説明

内燃機関の可変動弁機構

【課題】潤滑油中の不純物によって構成部品の作動が妨げられて機能が損なわれるのを抑制する。
【解決手段】可変動弁機構を構成する作用角可変機構は、コントロールシャフト46、入・出力アーム51〜53及びスライダギヤ59を構成部品として備える。作用角可変機構は、エンジンのカムシャフトによる入力アーム51の揺動を、スライダギヤ59を介して出力アーム52,53に伝達して吸気バルブを駆動するとともに、コントロールシャフト46に連動するスライダギヤ59の変位により、入力アーム51及び出力アーム52,53の相対位相差を変更して機関バルブの開閉に関わるバルブ特性を変更する。さらに、作用角可変機構は、相対移動する構成部品間に油路を通じて潤滑油を供給する。こうした構成を有する作用角可変機構において、スライダギヤ59端部の油路(空間77)に面する箇所に、潤滑油中の不純物を捕集するための捕集室81を設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内燃機関における機関バルブの開弁期間(作用角)、最大リフト量といったバルブ特性を可変とすべく動作する内燃機関の可変動弁機構に関するものである。
【背景技術】
【0002】
内燃機関の一般的な動弁機構は、バルブスプリングによって閉弁方向に付勢された機関バルブ(吸・排気バルブ)を、カムシャフトのカムによって直接、又はロッカーアーム等を介して押下げて開弁させる構成を採用している。この動弁機構によって機関バルブを作動させる場合、機関バルブの開弁期間(カムの作用角)や最大リフト量といったリフトに関する特性(以下、バルブ特性という)は、機関運転状態に拘わらず一定である。 これに対し、近年では機関バルブのバルブ特性を機関運転状態に応じて可変とする可変動弁機構を内燃機関に搭載することが提案されている。
【0003】
こうした可変動弁機構の1つとして、ロッカーシャフト、コントロールシャフト、入力アーム、出力アーム及びスライダギヤを備えたものがある(特許文献1参照)。ロッカーシャフトは円管状をなし、シリンダヘッドに固定されている。コントロールシャフトはロッカーシャフト内に軸方向への摺動可能に挿入されている。入力アーム及び出力アームはロッカーシャフト上にそれぞれ揺動可能に設けられている。スライダギヤは、コントロールシャフトと、入力アーム及び出力アームとの間に介在されている。スライダギヤは、その外周面に設けられたヘリカルスプラインにおいて、入・出力アームの各内周面に設けられたヘリカルスプラインに噛合されている。
【0004】
上記構成を有する可変動弁機構では、内燃機関のカムシャフトによって入力アームが揺動される。この揺動はスライダギヤを介して出力アームに伝達され、同出力アームが揺動する。そして、出力アームにより機関バルブがバルブスプリングに抗して押下げられる。また、コントロールシャフトが軸方向へ移動されると、その移動に連動してスライダギヤが回動するとともに軸方向へ移動する。入力アーム及び出力アームの相対位相差がヘリカルスプラインによって変更され、それに伴い機関バルブのバルブ特性が変更される。
【0005】
この技術によれば、例えば内燃機関の低回転低負荷域では、吸気バルブの最大リフト量を小さくして吸入空気量を少なくすることで、スロットル弁の開度制御によって生ずるポンピングロスを小さくし、燃費の向上を図ることができる。また、高回転高負荷域では吸気バルブの最大リフト量を大きくし、吸気充填効率の向上により出力の増加を確保することができる。
【0006】
ところで、上述した可変動弁機構の内部には油路が形成されており、可変動弁機構の外部から供給された潤滑油がこの油路を通じて、構成部品同士が接触した状態で相対移動する箇所に導かれ、同箇所の潤滑が行われる。
【特許文献1】特開2001−263015号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところが、潤滑油中には劣化したオイル(オイルスラッジ)や異物等の不純物が混入されることがある。この不純物が、可変動弁機構の構成部品間、特に互いに接触した状態で相対的に動く構成部品について、両構成部品の接触部分に堆積すると、その相対的な動きが妨げられる。その結果、可変動弁機構の機能が損なわれる不具合、例えば構成部品の可動範囲が狭められたり、作動速度が低下したりするおそれがあるほか、上記堆積したオイルスラッジが硬化した場合には、構成部品が固着する懸念もある。
【0008】
本発明はこのような実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、潤滑油中の不純物によって構成部品の作動が妨げられて機能が損なわれるのを抑制することのできる内燃機関の可変動弁機構を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
請求項1に記載の発明では、軸方向へ移動可能に設けられたコントロールシャフトと、前記コントロールシャフト上に揺動可能に設けられた入力アーム及び出力アームと、前記コントロールシャフトと、前記入力アーム及び前記出力アームとの間に設けられたスライダギヤとを構成部品として備え、内燃機関のカムシャフトによる前記入力アームの揺動を前記スライダギヤを介して前記出力アームに伝達して機関バルブを駆動するとともに、前記コントロールシャフトに連動する前記スライダギヤの変位により、前記入力アーム及び前記出力アームの相対位相差を変更して前記機関バルブの開閉に関わるバルブ特性を変更し、さらに、相対移動する構成部品間に油路を通じて潤滑油を供給するようにした内燃機関の可変動弁機構において、少なくとも1つの前記構成部品の前記油路に面する箇所に、前記潤滑油中の不純物を捕集するための捕集室を設けるものとする。
【0010】
上記の構成によれば、内燃機関のカムシャフトによって可変動弁機構の入力アームが揺動されると、その揺動はスライダギヤを介して出力アームに伝達される。この伝達により、出力アームがコントロールシャフトを支点として揺動し、機関バルブが駆動される。このようにしてカムシャフトの回転が可変動弁機構を通じて機関バルブに伝達され、同機関バルブが開閉駆動される。また、コントロールシャフトが軸方向へ移動されると、スライダギヤが連動して変位し、入力アーム及び出力アームの相対位相差が変更され、機関バルブのバルブ特性が変更される。さらに、可変動弁機構では相対移動する構成部品間に潤滑油が供給されて、同構成部品の潤滑が行われる。
【0011】
ところで、上記潤滑油中には劣化したオイル(オイルスラッジ)や異物等の不純物が混入されることがあるが、この不純物は潤滑油が流れる過程で捕集室内に流入することが可能である。従って、不純物の少なくとも一部が捕集室内に入り込んで捕集されることにより、こうした捕集室が設けられていない場合に比べて、可変動弁機構の構成部品間、特に互いに接触した状態で相対的に動く構成部品について、両構成部品の接触部分に堆積する不純物の量が少なくなる。これに伴い、両構成部品の相対的な動きが不純物によって妨げられる現象が抑制される。その結果、構成部品の可動範囲が狭められたり、作動速度が低下したり、構成部品が固着したりする等、不純物によって可変動弁機構の機能が損なわれる不具合が起こりにくくなる。
【0012】
