説明

光情報処理装置

【課題】収差補正素子により収差を良好に除去し且つ装置全体の厚みを抑える。
【解決手段】光源が放射したレーザ光を該光ディスクに向かうよう偏向する偏向手段と、偏向されたレーザ光を該光ディスク上で結像させる結像手段と、結像手段との光学的な相対位置関係が所定の方向に関して一定に保持された、光源から該光ディスクに至る光路中で発生するレーザ光の収差を補正する収差補正手段とを備え、収差補正手段を光源と偏向手段の間の光路中に配置した光情報処理装置を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、光ディスクに対する情報の記録処理及び再生処理を行う光情報処理装置、特に、光源が放射したレーザ光を光ディスクに向かうよう偏向する偏向手段と、偏向されたレーザ光を該光ディスク上で結像させる結像手段と、光源から該光ディスクに至る光路中で発生するレーザ光の収差を補正する収差補正手段とを有し、該レーザ光が該光ディスク上の所定位置で結像されるよう結像手段を移動させて当該光ディスクに対する情報の記録処理及び再生処理を行う光情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、BD(Blu-Ray Disc)やHD DVD(High Definition DVD)等の記録密度の高い光ディスクが規格化され、それらを処理(ここでいう「処理」とは再生や記録等を含む)するための光情報処理装置が広く知られている。このような光情報処理装置には高NAの対物レンズが搭載される。また短波長の光ビームが使用される。このように高NAの対物レンズ及び短波長の光ビームを用いることにより、光情報処理装置は光ディスク上に極小のビームスポットを形成して、当該光ディスク上の高密度化された情報を処理することができる。
【0003】
ところが、対物レンズのNAを高く設計したり短波長の光ビームを使用したりした場合、ビームスポットに対する収差(例えば球面収差)の影響が大きくなる。すなわち僅かな誤差で発生した収差が良好なビームスポット形成に大きく影響を及ぼし得る。この結果、光情報処理装置による光ディスクに対する処理にエラーが生じ易くなる。
【0004】
装置側の誤差に関しては出荷時の調整作業で予め除去することができる。このような誤差には例えば対物レンズの製造誤差等が挙げられる。このような誤差は例えば対物レンズの軸合わせやティルト調整等を行うことで除去可能である。
【0005】
一方、光ディスク側の誤差に関しては装置側の調整作業で除去することができない。このため、光ディスク側に依存した上記誤差により収差が発生してビームスポットが劣化し、その結果、光ディスクに対する処理が良好に行われないことがある。なお、光ディスク側の誤差には例えば光ディスクの個体差、記録層の厚み誤差、ムラ等が挙げられる。
【0006】
このような問題を解消すべく、例えば収差補正用の液晶素子を実装した光情報処理装置が下記特許文献1に示されている。下記特許文献1に記載の光情報処理装置では、液晶素子の各電極にそれぞれ異なる電圧を印加して各液晶分子の配向状態を調節し、当該液晶素子を通過する光ビームの位相をずらすことにより収差補正が実現されている。光ディスクがセットされたときに当該光ディスクの誤差を検出し、その検出結果に応じて位相シフト量を決定するため、光ディスク側の誤差は良好に除去される。
【0007】
ここで、下記特許文献1に記載されているように、液晶素子により収差を良好に補正するため、対物レンズと液晶素子の位置関係は一定であることが要求される。従って下記特許文献1では、液晶素子が対物レンズに固定されて一つのユニットとして構成されている。この構成では液晶素子と対物レンズは一体に移動するため、互いの位置関係は常に一定に保たれている。これにより、良好な収差補正が実現されている。
【特許文献1】特開2002−56565号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ノートPC等の薄型端末には一般に「スリムサイズ」や「ウルトラスリム」と呼ばれる極めて薄いODD(Optical Disk Drive)が実装されている。しかし上記特許文献1に記載された光情報処理装置では、液晶素子を追加したことにより当該装置全体の厚みが増加している。このため上記特許文献1に記載された光情報処理装置では、上記の薄型サイズを実現することが困難であった。
【0009】
そこで、本発明は上記の事情に鑑みて、収差補正素子により収差を良好に除去し、且つ、装置全体の厚みを抑えることができる光情報処理装置を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決する本発明の一態様に係る光情報処理装置は、光ディスクに対する情報の記録処理又は再生処理を行う装置である。この光情報処理装置は、光源が放射したレーザ光を該光ディスクに向かうよう偏向する偏向手段と、偏向されたレーザ光を該光ディスク上で結像させる結像手段と、結像手段との光学的な相対位置関係が所定の方向に関して一定に保持された、光源から該光ディスクに至る光路中で発生するレーザ光の収差を補正する収差補正手段とを備えており、収差補正手段を光源と偏向手段の間の光路中に配置したことを特徴としたものである。
【0011】
