説明

入力装置

【課題】 特に、作動力の異なるスイッチ部を用いることで、スイッチ部の数より信号ラインの数を減らしても、各スイッチ部を特定することが可能な入力装置を提供することを目的とする。
【解決手段】 例えば8個の第1スイッチ部7と4個の第2スイッチ部8を設け、前記第1スイッチ部7は前記第2スイッチ部8よりも軽作動力で入力可能とされており、前記第2スイッチ部8は夫々、異なる前記第1スイッチ部7に近接配置されている。第1スイッチ部7は全て、個別の第1信号ライン30〜37に接続されるが、前記第2スイッチ部8は共通の第2信号ライン38に接続される。いずれかの第2スイッチ部8が押圧されたとき、その前に軽作動力で押圧された第1スイッチ部7のスイッチ信号に基づいて、押圧された第2スイッチ部8が第2スイッチ特定部46にて特定される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スイッチ部の数より信号ラインの数を減らしても、各スイッチ部を特定することが可能な構造を、作動力の異なる2種類のスイッチ部を設けることで簡単に実現できる入力装置に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1に示す操作装置では、複数のスイッチ部が一列上に並べられている。特許文献1の図4等に示すように、各スイッチ部間には抵抗体が配設されており、出力電圧値に基づいて、押圧されたスイッチ部を特定している。例えば、各スイッチ部に夫々信号ラインを接続すると、スイッチ部の数だけ信号ラインが必要となり、前記スイッチ部の数が増えれば、コネクタ等の大型化を招き好ましくない一方、特許文献1では、各スイッチ部に夫々、信号ラインを設ける必要性がないため、信号ラインを減らすことが出来る。
【特許文献1】特開2005−93128号公報
【特許文献2】特開2005−338898号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、特許文献1の方法では、単純なオン・オフ信号が得られるわけではないため、AD変換する必要がある等、後信号処理が面倒となり、また、各スイッチ部間に抵抗体を設ける必要があるため、装置の小型化を促進できず、ソフト・ハード面の両方にデメリットがあった。
【0004】
また特許文献2では、第一次入力手段として静電容量センサを用いる必要性があるため、これも単純なオン・オフ信号を得ているわけでなく、信号処理が面倒であり、もっと簡単にスイッチ部だけで構成する入力装置としたい。また、静電容量センサを用いると、座標データの位置ずれが生じやすく誤作動を生じやすい。さらに特許文献2では、静電容量センサを用いるため、適切な位置検出を行うことができるよう操作面は矩形状が適しており、例えば操作面がリング状である入力装置には適していない。
【0005】
そこで本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、特に、スイッチ部の数より信号ラインの数を減らしても、各スイッチ部を特定することが可能な構造を、作動力の異なる2種類のスイッチ部を設けることで簡単に実現できる入力装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明における入力装置は、
表面が操作面である表面部材と、前記表面部材の下に配置された複数個の第1スイッチ部及び複数個の第2スイッチ部と、を有し、
前記第1スイッチ部は、前記第2スイッチ部よりも軽作動にて入力可能で、各第1スイッチ部は、夫々、個別の第1信号ラインに接続されており、
各第2スイッチ部は、共通の第2信号ラインに接続されているとともに、夫々、別の前記第1スイッチ部に近接配置されており、
前記第1スイッチ部が押圧されて入力状態となった後、前記第1スイッチ部と近接配置された前記第2スイッチ部が押圧されて入力状態になり、前記第2信号ラインから第2スイッチ信号が検出されると、前記第1信号ラインからの第1スイッチ信号に基づいて、押圧された前記第2スイッチ部が特定されることを特徴とするものである。
【0007】
このように、本発明は、入力部として表面部材下に、スイッチ部を設けただけの単純な入力装置であり、本発明によれば、前記スイッチ部の数よりも信号ラインの数を減らすことが出来る。しかも出力される信号は全て単純なオン・オフ信号であるため、AD変換等の信号処理を必要とせずソフト・ハード面での負担を抑制できる。
【0008】
本発明では、前記第1スイッチ部と前記第2スイッチ部の作動力(オンするために必要な押圧力)が異なっている。前記第1スイッチ部のほうが軽作動で入力可能とされている。さらに、前記第2スイッチ部は、夫々、別の前記第1スイッチ部に近接配置されている。したがって本発明では、前記第2スイッチ部が入力される前に、近接配置された前記第1スイッチ部がまず入力される。
【0009】
このように本発明では、ある第2スイッチ部を押圧すると、その前に、前記第2スイッチ部に近接配置された第1スイッチ部が入力状態となり、前記第1信号ラインから第1スイッチ信号が出力される。第2スイッチ信号が検出されたとき、前記第1スイッチ信号を位置信号として用いることで、前記第2スイッチ信号が共通の第2信号ラインから出力されても、前記第1スイッチ信号に基づいて各第2スイッチ部を特定することが可能となるのである。
