説明

免疫学的疾患および障害を治療するためのCD47と関連した組成物および方法

本明細書において提供されるのは、Fcポリペプチドと融合したCD47細胞外ドメインまたはその変異体を含む融合ポリペプチドである。該融合ポリペプチドは、本明細書に記載した方法に従って対象における免疫学的疾患または障害を治療するために有用である。該融合ポリペプチドは、免疫細胞の免疫応答性を抑制すること、免疫複合体により誘導されるサイトカイン産生を阻害することを含めて、炎症誘発性サイトカインの産生を阻害することができる。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒトIgG1 Fcポリペプチドと融合したCD47の細胞外ドメインを含む融合ポリペプチドであって、Fcポリペプチドがヒンジ領域内にシステイン残基の置換または欠失を含み、置換または欠失を受けるシステイン残基が野生型ヒトIgG1免疫グロブリンのFc部分のヒンジ領域のアミノ末端の最も近位にあるシステイン残基であり、かつFcポリペプチドが、野生型ヒトIgG1免疫グロブリンのFc部分のヒンジ領域のアミノ末端の最も近位にあるシステイン残基にすぐ隣接したアスパラギン酸残基の置換または欠失をさらに含む、該融合ポリペプチドが免疫細胞の免疫応答性を変化させる、融合ポリペプチド。
【請求項2】
SEQ ID NO:2に示されたアミノ酸配列に対して少なくとも85%同一なアミノ酸配列を含む、請求項1記載の融合ポリペプチド。
【請求項3】
SEQ ID NO:2に示されたアミノ酸配列に対して少なくとも90%同一なアミノ酸配列を含む、請求項1記載の融合ポリペプチド。
【請求項4】
SEQ ID NO:2に示されたアミノ酸配列に対して少なくとも95%同一なアミノ酸配列を含む、請求項1記載の融合ポリペプチド。
【請求項5】
ヒトCD47の細胞外ドメインが、SEQ ID NO:1に示されたアミノ酸配列に対して少なくとも95%同一なアミノ酸配列を含み、SEQ ID NO:1の15、23および96位に対応する位置にあるシステイン残基が保たれている、請求項1記載の融合ポリペプチド。
【請求項6】
ヒトCD47の細胞外ドメインが、SEQ ID NO:1に示されたアミノ酸配列を含む、請求項5記載の融合ポリペプチド。
【請求項7】
ヒトCD47の細胞外ドメインが、SEQ ID NO:11に示された配列に対して少なくとも95%同一なアミノ酸配列を含み、SEQ ID NO:11の33、41および114位に対応する位置にあるシステイン残基が保たれている、請求項1記載の融合ポリペプチド。
【請求項8】
ヒトCD47の細胞外ドメインが、SEQ ID NO:11に示されたアミノ酸配列を含む、請求項1記載の融合ポリペプチド。
【請求項9】
免疫細胞における免疫複合体により誘導されるサイトカイン産生を阻害することができる、請求項1記載の融合ポリペプチド。
【請求項10】
サイトカインIL-23の産生が阻害される、請求項1記載の融合ポリペプチド。
【請求項11】
IL-23、IL-12、IL-6およびTNF-αから選択される少なくとも1つのサイトカインの産生が阻害される、請求項1記載の融合ポリペプチド。
【請求項12】
Fcポリペプチドが、グリコシル化部位を除去するための少なくとも1つのアミノ酸置換を含む、請求項1記載の融合ポリペプチド。
【請求項13】
Fcポリペプチドがグリコシル化されていない、請求項12記載の融合ポリペプチド。
【請求項14】
FcポリペプチドとCD47の細胞外ドメインとの間にポリペプチドスペーサーをさらに含む、請求項1記載の融合ポリペプチド。
【請求項15】
ポリペプチドスペーサーが、グリシン、アスパラギン、セリン、トレオニンおよびアラニンから独立に選択される5〜100個のアミノ酸残基を含む、請求項14記載の融合ポリペプチド。
【請求項16】
