説明

内燃機関からの排ガスを浄化する方法及び装置

本発明は、窒素酸化物類、一酸化炭素、炭化水素類及び粒状物質を含む、内燃機関からの排ガスを浄化する方法であって、該排ガスを、ガス不浸透性の交差して波形を設けた(cross corrugated)二つ又はより多くのシートの間に配置された、交差して波形を設けた一つ又はより多くのワイヤーメッシュシート上の一種又は複数種の触媒と接触させる工程、を含む該方法に関する。該排ガスは、一つ又はより多くの交差して波形を設けたシート上の異なる領域に被覆された、一種又は複数種の触媒と接触される。燃焼機関からの排ガスは、浄化された排ガスによって加熱することができる。本発明はまた、内燃機関からの排ガスを浄化する方法のための装置をさらに含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内燃機関からの排ガスを浄化することに関する。
【0002】
本発明は、特に、窒素酸化物類、一酸化炭素、炭化水素類、及び粒状物質を、触媒で被覆されたワイヤーメッシュ及び多孔質の壁部材を通過させることによって除去することに関する。
【0003】
本発明は、特に、ディーゼル駆動車両からの排ガスの浄化に対して、技術的かつ商業的に有用である。
【背景技術】
【0004】
いくつかの排ガス浄化プロセス及び装置が既に知られている。
【0005】
米国特許第6,845,612B2号明細書(特許文献1)は、排ガスを、触媒で被覆されたチャンネルを通過させることによってその排ガスから窒素酸化物類を除去する装置を開示している。それらチャンネルは、触媒被覆金属プレートを折り重ねることによって形成される。
【0006】
別の浄化装置が、米国特許出願第2006/0096282A号明細書(特許文献2)中に記載されている。排ガスは、平坦なプレートの間の空間中を流れ、該プレートは、一種又は複数種の触媒で充填されるか又は被覆される。インレットガスは、一つおきの空間中を流れ、デバイスの端部において該ガスはチャンバー中へ流れ、そして方向転換し、そして別の空間を通って還流する。燃料又は酸素を含有するガスを、チャンバー中のガスへ導入することができ、それ故、酸化触媒を、アウトレット空間中へ組み入れることができる。その触媒は組み入れるために複合化され、そして、それにより圧力低下が生じるか、その触媒が制限された表面を有する。
【0007】
米国特許第6,534,021B号明細書(特許文献3)には、ガス不浸透性プレートとワイヤーメッシュプレートとの交互層を有するフィルターが示されている。そのガス不浸透性プレートは、平坦であることができ、そしてそのワイヤーメッシュプレートは波形が設けられているか、あるいは、そのガス不浸透性プレートは波形を設けられていて、このワイヤーメッシュプレートは平坦である。ガスは、チャンネル上を垂直に流れ、該チャンネルは波形を設けることによって形成される。しかしながら、これはある程度の空間を必要とする。ワイヤーメッシュ及びフィルター本体の両方を触媒的に被覆できる。更に、単一のかつ波形を設けた層だけを、その不浸透性プレートの間に設けることができる。
【0008】
特許出願の国際公開第2007/122283A号パンフレット(特許文献4)は、平坦なワイヤーメッシュシートの間に配置された、交互に波形を設けたシートを有する、排ガスを処理するための基板を開示している。その波形を設けたシートの窪み部は、該平坦なワイヤーメッシュシートの窪み部と整合する。その波形を設けた、かつ平坦なワイヤーメッシュシート(2)は透過性であり、そして一方向においてのみ波形を設けられており、そして、交互のV字形のシート(3)が他方上に落ちるのを防ぐことが必要である。かくして、シート(3)は波形を設けられているが、交差して波形を設けられておらず、そしてそれらシート(3)の一つだけを、その透過性シート(2)の間に提供することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】米国特許第6,845,612B2号明細書
【特許文献2】米国特許出願第2006/0096282A号明細書
【特許文献3】米国特許第6,534,021B号明細書
【特許文献4】国際公開第2007/122283A号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、小型の装置において、排ガスから窒素酸化物類、一酸化炭素、炭化水素類及び粒状物質を除去するための、該排ガスと触媒との間の良好な接触が得られ、生じる圧力低下が小さく、そして、熱交換を含む一つ以上のプロセスが、本発明の装置において実行できるよう、そのレイアウトが自由に変えられる(flexible)、方法及び装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、窒素酸化物類、一酸化炭素、炭化水素類及び粒状物質を含む、内燃機関からの排ガスを浄化するための方法及び装置を提供する。その装置において行われる方法は、排ガスを一種又は複数種の触媒と、二つ又はより多くのガス不浸透性の、交差して波形を設けたシートの間に配置された一つ又はより多くの、交差して波形を設けたワイヤーメッシュシート上で接触させる工程を含む。該排ガスは、その一つ又はより多くの、交差して波形を設けたワイヤーメッシュシート上の異なる領域に被覆された、一種又は複数種の触媒と接触させる。排ガス中の粒状物質は、上記のガス不浸透性シートの領域中に保持され、該領域は、多孔質であり、そして任意に、酸化触媒で被覆される。燃焼機関からの排ガスは、浄化された排ガスによって加熱することができる。