ここで、上記捕集室は可変動弁機構の構成部品の少なくとも1つについて油路に面する箇所に設けられればよい。こうした箇所としては、例えば請求項2に記載の発明によるように、互いに接触した状態で相対移動する2つの構成部品の少なくとも一方について、他方の構成部品との接触部分であってもよいし、請求項5に記載の発明によるように、両構成部品の接触部分から離れた箇所であってもよい。
【0013】
捕集室が前者の箇所(他方の構成部品との接触部分)に設けられた場合には、潤滑油中の不純物は、両構成部品が接触する箇所で捕集される。こうした位置としては、例えば、請求項3に記載の発明によるように、スライダギヤの内周面であってもよいし、請求項4に記載の発明によるように、コントロールシャフトの外周面であってもよい。
【0014】
捕集室が後者の箇所(接触部分から離れた箇所)に設けられた場合には、潤滑油中の不純物は、両構成部品の接触部分から離れた箇所で捕集される。こうした箇所としては、例えば、請求項6〜請求項8に記載の発明による箇所が挙げられる。
【0015】
請求項6に記載の発明における箇所は、一方の構成部品が、潤滑油の油路を介して他方の構成部品に対向し、相対移動に伴い他方の構成部品に対し接近及び離間するものである場合において、両構成部品の対向部分のうち少なくとも一方である。
【0016】
また、請求項7に記載の発明における箇所は、前記出力アームが、前記スライダギヤの端部に対向する側壁部にて前記コントロールシャフト上に揺動可能に設けられている場合において、出力アームの側壁部及び前記スライダギヤの壁部の少なくとも一方である。
【0017】
請求項8に記載の発明における箇所は、前記コントロールシャフトが挿通され、かつ前記スライダギヤが回動可能かつ軸方向へ変位可能に支持されるロッカーシャフトと、前記ロッカーシャフトの開放端を塞ぐ栓とを前記構成部品としてさらに備える場合において、前記コントロールシャフトの端部及び前記栓の少なくとも一方である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
(第1実施形態)
以下、本発明を具体化した第1実施形態について、図1〜図10を参照して説明する。
車両には、図1及び図2に示すように、多気筒ガソリンエンジン(以下、単にエンジンという)11が内燃機関として搭載されている。エンジン11は、列をなして配置された複数の気筒(シリンダ)12を有するシリンダブロック13と、その上に取付けられたシリンダヘッド14とを備えている。各気筒12にはピストン15が往復動可能に収容されている。各ピストン15は、コネクティングロッド(図示略)を介し、出力軸であるクランクシャフト16(図2参照)に連結されている。各ピストン15の往復運動は、コネクティングロッドによって回転運動に変換された後、クランクシャフト16に伝達される。
【0019】
各気筒12においてピストン15よりも上側の空間は燃焼室17となっている。シリンダヘッド14には、吸気通路の一部をなす吸気ポート18と、排気通路の一部をなす排気ポート19とが、気筒12毎に気筒配列方向(図1では紙面と直交する方向、図2では左右方向)に一対ずつ設けられている。これらの吸・排気ポート18,19は、シリンダヘッド14の下面において上記燃焼室17に面して開口している。
【0020】
シリンダヘッド14には、各吸気ポート18を開閉する吸気バルブ21と、各排気ポート19を開閉する排気バルブ22とが、それぞれ機関バルブとして設けられている。吸・排気バルブ21,22の各上端部にはリテーナ24が装着されている。各リテーナ24とシリンダヘッド14との間であって吸・排気バルブ21,22の周りにはバルブスプリング25が配置されている。吸・排気バルブ21,22は、いずれもバルブスプリング25によって、吸・排気ポート18,19を閉鎖する方向(閉弁方向、図1のほぼ上方)へ付勢されている。
【0021】
シリンダヘッド14には、上記バルブスプリング25等に抗して、吸・排気ポート18,19を開放させる方向(開弁方向、図1のほぼ下方)へ吸・排気バルブ21,22をリフトさせるための動弁機構がそれぞれ設けられている。各動弁機構について説明すると、シリンダヘッド14における吸気バルブ21のほぼ上方には、同吸気バルブ駆動用のカムシャフトとして、吸気カム27を有する吸気カムシャフト28が支持壁部29(図2参照)により回転可能に支持されている。同様に、シリンダヘッド14における排気バルブ22のほぼ上方には、同排気バルブ駆動用のカムシャフトとして、排気カム31を有する排気カムシャフト32が回転可能に支持されている。
【0022】
吸・排気カムシャフト28,32は、タイミングチェーン33、スプロケット(図示略)等によりクランクシャフト16に駆動連結されている。そして、クランクシャフト16の回転がタイミングチェーン33等を介して吸・排気カムシャフト28,32に伝達される。
【0023】
吸・排気カム27,31と吸・排気バルブ21,22の上端部との間には、ローラ34を有するロッカーアーム35が揺動可能に配置されている。さらに、シリンダヘッド14において、吸・排気バルブ21,22の上端部近傍には油圧式のラッシュアジャスタ36が配置されている。ロッカーアーム35には、バルブスプリング25の圧縮反力とラッシュアジャスタ36の押上げ力とが伝達され、これらの伝達によりローラ34がほぼ上方へ付勢されている。この付勢されたローラ34は排気カム31に対しては直接接触し、吸気カム27に対しては後述する作用角可変機構43を介して間接的に接触している。
【0024】
そして、吸・排気カム27,31の回転により、ラッシュアジャスタ36を支点としてロッカーアーム35が上下に揺動し、吸・排気バルブ21,22がバルブスプリング25等に抗して押下げられる。この押下げにより、吸・排気ポート18,19が開放された状態(開弁状態)になる。
【0025】
吸気通路には、吸気ポート18へ向けて燃料を噴射する燃料噴射弁(図示略)が各気筒12に対応して取付けられている。噴射された燃料は、吸気ポート18を通って燃焼室17内に導入される吸入空気と混ざり合って混合気となる。なお、吸気ポート18を介さずに燃料噴射弁から燃料を燃焼室17に直接噴射するようにしてもよい。
【0026】
シリンダヘッド14には、点火プラグ41が各気筒12に対応して取付けられている。そして、前記混合気は点火プラグ41の電気火花によって着火され、燃焼する。このときに生じた高温高圧の燃焼ガスによりピストン15が往復動され、クランクシャフト16が回転されて、エンジン11の駆動力(出力トルク)が得られる。燃焼ガスは排気ポート19を通じて排気通路へ排出される。
【0027】
エンジン11には、バルブタイミング可変機構42及び作用角可変機構43が設けられている。バルブタイミング可変機構42は吸気カムシャフト28とそのスプロケットとの間に設けられており、クランクシャフト16に対する吸気カムシャフト28の相対回転位相を変化させることにより、吸気バルブ21のバルブタイミングをクランク角(クランクシャフト16の回転角)に対して変更する。吸気バルブ21のバルブタイミングは、例えば、図3に示すように吸気バルブ21の開弁時期IVO及び閉弁時期IVCで表すことができる。バルブタイミングは、吸気バルブ21の開弁期間(開弁時期IVOから閉弁時期IVCまでの期間)が一定に保持された状態で進角又は遅角させられる。なお、図3中のEVO,EVCは排気バルブ22の開弁時期及び閉弁時期である。
【0028】
