説明

入力切換装置、入力切換方法及びプログラム

【課題】小型化し得る入力切換装置を提案する。
【解決手段】本発明は、多極プラグに対応するコネクタに配された複数のコネクタ端子のうち、所定の入力デバイスが接続される一のプラグ端子に対応するコネクタ端子に結線された信号入力ラインと、該信号入力ラインを介して入力デバイスに電圧を供給する電圧供給ラインとの間に抵抗を設けるとともに、該信号入力ラインにおける電圧変化により多極プラグにおける接続の有無を検出する検出手段を信号入力ラインに結線する。また、抵抗の電圧供給ライン側の接続点と、電圧供給ライン上に配された電圧の調整抵抗との間に開放スイッチを設けるとともに、検出手段により多極プラグの接続が検出された以降に、開放スイッチを閉じるように該開放スイッチを制御する制御手段を設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は入力切換装置、入力切換方法及びプログラムに関し、例えば音楽再生装置に適用して好適なものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ノイズキャンセリング機能が搭載された音楽再生装置が提案されている。この音楽再生装置に対して接続されるイヤホン又はヘッドホンには、当該イヤホン又はヘッドホン周辺の音をノイズ音として集音するマイクロホンが搭載される。
【0003】
この音楽再生装置に対してマイクロホンが搭載されたイヤホン又はヘッドホンが接続されたときと、該マイクロホンが非搭載の通常のイヤホン又はヘッドホンが接続されたときとに応じて、ノイズキャンセリング機能をオンオフする場合、あるいは、この音楽再生装置にスピーカが搭載されており、該音楽再生装置に対してマイクロホンが搭載されたイヤホン又はヘッドホンが接続されたときと、該マイクロホンが非搭載の通常のイヤホン又はヘッドホンが接続されたときとに応じて、音声信号の出力先を切り換える場合など、イヤホン又はヘッドホンの接続の有無を検出することがある。
【0004】
このイヤホン又はヘッドホンの接続の有無を検出するものとして、F型コネクタに関する接続検出システムがある(例えば特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2006−164669公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところでかかる構成の接続検出システムにおいては、接続用の検出端子をF型コネクタに独立に設けるとともに、該検出端子に対応する検出回路を本体に設けるため、装置全体として大型化するという問題があった。
【0006】
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、小型化し得る入力切換装置、入力切換方法及びプログラムを提案しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
かかる課題を解決するため本発明は、入力切換装置であって、多極プラグに対応するコネクタに配された複数のコネクタ端子のうち、所定の入力デバイスが接続される一のプラグ端子に対応するコネクタ端子に結線された信号入力ラインと、該信号入力ラインを介して入力デバイスに電圧を供給する電圧供給ラインとの間に抵抗を設けるとともに、該信号入力ラインにおける電圧変化により多極プラグにおける接続の有無を検出する検出手段を信号入力ラインに結線する。また、抵抗の電圧供給ライン側の接続点と、電圧供給ライン上に配された電圧の調整抵抗との間に開放スイッチを設けるとともに、検出手段により多極プラグの接続が検出された以降に、開放スイッチを閉じるように該開放スイッチを制御する制御手段を設けるようにした。
【0008】
また本発明は、入力切換方法であって、多極プラグに対応するコネクタに配された複数のコネクタ端子のうち、所定の入力デバイスが接続される一のプラグ端子に対応するコネクタ端子に結線された信号入力ラインにおける電圧変化を検出し、その電圧変化により多極プラグにおける接続が検出された以降に、信号入力ラインを介して入力デバイスに電圧を供給する電圧供給ライン上に配された該電圧の調整抵抗と、電圧供給ライン及び信号入力ライン間に有する抵抗における電圧供給ライン側の接続点との間に設けられた開放スイッチを閉じるようにした。
【0009】
さらに本発明は、プログラムであって、多極プラグに対応するコネクタに配された複数のコネクタ端子のうち、所定の入力デバイスが接続される一のプラグ端子に対応するコネクタ端子に結線された信号入力ラインにおける電圧変化により多極プラグにおける接続の有無を検出する検出手段から、多極プラグにおける接続が検出された旨の通知を待ち受けること、通知を受けた以降に、信号入力ラインを介して入力デバイスに電圧を供給する電圧供給ライン上に配された該電圧の調整抵抗と、電圧供給ライン及び信号入力ライン間に有する抵抗における電圧供給ライン側の接続点との間に設けられた開放スイッチを閉じることを、コンピュータに対して実行させるようにした。
【発明の効果】
【0010】
本発明では、開放スイッチが閉じられていない場合、電圧供給ラインから抵抗を介して信号入力ラインに供給される電圧の電圧変化により多極プラグの接続の有無を検出する一方、開放スイッチが閉じられた場合には、当該電圧を、信号入力ライン及び電圧供給ライン間の抵抗と調整抵抗との分圧により基準電圧として、入力デバイスに供給するとともに、該入力デバイスから供給される入力信号を入力することができるようになる。つまり、信号入力ラインを、多極プラグの接続の有無を検出するラインとして共用することができる。したがって、本発明では、独立した接続検出用の端子を多極プラグに別途を設けることなく、多極プラグの接続の有無を検出することができ、かくして小型化し得る入力切換装置、入力切換方法及びプログラムを実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下図面について本発明の一実施の形態を詳述する。
【0012】
