説明

免疫疾患の治療のためのLckインヒビターの使用

本発明は、腫瘍学における治療にキナーゼインヒビターとして既に公知のLckインヒビターを、NSAID、ステロイド、DMARD、免疫抑制剤、生物修飾物質及び抗感染薬から選ばれる一つ以上の他の薬剤との組み合わせにおいて使用して免疫疾患又は免疫成分に関連する病理状態を治療する方法、上記Lckインヒビターを上記他の薬剤と一緒に含む医薬組成物、及びLckインヒビターの、免疫疾患又は免疫成分に関連する病理状態の治療用医薬組成物の製造のための使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、腫瘍学における治療にキナーゼインヒビターとして既に公知の、下記の化合物(A)〜(AL)から選ばれる化合物を使用して、免疫疾患又は免疫成分に関連する病理状態を治療する方法及び、これらの化合物の、上記免疫疾患又は病理状態の治療用医薬組成物の製造のための使用に関する。
【背景技術】
【0002】
下記の化合物(A)〜(AL)、それらの製造及びキナーゼ、例えばVEGFR-2の阻害をベースとしたこれらの化合物の薬理学的活性は、腫瘍学における治療に好適であり、WO 02/36564、WO 99/52869、WO 00/18734、WO 00/73297、WO 01/27080、WO 01/27081及びWO 01/32651に開示されている。その引用文献はこれらの特定の化合物について開示された態様に関して、参考文献としてここに含まれるものとする。
Lck、上記文献に述べられていないチロシンキナーゼのsrcファミリーに属する他のチロシンキナーゼは、T細胞抗原レセプター(TCR)を介して、T細胞活性に(A.E. Nel: T-cell activation through antigen receptor. Part 1: Signaling components, signaling pathways, and signal integration at the T-cell antigen receptor synapse. J. Allergy Clin Immunol, 109, 5, 758〜770頁、2002年を参照されたい)及び場合によってはT細胞の生存に(Seddon, B.; Legname, G.; Tomlinson, P.; Zamoyska, R.: Long-term survival but impaired homeostatic proliferation of naive T cells in the absence of p56(lck). Science 290: 127〜131頁、2000年)機能的に必要である。従って、Lckインヒビターは、T細胞介在性疾患の治療、例えば免疫疾患の治療に高い治療可能性を有する。一定の自己免疫疾患、例えば炎症性疾患(例えば、炎症性腸疾患、慢性関節リウマチ、糸球体腎炎及び肺線維症、乾癬、皮膚の過敏反応、アテローム性動脈硬化症、再狭窄、アレルギー喘息、多発性硬化症及び1型糖尿病)は、不適当なT細胞活性に関連すると考えられている(J.H. Hankeら、Inflamm. Res., 1995年、357)。また、移植器官の急性拒絶反応に加えて、同種骨髄及び幹細胞移植後の移植片対宿主病(GvHD)は、不適当なT細胞活性の結果と解釈することができる。Lckインヒビターは、上記徴候の治療へのアプローチを提供する。この種類の薬剤は、移植拒絶反応及び自己免疫疾患への治療を提供する一方、一般的に使用される選択性の低い免疫抑制剤に関連する毒性を避けると考えられる。移植拒絶の予防又は治療に関する第一の薬剤は、シクロスポリンAであり、それは効果的であるが、多くの場合、副作用、例えば腎障害及び高血圧を伴い、実質的な数の患者に腎疾患を生じる。症状緩和剤、例えばNSAIDで最初に慢性関節リウマチを治療することは最近の手法であるが、それは疾患の経過に効果的ではなく、多くの場合好ましくない副作用を伴う。従って、合理的に考えると、そのような有害な副作用のない疾患変性剤は、移植拒絶反応又は自己免疫状態、例えば慢性関節リウマチの予防又は治療に明らかな利益を提供すると考えられる。
【0003】
VEGFが、慢性関節リウマチ、特にパンヌスの形成の病理において鍵となる役割を担うという重要な証拠がある(Paleolog EM, Arthritis Res 2002;4 Suppl 3:S81〜90、Pavonenら、J Rheumatol 2002年1月;29(1): 39〜45、Afuwape AOら、Histol Histopathol 2002年;17(3):961〜72)。従って、VEGFR-チロシンキナーゼとLckの組み合わせによる阻害は、この疾患の患者に、潜在的に利便性が高いと考えられる。同様の考察が、乾癬及び炎症性腸疾患に適用できる(Folkman J, Nat Med. 1995年1月;1(1):27〜31ページ。Review; Griga Tら、Hepatogastroenterology 2002年1月〜2月;49(43):116〜23頁、Creamer Dら、Arch Dermatol 2002年1月;138(6):791〜6頁)。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
発明の概要
上記研究に鑑みると、T細胞介在性疾患の治療のため、例えば免疫疾患又は免疫成分に関連する病理状態の治療において、Lckインヒビターとして活性な化合物が必要なことは明らかである。
従って、本発明の課題は、免疫疾患又は免疫成分に関連する病理状態の治療方法であって、腫瘍学において治療用薬剤として既に公知の化合物(A)〜(AL)から選ばれる化合物を含む医薬組成物の有効量を、そのような治療を必要とする患者に投与することを含む、上記方法を提供することである。
本発明の第二の課題は、化合物(A)〜(AL)から選ばれる化合物を、非ステロイド性抗炎症剤(NSAID)、ステロイド、疾患修飾性抗リウマチ剤(DMARD)、免疫抑制剤、生物修飾物質及び抗感染薬から選ばれる一つ以上の他の薬剤と一緒に、免疫疾患又は免疫成分に関連する病理状態の治療における使用のために含む医薬組成物である。
本発明の第三の課題は、化合物(A)〜(AL)から選ばれる化合物の、免疫疾患又は免疫成分に関連する病理状態の治療用医薬成分の製造のための使用である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
発明の詳細な説明
驚くべきことに、以下の化合物、それらの互変異生体、立体異性体及び生理学的に許容され得るそれらの塩が、Lckの効果的なインヒビターであり、従って免疫疾患又は免疫成分に関連する病理状態の治療に特に好適及び有効であることが見い出された;
(A) (Z)-3-(1-(4-(ピペリジン-1-イル-メチル)-フェニルアミノ)-1-フェニル-メチレン)-5-(メチルスルホニルアミノ)-2-インドリノン;
(B) (Z)-3-(1-(4-(ピペリジン-1-イル-メチル)-フェニルアミノ)-1-フェニル-メチレン)-5-(エチルスルホニルアミノ)-2-インドリノン;
(C) (Z)-3-(1-(4-(ジメチルアミノメチル)-フェニルアミノ)-1-フェニル-メチレン)-5-(エチルスルホニルアミノ)-2-インドリノン;
(D) (Z)-3-(1-(4-(ピペリジン-1-イル-メチル)-フェニルアミノ)-1-フェニル-メチレン)-5-(フェニルスルホニルアミノ)-2-インドリノン;
