説明

内燃機関用の排気ガス装置、並びにこのような排気ガス装置を運転する方法

本発明は、特に自動車における内燃機関(10)用の排気ガス装置(12)であって、第1のフィルタ装置(16)と、該第1のフィルタ装置(16)の下流側に配置された第2のフィルタ装置(18)とが設けられており、両フィルタ装置(16,18)がそれぞれ煤粒子(36)を排気ガスから濾過除去し、少なくとも第1のフィルタ装置(16)が触媒物質(34)を有していて、該触媒物質(34)が発熱煤燃焼を促進し、排気ガスの相応な加熱によって第2のフィルタ装置(18)における煤燃焼を開始するようになっている形式のものに関する。このような形式の排気ガス装置において本発明の構成では、第1及び第2のフィルタ装置(16,18)の触媒物質が次のように、すなわち第1のフィルタ装置(16)における煤燃焼が第2のフィルタ装置(18)におけるよりも低い温度において開始されかつ/又は、同様な温度では第2のフィルタ装置(18)におけるよりも強く行われるように、選択されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はまず、特に自動車における内燃機関用の排気ガス装置であって、第1のフィルタ装置と、該第1のフィルタ装置の下流側に配置された第2のフィルタ装置とが設けられており、両フィルタ装置がそれぞれ煤粒子を排気ガスから濾過除去し、少なくとも第1のフィルタ装置が触媒物質を有していて、該触媒物質が発熱煤燃焼を促進し、排気ガスの相応な加熱によって第2のフィルタ装置における煤燃焼を開始するようになっている形式のものに関する。
【0002】
本発明はさらに、このような排気ガス装置を運転する方法に関する。
【0003】
冒頭に述べた形式の排気ガス装置及び方法は、ドイツ連邦共和国特許公開第10156191号明細書に基づいて公知である。この公知の排気ガス装置は、主フィルタ装置と、この主フィルタ装置に前置された前フィルタ装置とを有している。前フィルタ装置においては主フィルタ装置におけると同様に、排気ガスから煤が捕集される。再生のために、前フィルタ装置において集められた煤は燃焼させられる。これによって極めて多くの熱が放出され、貫流する排気ガスもまた同様に煤着火温度に加熱され、これは、主フィルタ装置において捕集された煤の燃焼を開始するのに役立つ。また主フィルタ装置及び前フィルタ装置に、煤の着火温度を低下させる触媒層を設けることが、公知である。前フィルタ装置において捕集された煤を加熱するために加熱装置が設けられており、このような加熱装置としては例えば、前フィルタ装置のフィルタ本体に進入する加熱エレメントや、高温ガスを生ぜしめる外部のバーナが挙げられる。
【0004】
しかしながら公知の排気ガス装置及び方法には、煤燃焼を促進する多くの触媒物質が、該触媒物質の設けられるフィルタ構造体において、腐食の問題を引き起こすという問題がある。これによって、特殊なフィルタ材料を使用することが必要になり、ひいては製造コストの高騰を惹起する。
【0005】
ゆえに本発明の課題は、冒頭に述べた形式の排気ガス装置及び方法を改良して、排気ガス装置を可能な限り安価に製造できるようにすることである。
【0006】
この課題を解決するために本発明の構成では、冒頭に述べた形式の排気ガス装置において、第1及び第2のフィルタ装置の触媒物質が次のように、すなわち第1のフィルタ装置における煤燃焼が第2のフィルタ装置におけるよりも低い温度において開始されかつ/又は、同様な温度では第2のフィルタ装置におけるよりも強く行われるように、選択されている。
【0007】
また前記課題を解決するために本発明の方法では、第1のフィルタ装置における煤燃焼が低温時において開始されかつ/又は、同様な温度では第2のフィルタ装置におけるよりも強く行われるようにした。
【0008】
発明の利点
煤燃焼を促進する多くの触媒物質では、その攻撃的な腐食作用は触媒特性の強さと共に増大する。本発明によれば、第2のフィルタ装置における触媒活性は第1のフィルタ装置における触媒活性よりも低いもしくは弱いので、第2のフィルタ装置における攻撃的な腐食作用もしくは腐食による攻撃性も減じられ、その結果第2のフィルタ装置では安価な坦体材料もしくはフィルタ材料を使用することが可能である。そしてこれによって排気ガス装置の製造コストが減じられる。
