内容物を加熱または冷却するための一体型モジュールを備えた容器
容器は、加熱または冷却すべき内容物を収容するための容器本体と、この容器本体の一端に設けられた熱モジュールと、容器本体の他端に設けられた閉鎖部材とを備えている。
使用者が熱モジュールを作動させるときに、熱モジュール内で、内容物を加熱するために内部発熱(または代替的に吸熱)化学反応が開始される。熱モジュールは容器内に近位に延在する熱交換部分と、熱交換部分から離れた熱モジュールキャップを備えている。熱交換部分は容器の内容物への熱伝達を改善するためにひだ付き壁を備えている。容器は感熱接着剤によって閉鎖部材を超えた容器端部に接着された回転可能なカバーを備えている。この感熱接着剤は、或る温度に達するまでは、内容物への使用者のアクセスを防止する。容器は更に、アクチュエータを被覆するフルパネル引きはがし部材を備えている。このフルパネル引きはがし部材はそれから引きはがし蓋が取り外されるまでは、アクチュエータを作動しないように保護する。熱モジュールは更に、固体反応物質または反応生成物の粒子の流出を阻止するために、内側と外側のアクチュエータボタンの間の部分を含む熱モジュール通気口と干渉するように配置されたフィルタを備えている。
使用者が熱モジュールを作動させるときに、熱モジュール内で、内容物を加熱するために内部発熱(または代替的に吸熱)化学反応が開始される。熱モジュールは容器内に近位に延在する熱交換部分と、熱交換部分から離れた熱モジュールキャップを備えている。熱交換部分は容器の内容物への熱伝達を改善するためにひだ付き壁を備えている。容器は感熱接着剤によって閉鎖部材を超えた容器端部に接着された回転可能なカバーを備えている。この感熱接着剤は、或る温度に達するまでは、内容物への使用者のアクセスを防止する。容器は更に、アクチュエータを被覆するフルパネル引きはがし部材を備えている。このフルパネル引きはがし部材はそれから引きはがし蓋が取り外されるまでは、アクチュエータを作動しないように保護する。熱モジュールは更に、固体反応物質または反応生成物の粒子の流出を阻止するために、内側と外側のアクチュエータボタンの間の部分を含む熱モジュール通気口と干渉するように配置されたフィルタを備えている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の背景
発明の分野
本発明は概して、周囲の容器内で食品、飲料、薬等のような材料に熱を加えるかまたは熱を除去する内側モジュールを備えた容器に関する。
【0002】
関連技術の説明
容器は酒、コーヒー、スープのような材料を容器内で温めるための一体のモジュールを備えることができる。このような自己加熱容器の例はScudder他発行の米国特許第5,461,867号明細書、同第5,626,022号明細書、同第6,351,953号明細書に開示されている。本出願で参照するすべての特許、特許出願および他の刊行物は、参照によってそれら全部がここに編入される。このような容器は、食品または飲料を封入した外側の缶または本体と、2つの化学的反応物質を含む内側の缶または熱モジュールを備えている。この反応物質は、互いに分離されているときは安定しているがしかし、使用者による熱モジュールの作動に反応して混合されると、発熱反応あるいは代替的に吸熱反応を生じ、それによって容器の内容物を加熱または冷却する。
【0003】
食品や飲料を保存するために使用されるこのような容器の製造プロセスの一部として、容器は「レトルト」と呼ばれる殺菌プロセスを通過しなればならない。一般的に、レトルトプロセスは、容器と食品内容物を高温高圧にさらすことによって行われる。代表的なレトルトプロセスでは、容器と内容物が252°Fの温度および2バールの圧力の室内に数分間置かれる。従って、容器はレトルトプロセスに耐え、正しく機能するように設計しなければならない。
【0004】
加熱または冷却モジュール(熱モジュール)は一般的に、円筒状容器本体の一端に取付けられ、モジュールの細長い円筒状反応室部分は容器本体内に挿入されている。この細長い部分は、反応を封じ込めるための室としておよびこの室と容器本体の内容物の間で熱を伝達するための熱交換器として機能する。熱モジュールは2つの室を有し、各室は、金属箔または薄いプラスチックフィルムのような破断可能なバリヤによって分離された化学的な反応物質の一つを収容する。一般的に、反応物質の一方は液体であり、他方は固体粉末または顆粒である。(石灰岩として周知である)酸化カルシウムと水は、このような容器内の内容物を加熱するための発熱反応を生じるために知られている2つの反応物質の例である。容器内容物を冷却するための吸熱反応を生じるために、反応物質の他の組み合わせが知られている。液体反応物質を収容するキャップは、容器本体に取付けられた熱モジュールの端部に配置されている。キャップの一端にはアクチュエータボタンが設けられている。加熱または冷却を開始するために、使用者はこのアクチュエータボタンを押すことができる。バリヤがキャップの他端を封止している。キャップはアクチュエータボタンからバリヤの近くまで延びるプッシュロッドまたは類似の突起状部材を備えている。アクチュエータボダンを押すと、突起がバリヤに押し込まれ、バリヤに穴をあけ、液体反応物質が反応室内の固体反応物質内まで流れることができる。発熱反応で供給される熱または吸熱反応によって吸収される熱は、熱モジュールの反応室と容器本体の内容物との間で熱伝導によって伝達される。発熱反応は一般的にガスおよび/または蒸気を発生する。このガスおよび/または蒸気は容器の端部の通気穴を通って逃げることができる。使用者は容器をひっくり返し、そして内容物が所望の温度に達したときに内容物を飲む。容器本体の第2端部は慣用の飲料缶引張りタブのようなシールまたは閉鎖部材を備えている。このタブは開放可能であり、使用者はこの開口から加熱または冷却された内容物を飲むことができる。
【0005】
細長い円筒状反応室のような熱モジュールの部分は、例えばSato他発行の米国特許第3,970,068号明細書やFukuhara他発行の米国特許第5,088,870号明細書に示されているように、外側の缶と一体形成可能である。一体の容器本体は一端が開放し、他端が閉じた金属円筒を準備し、そして閉鎖端部に窪みをパンチングまたは深絞りすることによって形成可能である。液体反応物質を収容するキャップは窪みの開放端部に取付けられている。このような他の容器ではしかし、細長い円筒状反応室が分離形成され、他の製造ステップによって容器に取付けられている。後者のタイプの容器を製造するための経済的で信頼性のある方法を提供することが望ましい。
【0006】
公知の細長い反応室は幾つかの他のデザイン上の欠点を有する。一例として、細長い反応室の壁は、加熱または冷却される容器内に収容された材料から、反応室を分離する。この壁は熱モジュールによって材料の加熱また冷却をゆっくり行う断熱材として作用する。更に、レトルトプロセスに反応して、室は過剰の変形やひび割れを受け、レトルト中に圧縮された後でその膨張した形に戻ることができなかった。
【0007】
また、レトルトプロセスは、熱モジュールの2つの室を分離する破断可能なバリヤを保持する接着剤を弱めたり取り外す可能性がある。破断可能なバリヤは一般的に、熱モジュールの一方の室の円形上側エッジに加熱シールされている。レトルトの間、バリヤの下方で膨張する空気の圧力が、バリヤを上方へドーム状に押し、接着作用を弱めるかまたは解除する。
【0008】
自己加熱容器および自己冷却容器に関する他の問題は、容器が完全に加熱または冷却される前に、人が内容物を飲もうとすることである。飲料または他の内容物の発生温度によって人が不快になることは、唯一の作用ではない。恐らく更に重要な作用は、使用者が容器の内容物を空にした後で、内容物がヒートシンクとして作用して熱を発生し続ければ、自己加熱容器が過熱して火傷の危険があることである。加熱反応が終了する前に使用者が内容物を飲むのを防止または抑制する自己加熱容器を提供することが望ましい。
【0009】
上述の米国特許に開示されているように、アクチュエータボタンはフィルム安全シールによって保護することが可能である。破断されていないシールは、容器がまだ操作されておらず、従って使用の準備ができていることを人に保証する。更に、容器が使用の前に湿気のある環境で長期間貯蔵または搬送されたときのように、酸化カルシウムのような代表的な化学物質が雰囲気の湿気を吸収すると、この化学物質の反応性は低下する。シールは反応物質を雰囲気の湿気にさらすことを抑制する。容器を使用するために、使用者は容器から箔シールを剥がして捨てる。箔シールの取外しは使い捨ての問題がある。というのは、使用者がゴミ容器の便利な距離内にいないからである。更に、自己加熱容器および自己冷却容器に関する使い捨て問題を最小限に抑えることが望ましい。
【0010】
本発明は、これらの問題および欠陥を克服するよう自己加熱容器を改良せんとするものである。
【0011】
発明の要約
本発明は、容器本体と、この容器本体の一端に設けられた熱モジュールと、容器本体の他端に設けられた閉鎖部材とを備えた容器に関する。容器本体は円筒形または缶の形またはビンの形のようなほぼ管状の適当な形とすることができる。加熱または冷却すべき食品、飲料、薬または他の材料は、容器本体内の材料空所内に収容される。熱モジュールは容器内の他の反応物質から隔離された化学的な反応物質を収容している。使用者が熱モジュールを作動させると、反応物質が混合し、反応を生じる。すなわち、反応物質に応じて熱、すなわち発熱反応を生じ、容器内容物を加熱するかあるいは熱を吸収し、すなわち吸熱反応を生じ、容器内容物を冷却する。
【0012】
本発明の一態様によれば、プラスチック熱モジュール本体はプラスチック容器本体にスピン溶接されている。これは、一方を他方に接触させて他方と相対的に回転させることによって行われる。摩擦的に発生した熱は、接触するプラスチック表面を互いに融合または溶接する。容器本体は内容物の酸化および損傷を抑制する酸素および風味バリヤ層を含む複数の層を備えている。この方法による容器本体とモジュール本体のスピン溶接は、2つのプラスチック層の間で容器本体の環状端部において露出した内側層の部分をシールし、それによって空気または湿気が外側プラスチック層から染み出したり内側層に染み込むことが防止される。
【0013】
本発明の他の態様によれば、熱モジュール本体はひだ付き壁を有する熱交換部分を備えている。ひだ付き壁はひだの山および谷に比較的に大きな半径を有する。熱交換部分は更に、ひだ付き部分を縦方向に分離する複数の周溝を備えている。大きな半径と周溝は、レトルトプロセスの圧力および温度下での熱モジュールの故障の防止を補助する。
【0014】
本発明の他の態様によれば、容器は閉鎖部材上に取付けられた可動のカバーを備えている。カバーと容器の間の適当な感熱接着剤は、温度が或る閾値に達するまで、カバーの移動を阻止する。接着剤がほぼ閾値温度に達すると、接着剤による接着部が軟らかくなる。本発明の模範的な実施の形態では、カバーは回転可能である。カバーは開口を有し、閾値温度に達すると、使用者は開口が閉鎖部材に一致するまでカバーを回転させることができる。そして、使用者は閉鎖部材を開放し、容器の内容物を飲むことができる。
【0015】
本発明のさらに他の態様によれば、熱モジュールは、内側アクチュエータボタンと外側アクチュエータボタンの間に、箔ディスクのようなシールを備えている。内側アクチュエータボタンは固体反応物質を収容するモジュールキャップ内に設けることができる。外側アクチュエータボタンは1つまたは複数の切欠きを有し、更にシールの方に向いた1個または複数の突起を備えている。使用者が外側アクチュエータボタンを押すと、突起がシールに穴をあける。このアクチュエータ構造は、取外し可能な箔シールに関連する使い捨て問題を除去する。更に、或る理由のためにモジュールキャップが使用の前に過剰圧力を加えられると、圧力は内側アクチュエータボタンをシールに押し付ける。シールは更に突起を押し、穴があくので、それによって外側アクチュエータボタンの切欠きを通って圧力が逃げる。
【0016】
本発明の他の態様によれば、外側アクチュエータボタンおよびいたずらが明瞭に認められる箔ディスクの代わりに、容器は容器の底に取付けられたフルパネル引きはがし部材を備えている。フルパネル引きはがし部材は缶詰食品で使用されているのに似ている取外し可能なカバーであり、取外し可能な蓋部分が小さな開口ではなく実質的に容器の開口全体を覆っていることを除いて、代表的な引き上げタブ式閉鎖部材(例えばソフトドリンクまたはスープ金属缶の閉鎖部材)に似ている。フルパネル引きはがし部材は、それを取り外すまでは内側アクチュエータボタンを押すことができないように、内側アクチュエータボタンを完全に覆っていてアルミニウムで作られている。フルパネル引きはがし部材はいたずらが明瞭に認められるシールを提供し、アクチュエータボタンをうっかり押すことを防止しる。フルパネル引きはがし部材は更に、圧力安全逃がし弁を提供する。破断可能なバリヤがフルパネル引きはがし部材を取り外さないで押される場合、容器の内側に圧力が発生する。というのは、熱モジュールの通気穴がフルパネル引きはがし部材の内部にのみ通気するからである。圧力が或るレベルに達すると、フルパネル引きはがし部材は部分的に開放して圧力を逃がす。
【0017】
本発明のさらに他の態様によれば、通気穴が容器の底の側壁に設けられている。フルパネル引きはがし部材のように、通気穴は、フルパネル引きはがし部材を取り外さずに反応を開始した場合に熱モジュールの内側から圧力を逃がす安全機能である。容器本体の外壁は渦巻き型またはらせん型の溝を備えている。この溝は通気穴から延びている。溝上の容器表面にラベルを貼ると、通気穴から延びる通路が形成される。これにより、通気穴を通って容器から出る蒸気は、容器の冷却外面に沿ってこの通路内を移動し、冷却および凝縮される。
【0018】
また、熱モジュールは、固体反応物質または反応生成物の粒子の流出を阻止し、反応中に水(ガス状および液状)を吸収するために、内側と外側のアクチュエータボタンの間の通気口と干渉するように配置されたフィルタを備えている。このフィルタは内側と外側のアクチュエータボタンの間にディスク状部分を備え、アクチュエータボタンに連結されたフランジの間に環状部分を備えている。ディスク状部分は容器を組み立てる前に環状部分と一体に形成可能であり、そしてフィルタ部分を熱モジュールに挿入する製造ステップにおいて環状ミシン目に沿って互いに分離可能である。
【0019】
本発明のさらに他の態様によれば、熱反応を行う2つの反応物質が特別にデザインされた酸化カルシウム粒子と水である。酸化カルシウム粒子は、容器の加熱プロファイルを最適化するような大きさおよび形に形成されている。粒子は更に、反応に影響を及ぼす添加剤を備えている。本発明の他の特徴では、酸化カルシウム粒子との反応を変更して容器の加熱プロファイルを最適化するために、水が浄化され、選択された添加剤が水に含まれている。水と酸化カルシウムの比は、所望な加熱プロファイルを生じるために予め定められている。
【0020】
次の記載、特許請求の範囲および添付の図面を参照すると、上記の内容は本発明の他の特徴および効果と共に一層明らかになるであろう。
【0021】
本発明の一層完全を期した理解のために、添付の図に示した実施の形態の次の詳細な説明が参照される。
【0022】
好ましい実施の形態の説明
