説明

光導波路形成用樹脂組成物及びこれを用いた光導波路形成用樹脂フィルム、並びにこれらを用いた光導波路

【課題】透明性、耐熱性、環境信頼性、強靭性に優れた光導波路を生産性及び作業性良く形成し得る光導波路用樹脂組成物及び光導波路形成用樹脂フィルム、及びこれらを用いた光導波路を提供すること。
【解決手段】(A)カルボキシル基を有するポリマー、(B)ウレタン(メタ)アクリレート、(C)分子内に2つ以上のエポキシ基を有する化合物、及び(D)ラジカル重合開始剤を含む光導波路形成用樹脂組成物、該光導波路形成用樹脂組成物を用いた光導波路形成用樹脂フィルム、及びこれらを用いた光導波路。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光導波路形成用樹脂組成物、光導波路形成用樹脂フィルム、及びこれらを用いた光導波路に関し、特に、透明性、耐熱性、及び強靭性に優れた光導波路形成用樹脂組成物、該光導波路形成用樹脂組成物を用いた光導波路形成用樹脂フィルム、及びこれらを用いた透明性、耐熱性、環境信頼性、及び強靭性に優れた光導波路に関する。
【背景技術】
【0002】
電子素子間や配線基板間の高速・高密度信号伝送において、従来の電気配線による伝送では、信号の相互干渉や減衰が障壁となり、高速・高密度化の限界が見え始めている。これを打ち破るため電子素子間や配線基板間を光で接続する技術、いわゆる光インターコネクション技術の開発が進められている。光伝送路としては、加工の容易さ、低コスト、配線の自由度が高く、かつ高密度化が可能な点からポリマー光導波路が注目を集めている。
ポリマー光導波路の形態としては、光電気混載基板への適用を想定したガラスエポキシ樹脂等の硬い支持基板上に作製するリジッド光導波路や、ボード同士の接続を想定した硬い支持基板を持たないフレキシブル光導波路が好適と考えられている。
さらにフレキシブル配線板と光導波路を一体複合化した光電気複合フレキシブル配線板とすることで、実装の自由度をより一層向上することが可能となる。
【0003】
ポリマー光導波路には、適用される機器の使用環境や部品実装等の観点から、透明性(低光伝搬損失)と共に耐熱性、環境信頼性も要求される。また、光導波路の強度及び取扱い性の観点から、強靭性への要求も高まりつつある。さらに、光導波路作製プロセスに関しては、コアパターンを簡便に形成可能な方法が求められており、その方法の一つとして、プリント配線板製造プロセスで広く用いられている露光現像によるパターン形成法を挙げることができる。このような材料として、(メタ)アクリルポリマーを含む光導波路材料(例えば、特許文献1〜4参照)が知られている。
特許文献1及び2には、露光現像によりコアパターン形成可能で、波長850nmにおいて透明性を有し、かつ高温高湿放置試験後の光伝搬損失も良好である光導波路材料が開示されているが、光導波路材料のはんだリフロー試験後の光伝搬損失等の耐熱性の評価について具体的な記述はなく、明らかではない。
特許文献3には、優れた光伝送損失を示し、耐熱性が良好である光導波路材料が開示されているが、当該光導波路材料は、脆く、十分な強靭性を有していない。
特許文献4には、波長850nmにおいて透明性を有し、強靭性に優れている光導波路材料が開示されているが、光導波路材料のはんだリフロー試験後の光伝搬損失等の耐熱性の評価や、高温高湿放置試験や温度サイクル試験後の光伝搬損失等の環境信頼性の評価について具体的な記述はなく、明らかではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−146162号公報
【特許文献2】特開2008−33239号公報
【特許文献3】特開2006−71880号公報
【特許文献4】特開2007−122023号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記問題に鑑み、透明性、耐熱性、環境信頼性、強靭性に優れた光導波路を生産性及び作業性良く形成し得る光導波路用樹脂組成物及び光導波路形成用樹脂フィルムを提供することを目的とする。
また、本発明によれば、透明性、耐熱性、及び強靭性に優れた光導波路用樹脂組成物及び光導波路形成用樹脂フィルムが提供される。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、カルボキシル基を有するポリマー、ウレタン(メタ)アクリレート、分子内に2つ以上のエポキシ基を有する化合物、及びラジカル重合開始剤を含む、光導波路形成用樹脂組成物を用いることにより、上記課題を解決することを見出し、本発明に至った。
【0007】
すなわち、本発明は、次の〔1〕から〔4〕を提供する。
〔1〕(A)カルボキシル基を有するポリマー、(B)ウレタン(メタ)アクリレート、(C)分子内に2つ以上のエポキシ基を有する化合物、及び(D)ラジカル重合開始剤を含む、光導波路形成用樹脂組成物。
〔2〕上記〔1〕に記載の光導波路形成用樹脂組成物を用いた光導波路形成用樹脂フィルム。
〔3〕上記〔1〕に記載の光導波路形成用樹脂組成物を用いたコア部及び/又はクラッド層を有する光導波路。
〔4〕上記〔2〕に記載の光導波路形成用樹脂フィルムを用いたコア部及び/又はクラッド層を有する光導波路。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、透明性、耐熱性、強靭性に優れ、高精度な厚膜形成が可能であり、光導波路を生産性及び作業性良く製造できる光導波路形成用樹脂組成物及び光導波路形成用樹脂フィルムを提供される。そのため、本発明によれば、透明性、耐熱性、環境信頼性、強靭性に優れた光導波路を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の光導波路の形態を説明する断面図である。
【図2】本発明で実施したリフロー試験におけるリフロー炉内の温度プロファイルを示すものである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
〔光導波路形成用樹脂組成物〕
本発明の光導波路形成用樹脂組成物は、(A)カルボキシル基を有するポリマー((A)成分)、(B)ウレタン(メタ)アクリレート((B)成分)、(C)分子内に2つ以上のエポキシ基を有する化合物((C)成分)、及び(D)ラジカル重合開始剤((D)成分)を含む。また、更に(E)ウレタン結合を有さない(メタ)アクリレート((E)成分)、及び/又は(F)硬化促進剤((F)成分)を含むことが好ましい。
はじめに、本発明の光導波路形成用樹脂組成物に含まれる各成分について説明する。
【0011】
<(A)カルボキシル基を有するポリマー>
本発明の光導波路形成用樹脂組成物は、(A)カルボキシル基を有するポリマーを含む。(A)成分を配合することで、加熱により(A)成分のカルボキシル基と(C)成分のエポキシ基とが反応し、新たな架橋構造を形成されるため、光導波路の耐熱性及び環境信頼性を向上させることができる。
(A)成分の配合量は、(E)成分を含まない場合、(A)〜(C)成分の総量に対して、好ましくは10〜85質量%、より好ましくは15〜80質量%、更に好ましくは20〜75質量%である。10質量%以上であると、(A)成分のカルボキシル基と(C)成分のエポキシ基が反応して十分な架橋構造を形成するため、耐熱性が良好となり、85質量%以下であると、強靭性が良好で脆くなることがないため、好ましい。
また、(E)成分を含む場合の(A)成分の配合量は、上記と同様の観点から、(A)〜(C)及び(E)成分の総量に対して、好ましくは10〜85質量%、より好ましくは15〜80質量%、更に好ましくは20〜75質量%である。
【0012】
(A)成分としては、特に制限はなく、例えば、下記(I)〜(VIII)で表されるポリマーが挙げられる。
(I)分子内にカルボキシル基とエチレン性不飽和基を有する化合物と、それ以外のエチレン性不飽和基を有する化合物とを共重合して得られるポリマー。
(II)分子内にカルボキシル基とエチレン性不飽和基を有する化合物と、それ以外のエチレン性不飽和基を有する化合物とを共重合して得られるポリマーの側鎖に、エチレン性不飽和基を部分的に導入して得られるポリマー。
(III)分子内にエポキシ基とエチレン性不飽和基を有する化合物と、それ以外のエチレン性不飽和基を有する化合物とを共重合して得られるポリマーに、分子内にカルボキシル基とエチレン性不飽和基を有する化合物を反応させ、生成した水酸基に多塩基酸無水物を反応させて得られるポリマー。
(IV)エチレン性不飽和基を有する酸無水物と、それ以外のエチレン性不飽和基を有する化合物とを共重合して得られるポリマーに、分子内に水酸基とエチレン性不飽和基を有する化合物を反応させて得られるポリマー。
(V)2官能エポキシ樹脂と、2官能フェノール化合物とを共重合して得られるポリマーの水酸基に、多塩基酸無水物を反応させて得られるポリマー。
(VI)2官能エポキシ樹脂と、2官能カルボン酸化合物とを共重合して得られるポリマーの水酸基に、多塩基酸無水物を反応させて得られるポリマー。
(VII)2官能オキセタン化合物と、2官能フェノール化合物とを共重合して得られるポリマーの水酸基に、多塩基酸無水物を反応させて得られるポリマー。
(VIII)2官能オキセタン化合物と、2官能カルボン酸化合物とを共重合して得られるポリマーの水酸基に、多塩基酸無水物を反応させて得られるポリマー。
【0013】
これらの中でも、透明性の観点から、(I)〜(IV)のポリマーが好ましく、下記一般式(1)及び(2)で表される構造単位を有する(メタ)アクリルポリマーがより好ましい。
【0014】
【化1】

【0015】
式(1)中、R1は水素原子又は炭素数1〜20の1価の有機基を示し、R2は水素原子又はメチル基を示し、X1は単結合又は炭素数1〜20の2価の有機基を示す。
1が示す炭素数1〜20の1価の有機基としては、特に制限はなく、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、カルボニル基(−CO−Rを意味する。ただし、Rは炭化水素基である)、エステル基(−CO−O−R又は−O−CO−Rを意味する。ただし、Rは炭化水素基である)、アミド基(−CO−NR2又は−NR−CO−Rを意味する。ただし、Rは水素原子又は炭化水素基である)等が挙げられる。これらの中でも、透明性及び耐熱性の点から、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、及びアラルキル基が好ましい。なお、これらの1価の有機基は、さらに水酸基、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、カルボニル基、ホルミル基、エステル基、アミド基、アルコキシ基、アリーロキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アミノ基、シリル基、シリロキシ基等で置換されていてもよい。
【0016】
1が示す炭素数1〜20の2価の有機基としては、特に制限はなく、例えば、アルキレン基、シクロアルキレン基、フェニレン基、ビフェニレン基、ポリエーテル基、ポリシロキサン基、カルボニル基、エステル基、アミド基、ウレタン基等が挙げられる。これらの中でも、透明性及び耐熱性の点から、アルキレン基、シクロアルキレン基、フェニレン基、及びビフェニレン基が好ましい。なお、これらの2価の有機基は、さらにハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、カルボニル基、ホルミル基、エステル基、アミド基、アルコキシ基、アリーロキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、シリル基、シリロキシ基等で置換されていてもよい。
【0017】
【化2】

【0018】
式(2)中、R3は水素原子又はメチル基を示し、R4は炭素数1〜20の1価の有機基を示す。なお、炭素数1〜20の1価の有機基としては、上記式(1)中のR1と同じものが挙げられる。
【0019】
上記の(メタ)アクリルポリマーとは、アクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸、メタクリル酸エステル、及びこれらの誘導体等の(メタ)アクリロイル基を有するモノマーを共重合して得られるポリマーをいう。ここで、(メタ)アクリロイル基とは、アクリロイル基及び/又はメタクリロイル基をいう。さらに、本発明の効果を阻害しない範囲で、(メタ)アクリルポリマーは、(メタ)アクリトリル基を有するモノマーと、(メタ)アクリロイル基以外のエチレン性不飽和基を有する上記以外のモノマー、とを含む共重合体であってもよい。また、複数の(メタ)アクリルポリマーの混合物であってもよい。
【0020】
(メタ)アクリルポリマーにおいて、一般式(1)で表される構造単位の原料となる化合物としては、特に制限はなく、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、ケイ皮酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸、イタコン酸、モノ(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)スクシネート、モノ(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)フタレート、モノ(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)イソフタレート、モノ(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)テレフタレート、モノ(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)テトラヒドロフタレート、モノ(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)ヘキサヒドロフタレート、モノ(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)ヘキサヒドロイソフタレート、モノ(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)ヘキサヒドロテレフタレート、ω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート、3−ビニル安息香酸、4−ビニル安息香酸等が挙げられる。
【0021】
これらの中でも、透明性、耐熱性、及びアルカリ現像液への溶解性の観点から、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、モノ(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)スクシネート、モノ(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)テトラヒドロフタレート、モノ(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)ヘキサヒドロフタレート、モノ(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)ヘキサヒドロイソフタレート、モノ(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)ヘキサヒドロテレフタレートが好ましい。
また、無水マレイン酸、無水シトラコン酸、無水イタコン酸等のエチレン性不飽和基と酸無水物基を有する化合物を原料として用いて、共重合後にメタノール、エタノール、プロパノール等の適当なアルコールによって開環し、一般式(1)で表される構造単位に変換してもよい。
これらの化合物は、単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0022】
一般式(1)で表される構造単位の含有率は、(メタ)アクリルポリマー全体に対して、好ましくは5〜60モル%、より好ましくは10〜50モル%、更に好ましくは15〜40モル%である。5モル%以上であると、(A)成分のカルボキシル基と(C)成分のエポキシ基が反応して十分な架橋構造を形成され耐熱性が良好となり、60モル%以下であると、強靭性が良好となり脆くなることがないため好ましい。
【0023】
