説明

光照射装置

【課題】例えば雨天時の車両用灯具として用いたとき、対向車のドライバーや歩行者が感じる眩しさを抑制した配光が行える光照射装置を提供する。
【解決手段】光照射装置は、液晶セルの内面に、第1の方向に長いプリズムが形成されたプリズム層と、プリズム層との界面における液晶分子長軸方向が第1の方向と平行になるように制御する配向構造とを有し、液晶層は、偏光方向が液晶分子長軸方向に平行な偏光成分に対する第1の屈折率と、偏光方向が液晶分子長軸方向に垂直な偏光成分に対する第2の屈折率とが相互に異なり、第2の屈折率とプリズム層の屈折率とが同等であり、液晶層とプリズムとの界面において、第1の方向と平行に配向した液晶分子の長軸方向と平行な偏光方向を持つ偏光成分が液晶セルから出射したとき、この偏光成分の偏光方向が鉛直方向となるように、第1の方向が選択されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光照射装置に関し、特に、液晶により光線の進行方向を曲げる光偏向を行う光照射装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えばアダプティブフロントライティングシステム(AFS)に用いる前照灯は、車両の操舵角に応じて左右方向に配光を変化させる。前照灯に配光を変化させるための可動部があると、構造が大きくなったり、信頼性を高めるのが難しくなったりする。液晶セルを用いて可動部なしに配光方向を変化させられる光照射装置が、特許文献1に開示されている。
【0003】
特許文献1は、一対の基板の一方の内面にプリズムを形成した液晶セルを用い、電圧無印加状態と電圧印加状態とを切り替えて、液晶層の屈折率を切り替えることにより、光の進行方向を切り替える。
【0004】
特許文献1の段落[0053]や図11等に示されているように、液晶セルに入射する光線の、電気ベクトルの振動方向(偏光方向)がプリズム長さ方向(グレーティング溝方向)に平行な偏光成分は屈折されずそのまま直進し、プリズム長さ方向に垂直な偏光成分が屈折される。なお、特許文献1は、特に上下方向に配光を変化させて、走行用配光とすれ違い用配光とを切り替えている。
【0005】
特許文献2は、前方を照らす光をすべて、偏光方向が鉛直方向となる偏光成分(垂直偏光)にして照射する前照灯を開示する。偏光の分離に偏光ビームスプリッタを使い、偏光状態の変換に1/2波長板を用いている。照射する光をすべて垂直偏光とすることにより、濃霧・豪雨時に空中に存在する扁平な水滴による垂直方向への反射を抑え、遠方まで光が達することが図られる。
【0006】
【特許文献1】特開2006−147377号公報
【特許文献2】特開2004−235127号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
雨天時等、左右方向に光を広げると、ロービームであっても、路面で反射した光を対向車のドライバーや歩行者が眩しく感じる。
【0008】
本発明の一目的は、例えば雨天時の車両用灯具として用いたとき、対向車のドライバーや歩行者が感じる眩しさを抑制した配光が行える光照射装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一観点によれば、光線が入射する第1の基板と、前記第1の基板と対向し、前記光線が出射する第2の基板と、前記第1及び第2の基板の間に挟まれた液晶層と、前記第1及び第2の基板の一方の前記液晶層側内面に、該液晶層と接するように、第1の方向に長いプリズムが形成されたプリズム層と、前記液晶層とプリズム層との界面における液晶分子の長軸方向が、前記第1の方向と平行になるように制御する配向構造とを有し、前記液晶層は、電気ベクトルの振動方向が液晶分子の長軸方向に平行な偏光成分に対する第1の屈折率と、電気ベクトルの振動方向が液晶分子の長軸方向に垂直な偏光成分に対する第2の屈折率とが相互に異なり、該第2の屈折率と、前記プリズム層の屈折率とが同等であり、前記液晶層と前記プリズムとの界面において、前記第1の方向と平行に配向した液晶分子の長軸方向と平行な電気ベクトルの振動方向を持つ偏光成分が、前記第2の基板から出射したとき、この偏光成分の電気ベクトルの振動方向が鉛直方向となるように、前記第1の方向が選択されている光照射装置が提供される。
【発明の効果】
【0010】
電気ベクトルの振動方向(偏光方向)が液晶分子長軸方向に平行な偏光成分が、液晶層とプリズム層との界面で曲げられ、曲げられて出射した光の偏光方向が鉛直方向である。偏光方向が液晶分子長軸方向と垂直な偏光成分は、液晶層とプリズム層との界面で曲げられずにそのまま出射する。
【0011】
