説明

共用車両運用システム及び共用車両運用方法

【課題】複数の駐車場から駐車状況に応じて駐車場が適切に選定されるように構成することで、利用者の利便性を向上させることが可能な共用車両運用システム及び共用車両運用方法を提供する。
【解決手段】複数の駐車場100に配車されている車両3を複数の利用者により共用する共用車両運用システム1であって、各駐車場100における車両3の駐車状況を表す駐車情報を取得する駐車情報取得手段と、各車両3の現在位置情報を含む車両情報を取得する車両情報取得手段と、利用車両3の目的地の位置を表す目的地位置情報を取得する目的地位置情報取得手段と、目的地位置情報取得手段により取得された利用車両3の目的地位置情報,車両情報取得手段により取得された利用車両3の現在位置情報,及び駐車情報取得手段により取得された駐車情報に基づいて、利用車両3の返却駐車場を選定する返却駐車場選定手段と、を備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は共用車両運用システム及び共用車両運用方法に関し、特に車両を返却するための返却駐車場を複数の駐車場から選択可能な共用車両運用システム及び共用車両運用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、利用者が、一時利用した車両を、目的地付近にある複数の所定駐車場の1つに駐車して返却可能なレンタカー管理システムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載のシステムでは、利用者は、目的地付近において利用車両を返却するために、レンタカー会社が利用契約を結んでいる複数の契約駐車場に選択的に駐車可能となっている。利用者は、車両内のナビゲーション装置に表示される複数の駐車場から、所望の駐車場を選択して駐車し、利用終了をレンタカー会社に通知するための終了操作を行うことで利用車両を返却することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−140403号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1のシステムでは、返却駐車場の選択が特定の駐車場に偏るおそれがあった。このため、例えば、利用者が目的地付近の選択した駐車場に到着したとき、その駐車場が満車で駐車できない場合が生じ得る。このような場合、利用者は、さらに駐車可能な駐車場まで向かわなくてはならず、返却に手間が掛かってしまう。
【0005】
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、複数の駐車場から駐車状況に応じて駐車場が適切に選定されるように構成することで、利用者の利便性を向上させることが可能な共用車両運用システム及び共用車両運用方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するために、本発明は、複数の駐車場に配車されている車両を複数の利用者により共用する共用車両運用システムであって、各駐車場における車両の駐車状況を表す駐車情報を取得する駐車情報取得手段と、各車両の現在位置情報を含む車両情報を取得する車両情報取得手段と、利用車両の目的地の位置を表す目的地位置情報を取得する目的地位置情報取得手段と、目的地位置情報取得手段により取得された利用車両の目的地位置情報,車両情報取得手段により取得された利用車両の現在位置情報,及び駐車情報取得手段により取得された駐車情報に基づいて、利用車両の返却駐車場を選定する返却駐車場選定手段と、を備えたことを特徴としている。
【0007】
このように構成された本発明においては、利用者の利用車両を返却するための返却駐車場が複数の駐車場から選定されるように構成され、この返却駐車場の選定が、目的地の位置情報,利用車両の位置情報,各駐車場の駐車情報に基づいて行われる。よって、駐車情報により駐車可能な駐車場であって、目的地に関連した駐車場から、利用車両の位置関係を考慮して最適な駐車場を選定することができる。これにより、利用者に対する利便性を向上させつつ、車両が特定の駐車場に偏ってしまうことを防止することができる。
【0008】
また、本発明において好ましくは、返却駐車場選定手段は、目的地位置情報による目的地の位置と、現在位置情報による車両現在位置と、駐車情報による駐車可能な駐車場の位置との距離関係に基づいて、利用車両の返却駐車場を選定する。このように構成された本発明においては、目的地の位置と、車両現在位置と、駐車可能な駐車場の位置との距離関係に基づいて、返却駐車場を選定することで、さらに利用者の利便性を高めることができる。
【0009】
また、本発明において好ましくは、車両情報取得手段が取得する車両情報は、走行可能距離に関する情報を含み、返却駐車場選定手段は、目的地位置情報取得手段からの目的地位置情報と、車両情報取得手段からの現在位置情報と、駐車情報取得手段からの駐車情報と、車両情報取得手段からの車両情報により取得した走行可能距離とに基づいて、利用車両の返却駐車場を選定する。このように構成された本発明においては、目的地位置情報と、現在位置情報と、駐車情報と、車両の走行可能距離に基づいて、返却駐車場を選定することで、さらに利用者の利便性を高めることができる。
【0010】
また、具体的には、走行可能距離に関する情報は、燃料残量を含む。また、具体的には、利用車両は、電動式走行装置を備え、走行可能距離に関する情報は、電動式走行装置に供給可能なバッテリ電気容量を含む。このように構成された本発明においては、燃料残量またはバッテリ電気容量から、利用車両の走行可能距離を算出することができる。
【0011】
