説明

入力装置、ゲーム装置及び模擬打楽器

【課題】入力感度を向上させると共に、枹などで敲いた時の打撃音を小さくすることのできる入力装置、ゲーム装置及び模擬打楽器を提供することを課題とする。
【解決手段】打撃による操作入力が行われる入力装置であって、下面に複数の凸部を有する被打撃部と、前記被打撃部の下に操作入力時の前記被打撃部からの衝撃を吸収する第一緩衝材と、前記第一緩衝材の下に前記各凸部に対応した位置に設けられた接点を有する第一スイッチとを備え、前記第一緩衝材は前記各凸部に対応した位置に穴を設けて構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入力装置及びゲーム装置及び模擬打楽器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、特開2004−070250号公報のように、太鼓状の入力装置とされるものは、太鼓の膜面となる入力領域に樹脂製ゴムによるパッドを被せ、内部に、メンブレンスイッチを設けておき、枹などを使用してパッドを敲くことによって、入力を行うことができるようになっていた。しかしながら、パッドを敲いた衝撃が、そのまま入力装置の全体に伝わってしまう為、入力装置内の空気の振動や、入力装置の振動によって比較的大きな音が発生する問題があった。
【0003】
また、遊技者が偶然にメンブレンスイッチの接点であるスイッチの間を敲いてしまうと、入力感度が悪いと感じることがある。このことにより遊技者は、自然と入力装置を強く敲くことによって入力しようとしてしまうため、打撃音が大きくなることがあった。
【特許文献1】特開2004−070250号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで、本発明は、上記従来技術の問題点に斯かる実情に鑑みなされたもので、入力感度を向上させると共に、枹などで敲いた時の打撃音を小さくすることのできる入力装置、ゲーム装置及び模擬打楽器を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1記載の発明は、打撃による操作入力が行われる入力装置であって、
下面に複数の凸部を有する被打撃部と、前記被打撃部の下に操作入力時の前記被打撃部からの衝撃を吸収する第一緩衝材と、前記第一緩衝材の下に前記各凸部に対応した位置に設けられた接点を有する第一スイッチとを備え、前記第一緩衝材は前記各凸部に対応した位置に穴が設けられていることを特徴とする。
【0006】
請求項2記載の発明は、打撃による操作入力が行われる入力装置であって、
被打撃部と、前記被打撃部の下に下面に複数の凸部を有する挿入シートと、前記挿入シートの下に操作入力時の前記被打撃部からの衝撃を吸収する第一緩衝材と、前記第一緩衝材の下に前記各凸部に対応した位置に設けられた接点を有する第一スイッチとを備え、前記第一緩衝材は前記各凸部に対応した位置に穴が設けられていることを特徴とする。
【0007】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2において、前記第一スイッチの下に、操作入力時の衝撃を吸収する第二緩衝材を備えたことを特徴とする。
【0008】
請求項4記載の発明は、請求項1乃至3のいずれかにおいて、前記入力装置の周縁に、環状に配設された第二スイッチを備えたことを特徴とする。
【0009】
請求項5記載の発明は、請求項1乃至4のいずれかにおいて、前記入力装置は、太鼓形状に形成されていることを特徴とする。
【0010】
請求項6記載の発明は、請求項1乃至5のいずれかの入力装置と、ゲームを進行させるプログラムを記憶した記憶部と、前記プログラムに従ってゲームを実行する制御部とを備え、音楽ゲームを行うことを特徴とする。
【0011】
請求項7記載の発明は、太鼓形状に形成した模擬打楽器であって、下面に複数の凸部を有する被打撃部と、前記被打撃部の下に操作入力時の前記被打撃部からの衝撃を吸収する第一緩衝材と、前記第一緩衝材の下に前記各凸部に対応した位置に設けられた接点を有する第一スイッチとを備え、前記第一緩衝材は前記各凸部に対応した位置に穴が設けられていることを特徴とする。
【0012】
