内燃機関
【課題】 ターボラグを抑制することができる内燃機関を提供する。
【解決手段】 内燃機関(100)は、内燃機関(10)と、内燃機関(10)の排気ガスが駆動側に供給されることにより駆動し、供給された排気ガスを下流に排出する過給機(40)と、過給機(40)の下流に排出された排気ガスの熱により加熱されたアシストガスを過給機(40)の駆動側に供給することにより過給機(40)の駆動をアシストするアシスト手段(60)と、内燃機関(10)の負荷が増大するか否かを判定する判定手段(70)と、内燃機関(10)の負荷が増大すると判定手段(70)により判定された場合に、過給機(40)の駆動をアシストするようにアシスト手段(60)を制御する制御手段(70)と、を備えることを特徴とするものである。
【解決手段】 内燃機関(100)は、内燃機関(10)と、内燃機関(10)の排気ガスが駆動側に供給されることにより駆動し、供給された排気ガスを下流に排出する過給機(40)と、過給機(40)の下流に排出された排気ガスの熱により加熱されたアシストガスを過給機(40)の駆動側に供給することにより過給機(40)の駆動をアシストするアシスト手段(60)と、内燃機関(10)の負荷が増大するか否かを判定する判定手段(70)と、内燃機関(10)の負荷が増大すると判定手段(70)により判定された場合に、過給機(40)の駆動をアシストするようにアシスト手段(60)を制御する制御手段(70)と、を備えることを特徴とするものである。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は内燃機関、特に過給機を有する内燃機関に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、過給機を有する内燃機関が開発されてきている。かかる過給機付内燃機関に用いられる過給機は、例えば、タービンとコンプレッサとがロータシャフトによって連結されて一体となって回転する構造を有する。そして、内燃機関の燃焼室から排出される排気ガスがタービンに供給されることによりタービンが回転し、タービンの回転がロータシャフトを通じてコンプレッサに伝達されてコンプレッサを回転させる。このコンプレッサの回転により吸気ガスを圧縮させ、この圧縮した吸気ガスを内燃機関の燃焼室へと強制的に送り込んでいる。
【0003】
このように、過給機は排気ガスの持つエネルギを利用した過給を行って内燃機関の出力を向上させている。そのため過給機は、排気ガスのエネルギが不足する場合には、十分な過給能力を発揮できない。それにより、過給機付内燃機関においては、例えば、運転者がアクセルを踏み込んだ際に、過給機が始動するまでにある程度の時間的な遅れ、すなわち過給遅れ(以下、ターボラグと称する)が発生することがある。
【0004】
このターボラグの発生を抑制するために、例えば、内燃機関の加速負荷信号を受けた場合に、蓄圧器に蓄圧した圧縮空気を過給機のタービンまたはコンプレッサに供給して過給機の駆動をアシストする技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】実開昭61−186742号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に開示された技術では、過給機のタービンに圧縮空気を供給する場合には、圧縮空気により燃焼室からの排気ガスが冷却されるおそれがある。この場合、排気ガスのエネルギが低下することから、過給機のターボラグ抑制効果が低下する。
【0007】
本発明は、ターボラグを抑制することができる内燃機関を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る内燃機関は、内燃機関と、内燃機関の排気ガスが駆動側に供給されることにより駆動し、供給された排気ガスを下流に排出する過給機と、過給機の下流に排出された排気ガスの熱により加熱されたアシストガスを過給機の駆動側に供給することにより過給機の駆動をアシストするアシスト手段と、内燃機関の負荷が増大するか否かを判定する判定手段と、内燃機関の負荷が増大すると判定手段により判定された場合に、過給機の駆動をアシストするようにアシスト手段を制御する制御手段と、を備えることを特徴とするものである。本発明に係る内燃機関によれば、内燃機関の負荷が増大すると判定手段により判定された場合には、制御手段は過給機の駆動をアシストするようにアシスト手段を制御する。それにより、内燃機関のターボラグを抑制することができる。また、アシストガスは、排気ガスの熱により加熱されている。それにより、アシストガスの供給による排気ガスのエネルギ低下が抑制される。
【0009】
上記構成において、アシスト手段は、アシストガスを貯える貯気タンクを備えていてもよい。上記構成において、アシスト手段は、貯気タンク内のアシストガスを過給機の下流に排出された排気ガスの熱により加熱する熱交換器をさらに備えていてもよい。この構成によれば、貯気タンク内のアシストガスの圧力は、加熱されることにより高くなる。それにより、アシストガスのアシスト効率が高くなる。また、排気ガスの熱量が貯気タンク内のアシストガスにより回収されることから、貯気タンクは排気ガスの排熱回収手段としての機能も有する。この場合、内燃機関の熱効率が高くなり、内燃機関のCO2排出量が低減される。
【0010】
上記構成において、過給機の下流に設けられ、過給機の下流に排出された排気ガスを浄化する排気ガス浄化触媒をさらに備え、アシスト手段は、排気ガス浄化触媒により浄化された排気ガスを過給機の駆動側に供給することにより過給機の駆動をアシストしてもよい。この構成によれば、過給機からの排気ガス温度は、排気ガス浄化触媒での排気ガス浄化反応により上昇する。それにより、アシストガスのエネルギを増加することができる。
【0011】