図1〜8に示すように、容器10は容器本体12と、熱モジュール本体14と、熱モジュールキャップ16を備えている。図5〜7に最も良好に示すように、モジュール本体14は容器本体16内に延びる細長い熱交換部分を有する。この熱交換部分の内部は反応室を画成している。この反応室内で、飲料またはその他の内容物18を加熱する(あるいは本発明の代替的な実施の形態では冷却する)反応が起こる。熱交換部分は表面積を大きくして熱伝達を増やすために波形壁またはひだ付き壁を有する。図示した実施の形態では壁が波形またはひだ付きであるが、他の実施の形態では壁は他の適当な形状をしていてもよい。モジュールキャップ16はモジュール本体14の開放端部内に圧入されている。飲料缶で一般に使用されるタイプの引き上げタブ式閉鎖部材22を備えた端部キャップ20は、慣用の飲料缶のように容器本体12の他端上に、縁を曲げて圧着されている。
【0023】
モジュールキャップ16は単体構造であり、高密度のポリエチレンのような半剛体のプラスチックによって作られている。モジュールキャップ16は円板状またはドーム状の内側アクチュエータボタン24と、細長い切欠き28を有する円筒状の突起26とを備えている。金属箔によって形成された破断可能な反応物質バリヤ30が、内部の水または他の反応液32をシールするために、モジュールキャップ16の開放端部に接着させて取付けられている。
【0024】
モジュールキャップ16はその外面の周りに分配配置された多数の通気溝34を有する。モジュールキャップ16がモジュール本体14の開放端部に装着されると、各通気溝34は反応中にガスを逃がすことができる溝を形成する。通気溝34はモジュールキャップ16の本体部分の外面に沿って縦方向に延び、モジュールキャップ16のフランジ部分36の下面に沿って半径方向に延びるように方向を変え、フランジ部分36の円筒状外面に沿って縦方向に延びるように方向を変え、そして再びフランジ部分36の上面に沿って半径方向に延びるように方向を変えている。この長くて狭いジグザグした通気溝34の通路は酸化カルシウムまたは他の固体反応物質38の粒子の流出を防止し、更にガスの通気を可能にする。
【0025】
フランジ部分36と熱モジュール本体14との間にフィルタリング40が挟まれている。このフィルタリング40は固体粒子が通気溝34を経て逃げるのを防止し、更にガスのスムースな通気を可能にする。フィルタリング40は合成スポンジ、連続気泡発泡ゴムのような適当なフィルタ材料または紙や布のような織物状材料または繊維状材料によって作られている。ウィスコンシン州のフィルタ材料会社から製品番号AC20で適当な材料が市販されている。
【0026】
容器本体12の端部に外側アクチュエータ装置40が取付けられておろ、この外側アクチュエータ装置は図2に最も良好に示すように、リング部分44と外側アクチュエータボタン46を備えている。図2においてリング部分44の外周の周りに示した四角形のリングは、以下に説明するような、容器本体12の端部への外側アクチュエータ装置42のスピン溶接を容易にする表面性質を有する。外側アクチュエータボタン46は少なくとも3個、好ましくは4個のスプライン状フィンガー48によって支持されている。このフィンガーはリング部分44の内部で弾性的に撓むことができるように外側アクチュエータボタンを懸吊している。外側アクチュエータボタン46とフィンガー48とリング部分44は好ましくは成形されたプラスチック部品として一体に形成されている。
【0027】
図2において外側アクチュエータボタン46内に示した同心リングは、後述のように容器を作動させるときに使用者の指のための摩擦つかみを提供する表面性質を有する。好ましくはフィルタリング40と同じ材料で作られたフィルタディスク50が、外側アクチュエータ装置42と内側アクチュエータボタン24との間に挟まれている。フィルタリング40はそれ自体十分なフィルタを提供するけれども、本発明の或る実施の形態では、フィルタ作用を更に高めるために、フィルタディスク50を含めることができる。このような実施の形態では、フィルタリング40とフィルタディスク50を、それらの間にミシン目を有する一体部品として形成し、容器10に組み付ける製作ステップ中に分離されるまで一体部品として取り扱うことにより、製作コスト上の利点が達成される。
【0028】
図5〜7に示すように、外側アクチュエータ42は更に、破断可能なアクチュエータバリヤ52を備えている。破断可能なアクチュエータバリヤ52は好ましくは金属箔で作られ、この金属箔はリング部分44の内周部から突出する環状切断部分54の端部に接着されている。スリーポインテッド突起56は外側アクチュエータボタン46の下面からアクチュエータバリヤ52の方へ延びている。中央の突起56に中心を有する星形またはx形の表面形状は、外側アクチュエータボタン46を補強するが、その他の点では本発明にとって重要ではない。
【0029】
図3〜5に示すように、蓋58が端部キャップ20および容器本体12の端部上に取付けられている。蓋58は2つの切欠き60,62を有する。図8に示すように、蓋58は、一般的に言うと温度の上昇につれて低下する接着強さを有する感熱接着剤(「A」で表示)のパッチまたはスポットによって、容器本体12の端部に取付けられている。従って、容器10が操作させられて熱を発生するまで、接着剤は蓋58を固定する。このような多様な仕様を有する様々な感熱接着剤が市販されている。一般的に特定可能な1つのパラメータは、接着剤が実質的な接着強さを失う(または逆に言えば、達成する)温度閾値である。適当な接着剤はイリノイ州のナショナル スターチ アンド ケミカル(National Starch and Chemical)によって製品番号34−2780および70−4467の下で製造されている。接着剤の正確な処方は製造業者に所有権があるが、製造業者は接着剤がデンプンをベースしていると説明している。使用者が容器10を操作する前は、キャップ58は図3に示す位置にある。この位置で、切欠き60は引き上げタブ式閉鎖部材22と一致しておらず、従って使用者による閉鎖部材22の開放が阻止される。この位置では更に、切欠き62は封止された開口64と一致していない。この開口を経て、飲料18を飲むことができる。容器10が加熱され、接着剤が温度閾値に達すると、接着剤は使用者がキャップ58を動かすのに十分な接着強さを失う。使用者はキャップ58を図4に示す位置まで矢印で示すように回転させる。この位置で、切欠き60は引き上げタブ式閉鎖部材22と一致し、それによって使用者はこの閉鎖部材を開放することできる。この位置では更に、切欠き62が封止された開口と一致する。使用者はこの開口を経て飲料を飲むことができる。慣用のソフトドリンク缶のように、引き上げタブ式閉鎖部材22を開放すると、シールが破壊され、使用者はそれによって生じる開口を経て飲料18を飲むことができる。使用者の唇は非常に高温の可能性がある金属製端部キャップ20よりも低温のプラスチックキャップ58に接触する。
【0030】
温度閾値を正確に守ることは本発明にとって適切な作動のために必ずしも必要ではないが、コーヒーまたは紅茶のような飲料のための容器においては、温度が約100°F(38°C)以下であるときに接着剤が実質的な接着作用を維持し、温度がこの閾値を上回るときに、接着剤が実質的な接着作用を失うことが好ましい。ナショナル スターチ アンド ケミカルによって製造される上記の好ましい接着剤はこの性質を有する。この特許明細書のために、用語「実質的な接着作用」は、ジャーまたは他のねじ蓋式食品または飲料容器を工具の補助なしに開放するときに人が加える普通のトルクよりも大きくないトルクを加えることによって、蓋58を回転することができない接着作用を意味する。このような接着剤の接着強さはかなりの広い範囲にわたって温度上昇につれて或る程度低下し続けるが、温度閾値では、範囲内の他の温度よりも急に接着強さが低下する。
【0031】
容器10を作動させるために、使用者は容器10の長手軸線方向に外側アクチュエータボタン46に力を加えることによってこの外側アクチュエータボタンを押す。上述のように、アクチュエータボタン46はフィンガー48によって懸吊され、このフィンガーはこの長手軸線方向にボタン46を動かすことができるように弾性変形する。外側アクチュエータボタン46に加えられる力は、外側アクチュエータボタンの突起56をアクチュエータバリヤ52内に押込み、アクチュエータバリヤに穴をあける。力は更に、外側アクチュエータボタン46を内側アクチュエータボタン24の方に押す。次に、内側アクチュエータボタンが同じ軸方向に押される。内側アクチュエータボタン24は可撓性であり、反応物質バリヤ30の方へ内側にポンとまたはパチンと跳ねることによって力に応答する。
【0032】
内側アクチュエータボタン24の内側への撓曲に応答して、突起26の先端は反応物質バリヤ30に突き刺さって穴をあける。水32が穴のあいた反応物質バリヤ30を通って流れ、反応室、すなわち熱モジュール本体14の細長い部分の内部の固体反応物質38と混合する。突起26の切欠き28は反応室への水18の流れを容易にする。その結果生じる発熱反応は熱を発生する。この熱は、熱モジュール本体14の熱交換部分のひだ付き壁を経て伝導し、飲料18に伝達される。上述のように、本発明の他の実施の形態では、混合されるときに吸熱反応を生じる他の反応物質を選ぶことできる。
【0033】
反応時に生じるガスまたは蒸気は、通気溝34を通って反応室から逃げるがしかし、固体粒子はフィルタリング40またはフィルタディスク50によってろ過される。蒸気の逃げによるフィルタリング40またはフィルタディスク50の固有飽和がこのろ過作用を高めることができる。フィルタリング40またはフィルタディスク50を通過するガスまたは蒸気は、穴のあいたアクチュエータバリヤ52を通過し、フィンガー48の間の空間を通って容器10から出る。
【0034】
使用者は容器10をひっくり返し、反応が飲料18を加熱するまで待つ。この加熱は、水またはコーヒーまたは紅茶のような類似の飲料の10液量オンス(296ミリリットル)の容積を有する容器10において約5分で行われる。上述のように、飲料18が飲むことができる温度まで加熱されると、接着剤が接着作用を十分に緩めるので、使用者がキャップ58を回転することができる。適当な潤滑剤のパッチまたはスポット(図8の「L」で表示)が接着剤パッチとともに散在している。それによって、キャップ58が回転させられるときに、潤滑剤が塗り付けられ、接着剤が冷え始めるときにキャップ58を再接着しないようにし、それによって使用者はキャップ58を一層容易に回転させることができる。潤滑剤は好ましくは食品用であるかまたは米国の食品および薬の行政機関(Food and Drug Administration)のような適当な政府の権威によって付帯的食品接触について承認されているものである。そして、使用者は引き上げタブ式閉鎖部材22を上記のように開放し、飲料18を飲む。
【0035】
容器10の製造方法は、図9,10,11A〜11Cに示すステップを含むことができる。製造方法は本発明の重要な特徴である。というのは、製造方法が幾つかの問題に取り組んでいるからである。容器本体12と熱モジュール本体14は好ましくは、飲料18または他の内容物の鮮度と安定性を維持するために、酸素バリヤ層を含む多層によって形成されている。このような多層プラスチック容器技術は、本発明が関係する技術分野の当業者によく知られており、例えばDonald RosatoとDominick Rosato編集、Hanser出版社のブロー成形ハンドブック(Blow Molding Handbook)に記載されている。技術的に知られているように、多層プラスチック容器を製造するために、図9に示すような多ヘッドブロー成形機を使用することができる。ブロー成形法に従って、成形機は(W.Mueller headとして知られているように)ブロー成形ヘッドの下方に適当な型66を位置決めし、そしてプラスチック樹脂層を同時に押出し、そしてプラスチックを型キャビティの輪郭に一致させるために空気を噴射する。そして、成形機は型を冷却し、型を開放し、成形された部品を取り出し、そしてプロセスを繰り返す。適当なブロー成形機はドイツ国ベルリンのB&WからDe3000の名前/モデルで市販されている。この成形機は2個以上の型で同時に作業を行うことができるが、これは本発明の製作方法と特別な関連を有するものではない。
【0036】
型66が1個の容器本体12と1個の熱モジュール本体14を一体の単一成形品として生じるように形成されていることが、経済的な製造にとって重要である。図10に示すように、静的トリミング機は、容器本体12と熱モジュール本体14と2つのモイレ(moyle)16、18に分離するためにこの成形品を3個所で切断する。技術的に知られているように、モイレは成形および取り扱いを容易にするために成形品に含めることができる余剰材料またはスクラップ材料である。静的トリミング機は矢印で示すように、モイレ16を支持し成形品を回転させるローラ(図示せず)を備えている。静的トリミング機は高温のナイフ刃身68に抗して成形品を回転させる。このナイフ刃身は切断のために伸ばすことができ、そして引っ込めることができる。ナイフ刃身68は成形品の残りの部分からモイレ16を分離または切断する。同じ機械または類似の機械は、モイレ18を分離する類似の切断作業を行う。静的トリミング機の使用は、製造プロセスにとって重要である。というのは、後述の溶接ステップを容易にするために、熱モジュール部分14のフランジ状端部の表面を滑らかにするからである。ブロー成形および切断ステップはここで説明する製造プロセス全体の中の重要なステップであるが、図11A〜11Cに示すようなスピン溶接によって熱モジュール本体14を容器本体12に取付けるステップに注目すべきである。スピン溶接は当業者によく知られた方法である。このスピン溶接によって、一方の部品を他方の部品と相対的にスピンまたは回転させることによって引き起こされる摩擦の結果として、2個のプラスチック部品が融合される。適当なスピン溶接機はミシガン州のTA Systemから市販されている。図11Aに示すように、熱モジュール本体14は容器本体12の端部に挿入され、この熱モジュール本体と容器本体の集合体は機械の円筒管状支持体(図示せず)上に配置される。図11Bに示すように、機械は下降してモジュール本体14のフランジ状表面に接触する回転ヘッドを備えている。機械はモジュール本体14を容器本体12にしっかりと接触保持する押圧力を加える。そして、ヘッドは押圧力を維持しながら、回転またはスピンし始める。回転ヘッドは、それとモジュール本体14のフランジ状部分との間の摩擦係合の結果として、容器本体12と相対的にモジュール本体14をスピンさせる。この容器本体はそれを取付けた支持体によって動かないように保持されている。モジュール本体14と容器本体12の間の摩擦はそれらを融合または溶接する。回転し始める前に押圧力を加え、そして部品が融合するまでに押圧力を維持することが重要である。というのは、この手順が一層正確な溶接をもたらすからである。
【0037】
プロセスの切断ステップは、容器本体12やモジュール本体14内の酸素や風味バリヤ層のような層の断面を露出させることに留意されたい。層が非常に薄く、肉眼では見ることが困難であるので、層は十分に露出し、雰囲気の湿気や酸素による劣化を受けやすい。スピン溶接はきわめて有利である。というのは、これらの部品を互いに取付けるための他の方法とは違って、スピン溶接は上記のように容器本体12とモジュール本体14の露出端部をシールし、それによって雰囲気の湿気、酸素または他の汚染物質が容器本体12の酸素バリヤ層または他の敏感な層と接触してこれらの層を劣化させるのを抑制するからである。更に、回転カッタによって生じる滑らかで四角形の表面がスピン溶接によってより簡単にシールされる。ギザギザしたエッジまたは平らでないエッジのスピン溶接は敏感な内側層を完全にシールすることができない。