また、本発明において好ましくは、公共交通機関の停留場所及び運賃に関する情報を有する交通機関情報記憶手段と、返却駐車場選定手段により選定された返却駐車場の位置と、目的地位置情報による目的地の位置とに基づいて、交通機関情報記憶手段を用いて、返却駐車場から目的地まで公共交通機関を利用する場合の最寄の停留場所及び運賃に関する情報を取得する交通情報取得手段と、をさらに備える。このように構成された本発明においては、例えば返却駐車場が目的地から遠い場合には、返却駐車場から目的地まで公共交通機関を利用する場合の最寄の停留場所及び運賃に関する情報を取得することができる。
【0012】
また、本発明において好ましくは、利用者による車両利用料金を算出する利用料金算出手段をさらに備え、利用料金算出手段は、算出した車両利用料金を、交通情報取得手段により取得された運賃に関する情報に応じて割り引く処理を行う。このように構成された本発明においては、例えば返却駐車場が目的地から遠い場合には、公共交通機関の利用による利用者の負担を軽減し、利用者によって使い勝手のよいシステムとすることができる。
【0013】
また、上述した課題を解決するために、本発明は、複数の車両の管理を行う中央管理装置と、中央管理装置と無線通信を行う複数の車両と、通信回線を介して中央管理装置に接続され複数の駐車場に駐車された車両を駐車場毎にそれぞれ管理する複数の駐車場管理装置と、を備えた共用車両運用システムを用いて、複数の駐車場に配車されている車両を複数の利用者により共用する共用車両運用方法であって、中央管理装置により、各駐車場管理装置から、各駐車場における車両の駐車状況を表す駐車情報を取得する駐車情報取得ステップと、中央管理装置により、各車両から、各車両の現在位置情報を含む車両情報を取得する車両情報取得ステップと、中央管理装置により、利用車両の目的地の位置を表す目的地位置情報を取得する目的地位置情報取得ステップと、中央管理装置により、利用車両の目的地位置情報,利用車両の現在位置情報,及び駐車情報に基づいて、利用車両の返却駐車場を選定する返却駐車場選定ステップと、を備えたことを特徴としている。
【0014】
また、本発明において好ましくは、返却駐車場選定ステップでは、中央管理装置により、目的地位置情報による目的地の位置と、現在位置情報による車両現在位置と、駐車情報による駐車可能な駐車場の位置との距離関係に基づいて、利用車両の返却駐車場を選定する。
【0015】
また、本発明において好ましくは、車両情報は、走行可能距離に関する情報を含み、返却駐車場選定ステップでは、中央管理装置により、目的地位置情報と、現在位置情報と、駐車情報と、車両情報により取得した走行可能距離とに基づいて、利用車両の返却駐車場を選定する。
【0016】
また、本発明において好ましくは、選定された返却駐車場の位置と、目的地位置情報による目的地の位置とに基づいて、公共交通機関情報を用いて、返却駐車場から目的地まで公共交通機関を利用する場合の最寄の停留場所及び運賃に関する情報を取得する交通情報取得ステップと、をさらに備える。
【0017】
また、本発明において好ましくは、利用者による車両利用料金を算出する利用料金算出ステップをさらに備え、利用料金算出ステップでは、算出した車両利用料金を、交通情報取得ステップにより取得された運賃に関する情報に応じて割り引く処理を行う。
【発明の効果】
【0018】
本発明の共用車両運用システム及び共用車両運用方法によれば、複数の駐車場から駐車状況に応じて駐車場を適切に選定することで、利用者の利便性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施形態における共用車両運用システムの全体図である。
【図2】本発明の実施形態におけるコントローラの説明図である。
【図3】本発明の実施形態における車両システムの説明図である。
【図4】本発明の実施形態における共用車両運用システムの利用形態の説明図である。
【図5】本発明の実施形態における予約処理フローである。
【図6】本発明の実施形態における車両側の処理フローである。
【図7】本発明の実施形態における中央管理装置側の処理フローである。
【図8】本発明の実施形態における返却駐車場の変更処理フローである。
【図9】本発明の実施形態における返却処理フローである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
次に、添付図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。
図1乃至図9を参照して、本発明の実施形態による共用車両運用システムを説明する。
図1に示すように、本実施形態の共用車両運用システム1は、カーシェアリングセンターに配置された中央管理装置10と、車両3を駐車するための複数の駐車場100にそれぞれ配置されたコントローラ(駐車場管理装置)20(図2参照)とを備えている。
【0021】
本実施形態では、中央管理装置10は、インターネット等の通信回線に接続され、車両管理・予約システムとして機能するサーバ装置である。
中央管理装置10は、車両情報管理処理及び予約処理等を行うCPUを有する制御部と、車両情報管理アプリケーション,予約処理アプリケーション,車両情報データベース,顧客データベース,駐車情報データベース,車両予約情報データベース等を記憶する記憶部と、通信ユニット等を備えている。
【0022】
車両情報取得手段としての中央管理装置10は、車両情報管理処理において、各車両3との直接的な通信により、すべての車両3を監視し、各車両3の固有の車両識別情報(車両を特定するための車両固有の情報),車両位置情報,残燃料(又は電動式走行装置を備えた車両の場合は、バッテリ残量、すなわち、バッテリ電気容量),走行距離等の車両情報を取得して、この車両情報を含む車両情報データベースを逐次更新する。
