説明

光電センサシステム

【課題】単一または複数の投光素子の投光強度と受光感度調整を自動的または手動で一括調整する光電センサシステムを提供する。
【解決手段】単一または複数の投光素子の投光強度と受光感度調整を自動的に一括調整するため、投光素子に定電流投光信号を加え、また受光素子により環境の光量を測定し、記憶し、被測定物からの反射光量を記憶し、それぞれの前記光量信号強度を演算し、自動的または手動的に最適閾値を設け、センサ感度の設定を行う光電センサに関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、投光信号を投光する投光素子と、前記投光素子から投光された投光信号を被検出体が反射した反射信号または透過した透過信号を受光する受光素子を具備したセンサ部を備え、投光信号を被検出体が反射し、または透過した透過信号を受光素子で捉えることにより、被検出体の存在有無を検出する光電センサに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、物品の保管や管理において、前記物品の有無や、保管位置を検出することは、これらの物品或いはこれらの物品を使用した製品の製造工程、組立工程など所謂セル生産工程や、検査工程やこれらの物品の使用時における物の保管数や場所や位置の管理を行うことが重要である。これらの保管数、場所や位置の管理情報をホストシステムや次工程の自動化機械に伝えることによって、製造ラインや検査ラインまたは保管管理における工程の自動化を実現することができるため、光電センサなどが使用されてきた。例えば、液晶用ガラスやディスク用ガラス板、プリント基板、或いは半導体基板ウエハの生産において、ウエハカセットや保管棚の物の所在位置や物の有無を検出する光電センサとして使用されてきた。
あるいは、定形物品や定形の器具の保管管理においても、物品の有無や、保管位置を検出する光電センサが用いられてきた。
【0003】
しかしながら、例えば、特許文献1には、投光素子から投光窓に投光用光ファイバによって投光信号を導き、投光窓にから投光した投光信号が、受光窓に対向しており、受光窓から受光した受光信号を受光用光ファイバによって受光素子に導き、被検出体であるウエハに投光信号が遮られるとウエハの存在を検出する光電センサが記載されている。この場合、投光素子あるいは受光素子に介在する光ファイバの使用は、投光素子からの光の取り込みや、その伝達距離により投光信号或いは受光信号を減衰させ、高輝度の発光またはその受光が効率的に果たせない問題がある。すなわち、光ファイバの光の取込部分の反射や光ファイバによる光の減衰は、光信号の有効利用が難しく、光電センサの感度の改善に妨げとなる問題を内在させている。また、複数の投光素子の輝度調整や、複数の受光素子をそれぞれの受光感度調整をそれぞれ行なう必要があり、調整の手間がかかり、また、設置に伴う環境の変化によって、また、外乱信号によって調整し直す必要が生じ、煩雑な調整作業を必要とする問題があった。また、通常複数の被検出体を検出する場合に当該光電センサを用いると、複数の検出ユニットからの光ファイバや当該検出ユニットから制御系に信号を受け渡す信号線の束が小型化や、取り回しに問題があり、また、個別に当該検出ユニットの調整を行なう必要があり、立上げ調整作業や設置場所の変更時の調整などの作業が煩雑であった。
【特許文献1】特許第2874020号公報 特許文献1は、高輝度の投光を直接被検出体に投光し、または被検出体からの受光を、直接距離をおかず高感度に受光し検出する上で上記の問題が生じていた。
【0004】
また、投光器の輝度調整と、受光感度調整をそれぞれ投光・受光のセット毎に調整しなければならない問題があり、このような煩雑な作業を解決したものである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、このような従来の構成が有していた各回路の調整の煩雑な作業を無くし、安定した投光・受光及び機能調整を単純化し、光電センサユニットの調整の自動化を図ること目的とするものである。
【0006】
また、複数の投光回路の輝度調整や、受光回路の感度調整と共に、環境変化や、光ノイズ信号に対する誤動作を解決することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記目的を達成するために、単一または複数の光電センサシステムの輝度や感度や、光電センサの設置された周辺状況にあった輝度調整や利得調整の判断が実現できる閾値調整などが一括設定できるようにしたものである。
【0008】
本発明の請求項1には、制御部と親局の間で、並列信号である監視信号と制御信号を授受し、
前記親局と単一または、複数の子局との間では、直列信号として伝送線を介して伝送し、
前記子局は、伝送線と子局の間の通信を果たす子局入出力部を有し、
前記子局入出力部は、当該子局のアドレスを検出する手段を有し、
伝送信号に含まれる当該子局宛の制御信号を得て、当該子局の制御出力を果たし、
当該子局が検出した監視信号として前記子局入出力部を介して伝送線に送出する通信制御システムについて記載されている。
そして、前記子局の構成は子局入出力部と、センサコントロール部と、センサ部からなり、
センサコントロール部は、子局入出力部とセンサ部の中間にあり、センサの駆動と、センサ部で検出したアナログ信号をデジタル信号データに変換するA/Dコンバータ(アナログデジタルコンバータ)を有し、前記複数のデジタル信号データを記憶保持する記憶素子と、複数の記憶データに基づき演算処理や検出状態を判断する判断機能を果たすMPU(マイクロプロセッサユニット)とを有している。
【0009】
前記MPUは、前記制御信号によって、または前記MPUの判断結果に従って投光器を時分割で駆動クロックパルス信号を生成する輝度調整回路と検出駆動回路を有し、
前記駆動クロックパルス信号によって投光器から投光する投光信号が被検出体により反射し、反射光を検出する受光素子の検出信号強度を利得調整する利得調整回路を有し、
センサ部は、単一または、複数の投光器と、単一または、複数の受光器を有し、
前記投光器と前記受光器は、一対をなし、
時分割で投光する前記投光器に対向する前記受光器は、
投光信号が投光時または非投光時の受光信号を時分割された期間、常に検出し、
当該非投光時の受光信号をレベルデータとして記憶し、
投光時の受光量レベルデータから前記非投光時の受光信号レベルデータを差引き、
差分データを検出量として被検出体の有無を判定する信号とすること
を特徴とする光電センサまたは、光電センサシステムが記載されている。
【0010】
本発明の請求項2には、制御部と親局の間で、並列信号である監視信号と制御信号を授受し、
前記親局と単一または、複数の子局との間では、直列信号として伝送線を介して伝送し、
前記子局は、伝送線と子局の間の通信を果たす子局入出力部を有し、
前記子局入出力部は、当該子局のアドレスを検出する手段を有し、
伝送信号に含まれる当該子局宛の制御信号を得て、当該子局の制御出力を果たし、
当該子局が検出した監視信号として前記子局入出力部を介して伝送線に送出する通信制御システムにおいて、
前記子局の構成は子局入出力部と、
センサコントロール部と、センサ部からなり、センサコントロール部は、子局入出力部とセンサ部の中間にあり、センサの駆動と、センサ部で検出したアナログ信号をデジタル信号データに変換するA/Dコンバータ(アナログデジタルコンバータ)を有し、前記複数のデジタル信号データを記憶保持する記憶素子と、複数の記憶データに基づき演算処理や検出状態を判断する判断機能を果たすMPU(マイクロプロセッサユニット)と有する。
【0011】
前記制御信号によって、または前記MPUの判断結果に従って投光器を時分割で駆動クロックパルス信号を生成する輝度調整回路と検出駆動回路を有し、
前記駆動クロックパルス信号によって投光器から投光する投光信号が被検出体により遮られたことを検出する受光素子の受光信号強度レベルを検出する回路を有し、
センサ部は、単一または、複数の投光器と、単一または、複数の受光器を有し、
前記投光器と前記受光器は、一対をなし、
時分割で投光する前記投光器に対向する前記受光器は、
投光信号が投光時または非投光時の受光信号を時分割された期間、常に検出し、
当該非投光時の受光信号をレベルデータとして記憶し、
投光時の受光量レベルデータから前記非投光時の受光信号レベルデータを差引き、
差分データを検出量として被検出体の有無を判定する信号とすること
を特徴とする光電センサまたは、光電センサシステムが記載されている。