(1)携帯音楽プレーヤの外観構成
図1において、本実施の形態による携帯型の音楽再生装置(以下、これを携帯音楽プレーヤと呼ぶ)の外観構成を示す。この携帯音楽プレーヤ1は、丸みを帯びた略直方体形状として形成され、片手で把持できる程度の大きさとなっている。
【0013】
この携帯音楽プレーヤ1の筺体表面には、各種操作ボタンや表示部DPなどが設けられている。また、この携帯音楽プレーヤ1の所定位置にはジャックJAKが設けられており、該ジャックJAKには、マイクロホンを搭載したイヤホン(以下、これをマイク付イヤホンと呼ぶ)EP1、EP2から引き回される接続コードCDの先端に設けられたプラグPLGが接続される。
【0014】
(2)プラグ及びジャックの構成
このプラグPLG及びジャックJAKは、標準ミニプラグ規格に対応させて形成されている。このプラグPLGとジャックJAKの構成を以下説明する。
【0015】
(2−1)プラグの構成
このプラグPLGは、図2乃至図6に示すように、第1の導体11、第1の絶縁体12、第2の導体13、第2の絶縁体14、第3の導体15、第3の絶縁体16、第4の導体17、第4の絶縁体18及び第5の導体19によって構成されている。
【0016】
第1の導体11、第2の導体13、第3の導体15、第4の導体17及び第5の導体19は、何れも導電性の高い金属材料によって形成され、第1の絶縁体12、第2の絶縁体14、第3の絶縁体16及び第4の絶縁体18は何れも樹脂材料等の導電性を有しない材料によって形成されている。
【0017】
この実施の形態の場合、第1の導体11は左(又は右)スピーカの端子として割り当てられ、第2の導体13は右(又は左)スピーカの端子として割り当てられる。また、第3の導体15はグランドの端子として割り当てられる。さらに、第4の導体17は左(又は右)マイクの端子として割り当てられ、第5の導体18は右(又は左)マイクの端子として割り当てられる。
【0018】
第1の導体11は略丸軸状に形成され、大径の電極部11aと小径の嵌合部11bとを有している。第1の導体11には、電極部11aと嵌合部11bの間に外方へ張り出されたフランジ部11cが設けられ、嵌合部11bのフランジ部11cと反対側の端部にコード接続部11dが設けられている。
【0019】
電極部11aの外周面は嵌合部11bに近付くに従って中心側へ変位するように傾斜された傾斜面11eとして形成されている。嵌合部11bは軸方向における長さが電極部11aより長くされている。コード接続部11dは、その径が電極部11aの径より小さく嵌合部11bの径より大きくされている。
【0020】
第1の絶縁体12は略円筒状に形成され、軸方向における一端部が他の部分より外径の大きな大径部12aとして設けられ、該大径部12a以外の部分が小径部12bとして設けられている。大径部12aは小径部12bより肉厚に形成されている。小径部12bの大径部12aと反対側の端部は外方へ僅かに張り出された張出部12cとされ、大径部12aと張出部12cの間における外面側に浅い嵌合凹部12dが形成されている。
【0021】
第1の絶縁体12は第1の導体11の嵌合部11bに外嵌されている。第1の絶縁体12は第1の導体11に外嵌された状態において、大径部12aの外周面がフランジ部11cの外周面と放射方向において一致されている。第1の導体11は電極部11a、フランジ部11c及びコード接続部11dが露出されている。
【0022】
第2の導体13は略円筒状に形成され、大径の電極部13aと小径の嵌合部13bとを有している。第1の導体13には、電極部13aと嵌合部13bとを連結する略円環状に形成された連結部13cが設けられ、嵌合部13bの連結部13cと反対側の端部はコード接続部13dとして設けられている。
【0023】
第2の導体13は第1の絶縁体12に外嵌されている。第2の導体13は第1の絶縁体12に外嵌された状態において、電極部13aが大径部12aの一端部を除く部分に結合され、嵌合部13b及び連結部13cが嵌合凹部12dに結合され、嵌合部13bの外周面が張出部12cの外周面と放射方向において一致されている。従って、第2の絶縁体12は大径部12aの一部と張出部12cとが露出されている。
【0024】
第2の絶縁体14は略円筒状に形成され、軸方向における一端部が他の部分より外径の大きな大径部14aとして設けられ、該大径部14a以外の部分が小径部14bとして設けられている。大径部14aは小径部14bより肉厚に形成されている。小径部14bの大径部14aと反対側の端部は外方へ僅かに張り出された張出部14cとされ、大径部14aと張出部14cの間における外面側に浅い嵌合凹部14dが形成されている。
【0025】
第2の絶縁体14は第2の導体13の嵌合部13bに外嵌されている。第2の絶縁体14は第2の導体13に外嵌された状態において、大径部14aの外周面が電極部13aの外周面と放射方向において一致されている。第2の導体13は電極部13aとコード接続部13dが露出されている。
【0026】
第3の導体15は略円筒状に形成され、大径の電極部15aと小径の嵌合部15bとを有している。第1の導体15には、電極部15aと嵌合部15bとを連結する略円環状に形成された連結部15cが設けられ、嵌合部15bの連結部15cと反対側の端部はコード接続部15dとして設けられている。
【0027】
第3の導体15は第2の絶縁体14に外嵌されている。第3の導体15は第2の絶縁体14に外嵌された状態において、嵌合凹部14dに結合され、電極部15aの外周面が大径部14aの外周面と放射方向において一致され、嵌合部15bの外周面が張出部14cの外周面と放射方向において一致されている。従って、第2の絶縁体14は大径部14aと張出部14cとが露出されている。
【0028】
第3の絶縁体16は略円筒状に形成され、軸方向における一端部が外径の大きな大径部16aとして設けられ、軸方向において大径部16aに連続する部分が小径部16bとして設けられ、軸方向における他端部が小径部16bより外径の大きな張出部16cとして設けられている。大径部16aと張出部16cは小径部16bより肉厚に形成されている。第3の絶縁体16には大径部16aと張出部16cの間における外面側に浅い嵌合凹部16dが形成されている。