例えば、光照射装置を雨天時の車両用前照灯として用いたとき、曲げられずにそのまま出射する光で前方を照らし、曲げられた光で対向車や歩行者を照らすことができる。曲げられた光の偏光方向が鉛直方向であるので、例えば路面での反射が抑えられ、対向車のドライバーや歩行者の眩しさが抑制される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明の第1の実施例の光照射装置について説明する。まず、第1の実施例の光照射装置が有する光偏向液晶セルについて説明する。
【0013】
図1(A)は、第1の実施例の光偏向液晶セルの概略断面図である。表面に透明電極が形成された一対のガラス基板(透明電極2が形成されたガラス基板1、及び、透明電極12が形成されたガラス基板11)を用意した。ガラス基板1及び11は、それぞれ、例えば厚さ0.7mmtの青板ガラスである。透明電極2及び12は、それぞれ、例えば厚さ80nmであり、例えばインジウムスズ酸化物(ITO)からなる。本実施例では、透明電極2及び12として、ベタパターンのものを用いた。
【0014】
片側のガラス基板1の透明電極2上に、プリズム層3を形成した。プリズム層3は、ベース層3b上に複数のプリズム3aが並んだ構造を有する。各プリズム3aは、頂角が90度で、底角が両方とも45度の三角柱状であり、プリズム3aの長さ方向と直交する方向に並んでいる。ベース層3bの厚さは、例えば20μm〜40μmである。各プリズム3aの高さは、例えば20μmであり、各プリズム3aの幅(隣り合うプリズム3a間のピッチ)は、例えば40μmである。
【0015】
図1(B)は、プリズム層3を形成したガラス基板1を、基板法線方向から見た写真である。
【0016】
プリズム層3の作製方法について説明する。ガラス基板1の透明電極2上に、紫外(UV)硬化性樹脂(例えばロックタイト製376L)を滴下し、その上に、プリズム3aに対応する型が形成された金型を置き、厚手の石英部材などをガラス基板1の裏側に配置して補強した状態でプレスを行った。なお、用いた金型は、全体の大きさが直径約50mmの円形状である。なお、金型にはエア抜き用の微小な溝を形成してもよい。また、真空中で重ね合わせてもよい。
【0017】
プレス後、圧力をかけた状態で1分以上放置し、UV硬化性樹脂を面方向に充分広げた後、ガラス基板1の裏側(UV硬化性樹脂層と反対側)から紫外線を照射し、UV硬化性樹脂を硬化させた。紫外線の照射量は、例えば300mJ/cmである。紫外線の照射量は、樹脂が硬化するように、適宜設定すればよい。なお、ITOは紫外線を吸収するため、透明電極の膜厚が変われば必要な紫外線照射量も変わることになる。
【0018】
次に、プリズム層3を形成したガラス基板1上に、ギャップコントロール剤を2wt%〜5wt%含んだメインシール剤4を形成した。形成方法として、例えば、スクリーン印刷やディスペンサが用いられる。プリズム3aの頂点から、対向配置されるガラス基板11上の透明電極12までの距離が、例えば5μm〜30μmとなるように、ギャップコントロール剤が選択される。本実施例では、ギャップコントロール剤として、積水化学製の径が75μmのプラスチックボールを選び、このプラスチックボールを、三井化学製のシール剤ES−7500に4wt%添加して、メインシール剤4とした。
【0019】
もう一方のガラス基板11の透明電極12上には、ギャップコントロール剤15を散布した。本実施例では、ギャップコントロール剤15として、積水化学製の径が20μmのプラスチックボールを、乾式のギャップ散布機を用いて散布した。
【0020】
次に、両ガラス基板1及び11の重ね合わせを行い、プレス機などで圧力を一定に加えた状態で熱処理することにより、メインシール剤4を硬化させて、空セルを作製した。本実施例では、150℃で3時間の熱処理を行った。なお、ギャップコントロール剤15は、プリズム層3の凹部に入り込むように配置される。
【0021】
このようにして作製された空セルに、液晶を真空注入して、液晶層6を形成した。なお、液晶は、プリズム3aの長さ方向に注入した。本実施例では、液晶として、誘電率異方性Δεが正で、屈折率異方性Δn=0.298の大日本インキ化学工業製のものを用いた。なお、セル内にプリズム層3が形成されているので、液晶層6の厚さは基板面内方向位置により変化する。液晶注入後、注入口にエンドシール剤を塗布し封止した。このようにして、第1の実施例の光偏向液晶セルを作製した。
【0022】
本実施例に用いた液晶は、電気ベクトルの振動方向(偏光方向)が液晶分子の長軸方向に平行な偏光成分に対して、屈折率1.823を示し、偏光方向が液晶分子の長軸方向に垂直な偏光成分に対して、屈折率1.525を示す。
【0023】
プリズム層3を構成するUV硬化性樹脂の屈折率は、1.51であり、偏光方向が液晶分子の長軸方向に垂直な偏光成分に対する液晶の屈折率と同等である。なお、第1の材料の屈折率と第2の材料の屈折率との差が、第1の材料の屈折率または第2の材料の屈折率に対して3%以内(より好ましくは2%以内)であるとき、両材料の屈折率が同等であるとする。