一方、作用角可変機構43は、吸気カム27の作用角を連続的に変更するための機構であり、吸気カム27及びロッカーアーム35のローラ34間に設けられている。作用角は、図4に示すように、吸気バルブ21の開弁時期IVOから閉弁時期IVCまでの開弁期間を角度(クランク角)で表現したものである。本実施形態では、作用角可変機構43により上記作用角に加え吸気バルブ21の最大リフト量も連続的に変更される。最大リフト量は、吸気バルブ21が開弁時において最も下方まで移動(リフト)したときの同吸気バルブ21の移動量である。これらの作用角及び最大リフト量は、作用角可変機構43によって互いに同期して変化させられ、例えば、作用角が小さくなるほど最大リフト量も小さくなる。作用角が小さくなるに従い、吸気バルブ21の開弁時期IVOと閉弁時期IVCとが互いに近寄り、開弁期間が短くなり、気筒12当りの吸入空気量が少なくなる。このように、吸気バルブ21の動弁機構はバルブ特性を変更する機能を有する可変動弁機構となっている。これに対し、排気バルブ22の動弁機構については、上述したバルブタイミング可変機構42及び作用角可変機構43は設けられていない。
【0029】
図2に示すように、作用角可変機構43は、気筒12毎の仲介駆動機構44を備えるほか、すべての仲介駆動機構44にそれぞれ共通のロッカーシャフト45、コントロールシャフト46及びアクチュエータ47を備える。
【0030】
ロッカーシャフト45は気筒配列方向へ延び、前述した支持壁部29に固定されている。なお、この気筒配列方向について、区別する必要のある場合には矢印X方向又は矢印Y方向というものとする。矢印X方向は、前述したタイミングチェーン33に近づく方向であり、吸気カム27の作用角を小さくする方向である。また、矢印Y方向はタイミングチェーン33から遠ざかる方向であり、上記作用角を大きくする方向である。前記固定により、ロッカーシャフト45は気筒配列方向への移動が不能であり、しかも回転不能である。
【0031】
ロッカーシャフト45の上記アクチュエータ47とは反対側の端部(図2の左端部)には、同ロッカーシャフト45内の潤滑油(これについては後述する)が漏れ出るのを防止するための栓37が装着されている。
【0032】
コントロールシャフト46はロッカーシャフト45内に摺動可能に挿通されている。コントロールシャフト46のアクチュエータ47とは反対側の端面は平らに形成されている。ロッカーシャフト45のアクチュエータ47とは反対側の端部であって、上記栓37とコントロールシャフト46の端面との間には、円柱状の空間75が形成されている(図7参照)。
【0033】
アクチュエータ47は電動モータと、この電動モータの回転を直線運動に変換してコントロールシャフト46に伝達する変換機構とを備えている。そして、この直線運動の伝達により、コントロールシャフト46が気筒配列方向へ往復駆動される。この往復動に伴いコントロールシャフト46が栓37に接近及び離間し、上記空間75の容積が変化する。
【0034】
各仲介駆動機構44は、図5〜図8に示すように、入力アーム51と、その入力アーム51の気筒配列方向についての両側に配置された一対の出力アーム52,53とを備えている。入力アーム51は両端を開放したほぼ円筒状をなしている。出力アーム52,53は、ほぼ円筒状をなす周壁部48と、その周壁部48の一方(支持壁部29側)の開放端を閉鎖する側壁部49とを備えて構成されている。入力アーム51はその開放端において、各出力アーム52,53の対向する開放端に対し嵌合により連結されている。仲介駆動機構44毎の入力アーム51及び両出力アーム52,53は支持壁部29,29間に配置されており、気筒配列方向への変位が両支持壁部29,29等によって規制されている(図7参照)。
【0035】
入力アーム51の外周面には、一対の支持片54,54が突設されており、両支持片54,54にローラ56が軸支されている。一方、各出力アーム52,53の周壁部48には、凹状に湾曲するカム面58Aを有するノーズ58が突設されている。
【0036】
ロッカーシャフト45と、入・出力アーム51〜53との間には、動力伝達用のスライダギヤ59が配置されている。スライダギヤ59は、ロッカーシャフト45上に回動可能かつ気筒配列方向への変位可能に支持されている。ロッカーシャフト45の外側のスライダギヤ59を同ロッカーシャフト45内のコントロールシャフト46に動力伝達可能に連結するために、同スライダギヤ59の内壁には、周方向に延びる周溝61が形成されている。周溝61は、スライダギヤ59に設けられた貫通孔62によって同スライダギヤ59の外部に連通している(図8参照)。また、ロッカーシャフト45において、隣合う支持壁部29,29によって挟まれた箇所には、気筒配列方向へ延びる長孔63が形成されている。これらの周溝61及び長孔63の交わる箇所には、前述した貫通孔62を通じて挿入された係止ピン64が配置され、その内端部(図7の下端部)がコントロールシャフト46のピン穴65に圧入されている。また、周溝61内に位置する係止ピン64の外端部(図7の上端部)にはブッシュ66が係止されている。
【0037】
従って、前述したようにロッカーシャフト45がシリンダヘッド14(支持壁部29)に固定されているが、コントロールシャフト46の気筒配列方向への移動に伴い、係止ピン64がロッカーシャフト45の長孔63内を移動することで、ブッシュ66及び係止ピン64を介してスライダギヤ59を気筒配列方向へ変位させることが可能である。さらに、スライダギヤ59自体は、周方向へ延びる周溝61にて係止ピン64の外端部及びブッシュ66に係合されていることから、それらの係止ピン64及びブッシュ66にて気筒配列方向の位置は決定されるが、軸周りについては回動可能である。
【0038】
入力アーム51及びスライダギヤ59間で動力を伝達するために、入力アーム51の内周面には、出力アーム52側ほど時計回り方向へねじれたヘリカルスプライン51Aが形成されている。これに対応して図6に示すように、スライダギヤ59の外周面の気筒配列方向における中間部分には、同方向へねじれたヘリカルスプライン59Aが形成され、これが前述したヘリカルスプライン51Aに噛合されている。
【0039】
また、各出力アーム52,53及びスライダギヤ59間で動力を伝達するために、各出力アーム52,53における周壁部48の内周面には、前記入力アーム51のヘリカルスプライン51Aとは逆方向、すなわち入力アーム51から出力アーム52側へ離れるほど反時計回り方向へねじれたヘリカルスプライン52B,53Cが形成されている。これに対応して、スライダギヤ59の外周面の気筒配列方向における両端部には同方向へねじれたヘリカルスプライン59B,59Cが形成され、これらが前記ヘリカルスプライン52B,53Cに噛合されている。
【0040】
このように、ヘリカルスプライン51A,59Aと、ヘリカルスプライン52B,53C,59B,59Cとは逆方向へねじれている。そのため、コントロールシャフト46の気筒配列方向の移動に連動してスライダギヤ59が同方向へ変位しながら回転することにより、入力アーム51と各出力アーム52,53とに対し互いに逆方向のねじり力が付与され、入力アーム51及び出力アーム52,53の相対位相差が変化する。また、前記ヘリカルスプライン(51A,52B,53C),(59A,59B,59C)のねじれ方向の設定により、入・出力アーム51〜53の相対位相差は、スライダギヤ59が矢印X方向(作用角を小さくする方向)へ変位するに従い小さくなる。