【0012】
本発明の請求項3には、請求項1,2において、
投光器の駆動を、定電流パルス制御し、
投光量を一定輝度に設定できること、また、複数の投光素子の輝度を均一に、且つ一定輝度に一括設定することを特徴とする光電センサまたは、光電センサシステムが記載されている。
【0013】
本発明の請求項4には、請求項1から3において、
投光器と受光器は一対を構成し、反射型または透過型センサの受光信号を時分割し、デジタル信号データとして各々記憶保持し、比較用の予め設定されたデジタル信号データと比較し判定または、複数の投光器と受光器の対を有する場合には、他の受光信号レベルと比較判定し、感度不足を生じている投光器と受光器を構成する一対の光電センサの感度不足を特定し、自動調整回路によって輝度調整を行い、光電センサの感度不足解消を行うことを特徴とする光電センサまたは、光電センサシステムが記載されている。
【0014】
本発明の請求項5には、請求項1から4において、
一対の光電センサの感度不足を特定した場合、自動調整回路によって輝度調整を行い、
調整範囲を超えた場合、受光信号の利得を自動調整回路によって利得調整し、
光電センサの感度不足解消を行うことを特徴とする光電センサまたは、光電センサシステムが記載されている。
【0015】
本発明の請求項6には、請求項1から5において、
一対の光電センサの感度不足を特定した場合、先に受光信号の利得を自動調整回路によって利得調整し、次に輝度調整を行い、
光電センサの感度不足解消を行うことを特徴とする光電センサまたは、光電センサシステムが記載されている。
【0016】
本発明の請求項7には、請求項1から6において、
単一または複数の光電センサの投光時の投光信号が被検出体反射光または、透過光を受光した高光量レベルを記憶したデータから非投光時の受光信号を周辺環境からくる低光量レベルデータとして記憶したデータを差引き、その中間値を閾値とし、高光量レベルから低光量レベルデータを差引いたレベルが閾値より上位にあるかまたは下位にあるかを判断し、被検出体の有無検出を行うことを特徴とする光電センサまたは、光電センサシステムが記載されている。
【0017】
本発明の請求項8には、請求項1から7において、
データの記憶領域に記憶した、受光した高光量レベル値から低光量レベル値を差し引き、被検出体の有無を検出する閾値として設定するに当たり、前記高光量レベル値と低光量レベル値の間に設定する方法として、両データの中間値とすること、または、中間値に係数を乗算し、閾値の設定を中間値より高めまたは低めに自動的に調整することを特徴とする光電センサまたは、光電センサシステムが記載されている。
【0018】
本発明の請求項9には、請求項8において、
被検出体の有無を検出する閾値の初期値の設定は、ROMデータおよび外部から読み込んだ特定の閾値を用いて被検出体の有無を検出し、その検出時の受光量である投光信号を受光した高光量レベル値および非投光時に受光した低光量レベル値の最新データを、データの記憶領域の旧データと順次入れ替え、当該高光量レベル値と当該低光量レベル値から得られる最新閾値データを、データの記憶領域の旧閾値データと順次入れ替え、次回からはデータの記憶領域の最新閾値データを用いて、時系列的に被検出体の有無を検出し、被検出体の有無を検出する閾値を自動的に調整することを特徴とする光電センサまたは、光電センサシステムが記載されている。
【0019】
本発明の請求項10には、請求項1から9において、
閾値が予め記憶しているレベルより低い場合、自動的に利得調整を行い、適正閾値に自動調整する機能を有することを特徴とする光電センサまたは、光電センサシステムが記載されている。
【0020】
本発明の請求項11には、請求項1から10において、
感度調整が完了した時点の記憶データに比較し、受光信号量が予め定めた量以下に低下した場合、投光器の劣化または受光器の劣化、またはセンサ部の曇りと判断し、故障検知信号を発することを特徴とする光電センサまたは、光電センサシステムが記載されている。
【0021】
本発明の請求項12には、請求項1から11において、
非投光時の受光信号量データが、感度調整を完了した時点の低光量レベルの記憶データに比較し、高いレベルである場合、外乱光を検知したとして、エラー信号を出力することを特徴とする光電センサまたは、光電センサシステムが記載されている。
【0022】
本発明の請求項13には、請求項1から12において、
被検出体の有無を判定する閾値の設定を、内部記憶素子(ROM)のデータを使用するか、または外部から伝送されたデータで設定するか、または、自局の測定したデータに基づき演算して求めたものを使用するか選択使用できることを特徴とする光電センサまたは、光電センサシステムが記載されている。
【0023】
本発明の請求項14には、請求項1から13において、
複数の定型あるいは不定型の被検出体を収めるケースまたは棚の一部に前記光電センサを組込むことを特徴とした光電センサシステムが記載されている。
【0024】
本発明の請求項15には、請求項1から14において、
センサ部の投光時の投光信号または受光時のタイミングを制御する信号としてタイミング移動信号を用いることを特徴とする光電センサシステムが記載されている。
【0025】
本発明の請求項16には、光電センサシステムの検出レベルの閾値の設定方法や、
センサ感度の調整方法や、利得調整のための設定方法であるプログラムや
設定パラメータをセンサコントロール部のMPU周辺の記憶素子領域に置かず、
外部から通信によってMPUに送り込むことを特徴とする光電センサシステムが記載されている。
【0026】
本発明の請求項17には、請求項1から14において、
親局と子局の間において、パラレル通信することを特徴とする光電センサシステムが記載されている。
【0027】
本発明の請求項18には、請求項1または、3から17の反射型光電センサにおいて、
一対一に対向する投光器と受光器を一枚の基板の表裏に、基板を介して配置し、基板内部を投光器からの投光信号を漏洩させないために板状、またはフィルム状、または塗布材によって光遮蔽を施し、また、次々に被検出体のピッチに合わせ連続的に配置し、投光器または受光器の並び方向に対しても必要に応じて遮光を施しながら配置することを特徴とする光電センサシステムが記載されている。
【0028】
本発明の請求項19には、請求項18において、
複数の並び方向の一対一に対向する投光器と受光器の投光タイミング信号は、各々の投光・受光動作完了後、次の一対一に対向する投光器と受光器に対し、シフトパルスで被検出体の検出動作を引き継ぐことを特徴とする光電センサシステムが記載されている。
【0029】
本発明の請求項20には、請求項1と3から19の内、
被検出体有りのデータの書き換え時に、前回被検出体有りを検出した受光信号レベルより異常に高い受光信号レベルである場合、当該被検出体は、2枚重ねであると判断することを特徴とする反射型光電センサシステムが記載されている。
【0030】
本発明の光電センサによれば、
制御系と光電センサ間の配線の省略が可能であり、且つ複数の光電センサの調整が一括設定できるため、立上げ調整、点検調整、故障交換後の調整などが極めて簡単に行い得る。
【発明の効果】
【0031】
本発明によれば、複数の光電センサの初期設定や、その後の定期点検調整、環境変化時の調整などの調整作業が簡素化され、且つ、環境の影響を受けにくく、故障時要因確認が容易に出来ると共に、配線の省略、所謂省配線の効果で、装置周辺の回路の小型化、組立作業の簡素化の改善をすることができた。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
以下に本発明の光電センサについて、図面を参照し、実施するための形態を実施例に基づき説明する。
【0033】
本発明の光電センサについて、実施例を図1から図31によって説明する。
図1に本発明の実施形態に係る光電センサシステム構成図を示す。
図1において、割込み型の領域センサシステムの子局を伝送線(DP信号線5、DN信号線6)に接続し、親局4を経由し、制御部と通信制御する光電センサシステムを表したものである。
【0034】
また、図1において、光電センサシステムの親局4と子局10の間の配線は、2本の伝送線(DP信号線5、DN信号線6)に並列接続で簡単に複数の子局10を並列接続できる。センサ部9によって被検出体11の有無を検出し、検出信号をセンサコントロール部8に伝え、センサコントロール部8によって信号処理した結果が、子局入出力部7から伝送線(DP信号線5、DN信号線6)を介して親局4に伝送される。親局4は、当該伝送信号から被検出体11の有無情報を制御部1の入力ユニット2に伝え、光電センサシステムは、被検出体11の有無情報に従ったシステム制御を実施する。また、制御部1の出力ユニット3は、適宜親局4を経由して、子局10の動作を制御できる。