【0024】
次に、図2を参照して、第1の実施例の光照射装置の構成について説明する。図2は、実施例の光照射装置の構成を示すダイアグラムである。実施例の光照射装置は、光源20から放出された光LBを、上述のように作製された光偏向液晶セル21を介して照射する。
【0025】
光源20が、進行方向が概ね一方向に揃えられた光線LBを放出する。プリズムの長さ方向が水平面に対して垂直、つまり鉛直方向となるように、光偏向液晶セル21が配置される。例えば、プリズムを形成しないガラス基板が光源20に近い側(光入射側)に配置され、プリズムを形成したガラス基板が光源20から遠い側(光出射側)に配置される。光偏向液晶セル21の対向する透明電極間に印加される電圧、及び光源20の発光状態を、制御装置22が制御する。
【0026】
次に、図3(A)〜図3(F)を参照して、第1の実施例の光照射装置の光偏向液晶セルに対する印加電圧を変化させて配光状態の変化を調べた実験について説明する。図3(A)〜図3(D)は、それぞれ、印加電圧オフ、5V、10V、及び20Vの場合の配光状態を示す写真である。これらの写真で、紙面上下方向が鉛直方向であり、紙面左右方向が水平方向である。
【0027】
図3(A)に示す印加電圧オフ時は、光照射装置から照射された光が、3本に分かれて水平方向に並んでいる。これら3本の光の偏光状態を調べた。
【0028】
図3(E)が、これら3本の光の偏光状態を示す概略図である。中央の光は、偏光方向が水平方向の偏光であり、その両脇に配置された2本の光は、偏光方向が垂直方向(鉛直方向)の偏光であることがわかった。
【0029】
図3(B)〜図3(D)に示すように、印加電圧が増加するにつれ、印加電圧オフ時に中央の光の左右両脇に配置されていた2本の光が、それぞれ、中央の光の照射位置に近づく。印加電圧が例えば20Vに達すると、これら3本の光の照射位置が一致する。すなわち、光照射装置から1本の光が照射されるようになる。
【0030】
図3(F)に示すように、高い印加電圧時に1本にまとまった光は、水平方向の偏光と垂直方向の偏光とが混ざった非偏光の状態である。
【0031】
次に、第1の実施例の光照射装置の動作原理について考察する。図3(A)〜図3(F)を参照して説明したように、印加電圧オフ時は、垂直方向の偏光(垂直方向偏光と呼ぶこととする)と、水平方向の偏光(水平方向偏光と呼ぶこととする)とが分離される挙動が見られた。印加電圧オフ時は、光照射装置の有する光偏向液晶セルの液晶層が、垂直方向偏光と水平方向偏光とに対し、それぞれ異なる屈折率を示していることが示唆される。
【0032】
上述のように、実施例の光偏向液晶セルの液晶層は、偏光方向が液晶分子の長軸方向に平行な偏光成分に対して、プリズムよりも高い屈折率を示し、偏光方向が液晶分子の長軸方向に垂直な偏光成分に対しては、プリズムと同等な屈折率を示す。
【0033】
図3(A)〜図3(F)を参照して説明した挙動から、印加電圧オフ時に、水平方向偏光の光路から、垂直方向偏光の光路が分かれるように、垂直方向偏光が曲げられているものと考えられる。従って、印加電圧オフ時の液晶分子が、長軸方向を垂直方向に揃えて、つまりプリズムの長さ方向に揃えて配向しているものと考えられる。
【0034】
なお、第1の実施例の光偏向液晶セルでは、ラビング等の液晶分子配向処理を行っていないが、液晶をプリズムの長さ方向に注入したことにより、液晶分子長軸方向がプリズムの長さ方向に揃ったのではないかと推測される。なお、液晶分子長軸方向をプリズム長さ方向に揃えるラビング処理を行った後述の第2の実施例の結果と整合することからも、このことが裏付けられる。
【0035】
図4(A)は、印加電圧オフ時の、光偏向液晶セル21を透過する光線を上方向から見た光路を示す概略断面図であり、液晶分子の長軸がプリズムの長さ方向に揃っている状態を示す。水平方向偏光Phに対する液晶層6の屈折率が、プリズム層3の屈折率とほぼ等しく、垂直方向偏光Pvに対する液晶層6の屈折率が、プリズム層3の屈折率と異なる。
【0036】
光偏向液晶セル21に入射した水平方向偏光Phは、液晶層6とプリズム層3との界面に斜めに入射しても、屈折率差がなくこの界面で進行方向が曲げられず、そのまま透過する。一方、光偏向液晶セル21に入射した垂直方向偏光Pvは、液晶層6とプリズム層3との界面に斜めに入射して、屈折率差によりこの界面で進行方向が水平方向に(進行方向が水平面内で振られるように)曲げられる。
【0037】
第1の実施例の光偏向液晶セル21のプリズム層3では、各プリズムの稜線を挟んで左側の界面と右側の界面とで、入射した垂直方向偏光Pvの曲げられる方向が、左右反対向きとなる。
【0038】
