内視鏡装置
【課題】操作部にモニタを設けたとしても、操作部の重量を重くすることのない内視鏡装置を提供する。
【解決手段】内視鏡装置1は、挿入部11と、操作部12と、操作部12にケーブル17により接続された本体装置13とを有する。内視鏡装置1は、操作部12に対して着脱可能なサブ表示部15と、本体装置13に設けられ、撮像信号を映像信号に変換するカメラコントロールユニット31と、カメラコントロールユニット31の出力側に設けられ、カメラコントロールユニット31において変換された映像信号をシリアル信号の形式で送信するパラレルシリアル変換部46と、サブ表示部15の入力側に設けられ、シリアル信号の形式の映像信号をパラレル信号の形式の映像信号に変換してサブ表示部15に供給するシリアルパラレル変換部60と、本体装置13とサブ表示部15とを接続するケーブル58とを有する。
【解決手段】内視鏡装置1は、挿入部11と、操作部12と、操作部12にケーブル17により接続された本体装置13とを有する。内視鏡装置1は、操作部12に対して着脱可能なサブ表示部15と、本体装置13に設けられ、撮像信号を映像信号に変換するカメラコントロールユニット31と、カメラコントロールユニット31の出力側に設けられ、カメラコントロールユニット31において変換された映像信号をシリアル信号の形式で送信するパラレルシリアル変換部46と、サブ表示部15の入力側に設けられ、シリアル信号の形式の映像信号をパラレル信号の形式の映像信号に変換してサブ表示部15に供給するシリアルパラレル変換部60と、本体装置13とサブ表示部15とを接続するケーブル58とを有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内視鏡装置に関し、特に、操作部に表示部を有することの可能な内視鏡装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、内視鏡装置は、工業分野、医療分野等で広く使われている。内視鏡装置は、工業分野であれば、ボイラ、タービン、エンジン、化学プラント等の各種プラントの各種機器における、損傷、腐食等の観察、検査等に利用され、医療分野では、体腔内の各種臓器の観察、検査、処置等に利用されている。内視鏡装置は、一般に、観察画像を、動画あるいは静止画の電子データとしての記録する機能を有する。
特に、工業分野の場合、内視鏡装置は、プラントの現場に持ち込まれ、検査すべき装置の近傍で使用される。ユーザ、ここでは検査者であるエンジニアは、内視鏡装置の、細長い挿入部を機器内に挿入し、モニタに表示された被検体の検査対象部位の画像を観ながら検査をする。
【0003】
また、工業用の内視鏡装置の挿入部は、非常に長いため、検査対象によっては、挿入部の挿入操作と湾曲部の湾曲操作を行う者と、本体部で記録操作、画像処理操作、計測処理操等を行う者の2名で、それぞれの作業を分担して検査を行う場合がある。
【0004】
また、一人で観察しながら、挿入操作等を行えるように、操作部にモニタを設けた製品も開発されて製品化されている。
さらに、モニタとカメラコントロールユニットとの間で、シリアル伝送により映像信号を伝送する技術が提案されている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2003-125279号公報
【特許文献2】特開平10-75440号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、2名で検査を分担して行うような場合、モニタが内視鏡装置1台に対して一つしかないと、分担して検査を行う上で効率が良いとはいえなかった。
【0006】
また、1名で観察しながら、挿入操作等を行えるように、操作部にモニタを設けた製品も開発されて製品化されているが、操作部にモニタを設けると、操作部が重くなり、内視鏡装置の操作性が悪くなるという問題がある。特に、長時間にわたり操作部を把持していると、操作部が重いため、検査者(ユーザ)にとっては、疲労感が大きくなり、検査作業がスムーズに行い難くなってしまう。
【0007】
本発明は、以上の問題に鑑みてなされたものであり、操作部にモニタを設けたとしても、操作部の重量を重くすることのない内視鏡装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の内視鏡装置は、挿入部と、該挿入部が延出する操作部と、該操作部に第1のケーブルにより接続された本体装置と、前記挿入部先端で得られた被検体像を撮像信号に変換する撮像素子とを有する内視鏡装置において、前記操作部に対して着脱可能なあるいは固定された表示部と、前記本体装置に設けられ、前記挿入部の先端部に設けられた撮像素子からの撮像信号に基づく映像を前記表示部に表示するために、前記撮像信号を映像信号に変換する撮像信号処理部と、前記本体装置の撮像信号処理部の出力側に設けられ、前記撮像信号処理部において変換された前記映像信号をシリアル信号の形式で送信する送信部と、前記表示部の入力側に設けられ、シリアル信号の形式の映像信号をパラレル信号の形式の映像信号に変換して前記表示部に供給するシリアルパラレル変換部と、前記表示部へ前記シリアル信号の形式の映像信号を供給するために、前記本体装置と前記表示部とを接続する信号ケーブルとを有する。
