説明

入退出管理システム

【課題】 2人照合機能とアンチパスバック機能の2つの機能を有している入退出管理システムにおいて、人手を介することなく、所望の3人照合を可能とする手段を得ること
【解決手段】2人照合が承認され、電気錠が開錠した後、電気錠が開錠中で、かつ扉は閉めたままの状態において、任意の組み合わせによる2人が入室する前に、任意の組み合わせによる2人以外のグループに属するメンバーのいずれか1人に該当する3人目がカード操作をおこなうと、任意の組み合わせによる2人と前記3人目の3人が共に入室を承認されたとする通行履歴が記録されて、前記任意の組み合わせによる2人と前記3人目が共に入室できるコントローラを備えたことを特徴とする入退出管理システムと、を設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、入室及び退室をID判別に基づいて管理する入退室管理システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の入退室管理システムとして、セキュリティーを高めるために2人照合機能とアンチパスバックチェック機能の両方を組み合わせて備えているものがある。2人照合機能とは、1人の照合だけでなく、2人の照合がOK時にドアの電気錠を制御して入退室を可能とするシステム機能である。このシステムの目的は、あるエリアに入室した人が、そのエリアに単独で滞留できないようにすることである。そのため、入室時だけでなく、退室時も、常に2人照合による入退室管理をおこなう運用が望ましい。なぜなら、入室時に2人照合をおこなったとしても、退室時に1人での退室を認めてしまうと、最終的に当該エリアに1人だけで滞留する状態が起こり得るため、2人照合の目的を阻害する要因となってしまうからである。アンチパスバックチェック機能とは、あるエリアに入室中で退室していない人の同エリアへの再入室と、あるエリアに入室していない人の同エリアからの退室を禁止する機能である。例えば、かかる機能を実現するには下記特許文献1に示すように、部屋の入口側と出口側に設けられたID判別装置としてのカードリーダで、IDカードの照合結果がOK時には、ドアの電気錠を解錠して入退室を可能にしている。
【0003】
図10〜図11は例えば特許文献1号に示された従来の入退室管理システムを示す図である。図10は従来の2人照合による入退室管理システムの構成図を示し、図において、1は通行者A、2は通行者が保持するカードA、3はカードA2内のカード個人識別番号A、4は通行者B、5は通行者が保持するカードB、6はカードB5内のカード個人識別番号B、7はあるエリアの入口側と出口側に設けられたID判別装置としてのカードリーダ、8はカードリーダ7に設けられ、通行者が保持するカード内のカード個人識別番号を読取るカード読取部、9はカード読取部8で取得したカード個人識別番号データの通信処理をおこなうカードリーダ7に設けられたデータ通信処理装置、また、中央処理装置11、通行可否データベース12、通行履歴データベース13を備えてなるコントローラ10は、2人照合機能及びアンチパスバック機能の2つの機能を有効とするようにカードリーダ7を制御している。14はコントローラ10に設けられた扉制御部、15は扉制御部14が制御する扉である。
【0004】
次に、上記構成に係る具体的動作について図11のフローチャートに基づいて説明する。通行者A1がカードリーダ7のカード読取部8にカードA2をかざす(ST1)。カード読取部8がカードA2内のカード個人識別番号A3を読取ると、カードリーダ7のデータ通信処理装置9がカード個人識別番号A3をコントローラ10の中央処理装置11へ送り、カード個人識別番号B6と通行可否データベース12とを照合する。上記照合結果が通行不可の場合(ST2_NO)は再度、通行者A1はカード読取部8にカードA2をかざす。
【0005】
上記照合結果が通行可の場合(ST2_YES)、一定時間内(ST3_NO)に通行者B4がカードリーダ7のカード読取部8にカードB5をかざす(ST14)。一定時間が過ぎる(ST3_YES)と再度、ST1からやりなおす(又は終了)。カード読取部8がカードB5内のカード個人識別番号B6を読取と、カードリーダ7のデータ通信処理装置9がカード個人識別番号B6をコントローラ10の中央処理装置11へ送り、カード個人識別番号B6と通行可否データベース12とを照合する。
【0006】
上記照合結果が通行不可の場合(ST5_NO)、一定時間内(ST6_NO)に再度、通行者B4がカードリーダ7のカード読取部8にカードB5をかざす。一定時間が過ぎると(ST6_YES)再度、ST11からやりなおす(又は終了)。上記照合結果が通行可の場合(2人照合OK)(ST5_YES)にはコントローラ10内の中央処理装置11は扉制御部14を経由して扉15を一時解錠させる(ST7)。同時に中央処理装置11は通行履歴データベース12に通行者A1と通行者B4の通行履歴を残す(ST8)。コントローラ10内の中央処理装置11は扉制御部14を経由して扉15を施錠する(ST19)。なお、入室時と退室時ともにシステム構成及びフローチャートは同様である。
【0007】
【特許文献1】特公平8−31145号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記のような2人照合機能とアンチパスバック機能の2つの機能を有している入退出管理システムによれば、2人の通行者のいずれか1人が何らかの事情により不在であって、もう1人は、あるエリアに入室したい場合、2人が揃っていれば本来入室できるにもかかわらず、2人照合機能によるシステム運用上、単独での入退室は禁止されてしまう。また、仮に、別の2人が入室するタイミングで、共連れの3人目として入室できたとしても、アンチパスバックチェック機能により不正入室となるため、正常に退室することはできない。
【0009】
そのため、通行者からは、このような運用上の問題を改善することで、より利便性が高いシステムにして欲しいというニーズがある。そこで、2人照合機能を有しているシステムにおいて、このように1人となった通行者であっても、正式な照合をおこない入退室を可能にするための手段としては、1人照合による入退室を可能にする手段と、別の2人と1人とを組み合わせた3人での3人照合による入退室を可能にする手段とがある。1人照合による入退室を可能とする手段の場合、あるエリアに1人だけで滞留する状態を防止することができないため、2人照合機能の目的が阻害される恐れがある。3人照合による入退室を可能とする手段の場合、あるエリアに1人だけで滞留する状態にはならないため、2人照合機能の目的は阻害されることはないので問題は無いが、その実現においては他方でいくつかの技術的・コスト的な問題を抱えている。