【0035】
図2に、本発明における割込み型のセンサシステムの子局10の摸式図を示す。
制御部1と親局4は、並列信号で双方の信号を授受し、親局4と子局10の間は、DP信号線5とDN信号線6を介して直列信号で授受する。子局10は、前記DP信号線5とDN信号線6と子局入出力部7を介してセンサコントロール部8を経由し、センサ部9の検出信号に基づく被検出体の有無情報を子局入出力部7から伝送線(DP信号線5、DN信号線6)との間で信号を授受する。
図2の割込み型のセンサシステムの構成は、複数の投光器18を備える投光部39と複数の受光器19を備える受光部40の間隔が比較的近い場合の応用に有効である。
ここで、センサコントロール部8と子局入出力部7は、図8に示す通りである。すなわち、子局入出力部7とセンサコントロール部8を投光器18と受光器19が共有するため、子局10の簡素化、低コスト化が実現できることを表している。
【0036】
図3に、本発明における親局の機能ブロック図を示す。
親局4は、制御部1の入力ユニット2へ子局10から受けた直列信号を直列・並列変換し、制御入力信号135として送出する入力データ部120と、制御部1の出力ユニット3から制御出力信号136として受けた並列信号を並列・直列変換し信号を取込む出力データ部121とタイミング発生手段124、制御データ発生手段125、親局出力部126を構成する。タイミング発生手段124は、水晶発振回路122からクロック信号の基本信号を得てクロック信号を生成し、このクロック信号にスタート信号とエンド信号を加えて制御信号の基本信号を生成する。(図示せず)
【0037】
親局アドレス設定手段123からタイミング発生手段124へ親局のデータの送受信タイミングを伝える。親局出力部126は、制御データ発生手段125とラインドライバ128からなり、DC24V電源9と0V電源10から電源供給を受け、DP電源重畳共通データ信号線5およびDN電源重畳共通データ信号線6を経由し、システム全体に電源を供給する。
【0038】
また、親局4の親局入力部132は監視信号検出手段131と監視データ抽出手段130で構成され、入力データ部120へ入力データ信号を送出する。監視信号検出手段131は、DP電源重畳共通データ信号線5およびDN電源重畳共通データ信号線6を経由して子局10から送出された一群の子局入出力部である入出力ターミナルから得られた監視信号であるデータ信号を検出する。また、親局4は、伝送インタフェイス回路として、伝送ブリーダ電流回路129を有する。
【0039】
親局4は、インタフェイス回路である伝送ブリーダ電流回路129が、親局出力部126内のラインドライバ128に接続されており、親局4の制御データ発生手段125から受けた制御データをタイミング発生手段124から送られるクロック信号と共に外部信号接続部(DP側)133を経由して、DP電源重畳共通データ信号線5にまた、外部信号接続部(DN側)134を経由してDN電源重畳共通データ信号線6に送出する。
【0040】
ラインドライバ128は、親局入力部132の監視信号検出手段131にデータ信号を渡し、監視データ抽手段130は、タイミング発生手段124から受けたクロック信号と同期して監視データ信号を得る。この監視データ信号を入力データ部120に渡し、制御部1の入力ユニット2に親局送信信号135として伝送する。
このように、親局4は制御部1と子局10の間にあって、子局情報を受け、制御部に信号を受渡し、また、制御部から制御信号を得て、子局10に制御信号を受け渡す役割を果たしている。
【0041】
図4は、本発明の実施形態に係る光電センサの側面摸式図である。
図4に、光電センサである割込み型反射型センサ41の側面摸式図を示す。図において、割込み型反射型センサ41は、親局4とDP信号線5とDN信号線6を介して直列信号で授受する。子局入出力部7は、DP信号線5とDN信号線6とのインタフェイスとしてセンサ部9によって検出される被検出体11の有無情報をセンサコントロール部8経由で受取り、DP信号線5とDN信号線6を介して親局4に伝送する。取付け板16に複数取付けたセンサコーム13は、投光信号15を被検出体11に向け送出し、その反射信号を受光信号14として被検出体11の有無を検出する。
ダミーコーム12は、被検出体11が無い場合の検出限界を設定するために設置されたものである。
【0042】
図5に、本発明の実施形態に係る光電センサのセンサコームの平面図を示す。センサコーム13の先端部に投光素子18及び受光素子19を具備し、両端を棚状に支えて多段保管されている被検出体11の端部の上面を検知する構造であり、投光素子18からの投光信号が被検出体11の端部の上面で反射した反射光を受光素子19で受光し、被検出体11の存在を検出する。
【0043】
図6に、本発明の実施形態に係る被検出体端部を検出する光電センサの摸式図を示す。
被検出体11は、半導体ウエハや、液晶ガラスまたプリント基板などの板状の被検出体11の端部に投光素子18からの投光信号を当て、その反射項を受光素子19で受光し、被検出体11の有無を検出する。検出信号はセンサ部9からセンサコントロール部8に送出し、信号解析を行なった上、被検出体11の有無信号として、子局入出力部7からDP信号線5、DN信号線6を介して親局4に送出する。図において、円形ウエハである被検出体11の最下段のものは、2枚のウエハが重なった状態で保管されており、この異常状態を図21の受光信号により、異常検知を実現している。
【0044】
図7に、本発明における子局入出力部7とセンサコントロール部8の機能ブロック配線図を示す。子局入出力部7は、DP信号線5とDN信号線6との信号を授受する。一方、子局入出力部7とセンサコントロール部8はOUT信号25によって、MPU20と信号を授受し、センサ部9から検出された検出信号からMPU20によって判定した被検出体11の検出結果を子局入出力部7から親局に伝達する。また、子局入出力部7は、PRM信号24として、親局からセンサコントロール部8への信号をMPU20に伝達する。
【0045】
センサコントロール部8からセンサ部9の投光部39への信号と電源は、図7のCP信号28と、END信号27と、タイミングデータ信号であるTD信号29と、電源供給線Vcc(5V)35とDN(0V)36の5本の線の接続によって行なっている。
また、センサ部9の受光部40の間は、図7で示す電源供給線Vcc(5V)35とDN(0V)36とCP信号28と、タイミングデータ信号であるTD信号29と、DEND37の5本の線の接続によって行なっている。
【0046】
センサコントロール部8には、中心機能を果たすMPU20と比較データや判断プログラムデータを記憶保持するROM44とセンサレベルデータと演算結果を記憶保持するRAM45と、投光信号の輝度調整を行なう輝度調整回路21、投光信号のバラツキを押さえ、安定した投光を行なうための定電流回路22と、CP信号28に投光器の駆動電流を載せて送出する検出投光駆動回路23と、A/D変換器40と利得調整回路34を具備している。
定電流回路22を用いることによって、投光器の投光電流を一定に抑えることが出来るため、それぞれの投光器を均一に投光させることが出来るため、設定を容易に行なうことが出来る。
【0047】
また、センサコントロール部8は、センサ部9の受光部40から投光部の投光器から受光した信号に受光終了信号を重畳したDEND信号37を受け、利得調整回路34にて利得調整の上、アナログ信号であるAIN信号33をA/D変換器40でデジタルレベル信号に変換し、MPU20のADATAポートにDOUTA信号26として取り込む。A/D変換器40のデータ変換タイミングは、A/D変換をMPU20によって許可するイネーブル信号であるENB信号30によって制御されている。
センサコントロール部8において、センサ部9に向け、投光または受光の基本信号となるCK信号43をMPU20から送出する。
【0048】
図8に、本発明の実施形態に係るセンサコントロール部8の自動輝度調整機能を含むブロック配線図を示す。図において、当該センサコントロール部8は、図7の輝度調整回路21を輝度自動調整回路38に置き換え、また、自動輝度調整信号としてAUT信号39を加えたものである。