【0009】
本発明の内視鏡装置は、挿入部と、該挿入部が延出する本体装置と、該本体装置に第1のケーブルにより接続された操作部と、前記挿入部先端で得た被検体像を撮像信号に変換する撮像素子とを有する内視鏡装置において、前記操作部に対して着脱可能なあるいは固定された表示部と、前記本体装置に設けられ、前記撮像素子からの撮像信号に基づく映像を前記表示部に表示するために、前記撮像信号を映像信号に変換する撮像信号処理部と、前記本体装置の撮像信号処理部の出力側に設けられ、前記撮像信号処理部において変換された前記映像信号をシリアル信号の形式で送信する送信部と、前記表示部の入力側に設けられ、シリアル信号の形式の映像信号をパラレル信号の形式の映像信号に変換して前記表示部に供給するシリアルパラレル変換部と、前記表示部へ前記シリアル信号の形式の映像信号を供給するために、前記本体装置と前記表示部とを接続する信号ケーブルとを有する。
【発明の効果】
【0010】
本発明の内視鏡装置によれば、操作部にモニタを設けたとしても、操作部の重量を重くすることがない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、図面を用いて、本発明の実施の形態を説明する。
(構成)
図1は、本発明の実施の形態に係わる内視鏡装置1の構成を説明するための構成図である。内視鏡装置1は、挿入部11と、挿入部11の一端が固定されている操作部12と、装置本体としてのメインユニット13と、液晶表示装置(以下、LCDと略す)を有する、メイン表示部14と、LCDを有する、サブ表示ユニットとしてのサブ表示部15と、そのサブ表示部15への映像信号を出力するサブ表示部用映像信号処理ユニット(以下、サブユニットという)16とを含んで構成されている。操作部11とメインユニット13とは、ユニバーサルケーブル17によって接続されている。サブユニット16は、メインユニット13とは別体で、かつメインユニット13に対して図示しない接続用部材により着脱可能になっており、後述するようにコネクタにより電気的に接続されている。また、本体装置用表示部であるメイン表示部14は、メインユニット13に対して、着脱可能に設けられていてもよいし、固定されていてもよい。
【0012】
操作部12から延出した挿入部11は、先端部に、CCD、CMOSセンサ等の撮像素子21と、照明手段としてのLED22が設けられている。また、挿入部11の先端部には、図示しない湾曲部が設けられており、ユーザは、操作部12の所定の操作ボタン等を操作することによって、挿入部11の撮像方向を変更するように、湾曲部を湾曲させることができる。
【0013】
操作部12には、湾曲部の湾曲動作をさせるための駆動手段としての湾曲モータ23が設けられている。湾曲モータ23の軸の回転動作が、湾曲動作のために湾曲用ワイヤ24の牽引及び弛緩の動作に変換されることによって、湾曲部の湾曲動作が行われる。操作部12には、他の動作のための種々の操作ボタン等が設けられている。
【0014】
さらに、操作部11には、着脱可能に、ここでは着脱自在にサブ表示部15が取り付けられている。操作部11には、例えば、固定用の係止部を有する雲台、磁石等の着脱用部材18が設けられており、ユーザは、サブ表示部15をその着脱用部材18に取り付けたり、外したりすることができる。
【0015】
サブ表示部15には、メイン表示部14のLCDパネルよりも小型でかつ軽量のLCDパネル(図示せず)が内蔵され、サブ表示部15は、コントロールハンドル部としての操作部12に、後付け、すなわち外付けされる。図示しないLCDパネルは、LCDを含み、デジタルのRGBの映像信号を入力して、映像を表示するパネルである。
【0016】
ユニバーサルケーブル17には、撮像素子21に駆動信号を供給するための信号線、撮像素子21からの撮像信号を伝送するための信号線、さらにLED22に駆動信号を供給するための信号線、さらに、湾曲モータ23への電力供給のための電源線等を含んでいる。
【0017】
