説明

光走査装置及び画像形成装置

【課題】レイアウト性や走査精度を低下させることなく、小型化を図ることができる光走査装置を提供する。
【解決手段】 ポリゴンミラー2104は、回転多面体としての4面鏡を有し、面1と面2とのなす角度が90°、面2と面3とのなす角度が89.6°、面3と面4とのなす角度が90.4°、面4と面1とのなす角度が90°である。この場合は、走査制御装置は、感光体ドラムの有効走査領域を走査する光を反射した偏向反射面を確実に特定することができる。そこで、必ずしも全ての感光体ドラムに対応して同期検知センサが設けられていなくても、同期検知センサが設けられていない感光体ドラムへの書き込み開始タイミングを精度良く求めることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光走査装置及び画像形成装置に係り、更に詳しくは、被走査面を光によって走査する光走査装置、及び該光走査装置を備える画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ディジタル複合機やレーザプリンタなどの画像形成装置は、光源から射出された光を、回転しているポリゴンミラーを用いて偏向させ、感光体ドラム表面を走査するための光走査装置を備えている。
【0003】
光走査装置は、感光体ドラム表面での主走査方向における書き込み開始位置を、複数の走査線間で同一とするために、書き込み開始前の光を所定位置で受光する同期検知センサを有している。
【0004】
そして、光走査装置は、同期検知センサの出力信号に基づいて、走査毎に書き込み開始タイミングを求めている。
【0005】
ポリゴンミラーの各ミラー面は、ポリゴンミラーの回転軸に対して平行となるように切削加工されている。しかしながら、ミラー面は、加工誤差により回転軸に非平行な部分を含むことがある。そのため、回転軸に非平行な部分で光が反射されると、被走査面上における光の照射位置が目標位置から定常的にずれる。これは、「面倒れ」と呼ばれている。この面倒れは、加工精度を上げることで少なくすることが可能であるが、加工コストが増大する。
【0006】
例えば、特許文献1には、複数の発光素子より発生された光ビームを像担持体上に偏向させる単一の多面鏡と、光ビームのうちの少なくとも1つに対応して設けられ、多面鏡により走査される光ビームを受光し、該光ビームによって像担持体上に画像を記録するための第1同期信号を生成する検知手段とを含む光学系と、多面鏡の各面の誤差に関する情報を記憶する記憶手段と、検知手段から出力される第1同期信号を、記憶部の値に基づいて遅延させることによって、検知手段が設けられない光ビームによって画像を形成するための第2同期信号を生成する生成手段とを有する画像形成装置が開示されている。
【0007】
特許文献2には、感光体に対する光ビームの走査開始位置を示す走査開始位置信号を出力する第1の信号発生手段と、回転多面鏡の回転角度に応じた回転角度信号を出力する第2の信号発生手段と、第1及び第2の信号発生手段から各々出力される走査開始位置信号の周期と回転角度信号の周期の、位相関係に基づいて、回転多面鏡の反射面を特定する制御手段とを備える光走査装置が開示されている。
【0008】
特許文献3には、ポリゴンミラーの回転角度を検知する検知手段と、この検知手段の出力に基づいて、ポリゴンミラーの面倒れが生じているミラー面のビーム光走査時に、そのミラー面による走査位置ずれの影響が小さくなるように、画像データを処理する画像データ処理手段とを備えている画像形成装置が開示されている。
【0009】
また、タンデム方式の画像形成装置に用いられる光走査装置として、光源の数を感光体ドラムの数よりも少なくした光走査装置が考案された(例えば、特許文献4参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ところで、近年、画像形成装置の小型化への要求が高まり、それに対応するには光走査装置の小型化が必要である。しかしながら、従来の光走査装置では、走査精度を低下させることなく、小型化を図るのは困難であった。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、被走査面を光によって走査する光走査装置であって、光源と、回転多面体を有し、前記光源からの光を偏向する光偏向器と、前記光偏向器で偏向された光を前記被走査面に導光する走査光学系とを備え、前記回転多面体の回転軸に直交する断面の形状は、非正多角形である光走査装置である。なお、本明細書では、「非正多角形」は、正多角形の一部がわずかに変形した形状をいう。
【発明の効果】
【0012】
本発明の光走査装置によれば、走査精度を低下させることなく、小型化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一実施形態に係るカラープリンタの概略構成を示す図である。
【図2】図1における光走査装置を説明するための図である。
【図3】図2における各光源ユニットを説明するための図である。
【図4】ハーフミラーの作用を説明するための図である。
【図5】走査光学系A及び走査光学系Bを説明するための図である。
【図6】ハーフミラーで分割され、ポリゴンミラーの異なる偏向反射面で反射された2つの光束の光路を説明するための図(その1)である。
【図7】ハーフミラーで分割され、ポリゴンミラーの異なる偏向反射面で反射された2つの光束の光路を説明するための図(その2)である。
【図8】ハーフミラーで分割され、ポリゴンミラーの異なる偏向反射面で反射された2つの光束の光路を説明するための図(その3)である。
【図9】走査制御装置で生成される各光源の駆動信号を説明するためのタイミングチャートである。
【図10】色に応じて光源の発光光量を異ならせる場合を説明するためのタイミングチャートである。
【図11】ポリゴン入射角αを説明するための図である。
【図12】同期検知センサの配置位置と画角との関係を説明するための図(その1)である。
【図13】同期検知センサの配置位置と画角との関係を説明するための図(その2)である。
【図14】偏向反射面の面1〜面4を説明するための図である。
【図15】感光体ドラム2030aに対応する同期検知センサ2113aは設けられているが、感光体ドラム2030dに対応する同期検知センサは設けられていない場合を説明するための図である。
【図16】感光体ドラム2030aに対応する同期検知センサ2113aと、感光体ドラム2030dに対応する同期検知センサ2113dとが設けられている場合を説明するための図である。
【図17】図16のときに走査制御装置で生成される光源2200Aの駆動信号及び同期検知信号を説明するためのタイミングチャートである。
【図18】図15のときに走査制御装置で生成される光源2200Aの駆動信号及び同期検知信号を説明するためのタイミングチャートである。
【図19】図15のときに、感光体ドラム2030dへの書き込み開始タイミングの決定方法1を説明するためのタイミングチャートである。
【図20】図15のときに、感光体ドラム2030dへの書き込み開始タイミングの決定方法2を説明するためのタイミングチャートである。
【図21】図15のときに、感光体ドラム2030dへの書き込み開始タイミングの決定方法3を説明するためのタイミングチャートである。
【図22】偏向反射面の移行時間を説明するためのタイミングチャートである。