【0010】
本発明では、前記第1スイッチ部のみが入力状態となる第1操作状態と、前記第1スイッチ部とともに第2スイッチ部が入力状態となる第2操作状態とがあり、前記第1操作状態では、第1信号ラインから個別に出力される第1スイッチ信号に基づいて、所定の操作信号が生成され、
前記第2操作状態では、第1信号ラインから個別に出力される第1スイッチ信号が、前記第2スイッチ部を特定する位置信号として用られ、特定された第2スイッチ部の第2スイッチ信号に基づいて所定の操作信号が生成されることが好ましい。このように本発明では、第2操作状態のみならず、第1操作状態でも前記第1スイッチ部の入力に基づいて所定の操作信号を生成でき、様々な操作を行うことが出来る。
【0011】
本発明では、前記操作面は中央に開口部を有する囲み形状で形成され、前記第1スイッチ部は囲み方向に沿って配列されており、前記第1操作状態では、前記第1信号ラインからの第1スイッチ信号に基づいて、多方向入力が可能とされていることが好ましい。本発明では、前記表面部材下に、単純なスイッチ部を配置するだけで入力装置を構成するために、操作面が囲み形状で形成された形態であっても、簡単に第1スイッチ部及び第2スイッチ部を配置でき、さらに前記第1スイッチ部を、囲み方向に沿って配列することで、前記第1操作状態では、多方向入力できる。
【0012】
本発明では、操作体を前記操作面上にて摺動させることで、連続的に切り替わる前記第1信号ラインからの第1スイッチ信号に基づいて、連続的な変化をもたらす操作信号が生成可能とされることが好ましい。例えばスクロール操作信号等である。
【0013】
本発明では、前記開口部には、前記表面部材とは別個の中央表面部材が設けられ、前記中央表面部材の表面は操作面で、前記中央表面部材の下には、中央スイッチ部が設けられ、前記中央スイッチ部は、前記第1信号ライン及び前記第2信号ラインとは別個の中央信号ラインに接続され、前記第1操作状態及び前記第2操作状態とは別の第3操作状態では、前記中央信号ラインから出力される中央スイッチ信号に基づいて、所定の操作信号が生成されることが好ましい。
【0014】
また本発明では、前記第2スイッチはタクトスイッチとして構成されることが、前記操作面上を指で押圧して前記第2スイッチを入力状態としたときに、直感的にスイッチを押圧したことを認識でき、例えば指で前記操作面上を摺動させて、前記第1スイッチ部のみが入力状態となっている第1操作状態と差別化を図ることができ操作性を向上できる。
【0015】
また本発明では、特定された前記第2スイッチ部に基づいて、夫々、異なる操作信号を生成でき、様々な操作を行うことが可能である。
【発明の効果】
【0016】
本発明は、入力部として表面部材下に、スイッチ部を設けただけの単純な入力装置であり、本発明によれば、前記スイッチ部の数よりも信号ラインの数を減らすことが出来る。しかも出力される信号は全て単純なオン・オフ信号であるため、AD変換等の信号処理を必要とせずソフト・ハード面での負担を抑制できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下に、本実施形態の入力装置を図面に基づいて説明する。図1は本実施形態の入力装置の分解斜視図であり、図2は操作部材の平面図であり、図3は本実施形態の多方向入力装置の操作を説明する模式図(組み立てられた入力装置を、図2に示すA−A線に沿って高さ方向に切断し矢印方向から見た部分断面図)である。
【0018】
ここで、後述する第1スイッチ部7は8方向に入力可能な多方向スイッチであり、図1,図2では、その8方向を矢印で示している。
【0019】
図1に示すように、前記入力装置1は、固定部2と、メンブレンスイッチ3と、操作部材9と、中央キートップ15と、リング状キートップ(表面部材)16とを有して構成される。
【0020】
前記固定板2の表面には、円形状のメンブレン載置部2aが形成されていると共に、メンブレン載置部2aから4方向(上、右、下、左方向)の外向きに突出して取付腕部2bが形成され,この取付腕部2bが外部の電子機器(図示せず)等に取付けられるようになっている。
【0021】
前記メンブレンスイッチ3は、樹脂フィルムからなる1枚のシート部材4が、図3に示すように、上下に折り返されて、メンブレン載置部2aに載置可能な略円形の上部シート4aと下部シート4bとが形成され、下部シート4bからは、端子部4dが引き出されて外部の電子機器等(図示せず)に接続可能になっている。また、折り返された状態の前記シート部材4には、固定板2の取付腕部2bに載置可能な取付腕部4eと、固定板2に形成された位置決め突起2dに嵌合可能な位置決め孔4fとが形成されている。
【0022】
上部シート4aと下部のシート4bと間には、図1,図3に示すように、所定厚さのスペーサ5が挟持されており、スペーサ5は、図1に示すように、外形形状がシート部材4の上部シート4aと下部シート4bと略同形状に形成されて、4方向の位置に取付腕部5aと、位置決め孔5bとが形成されている。