メインユニット13は、カメラコントロールユニット(以下、CCUという)31と、映像信号の記録及び再生を行うための記録再生部32とを含む。撮像信号処理部としてのCCU31は、撮像素子21からの撮像信号を受信するCDS及びAGCの回路を含む、CDS/AGC回路部33と、CDS/AGC回路部33からの撮像信号を処理するためのDSP(デジタルシグナルプロセッサ)34とを有する。CCU31は、撮像信号を映像信号に変換する。さらに、記録再生部32は、DSP34からの映像信号を受信するデコーダとしてのA/D変換部35と、フレームメモリ36と、エンコーダとしてのD/A変換部37と、中央処理装置(以下、CPUという)38と、JPEGコントローラ39と、メモリカード等の記録媒体40を装着するためのスロット41とを有する。A/D変換部35、フレームメモリ36、D/A変換部37、CPU38及びJPEGコントローラ39は、互いにバス32Aによって接続されている。
【0018】
全体としては、記録再生部32のCPU38は、図示しない記憶装置に記憶されたプログラム及びデータを用いて、DSP34からの映像信号を、A/D変換部35を介して受信して、フレームメモリ36に記憶し、フレームメモリ36に記憶された映像信号をエンコーダ37を介してメイン表示部14と、サブユニット16へ出力する等の処理を実行することができる。すなわち、記録再生部32の出力であるアナログのY/C信号は、2つに分岐されて、一方は、本体装置用表示部である主観察用のメイン表示部14へ、他方は、サブユニット16へ供給される。
【0019】
また、CPU38は、記録媒体40へ静止画を記録し、あるいは記録媒体40に記憶された静止画のデータを読み出す等の処理を、JPEGコントローラ39に行わせる等の処理も実行させることができる。CPU38は、他の処理も実行可能であるが、CPU38の処理は、ユーザによる操作部12に対する操作等により、指示されて実行される。
【0020】
具体的には、撮像素子21からの撮像信号は、図示しない信号線を介してCCU31に入力される。CCU31は、入力された撮像信号に基づいて、標準的なテレビジョン信号であるY/C信号を生成して、記録再生部32に出力する。
【0021】
記録再生部32では、入力されたY/C信号に対して、種々の画像処理を施す。また、記録再生部32では、JPEG形式での画像データの記録及び再生、メニュー表示、画像計測等の処理も行われる。よって、記録再生部32は、メニュー表示、計測結果表示等の処理に加えて、文字入力などのための表示処理も行う。
【0022】
メイン表示部14は、メイン表示ユニット42と、デコーダ、スケーリング部等の回路を有する映像信号処理回路43とを含む。映像信号処理回路43のデコーダは、A/D変換、Y/C信号をRGB信号に変換する回路であり、映像信号処理回路43のスケーリング部は、接続されたメイン表示ユニット42のLCDの解像度、あるいは画素数に応じて、映像データの間引き、拡大補間等の処理を行う回路である。よって、メイン表示ユニット42は、LCDを有して、メインユニット13の出力信号を受信する映像信号処理回路43からの映像信号に基づく映像をLCDに表示することができる。
【0023】
サブユニット16は、A/D変換回路と、Y/C信号をRGB信号に変換する変換回路とを有するデコーダ44と、デコーダ44からの映像信号について、スケーリング処理を行うスケーリング回路等のスケーリング部45と、スケーリング部45からの映像信号をシリアル信号に変換するパラレルシリアル変換部46と含む、サブ表示部用の映像信号処理回路47を含む。デコーダ44では、記録再生部32からの出力信号がA/D変換され、さらにY/C信号がRGB信号に変換される。
【0024】
スケーリング部45では、デコーダ44の出力信号が入力され、接続されたサブ表示部15のLCDの解像度すなわち画素数に合わせて、映像データの間引き、あるいは拡大補間の処理が行われる。送信部としてのパラレルシリアル変換部46では、スケーリング部45からの出力信号を入力して、LVDS(Low Voltage Differential Signaling)等の所定のデジタルのシリアル信号の形式の映像信号に変換して、ケーブル58を介してサブ表示部15に送信する。
【0025】
なお、サブ表示部15の大きさ、画素数等は、検査対象或いは検査環境に応じて適したものに適宜変更可能な構成であることが好ましいので、例えば、モニタの解像度を入力あるいは検出する手段を設けることによって、モニタの解像度に対応する操作部12あるいはCPU38からの切替信号に応じて、スケーリング部45が、映像データの間引き、あるいは拡大補間の処理を行うようにしてもよい。
【0026】
例えば、メイン表示部14のLCDパネルの解像度が1024×768の解像度で、サブ表示部15のLCDパネルの解像度が640×480の解像度であれば、各映像信号処理回路43,47のスケーリング部では、それぞれのLCDパネルに応じた解像度の変換処理を行う。
【0027】
また、サブユニット16は、サブ表示部15への電力供給のための電源48を有する。その電力は、LCDのバックライト、回路用の電源として利用される。スケーリング部45は、サブ表示部15の解像度に応じた画像のサイズに変換する処理部であり、スケーリング処理を行う。
