説明

光導波路素子およびそれを用いた光学装置

【課題】導波路型カップラーを用いて分岐した光の強度の波長依存性を低減させることのできる光導波路素子およびそれを用いた光学装置を提供する。
【解決手段】MZ型光導波路部10から出力される光の一部を分岐する分岐部30が、2つの導波路型カップラー31,32を直列に接続して構成されており、前段の導波路型カップラー31は、MZ型光導波路部10からの出力光を2分岐して第1および第2の分岐光を生成し、第1の分岐光を主信号光Eoutとして取り出す。後段の導波路型カップラー32は、前記第2の分岐光を前段と実質的に等しい分岐比で2分岐して第3および第4の分岐光を生成し、第4の分岐光をモニタ光Emonとして取り出す。後段の導波路型カップラー32は、前段における第2の分岐光強度の波長依存性に対して、第4の分岐光強度の波長依存性が逆の特性を持つ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光通信に利用される光導波路素子に関し、特に、光導波路を伝搬する光を所要の割合で分岐するカップラーを具備した光導波路素子およびそれを用いた光学装置に関する。
【背景技術】
【0002】
光通信に利用される導波路型の光学装置として光変調器や光スイッチなどがよく知られている。例えば、ニオブ酸リチウム(LiNbO3:LN)基板等の電気光学結晶を用いた光変調器は、電気光学結晶基板上の一部に金属膜を形成し、それを熱拡散させるか或いはパターニング後に安息香酸中でプロトン交換するなどして光導波路を形成した後、該光導波路に沿って電極を設けることで製作される。このような電気光学結晶を用いた光変調器では、温度ドリフトやDCドリフト等によって動作点が変動してしまうため、これを補償するためのバイアス電圧が電極に印加されている。
【0003】
このバイアス電圧を制御する従来の技術としては、例えば下記の特許文献1において、光変調器の出力側にモニタ用の光検出部を設け、マッハツェンダ(Mach-Zehnder:MZ)型光導波路における出力側のY分岐光導波路の分岐部分から放射される放射光をモニタ光として検出し、その検出結果に基づいてバイアス電圧をフィードバック制御する方法が公知である。また、例えば下記の特許文献2においては、MZ型光導波路の出力側に3dB方向性結合器を設け、この3dB方向性結合器の2つの出力ポートのうちの一方にモニタ用光導波路を連結し、このモニタ用光導波路を通じて導かれるモニタ光の強度を検出し、その検出結果に基づいてバイアス電圧をフィードバック制御する方法が公知である。
【特許文献1】特許第2738078号明細書
【特許文献2】特開2003−233047号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記のような従来の光変調器におけるバイアス電圧の制御技術では、図15に示すように、電極への印加電圧に応じて変調された主信号光の波形(実線)に対して、モニタ光の波形(破線)が逆相の関係となる。このような逆相のモニタ光を用いた制御については、近年開発が活発化している、DPSK(Differential Phase Shift Keying)変調方式やDQPSK(Differential Quadrature Phase Shift Keying)変調方式などの位相変調を主体とした変調方式への対応が難しいという課題がある。
【0005】
すなわち、例えばDPSK変調方式では、光の変調が0およびπの2値の位相で行われ、変調光の強度成分は基本的に変化しないので、主信号光は定常的に発光状態となる。このような主信号光に対して逆相のモニタ光は常に消光状態となるため、バイアス電圧のフィードバック制御を行うことが困難になる。したがって、位相変調を主体とした変調方式に対応するためには、主信号光と同相のモニタ光を用いて制御を行うことが望まれる。
【0006】
同相のモニタ光を取り出すためには、例えば図16に示すように、MZ光型光導波路110の出力側のY分岐に繋がる出力導波路上に導波路カップラー130を形成し、該導波路カップラー130を利用して主信号光の一部を取り出す構成が考えられる。このような構成では、主信号光の損失をなるべく小さくするため、モニタ光は信号光に対して極少量取り出す必要があり、入力光量に対してモニタ光量が−10dBとなるような1:10の分岐比を有するカップラーや、入力光量に対してモニタ光量が−20dBになるような1:20の分岐比を有するカップラーなどを利用するのが好ましい。なお、本明細書中では、上記のような1:10や1:20で表記されるカップラーの分岐比を結合度と呼ぶこともある。
【0007】
しかしながら、上記の図16に示したような構成により同相モニタ光を取り出す場合、該モニタ光の強度が波長に依存して大きく変化してしまうという問題点がある。この同相モニタ光の波長依存性について図17〜図19を参照しながら詳しく説明する。
【0008】