上記光情報処理装置によれば、該レーザ光の光路において結像手段と収差補正手段とが偏向手段を挟んで配置されている。このため結像手段と収差補正手段が装置の厚み方向に並んで配置されることがない。従って光情報処理装置によれば、収差補正素子により収差を良好に除去し、且つ、装置全体の厚みを抑えることが可能である。
【0012】
なお上記光情報処理装置は、例えば該光ディスク上の所定位置でレーザ光が結像されるよう結像手段を移動させる第一の移動手段と、結像手段との光学的な相対位置関係が一定に保持されるよう収差補正手段を移動させる第二の移動手段を更に備えたものであっても良い。
【0013】
上記光情報処理装置によれば、収差補正手段が結像手段に対して独立して別個に移動可能に構成されている。すなわち結像手段と収差補正手段とが分離した構成で移動するため、結像手段が軽量化してその追従性が向上する。つまり、結像手段の応答速度が向上して精密且つ高速に移動できるようになる。
【0014】
また上記光情報処理装置によれば、第一の移動手段は結像手段を該光ディスクの半径方向に移動させることができる。
【0015】
また上記光情報処理装置によれば、第二の移動手段は収差補正手段を該光ディスクの面と直交する方向に移動させることができる。また、別の形態によれば、第二の移動手段は収差補正手段を該光ディスクの半径方向に移動させることができる。
【0016】
また上記の課題を解決する本発明の別の態様に係る光情報処理装置は、光源が放射したレーザ光を光ディスクに向かうよう偏向する偏向手段と、偏向されたレーザ光を該光ディスク上で結像させる結像手段と、光源から該光ディスクに至る光路中で発生するレーザ光の収差を補正する収差補正手段とを有し、該レーザ光が該光ディスク上の所定位置で結像されるよう結像手段を移動させて当該光ディスクに対する情報の記録処理又は再生処理を行う装置である。この光情報処理装置は、収差補正手段を結像手段に対して独立して別個に移動させる移動手段と、収差補正手段と結像手段との光学的な相対位置関係が所定の方向に関して一定に保持されるよう移動手段を制御する移動制御手段とを備えたものであり、収差補正手段を光源と偏向手段の間の光路中に配置したことを特徴としたものである。
【0017】
上記光情報処理装置によれば、該レーザ光の光路において結像手段と収差補正手段とが偏向手段を挟んで配置されている。このため結像手段と収差補正手段が装置の厚み方向に並んで配置されることがない。従って光情報処理装置によれば、収差補正素子により収差を良好に除去し、且つ、装置全体の厚みを抑えることが可能である。また、収差補正手段が結像手段に対して独立して別個に移動可能に構成されている。すなわち結像手段と収差補正手段とが分離した構成で移動するため、結像手段が軽量化してその追従性が向上する。つまり、結像手段の応答速度が向上して精密且つ高速に移動できるようになる。
【0018】
なお上記光情報処理装置は、例えば結像手段の位置情報を検出する位置情報検出手段を更に備えたものであっても良い。この場合、移動制御手段は、検出された位置情報に基づいて移動手段を制御することができる。
【0019】
また上記光情報処理装置によれば、移動手段は収差補正手段を該光ディスクの面と直交する方向に移動させることができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明に係る光情報処理装置によれば、レーザ光の光路において結像手段と収差補正手段とが偏向手段を挟んで配置されている。このため結像手段と収差補正手段が装置の厚み方向に並んで配置されることがない。従って光情報処理装置によれば、収差補正素子により収差を良好に除去し、且つ、装置全体の厚みを抑えることが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態の光情報処理装置の構成及び作用について説明する。
【0022】
図1は、本発明の第一の実施例の光情報処理装置100の構成を示した斜視図である。光情報処理装置100は筐体1を備えている。筐体1にはスロット1aが形成されている。また図示しないトレイが、スロット1aを介して筐体1に対し収納/排出可能に備えられている。なお図1では、トレイ上に載置された光ディスク200が筐体1内部に収納されている状態が示されている。上記収納状態において光ディスク200はスピンドルモータ70にセットされている。光ディスク200はスピンドルモータ70により回転軸70aを中心に回転する。なお光ディスク200は、例えばBDやHD DVD等の記録密度の高い光ディスクである。
【0023】
光情報処理装置100は固定ユニット10及び可動ユニット30を備えている。図2に、固定ユニット10及び可動ユニット30の構成を示す。これらのユニットは筐体1に保持されている。
【0024】
固定ユニット10は、レーザダイオード11、コリメータレンズ12、第一のアナモフィックプリズム13、ハーフミラー13a、第二のアナモフィックプリズム14、ミラー15、直角プリズム16、ホログラム素子17、集光レンズ18、複合センサ19、及び、レーザパワーモニタセンサ20を備えている。
【0025】