MPU20は、輝度不足による受光信号の低下を感知すると、受光信号の適正化に向け、自動輝度調整信号であるAUT信号39を輝度自動調整回路38に送出し、自動輝度調整動作を行なう。投光器は、定電流源に接続されて投光されるが、受光素子固有の感度バラツキや、投光器の光の指向性などのバラツキは、この機能によって均一化が行なえる。
また、そのために、センサコントロール部8には、A/D変換器40を備えており、投光器の輝度調整や、受光感度調整や、オフセット信号調整時にデータをフィードバックし、正確な調整が行なえる。
【0049】
図9に、本発明の実施形態に係るセンサコントロール部のGAIN調整機能を含むブロック配線図を示す。図において、当該センサコントロール部8は、図7のGAIN調整回路34を自動のGAIN調整回路34に置き換え、また、自動のGAIN調整信号としてAUT信号39を加えたものである。
MPU20は、利得不足による受光信号の低下を感知すると、受光信号の適正化に向け、自動GAIN調整信号であるAUT信号39をGAIN調整回路34に送出し、自動的にGAIN調整動作を行なう。自動的にGAIN調整が行なわれた受光信号は、A/D変換器40によって、アナログデータ信号からデジタルデータ信号に変換され、MPU20に伝達される。この図において、子局入出力部はDP信号線5、DN信号線6を介して親局経由で制御部に信号を伝送しているが、図のシリアル信号線を用いず、また、親局を経由せず、パラレル信号を直接制御部のパラレルポートに接続することにより、高速の光電センサシステムを構築することもできる(図示せず)。
【0050】
図10に、本発明の実施形態に係るセンサ部の機能ブロック配線図を示す。
親局4で生成されたクロック信号をセンサコントロール部8経由で、クロックパルス(CP)信号28としてセンサ部に送出される。クロックパルス(CP)信号28は、スタート信号として、通常クロックパルスよりもデューティーサイクルの長いパルスが用いられており、通常クロックとの区分けを行なっている。当該クロックパルス(CP)信号28は、電圧レベルで0Vから24Vの間のパルス信号である。また、センサ部の電源として、0V36とVcc35を接続している。センサ部の複数の投光素子は、シフトレジスタによって駆動され、最初のシフトレジスタの駆動は、TD信号29によって起動される。
また、最終のシフトレジスタのシフト信号をEND信号27としてセンサコントロール部8に戻し、対を成す投光・受光の動作を完了し、また最初の対を成す投光器と受光器の投光・受光の動作を開始する。
センサ部は、投光器の非投光時と投光時に係らず受光器は、受光信号であるPHD信号37を受光し、
センサコントロール部8に受光信号であるPHD信号37を送出する。
【0051】
図11に、本発明の実施形態に係る投光器の配線図を示す。
投光器48は、単一または複数の投光素子18からなり、使用条件に対応し、照度、投光面積を適正にするべく素子数や配置が工夫されている。
【0052】
図12に、本発明の実施形態に係る受光器の配線図を示す。
受光器48は、単一または複数の投光素子18からなり、使用条件に対応し、照度、投光面積を適正にするべく素子数や配置が工夫されている。
受光器48は、単一または複数の受光素子19からなり、使用条件に対応し、輝度、受光面積を適正にするべく素子数や配置が工夫されている。
【0053】
図13に、本発明の実施形態に係る子局の信号のタイムチャート図を示す。
最上段に示すクロックパルス(CP)信号28は、信号電圧0Vから24Vの波高値を有する。通常のクロックパルスに比較し、5倍のパルス幅を持つスタートビットから信号が開始される。このスタートビットは、監視サイクルの開始を子局が認識するための信号である。スタートビットの後、複数の子局分に対応したパルスが続く。
この図の場合では、1子局が1ビットのパルス信号に相当する例を示す。この1子局分の1ビットに対応するパルスに従い、子局のインプット・アウトプットが対応している。
次に、センサコントロール部8からTD信号29がセンサ部に送出されることによって、センサ部のシフトレジスタ動作が開始する。
【0054】
シフトレジスタの動作パルスであるShift Reg.Q1の出力パルスがクロックパルス(CP)信号28のチャンネル1(CH1)のタイミングでLED1を動作させ、LED1が投光信号を発する。CH1の投光信号の立下りで次のShift Reg.Q2が動作し、その出力がLED2を動作させる。
このように、次々にシフトレジスタ動作に伴い、投光信号が発せられる。
一連のシフトレジスタ動作が完了した最終段のシフトレジスタのシフト信号をEND信号27として、センサコントロール部8に戻し、また、最初の状態から投光・受光動作を開始する。センサコントロール部8からセンサ部の電源として、Vcc35と0V36が電力供給を担う。
【0055】
PHD信号37は、複数の受光素子の出力信号を並列接続した受光信号である。この受光信号をセンサコントロール部8に送り、センサコントロール部8のA/D変換器40により、アナログ信号であるPHD信号37をデジタル受光レベル信号に変換する。変換タイミング信号であるENB信号30は、MPU20からA/D変換器40に送出する。
【0056】
図14に、本発明の実施形態に係るMPUの周辺回路構成を示すブロック図を示す。
図において、MPU20は、ローカルバスを通じて記憶素子であるROM44とRAM45に接続されている。また、I/OバスであるI/O46に、入力信号として、END信号27と、ADAT信号26と、PRM信号24が接続されている。また、I/OバスであるI/O46から出力信号として、ENB信号30と、OUT信号25と、OST信号31と、ACT信号32と、CK信号50と、TD信号29と、AUT信号39が出力される。
【0057】
図15に、本発明の実施形態に係るオフセット調整機能を示すタイムチャート図を示す。
受光信号であるPHD信号37は、0V電位に対し、最小のオフセット信号Min Vofnと最大のオフセット信号Max Vofnが含まれる。この最小のオフセット信号Min Vofnと最大のオフセット信号Max Vofnから、設定オフセット信号レベルVofgを設定する。設定オフセット信号レベルVofgは、最大のオフセット信号Max Vofnよりも大きく設定し、オフセット信号の揺らぎをマスクする。
また、最大受光信号Max Vndが設定値Vbg以内になるように破線で示すPHD信号37である受光信号を調整することを示している。受光信号Vsnは、設定オフセット信号レベルVofg以上であり、
設定値Vbg以内で推移している。
【0058】
本発明において、非投光時と投光時、常に受光しており、後に被検出体の有無を判断する上に、オフセット信号成分を取り除くことによって、外周周辺の光のノイズを取除く効果を有している。また、この方法で、閾値を自動設定する上でも、このオフセット信号成分を除去できることが、被検出体の有無を正確に検出する上で、効果を有している。
【0059】
図16に、本発明の実施形態に関る対象物検知機能を示すタイムチャート図を示す。
受光信号PHD信号37において、被検出体11が無い場合の受光信号Vndは論理値“0”状態であり、閾値Vthを越えた被検出体11が有りの場合の受光信号Vndは論理値“1”状態であらわしている。ここで、閾値Vthは、受光信号PHD信号37から設定オフセット信号レベルVofgを差引き、被検出体11が無い場合の受光信号Vndの論理値“0”状態と被検出体11が有りの場合の受光信号Vndは論理値“1”状態の中間値を設定していることが重要要件である。本発明では、オフセット信号成分を非投光時の受光信号レベルを用いて算出し、被検出体11の有無を判定する際に、受光信号レベルから前記オフセット信号を差引き、オフセット信号レベルのノイズや、揺らぎ、変動の影響を受けなくしていることが特徴である。
【0060】
図17に、本発明の実施形態に係る輝度不足検知機能を示すタイムチャート図を示す。
受光信号PHD信号37において、被検出体11が有りの場合の受光信号Vndで論理値“1”状態のときの最小受光信号Min Vnd1が感度設定限界値Vblを下回る場合、輝度不足を検知し、GAINを上げ、図中のVnd1のレベルになるように調整を行なう。
【0061】
図18に、本発明の実施形態に係る投光器故障を示すタイムチャート図を示す。