ポリペプチドスペーサーが5〜20個のアミノ酸残基を含む、請求項15記載の融合ポリペプチド。
【請求項17】
ポリペプチドスペーサーが(Gly4Ser)nを含み、式中、n=1〜12である、請求項15記載の融合ポリペプチド。
【請求項18】
融合ポリペプチドがIgG Fc受容体と結合する能力が低下するように、ヒトIgG1 Fcポリペプチドが、(a)FcポリペプチドのCH2ドメイン内の少なくとも1つのアミノ酸;(b)FcポリペプチドのCH2ドメイン内の少なくとも2つのアミノ酸残基、または(c)FcポリペプチドのCH2ドメイン内の少なくとも3つのアミノ酸残基の置換をさらに含む、請求項1記載の融合ポリペプチド。
【請求項19】
2つの融合ポリペプチド単量体の二量体を形成し、二量体が2つの各融合ポリペプチド単量体の各細胞外CD47ドメイン部分間にジスルフィド結合を含む、請求項1〜18のいずれか一項記載の融合ポリペプチド。
【請求項20】
各細胞外ドメイン部分間のジスルフィド結合が各細胞外CD47ドメイン部分のシステイン残基の間に形成され、各細胞外CD47ドメイン部分のシステイン残基がアミノ末端の最も近位にある、請求項19記載の融合ポリペプチド。
【請求項21】
CD47細胞外ドメイン変異体が、SIRP-α、SIRP-β-2、トロンボスポンジン-1、αvβ3インテグリンおよびα2β1インテグリンから選択される少なくとも1つのCD47リガンドと結合する能力を保っている、請求項20記載の融合ポリペプチド。
【請求項22】
(a)少なくとも1つのCD47リガンドと細胞の細胞表面に発現されるCD47ポリペプチドとの結合を競合的に阻害し、かつ(b)ウイルスCD47様ポリペプチドと少なくとも1つのCD47リガンドとの結合を競合的に阻害する、請求項20記載の融合ポリペプチド。
【請求項23】
少なくとも1つのCD47リガンドが、SIRP-α、SIRP-β-2、トロンボスポンジン-1、αvβ3インテグリンおよびα2β1インテグリンから選択される、請求項22記載の融合ポリペプチド。
【請求項24】
少なくとも1つのCD47リガンドとの結合によって、少なくとも1つのCD47リガンドと細胞CD47ポリペプチドとの結合を競合的に阻害する、請求項23記載の融合ポリペプチド。
【請求項25】
免疫細胞の免疫応答性を変化させることが、(a)細胞遊走を変化させること;(b)TNF-α、IL-12、IL-23、IFN-γ、GM-CSFおよびIL-6から選択される少なくとも1つのサイトカインの産生を阻害すること;(c)樹状細胞の成熟を阻害すること;(d)ナイーブT細胞のTh1エフェクター細胞への発生を損なわせること;(e)SIRP-αを細胞表面に発現する免疫細胞の活性化を阻害すること;(f)ケモカインの産生を阻害すること;および(g)免疫細胞による炎症誘発性応答を抑制することのうち少なくとも1つを含む、請求項20記載の融合ポリペプチド。
【請求項26】
免疫細胞がSIRP-αを細胞表面に発現し、免疫細胞の免疫応答性を変化させることが、(a)免疫細胞における、TNF-α、IL-12およびIL-23から選択される少なくとも1つのサイトカインの産生を阻害すること;(b)免疫細胞における免疫複合体により誘導されるサイトカイン産生を阻害すること;および(c)少なくとも1つのケモカインMIP-1αの産生を阻害することのうち少なくとも1つを含む、請求項1〜20のいずれか一項記載の融合ポリペプチド。
【請求項27】
免疫細胞が樹状細胞である、請求項26記載の融合ポリペプチド。
【請求項28】
融合ポリペプチドが組換え融合ポリペプチドである、請求項20記載の融合ポリペプチド。
【請求項29】
組換え融合ポリペプチドが、Fcポリペプチドとインフレームに融合したCD47の細胞外ドメインを含む、請求項28記載の融合ポリペプチド。
【請求項30】
請求項29記載の融合ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド。