(E) (Z)-3-(1-(4-(ピペリジン-1-イル-メチル)-フェニルアミノ)-1-フェニル-メチレン)-5-(4-アミノ-フェニルスルホニルアミノ)-2-インドリノン;
(F) (Z)-3-(1-(4-(ピロリジン-1-イル-メチル)-フェニルアミノ)-1-フェニル-メチレン)-5-(エチルスルホニルアミノ)-2-インドリノン;
(G) (Z)-3-(1-(4-(4-(3-アミノプロピル-ピペリジン-1-イル-メチル)-フェニルアミノ)-1-フェニル-メチレン)-5-(エチルスルホニルアミノ)-2-インドリノン;
(H) (Z)-3-(1-(4-(N-(ピペリジン-1-イル-メチルカルボニル)-N-メチル-アミノ)-フェニルアミノ)-1-フェニル-メチレン)-5-(フェニルスルホニルアミノ)-2-インドリノン;
(I) (Z)-3-(1-(4-(N-(2-ジメチルアミノ-エチル)-N-メチルスルホニル-アミノ)-フェニルアミノ)-1-フェニル-メチレン)-5-(N-メチル-N-フェニルスルホニル-アミノ)-2-インドリノン;
(J) (Z)-3-(1-(4-(N-メチル-N-(ピペリジン-1-イル-メチルカルボニル)-アミノ)-フェニルアミノ)-1-フェニル-メチレン)-5-(N-メチル-N-フェニルスルホニル-アミノ)-2-インドリノン;
(K) (Z)-3-(1-(2-ベンズイミダゾリル-アミノ)-1-フェニル-メチレン)-5-アミド-2-インドリノン;
(L) (Z)-3-(1-(4-(N-メチル-プロピオニルアミノ)-フェニルアミノ)-1-フェニル-メチレン)-5-アミド-2-インドリノン;
(M) (Z)-3-(1-(4-(N-(2-ジメチルアミノ-エチル)-N-メチルスルホニル-アミノ)-フェニルアミノ)-1-フェニル-メチレン)-2-インドリノン;
(N) (Z)-3-(1-(4-(N-(3-ジメチルアミノプロピル)-N-プロピオニル-アミノ)-フェニルアミノ)-1-フェニル-メチレン)-2-インドリノン;
(O) (Z)-3-(1-(4-(ジメチルアミノメチル)-フェニルアミノ)-1-フェニル-メチレン)-5-(ブチルカルバモイル)-2-インドリノン;
(P) (Z)-3-(1-(4-(ジメチルアミノメチル)-フェニルアミノ)-1-フェニル-メチレン)-5-(ナフト-1-イル-メチル-カルバモイル)-2-インドリノン;
(Q) (Z)-3-(1-(4-(ジメチルアミノメチル)-フェニルアミノ)-1-フェニル-メチレン)-5-(N-ブチル-N-フェニル-カルバモイル)-2-インドリノン;
(R) (Z)-3-(1-(4-(ジメチルアミノメチル)-フェニルアミノ)-1-フェニル-メチレン)-5-(ヘキシル-カルバモイル)-2-インドリノン;
(S) (Z)-3-(1-(4-(ジメチルアミノメチル)-フェニルアミノ)-1-フェニル-メチレン)-5-(シクロヘキシルメチル-カルバモイル)-2-インドリノン;
(T) (Z)-3-(1-(4-(N-メチルスルホニル-N-(2-ジメチルアミノ-エチル)-アミノ)-フェニルアミノ)-1-フェニル-メチレン)-5-(シクロヘキシルメチル-カルバモイル)-2-インドリノン;
(U) (Z)-3-(1-(4-(ブチルアミノメチル)-フェニルアミノ)-1-フェニル-メチレン)-5-(シクロヘキシルメチル-カルバモイル)-2-インドリノン;
(V) (Z)-3-(1-(4-(ピロリジン-1-イル-メチル)-フェニルアミノ)-1-フェニル-メチレン)-5-(シクロヘキシルメチル-カルバモイル)-2-インドリノン;
(W) (Z)-3-(1-(4-(ジエチルアミノメチル)-フェニルアミノ)-1-フェニル-メチレン)-5-(シクロヘキシルメチル-カルバモイル)-2-インドリノン;
(X) (Z)-3-(1-(4-(ジエチルアミノメチル)-フェニルアミノ)-1-フェニル-メチレン)-5-(N-(3-シクロベンジル)-カルバモイル)-2-インドリノン;
(Y) (Z)-3-(1-(4-(ジエタノールアミノメチル)-フェニルアミノ)-1-フェニル-メチレン)-5-(ブチル-カルバモイル)-2-インドリノン;
(Z) (Z)-3-(1-(4-(ジメチルアミノメチル)-フェニルアミノ)-1-フェニル-メチレン)-5-(N-(3-クロロベンジル-カルバモイル)-2-インドリノン;
(AA) (Z)-3-(1-(4-(N-アセチル-N-(2-ジメチルアミノ-エチル)-アミノ)-フェニルアミノ)-1-フェニル-メチレン)-5-(N-(3-クロロベンジル)-カルバモイル)-2-インドリノン;
(AB) (Z)-3-(1-(4-(ブチルアミノメチル)-フェニルアミノ)-1-フェニル-メチレン)-5-(N-(3-クロロベンジル)-カルバモイル)-2-インドリノン;
(AC) (Z)-3-(1-(4-(ピペリジン-1-イル-メチル)-フェニルアミノ)-1-フェニル-メチレン)-5-(N-メチル-N-フェニル-アミノスルホニル)-2-インドリノン;
(AD) (Z)-3-(1-(4-(ピペリジン-1-イル-メチル)-フェニルアミノ)-1-フェニル-メチレン)-5-(N-ブチル-N-メチル-アミノスルホニル)-2-インドリノン;
(AE) (Z)-3-(1-(4-(ジメチルアミノメチル)-フェニルアミノ)-1-フェニル-メチレン)-6-メトキシカルボニル-2-インドリノン;
(AF) (Z)-3-(1-(4-(N-(3-ジメチルアミノ-プロピル)-N-アセチル-アミノ)-フェニルアミノ)-1-フェニル-メチレン)-6-メトキシカルボニル-2-インドリノン;
(AG) (Z)-3-(1-(4-(エチルアミノメチル)-フェニルアミノ)-1-フェニル-メチレン)-6-(メトキシカルボニル-2-インドリノン;
(AH) (Z)-3-(1-(4-(1-メチル-イミダゾール-2-イル)-フェニルアミノ)-1-フェニル-メチレン)-6-メトキシカルボニル-2-インドリノン;
(AI) (Z)-3-(1-(4-(N-(ジメチルアミノメチルカルボニル)-N-メチル-アミノ)-フェニルアミノ)-1-フェニル-メチレン)-6-メトキシカルボニル-2-インドリノン;
(AJ) (Z)-3-(1-(4-(メチルアミノメチル)-アニリノ)-1-フェニル-メチレン)-6-(メトキシカルボニル-2-インドリノン;
(AK) (Z)-3-(1-(4-(N-((4-メチル-ピペラジン-1-イル)-メチルカルボニル)-N-メチル-アミノ)-フェニルアミノ)-1-フェニル-メチレン]-6-(メトキシカルボニル-2-インドリノン;及び
(AL) 4-(4-ブロモ-2-フルオロアニリノ)-6-メトキシ-7-(1-メチルピペリジン-4-イルメトキシ)-キナゾリン、
【0006】
化合物(A)〜(J)はWO 02/36564に、化合物(K)〜(L)はWO 99/52869に、化合物(M)〜(N)はWO 00/18734に、化合物(O)〜(AB)はWO 00/73297に、化合物(AC)〜(AD)はWO 01/27080に、化合物(AE)〜(AK)はWO 01/27081に、化合物(AL)はWO 01/32651に記載されている。
第一の態様によると、本発明は、免疫疾患又は免疫成分に関連する病理状態の治療方法であって、化合物(A)〜(AL)、それらの互変異性体、立体異性体および生理学的に許容され得るそれらの塩から選ばれる化合物を、所望によりNSAID、ステロイド、DMARD、免疫抑制剤、生物修飾物質及び抗感染薬から選ばれる一つ以上の他の薬剤との組み合わせにおいて含む医薬組成物の有効量を、そのような治療を必要とする患者に投与することを含む、上記方法を提供することである。