【0012】
それにより、本発明によって、ガス中における高い乱流に起因する、向上された排ガスの浄化が得られ、本発明により、ガスと触媒との近接した接触が提供されることによって、低減された空間の要件と同時に、低減された、生じた圧力低下、並びに、洗浄プロセスの自由な選択が結果として得られる。
【0013】
交差した波形のために、ガス不浸透性の、交差して波形を設けたシートの間に複数のワイヤーメッシュを積層させることが、今や可能となる。
【0014】
内燃機関からの排ガスは毒性の不純物を含んでいる。特にディーゼルの排ガスは、窒素酸化物類、一酸化炭素、炭化水素類、煤及び粒状物質を含む。
【0015】
それら窒素酸化物類は、遊離窒素へ還元されなければならず、粒状物質はフィルターで補足されなければならず、そして補足された粒状物質、炭化水素類及び一酸化炭素は酸化されて、二酸化炭素及び水にならなければならない。これらの工程は、触媒の存在下で行われる。
【0016】
本発明は、これらの不純物を除去するための方法及び装置を提供するものであり、さらに熱交換を含んでもよい、小型の多機能ディーゼル排気ユニットを含んでなる。
【0017】
浄化ユニットは、交差して波形を設けた金属シートからなり、それらシートの幾つかはガス不浸透性シートであり、そして、これら不浸透性シートの間には多数の、交差して波形を設けたワイヤーメッシュシートが配置される。それら不浸透性シート部分は多孔質であることができる。波形パターンは、ジグザグパターンの一種であり、そしてそれらシートが本発明に従って積層されるとき、シート間にライナーを設けることなく、かつ、流路チャンネルを壊さずに維持した状態で、全シートを相互に直接積層させることができる。
【0018】
従って、一つだけではなく、いくつかの、交差して波形を設けたワイヤーメッシュシートを、二つ又はより多くのガス不浸透性の、交差して波形を設けたシートの間に提供することができる。
【0019】
国際公開第2007/122283A号パンフレット(特許文献4)の、その最上面が平坦な、波形を設けたシート(3)とは対照的に、本発明のワイヤーメッシュシートは、交差して波形が設けられているため、その最上面は平坦ではなく波形である。ジグザグパターン又は波状パターンは、シートの一方向にだけに存在するのではない。
【0020】
交差して波形を設けたシートの一つ又はより多くの領域は、触媒で被覆することができる。その触媒は、典型的に、噴霧によってシート上に適用される。
【0021】
組み立てられたワイヤーメッシュは同一である。一つおきにシートを上下逆に反転させると、傾斜のあるチャンネルが、非平行状態で互いに接触し、そしてそれ故、シートは互いからの距離が維持される。
【0022】
シートは上述のように積層され、その後ハウジング中に挿入されて浄化ユニットを形成する。ガスはチャンネル中を流れ、そのチャンネルは波形によって形成されている。しかしながら、ジグザグパターンによって、該ガスはしばしば、ある程度強制的に向きを変えさせられる。これにより乱流が生じて、触媒とガスとの間の接触が著しく改善される。同時に、ワイヤーメッシュを通る流れは、過剰な圧力低下を生じさせない。
【0023】
ガス不浸透性シートは、一端において平坦かつ多孔質であることができ、一つおきの空間毎に、ワイヤーによってその縁部が互いにシールされる。煤燃焼触媒は、シートのこの多孔質の部分上に適用される。シートのこれらの多孔質の部分は、浄化ユニット中で煤フィルターを形成する。ガスは、プレートの一端において、一つおきの空間から他の空間へ流れる。この実施形態において、その不浸透性シートの多孔質部分は、平坦であることができる。
【0024】
上述したように、ガスが、ガス不浸透性シートの間の一つおきの空間を通って流れるとき、ユニットには、ガスが流出し、そして流れの方向を変えて他の空間を通って還流するチャンバーが設けることができる。この実施形態においてもまた、本発明の浄化ユニット中に、給/排熱交換機能を構築できる。この場合、そのユニットのインレット/アウトレット端では、シートの領域は触媒的に被覆されておらず、そして熱は、被覆されたシートと比較して遙かに高い熱伝導率でもって金属シートを通過する。
【0025】
ガス不浸透性シートは、流れ方向における側部に沿って配置された金属糸(threads)によって一緒にシールされる。この糸は、ガス不浸透性シートの間の距離とほぼ同じ径を有する。
【0026】
ガスがチャンバー内で方向転換する実施形態においては、インレット/アウトレット端におけるガス不浸透性シートの間の一つおきの空間が同様にしてシールされ、そして、対応する側の短い一部は開放されたままである。この開放によりガスの出口が形成される。ガスは、次いで、一方の端部においてユニット中へ流れ込み、そしてそのユニットの同じ端部又は反対側の端部において、ユニットの側部から流出する。
【0027】
アウトレット端において、波形を設けたワイヤーメッシュシートは、ガス不浸透性シートよりも僅かに短い。
【0028】
ガスが、ターニングチャンバーに進入する前にフィルター処理される実施形態においては、フィルター処理されていないガスを有するガス不浸透性シート間の空間もまた、そのターニングチャンバーの端部において金属糸でシールされる。