【0038】
外側アクチュエータ装置42は、同様に容器本体12の端部にスピン溶接可能である。表面の四角形の凹部のリング(図2参照)は、四角形の突起の同様なリング(図示せず)を有するスピン溶接ヘッドによる係合を容易にする。
【0039】
本発明の他の観点から、図12は本発明による他の容器100を示している。容器100の多くの特徴および要素は、上述の容器10の特徴および要素と同じであるかまたは実質的に類似している。本発明では、容器100の多くの特徴は容器10の特徴と置き換え可能であり、その逆も可能である。従って、容器100と容器10の1つまたは複数の特徴が、一つ一つの組み合わせを詳細に説明せずに本発明の範囲内で他の容器の類似の特徴と置き換え可能であることが理解される。
【0040】
図12,13を参照すると、容器100は容器本体112と熱モジュール本体114と熱モジュールキャップ116を備えている。熱モジュール本体114は容器本体112内に延びる細長い熱交換部分115を備えている。この熱交換部分の内部は反応室を画成している。この反応室では、飲料または他の内容物118を加熱する(あるいは本発明の代替的な実施の形態では冷却する)反応が起こる。通常は、第1の反応物質132が熱モジュールキャップ116内に入っている。第2の反応物質138は熱モジュール本体114内に入っている。2つの反応物質は破断可能な反応物質バリヤ130によって分離されている。一般的に、一方の反応物質が水のような液体で、他方の反応物質が酸化カルシウムのような固体粉末または顆粒の形をしている。
【0041】
モジュール本体114の熱交換部分115は表面積を増大させ、その結果熱伝達を増大させるために、波形壁またはひだ付き壁を有する。図示した実施の形態では壁が波形であるかまたはひだを有しているが、他の実施の形態では壁は他の適当な形状を有する。所定の材料の場合、熱交換部分115の壁を薄くすると、反応物質132,138と飲料118との間の熱伝達が速くなる。従って、壁は非常に薄く形成され、好ましくは0.004〜0.012インチの厚さを有する。熱交換部分115のひだ付き構造の他の特徴によれば、ひだの山117と谷119は大きな半径、好ましくは0.05インチよりも大きな半径、更に好ましくは0.06インチよりも大きな半径を有する。山117と谷119の大きな半径はレトルトプロセス中の薄い壁の破壊を防止する。更に、2個の円形溝121,123が設けられている。この溝121,123は、熱交換部分115がレトルトプロセス中に圧力を加えられるときに、溝のところでの折畳みを容易にする。折畳みは、熱交換部分115の薄い壁がしわになったり、ひびが入ることを防止するのに役立つ。熱交換部分の円錐状端部の尖端はそれから延びる肉厚リブ125を有する。このリブ125はレトルトプロセス中の円錐部の変形を低減するのに役立つ。
【0042】
モジュールキャップ116はモジュール本体114の開放端部に圧入されている。モジュールキャップ116は一体構造であり、高密度ポリエチレンのような半硬質プラスチックによって作られている。好ましくは金属箔によって作られた破断可能な反応物質バリヤ130は、内部の水または他の液体反応物質132を封止するために、モジュールキャップ116の開放端部に取付けられている。反応物質バリヤ130は熱接合、超音波接合、接着剤の使用または他の適当な方法によって、モジュールキャップ116の開放端部に取付け可能である。モジュールキャップ116はディスク状またはドーム状のアクチュエータボタン124と、細長い切欠き128有する円筒状突起126を備えている。顆粒状反応物質138がモジュールキャップ116の底に落下するのを防止するために、アダプタ小円板127を設けることができる。幾つかの反応物質138はモジュールキャップ116の底を経て焼け焦がしをこしらえることができる。アダプタ小円板127はモジュールキャップ116の内側に嵌まる環状ディスク部分と、このディスク部分の両側から垂直に延びる複数の突起129を備えている。バリヤ130の方に延びる突起129は、破壊可能な反応物質バリヤ130に穴を開けるために熱モジュールが作動させられるときに、バリヤ130の破壊を改善する。
【0043】
反応物質バリヤ130はモジュールキャップ116の開放端部の頂部環状面に取付け可能であるが、図14に示すように、反応物質バリヤ130がモジュールキャップ116の開放端部を越えてその外壁の側を下方に延びていることが好ましい。反応物質バリヤ130が熱接合によってモジュールキャップ116に取付けられている場合、熱接合プロセスは頂部環状面の外側エッジに丸みを形成する。丸みを付けられたエッジは、モジュールキャップ116に対する反応物質バリヤ130の接合を改善する。容器100がレトルトプロセスを受けるとき、圧力はバリヤ130をモジュールキャップ116の頂部から上方へ押し出そうとする。バリヤ130をモジュールキャップ116の外壁の側で封止することにより、ボンドの剪断強さの増大によって、接着シールが更に強くなる。
【0044】
モジュールキャップ116はそのフランジ部分136の上面と下面から突出する複数のリブ134を備えている。このリブ134はフランジ部分136とその周りの構造体との間に、圧力を逃がすための溝を形成する。更に、モジュールキャップの外壁は、モジュールキャップ116の外面とモジュール本体14の内面との間に通気溝を形成するために、リブ135を備えている。モジュールキャップ116がモジュール本体114の開放端部に嵌められると、リブ134,135によって通気溝が形成され、各通気溝34は反応中にガスが通過して逃げることができる溝を形成する。通気空間がモジュールキャップ116の本体部分の外面に沿って縦方向に延在し、モジュールキャップ116のフランジ部分136の下面に沿って半径方向に延在するように方向を変え、フランジ部分136の外側円筒面に沿って縦方向にエンジするように再び方向を変え、そしてフランジ部分136の上面に沿って半径方向に延在するように再び方向を変えている。溝のこの細長いジグザグした経路は、酸化カルシウムまたは他の固体反応物質138の粒子の逃げを抑制し一方、ガスの通気を可能にする。
【0045】
フランジ部分136と熱モジュール本体114の間にフィルタリング140が挟まれている。フィルタリング140は更に、固体粒子が通気溝を通って逃げるのを防止し、ガスの通気を可能にする。フィルタリング140は合成スポンジ、連続気泡発泡ゴムのような適当なフィルタ材料または紙や布のような織物状材料または繊維状材料によって作られている。ウィスコンシン州のフィルタ材料会社(Filter Material Corporation)から製品番号AC20で適当な材料が市販されている。
【0046】
容器10におけるような外側アクチュエータ装置46の代わりに、容器100は容器本体112の底端部に取付けられたフルパネル引きはがし部材146を備えている。このフルパネル引きはがし部材146は縁曲げ圧接または他の適当な方法によって容器本体112に取付け可能である。その代わりに、フルパネル引きはがし部材146はモジュールキャップ116の底に取付け可能である。フルパネル引きはがし部材146は、缶詰食品で慣用されている種類の取外し可能な蓋であり、取外し可能な蓋部分が小さな開口ではなく、容器の開口全体を実質的に覆うことを除いて、典型的な引き上げタブ式閉鎖部材(例えばソフトドリンク用アルミニウム缶の閉鎖部材)に似ている。フルパネル引きはがし部材146は容器本体112の底端部の開口を完全に覆っている。この位置で、引きはがし部材146はアクチュエータボタン124を覆っている。引きはがし部材146は好ましくは円形の弱め領域を有する閉鎖部材からなっている。この弱め領域に沿って、引きはがし蓋141は引きはがし構造体の残りの部分から破断される。引きはがし部材146は、極端な誤用や取り扱いミスの場合を除いてアクチュエータボタン124を押すことができないような十分な強度、剛性および厚さを有する材料で作られている。引きはがし部材は例えばアルミニウムまたは類似の強度および剛性を有する他の材料で作ることができる。引きはがし蓋141は引張りリング144に連結されている。この引張りリングは、引きはがし蓋141を取り外すために持上げられ、そして引きはがし蓋141から引き離される。引きはがし蓋141が弱め領域に沿って引きはがし部材146から破断されるので、一度取り外すと、元に戻すことはできない。従って、フルパネル引きはがし部材146は優れたいたずら防止シールを提供し一方、店の棚上にある間容器100の破壊行為を受けにくくする。引きはがし部材146は更に、圧力安全逃がし弁として機能する。引きはがし部材146を取り外さないで反応物質バリヤ130が引っ張られる場合には、容器内側の圧力が高まる。というのは、熱モジュールキャップ116内の通気溝が引きはがし部材146内部だけを通気するからである。もし、圧力が或るレベルに達すると、引きはがし部材146の弱め領域が部分的に破れて、圧力を逃がす。
【0047】
熱モジュール本体114の底部の側壁に通気穴131を設けることができる。この通気穴131は反応室から外側雰囲気まで通気経路を提供する。上述の引きはがし部材146の安全圧力逃がし機能に類似して、引きはがし部材146を取り外さずに不注意で熱反応が開始された場合に、通気穴131は反応室から圧力を逃がす。
【0048】
通気穴131に加えて、コイル状溝133を、容器112の外壁に成形することができる。この溝は通気穴131の位置から形成開始され、容器112の外壁の周りにコイル状に延在している。ラベル(図示せず)が容器の外壁上に接着されて取付けられていると、ラベルと溝133によって通路が形成される。通気穴131から出る蒸気は、容器112の冷却外面に沿って、溝133とラベルによって形成された通路を通って移動し、蒸気を冷却および凝縮する。
【0049】
ラベル(図示せず)はプラスチック遮蔽ラベル材料または薄いシートの発泡スチレンのような他の遮断材料で形成可能である。これは、容器112から温かい食品または飲料を摂取するときに、人が手で感じる熱量を低減する。ラベルは容器112の外壁に接着して貼る前に、前もって印刷することができる。
【0050】
飲料缶で慣用されている種類の引き上げタブ式閉鎖部材122を備えた端部キャップ120は慣用の飲料缶の方法で、縁を曲げて容器本体112の他の頂部上に圧着されている。蓋158が端部キャップ120と容器本体112の端部上に取付けられている。蓋158は2つの切欠き160,162を有する。蓋158は容器10について図8に示されているような(「A」で表示された)感熱接着剤のパッチまたはスポットによって容器本体112の端部に取付けられている。この感熱接着剤は特別な閾値解放温度まで加熱されるときに低下する接着強さを有する。従って、接着剤は容器100が操作されて熱を生じるまで蓋158を動かなくする。この接着剤は容器10に関して上述したものと同じ接着剤である。上述した容器10と同様に、適当な潤滑剤のパッチまたはスポット(容器10について図8で「L」で表示)が接着剤パッチの間に散在し、キャップ158を回転させるときに潤滑剤が塗られ、冷え始めるときに接着剤がキャップ158を再接着するのを防止し、使用者はキャップ158を一層容易に回転させることができる。使用者が容器100を操作する前に、キャップ158は容器10について図3に示した位置と同じ位置にある。この位置では、切欠き160は引き上げタブ式閉鎖部材122と一致していないので、使用者による閉鎖部材122の開放が阻止される。この位置では更に、切欠き162がシールされた開口164と一致していない。この開口から飲料118を飲むことができる。
【0051】
飲料118が所望の温度に達したことを示す表示器(図示せず)を、容器100の表面に設けることができる。表示器は例えば、所望の温度に達すると変色するサーモクロマティックインクを有するラベルである。このインクは例えば、予め定めた温度まで加熱されるときに、桃色から白色に代わる、Kromacorp Internationalから入手可能なKromathermic Type 44 redである。飲料が所望の温度に達したことを表示器が示すと、使用者は容器100を開けて内容物を飲むことができる。
【0052】
容器100が加熱され、接着剤が解放温度に達すると、接着剤は、使用者がキャップ158を回転することができるほど接着強さを失う。使用者は、容器10について図4に矢印で示した位置と同じ位置まで、キャップ158を回転させる。この位置では、切欠き160は引き上げタブ式閉鎖部材122と一致しているので、使用者は閉鎖部材を開放することができる。この位置では更に、切欠き162がシールされた開口と一致している。使用者はこの開口から飲料を飲むことができる。慣用のソフトドリンク缶のように、引き上げタブ式閉鎖部材122を開放すると、シールが破壊され、使用者はそれによって生じる開口を経て飲料118を飲むことができる。使用者の唇は非常に高温の可能性がある金属製端部キャップ120よりも低温のプラスチックキャップ158に接触する。
【0053】
一方の反応物質132または138は特別に考えられた酸化カルシウム粒子であってもよい。水との反応をもたらす酸化カルシウム粒子のいくつかの特性が存在する。例えば、酸化カルシウム粒子の特性の変化は、不安定さ、反応速度および反応から得られる全体のエネルギー量のような反応性質に影響を及ぼす。これらの特性に基づいて、特別な酸化カルシウム粒子が所望な全体反応性質を得るために計画および製造可能である。
【0054】
酸化カルシウム粒子の空隙率は、水を加えるときにどの位の揮発性で粒子が反応するかに大きな影響を与える。酸化カルシウムの処理は1000°Fでの煮沸を含んでいる。この煮沸により、元々材料内に含まれていた湿気やガスを追い出す。この放出は材料内に孔を形成する。煮沸時間は孔が閉鎖し始めるまで延長可能である(プロセス要求における硬焼き参照)。粒子を程良く硬焼きすることにより、水との反応の揮発性を、より望ましいレベルまで低減することができる。
【0055】
酸化カルシウム粒子の大きさは、粒子の反応に影響を及ぼす。小さな粒子のグループは同じ重さの1つの大きな粒子よりも大きな表面積を有する。表面積が大きければ、水と混合されるときに粒子は一層迅速にかつ一層強く反応する。図15〜18は1/4インチメッシュ(最大粒子)から篩目#30(最小粒子)まで変動する種々の篩目の粒子についての過度的な温度曲線を示している。一般的に、曲線は、小さな粒子が速く加熱され、高い最高温度に達することを示している。従って、容器100の特別な用途にとって所望な加熱プロファイルを提供するために、種々の大きさの粒子を選択することができる。コーヒーやスープの加熱のような用途には、粒子の大きさの好ましい分布は次の通りである。
【0056】
また、反応速度を高めるためまたは遅くするために、添加剤を酸化カルシウムに添加することができる。添加剤は、酸化カルシウムと水との界面の化学的、機械的または物理的の変更を含む幾つかの異なる方法によって作用する。
【0057】