【0007】
「患者」という表現は、ヒト及び非ヒトの哺乳類患者を含むものとする。
「免疫疾患又は免疫成分に関連する病理状態」という徴候は、
自己免疫疾患、例えば自己免疫成分を有する炎症性疾患、例えば以下のものから選ばれる炎症性疾患、
炎症性腸疾患(例えば潰瘍性大腸炎及びクローン病)、慢性関節リウマチ、糸球体腎炎及び肺線維症、
さらに、乾癬、乾癬性関節炎、皮膚の過敏反応、アテローム性動脈硬化症、再狭窄、喘息、多発性硬化症及び1型糖尿病、
及び免疫抑制治療を必要とする徴候、例えば組織又は器官の移植拒絶反応の予防又は治療、例えば急性又は慢性の移植片対宿主病、同種移植又は異種移植拒絶反応等を含むが、それらに限定されないと理解されるべきである。移植器官は、腎臓、心臓、肝臓、肺臓、骨髄、末梢血幹細胞、膵臓又はそれらの島細胞、角膜、小腸、皮膚又は心臓弁であってもよい。
【0008】
本発明の方法により治療してもよい好ましい徴候は、
慢性関節リウマチ、
炎症性腸疾患、例えば潰瘍性大腸炎及びクローン病、
乾癬、乾癬性関節炎、
組織又は器官の移植拒絶反応の予防又は治療、急性又は慢性の移植片対宿主病、同種移植又は異種移植拒絶反応、
アレルギー性喘息、多発性硬化症及び1型糖尿病である。
本発明の方法により治療してもよく、特に明記するに値する徴候の、さらなるサブグループは、クローン病、肺線維症、乾癬性関節炎、皮膚の過敏反応、移植片対宿主病(急性及び慢性)、喘息、多発性硬化症及び1型糖尿病を含む。
【0009】
本発明の方法の好ましい態様は、化合物
(A)、(B)、(C)、(D)、(F)、(G)、(P)、(T)、(V)、(X)、(Z)、(AA)、(AE)、(AI)、(AK)及び(AL)、
それらの互変異性体、立体異性体及び生理学的に許容され得るそれらの塩から選ばれる化合物を、所望によりNSAID、ステロイド、DMARD、免疫抑制剤、生物修飾物質及び抗感染薬から選ばれる一つ以上の他の薬剤との組み合わせにおいて投与することを含む。
本発明の方法の他の好ましい態様は、VEGFR-2及びLck
(M)、(N)、(O)、(S)、(T)、(U)、(V)、(W)、(X)、(Y)、(Z)、(AA)、(AB)、(AE)、(AF)、(AG)、(AH)、(AI)、(AJ)、(AK)及び(AL)、
それらの互変異性体、立体異性体及び生理学的に許容され得るそれらの塩の組み合わせインヒビターから選ばれる化合物を、所望によりNSAID、ステロイド、DMARD、免疫抑制剤、生物修飾物質及び抗感染薬から選ばれる一つ以上の他の薬剤との組み合わせにおいて投与することを含む。また、VEGFは、慢性炎症性腸疾患、例えば潰瘍性大腸炎及びクローン病、並びに慢性関節リウマチ、乾癬及び乾癬性関節炎において重要な病理学的な役割を担うため、VEGFR-2及びLckのこれらの組み合わせインヒビターは、これらの最も好ましい徴候において、特に好都合である。
【0010】
本発明による方法のさらに好ましい態様は、化合物(AK)、(AI)及び(AL)、それらの互変異性体、立体異性体及び生理学的に許容され得るそれらの塩から選ばれる化合物を投与することを含み、特に好ましくは、化合物(AK)の投与である。
本発明の治療方法において、化合物(A)〜(AL)を、経口、非経口、直腸内投与、或いは皮膚への治療に関する徴候、例えば乾癬、乾癬性関節炎又は皮膚の過敏反応に関しては、局所製剤において投与することができる。経口投与が好ましい。
経口、直腸又は局所投与において、化合物は、所望により分割量(divided dose)において、1日投与量0.1〜20mg/kg体重、好ましくは0.5〜20mg/kg体重、最も好ましくは1〜10mg/kg体重で与えてもよい。非経口的に、化合物を、低用量、例えば全1日投与量0.01〜5mg/kg体重、好ましくは0.05〜2mg/kg体重、最も好ましくは0.1〜1mg/kg体重で投与してもよい。
【0011】
投与に関して、当技術分野に公知の一つ以上の従来の不活性担体及び/又は賦形剤、例えばコーンスターチ、乳糖、ブドウ糖、微結晶性セルロース、ステアリン酸マグネシウム、ポリビニルピロリドン、クエン酸、酒石酸、水、水/エタノール、水/グリセロール、水/ソルビトール、水/ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ステアリルアルコール、カルボキシメチルセルロース又は脂肪質物質、例えば固い脂肪又は好適なそれらの混合物と、従来のガレヌス製剤、例えば裸錠又は被覆錠、トローチ、硬又は軟カプセル、分散性粉末又は顆粒、シロップ又はエリキシル、注射用溶液、アンプル、水性又は油性懸濁液、乳濁液、溶液、スプレー、クリーム、軟膏、ゲル又は坐剤の形態において、化合物を製剤化してもよい。好適なガレヌス製剤は、上記文献に開示されている。
【0012】
さらに、本発明の方法において、化合物(A)〜(AL)から選択される化合物は、同時又は連続的に、NSAID、ステロイド、DMARD、免疫抑制剤、生物修飾物質及び抗感染薬から選ばれる一つ以上の他の薬剤との組み合わせにおいて、また、肺の徴候の場合は気管支拡張剤と、投与してもよい。
特に、化合物(A)〜(AL)から選ばれる化合物は、移植器官の急性拒絶反応の予防又は治療に、免疫抑制剤との組み合わせにおいて、
炎症性腸疾患(例えば、潰瘍性大腸炎およびクローン病)、慢性関節リウマチ及び乾癬の治療のために、NSAID、ステロイド、免疫抑制剤、DMARD、生物修飾物質(例えば、抗-TNF)、及び抗感染薬との組み合わせにおいて(ここでNSAID量は、治療効果を提供するために通常必要とされる用量と比較して、明らかに低減され、それに伴いNSAID由来の不都合な副作用、例えば胃腸への影響のリスクを低減することが可能である)、
喘息治療のために、生物修飾物質(例えば、ロイコトリエン拮抗薬)及び気管支拡張剤との組み合わせにおいて、使用することができる。
【0013】
組み合わせ治療用の好適なNSAIDとしては、全てのCOX(シクロオキシゲナーゼ)インヒビター、例えば非選択的COXインヒビター、例えばアセチルサリチル酸、メサラジン、イブプロフェン、ナプロキセン、フルルビプロフェン、フェノプロフェン、フェンブフェン、ケトプロフェン、インドプロフェン、ピルプロフェン、カルプロフェン、オキサプロジン、プラノプロフェン、ミロプロフェン(miroprofen)、チオキサプロフェン(tioxaprofen)、スプロフェン、アルミノプロフェン、チアプロフェン酸、フルプロフェン(fluprofen)、
インドメタシン、スリンダク、トルメチン、ゾメピラック、ナブメトン、ジクロフェナク、フェンクロフェナク、アルクロフェナック、ブロムフェナク、イブフェナック、アセクロフェナク(aceclofenac)、アセメタシン、フェンチアザク、クリダナク、エトドラク、オキシピナク(oxpinac)、
メフェナム酸、メクロフェナム酸、フルフェナム酸、ニフルミニン酸(nifluminic acid)、トルフェナム酸、ジフルニサル、フルフェニサール(flufenisal)、ピロキシカム、テノキシカム、ロルノキシカム及びニメスリド及び医薬的に許容され得るそれらの塩、
並びに、選択的COX 2インヒビター、例えばメロキシカム、セレコキシブ及びロフェコキシブ及び医薬的に許容され得るそれらの塩を含むことを意味する。