【0023】
また、中央管理装置10は、各駐車場100の位置情報及び駐車状況を表す駐車情報データベースを記憶している。駐車情報取得手段としての中央管理装置10は、各駐車場100に配置されたコントローラ20から駐車状況を示す駐車情報を受け取り、駐車情報データベースを逐次更新する。これにより、中央管理装置10は、各駐車場100に、駐車スペースがあるか否か(駐車可能か否か)を判定することができる。
【0024】
また、中央管理装置10は、通信回線を介してアクセスする利用者のパソコンや携帯電話等の通信手段4との間で、車両3の予約処理を行う。顧客データベースは、登録された利用者を特定又は認証するためのものであり、各利用者を特定するための固有の利用者識別情報を含む各種の個人情報が記憶されている。なお、利用者には、会員登録により、個人情報が記憶されたIDカード6が発行されている。
【0025】
中央管理装置10は、アクセスした利用者を顧客データベースに基づいて認証し、認証された利用者が入力した貸出日時,出発地,目的地等の利用予約条件を受付ける。目的地位置情報取得手段としての中央管理装置10は、この利用予約条件を受け取って、車両予約情報データベース,車両情報データベース及び駐車情報データベースに基づいて、利用予約条件に合致する車両3を利用者のために予約し、車両情報データベース及び顧客データベースに関連付けて予約車両の予約情報を記憶する車両予約情報データベースを更新する。
【0026】
また、交通情報取得手段としての中央管理装置10は、鉄道やバス等の公共交通機関の情報が蓄積された公共交通機関情報11(交通機関情報記憶手段)にアクセスして、任意の地点間において公共交通機関を利用するための情報を取得する。これにより、任意の地点から別の地点まで公共交通機関を用いる場合における、それぞれの地点における最寄駅・停留所に関する情報と、発着時刻情報と、利用料金すなわち運賃に関する情報を取得することができる。この公共交通機関情報11は、通信回線を介してアクセス可能なものであってもよいし、中央管理装置10内の記憶装置にデータベースとして記憶されたものであってもよい。
【0027】
また、中央管理装置10は、利用者に利用料金を請求するためにクレジットカード会社12に通信回線を介して接続されている。中央管理装置10は、利用者の車両利用時に保険を適用するため、保険会社13に通信回線を介して接続されている。さらに、中央管理装置10は、市街地にあるデパート等の提携した商業施設14とも接続されており、これら商業施設14からクーポン等のディスカウント情報を取得可能であり、また、商業施設14に特定の利用者に対して割引を行うための情報を提供可能となっている。
【0028】
各駐車場100には、それぞれ所定台数の駐車スペースが用意されており、各駐車場100にそれぞれ配置されたコントローラ20は、各駐車場100の駐車状況を中央管理装置10に通知する処理を行う。本実施形態では、駐車場100は、例えば、コンビニエンスストア等との提携により提供される多数の駐車場であり、これらの駐車場を使用することで、出発地及び目的地付近に駐車場を確保することが可能となり、利用者の利便性を高めることができる。
【0029】
図2に示すように、コントローラ20は、上記処理を行う制御ユニット21と、通信回線を介して中央管理装置10と通信を行う通信ユニット22と、駐車スペースに車両が駐車されていることを検出する検出センサ23とを備えている。
検出センサ23は、駐車スペースが車両3によって占有されているか否かを検出して、検出信号を制御ユニット21に出力する。制御ユニット21は、この検出信号を受けて、駐車可能台数を含む駐車情報を、通信ユニット22を介して中央管理装置10へ定期的にまたは中央管理装置10からの送信要求に応じて送信する。
【0030】
図3に示すように、車両3は、各種の動作制御を行う制御ユニット(ECU)31と、中央管理装置10等と通信回線を介して無線通信を行う通信ユニット32と、利用者が所定の情報を入力可能であると共に、各種情報を表示可能である入力表示装置33と、車車間通信ユニット34と、ドアロック制御装置(BCM)35と、エンジン制御部36と、速度計,距離計,燃料計(バッテリ残量計)等の各種メータ37と、ナビゲーション装置38と、GPS39とを備えている。
【0031】
入力表示装置33は、例えばタッチパネルディスプレーであり、利用者が入力した情報を中央管理装置10へ送信可能であり、また、中央管理装置10から通信ユニット32を介して受信した受信信号に応じて、所定の表示を表示可能となっている。また、入力表示装置33がナビゲーション装置38のディスプレイを兼ねてもよい。ナビゲーション装置38は、GPSアンテナ,GPS受信機等を有するGPS39からのデータと、ジャイロセンサからのデータ等から車両現在位置(車両位置情報)を算出する。
【0032】
車両制御ユニット31は、通信ユニット32を用いて、中央管理装置10からの問い合わせに応じて、または定期的に上述の車両情報やその他の信号を送信するように構成されている。このため、車両制御ユニット31は、メータ37,ナビゲーション装置38から各種情報を取得し、車両識別情報と併せて車両情報を作成する。
【0033】
ドアロック制御装置35は、車両3のフロントドア,リアドア,トランクリッド,バックドアにそれぞれ配置され、これらをロック(施錠)及びアンロック(開錠)するためのアクチュエータ等からなるロック機構(ドア施錠装置)35aと、ロック機構35aにより各ドア等がロックされているか否かを検出するロックセンサ35bと、各ドア等の開閉状態を検出する開閉状態検出センサ35cとを備えている。