【0010】
例えば、2人照合によるシステムにおいて、3人照合をおこなうためには、通行者に何らかの事情があること、すなわち、3人照合をおこなって入室したい正当な理由があることを条件に運用することが望ましいと言える。なぜなら、2人照合ができるにもかかわらず、特段の理由も無く、3人照合をおこなうことを認めると、2人照合による運用の意義が埋没してしまうからである。従って、通行者が、このような3人照合をおこなう場合には、正当な理由があるか否かを確認する必要がある。しかし、このような確認をおこなうための手段をシステムだけで構築する場合、確認する方法によっては複雑となってしまう問題がある。
【0011】
このような確認をおこなうための操作ボタンや3人照合を有効にできる操作ボタンを設ける等の手段も考えられる。通常、このような操作ボタンは複雑にすると使い難くなるため、簡単に操作できるように設定される。しかし、このような操作ボタンは、通行者に特段の理由が無くても、安易に使用される恐れがあり、正当な理由があることを条件に運用することが困難となってしまう問題がある。
【0012】
一方、管理人等の人手を利用すれば、このような確認をおこなうことは可能ではあるが、3人照合をおこなう場合、3人目をどのように扱い、管理するかが問題となる。例えば、3人目を何らかの照合手段(1人照合又は3人照合等がある)により入室させる場合、管理人等が通行者に正当な理由があることを確認した後、この照合手段により通行者を入室させる運用とする必要がある。このような運用をおこなうには、この照合手段を有効にするための操作を、通行者が単独に操作できるものではなく、管理人だけが専用に操作できるような照合手段としなければならない。このため、入室時だけでなく、退室時のいずれの場合においても、管理人等がこの照合手段を有効にする操作をしなければならず、管理人等と通行者の両者が共に、入退室時における手間が非常に煩雑となってしまい、却って、不便となる恐れもある。
【0013】
従って、このように、2人照合によるシステムにおいて、3人照合をおこなうシステムを実現するには、人手を介することなくシステムだけで構築することは技術的に困難な面があり、仮に、管理人等の人手を利用してシステムを構築しても、2人照合機能の目的が阻害されたり、手間が煩雑となったり、人件費等のコストが増大するという問題があった。
【0014】
この発明は上記のような問題を解決するためになされたものであり、その目的は、2人照合機能とアンチパスバック機能の2つの機能を有している入退出管理システムにおいて、人手を介することなく、所望の3人照合機能を可能にすることができる入退出管理システムを得ることである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
この発明にかかる入退出管理システムは、予め登録された2人以上のグループのメンバーに属する1人での単独照合はおこなわず、前記メンバーで任意の組み合わせによる2人が揃って所定の照合をおこなう2人照合機能と、あるエリアに入室した後、退室した記録が無い人の同エリアへの再入室と、あるエリアに入室した記録の無い人の同エリアからの退室を禁止するアンチパスバックチェック機能とを備えた入退出管理システムにおいて、2人照合が承認され、電気錠が開錠した後、電気錠が開錠中で、かつ扉は閉めたままの状態において、任意の組み合わせによる2人が入室する前に、任意の組み合わせによる2人以外のグループに属するメンバーのいずれか1人に該当する3人目がカード操作をおこなうと、この3人が共に入室を承認されたとする通行履歴が記録されて、共に入室できるコントローラを備えたことを特徴とする入退出管理システムを設けて構成したものである。
【0016】
また、この発明にかかる入退出管理システムは、予め登録された2人以上のグループのメンバーに属する1人での単独照合はおこなわず、前記メンバーで任意の組み合わせによる2人が揃って所定の照合をおこなう2人照合機能と、あるエリアに入室した後、退室した記録が無い人の同エリアへの再入室と、あるエリアに入室した記録の無い人の同エリアからの退室を禁止するアンチパスバックチェック機能とを備えた入退出管理システムにおいて、任意の組み合わせによる2人のいずれか1人はカード操作だけをおこない、もう1人は通行履歴を残さない機能を有効にしてからカード操作することで、2人照合が承認され、通行履歴を残さない機能を有効にせず、カード操作だけをおこなった1人目が入室した後、通行履歴を残さない機能を有効にしてからカード操作した2人目が入室する前に、3人目と揃って、再度2人照合をおこなうと、この3人が共に入室を承認されたとする通行履歴が記録されて、入室できるコントローラを備えたことを特徴とする入退出管理システムを設けて構成したものである。
【0017】
また、この発明にかかる入退出管理システムは、予め登録された2人以上のグループのメンバーに属する1人での単独照合はおこなわず、前記メンバーで任意の組み合わせによる2人が揃って所定の照合をおこなう2人照合機能と、あるエリアに入室した後、退室した記録が無い人の同エリアへの再入室と、あるエリアに入室した記録の無い人の同エリアからの退室を禁止するアンチパスバックチェック機能とを備えた入退出管理システムにおいて、2人照合が承認され、電気錠が開錠した後、電気錠が開錠中で、かつ扉が開いてから、任意の組み合わせによる2人又は任意の組み合わせのいずれか1人が扉を閉める前の状態において、任意の組み合わせによる2人以外のグループに属するメンバーのいずれか1人に該当する3人目がカード操作をおこなうと、この3人が共に入室を承認されたとする通行履歴が記録されて、共に入室できるコントローラを備えたことを特徴とする入退出管理システムを設けて構成したものである。
【0018】
また、この発明にかかる入退出管理システムは、予め登録された2人以上のグループのメンバーに属する1人での単独照合はおこなわず、前記メンバーで任意の組み合わせによる2人が揃って所定の照合をおこなう2人照合機能と、あるエリアに入室した後、退室した記録が無い人の同エリアへの再入室と、あるエリアに入室した記録の無い人の同エリアからの退室を禁止するアンチパスバックチェック機能とを備えた入退出管理システムにおいて、任意の組み合わせによる2人と3人目が共に入室を承認されたとする通行履歴が記録された3人のいずれか2人が、2人照合機能による退出を禁止する手段と、3人が揃ってカード操作をおこなうと、3人が共に退室を承認されたとする通行履歴が記録されて、3人が共に退室できる手段とを備えたことを特徴とする入退出管理システムを設けて構成したものである。
【0019】