【0014】
組み合わせ治療用の好適なステロイドとしては、プレドニゾン、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、デキサメタゾン、ブデノシド(budenoside)、フルオコルトロン及びトリアムシノロンが挙げられるがそれらに限定されないことを意味する。
組み合わせ治療用の好適なDMARDとしては、スルファサラジン、オルサラジン、クロロキン、金誘導体(オーラノフィン)、D-ペニシラミン及び細胞増殖抑制剤、例えばメトトレキセート及びシクロホスファミドが挙げられるがそれらに限定されないことを意味する。
組み合わせ治療用の好適な免疫抑制剤としては、シクロスポリンA及びそれらの誘導体、ミコフェノール酸モフェチル、FK506、OKT-3、ATG、15-デソキシスペルグアリン、ミゾリビン、ミソプロストール、ラパマイシン、レフルノミド(reflunomide)、アザチオプリン及びNF-カッパBインヒビターが挙げられるがそれらに限定されないことを意味する。
【0015】
組み合わせ治療用の好適な生物修飾物質としては、インターフェロンβ、抗TNF-α(Etanercept)、IL-10、経口及び非経口耐性誘導戦略(経口、例えば、遺伝子組み換え腸内細菌による)、ロイコトリエン-アンタゴニスト、抗-CD3又は抗-CD25が挙げられるがそれらに限定されないことを意味する。
組み合わせ治療用の好適な抗感染薬としては、慢性炎症性腸疾患の治療用のメトロニダゾール及びチノロン(chinolone)が挙げられるがそれらに限定されないことを意味する。
組み合わせ治療用の好適な気管支拡張薬としては、Rote Liste(登録商標)2002、Editio Cantor Verlag Aulendorf、ドイツの「broncholytics/antiasthmatics」に開示されているものであり(それは参考文献としてここに含まれるものとする)、例えば、臭化イプラトロピウム、臭化オキシトロピウム(oxytropiumbromide)、臭化チオトロピウム、塩酸エピネフリン、サルブタモール、硫酸テルブタリン、臭化フェノテロール、サルメテロール、フォルモテロール、クロミクリン酸(cromiclinic acid)、テオフィリン誘導体等が挙げられるがそれらに限定されないことを意味する。
【0016】
そのような組み合わせにおいて、各有効成分は、その通常の投与量範囲又はその通常の投与量範囲未満のいずれかにより投与することができる。組み合わせたNSAID、ステロイド、DMARD、免疫抑制剤、生物修飾物質及び抗感染薬の投与量は、通常推奨される最低量の約1/50〜通常推奨される投与量の1/1、好ましくは1/20〜1/2、より好ましくは1/10〜1/5である。組み合わせの薬剤の通常推奨される量は、Rote Liste(登録商標)2002、Editio Cantor Verlag Aulendorf、ドイツ又はPhysician's Desk Referenceに例として開示されている量と理解されるであろう。
上記のものから選ばれる第二の薬剤と一緒にLckインヒビターを投与することを含む組み合わせ治療は、相乗効果が得られ、従って治療効果を得るために通常必要とされる量と比較して明らかに投与量を減らすことが可能かも知れないことが予期される。このことは、非選択性COXインヒビター、シクロスポリンA又はDMARDの場合のように、不都合な副作用のリスクの高い薬剤に関して特に有益と考えられる。
【0017】
第二の態様から見ると、本発明は、
(a) 化合物(A)〜(AL)、それらの互変異性体、立体異性体及び生理学的に許容され得るそれらの塩から選ばれる化合物、及び
(b) NSAID、ステロイド、DMARD、免疫抑制剤、生物修飾物質及び抗感染薬から選ばれる一つ以上の他の薬剤を、
所望により医薬的に許容され得る賦形剤及び/又は担体と一緒に、成分(a)及び(b)を含有する部分の組み合わせ製剤又はキットとして、免疫疾患又は免疫成分に関連する病理状態の治療における同時、別々又は連続的な使用のための別々の容器において含む、医薬組成物に関する。
【0018】
第三の態様から見ると、本発明は、化合物(A)〜(AL)、それらの互変異性体、立体異性体及び生理学的に許容され得るそれらの塩から選ばれる化合物の、所望によりNSAID、ステロイド、DMARD、免疫抑制剤、生物修飾物質及び抗感染薬から選ばれる一つ以上の他の薬剤との組み合わせにおける、免疫疾患又は免疫成分に関連する病理状態を患う患者の治療用医薬組成物の製造のための使用を提供する。
組み合わせVEGFR-2/Lck成分に関連した本発明の組成物の態様又は使用の態様のいずれの好ましい態様は、治療方法の態様に関して上記したものに対応する。
【実施例】
【0019】
実施例1:非放射性キナーゼ分析(lck)
方法論
lck酵素は、精製目的用のHis-tagにより置換された最初の9つのアミノ酸以外、全lck分子を含む。その酵素をアフィニティ精製した。
分析混合物は、96穴丸底マイクロタイタープレートの穴に構築し、それは10μl PBS(それ自体又は好適な濃度で溶解したインヒビターと一緒のいずれか)、20μl 基質溶液(200mM Hepes、pH=7,4;50mM MgAc2;1 mM Na3VO4;250μg/ml poly-Glu-Tyr(シグマ P0275);200 ng/ml ビオチン化ペプチド(biot-Ala-Glu-Glu-Glu-Ile-Tyr-Gly-Glu-Phe-Glu-Ala-Lys-Lys-Lys-Lys)及び20μlの2,5ng/μl酵素(酵素希釈緩衝液でアフィニティ精製したストックから希釈した、EDB:20mM Hepes、pH=7,4、130mM NaCl、0,05% Triton X-100)を含んでいた。
【0020】
反応を、50μl 500μM ATP(10mM MgAc2中)の添加により開始し、室温で行った。30分後、50μlの停止液(20mM Hepes、pH=7,4 ; 250mM EDTA)を加え、この溶液100μlをストレプトアビジンコートマイクロタイタープレート(SA-MTP、ベーリンガー・マンハイム、#1664-760)の穴に移した。その溶液を1時間室温でインキュベートし、上清を廃棄した。その穴を300μl PBSで二回洗った。
ストレプトアビジン結合ビオチン化ペプチドを、100μl Eu3+標識抗ホスホチロシン抗体溶液(0,3 mg/ml DELFIA-Eu-標識PT66(Wallac、AD0041);50 mM トリス、pH=7,8;0,05% Tween 20;0,5%(w/v) BSA(Serva、診断グレード(diagnostic grade))で、緩和な攪拌下、室温で1時間インキュベートした。穴を1x Delfia 洗浄緩衝液(Wallac、1244-114、25x濃度、水で希釈)で三回洗い、最終的に100μl Delfia 促進(enhancement)溶液(Wallac、1244-105)を加えた。
時間分解蛍光度をWallac Victor2 1420 Multilabel Counterにより測定し、励起は340nm、発光は615nmで測定した(遅延時間400μsec、猶予時間1000μsec)。
結果
二つの独立した実験において、キナーゼの化合物(A)〜(AL)のIC50を測定した。三つの代表的な化合物で得られたデータ(平均値)を以下の表にまとめた:


【0021】