【0009】
第1のフィルタ装置の触媒活性は第2のフィルタ装置に比べて強いので、第1のフィルタ装置における煤燃焼は、比較的僅かなエネルギ投入によって開始されることができる。煤燃焼つまり発熱反応によって、第1のフィルタ装置を貫流する排気ガスは強く加熱されるので、第2のフィルタ装置においても高い煤着火温度が得られ、そこに集められた煤を酸化させることができる。従って本発明による排気ガス装置及び方法では、低い製造コストにもかかわらず、第1のフィルタ装置及び第2のフィルタ装置の確実な再生が可能である。
【0010】
本発明による排気ガス装置において、第1のフィルタ装置が最高で90%の濾過効率を有していると、特に有利である。それというのは、このようになっていると、第2のフィルタ装置において煤粒子を十分に集めかつ燃焼させることができるからである。
【0011】
本発明の別の有利な構成は従属請求項に記載されている。
【0012】
例えば本発明の有利な構成では、第2のフィルタ装置には、煤燃焼を促進する触媒物質が設けられていない。このようになっていると、第2のフィルタ装置の構造体のために比較的安価な材料を使用できるのみならず、触媒物質による手間の掛かる被覆工程を省くことができ、これによって付加的にコストを節減することができる。さらに、過剰に強い煤燃焼によるフィルタ構造体の損傷が回避される。第2のフィルタ装置における「着火温度」は比較的高いので、代替可能なエネルギ使用によって排気ガスの必要な加熱を達成するためには、相応にアクティブな触媒物質が第1のフィルタ装置において使用されねばならない。
【0013】
本発明の特に有利な構成では、第1のフィルタ装置が、有利には開放気泡のセラミックフォームから成るディープベッド型フィルタ(Tiefenfilter)を有し、第2のフィルタ装置が、有利には金属、特に有利には高級鋼から成る表面フィルタ(Oberflaechenfilter)を有している。大きな有効表面に基づいて、ディープベッド型フィルタによって特に良好な触媒作用を得ることができる。このことは特に、観察される運転領域において液状で存在するいわゆる「溶融塩触媒(Molten Salt-Katalysatoren)」の使用時に言えることである。表面フィルタは極めて良好な濾過作用を有しており、金属、特に高級鋼から安価に製造することができ、しかも同時に良好な高温耐性及び熱衝撃耐性を有することができる。
【0014】
本発明による排気ガス装置の別の有利な構成では、第1のフィルタ装置は次のように、すなわち第2のフィルタ装置が、COからCOへの酸化及び/又はNOからNOへの酸化を促進する触媒物質を有しているように、構成されている。第2のフィルタ装置におけるCOからCOへの同様に発熱による酸化反応によって、付加的に熱が解放され、この熱は、第2のフィルタ装置における煤燃焼のために必要な着火温度を得るために役立つ。従って第2のフィルタ装置における着火温度は、排気ガスの加熱だけによって生ぜしめられる必要がない。このような構成には、第2のフィルタ装置内に煤燃焼を促進する触媒物質が存在していない場合に、異なった酸化法を空間的に切り離すという利点がある。このようにすると、不都合な相互作用が阻止される。
【0015】
COからCOへの酸化を促進する触媒物質であって、簡単に加工することができる触媒物質は、プラスチック及びパラジウムである。このような材料は、表面積の大きな酸化物に又は直接的にフィルタ体に設けられており、これによって製造コストを低く保つことができる。
【0016】
本発明の特に有利な構成では、第1のフィルタ装置と第2のフィルタ装置とが互いに直接的に隣接して配置されている。このように構成されていると、第1のフィルタ装置における煤燃焼時に加熱された排気ガスが第2のフィルタ装置への途中で急に冷えてしまうことが阻止される。つまり本発明による排気ガス装置のこのような構成では、煤燃焼の効率が極めて高くなる。さらに第1のフィルタ装置と第2のフィルタ装置とが1つのフィルタユニットに組み込まれていて、このフィルタユニットが例えば1つの共通のハウジング内に収容されているような構成も可能である。さらにまた、ただ1つのフィルタをその上流側領域において第1のフィルタ装置に相応して、かつ下流側領域において第2のフィルタ装置に相応して構成することも可能である。このような構成では、特にコンパクトな構造形式が得られる。