【0023】
前記スペーサ5の中央部には、所定の径寸法の中央孔5cが貫通形成され、この中央孔5cから等距離の位置で、中央孔5cと4方向(上、右、下、左方向)に形成された位置決め孔5bとを結ぶ線上に第2の孔5dが4個貫通形成されている。前記第2の孔5dは、中央孔5cと同寸法の2つの孔を位置ズレさせてひょうたん状に形成されている。
【0024】
また、隣り合う第2の孔5d、5d間には、中央孔5cと同寸法の4個の第1の孔5eが貫通形成されている。前記第2、第1の孔5d、5eは、中央孔を中心として8方向の放射状の位置に等間隔に形成されている。
【0025】
また、4個の第1の孔5eは、中央孔5cを中心とする第2の孔5dの内側の孔(第1の孔)の円周上に形成されている。
【0026】
前記メンブレンスイッチ3は、図3に示すように、上部と下部のシート4a、4b間に挟持した状態のスペーサ5の中心に位置する中央孔5c内に、上部電極と下部電極とからなる中央スイッチ部6が印刷等で形成されている。
【0027】
また、メンブレンスイッチ3は、ひょうたん状の第2の孔5d内の内側に第1スイッチ部7と、外側に第2スイッチ部8とが形成されている。前記第2スイッチ部8は、夫々等間隔で配置される。前記第2スイッチ部8は、前記中央スイッチ部6を中心として90度間隔で配置される。前記内周側の第1スイッチ部7は、図示を省略するが、4個の第1の孔5e内にもそれぞれ形成されて、中央スイッチ部6を中心とする8方向の位置に、等間隔(中央スイッチ部6を中心として45度間隔)形成されている。
【0028】
即ち、メンブレンスイッチ3には、例えば中央孔5c内に中央スイッチ部6が1個、第1スイッチ部7が第2の孔5d内、及び第1の孔5e内のそれぞれに8個、第2スイッチ部8が第2の孔5dの外側に4個それぞれ形成されて、合計13個のスイッチ部が形成されている。
【0029】
また、メンブレンスイッチ3上には、メンブレンスイッチ3の上部シート4aと略同じ大きさで略円形状に形成された操作部材9が配設されている。前記操作部材9は、弾性を有する金属板からなり、プレス加工等により打抜きされて、図1,図2に示すように、メンブレンスイッチ3と外形が略同形状の円形状の外周縁部9aが形成されている。
【0030】
この外周縁部9aからは、4方向(上、右、下、左方向)に延出する取付腕部9bが形成されていると共に、取付腕部9bに固定板2に形成された位置決め突起2dが嵌合可能な位置決め孔9cが形成されている。
【0031】
また、操作部材9には、メンブレンスイッチ3の中央に位置する中央スイッチ部6と対向する位置に、中央部をドーム状に膨出した中央操作部10が形成されている。
【0032】
そして、中央操作部10のドーム状の頂部には、下向きに突出する押圧部10bが形成され、前記頂部を中央キートップ15を所定圧力の作動力で押圧操作することで、前記中央操作部10が反転して、押圧部10bが中央スイッチ部6を押圧して入力操作が可能になっている。前記中央操作部10が反転すると同時にクリック感が生じ、操作者は直感的にスイッチを押圧したことを認識できる。このように前記中央スイッチ部6は前記中央操作部10を含めてタクトスイッチとして構成されている。
【0033】
また、操作部材9には、90度間隔の位置(上、右、下、左方向)に形成した4個のひょうたん状の第2の孔5dと対向する位置の4箇所に、直径寸法が中央操作部10と略同じドーム状の4個の十字方向操作部11が形成されている。
【0034】
前記4個の十字方向操作部11のそれぞれには、図2に示すように、ドーム状の外周部から中央部の中央操作部10方向に所定寸法延出させて、第1スイッチ部7(4箇所)を入力操作可能な第1スイッチ操作部11aと、十字方向操作部11のドーム状の頂部から下向きに突出させて第2スイッチ部8を入力操作可能な第2スイッチ操作部11cとが形成されている。前記第1スイッチ部7は前記第2スイッチ部8よりも小さい作動力(オンするのに必要な作動力)で入力可能となっている。前記第1スイッチ部7が入力されても、特にクリック感は生じないが、前記第2スイッチ部8は、ドーム状の前記十字方向操作部11が反転し、第2スイッチ操作部11cにより押し当てられて入力されるとき、前記十字方向操作部11が反転すると同時にクリック感が生じ、操作者は直感的にスイッチを押圧したことを認識できる。このように前記前記第2スイッチ部8は前記十字方向操作部11を含めてタクトスイッチとして構成されている。
【0035】
また、操作部材9には、互いに隣り合う十字方向操作部11、11間で、メンブレンスイッチ3の第1の孔5eと対向する位置の4箇所に、十字方向操作部11と略同形状のドーム状の斜め方向操作部12が形成されている。前記斜め方向操作部12には、十字方向操作部11の第1スイッチ操作部11aが操作しない部分(4箇所)の第1スイッチ部7を入力操作可能とする第1スイッチ操作部12aが形成されている。前記斜め方向操作部12は、第1スイッチ操作部12aが十字方向操作部11の第1スイッチ操作部11aと同形状で中央操作部10方向に延出形成されていると共に、円形状の外形の一部が切り欠きされて切欠部12bが形成されて、ドーム状の外形が略Dカット状になっている。
