誘電体層と前記支持基体とを接着する下地接着層を備えていることを特徴とする、請求項2または3記載の光導波路基板。
【請求項5】
前記下地接着層が、前記強誘電体層に接触する無機接着剤を含むことを特徴とする、請求項4記載の光導波路基板。
【請求項6】
前記強誘電体層の前記表面側を被覆する上側基板を備えていることを特徴とする、請求項2〜5のいずれか一つの請求項に記載の光導波路基板。
【請求項7】
前記強誘電体層と前記上側基板とを接着する上側接着層を備えていることを特徴とする、請求項6記載の光導波路基板。
【請求項8】
前記上側接着層が、前記強誘電体層に接触する無機接着剤を含むことを特徴とする、請求項7記載の光導波路基板。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか一つの請求項に記載の光導波路基板を備えており、前記光導波路に周期分極反転構造が形成されていることを特徴とする、高調波発生デバイス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−53488(P2012−53488A)
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−261701(P2011−261701)
【出願日】平成23年11月30日(2011.11.30)
【分割の表示】特願2006−540991(P2006−540991)の分割
【原出願日】平成17年10月11日(2005.10.11)
【出願人】(000004064)日本碍子株式会社 (2,325)
【Fターム(参考)】