【0029】
第3の絶縁体16は第3の導体15の嵌合部15bに外嵌されている。第3の絶縁体16は第3の導体15に外嵌された状態において、大径部16aと張出部16cの外周面が電極部15aの外周面と放射方向において一致されている。第3の導体15は電極部15aとコード接続部15dが露出されている。
【0030】
第4の導体17は略円筒状に形成され、電極部17aと該電極部17aの軸方向における中央部の外周面に外方へ突出して設けられた円環状の突部17bとから成る。電極部17aの一部はコード接続部17cとして設けられている。
【0031】
第4の導体17は第3の絶縁体16の嵌合凹部16dに外嵌されている。第4の導体17は第3の絶縁体16に外嵌された状態において、電極部17aの外周面が大径部16aの外周面と張出部16cの外周面とに放射方向において一致されている。従って、第3の絶縁体16は大径部16aと張出部16cとが露出されている。
【0032】
第4の絶縁体18は導体取付部20と延設部21とが一体に形成されて成る(図4及び 図6参照)。
【0033】
導体取付部20は一方向に長く形成され、図7に示すように、本体部20aと該本体部20aの長手方向における一端部から短手方向へ互いに反対側へ突出された突出部20b、20bとから成る。本体部20aには、長手方向に延びる導体取付溝20cが形成され、該導体取付溝20cが形成された面と反対側の面に短手方向へ延びる嵌合溝20dが形成されている。延設部21は導体取付部20の長手方向における一端面から突出部20b、20bの突出方向と直交する方向へ突出されている。
【0034】
第4の絶縁体18は、導体取付部20が第3の絶縁体14の大径部14aから張出部14cまでに亘る部分の外周面の一部に取り付けられ、延設部21が第3の導体15のコード接続部15dから第1の絶縁体12の張出部12cまでに亘る部分の外周面の一部に取り付けられている。このように第4の絶縁体18が取り付けられた状態においては、嵌合溝20dに第4の導体17の突部17bが嵌合され、導体取付部20が延設部21より外周側に位置されている。
【0035】
第5の導体19は一方向に長い板状に形成され、長手方向における中間部に互いに反対方向へ突出された規制突片19a、19aを有している。第5の導体19は、規制突片19a、19aを基準として一方の側が挿入部19bとされ、他方の側がコード接続部19cとされている。挿入部19bにおけるコード接続部19cと反対側の端部には厚み方向へ突出された接続用突部19dが設けられている。
【0036】
第5の導体19は挿入部19bが導体取付溝20cに挿入されて第4の絶縁体18に取り付けられる(図3参照)。第5の導体19は第4の絶縁体18に取り付けられた状態において、規制突片19a、19aが本体部20aの一端面に接し、コード接続部19cが延設部21より外周側に離隔して位置されている(図4参照)。
【0037】
以上のようにして構成されたプラグ5では、図5及び図6に示すように、第1の導体11のコード接続部11d、第2の導体13のコード接続部13d、第3の導体15のコード接続部15d、第4の導体17のコード接続部17c及び第5の導体19のコード接続部19cに、対応する接続コードCDa、CDb、CDc、CDd、CDeの一端が、例えば、半田付けによりそれぞれ接続される。
【0038】
これら接続コードCDa、CDb、CDc、CDd、CDeの他端は、マイク付イヤホンEP1(図1)のスピーカSK1(図1)、マイク付イヤホンEP2(図1)のスピーカSK2(図1)、マイク付イヤホンER1、ER2におけるグランド端子(図示せず)、マイク付イヤホンEP1(図1)のマイクロホンMC1(図1)、イク付イヤホンEP2(図1)のマイクロホンMC2(図1)にそれぞれ接続される。
【0039】
ちなみに、これら接続コードCDa、CDb、CDc、CDd、CDeは、第4の導体17の突部17bから第1の導体11のコード接続部11dまでに亘る部分がカバー10によって覆われ、コード接続部11d、13d、15d、17c、19cが閉塞される(図2参照)。
【0040】
(2−2)ジャックの構成
次に、このプラグPLGに対応するジャックJAKの構成を説明する。図8に示すように、このジャックJAKは、筐体24を有し、この携帯音楽プレーヤ1の所定位置に取り付けられている。
【0041】
この筐体24には一方に開口されたプラグ挿入孔24aが形成されている。ジャックJAKにおけるプラグ挿入孔24aの開口と反対側の端部からは、5つの端子片25が突出されている。端子片25はこの携帯音楽プレーヤ1内部の電子回路に接続されている。
【0042】
この筐体24の内部には、図9及び図10に示すように、第1の接続端子26、第2の接続端子27、第3の接続端子28、第4の接続端子29及び第5の接続端子30が配置されている。
【0043】
第1の接続端子26(図9参照)は、ジャックJAKの内面に沿って配置されたベース部26aと、該ベース部26aから折り返されプラグ挿入孔24aから遠去かる方向へ延びる基端部26bと、該基端部26bに連続し基端部26bに対してベース部26aから離隔する方向へ屈曲された板バネ部26cとを有し、該板バネ部26cの先端部が接続部26dとして設けられている。
【0044】
第2の接続端子27(図10参照)は、ジャックJAKの内面と平行な状態で配置された基端部27aと、該基端部27aに連続し基端部27aに対してジャックJAKの内面から離隔する方向へ屈曲された板バネ部27bとを有し、該板バネ部27bの先端部が接続部27cとして設けられている。接続部27cは第1の接続端子26の接続部26dよりプラグ挿入孔24a側に位置されている。
【0045】
第3の接続端子28(図9参照)は、ジャックJAKの内面に沿って配置された基端部28aと、該基端部28aに連続し基端部28aに対してジャックJAKの内面から離隔する方向へ屈曲された板バネ部28bとを有し、該板バネ部28bの先端部が接続部28cとして設けられている。接続部28cは第2の接続端子27の接続部27cよりプラグ挿入孔24a側に位置されている。