反応に影響を及ぼす最も重要な特性の一つは、反応比、すなわち水に対する酸化カルシウムの割当量である。標準比は質量で水1に対して酸化カルシウム4の割合である。水に対する酸化カルシウムの比を変更することにより、異なる反応/温度曲線が得られる。例えば、1つのサイズの粒子または1つの空隙率の粒子によって生じるピークエネルギーを最大にすることができる。更に、反応速度全体を少し速めるためまたは遅くするために、比を変更することができる。図19〜20のグラフは酸化カルシウムに対する水の種々の比についての反応/温度曲線を示している。質量で酸化カルシウム4に対して水の量を1.15の割合に増やすことにより(すなわち、図20の+15%H2O)、試験した比の中で最も速い反応と最も多いエネルギーが得られた。
【0058】
また、他の反応物質132または138を含む水は、本発明におけるその使用を最適化するために変更可能である。例えば、水質は重要な要素である。水内の塩素はすべて、破断可能なバリヤ130を腐食させ、作動しないようにする。水質の小さな偏差は、酸化カルシウムとの熱反応に悪影響を与える。水内の微量のミネラル成分は、図21の表に示した濃度を超えないようにすべきである。
【0059】
反応を変更し、かつ水と容器の他の材料との融和性を改善するために、添加物を水に添加することができる。考えられる添加剤とそれらの特性のリストが図22の表に記載してある。
【0060】
容器100を作動させるために、使用者は先ず最初に、引張りリング144を持ち上げることによってフルパネル引きはがし部材146を取り外し、引きはがし蓋141を取り外す。そして、使用者は容器100の長手軸線方向にアクチュエータボタン124に対して力を加えることにより、アクチュエータボタンを押す。アクチュエータボタン124に加えられた力は、反応物質バリヤ130の方へ内側にアクチュエータボタンをポンとまたはパチンと跳ねるように動かす。
【0061】
アクチュエータボタン124の内側への撓曲に応答して、アダプタ小円板127の突起129と突起26の先端は反応物質バリヤ30に突き刺さって穴をあける。第1反応物質132、一般的には液体反応物質が穴のあいた反応物質バリヤ30を通って流れ、反応室、すなわち熱モジュール本体114の細長い部分の内部の固体反応物質38と混合する。突起126の切欠き128は反応質内への水132の流れを容易にする。その結果生じる発熱反応は熱を発生する。この熱は、熱モジュール本体14の熱交換部分のひだ付き壁を経て伝導し、飲料118に伝達される。上述のように、本発明の他の実施の形態では、混合されるときに吸熱反応を生じる他の反応物質を選ぶことできる。
【0062】
反応時に生じるガスまたは蒸気は、リブ134によって形成された通気溝を通って反応室から逃げるがしかし、固体粒子はフィルタリング140によってろ過される。蒸気の逃げによるフィルタリング140の固有飽和がこのろ過作用を高めることができる。フィルタリング140を通過するガスまたは蒸気は、引きはがし蓋141を取り外すことによってあいた穴を通過する。
【0063】
使用者は容器100をひっくり返し、反応が飲料18を加熱するまで待つ。この加熱は、水またはコーヒーまたは紅茶のような類似の飲料の10液量オンス(296ミリリットル)の容積を有する容器100において約5分以内で行われる。上述のように、飲料118が飲むことができる温度まで加熱されると、接着剤が接着作用を十分に緩めるので、使用者がキャップ158を回転することができる。適当な潤滑剤のパッチまたはスポット(図8の「L」で表示)が接着剤パッチとともに散在している。それによって、キャッ58が回転させられるときに、潤滑剤が塗り付けられ、接着剤が冷え始めるときにキャップ158を再接着しないようにし、それによって使用者はキャップ158を一層容易に回転させることができる。潤滑剤は好ましくは食品用であるかまたは米国の食品および薬の行政機関(Food and Drug Administration)のような適当な政府の権威によって付帯的食品接触について承認されているものである。そして、使用者は引き上げタブ式閉鎖部材122を上記のように開放し、飲料118を飲む。
【0064】
容器100の製造方法は、容器100,10構造が異なっている点を除いて、容器10について上述したステップと同じステップを有する。
【0065】
これらの教えを考慮して、当業者が本発明の他の実施の形態および変更を容易に思いつくことは明らかである。従って、本発明は特許請求の範囲によってのみ制限されるべきである。特許請求の範囲は、上記の説明および添付の図面と関連して見たときに、このような他のすべての実施の形態および変更を含んでいる。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】図1は、本発明の容器の側面図である。
【図2】図2は、容器の底面図である。
【図3】図3は、閉鎖位置にあるキャップを備えた容器の平面図である。
【図4】図4は、キャップを開放位置へ回転させた、図3と同様な図である。
【図5】図5は、容器の要素の分解斜視図である。
【図6】図6は、図1の6−6線に沿った断面図である。
【図7】図7は、作動後の容器を示す類似の断面図である。
【図8】図8は、図1の8−8線に沿った断面図である。
【図9】図9は、容器のプラスチック本体要素をブロー成形する製造ステップを示す図である。
【図10】図10は、ブロー成形に続いて要素を互いに分離する製造ステップを示す図である。
【図11A−11C】図11A−11Cは、モジュール本体に対する容器本体のスピン溶接を含む製造ステップの順序を示す図である。
【図12】図12は、本発明による他の容器の要素の分解斜視図である。
【図13】図13は、図12の容器の断面図である。
【図14】図14は、図12の容器のモジュールキャップに取付けられた反応物質バリヤの斜視図である。
【図15】図15は、いろいろな篩目の酸化カルシウム粒子についての過度的な温度曲線のグラフである。
【図16】図16は、いろいろな篩目の酸化カルシウム粒子についての過度的な温度曲線のグラフである。
【図17】図17は、いろいろな篩目の酸化カルシウム粒子についての過度的な温度曲線のグラフである。
【図18】図18は、いろいろな篩目の酸化カルシウム粒子についての過度的な温度曲線のグラフである。
【図19】図19は、酸化カルシウムに対する水のいろいろな比についての反応/温度曲線のグラフである。
【図20】図20は、酸化カルシウムに対する水のいろいろな比についての反応/温度曲線のグラフである。
【図21】図21は、超えるべきでない水中のミネラル成分の表である。
【図22】図22は、酸化カルシウム反応物質に加えることができる添加物の表である。
【技術分野】
【0001】
発明の背景
発明の分野
本発明は概して、周囲の容器内で食品、飲料、薬等のような材料に熱を加えるかまたは熱を除去する内側モジュールを備えた容器に関する。
【0002】
関連技術の説明
容器は酒、コーヒー、スープのような材料を容器内で温めるための一体のモジュールを備えることができる。このような自己加熱容器の例はScudder他発行の米国特許第5,461,867号明細書、同第5,626,022号明細書、同第6,351,953号明細書に開示されている。本出願で参照するすべての特許、特許出願および他の刊行物は、参照によってそれら全部がここに編入される。このような容器は、食品または飲料を封入した外側の缶または本体と、2つの化学的反応物質を含む内側の缶または熱モジュールを備えている。この反応物質は、互いに分離されているときは安定しているがしかし、使用者による熱モジュールの作動に反応して混合されると、発熱反応あるいは代替的に吸熱反応を生じ、それによって容器の内容物を加熱または冷却する。
【0003】
食品や飲料を保存するために使用されるこのような容器の製造プロセスの一部として、容器は「レトルト」と呼ばれる殺菌プロセスを通過しなればならない。一般的に、レトルトプロセスは、容器と食品内容物を高温高圧にさらすことによって行われる。代表的なレトルトプロセスでは、容器と内容物が252°Fの温度および2バールの圧力の室内に数分間置かれる。従って、容器はレトルトプロセスに耐え、正しく機能するように設計しなければならない。
【0004】
加熱または冷却モジュール(熱モジュール)は一般的に、円筒状容器本体の一端に取付けられ、モジュールの細長い円筒状反応室部分は容器本体内に挿入されている。この細長い部分は、反応を封じ込めるための室としておよびこの室と容器本体の内容物の間で熱を伝達するための熱交換器として機能する。熱モジュールは2つの室を有し、各室は、金属箔または薄いプラスチックフィルムのような破断可能なバリヤによって分離された化学的な反応物質の一つを収容する。一般的に、反応物質の一方は液体であり、他方は固体粉末または顆粒である。(石灰岩として周知である)酸化カルシウムと水は、このような容器内の内容物を加熱するための発熱反応を生じるために知られている2つの反応物質の例である。容器内容物を冷却するための吸熱反応を生じるために、反応物質の他の組み合わせが知られている。液体反応物質を収容するキャップは、容器本体に取付けられた熱モジュールの端部に配置されている。キャップの一端にはアクチュエータボタンが設けられている。加熱または冷却を開始するために、使用者はこのアクチュエータボタンを押すことができる。バリヤがキャップの他端を封止している。キャップはアクチュエータボタンからバリヤの近くまで延びるプッシュロッドまたは類似の突起状部材を備えている。アクチュエータボダンを押すと、突起がバリヤに押し込まれ、バリヤに穴をあけ、液体反応物質が反応室内の固体反応物質内まで流れることができる。発熱反応で供給される熱または吸熱反応によって吸収される熱は、熱モジュールの反応室と容器本体の内容物との間で熱伝導によって伝達される。発熱反応は一般的にガスおよび/または蒸気を発生する。このガスおよび/または蒸気は容器の端部の通気穴を通って逃げることができる。使用者は容器をひっくり返し、そして内容物が所望の温度に達したときに内容物を飲む。容器本体の第2端部は慣用の飲料缶引張りタブのようなシールまたは閉鎖部材を備えている。このタブは開放可能であり、使用者はこの開口から加熱または冷却された内容物を飲むことができる。
【0005】
細長い円筒状反応室のような熱モジュールの部分は、例えばSato他発行の米国特許第3,970,068号明細書やFukuhara他発行の米国特許第5,088,870号明細書に示されているように、外側の缶と一体形成可能である。一体の容器本体は一端が開放し、他端が閉じた金属円筒を準備し、そして閉鎖端部に窪みをパンチングまたは深絞りすることによって形成可能である。液体反応物質を収容するキャップは窪みの開放端部に取付けられている。このような他の容器ではしかし、細長い円筒状反応室が分離形成され、他の製造ステップによって容器に取付けられている。後者のタイプの容器を製造するための経済的で信頼性のある方法を提供することが望ましい。
【0006】
公知の細長い反応室は幾つかの他のデザイン上の欠点を有する。一例として、細長い反応室の壁は、加熱または冷却される容器内に収容された材料から、反応室を分離する。この壁は熱モジュールによって材料の加熱また冷却をゆっくり行う断熱材として作用する。更に、レトルトプロセスに反応して、室は過剰の変形やひび割れを受け、レトルト中に圧縮された後でその膨張した形に戻ることができなかった。
【0007】
また、レトルトプロセスは、熱モジュールの2つの室を分離する破断可能なバリヤを保持する接着剤を弱めたり取り外す可能性がある。破断可能なバリヤは一般的に、熱モジュールの一方の室の円形上側エッジに加熱シールされている。レトルトの間、バリヤの下方で膨張する空気の圧力が、バリヤを上方へドーム状に押し、接着作用を弱めるかまたは解除する。
【0008】
自己加熱容器および自己冷却容器に関する他の問題は、容器が完全に加熱または冷却される前に、人が内容物を飲もうとすることである。飲料または他の内容物の発生温度によって人が不快になることは、唯一の作用ではない。恐らく更に重要な作用は、使用者が容器の内容物を空にした後で、内容物がヒートシンクとして作用して熱を発生し続ければ、自己加熱容器が過熱して火傷の危険があることである。加熱反応が終了する前に使用者が内容物を飲むのを防止または抑制する自己加熱容器を提供することが望ましい。
【0009】
上述の米国特許に開示されているように、アクチュエータボタンはフィルム安全シールによって保護することが可能である。破断されていないシールは、容器がまだ操作されておらず、従って使用の準備ができていることを人に保証する。更に、容器が使用の前に湿気のある環境で長期間貯蔵または搬送されたときのように、酸化カルシウムのような代表的な化学物質が雰囲気の湿気を吸収すると、この化学物質の反応性は低下する。シールは反応物質を雰囲気の湿気にさらすことを抑制する。容器を使用するために、使用者は容器から箔シールを剥がして捨てる。箔シールの取外しは使い捨ての問題がある。というのは、使用者がゴミ容器の便利な距離内にいないからである。更に、自己加熱容器および自己冷却容器に関する使い捨て問題を最小限に抑えることが望ましい。
【0010】
本発明は、これらの問題および欠陥を克服するよう自己加熱容器を改良せんとするものである。
【0011】
発明の要約
本発明は、容器本体と、この容器本体の一端に設けられた熱モジュールと、容器本体の他端に設けられた閉鎖部材とを備えた容器に関する。容器本体は円筒形または缶の形またはビンの形のようなほぼ管状の適当な形とすることができる。加熱または冷却すべき食品、飲料、薬または他の材料は、容器本体内の材料空所内に収容される。熱モジュールは容器内の他の反応物質から隔離された化学的な反応物質を収容している。使用者が熱モジュールを作動させると、反応物質が混合し、反応を生じる。すなわち、反応物質に応じて熱、すなわち発熱反応を生じ、容器内容物を加熱するかあるいは熱を吸収し、すなわち吸熱反応を生じ、容器内容物を冷却する。
【0012】
本発明の一態様によれば、プラスチック熱モジュール本体はプラスチック容器本体にスピン溶接されている。これは、一方を他方に接触させて他方と相対的に回転させることによって行われる。摩擦的に発生した熱は、接触するプラスチック表面を互いに融合または溶接する。容器本体は内容物の酸化および損傷を抑制する酸素および風味バリヤ層を含む複数の層を備えている。この方法による容器本体とモジュール本体のスピン溶接は、2つのプラスチック層の間で容器本体の環状端部において露出した内側層の部分をシールし、それによって空気または湿気が外側プラスチック層から染み出したり内側層に染み込むことが防止される。
【0013】
本発明の他の態様によれば、熱モジュール本体はひだ付き壁を有する熱交換部分を備えている。ひだ付き壁はひだの山および谷に比較的に大きな半径を有する。熱交換部分は更に、ひだ付き部分を縦方向に分離する複数の周溝を備えている。大きな半径と周溝は、レトルトプロセスの圧力および温度下での熱モジュールの故障の防止を補助する。
【0014】
本発明の他の態様によれば、容器は閉鎖部材上に取付けられた可動のカバーを備えている。カバーと容器の間の適当な感熱接着剤は、温度が或る閾値に達するまで、カバーの移動を阻止する。接着剤がほぼ閾値温度に達すると、接着剤による接着部が軟らかくなる。本発明の模範的な実施の形態では、カバーは回転可能である。カバーは開口を有し、閾値温度に達すると、使用者は開口が閉鎖部材に一致するまでカバーを回転させることができる。そして、使用者は閉鎖部材を開放し、容器の内容物を飲むことができる。