図中の受光信号PHD信号37において、通常の場合、受光信号レベルVs1からオフセット信号Vof1を差引いたすなわち(Vs1-Vof1)は、通常、投光器故障値Vbdfを越えなければならない。投光器故障値Vbdfは、被検出体の有無を判定するための閾値Vthとオフセット信号レベルVofnの中間に設定してある。最小の受光信号レベルであるMin Vnd0すなわち差信号(Vs1-Vof1)が投光器故障値Vbdfに対して小さい場合、当該投光器が故障である。投光器が正常の場合、被検出体無しの場合、受光信号PHD信号において、被検出体が無い場合の受光信号例レベルは、(Vs2-Vof2)が投光器故障値Vbdfを越える。前記投光器故障値Vbdfを投光器故障の判断基準として設け、受光信号例レベルが当該投光器故障の判断基準以下のレベルにおいて、投光器故障の警報を発信する。
【0062】
図19に、本発明の実施形態に係る受光器故障を示すタイムチャート図を示す。
図において、受光器故障値Vpdfが受光器故障の判断基準である。受光器が正常時のオフセット信号レベルは、チャンネル1(CH1)のオフセット信号レベルVof1やチャンネル3(CH3)のオフセット信号レベルVof3のように、受光器故障値Vpdfを越えた信号レベルである。これに対し、受光器故障の信号レベルの例を図中のチャンネル2(CH2)のオフセット信号レベルVof2で示す。チャンネル2(CH2)のオフセット信号レベルVof2は、受光器故障値Vpdf以下であり、チャンネル2(CH2)の受光器が故障していることを示す。また同時に受光器故障の警告を発信する。
【0063】
図20に、本発明の実施形態に係る外乱光エラーを示すタイムチャート図を示す。
図20では、外乱光異常を外乱光異常値Vofdによって検知している。図の受光信号であるPHD信号37において、外乱光がチャンネル3(CH3)の受光時に生じたことを示している。外乱光が生じていない正常状態のオフセット信号レベルをチャンネル1(CH1)のオフセット信号レベルVof1と、チャンネル2(CH2)のオフセット信号レベルVof2と、チャンネル3(CH3)のオフセット信号レベルVof3と、チャンネル5(CH5)のオフセット信号レベルVof5に示している。
【0064】
すなわち、非投光時において、オフセット信号レベルが外乱光異常値Vofdで示す判断レベル以下である。また、チャンネル3(CH3)のオフセット信号レベルVof3は、オフセット信号レベルが最低であり、最低オフセット信号値としてMinVof2として記憶する。図において、非投光時であるにも関らず、チャンネル4(CH4)のオフセット信号レベルVof4は、外乱光異常値Vofdを越えており、チャンネル4(CH4)の動作時において、当該光電センサシステムが外乱光を受けたことを示す。
【0065】
図21に、本発明の実施形態に係る被検出体の重なり検知時のタイムチャート図を示す。
図において、投光時の受光信号であるPHD信号37の内、投光時の受光信号として、チャンネル1(CH1)の信号レベルV1dと、チャンネル3(CH3)の信号レベルV3dと、チャンネル5(CH5)の信号レベルV5dと、チャンネル25(CH25)の信号レベルV25dは、被検出体の検出の閾値Vth以下であり、被検出体無し(論理値“0”)を示している。
【0066】
投光時の受光信号として、チャンネル2(CH2)の信号レベルV2dと、チャンネル4(CH4)の信号レベルV4dは、被検出体の検出の閾値Vthを越えており、被検出体有り(論理値“1”)を示している。しかし、チャンネル2(CH2)の信号レベルV2dと、チャンネル4(CH4)の信号レベルV4dを比較するとチャンネル4(CH4)の信号レベルV4dは、受光信号であるPHD信号37の値が大きく重なり検知値DW1を越えており、通常の被検出体有り(論理値“1”)状態を大きく越えている。この状態は、被検出体からの反射信号が1枚の検出体からの反射信号より大きいことから、被検出体が重なって存在することを示しており、重なり検知の警告を発信する。
【0067】
図22に、本発明の実施形態に係る記憶素子の記憶メモリーマップ図を示す。
不揮発性メモリー領域であるROM44の領域には、利得調整値Vofgと、輝度調整値Vbgと、スレショルド初期値Vthと、輝度不足値Vblと、投光器故障値Vbdfと、受光器故障値Vpdfと、外乱光異常値Vofdを記憶保持している。これらのパラメータを用いて制御するプログラムがPRM1である。
これに対し、書換え可能なデータをRAM45領域に記憶しており、プログラム制御によって、自動設定される利得調整値Vofgと、輝度調整値Vbgと、スレショルド初期値Vthと、輝度不足値Vblと、投光器故障値Vbdfと、受光器故障値Vpdfと、外乱光異常値Vofdを記憶保持している。RAM45領域データパラメータを制御するプログラムがPRM2である。
【0068】
また、RAM45領域のDATA領域には、チャンネル1(CH1)からチャンネル25(CH25)それぞれのチャネルに対して、オフセットVofnについて、Vof1、Vof2、Vof3からVof24、Vof25を記憶保持する。
チャンネル1(CH1)からチャンネル25(CH25)それぞれのチャネルに対して、Vsnについて、Vs1、Vs2、Vs3からVs24、Vs25を記憶保持する。
チャンネル1(CH1)からチャンネル25(CH25)それぞれのチャネルに対して、(Vsn−Vofn)である差信号データVndについて、V1d、V2d、V3dからV24d、V25dを記憶保持する。
【0069】
チャンネル1(CH1)からチャンネル25(CH25)それぞれのチャネルに対して、
Vnthについて、V1th、V2th、V3thからV24th、V25thを記憶保持する。チャンネル1(CH1)からチャンネル25(CH25)それぞれのチャネルに対して、VndOについて、V1d0、V2d0、V3d0からV24d0、V25d0を記憶保持する。チャンネル1(CH1)からチャンネル25(CH25)それぞれのチャネルに対して、Vnd1について、V1d1、V2d1、V3d1からV24d1、V25d1を記憶保持する。
Min(最小)データとしては、最小のオフセット信号MinVofnと、最小の投光時の受光信号レベルMinVnd0と、MinVnd1を、また、Max(最大)データとしては、最大の投光時の受光信号レベルMaxVnd0と最大のオフセット信号MaxVofnを記憶保持し、それぞれの受光信号レベルの変動を記憶保持し、光電センサシステムの状態変化、異常の検出を行なう。
【0070】
図23に、本発明の実施形態に係るDATA収集機能を表すフローチャート図を示す。
DATA収集の手順は、スタート(START)から開始し、先ずDATA収集開始の信号であるStartBit生成を行なう(ステップS1)。次にセンサ部を起動するTD信号を生成する(ステップS2)。次に非投光時の受光信号レベルとしてオフセット信号レベルVof1の入力チェックを行なう(ステップS3)。
チャンネル1(CH1)のクロックパルスCP出力をONにする。
先に取込んだチャンネル1のオフセット信号レベルVof1をRAMのDATA領域へ格納する。(ステップS4)。次に投光時受光信号レベルVs1である入力をチェックする。また、チャンネル1(CH1)のクロックパルスCP出力をOFFにする。投光時受光信号レベルVS1をRAMのDATA領域へ格納する(ステップS5)。
【0071】
次にオフセット信号レベルVof2入力チェック(ステップS6)。
また、チャンネル2(CH2)のクロックパルスCP出力をONにする。オフセット信号レベルデータVof2をRAMのDATA領域へ格納する(ステップS7)。次に投光時受光信号レベルVs2である入力をチェックする。(ステップS8)。
また、チャンネル2(CH2)のクロックパルスCP出力をOFFにする。続いてVs2をRAMのDATA領域へ格納する。(ステップS9)。同様に次々データを取込み、この事例の最後のチャネル25のオフセット信号レベルVof25入力チェック(ステップS10)。
続いてチャンネル25(CH25)のクロックパルスCP出力をONにする。
またオフセット信号レベルVof25をRAMのDATA領域へ格納する(ステップS11)。
【0072】
次に投光時受光信号レベルVs25入力をチェックする(ステップS12)。
また、続いてチャンネル25(CH25)のクロックパルスCP出力をOFFにする。また、投光時受光信号レベルVs25をRAMのDATA領域へ格納(ステップS13)。
次にRAMDATAの演算処理として1から7のそれぞれの演算処理を行い(ステップS14)。最初のステップに戻る。
【0073】