また、この発明にかかる入退出管理システムは、予め登録された2人以上のグループのメンバーに属する1人での単独照合はおこなわず、前記メンバーで任意の組み合わせによる2人が揃って所定の照合をおこなう2人照合機能と、あるエリアに入室した後、退室した記録が無い人の同エリアへの再入室と、あるエリアに入室した記録の無い人の同エリアからの退室を禁止するアンチパスバックチェック機能とを備えた入退出管理システムにおいて、あるエリアの在室者が残り5人以上いるとき、在室者のいずれか2人の2人照合が承認され、電気錠が開錠した後、電気錠が開錠中で、かつ扉は閉めたままの状態において、2人照合が承認された2人が退室する前に、2人照合がおこなわれていない在室者の3人目がカード操作をおこなうと、在室者の3人が共に退室を承認されたとする通行履歴が記録されて退室できる手段を備えたことを特徴とする入退出管理システムを設けて構成したものである。
【0020】
また、この発明にかかる入退出管理システムは、予め登録された2人以上のグループのメンバーに属する1人での単独照合はおこなわず、前記メンバーで任意の組み合わせによる2人が揃って所定の照合をおこなう2人照合機能と、あるエリアに入室した後、退室した記録が無い人の同エリアへの再入室と、あるエリアに入室した記録の無い人の同エリアからの退室を禁止するアンチパスバックチェック機能とを備えた入退出管理システムにおいて、あるエリアの在室者が残り5人以上いるとき、在室者のいずれか1人目はカード操作だけをおこない、2人目は通行履歴を残さない機能を有効にしてからカード操作することで、2人照合が承認され、通行履歴を残さない機能を有効にせず、カード操作だけをおこなった1人目が退室した後、通行履歴を残さない機能を有効にしてからカード操作した2人目が退室する前に、2人照合がおこなわれていない在室者の3人目と揃って、再度2人照合をおこなうと、在室者の3人が共に退室を承認されたとする通行履歴が記録されて退室できる手段を備えたことを特徴とする入退出管理システムを設けて構成したものである。
【0021】
また、この発明にかかる入退出管理システムは、予め登録された2人以上のグループのメンバーに属する1人での単独照合はおこなわず、前記メンバーで任意の組み合わせによる2人が揃って所定の照合をおこなう2人照合機能と、あるエリアに入室した後、退室した記録が無い人の同エリアへの再入室と、あるエリアに入室した記録の無い人の同エリアからの退室を禁止するアンチパスバックチェック機能とを備えた入退出管理システムにおいて、あるエリアの在室者が残り5人以上いるとき、在室者のいずれか2人の2人照合が承認され、電気錠が開錠した後、電気錠が開錠中で、かつ扉が開いてから、扉を閉める前の状態において、2人照合がおこなわれていない在室者の3人目がカード操作をおこなうと、在室者の2人と3人目の3人が共に退室を承認されたとする通行履歴が記録されて退室できる手段を備えたことを特徴とする入退出管理システムを設けて構成したものである。
【0022】
また、この発明にかかる入退出管理システムは、予め登録された2人以上のグループのメンバーに属する1人での単独照合はおこなわず、前記メンバーで任意の組み合わせによる2人が揃って所定の照合をおこなう2人照合機能と、あるエリアに入室した後、退室した記録が無い人の同エリアへの再入室と、あるエリアに入室した記録の無い人の同エリアからの退室を禁止するアンチパスバックチェック機能とを備えた入退出管理システムにおいて、あるエリアの在室者が残り4人になったとき、在室者のいずれか3人が共に退出することを禁止する手段を備えたことを特徴とする入退出管理システムを設けて構成したものである。
【0023】
また、この発明にかかる入退出管理システムは、予め登録された2人以上のグループのメンバーに属する1人での単独照合はおこなわず、前記メンバーで任意の組み合わせによる2人が揃って所定の照合をおこなう2人照合機能と、あるエリアに入室した後、退室した記録が無い人の同エリアへの再入室と、あるエリアに入室した記録の無い人の同エリアからの退室を禁止するアンチパスバックチェック機能とを備えた入退出管理システムにおいて、あるエリアの在室者が残り3人になったとき、在室者のいずれか2人の2人照合による退出を禁止する手段と、在室者の3人が揃ってカード操作をおこなうと、3人が共に退室を承認されたとする通行履歴が記録されて退室できる手段を備えたことを特徴とする入退出管理システムを設けて構成したものである。
【発明の効果】
【0024】
この発明は、2人照合機能とアンチパスバック機能の2つの機能を有している入退出管理システムにおいて、2人照合が承認された後、3人目が予め設定された電気錠と扉の開錠タイミングに合わせてカード操作をおこなうと、3人で入室した通行履歴が記録され、3人が共に入室可能となり、人手を介することなく3人照合による入室をおこなうことができるようにしたので、より高度なセキュリティーシステムが実現できる。
【0025】
また、この発明は、2人照合機能とアンチパスバック機能の2つの機能を有している入退出管理システムにおいて、2人照合をおこなうとき、履歴を残さない機能を有効にしてカード操作をおこなった1人が、再度、3人目と2人照合をおこなうと、3人で入室した通行履歴が記録され、3人が入室可能となり、人手を介することなく3人照合による入室をおこなうことができるようにしたので、より高度なセキュリティーシステムが実現できる。
【0026】
また、この発明は、2人照合機能とアンチパスバック機能の2つの機能を有している入退出管理システムにおいて、3人で入室した通行履歴が記録された3人のいずれか2人による退出を禁止し、3人が揃ってカード操作をおこなうと、3人で退室した通行履歴が記録され、3人が共に退出可能となり、人手を介することなく3人照合による退室をおこなうことができるようにしたので、より高度なセキュリティーシステムが実現できる。
【0027】
また、この発明は、2人照合機能とアンチパスバック機能の2つの機能を有している入退出管理システムにおいて、あるエリアの在室者が残り5人以上いるとき、2人照合が承認された後、3人目が予め設定された電気錠と扉の開錠タイミングに合わせてカード操作をおこなうと、3人で退室した通行履歴が記録され、3人が共に退室可能となり、人手を介することなく3人照合による退室をおこなうことができるようにしたので、より高度なセキュリティーシステムが実現できる。
【0028】
また、この発明は、2人照合機能とアンチパスバック機能の2つの機能を有している入退出管理システムにおいて、あるエリアの在室者が残り5人以上いるとき、2人照合が承認された後、2人照合で履歴を残さない機能を有効にしてカード操作をおこなった1人が、再度、3人目と2人照合をおこなうと、3人で退室した通行履歴が記録され、3人が退室可能となり、人手を介することなく3人照合による退室をおこなうことができるようにしたので、より高度なセキュリティーシステムが実現できる。