【0034】
ドアロック制御装置35は、開閉状態検出センサ35cからのドア開閉状態信号を車両制御ユニット31に出力する。また、ドアロック制御装置35は、車両制御ユニット31からの制御信号に基づいて、ロック機構35aを作動させて各ドア等をロック状態又はアンロック状態にすると共に、ロックセンサ35bの検出結果を車両制御ユニット31に出力する。
【0035】
本実施形態では、車両制御ユニット31,ドアロック制御装置35,エンジン制御部36が、キーレスエントリーシステム及びエンジンスタートシステムを構成し、IDカード6が、これらシステムの携帯機を兼ねている。したがって、利用者は、IDカード6により、ドアロック解除およびエンジンスタートを行うことが可能となっている。
【0036】
次に、図4に基づいて、共用車両運用システム1の利用例について説明する。図4は、休日に、利用者が郊外にある自宅200から、公共交通機関201を用いて、市街地の商業施設202に買い物に出掛け、買い物後に車両3をレンタルする場合を示している。
【0037】
この場合、利用者は、まず通信手段4を用いて中央管理装置10にアクセスし、出発地(商業施設202),目的地(自宅200),日時(現在時刻),希望車種,積載量の有無,経由地(自宅200)等を予約条件として指定し車両3を予約する。これにより、出発地付近にある駐車場100aに駐車されていた車両3が予約される。また、目的地付近の駐車場100bが返却駐車場として指定される。
【0038】
利用者は、駐車場100aで車両3を受け取り、自宅200で荷物を降ろした後、駐車場100bで車両3を返却する。これにより、中央管理装置10は、利用時間,走行距離,燃料/バッテリ消費量等に応じて利用料金を算出し、利用者にクレジットカード会社12を介して利用者に利用料金を請求する。
【0039】
一方、目的地付近の駐車場100bが満車であり、返却駐車場として、駐車場100cが指定された場合や、走行途中で当初の返却駐車場であった駐車場100bが満車になり、返却駐車場が駐車場100cに変更になった場合、利用者は、駐車場100cに車両3を返却する。ただし、駐車場100cは、自宅200へ移動するために、公共交通機関201の利用が必要な駐車場である。
【0040】
利用者は、駐車場100cの最寄の停留所203から自宅200の最寄の停留所204まで、公共交通機関201(本例ではバス)を利用して帰る。このような場合、中央管理装置10は、少なくともバスの運賃を差し引いて利用料金を算出し、割り引いた利用料金を利用者に請求する。なお、当初の駐車場100bから変更後の駐車場100cまでの移動予想時間や、燃料/バッテリ消費量等を考慮して、さらに利用料金を割り引くようにしてもよい。
【0041】
また、予約時、目的地付近において、駐車場100bよりも便利な位置に利用可能な駐車場100dが存在する場合、駐車場100bよりも駐車場100dの方が、返却駐車場に選定される優先度が高い。すなわち、本実施形態では、目的地付近で利用可能な駐車場100のうち、当該駐車場の位置と、借り出した駐車場100aの位置と、目的地の位置との距離関係で、利用者に最も便利な駐車場が返却駐車場に選定される。したがって、目的地(自宅200)から同程度の距離範囲に駐車場100b,100dが位置する場合には、所定条件(例えば、借り出した駐車場100aに最も近いという地理的条件,駐車場100aと目的地との経路に最も近いという地理的条件,次の予約者の出発地に最も近いという地理的条件,残駐車スペース数/率が最も多いという駐車条件等)から駐車場100dが選定される。
【0042】
しかしながら、駐車場100dがすでに満車である場合や、駐車スペースが残っていても他の利用者により返却駐車場として既に利用予約されているような場合には、中央管理装置10は、このような駐車状況を考慮して、返却駐車場として駐車場100bを選定する。これにより、例えば、市街地寄りの特定の駐車場100に車両3が偏ることを抑制することができると共に、利用者の返却時における利便性を高めることができる。
【0043】
次に、図5−図12の処理フローに基づいて、本発明の実施形態による共用車両運用システム1の作用を説明する。
まず、図5に基づいて、本実施形態の予約処理について説明する。
利用者は、通信手段4を用いて、通信回線を介して、中央管理装置10の予約受付けのための認証画面にアクセスし、固有の利用者識別情報(例えば、ID番号)やパスワード等の認証情報を入力し、認証情報を中央管理装置10へ送信する。これにより、中央管理装置10は認証情報を受信する(ステップS1)。
【0044】
認証情報を受信すると、中央管理装置10は認証処理を行う(ステップS2)。この処理では、まず、中央管理装置10は、顧客データベースに基づいて、認証情報を送信した利用者が登録された会員であるか否かを判定する。登録会員であると判断した場合は、クレジットカード会社12及び保険会社13に利用者情報を照合し、この照合によりアクセスしてきた利用者が利用可能であると判定されれば、中央管理装置10は予約受付け情報を送信して予約受付け可能であることを通知する。また、登録会員でないと判断した場合や、クレジットカード会社12及び保険会社13による照合結果により不適合であると判断した場合は、中央管理装置10は予約受付け不可能であることを通知する。
【0045】
予約受付け可能である場合、利用者は、予約受付け画面で、利用予約条件を入力し、中央管理装置10へ送信する。これにより、中央管理装置10は、利用予約条件を受信する(ステップS3)。利用予約条件には、貸出日時,出発地,目的地,経由地,希望車種,搭乗人数,積載物の有無等が含まれ、利用者は、少なくとも貸出日時,出発地,目的地を必須予約条件として入力する。