図17は、代表的な導波路型カップラーの1つであるマルチモード干渉計(Multi-Mode-Interferometer:MMI)カップラーの原理図である。このMMIカップラーにおいて、図で左下に位置する片方の入力導波路より入射した光E0は、幅広の導波路で構成される干渉部分でマルチモードとなり、偶モード光と奇モード光に分離する。干渉部分では偶モード光と奇モード光の伝搬定数が異なるため、各モード間の位相差に依存してカップラーの分岐比が変化する。例えば、偶モードおよび奇モード間の位相差がπ/2の場合、入力光E0のほぼ全てが図で右下に位置するモニタ側の出力導波路から出射される光E2となる。一方、偶モードおよび奇モード間の位相差がπの場合には、入力光E0のほぼ全てが図で右上に位置する主信号側の出力導波路から出射される光E1となる。
【0009】
図18は、偶モードおよび奇モード間の位相差に対する、主信号側およびモニタ側の各出力導波路に対応した出力光E1,E2の強度変化を計算した一例である。なお、図18の横軸は位相差を表し、縦軸は入力光強度に対する出力光強度をデシベル(dB)表示している。図18において、例えば、破線で示した位相差φを選ぶことにより、主信号側の出力光E1の強度に対するモニタ側の出力光E2の強度が−10dBとなり、分岐比が1:10のMMIカップラーを実現することができる。この1:10MMIカップラーにおいて、入力光E0の波長が変化すると、干渉部分で生じる偶モードおよび奇モード間の位相差が変化することになる。この位相差の変化に対して、主信号側の出力光E1の強度はあまり変化しない一方、モニタ側の出力光E2の強度は大きく変化することが、図18の各出力光に対応した曲線の傾きの違いより明らかである。すなわち、モニタ側の出力光E2の強度は大きな波長依存性を持つことが分かる。図19は、横軸に波長をとって、モニタ側の出力光強度の波長依存性を示したものであり、この一例では、1530nm〜1610nmの波長の変化に対して、モニタ側の出力光強度が3dB程度変化している。
【0010】
このようなモニタ光の大きな波長依存性は、前述したような光変調器におけるバイアス電圧の制御精度を著しく低下させることになり問題となる。また、このような問題は、光変調器だけに限らず、光スイッチ等の様々な光学装置でも導波路型カップラーを用いてモニタ系を構成する場合には同様に生じる可能性がある。
【0011】
本発明は上記の点に着目してなされたもので、導波路型カップラーを用いて分岐した光の強度の波長依存性を低減させることのできる光導波路素子およびそれを用いた光学装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の目的を達成するため本発明の一態様は、光導波路と、該光導波路を伝搬する光の一部を分岐する分岐部とを備えた光導波路素子において、前記分岐部が、前記光導波路を伝搬する光が入力され、該入力光を予め設定した分岐比に従って2つに分岐して第1および第2の分岐光を生成し、該第1の分岐光を取り出して第1の出力光とする第1の導波路型カップラーと、該第1の導波路型カップラーで生成された第2の分岐光が入力され、該第2の分岐光を前記第1の導波路型カップラーにおける分岐比と実質的に等しい分岐比に従って2つに分岐して第3および第4の分岐光を生成し、該第4の分岐光を取り出して第2の出力光とする第2の導波路型カップラーと、を有する。そして、前記第2の導波路型カップラーは、前記第1の導波路型カップラーにおける前記第2の分岐光の強度の波長依存性に対して、前記第4の分岐光の強度の波長依存性が逆の特性を持つように構成されている。
【0013】
このような光導波路素子では、分岐部の第2の導波路型カップラーから取り出される第2の出力光の強度の波長依存性は、第1の導波路型カップラーにおける第2の分岐光の強度の波長依存性と、第2の導波路型カップラーにおける第4の分岐光の強度の波長依存性との足し合わせとなるので、互いの波長依存性が打ち消し合い結果として波長依存性の低減された第2の出力光が得られるようになる。
【0014】
また、上記の光導波路素子における第1および第2の導波路型カップラーについては、それぞれ、2本の入力導波路および2本の出力導波路が、幅広の導波路で構成される干渉部分を介して光学的に接続されたマルチモード干渉計(MMI)カップラーを用いてもよく、或いは、2本の光導波路が並設され、該各光導波路の長手方向の中央部分における導波路間隔が他の部分よりも狭くされた近接部分を有する方向性結合器を用いても構わない。
【発明の効果】
【0015】
上記のような光導波路素子によれば、分岐部で取り出される第1の出力光と第2の出力光との間に大きな強度差があるような場合であっても、第2の出力光の強度の波長依存性を低減することができる。よって、例えば導波路型の光変調器や光スイッチ等を備えた光学装置のモニタ系を上記の光導波路素子を用いて構成すれば、分岐部で取り出される第2の出力光をモニタ光とすることで良好なモニタ特性を実現することが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明を実施するための最良の形態について添付図面を参照しながら説明する。なお、全図を通して同一の符号は同一または相当部分を示すものとする。