【0041】
図9(A)に示すように、各仲介駆動機構44のローラ56は吸気カム27に接触しており、吸気カムシャフト28の回転に伴い吸気カム27によるほぼ下向きの力がローラ56に加えられる。
【0042】
一方、上述したロッカーアーム35のローラ34は、出力アーム52,53の周壁部48の下方に位置している。そして、ロッカーアーム35は、その一方(図9の右方)の端部において吸気バルブ21の上端部に接触し、他方(図9の左方)の端部においてラッシュアジャスタ36に接触している。これらの接触により、バルブスプリング25の圧縮反力が吸気バルブ21を介してロッカーアーム35の一方の端部に伝達されるとともに、ラッシュアジャスタ36の押上げ力がロッカーアーム35の他方の端部に伝達される。両伝達によりロッカーアーム35が押上げられ、ローラ34が出力アーム52,53の周壁部48又はノーズ58に接触している。
【0043】
なお、図9(A)中の67は、入力アーム51の外周面において、上記支持片54とは異なる箇所に設けられた突片である。また、同図中の68は、上記突片67を通じて、吸気カム27の押下げによる入力アーム51の揺動方向とは逆方向(図9(A)の反時計回り方向)へ同入力アーム51を付勢するロストモーションスプリングである。ロストモーションスプリング68は、ローラ34が周壁部48に接触して、バルブスプリング25の圧縮反力等による回転付勢力(支持片54を図9(A)の反時計回り方向へ回転させようとする力)が非常に小さくなった場合にも、ローラ56を吸気カム27に確実に押付けて、ローラ56が吸気カム27から離れる不具合を抑制する。
【0044】
従って、上記の構成を有するエンジン11では、排気カムシャフト32が回転すると、その回転が対応するロッカーアーム35を介して排気バルブ22に伝達される。この伝達により、排気バルブ22がバルブスプリング25に抗して押下げられて開弁する。
【0045】
また、吸気カムシャフト28が回転すると、その回転が作用角可変機構43を通じて吸気バルブ21に伝達される。この際、作用角可変機構43では、アクチュエータ47によってコントロールシャフト46が駆動されなければ、吸気カムシャフト28の吸気カム27の回転に伴い入力アーム51が、コントロールシャフト46を支点として揺動する。この揺動はスライダギヤ59を介して出力アーム52,53に伝達され、同出力アーム52,53が揺動する。これらの揺動する出力アーム52,53によって、対応するロッカーアーム35が揺動させられ、吸気バルブ21がバルブスプリング25に抗して押下げられて開弁する。
【0046】
例えば、図9(A),(B)は、アクチュエータ47によってコントロールシャフト46を図2の矢印Y方向へ最大量移動させたときの仲介駆動機構44の状態を示している。スライダギヤ59が可動範囲における矢印Y方向の端に位置している。このときには、入力アーム51と各出力アーム52,53との相対位相差が最大となり、吸気カム27の作用角が最大となっている。
【0047】
特に、図9(A)は、吸気カム27がそのベース円部27Aにおいて、仲介駆動機構44のローラ56に接触した状態を示している。この状態では、両出力アーム52,53の周壁部48においてノーズ58に近い部分がロッカーアーム35のローラ34に接触している。このため、吸気バルブ21は閉弁状態(リフト量が「0」)となる。
【0048】
吸気カムシャフト28が矢印で示す方向へ回転すると、仲介駆動機構44では、吸気カム27のノーズ27Bによってローラ56が押下げられて、入力アーム51が下方へ揺動する。この揺動がスライダギヤ59を介して各出力アーム52,53に伝達されて、同出力アーム52,53が下方へ揺動する。これらの揺動により、ノーズ58のカム面58Aが直ちにロッカーアーム35のローラ34に接触して、図9(B)に示すように、カム面58Aのほぼ全範囲を使用してローラ34を押下げる。この押下げにより、ロッカーアーム35がラッシュアジャスタ36の頭部を支点として下方へ揺動し、吸気バルブ21を大きく押下げ、同吸気バルブ21を大きく開弁させる。最大リフト量が最も大きくなり、吸気ポート18から燃焼室17に流入する空気の量が最大となる。
【0049】
バルブ特性の変更に際し、アクチュエータ47によってコントロールシャフト46を図2の矢印X方向へ移動させると、その動きがロッカーシャフト45の外のスライダギヤ59に伝達されて、同スライダギヤ59が回転しながら同方向へ変位する。スライダギヤ59の回転により入力アーム51及び各出力アーム52,53に対し互いに逆方向のねじり力が付与され、図9(A),(B)において二点鎖線で示すように、入力アーム51及び各出力アーム52,53の相対位相差が変化する。この相対位相差は、スライダギヤ59の矢印X方向への変位量が大きくなるほど小さくなる。
【0050】
吸気カム27のベース円部27Aが、仲介駆動機構44のローラ56に接触するときに、出力アーム52,53の周壁部48についてロッカーアーム35のローラ34との接触箇所がノーズ58から遠ざかる。このため、出力アーム52,53が揺動しても、しばらくはロッカーアーム35のローラ34はノーズ58のカム面58Aに接触することなく周壁部48に接触し続ける。
【0051】
その後、カム面58Aがローラ34を押下げて、ラッシュアジャスタ36の頭部を支点としてロッカーアーム35を下方へ揺動させるが、ローラ34が当初、ノーズ58から離れている分、カム面58Aの使用範囲が少なくなる。その結果、ロッカーアーム35の揺動角度が小さくなり、作用角が小さくなる。こうして、吸気バルブ21は最大時よりも小さな作用角にて吸気ポート18を開放状態にする。吸気バルブ21の開弁に伴い吸気ポート18から燃焼室17に流入する空気量は、スライダギヤ59の矢印X方向への変位量に応じて少なくなる。
【0052】
このように、アクチュエータ47によってコントロールシャフト46を通じてスライダギヤ59の位置を調整することにより、上述した図4に示すように、吸気カム27の作用角及び吸気バルブ21の最大リフト量を連続的に調整することが可能である。
【0053】
ところで、上述した作用角可変機構43では、その構成部品間、特に、互いに接触した状態で相対移動する構成部品間に潤滑油を供給する必要があり、そのために潤滑油の油路が設けられている。この油路は、下記に示す通路等によって構成されている(図7参照)。
・支持壁部29に設けられた通路71。
・ロッカーシャフト45とコントロールシャフト46との間の円環状の隙間72。
・ロッカーシャフト45の管壁を貫通し、上記通路71及び隙間72を連通させる孔73。
・出力アーム52,53の側壁部49とロッカーシャフト45の外周面との間の円環状の隙間70。
・ロッカーシャフト45の管壁を貫通し、上記隙間70,72を連通させる孔74。
・ロッカーシャフト45の長孔63。
・ロッカーシャフト45の一方(図7の左方)の開放端に装着された栓37と、コントロールシャフト46の端部との間の円柱状の空間75。
・スライダギヤ59の周溝61(ブッシュ66と周溝61との間の隙間79を含む)、貫通孔62(図8参照)。
・ロッカーシャフト45の外周面とスライダギヤ59の内周面との間の円環状の隙間76。