【0029】
別の実施形態において、炭化水素を、浄化ユニットのインレットにおいて導入させ、そしてインレットチャンバー内で排ガスと混合させることができる。混合されたガスはその後、酸化触媒で被覆されたワイヤーメッシュの一部へ流れ、そして一酸化炭素並びに炭化水素は発熱酸化される。このようにして、例えば、フィルター上での煤の燃焼又はエンジンの低温始動時の温度上昇が下流で必要とされる場合に温度は上昇する。
【0030】
上述のターニングチャンバーにおいては、尿素水溶液、アンモニア、アンモニア水溶液、シアヌル酸、アンメリド、アンメリン、シアヌル酸アンモニウム、ビウレット、カルバミン酸アンモニウム、炭酸アンモニウム、ギ酸アンモニウム、メラミン又はトリシアノ尿素(tricyanourea)のような還元剤を噴射して、酸化されたガスと混合することができ、その際、次いで窒素酸化物類を、SCR触媒で被覆された領域を通過させることによって、選択的、触媒的に遊離窒素へ還元させることができる。任意に、還元剤の可能性のある残部、つまりスリップ(slip)を、ガスが流出する前に、別の触媒処理された領域で酸化させることができる。
【0031】
この統合された設計により、この小型のユニットにおいて以下の工程を行うことができる。
HC噴射−ディーゼルの接触酸化−触媒的に被覆されたフィルター中への粒状物の保持−尿素噴射−窒素酸化物類の選択接触還元−アンモニアスリップの接触酸化;
又は、
給熱交換−HC噴射−ディーゼルの接触酸化−触媒的に被覆されたフィルター中への粒状物の保持−尿素噴射−窒素酸化物類の選択接触還元−アンモニアスリップの接触酸化−排熱交換。
【0032】
本発明の別の実施形態においては、プロセスは次の工程を含む。
尿素噴射−窒素酸化物類の選択接触還元−アンモニアスリップの接触酸化−HC噴射−ディーゼルの接触酸化−触媒的に被覆されたフィルター中への粒状物の保持;
又は、
給熱交換−尿素噴射−窒素酸化物類の選択接触還元−アンモニアスリップの接触酸化−HC噴射−ディーゼルの接触酸化−触媒的に被覆されたフィルター中への粒状物の保持−排熱交換。
この場合、ガスは側部からユニットへ進入する。
【0033】
本発明の他の実施形態において、プロセスは次の工程を含む。
尿素噴射−窒素酸化物類の選択接触還元−アンモニアスリップの接触酸化−触媒的に被覆されたフィルター中への粒状物の保持−ディーゼルの接触酸化;
又は、
給熱交換−尿素噴射−窒素酸化物類の選択接触還元−アンモニアスリップの接触酸化−触媒的に被覆されたフィルター中への粒状物の保持−HC噴射−ディーゼルの接触酸化−排熱交換。
【0034】
交差して波形を設けたワイヤーメッシュシートは触媒で被覆され、これらは領域中に適用される。
【0035】
酸化触媒は、希土類で促進された酸化アルミニウム上の白金及び/又はパラジウム、又は酸化珪素又は促進された酸化チタン上の白金及び/又はパラジウムを含む。該触媒はまた、酸化ジルコニウムで促進された酸化セリウム又は酸化銅及び酸化マンガンの混合物上の白金及び/又はパラジウム、又は酸化銅及び酸化マンガンの混合物上のパラジウムであることもできる。
【0036】
多孔質のフィルターは、希土類、アルミニウム及びジルコニウム、任意にパラジウム及び/又は白金の混合された酸化物で被覆される。
【0037】
SCR(選択接触還元(selective catalytic reduction))の触媒は、追加の酸化タングステン又は酸化モリブデンを有し得る酸化チタン上の酸化バナジウムである。該触媒はまた、変性されたベータゼオライト、ZSM−5又は菱沸石であるゼオライト上の銅及び/又は鉄を含んでなるゼオライト触媒であることもできる。あるいは、該触媒は、酸性のセリウム−ジルコニウム酸化物混合物及びジルコニウム−チタン酸化物混合物を含んでなる、機能化された酸性の卑金属が混合された酸化物触媒であることができる。
【0038】
還元剤の存在し得る残部を酸化するための触媒、“アンモニアスリップ触媒”は、任意に、ゼオライト、SCRゼオライト、アルミニウム酸化物、希土類酸化物又は酸化珪素で促進されたアルミニウム酸化物、酸化セリウム、酸化ジルコニウム又はそれらの混合物上の白金又はパラジウムのような貴金属である。
【0039】
しかしながら、最も典型的に酸化に使用されるのは、希土類で促進されたアルミナ上の白金及び/又はパラジウムを有する触媒であり、そして、酸化チタン上の酸化バナジウム及び/又は酸化タングステン、又はゼオライト上の鉄及び/又は銅による選択接触還元(SCR)触媒である。アンモニアスリップ触媒に使用されるのは、ゼオライト上の白金及び/又はパラジウムであり、そしてフィルター触媒は、典型的な、希土類及びジルコニウムの混合酸化物上のパラジウム及び/又は白金である。
【0040】
最も用いられるゼオライトは、ZSM−5ゼオライト、β−ゼオライト及び菱沸石である。
【0041】
本発明の方法により、炭化水素類、一酸化炭素、窒素酸化物類及び粒状物質の80〜99.9%の転換を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】図1は、本発明の一実施形態の断面の概要図である。
【図2】図2は、二つの方向における波形を示す、本発明の洗浄装置における層の概要図である。
【図3】図3は、本発明のワイヤーメッシュシートの写真である。
【図4a】図4aは、本発明の二つの実施形態の断面の概要図である。