【0028】
メインユニット13とメイン表示部14とは、それぞれに設けられたコネクタ51と52に接続されたケーブル53によって接続されている。映像信号であるY/C信号が、ケーブル53を介して、メインユニット13からメイン表示部14へ供給される。
【0029】
メインユニット13とサブユニット16とは、図示しない固定部材により、着脱自在に接続されている。また、映像信号であるY/C信号が、コネクタ54と55を介して、メインユニット13からサブユニット16へ供給される。
【0030】
メインユニット13、メイン表示部14及びサブユニット16の電源は、図示しない電源からそれぞれに供給されている。
【0031】
サブ表示部15とサブユニット16とは、それぞれに設けられたコネクタ56と57に接続されたケーブル58によって接続されている。映像信号であるY/C信号が、ケーブル58を介して、メインユニット13からサブ表示部15へ供給され、かつサブ表示部15へ電力も、ケーブル58を介して、メインユニット13からサブ表示部15へ供給される。すなわち、ケーブル58は、映像信号を供給するための信号ケーブルとしての信号線と、電源供給のための電力線を含む複合ケーブルである。
【0032】
サブ表示部15は、操作部12に着脱自在に取り付けられる。サブ表示部15が操作部12に取り付けられたときに、ケーブル58をユニバーサルケーブル17に沿って這わせるために、ユニバーサルケーブル17には、ユニバーサルケーブル17の軸方向に沿って、所定の間隔を持って配置されたフック等の固定部材59が設けられている。
【0033】
これは、固定部材59がないと、2mから3mあるケーブル58がメインユニット13と操作部12の間で垂れ下がり、ケーブル58がユーザの内視鏡操作の障害になるのを防止するためである。
【0034】
従って、ユーザは、サブ表示部15を操作部12に取り付けたときには、固定部材59であるフックにケーブル58を引っ掛けることにより、ケーブル58をユニバーサルケーブルに対して固定することができる。また、ユーザは、サブ表示部15を操作部12から取り外すときには、固定部材59であるフック等からケーブル58を外す。このようにして、サブ表示15を用いるときであっても、ケーブル58は、ユニバーサルケーブル17と一体となるので、内視鏡装置1のユーザにとって、検査をするときにケーブル58が邪魔になることがない。
【0035】
さらに、サブ表示部15は、シリアルパラレル変換部60を内蔵している。すなわち、シリアルパラレル変換部60は、ケーブル59を介してサブユニット16から供給される、LVDS等の規格に沿った所定のシリアル信号の形式のRGBの映像信号をパラレル信号の形式の映像信号に変換する。すなわち、シリアルパラレル変換部60は、パラレルシリアル変換部46の行った変換の逆変換を行う回路である。シリアルパラレル変換部60のRGBの出力信号は、図示しないLCDパネルに供給されて、LCDパネルは映像を表示する。
【0036】
(動作)
内視鏡装置1のユーザは、内視鏡装置1の挿入部11と操作部12を把持しながら、メイン表示部14のLCDに表示された内視鏡画像を見ながら、被検体の検査等を行うことができる。
【0037】
しかし、メイン表示部14に表示された内視鏡画像を見にくい状況においては、ユーザは、操作部12にサブ表示部15を取り付け、そのサブ表示部14のLCDに表示された内視鏡画像を見ながら、被検体の検査等を行うことができる。
【0038】
内視鏡検査において、ユニバーサルケーブル17によっては、操作部12とメインユニット13との距離が、例えば2mから3mになる場合がある。ユニバーサルケーブル17は太くなればなるほど、重くなる。ユニバーサルケーブル17が重くなると、内視鏡装置1の操作性を悪化させるので、ユニバーサルケーブル17は、軽い方が好ましい。
【0039】
本実施の形態では、サブ表示部15は、操作部12に対して着脱可能になっているので、サブ表示部15を使用しない場合は、従来と同じ重量の操作部とユニバーサルケーブルを把持するので、内視鏡装置1の操作性の低下はない。
また、サブ表示部15を使用する場合であっても、サブ表示部15とサブユニット16とは、映像信号がシリアル伝送されるケーブル58によって接続されている。そして、映像信号処理回路47において、信号処理された映像信号がサブ表示部15に供給されるので、サブ表示部15には、シリアルパラレル変換部60があるだけで、映像信号処理回路47におけるデコーダ等がないので、サブ表示部15の重量増加も極めて少ない。特に、シリアルパラレル変換部60を、1チップの半導体装置で実現すれば、さらなる軽量化、及び小型化を実現することができる。
【0040】