図1は、本発明の第1実施形態による光導波路素子を用いた光変調器の構成を示す平面図である。
【0017】
図1において、本実施形態の光変調器は、例えば、電気光学効果を有する基板1と、該基板1の表面付近に形成されたMZ型光導波路部10と、該MZ型光導波路部10に沿って設けられた電極部20と、MZ型光導波路部10の出力導波路16に接続された分岐部30と、を備えて構成される。
【0018】
MZ型光導波路部10は、入力導波路11に入力される光Einを入力側のY分岐導波路12で2つの光に分離して第1アーム13および第2アーム14にそれぞれ送り、第1、2アーム13,14を伝搬した各光を出力側のY分岐導波路15で合波して出力導波路16に導くように構成されている。
【0019】
電極部20は、MZ型光導波路部10の一方のアーム(ここでは第1アーム13)に沿って基板1上に形成された信号電極21と、該信号電極21に所要の間隔を隔てて形成された接地電極22とからなる。信号電極21には、図示しない駆動回路から出力される変調信号およびバイアス電圧が印加される。なお、ここでは一方のアーム上に信号電極21を設けた片側駆動の構成例を示したが、両方のアーム上に信号電極を設けた両側駆動の構成であっても構わない。
【0020】
分岐部30は、例えば、直列に接続された第1および第2の導波路型カップラー31,32を有し、主信号側の出力光Eout(第1の出力光)が前段の導波路型カップラー31から取り出され、モニタ側の出力光Emon(第2の出力光)が後段の導波路型カップラー32から取り出される構成となっている。
【0021】
図2は、上記分岐部30の具体的な構成例を示す拡大図である。
図2の構成例は、前段および後段の導波路型カップラー31,32として、マルチモード干渉計(MMI)カップラー31A,32Aを適用したものである。各MMIカップラー31,32は、それぞれ、2本の入力導波路および2本の出力導波路が、幅広の導波路で構成される干渉部分を介して光学的に接続されており、各々の分岐比が1:N(例えば、1:10など)で実質的に等しくなるように設計されている。前段のMMIカップラー31Aと後段のMMIカップラー32Aの違いは、干渉部分の形状にあり、本実施形態では、光の進行方向に沿った干渉部分の長さ(以下、結合長とする)Lc1,Lc2が、後述する出力光強度の波長依存性を考慮して異なる値に設定されている。なお、光の進行方向に直交する干渉部分の幅は、前段および後段のMMIカップラー31A,32Aともに同じ値Wwとしている。
【0022】
このようなMMIカップラー31A,32Aを用いた分岐部30に対して、MZ型光導波路部10の出力導波路16を伝搬する光が、前段のMMIカップラー31Aの一方の入力導波路に入力され、該入力光E0が1:Nに分岐にされて、高強度側の分岐光E11(第1の分岐光)が主信号側の出力光Eoutとして基板1外に出力される。前段のMMIカップラー31Aにおける低強度側の分岐光E12(第2の分岐光)は、さらに、後段のMMIカップラー32Aの一方の入力導波路に入力されて1:Nに分岐され、低強度側の分岐光E22(第4の分岐光)がモニタ側の出力光Emonとして基板1外に出力される。なお、後段のMMIカップラー32Aにおける高強度側の分岐光E21(第3の分岐光)は基板1内に放射される。
【0023】
ここで、上記のような分岐部30における主信号側およびモニタ側の出力光強度の波長依存性について詳しく説明する。
前述したように、MMIカップラーにおける出力光強度の波長依存性の原因としては、干渉部分での偶モードおよび奇モード間の位相差が光の波長に依存して変化することが考えられる。波長に依存した位相差の変化は、波長により導波路の実効屈折率が変化することに起因しており、例えば図3に示すように、波長が長くなると位相差が大きくなる傾向にある。
【0024】
このような波長に依存した位相差の変化により、個々のMMIカップラーから出力される各分岐光E11,E12(E21,E22)の強度は、前述の図18を拡大した図4に示すように変動することになるが、例えば、矢印および破線で指し示した2つの位相状態φ1,φ2を考えると、各々では位相差の変化に対する出力光強度の変動方向が逆となる。つまり、2つの位相状態φ1,φ2では出力光強度の波長依存性が逆となる。この特性に着目して本発明は、2つの位相状態φ1,φ2を組み合わせることにより、モニタ側の出力光Emonの波長依存性が低減されるようにしている。
【0025】