化合物(A)〜(AH)及び(AJ)は、IC50< 1μMでlckキナーゼ機能を阻害した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
免疫疾患又は免疫成分に関連する病理状態の治療方法であって、以下の化合物、それらの互変異生体、立体異性体及び生理学的に許容され得るそれらの塩から選ばれる化合物を含む医薬組成物の有効量を、そのような治療を必要とする患者に、所望により、非ステロイド性抗炎症剤(NSAID)、ステロイド、疾患修飾性抗リウマチ剤(DMARD)、免疫抑制剤、生物修飾物質及び抗感染薬から選ばれる一つ以上の他の薬剤との組み合わせてもよい形態で投与することを含む上記方法;
(A) (Z)-3-(1-(4-(ピペリジン-1-イル-メチル)-フェニルアミノ)-1-フェニル-メチレン)-5-(メチルスルホニルアミノ)-2-インドリノン;
(B) (Z)-3-(1-(4-(ピペリジン-1-イル-メチル)-フェニルアミノ)-1-フェニル-メチレン)-5-(エチルスルホニルアミノ)-2-インドリノン;
(C) (Z)-3-(1-(4-(ジメチルアミノメチル)-フェニルアミノ)-1-フェニル-メチレン)-5-(エチルスルホニルアミノ)-2-インドリノン;
(D) (Z)-3-(1-(4-(ピペリジン-1-イル-メチル)-フェニルアミノ)-1-フェニル-メチレン)-5-(フェニルスルホニルアミノ)-2-インドリノン;
(E) (Z)-3-(1-(4-(ピペリジン-1-イル-メチル)-フェニルアミノ)-1-フェニル-メチレン)-5-(4-アミノ-フェニルスルホニルアミノ)-2-インドリノン;
(F) (Z)-3-(1-(4-(ピロリジン-1-イル-メチル)-フェニルアミノ)-1-フェニル-メチレン)-5-(エチルスルホニルアミノ)-2-インドリノン;
(G) (Z)-3-(1-(4-(4-(3-アミノプロピル-ピペリジン-1-イル-メチル)-フェニルアミノ)-1-フェニル-メチレン)-5-(エチルスルホニルアミノ)-2-インドリノン;
(H) (Z)-3-(1-(4-(N-(ピペリジン-1-イル-メチルカルボニル)-N-メチル-アミノ)-フェニルアミノ)-1-フェニル-メチレン)-5-(フェニルスルホニルアミノ)-2-インドリノン;
(I) (Z)-3-(1-(4-(N-(2-ジメチルアミノ-エチル)-N-メチルスルホニル-アミノ)-フェニルアミノ)-1-フェニル-メチレン)-5-(N-メチル-N-フェニルスルホニル-アミノ)-2-インドリノン;
(J) (Z)-3-(1-(4-(N-メチル-N-(ピペリジン-1-イル-メチルカルボニル)-アミノ)-フェニルアミノ)-1-フェニル-メチレン)-5-(N-メチル-N-フェニルスルホニル-アミノ)-2-インドリノン;
(K) (Z)-3-(1-(2-ベンズイミダゾリル-アミノ)-1-フェニル-メチレン)-5-アミド-2-インドリノン;
(L) (Z)-3-(1-(4-(N-メチル-プロピオニルアミノ)-フェニルアミノ)-1-フェニル-メチレン)-5-アミド-2-インドリノン;
(M) (Z)-3-(1-(4-(N-(2-ジメチルアミノ-エチル)-N-メチルスルホニル-アミノ)-フェニルアミノ)-1-フェニル-メチレン)-2-インドリノン;
(N) (Z)-3-(1-(4-(N-(3-ジメチルアミノプロピル)-N-プロピオニル-アミノ)-フェニルアミノ)-1-フェニル-メチレン)-2-インドリノン;
(O) (Z)-3-(1-(4-(ジメチルアミノメチル)-フェニルアミノ)-1-フェニル-メチレン)-5-(ブチルカルバモイル)-2-インドリノン;
(P) (Z)-3-(1-(4-(ジメチルアミノメチル)-フェニルアミノ)-1-フェニル-メチレン)-5-(ナフト-1-イル-メチル-カルバモイル)-2-インドリノン;
(Q) (Z)-3-(1-(4-(ジメチルアミノメチル)-フェニルアミノ)-1-フェニル-メチレン)-5-(N-ブチル-N-フェニル-カルバモイル)-2-インドリノン;
(R) (Z)-3-(1-(4-(ジメチルアミノメチル)-フェニルアミノ)-1-フェニル-メチレン)-5-(ヘキシル-カルバモイル)-2-インドリノン;
(S) (Z)-3-(1-(4-(ジメチルアミノメチル)-フェニルアミノ)-1-フェニル-メチレン)-5-(シクロヘキシルメチル-カルバモイル)-2-インドリノン;
(T) (Z)-3-(1-(4-(N-メチルスルホニル-N-(2-ジメチルアミノ-エチル)-アミノ)-フェニルアミノ)-1-フェニル-メチレン)-5-(シクロヘキシルメチル-カルバモイル)-2-インドリノン;
(U) (Z)-3-(1-(4-(ブチルアミノメチル)-フェニルアミノ)-1-フェニル-メチレン)-5-(シクロヘキシルメチル-カルバモイル)-2-インドリノン;
(V) (Z)-3-(1-(4-(ピロリジン-1-イル-メチル)-フェニルアミノ)-1-フェニル-メチレン)-5-(シクロヘキシルメチル-カルバモイル)-2-インドリノン;
(W) (Z)-3-(1-(4-(ジエチルアミノメチル)-フェニルアミノ)-1-フェニル-メチレン)-5-(シクロヘキシルメチル-カルバモイル)-2-インドリノン;
(X) (Z)-3-(1-(4-(ジエチルアミノメチル)-フェニルアミノ)-1-フェニル-メチレン)-5-(N-(3-シクロベンジル)-カルバモイル)-2-インドリノン;
(Y) (Z)-3-(1-(4-(ジエタノールアミノメチル)-フェニルアミノ)-1-フェニル-メチレン)-5-(ブチル-カルバモイル)-2-インドリノン;
(Z) (Z)-3-(1-(4-(ジメチルアミノメチル)-フェニルアミノ)-1-フェニル-メチレン)-5-(N-(3-クロロベンジル-カルバモイル)-2-インドリノン;
(AA) (Z)-3-(1-(4-(N-アセチル-N-(2-ジメチルアミノ-エチル)-アミノ)-フェニルアミノ)-1-フェニル-メチレン)-5-(N-(3-クロロベンジル)-カルバモイル)-2-インドリノン;
(AB) (Z)-3-(1-(4-(ブチルアミノメチル)-フェニルアミノ)-1-フェニル-メチレン)-5-(N-(3-クロロベンジル)-カルバモイル)-2-インドリノン;
(AC) (Z)-3-(1-(4-(ピペリジン-1-イル-メチル)-フェニルアミノ)-1-フェニル-メチレン)-5-(N-メチル-N-フェニル-アミノスルホニル)-2-インドリノン;
(AD) (Z)-3-(1-(4-(ピペリジン-1-イル-メチル)-フェニルアミノ)-1-フェニル-メチレン)-5-(N-ブチル-N-メチル-アミノスルホニル)-2-インドリノン;
(AE) (Z)-3-(1-(4-(ジメチルアミノメチル)-フェニルアミノ)-1-フェニル-メチレン)-6-メトキシカルボニル-2-インドリノン;
(AF) (Z)-3-(1-(4-(N-(3-ジメチルアミノ-プロピル)-N-アセチル-アミノ)-フェニルアミノ)-1-フェニル-メチレン)-6-メトキシカルボニル-2-インドリノン;
(AG) (Z)-3-(1-(4-(エチルアミノメチル)-フェニルアミノ)-1-フェニル-メチレン)-6-(メトキシカルボニル-2-インドリノン;
(AH) (Z)-3-(1-(4-(1-メチル-イミダゾール-2-イル)-フェニルアミノ)-1-フェニル-メチレン)-6-メトキシカルボニル-2-インドリノン;
(AI) (Z)-3-(1-(4-(N-(ジメチルアミノメチルカルボニル)-N-メチル-アミノ)-フェニルアミノ)-1-フェニル-メチレン)-6-メトキシカルボニル-2-インドリノン;