さらに、サブ表示部15には、記録再生部32を介した映像信号が供給されるので、サブ表示部15には、メニュー表示、画像計測画面等の、種々の情報が付加あるいは重畳された画像が表示される。
【0041】
また、サブ表示部15とサブユニット16とを接続するケーブル58には、電源線も含まれているので、操作部12とユニバーサルケーブル17の構成は、従来の内視鏡装置と同様でよいので、内視鏡装置1のメインユニット13の回路変更等は不要である。
【0042】
さらに、ケーブル58は、電源線とシリアル信号を伝送する信号線のみを有するので、パラレル信号を伝送する信号線を有する場合に比べて、ケーブルの太さも細くなる。よって、フック等の固定部材59にケーブル58を引っ掛けても、重量増も少ないので、操作性もよい。
【0043】
例えば、スケーリング部45の出力信号をそのままパラレル信号の形で伝送するケーブルにすると、RGBの3原色で、各色が6ビットであれば、ケーブルは、色信号用に18本の信号線が必要であり、さらに、それぞれの同期信号の信号線も必要なため、計20本以上の信号線を含むことになる。さらに、パラレル信号の信号線の場合、信号線が長くなると、信号波形の劣化による画質の低下、さらにEMC性能の低下等の問題も生じる。
【0044】
これに対して、本実施の形態では、映像信号は、LVDS等のデジタルシリアル伝送により伝送されるため、信号線の数の増加も抑えられ、かつ信号波形の劣化による画質の低下を防止し、さらにEMC性能の低下も防ぐことができる。
【0045】
さらに、本実施の形態によれば、メインユニット13とサブユニット16とは着脱自在になっているので、サブ表示部15を使用しない状況においては、内視鏡装置は、メインユニット13と、メイン表示部14と、挿入部11が延出した操作部12とから構成される装置となるので、構成も操作性も従来の内視鏡装置と変わらない。
【0046】
また、サブ表示部15が操作部12に設けられれば、メイン表示部14を不要にすることもできる。
【0047】
さらになお、サブ表示部15のLCDパネル自体が、シリアルパラレル変換部を内蔵しているパネルを利用するようにしてもよい。その場合、LCDパネルとは別体のシリアルパラレル変換部60は不要となり、シリアルパラレル変換部LVDS等のデジタルシリアル信号をLCDパネル等に直接入力して、LCDパネルに映像を表示させることができる。
【0048】
以上のように、本実施の形態によれば、操作部に表示部を設けて被検体の観察等を行う場合に、今までの内視鏡装置に大きな設計変更を施すこともなく、操作部の重量増が最小限に抑えられているので、ユーザは、その表示部を見ながらの挿入操作、湾曲操作等をスムーズに行うことができ、操作性がよい。
また、表示部自体も検査環境に応じて種々選択することもできる。
【0049】
(変形例)
なお、本実施の形態の変形例として、図2から図4のような構成でもよい。
【0050】
図2は、本実施の形態の第1の変形例の内視鏡装置1Aの構成を説明するための構成図である。図2において、図1と同じ構成要素については、同じ符号を付し説明は省略する。
【0051】
内視鏡装置1Aでは、サブ表示部15Aは操作部12Aに固定され、かつサブ表示部15Aは、シリアルパラレル変換部を有さず、代わりに操作部12A内にシリアルパラレル変換部60が内蔵されている。
【0052】
また、サブ表示部15Aと操作部12Aは、図示しないコネクタにより接続され、内視鏡装置1Aは、そのコネクタを介して、デジタルのRGB信号と電力が、操作部12Aからサブ表示部15Aに供給されるように構成されている。
【0053】
そのため、シリアル信号のための信号線58Aがユニバーサルケーブル17内に挿通され、シリアルパラレル変換部60に接続されている。
【0054】
なお、サブ表示部15Aに供給される電力は、操作部12Aに供給されている電力のための電力線を分岐することによって、供給され得る。通常、操作部12Aには、湾曲モータ23用及び図示しないLED駆動用に、5Vあるいは12Vの電源線がユニバーサルケーブル17には、挿通されている。その電源線が利用されるので、電源用のユニバーサルケーブル17内の電源線の数の増加はない。
【0055】
また、メインユニット13Aには、CCU31と、記録再生部32と、映像信号処理回路47とが内蔵されている。映像信号処理回路47のパラレルシリアル変換部46の出力は、信号線58Aを介してシリアルパラレル変換部60に供給される。
【0056】
以上のように、第1の変形例の内視鏡装置1Aによれば、操作部12Aにはシリアルパラレル変換部60が設けられ、メインユニット13Aにはパラレルシリアル変換部46が設けられているので、ユニバーサルケーブル17は、信号ケーブルである信号線58Aが挿通されても、太くなることがない。さらに、操作部12Aに固定されるサブ表示部15Aには、映像信号処理回路47において画像処理された映像信号が供給されるので、映像信号処理回路47の画像処理のための処理回路が不要となるので、サブ表示部15Aは、小型で軽量化を図ることができる。