【0046】
中央管理装置10は、上記利用予約条件に合致する車両3を車両予約情報データベース,車両情報データベース及び駐車情報データベースを用いて検索し、検索結果案内画面を送信して利用者に検索結果を通知する(ステップS4)。
【0047】
例えば、中央管理装置10は、利用予約条件の「貸出日時」に関して、この日時に貸出可能な車両3を選定し、さらに「出発地」に近い駐車場100に駐車されている車両3を特定して利用車両に選定すると共に、この利用車両3が駐車されている駐車場100を貸出駐車場に選定する。なお、利用予約条件において、出発地の代わりに、貸出駐車場を利用者が特定して入力するようにしてもよい。
【0048】
また、返却駐車場選定手段としての中央管理装置10は、「目的地」と、貸出駐車場の位置(すなわち、車両現在位置に相当)と、該当車両3の車両情報から算出される走行可能距離と、駐車情報から目的地付近で利用可能な複数の駐車場100の位置に基づいて、これらの距離関係等に応じて、返却駐車場を選定する。
【0049】
したがって、予約条件の「出発地」,「経由地」,「目的地」から算出される予想走行距離が、選定された車両3の車両情報に含まれる残燃料/バッテリ残量に基づいて算出される走行可能距離と比較して短い場合には、当該車両3は、利用予約条件に合致しない車両と判断される。さらに駐車情報を選定条件に加味して、複数の駐車場の選定可能性がある場合には、駐車率が低い駐車場を優先的に選定するようにしてもよい。さらに、予約条件として「搭乗人数」を設定していた場合、搭乗人数に対し座席数が少ない車両3は利用予約条件に合致しない車両と判断される。
【0050】
利用者は、検索結果案内画面で、少なくとも貸出日時,利用車両,貸出駐車場,返却駐車場を含む検索結果を確認し、予約を確定するための予約確定入力を中央管理装置10へ送信する。これにより、中央管理装置10は、予約確定入力を受信し、上記検索結果に基づいて予約が確定される(ステップS5)。予約確定により、中央管理装置10は、利用者識別情報に関連付けて、貸出日時,貸出駐車場,返却駐車場,車両(固有の車両識別情報VINで特定される)等の情報を含む車両予約情報を記憶する。
【0051】
次に、図6に基づいて、本実施形態における車両利用時の車両3における処理について説明する。
予約後、利用者が指定の駐車場100に赴き、IDカード6を予約車両3に近づけることにより、車両3の車両制御ユニット31は、ドアロックを解除する処理を行う(ステップS11)。
【0052】
この処理では、車両3の車両制御ユニット31は、通信ユニット32を介してIDカード6内に記憶された利用者識別情報を読み込み、中央管理装置10に車両予約情報の問合せを行う。中央管理装置10は、この問合せに対して、当該車両3に関する車両予約情報を検索して送信する。車両制御ユニット31は、受信した車両予約情報に含まれる利用者識別情報と、IDカード6から読み込んだ利用者識別情報とを比較する。
【0053】
これらが合致すれば、予約した利用者が車両予約情報に基づいて予約車両3を貸出日時に利用しに来たものと判定して、車両制御ユニット31は、貸出が終了するまで、利用者識別情報を内部メモリに記憶すると共に、ドアロック制御装置35にドアロックを解除させるためのドアロック解除制御信号を出力する。これにより、車両3では、ロック機構35aが作動して、フロントドア,リアドア,トランクリッド,バックドアのすべて又は一部がロック解除される。
【0054】
ドアロック解除により、もしくは、ドアロックを解除した後、利用者が利用操作を行うことにより、車両制御ユニット31は、利用開始信号を中央管理装置10へ送信する(ステップS12)。これにより、中央管理装置10は、当該予約車両3の利用開始時間,利用開始時の残燃料/バッテリ残量,走行距離等を車両予約情報に追加して記録する。なお、上記利用者による利用操作は、例えば、エンジン作動によりエンジン制御部36から受け取るエンジン作動信号であってもよいし、入力表示装置33への入力操作であってもよい。
【0055】
利用開始信号を送信後、車両制御ユニット31は、中央管理装置10から既に受信している上記車両予約情報に含まれる返却駐車場,経由地等の位置情報を、ナビゲーション装置38に提供する(ステップS13)。これにより、利用者は、ナビゲーション装置38にこれらの情報を入力する手間を省くことができる。
【0056】
ナビゲーション装置38は、これらの情報の入力に基づき走行案内処理を開始する。これにより、車両制御ユニット31は、ナビゲーション装置38から走行案内情報を受け取って、入力表示装置33のディスプレイにより走行経路誘導を行う(ステップS14)。走行経路誘導は、車両返却時まで継続して行われる。
【0057】
次に、図7に基づいて、本実施形態における車両利用時の中央管理装置10における処理について説明する。
中央管理装置10は、定期的に車両3から車両情報を受け取り、車両3を監視している。中央管理装置10は、利用開始された車両3について、貸出駐車場,経由地,返却駐車場までの誘導経路を算出し、車両情報に含まれる車両位置情報から、車両3が誘導経路から所定距離以上逸れているか否かを判定する(ステップS21)。
【0058】
車両3が誘導経路から外れていない場合(ステップS21;No)、中央管理装置10は、この処理を継続する。
一方、車両3が誘導経路から外れている場合(ステップS21;Yes)、中央管理装置10は、車両3へ目的地を変更するか否かを問合せる目的地変更問合せ信号を送信する(ステップS22)。
【0059】