【0029】
また、この発明は、2人照合機能とアンチパスバック機能の2つの機能を有している入退出管理システムにおいて、あるエリアの在室者が残り4人になったとき、在室者のいずれか3人が共に退出することを禁止することにしたので、人手を介することなく、より高度なセキュリティーシステムが実現できる。
【0030】
また、この発明は、2人照合機能とアンチパスバック機能の2つの機能を有している入退出管理システムにおいて、あるエリアの在室者が残り3人になったとき、在室者のいずれか2人の2人照合による退出を禁止し、在室者の3人が揃ってカード操作をおこなうと、3人で退室した通行履歴が記録され、3人が共に退出可能となり、人手を介することなく3人照合による退室をおこなうことができるようにしたので、より高度なセキュリティーシステムが実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
実施の形態1
図1〜図2はこの発明の実施の形態1に係る入退室管理システムの構成図を示す。図1は入退室管理システムの構成図を示し、図において、1は通行者A、2は通行者が保持するカードA、3はカードA2内のカード個人識別番号A、4は通行者B、5は通行者が保持するカードB、6はカードB5内のカード個人識別番号B、16は通行者C、17は通行者が保持するカードC、18はカードC17内のカード個人識別番号C、7はあるエリアの入口側と出口側に設けられたID判別装置としてのカードリーダ、8はカードリーダ7に設けられ、通行者が保持するカード内のカード個人識別番号を読取るカード読取部、9はカード読取部8で取得したカード個人識別番号データの通信処理をおこなうカードリーダ7に設けられたデータ通信処理装置、また、中央処理装置11、通行可否データベース12、通行履歴データベース13を備えてなるコントローラ10は、2人照合機能、3人照合機能及びアンチパスバック機能の3つの機能を有効とするようにカードリーダ7を制御している。14はコントローラ10に設けられた扉制御部、15は扉制御部14が制御する扉である。
【0032】
次に、上記構成に係る入室時の具体的動作について図2のフローチャートに基づいて説明する。通行者A1がカードリーダ7のカード読取部8にカードA2をかざす(ST1)。カード読取部8がカードA2内のカード個人識別番号A3を読取ると、カードリーダ7のデータ通信処理装置9がカード個人識別番号A3をコントローラ10の中央処理装置11へ送り、カード個人識別番号A3と通行可否データベース12とを照合する。上記照合結果が通行不可の場合(ST2_NO)は再度、通行者A1はカード読取部8にカードA2をかざす。上記照合結果が通行可の場合(ST2_YES)、一定時間内(ST3_NO)に通行者B4がカードリーダ7のカード読取部8にカードB5をかざす(ST4)。一定時間が過ぎる(ST3_YES)と再度、ST1からやりなおしとなる(又は終了)。
【0033】
カード読取部8がカードB5内のカード個人識別番号B6を読取ると、カードリーダ7のデータ通信処理装置9がカード個人識別番号B6をコントローラ10の中央処理装置11へ送り、カード個人識別番号B6と通行可否データベース12とを照合する。上記照合結果が通行不可の場合(ST5_NO)、一定時間内(ST6_NO)に再度、通行者B4がカードリーダ7のカード読取部8にカードB5をかざす。一定時間が過ぎると(ST6_YES)、再度ST1からやりなおしとなる(又は終了)。上記照合結果が通行可の場合(2人照合OK)(ST5_YES)にはコントローラ10内の中央処理装置11は扉制御部14を経由して扉15を一時解錠させる(ST7)。
【0034】
同時に中央処理装置11は通行履歴データベース13に通行者A1と通行者B4の通行履歴を残す(ST8)。このとき、扉15がいったん開いて閉じていないかをコントローラ10の中央処理装置11が扉制御部14を経由して検知する(ST9)。扉15がいったん開いて閉まってしまうと(ST9_YES)、通行者A1と通行者B4が入室したこととなるため、再度ST1からやり直す。その場合、通行者A1と通行者B4は入室した通行履歴が残っているため、一度退室しなければいけない。
【0035】
扉15が一時解錠した後、一度も開かれず、閉じたままの状態で、一時解錠している間に(ST9_NO)、通行者C16がカードリーダ7のカード読取部8にカードC17をかざす(ST10)。カード読取部8がカードC17内のカード個人識別番号C18を読取と、カードリーダ7のデータ通信処理装置9がカード個人識別番号C18をコントローラ10の中央処理装置11へ送り、カード個人識別番号C18と通行可否データベース12とを照合する。この照合結果が通行不可の場合(ST11_NO)、一定時間内(ST12_NO)に再度、通行者C16はカード読取部8にカードC17をかざす。一定時間が過ぎると(ST12_YES)、再度ST1からやりなおしとなる(又は終了)。
【0036】
この照合結果が通行可の場合(ST11_YES)、中央処理装置11は通行履歴データベース13に通行者C16の通行履歴を残す。Cの通行履歴を残す同時に、通行者A1、通行者B4、通行者C16は3人で入室したことも履歴に残す。(ST13)。通行者A1、通行者B4、通行者C16が入室する。コントローラ10内の中央処理装置11は扉制御部14を経由して扉15を施錠する(ST14)。
【0037】
なお、ST9においては、扉15はいったん開いた場合であっても、開いてから閉じていない状態であれば、ST10の照合をおこなっても良い。
【0038】
実施の形態2
図3〜図5はこの発明の実施の形態2に係る入退室管理システムの構成図を示す。図3は3人照合による入退室管理システムの構成図を示し、図において、1は通行者A、2は通行者が保持するカードA、3はカードA2内のカード個人識別番号A、4は通行者B、5は通行者が保持するカードB、6はカードB5内のカード個人識別番号B、16は通行者C、17は通行者が保持するカードC、18はカードC17内のカード個人識別番号C、7はあるエリアの入口側と出口側に設けられたID判別装置としてのカードリーダ、8はカードリーダ7に設けられ、通行者が保持するカード内のカード個人識別番号を読取るカード読取部、9はカード読取部8で取得したカード個人識別番号データの通信処理をおこなうカードリーダ7に設けられたデータ通信処理装置、また、中央処理装置11、通行可否データベース12、通行履歴データベース13を備えてなるコントローラ10は、2人照合機能、3人照合機能及びアンチパスバック機能の3つの機能を有効とするようにカードリーダ7を制御している。14はコントローラ10に設けられた扉制御部、15は扉制御部14が制御する扉である。19はカードリーダ7に設けられた通行履歴を残さないボタンである。