【図23】本実施形態における4面鏡を説明するための図である。
【図24】図23のときの偏向反射面の移行時間を説明するためのタイミングチャートである。
【図25】本実施形態における感光体ドラム2030dへの書き込み開始タイミングの決定方法を説明するためのタイミングチャート(その1)である。
【図26】本実施形態における感光体ドラム2030dへの書き込み開始タイミングの決定方法を説明するためのタイミングチャート(その2)である。
【図27】本実施形態における感光体ドラム2030dへの書き込み開始タイミングの決定方法を説明するためのタイミングチャート(その3)である。
【図28】本実施形態における感光体ドラム2030dへの書き込み開始タイミングの決定方法を説明するためのタイミングチャート(その4)である。
【図29】本実施形態における、感光体ドラム2030bに対応する同期検知センサ2113bを説明するための図である。
【図30】モノクロ画像を形成するレーザプリンタ1000を説明するための図である。
【図31】図30における光走査装置を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の一実施形態を図1〜図29に基づいて説明する。図1には、一実施形態に係るカラープリンタ2000の概略構成が示されている。
【0015】
このカラープリンタ2000は、4色(ブラック、シアン、マゼンタ、イエロー)を重ね合わせてフルカラーの画像を形成するタンデム方式の多色カラープリンタであり、光走査装置2010、4つの感光体ドラム(2030a、2030b、2030c、2030d)、4つのクリーニングユニット(2031a、2031b、2031c、2031d)、4つの帯電装置(2032a、2032b、2032c、2032d)、4つの現像ローラ(2033a、2033b、2033c、2033d)、転写ベルト2040、転写ローラ2042、定着ローラ2050、給紙コロ2054、排紙ローラ2058、給紙トレイ2060、排紙トレイ2070、通信制御装置2080、及び上記各部を統括的に制御するプリンタ制御装置2090などを備えている。
【0016】
通信制御装置2080は、ネットワークなどを介した上位装置(例えばパソコン)との双方向の通信を制御する。
【0017】
プリンタ制御装置2090は、CPU、該CPUにて解読可能なコードで記述されたプログラム及び該プログラムを実行する際に用いられる各種データが格納されているROM、作業用のメモリであるRAM、アナログデータをデジタルデータに変換するA/D変換器などを有している。そして、プリンタ制御装置2090は、上位装置からの要求に応じて各部を制御するとともに、上位装置からの多色の画像情報を光走査装置2010に送る。
【0018】
感光体ドラム2030a、帯電装置2032a、現像ローラ2033a、及びクリーニングユニット2031aは、組として使用され、ブラックの画像を形成する画像形成ステーション(以下では、便宜上「Kステーション」ともいう)を構成する。
【0019】
感光体ドラム2030b、帯電装置2032b、現像ローラ2033b、及びクリーニングユニット2031bは、組として使用され、シアンの画像を形成する画像形成ステーション(以下では、便宜上「Cステーション」ともいう)を構成する。
【0020】
感光体ドラム2030c、帯電装置2032c、現像ローラ2033c、及びクリーニングユニット2031cは、組として使用され、マゼンタの画像を形成する画像形成ステーション(以下では、便宜上「Mステーション」ともいう)を構成する。
【0021】
感光体ドラム2030d、帯電装置2032d、現像ローラ2033d、及びクリーニングユニット2031dは、組として使用され、イエローの画像を形成する画像形成ステーション(以下では、便宜上「Yステーション」ともいう)を構成する。
【0022】
各感光体ドラムはいずれも、その表面に感光層が形成されている。すなわち、各感光体ドラムの表面がそれぞれ被走査面である。各感光体ドラムは、不図示の回転機構により、図1における面内で矢印方向に回転する。
【0023】
各帯電装置は、対応する感光体ドラムの表面をそれぞれ均一に帯電させる。
【0024】
光走査装置2010は、プリンタ制御装置2090からの4色の画像情報(ブラックの画像情報、シアンの画像情報、マゼンタの画像情報、イエローの画像情報)に基づいて色毎に変調された4つの光束によって、対応する帯電された感光体ドラムの表面をそれぞれ走査する。これにより、画像情報に対応した潜像が各感光体ドラムの表面にそれぞれ形成される。ここで形成された潜像は、感光体ドラムの回転に伴って対応する現像ローラの方向に移動する。なお、この光走査装置2010の詳細については後述する。
【0025】
ところで、各感光体ドラムにおける画像情報が書き込まれる走査領域は、「有効走査領域」、「画像形成領域」、「有効画像領域」などと呼ばれている。
【0026】
各現像ローラは、回転に伴って、対応するトナーカートリッジからのトナーが、その表面に薄く均一に塗布される。そして、各現像ローラの表面のトナーは、対応する感光体ドラムの表面に接すると、該表面における光が照射された部分にだけ移行し、そこに付着する。すなわち、各現像ローラは、対応する感光体ドラムの表面に形成された潜像にトナーを付着させて顕像化させる。ここでトナーが付着した像(トナー画像)は、感光体ドラムの回転に伴って転写ベルト2040の方向に移動する。
【0027】
イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各トナー画像は、所定のタイミングで転写ベルト2040上に順次転写され、重ね合わされてカラー画像が形成される。
【0028】
給紙トレイ2060には記録紙が格納されている。この給紙トレイ2060の近傍には給紙コロ2054が配置されており、該給紙コロ2054は、記録紙を給紙トレイ2060から1枚ずつ取り出す。該記録紙は、所定のタイミングで転写ベルト2040と転写ローラ2042との間隙に向けて送り出す。これにより、転写ベルト2040上のカラー画像が記録紙に転写される。カラー画像が転写された記録紙は、定着ローラ2050に送られる。
【0029】
定着ローラ2050では、熱と圧力とが記録紙に加えられ、これによってトナーが記録紙上に定着される。トナーが定着された記録紙は、排紙ローラ2058を介して排紙トレイ2070に送られ、排紙トレイ2070上に順次積み重ねられる。
【0030】
各クリーニングユニットは、対応する感光体ドラムの表面に残ったトナー(残留トナー)を除去する。残留トナーが除去された感光体ドラムの表面は、再度対応する帯電装置に対向する位置に戻る。
【0031】
次に、前記光走査装置2010の詳細について説明する。
【0032】
この光走査装置2010は、一例として図2に示されるように、2つの光源ユニット(LU1、LU2)、ハーフミラー2205、4つのシリンドリカルレンズ(2204a、2204b、2204c、2204d)、2つの入射ミラー(M1、M2)、ポリゴンミラー2104、走査光学系A、走査光学系B、及び不図示の走査制御装置を有している。そして、これらは、光学ハウジング2300(図2では図示省略、図5参照)の所定位置に組み付けられている。
【0033】
ここでは、XYZ3次元直交座標系において、各感光体ドラムの長手方向(回転軸方向)に沿った方向をY軸方向、ポリゴンミラー2104の回転軸の軸方向に平行な方向をZ軸方向として説明する。