【図4b】図4bは、本発明の二つの実施形態の断面の概要図である。
【図4c】図4cは、本発明の二つの実施形態の断面の概要図である。
【図5a】図5aは、本発明の、シーリングワイヤーを有する不浸透性シートの概要図である。
【図5b】図5bは、本発明の、シーリングワイヤーを有する不浸透性シートの概要図である。
【図6】図6は、本発明の内部の概念図である。
【図7】図7は、本発明の形状の概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0043】
本発明の一実施形態が図1に示されており、該図において、燃焼機関からの排ガス1は、浄化ユニットのハウジング3中へ流れ、そして清浄な排ガス2として流出する。該ハウジング3の内部には、交差して波形を設けたガス不浸透性金属シート4が組み込まれ、互いに平行である。該不浸透性シート4の間の各空間には、交差して波形を設けた多数のワイヤーメッシュシート5が配置される。
【0044】
上記のシートは、図2においてより詳細に示されており、ワイヤーメッシュプレート5が不浸透性シート4の間の各空間に配置されていることが見られる。波形をつけたパターンにより、チャンネル6が形成される。しかしながら、各チャンネルは、二つ半のチャンネルを含み、そのそれぞれがジグザグ形状を有するが、それらは、互いを支持するように相互に交差しており、そして同時に、それらによって乱流ガス流が作り出される。点線は、真下のシートの交差した波形を示している。
【0045】
図3は、ワイヤーメッシュシートの写真であり、そして矢印はガス流の方向を示している。この写真から、交差して波形を設けたシートのパターンが、平行なチャンネルを形成し、各チャンネルが、繰り返し形状からなることがわかる。その形状は、第一の真っ直ぐなチャンネルであり、該第一のチャンネルと第一の角度を形成する第二の真っ直ぐなチャンネルに続き、そして、その第一のチャンネルと平行な第三のチャンネルに続き、そして、その第一のチャンネルと、該第一の角度と同じであるが、反対方向の第二の角度を形成する第四のチャンネルに続く。交差して波形を設けたシートは、それ故、互いに角度を作る二つの方向で波形を有している。
【0046】
本発明の一実施形態が図4aに示されている。機関からの排ガス1はインレットチャンバー10へ流れ、そこから該ガスは、ハウジング3中の不浸透性の、交差して波形を設けたシート4の間の一つおきの空間へ流れる。炭化水素11は、インレットチャンバー10へ噴射される。不浸透性シート4の間の各空間には、多数の、交差して波形を設けたワイヤーメッシュシート5が組み込まれ、そしてそれらを通って混合ガスが流れる。あるワイヤーメッシュ領域は、ディーゼルの酸化触媒21で被覆され、そこで炭化水素、一酸化炭素及び粒状物質が酸化される。シートの端部12は多孔質であり、そして燃焼触媒22で被覆され、それらはガスのためのフィルターを形成し、そしてそこに保持された粒状物質が触媒的に燃焼される。チャンバー14中には還元剤15が導入され、そして酸化され、フィルター処理された排ガスと混合され、その混合ガスはその後、窒素酸化物類を窒素へと選択接触還元するための触媒23で被覆されたワイヤーメッシュ領域を通る。更に、下流では、ワイヤーメッシュシート5は、スリップ触媒24で被覆することができ、該触媒は、還元剤15の残部を酸化する。ガスは、ユニットの側部を通って流出し、そして浄化された排ガス2としてそこを出る。
【0047】
本発明の、他のプロセスによる別の実施形態が図4bに示されている。機関からの排ガス1は、還元剤15と混合されて、浄化ユニットの側部におけるインレットへ流れ、そこから、窒素酸化物類を窒素へと選択接触還元するための触媒23で被覆されたワイヤーメッシュ領域へ流れる。還元剤15の残部を酸化するスリップ触媒24で被覆されたワイヤーメッシュシート5がこの後に続く。チャンバー14では、炭化水素11が噴射されて、ディーゼルの酸化触媒21で被覆された、波形を設けたワイヤーメッシュ領域を通って流れる前に、排ガスと混合され、該領域では炭化水素類、一酸化炭素及び存在し得る還元剤の残部が酸化される。その酸化触媒21の下流では、不浸透性シートは多孔質であり、そして燃焼触媒22で被覆され、ガスのためのフィルターを形成し、そしてそこでは、保持された粒状物質が触媒的に燃焼される。
【0048】
本発明の、別のプロセスによる更に別の実施形態が図4cに示されている。機関からの排ガス1は還元剤15と混合され、そして浄化ユニットの側部におけるインレットへ流れ、そこからガスは熱交換領域25へ流れ、そこではシートは触媒で被覆されていない。領域25において、供給ガスは、ユニットを出る浄化されたガスによって加熱される。混合され、加熱された排ガスは、その後、窒素酸化物類を窒素へと選択接触還元するための触媒23で被覆されたワイヤーメッシュシートを通る。還元剤15の残部を酸化するスリップ触媒24で被覆されたワイヤーメッシュシート5の領域がこの後に続く。そのスリップ酸化触媒24の下流では、不浸透性シートの領域12は多孔質であり、かつ、燃焼触媒22で被覆されていて、ガスのためのフィルターを形成し、そしてそこで保持された粒状物質が触媒的に燃焼される。チャンバー14中では、炭化水素11が噴射されて、ディーゼルの酸化触媒21で被覆された、波形を設けたワイヤーメッシュ領域を通って流れる前に、排ガスと混合され、該領域では炭化水素類、一酸化炭素及び存在し得る還元剤の残部が酸化される。酸化により熱が作り出され、そして、加熱され、浄化された排ガスは、浄化された排ガス2として装置から出る前に、熱交換領域25において機関からの排ガス1を加熱する。
