説明

入退室管理装置

【課題】 部屋の入口のみにカードリーダを設けることで、アンチパスバックチェック機能を備えた入退室管理装置を得ること。
【解決手段】 第1判定部24はカード4に付された第1識別番号と記憶部22から読み出された第2識別番号とが一致するか否かを判定し、一致していると、第1パスワード生成部25が第1パスワードを生成し、表示制御部26が表示器5に第1パスワードを表示する。第1解除部28は表示器5に第1パスワードを表示した後、部屋2の扉7に設けられた電気錠11を解除し、第1記憶命令部27は電気錠11が解除した第1解除信号を記憶部22に記憶させ、第2解除部29は第1パスワードが入力器9から入力され、記憶部22に第1解除手段信号が記憶されていることにより電気錠11を解除した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入室及び退室を管理する入退室管理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の入退室管理装置は、安全性を高めるためにアンチパスバックチェック機能を有しているものがある。アンチパスバックチェック機能とは、同じ人がその部屋に入室又は退室することを禁止する機能をいい、かかる機能を実現するには下記特許文献1に示すように、部屋の入口側と出口側に設けられたID判別装置としてのカードリーダで、IDカードの照合結果がOK時には、ドアの電気錠を解錠して入退室が可能になされている。
上記入退室管理装置によれば、アンチパスバックチェック機能も備え、IDカードを所有していないと、入退室できないので、安全管理上好ましい。
【特許文献1】特公平8−31145号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、上記入退室管理装置は、アンチパスバックチェック機能も備えるために部屋の入口側と出口側にそれぞれカードリーダを備えているので、複雑な構成になるという問題点があった。
【0004】
本発明は上記課題を解消するためになされたもので、部屋の入口のみにカードリーダを設けることで、アンチパスバックチェック機能を備えた入退室管理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の発明に係る入退室管理装置は、部屋の入室側に設けられ、カードに付された第1識別番号を読み取るカードリーダと、前記入室側に設けられた数字などを表示する表示器と、退室側に設けられた数字などを入力する入力器と、前記部屋の入室が許可される第2識別番号を記憶した記憶手段と、前記第1識別番号と前記記憶手段から読み出された第2識別番号とが一致するか否かを判定する第1判定手段と、前記第1判定手段の結果が一致していると、第1パスワードを生成する第1パスワード生成手段と、前記表示器に前記第1パスワードを表示する表示制御手段と、前記表示器に前記第1パスワードを表示した後、前記部屋の扉に設けられた電気錠を解除する第1解除手段と、前記第1解除手段により前記電気錠が解除した第1解除信号を前記記憶手段に記憶させる第1記憶命令手段と、前記第1パスワードが前記入力器から入力され、前記記憶手段に前記第1解除手段信号を有することにより前記電気錠を解除する第2解除手段と、を備えたことを特徴とするものである。
【0006】
第2の発明に係る入退室管理装置は、部屋の入室側に設けられ、カードに付された第1識別番号を読み取るカードリーダと、前記入室側に設けられた数字などを表示する表示器と、退室側に設けられた数字などを入力する入力器と、前記部屋の入室が許可される第2識別番号を記憶すると共に、これまでに発行された第1パスワードが記憶された記憶手段と、前記第1識別番号と記憶された第2識別番号とを比較して一致するか否かを判定する第1判定手段と、前記第1判定手段の結果が一致していると、第3パスワードを生成する第2パスワード生成手段と、前記第3パスワードが前記記憶手段から読み出された第1パスワードと重複するか否かを判定する第2判定手段と、前記第2判定手段の結果が重複していないと、前記部屋の扉に設けられた電気錠を解除する第3解除手段と、前記第2判定手段の結果が重複していないと、前記第3パスワードを前記表示器に表示する表示制御手段と、前記第3解除手段により前記電気錠が解除した第3解除信号を前記記憶手段に記憶させる第2記憶命令手段と、前記第3パスワードが前記入力器から入力され、前記記憶手段に前記第3解除信号を有することにより前記電気錠を解除する第4解除手段と、を備えたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0007】