【0017】
第1のフィルタ装置において本発明による特に高い触媒活性を保証するために、本発明の有利な構成では、第1のフィルタ装置において以下に記載のグループの構成物質である触媒物質が使用されており、すなわち酸化坦体における1〜50重量%のAg、及び/又は酸化坦体におけるV及び/又はMo及び/又はW及び/又はMn及び/又はCuであり、坦体がAlO、TiO、Ce O、ZrO及び/又はSiOを有しており、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Re、Al及び/又はZrの酸化物と化合されたAg、特にAgCrO、AgMnO;バナジン酸金属;モリブデン酸塩;タングステン酸塩;金属-V-混合酸化物、特にCsVO;Cr-混合酸化物;Mo-混合酸化物;酸化マンガン;酸化レニウム;マンガン酸金属;レニウム酸金属を有している。
本発明による方法の有利な構成では、第1及び第2のフィルタ装置を再生するために、第1のフィルタ装置の上流側における排気ガス温度を第1のレベルに高め、該第1のレベルにおいて煤燃焼を開始させ、これによって排気ガス温度を付加的に、第2のフィルタ装置において同様に煤燃焼が開始されるような第2のレベルに高める。このようにして運転される排気ガス装置は極めて安価に製造することができる。それというのは、煤燃焼のために必要な着火温度へと第1のフィルタ装置を加熱する別体の加熱装置の使用を省略することができるからである。その代わりに煤燃焼はエンジンを利用した処置によって開始される。
【0018】
図面
次に図面を参照しながら本発明の特に有利な実施例を説明する。
【0019】
図1は、第1のフィルタ装置と第2のフィルタ装置とを備えた排気ガス装置を有する内燃機関を概略的に示す図であり、
図2は、図1における第1のフィルタ装置及び第2のフィルタ装置を拡大して示す図であり、
図3は、図1に示された第1のフィルタ装置を拡大して示す断面図であり、
図4は、図1に示された第2のフィルタ装置を拡大して示す断面図であり、
図5は、図1に示されたのとは異なった排気ガス装置の別の実施形態を概略的に示す図である。
【0020】
実施例の記載
図1には、内燃機関10の排気ガス装置が符号12で示されている。この排気ガス装置12は排気管14を有しており、この排気管14は燃焼排気ガスをまず初め第1のフィルタ装置16に供給し、その後で第2のフィルタ装置18に供給する。内燃機関10はディーゼル原理に基づいて作動する。燃焼時に発生する煤微粒子は少なくとも一部が両フィルタ装置16,18内において排気ガスから除去される。
【0021】
図2から分かるように第1のフィルタ装置16はハウジング20を有しており、このハウジング20内には、開放気泡のセラミック又は金属フォーム22の形のフィルタ構造体が配置されている。つまり第1のフィルタ装置16はディープベッド型フィルタ(Tiefenfilter)である。第2のフィルタ装置18も同様にハウジング24を有しており、このハウジング24内には、交互に閉鎖されたハニカム又は通路28の形をしたフィルタ構造体26が配置されている。
【0022】
第1のフィルタ装置16のフィルタ構造体22の内部領域の断面が図3に示されている。この断面図に示されているように、このフィルタ構造体22は、フィルタ構造体22の材料内に設けられている孔30を有している。フィルタ構造体22の材料は図3において符号32で示されており、この場合炭化ケイ素である。基本的には第1のフィルタ装置16のフィルタ構造体22のためには、しかしながら排気管14を通って流れる排気ガスから煤微粒子を濾過除去するのに適した、セラミック材料及び金属材料もしくは両方の材料の組合せから成るすべての開放気泡の物体及びばら荷を使用することができる。
【0023】