【0057】
さらに、本変形例においても、映像信号は、LVDS等のデジタルシリアル伝送により伝送されるため、信号波形の劣化による画質の低下を防止し、さらにEMC性能の低下も防ぐことができる。
【0058】
次に、本実施の形態の他の変形例として、内視鏡装置は、図3のような構成でもよい。図3は、本実施の形態の第2の変形例の内視鏡装置1Bの構成を説明するための構成図である。図3において、図2と同じ構成要素については、同じ符号を付し説明は省略する。
【0059】
内視鏡装置1Bでは、操作部12Bにコネクタ等により接続されたサブ表示部15Bに内蔵されたLCDパネル自体が、LVDSの規格等のデジタル信号を直接入力できるパネルであるため、操作部12Bにシリアルパラレル変換部60が内蔵されていない。すなわち、サブ表示部15Bの表示パネル自体が、シリアルパラレル変換部を有している。従って、サブ表示部15Bが操作部12Bに取り付けられている場合であっても、操作部12Bの重量は、第1の変形例の操作部12Aよりもさらに軽量化及び小型化を図ることができる。よって、内視鏡装置1Bの操作性がよい。
【0060】
さらに、本実施の形態のさらなる他の変形例として、内視鏡装置は、図4のような構成でもよい。図4は、第3の変形例の内視鏡装置1Cを説明するための構成図である。図4において、図2と図3と同じ構成要素については、同じ符号を付し、説明は省略する。
【0061】
内視鏡装置1Cにおいて、メイン表示ユニット42Aは、内部にシリアルパラレル変換部(図示せず)を有している。
内視鏡装置1Cは、バス32Aに接続された2つのラインメモリ61,62を有する。ラインメモリ61には、パラレルシリアル変換部63が接続され、ラインメモリ62には、パラレルシリアル変換部46が接続されている。パラレルシリアル変換部46の出力は、サブ表示部15Bに接続され、パラレルシリアル変換部63の出力は、メイン表示部14のメイン表示ユニット42Aに接続されている。
【0062】
内視鏡装置1Cは、A/D変換部35においてアナログ信号をデジタル信号に変換した後、メイン表示部14とサブ表示部15Bまでの信号処理は、全てデジタル処理によるため、A/D変換及びD/A変換の繰り返しによる信号の劣化を防ぐように構成されている。
【0063】
さらに、解像度の異なるメイン表示ユニット42Aとサブ表示部15Bに対するスケーリング処理を、同じスケーリング部45において行うようにしたため、メイン表示ユニット42Aとサブ表示部15Bのそれぞれにスケーリング部を設ける必要がなくなり、スケーリング部の削減をしている。
【0064】
図5は、フレームメモリ36の構成例を説明するための図である。図6は、フレームメモリ36A、36Bの構成例を説明するための図である。図7は、図4の内視鏡装置1Cの処理の流れの例を説明するためのフローチャートである。
【0065】
内視鏡装置1Cにおいて、A/D変換部35においてデジタル化された画像データは、フレームメモリ36に保存される。そして、フレームメモリ36の内部は、図5に示すように、フレームメモリ領域36Aと36Bに分けられており、画像データはフレームメモリ領域36Aと36Bの両方に書き込まれる。
【0066】
図7に沿って説明すると、まずフレームメモリ36Aに記憶された画像データの先頭の1ライン分のデータを読み出し(ステップS11)、読み出したデータは、スケーリング部45に伝送される。
【0067】
スケーリング部45は、メイン表示ユニット42Aの解像度に従ってスケーリング処理すなわちスケーリング変換を行う(ステップS12)。スケーリング変換された画像データは、ラインメモリ61に書き込まれる(ステップS13)。
【0068】
次に、再びフレームメモリ36Aに記憶された画像データの先頭の1ライン分のデータが読み出され(ステップS14)、読み出したデータは、スケーリング部45に伝送される。
【0069】
スケーリング部45は、サブ表示部15Bの解像度に従ってスケーリング処理すなわちスケーリング変換を行う(ステップS15)。スケーリング変換された画像データは、ラインメモリ62に書き込まれる(ステップS16)。
【0070】
そして、ラインメモリ61と62から、それぞれ同時にデータが読み出され(ステップS17)、パラレルシリアル変換部63と46に伝送され、シリアル化される(ステップS18,S19)。
【0071】
パラレルシリアル変換部63においてシリアル化されたデータは、メイン表示ユニット42Aに伝送される。また、パラレルシリアル変換部46においてシリアル化されたデータは、サブ表示部15Bに伝送される。
【0072】