請求項8記載の発明は、太鼓形状に形成した模擬打楽器であって、被打撃部と、前記被打撃部の下に下面に複数の凸部を有する挿入シートと、前記挿入シートの下に操作入力時の前記被打撃部からの衝撃を吸収する第一緩衝材と、前記第一緩衝材の下に前記各凸部に対応した位置に設けられた接点を有する第一スイッチとを備え、前記第一緩衝材は前記各凸部に対応した位置に穴が設けられていることを特徴とする。
【0013】
請求項9記載の発明は、請求項7又は8において、前記第一スイッチの下に、操作入力時の衝撃を吸収する第二緩衝材を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
請求項1記載の発明によれば、被打撃部と第一スイッチの間に、第一緩衝材を設けることによって、この入力装置に枹などを利用して操作入力をする際に、操作入力による機械的打撃音を低減することができると共に、被打撃部の内側面に複数の凸部を設けているため、該各凸部によって、第一スイッチの接点を押圧することができ、小さな力による打撃によって確実に操作入力をすることができ、入力感度を向上させることができる。
【0015】
請求項2記載の発明によれば、被打撃部と第一スイッチの間に、第一緩衝材を設けることによって、この入力装置に枹などを利用して操作入力をする際に、操作入力による機械的打撃音を低減することができると共に、被打撃部の下に、複数の凸部が設けられた挿入シートを設け、該各凸部によって第一スイッチの接点を押圧させることによって、小さな力による打撃によって確実に操作入力をすることができ、入力感度を向上させることができる。
【0016】
請求項3記載の発明によれば、第一スイッチの上に配置する第一緩衝材に加えて、第一スイッチの下にも操作入力時の衝撃を吸収する第二緩衝材を備えることによって、操作入力による打撃音をさらに低減することができる。
【0017】
請求項4記載の発明によれば、前記入力装置の周縁には、環状に配設された第二スイッチを備えることによって、第一スイッチにおける操作入力とは別に、環状に配設された第二スイッチへの打撃による操作入力を行うことができ、打撃の位置による区別を行って多彩な打撃入力を行うことができる。
【0018】
請求項5記載の発明によれば、前記入力装置は、太鼓形状に形成されていることによって、遊技者の趣向を高めることができる。
【0019】
請求項6記載の発明によれば、請求項1乃至5記載のいずれかの入力装置と、ゲームを進行させるプログラムを記憶した記憶部と、前記プログラムに従ってゲームを実行する制御部とを備えるゲーム装置とすることによって、音楽ゲームなどの様々なゲームを行うことができる。
【0020】
請求項7記載の発明によれば、太鼓形状に形成した模擬打楽器の被打撃部と第一スイッチの間に、第一緩衝材を設けることによって、枹などを利用して操作入力をする際に、操作入力による打撃音(雑音)を低減することができると共に、被打撃部の内側面に複数の凸部を設け、該各凸部によって第一スイッチの接点を押圧することができるようにしているため、小さな力による打撃によって確実に入力をすることができ、入力感度を向上させることができる。
【0021】
請求項8記載の発明によれば、太鼓形状に形成した模擬打楽器の被打撃部と第一スイッチの間に、第一緩衝材を設けることによって、枹などを利用して操作入力をする際に、操作入力による打撃音(雑音)を低減することができると共に、被打撃部の下に、複数の凸部が設けられた挿入シートを設け、該各凸部によって第一スイッチの接点を押圧することができるようにしたため、小さな力による打撃によって確実に入力をすることができ、入力感度を向上させることができる。
【0022】
請求項9記載の発明によれば、第一スイッチの上に配置する第一緩衝材に加えて、第一スイッチの下にも操作入力時の衝撃を吸収する第二緩衝材を備えることによって、操作入力による打撃音(雑音)をさらに低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