具体的に、上記図2の構成例では、前段および後段のMMIカップラー31A,32Aの各結合長Lc1,Lc2を異ならせることによって、上記2つの位相状態φ1,φ2を実現している。MMIカップラーの結合長と位相差の関係は、図5の一例に示すように、結合長に比例して位相差が大きくなるので、導波路の条件に応じてMMIカップラー31A,32Aの各結合長Lc1,Lc2を設計することが可能である。例えば、LN基板上におよそ0.1μmの厚さでTi層を形成し、1000℃−10時間の熱処理でTiを拡散して作製した導波路の場合、Lc1=300μm、Lc2=570μm、Ww=18μmとすることで、上記図4の2つの位相状態φ1,φ2を実現することができる。ただし、本発明は上記の具体例に限定されない。
【0026】
上記のような分岐部30を具備する光変調器では、MZ型光導波路部10の入力導波路11に入力された光Einが、入力側のY分岐導波路12で2分岐され、第1、2アーム13,14をそれぞれ伝搬して出力側のY分岐導波路15で合波されることにより、信号電極21に印加される変調信号に従って強度変調された信号光が出力導波路16を伝搬して分岐部30に送られる。
【0027】
分岐部30では、MZ型光導波路部10からの信号光が、前段のMMIカップラー31Aの一方の入力導波路に入力されて干渉部分に送られる。そして、結合長Lc1の干渉部分において偶モード光および奇モード光の間に位相差φ1が与えられることにより、1:Nの分岐比に従って分岐された光E11,E12が前段のMMIカップラー31Aの各出力導波路に導かれる。このとき、図6に示すように、高強度側の分岐光E11は、波長の変化に対する強度の変動が僅かである(図6中の×印参照)のに対して、低強度側の分岐光E12は、波長の増加に伴って強度が低下する波長依存性を示す(図6中の菱形印参照)。
【0028】
前段のMMIカップラー31Aにおける高強度側の分岐光E11は、主信号側の出力光Eoutとして基板1の外部に出力される。一方、低強度側の分岐光E12は、後段のMMIカップラー32Aの一方の入力導波路に入力され、結合長Lc2の干渉部分において、偶モード光および奇モード光の間に位相差φ2が与えられることにより、1:Nの分岐比に従って分岐された光E21,E22が後段のMMIカップラー32Aの各出力導波路に導かれる。このとき、後段のMMIカップラー32Aを単体で用いた場合を想定すると、低強度側の分岐光E22は、波長の増加に伴って強度が増加する波長依存性を示す(図6中の四角印参照)。このため、MMIカップラー31A,32Aを直列に接続した構成の場合、後段のMMIカップラー32Aにおける低強度側の分岐光は、上記のE12とE22の特性を足し合わせたものとなり、前段側の波長依存性が後段側の波長依存性で打ち消されるようになる(図6中の太線参照)。
【0029】
上記のように本実施形態の光変調器によれば、カップラーの分岐比が例えば1:10などのように主信号光とモニタ光との間に大きな強度差がある場合でも、モニタ側の出力光強度の波長依存性を低減することが可能となり、光変調器のモニタ光Emonとして良好な特性を得ることができる。このモニタ光Emonの波形は、主信号光Eoutの波形に対して同相の関係となるので、DPSKやDQPSKなどの位相変調を主体とした変調方式に対応することが可能である。上記のようなモニタ光Emonを利用して公知の方法により信号電極21に印加するバイアス電圧のフィードバック制御を行うようにすれば、MZ型光変調器の動作点ドリフトを確実に補償することが可能になる。
【0030】
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
図7は、本発明の第2実施形態における分岐部30の具体的な構成例を示す拡大図である。なお、光変調器全体の構成は、上記図1に示した第1実施形態の場合と同一であるため図示および説明を省略する。
【0031】
図7の構成例は、図1における分岐部30内の前段および後段の導波路型カップラー31,32として、導波路型の方向性結合器31B,32Bを適用している。各方向性結合器31B,32Bは、それぞれ、2本の光導波路が並設され、該各光導波路の長手方向(光の伝搬方向)の中央部分における導波路間隔が他の部分よりも狭くされた近接部分を有し、該近接部分において一方の光導波路を伝搬する光の一部が他方の光導波路に方向性結合するようになっており、各々の分岐比が1:N(例えば、1:10など)で実質的に等しくなるように設計されている。前段の方向性結合器31Bと後段の方向性結合器32Bの違いは、上記導波路の近接部分における光の伝搬方向の長さ(以下、結合長とする)Lc1,Lc2が、前述したMMIカップラーの場合と同様に、出力光強度の波長依存性を考慮して異なる値に設定されている。なお、近接部分における導波路の間隔は、前段および後段の方向性結合器31B,32Bともに同じ値Gapとしている。
【0032】