【0034】
なお、図2では、光源ユニットLU2は、光源ユニットLU1の−Z側に配置されている。また、シリンドリカルレンズ2204bは、シリンドリカルレンズ2204aの−Z側に配置され、シリンドリカルレンズ2204cは、シリンドリカルレンズ2204dの−Z側に配置されている。
【0035】
光学ハウジング2300には、各感光体ドラムに向かう光束が通過するスリット状の4つの射出窓(2111a、2111b、2111c、2111d)が設けられている(図5参照)。各射出窓は、それぞれ防塵ガラスで覆われている。
【0036】
以下では、便宜上、各光学部材において、主走査方向に対応する方向を「主走査対応方向」と略述し、副走査方向に対応する方向を「副走査対応方向」と略述する。
【0037】
光源ユニットLU1は、一例として図3に示されるように、光源2200A、カップリングレンズ2201A、及び開口板2203Aなどを有している。
【0038】
光源ユニットLU2は、一例として図3に示されるように、光源2200B、カップリングレンズ2201B、及び開口板2203Bなどを有している。
【0039】
各光源は、半導体レーザ及び該半導体レーザを駆動する駆動回路を有している。各駆動回路は、走査制御装置によって制御される。また、各光源から射出される光の波長は同じである。
【0040】
各カップリングレンズは、対応する光源から射出された光を略平行光とする。各カップリングレンズの焦点距離は同じである。
【0041】
各開口板は、開口部を有し、対応するカップリングレンズを介した光のビーム径を調整する。
【0042】
開口板2203Aの開口部を通過した光が光源ユニットLU1から射出される光である。また、開口板2203Bの開口部を通過した光が光源ユニットLU2から射出される光である。
【0043】
以下では、便宜上、光源ユニットLU1から射出される光を「光LB1」といい、光源ユニットLU2から射出される光を「光LB2」という。
【0044】
図2に戻り、ハーフミラー2205は、光源ユニットLU1から射出された光LB1及び光源ユニットLU2から射出された光LB2の光路上に配置されている。
【0045】
ハーフミラー2205は、入射された光を、透過光と反射光とに分割するビーム分割面を有している。該ビーム分割面は、透過光の光量と反射光の光量の割合が略1:1となるように設定されている。なお、ビーム分割面の設定は、各感光体ドラム表面での光量が略等しくなるように、ハーフミラー2205と感光体ドラムとの間に配置されている光学系の特性に応じて決定され、これに限定されるものではない。
【0046】
以下では、便宜上、光LB1の反射光を「光LBa」、透過光を「光LBd」といい、光LB2の反射光を「光LBb」、透過光を「光LBc」という(図4参照)。
【0047】
シリンドリカルレンズ2204aは、ハーフミラー2205から射出された光LBaの光路上に配置され、該光LBaを入射ミラーM1を介して、ポリゴンミラー2104の偏向反射面近傍にZ軸方向に関して結像する。
【0048】
シリンドリカルレンズ2204bは、ハーフミラー2205から射出された光LBbの光路上に配置され、該光LBbを入射ミラーM1を介して、ポリゴンミラー2104の偏向反射面近傍にZ軸方向に関して結像する。
【0049】
シリンドリカルレンズ2204cは、ハーフミラー2205から射出された光LBcの光路上に配置され、該光LBcを入射ミラーM2を介して、ポリゴンミラー2104の偏向反射面近傍にZ軸方向に関して結像する。
【0050】
シリンドリカルレンズ2204dは、ハーフミラー2205から射出された光LBdの光路上に配置され、該光LBdを入射ミラーM2を介して、ポリゴンミラー2104の偏向反射面近傍にZ軸方向に関して結像する。
【0051】
各光源とポリゴンミラー2104との間に配置されている光学系は、偏向器前光学系とも呼ばれている。
【0052】
ポリゴンミラー2104は、回転多面体としての4面鏡を有し、各鏡がそれぞれ偏向反射面となる。この4面鏡は、ポリゴンミラー2104の回転軸の軸中心を回転中心として等速回転し、各シリンドリカルレンズからの光を、それぞれ等角速度的に偏向する。ここでは、4面鏡は時計回りに回転されるものとする。4面鏡に内接する円の半径は8mmである。
【0053】
光LBa及び光LBbは、ポリゴンミラー2104の回転軸の−X側に位置する偏向反射面に入射し、光LBc及び光LBdは、該回転軸の+X側に位置する偏向反射面に入射する。
【0054】
走査光学系Aは、一例として図5に示されるように、ポリゴンミラー2104の−X側に配置され、2つの走査レンズ(2105a、2105b)、6枚の折り返しミラー(2106a、2106b、2107a、2107b、2109a、2109b)を有している。
【0055】
走査レンズ2105aは、ポリゴンミラー2104で偏向された光LBaの光路上に配置されている。3枚の折り返しミラー(2106a、2107a、2109a)は、走査レンズ2105aを介した光LBaを感光体ドラム2030aに導光する。すなわち、光LBaは、感光体ドラム2030aに照射され、感光体ドラム2030a表面に光スポットを形成する。
【0056】
走査レンズ2105bは、ポリゴンミラー2104で偏向された光LBbの光路上に配置されている。3枚の折り返しミラー(2106b、2107b、2109b)は、走査レンズ2105bを介した光LBbを感光体ドラム2030bに導光する。すなわち、光LBbは、感光体ドラム2030bに照射され、感光体ドラム2030b表面に光スポットを形成する。
【0057】
走査光学系Bは、一例として図5に示されるように、ポリゴンミラー2104の+X側に配置され、2つの走査レンズ(2105c、2105d)、6枚の折り返しミラー(2106c、2106d、2107c、2107d、2109c、2109d)を有している。
【0058】
走査レンズ2105cは、ポリゴンミラー2104で偏向された光LBcの光路上に配置されている。3枚の折り返しミラー(2106c、2107c、2109c)は、走査レンズ2105cを介した光LBcを感光体ドラム2030cに導光する。すなわち、光LBcは、感光体ドラム2030cに照射され、感光体ドラム2030c表面に光スポットを形成する。
【0059】
走査レンズ2105dは、ポリゴンミラー2104で偏向された光LBdの光路上に配置されている。3枚の折り返しミラー(2106d、2107d、2109d)は、走査レンズ2105dを介した光LBdを感光体ドラム2030dに導光する。すなわち、光LBdは、感光体ドラム2030dに照射され、感光体ドラム2030d表面に光スポットを形成する。
【0060】
各感光体ドラム表面の光スポットは、ポリゴンミラー2104の回転に伴って、感光体ドラムの長手方向に移動する。このときの光スポットの移動方向が「主走査方向」であり、感光体ドラムの回転方向が「副走査方向」である。
【0061】
ここでは、ポリゴンミラー2104における偏向反射面の数が4面であり、入射ミラーM1を介した光と入射ミラーM2を介した光は、互いに異なる偏向反射面に入射する。そして、ポリゴンミラー2104に入射する入射ミラーM1を介した光と入射ミラーM2を介した光とのなす角が、Z軸方向からみたときに、略90°となるように設定されている。
【0062】