(AJ) (Z)-3-(1-(4-(メチルアミノメチル)-アニリノ)-1-フェニル-メチレン)-6-(メトキシカルボニル-2-インドリノン;
(AK) (Z)-3-(1-(4-(N-((4-メチル-ピペラジン-1-イル)-メチルカルボニル)-N-メチル-アミノ)-フェニルアミノ)-1-フェニル-メチレン]-6-(メトキシカルボニル-2-インドリノン;及び
(AL) 4-(4-ブロモ-2-フルオロアニリノ)-6-メトキシ-7-(1-メチルピペリジン-4-イルメトキシ)-キナゾリン。
【請求項2】
免疫疾患又は免疫成分に関連する病理状態が、
自己免疫疾患、例えば自己免疫成分を有する炎症性疾患、例えば以下のものから選ばれる炎症性疾患、
炎症性腸疾患(例えば潰瘍性大腸炎及びクローン病)、慢性関節リウマチ、糸球体腎炎及び肺線維症、
さらに、乾癬、乾癬性関節炎、皮膚の過敏反応、アテローム性動脈硬化症、再狭窄、喘息、多発性硬化症及び1型糖尿病、
及び免疫抑制治療を必要とする徴候、例えば組織又は器官の移植拒絶反応の予防又は治療
から選ばれる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
免疫疾患又は免疫成分に関連する病理状態が、
慢性関節リウマチ、
炎症性腸疾患、例えば潰瘍性大腸炎及びクローン病、
乾癬、乾癬性関節炎、
組織又は器官の移植拒絶反応の予防又は治療、急性又は慢性の移植片対宿主病、同種移植又は異種移植拒絶反応、
アレルギー性喘息、多発性硬化症及び1型糖尿病
から選ばれる、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
免疫疾患又は免疫成分に関連する病理状態が、クローン病、肺線維症、乾癬性関節炎、皮膚の過敏反応、移植片対宿主病(急性及び慢性)、喘息、多発性硬化症及び1型糖尿病から選ばれる、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
免疫疾患又は免疫成分に関連する病理状態が、慢性炎症性腸疾患、例えば潰瘍性大腸炎及びクローン病、慢性関節リウマチ、乾癬及び乾癬性関節炎から選ばれる、請求項2に記載の方法。
【請求項6】
方法が、(A)、(B)、(C)、(D)、(F)、(G)、(P)、(T)、(V)、(X)、(Z)、(AA)、(AE)、(AI)、(AK)及び(AL)、それらの互変異性体、立体異性体及び生理学的に許容され得るそれらの塩から選ばれる化合物を、所望によりNSAID、ステロイド、DMARD、免疫抑制剤、生物修飾物質及び抗感染薬から選ばれる一つ以上の他の薬剤との組み合わせにおいて投与することを含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
方法が、(M)、(N)、(O)、(S)、(T)、(U)、(V)、(W)、(X)、(Y)、(Z)、(AA)、(AB)、(AE)、(AF)、(AG)、(AH)、(AI)、(AJ)、(AK)及び(AL)、それらの互変異性体、立体異性体及び生理学的に許容され得るそれらの塩から選ばれる化合物を、所望によりNSAID、ステロイド、DMARD、免疫抑制剤、生物修飾物質及び抗感染薬から選ばれる一つ以上の他の薬剤との組み合わせにおいて投与することを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
方法が、請求項1に記載の(AK)、(AI)及び(AL)、それらの互変異性体、立体異性体及び生理学的に許容され得るそれらの塩から選ばれる化合物を投与することを含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
化合物が、経口、非経口、直腸内に、或いは皮膚への治療に関する徴候、例えば乾癬、乾癬性関節炎又は皮膚の過敏反応に関しては、局所的に投与される、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
経口、直腸又は局所投与において、化合物が、1日投与量0.1〜20mg/kg体重、又は非経口投与において、全1日投与量0.01〜5mg/kg体重で与えられる、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
(a)請求項1に記載の化合物(A)〜(AL)、それらの互変異性体、立体異性体及び生理学的に許容され得るそれらの塩から選ばれる化合物、及び
(b)NSAID、ステロイド、DMARD、免疫抑制剤、生物修飾物質及び抗感染薬から選ばれる一つ以上の他の薬剤を、
所望により医薬的に許容され得る賦形剤及び/又は担体と一緒に、成分(a)及び(b)を含有する部分の組み合わせ製剤又はキットとして、免疫疾患又は免疫成分に関連する病理状態の治療における同時、別々又は連続的な使用のための別々の容器において含む、医薬組成物。
【請求項12】
NSAIDが、非選択的COXインヒビター又はCOX-2選択的インヒビターである、請求項11に記載の組成物。
【請求項13】
NSAIDが、
アセチルサリチル酸、メサラジン、
イブプロフェン、ナプロキセン、フルルビプロフェン、フェノプロフェン、フェンブフェン、ケトプロフェン、インドプロフェン、ピルプロフェン、カルプロフェン、オキサプロジン、プラノプロフェン、ミロプロフェン、チオキサプロフェン、スプロフェン、アルミノプロフェン、チアプロフェン酸、フルプロフェン、
インドメタシン、スリンダク、トルメチン、ゾメピラック、ナブメトン、ジクロフェナク、フェンクロフェナク、アルクロフェナック、ブロムフェナク、イブフェナック、アセクロフェナク、アセメタシン、フェンチアザク、クリダナク、エトドラク、オキシピナク、
メフェナム酸、メクロフェナム酸、フルフェナム酸、ニフルミニン酸、トルフェナム酸、ジフルニサル、フルフェニサール、ピロキシカム、テノキシカム、ロルノキシカム及びニメスリド、
メロキシカム、セレコキシブ及びロフェコキシブ
及び医薬的に許容され得るそれらの塩から選ばれる、請求項11に記載の組成物。
【請求項14】
ステロイドが、プレドニゾン、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、デキサメタゾン、ブデノシド、フルオコルトロン及びトリアムシンロンから選ばれる、請求項11に記載の組成物。
【請求項15】
DMARDが、スルファサラジン、オルサラジン、クロロキン、金誘導体(オーラノフィン)、D-ペニシラミン及び細胞増殖抑制剤、例えばメトトレキセート及びシクロホスファミドから選ばれる、請求項11に記載の組成物。
【請求項16】
免疫抑制剤が、シクロスポリンA及びそれらの誘導体、ミコフェノール酸モフェチル、FK506、OKT-3、ATG、15-デソキシスペルグアリン、ミゾリビン、ミソプロストール、ラパマイシン、レフルノミド、アザチオプリン及びNF-カッパBインヒビターから選ばれる、請求項11に記載の組成物。
【請求項17】
生物修飾物質が、インターフェロンβ、抗TNF-α(Etanercept)、IL-10、経口及び非経口耐性誘導戦略、ロイコトリエン-アンタゴニスト、抗-CD3又は抗-CD25から選ばれる、請求項11に記載の組成物。
【請求項18】
抗感染薬が、メトロニダゾール及びチノロンから選ばれる、請求項11に記載の組成物。
【請求項19】