このようにして、印加電圧オフ時には、光偏向液晶セル21に入射した光線が、進行方向を曲げられず透過する水平方向偏光Phと、水平方向偏光が照らす範囲の左右両脇を照らす2本の垂直方向偏光Pvとに分けられるのではないかと考えられる。
【0039】
図4(B)は、充分高い電圧(例えば20V)印加時の、光偏向液晶セル21を透過する光線を上方向から見た光路を示す概略断面図であり、液晶分子の長軸が基板同士の対向方向(電極同士の対向方向)に揃っている状態を示す。液晶分子の長軸方向が、水平方向偏光Ph及び垂直方向偏光Pvの両方の偏光方向に対して垂直となり、両偏光成分Ph、Pvについて、液晶層6の屈折率がプリズム層3の屈折率と同等となる。
【0040】
従って、光偏向液晶セル21に入射した偏光成分Ph及びPvの両方ともプリズム層3で進行方向を曲げられず、そのまま透過する。このようにして、偏光成分PhとPvとが分離されず、光偏向液晶セル21から1本の光が出射するのではないかと考えられる。
【0041】
以上説明したように、第1の実施例の光照射装置は、水平方向偏光によりまっすぐ前方を照らし、垂直方向偏光により水平方向偏光の照射範囲の左右を照らす配光状態を得ることができる。さらに、印加電圧を切り替えることにより、水平方向偏光と垂直方向偏光の両方によりまっすぐ前方を照らす配光状態を得ることができる。
【0042】
なお、印加電圧を連続的に変化させることにより、水平方向偏光と垂直方向偏光との進行方向が分離した状態から、両偏光の進行方向が一致する状態まで、配光方向を連続的に制御することもできる。
【0043】
次に、第2の実施例の光照射装置について説明する。第2の実施例の光照射装置が有する光偏向液晶セルについて説明する。第1の実施例の光偏向液晶セルとの主な違いは、プリズム形状と、液晶分子配向処理を行ったことである。
【0044】
図5(A)は、第2の実施例の光偏向液晶セルの概略断面図である。表面に透明電極が形成された一対のガラス基板(透明電極32が形成されたガラス基板31、及び、透明電極42が形成されたガラス基板41)を用意した。ガラス基板31及び41は、それぞれ、例えば厚さ0.7mmtの無アルカリガラスである。透明電極32及び42は、それぞれ、例えば厚さ150nmであり、例えばITOからなる。本実施例では、透明電極32及び42として、ベタパターンのものを用いた。
【0045】
片側のガラス基板31の透明電極32上に、プリズム層33を形成した。プリズム層33は、第1の実施例と同様に、ベース層33b上に複数のプリズム33aが、プリズム33aの長さ方向と直交する方向に並んだ構造を有するが、各プリズム33aは、頂角が45度で、底角が45度及び90度の三角柱状である。
【0046】
ベース層33bの厚さは、例えば20μm〜40μmである。各プリズム33aの高さは、例えば20μmであり、各プリズム33aの幅(隣り合うプリズム33a間のピッチ)は、例えば20μmである。
【0047】
プリズム層33は、第1の実施例のプリズム層3作製と同様な工程により、UV硬化性樹脂(例えばロックタイト製376L)を金型で成型し紫外線硬化させて作製される。本実施例では、ITO電極が第1の実施例よりも厚いので、紫外線の照射量は、例えば500mJ/cmとする。なお、用いた金型は、全体の大きさが横100mm×縦50mmの矩形状である。
【0048】
図5(B)は、第2の実施例のプリズム層33の概略斜視図である。第2の実施例では、プリズム層33に、プリズム33aの長さ方向にラビング処理を行った。これにより、プリズム33aの長さ方向と平行に長軸方向が並ぶように、プリズム層33との界面近傍の液晶分子の配向が制御される。
【0049】
プリズム層33を形成したガラス基板31と対向するガラス基板41の透明電極42上には、ポリイミド等の配向膜47を形成した。本実施例では、日産化学製のSE−410をフレキソ印刷で厚さ80nm形成し、180℃で1.5時間焼成した。焼成後、配向膜47にラビング処理を行った。ラビング方向は、対向ガラス基板31と重ね合わせたときに、プリズム33aの長さ方向と平行に液晶分子の長軸方向が並ぶように定めた。
【0050】
次に、プリズム層33を形成したガラス基板31上に、ギャップコントロール剤を2wt%〜5wt%含んだメインシール剤34を形成した。形成方法として、例えば、スクリーン印刷やディスペンサが用いられる。プリズム33aの頂点から、対向配置されるガラス基板41上の配向膜47までの距離が、例えば5μm〜30μmとなるように、ギャップコントロール剤が選択される。本実施例では、ギャップコントロール剤として、積水化学製の径が75μmのプラスチックボールを選び、このプラスチックボールを、三井化学製のシール剤ES−7500に4wt%添加して、メインシール剤34とした。
【0051】