そこで、光LBaと光LBdが、それぞれ対応する感光体ドラムにおける有効走査領域を同時に走査することはない。また、光LBbと光LBcが、それぞれ対応する感光体ドラムにおける有効走査領域を同時に走査することはない。
【0063】
例えば、図6に示されるように、ポリゴンミラー2104の偏向反射面で反射された光LBdが、感光体ドラム2030dにおける書き込み開始位置に向かう時、ポリゴンミラー2104の偏向反射面で反射された光LBaは、感光体ドラム2030aにおける書き込み終了位置よりも+Y側の位置に向かう。
【0064】
また、図7に示されるように、ポリゴンミラー2104の偏向反射面で反射された光LBdが、感光体ドラム2030dにおける有効走査領域の中央(像高0)位置に向かう時、ポリゴンミラー2104の偏向反射面で反射された光LBaは、+Y方向に向かう。
【0065】
そして、ポリゴンミラー2104の偏向反射面で反射された光LBdが、感光体ドラム2030dにおける有効走査領域の中央(像高0)位置を越えると、光LBaを反射するポリゴンミラー2104の偏向反射面が切り替わり、ポリゴンミラー2104の偏向反射面で反射された光LBaの向かう方向は、+Y方向から−Y方向に切り替わる。
【0066】
そして、図8に示されるように、ポリゴンミラー2104の偏向反射面で反射された光LBdが、感光体ドラム2030dにおける有効走査領域の書き込み終了位置に向かう時、ポリゴンミラー2104の偏向反射面で反射された光LBaは、感光体ドラム2030aにおける書き込み開始位置よりも−Y側の位置に向かう。
【0067】
このように、ポリゴンミラー2104の偏向反射面で反射された光LBdが、感光体ドラム2030dにおける有効走査領域を走査している時には、ポリゴンミラー2104の偏向反射面で反射された光LBaは、感光体ドラム2030aにおける有効走査領域内には向かわない。
【0068】
逆に、ポリゴンミラー2104の偏向反射面で反射された光LBaが、感光体ドラム2030aにおける有効走査領域を走査している時には、ポリゴンミラー2104の偏向反射面で反射された光LBdは、感光体ドラム2030dにおける有効走査領域内には向かわない。
【0069】
同様に、ポリゴンミラー2104の偏向反射面で反射された光LBbが、感光体ドラム2030bにおける有効走査領域を走査している時には、ポリゴンミラー2104の偏向反射面で反射された光LBcは、感光体ドラム2030cにおける有効走査領域内には向かわない。
【0070】
また、ポリゴンミラー2104の偏向反射面で反射された光LBcが、感光体ドラム2030cにおける有効走査領域を走査している時には、ポリゴンミラー2104の偏向反射面で反射された光LBbは、感光体ドラム2030bにおける有効走査領域内には向かわない。
【0071】
そこで、走査制御装置は、光LBdが感光体ドラム2030dにおける有効走査領域を走査するタイミングでは、イエローの画像情報に応じて光LB1を変調する駆動信号を光源2200Aに出力し、光LBaが感光体ドラム2030aにおける有効走査領域を走査するタイミングでは、ブラックの画像情報に応じて光LB1を変調する駆動信号を光源2200Aに出力する(図9参照)。
【0072】
同様に、走査制御装置は、光LBbが感光体ドラム2030bにおける有効走査領域を走査するタイミングでは、シアンの画像情報に応じて光LB2を変調する駆動信号を光源2200Bに出力し、光LBcが感光体ドラム2030cにおける有効走査領域を走査するタイミングでは、マゼンタの画像情報に応じて光LB2を変調する駆動信号を光源2200Bに出力する(図9参照)。
【0073】
なお、図9では、画像情報を書き込むときの光源の発光光量が、各色で同じに設定されているが、光源の発光光量を同じにすると、感光体ドラムに到達する光の光量が異なる場合には、感光体ドラムに到達する光の光量が等しくなるように、光源の発光光量を異ならせても良い(図10参照)。
【0074】
また、Z軸方向からみたときの、ポリゴンミラー2104に入射する反射ミラーM1を介した光と反射ミラーM2を介した光とのなす角は、厳密に90°である必要はなく、90°から少しずれていても良い。
【0075】
ところで、画像形成装置では、温度変化や経時変化に起因して、被走査面を走査する光の光量が変化すると、出力される画像(出力画像)に濃度むらが発生するおそれがある。そこで、これを抑制するため、通常、光走査装置では、所定のタイミング毎に、光源から射出される光の一部をフォトダイオードなどの受光素子で受光し、該受光素子の出力信号に基づいて、光源に供給する順方向電流の大きさを制御するAPC(Auto Power Control)が行われている。
【0076】
光源が端面発光型の半導体レーザの場合、上記受光素子は、光源からカップリングレンズに向かう方向とは逆方向に射出される光をモニタ光として受光する。
【0077】
しかしながら、この受光素子にモニタ光以外の光が入射すると、受光素子の出力信号が増加し、誤ったAPCが行なわれるおそれがある。
【0078】
例えば、ポリゴンミラーの偏向反射面への光の入射角が0のとき、該偏向反射面は光源に正対することとなり、このとき該偏向反射面で反射された光は光源側に戻り、受光素子で受光されるおそれがある。そこで、本実施形態では、ポリゴンミラーの偏向反射面への光の入射角が0°となるタイミングでは、APCを行なわないように設定されている。
【0079】
ここで、図11に示されるように、XY平面において、ポリゴンミラーに入射する光の入射方向とX軸方向とのなす角度αを、便宜上、「ポリゴン入射角α」という。なお、図11における符号βは、半画角である。また、ポリゴンミラーに入射する光を「ポリゴン入射光」、偏向反射面で反射された光を「ポリゴン反射光」ともいう。
【0080】
従来の光学系では、ポリゴン入射角αは55°〜70°であり、半画角βは35°〜40°である。この場合、ポリゴン入射光と該ポリゴン入射光に最も近いポリゴン反射光とのなす角度、すなわち、ポリゴン入射角αと半画角βの差は、15°〜35°である。
【0081】
一方、本実施形態では、ポリゴン入射角αは45°である。この場合、半画角βを従来の光学系と同じにしようとすると、ポリゴン入射角αと半画角βの差は、5°〜10°である。
【0082】
ポリゴン入射角αと半画角βの差が小さい場合に、入射ミラーをポリゴンミラーの近くに配置すると、ポリゴン反射光が入射ミラーによって蹴られてしまうおそれがある。
【0083】
そこで、本実施形態では、走査レンズの近傍に入射ミラーを配置している。これにより、ポリゴン反射光が蹴られることなく、ポリゴン入射光をポリゴンミラーに入射させることが可能となる。
【0084】
なお、このとき、入射ミラーの端面にポリゴン反射光が入射し、該端面で反射された光がゴースト光となって有効走査領域内に向かうことが懸念されるため、入射ミラーの端面に反射防止剤のコーティングを行うことが好ましい。
【0085】
ところで、通常、光走査装置には、被走査面への画像情報の書き込み開始タイミングを求めるため、書き込み開始前の光を受光する同期検知センサが設けられている。この同期検知センサの出力信号は、「同期検知信号」と呼ばれている。また、通常、同期検知センサは、受光光量が所定の値よりも小さいときに同期検知信号が「ハイレベル」となり、受光光量が所定の値以上のときに同期検知信号が「ローレベル」となるように構成されている。
【0086】