【0015】
本発明のさらに他の態様によれば、熱モジュールは、内側アクチュエータボタンと外側アクチュエータボタンの間に、箔ディスクのようなシールを備えている。内側アクチュエータボタンは固体反応物質を収容するモジュールキャップ内に設けることができる。外側アクチュエータボタンは1つまたは複数の切欠きを有し、更にシールの方に向いた1個または複数の突起を備えている。使用者が外側アクチュエータボタンを押すと、突起がシールに穴をあける。このアクチュエータ構造は、取外し可能な箔シールに関連する使い捨て問題を除去する。更に、或る理由のためにモジュールキャップが使用の前に過剰圧力を加えられると、圧力は内側アクチュエータボタンをシールに押し付ける。シールは更に突起を押し、穴があくので、それによって外側アクチュエータボタンの切欠きを通って圧力が逃げる。
【0016】
本発明の他の態様によれば、外側アクチュエータボタンおよびいたずらが明瞭に認められる箔ディスクの代わりに、容器は容器の底に取付けられたフルパネル引きはがし部材を備えている。フルパネル引きはがし部材は缶詰食品で使用されているのに似ている取外し可能なカバーであり、取外し可能な蓋部分が小さな開口ではなく実質的に容器の開口全体を覆っていることを除いて、代表的な引き上げタブ式閉鎖部材(例えばソフトドリンクまたはスープ金属缶の閉鎖部材)に似ている。フルパネル引きはがし部材は、それを取り外すまでは内側アクチュエータボタンを押すことができないように、内側アクチュエータボタンを完全に覆っていてアルミニウムで作られている。フルパネル引きはがし部材はいたずらが明瞭に認められるシールを提供し、アクチュエータボタンをうっかり押すことを防止しる。フルパネル引きはがし部材は更に、圧力安全逃がし弁を提供する。破断可能なバリヤがフルパネル引きはがし部材を取り外さないで押される場合、容器の内側に圧力が発生する。というのは、熱モジュールの通気穴がフルパネル引きはがし部材の内部にのみ通気するからである。圧力が或るレベルに達すると、フルパネル引きはがし部材は部分的に開放して圧力を逃がす。
【0017】
本発明のさらに他の態様によれば、通気穴が容器の底の側壁に設けられている。フルパネル引きはがし部材のように、通気穴は、フルパネル引きはがし部材を取り外さずに反応を開始した場合に熱モジュールの内側から圧力を逃がす安全機能である。容器本体の外壁は渦巻き型またはらせん型の溝を備えている。この溝は通気穴から延びている。溝上の容器表面にラベルを貼ると、通気穴から延びる通路が形成される。これにより、通気穴を通って容器から出る蒸気は、容器の冷却外面に沿ってこの通路内を移動し、冷却および凝縮される。
【0018】
また、熱モジュールは、固体反応物質または反応生成物の粒子の流出を阻止し、反応中に水(ガス状および液状)を吸収するために、内側と外側のアクチュエータボタンの間の通気口と干渉するように配置されたフィルタを備えている。このフィルタは内側と外側のアクチュエータボタンの間にディスク状部分を備え、アクチュエータボタンに連結されたフランジの間に環状部分を備えている。ディスク状部分は容器を組み立てる前に環状部分と一体に形成可能であり、そしてフィルタ部分を熱モジュールに挿入する製造ステップにおいて環状ミシン目に沿って互いに分離可能である。
【0019】
本発明のさらに他の態様によれば、熱反応を行う2つの反応物質が特別にデザインされた酸化カルシウム粒子と水である。酸化カルシウム粒子は、容器の加熱プロファイルを最適化するような大きさおよび形に形成されている。粒子は更に、反応に影響を及ぼす添加剤を備えている。本発明の他の特徴では、酸化カルシウム粒子との反応を変更して容器の加熱プロファイルを最適化するために、水が浄化され、選択された添加剤が水に含まれている。水と酸化カルシウムの比は、所望な加熱プロファイルを生じるために予め定められている。
【0020】
次の記載、特許請求の範囲および添付の図面を参照すると、上記の内容は本発明の他の特徴および効果と共に一層明らかになるであろう。
【0021】
本発明の一層完全を期した理解のために、添付の図に示した実施の形態の次の詳細な説明が参照される。
【0022】
好ましい実施の形態の説明
図1〜8に示すように、容器10は容器本体12と、熱モジュール本体14と、熱モジュールキャップ16を備えている。図5〜7に最も良好に示すように、モジュール本体14は容器本体16内に延びる細長い熱交換部分を有する。この熱交換部分の内部は反応室を画成している。この反応室内で、飲料またはその他の内容物18を加熱する(あるいは本発明の代替的な実施の形態では冷却する)反応が起こる。熱交換部分は表面積を大きくして熱伝達を増やすために波形壁またはひだ付き壁を有する。図示した実施の形態では壁が波形またはひだ付きであるが、他の実施の形態では壁は他の適当な形状をしていてもよい。モジュールキャップ16はモジュール本体14の開放端部内に圧入されている。飲料缶で一般に使用されるタイプの引き上げタブ式閉鎖部材22を備えた端部キャップ20は、慣用の飲料缶のように容器本体12の他端上に、縁を曲げて圧着されている。
【0023】
モジュールキャップ16は単体構造であり、高密度のポリエチレンのような半剛体のプラスチックによって作られている。モジュールキャップ16は円板状またはドーム状の内側アクチュエータボタン24と、細長い切欠き28を有する円筒状の突起26とを備えている。金属箔によって形成された破断可能な反応物質バリヤ30が、内部の水または他の反応液32をシールするために、モジュールキャップ16の開放端部に接着させて取付けられている。
【0024】
モジュールキャップ16はその外面の周りに分配配置された多数の通気溝34を有する。モジュールキャップ16がモジュール本体14の開放端部に装着されると、各通気溝34は反応中にガスを逃がすことができる溝を形成する。通気溝34はモジュールキャップ16の本体部分の外面に沿って縦方向に延び、モジュールキャップ16のフランジ部分36の下面に沿って半径方向に延びるように方向を変え、フランジ部分36の円筒状外面に沿って縦方向に延びるように方向を変え、そして再びフランジ部分36の上面に沿って半径方向に延びるように方向を変えている。この長くて狭いジグザグした通気溝34の通路は酸化カルシウムまたは他の固体反応物質38の粒子の流出を防止し、更にガスの通気を可能にする。
【0025】
フランジ部分36と熱モジュール本体14との間にフィルタリング40が挟まれている。このフィルタリング40は固体粒子が通気溝34を経て逃げるのを防止し、更にガスのスムースな通気を可能にする。フィルタリング40は合成スポンジ、連続気泡発泡ゴムのような適当なフィルタ材料または紙や布のような織物状材料または繊維状材料によって作られている。ウィスコンシン州のフィルタ材料会社から製品番号AC20で適当な材料が市販されている。
【0026】
容器本体12の端部に外側アクチュエータ装置40が取付けられておろ、この外側アクチュエータ装置は図2に最も良好に示すように、リング部分44と外側アクチュエータボタン46を備えている。図2においてリング部分44の外周の周りに示した四角形のリングは、以下に説明するような、容器本体12の端部への外側アクチュエータ装置42のスピン溶接を容易にする表面性質を有する。外側アクチュエータボタン46は少なくとも3個、好ましくは4個のスプライン状フィンガー48によって支持されている。このフィンガーはリング部分44の内部で弾性的に撓むことができるように外側アクチュエータボタンを懸吊している。外側アクチュエータボタン46とフィンガー48とリング部分44は好ましくは成形されたプラスチック部品として一体に形成されている。
【0027】
図2において外側アクチュエータボタン46内に示した同心リングは、後述のように容器を作動させるときに使用者の指のための摩擦つかみを提供する表面性質を有する。好ましくはフィルタリング40と同じ材料で作られたフィルタディスク50が、外側アクチュエータ装置42と内側アクチュエータボタン24との間に挟まれている。フィルタリング40はそれ自体十分なフィルタを提供するけれども、本発明の或る実施の形態では、フィルタ作用を更に高めるために、フィルタディスク50を含めることができる。このような実施の形態では、フィルタリング40とフィルタディスク50を、それらの間にミシン目を有する一体部品として形成し、容器10に組み付ける製作ステップ中に分離されるまで一体部品として取り扱うことにより、製作コスト上の利点が達成される。
【0028】
図5〜7に示すように、外側アクチュエータ42は更に、破断可能なアクチュエータバリヤ52を備えている。破断可能なアクチュエータバリヤ52は好ましくは金属箔で作られ、この金属箔はリング部分44の内周部から突出する環状切断部分54の端部に接着されている。スリーポインテッド突起56は外側アクチュエータボタン46の下面からアクチュエータバリヤ52の方へ延びている。中央の突起56に中心を有する星形またはx形の表面形状は、外側アクチュエータボタン46を補強するが、その他の点では本発明にとって重要ではない。
【0029】
図3〜5に示すように、蓋58が端部キャップ20および容器本体12の端部上に取付けられている。蓋58は2つの切欠き60,62を有する。図8に示すように、蓋58は、一般的に言うと温度の上昇につれて低下する接着強さを有する感熱接着剤(「A」で表示)のパッチまたはスポットによって、容器本体12の端部に取付けられている。従って、容器10が操作させられて熱を発生するまで、接着剤は蓋58を固定する。このような多様な仕様を有する様々な感熱接着剤が市販されている。一般的に特定可能な1つのパラメータは、接着剤が実質的な接着強さを失う(または逆に言えば、達成する)温度閾値である。適当な接着剤はイリノイ州のナショナル スターチ アンド ケミカル(National Starch and Chemical)によって製品番号34−2780および70−4467の下で製造されている。接着剤の正確な処方は製造業者に所有権があるが、製造業者は接着剤がデンプンをベースしていると説明している。使用者が容器10を操作する前は、キャップ58は図3に示す位置にある。この位置で、切欠き60は引き上げタブ式閉鎖部材22と一致しておらず、従って使用者による閉鎖部材22の開放が阻止される。この位置では更に、切欠き62は封止された開口64と一致していない。この開口を経て、飲料18を飲むことができる。容器10が加熱され、接着剤が温度閾値に達すると、接着剤は使用者がキャップ58を動かすのに十分な接着強さを失う。使用者はキャップ58を図4に示す位置まで矢印で示すように回転させる。この位置で、切欠き60は引き上げタブ式閉鎖部材22と一致し、それによって使用者はこの閉鎖部材を開放することできる。この位置では更に、切欠き62が封止された開口と一致する。使用者はこの開口を経て飲料を飲むことができる。慣用のソフトドリンク缶のように、引き上げタブ式閉鎖部材22を開放すると、シールが破壊され、使用者はそれによって生じる開口を経て飲料18を飲むことができる。使用者の唇は非常に高温の可能性がある金属製端部キャップ20よりも低温のプラスチックキャップ58に接触する。
【0030】
温度閾値を正確に守ることは本発明にとって適切な作動のために必ずしも必要ではないが、コーヒーまたは紅茶のような飲料のための容器においては、温度が約100°F(38°C)以下であるときに接着剤が実質的な接着作用を維持し、温度がこの閾値を上回るときに、接着剤が実質的な接着作用を失うことが好ましい。ナショナル スターチ アンド ケミカルによって製造される上記の好ましい接着剤はこの性質を有する。この特許明細書のために、用語「実質的な接着作用」は、ジャーまたは他のねじ蓋式食品または飲料容器を工具の補助なしに開放するときに人が加える普通のトルクよりも大きくないトルクを加えることによって、蓋58を回転することができない接着作用を意味する。このような接着剤の接着強さはかなりの広い範囲にわたって温度上昇につれて或る程度低下し続けるが、温度閾値では、範囲内の他の温度よりも急に接着強さが低下する。
【0031】
容器10を作動させるために、使用者は容器10の長手軸線方向に外側アクチュエータボタン46に力を加えることによってこの外側アクチュエータボタンを押す。上述のように、アクチュエータボタン46はフィンガー48によって懸吊され、このフィンガーはこの長手軸線方向にボタン46を動かすことができるように弾性変形する。外側アクチュエータボタン46に加えられる力は、外側アクチュエータボタンの突起56をアクチュエータバリヤ52内に押込み、アクチュエータバリヤに穴をあける。力は更に、外側アクチュエータボタン46を内側アクチュエータボタン24の方に押す。次に、内側アクチュエータボタンが同じ軸方向に押される。内側アクチュエータボタン24は可撓性であり、反応物質バリヤ30の方へ内側にポンとまたはパチンと跳ねることによって力に応答する。
【0032】
内側アクチュエータボタン24の内側への撓曲に応答して、突起26の先端は反応物質バリヤ30に突き刺さって穴をあける。水32が穴のあいた反応物質バリヤ30を通って流れ、反応室、すなわち熱モジュール本体14の細長い部分の内部の固体反応物質38と混合する。突起26の切欠き28は反応室への水18の流れを容易にする。その結果生じる発熱反応は熱を発生する。この熱は、熱モジュール本体14の熱交換部分のひだ付き壁を経て伝導し、飲料18に伝達される。上述のように、本発明の他の実施の形態では、混合されるときに吸熱反応を生じる他の反応物質を選ぶことできる。
【0033】
反応時に生じるガスまたは蒸気は、通気溝34を通って反応室から逃げるがしかし、固体粒子はフィルタリング40またはフィルタディスク50によってろ過される。蒸気の逃げによるフィルタリング40またはフィルタディスク50の固有飽和がこのろ過作用を高めることができる。フィルタリング40またはフィルタディスク50を通過するガスまたは蒸気は、穴のあいたアクチュエータバリヤ52を通過し、フィンガー48の間の空間を通って容器10から出る。
【0034】
使用者は容器10をひっくり返し、反応が飲料18を加熱するまで待つ。この加熱は、水またはコーヒーまたは紅茶のような類似の飲料の10液量オンス(296ミリリットル)の容積を有する容器10において約5分で行われる。上述のように、飲料18が飲むことができる温度まで加熱されると、接着剤が接着作用を十分に緩めるので、使用者がキャップ58を回転することができる。適当な潤滑剤のパッチまたはスポット(図8の「L」で表示)が接着剤パッチとともに散在している。それによって、キャップ58が回転させられるときに、潤滑剤が塗り付けられ、接着剤が冷え始めるときにキャップ58を再接着しないようにし、それによって使用者はキャップ58を一層容易に回転させることができる。潤滑剤は好ましくは食品用であるかまたは米国の食品および薬の行政機関(Food and Drug Administration)のような適当な政府の権威によって付帯的食品接触について承認されているものである。そして、使用者は引き上げタブ式閉鎖部材22を上記のように開放し、飲料18を飲む。
【0035】