車両3では、車両制御ユニット31は、問合せ信号を受信すると、入力表示装置33のディスプレイに、目的地を変更するか否かの問合せ表示(例えば、「目的地を変更しますか?」)を表示すると共に、音声により報知を行う。これにより、利用者は、目的地を変更する場合には、新たな目的地を入力表示装置33に入力し、これを中央管理装置10へ送信する。一方、目的地を変更しない場合には、変更しない旨を入力表示装置33に入力し、これを中央管理装置10へ送信する。
【0060】
目的地位置情報取得手段としての中央管理装置10は、車両3からの返信信号を受けて(ステップS23)、この返信信号が目的地変更を指示するものであるか否かを判定する(ステップS24)。
目的地を変更しない旨の返信信号であった場合(ステップS24;No)、中央管理装置10は、処理を終了し、再びステップS21の処理を繰り返す。
一方、目的地を変更する旨の返信信号であった場合(ステップS24;Yes)、中央管理装置10は、この返信信号に含まれる目的地に車両予約情報を更新する(ステップS25)。
【0061】
中央管理装置10は、更新された目的地で返却駐車場を検索する(ステップS26)。そして、返却駐車場通知手段としての中央管理装置10は、新たな返却駐車場を表す信号を車両3へ送信し(ステップS27)、処理を終了し、再びステップS21の処理を繰り返す。
車両3では、車両制御ユニット31は、変更された返却駐車場を表す信号を受信し、ナビゲーション装置38に変更された返却駐車場を入力する。これにより、変更された返却駐車場までの走行経路誘導が行われる。
【0062】
なお、新たな返却駐車場を検索する処理では、返却駐車場選定手段としての中央管理装置10は、新たな目的地と、車両情報からの車両現在位置と、さらに、車両情報から算出される走行可能距離と、駐車情報(すなわち、目的地付近の各駐車場の空き状況)に基づいて、これらの距離関係に応じて、返却駐車場を選定する。例えば、まず、新たな目的地付近で利用可能な駐車場であって、車両現在位置から走行可能距離の範囲内にある駐車場が選定され、これらのうちから、上述の予約時の選定処理と同様に、利用者に最も便利な駐車場が新たな返却駐車場に選定される。
なお、走行可能距離は、車両情報に含まれる残燃料/バッテリ残量に単位燃料当りの予想走行距離を積算することで算出される。
【0063】
次に、図8に基づいて、利用車両3の走行中に返却駐車場が利用不可能になり、返却駐車場の変更処理が行われる場合の処理について説明する。図8(A)は中央管理装置10の処理、図8(B)は車両制御ユニット31の処理である。
中央管理装置10は、各コントローラ20から定期的に受け取る駐車情報に基づいて、利用車両3に関して車両予約情報の返却駐車場が利用可能な状態であるか否かを判断する(ステップS31)。
【0064】
返却駐車場が利用可能である場合(ステップS31;Yes)、中央管理装置10は、処理を終了し、再びステップS31の処理を繰り返す。
一方、返却駐車場が利用可能でなくなった場合(ステップS31;No)、中央管理装置10は、車両予約情報に含まれる目的地位置情報に基づいて、新たな返却駐車場を検索する(ステップS32)。
【0065】
この検索処理では、返却駐車場選定手段としての中央管理装置10は、車両予約情報に含まれる目的地と、車両情報からの車両現在位置と、さらに、車両情報から算出される走行可能距離と、駐車情報(すなわち、目的地付近の各駐車場の空き状況)に基づいて、これらの距離関係に応じて、上述の処理と同様に返却駐車場を選定する。例えば、まず、車両現在位置から走行可能距離の範囲内にある利用可能な駐車場が駐車率等に応じて選定され、これらのうちから、目的地に最も便利な駐車場が新たな返却駐車場に選定される。
【0066】
また、このようにして選定された新たな返却駐車場が、目的地から所定距離以上(例えば、徒歩で20分以上掛かる距離)離れている場合、中央管理装置10は、公共交通機関情報11にアクセスして、公共交通機関を利用してより短い時間で目的地まで移動可能な駐車場100を検索及び選定する。この場合、中央管理装置10は、選定された駐車場100に関して、利用する公共交通機関の駅・バス停留所情報,発着時刻情報,運賃情報を取得する。
【0067】
そして、返却駐車場通知手段としての中央管理装置10は、検索及び選定された1つまたは複数の返却駐車場を表す返却駐車場変更信号を車両3に送信する(ステップS33)。なお、返却駐車場変更信号には、必要に応じて、公共交通機関に関する上記情報が含められる。
車両3では、この返却駐車場変更信号を受信すると(ステップS41)、車両制御ユニット31は、入力表示装置33に変更予定の返却駐車場を表示する。また、返却駐車場変更信号が公共交通機関に関する情報を含む場合は、公共交通機関に関する情報を表示する。
【0068】
利用者は、入力表示装置33に表示された変更予定の返却駐車場を確認し、例えば、入力表示装置33の画面上で返却駐車場の1つのをタッチすることにより返却駐車場を特定する。これにより、返却駐車場が特定され、車両制御ユニット31は、その返却駐車場を表す確認信号を中央管理装置10へ送信する(ステップS42)。また、これに伴い、車両制御ユニット31は、新たな返却駐車場をナビゲーション装置38に提供することで、入力表示装置33のディスプレイにより走行経路誘導が行われる。
一方、中央管理装置10では、確認信号を受信し、この確認信号に含まれる返却駐車場で車両予約情報を更新し(ステップS34)、処理を終了する。
【0069】
次に、図9に基づいて、返却駐車場で利用車両3を返却する処理について説明する。
中央管理装置10は、車両情報による車両現在位置から、利用車両3が返却駐車場に到達したか否かを判断する(ステップS51)。なお、中央管理装置10は、車両現在位置に加えて、駐車場100のコントローラ20からの駐車情報を利用して、上記判断を行ってもよい。
【0070】