【0039】
次に、上記構成に係る入室時の具体的動作について図4〜図5のフローチャートに基づいて説明する。通行者A1がカードリーダ7の通行履歴を残さないボタン19を押す(ST1_YES)。通行者A1がカードリーダ7のカード読取部8にカードA2をかざす(ST2)。カード読取部8がカードA2内のカード個人識別番号A3を読取と、カードリーダ7のデータ通信処理装置9がカード個人識別番号A3をコントローラ10の中央処理装置11へ送り、カード個人識別番号A3と通行可否データベース12とを照合する。
【0040】
上記照合結果が通行不可の場合(ST3_NO)、再度通行者A1はカード読取部8にカードA2をかざす(ST2)。上記照合結果が通行可の場合(ST3_YES)、一定時間内(ST4_NO)に通行者B4がカード読取部8にカードB5をかざす(ST5)。一定時間が過ぎると(ST4_YES)再度、ST1からやりなおす(又は終了)。カード読取部8がカードB5内のカード個人識別番号B6を読取と、カードリーダ7のデータ通信処理装置9がカード個人識別番号B6をコントローラ10の中央処理装置11へ送り、カード個人識別番号B6と通行可否データベース12とを照合する。
【0041】
上記照合結果が通行不可の場合は(ST6_NO)、一定時間内に(ST7_NO)再度、カード読取部8にカードB5をかざす。一定時間が過ぎると(ST7_YES)再度、ST1からやりなおす(又は終了)。上記照合結果が通行可の場合(2人照合OK)(ST6_YES)にはコントローラ10内の中央処理装置11は扉制御部14を経由して扉15を一時解錠させる(ST8)。同時に中央処理装置11は通行履歴データベース13に通行者B4の通行履歴を残す(ST9)。
【0042】
通行者A1の通行履歴はカードA2をかざす前に通行履歴残さないボタン19を押したため残らない。通行者B4だけが入室する。コントローラ10内の中央処理装置11は扉制御部14を経由して扉15を施錠する(ST10)。通行者A1がカードリーダ7のカード読取部8にカードB5をかざす(ST11)。カード読取部8がカードA2内のカード個人識別番号A3を読取ると、カードリーダ7のデータ通信処理装置9がカード個人識別番号A3をコントローラ10の中央処理装置11へ送り、カード個人識別番号A3と通行可否データベース12とを照合する。
【0043】
上記照合結果が通行不可の場合(ST12_NO)は再度、通行者A1はカード読取部8にカードA2をかざす。上記照合結果が通行可の場合(ST12_YES)、一定時間内(ST12_NO)に通行者C16がカードリーダ7のカード読取部8にカードC17をかざす(ST14)。一定時間が過ぎる(ST13_YES)と再度、ST11からやりなおす(又は終了)。カード読取部8がカードC17内のカード個人識別番号C18を読取と、カードリーダ7のデータ通信処理装置9がカード個人識別番号C18をコントローラ10の中央処理装置11へ送り、カード個人識別番号C18と通行可否データベース12とを照合する。
【0044】
上記照合結果が通行不可の場合(ST15_NO)、一定時間内(ST16_NO)に再度、通行者C16がカードリーダ7のカード読取部8にカードC17をかざす。一定時間が過ぎると(ST16_YES)再度、ST11からやりなおす(又は終了)。上記照合結果が通行可の場合(2人照合OK)(ST15_YES)にはコントローラ10内の中央処理装置11は扉制御部14を経由して扉15を一時解錠させる(ST17)。
【0045】
同時に中央処理装置11は通行履歴データベース13に通行者A1と通行者C16の通行履歴を残す(ST18)。また、通行者A1と通行者C16の通行履歴を残す同時に、通行者A1、通行者B4、通行者C16は3人で入室したことも履歴に残す。コントローラ10内の中央処理装置11は扉制御部14を経由して扉15を施錠する(ST19)。
【0046】
通行者A1がカードリーダ7の通行履歴を残さないボタン19を押さない(ST1_NO)。通行者A1がカードリーダ7のカード読取部8にカードA2をかざす(ST20)。カード読取部8がカードA2内のカード個人識別番号A3を読取と、カードリーダ7のデータ通信処理装置9がカード個人識別番号A3をコントローラ10の中央処理装置11へ送り、カード個人識別番号A3と通行可否データベース12とを照合する。
【0047】
上記照合結果が通行不可の場合(ST21_NO)、再度通行者A1はカード読取部8にカードA2をかざす。上記照合結果が通行可の場合(ST21_YES)、一定時間内(ST22_NO)に通行者B4が通行履歴を残さないボタン19を押し(ST23)、カード読取部8にカードB5をかざす(ST24)。カード読取部8がカードB5内のカード個人識別番号B6を読取と、カードリーダ7のデータ通信処理装置9がカード個人識別番号B6をコントローラ10の中央処理装置11へ送り、カード個人識別番号B6と通行可否データベース12とを照合する。
【0048】
上記照合結果が通行不可の場合は(ST25_NO)、一定時間内に(ST26_NO)再度、カード読取部8にカードB5をかざす。一定時間が過ぎると(ST28_YES)再度、ST1からやりなおす(又は終了)。上記照合結果が通行可の場合(2人照合OK)(ST27_YES)にはコントローラ10内の中央処理装置11は扉制御部14を経由して扉15を一時解錠させる(ST27)。同時に中央処理装置11は通行履歴データベース13に通行者A1の通行履歴を残す(ST28)。
【0049】
通行者B4の通行履歴はカードB5をかざす前に通行履歴残さないボタン19を押したため残らない。通行者A1だけが入室する。コントローラ10内の中央処理装置11は扉制御部14を経由して扉15を施錠する(ST29)。通行者B4がカードリーダ7のカード読取部8にカードB5をかざす(ST30)。カード読取部8がカードA2内のカード個人識別番号B6を読取ると、カードリーダ7のデータ通信処理装置9がカード個人識別番号A3をコントローラ10の中央処理装置11へ送り、カード個人識別番号B6と通行可否データベース12とを照合する。
【0050】
上記照合結果が通行不可の場合(ST31_NO)は再度、通行者B4はカード読取部8にカードB5をかざす。上記照合結果が通行可の場合(ST31_YES)、一定時間内(ST32_NO)に通行者C16がカードリーダ7のカード読取部8にカードC17をかざす(ST33)。一定時間が過ぎる(ST32_YES)と再度、ST30からやりなおす(又は終了)。カード読取部8がカードC17内のカード個人識別番号C18を読取と、カードリーダ7のデータ通信処理装置9がカード個人識別番号C18をコントローラ10の中央処理装置11へ送り、カード個人識別番号C18と通行可否データベース12とを照合する。