【0049】
図5aは、不浸透性シートであって、その各縁部において、流れの方向に沿って、シーリング金属ワイヤー7を備えた該シートを示している。二つのシートの間にはこのシーリングがあり、それらシートの間を、ガスがユニットを真っ直ぐに通って流れる。それに対して、図5bは、流れの方向において、かつ、一端において、縁部に沿ったシーリングワイヤー8、及びシールされた端部に穴を残すように、流れの方向における他の縁部のほとんどに沿ったシーリングワイヤー9を示している。二つの不浸透性シートの間にはこのシーリングがあり、それらシートの間において、ガスは一端から進入し、他方の端の側部から流出する。
【0050】
また、図6においてもこれらのシーリングワイヤー7、8及び9が示されているが、多数の不浸透性シート4の間には、多数の、交差して、波形を設けたワイヤーメッシュシート5が含まれている。この透視図は、いかにしてインレットガス1が、一つおきの空間の間に進入できるか、そしていかにしてアウトレットガス2が、ユニットの側部ではあるが、同じ端部の別の経路から出るかを示している。
【0051】
シートの全てはハウジング内に組み込まれ、これは図7に示されている。該図は、ユニットの実施形態を示しており、そこでは、ガスがユニットの同じ端部から進入し、かつ、出て行く。
【0052】
本発明の特徴は次の通りである。
1. 窒素酸化物類、一酸化炭素、炭化水素類及び粒状物質を含む、内燃機関からの排ガスを浄化する方法であって、
該排ガスを、ガス不浸透性の交差して波形を設けた(cross corrugated)二つ又はより多くのシートの間に配置された、交差して波形を設けた一つ又はより多くのワイヤーメッシュシート上の一種又は複数種の触媒と接触させる工程、
を含む、上記の方法。
【0053】
2. 前記排ガスを、前記一つ又はより多くの交差して波形を設けたシート上の異なる領域に被覆された、一種又は複数種の触媒と接触させる、上記の特徴1に記載の方法。
【0054】
3. 前記排ガス中の粒状物質が、前記ガス不浸透性シートの、多孔質で、そして任意に酸化触媒で被覆された領域中に保持される、上記の特徴1又は2に記載の方法。
【0055】
4. 前記燃焼機関からの排ガス及び浄化された排ガスが、互いに熱交換の関係にある、上記の特徴1〜3のいずれか一つに記載の方法。
【0056】
5. 前記燃焼機関からの排ガスが、次の連続する、
− 前記排ガス中へ炭化水素を噴射する工程;
− 前記排ガス及び炭化水素を触媒的に酸化する工程;
− 前記排ガスを、触媒的に被覆されたフィルターに通過させ、そして粒状物質を酸化する工程;
− 還元剤を噴射する工程;
− 前記酸化され、フィルター処理された排ガス中の窒素酸化物類を、窒素への還元剤によって選択接触還元する工程;
− 前記還元剤の残部を触媒的に酸化する工程;及び
− 浄化された排ガス流を引き出す工程、
によって浄化される、上記の特徴1〜4のいずれか一つに記載の方法。
【0057】
6. 前記燃焼機関からの排ガスが、次の連続する、
− 還元剤を噴射する工程;
− 前記酸化され、フィルター処理された排ガス中の窒素酸化物類を、窒素への還元剤によって選択接触還元する工程;
− 前記還元剤の残部を触媒的に酸化する工程;
− 前記排ガス中へ炭化水素を噴射する工程;
− 前記排ガス及び炭化水素を触媒的に酸化する工程;
− 前記排ガスを、触媒的に被覆されたフィルターに通過させ、そして粒状物質を酸化する工程;及び
− 浄化された排ガス流を引き出す工程、
によって浄化される、上記の特徴1〜4のいずれか一つに記載の方法。
【0058】
7. 前記燃焼機関からの排ガスが、次の連続する、
− 還元剤を噴射する工程;
− 前記排ガス中の窒素酸化物類を、窒素への還元剤によって選択接触還元する工程;
− 前記還元剤の残部を触媒的に酸化する工程;
− 前記排ガスを、触媒的に被覆されたフィルターに通過させ、そして粒状物質を酸化する工程;
− 前記排ガス中へ炭化水素を噴射する工程;
− 前記排ガス及び炭化水素を触媒的に酸化する工程;及び
− 浄化された排ガス流を引き出す工程、
によって浄化される、上記の特徴1〜4のいずれか一つに記載の方法。
【0059】
8. 前記炭化水素が前記機関への燃料であり、そして前記還元剤が、尿素水溶液、アンモニア及びアンモニア水溶液である、上記の特徴5〜7のいずれか一つに記載の方法。
【0060】
9. 前記酸化する工程が、希土類によって促進されたアルミナ上の白金及び/又はパラジウムである触媒の存在下で行われ、
前記フィルターが、希土類及びジルコニウムの混合酸化物上のパラジウム及び/又は白金である触媒で被覆され、
前記選択接触還元する工程が、酸化チタン上の酸化バナジウム及び/又は酸化タングステン、又はゼオライト上の鉄及び/又は銅であり;そして
前記還元剤の残部が、ゼオライト上の白金、ゼオライト上のパラジウム、又はゼオライト上の白金及びパラジウムである触媒によって酸化される、
上記の特徴5〜8のいずれか一つに記載の方法。
【0061】
10. 請求項1〜9に記載の内燃機関からの排ガスを浄化するための装置であって、ハウジング内に、
− 該ハウジング内に、互いに平行かつ離間して組み込まれた、二つ又はより多くの交差して波形を設けたガス不浸透性金属シート;及び