図24に、本発明の実施形態に係るDATA演算処理機能1を表すフローチャート図を示す。図24は、オフセット調整を行なうためのRAMDATAの演算処理機能1のフローチャートである。オフセットの最大信号レベルMax Vofが利得調整値Vofgよりも小さいか比較判断する。(ステップS15)。Max Vofが利得調整値Vofgよりも小さい場合、オフセット信号OSTをOFFにする(ステップS16)。
Max Vofが利得調整値Vofgよりも大きい時は、オフセット信号OSTをONにし、(ステップS17)次にGAIN調整を行なう(ステップS18)。
次に、最小受光信号Min Vnd0が輝度調整値Vbgより小さいか判断する(ステップS19)。最小受光信号Min Vnd0が輝度調整値Vbgより小さい場合、アクション信号ACTをOFFにする(ステップS20)。また、最小受光信号Min Vnd0が輝度調整値Vbgより大きい場合は、ACTをONにし(ステップS21)、輝度調整を行ない当該プログラムの最初に戻る(ステップS22)。
【0074】
図25に、本発明の実施形態に係るDATA演算処理機能2を表すフローチャート図を示す。図25は、信号抽出を行なうためのRAM領域DATAの演算処理のフローチャートである。
先ず、チャネル1(CH1)の信号抽出を行なう(ステップS23)。
演算Vs1−Vof1=V1dを行ない、投光時受光信号レベルVs1から非投光時オフセット信号レベルVof1を差引き、チャネル1(CH1)の信号レベルV1dを算出する。(ステップS24)。信号レベルV1dの算出結果をRAM領域へDATAを格納する。
同様に、チャネル2(CH2)の信号抽出する(ステップS25)。
算出式は同じくVs2−Vof2=V2dである。(ステップS26)。
同様に、V2dをRAM領域へDATAを格納する。同様に、次にチャネル3からチャネル24までの信号抽出を行なうとともに、RAM領域へDATAを格納する。最後にCH25信号抽出する(ステップS27)。算出法は、同様にVs25−Vof25=V25dである。V25dをRAM領域にDATAを格納する(ステップS28)。
【0075】
図26に、本発明の実施形態に係るDATA演算処理機能3−1を表すフローチャート図を示す。図2は、対象物検知の初期設定を行なうためのRAM領域DATAの演算処理3のフローチャートである。先ず、初期設定であるかどうかの判定をフラグで行なう(ステップS29)。初期設定であれば、カウンタnに“1”をセットする(ステップS30)。
チャネルn(CHn)の検出結果が有り“1”であるか、無しの状態“0”であるかを判定する。(ステップS31)。次にnチャネルの検出データの結果が有りの状態“1”であるか、無しの状態“0”であるかを判定する(ステップS32)。Vnd ≧ Vthであれば、 OUTnに“1”をセットする(ステップS33)。続いてVndをVnd1に記憶する(ステップS34)。
Vnd1は、RAM領域のDATAとして記憶される(ステップS35)。
次にRAM領域のVnd1へ“0”DATAを格納する(ステップS36)。
DATAをV1d0へ格納する。
【0076】
Vnd ≧ Vthでなければ、OUTnに“0”をセットする(ステップS37)。
次にVndデータをVnd0に移す。(ステップS38)。
Vnd0をRAM領域にDATAを格納する(ステップS39)。
次にVthの2倍のデータをRAM領域記憶する(ステップS40)。
更に、Vnd1へ格納する。
次に(Vnd0+Vnd1)÷2の演算を行なう(ステップS41)。
次にRAMのDATA領域にVnthを格納する。
またカウンタnに1を加える(ステップS42)。
カウンタnが25になったか確認する(ステップS43)。
このフローチャート図においては、(Vnd0+Vnd1)÷2を閾値Vnthとしているが、この中間データに係数を乗算し、2分の1より、高めにまたは低めに閾値Vnthを設定することが出来る(図示せず)。すなわち、環境から受けるノイズ成分となる光の量が大きい時には、閾値Vnthを高めに設定し、ノイズの無い環境では、低めに設定し、検出感度を高めることが出来る。また、ROMに記憶されている固定の閾値Vnthを用いるか、または、都度閾値を計算しながら次の検出時に備えるかは、自由に選択できる。
【0077】
図27に、本発明の実施形態に係るDATA演算処理機能3−2を表すフローチャート図を示す。図27は、対象物検知の初期設定を行なうための図26のフローチャート図のJ端子に続く。チャネル25(CH25)の被検出体の有無論理値“1”/“0”の判定を行なう(ステップS44)。
チャネル25(CH25)の投光時受光信号レベルV25dが閾値Vthを越えているかを判定する(ステップS45)。V25d ≧ Vthであれば、OUT25を“1”に設定する(ステップS46)。V25dをV25d1に移す(ステップS47)。
V25d1データをRAM領域へ格納する(ステップS48)。
“0”をRAM領域のV25d0へ格納する(ステップS49)。
【0078】
V25d ≧ Vthで無い場合、OUT25に“0”をセットする(ステップS50)。
V25dのデータをV25d0に移す(ステップS51)。
V25d0データをRAM領域へ格納する(ステップS52)。
Vthの2倍の値をRAM領域へ格納する(ステップS53)。
(V25do+V25d1)の2分の1をRAM領域のV25thへ格納する(ステップS54)。
最小オフセットレベルMin V0fnを抽出する(ステップS55)。
最大オフセットレベルMax V0fnを抽出する(ステップS56)。
最小受光信号レベルMin Vndo抽出をする(ステップS57)。
最大受光信号レベルMax Vndoを抽出する(ステップS58)。
最小受光信号レベルMin Vnd1を抽出する(ステップS59)。
【0079】
図28に、本発明の実施形態に係るDATA演算処理機能4を表すフローチャート図を示す。図28は、対象物検知の初期設定を行なうための図26のフローチャート図のE端子に続く対象物検知、自動スレショルド設定のフローチャート図である。
カウンタnに1をセットする(ステップS60)。
CHnの被検出体有無を表す論理値“1”/“0”を判定する(ステップS61)。
Vnd ≧ Vthを判定する(ステップS62)。
Vnd ≧ Vthであれば、OUTnに“1”をセットする(ステップS63)。
VndのデータをVnd1に移す(ステップS64)。
Vnd1をRAM DATA領域に格納する(ステップS65)。
Vnd ≧ Vthでなければ、
OUTnに“0”をセットする(ステップS66)。
VndのデータをVnd0に移す(ステップS67)。
Vnd0をRAM DATA領域へ格納する(ステップS68)。
(Vndo+Vnd1)の2分の1をRAM DATA領域のVnthへ格納する(ステップS69)。
【0080】
カウンタnに1を加算する(ステップS70)。
n=25か判定する(ステップS71)。
n=25であれば、
CH25が論理値“1”/“0”であるかを判定する(ステップS72)。
n=25でなければ、L端子に続く。
V25d ≧ Vthを判定する(ステップS73)。
V25d ≧ Vthであれば、
OUT25に“1”をセットする(ステップS74)。
V25dのデータをV25d1に移す(ステップS75)。
V25d1をRAM DATA領域へ格納する(ステップS76)。
V25d ≧ Vthでなければ、
OUT25に“0”をセットする(ステップS77)。
V25dのデータをV25d0に移す(ステップS78)。
V25d0をRAM DATA領域へ格納(ステップS79)。
(V25d0+V25d1)の2分の1をRAM DATA領域V25thへ格納する(ステップS80)。
【0081】
図29に、本発明の実施形態に係るDATA演算処理機能5を表すフローチャート図を示す。図29は、輝度不足検知を行なうための図27のフローチャート図のD端子に続くフローチャート図である。
Min Vnd1<Vblを判定する(ステップS81)。
Min Vnd1<Vblであれば、
OUTe1に“1”をセットする(ステップS82)。
Min Vnd1<Vblでなければ、
OUTe1に“0”をセットする(ステップS83)。
子局出力部へデータを転送する(ステップS84)。
【0082】
図30に、本発明の実施形態に係るDATA演算処理機能6を表すフローチャート図を示す。図30は、投光器、受光器故障を検知するための図29のフローチャート図のG端子に続くフローチャート図である。
MaxVofn≧Vpdfを判定する(ステップS85)。
MaxVofn≧Vpdfであれば、
OUTe3に“0”をセットする(ステップS86)。
Min Vnd0 <Vbdfを判定する(ステップS87)。