この図7の分岐部30に対しては、MZ型光導波路部10の出力導波路16を伝搬する光が、前段の方向性結合器31Bの一方の導波路(図7において下側に位置する導波路)に入力され、該入力光E0の一部が近接部分で他方の導波路に方向性結合して1:Nに分岐にされて、高強度側の分岐光E11が主信号側の出力光Eoutとして基板1外に出力される。前段の方向性結合器31Bにおける低強度側の分岐光E12は、さらに、後段の方向性結合器32Bの一方の導波路(図7において上側に位置する導波路)に入力されて1:Nに分岐され、低強度側の分岐光E22がモニタ側の出力光Emonとして基板1外に出力される。なお、後段の方向性結合器32Bにおける高強度側の分岐光E21は基板1内に放射される。
【0033】
上記のような方向性結合器31B,32Bを用いた分岐部30を具備する光変調器の動作は、前述した第1実施形態の場合と同様であり、前段および後段の方向性結合器31B,32Bの近接部分の結合長Lc1,Lc2を異ならせることによって、前述の図4に示した2つの位相状態φ1,φ2を実現し、前段の方向性結合器31Bにおける出力光強度の波長依存性を、後段の方向性結合器32Bにおける出力光強度の波長依存性で打ち消すようにしている。これにより、分岐比が例えば1:10などのように主信号光とモニタ光との間に大きな強度差がある場合でも、モニタ側の出力光強度の波長依存性を低減することができ、光変調器のモニタ光Emonとして良好な特性を得ることが可能になる。
【0034】
なお、上述した第1、2実施形態では、分岐部30について、MMIカップラー31A,32Aの干渉部分の結合長Lc1,Lc2、または、方向性結合器31B,32Bの近接部分の結合長Lc1,Lc2を異ならせることにより、分岐比1:Nに対応した2つの位相状態φ1,φ2を実現するようにしたが、例えば図8に示すように、MMIカップラーの干渉部分の結合長は前段および後段ともに同じ長さLcとし、干渉部分の幅を前段および後段で異ならせるようにしてもよい。
【0035】
具体的に図8の構成例では、前段のMMIカップラー31A’の干渉部分の幅Ww1が、後段のMMIカップラー32A’の干渉部分の幅Ww2よりも広くなるようにしている。干渉部分の幅を相対的に広くすることで、結合長が同じであっても干渉部分における位相変化量が少なくなる。これは結合長が短い場合に相当するので、前述の図4に示した2つの位相状態φ1,φ2が実現される。
【0036】
上記の図8と同様の構成は、方向性結合器についても適用可能であり、例えば図9に示すように、方向性結合器31B’,32B’の近接部分の結合長は同じLcとし、前段の方向性結合器31B’の近接部分における導波路の間隔Gap1を、後段の方向性結合器32B’の近接部分における導波路の間隔Gap2よりも広くして、2つの位相状態φ1,φ2を実現するようにしてもよい。
【0037】
上記のようなMMIカップラー31A’,32A’または方向性結合器31B’,32B’を分岐部30に適用すれば、光の進行方向についての分岐部30の長さが短くなるので、光変調器の小型化を図ることが可能になる。
【0038】
さらに、例えば図10に示すように、前段および後段のMMIカップラー31A”,32A”の干渉部分の形状は同一(結合長Lcおよび幅Ww)にして、干渉部分の屈折率を前段および後段で異ならせるようにすることも可能である。具体的には、前段のMMIカップラー31A”の干渉部分の屈折率Δn1が、後段のMMIカップラー32A”の干渉部分の屈折率Δn2よりも大きくなるように設計することで、結合長および幅が同じであっても干渉部分における位相変化量が少なくなる。これは結合長が短い場合に相当するので、前述の図4に示した2つの位相状態φ1,φ2が実現される。
【0039】
上記の図10と同様の構成は、方向性結合器についても適用可能であり、例えば図11に示すように、方向性結合器31B”,32B”の近接部分の形状は同一(結合長Lcおよび導波路間隔Gap)にし、前段の方向性結合器31B”の近接部分における各導波路の屈折率Δn1を、後段の方向性結合器32B”の近接部分における各導波路の屈折率Δn2よりも大きくして、2つの位相状態φ1,φ2を実現するようにしてもよい。
【0040】
上記のようなMMIカップラー31A”,32A”または方向性結合器31B”,32B”を分岐部30に適用すれば、前段および後段のカップラーの導波路パターンを共通化できるため、分岐部30のパターン設計を容易に行うことが可能になる。
【0041】
次に、本発明の第3実施形態について説明する。
図12は、本発明の第3実施形態による光導波路素子を用いた光変調器の構成を示す平面図である。
【0042】
図12において、本光変調器の構成が上述した第1実施形態の構成(図1)と異なる点は、MZ型光導波路部10における出力側のY分岐導波路15および出力導波路16に相当する部分が、分岐部40の前段の導波路型カップラー41により構成されるようにしている点である。上記分岐部40は、例えば図13の拡大図に示すように、前段および後段の導波路型カップラー41,42として、1:1の分岐比を有するMMIカップラー41A,42Aが適用され、該各MMIカップラー41A,42Aの干渉部分の結合長Lc1’,Lc2’が、上述した第1実施形態の場合と同様に、出力光強度の波長依存性を考慮して異なる値に設定されている。