もう一方のガラス基板41の透明電極42上には、ギャップコントロール剤45を散布した。本実施例では、ギャップコントロール剤45として、積水化学製の径が15μmのプラスチックボールを、乾式のギャップ散布機を用いて散布した。
【0052】
次に、両ガラス基板31及び41の重ね合わせを行い、プレス機などで圧力を一定に加えた状態で熱処理することにより、メインシール剤34を硬化させて、空セルを作製した。第1の実施例と同様に、150℃で3時間の熱処理を行った。このようにして作製された空セルに、液晶を真空注入して、液晶層36を形成し、液晶注入後、注入口にエンドシール剤を塗布し封止して、第2の実施例の光偏向液晶セルを作製した。液晶として第1の実施例と同様なものを用いた。
【0053】
第2の実施例では、プリズムの稜線を挟んで一方の面の底角が90°であり、他方の面の底角が45°である。底角90°の面は、光偏向液晶セルに入射する光線の進行方向とほぼ平行となるので、光線を屈折させる界面として働かず、底角45°の面が、光線を屈折させる界面として働く。このため、第2の実施例の光偏向液晶セルを用いると、印加電圧オフ時に、進行方向を曲げられず透過する水平方向偏光と、一方に曲げられた垂直方向偏光との2本の光が得られることになる。
【0054】
図6(A)は、第2の実施例の光偏向液晶セルの概略平面図である。多数の細長いプリズム33aが、ストライプ状に配置されている。プリズム層33の形成されている領域はカマボコ型であり、その寸法は、例えば、プリズム33aの並ぶ方向(図6(A)の横方向、カマボコ型の底辺方向)が80mmであり、プリズム33aの長さ方向(図6(A)の縦方向、カマボコ型の高さ方向、ただし出っ張りを含まない部分の寸法)が50mmである。
【0055】
図6(B)は、第2の実施例の光偏向液晶セルの写真である。基板を傾けた状態の光偏向液晶セルの向こう側に配置された直線を観察している。光偏向液晶セルは高い透過率を示し、光偏向液晶セルの向こう側にある直線が、光偏向液晶セルをそのまま透過する偏光成分による像と、曲げられて透過する偏光成分による像の2本に分離して見え、光偏向液晶セルを透過する光の約半分が曲げられずにそのまま透過し、残りの約半分が横方向に曲げられていることがわかる。
【0056】
第2の実施例の光照射装置は、図2を参照して説明した光照射装置の光偏向液晶セル21として、第2の実施例の光偏向液晶セルを用いるものである。第1の実施例の光照射装置と同様に、プリズムの長さ方向が鉛直方向となるように、光偏向液晶セル21が配置される。
【0057】
次に、第2の実施例の光照射装置の配光状態を調べた実験について説明する。
【0058】
図7は、この実験の測定系の写真である。画面奥から順に、光源と光偏向液晶セルとが配置され、さらに手前に、光偏向液晶セルを透過した光が照射されるスクリーンが配置されている。スクリーン上の像を観察した。
【0059】
図8(A)及び図8(B)は、それぞれ、印加電圧オフ時の像を示す写真、及び印加電圧20Vでの像を示す写真である。印加電圧オフ時に2本に分離していた光のうち、相対的に右側(以下単に右側と呼ぶ)の光の照射位置が、印加電圧増加につれ、相対的に左側(以下単に左側と呼ぶ)の光の照射位置に近づき、印加電圧が20Vに達すると、左側の光の照射位置と一致した。すなわち、印加電圧20Vで光照射装置から1本の光が照射されるようになった。左側の光は、光偏向液晶セルをほぼまっすぐ透過している。
【0060】
光偏向液晶セルとスクリーンとの間に偏光板を挿入して、印加電圧オフ時に左右に分かれた2本の光の偏光状態を調べた。
【0061】
図8(C)に示すように、透過軸が水平方向となるように偏光板を挿入した場合は、左側の像はほとんど光量変化がなかったが、右側の像はほとんど観察されなくなった。一方、図8(D)に示すように、透過軸が垂直方向となるように偏光板を挿入したときは、右側の像はほとんど光量変化がなかったが、左側の像はほとんど観察されなくなった。すなわち、左側の光は水平方向偏光であり、右側の光は垂直方向偏光であった。
【0062】
図8(A)〜図8(D)を参照して説明した結果から、水平方向偏光が、電圧の印加無印加に関わらずそのまま直進し、垂直方向偏光が、電圧オフ時には曲げられ、充分に高い電圧印加時は水平方向偏光といっしょの方向に照射されることがわかる。なお、印加電圧オフ時に垂直方向偏光が曲げられる角度を測定したところ約12°であった。
【0063】
さらに、スクリーンを外し、光偏向液晶セルを透過した光が入射する位置に、水平にガラス板を配置して、ガラス板表面による光の反射状態を調べた。
【0064】
図9(A)及び図9(B)は、それぞれ、水平方向偏光の反射状態を示す写真、及び垂直方向偏光の反射状態を示す写真である。水平方向偏光は強く反射されているのに対し、垂直方向偏光はそれほど強く反射されていないことがわかる。水平なガラス板表面に対し、水平方向偏光は、入射面に垂直なS偏光成分となり、垂直方向偏光は、入射面に平行なP偏光成分となる。