一例として図12に示されるように、ポリゴンミラーの+Y側が光源側であり、ポリゴンミラーの+X側に被走査面A、−X側に被走査面Bが配置され、被走査面Aでは−Y方向に走査され、被走査面Bでは+Y方向に走査される場合、被走査面Aに対応する同期検知センサAは光源側の領域に配置され、被走査面Bに対応する同期検知センサBは光源と反対側の領域に配置される。
【0087】
この場合、同期検知センサAに向かう光は、ポリゴン入射光とポリゴン反射光との間を通過するため、画角を広くするのは困難である。
【0088】
一方、図13には、同期検知センサAが設けられていない場合が示されている。同期検知センサAが設けられていない場合は、同期検知センサAが設けられている場合よりも、画角を広くすることができる。
【0089】
例えば、X軸方向に関して、入射ミラーとポリゴンミラーの回転中心との距離(図12の符号L1)を43mm、ポリゴンミラーの回転中心と走査レンズの入射側の面との距離(図12の符号L2)を60.5mm、ポリゴンミラーの内接円半径を8mmとした場合、図12では半画角βが34.5°であるのに対し、図13では半画角βが39.5°である。
【0090】
すなわち、光源側の領域に同期検知センサを配置しないことによって、半画角βを5°増加させることができる。そして、有効走査領域の大きさを同一とし、ポリゴンミラーから被走査面までの光路長を単純に比例計算すると、光源側の領域に同期検知センサを配置しない場合の光路長は、光源側の領域に同期検知センサを配置する場合の光路長に対して、(34.5°/39.5°)×100=87.3%の大きさとなる。そこで、光源側の領域に同期検知センサを配置しない場合は、光源側の領域に同期検知センサを配置する場合に対して、X軸方向の長さを10%以上短縮することが可能であり、光走査装置の小型化に大きく寄与する。
【0091】
ここで、一例として図14に示されるように、ポリゴンミラー2104の4つの偏向反射面を、反時計回りに「面1」、「面2」、「面3」、「面4」とする。
【0092】
そこで、例えば、面1で反射された光によって感光体ドラム2030dが走査されると、次に、面3で反射された光によって感光体ドラム2030aが走査される。続いて、面2で反射された光によって感光体ドラム2030dが走査され、次に、面4で反射された光によって感光体ドラム2030aが走査される。さらに、面3で反射された光によって感光体ドラム2030dが走査され、次に、面1で反射された光によって感光体ドラム2030aが走査される。
【0093】
本実施形態では、図15に示されるように、感光体ドラム2030aに対応する同期検知用集光レンズ2112a及び同期検知センサ2113aは設けられているが、感光体ドラム2030dに対応する同期検知用集光レンズ及び同期検知センサは設けられていない。感光体ドラム2030aでは、+Y方向に走査が行われるため、同期検知センサ2113aは、光源と反対側の領域に配置されている。これによって、画角を大きくすることができる。
【0094】
図16には、仮に、感光体ドラム2030aに対応する同期検知用集光レンズ2112a及び同期検知センサ2113aと、感光体ドラム2030dに対応する同期検知用集光レンズ2112d及び同期検知センサ2113dとが設けられている場合が示されている。感光体ドラム2030dでは、−Y方向に走査が行われるため、同期検知センサ2113dは、光源側の領域に配置されている。
【0095】
図16の場合は、感光体ドラム2030a及び感光体ドラム2030dのいずれに対しても、同期検知信号を得ることができる(図17参照)。そこで、走査制御装置は、同期検知センサ2113aの出力信号の立ち上がりを検知すると、時間Tkの経過後に感光体ドラム2030aへの書き込みを開始する。また、走査制御装置は、同期検知センサ2113dの出力信号の立ち上がりを検知すると、時間Tkの経過後に感光体ドラム2030dへの書き込みを開始する。なお、時間Tkは、同期検知信号の立ち上がりタイミングから書き込み開始タイミングまでの時間であり、装置毎に予め求められ、走査制御装置のメモリに格納されている。
【0096】
一方、図15の場合は、感光体ドラム2030aに対する同期検知信号を得ることはできるが、感光体ドラム2030dに対する同期検知信号を得ることはできない(図18参照)。
【0097】
この場合に、感光体ドラム2030dへの書き込み開始タイミングを求める方法として、図19に示されるように、同期検知センサ2113aの出力信号に同期して擬似同期信号を生成する方法が考えられる。この擬似同期信号は、感光体ドラム2030dに対する同期検知信号の代わりとなる信号であり、走査制御装置で生成される。
【0098】
図19では、走査制御装置は、同期検知センサ2113aの出力信号の立ち上がりを検知してから時間Trが経過すると、擬似同期信号を「ハイレベル」から「ローレベル」に変化させる。そして、走査制御装置は、擬似同期信号の立ち上がりタイミングから時間Tkの経過後に感光体ドラム2030dへの書き込みを開始する。なお、時間Trは、ポリゴンミラーが1/4回転するのに要する時間であり、装置毎に予め求められ、走査制御装置のメモリに格納されている。
【0099】
しかしながら、ポリゴンミラーには製造誤差があり、偏向反射面が異なると書き込み開始位置が異なるおそれがある。
【0100】
そこで、図20に示されるように、同期検知センサ2113aの出力信号に基づいて、同じ偏向反射面で反射された光で感光体ドラム2030dを走査する際の書き込み開始タイミングを決める方法が考えられる。しかしながら、3×Trを計測するタイマカウンタが4つ必要になるとともに、各タイマカウンタの容量を3倍に増量する必要があり、高コスト化を招くという不都合がある。
【0101】
また、図21に示されるように、偏向反射面間の時間差(Te32、Te43、Te14、・・・)を予め求めておき、前記時間Trを補正して、感光体ドラム2030dでの書き込み開始タイミングを決める方法が考えられる。なお、Te32は、面3と面2間の時間差であり、Te43は、面4と面3間の時間差であり、Te14は、面1と面4間の時間差である。
【0102】
この方法を行うためには、偏向反射面間の時間差を予め求めておく必要がある。ここでは、先ず、図22に示されるように、同期検知センサ2113aの出力信号に基づいて、光を反射する偏向反射面が面3から面4に移行するまでの時間T34、光を反射する偏向反射面が面4から面1に移行するまでの時間T41、光を反射する偏向反射面が面1から面2に移行するまでの時間T12、・・・を計測する。なお、計測時間を長くして、光を反射する偏向反射面が面3から面2に移行するまでの時間を直接測定することも可能ではあるが、タイマカウンタの容量を増量する必要があり、高コスト化を招くという不都合がある。
【0103】
次に、上記計測された時間T34と時間Trとの差を求め、面3−面4間の時間差Te34とする。また、上記計測された時間T41と時間Trとの差を求め、面4−面1間の時間差Te41とする。さらに、上記計測された時間T12と時間Trとの差を求め、面1−面2間の時間差Te12とする。
【0104】
そして、面1−面4間の時間差Te14、面2−面1間の時間差Te21、面3−面2間の時間差Te32、面4−面3間の時間差Te43を求める。時間差Te14は上記時間差Te41と符号のみが異なる値である。時間差Te21は上記時間差Te12と符号のみが異なる値である。時間差Te32は、上記時間差Te34+上記時間差Te41+上記時間差Te12から算出する。時間差Te43は上記時間差Te34と符号のみが異なる値である。