第1の発明によれば、第1判定手段はカードに付された第1識別番号と記憶手段から読み出された第2識別番号とが一致するか否かを判定し、一致していると、第1パスワード生成手段が第1パスワードを生成し、表示制御手段が表示器に第1パスワードを表示する。第1解除手段は表示器に第1パスワードを表示した後、部屋の扉に設けられた電気錠を解除し、第1記憶命令手段は電気錠が解除した第1解除信号を記憶手段に記憶させ、第2解除手段は第1パスワードが前記入力器から入力され、記憶手段に第1解除手段信号を有することにより電気錠を解除した。これにより、部屋の入室側のみにカードリーダを設けることで、同じ人がその部屋に入室又は退室することを禁止する機能を備えることができるという効果がある。
【0008】
第2の発明によれば、第1判定手段は第1識別番号と記憶された第2識別番号とを比較して一致するか否かを判定し、一致していると、第2パスワード生成手段が第3パスワードを生成し、第2判定手段は第3パスワードが前記記憶手段から読み出された第1パスワードと重複するか否かを判定すると、第3解除手段は第2判定手段の結果が重複していないと、部屋の扉に設けられた電気錠を解除し、表示制御手段は第2判定手段の結果が重複していないと、第3パスワードを前記表示器に表示する。第2記憶命令手段は第3解除手段により電気錠が解除した第3解除信号を記憶手段に記憶し、第4解除手段は第3パスワードが入力器から入力され、記憶手段に第3解除信号を有することにより電気錠を解除した。これにより、部屋の入室側のみにカードリーダを設けることで、第3パスワードを重複することなく、発行して該第3パスワードを用いて、同じ人がその部屋に入室又は退室することを禁止する機能を備えることができるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
実施の形態1.
本発明の一実施の形態を図1及び図2によって説明する。図1は一実施の形態を示す入退室管理装置が設けられた部屋の断面平面図(a)、正面図(b)、図2は図1に示す入退室管理装置の全体ブロック図である。
図1において、部屋2には、扉7が設けられており、該扉7の開閉により入退室できるように形成されている。
入退室管理装置は部屋2の入室側には、カード4に付された第1識別番号を読み取るカードリーダ3と、数字、英字などを表示する表示器5とが設けられている。部屋2の退室側に設けられた数字、英字などを入力する入力器9が設けられている。
扉7には、ノブ7aが設けられており、電気信号によりオートロックできる電気錠11が取付けられている。カードリーダ3には、カード4に付された識別番号を読み取るリーダヘッド部3aが設けられている。
【0010】
図2において、制御装置20は、周知のCPU、RAM、ROM、インターフェイス等から構成されており、記憶部22には、入室が許可される複数の識別番号としての第2識別番号が記憶されている。
制御装置20には、カード4に付された第1識別番号と記憶部22に記憶された第2識別番号とを比較して一致するか否かを判定する第1判定手段としての判定部24と、第1判定手段の結果が一致していると、部屋2の扉7に設けられた電気錠11を解除する第1解除部28と、第1判定手段の結果が一致していると、第1パスワードを生成すると共に、記憶部22に第1パスワードを記憶し、表示器5に第1パスワードを表示する第1パスワード生成部26と、第1解除手段が解除した第1解除信号を記憶部22に記憶させる第1記憶命令部27と、第1パスワードが入力器9から入力され、記憶部22に第1解除信号を有するとの情報に基づき電気錠11を解除する第2解除部29とを備えている。
【0011】
上記のように構成された入退室管理装置の動作を図1から図3を参照して説明する。図3は図1による入退室管理装置の動作を示すフローチャートである。
いま、カード4をカードリーダ3のリーダヘッド部3aでカード4に付された第1識別番号を読み取り(ステップS101)、第1判定部24は、記憶部22に記憶された多数の第2識別番号を読出し、第1識別番号と一致するか否かにより入室可能か否かを判断し(ステップS103)、可能であれば、第1パスワード生成部26が第1パスワードを生成し(ステップS105)、表示制御部26が第1パスワードを表示器5に表示すると共に、記憶部22に記憶する(ステップS109)。カード4の所有者は、該第1パスワードを覚える。
【0012】