【0065】
図13は、反射面への入射角度に対するS偏光成分及びP偏光成分の反射率の関係を示す一般的なグラフの例である。曲線Rs及びRpが、それぞれ、S偏光成分及びP偏光成分の反射率を示す。P偏光成分は、S偏光成分に比べて、反射率が小さく、また、特定の角度φb(ブリュースター角)で反射率0を取りうる。図9(A)及び図9(B)に示した例では、垂直方向偏光の反射率が、水平方向偏光の反射率より低くなる。
【0066】
以上説明したように、第2の実施例の光照射装置でも、第1の実施例の光照射装置と同様に、水平方向偏光によりまっすぐ前方を照らし、垂直方向偏光により水平方向偏光の照射範囲の脇を照らす配光状態を得ることができる。さらに、印加電圧を切り替えることにより、水平方向偏光と垂直方向偏光の両方によりまっすぐ前方を照らす配光状態を得ることができる。
【0067】
また、水平方向偏光の照射範囲の脇を照らす垂直方向偏光は、特に水平な反射面に対して、水平方向偏光よりも反射しづらい(なお、これは、第1の実施例の光照射装置でも同様となる)。
【0068】
次に、第3及び第4の実施例として、自動車等車両用の前照灯(ヘッドライトや補助ライト等)について説明する。光偏向液晶セルとして、例えば第2の実施例のものが用いられる。
【0069】
図10は、第3の実施例の前照灯を示す概略上面断面図である。高輝度放電(HID)ランプ51から放出された光線が、楕円型リフレクタ52で反射され、楕円型リフレクタ52の焦点に配置されたシェード53に集光される。シェード53を透過した光線が、レンズ54でほぼ平行光にされて、実施例の光偏向液晶セル55に入射する。光偏向液晶セル55を透過した光がカバー56を介して照射される。
【0070】
図11は、第4の実施例の前照灯を示す概略側面断面図である。発光ダイオード(LED)61から放出された光線が、リフレクタ62で反射され、ほぼ平行光にされ、インナーレンズ63を介して実施例の光偏向液晶セル64に入射する。光偏向液晶セル64を透過した光がカバー65を介して照射される。
【0071】
これらの前照灯では、まっすぐ前方を特に強く照射したいとき、水平方向偏光と垂直方向偏光の両方がまっすぐ前方を照らす配光状態とする。対向車や歩行者等を確認しやすくするために、まっすぐ前方から少し横方向も照らしたいときは、垂直方向偏光を曲げて水平方向偏光の脇を照らす配光状態とする。
【0072】
対向車や歩行者に向けられる光が、垂直方向偏光である。例えば雨天時等、路面が濡れて反射しやすい状態となっていたときでも、対向車や歩行者に向けられた光が、路面で反射しづらい。これにより、路面で反射した光により対向車のドライバーや歩行者が眩しさを感じることを抑制できる。アダプティブフロントライティングシステム(AFS)の悪天候モードに採用したとき、大きな効果が期待される。
【0073】
なお、上記実施例では、光偏向液晶セルのプリズムが形成されていない側の基板を光入射側に配置し、プリズムが形成された側の基板を光出射側に配置したが、この反対の配置としても光偏向を行うことは可能である。ただし、プリズムを形成していない基板側から光を入射した場合の方が、投影される像の形状がシャープである。
【0074】
なお、上記実施例では、上下基板間で液晶分子が平行配向状態となる場合について説明したが、上下基板間で直交配向等の捩れ配向でも構わない。液晶中にカイラル剤を添加することや、上下基板間で配向処理方向を変えること等により、捩れ配向を形成することができる。
【0075】
図12を参照して、捩れ配向とした光偏向液晶セルの動作例について考察する。この例では、入射側のプリズムが形成されていない基板との界面の液晶分子が水平面に対して水平方向に配向しており、出射側のプリズムとの界面の液晶分子は水平面に対して垂直方向に配向しており、90°の捩れ配向となっている。
【0076】
光偏向液晶セルへの入射時の水平方向偏光Phiが、液晶層を透過して垂直方向偏光Pvoとなってプリズムとの界面に入射する。この光は、偏光方向が液晶分子長軸方向に対して平行なので、プリズム界面での屈折率差で進行方向を曲げられて光偏向液晶セルから出射する。
【0077】
一方、光偏向液晶セルへの入射時の垂直方向偏光Pviが、液晶層を透過して水平方向偏光Phoとなってプリズムとの界面に入射する。この光は、偏光方向が液晶分子長軸方向に対して垂直なので、プリズム界面で屈折率差がなく曲げられずに光偏向液晶セルから出射する。
【0078】
プリズム界面の液晶分子の長軸が、プリズムの長さ方向に揃っていることにより、光偏向液晶セルから出射する時点の垂直方向偏光を曲げることができる。
【0079】
なお、90°捩れ配向で入射側にプリズムが配置され、プリズムの長さ方向が水平方向に設定されている例も考えられる。