【0046】
第4の接続端子29(図9及び図10参照)は、ジャックJAKの内面に沿って配置された基端部29aと、該基端部29aに連続し基端部29aに対してジャックJAKの内面から離隔する方向へ屈曲された板バネ部29bとを有し、該板バネ部29bの先端部が接続部29cとして設けられている。接続部29cは第3の接続端子28の接続部28cよりプラグ挿入孔24a側に位置され、該プラグ挿入孔24aの開口の直ぐ内側に位置されている。
【0047】
第5の接続端子30(図10参照)は、ジャックJAKの内面に沿って配置された基端部30aと、該基端部30aに連続し基端部30aに対してジャックJAKの内面から離隔する方向へ屈曲された板バネ部30bとを有し、該板バネ部30bの先端部が接続部30cとして設けられている。接続部30cはプラグ挿入孔24aの開口の直ぐ内側に位置されている。
【0048】
ジャックJAKの内部にはストッパー壁31が設けられている(図10参照)。ストッパー壁31は第5の接続端子30の板バネ部30bを挟んでジャックJAKの内面と反対側に位置されている。
【0049】
ジャックJAKの内部には保持用絶縁部材32が設けられている(図9及び図10参照)。保持用絶縁部材32はプラグ挿入孔24aの開口と反対側の端部に設けられている。
【0050】
第1の接続端子26、第2の接続端子27、第3の接続端子28、第4の接続端子29及び第5の接続端子30は、それぞれ一部が保持用絶縁部材32に埋設されて保持され、端子片25に各別に連続されている。従って、第1の接続端子26、第2の接続端子27、第3の接続端子28、第4の接続端子29及び第5の接続端子30は、それぞれ端子片25を介して、この携帯音楽プレーヤ1の内部の回路に接続されている。
【0051】
(2−3)プラグ及びジャックの接続状態
このジャックJAKのプラグ挿入孔24aにプラグPLGが挿入された場合、図11及び図12に示すように、第1の導体11の電極部11a、第2の導体13の電極部13a、第3の導体15の電極部15a、第4の導体17の電極部17a及び第5の導体19の接続用突部19aが、対応する左(又は右)スピーカ用の第1の接続端子26の接続部26d、右(又は左)スピーカ用の第2の接続端子27の接続部27c、グランド用の第3の接続端子28の接続部28c、左(又は右)マイク用の第4の接続端子29の接続部29c及び右(又は左)マイク用の第5の接続端子30の接続部30cに接続される。
【0052】
このときプラグPLGは第4の導体17の突部17bがジャックJAKにおけるプラグ挿入孔24aの外側開口縁に接触すると共に第5の導体19の挿入部19bの一端面がストッパー壁31に接触する位置まで挿入され、ジャックJAKに対する挿入方向における位置決めが行われる。
【0053】
接続部26d、27c、28c、29c、30cはそれぞれ基端部26b、27a、28a、29a、30aに対してバネ力に抗して弾性変形され、電極部11a、電極部13a、電極部15a、電極部17a、接続用突部19aに押し付けられた状態で接続される。
【0054】
(3)携帯音楽プレーヤの回路構成
(3−1)携帯音楽プレーヤ全体の回路構成
次に、この携帯音楽プレーヤ1の回路構成として、該携帯音楽プレーヤ1全体の回路構成を説明する。図13に示すように、この携帯音楽プレーヤ1は、当該携帯音楽プレーヤ1全体の制御を司る制御部50に対して、操作部51、データ記憶媒体52、プラグ検出部53、表示部DP及び信号処理部54を接続することにより構成される。
【0055】
制御部50は、CPU(Central Processing Unit)と、各種プログラムや設定データが格納されるROM(Read Only Memory)と、当該CPUのワークメモリとして用いられるRAM(Random Access Memory)とを含むマイクロコンピュータとして構成される。
【0056】
この制御部50は、ROMに記憶されたプログラムに従い、操作部51から与えられる制御データと、ROMに記憶された設定データとに基づいて、データ記憶媒体52、表示部DP及び信号処理部54を適宜制御する。
【0057】
操作部51は、この携帯音楽プレーヤ1の筺体表面に設けられた各種操作ボタンの操作に対応する制御データを生成し、これを制御部50へ送出する。
【0058】
データ記憶媒体52は、例えばEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)でなり、当該データ記憶媒体12には、ディジタルオーディオ信号D1などの各種データが記憶される。
【0059】
表示部DPは、例えばFL(Fluorescent Lamp)管として、この携帯音楽プレーヤ1の筺体表面に設けられており(図1参照)、制御部50により生成された表示データに基づいて、例えば、再生内容、現時点で指定されている再生モードの状態、ノイズキャンセリング対応のイヤホン(又はヘッドホン)が接続されているか否か等を、文字や図形により表示する。
【0060】
この表示部DPに表示される表示画面例を図14に示す。表示画面の左端には、現再生対象に関する画像IM又は設定データとしてROMに記憶されたサンプル画像(図示せず)が表示される。また、表示画面の中央上段には現再生対象のタイトル名、中央中段には現再生対象のアーティスト名、中央下段には現再生対象の再生時間が、図形及び文字により表示される。さらに、表示画面の右下端には、バッテリー容量に対する現時点での残量が、電池を模した図形により表示される。
【0061】
一方、この電池を模した図形の左側には、シャッフル再生モードを表す図形AC1及びリピート再生モードを表す図形AC2が、また電池を模した図形の上側には、サラウンドモード及びその番号を表す図形AC3が、当該モードを指定した場合にそれぞれ表示される。
【0062】