レーザダイオード11は断面形状が楕円の発散レーザ光を放射する。この発散レーザ光は短波長(例えば400nm近傍)である。レーザダイオード11から放射された発散レーザ光はコリメータレンズ12に入射する。コリメータレンズ12は、レーザダイオード11から放射された発散レーザ光を平行光束に変換する。平行光束に変換された平行光束は第一のアナモフィックプリズム13に入射する。
【0026】
第一のアナモフィックプリズム13及び第二のアナモフィックプリズム14は、コリメータレンズ12からの平行光束を断面形状が略円形状となる平行光束に整形する。次いで、断面形状が略円形状に整形された平行光束はミラー15に入射する。また第一のアナモフィックプリズム13に入射された平行光束の一部はハーフミラー13aによって90度折り曲げられて、レーザパワーモニタセンサ20に入射する。
【0027】
レーザパワーモニタセンサ20は、受光した光の強度に応じた信号をレーザパワーコントロール回路(不図示)に出力する。レーザパワーコントロール回路は受け取ったこの信号のレベルに基づいてフィードバック制御を行って、レーザダイオード11の出力を安定させる。
【0028】
一方、ミラー15は第二のアナモフィックプリズム14から出射された平行光束を90度折り曲げる。折り曲げられたレーザ光は固定ユニット10から出射されて、可動ユニット30に入射する。
【0029】
可動ユニット30はキャリッジ31を備えている。キャリッジ31は、各端部が筐体1の所定箇所に固定されたガイドシャフト33R及び33Lにより、光ディスク200の半径方向(すなわちトラッキング方向であり、各図で示されている矢印T方向)にスライド可能に支持されている。また、可動ユニット30をトラッキング方向に移動させるための駆動手段がキャリッジ31を挟むように設置されている。具体的には、ガイドシャフト33R側に筐体1の所定箇所に固定されたヨーク34R及びヨーク34Rが挿通されたコイル35R、ガイドシャフト33L側に筐体1の所定箇所に固定されたヨーク34L及びヨーク34Lが挿通されたコイル35Lが設置されている。図示しない駆動制御回路によりキャリッジ31に固定されたコイル35R及び35Lに電流が流れると電磁作用により推力が発生し、これにより、キャリッジ31がトラッキング方向に移動する。
【0030】
また、キャリッジ31は固定ユニット10と対向する壁部に開口部31aを有している。固定ユニット10から出射されたレーザ光は、開口部31aを介してキャリッジ31内部に入射する。
【0031】
図3に、キャリッジ31の一部を切り取った、可動ユニット30の斜視図を示す。また図4に、可動ユニット30の断面図を示す。図3において説明の便宜上、キャリッジ31を上下に二つに分割して示している。
【0032】
キャリッジ31内部には収差補正ユニット40、1/4波長板42、立ち上げミラー32、及び、対物レンズユニット50が設置されている。収差補正ユニット40、1/4波長板42、立ち上げミラー32は、光ディスク200の面と平行な方向に並ぶよう配置されている。また立ち上げミラー32と対物レンズユニット50は、光ディスク200の面と直交する方向に並ぶよう配置されている。開口部31aを介してキャリッジ31内部に入射したレーザ光は収差補正ユニット40に入射する。
【0033】
収差補正ユニット40は液晶収差補正素子41を備えている。液晶収差補正素子41は枠40aに取り付けられている。
【0034】
液晶収差補正素子41は周知の構成を有し、矢印Fに平行で且つ矢印Tに直交した面上に配置された板状の素子である。液晶収差補正素子41は、印加電圧量に応じて発生する電界により入射レーザ光に対して複屈折変化を与える液晶を有している。すなわち液晶収差補正素子41において印加電圧量に応じて発生する電界により、上記液晶を構成する複数の液晶分子の各々の配向状態が変化する。各液晶分子の配向状態を変化させることにより、それら液晶分子を通過する光が複屈折変化を受ける。この結果、その光の位相が変化する。ここで、入射レーザ光の位相の変化はその光の収差の変化も意味する。このため液晶収差補正素子41によって位相を適切な量変化させることにより、収差(主に球面収差)を補正することが可能である。
【0035】
また、液晶収差補正素子41は電界を発生させるための電極を複数有している。これらの電極は液晶収差補正素子41上に分布するよう配置されている。従って各電極に電圧を印加したとき、液晶収差補正素子41上において、液晶分子の配向状態が各電極に対する印加電圧量に応じて分布する。レーザ光が有する収差分布に応じて上記配向状態が液晶収差補正素子41上で分布するよう電圧制御することにより、光路中に生じたレーザ光の収差が良好に補正される。
【0036】
なお可動ユニット30は、上記駆動制御回路に接続されたフレキシブル基板36を有している。可動ユニット30の各構成要素は、フレキシブル基板36を介して入力される信号により作動する。
【0037】
液晶収差補正素子41を通過したレーザ光は直線偏光状態にある。このような偏光状態のレーザ光は、キャリッジ31に保持された1/4波長板42により円偏光に変換されて立ち上げミラー32に入射する。次いで、立ち上げミラー32により垂直方向(光ディスク200の面と直交する方向)に立ち上げられて対物レンズユニット50に入射する。
【0038】