同様に図3から分かるように、第1のフィルタ装置16のフィルタ構造体22の炭化ケイ素材料32は、触媒物質34を備えている。この触媒物質34は、比較的低温においても第1のフィルタ装置16内において集められた煤粒子(図3の符号36)の酸化もしくは燃焼を促進するように、選択されている。このような煤燃焼によって、第1のフィルタ装置16が時間の経過と共に閉塞することが阻止される。
【0024】
第1のフィルタ装置16において使用される触媒物質34は、煤燃焼の促進に関して極めてアクティブであり、発熱による煤燃焼が第1のフィルタ装置16において作動させられる着火温度を、100〜250K又はそれ以上、低下させる。また触媒物質34が煤燃料を、下でさらに述べるようにCOが形成されるように促進するようになっていると、特に有利である。
【0025】
図4に示された第2のフィルタ装置18は表面フィルタであり、この表面フィルタは図示の実施例ではウォールフローフィルタ(Wandflussfilter)として形成されている。この第2のフィルタ装置18は、流れ方向で見てハニカム状のフィルタ構造体38を有しており、このフィルタ構造体38高級鋼から製造されている。幾つかのハニカムは内燃機関10に向いた側において開放していて、内燃機関10とは反対の側において閉鎖されている(排気ガス流は図4において矢印40で示されている)。ハニカムは図4において符号28aで示されている。ハニカム28aに隣接した他のハニカム28bは、内燃機関10とは反対に向けられた側において閉鎖されており、内燃機関10とは反対の側において開放している。
【0026】
濾過作用は、ハニカム28aとハニカム28bとの間におけるフィルタ構造体38の壁の多孔性によって生ぜしめられる。つまり排気ガス流は図4における矢印42で示されているように、ハニカム28aからハニカム28bへの壁面を貫いて流れる。第2のフィルタ装置18の濾過効率はほぼ95%〜99%である。濾過作用は、有利には小さな煤粒子が排気ガス流から濾過除去されるように選択されている。第1のフィルタ装置16の濾過効率はほぼ50%である。この第1のフィルタ装置16によって、大きな煤粒子が排気ガス流から有利に濾過除去される。全体として99%を超える効率が得られる。
【0027】
時間の経過と共に第1のフィルタ装置16及び第2のフィルタ装置18においては、より多くの煤粒子が付着する。排気ガス装置12の閉塞を阻止するために、時々エンジンを利用した処置によって、内燃機関10から排気管14に流入する排気ガスの温度が、350〜約550℃の範囲の温度に高められる。
【0028】
確かに通常は、煤燃焼は約600℃を超える温度領域において初めて行われる。しかしながら第2のフィルタ装置18内に触媒物質34が存在することに基づいて、排気ガスの前記温度レベルは、第1のフィルタ装置16において付着した煤粒子36の燃焼を開始させるのに十分である。そのために必要な最低温度は「着火温度」とも呼ばれる。付着した煤粒子の燃焼というのは、発熱酸化反応である。これによって自由になるエネルギによって、第1のフィルタ装置16を貫流する排気ガスが加熱される。
【0029】
第1のフィルタ装置16における触媒物質34の高い触媒活性に基づいて、発熱反応は得られた排気ガス温度レベルにおいて極めて強くなり、これにより第1のフィルタ装置16から第2のフィルタ装置18に流れる排気ガスの温度は、相応に強く高められる。第1のフィルタ装置16から第2のフィルタ装置18に流れる排気ガスの典型的な温度は、第1のフィルタ装置16における煤燃焼の実行時に約600〜700℃である。この温度は、煤燃焼を促進する触媒物質が存在している第2のフィルタ装置18における煤粒子36の着火温度を上回っている。従って第2のフィルタ装置18においても、付着した煤粒子36の煤燃焼が行われる。
【0030】
特殊な高活性の触媒物質34の使用に基づいて着火後に迅速にかつ高いエネルギ放出下で行われる、第1のフィルタ装置16の煤燃焼によって、排気ガス温度は次のように、すなわち第2のフィルタ装置18内における煤粒子36が自然着火するように、高められる。この効果は図4に示された実施例ではさらに次のことによって高められる。すなわちこの場合第2のフィルタ装置18のフィルタ構造体38は、第1のフィルタ装置16の触媒物質34とはまったく異なった種類の触媒物質43を備えている。