【0036】
そのために、斜め方向操作部12は、作動力が十字方向操作部11より小さい力で反転して、中央操作部10及び十字方向操作部11より弱いクリック感が発生するようになっている。
【0037】
図2に示すように、中央操作部10、十字方向操作部11及び斜め方向操作部12は、それぞれは、細幅に形成された複数の連結部13に連結されている。この連結部13は、十字方向操作部11及び斜め方向操作部12から中央操作部10までの間が湾曲形成されているので、十字方向操作部11及び斜め方向操作部12から中央操作部10までの距離をかせいで、中央操作部10が弾性変形しても十字方向操作部11及び斜め方向操作部12への影響を小さくできるようになっている。
【0038】
また、操作部材9は、複数の連結部13が外周縁部9aに連結されて中央操作部10、十字方向操作部11及び斜め方向操作部12のそれぞれが一体化されている。
【0039】
また、複数の連結部13は、図3に示すように、取付腕部9bから所定高さになるようにプレス加工等で図示上方に膨出形成されている。そのために、操作部材9は、取付腕部9bをメンブレンスイッチ3に載置すると、中央操作部10、十字方向操作部11及び斜め方向操作部12のそれぞれがメンブレンスイッチ3から浮き上がるようになっている。
【0040】
あるいは、上方に配設されるリング状キートップ16の取付突起16eと連結部13に形成されている取付孔14とを接合させることで、中央操作部10の周囲に均等に配置された8個の操作部11,12のドーム状頂点部と、リング状キートップ16に形成された凸部16とが接触し、その結果、強制的に連結部13が弾性湾曲させられ、操作部材9はメンブレンスイッチ3から浮上した状態で安定する。
【0041】
この時の十字方向操作部11及び斜め方向操作部12は、外周縁部9aに近い外周側よりも、内周側の第1スイッチ操作部11a、及び第1スイッチ操作部12aがメンブレンスイッチ3から大きく離間した状態になっている。
【0042】
また、十字方向操作部11及び斜め方向操作部12間に位置する連結部13の4方向の位置には、所定の径寸法の取付孔14からなる固着部が貫通形成されている。即ち、十字方向操作部11近傍の連結部13には、リング状キートップ16に固着するための固着部(取付孔14)が形成されている。
【0043】
そして、操作部材9とメンブレンスイッチ3とは、それぞれの取付腕部9b、4eを位置合わせした状態で、固定板2のメンブレン載置部2a上に載置して、それぞれの位置決め孔4f、9cを、位置決め突起2dに嵌合させて位置決めするようになっている。そして爪状のカシメ部2cを内側に折り畳むようにカシメ付けると、メンブレンスイッチ3と操作部材9との動きが規制される。
【0044】
また、中央操作部10上には、図1に示すような、外形が略円形状の中央キートップ15が配設されている。前記中央キートップ15は、モールド樹脂材料からなり断面が略台形状の押圧面(操作面)15aと、この操作面15aの台形状の裾野部分から外側に突出して鍔部15bが形成されている。また、中央キートップ15には、下面に中央操作部10のドーム状の頂部に当接する所定高さの凸部15cが突出形成されている。このような中央キートップ15は、鍔部15bによってリング状キートップ16の嵌合孔16aから抜け止めされて支持されて、操作面15aを矢印C方向に押圧操作可能になっている(図3参照)。
【0045】
また、操作部材9の十字方向操作部11及び斜め方向操作部12上には、図1に示すような、外形が中央キートップ15より大きくて、中央部に中央キートップ15が挿通して抜け止め可能な円形状の嵌合孔(開口部)16aを有するリング状キートップ16が配設されている。
【0046】
前記リング状キートップ16は、モールド樹脂材料からなり嵌合孔16a周囲にリング状の操作面16bが形成され、この操作面16bの外周側に鍔部16cが形成され、この鍔部16cが、電子機器(図示せず)等の筐体に支持されて、所定高さ以上、リング状キートップ16が上昇しないように規制されるようになっている。操作面16bを矢印方向に押圧操作可能になっている(図3参照)。
【0047】
また、リング状キートップ16の下面側には、図3に示すように、45度間隔の8方向(上、右上、右、右下、下、左下、左、左上方向)で所定の径寸法の円周上に、十字方向操作部11及び斜め方向操作部12に当接する8個の凸部16dが突出形成されている。更に、リング状キートップ16の下面側には、複数の凸部16dの内側に、操作部材9の4個の取付孔14に嵌合する4個の取付突起16eが形成されている。操作部材9は、取付孔14を形成した部分の連結部13がリング状キートップ16の取付突起16eに固着されることで、十字方向操作部11及び斜め方向操作部12のドーム状の頂部が、リング状キートップ16の8個所に形成した凸部16dに弾接するようになっている。
【0048】