以上の処理を、画像データの各ラインについて行われ、画像データの各ラインのデータがシリアルデータとして、メイン表示ユニット42Aとサブ表示部15Bに伝送される。
【0073】
その結果、メイン表示部14では、シリアルパラレル変換後、メイン表示部14の解像度にあった画像データが表示され(ステップS20)、サブ表示部15Bでは、シリアルパラレル変換後、サブ表示部15Bの解像度にあった画像データが表示される(ステップS21)。
【0074】
以上のような構成の第3の変形例によれば、サブ表示部15Bの小型化、及び軽量化だけでんかう、本体部13Aの小型化と軽量化を実現することができる。
【0075】
なお、第1、第2及び第3の変形例に係る内視鏡装置においても、サブ表示部が操作部に設けられれば、メイン表示部14を不要にすることもできる。
【0076】
さらになお、第1、第2及び第3の変形例に係る内視鏡装置においても、サブ表示部は、操作部に対して、固定部材により固定されても、あるいは着脱用部材により着脱可能に取り付けられるようにしてもよい。
【0077】
また、第1、第2及び第3の変形例に係る内視鏡装置においても、メインユニット13Aは、図1のようなメインユニット13とサブユニット16のような分離型にしてもよい。
【0078】
さらにまた、第1、第2及び第3の変形例に係る内視鏡装置においても、サブ表示部用の電源線を、操作部の湾曲モータ23等のための電源線とは別に設けて、ユニバーサルケーブル17内に挿通して、サブ表示部に供給するようにしてもよい。
【0079】
さらに、上述した実施の形態、第1及び第2の変形例に係る内視鏡装置においても、メイン表示部とサブ表示部が同じ解像度であれば、映像処理回路のデコーダ、スケーリング部等の回路は、共用するようにしてもよい。
【0080】
なお、上述した実施の形態では、操作部は、挿入部が延出した形態のもので説明したが、これに限られるものではなく、例えば挿入部が延出するメインユニット(本体装置)にケーブルで接続されたリモコンのようなものであってもよい。
【0081】
また、上述した実施の形態では、撮像素子は、挿入部先端に設けたもので説明したが、これに限られるものではなく、例えばイメージガイドで導かれた被検体像を本体装置内の撮像素子で撮像するものであってもよい。
【0082】
本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変えない範囲において、種々の変更、改変等が可能である。
【0083】
次に、参考例について説明する。
特開2004-321491号公報には、明るさ制御のパラメータをテーブルデータ化して詳細な設定ができる技術が提案されている。その提案に係る技術によれば、AGCの最大ゲインも選択レベルに応じて設定できるため、明るさ追従能力が従来より大きく改善することができる。
【0084】
また、特開2007-37565号公報には、光学アダプタの接続時に、アダプタの種別を判別し、アダプタ毎に異なる映像信号処理を自動的に選択設定し動作させる内視鏡の技術が開示されている。さらに、その提案において、ワイドダイナミックレンジ技術(WDR)動作機能についても詳細に記述されている。
【0085】
しかし、パイプの内面観察のような周辺部が明るく、中心部が暗いような明暗差のあるような被写体の場合、AGCゲインを高く設定すれば、全体が明るくなるものの、周辺部が明るい場合は周囲部分の測光による影響で、全体の感度があまり上げられない。そのため、結局、暗い中心部を明るくして観察するために、AGCや選択レベルで設定する明るさ目標値やスローシャッターなどの露光制御のためのテーブルのパラメータ値を変更設定しても良好な観察ができなかった。
【0086】
ところで近年ではワイドダイナミックレンジ技術(以下WDR)が開発され、明暗差を伴うパイプのような被写体でも、周辺部はそのままにして、中心部の暗い部分を高感度にして、輝度を持ち上げ、見やすくする技術が存在する。
【0087】
しかし、この技術は、複雑な画像処理を行うことによって実現されるため、コスト増になるため、まだ一般的ではなく、高価なTVカメラに搭載されているだけである。
また、この機能を利用すれば、上述した問題は解決できるものの、常時使用するとなると、画像処理によるデジタルノイズや高感度のためのランダムノイズが増え、常時使用するにはノイズが目立ち、好ましくない画質となっていた。
【0088】
そこで、WDR機能は使用したい時だけONする使い方が適切であり、特に画質重視の場合はOFF操作をしなければならず、ユーザにとっては使い勝手が悪かった。また、明るさの目標値である選択レベルの操作の他に、WDR機能のON/OFF操作や能力調整も必要で、配管等を検査する検査者が操作しきれない、という問題もあった。
【0089】