他方、図形AC3の上側には、ノイズキャンセリング対応のイヤホン(又はヘッドホン)が接続されていることを表す図形AC4が、該イヤホン(又はヘッドホン)が接続された場合に、当該図形AC4以外の文字及び図形とは異なる色で、表示される。したがって、この表示画面例では、ノイズキャンセリング対応のイヤホン(又はヘッドホン)が接続されていることを、着目させることができるようになされている。
【0063】
プラグ検出部53は、ジャックノイズキャンセリング対応のイヤホン(又はヘッドホン)のプラグPLGにおける接続の有無を検出する。具体的には、ジャックJAKに配される各接続端子26、27、28、29、30(例えば図9及び図10)のうち、マイク付イヤホンMP1のマイクロホンMC1から供給される音声信号を入力するための端子(マイク入力端子)29に結線される信号線(以下、これを音声入力ラインと呼ぶ)の電圧変化により、ジャックノイズキャンセリング対応のイヤホン(又はヘッドホン)のプラグPLGにおける接続の有無を検出する。
【0064】
なお、ノイズキャンセリング非対応のイヤホン(又はヘッドホン)、つまりマイクロホンが搭載されていないイヤホン(又はヘッドホン)の標準ミニプラグが接続された場合、ジャックJAKに配される各接続端子26、27、28、29、30(例えば図9及び図10)のうち、左右チャンネルのスピーカ用の接続端子26、27と、グランド用の接続端子28だけがプラグ側の端子と接続することになる。
【0065】
この場合、音声入力ラインLN1には電圧変化が生じないため、プラグ検出部53では、ジャックノイズキャンセリング対応のイヤホン(又はヘッドホン)のプラグPLGが接続されていないことが検出されることとなる。
【0066】
またプラグ検出部53は、ジャックノイズキャンセリング対応のイヤホン(又はヘッドホン)のプラグPLGの接続を検出しているときには、当該イヤホン(又はヘッドホン)が接続されていることを制御部50に通知するようになされている。
【0067】
信号処理部54のDSP(Digital Signal Processor)54Aには、データ記憶媒体12から再生されたディジタルオーディオ信号D1が入力される。また、ジャックJAKに対してノイズキャンセリング対応のイヤホン(又はヘッドホン)のプラグPLGが接続されている場合、ノイズキャンセリングモード対応の周波数特性を表す第1のフィルタ係数が設定データとして入力され、当該プラグPLGが接続されていない場合、ノイズキャンセリングモード非対応の周波数特性を表す第2のフィルタ係数が設定データとして入力される。
【0068】
DSP54Aは、設定データとして入力される第1又は第2のフィルタ係数に基づいて、ディジタルオーディオ信号D1に対してフィルタ処理を施す。ちなみに、ディジタルオーディオ信号D1が圧縮されている場合、DSP54Aは、当該圧縮方式に応じた伸長処理も施すようになされている。
【0069】
また、DSP54Aは、このフィルタ処理後にD/A (Digital/Analog)変換処理を施し、この結果得られる左右チャンネルのアナログオーディオ信号S1を合成部54Cに送出する。
【0070】
一方、信号処理部54のノイズキャンセリング信号生成部54Bには、ジャックJAKに対してノイズキャンセリング対応のイヤホン(又はヘッドホン)のプラグPLGが接続されている場合、当該プラグPLGを介して、マイク付イヤホンEP1、EP2のマイクロホンMC1、MC2(図1)から左右チャンネルの音声信号S2が入力される。
【0071】
ノイズキャンセリング信号生成部54Bは、入力される左右チャンネルの音声信号S2と逆位相の音声信号をそれぞれ生成し、これらをノイズキャンセリング信号S3として合成部54Cに送出する。
【0072】
合成部54Cは、DSP54Aから供給される左右チャンネルのアナログオーディオ信号S1と、ノイズキャンセリング信号生成部54Bから供給される左右チャンネルのノイズキャンセリング信号S3とを対応するチャンネル単位で合成し、これら左右チャンネルの合成結果を音声出力信号S4として信号増幅部54Dに送出する。
【0073】
ちなみに、ノイズキャンセリング信号生成部54Bからノイズキャンセリング信号S3が供給されない場合、つまりジャックJAKに対してノイズキャンセリング非対応のイヤホン(又はヘッドホン)のプラグが接続されている場合には、DSP54Aから供給されるアナログオーディオ信号S1が音声出力信号S4として信号増幅部54Dに送出される。
【0074】
信号増幅部54Dは、操作部11から与えられるボリューム制御データに基づいて、合成部54Cから入力される音声出力信号S4を増幅し、これをジャックJAKの対応する接続端子26、27(例えば図9及び図10)に出力するようになされている。
【0075】
(3−2)プラグ検出部の回路構成
次に、プラグ検出部53の回路構成を説明する。図15に示すように、このプラグ検出部53は、抵抗53Aと、電圧検出回路53Bと、スイッチ素子53Cとによって構成される。
【0076】
この抵抗53Aは、マイク付イヤホンMP1のマイクロホンMC1から供給される音声信号を入力するための端子(マイク入力端子)29に結線される音声入力ラインLN1と、該音声入力ラインLN1に結線された電圧供給ラインLN2との間に設けられている。
【0077】
またこの抵抗53Aは、マイクロホンMC1に対する基準電圧の調整用として電圧供給ラインLN2上に配された調整抵抗RXに対して、並列に接続される。
【0078】
電圧検出回路53Bは、音声入力ラインLN1に結線され、音声入力ラインLN1の電圧を監視するようになされている。
【0079】
スイッチ素子53Cは、電圧供給ラインLN2上であって、抵抗53Aの接続点P1と、調整抵抗RXとの間に設けられている。このスイッチ素子53Cは、ノイズキャンセリング対応のイヤホン(又はヘッドホン)のプラグPLGにおける接続の有無を検出するモード(以下、これを検出モードと呼ぶ)の場合には開状態とされ、マイクロホンMC1から音声信号を入力するモード(以下、これを音声入力モードと呼ぶ)の場合には閉状態とされる。
【0080】