第1解除部28は、電気錠11を解除して扉7を開閉可能にすると共に、記憶部22に上記解除したことを示す第1解除信号を記憶する(ステップS111)。カード4の所有者が扉7を開放して部屋2に入室する。やがて、カード4の所有者が部屋2の外に出たい場合には、該所有者が第1パスワードを入力器9に入力すると(ステップS113)、第1判定部24は記憶部22に第1解除信号が記憶されている否かを判定し(ステップS115)、第1解除信号があれば、第2解除部29は、電気錠11を解除して扉7を開閉可能にする(ステップS117)。カード4の所有者が扉7を開放して部屋2から退室する。
【0013】
上記実施形態の入退室管理装置によれば、第1判定部24はカード4に付された第1識別番号と記憶部22から読み出された第2識別番号とが一致するか否かを判定し、一致していると、第1パスワード生成部25が第1パスワードを生成し、表示制御部26が表示器5に第1パスワードを表示する。第1解除部28は表示器5に第1パスワードを表示した後、部屋2の扉7に設けられた電気錠11を解除し、第1記憶命令部27は電気錠11が解除した第1解除信号を記憶部22に記憶させ、第2解除部29は第1パスワードが入力器9から入力され、記憶部22に第1解除手段信号が記憶されていることにより電気錠11を解除した。これにより、部屋2の入室側のみにカードリーダ3を設けることで、同じ人がその部屋2に入室又は退室することを禁止する機能を備えることができるという効果がある。
【0014】
実施の形態2.
本発明の他の実施の形態を図1及び図4によって説明する。図4は図1に示す入退室管理装置の全体ブロック図である。図4中、図2と同一符号は同一又は相当部分を示し、説明を省略する。
【0015】
図2において、制御装置120は、周知のCPU、RAM、ROM、インターフェイス等から構成されており、記憶部122には、入室が許可される複数の識別番号としての第2識別番号と、これまでに発行された第1パスワードが記憶されている。
制御装置120には、カード4に付された第1識別番号と記憶部22に記憶された第2識別番号とを比較して一致するか否かを判定する第1判定部124と、第1判定部124の結果が一致していると、第3パスワードを生成する第2パスワード生成部125と、第3パスワードが記憶部122から読み出された第1パスワードと重複するか否かを判定する第2判定部124と、第2判定部124の結果が重複していないと、部屋2の扉7に設けられた電気錠11を解除する第3解除部128と、第2判定部124の結果が重複していないと、第3パスワードを表示器5に表示する表示制御部126と、第3解除部128により電気錠11が解除した第3解除信号を記憶部122に記憶させる第2記憶命令部127と、第3パスワードが入力器9から入力され、記憶部122に第3解除信号が記憶されていることにより電気錠11を解除する第4解除部129とを備えている。
【0016】
上記のように構成された入退室管理装置の動作を図1,図4,図5を参照して説明する。図5は図4による入退室管理装置の動作を示すフローチャートである。
いま、カード4をカードリーダ3のリーダヘッド部3aでカード4に付された第1識別番号を読み取り(ステップS101)、第1判定部124は、記憶部122に記憶された多数の第2識別番号を読出し、第1識別番号と一致するか否かを判断し(ステップS103)、可能であれば、第2パスワード生成部125が第3パスワードを生成する(ステップS205)。
【0017】
第2判定部124は、第3パスワードが記憶部122から読み出された第1パスワードと一致しているか否かを判定し(ステップS207)、一致していれば、上記ステップS205,S205を実行する。一致しなくなると、表示制御部126が第3パスワードを表示器5に表示すると共に、記憶部122に記憶する(ステップS209)。カード4の所有者は、該第3パスワードを覚える。
【0018】
第3解除部128は、電気錠11を解除して扉7を開閉可能にすると共に、記憶部22に上記解除したことを示す第3解除信号を記憶する(ステップS211)。カード4の所有者が扉7を開放して部屋2に入室する。やがて、カード4の所有者が部屋2の外に出たい場合には、該所有者が第3パスワードを入力器9に入力すると(ステップS213)、第2判定部124は記憶部122に第3解除信号が記憶されている否かを判定し(ステップS215)、第3解除信号があれば、第4解除部129は、電気錠11を解除して扉7を開閉可能にする(ステップS217)。カード4の所有者が扉7を開放して部屋2から退室する。
【0019】