【0043】
この図13の分岐部40に対しては、MZ型光導波路部10の第1アーム13を伝搬した光E0’が、前段のMMIカップラー41Aの一方の入力導波路に入力されると共に、MZ型光導波路部10の第2アーム14を伝搬した光E0”が、前段のMMIカップラー41Aの他方の入力導波路に入力される。そして、前段のMMIカップラー41Aに入力された各光E0’,E0”は、干渉部分を伝搬することで一旦合波された後に、1:1の割合で2つの光に分岐されて、一方の分岐光E11が主信号側の出力光Eoutとして基板1外に出力され、他方の分岐光E12が後段のMMIカップラー42Aに送られる。後段のMMIカップラー42Aでは、入力光E12がさらに1:1の割合で2つの光に分岐され、一方の分岐光E22がモニタ側の出力光Emonとして基板1外に出力され、他方の分岐光E21は基板1内に放射される。
【0044】
上記のような構成の光変調器では、分岐部40の前段のMMIカップラー41Aから出力される主信号光Eoutの波形に対して、後段のMMIカップラー42Aから出力されるモニタ光Emonの波形は逆相の関係になる。このため、DPSKやDQPSKなどの位相変調を主体とした変調方式に対応することは困難であるが、強度変調方式を適用した光変調器において、モニタ光強度の波長依存性が問題視されるような場合には、本実施形態の構成を適用するのが有効である。すなわち、分岐部40における前段および後段のMMIカップラー41A,42Aの干渉部分の結合長Lc1’,Lc2’を異ならせることによって、例えば図14の矢印および破線で指し示した2つの位相状態φ1’,φ2’が実現され、前段のMMIカップラー41Aにおける出力光強度の波長依存性が、後段のMMIカップラー42Aにおける出力光強度の波長依存性で打ち消されるようになるため、上記光変調器のモニタ光Emonとして良好な特性を得ることが可能になる。
【0045】
なお、上記の第3実施形態では、分岐部40の前段および後段の導波路型カップラーとしてMMIカップラーを適用した構成例を示したが、前述の図7に示したような方向性結合器を用いて前段および後段の導波路型カップラーを構成するようにしてもよい。また、前述の図8〜図11に示した場合と同様にして、前段および後段のMMIカップラーの干渉部分の幅若しくは屈折率(または、前段および後段の方向性結合器の近接部分の導波路間隔若しくは導波路の屈折率)を異ならせることにより、図14に示した2つの位相状態φ1’,φ2’を実現することも可能である。
【0046】
さらに、上述した第1〜第3の実施形態では、分岐部30,40がMZ型光変調器のモニタ系として用いられる場合を説明したが、本発明による光導波路素子(分岐部)が適用される光学装置はMZ型光変調器に限定されるものではない。例えば、導波路型の光スイッチにおいて出力光の強度をモニタしてスイッチング動作を制御するような場合のモニタ系としても本発明による光導波路素子は有効である。また、本発明による光導波路素子は、主信号光のモニタ系としての用途だけでなく、導波路型の分岐カップラーを用いて入力光の一部を分岐し複数の出力光を取り出すことを目的とした様々な用途に有効であり、該用途に応じて、光学装置内での光導波路素子の適用箇所を適宜に決めることが可能である。
【0047】
以上の各実施形態に関して、さらに以下の付記を開示する。
【0048】
(付記1) 光導波路と、該光導波路を伝搬する光の一部を分岐する分岐部とを備えた光導波路素子において、
前記分岐部は、前記光導波路を伝搬する光が入力され、該入力光を予め設定した分岐比に従って2つに分岐して第1および第2の分岐光を生成し、該第1の分岐光を取り出して第1の出力光とする第1の導波路型カップラーと、該第1の導波路型カップラーで生成された第2の分岐光が入力され、該第2の分岐光を前記第1の導波路型カップラーにおける分岐比と実質的に等しい分岐比に従って2つに分岐して第3および第4の分岐光を生成し、該第4の分岐光を取り出して第2の出力光とする第2の導波路型カップラーと、を有し、
前記第2の導波路型カップラーは、前記第1の導波路型カップラーにおける前記第2の分岐光の強度の波長依存性に対して、前記第4の分岐光の強度の波長依存性が逆の特性を持つように構成されていることを特徴とする光導波路素子。
【0049】
(付記2) 前記第1および第2の導波路型カップラーは、それぞれ、2本の入力導波路および2本の出力導波路が、幅広の導波路で構成される干渉部分を介して光学的に接続されたマルチモード干渉計カップラーであることを特徴とする付記1に記載の光導波路素子。
【0050】
(付記3) 前記第1および第2の導波路型カップラーは、前記干渉部分の結合長が互いに異なることを特徴とする付記2に記載の光導波路素子。