上記構成において、アシストガスは空気であってもよい。上記構成において、アシストガスは水蒸気であり、アシスト手段は、水を過給機の下流に排出された排気ガスの熱により水蒸気にする熱交換器と水蒸気を貯える貯気タンクとを備えていてもよい。アシストガスとして水蒸気を用いた場合には、水の顕熱量および潜熱量は、それぞれ空気の顕熱量および潜熱量に比較して大きいことから、アシストガスとして空気を用いた場合に比較して内燃機関の排熱回収効率が向上する。それにより、内燃機関の熱効率が向上し、内燃機関のCO2排出量が低減する。さらに、水蒸気の定圧比熱は空気の定圧比熱に比較して大きいことから、アシストガスとして空気を用いた場合に比較して、小さい貯気タンクを用いても、同程度の温度およびエネルギ量のアシストガスを得ることができる。
【0012】
上記構成において、水は、過給機から排出される排気ガス中に含まれる水蒸気が冷却された凝縮水であってもよい。この構成によれば、外部からアシスト手段に水を補給する必要がなくなる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、ターボラグを抑制することができる内燃機関を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明を実施するための最良の形態を説明する。
【実施例1】
【0015】
図1は、第1実施例に係る内燃機関100の全体構成を示す模式図である。図1に示すように、内燃機関100は、内燃機関10、アクセル20、検出手段30、過給機40、排気ガス浄化触媒50、アシスト手段60およびECU70を備える。内燃機関10は、シリンダ(図示せず)内で空気と混合した燃料を爆発的に燃料させてピストン(図示せず)に往復運動を与える熱機関である。内燃機関10としては、特に限定されないが例えばガソリンエンジン、ディーゼルエンジン等を用いることができる。
【0016】
アクセル20は、内燃機関10の回転負荷を調整するための調整ペダルである。アクセル20は、内燃機関10のスロットル(図示せず)に接続されている。検出手段30は、内燃機関10の負荷が増大するか否かを検出する手段である。検出手段30としては、内燃機関10の負荷が増大するか否かを検出することができる手段であれば特に限定されない。本実施例においては、検出手段30はアクセル20に接続されており、アクセル開度センサ(図示せず)とアクセル開度速度センサ(図示せず)とを備える。アクセル開度センサは、アクセル20の開度を検出し、その検出結果をECU70に与える。アクセル開度速度センサはアクセル20の開度速度を検出し、その検出結果をECU70に与える。
【0017】
過給機40は、内燃機関10を過給するための過給機である。過給機40は、コンプレッサ42、タービン44およびコンプレッサ42とタービン44とを連結する回転軸46を備える。過給機40は、内燃機関10から排出される排気ガスが駆動側に供給されることにより駆動する。具体的には、排気ガスがタービン44に供給されることによりタービン44が回転する。タービン44が回転することにより、回転軸46を介してコンプレッサ42が回転する。コンプレッサ42が回転することにより、外部から取り込んだ空気がコンプレッサ42により圧縮されて、内燃機関10に供給される。それにより、内燃機関10を過給することができる。なお、過給機40のタービン44に供給された排気ガスは、タービン44を回転させた後には、過給機40の下流に排出される。
【0018】
排気ガス浄化触媒50は、過給機40から排出される排気ガスを浄化する触媒である。排気ガス浄化触媒50は、過給機40の下流に配置される。排気ガス浄化触媒50としては、特に限定されないが、例えばプラチナ等を使用した酸化還元触媒等を用いることができる。
【0019】
アシスト手段60は、過給機40の駆動をアシストする手段である。アシスト手段60は、空気ポンプ62、貯気タンク64、熱交換器66および供給弁68を備える。空気ポンプ62は、ECU70からの指示に従って、外部の空気を貯気タンク64に送風するポンプである。空気ポンプ62としては、空気を送風することができるポンプであれば、特に限定されない。
【0020】
貯気タンク64は、空気ポンプ62から送風された空気を貯えるタンクである。貯気タンク64としては、貯気タンク64内の気体が漏洩しない程度の機密性と耐圧性とを備えるものであれば特に限定されない。熱交換器66は、排気ガス浄化触媒50により浄化された排気ガスの熱を利用して貯気タンク64内の空気を加熱する熱交換器である。熱交換器66としては、熱交換機能を有するものであれば特に限定されない。本実施例においては、熱交換器66は貯気タンク64内に配置されている。
【0021】
供給弁68は、ECU70からの指示に従って、貯気タンク64内の空気を過給機40の駆動側に供給するための弁である。例えば、供給弁68は、ECU70からの指示に従って、貯気タンク64内の空気を過給機40のタービン44あるいは回転軸46に接続された補助タービン(図示せず)に供給する。供給弁68としては、特に限定されないが、例えば電磁弁等を用いることができる。
【0022】
ECU70は、図示しないCPU(中央演算処理装置)、図示しないROM(リードオンリメモリ)、図示しないRAM(ランダムアクセスメモリ)等を備える。ECU70は、検出手段30からの検出結果に基づいて、アシスト手段60の動作を制御する。
【0023】
次に、内燃機関100の動作について説明する。まず、内燃機関100が始動すると、内燃機関100は暖機運転を行う。この際、内燃機関10は高温の排気ガスを排出する。また、ECU70は、外部の空気が貯気タンク64に貯気されるように空気ポンプ62を制御する。この際、供給弁68は閉じている。
【0024】