【0051】
上記照合結果が通行不可の場合(ST34_NO)、一定時間内(ST35_NO)に再度、通行者C16がカードリーダ7のカード読取部8にカードC17をかざす。一定時間が過ぎると(ST35_YES)再度、ST30からやりなおす(又は終了)。上記照合結果が通行可の場合(2人照合OK)(ST34_YES)にはコントローラ10内の中央処理装置11は扉制御部14を経由して扉15を一時解錠させる(ST36)。
【0052】
同時に中央処理装置11は通行履歴データベース13に通行者B4と通行者C16の通行履歴を残す(ST37)。また、通行者B4、通行者C16の通行履歴を残す同時に、通行者A1、通行者B4、通行者C16は3人で入室したことも履歴に残す。コントローラ10内の中央処理装置11は扉制御部14を経由して扉15を施錠する(ST19)。
【0053】
実施の形態3
この発明の実施の形態3に係る入退室管理システムの構成図は、図1〜図5で示すものと同じである。次に、上記構成に係る退室時の具体的動作について図6のフローチャートに基づいて説明する。通行者A1がカードリーダ7のカード読取部8にカードA2をかざす(ST1)。カード読取部8がカードA2内のカード個人識別番号A3を読取ると、カードリーダ7のデータ通信処理装置9がカード個人識別番号A3をコントローラ10の中央処理装置11へ送り、カード個人識別番号A3と通行可否データベース12とを照合する。上記照合結果が通行不可の場合(ST2_NO)は再度、通行者A1はカード読取部8にカードA2をかざす。上記照合結果が通行可の場合(ST2_YES)、通行履歴データベース13に通行者A1が入室時3人で入室した履歴があるか照合する(ST3)。
【0054】
上記の履歴が3人での通行の場合(ST3_YES)、一定時間内(ST4_NO)に通行者B4がカードリーダ7のカード読取部8にカードB5をかざす(ST5)。一定時間が過ぎる(ST4_YES)と再度、ST1からやりなおしとなる(又は終了)。カード読取部8がカードB5内のカード個人識別番号B6を読取ると、カードリーダ7のデータ通信処理装置9がカード個人識別番号B6をコントローラ10の中央処理装置11へ送り、カード個人識別番号B6と通行可否データベース12とを照合する。
【0055】
上記照合結果が通行不可の場合(ST6_NO)、一定時間内(ST7_NO)に再度、通行者B4がカードリーダ7のカード読取部8にカードB5をかざす。一定時間が過ぎると(ST7_YES)、再度ST1からやりなおしとなる(又は終了)。上記照合結果が通行可の場合、一定時間内(ST8)に、通行者C16がカードリーダ7のカード読取部8にカードC17をかざす(ST9)。カード読取部8がカードC17内のカード個人識別番号C18を読取と、カードリーダ7のデータ通信処理装置9がカード個人識別番号C18をコントローラ10の中央処理装置11へ送り、カード個人識別番号C18と通行可否データベース12とを照合する。
【0056】
上記照合結果が通行不可の場合(ST10_NO)、一定時間内(ST11_NO)に再度、通行者C16はカード読取部8にカードC17をかざす。一定時間が過ぎると(ST11_YES)、再度ST1からやりなおしとなる(又は終了)。上記照合結果が通行可の場合(ST10_YES)にはコントローラ10内の中央処理装置11は扉制御部14を経由して扉15を一時解錠させる(ST7)。
【0057】
同時に中央処理装置11は通行履歴データベース13に通行者A1、通行者B4、通行者C16退室の履歴を残す(ST13)。通行者A1、通行者B4、通行者C16が退室する。コントローラ10内の中央処理装置11は扉制御部14を経由して扉15を施錠する(ST14)。
【0058】
実施の形態4
図6〜図8はこの発明の実施の形態4に係る入退室管理システムの構成図を示す。図6は入退室管理システムの構成図を示し、図において、1は通行者A、2は通行者が保持するカードA、3はカードA2内のカード個人識別番号A、4は通行者B、5は通行者が保持するカードB、6はカードB5内のカード個人識別番号B、16は通行者C、17は通行者が保持するカードC、18はカードC17内のカード個人識別番号C、7はあるエリアの入口側と出口側に設けられたID判別装置としてのカードリーダ、8はカードリーダ7に設けられ、通行者が保持するカード内のカード個人識別番号を読取るカード読取部、9はカード読取部8で取得したカード個人識別番号データの通信処理をおこなうカードリーダ7に設けられたデータ通信処理装置、また、中央処理装置11、通行可否データベース12、通行履歴データベース13、在室管理データベース20を備えてなるコントローラ10は、2人照合機能、3人照合機能及びアンチパスバック機能の3つの機能を有効とするようにカードリーダ7を制御している。14はコントローラ10に設けられた扉制御部、15は扉制御部14が制御する扉である。入室については従来と同様である。
【0059】
次に、上記構成に係る退室時の具体的動作について図7〜図8のフローチャートに基づいて説明する。通行履歴データベース12に4人以上が入室した記録がなく、(ST1_NO)入室記録が2人の場合(ST2_YES)の退室は従来の2人照合を用いる(ST3)。入室記録が3人の場合(ST2_NO)、退室時は、実施の形態3に記載の退室時の3人照合と同様、入室してきた3人が揃って退室する(ST4)。通行履歴データベース12に5人以上が入室した記録があり(ST1_YES)(ST4A_YES)、かつ在室管理データベース20の在室人数が5人以上の場合、在室している人が2人照合又は3人照合で退室していく(ST4B)。
【0060】
このときの3人での退室は、実施の形態1又は実施の形態2のいずれかに記載の入室時の3人照合を用いて退室する。ここで、実施の形態3に記載の退室時の3人照合との違いは、在室者は入室したときの照合手段(2人又は3人照合)に係わらず誰でも2人又は3人での退室を選択できる点である。入室記録が4人の場合(ST4A_NO)又は在室していた人が2人照合又は3人照合で退室していき、在室管理データベース20の在室人数が4人となった場合(ST5_YES)、4人になった時点で3人での退室はできなくなり(ST6)、それ以降の退室は従来の2人照合のみでの退室となる(ST3)。
【0061】
在室している人が2人照合又は3人照合で退室していき(ST4B)、在室管理データベース20の在室人数が3人となった場合(ST7_YES)、在室人数が3人になった時点で2人照合での退室はできなくなる(ST8)。在室している人が2人照合又は3人照合で退室していき(ST4B)、在室管理データベース20の在室人数が2人となった場合(ST9_YES)、それ以降の退室は従来の2人照合での退室となる(ST3)。在室人数が5人以上の場合(ST5_NO、ST7_NO、ST9_NO)は、在室管理データベース20の在室人数4人、3人、または2人になるまで(ST4A)を繰り返す。