・ロッカーシャフト45の外周面、出力アーム52,53及びスライダギヤ59の端面によって囲まれた空間77。表現を変えると、出力アーム52,53内のロッカーシャフト45周りの円環状の空間77。
・ヘリカルスプライン(51A,59A),(52B,59B),(53C,59C)の噛合部分。
・出力アーム52,53の周壁部48を貫通する孔78。これらの孔78は、潤滑油の排出口として機能する。
【0054】
さらに、少なくとも1つの構成部品において前記油路に面する箇所には、潤滑油中に混入された不純物を捕集するための捕集室が設けられている。不純物は、潤滑油の劣化により生ずるオイルスラッジや、構成部品の摩耗等に伴い生ずる金属粉等の異物からなる。
【0055】
上記捕集室は、互いに接触した状態で相対移動する一対の構成部品の少なくとも一方について、両構成部品の接触部分から離れた箇所に設けられている。一方の構成部品は、油路を介して他方の構成部品に対向し、相対移動に伴い他方の構成部品に対し接近及び離間するものであり、前記捕集室は、両構成部品の対向部分のうち少なくとも一方に設けられている。
【0056】
本実施形態では、ロッカーシャフト45及び入・出力アーム51〜53に接触した状態で相対移動(回動を伴いながら軸方向へ移動)するスライダギヤ59が捕集室の設けられる対象構成部品とされている。スライダギヤ59は出力アーム52,53の側壁部49に対向し、上記相対移動に伴い、側壁部49に接近及び離間する。このスライダギヤ59の端面が油路(空間77)に面する箇所とされている。そして、スライダギヤ59の端部には上記端面において開口し、かつコントロールシャフト46の軸線を中心とする円環状の凹部が設けられており、この凹部によって捕集室81が構成されている。
【0057】
上記油路を有する作用角可変機構43によると、オイルポンプから吐出された潤滑油の一部は、エンジン11の各部を流れる過程で、シリンダヘッド14から支持壁部29の通路71、ロッカーシャフト45の孔73を順に通過した後、ロッカーシャフト45とコントロールシャフト46との間の円環状の隙間72に流入する。この隙間72を流れる潤滑油の一部は、図10に示すように孔74を通り、ロッカーシャフト45と出力アーム52,53の側壁部49との間の隙間70を流れ、その後に出力アーム52,53の外部へ流出又は出力アーム52,53内の空間77に流入する。
【0058】
また、上記隙間72を流れる潤滑油の一部は長孔63を通過する。この通過した潤滑油の一部は、ロッカーシャフト45とスライダギヤ59との間の隙間76を通り、上記空間77に流入する。空間77に流入した潤滑油のなかには、入・出力アーム51〜53とスライダギヤ59との噛合部分に入り込むものもある。また、上記長孔63を通過した潤滑油の一部は、スライダギヤ59の周溝61及び貫通孔62を通った後、入・出力アーム51〜53とスライダギヤ59との噛合部分に入り込む。なお、周溝61内に流入した潤滑油の一部は、ブッシュ66と周溝61の壁面との間の隙間79(図7参照)を通過する。このようにして潤滑油が油路を流れることで、相対移動する構成部品間に潤滑油が供給されて潤滑が行われる。
【0059】
さらに、上記空間77に流入した潤滑油は、出力アーム52,53の周壁部48に開けられた孔78を通じて出力アーム52,53の外部へ排出される。
ところで、上記潤滑油中には劣化したオイル(オイルスラッジ)や異物等の不純物が混入されることがあるが、この不純物は潤滑油が、出力アーム52,53内のロッカーシャフト45周りの円環状の空間77を通過する過程で、スライダギヤ59の端部の捕集室81内に流入することが可能である。
【0060】
この際、捕集室81が、コントロールシャフト46の軸線を中心とする円環状の凹部により構成されている。そのため、上記円環状の空間77において、どの箇所に不純物があっても、捕集室81がその不純物の近くに位置することとなる。
【0061】
従って、不純物の少なくとも一部が捕集室81内に入り込んで捕集されることにより、こうした捕集室81が設けられていない場合に比べて、作用角可変機構43の構成部品間、特に互いに接触した状態で相対的に動く構成部品について、両構成部品の接触部分に堆積する不純物の量が少なくなる。ここでの接触部分は、主としてスライダギヤ59のロッカーシャフト45に対する摺動部分、出力アーム52,53の側壁部49のロッカーシャフト45に対する摺動部分、入・出力アーム51〜53のスライダギヤ59との噛合部分である。そして、上記のように接触部分に堆積する不純物が少なくなることで、両構成部品の相対的な動きが不純物によって妨げられる現象が起こりにくくなる。
【0062】
以上詳述した第1実施形態によれば、次の効果が得られる。
(1)作用角可変機構43における潤滑油の油路(空間77)に面するスライダギヤ59の端部に捕集室81を設けている。そのため、潤滑油中の不純物を捕集室81で捕集することにより、互いに接触した状態で相対的に動く構成部品(ロッカーシャフト45及びスライダギヤ59、スライダギヤ59及び入・出力アーム51〜53、ロッカーシャフト45及び出力アーム52,53)について、その接触部分に堆積する不純物の量を少なくすることができる。
【0063】
その結果、不純物の堆積が原因で、スライダギヤ59について、軸方向における往復動の範囲や回動の角度範囲等の可動範囲が狭められたり、変位速度が低下したり、ロッカーシャフト45に固着したりするのを抑制することができる。また、出力アーム52,53について、揺動の角度範囲(可動範囲)が狭められたり、揺動速度が低下したり、ロッカーシャフト45に固着したりするのを抑制することができる。このように、潤滑油中の不純物によって作用角可変機構43の各部の機能が損なわれるのを抑制することができる。
【0064】
(2)捕集室81を、コントロールシャフト46の軸線を中心とする円環状の凹部により構成している。そのため、出力アーム52,53内のロッカーシャフト45周りの円環状の空間77において、周方向のどの箇所に不純物があっても、確実に不純物を捕集することができる。
【0065】
(第2実施形態)
次に、本発明を具体化した第2実施形態について、図11を参照して説明する。
第2実施形態では、ロッカーシャフト45の内周面に接触した状態で相対移動(摺動)するコントロールシャフト46が捕集室の設けられる対象構成部品とされ、そのコントロールシャフト46の外周面が油路(隙間72)に面する箇所とされている。そして、コントロールシャフト46の外周面であって、隣合うピン穴65,65(図11では一方のみ図示)によって挟まれた箇所が、他の箇所よりも小径に形成されており、この小径の部分、すなわち円環状の凹部によって捕集室82が構成されている。上記以外の構成については第1実施形態と同様である。そのため、第1実施形態と同様の部材、箇所等には同一の符号を付して説明を省略する。
【0066】
上記の構成を有する第2実施形態によると、潤滑油中の不純物は、その潤滑油がロッカーシャフト45とコントロールシャフト46との間の隙間72を流れる過程で、コントロールシャフト46の捕集室82内に流入することが可能である。従って、不純物の少なくとも一部が捕集室82内に入り込んで捕集されることにより、こうした捕集室82が設けられていない場合に比べて、コントロールシャフト46のロッカーシャフト45に対する摺動部分に堆積する不純物の量が少なくなる。そのため、コントロールシャフト46のロッカーシャフト45に対する相対的な動きが不純物によって妨げられる現象が起こりにくくなる。