対物レンズユニット50は対物レンズホルダ51を備えている。対物レンズホルダ51は対物レンズ52を保持している。対物レンズ52は高NA(例えばNA=0.85)に設計されている。なお、図4に示された対物レンズ52及び液晶収差補正素子41の位置はそれぞれの基準位置である。対物レンズ52の基準位置とは、対物レンズ52の光軸が、光情報処理装置100全体の光軸(各図において一点鎖線で示された軸)と一致したときの位置である。また液晶収差補正素子41の基準位置とは、液晶収差補正素子41の中心41cが、光情報処理装置100全体の光軸上に存在するときの位置である。
【0039】
立ち上げミラー32により立ち上げられたレーザ光は対物レンズ52に入射して、微小なビームスポットとして光ディスク200上に集光される。なお光ディスク200は、薄膜の記録層200a及び情報が記録されるディスク基板200bを有している。上記ビームスポットは、より正確には記録層200a上に形成される。
【0040】
すなわち対物レンズ52から出射したレーザ光は、各光学系及び液晶収差補正素子41の作用により、収差が補正された状態で光ディスク200上に結像する。次いで、当該光ディスク200により反射される。光ディスク200により反射されたレーザ光は可動ユニット30を介して、固定ユニット10に戻り光として入射する。次いで、その戻り光はミラー15により90度折り曲げられて第二のアナモフィックプリズム14に導かれる。第二のアナモフィックプリズム14を透過した戻り光は、ハーフミラー13aにより90度折り曲げられて、直角プリズム16、ホログラム素子17に入射する。
【0041】
ホログラム素子17は光束分離素子である。第一の実施例においてホログラム素子17は、直角プリズム16を介して入射した戻り光を、それぞれ異なる方向に向かう三つの光束に分離させる。三つに分離された光束は、集光レンズ18を介して複合センサ19に入射する。
【0042】
複合センサ19は、図示しないサーボ用受光素子及びデータ用受光素子を備えている。これらの受光素子は、ホログラム素子17により分離された三つの光束の並びに沿って配置されている。上記三つの光束のうちの一つがデータ用受光素子に受光されて、光ディスク200の情報信号として演算処理される。
【0043】
また、ホログラム素子17により分離された光束のうちの残りの二つは、サーボ用受光素子に受光される。このサーボ用受光素子の出力が図示しない演算部によって演算処理されて、フォーカスエラー信号及びトラッキングエラー信号として検出される。各エラー信号に基づいて対物レンズユニット50の二軸のアクチュエータが駆動され、トラッキング等の対物レンズ52の位置に関する微小調整が行われる。
【0044】
ここで、対物レンズユニット50の二軸のアクチュエータについて説明する。図5及び6に、キャリッジ31内部の各構成要素の分解斜視図を示す。なお対物レンズユニット50の二軸のアクチュエータには、コイルそのものが移動する所謂ムービングコイル方式のものが採用されている。
【0045】
対物レンズユニット50は、対物レンズホルダ51、対物レンズ52に加えて、アクチュエータベース53、ワイヤ54、ワイヤ固定ブロック55、フォーカスコイル56、フォーカスマグネット57、トラッキングコイル58、及び、トラッキングマグネット59を備えている。
【0046】
アクチュエータベース53はキャリッジ31に保持されている。対物レンズホルダ51はアクチュエータベース53上において移動可能に載置されている。対物レンズホルダ51には、矢印Tと直交する方向において対物レンズ52を挟むよう一対のフォーカスコイル56が巻き付けられている。また矢印T方向において対物レンズ52を挟むよう一対のトラッキングコイル58が巻き付けられている。
【0047】
また対物レンズホルダ51の両サイドにはワイヤ54が二本ずつ取り付けられている。これらのワイヤ54の各々はその一端が対物レンズホルダ51に取り付けられ、もう一端が、キャリッジ31に保持されたワイヤ固定ブロック55に取り付けられている。またこれらのワイヤ54は例えば導電部材から成る。フォーカスコイル56、トラッキングコイル58の各々には、上記駆動制御回路によりワイヤ54を介して電流が供給される。
【0048】
アクチュエータベース53には4つのフォーカスマグネット57が固定されている。これらのフォーカスマグネット57は、矢印Tと直交する方向において対物レンズホルダ51を挟むよう、その両脇に二つずつ配置されている。また各々の固定箇所においてフォーカスマグネット57は矢印F方向(すなわちフォーカス方向であり、光ディスク200の面と直交する方向)に並ぶよう配置されている。各フォーカスマグネット57にはフォーカスコイル56が近接して位置する。
【0049】
フォーカスコイル56に電流が供給されると、それにより発生する磁力と、フォーカスコイル56に近接するフォーカスマグネット57の磁力との間に発生する推力(反発力、吸引力)により、対物レンズホルダ51が移動する。このとき対物レンズホルダ51は、フォーカスコイル56とフォーカスマグネット57の位置関係により、ワイヤ54を撓ませつつフォーカス方向(すなわち矢印F方向)にのみ平行移動する。その移動範囲は、対物レンズホルダ51がアクチュエータベース53上に載置された位置から、上記推力がワイヤ54の復元力と釣り合う位置までである。対物レンズホルダ51のフォーカス方向の移動量は上記フォーカスエラー信号に基づいて決定される。対物レンズ52は、このようなフォーカシング動作により、好適なビームスポットを光ディスク200上に形成することができる。