ここで、スイッチ素子53Cが開状態、つまり検出モードの状態において、ノイズキャンセリング対応のイヤホン(又はヘッドホン)のプラグPLGが接続されていない場合、端子(マイク入力端子)29は開放端となる。このため、携帯音楽プレーヤ1における電圧源から供給される電圧は、接続点P1から抵抗53Aを介して電圧検出回路53Bに供給される。
【0081】
これに対して、検出モードの状態においてノイズキャンセリング対応のイヤホン(又はヘッドホン)のプラグPLGが接続されている場合、端子(マイク入力端子)29はマイクロホンMC1に接続されることになる。このため、携帯音楽プレーヤ1における電圧源から供給される電圧は、接続点P1から、抵抗53A及びマイクロホンMC1を介してグランドに供給される。したがって、この場合、電圧検出回路53Bに対して供給される電圧は降圧することとなる。
【0082】
電圧検出回路53Bには、この電圧変化の検出閾値としてハイレベル及びローレベルが設定されており、該電圧検出回路53Bに供給される電圧がハイレベルを上回っている場合には、ノイズキャンセリング対応のイヤホン(又はヘッドホン)のプラグPLGが接続されていないことを検出する。これに対して、ローレベルを下回っている場合には、ノイズキャンセリング対応のイヤホン(又はヘッドホン)のプラグPLGが接続されていることを検出する。
【0083】
また電圧検出回路53Bは、ノイズキャンセリング対応のイヤホン(又はヘッドホン)のプラグPLGが接続されているとき、つまり、この電圧検出回路53Bに供給される電圧がローレベルを下回っているときに、接続通知データD2(図13)を立ち上げ(又は立ち下げ)てオン状態とすることにより、制御部50に対してプラグPLGが接続されていることを通知する。
【0084】
この実施の形態の場合、抵抗53Aの抵抗値は、マイクロホンMC1における抵抗値と、電圧検出回路53Bに対して電圧変化の検出閾値として設定されたハイレベル及びローレベルのレベル比との乗算値以上、かつ、電圧検出回路53Bにおける抵抗値と、当該レベル比との除算値以下でなる範囲内に選定されている。実際上、この実施の形態における抵抗53Aの抵抗値は100[kΩ]とされる。ちなみに、調整抵抗RXは3[kΩ]とされる。
【0085】
したがって、プラグ検出部53は、ノイズキャンセリング対応のイヤホン(又はヘッドホン)のプラグPLGが接続されている状態において、マイクロホンMC1から端子(マイク入力端子)29を介して音声入力ラインLN1に音声信号が入力された場合に、その音声信号に基づく音声入力ラインLN1の電圧変動に起因して、電圧検出回路53BがプラグPLGが接続されていないと誤検出するといった事態を未然に防止し得るようになされている。
【0086】
また、プラグ検出部53は、ノイズキャンセリング対応のイヤホン(又はヘッドホン)のプラグPLGが接続されていない状態において、端子(マイク入力端子)29を介してノイズが入力された場合に、そのノイズに基づく音声入力ラインLN1の電圧変動に起因して、電圧検出回路53BがプラグPLGが接続されていると誤検出するといった事態を未然に防止し得るようになされている。
【0087】
一方、スイッチ素子53Cが閉状態、つまり音声入力モードの状態の場合、携帯音楽プレーヤ1における電圧源から供給される電圧は、抵抗53Aと、調整抵抗RXにより分圧されて、マイクロホンMC1に対する基準電圧となり、マイクロホンMC1から端子(マイク入力端子)29を介して入力される音声信号は、音声入力ラインLN1を介してノイズキャンセリング信号生成部54Bに送出される。
【0088】
このようにプラグ検出部53は、検出モードのときには、音声入力ラインLN1を、ノイズキャンセリング対応のイヤホン(又はヘッドホン)のプラグPLGにおける接続の有無を検出するラインとして用いることができるようになされている。
【0089】
(3−3)モード切換処理
上述の検出モードと、音声入力モードとのモード切り換えは制御部50により実行される。ここで、この制御部50によるモード切換処理手順を、図16に示すフローチャートを用いて説明する。
【0090】
すなわち制御部50は、電源が投入されると、このモード切換処理手順RTを開始し、ステップSP1において、プラグ検出部53のスイッチ素子53C(図15)を開状態に切り換えることにより、音声入力ラインLN1(図15)を、ノイズキャンセリング対応のイヤホン(又はヘッドホン)のプラグPLGにおける接続の有無を検出するラインとして、当該プラグPLGの検出をプラグ検出部53に行わせる(検出モード)。
【0091】
この後、制御部50は、ステップSP2に進んで、プラグ検出部53の電圧検出回路53B(図15)から、当該プラグPLGの接続通知を待ち受ける。
【0092】
この接続通知データD2を受けた場合、制御部50は、次のステップSP3に進んで、図14に示したように、表示部DPの表示画面の所定位置に、ノイズキャンセリング対応のイヤホン(又はヘッドホン)が接続されていることを表す図形AC4を、当該図形AC4以外の文字及び図形とは異なる色で表示することにより、ユーザに対して、ノイズキャンセリング対応のイヤホン(又はヘッドホン)が接続されている状態であることを着目させる。
【0093】
そして制御部50は、続くステップSP4において、操作部51(図13)から、データ記憶媒体52に記憶されたディジタルオーディオ信号D1の再生コマンドを待ち受け、該再生コマンドを受けた場合には、次のステップSP5に進んで、プラグ検出部53のスイッチ素子53C(図15)を開状態に切り換えることにより、音声入力ラインLN1から音声信号の入力を開始させる(音声入力モード)。この場合、プラグ検出部53による検出処理は停止することとなる。
【0094】
この後、制御部50は、ステップSP6に進んで、DSP54A(図13)に対して初期設定された第2のフィルタ係数(ノイズキャンセリングモード非対応の周波数特性でなるフィルタ係数)を、第1のフィルタ係数(ノイズキャンセリングモード対応の周波数特性でなるフィルタ係数)に再設定し、このモード切換処理手順RTを終了する。
【0095】
このようにして制御部50は、検出モードから音声入力モードにモードを切り換えることができるようになされている。