本実施形態では、前記リング状キートップ16の下側には、第1スイッチ部7が8方向(上、右上、右、右下、下、左下、左、左上方向)に夫々一つづつ設けられている。前記第2スイッチ部8は、上方向、右方向、下方向、左方向に設けられた前記第1スイッチ部7の夫々の横に近接配置されている。すなわち前記第2スイッチ部8と前記第1スイッチ部7は水平方向に設けられており、近接配置された前記第2スイッチ部8(例えば右方向の第2スイッチ部8)と前記第1スイッチ部7(右方向の第1スイッチ部7)間の間隔は、前記第2スイッチ部8(右方向の第2スイッチ部8)と他の前記第1スイッチ部7(右方向以外の第1スイッチ部7)間の間隔よりも狭くなっている。
【0049】
前記第1スイッチ部7は、前記第2スイッチ部8に比べて小さい作動力(オンするのに必要な押圧力)で入力可能となっている。一方、前記第2スイッチ部8及び中央スイッチ部6に対する作動力は前記第1スイッチ部7に比して大きく、前記第2スイッチ部8の入力は、前記第2スイッチ部8に近接配置された第1スイッチ部7の入力が前提とされる。
【0050】
図4,図5は本実施形態の入力装置1の回路構成図である。8個ある第1スイッチ部7を区別するために、各第1スイッチ部7を、「上SW」「右上SW」「右SW」「右下SW」「下SW」「左下SW」「左SW」「左上SW」として、配置場所を規定した。各スイッチ部7の配置は図2に示す矢印方向と符合している。同様に、4個ある第2スイッチ部8を区別するために、各第2スイッチ部8を、「上TSW」「右TSW」「下TSW」「左TSW」として、配置場所を規定した。「TSW」であるとしたのは、第2スイッチ部8がタクトスイッチであることを示している。必要に応じて、上SW、上TSW等という表現を用いる。
【0051】
図4,図5に示すように各第1スイッチ部7は夫々、個別の第1信号ライン30〜37に接続されている。
一方、各第2スイッチ部8は、共通の一本の第2信号ライン38に接続されている。
【0052】
また他に、前記中央スイッチ部6は前記第1スイッチ部7及び第2スイッチ部8とは個別の中央信号ライン39に接続され、さらに接地ライン40が設けられている。よって、信号ラインは、全部で11本である。
【0053】
図4,図5に示すように、各第1信号ライン30〜37は、制御部41の第1スイッチ信号検出部42に接続されている。一方、一本だけの第2信号ライン38は、第2スイッチ信号検出部45に接続されている。
【0054】
本実施形態の入力装置1の特徴的部分は、上記のように、大きな作動力が必要な第2スイッチ部8を、小さい作動力で入力可能な第1スイッチ部7の近傍に配置することで、4個ある前記第2スイッチ部8の信号ライン38を全て共通にしても、前記第2スイッチ部8とともに押圧された第1スイッチ部7のスイッチ信号に基づいて、押圧された前記第2スイッチ部8を特定できる点にある。
【0055】
図4の全てのスイッチ部がオフの状態から、今、操作者が指(操作体)で、例えば、第2スイッチ部8のうち右TSWを押すとする。
【0056】
そうすると、まず、前記右TSWに近接配置されている第1スイッチ部7のうち右SWが、軽作動にて入力され、スイッチオンとなる(図5を参照)。そうすると前記右SWに接続されている第1信号ライン32から、オン信号が前記第1スイッチ信号検出部42に入力される。第1スイッチ部7は、夫々、個別の第1信号ライン30〜37に接続されているから、オン信号を出力する第1信号ライン30〜37に基づいて、前記第1スイッチ信号検出部42では、どの第1スイッチ部7が押圧されたかを判別できる。
【0057】
その後、さらにリング状キートップ16の操作面16bがより強く下方向に押圧されることで、ドーム状の前記十字方向操作部11が反転してクリック感触を得るとともに、第2スイッチ押圧部11cが前記第2スイッチ部8を押圧し、前記第2スイッチ部8のうち右TSWが入力状態となる。前記右TSWがスイッチオンとなることで、前記第2信号ライン38からオン信号が前記第2スイッチ信号検出部45に入力される。
【0058】
前記第2スイッチ信号検出部45では、いずれかの前記第2スイッチ部8が押圧されたことしか判別できない。すなわち、第2信号ライン38は共通ラインであるため、どの第2スイッチ部8が押圧されたかを、前記第2信号ライン38からのオン出力だけでは判別できない。
【0059】
しかしながら本実施形態では、上記したように、第1スイッチ部7のうち、右SWが押圧されたことは既に、前記第1スイッチ信号検出部42でわかっているので、前記第1スイッチ信号を、第2スイッチ部8を特定するための位置信号として用いることが出来る。
【0060】
図5に示す第2スイッチ特定部46では、前記第2スイッチ信号検出部45から信号が出力されたとき、前記第1スイッチ信号検出部42からの第1スイッチ信号に基づいて、押圧された前記第2スイッチ部8を特定する。
【0061】
すなわち上の例では、前記第2スイッチ特定部46に、第1スイッチ信号検出部42から、第1スイッチ部7のうち右SWが押圧された信号情報が入るため、その情報に基づき、前記右SWに最も近い位置に配置された第2スイッチ部8の右TSWを押圧されたスイッチと判断することが出来る。