【0050】
またアクチュエータベース53には4つのトラッキングマグネット59が固定されている。これらのトラッキングマグネット59は、矢印T方向において対物レンズホルダ51を挟むよう、その両脇に二つずつ配置されている。また各々の固定箇所においてトラッキングマグネット59は、フォーカスマグネット57を挟んで矢印T方向に並ぶよう配置されている。各トラッキングマグネット59にはトラッキングコイル58が近接して位置する。
【0051】
トラッキングコイル58に電流が供給されると、それにより発生する磁力と、トラッキングコイル58に近接するトラッキングマグネット59の磁力との間に発生する推力により、対物レンズホルダ51が移動する。このとき対物レンズホルダ51は、トラッキングコイル58とトラッキングマグネット59の位置関係により、ワイヤ54を撓ませつつトラッキング方向(すなわち矢印T方向)にのみ平行移動する。その移動範囲は、上記推力とワイヤ54の復元力との釣り合い位置によって決定される。対物レンズホルダ51のトラッキング方向の移動量は上記トラッキングエラー信号に基づいて決定される。対物レンズ52は、このようなトラッキング動作により、光ディスク200上の適正な位置にビームスポットを形成することができる。
【0052】
なお、各フォーカスコイル56及びトラッキングコイル58に電流が供給されていない状態(すなわちアクチュエータ非駆動時)では、対物レンズユニット50は上記基準位置(すなわち図4に示された位置)に位置する。
【0053】
第一の実施例では対物レンズホルダ51を軽量化させる観点から、対物レンズホルダ51は、所謂エンジニアリングプラスチック等から成る樹脂成型品である。従って、フォーカスコイル56、トラッキングコイル58の各々は中空のコイルとして作用する。
【0054】
なお、対物レンズユニット50は、一対の周知の反射型フォトインタラプタ60を更に備えている。反射型フォトインタラプタ60は、投射光を投射する投光部60a、及び、その投射光を受光するための受光部60bを有している。これらの反射型フォトインタラプタ60はそれぞれ、対物レンズホルダ51の各壁部51aに対向するよう設置されている。
【0055】
対物レンズホルダ51の壁部51aは平面反射面を有しており、投光部60aから投射された投射光を反射させることができる。この反射光が受光部60bに受光されると、その反射面までの距離に比例した強度変化に応じた信号が生成されて上記駆動制御回路に出力される。駆動制御回路は各反射型フォトインタラプタ60からの信号に基づいて、上記基準位置に対する対物レンズユニット50のトラッキング方向の変位を検出する。変位検出等の制御に関しては、本出願人により実開平5−21331号公報において開示されている。
【0056】
次に、収差補正ユニット40について詳説する。第一の実施例では光情報処理装置100を薄型化させ、更には対物レンズユニット50を軽量化させるため、当該対物レンズユニット50と収差補正ユニット40とが互いに独立したユニットとして構成されている。
【0057】
先ず、収差補正ユニット40の構成について説明する。
【0058】
矢印T及びFと直交する方向において、枠40aの両側面には液晶駆動用マグネット43が二つずつ取り付けられている。また各々の固定箇所において、液晶駆動用マグネット43は矢印F方向に並ぶよう配置されている。
【0059】
各液晶駆動用マグネット43近傍には、液晶収差補正素子41を挟んで一対の液晶駆動用コイル44が設置されている。これらの液晶駆動用コイル44はキャリッジ31に保持されている。また、これらの液晶駆動用コイル44は中空コイルであり、上記駆動制御回路に接続されている。
【0060】
また、液晶収差補正素子41は、矢印T及びFに直交する方向に延在する一対の板バネ45に狭持されている。これらの板バネ45の一端はキャリッジ31に保持されている。液晶収差補正素子41への給電は、例えば板バネ45に形成された電極パターンを用いて行われる。
【0061】
次に、収差補正ユニット40の動作について説明する。なお収差補正ユニット40では、マグネットそのものが移動する、所謂ムービングマグネット方式のアクチュエータが採用されている。
【0062】
液晶駆動用コイル44に電流が供給されると、それにより発生する磁力と、液晶駆動用コイル44に近接する液晶駆動用マグネット43の磁力との間に発生する推力により、液晶駆動用マグネット43(及び、枠40a、液晶収差補正素子41)が移動する。このときこれらの部材は、液晶駆動用マグネット43と液晶駆動用コイル44の位置関係により、板バネ45を撓ませつつ矢印T’方向にのみ平行移動する。その移動範囲は、上記推力と板バネ45の復元力との釣り合い位置によって決定される。なお説明の便宜上、推力により移動する部材、すなわち枠40a、液晶収差補正素子41、及び、液晶駆動用マグネット43を「液晶可動部40M」と記す。
【0063】
各液晶駆動用コイル44に電流が供給されていない状態(すなわちアクチュエータ非駆動時)では、液晶可動部40Mは上記基準位置に位置する。
【0064】