本発明に係る入力装置としては、打撃による操作入力が行われる入力装置であって、下面に複数の凸部を有する被打撃部と、前記被打撃部の下に操作入力時の前記被打撃部からの衝撃を吸収する第一緩衝材と、前記第一緩衝材の下に前記各凸部に対応した位置に設けられた接点を有する第一スイッチとを備え、前記第一緩衝材は前記凸部に対応した位置に穴が設けられ、前記第一スイッチの下には操作入力時の衝撃を吸収する第二緩衝材を設け、前記入力装置の周縁には環状に配設された第二スイッチを設けて構成し、前記入力装置は太鼓形状に形成されている入力装置とするものである。
【0024】
また、上述の入力装置の操作入力を行う被打撃部の内側面に複数の凸部を設けることに換えて、別途パッドの下へ下面に複数の凸部が設けられた挿入シートを設けた入力装置とすることもある。
【0025】
そして、ゲーム装置としては、上述の入力装置と、ゲームを進行させるプログラムを記憶した記憶部と、前記プログラムに従ってゲームを実行する制御部とを備えたゲーム装置とするものである。
【0026】
さらに、模擬打楽器としては、太鼓形状に形成した模擬打楽器であって、下面に複数の凸部を有する被打撃部を有するか、又被打撃部の下へ下面に複数の凸部が設けられた挿入シートを設けるかし、前記被打撃部又は挿入シートの下に操作入力時の前記被打撃部からの衝撃を吸収する第一緩衝材と、前記第一緩衝材の下に前記各凸部に対応した位置に設けられた接点を有する第一スイッチとを備え、前記第一緩衝材は前記凸部に対応した位置に穴が設けられ、この第一スイッチの下に操作入力時の衝撃を吸収する第二緩衝材を設けて形成した模擬打楽器とするものである。
【実施例】
【0027】
図1は、本発明の一実施例である入力装置の外観を示す図であり、図2は、入力装置の側面図である。図3は、入力装置の接続例である。図4は、入力装置のブロック図である。
【0028】
この入力装置は、打楽器音楽ゲーム、特に太鼓を用いた音楽ゲームを行う時に使用されるもので、図1及び図2に示すように、太鼓の形状をした筐体10と、この筐体10を斜めの位置に固定する支持台12とを有している。
【0029】
筐体10は、太鼓の形状を模してほぼ円形に形成され、側面周囲に所定間隔で鋲14が取り付けられた状態となっている。また、筐体10の正面手前側には、スタートボタン16及びセレクトボタン18が配設され、内部には制御部20として回路基板、後方には、ゲーム装置22やテレビ26と接続するためのコードとしての接続手段24が引き出された状態となっている。
【0030】
図3を用いて、入力装置の接続例の説明を行う。この入力装置は、接続手段24によって、ゲーム装置22やコンピュータに接続され、ゲーム装置22及びコンピュータの入力手段として使用させるようになっている。また、該ゲーム装置22は、テレビ26やモニターなどに接続され、打楽器音楽ゲームなどを遊技可能とするものである。
【0031】
図4のブロック図を用いて、入力装置の構成の説明を行う。入力装置の構成は、第一スイッチ28と、第二スイッチ30、スタートボタン16、セレクトボタン18からなる入力部32と、制御部20と、接続手段24で構成されている。また、第一スイッチ28は、左半円面64と、右半円面66の2つのメンブレンスイッチで構成されている。
【0032】
入力部32の第一スイッチ28は、筐体10の上面の被打撃部であるパッド38の下に、パッド38の周縁を除いたほぼ全面にわたって円形かつ平面状に形成されている。また、第二スイッチ30は、筐体10の上面のパッド38の周縁内部に環状に形成されている。入力部32の第一スイッチ28及び第二スイッチ30をパッド38を介して枹などで敲くことによって入力を行うことができ、ゲームの進行に応じて、該第一スイッチ28及び第二スイッチ30に入力を行うようになっている。また、入力部32のスタートボタン16とセレクトボタン18は、筐体10の正面手前側に配設され、スタートボタン16はゲームを開始又は中断する際に使用され、セレクトボタン18は、ゲームの進行時に選択肢を選択する際などに使用されるものである。
【0033】
制御部20は、入力部32から入力された入力信号を、接続手段24を介してゲーム装置22又はコンピュータなどに、送信するようになっている。接続手段24は、筐体10の後方背面から引き出されたコードで、ゲーム装置22やコンピュータに接続可能に形成されている。
【0034】