容器10の製造方法は、図9,10,11A〜11Cに示すステップを含むことができる。製造方法は本発明の重要な特徴である。というのは、製造方法が幾つかの問題に取り組んでいるからである。容器本体12と熱モジュール本体14は好ましくは、飲料18または他の内容物の鮮度と安定性を維持するために、酸素バリヤ層を含む多層によって形成されている。このような多層プラスチック容器技術は、本発明が関係する技術分野の当業者によく知られており、例えばDonald RosatoとDominick Rosato編集、Hanser出版社のブロー成形ハンドブック(Blow Molding Handbook)に記載されている。技術的に知られているように、多層プラスチック容器を製造するために、図9に示すような多ヘッドブロー成形機を使用することができる。ブロー成形法に従って、成形機は(W.Mueller headとして知られているように)ブロー成形ヘッドの下方に適当な型66を位置決めし、そしてプラスチック樹脂層を同時に押出し、そしてプラスチックを型キャビティの輪郭に一致させるために空気を噴射する。そして、成形機は型を冷却し、型を開放し、成形された部品を取り出し、そしてプロセスを繰り返す。適当なブロー成形機はドイツ国ベルリンのB&WからDe3000の名前/モデルで市販されている。この成形機は2個以上の型で同時に作業を行うことができるが、これは本発明の製作方法と特別な関連を有するものではない。
【0036】
型66が1個の容器本体12と1個の熱モジュール本体14を一体の単一成形品として生じるように形成されていることが、経済的な製造にとって重要である。図10に示すように、静的トリミング機は、容器本体12と熱モジュール本体14と2つのモイレ(moyle)16、18に分離するためにこの成形品を3個所で切断する。技術的に知られているように、モイレは成形および取り扱いを容易にするために成形品に含めることができる余剰材料またはスクラップ材料である。静的トリミング機は矢印で示すように、モイレ16を支持し成形品を回転させるローラ(図示せず)を備えている。静的トリミング機は高温のナイフ刃身68に抗して成形品を回転させる。このナイフ刃身は切断のために伸ばすことができ、そして引っ込めることができる。ナイフ刃身68は成形品の残りの部分からモイレ16を分離または切断する。同じ機械または類似の機械は、モイレ18を分離する類似の切断作業を行う。静的トリミング機の使用は、製造プロセスにとって重要である。というのは、後述の溶接ステップを容易にするために、熱モジュール部分14のフランジ状端部の表面を滑らかにするからである。ブロー成形および切断ステップはここで説明する製造プロセス全体の中の重要なステップであるが、図11A〜11Cに示すようなスピン溶接によって熱モジュール本体14を容器本体12に取付けるステップに注目すべきである。スピン溶接は当業者によく知られた方法である。このスピン溶接によって、一方の部品を他方の部品と相対的にスピンまたは回転させることによって引き起こされる摩擦の結果として、2個のプラスチック部品が融合される。適当なスピン溶接機はミシガン州のTA Systemから市販されている。図11Aに示すように、熱モジュール本体14は容器本体12の端部に挿入され、この熱モジュール本体と容器本体の集合体は機械の円筒管状支持体(図示せず)上に配置される。図11Bに示すように、機械は下降してモジュール本体14のフランジ状表面に接触する回転ヘッドを備えている。機械はモジュール本体14を容器本体12にしっかりと接触保持する押圧力を加える。そして、ヘッドは押圧力を維持しながら、回転またはスピンし始める。回転ヘッドは、それとモジュール本体14のフランジ状部分との間の摩擦係合の結果として、容器本体12と相対的にモジュール本体14をスピンさせる。この容器本体はそれを取付けた支持体によって動かないように保持されている。モジュール本体14と容器本体12の間の摩擦はそれらを融合または溶接する。回転し始める前に押圧力を加え、そして部品が融合するまでに押圧力を維持することが重要である。というのは、この手順が一層正確な溶接をもたらすからである。
【0037】
プロセスの切断ステップは、容器本体12やモジュール本体14内の酸素や風味バリヤ層のような層の断面を露出させることに留意されたい。層が非常に薄く、肉眼では見ることが困難であるので、層は十分に露出し、雰囲気の湿気や酸素による劣化を受けやすい。スピン溶接はきわめて有利である。というのは、これらの部品を互いに取付けるための他の方法とは違って、スピン溶接は上記のように容器本体12とモジュール本体14の露出端部をシールし、それによって雰囲気の湿気、酸素または他の汚染物質が容器本体12の酸素バリヤ層または他の敏感な層と接触してこれらの層を劣化させるのを抑制するからである。更に、回転カッタによって生じる滑らかで四角形の表面がスピン溶接によってより簡単にシールされる。ギザギザしたエッジまたは平らでないエッジのスピン溶接は敏感な内側層を完全にシールすることができない。
【0038】
外側アクチュエータ装置42は、同様に容器本体12の端部にスピン溶接可能である。表面の四角形の凹部のリング(図2参照)は、四角形の突起の同様なリング(図示せず)を有するスピン溶接ヘッドによる係合を容易にする。
【0039】
本発明の他の観点から、図12は本発明による他の容器100を示している。容器100の多くの特徴および要素は、上述の容器10の特徴および要素と同じであるかまたは実質的に類似している。本発明では、容器100の多くの特徴は容器10の特徴と置き換え可能であり、その逆も可能である。従って、容器100と容器10の1つまたは複数の特徴が、一つ一つの組み合わせを詳細に説明せずに本発明の範囲内で他の容器の類似の特徴と置き換え可能であることが理解される。
【0040】
図12,13を参照すると、容器100は容器本体112と熱モジュール本体114と熱モジュールキャップ116を備えている。熱モジュール本体114は容器本体112内に延びる細長い熱交換部分115を備えている。この熱交換部分の内部は反応室を画成している。この反応室では、飲料または他の内容物118を加熱する(あるいは本発明の代替的な実施の形態では冷却する)反応が起こる。通常は、第1の反応物質132が熱モジュールキャップ116内に入っている。第2の反応物質138は熱モジュール本体114内に入っている。2つの反応物質は破断可能な反応物質バリヤ130によって分離されている。一般的に、一方の反応物質が水のような液体で、他方の反応物質が酸化カルシウムのような固体粉末または顆粒の形をしている。
【0041】
モジュール本体114の熱交換部分115は表面積を増大させ、その結果熱伝達を増大させるために、波形壁またはひだ付き壁を有する。図示した実施の形態では壁が波形であるかまたはひだを有しているが、他の実施の形態では壁は他の適当な形状を有する。所定の材料の場合、熱交換部分115の壁を薄くすると、反応物質132,138と飲料118との間の熱伝達が速くなる。従って、壁は非常に薄く形成され、好ましくは0.004〜0.012インチの厚さを有する。熱交換部分115のひだ付き構造の他の特徴によれば、ひだの山117と谷119は大きな半径、好ましくは0.05インチよりも大きな半径、更に好ましくは0.06インチよりも大きな半径を有する。山117と谷119の大きな半径はレトルトプロセス中の薄い壁の破壊を防止する。更に、2個の円形溝121,123が設けられている。この溝121,123は、熱交換部分115がレトルトプロセス中に圧力を加えられるときに、溝のところでの折畳みを容易にする。折畳みは、熱交換部分115の薄い壁がしわになったり、ひびが入ることを防止するのに役立つ。熱交換部分の円錐状端部の尖端はそれから延びる肉厚リブ125を有する。このリブ125はレトルトプロセス中の円錐部の変形を低減するのに役立つ。
【0042】
モジュールキャップ116はモジュール本体114の開放端部に圧入されている。モジュールキャップ116は一体構造であり、高密度ポリエチレンのような半硬質プラスチックによって作られている。好ましくは金属箔によって作られた破断可能な反応物質バリヤ130は、内部の水または他の液体反応物質132を封止するために、モジュールキャップ116の開放端部に取付けられている。反応物質バリヤ130は熱接合、超音波接合、接着剤の使用または他の適当な方法によって、モジュールキャップ116の開放端部に取付け可能である。モジュールキャップ116はディスク状またはドーム状のアクチュエータボタン124と、細長い切欠き128有する円筒状突起126を備えている。顆粒状反応物質138がモジュールキャップ116の底に落下するのを防止するために、アダプタ小円板127を設けることができる。幾つかの反応物質138はモジュールキャップ116の底を経て焼け焦がしをこしらえることができる。アダプタ小円板127はモジュールキャップ116の内側に嵌まる環状ディスク部分と、このディスク部分の両側から垂直に延びる複数の突起129を備えている。バリヤ130の方に延びる突起129は、破壊可能な反応物質バリヤ130に穴を開けるために熱モジュールが作動させられるときに、バリヤ130の破壊を改善する。
【0043】
反応物質バリヤ130はモジュールキャップ116の開放端部の頂部環状面に取付け可能であるが、図14に示すように、反応物質バリヤ130がモジュールキャップ116の開放端部を越えてその外壁の側を下方に延びていることが好ましい。反応物質バリヤ130が熱接合によってモジュールキャップ116に取付けられている場合、熱接合プロセスは頂部環状面の外側エッジに丸みを形成する。丸みを付けられたエッジは、モジュールキャップ116に対する反応物質バリヤ130の接合を改善する。容器100がレトルトプロセスを受けるとき、圧力はバリヤ130をモジュールキャップ116の頂部から上方へ押し出そうとする。バリヤ130をモジュールキャップ116の外壁の側で封止することにより、ボンドの剪断強さの増大によって、接着シールが更に強くなる。
【0044】
モジュールキャップ116はそのフランジ部分136の上面と下面から突出する複数のリブ134を備えている。このリブ134はフランジ部分136とその周りの構造体との間に、圧力を逃がすための溝を形成する。更に、モジュールキャップの外壁は、モジュールキャップ116の外面とモジュール本体14の内面との間に通気溝を形成するために、リブ135を備えている。モジュールキャップ116がモジュール本体114の開放端部に嵌められると、リブ134,135によって通気溝が形成され、各通気溝34は反応中にガスが通過して逃げることができる溝を形成する。通気空間がモジュールキャップ116の本体部分の外面に沿って縦方向に延在し、モジュールキャップ116のフランジ部分136の下面に沿って半径方向に延在するように方向を変え、フランジ部分136の外側円筒面に沿って縦方向にエンジするように再び方向を変え、そしてフランジ部分136の上面に沿って半径方向に延在するように再び方向を変えている。溝のこの細長いジグザグした経路は、酸化カルシウムまたは他の固体反応物質138の粒子の逃げを抑制し一方、ガスの通気を可能にする。
【0045】
フランジ部分136と熱モジュール本体114の間にフィルタリング140が挟まれている。フィルタリング140は更に、固体粒子が通気溝を通って逃げるのを防止し、ガスの通気を可能にする。フィルタリング140は合成スポンジ、連続気泡発泡ゴムのような適当なフィルタ材料または紙や布のような織物状材料または繊維状材料によって作られている。ウィスコンシン州のフィルタ材料会社(Filter Material Corporation)から製品番号AC20で適当な材料が市販されている。
【0046】
容器10におけるような外側アクチュエータ装置46の代わりに、容器100は容器本体112の底端部に取付けられたフルパネル引きはがし部材146を備えている。このフルパネル引きはがし部材146は縁曲げ圧接または他の適当な方法によって容器本体112に取付け可能である。その代わりに、フルパネル引きはがし部材146はモジュールキャップ116の底に取付け可能である。フルパネル引きはがし部材146は、缶詰食品で慣用されている種類の取外し可能な蓋であり、取外し可能な蓋部分が小さな開口ではなく、容器の開口全体を実質的に覆うことを除いて、典型的な引き上げタブ式閉鎖部材(例えばソフトドリンク用アルミニウム缶の閉鎖部材)に似ている。フルパネル引きはがし部材146は容器本体112の底端部の開口を完全に覆っている。この位置で、引きはがし部材146はアクチュエータボタン124を覆っている。引きはがし部材146は好ましくは円形の弱め領域を有する閉鎖部材からなっている。この弱め領域に沿って、引きはがし蓋141は引きはがし構造体の残りの部分から破断される。引きはがし部材146は、極端な誤用や取り扱いミスの場合を除いてアクチュエータボタン124を押すことができないような十分な強度、剛性および厚さを有する材料で作られている。引きはがし部材は例えばアルミニウムまたは類似の強度および剛性を有する他の材料で作ることができる。引きはがし蓋141は引張りリング144に連結されている。この引張りリングは、引きはがし蓋141を取り外すために持上げられ、そして引きはがし蓋141から引き離される。引きはがし蓋141が弱め領域に沿って引きはがし部材146から破断されるので、一度取り外すと、元に戻すことはできない。従って、フルパネル引きはがし部材146は優れたいたずら防止シールを提供し一方、店の棚上にある間容器100の破壊行為を受けにくくする。引きはがし部材146は更に、圧力安全逃がし弁として機能する。引きはがし部材146を取り外さないで反応物質バリヤ130が引っ張られる場合には、容器内側の圧力が高まる。というのは、熱モジュールキャップ116内の通気溝が引きはがし部材146内部だけを通気するからである。もし、圧力が或るレベルに達すると、引きはがし部材146の弱め領域が部分的に破れて、圧力を逃がす。
【0047】
熱モジュール本体114の底部の側壁に通気穴131を設けることができる。この通気穴131は反応室から外側雰囲気まで通気経路を提供する。上述の引きはがし部材146の安全圧力逃がし機能に類似して、引きはがし部材146を取り外さずに不注意で熱反応が開始された場合に、通気穴131は反応室から圧力を逃がす。
【0048】
通気穴131に加えて、コイル状溝133を、容器112の外壁に成形することができる。この溝は通気穴131の位置から形成開始され、容器112の外壁の周りにコイル状に延在している。ラベル(図示せず)が容器の外壁上に接着されて取付けられていると、ラベルと溝133によって通路が形成される。通気穴131から出る蒸気は、容器112の冷却外面に沿って、溝133とラベルによって形成された通路を通って移動し、蒸気を冷却および凝縮する。
【0049】
ラベル(図示せず)はプラスチック遮蔽ラベル材料または薄いシートの発泡スチレンのような他の遮断材料で形成可能である。これは、容器112から温かい食品または飲料を摂取するときに、人が手で感じる熱量を低減する。ラベルは容器112の外壁に接着して貼る前に、前もって印刷することができる。
【0050】