内燃機関10から排出された排気ガスは、過給機40の駆動側に供給される。それにより、過給機40が稼動する。過給機40の下流に排出された排気ガスは、排気ガス浄化触媒50で浄化される。なお、排気ガス浄化触媒50の排気ガス浄化反応により排気ガスはさらに加熱される。排気ガス浄化触媒50の下流に排出された排気ガスは、アシスト手段60の貯気タンク64を通過して、外部へ排気される。排気ガスが貯気タンク64を通過する際には、排気ガスの熱は、熱交換器66を介して貯気タンク64内の空気に伝達される。それにより、貯気タンク64内の空気は加熱される。
【0025】
内燃機関100の暖機運転が終了すると、内燃機関100は通常運転を開始する。内燃機関100が通常運転を開始すると、ECU70は過給機40の駆動のアシストが行われるようにアシスト手段60を制御する。図2は、ECU70が過給機40の駆動をアシストする場合におけるフローチャートの一例を示す図である。まず、ECU70は、内燃機関10の負荷が増大するか否かを判定する(ステップS1)。例えば、ECU70は、検出手段30からアクセル開度センサおよびアクセル速度センサの値を受け取る。アクセル開度が大きくかつアクセル開度速度が大きいとECU70が判定した場合には、ECU70は、内燃機関10の負荷が増大すると判定する。
【0026】
ステップS1において内燃機関10の負荷が増大すると判定された場合には、ECU70は、過給機40の駆動がアシストされるようにアシスト手段60を制御する(ステップS2)。例えば、ECU70は、供給弁68が開かれるようにアシスト手段60を制御する。それにより、貯気タンク64内の加熱された空気が過給機40の駆動側に供給され、過給機40の駆動をアシストすることができる。すなわち、貯気タンク64内の加熱された空気は、過給機40の駆動をアシストするアシストガスとして機能する。
【0027】
一方、ステップS1において内燃機関10の負荷が増大すると判定されなかった場合には、ECU70はフローチャートの実行を終了する。
【0028】
本実施例に係る内燃機関100によれば、内燃機関10の負荷が増大すると判定された場合には、ECU70はアシストガスが過給機40の駆動側に供給されるようにアシスト手段60を制御する。それにより、内燃機関10のターボラグを抑制することができる。また、アシストガスは、排気ガスの熱により加熱されている。それにより、アシストガスの供給による排気ガスのエネルギ低下が抑制される。
【0029】
また、内燃機関100によれば、貯気タンク64内のアシストガスの圧力は、排気ガスにより加熱されることにより高くなる。それにより、空気ポンプ62の出力を大きくすることなしに、アシストガスの噴出速度を大きくすることができる。すなわち、アシストガスのアシスト効率が高くなる。また、内燃機関10から排出される排気ガスの熱量が貯気タンク64内のアシストガスにより回収されることから、貯気タンク64は排気ガスの排熱回収手段としての機能も有する。この場合、内燃機関10の熱効率が高くなり、内燃機関10のCO2排出量が低減される。
【0030】
なお、貯気タンク64および熱交換器66は、過給機40の下流に配置されているのであれば、排気ガス浄化触媒50の下流に配置されていなくてもよい。しかしながら、過給機40からの排気ガス温度は、排気ガス浄化触媒50での排気ガス浄化反応により上昇する。そのため、排気ガス浄化触媒50の下流に貯気タンク64および熱交換器66を配置することによりアシストガスのエネルギをより高めることができる。
【実施例2】
【0031】
続いて、本発明の第2実施例に係る内燃機関100aについて説明する。図3は、第2実施例に係る内燃機関100aの全体構成を示す模式図である。図3に示す内燃機関100aは、アシスト手段60の代わりにアシスト手段60aを備えている点において、図1に示す内燃機関100と異なる。図3に示すアシスト手段60aは、空気ポンプ62の代わりに水ポンプ62aを備える点および水タンク69をさらに備える点において、図1のアシスト手段60と異なる。その他の構成は、図1に示す内燃機関100と同様のため説明を省略する。
【0032】
水ポンプ62aは、水タンク69に貯えられた水を貯気タンク64に送水するポンプである。水ポンプ62aとしては、水を送水することができるものであれば特に限定されない。水タンク69は、外部から供給される水を貯えるタンクである。水タンク69は、水を貯えることができるものであれば特に限定されない。
【0033】
次に、内燃機関100aの動作について説明する。まず、内燃機関100aが始動すると、内燃機関10は暖機運転を行う。この際、内燃機関10は高温の排気ガスを排出する。また、ECU70は、水タンク69内の水が貯気タンク64に送水されるように水ポンプ62aを制御する。この際、供給弁68は閉じている。
【0034】
内燃機関10から排出された排気ガスは、過給機40を駆動させた後、排気ガス浄化触媒50で浄化されて貯気タンク64を通過して、外部へ排気される。排気ガスが貯気タンク64を通過する際には、排気ガスの熱は、熱交換器66を介して貯気タンク64内に送水された水に伝達される。それにより、貯気タンク64内に送水された水は水蒸気になる。この水蒸気は、貯気タンク64に貯気される。
【0035】
暖機運転が終了すると、内燃機関100aは通常運転を開始する。内燃機関100aが通常運転を開始すると、ECU70は内燃機関10の負荷が増大するか否かを判定する。例えば、ECU70は、検出手段30からアクセル開度センサとアクセル速度センサとの値を受け取る。アクセル開度が大きくかつアクセル開度速度が大きいとECU70が判定した場合には、ECU70は内燃機関10の負荷が増大すると判定する。
【0036】
ECU70が内燃機関の負荷が増大すると判定した場合には、ECU70は供給弁68を開くように制御する。それにより、貯気タンク64内の加熱された水蒸気が過給機40の駆動側に供給され、過給機40の駆動をアシストすることができる。すなわち、貯気タンク64内の加熱された水蒸気は、過給機40の駆動をアシストするアシストガスとして機能する。