【請求項31】
発現制御配列と機能的に連結された請求項30記載のポリヌクレオチドを含む、組換え発現構築物。
【請求項32】
請求項31記載の組換え発現構築物によって形質転換またはトランスフェクトされた宿主細胞。
【請求項33】
真核細胞である、請求項32記載の宿主細胞。
【請求項34】
請求項20記載の融合ポリペプチドと薬学的に適した担体とを含む組成物。
【請求項35】
対象に対して請求項34記載の組成物を投与し、それによって対象における免疫応答を変化させる段階を含む、対象における免疫応答を変化させる方法。
【請求項36】
免疫応答を変化させる段階が、免疫応答を抑制する段階を含む、請求項35記載の方法。
【請求項37】
免疫細胞を請求項20記載の融合ポリペプチドと、免疫細胞および融合ポリペプチドが相互作用するのを可能にするのに十分な条件下および時間で接触させる段階であって、CD47リガンドが免疫細胞の細胞表面に存在し、その結果として免疫細胞を活性化する段階を含む、免疫細胞を活性化する方法。
【請求項38】
CD47リガンドが、SIRP-α、SIRP-β-2、トロンボスポンジン-1、αvβ3インテグリンおよびα2β1インテグリンから選択される、請求項37記載の方法。
【請求項39】
CD47リガンドがSIRP-αである、請求項38記載の方法。
【請求項40】
免疫細胞を活性化する段階が、Fcを介したサイトカイン産生を阻害する段階を含む、請求項37記載の方法。
【請求項41】
Fcを介したケモカイン産生を阻害する段階が、免疫複合体により誘導されるサイトカイン産生を阻害する段階を含む、請求項40記載の方法。
【請求項42】
免疫細胞を活性化する段階が、Fcを介したケモカイン産生を阻害する段階を含む、請求項37記載の方法。
【請求項43】
免疫細胞が樹状細胞、単球、顆粒球または骨髄幹細胞である、請求項37記載の方法。
【請求項44】
免疫細胞における免疫複合体により誘導されるサイトカイン産生を阻害する方法であって、免疫細胞を請求項20記載の融合ポリペプチドと、免疫細胞における免疫複合体により誘導されるサイトカイン産生を阻害するのに十分な条件下および時間で接触させる段階を含む、方法。
【請求項45】
免疫細胞が細胞表面にCD47リガンドを発現する、請求項36記載の方法。
【請求項46】
CD47リガンドが、SIRP-α、SIRP-β-2、トロンボスポンジン-1、αvβ3インテグリンおよびα2β1インテグリンから選択される、請求項45記載の方法。
【請求項47】
免疫細胞が樹状細胞、単球、顆粒球または骨髄幹細胞である、請求項44記載の方法。
【請求項48】
免疫細胞が樹状細胞であり、CD47リガンドがSIRP-αである、請求項44記載の方法。
【請求項49】
IL-23、IL-12、IL-6およびTNF-αから選択される少なくとも1つのサイトカインの産生が阻害される、請求項44記載の方法。
【請求項50】
融合ポリペプチドが免疫複合体と免疫細胞との結合を阻害する、請求項44記載の方法。
【請求項51】
免疫学的疾患または障害を有するまたは発症するリスクのある対象における免疫学的疾患または障害を治療するための方法であって、対象に対して請求項34記載の組成物を投与する段階を含む、方法。
【請求項52】
免疫学的疾患または障害が自己免疫性疾患または炎症性疾患である、請求項51記載の方法。
【請求項53】
自己免疫性または炎症性疾患が、多発性硬化症、関節リウマチ、脊椎関節症、全身性エリテマトーデス、抗体介在性の炎症性もしくは自己免疫性疾患、移植片対宿主病、敗血症、糖尿病、乾癬、アテローム性動脈硬化症、シェーグレン症候群、進行性全身性硬化症、強皮症、急性冠症候群、虚血再灌流、クローン病、子宮内膜症、糸球体腎炎、重症筋無力症、特発性肺線維症、喘息、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)、血管炎または炎症性自己免疫性筋炎である、請求項52記載の方法。