飲料缶で慣用されている種類の引き上げタブ式閉鎖部材122を備えた端部キャップ120は慣用の飲料缶の方法で、縁を曲げて容器本体112の他の頂部上に圧着されている。蓋158が端部キャップ120と容器本体112の端部上に取付けられている。蓋158は2つの切欠き160,162を有する。蓋158は容器10について図8に示されているような(「A」で表示された)感熱接着剤のパッチまたはスポットによって容器本体112の端部に取付けられている。この感熱接着剤は特別な閾値解放温度まで加熱されるときに低下する接着強さを有する。従って、接着剤は容器100が操作されて熱を生じるまで蓋158を動かなくする。この接着剤は容器10に関して上述したものと同じ接着剤である。上述した容器10と同様に、適当な潤滑剤のパッチまたはスポット(容器10について図8で「L」で表示)が接着剤パッチの間に散在し、キャップ158を回転させるときに潤滑剤が塗られ、冷え始めるときに接着剤がキャップ158を再接着するのを防止し、使用者はキャップ158を一層容易に回転させることができる。使用者が容器100を操作する前に、キャップ158は容器10について図3に示した位置と同じ位置にある。この位置では、切欠き160は引き上げタブ式閉鎖部材122と一致していないので、使用者による閉鎖部材122の開放が阻止される。この位置では更に、切欠き162がシールされた開口164と一致していない。この開口から飲料118を飲むことができる。
【0051】
飲料118が所望の温度に達したことを示す表示器(図示せず)を、容器100の表面に設けることができる。表示器は例えば、所望の温度に達すると変色するサーモクロマティックインクを有するラベルである。このインクは例えば、予め定めた温度まで加熱されるときに、桃色から白色に代わる、Kromacorp Internationalから入手可能なKromathermic Type 44 redである。飲料が所望の温度に達したことを表示器が示すと、使用者は容器100を開けて内容物を飲むことができる。
【0052】
容器100が加熱され、接着剤が解放温度に達すると、接着剤は、使用者がキャップ158を回転することができるほど接着強さを失う。使用者は、容器10について図4に矢印で示した位置と同じ位置まで、キャップ158を回転させる。この位置では、切欠き160は引き上げタブ式閉鎖部材122と一致しているので、使用者は閉鎖部材を開放することができる。この位置では更に、切欠き162がシールされた開口と一致している。使用者はこの開口から飲料を飲むことができる。慣用のソフトドリンク缶のように、引き上げタブ式閉鎖部材122を開放すると、シールが破壊され、使用者はそれによって生じる開口を経て飲料118を飲むことができる。使用者の唇は非常に高温の可能性がある金属製端部キャップ120よりも低温のプラスチックキャップ158に接触する。
【0053】
一方の反応物質132または138は特別に考えられた酸化カルシウム粒子であってもよい。水との反応をもたらす酸化カルシウム粒子のいくつかの特性が存在する。例えば、酸化カルシウム粒子の特性の変化は、不安定さ、反応速度および反応から得られる全体のエネルギー量のような反応性質に影響を及ぼす。これらの特性に基づいて、特別な酸化カルシウム粒子が所望な全体反応性質を得るために計画および製造可能である。
【0054】
酸化カルシウム粒子の空隙率は、水を加えるときにどの位の揮発性で粒子が反応するかに大きな影響を与える。酸化カルシウムの処理は1000°Fでの煮沸を含んでいる。この煮沸により、元々材料内に含まれていた湿気やガスを追い出す。この放出は材料内に孔を形成する。煮沸時間は孔が閉鎖し始めるまで延長可能である(プロセス要求における硬焼き参照)。粒子を程良く硬焼きすることにより、水との反応の揮発性を、より望ましいレベルまで低減することができる。
【0055】
酸化カルシウム粒子の大きさは、粒子の反応に影響を及ぼす。小さな粒子のグループは同じ重さの1つの大きな粒子よりも大きな表面積を有する。表面積が大きければ、水と混合されるときに粒子は一層迅速にかつ一層強く反応する。図15〜18は1/4インチメッシュ(最大粒子)から篩目#30(最小粒子)まで変動する種々の篩目の粒子についての過度的な温度曲線を示している。一般的に、曲線は、小さな粒子が速く加熱され、高い最高温度に達することを示している。従って、容器100の特別な用途にとって所望な加熱プロファイルを提供するために、種々の大きさの粒子を選択することができる。コーヒーやスープの加熱のような用途には、粒子の大きさの好ましい分布は次の通りである。
【0056】
また、反応速度を高めるためまたは遅くするために、添加剤を酸化カルシウムに添加することができる。添加剤は、酸化カルシウムと水との界面の化学的、機械的または物理的の変更を含む幾つかの異なる方法によって作用する。
【0057】
反応に影響を及ぼす最も重要な特性の一つは、反応比、すなわち水に対する酸化カルシウムの割当量である。標準比は質量で水1に対して酸化カルシウム4の割合である。水に対する酸化カルシウムの比を変更することにより、異なる反応/温度曲線が得られる。例えば、1つのサイズの粒子または1つの空隙率の粒子によって生じるピークエネルギーを最大にすることができる。更に、反応速度全体を少し速めるためまたは遅くするために、比を変更することができる。図19〜20のグラフは酸化カルシウムに対する水の種々の比についての反応/温度曲線を示している。質量で酸化カルシウム4に対して水の量を1.15の割合に増やすことにより(すなわち、図20の+15%H2O)、試験した比の中で最も速い反応と最も多いエネルギーが得られた。
【0058】
また、他の反応物質132または138を含む水は、本発明におけるその使用を最適化するために変更可能である。例えば、水質は重要な要素である。水内の塩素はすべて、破断可能なバリヤ130を腐食させ、作動しないようにする。水質の小さな偏差は、酸化カルシウムとの熱反応に悪影響を与える。水内の微量のミネラル成分は、図21の表に示した濃度を超えないようにすべきである。
【0059】
反応を変更し、かつ水と容器の他の材料との融和性を改善するために、添加物を水に添加することができる。考えられる添加剤とそれらの特性のリストが図22の表に記載してある。
【0060】
容器100を作動させるために、使用者は先ず最初に、引張りリング144を持ち上げることによってフルパネル引きはがし部材146を取り外し、引きはがし蓋141を取り外す。そして、使用者は容器100の長手軸線方向にアクチュエータボタン124に対して力を加えることにより、アクチュエータボタンを押す。アクチュエータボタン124に加えられた力は、反応物質バリヤ130の方へ内側にアクチュエータボタンをポンとまたはパチンと跳ねるように動かす。
【0061】
アクチュエータボタン124の内側への撓曲に応答して、アダプタ小円板127の突起129と突起26の先端は反応物質バリヤ30に突き刺さって穴をあける。第1反応物質132、一般的には液体反応物質が穴のあいた反応物質バリヤ30を通って流れ、反応室、すなわち熱モジュール本体114の細長い部分の内部の固体反応物質38と混合する。突起126の切欠き128は反応質内への水132の流れを容易にする。その結果生じる発熱反応は熱を発生する。この熱は、熱モジュール本体14の熱交換部分のひだ付き壁を経て伝導し、飲料118に伝達される。上述のように、本発明の他の実施の形態では、混合されるときに吸熱反応を生じる他の反応物質を選ぶことできる。
【0062】
反応時に生じるガスまたは蒸気は、リブ134によって形成された通気溝を通って反応室から逃げるがしかし、固体粒子はフィルタリング140によってろ過される。蒸気の逃げによるフィルタリング140の固有飽和がこのろ過作用を高めることができる。フィルタリング140を通過するガスまたは蒸気は、引きはがし蓋141を取り外すことによってあいた穴を通過する。
【0063】
使用者は容器100をひっくり返し、反応が飲料18を加熱するまで待つ。この加熱は、水またはコーヒーまたは紅茶のような類似の飲料の10液量オンス(296ミリリットル)の容積を有する容器100において約5分以内で行われる。上述のように、飲料118が飲むことができる温度まで加熱されると、接着剤が接着作用を十分に緩めるので、使用者がキャップ158を回転することができる。適当な潤滑剤のパッチまたはスポット(図8の「L」で表示)が接着剤パッチとともに散在している。それによって、キャッ58が回転させられるときに、潤滑剤が塗り付けられ、接着剤が冷え始めるときにキャップ158を再接着しないようにし、それによって使用者はキャップ158を一層容易に回転させることができる。潤滑剤は好ましくは食品用であるかまたは米国の食品および薬の行政機関(Food and Drug Administration)のような適当な政府の権威によって付帯的食品接触について承認されているものである。そして、使用者は引き上げタブ式閉鎖部材122を上記のように開放し、飲料118を飲む。
【0064】
容器100の製造方法は、容器100,10構造が異なっている点を除いて、容器10について上述したステップと同じステップを有する。
【0065】
これらの教えを考慮して、当業者が本発明の他の実施の形態および変更を容易に思いつくことは明らかである。従って、本発明は特許請求の範囲によってのみ制限されるべきである。特許請求の範囲は、上記の説明および添付の図面と関連して見たときに、このような他のすべての実施の形態および変更を含んでいる。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】図1は、本発明の容器の側面図である。
【図2】図2は、容器の底面図である。
【図3】図3は、閉鎖位置にあるキャップを備えた容器の平面図である。
【図4】図4は、キャップを開放位置へ回転させた、図3と同様な図である。
【図5】図5は、容器の要素の分解斜視図である。
【図6】図6は、図1の6−6線に沿った断面図である。
【図7】図7は、作動後の容器を示す類似の断面図である。
【図8】図8は、図1の8−8線に沿った断面図である。
【図9】図9は、容器のプラスチック本体要素をブロー成形する製造ステップを示す図である。
【図10】図10は、ブロー成形に続いて要素を互いに分離する製造ステップを示す図である。
【図11A−11C】図11A−11Cは、モジュール本体に対する容器本体のスピン溶接を含む製造ステップの順序を示す図である。
【図12】図12は、本発明による他の容器の要素の分解斜視図である。
【図13】図13は、図12の容器の断面図である。
【図14】図14は、図12の容器のモジュールキャップに取付けられた反応物質バリヤの斜視図である。
【図15】図15は、いろいろな篩目の酸化カルシウム粒子についての過度的な温度曲線のグラフである。
【図16】図16は、いろいろな篩目の酸化カルシウム粒子についての過度的な温度曲線のグラフである。
【図17】図17は、いろいろな篩目の酸化カルシウム粒子についての過度的な温度曲線のグラフである。
【図18】図18は、いろいろな篩目の酸化カルシウム粒子についての過度的な温度曲線のグラフである。
【図19】図19は、酸化カルシウムに対する水のいろいろな比についての反応/温度曲線のグラフである。
【図20】図20は、酸化カルシウムに対する水のいろいろな比についての反応/温度曲線のグラフである。
【図21】図21は、超えるべきでない水中のミネラル成分の表である。
【図22】図22は、酸化カルシウム反応物質に加えることができる添加物の表である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1反応物質を第2反応物質と混合することによって、内容物の温度を選定可能に変更するための容器であって、
前記内容物を収容するための材料室を有する容器本体と、
前記容器本体の一端に連結され、少なくとも一部が前記容器本体内に延在している熱モジュールとを具え、前記容器本体の反対側の端部が前記材料室内に通じる容器開口部を有し、前記熱モジュールがアクチュエータと、前記アクチュエータの部分に加えられる力に応答して引き込み位置と伸長位置の間で移動可能な穿孔部材と、破断可能なバリヤと、前記破断可能なバリヤによって互いに分離された前記反応物質を収容するための第1と第2の室を具え、前記反応物質の混合を可能にするために細長い部材が前記伸長位置にあるときに、前記穿孔部材の先端が前記破断可能なバリヤを破断し、
更に、前記熱モジュールまたは前記容器の前記一端に取付けられたフルパネル引きはがし部材を具え、前記フルパネル引きはがし部材が前記アクチュエータを完全に覆い、前記フルパネル引きはがし部材が取外し可能な引きはがし蓋を有し、前記引きはがし蓋が最初に取り外されるまで、前記フルパネル引きはがし部材が前記アクチュエータの作動を回避するのに十分な強度と剛性を有し、
更に、前記容器本体の前記反対側の端部に取付けられた蓋を具えていることを特徴とする上記容器。
【請求項2】
前記引きはがし蓋をフルパネル引きはがし部材の残りの部分に連結する材料を破断することにより、前記引きはがし蓋が取外し可能であることを特徴とする請求項1に記載の容器。
【請求項3】
前記室の1つが容器本体内に近位に延びる熱交換部分であり、前記熱交換部分がひだ付き壁と、前記ひだ付き壁のエッジ上に少なくとも1つの周溝とを具えていることを特徴とする請求項1に記載の容器。
【請求項4】
前記ひだ付き壁が前記熱交換部分の円周の周囲に複数の折り目を有し、前記折り目が少なくとも0.05インチの半径を有することを特徴とする請求項3に記載の容器。
【請求項5】
前記第1室が前記容器本体内に延在する熱交換部分であり、前記容器が更に通気穴を有し、前記フルパネル引きはがし部材が取付けられている間、この通気穴が前記熱交換部分から前記容器の外部を取り囲む周囲雰囲気まで流体通路を完成していることを特徴とする請求項1に記載の容器。
【請求項6】
前記熱モジュールが前記熱交換部分の先端に配置された熱モジュールキャップを具え、前記流体通路が、前記容器の壁と前記熱モジュールキャップの壁の間の前記熱交換部分から前記通気穴まで延在していることを特徴とする請求項5に記載の容器。
【請求項7】
前記第1室が、前記容器本体内に近位に延在する熱交換部分と前記熱交換部分の先端に配置された熱モジュールキャップとを具え、前記熱モジュールキャップが、前記第2室と前記破断可能なバリヤと前記穿孔部材とを具えていることを特徴とする請求項1に記載の容器。
【請求項8】
前記破断可能なバリヤが前記第2室を取り囲むために前記熱モジュールキャップに取付けられた金属シートを具えていることを特徴とする請求項7に記載の容器。
【請求項9】
前記破断可能なバリヤが、前記熱モジュールキャップの上面と、前記上面から延在する外壁とに取付けられていることを特徴とする請求項7に記載の容器。
【請求項10】
前記容器本体が内側の側壁と外側の側壁とを有し、前記外側の側壁が、前記容器本体の底または底近くから前記外側の側壁の側部上にらせん状に延びる溝を具えていることを特徴とする請求項1に記載の容器。
【請求項11】
第1反応物質を第2反応物質と混合することによって、内容物の温度を選定可能に変更するための容器であって、
前記内容物を収容するための材料室と、前記内容物を取り出すための容器開口とを有する容器本体と、
前記容器本体に熱的に連結された熱モジュールとを具えており、前記容器本体の反対側の端部が前記材料室内に通じる容器開口部を有し、前記熱モジュールが、アクチュエータと、前記アクチュエータが作動されるまで互いに分離された、前記反応物質を収容するための第1と第2の室とを具え、
前記第1反応物質が酸化カルシウム粒子を具え、前記粒子の10〜20%が#20メッシュを通過することを特徴とする上記容器。
【請求項12】
前記酸化カルシウム粒子が異なる大きさの酸化カルシウム粒子の混合物を具え、前記粒子の10〜20%が#20メッシュを通過し、75〜85%の粒子が#14メッシュを通過し、3%未満の粒子が#20メッシュを通過することを特徴とする請求項11に記載の容器。