図5〜7を用いて、入力装置の内部構造の説明を行う。図5は、入力装置の分解斜視図面である。図6は、パッド38の内側に設けられた第一スイッチ用凸部28Aと、第二スイッチ用凸部30Aを示す図である。図7は、被打撃部であるパッド38を外した入力装置を上面から見た図である。筐体10は、パッド38、第一緩衝材40、第二緩衝材42、第一スイッチ28、第二スイッチ30、円板44、基台46、外装部48で構成されている。
【0035】
基台46は、樹脂製のプラスチックで形成されている。基台46の中央部は、凹部になっており、該凹部の内部には下から、第二緩衝材42、円板44、第一スイッチ28、第一緩衝材40の順に収容されている。基台46の周縁には、パッド38を取付けるための穴47を設けると共に、第二スイッチ30を環状に配設している。また、基台46は、外装部48と嵌合するようになっている。
【0036】
筐体10の上部の太鼓面の膜となるパッド38は、ポリ塩化ビニルで形成さている。パッド38の上面は、凹凸の無い状態に形成されている。また、図6に示すようにパッド38の内側周縁を除く面には、第一スイッチ用凸部28Aが設けられており、パッド38の内側周縁には、第二スイッチ用凸部30Aが設けられている。そして、パッド38の内側に設けられた凸部は、枹などの打撃による入力の衝撃によって凸部自体の形状が変形し衝撃を吸収するようになっている為に、メンブレンスイッチの接点を破損することを防ぐようになっており、メンブレンスイッチの耐久性を向上させている。また、パッド38の外周には、基台46との取付け凸部52が設けられており、該凸部を基台46周縁に設けられた穴47に挿着して固定する。
【0037】
第一スイッチ28には、メンブレンスイッチを用いている。該メンブレンスイッチは、上部接点シート56と下部接点シート58で構成され、ポリエステルフィルムで円形に形成されている。また、該上部接点シート56と下部接点シート58のそれぞれの中央部を除く右半円面66と左半円面64には、導電インク(銀ペースト、カーボン)で接点ライン60が印刷されており、上部接点シート56は、横方向に複数の直線形状とされた導電インクの接点ライン60が印刷され、下部接点シート58は、縦方向に複数の直線形状とされた導電インクの接点ライン60が印刷されており、上部接点シート56と下部接点シート58とをそれぞれを重ね合わせた時に、該接点ライン60が格子状になるように印刷されている。
【0038】
また、上部接点シート56と下部接点シート58との接点62とが、通常は接触しない程度に隙間を作るように、下部接点シート58上にはスペーサーとなる樹脂材63が印刷されている。下部接点シート58上で導電インクの接点ライン60が印刷されていないところに、本実施例では、「ロ」形状に形成された樹脂材63がマトリックス状に配設されている。なお、樹脂材63の形状はドット状であってもよい。また、ポリエステルフィルム等の絶縁材からなるフィルムスペーサーを上部接点シート56と下部接点シート58に挟持させることによって隙間を作るようにしてもよい。
【0039】
上述の、上部接点シート56と下部接点シート58に印刷された導電インクの交点となる接点62を押圧し、上部接点シート56と下部接点シート58を接触させることによって、スイッチとして使用することできるようになっている。また、上部接点シート56と下部接点シート58の一端には、スイッチの信号を制御部20に伝達する為の信号ラインが設けられている。
【0040】
さらに、上述したように、左半円面64と右半円面66にメンブレンスイッチを分けて形成しているために、左半円面64と右半円面66で独立したスイッチとして使用できるようになっている。
【0041】
上部接点シート56、下部接点シート58の中央部には、スリット59が2つ形成されており円板44との位置決めを容易にしている。
【0042】
また、メンブレンスイッチの上部接点シート56と下部接点シート58の接点ラインの印刷やスペーサーの形状は、必要に応じてその形状及び厚み等を変更することが可能である。さらに、メンブレンスイッチは防滴、防塵性、耐久性に優れている特徴があり、更に、防水用の加工を施すことによりさらに防水性を高めることも可能であり、家庭などで使用する場合など、不用意に水に濡れることがあっても、故障することがないようになっている。
【0043】