他の第2スイッチ部8の判別についても上記と同様に行われる。
【0062】
本実施形態によれば、入力部を単純なスイッチ部7,8だけで構成でき、コスト面で有利であり、また、待機時(オフ時)には、電力を消費しないので、低消費電力が求められるモバイル機器、AV機器等の各種携帯情報機器に本実施形態の入力装置1を好適に使用できる。
【0063】
そして、本実施形態では、作動力の異なる2種類のスイッチ部7,8を設け、大きな作動力が必要な第2スイッチ部8の夫々に個別の信号ラインを設ける必要がないため、信号ラインの総数を減らすことが出来る。また、上記した特許文献1のような出力電圧変化に基づいてスイッチ部を特定するものでなく、単純なオン・オフ信号だけを取り出すので、AD変換等の面倒な回路処理が必要なく、ソフト・ハード面での負担を抑制することが出来る。
【0064】
本実施形態のような多方向スイッチである第1スイッチ部7においては、例えば複数のスイッチ部7が同時に押圧されたとき等、押圧されたスイッチを特定するためのスイッチ位置補正手段(アルゴリズム)が必須であるが、このようなアルゴリズムは、第1スイッチ部7の検出部側だけに設ければ、特に、第2スイッチ部8の検出部側に設ける必要はなく、回路設計が簡単である。すなわち、本実施形態では、第2スイッチ部8が押圧されたか否かを前記第2スイッチ信号検出部45で判断できれば、前記第2スイッチ部8の特定は、前記第1スイッチ信号検出部42からのスイッチ信号に基づいて行うので、第2スイッチ部8の検出部側に、前記アルゴリズムを設ける必要がない。
【0065】
また、本形態よりももっと多くの第2スイッチ部8が設けられる場合、押圧したときに同時に2つ以上の第2スイッチ部8が入力状態になる可能性があるが、かかる場合でも、第1スイッチ部7での上記アルゴリズムによってまず、押圧された第1スイッチ部7を特定し、その信号情報に基づいて、第2スイッチ部8を特定すれば、特に、前記第2スイッチ部8の検出部側に、前記アルゴリズムを設ける必要がない。
【0066】
上記アルゴリズムの具体例としては、例えば、奇数の第1スイッチ部7が押圧されたことを検知すれば、その真ん中の第1スイッチ部7が押圧されたとする。例えば、上SW、右上SW、右SWの3つのスイッチから信号出力があった場合、右上SWが押圧されていると判断する。
【0067】
また例えば上SWと右上SWの2つのスイッチから信号出力があった場合は、第2スイッチ信号検出部45から信号出力があれば、押圧されたスイッチは上SWとみなし、第2スイッチ信号検出部45から信号出力がなければ、押圧されたスイッチは右上SWとみなす。
【0068】
あるいは、過去の第1スイッチ部7の出力情報をもとに、次に押圧されるスイッチを予測する等して、押圧された第1スイッチ部7を判定する。
なおアルゴリズムは上記に限定されるものではない。
【0069】
本実施形態では、作動力の異なる2種類の第1,第2スイッチ部7,8を、同じリング状キートップ16下に配置することで、軽作動力により第1スイッチ部7のみが入力状態となる第1操作状態と、さらに強く押圧して前記第1スイッチ部7とともに第2スイッチ部8の双方が入力状態となる第2操作状態とを作り出すことが出来る。
【0070】
前記第1操作状態では、前記第2スイッチ信号検出部45から信号出力がないので、かかる場合、操作信号生成部43では、前記第1スイッチ信号に基づいて所定の操作信号が生成される。すなわち前記第1スイッチ信号は、前記第2スイッチ部8を特定する位置信号として使用されない。
【0071】
本実施形態では、リング状キートップ16の操作面16b下に、リング状に配列された8個の第1スイッチ部7を配置しており、このような形態とすることで、図6に示すように、指Fを、前記操作面16b上で、軽作動力で簡単且つ適切に摺動操作でき、8方向に連続的に入力でき、連続的な変化をもたらす操作信号を生成できる。前記第1操作状態における操作信号の具体例を以下に示す。
【0072】
図6のように指Fを操作面16b上にてリング状に摺動させると、前記第1スイッチ信号検出部42には、各第1信号ライン30〜37から連続的に切り替わる第1スイッチ信号が入力される。このような連続的に変化する第1スイッチ信号に基づいて、前記操作信号生成部43では、スクロール操作信号を生成し、図6のAに示すように、電子機器50の表示画面51の画面をスクロールさせる。あるいは、前記操作信号生成部43では、図6のBに示すように、表示画面51に表示されたカーソル52を移動させるカーソル移動操作信号、図6のCに示すように、表示画面51に表示されたアイコンやフォルダ等の選択を連続的に切り替える操作信号、図6のDのように、表示画面51に表示された表示を拡大あるいは縮小する操作信号、等を生成できる。
【0073】
次に、操作者は、図7に示すように、第2スイッチ部8のうち、ちょうど指Fを、上TSWが存在する操作面16b上にて、上記第1操作状態よりも強く下方向に押圧し、前記上TSWを入力状態とする(第2操作状態)。
【0074】