【0080】
液晶分子が基板に対し平行に倒れているときの、プリズム界面での液晶分子の長軸方向は、プリズムの長さ方向に揃えたい。このために、ラビング等の配向処理を行うことができる。なお、第1の実施例で説明したように、配向処理は必ずしも行わなくてよい。例えば、液晶をプリズムの長さ方向に真空注入することにより、所望の液晶分子配向を得やすい。なお、液晶層の注入方法は真空注入に限らず、例えばOne Drop Fill(ODF)法を用いることもできる。ただし、ODF法の場合は、ラビング等の配向処理を行うことが好ましい。
【0081】
液晶分子長軸方向を、プリズム長さ方向に揃えるための構造を、配向構造と呼ぶこととする。例えば、プリズム層に、プリズム長さ方向にラビングを施す場合は、ラビングを施したプリズム層が配向構造となる。また、配向処理を施さずとも、例えば、液晶をプリズムの長さ方向に真空注入した場合は、注入時に長軸がプリズム長さ方向に向くように流れた液晶分子がプリズム表面にアンカーされて、これが配向構造となっているものと推測される。
【0082】
なお、上記実施例では、断面が三角形状のプリズムを例示したが、プリズム形状はこれに限らない。例えば、サインカーブ状の断面形状のプリズムとすることもできる。
【0083】
なお上記実施例では、プリズムのピッチが40μmまたは20μmの例を説明したが、プリズムのピッチは、10μm〜100μmの範囲であれば好適である。
【0084】
なお、上記実施例では、光偏向液晶セルにΔεが正の液晶を用いたが、Δεが負の液晶を用いることも考えられる。Δεが正の液晶の場合と概ね反対の挙動が期待される。つまり、電圧無印加時に、光偏向液晶セルから出射する垂直方向偏光及び水平方向偏光の両方をほぼ同じ方向に出射させ、電圧印加時に、水平方向偏光の進行方向から垂直方向偏光を曲げることができる。プリズムの長さ方向に液晶分子が倒れ込むように、例えば、プリズム層のラビングによりプレチルト角を付与することができる。
【0085】
なお、上記実施例では、ベタパターンの透明電極を例示したが、透明電極は必要に応じてパターニングされたものを用いることができる。例えば、片方の側から端子を取りたい場合は、パターニングを行う。また、メインシール部分の上下両方には電極が配置されていない構造の方が、液晶層劣化抑制等の点から好ましい。
【0086】
なお、光照射装置に用いる光源として、HIDランプ、LEDの他に、例えば電界放射(FE)光源、蛍光灯等が考えられる。点光源を用いると、光を平行化しやすく、光偏向液晶セルに平行光線束を入射させて、方向の揃った照射光を得やすい。この観点からは、光源にLEDを用いることが好ましい。
【0087】
なお、実施例の光偏向液晶セルは、偏光板を用いる液晶光学素子に比べ高透過率であり、90%以上、反射防止コーティングを行えば95%以上の透過率を得ることが可能である。
【0088】
実施例の光照射装置は、例えば、自動車用(普通乗用車、軽自動車、トラック、バス等)の灯具(前照灯、補助灯、フォグランプ、コーナリングライト)や、二輪用(オートバイ、自転車等)の灯具に適用できる。さらに、一般照明器具(屋内照明、街路灯、懐中電灯)等に応用してもよい。
【0089】
以上実施例に沿って本発明を説明したが、本発明はこれらに制限されるものではない。例えば、種々の変更、改良、組み合わせ等が可能なことは当業者に自明であろう。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】図1(A)は、本発明の第1の実施例の光偏向液晶セルの概略断面図であり、図1(B)は、プリズム層を形成したガラス基板の写真である。
【図2】図2は、実施例の光照射装置の構成を示すダイアグラムである。
【図3】図3(A)〜図3(D)は、第1の実施例の光照射装置の配光状態を示す写真であり、図3(E)及び図3(F)は、偏光状態を示す概略図である。
【図4】図4(A)及び図4(B)は、それぞれ、第1の実施例の光偏向液晶セルを透過する光線の、印加電圧オフ時の光路を示す概略断面図、及び、充分高い電圧印加時の光路を示す概略断面図である。
【図5】図5(A)は、第2の実施例の光偏向液晶セルの概略断面図であり、図5(B)は、第2の実施例のプリズム層の概略斜視図である。
【図6】図6(A)は、第2の実施例の光偏向液晶セルの概略平面図であり、図6(B)は、第2の実施例の光偏向液晶セルの写真である。
【図7】図7は、第2の実施例の光照射装置の配光状態を調べた実験の測定系の写真である。
【図8】図8(A)〜図8(D)は、第2の実施例の光照射装置の配光状態を示す写真である。
【図9】図9(A)及び図9(B)は、それぞれ、第2の実施例の光照射装置から出射した水平方向偏光の反射状態を示す写真、及び垂直方向偏光の反射状態を示す写真である。