【0067】
従って、第2実施形態によると、第1実施形態での上記(1),(2)に対応する下記(3),(4)の効果が得られる。
(3)作用角可変機構43における潤滑油の油路(隙間72)に面するコントロールシャフト46の外周面に捕集室82を設けている。そのため、潤滑油中の不純物を捕集室82で捕集することにより、互いに接触した状態で相対的に動く構成部品(コントロールシャフト46及びロッカーシャフト45)について、その接触部分に堆積する不純物の量を少なくすることができる。その結果、不純物の堆積が原因で、コントロールシャフト46について、往復動の範囲(可動範囲)が狭められたり、変位速度が低下したり、ロッカーシャフト45に固着したりする等、機能が損なわれるのを抑制することができる。
【0068】
(4)捕集室82を、コントロールシャフト46の外周面の全周にわたって、しかも隣合うピン穴65,65間の広い範囲にわたって設けられた凹部により構成している。そのため、ロッカーシャフト45及びコントロールシャフト46間の円環状の隙間72において、周方向のどの箇所に不純物があっても、捕集室82がその不純物の近くに位置することとなり、より確実に不純物を捕集することができる。
【0069】
(第3実施形態)
次に、本発明を具体化した第3実施形態について、図12を参照して説明する。
第3実施形態では、ロッカーシャフト45内を、その内周面に接触した状態で相対移動(摺動)するコントロールシャフト46が捕集室の設けられる対象構成部品とされている。コントロールシャフト46は、その端面においてロッカーシャフト45端部の栓37に対向し、上記相対移動に伴い栓37に接近及び離間する。このコントロールシャフト46の端面は油路(空間75)に面する箇所とされている。そして、コントロールシャフト46の端部には、その端面において開口する凹部が設けられており、この凹部によって捕集室83が構成されている。この捕集室83は、潤滑油中の不純物の捕集性を高める観点からは、コントロールシャフト46の端面のできるだけ広い面において開口されていることが望ましい。上記以外の構成については第1実施形態と同様である。そのため、第1実施形態と同様の部材、箇所等には同一の符号を付して説明を省略する。
【0070】
上記の構成を有する第3実施形態によると、潤滑油中の不純物は、空間75を流れる過程で、コントロールシャフト46端部の捕集室83内に流入することが可能である。従って、不純物の少なくとも一部が捕集室83内に入り込んで捕集されることにより、こうした捕集室83が設けられていない場合に比べて、コントロールシャフト46のロッカーシャフト45に対する摺動部分に堆積する不純物の量が少なくなる。そのため、コントロールシャフト46のロッカーシャフト45に対する相対的な動きが不純物によって妨げられる現象が起こりにくくなる。
【0071】
従って、第3実施形態によると、第1実施形態での上記(1),(2)に対応する下記(5),(6)の効果が得られる。
(5)作用角可変機構43における潤滑油の油路(空間75)に面するコントロールシャフト46の端部に凹部からなる捕集室83を設けている。そのため、潤滑油中の不純物を捕集室83で捕集することにより、互いに接触した状態で相対的に動く構成部品(ロッカーシャフト45及びコントロールシャフト46)について、その接触部分に堆積する不純物の量を少なくすることができる。その結果、不純物の堆積が原因で、コントロールシャフト46について、往復動の範囲(可動範囲)が狭められたり、変位速度が低下したり、ロッカーシャフト45に固着したりする等、機能が損なわれるのを抑制することができる。
【0072】
(6)捕集室83を、コントロールシャフト46の端面の広い面にわたって開口させることにより、ロッカーシャフト45端部の円柱状の空間75において、径方向や周方向のどの箇所に不純物があっても、捕集室83がその不純物の近くに位置することとなり、より確実に不純物を捕集することができる。
【0073】
(第4実施形態)
次に、本発明を具体化した第4実施形態について、図13を参照して説明する。
第4実施形態では、ロッカーシャフト45の外周面に接触した状態で相対移動(回動を伴いながら軸方向へ移動)するスライダギヤ59が捕集室の設けられる対象構成部品とされ、そのスライダギヤ59の内周面が油路(隙間76)に面する箇所とされている。そして、スライダギヤ59の内周面であって、周溝61を挟んだ軸方向両側には円環状の凹部が一対形成されており、これらの凹部によって捕集室84が構成されている。上記以外の構成については第2実施形態と同様である。そのため、第2実施形態と同様の部材、箇所等には同一の符号を付して説明を省略する。
【0074】
上記の構成を有する第4実施形態によると、潤滑油中の不純物は、潤滑油がスライダギヤ59とロッカーシャフト45との間の隙間76を流れる過程で、スライダギヤ59の捕集室84内に流入することが可能である。従って、不純物の少なくとも一部が捕集室84内に入り込んで捕集されることにより、こうした捕集室84が設けられていない場合に比べて、スライダギヤ59のロッカーシャフト45に対する摺動部分に堆積する不純物の量が少なくなる。そのため、スライダギヤ59のロッカーシャフト45に対する相対的な動き(回動を伴う軸方向への移動)が不純物によって妨げられる現象が起こりにくくなる。
【0075】
従って、第4実施形態によると、第2実施形態での上記(3),(4)に対応する下記(7),(8)の効果が得られる。
(7)作用角可変機構43における潤滑油の油路(隙間76)に面するスライダギヤ59の内周面に捕集室84を設けている。そのため、潤滑油中の不純物を各捕集室84で捕集することにより、互いに接触した状態で相対的に動く構成部品(ロッカーシャフト45及びスライダギヤ59)について、その接触部分に堆積する不純物の量を少なくすることができる。その結果、不純物が原因で、スライダギヤ59について、往復動の範囲や回動の角度範囲等の可動範囲が狭められたり、変位速度が低下したり、ロッカーシャフト45に固着したりする等、機能が損なわれるのを抑制することができる。
【0076】
(8)捕集室84を、スライダギヤ59の内周面に設けられた円環状の凹部により構成している。しかも、周溝61を挟んで軸方向両側に捕集室84を設けている。そのため、スライダギヤ59及びロッカーシャフト45間の円環状の隙間76において、周方向のどの箇所に不純物があっても、捕集室84がその不純物の近くに位置することとなり、より確実に不純物を捕集することができる。
【0077】
なお、本発明は次に示す別の実施形態に具体化することができる。
・捕集室は、作用角可変機構43の構成部品の油路に面する箇所に設けられればよい。従って、例えば、図14に示すように、ロッカーシャフト45の外周面に接触した状態で相対移動(揺動)する出力アーム52,53(図14では一方のみ図示)を、捕集室の設けられる対象構成部品とする。出力アーム52,53の側壁部49の孔の壁面を油路(隙間70)に面する箇所とし、ここに捕集室85を設けてもよい。この捕集室85は、孔の壁面の全周にわたって設けられた円環状の凹部によって構成されることが捕集性向上の点で望ましい。なお、図14において、第1実施形態と同様の部材、箇所等については、同一の符号が付されている。
【0078】