利用車両3が返却駐車場に到達していない場合(ステップS51;No)、中央管理装置10は、処理を終了し、再びステップS51の処理を繰り返す。
一方、利用車両3が返却駐車場に到達した場合(ステップS51;Yes)、中央管理装置10は、車両3から利用終了信号を受け取ったか否かを判断する(ステップS52)。本実施形態では、駐車場100内で車両3が停止したことを確認し(例えば、パーキングブレーキがセットされたことを表すパーキングブレーキオン信号を受け取ること)、且つ、エンジン制御部36からエンジンオフ信号を受け取ると、車両制御ユニット31が利用終了信号を中央管理装置10へ送信する。なお、利用終了信号を発信する操作ボタンを設けてもよい。
【0071】
利用終了信号を受け取っていない場合(ステップS52;No)、中央管理装置10は、処理を終了し、再びステップS51の処理を繰り返す。
一方、利用終了信号を受け取った場合(ステップS52;Yes)、中央管理装置10は、利用終了信号の受信により、利用終了処理を行う(ステップS53)。この場合、中央管理装置10は、車両予約情報に利用終了時間,利用終了時の残燃料/バッテリ残量,走行距離等を記録する。
【0072】
利用終了処理に続いて、利用料金算出手段としての中央管理装置10は、利用者への利用料金請求処理を行う(ステップS54)。この処理では、中央管理装置10は、利用開始時間から利用終了時間までの利用時間、走行距離,燃料/バッテリ消費量等に基づいて利用料金を算出する。また、返却駐車場が走行途中に駐車状況の変化により変更になった場合や、そのため公共交通機関を使用した場合には、余分に掛かった時間や、燃料/バッテリ消費量や、公共交通機関の運賃等が差し引かれる。また、利用者が走行途中で給油した場合は、給油量分が差し引かれるようにしてもよい。
さらに、予約時に目的地近辺に利用可能な駐車場100がなく、公共交通機関を利用しなければならないような場合にも、公共交通機関の運賃等を差し引くようにしてもよい。
中央管理装置10は、このようにして算出した利用料金をクレジットカード会社12を介して利用者に請求する処理を行う。
【0073】
利用料金の請求に続いて、中央管理装置10は、車両情報に含まれるドア開閉状態信号に基づいて、停車後に、車両ドアが開状態となった後、閉状態となったことを検出すると(ステップS55;Yes)、所定時間経過後に、すべてのドア及びトランクリッドをロック状態にするために、ドアロック作動指令を送信する(ステップS56)。これにより、車両3では、ドアロック作動指令を受信した車両制御ユニット31が、ドアロック制御装置35にドアロックを作動させるためのドアロック駆動信号を出力し、すべてのドア及びトランクリッドがロックされる。また、車両制御ユニット31は、記憶していた利用者識別情報を消去する。これにより、利用者は、IDカード6によってドア開錠ができなくなる。
【0074】
以上のように、本実施形態では、中央管理装置10が各駐車場100の駐車状況,各車両3の車両状況(車両現在位置,残燃料/バッテリ残量等)を監視し、これらに基づいて、目的地付近の利用可能な駐車場100の中から、利用者に便利な駐車場100を選定するので、特定の駐車場へ駐車が偏ることがなく、利用者の利便性が高められる。
【0075】
また、本実施形態では、走行途中で、当初予定されていた返却駐車場が利用できなくなった場合には、目的地,車両現在位置,目的地付近の駐車場100の位置,利用車両3の走行可能距離の距離関係から、新たな返却駐車場が選定され、車両3側へ通知されるので、返却駐車場への到達時に、当該駐車場が利用できないという不都合が生じることを防止することができる。
【0076】
さらに、本実施形態では、走行途中で、目的地を変更する場合には、目的地,車両現在位置,目的地付近の駐車場100の位置,利用車両3の走行可能距離の距離関係から、新たな返却駐車場が選定され、車両3側へ通知されるので、車両返却の利便性を確保することができる。
【0077】
なお、本実施形態では、利用車両3が誘導経路から外れた場合や、当初の返却駐車場が利用不可能になった場合に、新たな返却駐車場の設定処理が行われるように構成されているが、これに限らず、利用者が途中で目的地を変更するための要求操作をすることで、返却駐車場の変更処理が行われるように構成してもよい。
【0078】
例えば、利用者が目的地を変更したい場合に、入力表示装置33に新たな目的地を入力することで、目的地を変更するための要求信号を車両制御ユニット31が中央管理装置10へ送信するように構成することができる。この場合、要求信号の受信により、中央管理装置10では、図8のステップS32−S34の処理が行われるように構成できる。
【0079】
また、例えば、休日に市街地の駐車場から郊外の駐車場に車両3が利用され、郊外の駐車場に車両3が偏っていることを駐車情報から検出した場合に、中央管理装置10から利用者の通信手段4に、郊外から市街地への車両3の利用を促進するための通知を行うようにしてもよい。その際、例えば、提携している商業施設14を車両3の経由地として利用する利用者には、当該商業施設14で特別な割引を付与したり、駐車料金を割引したり、利用料金そのものを割引くように設定してもよい。これにより、車両3の地理的な偏在化を抑制することが可能となる。
【符号の説明】
【0080】
1 共用車両運用システム
3 車両
4 通信手段
6 IDカード
10 中央管理装置
20 コントローラ
21 制御ユニット
22 通信ユニット
31 車両制御ユニット
32 通信ユニット
33 入力表示装置
35 ドアロック制御装置
36 エンジン制御部
37 メータ
38 ナビゲーション装置
100 駐車場
200 自宅
201 公共交通機関