(メタ)アクリルポリマーにおいて、一般式(2)で表される構造単位の原料となる化合物としては、特に制限はなく、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ウンデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、テトラデシル(メタ)アクリレート、ペンタデシル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート等の脂肪族(メタ)アクリレート;シクロペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、シクロペンチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート等の脂環式(メタ)アクリレート;フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、o−ビフェニル(メタ)アクリレート、1−ナフチル(メタ)アクリレート、2−ナフチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、p−クミルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、o−フェニルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、1−ナフトキシエチル(メタ)アクリレート、2−ナフトキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−(o−フェニルフェノキシ)プロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−(1−ナフトキシ)プロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−(2−ナフトキシ)プロピル(メタ)アクリレート等の芳香族(メタ)アクリレート;2−テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、N−(メタ)アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタルイミド、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−N−カルバゾール等の複素環式(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0024】
これらの中でも、透明性及び耐熱性の観点から、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等の脂肪族(メタ)アクリレート;上記脂環式(メタ)アクリレート;上記芳香族(メタ)アクリレート;上記複素環式(メタ)アクリレートが好ましい。
これらの化合物は、単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0025】
一般式(2)で表される構造単位の含有率は、(メタ)アクリルポリマー全体に対して、好ましくは40〜95モル%、より好ましくは50〜90モル%、更に好ましくは60〜85モル%である。40モル%以上であると、強靭性が良好となり脆くなることがなく、95モル%以下であると、(A)成分のカルボキシル基と(C)成分のエポキシ基が反応して十分な架橋構造を形成するため、耐熱性が良好となるため好ましい。
【0026】
(メタ)アクリルポリマーは、耐熱性の観点から、必要に応じて、上記式(1)及び(2)で表される構造単位に加えて、更に下記一般式(3)で表されるマレイミド骨格由来の構造単位を有していてもよい。
【0027】
【化3】

【0028】
式(3)中、R5は水素原子又は炭素数1〜20の1価の有機基を示す。なお、炭素数1〜20の1価の有機基としては、上記式(1)中のR1と同じものが挙げられる。
【0029】
(メタ)アクリルポリマーにおいて、一般式(3)で表されるマレイミド骨格由来の構造単位の原料となる化合物としては、特に制限はなく、例えば、N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−プロピルマレイミド、N−イソプロピルマレイミド、N−2,2−ジメチルプロピルマレイミド、N−ブチルマレイミド、N−イソブチルマレイミド、N−sec-ブチルマレイミド、N−tert−ブチルマレイミド、N−2−メチル−2−ブチルマレイミド、N−ペンチルマレイミド、N−2−ペンチルマレイミド、N−3−ペンチルマレイミド、N−ヘキシルマレイミド、N−2−ヘキシルマレイミド、N−3−ヘキシルマレイミド、N−2−エチルヘキシルマレイミド、N−ヘプチルマレイミド、N−オクチルマレイミド、N−ノニルマレイミド、N−デシルマレイミド、N−ヒドロキシメチルマレイミド、N−2−ヒドロキシエチルマレイミド、N−2−ヒドロキシプロピルマレイミド等のアルキルマレイミド;N−シクロペンチルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−シクロヘプチルマレイミド、N−シクロオクチルマレイミド、N−2−メチルシクロヘキシルマレイミド、N−2−エチルシクロヘキシルマレイミド、N−2−クロロシクロヘキシルマレイミド等のシクロアルキルマレイミド;N−フェニルマレイミド、N−2−メチルフェニルマレイミド、N−2−エチルフェニルマレイミド、N−2−クロロフェニルマレイミド、N−ベンジルマレイミド等のアリールマレイミド等が挙げられる。
これらの中でも、透明性及び耐熱性の観点から、N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−プロピルマレイミド、N−イソプロピルマレイミド、N−ブチルマレイミド、N−イソブチルマレイミド、N−sec-ブチルマレイミド、N−tert−ブチルマレイミド等のアルキルマレイミド;上記シクロアルキルマレイミド;上記アリールマレイミドを用いることが好ましく、N−イソプロピルマレイミド、N−シクロペンチルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−2−メチルシクロヘキシルマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−ベンジルマレイミドが好ましい。
これらの化合物は、単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0030】
一般式(3)で表されるマレイミド骨格由来の構造単位を有する場合、その含有率は、(メタ)アクリルポリマーに対して、好ましくは1〜60モル%、より好ましくは3〜50モル%、更に好ましくは5〜40モル%である。1モル%以上であると、マレイミド骨格に由来する耐熱性が得られ、60モル%以下であると、透明性が十分確保され、かつ強靭性が良好となり脆くなることがないため好ましい。
【0031】
(メタ)アクリルポリマーは、必要に応じて、上記一般式(1)〜(3)で表される構造単位以外の構造単位を有していてもよい。
このような構造単位の原料となるエチレン性不飽和基を有する化合物としては、特に制限はなく、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、α,2−ジメチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、2,5−ジメチルスチレン、(メタ)アクリロニトリル、ビニルシクロヘキシルエーテル、ビニルフェニルエーテル、ビニルベンジルエーテル、酢酸ビニル、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカルバゾール、ビニルピリジン、塩化ビニル、塩化ビニリデン等が挙げられる。
これらの中でも、透明性及び耐熱性の観点から、スチレン、α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、α,2−ジメチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、2,5−ジメチルスチレン、(メタ)アクリロニトリル、酢酸ビニル、N−ビニルカルバゾールが好ましい。
これらの化合物は、単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0032】
(メタ)アクリルポリマーの合成方法としては、特に制限はなく、例えば、上述の構成単位の原料となる化合物と、適切な熱ラジカル重合開始剤を用いて、加熱しながら共重合させる方法が挙げられる。このとき、必要に応じて、有機溶剤及び/又は水を反応溶媒として用いることができ、また、連鎖移動剤、分散剤、界面活性剤、乳化剤等を組み合わせて用いてもよい。
【0033】
熱ラジカル重合開始剤としては、特に制限はなく、例えば、メチルエチルケトンパーオキシド、シクロヘキサノンパーオキシド、メチルシクロヘキサノンパーオキシド等のケトンパーオキシド;1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−2−メチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン等のパーオキシケタール;p−メンタンヒドロパーオキシド等のヒドロパーオキシド;α、α’−ビス(t−ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、ジクミルパーオキシド、t−ブチルクミルパーオキシド、ジ−t−ブチルパーオキシド等のジアルキルパーオキシド;オクタノイルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド、ステアリルパーオキシド、ベンゾイルパーオキシド等のジアシルパーオキシド;ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジ−2−エトキシエチルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジ−3−メトキシブチルパーオキシカーボネート等のパーオキシカーボネート;t−ブチルパーオキシピバレート、t−ヘキシルパーオキシピバレート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(2−エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシラウリレート、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ヘキシルパーオキシベンゾエート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシアセテート等のパーオキシエステル;2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2’−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ化合物が挙げられる。
【0034】
反応溶媒として用いる有機溶剤としては、(メタ)アクリルポリマーを溶解し得るものであれば、特に制限はないが、例えば、トルエン、キシレン、メシチレン、クメン、p−シメン等の芳香族炭化水素;ジエチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、ジブチルエーテル等の鎖状エーテル;テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等の環状エーテル;メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール等のアルコール;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン等のケトン;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、γ−ブチロラクトン等のエステル;エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等の炭酸エステル;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル等の2官能アルコールアルキルエーテル;エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等の2官能アルコールアルキルエーテルアセテート;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド等が挙げられる。
これらの化合物は、単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0035】
(A)成分の重量平均分子量は、好ましくは1.0×103〜1.0×106、より好ましくは3.0×103〜5.0×105、更に好ましくは5.0×103〜3.0×105である。1.0×103以上であると、分子量が大きいため強靭性が良好となり脆くなることがなく、1.0×106以下であると、現像液に対する溶解性や、(B)成分や(C)成分との相溶性が良好となるため好ましい。
なお、本発明における重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で測定し、標準ポリスチレン換算した値である。
【0036】
(A)成分の酸価は、後述のアルカリ現像液により現像可能となるような値で規定される。
アルカリ現像液としてアルカリ水溶液からなる水系アルカリ現像液を用いる場合、(A)成分の酸価は、好ましくは30〜250mgKOH/g、より好ましくは35〜200mgKOH/g、更に好ましくは40〜170mgKOH/gである。30mgKOH/g以上であると、アルカリ現像液への溶解性が良好であり、250mgKOH/g以下であると、現像により除去されずにパターンとなる部分が、現像液によって侵されない性質である耐現像液性が良好となるため好ましい。
【0037】
また、アルカリ現像液としてアルカリ水溶液と1種以上の有機溶剤からなる準水系アルカリ現像液を用いる場合、(A)成分の酸価は、好ましくは20〜200mgKOH/g、より好ましくは25〜170mgKOH/g、更に好ましくは30〜150mgKOH/gである。20mgKOH/g以上であると、アルカリ現像液への溶解性が良好であり、200mgKOH/g以下であると、耐現像液性が良好となる。
【0038】
<(B)ウレタン結合を有する(メタ)アクリレート>
本発明の光導波路形成用樹脂組成物は、ウレタン結合を有する(B)ウレタン(メタ)アクリレートを含む。(B)成分を配合することで、強靭性を向上させることができる。
(B)成分の配合量は、(E)成分を含まない場合、(A)〜(C)成分の総量に対して、好ましくは10〜85質量%、より好ましくは15〜80質量%、更に好ましくは20〜75質量%である。10質量%以上であると、強靭性が良好となり脆くなることがなく、85質量%以下であると、(A)成分のカルボキシル基と(C)成分のエポキシ基が反応して十分な架橋構造を形成するため、耐熱性が良好となるため好ましい。
また、(E)成分を含む場合の(A)成分の配合量は、(A)〜(C)、及び(E)成分の総量に対して、上記と同様の観点から、好ましくは5〜80質量%、より好ましくは10〜75質量%、更に好ましくは15〜70質量%である。
【0039】
(B)成分としては、特に制限はなく、例えば、下記(I)〜(IV)で表されるウレタン(メタ)アクリレートが挙げられる。
(I)2官能アルコール化合物と、2官能イソシアネート化合物と、水酸基を有する(メタ)アクリレートとを反応させて得られるウレタン(メタ)アクリレート。
(II)2官能アルコール化合物と、2官能イソシアネート化合物と、イソシアネート基を有する(メタ)アクリレートとを反応させて得られるウレタン(メタ)アクリレート。
(III)多官能イソシアネート化合物と、水酸基を有する(メタ)アクリレートとを反応させて得られるウレタン(メタ)アクリレート。
(IV)多官能アルコール化合物と、イソシアネート基を有する(メタ)アクリレートとを反応させて得られるウレタン(メタ)アクリレート。
【0040】
2官能アルコール化合物、すなわちジオール化合物としては、特に制限はなく、例えば、ポリエーテルジオール化合物、ポリエステルジオール化合物、ポリカーボネートジオール化合物、ポリカプロラクトンジオール化合物等が挙げられる。
【0041】