上記実施形態の入退室管理装置によれば、第1判定部124は第1識別番号と記憶された第2識別番号とを比較して一致するか否かを判定し、一致していると、第2パスワード生成部125が第3パスワードを生成し、第2判定部124は第3パスワードが記憶部122から読み出された第1パスワードと重複するか否かを判定すると、第3解除部128は第2判定手段の結果が重複していないと、部屋2の扉7に設けられた電気錠11を解除し、表示制御部126は第2判定部124の結果が重複していないと、第3パスワードを表示器5に表示する。第2記憶命令部127は第3解除部128により電気錠11が解除した第3解除信号を記憶部122に記憶し、第4解除部129は第3パスワードが入力器9から入力され、記憶部122に第3解除信号を有することにより電気錠11を解除した。これにより、部屋2の入室側のみにカードリーダ3を設けることで、第3パスワードを重複することなく、発行して該第3パスワードを用いて、同じ人がその部屋2に入室又は退室することを禁止する機能を備えることができるという効果がある。
【産業上の利用可能性】
【0020】
本発明は、入退室管理装置に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の一実施の形態を示す入退室管理装置が設けられた部屋の断面平面図(a)、正面図(b)である。
【図2】図1に示す入退室管理装置の全体ブロック図である。
【図3】図1による入退室管理装置の動作を示すフローチャートである。
【図4】本発明の他の実施形態を示す入退室管理装置の全体ブロック図である。
【図5】図4による入退室管理装置の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0022】
2 部屋、3 カードリーダ、4 カード、5 表示器、7 扉、9 入力器、11 電気錠、22,122 記憶部、24 第1判定部、25 第1パスワード生成部、26,126 表示制御部、27 第1記憶命令部、28 第1解除部、29 第2解除部、124 第1・第2判定部、125 第2パスワード生成部、127 第2記憶命令部、128 第3解除部、129 第4解除部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
部屋の入室側に設けられ、カードに付された第1識別番号を読み取るカードリーダと、
前記入室側に設けられた数字などを表示する表示器と、
退室側に設けられた数字などを入力する入力器と、
前記部屋の入室が許可される第2識別番号を記憶した記憶手段と、
前記第1識別番号と前記記憶手段から読み出された第2識別番号とが一致するか否かを判定する第1判定手段と、
前記第1判定手段の結果が一致していると、第1パスワードを生成する第1パスワード生成手段と、
前記表示器に前記第1パスワードを表示する表示制御手段と、
前記表示器に前記第1パスワードを表示した後、前記部屋の扉に設けられた電気錠を解除する第1解除手段と、
前記第1解除手段により前記電気錠が解除した第1解除信号を前記記憶手段に記憶させる第1記憶命令手段と、
前記第1パスワードが前記入力器から入力され、前記記憶手段に前記第1解除手段信号を有することにより前記電気錠を解除する第2解除手段と、
を備えたことを特徴とする入退室管理装置。
【請求項2】
部屋の入室側に設けられ、カードに付された第1識別番号を読み取るカードリーダと、
前記入室側に設けられた数字などを表示する表示器と、
退室側に設けられた数字などを入力する入力器と、
前記部屋の入室が許可される第2識別番号を記憶すると共に、これまでに発行された第1パスワードが記憶された記憶手段と、
前記第1識別番号と記憶された第2識別番号とを比較して一致するか否かを判定する第1判定手段と、
前記第1判定手段の結果が一致していると、第3パスワードを生成する第2パスワード生成手段と、
前記第3パスワードが前記記憶手段から読み出された第1パスワードと重複するか否かを判定する第2判定手段と、
前記第2判定手段の結果が重複していないと、前記部屋の扉に設けられた電気錠を解除する第3解除手段と、
前記第2判定手段の結果が重複していないと、前記第3パスワードを前記表示器に表示する表示制御手段と、
前記第3解除手段により前記電気錠が解除した第3解除信号を前記記憶手段に記憶させる第2記憶命令手段と、
前記第3パスワードが前記入力器から入力され、前記記憶手段に前記第3解除信号を有することにより前記電気錠を解除する第4解除手段と、
を備えたことを特徴とする入退室管理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−120173(P2007−120173A)
【公開日】平成19年5月17日(2007.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−314720(P2005−314720)
【出願日】平成17年10月28日(2005.10.28)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】