また第二スイッチ30にも、第一スイッチ28と同様に、メンブレンスイッチ68が使用されている。該メンブレンスイッチ68は、基台46の外周に環状に所定の間隔で各接点が並ぶように設けられている。パッド38の周縁を枹などで打撃することによって、パッド38の第二スイッチ用凸部30Aが、第二スイッチ30用のメンブレンスイッチ68を押圧し、第二スイッチ30の入力を行うことができる。
【0044】
円板44は、プラスチック板で形成されており、メンブレンスイッチが、打撃による衝撃に対して歪まないように設けられている。また、円板44は、枹などの打撃による点で受けた衝撃を、面で受ける衝撃に変換し、効率的に衝撃を分散することができるようになっている。
【0045】
また、円板44の中央には、仕切壁45が2つ形成されている。この仕切壁45は、組み立て時にパッド38に接する程度の高さを有している。上述したように、上部接点シート56、下部接点シート58との位置決めを容易にすると共に、左半面64と、右半面66を確実に分離し、入力時のチャタリングを防止している。すなわち、例えば左半面64を打撃して入力を行った時に、その振動からくるパッド38の歪みで右半面66にも入力が入ってしまうことを防止できる。
【0046】
第一緩衝材40は発泡ウレタンで形成されている。また、第一緩衝材40は、円形で、下面の第一スイッチ用凸部28Aの位置に対応した穴70が複数設けられ、また中央部には、スリット59が2つ形成されている。第一緩衝材40の厚みは、パッド38下面の第一スイッチ用凸部28Aの高さより厚く形成されている。また、第一緩衝材40は、パッド38よりも柔らかく、形成されている。
【0047】
第二緩衝材42はスポンジで形成されている。また、第二緩衝材42は、円形で、1〜2cmの厚みに形成されている。円板44が受けた衝撃によって、スポンジ全体が押し下げられ、衝撃を吸収するようになっている。
【0048】
筐体10の下面に位置する外装部48は、樹脂製のプラスチックで形成されている。この外装部48下面には、接続手段24であるコードを収容可能とする凹部50を設けることによって、筐体10の内側の空間を減らし、打撃による音の反響を少なくするようにしている。
【0049】
図8の入力装置を使用した時の断面図を用いて、筐体10の使用時の説明を行う。パッド38の周縁以外の場所を枹などで敲くと、その打撃によって打撃された周辺が凹み変形する。打撃による衝撃によって第一緩衝材40が凹んだことにより第一スイッチ用凸部28Aは下方へ突出し、メンブレンスイッチの交点にあたる接点62を押圧するようになっている。この時に、接点62にかかる衝撃は、第一スイッチ用凸部28A自体が変形することによって、過剰な衝撃として加わらないようになっている。また、メンブレンスイッチにかかる衝撃は、メンブレンスイッチ下に設けられた円板44によって分散し、円板44全体が第二緩衝材42を押し下げることによって、衝撃が吸収されるようになっている。
【0050】
このように、パッド38、第一緩衝材40、第二緩衝材42によって、衝撃を吸収することができるため、枹で打撃した際に発生する音を低減することができる。従来の太鼓入力装置に比べ、枹などによる打撃入力による打撃音を10%程度低減させることができる。
【0051】
また、パッド38の内側に第一スイッチ用凸部28Aを設けてメンブレンスイッチを押圧する構成にしたことによって、従来のメンブレンスイッチのみの時に比べ、遙かに入力感度が向上している。そして、パッド38とメンブレンスイッチとの間に、第一緩衝材40を設けたことによって、打撃によるパッド38の変形量が大きくなり、仮にメンブレンスイッチの接点62の中間を打撃する場合においても、打撃点の近隣の第一スイッチ用凸部28Aが、メンブレンスイッチの接点62を押圧することになる為、確実に操作入力を行うことが可能となっている。
【0052】
このように、枹の打撃音を10%低減させると共に、入力感度を向上させたことにより、遊技者は、強く打撃せずとも入力を行えるようになるために、従来よりも、小さな力によって打撃するようになり、これらの相乗効果で、枹などによる打撃音は、かなり低減できるようになっている。さらに、強く打撃する必要がなくなるために、メンブレンスイッチ自体の耐久性が向上し、故障の少ない入力装置とすることができる。