Min Vnd0 <Vbdfであれば、投光器故障であり、
OUTe2に“1”をセットする(ステップS88)。
Min Vnd0 <Vbdfでなければ、
OUTe2に“0”をセットする(ステップS90)。
MaxVofn≧Vpdfでなければ、
受光器故障であり、OUTe3に“1”をセットする(ステップS89)。
子局出力部へデータを転送する(ステップS91)。
【0083】
図31に、本発明の実施形態に係るDATA演算処理機能7を表すフローチャート図を示す。図31は、外乱光エラーを検知するための図30のフローチャート図のH端子に続くフローチャート図である。
‖Max Vofn −Min Vofn‖>Vofdを判定する(ステップS92)。
‖Max Vofn −Min Vofn‖>Vofdであれば、
OUTe4に“1”をセットする(ステップS93)。
‖Max Vofn −Min Vofn‖>Vofdでなければ、
OUTe4に“0”をセットする(ステップS94)。
子局出力部へデータを転送する(ステップS95)。
【0084】
図32に、本発明の実施形態に係る投光器及び受光器の摸式図を示す。
図において、プリント基板51の表面に投光素子18、裏面に受光素子19またはその逆の装着を行い、投光素子18と受光素子19を例えば図に示す遮光板52によって遮光することによって、複数の投光器及び受光器を狭い面積で配置できるため、光電センサの小型化を実現するものである。
【産業上の利用可能性】
【0085】
本発明の利用は、半導体ウエハや液晶ガラスやガラスエポキシ基板などのような多段状態に保管する被検出体の有無の検出を行なう場合、多数の光電センサを用いることから、配線の省略所謂省配線、小型化を実現しながら、且つ、多段センサの調整を一括設定できるため、調整作業が容易であり、従来に比較して高感度で、簡素であるため、扱いが容易であり、安価な光電センサとして利用できるため、物品棚の物品の有無の検出に広く利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0086】
【図1】本発明の実施形態に係る光電センサシステム構成図である。
【図2】本発明における割込み型のセンサシステムの子局の摸式図である。
【図3】本発明における親局の機能ブロック図である。
【図4】本発明の実施形態に係る光電センサの側面摸式図である。
【図5】本発明の実施形態に係る光電センサのセンサコームの平面図である。
【図6】本発明の実施形態に係る被検出体端部を検出する光電センサの摸式図である。
【図7】本発明の実施形態に係るセンサコントロール部の機能ブロック配線図である。
【図8】本発明の実施形態に係るセンサコントロール部の自動輝度調整機能を含むブロック配線図である。
【図9】本発明の実施形態に係るセンサコントロール部のGAIN調整機能を含むブロック配線図である。
【図10】本発明の実施形態に係るセンサ部の機能ブロック配線図である。
【図11】本発明の実施形態に係る投光器の配線図である。
【図12】本発明の実施形態に係る受光器の配線図である。
【図13】本発明の実施形態に係る子局の信号のタイムチャート図である。
【図14】本発明の実施形態に係るMPUの周辺回路構成を示すブロック図である。
【図15】本発明の実施形態に係るオフセット調整機能を示すタイムチャート図である。
【図16】本発明の実施形態に係る対象物検知機能を示すタイムチャート図である。
【図17】本発明の実施形態に係る輝度不足検知機能を示すタイムチャート図である。
【図18】本発明の実施形態に係る投光器故障を示すタイムチャート図である。
【図19】本発明の実施形態に係る受光器故障を示すタイムチャート図である。
【図20】本発明の実施形態に係る外乱光エラーを示すタイムチャート図である。
【図21】本発明の実施形態に係る被検出体の重なり検知時のタイムチャート図である。
【図22】本発明の実施形態に係る記憶素子の記憶メモリーマップ図である。
【図23】本発明の実施形態に係るDATA収集機能を表すフローチャート図である。
【図24】本発明の実施形態に係るDATA演算処理機能1を表すフローチャート図である。
【図25】本発明の実施形態に係るDATA演算処理機能2を表すフローチャート図である。
【図26】本発明の実施形態に係るDATA演算処理機能3−1を表すフローチャート図である。
【図27】本発明の実施形態に係るDATA演算処理機能3−2を表すフローチャート図である。
【図28】本発明の実施形態に係るDATA演算処理機能4を表すフローチャート図である。
【図29】本発明の実施形態に係るDATA演算処理機能5を表すフローチャート図である。
【図30】本発明の実施形態に係るDATA演算処理機能6を表すフローチャート図である。
【図31】本発明の実施形態に係るDATA演算処理機能7を表すフローチャート図である。
【図32】本発明の実施形態に係る投光器及び受光器の摸式図である。
【符号の説明】
【0087】
1 制御部 2 入力ユニット 3 出力ユニット
4 親局 5 DP信号線 6 DN信号線
7 子局入出力部 8 センサコントロール部 9 センサ部
10 子局 11 被検出体 12 ダミーコーム
13 センサコーム 14 受光信号 15 投光信号
16 取付け板 17 タイミング信号 18 投光素子
19 受光素子 20 MPU 21 輝度調整回路
22 定電流回路 23 検出投光駆動回路 24 PRM信号
25 OUT信号 26 DOUT信号 27 END信号
28 クロックパルス(CP)信号 29 TD信号
30 ENB信号 31 OST信号 32 ACT信号
33 AIN信号 34 GAIN調整回路 35 Vcc
36 0V 37 PHD信号 38 輝度自動調整回路
39 AUT信号 40 A/D変換器
41 割込み型反射型センサ 42 端部反射型センサ 43 透過型センサ
44 ROM 45 RAM 46 I/O
47 ADAT信号 48 投光器 49 受光器
50 CK信号 51 プリント基板 52 遮光板
120入力データ部 121 出力データ部 122発信回路
123親局アドレス設定手段 124タイミング発生手段
125制御データ発生手段 126親局出力部
128ラインドライバ 129ブリーダ電流回路 130監視データ抽出手段
131監視信号検出手段 132親局入力部 133親局信号端子DP
134親局信号端子DN 135制御部入力信号 136制御部出力信号


【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御部と親局の間で、並列信号である監視信号と制御信号を授受し、
前記親局と単一または、複数の子局との間では、直列信号として伝送線を介して伝送し、
前記子局は、伝送線と子局の間の通信を果たす子局入出力部を有し、
前記子局入出力部は、当該子局のアドレスを検出する手段を有し、
伝送信号に含まれる当該子局宛の制御信号を得て、当該子局の制御出力を行い、
当該子局が検出した監視信号として前記子局入出力部を介して伝送線に送出する通信制御システムにおいて、
前記子局の構成は、子局入出力部と、センサコントロール部と、センサ部からなり、
センサコントロール部は、子局入出力部とセンサ部の中間にあり、センサの駆動と、センサ部で検出したアナログ信号をデジタル信号データに変換するA/Dコンバータ(アナログデジタルコンバータ)を有し、前記複数のデジタル信号データを記憶保持する記憶素子と、複数の記憶データに基づき演算処理や検出状態を判断する判断機能を果たすMPU(マイクロプロセッサユニット)とを有し、
前記制御信号によって、または前記MPUの判断結果に従って投光器を時分割で駆動クロックパルス信号を生成する輝度調整回路と検出駆動回路を有し、
前記駆動クロックパルス信号によって投光器から投光する投光信号が被検出体により反射し、反射光を検出する受光素子の受光信号強度レベルを検出する検出回路を有し、
センサ部は、単一または、複数の投光器と、単一または、複数の受光器を有し、
前記投光器と前記受光器は、一対をなし、
時分割で投光する前記投光器に対向する前記受光器は、
投光信号が投光時または非投光時の受光信号を時分割された期間、常に検出し、
当該非投光時の受光信号をレベルデータとして記憶し、
投光時の受光量レベルデータから前記非投光時の受光信号レベルデータを差引き、
差分データを検出量として被検出体の有無を判定する信号とすること
を特徴とする光電センサまたは、光電センサシステム。
【請求項2】
制御部と親局の間で、並列信号である監視信号と制御信号を授受し、