【請求項13】
水と酸化カルシウム粒子を混合することによって、内容物の温度を選定可能に変更するための容器であって、
前記内容物を収容するための材料室と、前記内容物を取り出すための容器開口とを有する容器本体と、
前記容器本体に熱的に連結された熱モジュールとを具え、前記容器本体の反対側の端部が前記材料室内に通じる容器開口部を有し、前記熱モジュールが、アクチュエータと、アクチュエータが作動されるまで互いに分離された、前記反応物質を収容するための第1と第2の室とを備え、
前記水と酸化カルシウムの質量比が、水約1.15対酸化カルシウム4であることを特徴とする容器。
【請求項14】
前記第1反応物質が酸化カルシウム粒子を具え、前記粒子の10〜20%が#20メッシュを通過することを特徴とする請求項13に記載の容器。
【請求項15】
前記酸化カルシウム粒子が異なる大きさの酸化カルシウム粒子の混合物を具え、前記粒子の10〜20%が#20メッシュを通過し、75〜85%の粒子が#14メッシュを通過し、3%未満の粒子が#20メッシュを通過することを特徴とする請求項13に記載の容器。
【請求項16】
容器の内容物の温度を選定可能に変更する方法であって、
前記容器を、第1および第2の反応物質を有する熱モジュールに熱的に連結し、
前記容器に取付けられたフルパネル引きはがし部材の引きはがし蓋を取外し、前記引きはがし蓋を最初に取り外すまでアクチュエータの作動を阻止するために、前記フルパネル引きはがし部材が十分な強度と剛性を有し、
前記アクチュエータを作動させて前記第1と第2の反応物質を混合させることを特徴とする方法。
【請求項17】
前記第1反応物質が水を有し、前記第2反応物質が酸化カルシウム粒子を有することを特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記第1反応物質が酸化カルシウム粒子を有し、前記粒子の10〜20%が#20メッシュを通過することを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記酸化カルシウム粒子が異なる大きさの酸化カルシウム粒子の混合物を具え、前記粒子の10〜20%が#20メッシュを通過し、75〜85%の粒子が#14メッシュを通過し、3%未満の粒子が#20メッシュを通過することを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項20】
水と酸化カルシウムの質量比が、水約1.15対酸化カルシウム4であることを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項21】
第1反応物質と第2反応物質を混合することによって内容物の温度を選定可能に変更するための容器であって、
前記内容物を収容するための材料室を有する容器本体と、
前記容器本体の一端に連結され、少なくとも一部が前記容器本体内に延在している熱モジュールとを具え、
前記容器本体の反対側の端部が前記材料室内に通じる容器開口部を有し、前記熱モジュールが、アクチュエータと、前記アクチュエータの部分に加えられる力に応答して引き込み位置と伸長位置の間で移動可能な穿孔部材と、破断可能なバリヤと、前記破断可能なバリヤによって互いに分離された前記反応物質を収容するための第1と第2の室とを具え、前記反応物質の混合を可能にするために細長い部材が前記伸長位置にあるときに、前記穿孔部材の先端が前記破断可能なバリヤを破断し、
更に、前記熱モジュールまたは前記容器の前記一端に取付けられたフルパネル引きはがし部材を具え、前記フルパネル引きはがし部材が前記アクチュエータを完全に覆い、前記フルパネル引きはがし部材が取外し可能な引きはがし蓋を有し、前記引きはがし蓋が最初に取り外されるまで、前記フルパネル引きはがし部材が前記アクチュエータの作動を回避するのに十分な強度および剛性を有し、
更に、前記容器本体の前記反対側の端部に取付けられた蓋を具えていることを特徴とする上記容器。
【請求項22】
前記破断可能なバリヤが、熱接合、超音波接合、接着剤使用の一つによって熱モジュールキャップに取付けられていることを特徴とする請求項8に記載の容器。
【請求項23】
前記破断可能なバリヤが熱接合によって熱モジュールキャップに取付けられ、熱接合プロセスが前記熱モジュールキャップの上面に丸められたエッジを生じることを特徴とする請求項8に記載の容器。
【請求項24】
視覚的な表示器であって、所定の温度に達したことを知らせる表示器を具えていることを特徴とする請求項1に記載の容器。
【請求項25】
前記視覚的な表示器が前記容器の表面上のサーモクロマティックインクのスポットを具えることを特徴とする請求項24に記載の容器。
【請求項1】
第1反応物質を第2反応物質と混合することによって、内容物の温度を選定可能に変更するための容器であって、
前記内容物を収容するための材料室を有する容器本体と、
前記容器本体の一端に連結され、少なくとも一部が前記容器本体内に延在している熱モジュールとを具え、前記容器本体の反対側の端部が前記材料室内に通じる容器開口部を有し、前記熱モジュールがアクチュエータと、前記アクチュエータの部分に加えられる力に応答して引き込み位置と伸長位置の間で移動可能な穿孔部材と、破断可能なバリヤと、前記破断可能なバリヤによって互いに分離された前記反応物質を収容するための第1と第2の室を具え、前記反応物質の混合を可能にするために細長い部材が前記伸長位置にあるときに、前記穿孔部材の先端が前記破断可能なバリヤを破断し、
更に、前記熱モジュールまたは前記容器の前記一端に取付けられたフルパネル引きはがし部材を具え、前記フルパネル引きはがし部材が前記アクチュエータを完全に覆い、前記フルパネル引きはがし部材が取外し可能な引きはがし蓋を有し、前記引きはがし蓋が最初に取り外されるまで、前記フルパネル引きはがし部材が前記アクチュエータの作動を回避するのに十分な強度と剛性を有し、
更に、前記容器本体の前記反対側の端部に取付けられた蓋を具えていることを特徴とする上記容器。
【請求項2】
前記引きはがし蓋をフルパネル引きはがし部材の残りの部分に連結する材料を破断することにより、前記引きはがし蓋が取外し可能であることを特徴とする請求項1に記載の容器。
【請求項3】
前記室の1つが容器本体内に近位に延びる熱交換部分であり、前記熱交換部分がひだ付き壁と、前記ひだ付き壁のエッジ上に少なくとも1つの周溝とを具えていることを特徴とする請求項1に記載の容器。
【請求項4】
前記ひだ付き壁が前記熱交換部分の円周の周囲に複数の折り目を有し、前記折り目が少なくとも0.05インチの半径を有することを特徴とする請求項3に記載の容器。
【請求項5】
前記第1室が前記容器本体内に延在する熱交換部分であり、前記容器が更に通気穴を有し、前記フルパネル引きはがし部材が取付けられている間、この通気穴が前記熱交換部分から前記容器の外部を取り囲む周囲雰囲気まで流体通路を完成していることを特徴とする請求項1に記載の容器。
【請求項6】
前記熱モジュールが前記熱交換部分の先端に配置された熱モジュールキャップを具え、前記流体通路が、前記容器の壁と前記熱モジュールキャップの壁の間の前記熱交換部分から前記通気穴まで延在していることを特徴とする請求項5に記載の容器。
【請求項7】
前記第1室が、前記容器本体内に近位に延在する熱交換部分と前記熱交換部分の先端に配置された熱モジュールキャップとを具え、前記熱モジュールキャップが、前記第2室と前記破断可能なバリヤと前記穿孔部材とを具えていることを特徴とする請求項1に記載の容器。
【請求項8】
前記破断可能なバリヤが前記第2室を取り囲むために前記熱モジュールキャップに取付けられた金属シートを具えていることを特徴とする請求項7に記載の容器。
【請求項9】
前記破断可能なバリヤが、前記熱モジュールキャップの上面と、前記上面から延在する外壁とに取付けられていることを特徴とする請求項7に記載の容器。
【請求項10】
前記容器本体が内側の側壁と外側の側壁とを有し、前記外側の側壁が、前記容器本体の底または底近くから前記外側の側壁の側部上にらせん状に延びる溝を具えていることを特徴とする請求項1に記載の容器。
【請求項11】
第1反応物質を第2反応物質と混合することによって、内容物の温度を選定可能に変更するための容器であって、
前記内容物を収容するための材料室と、前記内容物を取り出すための容器開口とを有する容器本体と、
前記容器本体に熱的に連結された熱モジュールとを具えており、前記容器本体の反対側の端部が前記材料室内に通じる容器開口部を有し、前記熱モジュールが、アクチュエータと、前記アクチュエータが作動されるまで互いに分離された、前記反応物質を収容するための第1と第2の室とを具え、
前記第1反応物質が酸化カルシウム粒子を具え、前記粒子の10〜20%が#20メッシュを通過することを特徴とする上記容器。
【請求項12】
前記酸化カルシウム粒子が異なる大きさの酸化カルシウム粒子の混合物を具え、前記粒子の10〜20%が#20メッシュを通過し、75〜85%の粒子が#14メッシュを通過し、3%未満の粒子が#20メッシュを通過することを特徴とする請求項11に記載の容器。
【請求項13】
水と酸化カルシウム粒子を混合することによって、内容物の温度を選定可能に変更するための容器であって、
前記内容物を収容するための材料室と、前記内容物を取り出すための容器開口とを有する容器本体と、
前記容器本体に熱的に連結された熱モジュールとを具え、前記容器本体の反対側の端部が前記材料室内に通じる容器開口部を有し、前記熱モジュールが、アクチュエータと、アクチュエータが作動されるまで互いに分離された、前記反応物質を収容するための第1と第2の室とを備え、
前記水と酸化カルシウムの質量比が、水約1.15対酸化カルシウム4であることを特徴とする容器。
【請求項14】
前記第1反応物質が酸化カルシウム粒子を具え、前記粒子の10〜20%が#20メッシュを通過することを特徴とする請求項13に記載の容器。
【請求項15】
前記酸化カルシウム粒子が異なる大きさの酸化カルシウム粒子の混合物を具え、前記粒子の10〜20%が#20メッシュを通過し、75〜85%の粒子が#14メッシュを通過し、3%未満の粒子が#20メッシュを通過することを特徴とする請求項13に記載の容器。
【請求項16】
容器の内容物の温度を選定可能に変更する方法であって、
前記容器を、第1および第2の反応物質を有する熱モジュールに熱的に連結し、
前記容器に取付けられたフルパネル引きはがし部材の引きはがし蓋を取外し、前記引きはがし蓋を最初に取り外すまでアクチュエータの作動を阻止するために、前記フルパネル引きはがし部材が十分な強度と剛性を有し、
前記アクチュエータを作動させて前記第1と第2の反応物質を混合させることを特徴とする方法。
【請求項17】
前記第1反応物質が水を有し、前記第2反応物質が酸化カルシウム粒子を有することを特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記第1反応物質が酸化カルシウム粒子を有し、前記粒子の10〜20%が#20メッシュを通過することを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記酸化カルシウム粒子が異なる大きさの酸化カルシウム粒子の混合物を具え、前記粒子の10〜20%が#20メッシュを通過し、75〜85%の粒子が#14メッシュを通過し、3%未満の粒子が#20メッシュを通過することを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項20】
水と酸化カルシウムの質量比が、水約1.15対酸化カルシウム4であることを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項21】
第1反応物質と第2反応物質を混合することによって内容物の温度を選定可能に変更するための容器であって、
前記内容物を収容するための材料室を有する容器本体と、
前記容器本体の一端に連結され、少なくとも一部が前記容器本体内に延在している熱モジュールとを具え、
前記容器本体の反対側の端部が前記材料室内に通じる容器開口部を有し、前記熱モジュールが、アクチュエータと、前記アクチュエータの部分に加えられる力に応答して引き込み位置と伸長位置の間で移動可能な穿孔部材と、破断可能なバリヤと、前記破断可能なバリヤによって互いに分離された前記反応物質を収容するための第1と第2の室とを具え、前記反応物質の混合を可能にするために細長い部材が前記伸長位置にあるときに、前記穿孔部材の先端が前記破断可能なバリヤを破断し、
更に、前記熱モジュールまたは前記容器の前記一端に取付けられたフルパネル引きはがし部材を具え、前記フルパネル引きはがし部材が前記アクチュエータを完全に覆い、前記フルパネル引きはがし部材が取外し可能な引きはがし蓋を有し、前記引きはがし蓋が最初に取り外されるまで、前記フルパネル引きはがし部材が前記アクチュエータの作動を回避するのに十分な強度および剛性を有し、
更に、前記容器本体の前記反対側の端部に取付けられた蓋を具えていることを特徴とする上記容器。
【請求項22】
前記破断可能なバリヤが、熱接合、超音波接合、接着剤使用の一つによって熱モジュールキャップに取付けられていることを特徴とする請求項8に記載の容器。
【請求項23】
前記破断可能なバリヤが熱接合によって熱モジュールキャップに取付けられ、熱接合プロセスが前記熱モジュールキャップの上面に丸められたエッジを生じることを特徴とする請求項8に記載の容器。
【請求項24】
視覚的な表示器であって、所定の温度に達したことを知らせる表示器を具えていることを特徴とする請求項1に記載の容器。
【請求項25】
前記視覚的な表示器が前記容器の表面上のサーモクロマティックインクのスポットを具えることを特徴とする請求項24に記載の容器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11A−11C】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11A−11C】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【公表番号】特表2008−535546(P2008−535546A)
【公表日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−501852(P2008−501852)
【出願日】平成17年3月17日(2005.3.17)
【国際出願番号】PCT/US2005/008840
【国際公開番号】WO2006/101482
【国際公開日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【出願人】(507308290)オンテック デラウェア インク. (1)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年3月17日(2005.3.17)
【国際出願番号】PCT/US2005/008840
【国際公開番号】WO2006/101482
【国際公開日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【出願人】(507308290)オンテック デラウェア インク. (1)
【Fターム(参考)】
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