【0062】
次に、ST8以降について説明する。部屋に残っている3人の中の1人目(通行者A1)がカードリーダ7のカード読取部8にカードA2をかざす(ST10)。カード読取部8がカードA2内のカード個人識別番号A3を読取ると、カードリーダ7のデータ通信処理装置9がカード個人識別番号A2をコントローラ10の中央処理装置11へ送り、カード個人識別番号A2と通行可否データベース12とを照合する。
【0063】
上記照合結果が通行不可の場合(ST11_NO)は再度、通行者A1はカード読取部8にカードA2をかざす。上記照合結果が通行可の場合(ST11_YES)、一定時間内(ST12_NO)に部屋に残っている3人の中の2人目(通行者B4)がカードリーダ7のカード読取部8にカードB5をかざす(ST13)。一定時間が過ぎる(ST12_YES)と再度、ST10からやりなおしとなる(又は終了)。
【0064】
カード読取部8がカードB5内のカード個人識別番号B6を読取ると、カードリーダ7のデータ通信処理装置9がカード個人識別番号B6をコントローラ10の中央処理装置11へ送り、カード個人識別番号B6と通行可否データベース12とを照合する。上記照合結果が通行不可の場合(ST14_NO)、一定時間内(ST15_NO)に再度、通行者B4がカードリーダ7のカード読取部8にカードB5をかざす。一定時間が過ぎると(ST15_YES)、再度ST10からやりなおしとなる(又は終了)。
【0065】
上記照合結果が通行可の場合、一定時間内(ST16_NO)に、部屋に残っている3人の中の3人目(通行者C16)がカードリーダ7のカード読取部8にカードC17をかざす(ST17)。一定時間が過ぎる(ST16_YES)と再度、ST10からやりなおしとなる(又は終了)。カード読取部8がカードC17内のカード個人識別番号C18を読取ると、カードリーダ7のデータ通信処理装置9がカード個人識別番号C18をコントローラ10の中央処理装置11へ送り、カード個人識別番号C18と通行可否データベース12とを照合する。
【0066】
上記照合結果が通行不可の場合(ST18_NO)、一定時間内(ST19_NO)に再度、通行者C16はカード読取部8にカードC17をかざす。一定時間が過ぎると(ST17_YES)、再度ST10からやりなおしとなる(又は終了)。上記照合結果が通行可の場合(ST18_YES)にはコントローラ10内の中央処理装置11は扉制御部14を経由して扉15を一時解錠させる(ST20)。
【0067】
同時に中央処理装置11は通行履歴データベース13に通行者A1と通行者B4と通行者C16の通行履歴を残す(ST21)。通行者A1、B4、C16が退室する。コントローラ10内の中央処理装置11は扉制御部14を経由して扉15を施錠する(ST22)。
【0068】
実施の形態3では、退室するとき、入室したときに選択した照合手段と同じ照合手段を用いて退室しなければならない。例えば、3人照合で入室した者は、退室においても3人照合を用いなければならず、2人照合では退出できない。また、2人照合で入室した者は、3人照合で退室することはできない。そのため、高いセキュリティーレベルが確保できる反面、3人照合の使い勝手としては少々面倒となる面もあり、運用上の汎用性が低くなる面も有る。
【0069】
一方、実施の形態4では、所定の運用条件を満足していれば、入室で選択した照合手段に縛られることなく、2人照合又は3人照合のいずれの照合手段も自由に選択して退出できるようにした。さらに、セキュリティーレベルも実施の形態3と同程度のレベルを確保したので、より汎用性が高く、かつ使い易いシステムが実現できる。そのため、目的の用途やセキュリティーレベルに応じて、実施の形態3又は実施の形態4のいずれか最適な照合手段を選択することができるので、より汎用性の高い運用が図れる。
【0070】
また、実施の形態1又は実施の形態2における入室の動作と、実施の形態3又は実施の形態4における退室の動作とを自由に組み合わせることで、様々な用途やセキュリティーレベルに対応可能な入退室管理システムを構築することができる。そのため、人手を介することなく、汎用性が高く、より高度な3人照合による入退室管理の運用が図れる。
【0071】
従って、上記実施の形態によれば、通行者が意図的に所定の動作をおこなうことで3人照合機能を有効にするようにしたので、通行者の安易な利用を制限することができる。また、通行者がこの3人照合機能を意図的に利用することで、システム管理者としては通行者が何らかの事情が有って利用したものとみなすことができるので、正当な理由があることを条件に機能的かつ現実的な運用が図れる。なお、システム管理者として通行者がこの3人照合機能を利用した理由の内容を確認したい場合は、通行履歴データベース13により、本人に確認することができる。
【0072】
なお、実施の形態1〜4において、本人であることを確認するための認証手段は、IDカード以外の認証手段(例えば、指紋、静脈、顔などの生体認証手段など)であっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】この発明の実施の形態1である入退室管理システムを示す構成図である。
【図2】図1における入室時の動作フローチャートである。
【図3】この発明の実施の形態2である入退室管理システムを示す構成図である。
【図4】図3における入室時の動作フローチャートである。
【図5】図3における入室時の動作フローチャート(図4の続き)である。
【図6】この発明の実施の形態3である入退室管理システムにおける退室時の動作フローチャートである。
【図7】この発明の実施の形態4である入退室管理システムを示す構成図である。
【図8】図7における退室時の動作フローチャートである。
【図9】図7における退室時の動作フローチャート(図8の続き)である。
【図10】従来の入退室管理システムを示す構成図である。
【図11】図10における入室時の動作フローチャートである。
【符号の説明】
【0074】
1 通行者A、2 カードA、3 カード個人識別番号A、4 通行者B、5 カードB、6 カード個人識別番号B、7 カードリーダ、8 カード読取部、9 データ通信処理装置、10 コントローラ、11 中央処理装置、 12 通行可否データベース、13 通行履歴データベース、14 扉制御部、 15 扉、16 通行者C、17 カードC、18 カード個人識別番号C、19 通行履歴残さないボタン、20 在室管理データベース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