前記親局と単一または、複数の子局との間では、直列信号として伝送線を介して伝送し、
前記子局は、伝送線と子局の間の通信を果たす子局入出力部を有し、
前記子局入出力部は、当該子局のアドレスを検出する手段を有し、
伝送信号に含まれる当該子局宛の制御信号を得て、当該子局の制御出力を果たし、
当該子局が検出した監視信号として前記子局入出力部を介して伝送線に送出する通信制御システムにおいて、
前記子局の構成は子局入出力部と、
センサコントロール部と、センサ部からなり、センサコントロール部は、子局入出力部とセンサ部の中間にあり、センサの駆動と、センサ部で検出したアナログ信号をデジタル信号データに変換するA/Dコンバータ(アナログデジタルコンバータ)を有し、前記複数のデジタル信号データを記憶保持する記憶素子と、複数の記憶データに基づき演算処理や検出状態を判断する判断機能を果たすMPU(マイクロプロセッサユニット)とを有し、
前記制御信号によって、または前記MPUの判断結果に従って投光器を時分割で駆動クロックパルス信号を生成する輝度調整回路と検出駆動回路を有し、
前記駆動クロックパルス信号によって投光器から投光する投光信号が被検出体により遮られたことを検出する受光素子の受光信号強度レベルを検出する回路を有し、
センサ部は、単一または、複数の投光器と、単一または、複数の受光器を有し、
前記投光器と前記受光器は、一対をなし、
時分割で投光する前記投光器に対向する前記受光器は、
投光信号が投光時または非投光時の受光信号を時分割された期間、常に検出し、
当該非投光時の受光信号をレベルデータとして記憶し、
投光時の受光量レベルデータから前記非投光時の受光信号レベルデータを差引き、
差分データを検出量として被検出体の有無を判定する信号とすること
を特徴とする光電センサまたは、光電センサシステム。
【請求項3】
請求項1,2において、
投光器の駆動を、定電流パルス制御し、
投光量を一定輝度に設定できること、また、複数の投光素子の輝度を均一に、且つ一定輝度に一括設定することを特徴とする光電センサまたは、光電センサシステム。
【請求項4】
請求項1から3において、
投光器と受光器は一対を構成し、反射型または透過型センサの受光信号を時分割し、デジタル信号データとして各々記憶保持し、比較用の予め設定されたデジタル信号データと比較し判定または、複数の投光器と受光器の対を有する場合には、他の受光信号レベルと比較判定し、感度不足を生じている投光器と受光器を構成する一対の光電センサの感度不足を特定し、自動調整回路によって輝度調整を行い、光電センサの感度不足解消を行うことを特徴とする光電センサまたは、光電センサシステム。
【請求項5】
請求項1から4において、
一対の光電センサの感度不足を特定した場合、自動調整回路によって輝度調整を行い、
調整範囲を超えた場合、受光信号の利得を自動調整回路によって利得調整し、
光電センサの感度不足解消を行うことを特徴とする光電センサまたは、光電センサシステム。
【請求項6】
請求項1から5において、
一対の光電センサの感度不足を特定した場合、先に受光信号の利得を自動調整回路によって利得調整し、次に輝度調整を行い、
光電センサの感度不足解消を行うことを特徴とする光電センサまたは、光電センサシステム。
【請求項7】
請求項1から6において、
単一または複数の光電センサの投光時の投光信号が被検出体反射光または、透過光を受光した高光量レベルを記憶したデータから非投光時の受光信号を周辺環境からくる低光量レベルデータとして記憶したデータを差引き、その中間値を閾値とし、高光量レベルから低光量レベルデータを差引いたレベルが閾値より上位にあるかまたは下位にあるかを判断し、被検出体の有無検出を行うことを特徴とする光電センサまたは、光電センサシステム。
【請求項8】
請求項1から7において、
データの記憶領域に記憶した、受光した高光量レベル値から低光量レベル値を差し引き、被検出体の有無を検出する閾値として設定するに当たり、前記高光量レベル値と低光量レベル値の間に設定する方法として、両データの中間値とすること、または、中間値に係数を乗算し、閾値の設定を中間値より高めまたは低めに自動的に調整することを特徴とする光電センサまたは、光電センサシステム。
【請求項9】
請求項8において、
被検出体の有無を検出する閾値の初期値の設定は、ROMデータおよび外部から読み込んだ特定の閾値を用いて被検出体の有無を検出し、その検出時の受光量である投光信号を受光した高光量レベル値および非投光時に受光した低光量レベル値の最新データを、データの記憶領域の旧データと順次入れ替え、当該高光量レベル値と当該低光量レベル値から得られる最新閾値データを、データの記憶領域の旧閾値データと順次入れ替え、次回からはデータの記憶領域の最新閾値データを用いて、時系列的に被検出体の有無を検出し、被検出体の有無を検出する閾値を自動的に調整することを特徴とする光電センサまたは、光電センサシステム。
【請求項10】
請求項1から9において、
閾値が予め記憶しているレベルより低い場合、自動的に利得調整を行い、適正閾値に自動調整する機能を有することを特徴とする光電センサまたは、光電センサシステム。
【請求項11】
請求項1から10において、
感度調整が完了した時点の記憶データに比較し、受光信号量が予め定めた量以下に低下した場合、投光器の劣化または受光器の劣化、またはセンサ部の曇りと判断し、故障検知信号を発することを特徴とする光電センサまたは、光電センサシステム。
【請求項12】
請求項1から11において、
非投光時の受光信号量データが、感度調整を完了した時点の低光量レベルの記憶データに比較し、高いレベルである場合、外乱光を検知したとして、エラー信号を出力することを特徴とする光電センサまたは、光電センサシステム。
【請求項13】
請求項1から12において、
被検出体の有無を判定する閾値の設定を、内部記憶素子(ROM)のデータを使用するか、または外部から伝送されたデータで設定するか、または、自局の測定したデータに基づき演算して求めたものを使用するか選択使用できることを特徴とする光電センサまたは、光電センサシステム。
【請求項14】
請求項1から13において、
複数の定型あるいは不定型の被検出体を収めるケースまたは棚の一部に前記光電センサを組込むことを特徴とした光電センサシステム。
【請求項15】
請求項1から14において、
センサ部の投光時の投光信号または受光時のタイミングを制御する信号としてタイミング移動信号を用いることを特徴とする光電センサシステム。
【請求項16】
光電センサシステムの検出レベルの閾値の設定方法や、
センサ感度の調整方法や、利得調整のための設定方法であるプログラムや
設定パラメータをセンサコントロール部のMPU周辺の記憶素子領域に置かず、
外部から通信によってMPUに送り込むことを特徴とする光電センサシステム。
【請求項17】
請求項1から14において、
親局と子局の間において、パラレル通信することを特徴とする光電センサシステム。
【請求項18】
請求項1または、3から17の反射型光電センサにおいて、
一対一に対向する投光器と受光器を一枚の基板の表裏に、基板を介して配置し、基板材料内部を通る投光器からの投光信号を漏洩させないために、板状および回路パターン、または塗布材によって光遮蔽を基板の表裏または内部に施し、また、次々に被検出体のピッチに合わせ連続的に配置し、投光器または受光器の並び方向に対しても必要に応じて遮光を施しながら配置することを特徴とする光電センサシステム。
【請求項19】
請求項18において、
複数の並び方向の一対一に対向する投光器と受光器の投光タイミング信号は、各々の投光・受光動作完了後、次の一対一に対向する投光器と受光器に対し、シフトパルスで被検出体の検出動作を引き継ぐことを特徴とする光電センサシステム。
【請求項20】
請求項1と、3から19において、
被検出体有りのデータの書き換え時に、前回被検出体有りを検出した受光信号レベルより異常に高い受光信号レベルである場合、当該被検出体は、2枚重ねであると判断することを特徴とする反射型光電センサシステム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【公開番号】特開2009−168492(P2009−168492A)
【公開日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−4174(P2008−4174)
【出願日】平成20年1月11日(2008.1.11)
【出願人】(501194514)株式会社 エニイワイヤ (37)
【Fターム(参考)】