ポリエーテルジオール化合物としては、特に制限はなく、例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、イソブテンオキシド、ブチルグリシジルエーテル、ブテン−1−オキシド、3,3−ビスクロロメチルオキセタン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、3−メチルテトラヒドロフラン、シクロヘキセンオキシド、スチレンオキシド、フェニルグリシジルエーテル、安息香酸グリシジルエステル等の環状エーテル化合物から選ばれる少なくとも1種を開環(共)重合することにより得られるポリエーテルジオール化合物;シクロヘキサンジメタノール、トリシクロデカンジメタノール、水添ビスフェノールA、水添ビスフェノールF等の脂環式ジオール化合物に上記環状エーテル化合物から選ばれる少なくとも1種を開環付加することにより得られるポリエーテルジオール化合物;ヒドロキノン、レゾルシノール、カテコール、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールAF、ビフェノール、フルオレンビスフェノール等の2官能フェノール化合物に上記環状エーテル化合物から選ばれる少なくとも1種を開環付加することにより得られるポリエーテルジオール化合物等が挙げられる。
【0042】
ポリエステルジオール化合物としては、特に制限はなく、例えば、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等の2官能カルボン酸化合物とエチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブタンジオール、ジブタンジオール、ポリブタンジオール、ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ヘプタンジオール、オクタンジオール、ノナンジオール、デカンジオール、シクロヘキサンジメタノール、トリシクロデカンジメタノール等のジオール化合物を共重合して得られるポリエステルポリオール化合物等が挙げられる。
【0043】
ポリカーボネートジオール化合物としては、特に制限はなく、例えば、ホスゲン、トリホスゲン、ジアルキルカーボネート、ジアリールカーボネート等とエチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブタンジオール、ジブタンジオール、ポリブタンジオール、ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ヘプタンジオール、オクタンジオール、ノナンジオール、デカンジオール、シクロヘキサンジメタノール、トリシクロデカンジメタノール、水添ビスフェノールA、水添ビスフェノールF等のジオール化合物を共重合して得られるポリカーボネートジオール化合物等が挙げられる。
【0044】
ポリカプロラクトンジオール化合物としては、特に制限はなく、例えば、ε−カプロラクトンとエチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブタンジオール、ジブタンジオール、ポリブタンジオール、ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ヘプタンジオール、オクタンジオール、ノナンジオール、デカンジオール、シクロヘキサンジメタノール、トリシクロデカンジメタノール等のジオール化合物を共重合して得られるポリカプロラクトンジオール化合物等が挙げられる。
【0045】
その他のジオール化合物としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ブタンジオール、ジブタンジオール、ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ヘプタンジオール、オクタンジオール、ノナンジオール、デカンジオール等の脂肪族ジオール化合物;シクロヘキサンジメタノール、トリシクロデカンジメタノール、水添ビスフェノールA、水添ビスフェノールF等の脂環式ジオール化合物;ポリブタジエン変性ジオール化合物、水添ポリブタジエン変性ジオール化合物、ジリコーン変性ジオール化合物等の変性ジオール化合物等が挙げられる。
以上のジオール化合物は、単独又は2種以上組み合わせて用いることができる。
【0046】
2官能イソシアネート化合物としては、特に制限はなく、例えば、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイシシアネート、デカメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート等の脂肪族2官能イソシアネート化合物;1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、イソホロンジイソシアネート、2,5−ビス(イソシアナトメチル)ノルボルネン、ビス(4−イソシアナトシクロヘキシル)メタン、1,2−ビス(4−イソシアナトシクロヘキシル)エタン、2,2−ビス(4−イソシアナトシクロヘキシル)プロパン、2,2−ビス(4−イソシアナトシクロヘキシル)ヘキサフルオロプロパン、ビシクロヘプタントリイソシアネート等の脂環式2官能イソシアネート化合物;2,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、ナフタレン−1,5−ジイソシアネート、o−キシリレンジイソシアネート、m−キシリレンジイソシアネート等の芳香族2官能イソシアネート化合物等が挙げられる。これらの化合物は、単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0047】
水酸基を有する(メタ)アクリレートとしては、特に制限はなく、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−(o−フェニルフェノキシ)プロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−(1−ナフトキシ)プロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−(2−ナフトキシ)プロピル(メタ)アクリレート等の単官能(メタ)アクリレート、これらのエトキシ化体、これらのプロポキシ化体、これらのエトキシ化プロポキシ化体、及びこれらのカプロラクトン変性体;ビス(2−(メタ)アクリロイロキシエチル)(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート等の2官能(メタ)アクリレート、これらのエトキシ化体、これらのプロポキシ化体、これらのエトキシ化プロポキシ化体、及びこれらのカプロラクトン変性体;シクロヘキサンジメタノール型エポキシジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノール型エポキシジ(メタ)アクリレート、水添ビスフェノールA型エポキシジ(メタ)アクリレート、水添ビスフェノールF型エポキシジ(メタ)アクリレート、ヒドロキノン型エポキシジ(メタ)アクリレート、レゾルシノール型エポキシジ(メタ)アクリレート、カテコール型エポキシジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールA型エポキシジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールF型エポキシジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAF型エポキシジ(メタ)アクリレート、ビフェノール型エポキシジ(メタ)アクリレート、フルオレンビスフェノール型エポキシジ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸モノアリル型エポキシジ(メタ)アクリレート等の2官能エポキシ(メタ)アクリレート;ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等の3官能以上の(メタ)アクリレート、これらのエトキシ化体、これらのプロポキシ化体、これらのエトキシ化プロポキシ化体、及びこれらのカプロラクトン変性体;フェノールノボラック型エポキシ(メタ)アクリレート、クレゾールノボラック型エポキシポリ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸型エポキシトリ(メタ)アクリレート等の3官能以上のエポキシ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの化合物は、単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0048】
ここで、(メタ)アクリレートのエトキシ化体、プロポキシ化体、エトキシ化プロポキシ化体とは、原料となるアルコール化合物又はフェノール化合物(例えば、単官能(メタ)アクリレート;CH2=CH(R6)−COO−R7(R6は水素原子又はメチル基、R7は1価の有機基)の場合は、HO−R7で示されるもの)の代わりに、上記アルコール化合物又はフェノール化合物に、それぞれ、1以上のエチレンオキシドを付加した構造のアルコール化合物、1以上のプロピレンオキシドを付加した構造のアルコール化合物、又は1以上のエチレンオキシド及びプロピレンオキシドを付加した構造のアルコール化合物を、原料に用いて得られる(メタ)アクリレートを示す(例えば、エトキシ化体の場合はCH2=CH(R6)−COO−(CH2CH2O)q−R7(qは1以上の整数、R6、R7は上記と同様)で示される)。また、カプロラクトン変性体とは、(メタ)アクリレートの原料となるアルコール化合物をε−カプロラクトンで変性したアルコール化合物を、原料に用いて得られる(メタ)アクリレートを示す(例えば、単官能(メタ)アクリレートのカプロラクトン変性体の場合、CH2=CH(R6)−COO−((CH25COO)q−R7(q、R6、R7は上記と同様))で示される)。
【0049】
イソシアネート基を有する(メタ)アクリレートとしては、特に制限はなく、例えば、N−(メタ)アクリロイルイソシアネート、(メタ)アクリロイルオキシメチルイソシアネート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネート、2−(メタ)アクリロイルオキシエトキシエチルイソシアネート、1,1−ビス((メタ)アクリロイルオキシメチル)エチルイソシアネート等が挙げられる。
これらの化合物は、単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0050】
多官能イソシアネート化合物としては、特に制限はなく、例えば、上記2官能イソシアネート化合物;上記2官能イソシアネート化合物のウレトジオン型二量体、イソシアヌレート型、ビウレット型三量体等の多量体等が挙げられる。なお多量体を構成する2つ又は3つの2官能イソシアネート化合物は、同一でも異なっていてもよい。
これらの化合物は、単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0051】
多官能アルコール化合物としては、特に制限はなく、例えば、上記2官能アルコール化合物;トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジトリメチロールプロパン、ジペンタエリスリトール、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート等の3官能以上のアルコール化合物、これらに上記環状エーテル化合物から選ばれる少なくとも1種を開環付加することにより得られる付加体、これらのカプロラクトン変性体;フェノールノボラック、クレゾールノボラック等の3官能以上のフェノール化合物に上記環状エーテル化合物から選ばれる少なくとも1種を開環付加することにより得られるアルコール化合物、これらのカプロラクトン変性体が挙げられる。
これらの化合物は、単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0052】
これらの(B)成分の中でも、透明性及び耐熱性の観点から、分子内に脂環構造、芳香環構造、及び複素環構造からなる群から選ばれた少なくとも1種を有するウレタン(メタ)アクリレートが好ましい。
【0053】
また、耐熱性及びアルカリ現像液への溶解性の観点から、(B)成分として、カルボキシル基を有するウレタン(メタ)アクリレートを含むことが好ましい。
カルボキシル基を有するウレタン(メタ)アクリレートとしては、特に制限はなく、例えば、前述のウレタン(メタ)アクリレートを合成する際に、カルボキシル基含有ジオール化合物と上記ジオール化合物とを併用して得られる化合物、上記ジオール化合物の代わりにカルボキシル基含有ジオール化合物を用いて得られる化合物等が挙げられる。
カルボキシル基含有ジオール化合物としては、特に制限はなく、例えば、2,2−ジメチロールブタン酸、2,2−ジメチロールプロピオン酸、2,2−ジメチロール酪酸、2,2−ジメチロールペンタン酸等が挙げられる。これらの化合物は、単独で又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。
【0054】
カルボキシル基を有するウレタン(メタ)アクリレートは、後述のアルカリ現像液により現像可能となるように酸価を規定することができる。当該カルボキシル基を有するウレタン(メタ)アクリレートの酸価は、好ましくは5〜200mgKOH/g、より好ましくは10〜170mgKOH/g、更に好ましくは15〜150mgKOH/gである。5mgKOH/g以上であると、アルカリ現像液への溶解性が良好となり、200mgKOH/g以下であると、耐現像液性が良好となるため好ましい。
【0055】
<(C)分子内に2つ以上のエポキシ基を有する化合物>
本発明の光導波路形成用樹脂組成物は、(C)分子内に2つ以上のエポキシ基を有する化合物を含む。(C)成分を配合することで、加熱により、(C)成分のエポキシ基と(A)成分のカルボキシル基とが反応し、新たな架橋構造を形成されるため、光導波路の耐熱性及び環境信頼性を向上させることができる。
(C)成分の配合量は、(E)成分を含まない場合、(A)〜(C)成分の総量に対して、好ましくは1〜40質量%、より好ましくは3〜35質量%、更に好ましくは5〜30質量%である。1質量%以上であると、十分な架橋構造を形成され、耐熱性が良好となり、40質量%以下であると、強靭性が良好となり脆くなることがないため好ましい。
また、(E)成分を含む場合の(C)成分の配合量は、上記と同様の観点から、(A)〜(C)及び(E)成分の総量に対して、好ましくは1〜40質量%、より好ましくは3〜35質量%、更に好ましくは5〜30質量%である。
【0056】
(C)成分としては、例えば、ポリエチレングリコール型エポキシ樹脂、ポリプロピレングリコール型エポキシ樹脂等の多官能脂肪族アルコールグリシジルエーテル;水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールF型エポキシ樹脂、水添2,2'−ビフェノール型エポキシ樹脂、水添4,4'−ビフェノール型エポキシ樹脂、トリシクロデカンジメタノール型エポキシ樹脂等の多官能脂環式アルコールグリシジルエーテル;ビスフェノールA型エポキシ樹脂、テトラブロモビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、フルオレンビスフェノール型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、クレゾールアラルキル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン−フェノール型エポキシ樹脂等の多官能フェノールグリシジルエーテル;エトキシ化イソシアヌレート型エポキシ樹脂等の多官能複素環式エポキシ樹脂;シロキサン型エポキシ樹脂等の多官能ケイ素含有エポキシ樹脂等が挙げられる。
これらの中でも、透明性及び耐熱性の観点から、分子内に脂環構造、芳香環構造、及び複素環構造からなる群から選ばれた少なくとも1種を有する化合物が好ましく、具体的には上記多官能脂環式アルコールグリシジルエーテル;上記多官能フェノールグリシジルエーテル;上記多官能複素環式エポキシ樹脂がより好ましい。
これらの化合物は、単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0057】
前述のエポキシ基とカルボキシル基の反応は、加熱しなくても室温でも進行する。露光現像によりコアパターンを形成する前に反応が進行すると、架橋構造を形成し現像液に不溶となるため、保管中の反応を抑制する必要がある。