【請求項54】
脊椎関節症が、強直性脊椎炎、反応性関節炎、炎症性腸疾患に伴う腸疾患性関節炎、乾癬性関節炎、孤発性急性前部ブドウ膜炎、未分化型脊椎関節症、ベーチェット症候群および若年性特発性関節炎から選択される、請求項53記載の方法。
【請求項55】
免疫学的疾患または障害が、免疫複合体と免疫細胞との結合によって引き起こされるか、または増悪する、請求項52記載の方法。
【請求項56】
免疫細胞が樹状細胞である、請求項55記載の方法。
【請求項57】
請求項20記載の融合ポリペプチドを生産するための製造方法。
【請求項58】
(a)CD47と特異的に結合する、ならびに(b)CD47リガンドの(i)CD47との、および(ii)ウイルスCD47様ポリペプチドとの結合を競合的に阻害する、単離された抗体またはその抗原結合フラグメント。
【請求項59】
ウイルスCD47様ポリペプチドがポックスウイルスCD47様ポリペプチドである、請求項58記載の抗体またはその抗原結合フラグメント。
【請求項60】
ポックスウイルスCD47様ポリペプチドが、SEQ ID NO:3に示されたアミノ酸配列を含む痘瘡ウイルスCD47様ポリペプチドである、請求項59記載の抗体またはその抗原結合フラグメント。
【請求項61】
CD47リガンドが、SIRP-α、SIRP-β-2、トロンボスポンジン-1、αvβ3インテグリンおよびα2β1インテグリンから選択される、請求項58記載の抗体またはその抗原結合フラグメント。
【請求項62】
免疫細胞によるFcを介したサイトカイン産生またはケモカイン産生を阻害する、請求項58記載の抗体またはその抗原結合フラグメント。
【請求項63】
Fcを介したサイトカイン産生またはケモカイン産生を阻害することが、免疫細胞による免疫複合体により誘導されるサイトカイン産生またはケモカイン産生を阻害することを含む、請求項62記載の抗体またはその抗原結合フラグメント。
【請求項64】
免疫細胞が樹状細胞であり、サイトカインがIL-12、IL-6、IL-23およびTNF-αから選択される、請求項62または請求項63のいずれか記載の抗体またはその抗原結合フラグメント。
【請求項65】
ケモカインがMIP-1αである、請求項63記載の抗体またはその抗原結合フラグメント。
【請求項66】
抗体がモノクローナル抗体またはポリクローナル抗体である、請求項58記載の抗体またはその抗原結合フラグメント。
【請求項67】
モノクローナル抗体が、マウスモノクローナル抗体、ヒトモノクローナル抗体、ラットモノクローナル抗体およびハムスターモノクローナル抗体から選択される、請求項66記載の抗体またはその抗原結合フラグメント。
【請求項68】
抗体がヒト化抗体またはキメラ抗体である、請求項58記載の抗体またはその抗原結合フラグメント。
【請求項69】
請求項58記載の抗体と特異的に結合する、抗イディオタイプ抗体またはその抗原結合フラグメントを含む、単離された抗体。
【請求項70】
抗イディオタイプ抗体がポリクローナル抗体またはモノクローナル抗体である、請求項69記載の抗体。
【請求項71】
請求項58または請求項69のいずれか記載の抗体を発現する宿主細胞。
【請求項72】
ハイブリドーマ細胞である、請求項71記載の宿主細胞。
【請求項73】
F(ab')2、Fab'、Fab、FdおよびFvから選択される、請求項58または請求項69のいずれか記載の抗原結合フラグメント。
【請求項74】
ヒト、マウス、ニワトリまたはウサギ由来である、請求項73記載の抗原結合フラグメント。
【請求項75】
一本鎖Fv(scFv)である、請求項58記載の抗原結合フラグメント。
【請求項76】
CD47と特異的に結合して、ウイルスCD47様ポリペプチドと少なくとも1つのCD47リガンドとの結合を阻害する作用物質。