【0037】
本実施例に係る内燃機関100aによれば、内燃機関10の負荷が増大すると判定された場合には、ECU70はアシストガスが過給機40の駆動側に供給されるようにアシスト手段60を制御する。それにより、内燃機関10のターボラグを抑制することができる。また、アシストガスは、排気ガスの熱により加熱されている。それにより、アシストガスの供給による排気ガスのエネルギ低下が抑制される。
【0038】
また、水の顕熱量および潜熱量は、それぞれ空気の顕熱量および潜熱量に比較して大きい。それにより、図3に示す内燃機関100aの排熱回収効率は、図1に示す内燃機関100に比較して大きくなる。この場合、内燃機関10の熱効率が向上し、内燃機関10のCO2排出量が低減される。さらに、水蒸気の定圧比熱は空気の定圧比熱に比較して大きい。それにより、図3に示す内燃機関100aにおいては、図1に示す内燃機関100の場合に比較して、小さい貯気タンク64を用いても、同程度の温度およびエネルギ量のアシストガスを得ることができる。また、水ポンプ62aは空気ポンプ62に比較して小型のものを用いることができる。それにより、アシスト手段60aの車両搭載性が高くなる。
【0039】
(変形例1)
また、水タンク69に貯えられた水としては、排気ガス浄化触媒50から排出される排気ガス中に含まれる水蒸気が冷却された凝縮水を用いてもよい。図4は、実施例2の変形例1に係る内燃機関100bの全体構成を示す模式図である。図4に示す内燃機関100bは、アシスト手段60aの代わりにアシスト手段60bを備えている点において、図3に示す内燃機関100aと異なる。図4に示すアシスト手段60bは、水タンク69の代わりに凝縮水タンク69aを備える点において、図3に示すアシスト手段60aと異なる。また、図4に示すアシスト手段60bは、排気ガス浄化触媒50からの排気ガスが凝縮水タンク69a内を通過する点において、図3に示すアシスト手段60aと異なる。その他の構成は、図3に示す内燃機関100aと同様のため説明を省略する。
【0040】
凝縮水タンク69aは、排気ガス浄化触媒50からの排気ガス中に含まれる水蒸気を冷却して凝縮する機能と凝縮された凝縮水を貯える機能とを有する。凝縮水タンク69aに貯えられた凝縮水は、水ポンプ62aにより貯気タンク64に送水される。貯気タンク64に送水された凝縮水は、熱交換器66により加熱されて水蒸気となり、貯気タンク64内に貯気されて、アシストガスとして利用される。
【0041】
本変形例に係る内燃機関100bにおいても、内燃機関10の負荷が増大すると判定された場合には、ECU70はアシストガスが過給機40の駆動側に供給されるようにアシスト手段60を制御する。それにより、内燃機関10のターボラグを抑制することができる。また、アシストガスは、排気ガスの熱により加熱されている。それにより、アシストガスの供給による排気ガスのエネルギ低下が抑制される。
【0042】
さらに、本変形例に係る内燃機関100bによれば、排気ガス中に含まれる凝縮水をアシストガスに利用している。それにより、図3に示す内燃機関100aのように水タンク69に水を補給する必要がなくなる。
【0043】
実施例1、実施例2および変形例1において、ECU70が制御手段および判定手段に相当する。
【0044】
以上本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明はかかる特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の第1実施例に係る内燃機関の全体構成を示す模式図である。
【図2】第1実施例に係る制御手段が過給機の駆動をアシストする場合におけるフローチャートの一例を示す図である。
【図3】第2実施例に係る内燃機関の全体構成を示す模式図である。
【図4】第2実施例に係る変形例1に係る内燃機関の全体構成を示す模式図である。
【符号の説明】
【0046】
10 内燃機関
20 アクセル
30 検出手段
40 過給機
50 排気ガス浄化触媒
60 アシスト手段
62 空気ポンプ
64 貯気タンク
66 熱交換器
68 供給弁
69 水タンク
70 ECU
100,100a,100b 内燃機関
【技術分野】
【0001】
本発明は内燃機関、特に過給機を有する内燃機関に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、過給機を有する内燃機関が開発されてきている。かかる過給機付内燃機関に用いられる過給機は、例えば、タービンとコンプレッサとがロータシャフトによって連結されて一体となって回転する構造を有する。そして、内燃機関の燃焼室から排出される排気ガスがタービンに供給されることによりタービンが回転し、タービンの回転がロータシャフトを通じてコンプレッサに伝達されてコンプレッサを回転させる。このコンプレッサの回転により吸気ガスを圧縮させ、この圧縮した吸気ガスを内燃機関の燃焼室へと強制的に送り込んでいる。
【0003】
このように、過給機は排気ガスの持つエネルギを利用した過給を行って内燃機関の出力を向上させている。そのため過給機は、排気ガスのエネルギが不足する場合には、十分な過給能力を発揮できない。それにより、過給機付内燃機関においては、例えば、運転者がアクセルを踏み込んだ際に、過給機が始動するまでにある程度の時間的な遅れ、すなわち過給遅れ(以下、ターボラグと称する)が発生することがある。
【0004】