(C)成分のエポキシ当量は、好ましくは250〜1000g/eq、より好ましくは260〜750g/eq、更に好ましくは270〜500g/eqである。250g/eq以上であると、耐熱性を向上することができると共に、光導波路形成用樹脂組成物、及び該樹脂組成物からなる後述の光導波路形成用樹脂フィルムの保管中に起こり得るエポキシ基と(A)成分のカルボキシル基の反応を抑制することができ、保存安定性を向上させることができる。一方、1000g/eq以下であると、架橋構造を十分に形成することができ、耐熱性を向上することができると共に、現像液への溶解性が良好となるため好ましい。
【0058】
エポキシ当量が上記の好適範囲に属するエポキシ樹脂として、市販のものでは、例えば、ジャパンエポキシレジン(株)製「エピコートYX8034」(エポキシ当量290g/eq)、「エピコートYL7170」(エポキシ当量1000g/eq)、東都化成(株)製「エポトートST−4000D」(エポキシ当量700g/eq)等の水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂;ジャパンエポキシレジン(株)製「エピコート834」(エポキシ当量250g/eq)、「エピコート1001」(エポキシ当量475g/eq)、「エピコート1002」(エポキシ当量650g/eq)、「エピコート1003」(エポキシ当量720g/eq)、「エピコート1003F」(エポキシ当量750g/eq)、「エピコート1004FS」(エポキシ当量810g/eq)、「エピコート1055」(エポキシ当量850g/eq)、「エピコート1004」(エポキシ当量925g/eq)、「エピコート1004AF」(エポキシ当量925g/eq)、「エピコート1004F」(エポキシ当量925g/eq)、「エピコート1005F」(エポキシ当量1000g/eq)、「エピコート1006FS」(エポキシ当量1000g/eq)、東都化成(株)製「エポトートYD−134」(エポキシ当量250g/eq)、「エポトートYD−011」(エポキシ当量475g/eq)、「エポトートYD−7011R」(エポキシ当量475g/eq)、「エポトートYD−901」(エポキシ当量475g/eq)、「エポトートYD−012」(エポキシ当量650g/eq)、「エポトートYD−902」(エポキシ当量650g/eq)、「エポトートYD−903N」(エポキシ当量810g/eq)、「エポトートYD−013」(エポキシ当量850g/eq)、「エポトートYD−014」(エポキシ当量950g/eq)、「エポトートYD−904」(エポキシ当量950g/eq)等のビスフェノールA型エポキシ樹脂;新日本理化(株)製「リカレジンBEO−60E」(エポキシ当量365g/eq)等のエトキシ化ビスフェノールA型エポキシ樹脂;ジャパンエポキシレジン(株)製「エピコート4004P」(エポキシ当量880g/eq)、東都化成(株)製「エポトートYDF−2001」(エポキシ当量475g/eq)、「エポトートYDF−2004」(エポキシ当量950g/eq)等のビスフェノールF型エポキシ樹脂;東都化成(株)製「エポトートYDB−360」(エポキシ当量360g/eq)、「エポトートYDB−400」(エポキシ当量400g/eq)、「エポトートYDB−405」(エポキシ当量580g/eq)等のテトラブロモビスフェノールA型エポキシ樹脂;DIC(株)製「エピクロンEXA−7400」(エポキシ当量290g/eq)等のビフェニル型エポキシ樹脂;ナガセケムテックス(株)製「オンコートEX−1060」(エポキシ当量265g/eq)、「オンコートEX−1012」(エポキシ当量292g/eq)、「オンコートEX−1020」(エポキシ当量305g/eq)、「オンコートEX−1050」(エポキシ当量312g/eq)、「オンコートEX−1051」(エポキシ当量315g/eq)等のフルオレンビスフェノール型エポキシ樹脂;日本化薬(株)製「NC−3000」(エポキシ当量275g/eq)、「NC−3000−H」(エポキシ当量290g/eq)等のビフェニル/フェノールノボラック型エポキシ樹脂;DIC(株)製「エピクロンHP−5000」(エポキシ当量250g/eq)、「エピクロンEXA−9900」(エポキシ当量275g/eq)等のナフタレン/クレゾールノボラック型エポキシ樹脂;日本化薬(株)製「BREN−105」(エポキシ当量275g/eq)、「BREN−S」(エポキシ当量285g/eq)、「BREN−304」(エポキシ当量310g/eq)等のブロモフェノールノボラック型エポキシ樹脂;DIC(株)製「エピクロンHP−7200」(エポキシ当量260g/eq)、「エピクロンHP−7200H」(エポキシ当量280g/eq)等のジシクロペンタジエン/フェノール型エポキシ樹脂;ナガセケムテックス(株)製「デナコールEX−301」(エポキシ当量270g/eq)等のエトキシ化イソシアヌレート型エポキシ樹脂;DIC(株)製「エピクロンEXA−4850−1000」(エポキシ当量350g/eq)、「エピクロンEXA−4822」(エポキシ当量390g/eq)、「エピクロンEXA−4816」(エポキシ当量400g/eq)、「エピクロンEXA−4850−150」(エポキシ当量450g/eq)等の柔軟強靭性エポキシ樹脂;ジャパンエポキシレジン(株)製「エピコート7217」(エポキシ当量440g/eq)、「エピコート7175−500」(エポキシ当量490g/eq)等の可撓性エポキシ樹脂等が挙げられる。
なお、ここで記載したエポキシ当量の値は、カタログ等で報告されている値である。
【0059】
<(D)ラジカル重合開始剤>
本発明の光導波路形成用樹脂組成物は、(D)ラジカル重合開始剤を含む。(D)成分を配合することで、熱又は紫外線、可視光線等の活性光線の照射により、(B)成分のラジカル重合が開始し、当該樹脂組成物を硬化することができる。
(D)成分の配合量は、(E)成分を含まない場合、(A)〜(C)成分の総量100質量部に対して、好ましくは0.01〜10質量部、より好ましくは0.05〜7質量部、更に好ましくは0.1〜5質量部である。0.01質量部以上であると、硬化が十分となり、10質量部以下であると、透明性が良好となるため好ましい。
また、(E)成分を含む場合の(D)成分の配合量は、上記と同様の観点から、(A)〜(C)及び(E)成分の総量100質量部に対して、好ましくは0.01〜10質量部、より好ましくは0.05〜7質量部、更に好ましくは0.1〜5質量部である。
【0060】
(D)成分としては、加熱又は紫外線、可視光線等の活性光線の照射によってラジカル重合を開始させるものであれば特に制限はなく、例えば、熱ラジカル重合開始剤、光ラジカル重合開始剤等が挙げられる。
熱ラジカル重合開始剤としては、特に制限はなく、上記(メタ)アクリルポリマーを合成する際に用いられる熱ラジカル重合開始剤と同様のものを好適に挙げることができる。
それらの中でも、硬化性、透明性、及び耐熱性の観点から、ジアシルパーオキシド、パーオキシエステル、及びアゾ化合物が好ましい。
【0061】
光ラジカル重合開始剤としては、紫外線、可視光線等の活性光線の照射によってラジカル重合を開始させるものであれば特に制限はなく、例えば、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン等のベンゾインケタール;1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−1−{4[4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオニル)ベンジル]フェニル}−2−メチルプロパン−1−オン等のα−ヒドロキシケトン;フェニルグリオキシル酸メチル、フェニルグリオキシル酸エチル、オキシフェニル酢酸2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチル、オキシフェニル酢酸2−(2−オキソ−2−フェニルアセトキシエトキシ)エチル等のグリオキシエステル;2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリン−4−イルフェニル)−ブタン−1−オン、2−ジメチルアミノ−2−(4−メチルベンジル)−1−(4−モルフォリン−4−イルフェニル)−ブタン−1−オン、1,2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−(4−モルフォリン)−2−イルプロパン−1−オン等のα−アミノケトン;1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ),2−(O−ベンゾイルオキシム)]、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル],1−(O−アセチルオキシム)等のオキシムエステル;ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキシド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド等のホスフィンオキシド;2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジ(メトキシフェニル)イミダゾール二量体、2−(o−フルオロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(p−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体等の2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体;ベンゾフェノン、N,N’−テトラメチル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン、N,N’−テトラエチル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン、4−メトキシ−4’−ジメチルアミノベンゾフェノン等のベンゾフェノン化合物;2−エチルアントラキノン、フェナントレンキノン、2−tert−ブチルアントラキノン、オクタメチルアントラキノン、1,2−ベンズアントラキノン、2,3−ベンズアントラキノン、2−フェニルアントラキノン、2,3−ジフェニルアントラキノン、1−クロロアントラキノン、2−メチルアントラキノン、1,4−ナフトキノン、9,10−フェナントラキノン、2−メチル−1,4−ナフトキノン、2,3−ジメチルアントラキノン等のキノン化合物;ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル等のベンゾインエーテル;ベンゾイン、メチルベンゾイン、エチルベンゾイン等のベンゾイン化合物;ベンジルジメチルケタール等のベンジル化合物;9−フェニルアクリジン、1,7−ビス(9、9’−アクリジニルヘプタン)等のアクリジン化合物:N−フェニルグリシン、クマリン等が挙げられる。
また、上記2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体において、2つのトリアリールイミダゾール部位のアリール基の置換基は、同一で対称な化合物を与えてもよく、相違して非対称な化合物を与えてもよい。
これらの中でも、硬化性及び透明性の観点から、上記α−ヒドロキシケトン;上記グリオキシエステル;上記オキシムエステル;上記ホスフィンオキシドが好ましい。
以上のラジカル重合開始剤(熱ラジカル重合開始剤及び光ラジカル重合開始剤等)は、単独又は2種以上を組み合わせて用いることができ、さらに適切な増感剤と組み合わせて用いてもよい。
【0062】
<(E)ウレタン結合を有さない(メタ)アクリレート>
本発明の光導波路形成用樹脂組成物は、更に(E)ウレタン結合を有さない(メタ)アクリレートを含むことが好ましい。
(E)成分の配合量は、(A)〜(C)及び(E)成分の総量に対して、好ましくは5〜80質量%、より好ましくは10〜60質量%、更に好ましくは15〜40質量%である。5質量%以上であると、(B)成分と反応して十分な架橋構造を形成するため、耐熱性が良好となり、80質量%以下であると、強靭性が良好となり脆くなることがないため好ましい。
【0063】
(E)成分としては、特に制限はなく、単官能(メタ)アクリレート、2官能(メタ)アクリレート、及び3官能以上の(メタ)アクリレートのいずれも用いることができる。
【0064】
単官能(メタ)アクリレートとしては、特に制限はなく、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、オクチルヘプチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ウンデシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、テトラデシル(メタ)アクリレート、ペンタデシル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、モノ(2-(メタ)アクリロイルオキシエチル)スクシネート等の脂肪族(メタ)アクリレート、これらのエトキシ化体、これらのプロポキシ化体、これらのエトキシ化プロポキシ化体、及びこれらのカプロラクトン変性体;シクロペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、モノ(2-(メタ)アクリロイルオキシエチル)テトラヒドロフタレート、モノ(2-(メタ)アクリロイルオキシエチル)ヘキサヒドロフタレート等の脂環式(メタ)アクリレート、これらのエトキシ化体、これらのプロポキシ化体、これらのエトキシ化プロポキシ化体、及びこれらのカプロラクトン変性体;フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、o−ビフェニル(メタ)アクリレート、1−ナフチル(メタ)アクリレート、2−ナフチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、p−クミルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、o−フェニルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、1−ナフトキシエチル(メタ)アクリレート、2−ナフトキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−(o−フェニルフェノキシ)プロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−(1−ナフトキシ)プロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−(2−ナフトキシ)プロピル(メタ)アクリレート等の芳香族(メタ)アクリレート、これらのエトキシ化体、これらのプロポキシ化体、これらのエトキシ化プロポキシ化体、及びこれらのカプロラクトン変性体;2−テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、N−(メタ)アクリロイルオキシエチルテトラヒドロフタルイミド、N−(メタ)アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタルイミド、イソシアヌル酸モノ(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−N−カルバゾール等の複素環式(メタ)アクリレート、これらのエトキシ化体、これらのプロポキシ化体、これらのエトキシ化プロポキシ化体、及びこれらのカプロラクトン変性体等が挙げられる。
【0065】
これらの中でも、透明性及び耐熱性の観点から、分子内に脂環構造、芳香環構造、及び複素環構造からなる群から選ばれた少なくとも1種を有する化合物が好ましく、具体的にはシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート等の脂環式(メタ)アクリレート、これらのエトキシ化体、これらのプロポキシ化体、これらのエトキシ化プロポキシ化体、及びこれらのカプロラクトン変性体;ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、p−クミルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、o−フェニルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−(o−フェニルフェノキシ)プロピル(メタ)アクリレート等の芳香族(メタ)アクリレート、これらのエトキシ化体、これらのプロポキシ化体、これらのエトキシ化プロポキシ化体、及びこれらのカプロラクトン変性体;N−(メタ)アクリロイルオキシエチルテトラヒドロフタルイミド、N−(メタ)アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタルイミド、イソシアヌル酸モノ(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−N−カルバゾール等の複素環式(メタ)アクリレート、これらのエトキシ化体、これらのプロポキシ化体、これらのエトキシ化プロポキシ化体、及びこれらのカプロラクトン変性体がより好ましい。なお、エトキシ化体、プロポキシ化体、エトキシ化プロポキシ化体、カプロラクトン変性体とは、上述のとおりである。