【0031】
このように構成されていると、第1のフィルタ装置16における煤燃焼時にCOが自由になり、このCOは第2のフィルタ装置18において、そこに存在する触媒物質43によってCOに酸化される。この酸化もまた同様に、熱が発生する発熱反応である。そしてこの熱エネルギは第2のフィルタ装置18において着火温度を得るために利用することができ、これは、第1のフィルタ装置16における低活性の触媒物質34の使用を可能にするか、又は第1のフィルタ装置16における全体として少量の触媒物質34の使用を可能にする。第2のフィルタ装置18における触媒物質43としては、例えばプラチナ又はパラジウムが挙げられる。このような物質は、表面積の大きな酸化物に設けられていても、又は直接、高級鋼から成るフィルタ構造体38に設けられていてもよい。
【0032】
図1から分かるように、第1のフィルタ装置16と第2のフィルタ装置18とは互いに直接的に隣接して配置されている。このような配置形式によって、第1のフィルタ装置16における煤燃焼時に加熱された排気ガスが第2のフィルタ装置18への途中で極度に冷えることが阻止される。これに関連して図5に示された有利な実施形態では、第1のフィルタ装置16と第2のフィルタ装置18とが1つのフィルタユニット44に組み込まれている。付言すれば、図5において、既に述べた図面におけるエレメント及び領域と同様なもしくは等価の機能を有するエレメント及び領域は、同一符号で示し、詳細な説明の繰り返しは省く。図5から分かるように、第1のフィルタ装置16のフィルタ構造体22は第2のフィルタ装置18のフィルタ構造体38と一体的である(両フィルタ構造体の分割ラインは破線で示されている)。従って第1のフィルタ装置16が第2のフィルタ装置18と異なっているのは単に次のことだけである。すなわちこの場合第1のフィルタ装置16は第2のフィルタ装置18とは異なり、特にアクティブでありかつ第1のフィルタ装置16における煤燃焼を促進する触媒物質(図5には図示せず)を有している。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】第1のフィルタ装置と第2のフィルタ装置とを備えた排気ガス装置を有する内燃機関を概略的に示す図である。
【図2】図1における第1のフィルタ装置及び第2のフィルタ装置を拡大して示す図である。
【図3】図1に示された第1のフィルタ装置を拡大して示す断面図である。
【図4】図1に示された第2のフィルタ装置を拡大して示す断面図である。
【図5】図1に示されたのとは異なった排気ガス装置の別の実施形態を概略的に示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
特に自動車における内燃機関(10)用の排気ガス装置(12)であって、第1のフィルタ装置(16)と、該第1のフィルタ装置(16)の下流側に配置された第2のフィルタ装置(18)とが設けられており、両フィルタ装置(16,18)がそれぞれ煤粒子(36)を排気ガスから濾過除去し、少なくとも第1のフィルタ装置(16)が触媒物質(34)を有していて、該触媒物質(34)が発熱煤燃焼を促進し、排気ガスの相応な加熱によって第2のフィルタ装置(18)における煤燃焼を開始するようになっている形式のものにおいて、第1及び第2のフィルタ装置(16,18)の触媒物質が次のように、すなわち第1のフィルタ装置(16)における煤燃焼が第2のフィルタ装置(18)におけるよりも低い温度において開始されかつ/又は、同様な温度では第2のフィルタ装置(18)におけるよりも強く行われるように、選択されていることを特徴とする、内燃機関(10)用の排気ガス装置(12)。
【請求項2】
第2のフィルタ装置(18)には少なくとも実質的に、煤燃焼を促進する触媒物質が設けられていない、請求項1記載の排気ガス装置(12)。
【請求項3】
第1のフィルタ装置(16)が、有利には開放気泡のセラミックフォーム(32)から成るディープベッド型フィルタ(26)を有し、第2のフィルタ装置(18)が、有利には金属、特に有利には高級鋼から成る表面フィルタ(38)を有している、請求項1又は2記載の排気ガス装置(12)。