【0096】
(4)本実施の形態による動作及び効果
以上の構成において、この携帯音楽プレーヤ1には、図15に示したように、多極プラグPLGに対応するジャックJAKに配された複数のコネクタ端子26、27、28、29、30(例えば図9及び図10)のうち、マイクロホンMC1が接続される一のプラグ端子に対応するコネクタ端子29に結線された音声入力ラインLN1と、該音声入力ラインLN1を介してマイクロホンMC1に電圧を供給する電圧供給ラインLN2との間に、抵抗53Aが設けられている。
【0097】
また、この携帯音楽プレーヤ1には、音声入力ラインLN1における電圧変化により、ノイズキャンセリング対応のイヤホン(又はヘッドホン)のプラグPLGにおける接続の有無を検出する電圧検出回路53Bが、音声入力ラインLN1に結線されているとともに、抵抗53Aの電圧供給ラインLN2側の接続点P1と、電圧供給ラインLN2上に配された調整抵抗RXとの間に、スイッチ53Cが設けられている。
【0098】
そして携帯音楽プレーヤ1は、電圧検出回路53Bから、ノイズキャンセリング対応のイヤホン(又はヘッドホン)のプラグPLGが接続されている通知があり、かつ、操作部51から再生コマンドを受けるまでは、スイッチ53Cを閉じておくようにする。
【0099】
したがって、この携帯音楽プレーヤ1は、スイッチが開状態のときには、電圧検出回路53Bにより、電圧供給ラインLN2から抵抗53Aを介して音声入力ラインLN1に供給される電圧の電圧変化により多極プラグPLGの接続の有無を検出することができる。
【0100】
一方、携帯音楽プレーヤ1は、スイッチが閉状態のときには、電圧供給ラインLN2から供給される電圧を、抵抗53A及び調整抵抗RXの分圧により基準電圧として、マイクロホンMC1に供給するとともに、該マイクロホンMC1から供給される音声信号を入力することができるようになる。
【0101】
つまり、この携帯音楽プレーヤ1は、電圧供給ラインLN2を、ノイズキャンセリング対応のイヤホン(又はヘッドホン)のプラグPLGにおける接続の有無を検出するラインとして共用することができる。
【0102】
以上の構成によれば、電圧供給ラインLN2を、ノイズキャンセリング対応のイヤホン(又はヘッドホン)のプラグPLGにおける接続の有無を検出するラインとして共用できるようにしたことにより、独立した接続検出用の端子を多極プラグに別途を設けることなく、当該プラグPLGを検出することができ、かくして小型化し得る携帯音楽プレーヤ1を実現できる。
【0103】
(5)他の実施の形態
上述の実施の形態においては、標準ミニプラグ規格のプラグPLG及びジャックJAKを採用するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、この規格以外のピンプラグ及びピンジャックを採用してもよく、また、ピン形式以外のコネクタを採用するようにしてもよい。
【0104】
なお、上述のプラグPLGにおける各端子の割り当てを、先端側から左(又は右)スピーカ、右(又は左)スピーカ、グランド、左(又は右)マイク及び右(又は左)マイクとしたが(例えば図2)、本発明はこれに限らず、これ以外の割り当て態様であってもよい。ちなみに、ジャックPLGにおける各端子の割り当てについても同様である。
【0105】
また上述の実施の形態においては、ノイズキャンセリング対応のイヤホン(又はヘッドホン)のプラグPLGが接続されている通知があり、かつ、操作部51から再生コマンドを受けたときに、スイッチ53C(図15)を閉じるようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、当該通知があったときに閉じるようにしてもよい。このようにすれば、再生中にプラグPLGが接続された場合であっても、該プラグPLGの対応する端子に、ノイズキャンセル後の再生音を迅速に出力することができる。
【0106】
なお、この場合、上述の実施の形態のように、ジャックJAKに配された左右のマイクに対応するコネクタ端子29、30のうち、該ジャックJAKのプラグ挿入孔24a(図8)に近いほうに配置される端子29に結線される音声入力ラインLN1の電圧変化により、ノイズキャンセリング対応のイヤホン(又はヘッドホン)のプラグPLGにおける接続の有無を検出するようにすれば、プラグ挿入孔24a(図8)に遠いほうに配置される端子30に結線される音声入力ラインの電圧変化から検出する場合に比して速く検出できるため、より有用となる。
【0107】
さらに上述の実施の形態においては、マイクロホンMC1が接続される一のプラグ端子17に対応する端子29に結線された音声入力ラインの電圧変化を監視するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば、カメラが接続される一のプラグ端子に対応する端子に結線された映像入力ラインの電圧変化を監視するようにてもよい。要は、入力デバイスが接続される一のプラグ端子に対応するコネクタ端子に結線された信号入力ラインであれば本発明を適用することができる。
【0108】
さらに上述の実施の形態においては、制御部50がROMに格納されたプログラムをRAM上に展開し、そのプログラムに従って、モード切換処理(図16)を実行するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、半導体メモリ等の記録媒体からインストールしたプログラムや、インターネットからダウンロードしたプログラムに従ってモード切換処理を実行するようにしても良い。
【0109】
さらに上述の実施の形態においては、携帯音楽プレーヤ1を適用するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば、DVDプレーヤ、MD(Mini Disk)プレーヤ、CDプレーヤ、ディジタルカメラ、携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistants)、ビデオカメラ又はテレビジョン受信機等、入力デバイスを有するプラグに対応するコネクタを有するこの他種々の装置を適用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0110】