【0066】
2官能(メタ)アクリレートとしては、特に制限はなく、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、2−メチル−1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、3−メチル−1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート等の脂肪族(メタ)アクリレート、これらのエトキシ化体、これらのプロポキシ化体、これらのエトキシ化プロポキシ化体、及びこれらのカプロラクトン変性体;エチレングリコール型エポキシジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコール型エポキシジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール型エポキシジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコール型エポキシジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコール型エポキシジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール型エポキシジ(メタ)アクリレート、1,3−プロパンジオール型エポキシジ(メタ)アクリレート、2−メチル−1,3−プロパンジオール型エポキシジ(メタ)アクリレート、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール型エポキシジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオール型エポキシジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコール型エポキシジ(メタ)アクリレート、3−メチル−1,5−ペンタンジオール型エポキシジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオール型エポキシジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオール型エポキシジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオール型エポキシジ(メタ)アクリレート等の脂肪族エポキシ(メタ)アクリレート;シクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、水添ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、水添ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート等の脂環式(メタ)アクリレート、これらのエトキシ化体、これらのプロポキシ化体、これらのエトキシ化プロポキシ化体、及びこれらのカプロラクトン変性体;シクロヘキサンジメタノール型エポキシジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノール型エポキシジ(メタ)アクリレート、水添ビスフェノールA型エポキシジ(メタ)アクリレート、水添ビスフェノールF型エポキシジ(メタ)アクリレート等の脂環式エポキシ(メタ)アクリレート;ヒドロキノンジ(メタ)アクリレート、レゾルシノールジ(メタ)アクリレート、カテコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAFジ(メタ)アクリレート、ビフェノールジ(メタ)アクリレート、フルオレンビスフェノールジ(メタ)アクリレート等の芳香族(メタ)アクリレート、これらのエトキシ化体、これらのプロポキシ化体、これらのエトキシ化プロポキシ化体、及びこれらのカプロラクトン変性体;ヒドロキノン型エポキシジ(メタ)アクリレート、レゾルシノール型エポキシジ(メタ)アクリレート、カテコール型エポキシジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールA型エポキシジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールF型エポキシジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAF型エポキシジ(メタ)アクリレート、ビフェノール型エポキシジ(メタ)アクリレート、フルオレンビスフェノール型エポキシジ(メタ)アクリレート等の芳香族エポキシ(メタ)アクリレート;ビス(2−(メタ)アクリロイロキシエチル)(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート等の複素環式(メタ)アクリレート、これらのエトキシ化体、これらのプロポキシ化体、これらのエトキシ化プロポキシ化体、及びこれらのカプロラクトン変性体;イソシアヌル酸モノアリル型エポキシジ(メタ)アクリレート等の複素環式(メタ)アクリレート等が挙げられる。なお、エトキシ化体、プロポキシ化体、エトキシ化プロポキシ化体、カプロラクトン変性体とは、上述のとおりである。
【0067】
これらの中でも、透明性及び耐熱性の観点から、分子内に脂環構造、芳香環構造、及び複素環構造からなる群から選ばれた少なくとも1種を有する化合物が好ましく、具体的には上記脂環式(メタ)アクリレート、これらのエトキシ化体、これらのプロポキシ化体、これらのエトキシ化プロポキシ化体、及びこれらのカプロラクトン変性体;上記脂環式エポキシ(メタ)アクリレート;ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAFジ(メタ)アクリレート、ビフェノールジ(メタ)アクリレート、フルオレンビスフェノールジ(メタ)アクリレート等の芳香族(メタ)アクリレート、これらのエトキシ化体、これらのプロポキシ化体、これらのエトキシ化プロポキシ化体、及びこれらのカプロラクトン変性体;ビスフェノールA型エポキシジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールF型エポキシジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAF型エポキシジ(メタ)アクリレート、ビフェノール型エポキシジ(メタ)アクリレート、フルオレンビスフェノール型エポキシジ(メタ)アクリレート等の芳香族エポキシ(メタ)アクリレート;上記複素環式(メタ)アクリレート、これらのエトキシ化体、これらのプロポキシ化体、これらのエトキシ化プロポキシ化体、及びこれらのカプロラクトン変性体がより好ましい。
【0068】
3官能以上の(メタ)アクリレートとして、特に制限はなく、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の脂肪族(メタ)アクリレート、これらのエトキシ化体、これらのプロポキシ化体、これらのエトキシ化プロポキシ化体、及びこれらのカプロラクトン変性体;フェノールノボラック型エポキシ(メタ)アクリレート、クレゾールノボラック型エポキシポリ(メタ)アクリレート等の芳香族エポキシ(メタ)アクリレート;トリス(2−(メタ)アクリロイロキシエチル)イソシアヌレート等の複素環式(メタ)アクリレート、これらのエトキシ化体、これらのプロポキシ化体、これらのエトキシ化プロポキシ化体、及びこれらのカプロラクトン変性体;イソシアヌル酸型エポキシトリ(メタ)アクリレート等の複素環式(メタ)エポキシアクリレート等が挙げられる。なお、エトキシ化体、プロポキシ化体、エトキシ化プロポキシ化体、カプロラクトン変性体とは、上述のとおりである。
これらの中でも、透明性及び耐熱性の観点から、その分子内に脂環構造、芳香環構造、及び複素環構造からなる群から選ばれた少なくとも1種を有する化合物が好ましく、具体的には上記芳香族エポキシ(メタ)アクリレート;上記複素環式(メタ)アクリレート;上記イソシアヌル酸型エポキシ(メタ)アクリレートがより好ましい。
以上のウレタン結合を有さない(メタ)アクリレートは、単独又は2種以上を組み合わせて用いることができ、更にその他の重合性化合物と組み合わせて用いることもできる。
【0069】
<(F)硬化促進剤>
本発明の光導波路形成用樹脂組成物は、更に(F)硬化促進剤を含むことが好ましい。
(F)成分の配合量は、(E)成分を含まない場合、(A)〜(C)成分の総量100質量部に対して、好ましくは0.01〜10質量部、より好ましくは0.05〜7質量部、更に好ましくは0.1〜5質量部である。0.01質量部以上であると、(A)成分のカルボキシル基と(C)成分のエポキシ基の反応を促進させ十分な架橋構造を形成できるため、耐熱性が良好となり、10質量部以下であると、(A)成分のカルボキシル基と(C)成分のエポキシ基成分の反応を抑制することができ、保存安定性を向上させることができるため好ましい。
また、(E)成分を含む場合の(F)成分の配合量は、上記と同様の観点から、(A)〜(C)及び(E)成分の総量100質量部に対して、好ましくは0.01〜10質量部、より好ましくは0.05〜7質量部、更に好ましくは0.1〜5質量部である。
【0070】
(F)成分としては、(A)成分のカルボキシル基と(C)成分のエポキシ基の反応を促進する化合物であれば、特に制限はなく、例えば、トリ−n−ブチルアミン、ベンジルメチルアミン、メチルアニリン等の2級アミン;トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリイソプロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、ジエチルイソプロピルアミン、ベンジルジメチルアミン、N,N−ジメチルアニリン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン等の3級アミン;ピロリジン、N−メチルピロリジン、ピペリジン、N−メチルピペリジン、モルホリン、N−メチルモルホリン、ピペラジン、N,N’−ジメチルピペラジン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン等の環状アミン;2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、2−エチル−1−メチルイミダゾール、1,2−ジエチルイミダゾール、1−エチル−2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、4−エチル−2−メチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[1,2−a]ベンズイミダゾール、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−ウンデシルイミダゾリル−(1’)]エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−エチル−4’−メチルイミダゾリル−(1’)]エチル−s−トリアジン等のイミダゾール化合物;上記イミダゾール化合物のトリメリト酸付加体;上記イミダゾール化合物のイソシアヌル酸付加体;上記イミダゾール化合物の臭化水素酸付加体;塩化テトラ−n−ブチルアンモニウム、臭化テトラ−n−ブチルアンモニウム、ヨウ化テトラ−n−ブチルアンモニウム、塩化ベンジルトリメチルアンモニウム、臭化ベンジルトリメチルアンモニウム、ヨウ化ベンジルトリメチルアンモニウム等の4級アンモニウム塩等が挙げられる。
これらの中でも、透明性及び硬化性の観点から、上記イミダゾール化合物;上記イミダゾール化合物のトリメリト酸付加体;上記イミダゾール化合物のイソシアヌル酸付加体であることが好ましい。
これらの化合物は、単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0071】
<その他成分>
本発明の光導波路形成用樹脂組成物中に、必要に応じて、更に酸化防止剤、黄変防止剤、紫外線吸収剤、可視光吸収剤、着色剤、可塑剤、安定剤、充填剤等のいわゆる添加剤を本発明の効果に悪影響を与えない割合で添加してもよい。
【0072】
<有機溶剤>
本発明の光導波路形成用樹脂組成物は、好適な有機溶剤を用いて希釈し、光導波路形成用樹脂ワニスとして使用してもよい。当該樹脂ワニス中の固形分濃度は、好ましくは10〜80質量%、より好ましくは15〜75質量%、更に好ましくは20〜70質量%である。
有機溶剤としては、当該樹脂組成物を溶解し得る溶剤であれば特に制限はなく、上述の(メタ)アクリルポリマーを溶解し得る反応溶媒として用いる有機溶剤と同様のものを好適に挙げることができる。これらの有機溶剤は、単独又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0073】
<光導波路形成用樹脂組成物の調合>
光導波路形成用樹脂組成物を調合する際は、撹拌により混合することが好ましい。撹拌方法には特に制限はないが、撹拌効率の観点から、プロペラを用いた撹拌が好ましい。撹拌する際のプロペラの回転速度は、特に制限はないが、好ましくは10〜1,000rpm、より好ましくは50〜800rpm、更に好ましくは100〜500rpmである。10rpm以上であると、各成分が十分に混合され、1,000rpm以下であると、プロペラの回転による気泡の巻き込みが少なくなるため好ましい。
また、撹拌時間は、特に制限はないが、好ましくは1〜24時間である。撹拌時間が1時間以上であると、各成分が十分に混合され、24時間以下であると、調合時間を短縮することができ、生産性が向上するため好ましい。
【0074】
調合した光導波路形成用樹脂組成物は、フィルタを用いて濾過するのが好ましい。用いるフィルタの孔径としては、好ましくは50μm以下、より好ましくは30μm以下、更に好ましくは10μm以下である。孔径50μm以下のフィルタを用いることで、大きな異物等が除去されて塗布時にはじき等を生じることがなく、また、光の散乱が抑制され透明性が損なわれることがないため好ましい。
【0075】
調合した光導波路形成用樹脂組成物又は樹脂ワニスは、減圧下で脱泡することが好ましい。脱泡方法には、特に制限はないが、例えば、真空ポンプとベルジャー、真空装置付き脱泡装置を用いる方法が挙げられる。減圧時の圧力は、特に制限はないが、樹脂組成物に含まれる低沸点成分が沸騰しない圧力が好ましい。減圧脱泡時間は、特に制限はないが、好ましくは3〜60分である。3分以上であれば、樹脂組成物内に溶解した気泡を取り除くことができ、60分以下であれば、樹脂組成物に含まれる有機溶剤が揮発することがなく、かつ脱泡時間を短縮することができ、生産性が向上するため好ましい。
【0076】
〔光導波路形成用樹脂フィルム〕
本発明の光導波路形成用樹脂フィルムは、光導波路形成用樹脂組成物を用いて形成され、上記(A)〜(D)成分、更に必要に応じて配合する(E)及び(F)成分を含む光導波路形成用樹脂組成物を好適な支持フィルムに塗布し、樹脂層を形成することにより容易に製造することができる。また、有機溶剤で希釈された光導波路形成用樹脂ワニスを用いる場合、当該樹脂ワニスを支持フィルムに塗布し、乾燥等の方法を用いて有機溶剤を除去して、樹脂層を形成することができる。
【0077】
支持フィルムとしては、特に制限はなく、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル;ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン;ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルスルフィド、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルケトン、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリレート、ポリスルホン、液晶ポリマー等が挙げられる。