このターボラグの発生を抑制するために、例えば、内燃機関の加速負荷信号を受けた場合に、蓄圧器に蓄圧した圧縮空気を過給機のタービンまたはコンプレッサに供給して過給機の駆動をアシストする技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】実開昭61−186742号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に開示された技術では、過給機のタービンに圧縮空気を供給する場合には、圧縮空気により燃焼室からの排気ガスが冷却されるおそれがある。この場合、排気ガスのエネルギが低下することから、過給機のターボラグ抑制効果が低下する。
【0007】
本発明は、ターボラグを抑制することができる内燃機関を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る内燃機関は、内燃機関と、内燃機関の排気ガスが駆動側に供給されることにより駆動し、供給された排気ガスを下流に排出する過給機と、過給機の下流に排出された排気ガスの熱により加熱されたアシストガスを過給機の駆動側に供給することにより過給機の駆動をアシストするアシスト手段と、内燃機関の負荷が増大するか否かを判定する判定手段と、内燃機関の負荷が増大すると判定手段により判定された場合に、過給機の駆動をアシストするようにアシスト手段を制御する制御手段と、を備えることを特徴とするものである。本発明に係る内燃機関によれば、内燃機関の負荷が増大すると判定手段により判定された場合には、制御手段は過給機の駆動をアシストするようにアシスト手段を制御する。それにより、内燃機関のターボラグを抑制することができる。また、アシストガスは、排気ガスの熱により加熱されている。それにより、アシストガスの供給による排気ガスのエネルギ低下が抑制される。
【0009】
上記構成において、アシスト手段は、アシストガスを貯える貯気タンクを備えていてもよい。上記構成において、アシスト手段は、貯気タンク内のアシストガスを過給機の下流に排出された排気ガスの熱により加熱する熱交換器をさらに備えていてもよい。この構成によれば、貯気タンク内のアシストガスの圧力は、加熱されることにより高くなる。それにより、アシストガスのアシスト効率が高くなる。また、排気ガスの熱量が貯気タンク内のアシストガスにより回収されることから、貯気タンクは排気ガスの排熱回収手段としての機能も有する。この場合、内燃機関の熱効率が高くなり、内燃機関のCO2排出量が低減される。
【0010】
上記構成において、過給機の下流に設けられ、過給機の下流に排出された排気ガスを浄化する排気ガス浄化触媒をさらに備え、アシスト手段は、排気ガス浄化触媒により浄化された排気ガスを過給機の駆動側に供給することにより過給機の駆動をアシストしてもよい。この構成によれば、過給機からの排気ガス温度は、排気ガス浄化触媒での排気ガス浄化反応により上昇する。それにより、アシストガスのエネルギを増加することができる。
【0011】
上記構成において、アシストガスは空気であってもよい。上記構成において、アシストガスは水蒸気であり、アシスト手段は、水を過給機の下流に排出された排気ガスの熱により水蒸気にする熱交換器と水蒸気を貯える貯気タンクとを備えていてもよい。アシストガスとして水蒸気を用いた場合には、水の顕熱量および潜熱量は、それぞれ空気の顕熱量および潜熱量に比較して大きいことから、アシストガスとして空気を用いた場合に比較して内燃機関の排熱回収効率が向上する。それにより、内燃機関の熱効率が向上し、内燃機関のCO2排出量が低減する。さらに、水蒸気の定圧比熱は空気の定圧比熱に比較して大きいことから、アシストガスとして空気を用いた場合に比較して、小さい貯気タンクを用いても、同程度の温度およびエネルギ量のアシストガスを得ることができる。
【0012】
上記構成において、水は、過給機から排出される排気ガス中に含まれる水蒸気が冷却された凝縮水であってもよい。この構成によれば、外部からアシスト手段に水を補給する必要がなくなる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、ターボラグを抑制することができる内燃機関を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明を実施するための最良の形態を説明する。
【実施例1】
【0015】
図1は、第1実施例に係る内燃機関100の全体構成を示す模式図である。図1に示すように、内燃機関100は、内燃機関10、アクセル20、検出手段30、過給機40、排気ガス浄化触媒50、アシスト手段60およびECU70を備える。内燃機関10は、シリンダ(図示せず)内で空気と混合した燃料を爆発的に燃料させてピストン(図示せず)に往復運動を与える熱機関である。内燃機関10としては、特に限定されないが例えばガソリンエンジン、ディーゼルエンジン等を用いることができる。
【0016】
アクセル20は、内燃機関10の回転負荷を調整するための調整ペダルである。アクセル20は、内燃機関10のスロットル(図示せず)に接続されている。検出手段30は、内燃機関10の負荷が増大するか否かを検出する手段である。検出手段30としては、内燃機関10の負荷が増大するか否かを検出することができる手段であれば特に限定されない。本実施例においては、検出手段30はアクセル20に接続されており、アクセル開度センサ(図示せず)とアクセル開度速度センサ(図示せず)とを備える。アクセル開度センサは、アクセル20の開度を検出し、その検出結果をECU70に与える。アクセル開度速度センサはアクセル20の開度速度を検出し、その検出結果をECU70に与える。
【0017】
過給機40は、内燃機関10を過給するための過給機である。過給機40は、コンプレッサ42、タービン44およびコンプレッサ42とタービン44とを連結する回転軸46を備える。過給機40は、内燃機関10から排出される排気ガスが駆動側に供給されることにより駆動する。具体的には、排気ガスがタービン44に供給されることによりタービン44が回転する。タービン44が回転することにより、回転軸46を介してコンプレッサ42が回転する。コンプレッサ42が回転することにより、外部から取り込んだ空気がコンプレッサ42により圧縮されて、内燃機関10に供給される。それにより、内燃機関10を過給することができる。なお、過給機40のタービン44に供給された排気ガスは、タービン44を回転させた後には、過給機40の下流に排出される。