【0051】
(付記4) 前記第1および第2の導波路型カップラーは、前記干渉部分の幅が互いに異なることを特徴とする付記2に記載の光導波路素子。
【0052】
(付記5) 前記第1および第2の導波路型カップラーは、前記干渉部分の屈折率が互いに異なることを特徴とする付記2に記載の光導波路素子。
【0053】
(付記6) 前記第1および第2の導波路型カップラーは、それぞれ、2本の光導波路が並設され、該各光導波路の長手方向の中央部分における導波路間隔が他の部分よりも狭くされた近接部分を有する方向性結合器であることを特徴とする付記1に記載の光導波路素子。
【0054】
(付記7) 前記第1および第2の導波路型カップラーは、前記近接部分の結合長が互いに異なることを特徴とする付記6に記載の光導波路素子。
【0055】
(付記8) 前記第1および第2の導波路型カップラーは、前記近接部分の導波路間隔が互いに異なることを特徴とする付記6に記載の光導波路素子。
【0056】
(付記9) 前記第1および第2の導波路型カップラーは、前記近接部分の屈折率が互いに異なることを特徴とする付記6に記載の光導波路素子。
【0057】
(付記10) 付記1に記載の光導波路素子を備えたことを特徴とする光学装置。
【0058】
(付記11) 導波路型の光変調器を含むことを特徴とする付記10に記載の光学装置。
【0059】
(付記12) 前記光変調器は、電気光学効果を有する基板と、該基板に形成されたマッハツェンダ型光導波路部と、該マッハツェンダ型光導波路部に沿って形成された電極部とを備え、前記マッハツェンダ型光導波路部に入力される光を前記電極部に印加される電気信号に従って変調して出力し、
前記光導波路素子は、前記マッハツェンダ型光導波路部の出力端に接続され、前記第1の出力光を主信号光として前記基板外に出力し、前記第2の出力光をモニタ光として前記基板外に出力することを特徴とする付記11に記載の光学装置。
【0060】
(付記13) 前記マッハツェンダ型光導波路部は、光が入力される入力導波路と、該入力導波路を伝搬する光を2つに分岐する入力側のY分岐導波路と、該入力側のY分岐導波路で分岐された光がそれぞれ与えられる第1アームおよび第2アームと、該第1および第2アームを伝搬する光を合波する出力側のY分岐導波路と、該出力側のY分岐導波路で合波された光が与えられる出力導波路とを有し、
前記光導波路素子は、前記マッハツェンダ型光導波路部の出力導波路から出力される光が前記第1の導波路型カップラーに入力され、前記主信号光および前記モニタ光が同相の関係となることを特徴とする付記12に記載の光学装置。
【0061】
(付記14) 前記マッハツェンダ型光導波路部は、光が入力される入力導波路と、該入力導波路を伝搬する光を2つに分岐する入力側のY分岐導波路と、該入力側のY分岐導波路で分岐された光がそれぞれ与えられる第1アームおよび第2アームとを有し、
前記光導波路素子は、前記マッハツェンダ型光導波路部の第1および第2アームを伝搬した各光が前記第1の導波路型カップラーに入力され、前記主信号光および前記モニタ光が逆相の関係となることを特徴とする付記12に記載の光学装置。
【0062】
(付記15) 導波路型の光スイッチを含むことを特徴とする付記10に記載の光学装置。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明による光変調器の第1実施形態の構成を示す平面図である。
【図2】上記第1実施形態に用いられる分岐部の具体的な構成例を示す拡大図である。
【図3】MMIカップラーにおける位相差の波長依存性の一例を示す図である。
【図4】上記第1実施形態におけるMMIカップラーの出力光強度と偶奇モード間の位相差との関係を説明するための図である。
【図5】上記第1実施形態におけるMMIカップラーの結合長と位相差の関係を説明するための図である。
【図6】上記第1実施形態の分岐部によるモニタ光強度の波長依存性低減効果を説明するための図である。
【図7】本発明による光変調器の第2実施形態に用いられる分岐部の具体的な構成例を示す拡大図である。
【図8】上記第1実施形態の分岐部に関連して、MMIカップラーの干渉部分の幅を異ならせるようにした他の構成例を示す拡大図である。
【図9】上記第2実施形態の分岐部に関連して、方向性結合器の近接部分における導波路の間隔を異ならせるようにした他の構成例を示す拡大図である。
【図10】上記第1実施形態の分岐部に関連して、MMIカップラーの干渉部分の屈折率を異ならせるようにした別の構成例を示す拡大図である。
【図11】上記第2実施形態の分岐部に関連して、方向性結合器の近接部分における導波路の屈折率を異ならせるようにした別の構成例を示す拡大図である。
【図12】本発明による光変調器の第3実施形態の構成を示す平面図である。
【図13】上記第3実施形態に用いられる分岐部の具体的な構成例を示す拡大図である。