これらの中でも、柔軟性及び強靭性の観点から、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリレート、ポリスルホンが好ましい。
なお、樹脂層との剥離性向上の観点から、シリコーン系化合物、含フッ素化合物等により離型処理が施された支持フィルムを必要に応じて用いてもよい。
【0078】
支持フィルムの厚みは、目的とする柔軟性により適宜変更されるが、好ましくは3〜250μm、より好ましくは5〜200μm、更に好ましくは7〜150μmである。3μm以上であると、フィルム強度が十分となり、250μm以下であると、十分な柔軟性が得られるため好ましい。
【0079】
乾燥後の樹脂層の厚みも、特に制限はないが、好ましくは5〜500μm、より好ましくは7〜450μm、更に好ましくは10〜400μmである。5μm以上であると、厚みが十分であるため、樹脂フィルム、又はその硬化物の強度が十分となり、500μm以下であると、乾燥が十分に行えるため樹脂フィルム中の残留溶剤量が増えることなく、樹脂フィルムの硬化物を加熱したときに発泡することがないため好ましい。
【0080】
上記の光導波路形成用樹脂フィルムは、必要に応じて、保護フィルムを樹脂層上に貼り付け、支持フィルム、樹脂層、及び保護フィルムからなる3層構造としてもよい。
【0081】
保護フィルムとしては、特に制限はないが、柔軟性及び強靭性の観点から、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル;ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン等が好ましい。なお、樹脂層との剥離性向上の観点から、シリコーン系化合物、含フッ素化合物等により離型処理が施されたフィルムを必要に応じて用いてもよい。
【0082】
保護フィルムの厚みは、目的とする柔軟性により適宜変更されるが、好ましくは10〜250μm、より好ましくは15〜200μm、更に好ましくは20〜150μmである。10μm以上であると、フィルム強度が十分となり、250μm以下であると、十分な柔軟性が得られるため好ましい。
【0083】
このようにして得られた光導波路形成用樹脂フィルムは、例えば、ロール状に巻き取ることによって容易に保存することができる。また、ロール状のフィルムを好適なサイズに切り出して、シート状にして保存することもできる。
【0084】
以下、本発明の光導波路形成用樹脂フィルムの適用例について説明する。
なお、コア部形成用樹脂フィルムの製造過程で用いる支持フィルムとしては、コアパターン形成に用いる露光用活性光線が透過するものであれば特に制限はなく、例えば、前述の光導波路形成用樹脂フィルムの支持フィルムの具体例として記載されたものと同様のものを好適に挙げることができる。
それらの中でも、露光用活性光線の透過率、柔軟性、及び強靭性の観点から、ポリエステル;ポリオレフィンが好ましい。さらに、露光用活性光線の透過率向上及びコアパターンの側壁荒れ低減の観点から、高透明タイプな支持フィルムがより好ましい。このような高透明タイプな支持フィルムとして、市販のものでは、例えば、東洋紡績(株)製「コスモシャインA1517」、「コスモシャインA4100」、東レ(株)製「ルミラーFB50」等が挙げられる。
なお、樹脂層との剥離性向上の観点から、シリコーン系化合物、含フッ素化合物等により離型処理が施されたフィルムを必要に応じて用いてもよい。
【0085】
コア部形成用樹脂フィルムの支持フィルムの厚みは、好ましくは5〜50μm、より好ましくは10〜40μm、更に好ましくは15〜30μmである。5μm以上であると、支持体としての強度が十分となり、50μm以下であると、コアパターン形成時にフォトマスクとコア部形成用樹脂層のギャップが大きくならず、パターン解像度が良好となるため好ましい。
【0086】
〔光導波路〕
以下、本発明の光導波路について説明する。
図1の(a)に光導波路の断面図を示す。光導波路1は、基材5上に形成され、高屈折率であるコア部形成用樹脂組成物からなるコア部2、並びに低屈折率であるクラッド層形成用樹脂組成物からなる下部クラッド層4及び上部クラッド層3で構成されている。
本発明の光導波路形成用樹脂組成物又は光導波路形成用樹脂フィルムは、光導波路1の下部クラッド層4、コア部2、及び上部クラッド層3のうち、少なくとも1つに用いることが好ましい。本発明の光導波路形成用樹脂フィルムを用いることで、各層の平坦性、クラッドとコアの層間密着性、及び光導波路コアパターン形成時の解像度(細線又は狭線間対応性)をより向上させることができ、平坦性に優れ、線幅や線間の小さい微細パターンの形成が可能となる。
【0087】
基材5の材質としては、特に制限はなく、例えば、ガラスエポキシ樹脂基板、セラミック基板、ガラス基板、シリコン基板、プラスチック基板、金属基板、樹脂層付き基板、金属層付き基板、プラスチックフィルム、樹脂層付きプラスチックフィルム、金属層付きプラスチックフィルム等が挙げられる。
【0088】
光導波路1は、基材5として柔軟性及び強靭性のある基材、例えば、上記光導波路形成用樹脂フィルムの支持フィルムを基材として用いることで、フレキシブル光導波路としてもよく、このとき基材5を光導波路1の保護フィルムとして機能させてもよい。保護フィルムを配置することにより、保護フィルムの柔軟性及び強靭性を光導波路1に付与することが可能となり、また、光導波路1が汚れや傷を受けなくなるため、取り扱いやすさが向上する。
以上の観点から、図1の(b)のように上部クラッド層3の外側に保護フィルムとしての機能を有する基材5が配置されていたり、図1の(c)のように下部クラッド層4及び上部クラッド層3の両方の外側に保護フィルムとしての機能を有する基材5が配置されていたりしてもよい。
なお、光導波路1に柔軟性や強靭性が十分に備わっているならば、図1の(d)のように、保護フィルムとしての機能を有する基材5が配置されていなくてもよい。
【0089】
下部クラッド層4の厚みは、特に制限はないが、好ましくは2〜200μmである。2μm以上であると、伝搬光をコア内部に閉じ込めることが容易となり、200μm以下であると、光導波路1全体の厚みが大きすぎることがないため好ましい。なお、下部クラッド層4の厚みとは、コア部2と下部クラッド層4との境界から下部クラッド層4の下面までの値である。
下部クラッド層形成用樹脂フィルムの厚みについては、特に制限はないが、硬化後の下部クラッド層4の厚みが上記の範囲となるように調整される。
【0090】
コア部2の高さは、特に制限はないが、好ましくは10〜150μm、より好ましくは15〜130μm、更に好ましくは20〜120μmである。10μm以上であると、光導波路形成後の受発光素子又は光ファイバとの結合において位置合わせトレランスが小さくなることがなく、150μm以下であると、光導波路形成後の受発光素子又は光ファイバとの結合において、結合効率が小さくなることがないため好ましい。なお、コア部形成用樹脂フィルムの厚みについては、特に制限はなく、硬化後のコア部の高さが上記の範囲となるように調整される。
【0091】
上部クラッド層3の厚みは、コア部2を埋め込むことができる範囲であれば、特に制限はないが、乾燥後の厚みで、好ましくは12〜500μmである。上部クラッド層3の厚みとして、最初に形成される下部クラッド層4の厚みと同一であっても異なってもよいが、コア部2を埋め込むという観点から、下部クラッド層4の厚みよりも厚くすることが好ましい。なお、上部クラッド層3の厚みとは、コア部2と下部クラッド層4との境界から上部クラッド層3の上面までの値である。
【0092】
本発明の光導波路において、波長850nmの光源における光伝搬損失は、好ましくは0.3dB/cm以下、より好ましくは0.2dB/cm以下、更に好ましくは0.1dB/cm以下である。0.3dB/cm以下であると、光の損失が小さくなり、伝送信号の強度が十分となるため好ましい。
【0093】
本発明の光導波路において、温度85℃、湿度85%の高温高湿放置試験を1000時間実施後の波長850nmの光源における光伝搬損失は、上記と同様の観点から、好ましくは0.3dB/cm以下、より好ましくは0.2dB/cm以下、更に好ましくは0.1dB/cm以下である。
なお、温度85℃、湿度85%の高温高湿放置試験とは、JPCA規格(JPCA−PE02−05−01S)に準じた条件で実施する高温高湿放置試験のことを意味する。
【0094】
本発明の光導波路において、温度−55℃と125℃の間の温度サイクル試験を1000サイクル実施後の波長850nmの光源における光伝搬損失は、上記と同様の観点から、好ましくは0.3dB/cm以下、より好ましくは0.2dB/cm以下、更に好ましくは0.1dB/cm以下である。
なお、温度−55℃と125℃の間の温度サイクル試験とは、JPCA規格(JPCA−PE02−05−01S)に準じた条件で実施する温度サイクル試験のことを意味する。
【0095】
本発明の光導波路において、最高温度265℃のリフロー試験を3回実施後の波長850nmの光源における光伝搬損失は、上記と同様の観点から、好ましくは0.3dB/cm以下、より好ましくは0.2dB/cm以下、更に好ましくは0.1dB/cm以下である。0.3dB/cm以下であると、光の損失が小さくなり、伝送信号の強度が十分であると同時に、リフロープロセスによる部品実装が行えるために、適用範囲を広くすることができる。
なお、最高温度265℃のリフロー試験とはJEDEC規格(JEDEC JESD22A113E)に準じた条件で実施する鉛フリーはんだリフロー試験のことを意味する。
【0096】
本発明の光導波路は、透明性、環境信頼性、及び耐熱性に優れており、光モジュールの光伝送路として用いてもよい。光モジュールの形態として、例えば、光導波路の両端に光ファイバを接続した光ファイバ付き光導波路、光導波路の両端にコネクタを接続したコネクタ付き光導波路、光導波路とプリント配線板と複合化した光電気複合基板、光導波路と光信号と電気信号を相互に変換する光/電気変換素子を組み合わせた光電気変換モジュール、光導波路と波長分割フィルタを組み合わせた波長合分波器等が挙げられる。
なお、光電気複合基板において、複合化するプリント配線板としては、特に制限はなく、例えば、ガラスエポキシ基板、セラミック基板等のリジッド基板;ポリイミド基板、ポリエチレンテレフタレート基板等のフレキシブル基板等が挙げられる。
【0097】
〔光導波路の製造方法〕
以下、本発明の光導波路形成用樹脂組成物及び/又は光導波路形成用樹脂フィルムを用いた光導波路の製造方法について説明する。
本発明の光導波路を製造する方法としては、特に制限はなく、例えば、光導波路形成用樹脂組成物及び/又は光導波路形成用樹脂フィルムを用いて、基材上に光導波路形成用樹脂層を形成して製造する方法等が挙げられる。
【0098】
本発明に用いられる基材としては、特に制限はなく、ガラスエポキシ樹脂基板、セラミック基板、ガラス基板、シリコン基板、プラスチック基板、金属基板、樹脂層付き基板、金属層付き基板、プラスチックフィルム、樹脂層付きプラスチックフィルム、金属層付きプラスチックフィルム等が挙げられる。
【0099】
光導波路形成用樹脂層を形成する方法としては、特に制限はなく、例えば、光導波路形成用樹脂組成物を用いて、スピンコート法、ディップコート法、スプレー法、バーコート法、ロールコート法、カーテンコート法、グラビアコート法、スクリーンコート法、インクジェットコート法等により塗布する方法等が挙げられる。
光導波路形成用樹脂組成物が、好適な有機溶剤で希釈されている場合、必要に応じて樹脂層を形成後に、乾燥する工程を入れてもよい。乾燥方法としては、特に制限はなく、例えば、加熱乾燥、減圧乾燥等が挙げられる。また、必要に応じてこれらを併用してもよい。
光導波路形成用樹脂層を形成するその他の方法としては、光導波路形成用樹脂フィルムを用いて、積層法により形成する方法が挙げられる。
これらの中で、平坦性に優れ、線幅や線間の小さい微細パターンを有する光導波路が形成可能という観点から、光導波路形成用樹脂フィルムを用いて積層法により製造する方法が好ましい。
【0100】
以下、光導波路形成用樹脂フィルムを下部クラッド層4、コア部2、及び上部クラッド層3に用いて光導波路1を形成するための製造方法について説明するが、本発明はこれに何ら制限されるものではない。
まず、第1の工程として、下部クラッド層形成用樹脂フィルムを基材5上に積層する。第1の工程における積層方法としては、特に制限はなく、例えば、ロールラミネータ又は平板型ラミネータを用いて加熱しながら圧着することにより積層する方法等が挙げられる。なお、本発明における平板型ラミネータとは、積層材料を一対の平板の間に挟み、平板を加圧することにより圧着させるラミネータのことを指し、例えば、真空加圧式ラミネータを好適に用いることができる。ここでの加熱温度は、好ましくは20〜130℃であり、圧着圧力は、好ましくは0.1〜1.0MPaであるが、これらの条件には特に制限はない。下部クラッド層形成用樹脂フィルムに保護フィルムが存在する場合は、保護フィルムを除去した後に積層する。
【0101】
真空加圧式ラミネータを用いて積層する場合、ロールラミネータを用いて、あらかじめ下部クラッド層形成用樹脂フィルムを基材5上に仮貼りしておいてもよい。ここで、密着性及び追従性向上の観点から、圧着しながら仮貼りすることが好ましく、圧着する際、ヒートロールを有するラミネータを用いて加熱しながら行ってもよい。この場合のラミネート温度は、好ましくは20〜150℃、より好ましくは40〜130℃である。20℃以上であると、下部クラッド層形成用樹脂フィルムと基材5との密着性が向上し、150℃以下であると、樹脂層がロールラミネート時に流動しすぎることがなく、必要とする膜厚が得られる。また、ラミネート時の圧力は、好ましくは0.2〜0.9MPaであり、ラミネート速度は、好ましくは0.1〜3m/minであるが、これらの条件には特に制限はない。
【0102】
基材5上に積層された下部クラッド層形成用樹脂層を、光及び/又は熱により硬化し、下部クラッド層4を形成する。なお、下部クラッド層形成用樹脂フィルムの支持フィルムの除去は、硬化前及び硬化後のどちらで行ってもよい。
下部クラッド層形成用樹脂層を光により硬化する際の活性光線の照射量は、特に制限はないが、好ましくは0.1〜5J/cm2である。また、活性光線が基材を透過する場合、効率的に硬化させるために、両面から同時に活性光線を照射可能な両面露光機を使用することができる。また、加熱をしながら活性光線を照射してもよい。なお、光硬化前後の処理として、必要に応じて50〜200℃の加熱処理を行ってもよい。
下部クラッド層形成用樹脂層を熱により硬化する際の加熱温度は、特に制限はないが、好ましくは50〜200℃である。
【0103】
下部クラッド層形成用樹脂フィルムの支持フィルムを、光導波路1の保護フィルムとして機能させる場合、下部クラッド層形成用樹脂フィルムを積層することなく、光及び/又は熱により上記と同様の条件で硬化し、下部クラッド層4を形成してもよい。
なお、下部クラッド層形成用樹脂フィルムの保護フィルムは、硬化前に除去しても、硬化後に除去してもよい。
【0104】
第2の工程として、第1の工程と同様な方法で、下部クラッド層4上にコア部形成用樹脂フィルムを積層する。ここで、コア部形成用樹脂層は下部クラッド層形成用樹脂層より高屈折率であるように設計され、活性光線によりコアパターンを形成し得る感光性樹脂組成物からなることが好ましい。
【0105】
第3の工程として、コア部2を露光する。コア部2を露光する方法としては、特に制限はなく、例えば、アートワークと呼ばれるネガ型フォトマスクを通して活性光線を画像状に照射する方法、レーザ直接描画を用いてネガ型フォトマスクを通さずに直接活性光線を画像上に照射する方法等が挙げられる。
活性光線の光源としては、特に制限はなく、例えば、超高圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、水銀蒸気アークランプ、メタルハライドランプ、キセノンランプ、カーボンアークランプ等の紫外線を有効に放射する光源;写真用フラッド電球、太陽ランプ等の可視光線を有効に放射する光源等が挙げられる。
【0106】