ここで、液晶可動部40Mの矢印T’方向の移動量は、反射型フォトインタラプタ60を用いて検出された対物レンズユニット50の上記変位に基づいて決定される。図7(a)〜(c)に、対物レンズユニット50に対する液晶可動部40Mの位置追従を説明するための図を示す。図7(a)〜(c)では図面の簡略化のため、上記位置追従の説明に不要とされる構成についてはその図示を省略している。また説明の便宜上、対物レンズ52の光軸に「O」、液晶収差補正素子41の中心41cを通り且つ光軸Oに平行な軸に「O」を付している。光軸Oと軸Oが一致した状態(例えば図7(a)の状態)において、液晶収差補正素子41は収差補正を良好に行うことができる。
【0065】
上記駆動制御回路は、先ず、上記基準位置に対する対物レンズユニット50のトラッキング方向の変位、すなわち対物レンズユニット50の位置情報を反射型フォトインタラプタ60の出力を基に算出する。次いで、算出された位置情報に基づいて液晶駆動用コイル44に供給すべき電流値を設定する。このように設定された電流が液晶駆動用コイル44に供給されると、発生される推力により板バネ45が撓む。これにより、トラッキング方向において対物レンズユニット50の光軸と液晶収差補正素子41の中心41cとが一致するよう、液晶可動部40Mが移動する。すなわち、対物レンズユニット50に対する液晶可動部40Mの位置追従が実行される。
【0066】
例えば図7(b)に示されるように、対物レンズユニット50がトラッキング方向T沿いに光ディスク200内周側に向かって図7(a)の位置から距離d移動したとき、上記駆動制御回路は、各反射型フォトインタラプタ60の出力に基づいて液晶可動部40Mを追従させようと作動する。
【0067】
すなわち上記駆動制御回路は、各反射型フォトインタラプタ60の出力強度を取得して対物レンズユニット50の位置情報を算出する。次いで、対物レンズユニット50と液晶収差補正素子41との光学的な相対位置関係を光ディスク200のトラッキング方向に関して一定に保つため、算出された位置情報に基づいて液晶駆動用コイル44に所定レベルの電流を供給する。これにより、液晶可動部40Mが、矢印T’方向(光ディスク200と直交し且つ光ディスク200に近付く方向)に図7(a)の位置から距離d動く。すなわち上記駆動制御回路は、光軸Oと軸Oとを一致させるよう液晶可動部40Mを移動させる。このようにして、対物レンズユニット50に対する液晶可動部40Mの位置追従が果たされる。
【0068】
また例えば図7(c)に示されるように、対物レンズユニット50がトラッキング方向T沿いに光ディスク200外周側に向かって図7(a)の位置から距離d移動したとき、上記駆動制御回路は、各反射型フォトインタラプタ60の出力に基づいて液晶可動部40Mを追従させようと作動する。
【0069】
この場合も上記駆動制御回路は、各反射型フォトインタラプタ60の出力強度を取得して対物レンズユニット50の位置情報を算出する。次いで、対物レンズユニット50と液晶収差補正素子41との光学的な相対位置関係を光ディスク200のトラッキング方向に関して一定に保つため、算出された位置情報に基づいて液晶駆動用コイル44に所定レベルの電流を供給する。これにより、液晶可動部40Mが、矢印T’方向(光ディスク200と直交し且つ光ディスク200から離れる方向)に図7(a)の位置から距離d動く。すなわちこの場合も上記駆動制御回路は、光軸Oと軸Oとを一致させるよう液晶可動部40Mを移動させる。このようにして、対物レンズユニット50に対する液晶可動部40Mの位置追従が果たされる。
【0070】
対物レンズユニット50に対する液晶可動部40Mの位置追従は常に行われている。従って、対物レンズユニット50の光軸と液晶収差補正素子41の中心41cは、トラッキング方向において常に一致する。対物レンズユニット50と液晶収差補正素子41との光学的な相対位置関係が常に一定であるため、液晶収差補正素子41による収差補正は常に良好に行われる。
【0071】
また、対物レンズユニット50と収差補正ユニット40とを互いに独立したユニットとして構成することにより、光情報処理装置100の薄型化が実現されている。すなわち第一の実施例では、対物レンズユニット50と収差補正ユニット40とを分離した構造としたことにより、対物レンズユニット50と収差補正ユニット40とを同一方向沿いに配列することなく、互いに異なる方向に配列することが実現されている。第一の実施例では、収差補正ユニット40は、他の構成要素と共に光ディスク200の面と平行な方向に並ぶよう配置されている。これに対して対物レンズユニット50は、他の構成要素と共に光ディスク200の面と直交する方向に並ぶよう配置されている。つまり第一の実施例では光ディスク200の面と直交する方向(すなわち光情報処理装置100の厚み方向)に関して、収差補正ユニット40が対物レンズユニット50と並ぶよう配置されていない。これにより、可動ユニット30の薄型化が実現され、この結果、光情報処理装置100全体の薄型化も実現されている。
【0072】
また、対物レンズユニット50と収差補正ユニット40とを互いに独立したユニットとして構成することにより、対物レンズユニット50の軽量化が実現されている。このため光ディスク200のトラッキング方向に対する対物レンズユニット50の追従性が向上する。すなわち対物レンズユニット50の応答速度が向上して精密且つ高速に移動できるようになる。これにより、光ディスクの高密度化や回転速度の高速化に十分に対応可能な光情報処理装置の提供が可能となる。