【0105】
このようにして、偏向反射面間の時間差は予め求めておくことができるが、画像形成中に、光を反射する偏向反射面が面1〜面4のいずれであるかを特定することができなければ、偏向反射面間の時間差を補正することはできない。
【0106】
偏向反射面を特定する方法として、偏向反射面の面精度のばらつきを利用する方法が特許文献1に開示されている。しかしながら、この方法では、主走査対応方向における面精度のばらつきが、複数の偏向反射面において小さい場合には、偏向反射面の移行時間がどの面間でもほぼ等しくなるため、偏向反射面を特定することは困難である。
【0107】
そこで、本実施形態では、4面鏡における隣り合う2つの面のなす角度について、少なくとも1つの角度が他の角度と異なるようにした(図23参照)。図23では、面1と面2とのなす角度(θ12)は90°、面2と面3とのなす角度(θ23)は89.6°、面3と面4とのなす角度(θ34)は90.4°、面4と面1とのなす角度(θ41)は90°である。このように、回転多面体の回転軸に直交する断面の形状は、非正4角形であり、該非正4角形では、隣り合う2つの内角である角度θ23と角度θ34がわずかに異なっている。すなわち、この非正4角形は、正4角形すなわち正方形の一部がわずかに変形した形状である。
【0108】
この場合、一例として図24に示されるように、面1から面2に移行するまでの時間T12と、面2から面3に移行するまでの時間T23と、面3から面4に移行するまでの時間T34と、面4から面1に移行するまでの時間T41との間には、T34<T12=T41<T23の関係がある。
【0109】
そこで、走査制御装置は、画像形成中に、偏向反射面の移行時間を計測し、該移行時間と移行時間の履歴情報とに基づいて、光を反射する偏向反射面が面1〜面4のいずれであるかを特定することができる。
【0110】
ここでは、光を反射する偏向反射面と走査される感光体ドラムとの関係の時間変化は、「面1で反射された光で感光体ドラム2030aを走査」→「面4で反射された光で感光体ドラム2030dを走査」→「面2で反射された光で感光体ドラム2030aを走査」→「面1で反射された光で感光体ドラム2030dを走査」→「面3で反射された光で感光体ドラム2030aを走査」→「面2で反射された光で感光体ドラム2030dを走査」→「面4で反射された光で感光体ドラム2030aを走査」→「面3で反射された光で感光体ドラム2030dを走査」→「面1で反射された光で感光体ドラム2030aを走査」→・・・・・・・、である。
【0111】
そこで、走査制御装置は、前回の移行時間がT34と等しければ、次に感光体ドラム2030aの有効走査領域内を走査する光は、面4で反射された光であると判断する。また、走査制御装置は、前前回の移行時間がT34と等しければ、次に感光体ドラム2030aの有効走査領域内を走査する光は、面1で反射された光であると判断する。
【0112】
さらに、走査制御装置は、前前回の移行時間と前回の移行時間とが同じであれば、次に感光体ドラム2030aの有効走査領域内を走査する光は、面2で反射された光であると判断する。そして、走査制御装置は、前回の移行時間がT23と等しければ、次に感光体ドラム2030aの有効走査領域内を走査する光は、面3で反射された光であると判断する。
【0113】
走査制御装置は、感光体ドラム2030aの有効走査領域内を走査する光が、面1で反射された光であれば、続いて行われる感光体ドラム2030dの有効走査領域内を走査する光は、面4で反射された光であると判断する。また、走査制御装置は、感光体ドラム2030aの有効走査領域内を走査する光が、面2で反射された光であれば、続いて行われる感光体ドラム2030dの有効走査領域内を走査する光は、面1で反射された光であると判断する。
【0114】
さらに、走査制御装置は、感光体ドラム2030aの有効走査領域内を走査する光が、面3で反射された光であれば、続いて行われる感光体ドラム2030dの有効走査領域内を走査する光は、面2で反射された光であると判断する。そして、走査制御装置は、感光体ドラム2030aの有効走査領域内を走査する光が、面4で反射された光であれば、続いて行われる感光体ドラム2030dの有効走査領域内を走査する光は、面3で反射された光であると判断する。
【0115】
なお、互いに隣接する2つの偏向反射面のなす角度の製造誤差として、0.05°が見込まれるため、θ12及びθ41と、θ23と、θ34とは、0.05°以上離れていることが必要である。本実施形態では、製造誤差により、θ12及びθ41が90.0°+0.05°=90.05°となり、θ34が90.4°−0.05°=90.35°となっても、θ12及びθ41とθ34との角度差に余裕がある。
【0116】
走査制御装置は、周期T1のクロック信号S1を生成するクロックCk1と、周期T2(>T1)のクロック信号S2を生成するクロックCk2と、タイマカウンタTc1と、タイマカウンタTc2とを有している。タイマカウンタTc1は、クロック信号S1の立ち下がりタイミングに同期してカウント値がカウントアップされる。タイマカウンタTc2は、クロック信号S2の立ち下がりタイミングに同期してカウント値がカウントアップされる。
【0117】
なお、クロック信号S2は、ポリゴンミラーの1/1000°の回転に対応する分解能を有している。
【0118】
感光体ドラム2030aの有効走査領域内を走査する光が、面3で反射された光であるときに、続いて行われる感光体ドラム2030dへの書き込み開始タイミングを決定する方法について図25を用いて説明する。このとき、感光体ドラム2030dの有効走査領域内を走査する光は、面2で反射された光である。
【0119】
走査制御装置は、同期検知センサ2113aの出力信号が「ローレベル」から「ハイレベル」に変化すると、タイマカウンタTc1及びタイマカウンタTc2のカウント値を0リセットする。
【0120】
走査制御装置は、タイマカウンタTc1のカウント値が時間Tkに対応する値(ここでは、n)になると、タイマカウンタTc1のカウント値を0リセットするとともに、感光体ドラム2030aへの書き込みを開始する。
【0121】
走査制御装置は、タイマカウンタTc1のカウント値が、時間Tr+時間差Te32に対応する値の直前になると、擬似同期信号を「ハイレベル」から「ローレベル」に変化させる。
【0122】
走査制御装置は、タイマカウンタTc1のカウント値が、時間Tr+時間差Te32に対応する値になると、擬似同期信号を「ローレベル」から「ハイレベル」に変化させるとともに、タイマカウンタTc1のカウント値を0リセットする。
【0123】
走査制御装置は、タイマカウンタTc1のカウント値が、時間Tkに対応する値になると、感光体ドラム2030dへの書き込みを開始する。
【0124】
走査制御装置は、同期検知センサ2113aの出力信号が「ローレベル」から「ハイレベル」に変化すると、タイマカウンタTc2のカウント値(図25では、m)を履歴情報としてメモリに保存するとともに、タイマカウンタTc1及びタイマカウンタTc2のカウント値を0リセットする。
【0125】
図26には、感光体ドラム2030aの有効走査領域内を走査する光が、面4で反射された光であるときに、続いて行われる感光体ドラム2030dへの書き込み開始タイミングが示されている。このとき、感光体ドラム2030dの有効走査領域内を走査する光は、面3で反射された光である。