コア部2を露光する際の活性光線の照射量は、好ましくは0.01〜10J/cm2、より好ましくは0.03〜5J/cm2、更に好ましくは0.05〜3J/cm2である。0.01J/cm2以上であると、硬化反応が十分に進行し、現像によりコア部2が流失することがなく、10J/cm2以下であると、露光量過多によりコア部2が太ることがなく、微細なパターンが形成でき好適である。
コア部2の露光は、コア部形成用樹脂フィルムの支持フィルムを介して行ってもよいし、支持フィルムを除去してから行ってもよい。
【0107】
また、露光後に、コア部2の解像度及び密着性向上の観点から、必要に応じて、露光後加熱を行ってもよい。露光後加熱温度は、好ましくは40〜160℃であり、紫外線照射から露光後加熱までの時間は、好ましくは10分以内、より好ましくは30秒〜10分であるが、これらの条件には特に制限はない。
【0108】
第4の工程として、コア部形成用樹脂フィルムの支持フィルムを介して露光した場合、これを除去し、コア部形成用樹脂の組成に適した現像液を用いて現像する。
現像方法としては、特に制限はなく、例えば、スプレー法、ディップ法、パドル法、スピン法、ブラッシング法、スクラッピング法等が挙げられる。また、必要に応じてこれらの現像方法は併用してもよい。
現像液としては、特に制限はなく、例えば、有機溶剤、有機溶剤と水からなる準水系現像液、アルカリ水溶液からなる水系アルカリ現像液、アルカリ水溶液と有機溶剤からなる準水系アルカリ現像液等が挙げられる。
また、現像温度は、コア部形成用樹脂層の現像性に合わせて調節される。
【0109】
有機溶剤としては、特に制限はなく、例えば、上記光導波路形成用樹脂組成物の希釈に用いる有機溶剤と同様のものを好適な溶剤として挙げられる。なお、有機溶剤は、単独又は2種以上を組み合わせて使用することができる。また、有機溶剤中には、表面活性剤、消泡剤等を混入させてもよい。
【0110】
準水系現像液としては、1種類以上の有機溶剤と水からなるものであれば、特に制限はない。
有機溶剤の濃度は、好ましくは5〜90質量%である。また、準水系現像液中には、界面活性剤、消泡剤等を少量混入させてもよい。
【0111】
アルカリ水溶液の塩基としては、特に制限はなく、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物;炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸塩;炭酸水素リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等のアルカリ金属重炭酸塩;リン酸カリウム、リン酸ナトリウム等のアルカリ金属リン酸塩;ピロリン酸ナトリウム、ピロリン酸カリウム等のアルカリ金属ピロリン酸塩;四ホウ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム等のナトリウム塩;炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム等のアンモニウム塩;水酸化テトラメチルアンモニウム、トリエタノールアミン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール、1,3−ジアミノプロパノール−2−モルホリン等の有機塩基等が挙げられる。
これらの塩基は、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。
水系アルカリ現像液のpHは、好ましくは9〜14である。また、水系アルカリ現像液には、界面活性剤、消泡剤等を混入させてもよい。
【0112】
準水系アルカリ現像液としては、アルカリ水溶液と1種類以上の上記有機溶剤からなるものであれば、特に制限はない。なお、アルカリ水溶液の塩基、及び有機溶剤は、特に制限はなく、上述のアルカリ水溶液の塩基、及び有機溶剤を好適なものとして挙げられる。
準水系アルカリ現像液のpHは、現像が十分にできる範囲でできるだけ小さくすることが好ましく、具体的には好ましくはpH8〜13、より好ましくはpH9〜12である。
有機溶剤の濃度は、好ましくは5〜90質量%である。また、準水系アルカリ現像液中には、界面活性剤、消泡剤等を少量混入させてもよい。
【0113】
現像後の処理として、必要に応じて上記有機溶剤、上記準水系洗浄液、又は水により洗浄してもよい。有機溶剤は、単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。準水系洗浄液において、有機溶剤の濃度は、好ましくは5〜90質量%である。
洗浄方法として、特に制限はないが、例えば、スプレー法、ディップ法、パドル法、スピン法、ブラッシング法、スクラッピング法等が挙げられる。また、必要に応じて、これらの洗浄方法を併用してもよい。また、洗浄温度はコア部形成用樹脂層の現像性に合わせて調節される。
【0114】
現像又は洗浄後の処理として、コア部2の硬化性及び密着性向上の観点から、必要に応じて露光及び/又は加熱を行ってもよい。当該加熱温度は、好ましくは40〜200℃であり、活性光線の照射量は、好ましくは0.01〜10J/cm2であるが、これらの条件には特に制限はない。
【0115】
第5の工程として、第1及び第2の工程と同様の方法で、下部クラッド層4及びコア部2上に上部クラッド層形成用樹脂フィルムを積層する。ここで、上部クラッド層形成用樹脂層は、コア部形成用樹脂層よりも低屈折率になるように設計されている。また、上部クラッド形成用樹脂層の厚みは、コア部2の高さより大きくすることが好ましい。
【0116】
次いで、第1の工程と同様の方法で、上部クラッド層形成用樹脂層を光及び/又は熱により硬化し、上部クラッド層3を形成する。
上部クラッド層形成用樹脂層を光により硬化する際の活性光線の照射量は、特に制限はないが、好ましくは0.1〜30J/cm2である。また、活性光線が基材を透過する場合、効率的に硬化させるために、両面から同時に活性光線を照射可能な両面露光機を使用することができる。また、必要に応じて加熱をしながら活性光線を照射してもよく、光硬化前後の処理として加熱処理を行ってもよい。活性光線照射中及び/又は照射後の加熱温度は、特に制限はないが、好ましくは50〜200℃である。
上部クラッド層形成用樹脂層を熱により硬化する際の加熱温度は、特に制限はないが、好ましくは50〜200℃である。
なお、上部クラッド層形成用樹脂フィルムの支持フィルムの除去が必要な場合、硬化前に除去しても、硬化後に除去してもよい。
以上の工程で、光導波路1を作製することができる。
【実施例】
【0117】
以下の本発明の実施例をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例になんら限定されるものではない。また、得られた(メタ)アクリルポリマーの重量平均分子量、及び酸価は、以下の方法により算出した。
【0118】
[重量平均分子量の測定]
GPC(東ソー(株)製、商品名:「SD−8022」、「DP−8020」、及び「RI−8020」)を用いて測定した。なお、カラムは、日立化成工業(株)製、商品名:「Gelpack GL−A150−S」、及び「Gelpack GL−A160−S」を使用した。
[酸価の測定]
(メタ)アクリルポリマー溶液を中和するのに要した0.1mol/L水酸化カリウム水溶液量から算出した。このとき、指示薬として添加したフェノールフタレインが無色からピンク色に変色した点を中和点とした。
【0119】
合成例1
[(メタ)アクリルポリマーA−1の作製]
撹拌機、冷却管、ガス導入管、滴下ろうと、及び温度計を備えたフラスコに、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート46質量部及び乳酸メチル23質量部を秤量し、窒素ガスを導入しながら撹拌を行った。液温を65℃まで上昇させ、式(1)の構造単位の原料であるメタクリル酸10質量部、式(2)の構造単位の原料であるベンジルメタクリレート65質量部及びメチルメタクリレート19質量部、式(3)の構造単位の原料であるN−シクロヘキシルマレイミド16質量部、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)2質量部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート46質量部及び乳酸メチル23質量部の混合物を3時間かけて滴下後、65℃で3時間撹拌し、さらに95℃で1時間撹拌を続けて、(メタ)アクリルポリマーA−1溶液(固形分45質量%)を得た。
得られた(メタ)アクリルポリマーA−1の重量平均分子量は3.6×104であり、酸価は61mgKOH/gであった。
【0120】
合成例2
[(メタ)アクリルポリマーA−2の作製]
撹拌機、冷却管、ガス導入管、滴下ろうと、及び温度計を備えたフラスコに、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート46質量部及び乳酸メチル23質量部を秤量し、窒素ガスを導入しながら撹拌を行った。液温を65℃まで上昇させ、式(1)の構造単位の原料であるメタクリル酸14質量部、式(2)の構造単位の原料であるメチルメタクリレート47質量部、ブチルアクリレート33質量部、及び2−ヒドロキシエチルメタクリレート16質量部、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)3質量部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート46質量部及び乳酸メチル23質量部の混合物を3時間かけて滴下後、65℃で3時間撹拌し、さらに95℃で1時間撹拌を続けて、(メタ)アクリルポリマーA−2溶液(固形分45質量%)を得た。
得られた(メタ)アクリルポリマーA−2の重量平均分子量は3.9×104であり、酸価は120mgKOH/gであった。
【0121】
合成例3
[(メタ)アクリルポリマーA−3の作製]
撹拌機、冷却管、ガス導入管、滴下ろうと、及び温度計を備えたフラスコに、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート46質量部及び乳酸メチル23質量部を秤量し、窒素ガスを導入しながら撹拌を行った。液温を65℃まで上昇させ、式(1)の構造単位の原料であるメタクリル酸21質量部、式(2)の構造単位の原料であるベンジルメタクリレート55質量部及びメチルメタクリレート19質量部、式(3)の構造単位の原料であるN−シクロヘキシルマレイミド16質量部、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)2質量部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート46質量部及び乳酸メチル23質量部の混合物を3時間かけて滴下後、65℃で3時間撹拌し、さらに95℃で1時間撹拌を続けて、(メタ)アクリルポリマーA−3溶液(固形分45質量%)を得た。
得られた(メタ)アクリルポリマーA−3の重量平均分子量は3.5×104であり、酸価は120mgKOH/gであった。
【0122】
実施例1
[コア部形成用樹脂ワニスCOV−1の調合]
(A)成分として、上記A−1溶液(固形分45質量%)89質量部(固形分40質量部)、(B)成分として、ポリエステル骨格を有するウレタン(メタ)アクリレート(新中村化学工業(株)製、商品名「U−108A」)25質量部、(E)成分として、エトキシ化ビスフェノールAジアクリレート(日立化成工業(株)製、商品名「ファンクリルFA−321A」)20質量部、(C)成分として、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン(株)製、商品名「エピコート1001」(エポキシ当量475g/eq))15質量部、(D)成分として、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン(チバ・ジャパン(株)製、商品名「イルガキュア2959」)1質量部、及び、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド(チバ・ジャパン(株)製、商品名「イルガキュア819」)1質量部、及び希釈用有機溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート19質量部を攪拌しながら混合した。孔径2μmのポリフロンフィルタ(アドバンテック東洋(株)製、商品名「PF020」)を用いて加圧濾過後、減圧脱泡し、コア部形成用樹脂ワニスCOV−1を得た。
【0123】
[コア部形成用樹脂フィルムCOF−1の作製]
上記コア部形成用樹脂ワニスCOV−1を、PETフィルム(東洋紡績(株)製、商品名「コスモシャインA1517」、厚み16μm)からなる支持フィルム(以下、「コア部支持フィルム」ともいう)の非処理面上に、塗工機((株)ヒラノテクシード製、商品名「マルチコーターTM−MC」)を用いて塗布し、80℃で10分、100℃で10分乾燥後、表面離型処理PETフィルム(帝人デュポンフィルム(株)製、商品名「ピューレックスA31」、厚み25μm)を保護フィルム(以下、「コア部保護フィルム」ともいう)として貼付け、コア部形成用樹脂フィルムCOF−1を得た。このとき樹脂層の厚みは、塗工機のギャップを調節することで任意に調整可能であるが、本実施例では硬化後の膜厚が、コア部形成用樹脂フィルムでは50μmとなるように調節した。
【0124】
実施例2
[クラッド層形成用樹脂ワニスCLV−1の調合]
(A)成分として、上記A−2溶液(固形分45質量%)84質量部(固形分38質量部)、(B)成分として、ポリエステル骨格を有するウレタン(メタ)アクリレート(新中村化学工業(株)製、商品名「U−200AX」)33質量部、及びポリプロピレングリコール骨格を有するウレタン(メタ)アクリレート(新中村化学工業(株)製、商品名「UA−4200」)15質量部、(C)成分として、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン(株)製、商品名「エピコートYX8034」、エポキシ当量290g/eq)15質量部、(D)成分として、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン(チバ・ジャパン(株)製、商品名「イルガキュア2959」)1質量部、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド(チバ・ジャパン(株)製、商品名「イルガキュア819」)1質量部、(F)成分として、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール(四国化成工業(株)、商品名「キュアゾール2PZ−CN」)0.2質量部、及び希釈用有機溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート23質量部を攪拌しながら混合した。孔径2μmのポリフロンフィルタ(アドバンテック東洋(株)製、商品名「PF020」)を用いて加圧濾過後、減圧脱泡し、クラッド層形成用樹脂ワニスCLV−1を得た。
【0125】
[クラッド層形成用樹脂フィルムCLF−1の作製]
クラッド層形成用樹脂組成物CLV−1を、PETフィルム(東洋紡績(株)製、商品名「コスモシャインA4100」、厚み50μm)からなる支持フィルム(以下、「クラッド層支持フィルム」ともいう)の非処理面上に、上記塗工機を用いて塗布し、100℃で20分乾燥後、表面離型処理PETフィルム(帝人デュポンフィルム(株)製、商品名「ピューレックスA31」、厚み25μm)を保護フィルム(以下、「クラッド層保護フィルム」ともいう)として貼付け、クラッド層形成用樹脂フィルムCLF−1を得た。このとき樹脂層の厚みは、塗工機のギャップを調節することで任意に調整可能であるが、本実施例では硬化後の膜厚が、下部クラッド層形成用樹脂フィルムでは20μm、及び上部クラッド層形成用樹脂フィルムでは60μmとなるように調節した。
【0126】
実施例3〜6、及び比較例1〜4
表1に示す配合比に従って、コア部形成用樹脂ワニスCOV−2〜6及びクラッド層形成用樹脂ワニスCLV−2〜4を調合し、実施例1と同様な方法で、コア部形成用樹脂フィルムCOF−2〜6及びクラッド層形成用樹脂フィルムCLF−2〜4を作製した。
【0127】
このようにして得られたコア部形成用樹脂フィルムCOF−1〜6、及びクラッド層形成用樹脂フィルムCLF−1〜4の強靭性を以下の方法により評価した。結果を表1に示す。
【0128】
[強靭性評価]
コア部形成用樹脂フィルムに紫外線露光機(大日本スクリーン株式会社製MAP−1200−L)を用い、紫外線(波長365nm)を2000mJ/cm2照射した。支持フィルム及び保護フィルムを除去して、160℃で1時間硬化させた後、厚み50μmの硬化フィルムを得た。