予め登録された2人以上のグループのメンバーに属する1人での単独照合はおこなわず、前記メンバーで任意の組み合わせによる2人が揃って所定の照合をおこなう2人照合機能と、あるエリアに入室した後、退室した記録が無い人の同エリアへの再入室と、あるエリアに入室した記録の無い人の同エリアからの退室を禁止するアンチパスバックチェック機能とを備えた入退出管理システムにおいて、2人照合が承認され、電気錠が開錠した後、電気錠が開錠中で、かつ扉は閉めたままの状態において、前記任意の組み合わせによる2人が入室する前に、前記任意の組み合わせによる2人以外の前記グループに属するメンバーのいずれか1人に該当する3人目が本人であることを確認するための認証操作をおこなうと、前記任意の組み合わせによる2人と前記3人目の3人が共に入室を承認されたとする通行履歴が記録されて、前記任意の組み合わせによる2人と前記3人目が共に入室できる手段を備えたことを特徴とする入退出管理システム。
【請求項2】
前記2人照合機能及び前記アンチパスバックチェック機能を備えた入退出管理システムにおいて、前記任意の組み合わせによる2人のいずれか1人は前記認証操作だけをおこない、もう1人は通行履歴を残さない機能を有効にしてから前記認証操作することで、2人照合が承認され、前記通行履歴を残さない機能を有効にせず、前記認証操作だけをおこなった1人目が入室した後、前記通行履歴を残さない機能を有効にしてから前記認証操作した2人目が入室する前に、前記3人目と揃って、再度2人照合をおこなうと、前記任意の組み合わせによる2人と前記3人目の3人が共に入室を承認されたとする通行履歴が記録されて、前記任意の組み合わせによる2人と前記3人目が入室できる手段を備えたことを特徴とする入退出管理システム。
【請求項3】
前記2人照合機能及び前記アンチパスバックチェック機能を備えた入退出管理システムにおいて、2人照合が承認され、電気錠が開錠した後、電気錠が開錠中で、かつ扉が開いてから、前記任意の組み合わせによる2人又は前記任意の組み合わせのいずれか1人が扉を閉める前の状態において、前記任意の組み合わせによる2人以外の前記グループに属するメンバーのいずれか1人に該当する3人目が前記認証操作をおこなうと、前記任意の組み合わせによる2人と前記3人目の3人が共に入室を承認されたとする通行履歴が記録されて、前記任意の組み合わせによる2人と前記3人目が共に入室できる手段を備えたことを特徴とする入退出管理システム。
【請求項4】
前記2人照合機能及び前記アンチパスバックチェック機能を備えた入退出管理システムにおいて、前記任意の組み合わせによる2人と前記3人目が共に入室を承認されたとする通行履歴が記録された3人のいずれか2人が、前記2人照合による退出を禁止する手段と、前記3人が揃って前記認証操作をおこなうと、前記3人が共に退室を承認されたとする通行履歴が記録されて、前記3人が共に退室できる手段と、を備えたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の入退出管理システム。
【請求項5】
前記2人照合機能及び前記アンチパスバックチェック機能を備えた入退出管理システムにおいて、あるエリアの在室者が残り5人以上いるとき、前記在室者のいずれか2人の前記2人照合が承認され、電気錠が開錠した後、電気錠が開錠中で、かつ扉は閉めたままの状態において、前記2人照合が承認された2人が退室する前に、2人照合がおこなわれていない前記在室者の3人目が前記認証操作をおこなうと、前記在室者の2人と前記3人目の3人が、共に退室を承認されたとする通行履歴が記録されて退室できる手段を備えたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の入退出管理システム。
【請求項6】
前記2人照合機能及び前記アンチパスバックチェック機能を備えた入退出管理システムにおいて、あるエリアの在室者が残り5人以上いるとき、前記在室者のいずれか1人目は前記認証操作だけをおこない、2人目は通行履歴を残さない機能を有効にしてから前記認証操作することで、2人照合が承認され、前記通行履歴を残さない機能を有効にせず、前記認証操作だけをおこなった1人目が退室した後、前記通行履歴を残さない機能を有効にしてから前記認証操作した2人目が退室する前に、2人照合がおこなわれていない前記在室者の3人目と揃って、再度2人照合をおこなうと、前記在室者の2人と前記3人目の3人が共に退室を承認されたとする通行履歴が記録されて退室できる手段を備えたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の入退出管理システム。
【請求項7】
前記2人照合機能及び前記アンチパスバックチェック機能を備えた入退出管理システムにおいて、あるエリアの在室者が残り5人以上いるとき、前記在室者のいずれか2人の2人照合が承認され、電気錠が開錠した後、電気錠が開錠中で、かつ扉が開いてから、扉を閉める前の状態において、2人照合がおこなわれていない前記在室者の3人目が前記認証操作をおこなうと、前記在室者の2人と前記3人目の3人が共に退室を承認されたとする通行履歴が記録されて退室できる手段を備えたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の入退出管理システム。
【請求項8】
前記2人照合機能及び前記アンチパスバックチェック機能を備えた入退出管理システムにおいて、あるエリアの在室者が残り4人になったとき、在室者のいずれか3人が共に退出することを禁止する手段を備えたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の入退出管理システム。
【請求項9】
前記2人照合機能及び前記アンチパスバックチェック機能を備えた入退出管理システムにおいて、あるエリアの在室者が残り3人になったとき、前記在室者のいずれか2人の前記2人照合による退出を禁止する手段と、前記在室者の3人が揃って前記認証操作をおこなうと、前記3人が共に退室を承認されたとする通行履歴が記録されて退室できる手段と、を備えたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の入退出管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2009−245414(P2009−245414A)
【公開日】平成21年10月22日(2009.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−246033(P2008−246033)
【出願日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】