− 該ガス不浸透性金属シートの間の各空間に組み込まれた、一つ又はより多くの交差して波形を設けた、触媒的に被覆されたワイヤーメッシュシート、
を含む、上記の装置。
【0062】
11. 前記交差して波形を設けた不浸透性金属シートの間の各空間が、互いに積層された、複数の交差して波形を設けた触媒的に被覆されたワイヤーメッシュシートを含む、上記の特徴10に記載の装置。
【0063】
12. 前記交差して波形を設けた不浸透性の金属シートが、角度を有するよう波形を設けられる、上記の特徴10又は11に記載の装置。
【0064】
13. 前記交差して波形を設けたシートのパターンが、平行するチャンネルを形成し、該チャンネルのそれぞれが、
第二の真っ直ぐなチャンネルに続く、第一の真っ直ぐなチャンネル;
該第一のチャンネルと第一の角度を形成し、そして第三のチャンネルに続く該第二の真っ直ぐなチャンネル;
該第一のチャンネルに平行で、そして第四のチャンネルに続く、該第三のチャンネル;及び
該第一の角度と同じサイズであるが、それとは反対方向にある第二の角度を該第一のチャンネルと形成する、該第四のチャンネル、
である、繰り返し形状を有する、上記の特徴10〜12のいずれか一つに記載の装置。
【0065】
14. 前記不浸透性金属シートそれぞれの二つ又は三つの縁部が、シーリングワイヤーを使って互いに、それら縁部に沿って、流れの方向において一緒にシールされ、任意に、一つおきの空間において、シーリングワイヤーが、一つの流れ方向における一つの縁部及び隣接する縁部に沿って配置され、そして、別のシーリングワイヤーが、その流れ方向における他の側部の一部に対して配置され、そしてこのワイヤーと、装置の流れ方向に対して垂直なワイヤーとの間に空間が残される、上記の特徴10〜13のいずれか一つに記載の装置。
【0066】
15. 前記ハウジングが、インレットチャンバー及びアウトレットチャンバーを含む、上記の特徴10〜14のいずれか一つに記載の装置。
【0067】
16. 前記ハウジングが、そのハウジングの一方の端部にインレットチャンバー及びアウトレットチャンバーを、そして該ハウジングの他方の端部にターニングチャンバーを含み、その際、該ガスは、該ガス不浸透性のシートの間においては一つおきの空間中を一方向において流れ、そして他の空間においては対向する方向において流れる、上記の特徴10〜14のいずれか一つに記載の装置。
【0068】
17. 前記ワイヤーメッシュシート及び、任意に、不浸透性の金属シートが、それぞれが異なる触媒を有する領域内で触媒的に被覆される、上記の特徴10〜16のいずれか一つに記載の装置。
【0069】
18. 前記ガス不浸透性のシートの、一方の端部における長さが均一、かつ多孔質であり、そして一つおきの空間において、シーリングワイヤーと一緒にシールされ、任意に、それらシートの該多孔質部分が、粒状物質の燃焼において活性な触媒で被覆される、上記の特徴10〜17のいずれか一つに記載の装置。
【0070】
19. 前記ユニットのインレット/アウトレットにおける該シートの領域が、触媒的に被覆されておらず、熱交換領域を形成している、上記の特徴10〜18に記載の装置。
【0071】
20. − 前記排ガス中に炭化水素を噴射する手段;
− 前記排ガス及び炭化水素の触媒的な酸化において活性な第一の触媒;
− 粒状物質の燃焼において活性な第二の触媒で被覆された前記ガス不浸透性のシートのフィルター部分;
− ターニングチャンバー中へ還元剤を噴射するための手段;
− 該酸化された、フィルター処理された排ガスの該還元剤による選択接触還元において活性な第三の触媒;及び
− 該還元剤の残部の接触酸化において活性な第四の触媒、
を上記の順に含む、上記の特徴18又は19に記載の装置。
【0072】
21. − 前記排ガス中に還元剤を噴射する手段;
− 前記排ガスの該還元剤による選択接触還元において活性な第一の触媒;
− 該還元剤の残部の接触酸化において活性な第二の触媒;
− ターニングチャンバー中へ炭化水素を噴射するための手段;
− 前記排ガス及び炭化水素の接触酸化において活性な第三の触媒;及び
− 粒状物質の燃焼において活性な第四の触媒で被覆された前記ガス不浸透性のシートのフィルター部分;
を上記の順に含む、上記の特徴18又は19に記載の装置。
【0073】
22. − 前記排ガス中に還元剤を噴射する手段;
− 前記排ガスの該還元剤による選択接触還元において活性な第一の触媒;
− 該還元剤の残部の接触酸化において活性な第二の触媒;
− 粒状物質の燃焼において活性な第三の触媒で被覆された前記ガス不浸透性のシートのフィルター部分;
− ターニングチャンバー中へ炭化水素を噴射するための手段;及び
− 前記排ガス及び炭化水素の接触酸化において活性な第四の触媒、
を上記の順に含む、上記の特徴18又は19に記載の装置。
【実施例】
【0074】
本発明のフィルターユニットは以下の通りである。
波形を設けたシートは、0.1〜0.2mmの厚さを有する。
ワイヤーメッシュのワイヤーの厚さは40〜60μmである。
ワイヤーメッシュシートは、典型的に、6.45cm当たり100×100メッシュ空間を有する。
【0075】
波形を設けたシートの高さは1.0〜1.5mmである。
多孔質領域における孔の寸法は、5〜25μmである。
ハウジングのプレート厚さは0.7〜1.0mmである。