【0073】
次に、本発明の第二の実施例の光情報処理装置の構成及び作用について説明する。
【0074】
図8に、第二の実施例の光情報処理装置100zの構成を示す。光情報処理装置100zは、光ディスクの接線方向(タンジェンシャル方向)において、光源から対物レンズに対してレーザ光が入射されるタイプである。このタイプは薄型化に優位性を持つ。なお、以降の図(図8〜10)に示される光情報処理装置100zにおいて、第一の実施例の光情報処理装置100と同一又は同様の構成については同一又は同様の符号を付してここでの説明を省略する。また、図8〜10では図面の簡略化のため、第一の実施例の説明と重複する構成についてその一部の図示を省略している。
【0075】
図8(a)に、第二の実施例の光情報処理装置100zの斜視図を示す。光情報処理装置100zは可動ユニット130を備えている。可動ユニット130はキャリッジ131を有している。キャリッジ131は、各端部が筐体1の所定箇所に固定されたガイドシャフト133R及び133Lにより、光ディスク200の半径方向(すなわちトラッキング方向であり、各図で示されている矢印TT方向)にスライド可能に支持されている。キャリッジ131は、可動ユニット130の各構成要素を保持し、図示しない駆動手段により矢印TT方向にスライドし得る。
【0076】
図8(b)に、可動ユニット130及びその周辺構造の断面を示す。また図9に、図8に対して更に簡略化した光情報処理装置100zの上面図を示す。これらの図面に示されるように、キャリッジ131は、レーザダイオード111、アナモフィックプリズム112、コリメータレンズ113、エラー検出用レンズ114、フォトセンサ115、立ち上げミラー132、及び、1/4波長板142を保持している。またキャリッジ131は、液晶収差補正素子141、及び、対物レンズユニット150を移動自在に保持している。液晶収差補正素子141や対物レンズユニット150は、上述の如きムービングマグネット方式やムービングコイル方式のアクチュエータ(不図示)により所定の方向に移動し得る。なお対物レンズユニット150は、対物レンズホルダ151、及び、対物レンズ152から成る。
【0077】
レーザダイオード111から放射されたレーザ光は、アナモフィックプリズム112、コリメータレンズ113を介して液晶収差補正素子141に入射する。このレーザ光は、液晶収差補正素子141により位相を変化され、1/4波長板142を介して立ち上げミラー132に入射する。そして立ち上げミラー132の反射面132aにより偏向されて対物レンズ152に入射し、当該対物レンズ152の作用により光ディスク200上で焦点を結ぶ。次いで、その戻り光がアナモフィックプリズム112のハーフミラー112aにより反射されて、エラー検出用レンズ114を介してフォトセンサ115に受光される。フォトセンサ115に受光されたレーザ光は、上述の如く、光ディスク200の情報信号、フォーカスエラー信号、及び、トラッキングエラー信号として利用される。
【0078】
上記駆動制御回路は、トラッキングエラー信号に基づいて、図示しないアクチュエータにより対物レンズユニット150を矢印TT方向に微調整する。第二の実施例においても、対物レンズユニット150と液晶収差補正素子141との光学的な相対位置関係を光ディスク200のトラッキング方向に関して一定に保つため、上記駆動制御回路が、液晶収差補正素子141の移動制御を行う。
【0079】
図10(a)及び(b)に、対物レンズユニット150に対する液晶収差補正素子141の位置追従を説明するための図を示す。
【0080】
上記駆動制御回路は、先ず、対物レンズユニット150の変位(位置情報)を反射型フォトインタラプタ等の図示しない検出手段の出力を基に算出する。次いで、算出された位置情報に基づいて図示しないアクチュエータに供給すべき電流値を設定する。このように設定された電流が上記アクチュエータに供給されると、液晶収差補正素子141が対物レンズユニット150と同一距離矢印TT方向に移動する。例えば図10(a)に示されるように、対物レンズユニット150が光ディスク200中心から矢印TT方向沿いに離れるように移動したとき、上記駆動制御回路の制御により、液晶収差補正素子141も、光ディスク200中心から矢印TT方向沿いに離れるように同一距離移動する。また例えば図10(b)に示されるように、対物レンズユニット150が光ディスク200中心に向かって矢印TT方向沿いに移動したとき、上記駆動制御回路の制御により、液晶収差補正素子141も、光ディスク200中心に向かって矢印TT方向沿いに同一距離移動する。このようにして、対物レンズユニット150に対する液晶収差補正素子141の位置追従が実現される。
【0081】
以上が本発明の実施の形態である。本発明はこれらの実施の形態に限定されるものではなく様々な範囲で変形が可能である。例えば本発明の実施例ではムービングコイル方式やムービングマグネット方式のアクチュエータが採用されているが、別の実施例では想定可能な他の様々なアクチュエータを採用することもできる。
【0082】