202 商業施設

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の駐車場に配車されている車両を複数の利用者により共用する共用車両運用システムであって、
各駐車場における車両の駐車状況を表す駐車情報を取得する駐車情報取得手段と、
各車両の現在位置情報を含む車両情報を取得する車両情報取得手段と、
利用車両の目的地の位置を表す目的地位置情報を取得する目的地位置情報取得手段と、
前記目的地位置情報取得手段により取得された利用車両の目的地位置情報,前記車両情報取得手段により取得された利用車両の現在位置情報,及び前記駐車情報取得手段により取得された駐車情報に基づいて、利用車両の返却駐車場を選定する返却駐車場選定手段と、
を備えたことを特徴とする共用車両運用システム。
【請求項2】
前記返却駐車場選定手段は、前記目的地位置情報による目的地の位置と、前記現在位置情報による車両現在位置と、前記駐車情報による駐車可能な駐車場の位置との距離関係に基づいて、利用車両の返却駐車場を選定することを特徴とする請求項1に記載の共用車両運用システム。
【請求項3】
前記車両情報取得手段が取得する前記車両情報は、走行可能距離に関する情報を含み、
前記返却駐車場選定手段は、前記目的地位置情報取得手段からの前記目的地位置情報と、前記車両情報取得手段からの前記現在位置情報と、前記駐車情報取得手段からの前記駐車情報と、前記車両情報取得手段からの前記車両情報により取得した走行可能距離とに基づいて、利用車両の返却駐車場を選定することを特徴とする請求項1に記載の共用車両運用システム。
【請求項4】
前記走行可能距離に関する情報は、燃料残量を含むことを特徴とする請求項3に記載の共用車両運用システム。
【請求項5】
前記利用車両は、電動式走行装置を備え、
前記走行可能距離に関する情報は、前記電動式走行装置に供給可能なバッテリ電気容量を含むことを特徴とする請求項3に記載の共用車両運用システム。
【請求項6】
公共交通機関の停留場所及び運賃に関する情報を有する交通機関情報記憶手段と、
前記返却駐車場選定手段により選定された返却駐車場の位置と、前記目的地位置情報による目的地の位置とに基づいて、前記交通機関情報記憶手段を用いて、前記返却駐車場から前記目的地まで公共交通機関を利用する場合の最寄の停留場所及び運賃に関する情報を取得する交通情報取得手段と、をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の共用車両運用システム。
【請求項7】
利用者による車両利用料金を算出する利用料金算出手段をさらに備え、
前記利用料金算出手段は、算出した車両利用料金を、前記交通情報取得手段により取得された運賃に関する情報に応じて割り引く処理を行うことを特徴とする請求項3に記載の共用車両運用システム。
【請求項8】
複数の車両の管理を行う中央管理装置と、前記中央管理装置と無線通信を行う複数の車両と、通信回線を介して前記中央管理装置に接続され複数の駐車場に駐車された車両を駐車場毎にそれぞれ管理する複数の駐車場管理装置と、を備えた共用車両運用システムを用いて、複数の駐車場に配車されている車両を複数の利用者により共用する共用車両運用方法であって、
前記中央管理装置により、各駐車場管理装置から、各駐車場における車両の駐車状況を表す駐車情報を取得する駐車情報取得ステップと、
前記中央管理装置により、各車両から、各車両の現在位置情報を含む車両情報を取得する車両情報取得ステップと、
前記中央管理装置により、利用車両の目的地の位置を表す目的地位置情報を取得する目的地位置情報取得ステップと、
前記中央管理装置により、利用車両の前記目的地位置情報,利用車両の前記現在位置情報,及び前記駐車情報に基づいて、利用車両の返却駐車場を選定する返却駐車場選定ステップと、を備えたことを特徴とする共用車両運用方法。
【請求項9】
前記返却駐車場選定ステップでは、前記中央管理装置により、前記目的地位置情報による目的地の位置と、前記現在位置情報による車両現在位置と、前記駐車情報による駐車可能な駐車場の位置との距離関係に基づいて、利用車両の返却駐車場を選定することを特徴とする請求項8に記載の共用車両運用方法。
【請求項10】
前記車両情報は、走行可能距離に関する情報を含み、
前記返却駐車場選定ステップでは、前記中央管理装置により、前記目的地位置情報と、前記現在位置情報と、前記駐車情報と、前記車両情報により取得した走行可能距離とに基づいて、利用車両の返却駐車場を選定することを特徴とする請求項8に記載の共用車両運用方法。
【請求項11】
前記選定された返却駐車場の位置と、前記目的地位置情報による目的地の位置とに基づいて、公共交通機関情報を用いて、前記返却駐車場から前記目的地まで公共交通機関を利用する場合の最寄の停留場所及び運賃に関する情報を取得する交通情報取得ステップと、をさらに備えたことを特徴とする請求項8に記載の共用車両運用方法。
【請求項12】
利用者による車両利用料金を算出する利用料金算出ステップをさらに備え、
前記利用料金算出ステップでは、算出した車両利用料金を、前記交通情報取得ステップにより取得された運賃に関する情報に応じて割り引く処理を行うことを特徴とする請求項11に記載の共用車両運用方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−257111(P2010−257111A)
【公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−105033(P2009−105033)
【出願日】平成21年4月23日(2009.4.23)
【出願人】(000003137)マツダ株式会社 (6,115)
【Fターム(参考)】