フィルターは、乗用車では2〜5 lの寸法、そして小型トラックでは5〜20 lの寸法を有する。
【0076】
具体的な一実施形態:
交差して、波形を設けたガス不浸透性の金属シート、及び、交差して、波形を設けたワイヤーメッシュ金属シートを製造することにより、ワイヤーメッシュシートを崩壊させることなく、積層原理が提供された。10cm×10cmのシートを、そのガス不浸透性シートの間でワイヤーメッシュシートと共に積層した。ワイヤーメッシュのワイヤーは、56μm厚であり、そしてシートは6.45cm当たり100×100メッシュ空間を有するものであった。波形パターンによって形成された波形は、1.1mmの高さであった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
窒素酸化物類、一酸化炭素、炭化水素類及び粒状物質を含む、内燃機関からの排ガスを浄化する方法であって、
該排ガスを、ガス不浸透性の交差して波形を設けた(cross corrugated)二つ又はより多くのシートの間に配置された、交差して波形を設けた一つ又はより多くのワイヤーメッシュシート上の一種又は複数種の触媒と接触させる工程、
を含む、上記の方法。
【請求項2】
前記排ガスを、前記一つ又はより多くの交差して波形を設けたシート上の異なる領域に被覆された、一種又は複数種の触媒と接触させる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記排ガス中の粒状物質が、前記ガス不浸透性シートの、多孔質で、そして任意に酸化触媒で被覆された領域中に保持される、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記燃焼機関からの排ガス及び浄化された排ガスが、互いに熱交換の関係にある、請求項1〜3のいずれか一つに記載の方法。
【請求項5】
前記燃焼機関からの排ガスが、次の連続する、
− 前記排ガス中へ炭化水素を噴射する工程;
− 前記排ガス及び炭化水素を触媒的に酸化する工程;
− 前記排ガスを、触媒的に被覆されたフィルターに通過させ、そして粒状物質を酸化する工程;
− 還元剤を噴射する工程;
− 前記酸化され、フィルター処理された排ガス中の窒素酸化物類を、窒素への還元剤によって選択接触還元する工程;
− 前記還元剤の残部を触媒的に酸化する工程;及び
− 浄化された排ガス流を引き出す工程、
によって浄化される、請求項1〜4のいずれか一つに記載の方法。
【請求項6】
前記内燃機関からの排ガスが、次の連続する、
− 還元剤を噴射する工程;
− 前記酸化され、フィルター処理された排ガス中の窒素酸化物類を、窒素への還元剤によって選択接触還元する工程;
− 前記還元剤の残部を触媒的に酸化する工程;
− 前記排ガス中へ炭化水素を噴射する工程;
− 前記排ガス及び炭化水素を触媒的に酸化する工程;
− 前記排ガスを、触媒的に被覆されたフィルターに通過させ、そして粒状物質を酸化する工程;及び
− 浄化された排ガス流を引き出す工程、
によって浄化される、請求項1〜4のいずれか一つに記載の方法。
【請求項7】
前記燃焼機関からの排ガスが、次の連続する、
− 還元剤を噴射する工程;
− 前記排ガス中の窒素酸化物類を、窒素への還元剤によって選択接触還元する工程;
− 前記還元剤の残部を触媒的に酸化する工程;
− 前記排ガスを、触媒的に被覆されたフィルターに通過させ、そして粒状物質を酸化する工程;
− 前記排ガス中へ炭化水素を噴射する工程;
− 前記排ガス及び炭化水素を触媒的に酸化する工程;及び
− 浄化された排ガス流を引き出す工程、
によって浄化される、請求項1〜4のいずれか一つに記載の方法。
【請求項8】
前記炭化水素が前記機関への燃料であり、そして前記還元剤が、尿素水溶液、アンモニア及びアンモニア水溶液である、請求項5〜7のいずれか一つに記載の方法。
【請求項9】
前記酸化する工程が、希土類によって促進されたアルミナ上の白金及び/又はパラジウムである触媒の存在下で行われ、
前記フィルターが、希土類及びジルコニウムの混合酸化物上のパラジウム及び/又は白金である触媒で被覆され、
前記選択接触還元する工程が、酸化チタン上の酸化バナジウム及び/又は酸化タングステン、又はゼオライト上の鉄及び/又は銅であり;そして
前記還元剤の残部が、ゼオライト上の白金、ゼオライト上のパラジウム、又はゼオライト上の白金及びパラジウムである触媒によって酸化される、
請求項5〜8のいずれか一つに記載の方法。
【請求項10】
請求項1〜9に記載の内燃機関からの排ガスを浄化するための装置であって、ハウジング内に、
− 該ハウジング内に、互いに平行かつ離間して組み込まれた、二つ又はより多くの交差して波形を設けたガス不浸透性金属シート;及び
− 該ガス不浸透性金属シートの間の各空間に組み込まれた、一つ又はより多くの交差して波形を設けた、触媒的に被覆されたワイヤーメッシュシート、
を含む、上記の装置。
【請求項11】
前記交差して波形を設けた不浸透性金属シートの間の各空間が、互いに積層された、複数の交差して波形を設けた触媒的に被覆されたワイヤーメッシュシートを含む、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記交差して波形を設けた不浸透性の金属シートが、角度を有するよう波形を設けられる、請求項10又は11に記載の装置。
【請求項13】
前記交差して波形を設けたシートのパターンが、平行するチャンネルを形成し、該チャンネルのそれぞれが、