前記第2操作状態では、前記上TSWが入力される前に、第1スイッチ部7のうち、上SWが入力状態になるので、前記第2スイッチ特定部46では、前記第1スイッチ信号検出部42からの第1スイッチ信号(すなわち上SWの信号)に基づいて、押圧された第2スイッチ部8を上TSWと特定する。
【0075】
図4,図5に示すように、第2スイッチ特定部46にて特定された第2スイッチ信号は、操作信号生成部44に送られ、ここで前記第2スイッチ信号に基づいて所定の操作信号が生成される。
【0076】
図7に示すように、操作面16bには、例えば、第2スイッチ部8があることを示す表示部53が印刷等で設けられている。今、操作者が指Fで第2スイッチ部8のうち上TSWを押圧すると、前記制御部41に設けられた操作信号生成部44では、例えば図7のAのように音楽を再生、一時停止する操作信号を生成し、例えば上記した第1操作状態にて選曲された音楽を、再生あるいは一時停止する。
【0077】
または、前記操作信号生成部44では、図7のBに示すように、表示画面51にて表示される画面(図7のBに示すように、電話帳画面あるいはメール画面等)を選択、あるいは切換る操作信号、あるいは、前記上TSWを連続的に押圧したり、継続的に長く押圧することで、図7Cに示す表示画面51に表示されたアイコンやフォルダ等の選択を連続的に切り替える操作信号を生成したり、図7Dに示す表示画面51に表示された表示状態を決定する操作信号、等を生成できる。
【0078】
本実施形態では、上TSW以外の箇所の第2スイッチ部8、すなわち、右TSW、下TSW、及び左TSWを押圧したときに、夫々、異なる操作信号が出力されるようにすることが好ましい。特に本実施形態では、押圧された各第2スイッチ部8を、第1スイッチ信号にて、前記第2スイッチ特定部46により特定できるので、各第2スイッチ部8が押圧されたときに生成される操作信号を、夫々別のものにできる。例えば図7のAの音楽モードでは、上TSWが押圧されたときは、上記したように音楽を再生、一時停止する操作信号、右TSWが押圧されたときは、後の曲を選曲する操作信号、下TSWが押圧されたときは、曲を停止する操作信号、左TSWが押圧されたときは、前の曲を選曲する操作信号、等の各種信号を生成できる。
【0079】
また前記第2スイッチ部8を押圧する時間の長さ等によって、異なる操作信号が生成されるように設定することも出来る。
【0080】
また、中央キートップ15の操作面15a上を押圧して、前記中央スイッチ部6が入力されると(第3操作状態)、例えば今、画面に表されている表示状態を決定する操作信号等が出力される。前記中央キートップ15は、リング状キートップ16に対し独立して昇降可能となっているため、中央スイッチ部6に接続される信号ライン39も、第2信号ライン38とは別に設けられ、直接、操作信号生成部44に接続されて、前記信号ライン39からのスイッチ信号を受けて、前記操作信号生成部44で操作信号を生成できるようになっている。
【0081】
なお図4,図5では、操作信号生成部43,44を、前記第1スイッチ信号検出部42、第2スイッチ信号検出部45、第2スイッチ特定部46を有する制御部41内に設けられているが、前記操作信号生成部43,44を別の制御部内に設けて、前記制御部41からは、第1スイッチ信号検出部42及び第2スイッチ特定部46から夫々、第1スイッチ信号、第2スイッチ信号が出力されるようにしてもよい。
【0082】
以上のように、本実施形態では、入力を全てスイッチ部で構成でき、簡単な構成に出来る。しかも軽作動力で入力状態となる第1スイッチ部7を、リング状キートップ16の下に、リング状に一列に配列するだけで、前記リング状キートップ16の操作面16b上に指Fを軽作動力で摺動させたときに、連続的に、第1信号ライン30〜37から出力されるスイッチ信号を切り替えることができ、図6で説明したスクロール等のように連続的な変化をもたらす操作信号を簡単に生成できる。しかも近接配置された第2スイッチ部8が押圧されたときには、押圧された第2スイッチ部8の位置を特定する位置信号として使用できる。そして本実施形態では、第1操作状態及び第2操作状態で出力される信号は全てオン・オフ信号であるから、簡単な回路構成で安定した動作を行わせることが可能となる。
【0083】
前記キートップ16の操作面16bはリング状であることに限定されない。中央に開口部がある、例えば矩形枠形状等の囲み形状であってもよい。ただし、操作者が操作面上を摺動操作するとき、リング状であることが簡単且つ適切に操作でき、操作者に不快感を与えることも無く好ましい。
【0084】
また、本実施形態のようにリング状キートップ16としても、その下に軽作動力で入力状態となる第1スイッチ部7を同じくリング状に多数配列させるだけで、簡単な構造で、タッチパッドのような人間の直感的なアナログ操作を可能とし、使い勝手がよい。
【0085】
また、前記第1スイッチ部7及び第2スイッチ部8の数及び配置は、上記した数及び配置に限定されるものでないが、前記第2スイッチ部8は、少なくとも前記第1スイッチ部7以下の数だけ設けられ、夫々、別の第1スイッチ部7に近接配置される。
【0086】