【請求項77】
ウイルスCD47様ポリペプチドがポックスウイルスCD47様ポリペプチドである、請求項76記載の作用物質。
【請求項78】
ポックスウイルスCD47様ポリペプチドが、SEQ ID NO:3に示されたアミノ酸配列を含む痘瘡CD47様ポリペプチドである、請求項76記載の作用物質。
【請求項79】
少なくとも1つのCD47リガンドが、SIRP-α、SIRP-β2、トロンボスポンジン-1、αvβ3インテグリンおよびα2β1インテグリンから選択される、請求項76記載の作用物質。
【請求項80】
低分子;アプタマー;およびペプチド-Fc融合ポリペプチドから選択される、請求項76記載の作用物質。
【請求項81】
請求項58〜68のいずれか一項記載の抗体またはその抗原結合フラグメントと薬学的に適した担体とを含む組成物。
【請求項82】
請求項76〜80のいずれか一項記載の作用物質と薬学的に適した担体とを含む組成物。
【請求項83】
以下の段階を含む、免疫細胞の免疫応答性を変化させる作用物質を同定するための方法:
(a)(i)候補作用物質;(ii)ウイルスCD47様ポリペプチド;および(iii)CD47リガンドを、CD47リガンドとウイルスCD47様ポリペプチドとの相互作用を可能にするのに十分な条件下および時間で接触させる段階;
(b)候補作用物質の存在下におけるウイルスCD47様ポリペプチドとCD47リガンドとの結合のレベルを決定して、候補作用物質の非存在下におけるウイルスCD47様ポリペプチドとCD47リガンドとの結合のレベルを比較する段階であって、候補作用物質の存在下におけるウイルスCD47様ポリペプチドとCD47リガンドとの結合のレベルの減少は、候補作用物質がウイルスCD47様ポリペプチドとCD47リガンドとの結合を阻害することを示す、段階;
(c)(i)候補作用物質;(ii)CD47リガンド;および(iii)CD47を発現する免疫細胞を、CD47リガンドとCD47との相互作用を可能にするのに十分な条件下および時間で接触させる段階;ならびに
(d)候補作用物質の存在下におけるCD47リガンドと免疫細胞との結合のレベルを決定し、候補作用物質の非存在下におけるCD47リガンドと免疫細胞との結合のレベルを比較する段階であって、CD47リガンドと免疫細胞との候補作用物質の存在下における結合のレベルの減少は、候補作用物質が免疫細胞の免疫応答性を変化させることを示す、段階。
【請求項84】
ウイルスCD47様ポリペプチドがポックスウイルスCD47様ポリペプチドである、請求項83記載の方法。
【請求項85】
ポックスウイルスCD47様ポリペプチドが、SEQ ID NO:3に示された配列を含む痘瘡ウイルスCD47様ポリペプチドである、請求項84記載の方法。
【請求項86】
CD47リガンドが、SIRP-α、SIRP-β2、トロンボスポンジン-1、αvβ3インテグリンおよびα2β1インテグリンから選択される、請求項83記載の方法。
【請求項87】
対象に対して請求項81記載の組成物を投与し、それによって対象の免疫応答を変化させる段階を含む、対象における免疫応答を変化させる方法。
【請求項88】
免疫応答を変化させる段階が、免疫応答を抑制する段階を含む、請求項87記載の方法。
【請求項89】
対象に対して請求項82記載の組成物を投与し、それによって対象における免疫応答を変化させる段階を含む、対象における免疫応答を変化させる方法。
【請求項90】
免疫応答を変化させる段階が、免疫応答を強化する段階を含む、請求項89記載の方法。
【請求項91】
対象に対して請求項81記載の組成物を投与する段階を含む、対象における免疫学的疾患または障害を治療するための方法。
【請求項92】
免疫学的疾患または障害が自己免疫性疾患または炎症性疾患である、請求項91記載の方法。
【請求項93】