第二の真っ直ぐなチャンネルに続く、第一の真っ直ぐなチャンネル;
該第一のチャンネルと第一の角度を形成し、そして第三のチャンネルに続く該第二の真っ直ぐなチャンネル;
該第一のチャンネルに平行で、そして第四のチャンネルに続く、該第三のチャンネル;及び
該第一の角度と同じサイズであるが、それとは反対方向にある第二の角度を該第一のチャンネルと形成する、該第四のチャンネル、
である、繰り返し形状を有する、請求項10〜12のいずれか一つに記載の装置。
【請求項14】
前記不浸透性金属シートそれぞれの二つ又は三つの縁部が、シーリングワイヤーを使って互いに、それら縁部に沿って、流れの方向において一緒にシールされ、任意に、一つおきの空間において、シーリングワイヤーが、一つの流れ方向における一つの縁部及び隣接する縁部に沿って配置され、そして、別のシーリングワイヤーが、その流れ方向における他の側部の一部に対して配置され、そしてこのワイヤーと、装置の流れ方向に対して垂直なワイヤーとの間に空間が残される、請求項10〜13のいずれか一つに記載の装置。
【請求項15】
前記ハウジングが、インレットチャンバー及びアウトレットチャンバーを含む、請求項10〜14のいずれか一つに記載の装置。
【請求項16】
前記ハウジングが、そのハウジングの一方の端部にインレットチャンバー及びアウトレットチャンバーを、そして該ハウジングの他方の端部にターニングチャンバーを含み、その際、該ガスは、該ガス不浸透性のシートの間においては一つおきの空間中を一方向において流れ、そして他の空間においては対向する方向において流れる、請求項10〜14のいずれか一つに記載の装置。
【請求項17】
前記ワイヤーメッシュシート及び、任意に、不浸透性の金属シートが、それぞれが異なる触媒を有する領域内で触媒的に被覆される、請求項10〜16のいずれか一つに記載の装置。
【請求項18】
前記ガス不浸透性のシートの、一方の端部における長さが均一、かつ多孔質であり、そして一つおきの空間において、シーリングワイヤーと一緒にシールされ、任意に、それらシートの該多孔質部分が、粒状物質の燃焼において活性な触媒で被覆される、請求項10〜17のいずれか一つに記載の装置。
【請求項19】
前記ユニットのインレット/アウトレットにおける該シートの領域が、触媒的に被覆されておらず、熱交換領域を形成している、請求項10〜18に記載の装置。
【請求項20】
− 前記排ガス中に炭化水素を噴射する手段;
− 前記排ガス及び炭化水素の触媒的な酸化において活性な第一の触媒;
− 粒状物質の燃焼において活性な第二の触媒で被覆された前記ガス不浸透性のシートのフィルター部分;
− ターニングチャンバー中へ還元剤を噴射するための手段;
− 該酸化された、フィルター処理された排ガスの該還元剤による選択接触還元において活性な第三の触媒;及び
− 該還元剤の残部の接触酸化において活性な第四の触媒、
を上記の順に含む、請求項18又は19に記載の装置。
【請求項21】
− 前記排ガス中に還元剤を噴射する手段;
− 前記排ガスの該還元剤による選択接触還元において活性な第一の触媒;
− 該還元剤の残部の接触酸化において活性な第二の触媒;
− ターニングチャンバー中へ炭化水素を噴射するための手段;
− 前記排ガス及び炭化水素の接触酸化において活性な第三の触媒;及び
− 粒状物質の燃焼において活性な第四の触媒で被覆された前記ガス不浸透性のシートのフィルター部分;
を上記の順に含む、請求項18又は19に記載の装置。
【請求項22】
− 前記排ガス中に還元剤を噴射する手段;
− 前記排ガスの該還元剤による選択接触還元において活性な第一の触媒;
− 該還元剤の残部の接触酸化において活性な第二の触媒;
− 粒状物質の燃焼において活性な第三の触媒で被覆された前記ガス不浸透性のシートのフィルター部分;
− ターニングチャンバー中へ炭化水素を噴射するための手段;及び
− 前記排ガス及び炭化水素の接触酸化において活性な第四の触媒、
を上記の順に含む、請求項18又は19に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4a】
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【図4b】
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【図4c】
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【図5a】
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【図5b】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2013−509523(P2013−509523A)
【公表日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−535671(P2012−535671)
【出願日】平成22年10月26日(2010.10.26)
【国際出願番号】PCT/EP2010/006531
【国際公開番号】WO2011/050940
【国際公開日】平成23年5月5日(2011.5.5)
【出願人】(590000282)ハルドール・トプサー・アクチエゼルスカベット (50)
【Fターム(参考)】