また、図15に示すように、係止ピン64の外周のブッシュ66に接触した状態で相対移動(摺動)するスライダギヤ59を、捕集室の設けられる対象構成部品とする。スライダギヤ59の周溝61の壁面を油路(隙間79)に面する箇所とし、ここに捕集室86を設けてもよい。この捕集室86は、コントロールシャフト46の軸線を中心とする円環状の凹部によって構成されることが捕集性向上の点で望ましい。なお、図15において第1実施形態と同様の部材、箇所等については、同一の符号が付されている。
【0079】
上記捕集室85,86のいずれを設けた場合にも、上述した各実施形態と同様の効果が得られる。
・出力アーム52,53は、スライダギヤ59と接触(噛合)した状態で相対移動(揺動)する。出力アーム52,53自体は軸方向へ変位しないが、その側壁部49に対しスライダギヤ59が接近又は離間する。
【0080】
そこで、第1実施形態において、捕集室81の設けられる対象構成部品を、スライダギヤ59に代えて出力アーム52,53とする。出力アーム52,53の側壁部49の内壁面を油路(空間77)に面する箇所とし、ここに図16において実線で示すように捕集室81を設けてもよい。この箇所は出力アーム52,53とスライダギヤ59との接触(噛合)部分から離れた箇所である。この捕集室81は、コントロールシャフト46の軸線を中心とする円環状の凹部によって構成されることが捕集性向上の点で望ましい。なお、図16において、第1実施形態と同様の部材、箇所等については、同一の符号が付されている。この場合にも、潤滑油が空間77を流れる過程で不純物が側壁部49の捕集室81によって捕集されることとなり、第1実施形態と同様の効果が得られる。
【0081】
また、図16には図示されていないが、捕集室81を、スライダギヤ59の端部及び出力アーム52,53の側壁部49の両方に設けてもよい。捕集室81を両方に設けることにより、不純物の捕集性向上が期待できる。
【0082】
・出力アーム52,53は、その周壁部48のヘリカルスプライン52B,53Cにおいてスライダギヤ59のヘリカルスプライン59B,59Cと接触(噛合)した状態で相対移動(揺動)する。
【0083】
そこで、第1実施形態において、捕集室81の設けられる対象構成部品を、スライダギヤ59に代えて出力アーム52,53とする。出力アーム52,53の周壁部48の内周面を油路(空間77)に面する箇所とし、ここに図16において二点鎖線で示すように捕集室81を設けてもよい。この箇所は出力アーム52,53とスライダギヤ59とが実質上接触する部分といえる。この捕集室81は、周壁部48の内周面の全周にわたって設けられた円環状の凹部によって構成されることが捕集性向上の点で望ましい。この場合にも、潤滑油が空間77を流れる過程で不純物が周壁部48の捕集室81によって捕集されることとなり、第1実施形態と同様の効果が得られる。
【0084】
・ロッカーシャフト45自体はシリンダヘッド14に固定されていて、軸方向にも周方向にも変位しないが、このロッカーシャフト45内に挿通されたコントロールシャフト46は同ロッカーシャフト45の内周面に接触した状態で相対移動(摺動)する。
【0085】
そこで、第2実施形態において、捕集室82の設けられる対象構成部品を、コントロールシャフト46に代えてロッカーシャフト45とし、ロッカーシャフト45の内周面を油路(隙間72)に面する箇所とする。そして、図17に示すようにロッカーシャフト45の内周面であって、長孔63と孔74とによって挟まれた箇所に、その内周面の全周にわたって円環状の凹部を形成する。この凹部によって捕集室82を構成してもよい。この場合にも、潤滑油が隙間72を流れる過程で不純物がロッカーシャフト45の捕集室82によって捕集されることとなり、第2実施形態と同様の効果が得られる。
【0086】
また、図17には図示されていないが、捕集室82をコントロールシャフト46の外周面及びロッカーシャフト45の内周面の両方に設けてもよい。捕集室82を両方に設けることにより、不純物の捕集性向上が期待できる。
【0087】
・ロッカーシャフト45自体はシリンダヘッド14に固定されていて、軸方向にも周方向にも変位しない。ロッカーシャフト45の開放端に装着された栓37についても同様である。これに対し、ロッカーシャフト45内に挿通されたコントロールシャフト46は同ロッカーシャフト45の内周面に接触した状態で相対移動(摺動)する。栓37は、摺動するコントロールシャフト46の端面に対向しており、この栓37に対しコントロールシャフト46が接近及び離間する。
【0088】
そこで、第3実施形態において、捕集室83の設けられる対象構成部品を、コントロールシャフト46に代えて栓37とし、栓37の内周面を油路(空間75)に面する箇所とする。そして、図18に示すように、栓37に、コントロールシャフト46側の端面において開口する凹部を設け、この凹部によって捕集室83を構成してもよい。この場合にも、潤滑油が空間75を流れる過程で不純物が栓37の捕集室83によって捕集されることとなり、第3実施形態と同様の効果が得られる。さらに、栓37をロッカーシャフト45から取り外して、捕集室83内に捕集された不純物を取り除くことが可能である。
【0089】
また、図18には図示されていないが、捕集室83をコントロールシャフト46の端部及び栓37の両方に設けてもよい。捕集室83を両方に設けることにより、不純物の捕集性向上が期待できる。
【0090】
・ロッカーシャフト45自体はシリンダヘッド14に固定されていて、軸方向にも周方向にも変位しないが、このロッカーシャフト45上に設けられたスライダギヤ59は同ロッカーシャフト45の外周面に接触した状態で相対移動(回動を伴いながら軸方向へ移動)する。
【0091】
そこで、第4実施形態において、捕集室84の設けられる対象構成部品を、スライダギヤ59に代えてロッカーシャフト45とし、ロッカーシャフト45の外周面を油路(隙間76)に面する箇所とする。そして、図19に示すように、ロッカーシャフト45の外周面の該当する箇所(長孔63と孔74とによって挟まれた箇所)を他の箇所よりも小径に形成し、その小径部分を円環状の凹部として捕集室84とする。この場合にも、潤滑油が隙間76を流れる過程で不純物がロッカーシャフト45の捕集室84によって捕集されることとなり、第4実施形態と同様の効果が得られる。
【0092】
また、図19には図示されていないが、捕集室84をスライダギヤ59の内周面及びロッカーシャフト45の外周面の両方に設けてもよい。捕集室84を両方に設けることにより、不純物の捕集性向上が期待できる。
【0093】
・各実施形態における捕集室81〜86の数を適宜変更してもよい。例えば、第1実施形態において、スライダギヤ59の各端面に2つ以上の捕集室81を同心円状に設けてもよい。また、捕集室81〜86を組み合わせて設けてもよい。
【0094】
・本発明は、同一種類の機関バルブ(吸気バルブ21及び排気バルブ22)を1気筒当りに1本又は3本以上有するエンジンにも適用することができる。この場合には、出力アームの数を機関バルブの本数に合わせる変更を行う。
【0095】
・ロッカーシャフト45を省略し、コントロールシャフト46にロッカーシャフト45の機能を兼ねさせてもよい。
・ヘリカルスプライン52B,59B及びヘリカルスプライン53C,59Cにおける歯すじの傾斜角度は互いに同一であってもよい。この場合には、気筒12毎の2つの吸気バルブ21,21が同じ最大リフト量及び作用角にて往復動する。