【0053】
図9(A)、図10(A)を用いて、ゲーム装置の説明を行う。図9(A)は、ゲーム装置の接続例である。ゲーム装置は、接続手段24を介してテレビ26に直接接続され、打楽器音楽ゲームなどを遊技可能となっている。図10(A)は、ゲーム装置のブロック図の例を用いて、ゲーム装置の場合の構成を説明する。第一スイッチ28と、第二スイッチ30、スタートボタン16、セレクトボタン18からなる入力部32と、制御部20と、接続手段24、記憶手段(RAM)34、プログラム(ROM)36で構成され、上述の入力装置に、記憶手段(RAM)34、プログラム(ROM)36を加えたものである。
【0054】
入力部32は、上述の入力装置と同様である。ゲーム装置の制御部20は、ゲームの進行を行うプログラム(ROM)36を読み出し、プログラムを実行するようになっている。プログラムの実行中は、接続手段24を介してテレビ26にビデオ信号が送信され、テレビ26に結果が表示されるようになっている。また、該プログラムが実行中に発生する情報を一時的に記憶したり、ゲームの中断データを記憶したりする一時的に記憶する記憶手段(RAM)34を制御する。そして、プログラムの実行中に、入力部32からの入力信号を受信すると、制御部20内の該プログラムに応じて処理され、その処理結果を接続手段24を介してテレビ26などに表示するようになっている。ゲーム装置の場合には、打楽器音楽ゲームなどを楽しむことができるようになっている。
【0055】
図9(B)、図10(B)を用いて、模擬打楽器の説明を行う。図9(B)は、模擬打楽器の外観を示している。模擬打楽器の場合では、音声出力手段37が設けられ、模擬打楽器から音を出力するようになっている。また、別途接続手段を介して、外部スピーカーなどに接続するようにしても構わない。図10(B)は、模擬打楽器のブロック図の例を用いて、模擬打楽器の場合の構成を説明する。第一スイッチ28と、第二スイッチ30、スタートボタン16、セレクトボタン18からなる入力部32と、制御部20と、記憶手段34、音声出力手段37で構成されている。上述の入力装置に、記憶手段34と、音声出力手段37を加えたものである。
【0056】
入力部32は、入力装置と同様である。記憶手段34には、第一スイッチ28と第二スイッチ30に対応した楽器の音に関する情報が記憶されている。模擬打楽器時の制御部20は、入力部32からの入力信号を受信すると、記憶手段34から、適切な楽器の音情報が引き出され、該音情報は、音声出力手段37へと送信され、入力部32の入力に応じて、音声出力手段37から音声を出力することができ、模擬打楽器として使用できようになっている。
【0057】
この以上説明したように構成することにより、入力感度を向上させると共に、枹などで敲いた時の打撃音を小さくすることのできる入力装置、ゲーム装置及び模擬打楽器を提供することができる。また、好ましい実施例を挙げて本発明を説明したが、本発明はその実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した技術的範囲内で種々に改変できる。
【0058】
例えば、パッド38の下に、第一スイッチ用凸部28Aを設けず、別途凸部が設けられた挿入シートを、パッド38と第一緩衝材40の間に挟持するようにすることによって、組み立て工程時などに、第一緩衝材40の穴70位置と、挿入シートの凸部を合わせやすく、組み立て不良などを抑制でき、初期不良を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明の一実施例である入力装置の外観を示す図である。
【図2】本発明の一実施例である入力装置の側面図である。
【図3】本発明の一実施例である入力装置の接続例である。
【図4】本発明の一実施例である入力装置のブロック図である。
【図5】本発明の一実施例である入力装置の分解斜視図面である。
【図6】本発明の一実施例である入力装置のパッドの下面に設けられた凸部を示す図である。
【図7】本発明の一実施例である入力装置の被打撃部であるパッドを外した上面から見た図である。
【図8】本発明の一実施例である入力装置の使用した時の断面図である。
【図9】本発明の一実施例であるゲーム装置及び模擬打楽器の接続例である。