免疫学的疾患または障害が、多発性硬化症、関節リウマチ、脊椎関節症、全身性エリテマトーデス、移植片対宿主病、抗体介在性の炎症性もしくは自己免疫性疾患もしくは障害、敗血症、糖尿病、乾癬、アテローム性動脈硬化症、シェーグレン症候群、進行性全身性硬化症、強皮症、急性冠症候群、虚血再灌流、クローン病、子宮内膜症、糸球体腎炎、重症筋無力症、特発性肺線維症、喘息、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)、血管炎または炎症性自己免疫性筋炎である、請求項92記載の方法
【請求項94】
脊椎関節症が、強直性脊椎炎、反応性関節炎、炎症性腸疾患に伴う腸疾患性関節炎、乾癬性関節炎、孤発性急性前部ブドウ膜炎、未分化型脊椎関節症、ベーチェット症候群および若年性特発性関節炎から選択される、請求項93記載の方法。
【請求項95】
対象における免疫学的疾患または障害を治療するための方法であって、対象に対して、(a)薬学的に適した担体;および(i)CD47と特異的に結合して、ウイルスCD47様ポリペプチドとCD47リガンドとの結合を損なわせる作用物質、または(ii)CD47リガンドと特異的に結合して、ウイルスCD47様ポリペプチドとCD47リガンドとの結合を特異的に損なわせる作用物質のいずれかを含む組成物を投与する段階を含む、方法。
【請求項96】
ウイルスCD47様ポリペプチドがポックスウイルスCD47様ポリペプチドである、請求項95記載の方法。
【請求項97】
ポックスウイルスCD47様ポリペプチドが、SEQ ID NO:3に示されたアミノ酸配列を含む痘瘡ウイルスCD47様ポリペプチドである、請求項96記載の方法。
【請求項98】
作用物質が、抗体またはその抗原結合フラグメント;低分子;アプタマー;およびペプチド-Fc融合ポリペプチドから選択される、請求項95〜97のいずれか一項記載の方法。
【請求項99】
CD47リガンドと特異的に結合する作用物質が、CD47リガンドと特異的に結合する抗体またはその抗原結合フラグメントであり、リガンドがSIRP-α、SIRP-β-2、トロンボスポンジン-1、αvβ3インテグリンまたはα2β1インテグリンである、請求項98記載の方法。
【請求項100】
対象における細胞遊走、細胞増殖および細胞分化のうち少なくとも1つの変化と関連のある疾患または障害を治療する方法であって、対象に対して、薬学的に適した担体と、(a)CD47と特異的に結合して、ウイルスCD47様ポリペプチドとCD47リガンドとの結合を損なわせる作用物質、または(b)CD47リガンドと特異的に結合して、ウイルスCD47様ポリペプチドとCD47リガンドとの結合を特異的に損なわせる作用物質のいずれかとを投与する段階を含む、方法。
【請求項101】
ウイルスCD47様ポリペプチドがポックスウイルスCD47様ポリペプチドである、請求項100記載の方法。
【請求項102】
ポックスウイルスCD47様ポリペプチドが、SEQ ID NO:3に示されたアミノ酸配列を含む痘瘡ウイルスCD47様ポリペプチドである、請求項101記載の方法。
【請求項103】
CD47リガンドが、SIRP-α、SIRP-β2、トロンボスポンジン-1、αvβ3インテグリンおよびα2β1インテグリンから選択される、請求項100記載の方法。
【請求項104】
疾患または障害が、免疫学的疾患もしくは障害、心血管疾患もしくは障害、代謝性疾患もしくは障害、または増殖性疾患もしくは障害である、請求項103記載の方法。
【請求項105】
免疫学的疾患または障害が自己免疫性疾患または炎症性疾患である、請求項104記載の方法。
【請求項106】