【請求項4】
第2のフィルタ装置(18)が、COからCOへの酸化及び/又はNOからNOへの酸化を促進する触媒物質(43)を有している、請求項1から3までのいずれか1項記載の排気ガス装置(12)。
【請求項5】
第2のフィルタ装置(18)が、プラチナ及び/又はパラジウムを有する触媒物質(43)を有している、請求項3又は4記載の排気ガス装置(12)。
【請求項6】
触媒物質(43)が、表面の大きな酸化物又は直接的にフィルタ体(38)に設けられている、請求項5記載の排気ガス装置(12)。
【請求項7】
第1のフィルタ装置(16)と第2のフィルタ装置(18)とが互いに直接的に隣接して配置されている、請求項1から6までのいずれか1項記載の排気ガス装置(12)。
【請求項8】
第1のフィルタ装置(16)と第2のフィルタ装置(18)とが1つのフィルタユニット(44)に組み込まれている、請求項1から7までのいずれか1項記載の排気ガス装置(12)。
【請求項9】
第1のフィルタ装置(16)が少なくとも1つの触媒物質(34)を有していて、該触媒物質(34)が以下に記載のグループの構成物質であり、すなわち酸化坦体における1〜50重量%のAg、及び/又は酸化坦体におけるV及び/又はMo及び/又はW及び/又はMn及び/又はCuであり、坦体がAlO、TiO、Ce O、ZrO及び/又はSiOを有しており、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Re、Al及び/又はZrの酸化物と化合されたAg、特にAgCrO、AgMnO;バナジン酸金属;モリブデン酸塩;タングステン酸塩;金属-V-混合酸化物、特にCsVO;Cr-混合酸化物;Mo-混合酸化物;酸化マンガン;酸化レニウム;マンガン酸金属;レニウム酸金属を有している、請求項1から8までのいずれか1項記載の排気ガス装置(12)。
【請求項10】
特に自動車における内燃機関(10)用の排気ガス装置(12)を運転する方法であって、第1のフィルタ装置(16)と、該第1のフィルタ装置(16)の下流側に配置された第2のフィルタ装置(18)とが設けられており、両フィルタ装置(16,18)がそれぞれ煤粒子(36)を排気ガスから濾過除去し、少なくとも第1のフィルタ装置(16)が触媒物質(34)を有していて、該触媒物質(34)が発熱煤燃焼を促進し、排気ガスの相応な加熱によって第2のフィルタ装置(18)における煤燃焼を開始するようになっている形式の排気ガス装置(12)を運転する方法において、第1のフィルタ装置(16)における煤燃焼を、第2のフィルタ装置(18)におけるよりも低い温度において開始しかつ/又は、同様な温度では第2のフィルタ装置(18)におけるよりも強く行うようにしたことを特徴とする、内燃機関(10)用の排気ガス装置(12)を運転する方法。
【請求項11】
第1及び第2のフィルタ装置(16,18)を再生するために、第1のフィルタ装置(16)の上流側における排気ガス温度を第1のレベルに高め、該第1のレベルにおいて煤燃焼を開始させ、これによって排気ガス温度を付加的に、第2のフィルタ装置(18)において同様に煤燃焼が開始されるような第2のレベルに高める、請求項11記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2007−518008(P2007−518008A)
【公表日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−541960(P2006−541960)
【出願日】平成17年9月1日(2005.9.1)
【国際出願番号】PCT/EP2005/054295
【国際公開番号】WO2006/037703
【国際公開日】平成18年4月13日(2006.4.13)
【出願人】(390023711)ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング (2,908)
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
【住所又は居所原語表記】Stuttgart, Germany
【Fターム(参考)】