【図10】本発明の一実施例であるゲーム装置及び模擬打楽器のブロック図である。
【符号の説明】
【0060】
10 筐体
12 支持台
14 鋲
16 スタートボタン
18 セレクトボタン
20 制御部
22 ゲーム装置
24 接続手段
26 テレビ
28 第一スイッチ
28A 第一スイッチ凸部
30 第二スイッチ
30A 第二スイッチ凸部
32 入力部
34 記憶手段
36 プログラム(ROM)
37 音声出力手段
38 パッド
40 第一緩衝材
42 第二緩衝材
44 円板
45 仕切壁
46 基台
47 穴
48 外装部
50 凹部
52 凸部
56 上部接点シート
58 下部接点シート
59 スリット
60 接点ライン
62 接点
63 樹脂材
64 左半円面
66 右半円面
68 メンブレンスイッチ
70 穴
72 挿入シート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
打撃による操作入力が行われる入力装置であって、
下面に複数の凸部を有する被打撃部と、
前記被打撃部の下に操作入力時の前記被打撃部からの衝撃を吸収する第一緩衝材と、
前記第一緩衝材の下に前記各凸部に対応した位置に設けられた接点を有する第一スイッチとを備え、
前記第一緩衝材は前記各凸部に対応した位置に穴が設けられていることを特徴とした入力装置。
【請求項2】
打撃による操作入力が行われる入力装置であって、
被打撃部と、
前記被打撃部の下に下面に複数の凸部を有する挿入シートと、
前記挿入シートの下に操作入力時の前記被打撃部からの衝撃を吸収する第一緩衝材と、
前記第一緩衝材の下に前記各凸部に対応した位置に設けられた接点を有する第一スイッチとを備え、
前記第一緩衝材は前記各凸部に対応した位置に穴が設けられていることを特徴とした入力装置。
【請求項3】
請求項1又は2において、前記第一スイッチの下に、操作入力時の衝撃を吸収する第二緩衝材を備えたことを特徴とした入力装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかにおいて、前記入力装置の周縁に、環状に配設された第二スイッチを備えたことを特徴とした入力装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれかにおいて、前記入力装置は、太鼓形状に形成されていることを特徴とした入力装置。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれかの入力装置と、
ゲームを進行させるプログラムを記憶した記憶部と、
前記プログラムに従ってゲームを実行する制御部とを備え、
音楽ゲームを行うことを特徴としたゲーム装置。
【請求項7】
太鼓形状に形成した模擬打楽器であって、
下面に複数の凸部を有する被打撃部と、
前記被打撃部の下に操作入力時の前記被打撃部からの衝撃を吸収する第一緩衝材と、
前記第一緩衝材の下に前記各凸部に対応した位置に設けられた接点を有する第一スイッチとを備え、
前記第一緩衝材は前記各凸部に対応した位置に穴が設けられていることを特徴とした模擬打楽器。
【請求項8】
太鼓形状に形成した模擬打楽器であって、
被打撃部と、
前記被打撃部の下に下面に複数の凸部を有する挿入シートと、
前記挿入シートの下に操作入力時の前記被打撃部からの衝撃を吸収する第一緩衝材と、
前記第一緩衝材の下に前記各凸部に対応した位置に設けられた接点を有する第一スイッチとを備え、
前記第一緩衝材は前記各凸部に対応した位置に穴が設けられていることを特徴とした模擬打楽器。
【請求項9】
請求項7又は8において、前記第一スイッチの下に、操作入力時の衝撃を吸収する第二緩衝材を備えたことを特徴とした模擬打楽器。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−86009(P2006−86009A)
【公開日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−269259(P2004−269259)
【出願日】平成16年9月16日(2004.9.16)
【出願人】(000134855)株式会社ナムコ (1,157)
【Fターム(参考)】