【0126】
図27には、感光体ドラム2030aの有効走査領域内を走査する光が、面1で反射された光であるときに、続いて行われる感光体ドラム2030dへの書き込み開始タイミングが示されている。このとき、感光体ドラム2030dの有効走査領域内を走査する光は、面4で反射された光である。
【0127】
図28には、感光体ドラム2030aの有効走査領域内を走査する光が、面2で反射された光であるときに、続いて行われる感光体ドラム2030dへの書き込み開始タイミングが示されている。このとき、感光体ドラム2030dの有効走査領域内を走査する光は、面1で反射された光である。
【0128】
また、走査制御装置は、偏向反射面毎に面倒れによる副走査方向の光スポット位置を補正する。
【0129】
なお、感光体ドラム2030aと感光体ドラム2030dについての上記説明は、感光体ドラム2030bと感光体ドラム2030cについても同様である。本実施形態では、感光体ドラム2030bに対応する同期検知用集光レンズ2112b及び同期検知センサ2113bは設けられているが、感光体ドラム2030cに対応する同期検知用集光レンズ及び同期検知センサは設けられていない(図29参照)。
【0130】
以上説明したように、本実施形態に係る光走査装置2010によると、2つの光源ユニット(LU1、LU2)、ハーフミラー2205、4つのシリンドリカルレンズ(2204a、2204b、2204c、2204d)、2つの入射ミラー(M1、M2)、ポリゴンミラー2104、走査光学系A、走査光学系B、及び不図示の走査制御装置を有している。
【0131】
ポリゴンミラー2104は、回転多面体としての4面鏡を有し、面1と面2とのなす角度が90°、面2と面3とのなす角度が89.6°、面3と面4とのなす角度が90.4°、面4と面1とのなす角度が90°である。
【0132】
この場合は、走査制御装置は、感光体ドラムの有効走査領域を走査する光を反射した偏向反射面を確実に特定することができる。
【0133】
そこで、感光体ドラム2030cに対応する同期検知センサが設けられていなくても、感光体ドラム2030cへの書き込み開始タイミングを精度良く求めることができる。また、感光体ドラム2030dに対応する同期検知センサが設けられていなくても、感光体ドラム2030dへの書き込み開始タイミングを精度良く求めることができる。
【0134】
そして、同期検知センサを光源側の領域に配置する必要がないため、画角を大きくすることができる。その結果、光走査装置のX軸方向の寸法を小さくすることが可能となる。
【0135】
ハーフミラー2205は、光源ユニットLU1から射出された光LB1を、光LBaと光LBdとに分割し、光源ユニットLU2から射出された光LB2を、光LBbと光LBcとに分割する。
【0136】
そして、光LBaは感光体ドラム2030aに導光され、光LBdは感光体ドラム2030dに導光される。また、光LBbは感光体ドラム2030bに導光され、光LBcは感光体ドラム2030cに導光される。すなわち、2つの光源ユニットで、4つの感光体ドラムを走査することができる。これにより、低コスト化を図ることができる。
【0137】
そこで、光走査装置2010によると、レイアウト性や走査精度を低下させることなく、小型化を図ることができる。
【0138】
そして、カラープリンタ2000は、光走査装置2010を備えているため、その結果として、画像品質を低下させることなく、小型化を図ることができる。
【0139】
なお、上記実施形態において、タイマカウンタTc1は、書き込み開始タイミングを求める以外の用途に用いられても良い。
【0140】
また、上記実施形態では、面2と面3とのなす角度θ23が89.6°、面3と面4とのなす角度θ34が90.4°の場合について説明したが、これに限定されるものではない。角度θ23と角度θ34とが異なっていれば良い。
【0141】
また、上記実施形態では、1つの光源から射出された光を2分割し、該2分割された2つの光をそれぞれ異なる感光体ドラムに導光する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、感光体ドラム毎に光源を有していても良い。この場合であっても、走査制御装置は、感光体ドラムの有効走査領域を走査する光を反射した偏向反射面を確実に特定することができる。なお、この場合は、前記ハーフミラー2205は不要である。
【0142】
また、この場合は、回転多面体が4面鏡でなくても良い。例えば、回転多面体が5面鏡、あるいは6面鏡であっても良い。要するに、回転多面体の回転軸に直交する断面の形状が、非正多角形であれば良い。なお、この非正多角形は、正多角形の一部がわずかに変形した形状である。
【0143】
また、上記実施形態では、画像形成装置として、カラープリンタ2000の場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、図30に示されるような、モノクロ画像を形成するレーザプリンタ1000であっても良い。
【0144】
このレーザプリンタ1000は、光走査装置1010、感光体ドラム1030、帯電装置1031、現像ローラ1032、転写装置1033、除電ユニット1034、クリーニングユニット1035、トナーカートリッジ1036、給紙コロ1037、給紙トレイ1038、定着装置1041、排紙ローラ1042、排紙トレイ1043、通信制御装置1050、及び上記各部を統括的に制御するプリンタ制御装置1060などを備えている。
【0145】
帯電装置1031は、感光体ドラム1030の表面を均一に帯電させる。
【0146】
光走査装置1010は、帯電装置1031で帯電された感光体ドラム1030の表面を、プリンタ制御装置1060からの画像情報に基づいて変調された光により走査し、感光体ドラム1030の表面に画像情報に対応した潜像を形成する。ここで形成された潜像は、感光体ドラム1030の回転に伴って現像ローラ1032の方向に移動する。
【0147】
トナーカートリッジ1036にはトナーが格納されており、該トナーは現像ローラ1032に供給される。
【0148】
現像ローラ1032は、感光体ドラム1030の表面に形成された潜像にトナーカートリッジ1036から供給されたトナーを付着させて潜像を顕像化させる。ここでトナーが付着した像(トナー像)は、感光体ドラム1030の回転に伴って転写装置1033の方向に移動する。
【0149】
給紙トレイ1038には記録紙1040が格納されている。この給紙トレイ1038の近傍には給紙コロ1037が配置されており、該給紙コロ1037は、記録紙1040を給紙トレイ1038から1枚ずつ取り出す。該記録紙1040は、感光体ドラム1030の回転に合わせて感光体ドラム1030と転写装置1033との間隙に向けて送り出される。
【0150】
転写装置1033には、感光体ドラム1030の表面のトナーを電気的に記録紙1040に引きつけるために、トナーとは逆極性の電圧が印加されている。この電圧により、感光体ドラム1030の表面のトナー像が記録紙1040に転写される。ここでトナー像が転写された記録紙1040は、定着装置1041に送られる。
【0151】
定着装置1041では、熱と圧力とが記録紙1040に加えられ、これによってトナーが記録紙1040上に定着される。ここでトナーが定着された記録紙1040は、排紙ローラ1042を介して排紙トレイ1043に送られ、排紙トレイ1043上に順次積層される。