【0018】
排気ガス浄化触媒50は、過給機40から排出される排気ガスを浄化する触媒である。排気ガス浄化触媒50は、過給機40の下流に配置される。排気ガス浄化触媒50としては、特に限定されないが、例えばプラチナ等を使用した酸化還元触媒等を用いることができる。
【0019】
アシスト手段60は、過給機40の駆動をアシストする手段である。アシスト手段60は、空気ポンプ62、貯気タンク64、熱交換器66および供給弁68を備える。空気ポンプ62は、ECU70からの指示に従って、外部の空気を貯気タンク64に送風するポンプである。空気ポンプ62としては、空気を送風することができるポンプであれば、特に限定されない。
【0020】
貯気タンク64は、空気ポンプ62から送風された空気を貯えるタンクである。貯気タンク64としては、貯気タンク64内の気体が漏洩しない程度の機密性と耐圧性とを備えるものであれば特に限定されない。熱交換器66は、排気ガス浄化触媒50により浄化された排気ガスの熱を利用して貯気タンク64内の空気を加熱する熱交換器である。熱交換器66としては、熱交換機能を有するものであれば特に限定されない。本実施例においては、熱交換器66は貯気タンク64内に配置されている。
【0021】
供給弁68は、ECU70からの指示に従って、貯気タンク64内の空気を過給機40の駆動側に供給するための弁である。例えば、供給弁68は、ECU70からの指示に従って、貯気タンク64内の空気を過給機40のタービン44あるいは回転軸46に接続された補助タービン(図示せず)に供給する。供給弁68としては、特に限定されないが、例えば電磁弁等を用いることができる。
【0022】
ECU70は、図示しないCPU(中央演算処理装置)、図示しないROM(リードオンリメモリ)、図示しないRAM(ランダムアクセスメモリ)等を備える。ECU70は、検出手段30からの検出結果に基づいて、アシスト手段60の動作を制御する。
【0023】
次に、内燃機関100の動作について説明する。まず、内燃機関100が始動すると、内燃機関100は暖機運転を行う。この際、内燃機関10は高温の排気ガスを排出する。また、ECU70は、外部の空気が貯気タンク64に貯気されるように空気ポンプ62を制御する。この際、供給弁68は閉じている。
【0024】
内燃機関10から排出された排気ガスは、過給機40の駆動側に供給される。それにより、過給機40が稼動する。過給機40の下流に排出された排気ガスは、排気ガス浄化触媒50で浄化される。なお、排気ガス浄化触媒50の排気ガス浄化反応により排気ガスはさらに加熱される。排気ガス浄化触媒50の下流に排出された排気ガスは、アシスト手段60の貯気タンク64を通過して、外部へ排気される。排気ガスが貯気タンク64を通過する際には、排気ガスの熱は、熱交換器66を介して貯気タンク64内の空気に伝達される。それにより、貯気タンク64内の空気は加熱される。
【0025】
内燃機関100の暖機運転が終了すると、内燃機関100は通常運転を開始する。内燃機関100が通常運転を開始すると、ECU70は過給機40の駆動のアシストが行われるようにアシスト手段60を制御する。図2は、ECU70が過給機40の駆動をアシストする場合におけるフローチャートの一例を示す図である。まず、ECU70は、内燃機関10の負荷が増大するか否かを判定する(ステップS1)。例えば、ECU70は、検出手段30からアクセル開度センサおよびアクセル速度センサの値を受け取る。アクセル開度が大きくかつアクセル開度速度が大きいとECU70が判定した場合には、ECU70は、内燃機関10の負荷が増大すると判定する。
【0026】
ステップS1において内燃機関10の負荷が増大すると判定された場合には、ECU70は、過給機40の駆動がアシストされるようにアシスト手段60を制御する(ステップS2)。例えば、ECU70は、供給弁68が開かれるようにアシスト手段60を制御する。それにより、貯気タンク64内の加熱された空気が過給機40の駆動側に供給され、過給機40の駆動をアシストすることができる。すなわち、貯気タンク64内の加熱された空気は、過給機40の駆動をアシストするアシストガスとして機能する。
【0027】
一方、ステップS1において内燃機関10の負荷が増大すると判定されなかった場合には、ECU70はフローチャートの実行を終了する。
【0028】
本実施例に係る内燃機関100によれば、内燃機関10の負荷が増大すると判定された場合には、ECU70はアシストガスが過給機40の駆動側に供給されるようにアシスト手段60を制御する。それにより、内燃機関10のターボラグを抑制することができる。また、アシストガスは、排気ガスの熱により加熱されている。それにより、アシストガスの供給による排気ガスのエネルギ低下が抑制される。
【0029】
また、内燃機関100によれば、貯気タンク64内のアシストガスの圧力は、排気ガスにより加熱されることにより高くなる。それにより、空気ポンプ62の出力を大きくすることなしに、アシストガスの噴出速度を大きくすることができる。すなわち、アシストガスのアシスト効率が高くなる。また、内燃機関10から排出される排気ガスの熱量が貯気タンク64内のアシストガスにより回収されることから、貯気タンク64は排気ガスの排熱回収手段としての機能も有する。この場合、内燃機関10の熱効率が高くなり、内燃機関10のCO2排出量が低減される。
【0030】