得られた硬化フィルムを幅10mm、長さ70mmに切出し、引張り試験機(株式会社オリエンテック製 RTM−100)を用いて、引張り試験(つかみ具間距離50mm)を温度25℃、引張り速度5mm/minの条件で、JIS K 7127に準拠して行い、以下の基準で評価した。
◎:引張り破断伸び率が20%以上
○:引張り破断伸び率が10%以上、20%未満
△:引張り破断伸び率が5%以上、10%未満
×:引張り破断伸び率が5%未満
なお、引張り破断伸び率は、以下に示す式により算出した。
引張り破断伸び率(%)=(破断時のつかみ具間距離(mm)−初期のつかみ具間距離(mm))/初期のつかみ具間距離(mm)×100
【0129】
【表1】

【0130】
表1の符号は以下の通りである。
(A)成分
*1:合成例1で作製した(メタ)アクリルポリマーA−1のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート/乳酸メチル溶液(固形分45質量%)
*2:合成例2で作製した(メタ)アクリルポリマーA−2のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート/乳酸メチル溶液(固形分45質量%)
*3:合成例3で作製した(メタ)アクリルポリマーA−3のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート/乳酸メチル溶液(固形分45質量%)
(B)成分
*4:ポリエステル骨格を有するウレタン(メタ)アクリレート(共栄社化学(株)製、商品名「NKオリゴU−108A」)
*5:ポリエステル骨格を有するウレタン(メタ)アクリレート(新中村化学工業(株)製、商品名「U−200AX」)
*6:ポリプロピレングリコール骨格を有するウレタン(メタ)アクリレート(新中村化学工業(株)製、商品名「UA−4200」)
*7:カルボキシル基及びポリエーテル骨格を有するウレタン(メタ)アクリレート(新中村化学工業(株)製、商品名「UA−6200」)
(E)成分
*8:エトキシ化ビスフェノールAジアクリレート(日立化成工業(株)製、商品名「ファンクリルFA−321A」)
*9:ポリプロピレングリコールジアクリレート日立化成工業(株)製、商品名「ファンクリルFA−P270A」)
*10:エトキシ化ビスフェノールAジアクリレート(日立化成工業(株)製、商品名「ファンクリルFA−324A」)
*11:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(共栄社化学(株)製、商品名「ライトアクリレートDPE−6A」)
(C)成分
*12:ビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン(株)製、商品名「エピコート1001」、エポキシ当量475g/eq)
*13:水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン(株)製、商品名「エピコートYX8034」、エポキシ当量290g/eq)
*14:ビフェニル/フェノールノボラック型エポキシ樹脂(日本化薬(株)製、商品名「NC−3000」、エポキシ当量275g/eq)
*15:フルオレンビスフェノール型エポキシ樹脂(ナガセケムテックス(株)製、商品名「オンコートEX−1020」、エポキシ当量305g/eq)
(D)成分
*16:1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン(チバ・ジャパン(株)製、商品名「イルガキュア2959」)
*17:ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド(チバ・ジャパン(株)製、商品名「イルガキュア819」)
(F)成分
*18:1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール(四国化成工業(株)製、商品名「キュアゾール2PZ−CN」)
有機溶剤
*19:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
【0131】
実施例7
[フレキシブル光導波路の作製]
ここでは、図1(d)に示す光導波路1を作製した。
ロールラミネータ(日立化成テクノプラント(株)製、商品名「HLM−1500」)を用い、クラッド層保護フィルムを除去した下部クラッド層形成用樹脂フィルムCLF−1を、表面離型処理PETフィルム(帝人デュポンフィルム(株)製、商品名「ピューレックスA53」、厚み50μm)上に、圧力0.5MPa、温度80℃、速度0.2m/minの条件で積層した。さらに、真空加圧式ラミネータ(名機製作所(株)製、商品名「MVLP−500/600」)を用い、圧力0.4MPa、温度80℃及び加圧時間30秒の条件で圧着した。
次に、紫外線露光機(大日本スクリーン(株)製、商品名「MAP−1200−L」)を用い、紫外線(波長365nm)を2000mJ/cm2照射後、クラッド層支持フィルムを除去した。その後、160℃で1時間加熱硬化することによって、下部クラッド層4を形成した。
【0132】
続いて、上記ロールラミネータを用い、コア部保護フィルムを除去した上記コア部形成用樹脂フィルムCOF−1を、下部クラッド層4上に、圧力0.5MPa、温度80℃、速度0.2m/minの条件で積層した。さらに、上記真空加圧式ラミネータを用い、圧力0.4MPa、温度80℃及び加圧時間30秒の条件で圧着した。
次いで、幅50μmのネガ型フォトマスクを介し、上記紫外線露光機で紫外線(波長365nm)を1000mJ/cm2照射して、コア部2(コアパターン)を露光した。80℃で5分間露光後加熱を行った後、コア部支持フィルムを除去し、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート/N,N−ジメチルアセトアミド(質量比70/30)を用いて現像した。続いて、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを用いて洗浄後、さらに2−プロパノールを用いて洗浄した。その後、80℃で30分、続いて100℃で1時間加熱乾燥し、さらに160℃で1時間加熱硬化した。
【0133】
次に、上記真空加圧式ラミネータを用い、クラッド層保護フィルムを除去した上記上部クラッド層形成用樹脂フィルムCLF−1を、コア部2及び下部クラッド層4上に、圧力0.4MPa、温度100℃及び加圧時間30秒の条件で積層した。紫外線(波長365nm)を2000mJ/cm2照射し、クラッド層支持フィルムを除去した後、160℃で1時間加熱硬化することによって、上部クラッド層3を形成した。その後、上記表面離型処理PETフィルムを除去し、図1(d)に示す光導波路1を得た。その後、ダイシングソー((株)ディスコ製、商品名「DAD−522」)を用いて長さ10cmのフレキシブル光導波路を作製した。
【0134】
実施例8〜10、及び比較例5及び6
コア部形成用樹脂フィルムCOF−2〜6、並びにクラッド層形成用樹脂フィルムCLF−1〜4を用いて、実施例7と同様の方法で、フレキシブル光導波路を作製した。
【0135】
このようにして得られたフレキシブル光導波路(長さ10cm)の光伝搬損失測定、高温高湿放置試験、温度サイクル試験、及びリフロー試験の測定又は試験方法は以下の通りである。
【0136】
[光伝搬損失測定]
得られたフレキシブル光導波路の光伝搬損失を、光源に波長850nmの光を中心波長とするVCSEL(EXFO社製、商品名「FLS−300−01−VCL」)、受光センサ((株)アドバンテスト製、商品名「Q82214」)、入射ファイバ(GI−50/125マルチモードファイバ、NA=0.20)、及び出射ファイバ(SI−114/125、NA=0.22)を用いて測定した。光伝搬損失は、光損失測定値(dB)/光導波路長(10cm)により算出し、以下の基準で評価した。
◎:0.1dB/cm以下
○:0.1dB/cmより大きく、0.2dB/cm以下
△:0.2dB/cmより大きく、0.3dB/cm以下
×:0.3dB/cmより大きい
【0137】
[高温高湿放置試験]
得られたフレキシブル光導波路を、高温高湿試験機(エスペック(株)製、商品名「PL−2KT」)を用いて、JPCA規格(JPCA−PE02−05−01S)に準じた条件で温度85℃、湿度85%の高温高湿放置試験を1000時間実施した。
高温高湿放置試験実施後の当該光導波路の光伝搬損失を、上記同様の光源、受光素子、入射ファイバ、及び出射ファイバを用いて測定し、以下の基準で評価した。
◎:0.1dB/cm以下
○:0.1dB/cmより大きく、0.2dB/cm以下
△:0.2dB/cmより大きく、0.3dB/cm以下
×:0.3dB/cmより大きい
【0138】
[温度サイクル試験]
得られたフレキシブル光導波路を、温度サイクル試験機(楠本化成(株)製、商品名「ETAC WINTECH NT1010」)を用いて、JPCA規格(JPCA−PE02−05−01S)に準じた条件で、温度−55℃と125℃の間の温度サイクル試験を1000サイクル実施した。詳細な温度サイクル試験条件を表2に示す。
【0139】
【表2】

【0140】
温度サイクル試験実施後の光導波路の光伝搬損失を、上記同様の光源、受光素子、入射ファイバ、及び出射ファイバを用いて測定し、以下の基準で評価した。
◎:0.1dB/cm以下
○:0.1dB/cmより大きく、0.2dB/cm以下
△:0.2dB/cmより大きく、0.3dB/cm以下
×:0.3dB/cmより大きい
【0141】
[リフロー試験]
得られたフレキシブル光導波路を、リフロー試験機(古河電気工業(株)製、商品名「サラマンダXNA−645PC」)を用いて、「IPC/JEDEC J−STD−020B」に準じた条件で、最高温度265℃のリフロー試験を窒素雰囲気下で3回実施した。詳細なリフロー条件を表3、リフロー炉内の温度プロファイルを図2に示す。
【0142】
【表3】

【0143】
リフロー試験実施後の光導波路の光伝搬損失を、上記同様の光源、受光素子、入射ファイバ、及び出射ファイバを用いて測定し、以下の基準で評価した。
◎:0.1dB/cm以下
○:0.1dB/cmより大きく、0.2dB/cm以下
△:0.2dB/cmより大きく、0.3dB/cm以下
×:0.3dB/cmより大きい
【0144】
[強靭性評価]
得られたフレキシブル光導波路を、半径1mmの棒に巻きつけることによって、以下の基準で強靭性を評価した。
○:変化なし
×:クラック発生又は破断
【0145】
実施例7〜10、及び比較例5、6において得られたフレキシブル光導波路の光伝搬損失測定、高温高湿放置試験、温度サイクル試験、及びリフロー試験の結果を表4に示す。
なお、表4中の現像条件については、表5に示す。
【0146】
【表4】

【0147】
【表5】

【0148】
表1及び表4から、本発明の光学材料用樹脂組成物は、透明性、耐熱性、及び強靭性に優れており、これらを用いて製造した光導波路は透明性、耐熱性、環境信頼性、及び強靭性に優れていることがわかる。一方、比較例1及び2に示した本発明に属さない光学材料用樹脂組成物、並びに比較例5に示したこれらを用いて製造した光導波路は、透明性、耐熱性、環境信頼性に優れているものの、強靭性に劣っていることがわかる。また、比較例3及び4に示した本発明に属さない光学材料用樹脂組成物、並びに比較例6に示したこれらを用いて製造した光導波路は、透明性、強靭性に優れているものの、耐熱性、環境信頼性に劣っていることがわかる。
【産業上の利用可能性】
【0149】
本発明の光学材料用樹脂組成物を用いた光導波路は、透明性、環境信頼性、耐熱性、及び強靭性に優れている。また、当該光学材料用樹脂組成物を用いた光学材料用樹脂フィルムは、光導波路の製造過程において、各層の平坦性、クラッドとコアの層間密着性、及び光導波路コアパターン形成時の解像度(細線又は狭線間対応性)をより向上させ、平坦性に優れ、線幅や線間の小さい微細パターンの形成を可能とするものである。
【符号の説明】
【0150】
1 光導波路
2 コア部
3 上部クラッド層
4 下部クラッド層
5 基材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)カルボキシル基を有するポリマー、(B)ウレタン(メタ)アクリレート、(C)分子内に2つ以上のエポキシ基を有する化合物、及び(D)ラジカル重合開始剤を含む、光導波路形成用樹脂組成物。
【請求項2】
(A)成分が、下記一般式(1)及び(2)で表される構造単位を有する(メタ)アクリルポリマーを含む、請求項1に記載の光導波路形成用樹脂組成物。
【化1】

(式中、R1は水素原子又は炭素数1〜20の1価の有機基を示し、R2は水素原子又はメチル基を示し、X1は単結合又は炭素数1〜20の2価の有機基を示す。)
【化2】

(式中、R3は水素原子又はメチル基を示し、R4は炭素数1〜20の1価の有機基を示す。)
【請求項3】
(A)成分が、上記一般式(1)、(2)、及び下記一般式(3)で表される構造単位を有する(メタ)アクリルポリマーを含む、請求項2に記載の光導波路形成用樹脂組成物。
【化3】

(式中、R5は水素原子又は炭素数1〜20の1価の有機基を示す。)
【請求項4】
(B)成分が、カルボキシル基を有するウレタン(メタ)アクリレートを含む、請求項1〜3のいずれかに記載の光導波路形成用樹脂組成物。
【請求項5】
(B)成分が、分子内に脂環構造、芳香環構造、及び複素環構造からなる群から選ばれた少なくとも1種を有する化合物を含む、請求項1〜4のいずれかに記載の光導波路形成用樹脂組成物。
【請求項6】
(C)成分が、分子内に脂環構造、芳香環構造、及び複素環構造からなる群から選ばれた少なくとも1種を有する化合物を含む、請求項1〜5のいずれかに記載の光導波路形成用樹脂組成物。
【請求項7】
(C)成分のエポキシ当量が、250〜1,000g/eqである、請求項1〜6のいずれかに記載の光導波路形成用樹脂組成物。
【請求項8】
(D)成分が、光ラジカル重合開始剤を含む、請求項1〜7のいずれかに記載の光導波路形成用樹脂組成物。
【請求項9】
(A)〜(C)成分の総量に対して、
(A)成分の配合量が10〜85質量%、
(B)成分の配合量が10〜85質量%、
(C)成分の配合量が1〜40質量%であり、
(A)〜(C)成分の総量100質量部に対して、
(D)成分の配合量が0.01〜10質量部である、請求項1〜8のいずれかに記載の光導波路形成用樹脂組成物。
【請求項10】
更に(E)ウレタン結合を有さない(メタ)アクリレートを含む、請求項1〜9のいずれかに記載の光導波路形成用樹脂組成物。
【請求項11】
(E)成分が、分子内に脂環構造、芳香環構造、及び複素環構造からなる群から選ばれた少なくとも1種を有する化合物を含む、請求項10に記載の光導波路形成用樹脂組成物。
【請求項12】
(A)〜(C)及び(E)成分の総量に対して、
(A)成分の配合量が10〜85質量%、
(B)成分の配合量が5〜80質量%、
(C)成分の配合量が1〜40質量%、
(E)成分の配合量が5〜80質量%であり、
(A)〜(C)及び(E)成分の総量100質量部に対して、
(D)成分の配合量が0.01〜10質量部である、請求項10又は11に記載の光導波路形成用樹脂組成物。
【請求項13】
更に(F)硬化促進剤を含む、請求項1〜12のいずれかに記載の光導波路形成用樹脂組成物。
【請求項14】
(A)〜(C)及び(E)成分の総量100質量部に対して、(F)成分の配合量が0.01〜10質量部である、請求項13に記載の光導波路形成用樹脂組成物。
【請求項15】
請求項1〜14のいずれかに記載の光導波路形成用樹脂組成物を用いた光導波路形成用樹脂フィルム。
【請求項16】
請求項1〜14のいずれかに記載の光導波路形成用樹脂組成物を用いたコア部及び/又はクラッド層を有する光導波路。
【請求項17】
請求項15に記載の光導波路形成用樹脂フィルムを用いたコア部及び/又はクラッド層を有する光導波路。
【請求項18】
波長850nmの光源における光伝搬損失が、0.3dB/cm以下である、請求項16又は17に記載の光導波路。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−42829(P2012−42829A)
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−185503(P2010−185503)
【出願日】平成22年8月20日(2010.8.20)
【出願人】(000004455)日立化成工業株式会社 (4,649)
【Fターム(参考)】