本発明は、入力デバイスを有するプラグに対応するコネクタを有する装置に利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0111】
【図1】携帯音楽プレーヤの外観構成を示す略線図である。
【図2】プラグの拡大斜視図である。
【図3】プラグの拡大側面図である。
【図4】図3とは異なる方向から見た状態で示すプラグの拡大側面図である。
【図5】プラグの拡大断面図である。
【図6】図5とは異なる方向から見た状態で示すプラグの拡大断面図である。
【図7】第4の絶縁体と第5の導体を示す拡大斜視図である。
【図8】ジャックの拡大斜視図である。
【図9】図8のIX−IX線に沿う断面図である。
【図10】図8のX−X線に沿う断面図である。
【図11】プラグがジャックに連結された状態を示す拡大断面図である。
【図12】図11とは異なる方向から見た状態でプラグがジャックに連結された状態を示す拡大断面図である。
【図13】携帯音楽プレーヤの回路構成を示すブロック図である。
【図14】表示画面例を示す略線図である。
【図15】プラグ検出部の構成を示す略線図である。
【図16】モード切換処理手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0112】
1……携帯音楽プレーヤ、50……制御部、51……操作部、52……データ記憶部、53……プラグ検出部、53A……抵抗、53B……電圧検出回路、53C……スイッチ素子、54……信号処理部、54A……DSP、54B……ノイズキャンセリング信号生成部、54C……合成部、54D……信号増幅部、DP……表示部、AC1〜AC4……図形、EP1、EP2……マイク付イヤホン、MC1、MC2……マイクロホン、SK1、SK2……スピーカ、JAK……ジャック、PLG……プラグ、RT1……モード切換処理手順。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
多極プラグに対応するコネクタに配された複数のコネクタ端子のうち、所定の入力デバイスが接続される一のプラグ端子に対応するコネクタ端子に結線された信号入力ラインと、該信号入力ラインを介して上記入力デバイスに電圧を供給する電圧供給ラインとの間に設けられた抵抗と、
上記信号入力ラインに結線され、該信号入力ラインにおける電圧変化により上記多極プラグにおける接続の有無を検出する検出手段と、
上記抵抗の上記電圧供給ライン側の接続点と、上記電圧供給ラインに配された上記電圧の調整抵抗との間に設けられた開放スイッチと、
上記検出手段により上記多極プラグの接続が検出された以降に、上記開放スイッチを閉じるように、該開放スイッチを制御する制御手段と
を具えることを特徴とする入力切換装置。
【請求項2】
上記抵抗の抵抗値は、
上記入力デバイスにおける抵抗値と、上記検出手段に対して電圧変化の検出閾値として設定されたハイレベル及びローレベルのレベル比とを乗算した結果得られる値以上、上記検出手段における抵抗値と、上記レベル比とを除算した結果得られる値以下の範囲内に選定された
ことを特徴とする請求項1に記載の入力切換装置。
【請求項3】
上記信号入力ラインは、
マイクロホンが接続される一のプラグ端子に対応するコネクタ端子に結線された音声入力ラインである
ことを特徴とする請求項1に記載の入力切換装置。
【請求項4】
上記制御手段は、
上記検出手段により上記音声入力源の接続が検出された以降に、ノイズキャンセリング対応のイヤホン又はヘッドホンが接続されていることを表すアイコンを表示するように、表示手段を制御する
ことを特徴とする請求項3に記載の入力切換装置。
【請求項5】
上記制御手段は、
上記検出手段により上記多極プラグの接続が検出された以降に、フィルタ処理手段に対して、ノイズキャンセリング対応の周波数特性でなるフィルタ係数を設定するように、上記フィルタ処理手段を制御する
ことを特徴とする請求項3に記載の入力切換装置。
【請求項6】
多極プラグに対応するコネクタに配された複数のコネクタ端子のうち、所定の入力デバイスが接続される一のプラグ端子に対応するコネクタ端子に結線された信号入力ラインにおける電圧変化を検出する第1のステップと、
上記電圧変化により上記多極プラグにおける接続が検出された以降に、上記信号入力ラインを介して上記入力デバイスに電圧を供給する電圧供給ライン上に配された該電圧の調整抵抗と、上記電圧供給ライン及び上記信号入力ライン間に有する抵抗における電圧供給ライン側の接続点との間に設けられた開放スイッチを、閉じるように制御する第2のステップと
を具えることを特徴とする入力切換方法。
【請求項7】
コンピュータに対して、
多極プラグに対応するコネクタに配された複数のコネクタ端子のうち、所定の入力デバイスが接続される一のプラグ端子に対応するコネクタ端子に結線された信号入力ラインにおける電圧変化により上記多極プラグにおける接続の有無を検出する検出手段から、上記多極プラグにおける接続が検出された旨の通知を待ち受けること、
上記通知を受けた以降に、上記信号入力ラインを介して上記入力デバイスに電圧を供給する電圧供給ライン上に配された該電圧の調整抵抗と、上記電圧供給ライン及び上記信号入力ライン間に有する抵抗における電圧供給ライン側の接続点との間に設けられた開放スイッチを閉じること
を実行させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2008−91255(P2008−91255A)
【公開日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−272205(P2006−272205)
【出願日】平成18年10月3日(2006.10.3)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】