気管支拡張薬が、臭化イプラトロピウム、臭化オキシトロピウム、臭化チオトロピウム、塩酸エピネフリン、サルブタモール、硫酸テルブタリン、臭化フェノテロール、サルメテロール、フォルモテロール、クロミクリン酸、テオフィリン誘導体から選ばれる、請求項11に記載の組成物。
【請求項20】
請求項1に記載の有効な化合物(A)〜(AL)、それらの互変異生体、立体異性体及び生理学的に許容され得るそれらの塩から選ばれる化合物の、所望によりNSAID、ステロイド、DMARD、免疫抑制剤、生物修飾物質及び抗感染薬から選ばれる一つ以上の他の薬剤との組み合わせにおける、免疫疾患又は免疫成分に関連する病理状態を患う患者の治療用医薬組成物の製造のための使用。
【請求項21】
免疫疾患又は免疫成分に関連する病理状態が、
自己免疫疾患、例えば自己免疫成分を有する炎症性疾患、例えば以下のものから選ばれる炎症性疾患、
炎症性腸疾患(例えば潰瘍性大腸炎及びクローン病)、慢性関節リウマチ、糸球体腎炎及び肺線維症、
さらに、乾癬、乾癬性関節炎、皮膚の過敏反応、アテローム性動脈硬化症、再狭窄、喘息、多発性硬化症及び1型糖尿病、
及び免疫抑制治療を必要とする徴候、例えば組織又は器官の移植拒絶反応の予防又は治療
から選ばれる、請求項20に記載の使用。
【請求項22】
免疫疾患又は免疫成分に関連する病理状態が、
慢性関節リウマチ、
炎症性腸疾患、例えば潰瘍性大腸炎及びクローン病、
乾癬、乾癬性関節炎、
組織又は器官の移植拒絶反応の予防又は治療、急性又は慢性の移植片対宿主病、同種移植又は異種移植拒絶反応、
アレルギー性喘息、多発性硬化症及び1型糖尿病
から選ばれる、請求項20に記載の使用。
【請求項23】
免疫疾患又は免疫成分に関連する病理状態が、クローン病、肺線維症、乾癬性関節炎、皮膚の過敏反応、移植片対宿主病(急性及び慢性)、喘息、多発性硬化症及び1型糖尿病から選ばれる請求項20に記載の使用。
【請求項24】
免疫疾患又は免疫成分に関連する病理状態が、慢性炎症性腸疾患、例えば潰瘍性大腸炎及びクローン病、慢性関節リウマチ、乾癬及び乾癬性関節炎から選ばれる、請求項20に記載の使用。
【請求項25】
化合物が、VEGFR-2と請求項1に記載のLck(M)、(N)、(O)、(S)、(T)、(U)、(V)、(W)、(X)、(Y)、(Z)、(AA)、(AB)、(AE)、(AF)、(AG)、(AH)、(AI)、(AJ)、(AK)及び(AL)、
それらの互変異性体、立体異性体及び生理学的に許容され得るそれらの塩との組み合わせインヒビターから選ばれ、治療される徴候が、慢性炎症性腸疾患、例えば潰瘍性大腸炎及びクローン病、慢性関節リウマチ、乾癬及び乾癬性関節炎から選ばれる、請求項20に記載の使用。
【請求項26】
請求項1に記載の(A)、(B)、(C)、(D)、(F)、(G)、(P)、(T)、(V)、(X)、(Z)、(AA)、(AE)、(AI)及び(AL)、それらの互変異性体、立体異性体及び生理学的に許容され得るそれらの塩から選ばれる化合物の、所望によりNSAID、ステロイド、DMARD、免疫抑制剤、生物修飾物質及び抗感染薬から選ばれる一つ以上の他の薬剤との組み合わせにおける、請求項20〜24のいずれか1項に記載の使用。
【請求項27】
請求項1に記載の(AK)、(AI)及び(AL)、それらの互変異性体、立体異性体及び生理学的に許容され得るそれらの塩から選ばれる化合物の、請求項20〜24のいずれか1項に記載の使用。
【請求項28】
経口、非経口、直腸内又は局所投与に適した医薬組成物の製造のための、請求項20〜25のいずれか1項に記載の使用。
【請求項29】
医薬組成物が、経口、直腸又は局所投与用に関して、有効化合物1日投与量0.1〜20mg/kg体重の投与に適合し、又は非経口投与に関しては、全1日投与量0.01〜5mg/kg体重に適合する、請求項26に記載の使用。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記の化合物(A)〜(AL)、それらの互変異生体、立体異性体及び生理学的に許容され得るそれらの塩からなる群から選ばれる化合物を含有し、所望によりNSAID、ステロイド、DMARD、免疫抑制剤、生物修飾物質及び抗感染薬から選ばれる一つ以上の他の薬剤との組み合わせてもよい、免疫疾患又は免疫成分に関連する病理状態を患う患者の治療用医薬組成物。
(A) (Z)-3-(1-(4-(ピペリジン-1-イル-メチル)-フェニルアミノ)-1-フェニル-メチレン)-5-(メチルスルホニルアミノ)-2-インドリノン;
(B) (Z)-3-(1-(4-(ピペリジン-1-イル-メチル)-フェニルアミノ)-1-フェニル-メチレン)-5-(エチルスルホニルアミノ)-2-インドリノン;
(C) (Z)-3-(1-(4-(ジメチルアミノメチル)-フェニルアミノ)-1-フェニル-メチレン)-5-(エチルスルホニルアミノ)-2-インドリノン;
(D) (Z)-3-(1-(4-(ピペリジン-1-イル-メチル)-フェニルアミノ)-1-フェニル-メチレン)-5-(フェニルスルホニルアミノ)-2-インドリノン;
(E) (Z)-3-(1-(4-(ピペリジン-1-イル-メチル)-フェニルアミノ)-1-フェニル-メチレン)-5-(4-アミノ-フェニルスルホニルアミノ)-2-インドリノン;
(F) (Z)-3-(1-(4-(ピロリジン-1-イル-メチル)-フェニルアミノ)-1-フェニル-メチレン)-5-(エチルスルホニルアミノ)-2-インドリノン;
(G) (Z)-3-(1-(4-(4-(3-アミノプロピル-ピペリジン-1-イル-メチル)-フェニルアミノ)-1-フェニル-メチレン)-5-(エチルスルホニルアミノ)-2-インドリノン;
(H) (Z)-3-(1-(4-(N-(ピペリジン-1-イル-メチルカルボニル)-N-メチル-アミノ)-フェニルアミノ)-1-フェニル-メチレン)-5-(フェニルスルホニルアミノ)-2-インドリノン;
(I) (Z)-3-(1-(4-(N-(2-ジメチルアミノ-エチル)-N-メチルスルホニル-アミノ)-フェニルアミノ)-1-フェニル-メチレン)-5-(N-メチル-N-フェニルスルホニル-アミノ)-2-インドリノン;
(J) (Z)-3-(1-(4-(N-メチル-N-(ピペリジン-1-イル-メチルカルボニル)-アミノ)-フェニルアミノ)-1-フェニル-メチレン)-5-(N-メチル-N-フェニルスルホニル-アミノ)-2-インドリノン;
(K) (Z)-3-(1-(2-ベンズイミダゾリル-アミノ)-1-フェニル-メチレン)-5-アミド-2-インドリノン;
(L) (Z)-3-(1-(4-(N-メチル-プロピオニルアミノ)-フェニルアミノ)-1-フェニル-メチレン)-5-アミド-2-インドリノン;
(M) (Z)-3-(1-(4-(N-(2-ジメチルアミノ-エチル)-N-メチルスルホニル-アミノ)-フェニルアミノ)-1-フェニル-メチレン)-2-インドリノン;
(N) (Z)-3-(1-(4-(N-(3-ジメチルアミノプロピル)-N-プロピオニル-アミノ)-フェニルアミノ)-1-フェニル-メチレン)-2-インドリノン;
(O) (Z)-3-(1-(4-(ジメチルアミノメチル)-フェニルアミノ)-1-フェニル-メチレン)-5-(ブチルカルバモイル)-2-インドリノン;
(P) (Z)-3-(1-(4-(ジメチルアミノメチル)-フェニルアミノ)-1-フェニル-メチレン)-5-(ナフト-1-イル-メチル-カルバモイル)-2-インドリノン;