【図10】図10は、第3の実施例の前照灯を示す概略上面断面図である。
【図11】図11は、第4の実施例の前照灯を示す概略側面断面図である。
【図12】図12は、捩れ配向の光偏向液晶セルを透過する光線の光路を示す概略断面図である。
【図13】図13は、S偏光成分及びP偏光成分の入射角度に対する反射率を示す一般的なグラフの例である。
【符号の説明】
【0091】
1、11、31、41 ガラス基板
2、12、32、42 透明電極
3、33 プリズム層
3a、33a プリズム
3b、33b ベース層
4、34 メインシール剤
15、45 ギャップコントロール剤
6、36 液晶層
47 配向膜
20 光源
21 光偏向液晶セル
22 制御装置
51 HIDランプ
52 楕円型リフレクタ
53 シェード
54 レンズ
55 光偏向液晶セル
56 カバー
61 LED
62 リフレクタ
63 インナーレンズ
64 光偏向液晶セル
65 カバー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光線が入射する第1の基板と、
前記第1の基板と対向し、前記光線が出射する第2の基板と、
前記第1及び第2の基板の間に挟まれた液晶層と、
前記第1及び第2の基板の一方の前記液晶層側内面に、該液晶層と接するように、第1の方向に長いプリズムが形成されたプリズム層と、
前記液晶層とプリズム層との界面における液晶分子の長軸方向が、前記第1の方向と平行になるように制御する配向構造と
を有し、
前記液晶層は、電気ベクトルの振動方向が液晶分子の長軸方向に平行な偏光成分に対する第1の屈折率と、電気ベクトルの振動方向が液晶分子の長軸方向に垂直な偏光成分に対する第2の屈折率とが相互に異なり、該第2の屈折率と、前記プリズム層の屈折率とが同等であり、
前記液晶層と前記プリズムとの界面において、前記第1の方向と平行に配向した液晶分子の長軸方向と平行な電気ベクトルの振動方向を持つ偏光成分が、前記第2の基板から出射したとき、この偏光成分の電気ベクトルの振動方向が鉛直方向となるように、前記第1の方向が選択されている光照射装置。
【請求項2】
前記プリズム層は、前記第2の基板側に形成されており、前記第1の方向は、鉛直方向である請求項1に記載の光照射装置。
【請求項3】
前記配向構造は、前記プリズム層に、前記プリズムの長さ方向にラビングを施すことにより形成されている請求項1または2に記載の光照射装置。
【請求項4】
さらに、前記第1の基板上に形成された第1の電極と、前記第2の基板上に形成された第2の電極と、該第1及び第2の電極間への印加電圧を変化させる制御装置を有する請求項1〜3のいずれか1項に記載の光照射装置。
【請求項5】
さらに、前記第1の基板に前記光線を入射させる光源を有し、該光源は発光ダイオードを含む請求項1〜4のいずれか1項に記載の光照射装置。
【請求項6】
光線が入射する第1の基板と、
前記第1の基板と対向し、前記光線が出射する第2の基板と、
前記第1及び第2の基板上にそれぞれ形成された第1及び第2の電極と、
前記第1及び第2の基板の間に挟まれた液晶層と、
前記第2の基板の前記液晶層側内面に、該液晶層と接するように、鉛直方向に長いプリズムが形成されたプリズム層と、
前記液晶層とプリズム層との界面における液晶分子の長軸方向が、鉛直方向と平行になるように制御する配向構造と、
前記第1及び第2の電極間への印加電圧を変化させる制御装置と
を有し、
前記液晶層は、電気ベクトルの振動方向が液晶分子の長軸方向に平行な偏光成分に対する第1の屈折率と、電気ベクトルの振動方向が液晶分子の長軸方向に垂直な偏光成分に対する第2の屈折率とが相互に異なり、該第2の屈折率と、前記プリズム層の屈折率とが同等である光照射装置。

【図2】
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【図4】
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【図5】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図1】
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【図3】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−238627(P2009−238627A)
【公開日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−84151(P2008−84151)
【出願日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【出願人】(000002303)スタンレー電気株式会社 (2,684)
【Fターム(参考)】