なお、貯気タンク64および熱交換器66は、過給機40の下流に配置されているのであれば、排気ガス浄化触媒50の下流に配置されていなくてもよい。しかしながら、過給機40からの排気ガス温度は、排気ガス浄化触媒50での排気ガス浄化反応により上昇する。そのため、排気ガス浄化触媒50の下流に貯気タンク64および熱交換器66を配置することによりアシストガスのエネルギをより高めることができる。
【実施例2】
【0031】
続いて、本発明の第2実施例に係る内燃機関100aについて説明する。図3は、第2実施例に係る内燃機関100aの全体構成を示す模式図である。図3に示す内燃機関100aは、アシスト手段60の代わりにアシスト手段60aを備えている点において、図1に示す内燃機関100と異なる。図3に示すアシスト手段60aは、空気ポンプ62の代わりに水ポンプ62aを備える点および水タンク69をさらに備える点において、図1のアシスト手段60と異なる。その他の構成は、図1に示す内燃機関100と同様のため説明を省略する。
【0032】
水ポンプ62aは、水タンク69に貯えられた水を貯気タンク64に送水するポンプである。水ポンプ62aとしては、水を送水することができるものであれば特に限定されない。水タンク69は、外部から供給される水を貯えるタンクである。水タンク69は、水を貯えることができるものであれば特に限定されない。
【0033】
次に、内燃機関100aの動作について説明する。まず、内燃機関100aが始動すると、内燃機関10は暖機運転を行う。この際、内燃機関10は高温の排気ガスを排出する。また、ECU70は、水タンク69内の水が貯気タンク64に送水されるように水ポンプ62aを制御する。この際、供給弁68は閉じている。
【0034】
内燃機関10から排出された排気ガスは、過給機40を駆動させた後、排気ガス浄化触媒50で浄化されて貯気タンク64を通過して、外部へ排気される。排気ガスが貯気タンク64を通過する際には、排気ガスの熱は、熱交換器66を介して貯気タンク64内に送水された水に伝達される。それにより、貯気タンク64内に送水された水は水蒸気になる。この水蒸気は、貯気タンク64に貯気される。
【0035】
暖機運転が終了すると、内燃機関100aは通常運転を開始する。内燃機関100aが通常運転を開始すると、ECU70は内燃機関10の負荷が増大するか否かを判定する。例えば、ECU70は、検出手段30からアクセル開度センサとアクセル速度センサとの値を受け取る。アクセル開度が大きくかつアクセル開度速度が大きいとECU70が判定した場合には、ECU70は内燃機関10の負荷が増大すると判定する。
【0036】
ECU70が内燃機関の負荷が増大すると判定した場合には、ECU70は供給弁68を開くように制御する。それにより、貯気タンク64内の加熱された水蒸気が過給機40の駆動側に供給され、過給機40の駆動をアシストすることができる。すなわち、貯気タンク64内の加熱された水蒸気は、過給機40の駆動をアシストするアシストガスとして機能する。
【0037】
本実施例に係る内燃機関100aによれば、内燃機関10の負荷が増大すると判定された場合には、ECU70はアシストガスが過給機40の駆動側に供給されるようにアシスト手段60を制御する。それにより、内燃機関10のターボラグを抑制することができる。また、アシストガスは、排気ガスの熱により加熱されている。それにより、アシストガスの供給による排気ガスのエネルギ低下が抑制される。
【0038】
また、水の顕熱量および潜熱量は、それぞれ空気の顕熱量および潜熱量に比較して大きい。それにより、図3に示す内燃機関100aの排熱回収効率は、図1に示す内燃機関100に比較して大きくなる。この場合、内燃機関10の熱効率が向上し、内燃機関10のCO2排出量が低減される。さらに、水蒸気の定圧比熱は空気の定圧比熱に比較して大きい。それにより、図3に示す内燃機関100aにおいては、図1に示す内燃機関100の場合に比較して、小さい貯気タンク64を用いても、同程度の温度およびエネルギ量のアシストガスを得ることができる。また、水ポンプ62aは空気ポンプ62に比較して小型のものを用いることができる。それにより、アシスト手段60aの車両搭載性が高くなる。
【0039】
(変形例1)
また、水タンク69に貯えられた水としては、排気ガス浄化触媒50から排出される排気ガス中に含まれる水蒸気が冷却された凝縮水を用いてもよい。図4は、実施例2の変形例1に係る内燃機関100bの全体構成を示す模式図である。図4に示す内燃機関100bは、アシスト手段60aの代わりにアシスト手段60bを備えている点において、図3に示す内燃機関100aと異なる。図4に示すアシスト手段60bは、水タンク69の代わりに凝縮水タンク69aを備える点において、図3に示すアシスト手段60aと異なる。また、図4に示すアシスト手段60bは、排気ガス浄化触媒50からの排気ガスが凝縮水タンク69a内を通過する点において、図3に示すアシスト手段60aと異なる。その他の構成は、図3に示す内燃機関100aと同様のため説明を省略する。
【0040】
凝縮水タンク69aは、排気ガス浄化触媒50からの排気ガス中に含まれる水蒸気を冷却して凝縮する機能と凝縮された凝縮水を貯える機能とを有する。凝縮水タンク69aに貯えられた凝縮水は、水ポンプ62aにより貯気タンク64に送水される。貯気タンク64に送水された凝縮水は、熱交換器66により加熱されて水蒸気となり、貯気タンク64内に貯気されて、アシストガスとして利用される。
【0041】
本変形例に係る内燃機関100bにおいても、内燃機関10の負荷が増大すると判定された場合には、ECU70はアシストガスが過給機40の駆動側に供給されるようにアシスト手段60を制御する。それにより、内燃機関10のターボラグを抑制することができる。また、アシストガスは、排気ガスの熱により加熱されている。それにより、アシストガスの供給による排気ガスのエネルギ低下が抑制される。
【0042】