また図4,図5に示すように第2信号ライン38が一本だけ設けられる形態が、最も好ましいが、例えば信号ラインの配置の関係上等で、共通の第2信号ラインを複数本とする形態を除外しない。例えば上TSWと右TSWとを共通の第2信号ラインに接続し、下TSWと左TSWとを共通の第2信号ラインに接続する如くである。
【0087】
本実施形態の入力装置1は、携帯電話や、携帯音楽プレーヤ、電子手帳、等、小型電子機器への使用が最適である。
【図面の簡単な説明】
【0088】
【図1】本実施形態の入力装置の分解斜視図、
【図2】前記入力装置を構成する操作部材の平面図、
【図3】入力装置の操作を説明する模式図であり、組み立てられた入力装置を、図2に示すA−A線に沿って高さ方向に切断し矢印方向から見た部分断面図)、
【図4】入力装置の回路構成図(スイッチ部は全てオフ状態)、
【図5】入力装置の回路構成図(第1スイッチ部及び第2スイッチが夫々一つづつオンとされた状態)、
【図6】第1操作状態を説明する具体例、
【図7】第2操作状態を説明する具体例、
【符号の説明】
【0089】
1 入力装置
2 固定板
2a メンブレン載置部
3 メンブレンスイッチ
4 シート部材
4a 上部シート
4b 下部シート
5 スペーサ
6 中央スイッチ部
7 第1スイッチ部
8 第2スイッチ部
9 操作部材
9a 外周縁部
10 中央操作部
11 十字方向操作部
12 斜め方向操作部
13 連結部
15 中央キートップ
15a 操作面
15c 凸部
16 リング状キートップ
16b 操作面
16d 凸部
30〜37 第1信号ライン
38 第2信号ライン
39 中央信号ライン
40 接地ライン
41 制御部
42 第1スイッチ信号検出部
43、44 操作信号生成部
45 第2スイッチ信号検出部
46 第2スイッチ特定部
50 電子機器
51 表示画面
53 表示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面が操作面である表面部材と、前記表面部材の下に配置された複数個の第1スイッチ部及び複数個の第2スイッチ部と、を有し、
前記第1スイッチ部は、前記第2スイッチ部よりも軽作動にて入力可能で、各第1スイッチ部は、夫々、個別の第1信号ラインに接続されており、
各第2スイッチ部は、共通の第2信号ラインに接続されているとともに、夫々、別の前記第1スイッチ部に近接配置されており、
前記第1スイッチ部が押圧されて入力状態となった後、前記第1スイッチ部と近接配置された前記第2スイッチ部が押圧されて入力状態になり、前記第2信号ラインから第2スイッチ信号が検出されると、前記第1信号ラインからの第1スイッチ信号に基づいて、押圧された前記第2スイッチ部が特定されることを特徴とする入力装置。
【請求項2】
前記第1スイッチ部のみが入力状態となる第1操作状態と、前記第1スイッチ部とともに第2スイッチ部が入力状態となる第2操作状態とがあり、前記第1操作状態では、第1信号ラインから個別に出力される第1スイッチ信号に基づいて、所定の操作信号が生成され、
前記第2操作状態では、第1信号ラインから個別に出力される第1スイッチ信号が、前記第2スイッチ部を特定する位置信号として用られ、特定された第2スイッチ部の第2スイッチ信号に基づいて所定の操作信号が生成される請求項1記載の入力装置。
【請求項3】
前記操作面は中央に開口部を有する囲み形状で形成され、前記第1スイッチ部は囲み方向に沿って配列されており、前記第1操作状態では、前記第1信号ラインからの第1スイッチ信号に基づいて、多方向入力が可能とされている請求項2記載の入力装置。
【請求項4】
操作体を前記操作面上にて摺動させることで、連続的に切り替わる前記第1信号ラインからの第1スイッチ信号に基づいて、連続的な変化をもたらす操作信号が生成可能とされる請求項3記載の入力装置。
【請求項5】
前記開口部には、前記表面部材とは別個の中央表面部材が設けられ、前記中央表面部材の表面は操作面で、前記中央表面部材の下には、中央スイッチ部が設けられ、前記中央スイッチ部は、前記第1信号ライン及び前記第2信号ラインとは別個の中央信号ラインに接続され、前記第1操作状態及び前記第2操作状態とは別の第3操作状態では、前記中央信号ラインから出力される中央スイッチ信号に基づいて、所定の操作信号が生成される請求項3または4に記載の入力装置。
【請求項6】
前記第2スイッチ部はタクトスイッチとして構成される請求項1ないし5のいずれかに記載の入力装置。
【請求項7】
特定された前記第2スイッチ部の第2スイッチ信号に基づいて、夫々、異なる操作信号が生成可能とされる請求項1ないし6のいずれかに記載の入力装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−27159(P2008−27159A)
【公開日】平成20年2月7日(2008.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−198576(P2006−198576)
【出願日】平成18年7月20日(2006.7.20)
【出願人】(000010098)アルプス電気株式会社 (4,263)
【Fターム(参考)】