(Q) (Z)-3-(1-(4-(ジメチルアミノメチル)-フェニルアミノ)-1-フェニル-メチレン)-5-(N-ブチル-N-フェニル-カルバモイル)-2-インドリノン;
(R) (Z)-3-(1-(4-(ジメチルアミノメチル)-フェニルアミノ)-1-フェニル-メチレン)-5-(ヘキシル-カルバモイル)-2-インドリノン;
(S) (Z)-3-(1-(4-(ジメチルアミノメチル)-フェニルアミノ)-1-フェニル-メチレン)-5-(シクロヘキシルメチル-カルバモイル)-2-インドリノン;
(T) (Z)-3-(1-(4-(N-メチルスルホニル-N-(2-ジメチルアミノ-エチル)-アミノ)-フェニルアミノ)-1-フェニル-メチレン)-5-(シクロヘキシルメチル-カルバモイル)-2-インドリノン;
(U) (Z)-3-(1-(4-(ブチルアミノメチル)-フェニルアミノ)-1-フェニル-メチレン)-5-(シクロヘキシルメチル-カルバモイル)-2-インドリノン;
(V) (Z)-3-(1-(4-(ピロリジン-1-イル-メチル)-フェニルアミノ)-1-フェニル-メチレン)-5-(シクロヘキシルメチル-カルバモイル)-2-インドリノン;
(W) (Z)-3-(1-(4-(ジエチルアミノメチル)-フェニルアミノ)-1-フェニル-メチレン)-5-(シクロヘキシルメチル-カルバモイル)-2-インドリノン;
(X) (Z)-3-(1-(4-(ジエチルアミノメチル)-フェニルアミノ)-1-フェニル-メチレン)-5-(N-(3-シクロベンジル)-カルバモイル)-2-インドリノン;
(Y) (Z)-3-(1-(4-(ジエタノールアミノメチル)-フェニルアミノ)-1-フェニル-メチレン)-5-(ブチル-カルバモイル)-2-インドリノン;
(Z) (Z)-3-(1-(4-(ジメチルアミノメチル)-フェニルアミノ)-1-フェニル-メチレン)-5-(N-(3-クロロベンジル-カルバモイル)-2-インドリノン;
(AA) (Z)-3-(1-(4-(N-アセチル-N-(2-ジメチルアミノ-エチル)-アミノ)-フェニルアミノ)-1-フェニル-メチレン)-5-(N-(3-クロロベンジル)-カルバモイル)-2-インドリノン;
(AB) (Z)-3-(1-(4-(ブチルアミノメチル)-フェニルアミノ)-1-フェニル-メチレン)-5-(N-(3-クロロベンジル)-カルバモイル)-2-インドリノン;
(AC) (Z)-3-(1-(4-(ピペリジン-1-イル-メチル)-フェニルアミノ)-1-フェニル-メチレン)-5-(N-メチル-N-フェニル-アミノスルホニル)-2-インドリノン;
(AD) (Z)-3-(1-(4-(ピペリジン-1-イル-メチル)-フェニルアミノ)-1-フェニル-メチレン)-5-(N-ブチル-N-メチル-アミノスルホニル)-2-インドリノン;
(AE) (Z)-3-(1-(4-(ジメチルアミノメチル)-フェニルアミノ)-1-フェニル-メチレン)-6-メトキシカルボニル-2-インドリノン;
(AF) (Z)-3-(1-(4-(N-(3-ジメチルアミノ-プロピル)-N-アセチル-アミノ)-フェニルアミノ)-1-フェニル-メチレン)-6-メトキシカルボニル-2-インドリノン;
(AG) (Z)-3-(1-(4-(エチルアミノメチル)-フェニルアミノ)-1-フェニル-メチレン)-6-(メトキシカルボニル-2-インドリノン;
(AH) (Z)-3-(1-(4-(1-メチル-イミダゾール-2-イル)-フェニルアミノ)-1-フェニル-メチレン)-6-メトキシカルボニル-2-インドリノン;
(AI) (Z)-3-(1-(4-(N-(ジメチルアミノメチルカルボニル)-N-メチル-アミノ)-フェニルアミノ)-1-フェニル-メチレン)-6-メトキシカルボニル-2-インドリノン;
(AJ) (Z)-3-(1-(4-(メチルアミノメチル)-アニリノ)-1-フェニル-メチレン)-6-(メトキシカルボニル-2-インドリノン;
(AK) (Z)-3-(1-(4-(N-((4-メチル-ピペラジン-1-イル)-メチルカルボニル)-N-メチル-アミノ)-フェニルアミノ)-1-フェニル-メチレン]-6-(メトキシカルボニル-2-インドリノン;及び
(AL) 4-(4-ブロモ-2-フルオロアニリノ)-6-メトキシ-7-(1-メチルピペリジン-4-イルメトキシ)-キナゾリン。
【請求項2】
化合物(AK)、(AI)、(AL)、それらの互変異性体、立体異性体及び生理学的に許容され得るそれらの塩から選ばれる化合物を含有する請求項記載の医薬組成物
【請求項3】
免疫疾患又は免疫成分に関連する病理状態が、
自己免疫疾患、
さらに、乾癬、乾癬性関節炎、皮膚の過敏反応、アテローム性動脈硬化症、再狭窄、喘息、多発性硬化症及び1型糖尿病、
及び免疫抑制治療を必要とする徴候から選ばれる、請求項1又は2記載の医薬組成物
【請求項4】
(a)請求項1に記載の化合物(A)〜(AL)、それらの互変異性体、立体異性体及び生理学的に許容され得るそれらの塩からなる群から選ばれる化合物、及び
(b)NSAID、ステロイド、DMARD、免疫抑制剤、生物修飾物質及び抗感染薬からなる群から選ばれる一つ以上の他の薬剤を、
所望により医薬的に許容され得る賦形剤及び/又は担体と一緒に、成分(a)及び(b)を含有する部分の組み合わせ製剤又はキットとして、免疫疾患又は免疫成分に関連する病理状態の治療における同時、別々又は連続的な使用のための別々の容器において含む、医薬組成物。
【請求項5】
NSAIDが、
アセチルサリチル酸、メサラジン、イブプロフェン、ナプロキセン、フルルビプロフェン、フェノプロフェン、フェンブフェン、ケトプロフェン、インドプロフェン、ピルプロフェン、カルプロフェン、オキサプロジン、プラノプロフェン、ミロプロフェン、チオキサプロフェン、スプロフェン、アルミノプロフェン、チアプロフェン酸、フルプロフェン、インドメタシン、スリンダク、トルメチン、ゾメピラック、ナブメトン、ジクロフェナク、フェンクロフェナク、アルクロフェナック、ブロムフェナク、イブフェナック、アセクロフェナク、アセメタシン、フェンチアザク、クリダナク、エトドラク、オキシピナク、メフェナム酸、メクロフェナム酸、フルフェナム酸、ニフルミニン酸、トルフェナム酸、ジフルニサル、フルフェニサール、ピロキシカム、テノキシカム、ロルノキシカム及びニメスリド、メロキシカム、セレコキシブ及びロフェコキシブ及び医薬的に許容され得るそれらの塩からなる群から選ばれる、請求項に記載の組成物。
【請求項6】
気管支拡張薬が、臭化イプラトロピウム、臭化オキシトロピウム、臭化チオトロピウム、塩酸エピネフリン、サルブタモール、硫酸テルブタリン、臭化フェノテロール、サルメテロール、フォルモテロール、クロミクリン酸、テオフィリン誘導体からなる群から選ばれる、請求項に記載の組成物。

【公表番号】特表2006−514611(P2006−514611A)
【公表日】平成18年5月11日(2006.5.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−530121(P2004−530121)
【出願日】平成15年8月11日(2003.8.11)
【国際出願番号】PCT/EP2003/008890
【国際公開番号】WO2004/017948
【国際公開日】平成16年3月4日(2004.3.4)
【出願人】(503137975)ベーリンガー インゲルハイム ファルマ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディトゲゼルシャフト (129)
【Fターム(参考)】