【図14】上記第3実施形態におけるMMIカップラーの出力光強度と偶奇モード間の位相差との関係を説明するための図である。
【図15】従来の光変調器における出力光強度と印加電圧の関係を説明するための図である。
【図16】主信号光と同相のモニタ光を取り出すための光変調器の構成例を示す平面図である。
【図17】MMIカップラーの動作原理を説明するための図である。
【図18】MMIカップラーの出力光強度と偶奇モード間の位相差との関係を示す図である。
【図19】図16の構成例におけるモニタ光の強度の波長依存性を示す図である。
【符号の説明】
【0064】
1…基板
10…MZ型光導波路部
11…入力導波路
12,15…Y分岐導波路
13…第1アーム
14…第2アーム
16…出力導波路
20…電極部
21…信号電極
22…接地電極
30,40…分岐部
31,41…前段の導波路カップラー
32,42…後段の導波路カップラー
31A,31A’,31A”,41A…前段のMMIカップラー
32A,32A’,32A”,42A…後段のMMIカップラー
31B,31B’,31B”…前段の方向性結合器
32B,32B’,32B”… 方向性結合器
Eout…主信号光
Emon…モニタ光
E11,E12,E21,E22…分岐光
Lc,Lc1,Lc2,Lc1’,Lc2’…結合長
Ww,Ww1,Ww2…MMIカップラーの干渉部分の幅
Gap,Gap1,Gap2…方向性結合器の近接部分の導波路間隔
Δn1,Δn2…屈折率

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光導波路と、該光導波路を伝搬する光の一部を分岐する分岐部とを備えた光導波路素子において、
前記分岐部は、前記光導波路を伝搬する光が入力され、該入力光を予め設定した分岐比に従って2つに分岐して第1および第2の分岐光を生成し、該第1の分岐光を取り出して第1の出力光とする第1の導波路型カップラーと、該第1の導波路型カップラーで生成された第2の分岐光が入力され、該第2の分岐光を前記第1の導波路型カップラーにおける分岐比と実質的に等しい分岐比に従って2つに分岐して第3および第4の分岐光を生成し、該第4の分岐光を取り出して第2の出力光とする第2の導波路型カップラーと、を有し、
前記第2の導波路型カップラーは、前記第1の導波路型カップラーにおける前記第2の分岐光の強度の波長依存性に対して、前記第4の分岐光の強度の波長依存性が逆の特性を持つように構成されていることを特徴とする光導波路素子。
【請求項2】
前記第1および第2の導波路型カップラーは、それぞれ、2本の入力導波路および2本の出力導波路が、幅広の導波路で構成される干渉部分を介して光学的に接続されたマルチモード干渉計カップラーであることを特徴とする請求項1に記載の光導波路素子。
【請求項3】
前記第1および第2の導波路型カップラーは、前記干渉部分の結合長が互いに異なることを特徴とする請求項2に記載の光導波路素子。
【請求項4】
前記第1および第2の導波路型カップラーは、前記干渉部分の幅が互いに異なることを特徴とする請求項2に記載の光導波路素子。
【請求項5】
前記第1および第2の導波路型カップラーは、前記干渉部分の屈折率が互いに異なることを特徴とする請求項2に記載の光導波路素子。
【請求項6】
前記第1および第2の導波路型カップラーは、それぞれ、2本の光導波路が並設され、該各光導波路の長手方向の中央部分における導波路間隔が他の部分よりも狭くされた近接部分を有する方向性結合器であることを特徴とする請求項1に記載の光導波路素子。
【請求項7】
請求項1に記載の光導波路素子を備えたことを特徴とする光学装置。
【請求項8】
導波路型の光変調器を含むことを特徴とする請求項7に記載の光学装置。
【請求項9】
前記光変調器は、電気光学効果を有する基板と、該基板に形成されたマッハツェンダ型光導波路部と、該マッハツェンダ型光導波路部に沿って形成された電極部とを備え、前記マッハツェンダ型光導波路部に入力される光を前記電極部に印加される電気信号に従って変調して出力し、
前記光導波路素子は、前記マッハツェンダ型光導波路部の出力端に接続され、前記第1の出力光を主信号光として前記基板外に出力し、前記第2の出力光をモニタ光として前記基板外に出力することを特徴とする請求項8に記載の光学装置。
【請求項10】
導波路型の光スイッチを含むことを特徴とする請求項7に記載の光学装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2009−145781(P2009−145781A)
【公開日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−325176(P2007−325176)
【出願日】平成19年12月17日(2007.12.17)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】