【0152】
除電ユニット1034は、感光体ドラム1030の表面を除電する。
【0153】
クリーニングユニット1035は、感光体ドラム1030の表面に残ったトナー(残留トナー)を除去する。残留トナーが除去された感光体ドラム1030の表面は、再度帯電装置1031に対向する位置に戻る。
【0154】
光走査装置1010は、一例として図31に示されるように、光源11、カップリングレンズ12、開口板13、シリンドリカルレンズ14、ポリゴンミラー15、走査レンズ21、折り返しミラー23、同期検知用集光レンズ24、同期検知センサ25、及び走査制御装置(図示省略)などを備えている。
【0155】
カップリングレンズ12は、光源11から射出された光を略平行光とする。
【0156】
開口板13は、開口部を有し、カップリングレンズ12を介した光のビーム径を所望の大きさにする。
【0157】
シリンドリカルレンズ14は、開口板13の開口部を通過した光を、ポリゴンミラー15の偏向反射面近傍に副走査対応方向に関して結像する。
【0158】
ポリゴンミラー15は、感光体ドラム1030の長手方向(回転軸方向)に直交する回転軸まわりに回転する4面鏡を有している。この4面鏡における各鏡面が偏向反射面である。ポリゴンミラー15の4面鏡は等速回転し、シリンドリカルレンズ14からの光を等角速度的に偏向する。
【0159】
ポリゴンミラー15の4面鏡は、上記実施形態と同様に、面1と面2とのなす角度が90°、面2と面3とのなす角度が89.6°、面3と面4とのなす角度が90.4°、面4と面1とのなす角度が90°である。
【0160】
走査レンズ21は、折り返しミラー23を介して、ポリゴンミラー15で偏向された光を感光体ドラム1030の表面に集光する。
【0161】
同期検知センサ25は、書き込み開始前の光を受光する。
【0162】
この場合、光走査装置1010の走査制御装置は、上記実施形態と同様にして、感光体ドラム1030を走査する光が、ポリゴンミラー15の4面鏡におけるどの面で反射された光であるかを確実に特定することができる。
【0163】
そこで、偏向反射面毎に面倒れによる副走査方向の光スポット位置を補正することができる。
【0164】
そして、レーザプリンタ1000は、光走査装置1010を備えているため、その結果として、画像品質を向上させることができる。
【0165】
また、上記実施形態では、トナー像が感光体ドラムから転写ベルトを介して記録紙に転写される画像形成装置について説明したが、これに限定されるものではなく、トナー像が記録紙に直接転写される画像形成装置であっても良い。
【0166】
また、画像形成装置が、像担持体として光スポットの熱エネルギにより発色する発色媒体(ポジの印画紙)を用いた画像形成装置であっても良い。この場合には、光走査により可視画像を直接、像担持体に形成することができる。
【0167】
また、上記実施形態では、光走査装置がプリンタに用いられる場合について説明したが、プリンタ以外の画像形成装置、例えば、複写機、ファクシミリ、又は、これらが集約された複合機にも好適である。
【符号の説明】
【0168】
11…光源、12…カップリングレンズ、13…開口板、14…シリンドリカルレンズ、15…ポリゴンミラー(光偏向器)、21…走査レンズ、25…同期検知センサ、1000…レーザプリンタ(画像形成装置)、1010…光走査装置、1030…感光体ドラム(像担持体)、2000…カラープリンタ(画像形成装置)、2010…光走査装置、2030a〜2030d…感光体ドラム(像担持体)、2104…ポリゴンミラー(光偏向器)、2105a〜2105d…走査レンズ、2106a〜2106d…折り返しミラー、2107a〜2107d…折り返しミラー、2109a〜2109d…折り返しミラー、2111a〜2111d…射出窓、2112a,2112b…同期検知用集光レンズ、2113a,2113b…同期検知センサ、2200A,2200B…光源、2201A,2201B…カップリングレンズ、2203A,2203B…開口板、2204a〜2204d…シリンドリカルレンズ、2205…ハーフミラー、2300…光学ハウジング、LU1,LU2…光源ユニット、M1,M2…入射ミラー。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0169】
【特許文献1】特開2009−119871号公報
【特許文献2】特開2007−78723号公報
【特許文献3】特開2001−260413号公報
【特許文献4】特開2008−257109号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被走査面を光によって走査する光走査装置であって、
光源と、
回転多面体を有し、前記光源からの光を偏向する光偏向器と、
前記光偏向器で偏向された光を前記被走査面に導光する走査光学系とを備え、
前記回転多面体の回転軸に直交する断面の形状は、非正多角形である光走査装置。
【請求項2】
前記非正多角形は、互いに隣り合う第1の内角と第2の内角とが異なることを特徴とする請求項1に記載の光走査装置。
【請求項3】
前記光偏向器で偏向され、前記被走査面の有効走査領域外に向かう光を受光する同期検知センサを備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の光走査装置。
【請求項4】
前記同期検知センサの出力信号に基づいて、前記被走査面への書き込み開始のタイミングを求めるとともに、前記被走査面を走査する光を反射した前記回転多面体における面を特定する処理装置を備えることを特徴とする請求項3に記載の光走査装置。
【請求項5】
前記処理装置は、第1のクロック信号に同期した第1のカウンタと、前記回転多面体における面を特定する際に用いられ、第2のクロック信号に同期した第2のカウンタとを有し、前記第2のクロック信号の周期は、前記第1のクロック信号の周期よりも長いことを特徴とする請求項4に記載の光走査装置。
【請求項6】
前記第1のカウンタは、前記被走査面への書き込み開始のタイミングを求める際に用いられることを特徴とする請求項5に記載の光走査装置。
【請求項7】
前記第1の内角と前記第2の内角との差が、少なくとも0.05°であることを特徴とする請求項2に記載の光走査装置。
【請求項8】
前記光源と前記光偏向器との間の光路上に配置され、前記光源からの光を分割する分割光学部材を備え、
前記走査光学系は、前記分割光学部材で分割された光を互いに異なる被走査面に導光することを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の光走査装置。
【請求項9】
像担持体を光によって走査する光走査装置を備える画像形成装置において、
前記光走査装置が請求項1〜8のいずれか一項に記載の光走査装置であることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【公開番号】特開2013−109113(P2013−109113A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−253397(P2011−253397)
【出願日】平成23年11月21日(2011.11.21)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】