さらに、本変形例に係る内燃機関100bによれば、排気ガス中に含まれる凝縮水をアシストガスに利用している。それにより、図3に示す内燃機関100aのように水タンク69に水を補給する必要がなくなる。
【0043】
実施例1、実施例2および変形例1において、ECU70が制御手段および判定手段に相当する。
【0044】
以上本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明はかかる特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の第1実施例に係る内燃機関の全体構成を示す模式図である。
【図2】第1実施例に係る制御手段が過給機の駆動をアシストする場合におけるフローチャートの一例を示す図である。
【図3】第2実施例に係る内燃機関の全体構成を示す模式図である。
【図4】第2実施例に係る変形例1に係る内燃機関の全体構成を示す模式図である。
【符号の説明】
【0046】
10 内燃機関
20 アクセル
30 検出手段
40 過給機
50 排気ガス浄化触媒
60 アシスト手段
62 空気ポンプ
64 貯気タンク
66 熱交換器
68 供給弁
69 水タンク
70 ECU
100,100a,100b 内燃機関
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内燃機関と、
前記内燃機関の排気ガスが駆動側に供給されることにより駆動し、前記供給された排気ガスを下流に排出する過給機と、
前記過給機の下流に排出された排気ガスの熱により加熱されたアシストガスを前記過給機の駆動側に供給することにより前記過給機の駆動をアシストするアシスト手段と、
前記内燃機関の負荷が増大するか否かを判定する判定手段と、
前記内燃機関の負荷が増大すると前記判定手段により判定された場合に、前記過給機の駆動をアシストするように前記アシスト手段を制御する制御手段と、を備えることを特徴とする内燃機関。
【請求項2】
前記アシスト手段は、前記アシストガスを貯える貯気タンクを備えることを特徴とする請求項1記載の内燃機関。
【請求項3】
前記アシスト手段は、前記貯気タンク内のアシストガスを前記過給機の下流に排出された排気ガスの熱により加熱する熱交換器をさらに備えることを特徴とする請求項2記載の内燃機関。
【請求項4】
前記過給機の下流に設けられ、前記過給機の下流に排出された排気ガスを浄化する排気ガス浄化触媒をさらに備え、
前記アシスト手段は、前記排気ガス浄化触媒により浄化された排気ガスを前記過給機の駆動側に供給することにより前記過給機の駆動をアシストすることを特徴とする請求項1記載の内燃機関。
【請求項5】
前記アシストガスは空気であることを特徴とする請求項1記載の内燃機関。
【請求項6】
前記アシストガスは水蒸気であり、
前記アシスト手段は、水を前記過給機の下流に排出された排気ガスの熱により前記水蒸気にする熱交換器と前記水蒸気を貯える貯気タンクとを備えることを特徴とする請求項1記載の内燃機関。
【請求項7】
前記水は、前記過給機から排出される排気ガス中に含まれる水蒸気が冷却された凝縮水であることを特徴とする請求項6記載の内燃機関。
【請求項1】
内燃機関と、
前記内燃機関の排気ガスが駆動側に供給されることにより駆動し、前記供給された排気ガスを下流に排出する過給機と、
前記過給機の下流に排出された排気ガスの熱により加熱されたアシストガスを前記過給機の駆動側に供給することにより前記過給機の駆動をアシストするアシスト手段と、
前記内燃機関の負荷が増大するか否かを判定する判定手段と、
前記内燃機関の負荷が増大すると前記判定手段により判定された場合に、前記過給機の駆動をアシストするように前記アシスト手段を制御する制御手段と、を備えることを特徴とする内燃機関。
【請求項2】
前記アシスト手段は、前記アシストガスを貯える貯気タンクを備えることを特徴とする請求項1記載の内燃機関。
【請求項3】
前記アシスト手段は、前記貯気タンク内のアシストガスを前記過給機の下流に排出された排気ガスの熱により加熱する熱交換器をさらに備えることを特徴とする請求項2記載の内燃機関。
【請求項4】
前記過給機の下流に設けられ、前記過給機の下流に排出された排気ガスを浄化する排気ガス浄化触媒をさらに備え、
前記アシスト手段は、前記排気ガス浄化触媒により浄化された排気ガスを前記過給機の駆動側に供給することにより前記過給機の駆動をアシストすることを特徴とする請求項1記載の内燃機関。
【請求項5】
前記アシストガスは空気であることを特徴とする請求項1記載の内燃機関。
【請求項6】
前記アシストガスは水蒸気であり、
前記アシスト手段は、水を前記過給機の下流に排出された排気ガスの熱により前記水蒸気にする熱交換器と前記水蒸気を貯える貯気タンクとを備えることを特徴とする請求項1記載の内燃機関。
【請求項7】
前記水は、前記過給機から排出される排気ガス中に含まれる水蒸気が冷却された凝縮水であることを特徴とする請求項6記載の内燃機関。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図2】
【図3】
【図4】
【公開番号】特開2008−286093(P2008−286093A)
【公開日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−131439(P2007−131439)
【出願日】平成19年5月17日(2007.5.17)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年5月17日(2007.5.17)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】
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