また第一の実施例では収差補正ユニット40を可動ユニット30内部に配置しているが、別の実施例では、収差補正ユニット40を固定ユニット10内部に配置しても良い。この場合、可動ユニット30の軽量化が実現される。
【0083】
また第一の実施例では対物レンズユニット50と収差補正ユニット40を別々のハウジングで保持しているが、更に別の実施例では、第二の実施例のように、対物レンズユニット50と収差補正ユニット40を単一のハウジングで保持するよう構成しても良い。この場合、対物レンズユニット50と収差補正ユニット40を、互いの相対位置関係を一定に保ちつつ、単一のアクチュエータで動かすことができる。アクチュエータの数を削減できるため、製造コストが抑えられる。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】本発明の第一の実施例の光情報処理装置の構成を示した斜視図である。
【図2】本発明の第一の実施例の光情報処理装置に備えられた固定ユニット及び可動ユニットの構成を示す。
【図3】本発明の第一の実施例の可動ユニットの斜視図を示す。
【図4】本発明の第一の実施例の光情報処理装置に備えられた可動ユニットの断面図を示す。
【図5】本発明の第一の実施例の可動ユニットに備えられたキャリッジ内部の各構成要素の分解斜視図を示す。
【図6】本発明の第一の実施例の可動ユニットに備えられたキャリッジ内部の各構成要素の分解斜視図を示す。
【図7】本発明の第一の実施例における、対物レンズユニットに対する液晶可動部の位置追従を説明するための図である。
【図8】本発明の第二の実施例の光情報処理装置の構成を示した図である。
【図9】本発明の第二の実施例の光情報処理装置の上面図を示す。
【図10】本発明の第二の実施例における、対物レンズユニットに対する液晶収差補正素子の位置追従を説明するための図である。
【符号の説明】
【0085】
30、130 可動ユニット
40 収差補正ユニット
41、141 液晶収差補正素子
40M 液晶可動部
50、150 対物レンズユニット
52、152 対物レンズ
60 反射型フォトインタラプタ
100、100z 光情報処理装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光ディスクに対する情報の記録処理又は再生処理を行う光情報処理装置において、
光源が放射したレーザ光を該光ディスクに向かうよう偏向する偏向手段と、
偏向されたレーザ光を該光ディスク上で結像させる結像手段と、
前記結像手段との光学的な相対位置関係が所定の方向に関して一定に保持された、前記光源から該光ディスクに至る光路中で発生するレーザ光の収差を補正する収差補正手段と、を備え、
前記収差補正手段を前記光源と前記偏向手段の間の光路中に配置したこと、を特徴とする光情報処理装置。
【請求項2】
該光ディスク上の所定位置でレーザ光が結像されるよう前記結像手段を移動させる第一の移動手段と、
前記結像手段との光学的な相対位置関係が一定に保持されるよう前記収差補正手段を移動させる第二の移動手段と、を更に備えたこと、を特徴とする請求項1に記載の光情報処理装置。
【請求項3】
前記第一の移動手段は前記結像手段を該光ディスクの半径方向に移動させること、を特徴とする請求項2に記載の光情報処理装置。
【請求項4】
前記第二の移動手段は前記収差補正手段を該光ディスクの面と直交する方向に移動させること、を特徴とする請求項2又は請求項3の何れかに記載の光情報処理装置。
【請求項5】
前記第二の移動手段は前記収差補正手段を該光ディスクの半径方向に移動させること、を特徴とする請求項2又は請求項3の何れかに記載の光情報処理装置。
【請求項6】
光源が放射したレーザ光を光ディスクに向かうよう偏向する偏向手段と、偏向されたレーザ光を該光ディスク上で結像させる結像手段と、前記光源から該光ディスクに至る光路中で発生するレーザ光の収差を補正する収差補正手段と、を有し、該レーザ光が該光ディスク上の所定位置で結像されるよう前記結像手段を移動させて当該光ディスクに対する情報の記録処理又は再生処理を行う光情報処理装置において、
前記収差補正手段を前記結像手段に対して独立して別個に移動させる移動手段と、
前記収差補正手段と前記結像手段との光学的な相対位置関係が所定の方向に関して一定に保持されるよう前記移動手段を制御する移動制御手段と、を備え、
前記収差補正手段を前記光源と前記偏向手段の間の光路中に配置したこと、を特徴とする光情報処理装置。
【請求項7】
前記結像手段の位置情報を検出する位置情報検出手段を更に備え、
前記移動制御手段は、検出された位置情報に基づいて前記移動手段を制御すること、を特徴とする請求項6に記載の光情報処理装置。
【請求項8】
前記移動手段は前記収差補正手段を該光ディスクの面と直交する方向に移動させること、を特徴とする請求項6又は請求項7の何れかに記載の光情報処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−193856(P2007−193856A)
【公開日】平成19年8月2日(2007.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−8423(P2006−8423)
【出願日】平成18年1月17日(2006.1.17)
【出願人】(000000527)ペンタックス株式会社 (1,878)
【Fターム(参考)】