免疫学的疾患または障害が、多発性硬化症、関節リウマチ、脊椎関節症、全身性エリテマトーデス、移植片対宿主病、抗体介在性性の炎症性もしくは自己免疫性疾患もしくは障害、敗血症、糖尿病、乾癬、アテローム性動脈硬化症、シェーグレン症候群、進行性全身性硬化症、強皮症、急性冠症候群、虚血再灌流、クローン病、子宮内膜症、糸球体腎炎、重症筋無力症、特発性肺線維症、喘息、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)、血管炎、または炎症性自己免疫性筋炎である、請求項105記載の方法。
【請求項107】
脊椎関節症が、強直性脊椎炎、反応性関節炎、炎症性腸疾患に伴う腸疾患性関節炎、乾癬性関節炎、孤発性急性前部ブドウ膜炎、未分化型脊椎関節症、ベーチェット症候群および若年性特発性関節炎から選択される、請求項106記載の方法。
【請求項108】
心血管疾患または障害が、アテローム性動脈硬化症、心内膜炎、高血圧または末梢性虚血性疾患である、請求項104記載の方法。
【請求項109】
作用物質が、抗体またはその抗原結合フラグメント;低分子;アプタマー;およびペプチド-Fc融合ポリペプチドから選択される、請求項100記載の方法。
【請求項110】
CD47リガンドと特異的に結合する作用物質が、CD47リガンドと特異的に結合する抗体またはその抗原結合フラグメントであり、リガンドがSIRP-α、SIRP-β-2、トロンボスポンジン-1、αvβ3インテグリンまたはα2β1インテグリンである、請求項100記載の方法。
【請求項111】
免疫細胞を(a)CD47と特異的に結合して、ウイルスCD47様ポリペプチドとCD47リガンドとのの結合を損なわせる作用物質、または(b)CD47リガンドと特異的に結合して、ウイルスCD47様ポリペプチドとCD47リガンドとの結合を損なわせる作用物質のいずれかと、免疫細胞および作用物質が相互作用するのを可能にするのに十分な条件下および時間で接触させる段階であって、CD47リガンドが免疫細胞の細胞表面に存在し、その結果として免疫細胞を活性化する段階を含む、免疫細胞を活性化する方法。
【請求項112】
CD47リガンドが、SIRP-α、SIRP-β-2、トロンボスポンジン-1、αvβ3インテグリンおよびα2β1インテグリンから選択される、請求項111記載の方法。
【請求項113】
CD47リガンドがSIRP-αである、請求項111記載の方法。
【請求項114】
免疫細胞を活性化する段階が、Fcを介したサイトカイン産生を阻害する段階を含む、請求項111記載の方法。
【請求項115】
Fcを介したケモカイン産生を阻害する段階が、免疫複合体により誘導されるサイトカイン産生を阻害する段階を含む、請求項114記載の方法。
【請求項116】
免疫細胞を活性化する段階が、Fcを介したケモカイン産生を阻害する段階を含む、請求項111記載の方法。
【請求項117】
免疫細胞が樹状細胞、単球、顆粒球または骨髄幹細胞である、請求項111記載の方法。
【請求項118】
作用物質が、抗体またはその抗原結合フラグメント;低分子;アプタマー;およびペプチド-Fc融合ポリペプチドから選択される、請求項111記載の方法。
【請求項119】
CD47リガンドと特異的に結合する作用物質が、CD47リガンドに特異的な抗体またはその抗原結合フラグメントであり、リガンドがSIRP-α、SIRP-β-2、トロンボスポンジン-1、αvβ3インテグリンまたはα2β1インテグリンである、請求項118記載の方法。
【請求項120】
以下の段階を含む、免疫細胞の免疫応答性を抑制する作用物質を生産するための製造方法:
(a)以下の段階を含む、免疫細胞の免疫応答性を変化させる作用物質を同定する段階:
(I)(i)候補作用物質;(ii)ウイルスCD47様ポリペプチド;および(iii)CD47リガンドを、CD47リガンドとウイルスCD47様ポリペプチドとの相互作用を可能にするのに十分な条件下および時間で接触させる段階;および