【0096】
また、ヘリカルスプライン52B,59B及びヘリカルスプライン53C,59Cにおける歯すじの傾斜角度を互いに異ならせてもよい。こうすると、同一の気筒12であっても、2つの吸気バルブ21,21が異なる最大リフト量及び作用角で往復動することとなる。2つの吸気バルブ21,21から異なる流量、あるいは異なるタイミングで燃焼室17内に空気を吸入させることにより、燃焼室17内にスワール等の旋回流を生じさせ、もって燃焼性を改良してエンジンの性能を向上させることが可能となる。
【0097】
・各仲介駆動機構44と吸気バルブ21との間のロッカーアーム35を省略してもよい。この場合、例えば、吸気バルブ21にバルブリフタを設け、出力アーム52,53のノーズ58をバルブリフタに直接接触させる。そして、出力アーム52,53の揺動によってバルブリフタを介して吸気バルブ21を押下げるようにしてもよい。
【0098】
また、ノーズ58の前記直接接触に代え、ローラを介してノーズ58をバルブリフタに間接的に接触させてもよい。この場合、ノーズ58にローラを支持し、このローラをバルブリフタに転がり接触させてもよいし、バルブリフタにローラを支持し、このローラをノーズ58に転がり接触させてもよい。
【0099】
・本発明の作用角可変機構43を排気カムシャフト32に適用して、排気バルブ22のバルブ特性を可変としてもよい。また、作用角可変機構43を吸気カムシャフト28及び排気カムシャフト32の両方に適用して、吸・排気バルブ21,22の両方のバルブ特性を可変としてもよい。
【0100】
・本発明は、バルブタイミング可変機構42を有しないエンジン11にも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0101】
【図1】本発明を具体化した第1実施形態において、エンジン上部の動弁機構を示す部分断面図。
【図2】シリンダヘッド上部を示す平面図。
【図3】バルブタイミング可変機構による吸気バルブのバルブタイミングの変化態様を、排気バルブのバルブタイミングとともに示す特性図。
【図4】作用角可変機構(可変動弁機構)による吸気バルブの作用角及び最大リフト量の変化態様を示す特性図。
【図5】仲介駆動機構を示す斜視図。
【図6】仲介駆動機構におけるスライダギヤ等を示す側面図。
【図7】仲介駆動機構等の内部構造を示す部分断面図。
【図8】仲介駆動機構におけるコントロールシャフト、ロッカーシャフト、スライダギヤ等の関係を示す部分断面図。
【図9】(A),(B)は仲介駆動機構の作用を説明する部分断面図。
【図10】仲介駆動機構における油路を説明する部分断面図。
【図11】本発明を具体化した第2実施形態において、仲介駆動機構の内部構造を示す部分断面図。
【図12】本発明を具体化した第3実施形態において、ロッカーシャフト端部の内部構造を示す部分断面図。
【図13】本発明を具体化した第4実施形態において、仲介駆動機構の内部構造を示す部分断面図。
【図14】捕集室を出力アームの側壁部に設けた別の実施形態を示す部分断面図。
【図15】捕集室を周溝の内壁に設けた別の実施形態を示す部分断面図。
【図16】捕集室を出力アームの側壁部に設けた別の実施形態を示す部分断面図。
【図17】捕集室をロッカーシャフトの内周面に設けた別の実施形態を示す部分断面図。
【図18】捕集室を栓に設けた別の実施形態を示す部分断面図。
【図19】捕集室をロッカーシャフトの外周面に設けた別の実施形態を示す部分断面図。
【符号の説明】
【0102】
11…ガソリンエンジン(内燃機関)、21…吸気バルブ(機関バルブ)、22…排気バルブ(機関バルブ)、28…吸気カムシャフト、32…排気カムシャフト、37…栓、43…作用角可変機構(可変動弁機構)、45…ロッカーシャフト、46…コントロールシャフト、49…側壁部、51…入力アーム、52,53…出力アーム、59…スライダギヤ、81〜86…捕集室。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸方向へ移動可能に設けられたコントロールシャフトと、
前記コントロールシャフト上に揺動可能に設けられた入力アーム及び出力アームと、
前記コントロールシャフトと、前記入力アーム及び前記出力アームとの間に設けられたスライダギヤと
を構成部品として備え、内燃機関のカムシャフトによる前記入力アームの揺動を前記スライダギヤを介して前記出力アームに伝達して機関バルブを駆動するとともに、前記コントロールシャフトに連動する前記スライダギヤの変位により、前記入力アーム及び前記出力アームの相対位相差を変更して前記機関バルブの開閉に関わるバルブ特性を変更し、さらに、相対移動する構成部品間に油路を通じて潤滑油を供給するようにした内燃機関の可変動弁機構において、
少なくとも1つの前記構成部品の前記油路に面する箇所に、前記潤滑油中の不純物を捕集するための捕集室を設けることを特徴とする内燃機関の可変動弁機構。
【請求項2】
前記捕集室は、互いに接触した状態で相対移動する2つの構成部品の少なくとも一方について、他方の構成部品との接触部分に設けられている請求項1に記載の内燃機関の可変動弁機構。
【請求項3】
前記捕集室は、前記スライダギヤの内周面に設けられている請求項2に記載の内燃機関の可変動弁機構。
【請求項4】
前記捕集室は、前記コントロールシャフトの外周面に設けられている請求項2に記載の内燃機関の可変動弁機構。
【請求項5】
前記捕集室は、互いに接触した状態で相対移動する2つの構成部品の少なくとも一方について、両構成部品の接触部分から離れた箇所に設けられている請求項1に記載の内燃機関の可変動弁機構。
【請求項6】
一方の構成部品は、前記油路を介して他方の構成部品に対向し、前記相対移動に伴い他方の構成部品に対し接近及び離間するものであり、
前記捕集室は、両構成部品の対向部分のうち少なくとも一方に設けられている請求項5に記載の内燃機関の可変動弁機構。
【請求項7】
前記出力アームは、前記スライダギヤの端部に対向する側壁部にて前記コントロールシャフト上に揺動可能に設けられており、
前記捕集室は、前記出力アームの側壁部及び前記スライダギヤの端部の少なくとも一方に設けられている請求項6に記載の内燃機関の可変動弁機構。
【請求項8】
前記コントロールシャフトが挿通され、かつ前記スライダギヤが回動可能かつ軸方向へ変位可能に支持されるロッカーシャフトと、前記ロッカーシャフトの開放端を塞ぐ栓と
を前記構成部品としてさらに備え、
前記捕集室は、前記コントロールシャフトの端部及び前記栓の少なくとも一方に設けられている請求項6に記載の内燃機関の可変動弁機構。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2007−64024(P2007−64024A)
【公開日】平成19年3月15日(2007.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−248275(P2005−248275)
【出願日】平成17年8月29日(2005.8.29)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【出願人】(000185488)株式会社オティックス (305)
【Fターム(参考)】