(II)候補作用物質の存在下におけるウイルスCD47様ポリペプチドとCD47リガンドとの結合のレベルを決定して、候補作用物質の非存在下におけるウイルスCD47様ポリペプチドとCD47リガンドとの結合のレベルを比較する段階であって、候補作用物質の存在下におけるウイルスCD47様ポリペプチドとCD47リガンドとの結合のレベルの減少は、候補作用物質がウイルスCD47様ポリペプチドとCD47リガンドとの結合を阻害することを示す、段階;
(III)(i)候補作用物質;(ii)CD47リガンド;および(2)CD47を発現する免疫細胞を、CD47リガンドとCD47との相互作用を可能にするのに十分な条件下および時間で接触させる段階;および
(IV)候補作用物質の存在下におけるCD47リガンドと免疫細胞との結合のレベルを決定して、候補作用物質の非存在下におけるCD47リガンドと免疫細胞との結合のレベルを比較する段階であって、候補作用物質の存在下におけるCD47リガンドと免疫細胞との結合のレベルの減少は、候補作用物質が免疫細胞の免疫応答性を変化させることを示す、段階;ならびに
(b)段階(a)で同定された作用物質を生産する段階。
【請求項121】
ウイルスCD47様ポリペプチドがポックスウイルスCD47様ポリペプチドである、請求項120記載の方法。
【請求項122】
ポックスウイルスCD47様ポリペプチドが、SEQ ID NO:3に示されたアミノ酸配列を含む痘瘡ウイルスCD47様ポリペプチドである、請求項121記載の方法。
【請求項123】
CD47リガンドが、SIRP-α、SIRP-β2、トロンボスポンジン-1、αvβ3インテグリンおよびα2β1インテグリンから選択される、請求項120記載の方法。
【請求項124】
作用物質が、抗体またはその抗原結合フラグメント;低分子;アプタマー;およびペプチド-Fc融合ポリペプチドから選択される、請求項120記載の方法。
【請求項125】
作用物質が抗体またはその抗原結合フラグメントである、請求項120記載の方法。
【請求項126】
抗体またはその抗原結合フラグメントが、SIRP-α、SIRP-β-2、トロンボスポンジン-1、αvβ3インテグリンまたはα2β1インテグリンと特異的に結合する抗体またはその抗原結合フラグメントから選択される、請求項125記載の方法。
【請求項127】
請求項58〜68のいずれか一項記載の抗体またはその抗原結合フラグメントを生産するための製造方法。
【請求項128】
Fcポリペプチドと融合したウイルスCD47ポリペプチドの細胞外ドメインを含む、融合ポリペプチド。
【請求項129】
ウイルスCD47ポリペプチドがポックスウイルスCD47様ポリペプチドである、請求項128記載の融合ポリペプチド。
【請求項130】
ポックスウイルスCD47様ポリペプチドが、粘液腫、オルソポックスウイルス、コルドポックスウイルス、カプリポックスウイルス、レポリポックスウイルス、スイポックスウイルス(suipoxvirus)、ヤタポックスウイルスおよびシカポックス(deerpox)ウイルスから選択される、請求項129記載の融合ポリペプチド。
【請求項131】
FcポリペプチドがヒトIgG1 Fcポリペプチドまたはその変異体である、請求項128記載の融合ポリペプチド。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2009−537145(P2009−537145A)
【公表日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−511118(P2009−511118)
【出願日】平成19年5月15日(2007.5.15)
【国際出願番号】PCT/US2007/012234
【国際公開番号】WO2007/133811
【国際公開日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【出願人】(508338865)バイラル ロジック システムズ テクノロジー コーポレーション (1)
【Fターム(参考)】