さらにまた、特開2007-37565で示されるようにWDR処理された画像で画像計測処理を行うと、計測精度が低下するという別の問題もある。画像計測処理において、計測用の光学アダプタを挿入部に接続し、三角測量の原理で計測を行うステレオ計測方法が内視鏡では提案されている。
【0090】
計測点の指定は、画面上に通常カーソルを表示させ、そのカーソルによって操作者が指定することにより行うため、WDRの画像処理された画像の場合、輪郭部分が別のデータで置き換わる場合があり、実際測定しようとした点を正確に指定できないという問題があった。また、画像計測においては、画像処理で置き換わった偽データで画像から演算処理にて長さや面積等を演算処理するため、計測時の精度が悪化する場合があった。このように計測時で精度を維持したい場合はWDR機能はOFFするか、影響ないように弱く動作させることが必要であり、計測と観察を繰り返すような用途の場合、WDR機能のON/OFF操作がいちいち必要になり、操作性が悪い、という問題があった。
【0091】
そこで、この参考例に係る発明は、このような問題に鑑みなされたものであり、WDR処理による明暗差のある被写体に対しても良好に観察でき、かつ操作性も良く、良好な画質で観察できる明るさ制御にを行うことができる内視鏡装置を提供することを目的とするものである。
【0092】
そのために、本参考例に係る内視鏡装置では、明るさ制御の目標値として設定された選択レベルと連動して、WDRの効き具合が調整される。WDRの効き具合は、単にON/0FF操作の他に、OFF/ON/レベル1/レベル2というように調整連動するようにしてもよい。
【0093】
選択レベルが高い時は操作者としては明るさが不足している状況である。よって、選択レベルが1〜7まで可変できる場合、例えば6、7はWDR機能をONさせるようにすれば、WDR機能がOFF(WDR非搭載)機器にくらべ、より明るくでき、観察能力が向上させることができる。しかも操作者はWDR機能がONしていることを意識せずに機器を使用でき、使い勝手が向上する。
【0094】
あるいは、計測時への影響を自動的に軽減するように動作が行われる。WDR処理は画像処理をしているため、画像の輪郭が別の情報で置き換わる場合があり、特に画像計測時には計測精度が低下する場合がある。計測精度の維持は重要なため、計測時はWDR機能をOFFさせるか、計測精度の影響がないレベルまで能力(効き具合:動作レベル)を落とすように連動が行われる。
【0095】
以下に説明する参考例では、計測モード設定時に、WDRの能力を制限するように連動が行われる。このようにすることにより、操作者は計測精度の低下を心配せずにWDR機能を使用することができ、内視鏡装置の操作性を大きく向上させることができる。
【0096】
以下、具体的に、本参考例を説明する。
(第1参考例)
図8から図10を用いて、第1参考例を説明する。第1参考例に係る内視鏡装置の構成は、上述した特開2004-321491号公報に開示の内視鏡装置と略同様であり、同様の構成要素については、説明を省略する。
【0097】
図8は、電子内視鏡装置101の構成を示す全体構成図である。電子内視鏡装置101は、LED照明内蔵の着脱式光学アダプタ(以下、光学ADという)102と、内視鏡の挿入部103と、画像処理と操作および装置の制御を行うメインユニット104と、操作を行うリモコン105と、内視鏡画像を表示する表示部としてのLCD106とを有して構成されている。
【0098】
光学AD102には、アダプタの種別を判別するための抵抗102aが内蔵されている。この抵抗の抵抗値は種類の異なる光学AD毎、異なる抵抗値を有しており、接続されるシステム制御部104aにおいて、この抵抗102aの抵抗値または抵抗を流れる電流値、または抵抗の両端の電圧等、抵抗を流れる電流、電圧等の情報を測定し、光学AD102の種別を判別するようになっている。操作を行うリモコン105には、輝度(以下、BRTと略す)操作スイッチ+と−のボタンが設けられ、明るさの目標値である選択レベルを可変できるようになっている。ここでは、リモコン105では、例えば7段階でレベルを設定できるようになっている。
【0099】
内視鏡画像は、CCD103aからの信号を画像処理部104bで一般的なデジタル映像信号に変換し、WDR処理部(WDR:ワイドダイナミックレンジ)104cへ送られ、WDR処理することによって、LCD106の画面上に表示される。またWDR処理部104cの出力は、画像記録再生部104dへも送られ、静止画や動画をCFカードやSDカード等の記録媒体107へ記録できるように、メディアスロット104eがメインユニット104に設けられている。
【0100】
WDR処理部104cや画像処理部104bは、装置全体の制御を行うシステム制御部104aと接続されており、システム制御部104aからの信号に基づき、信号処理を行う。
【0101】
WDR処理部104cは、画像の明暗差を減らすよう、すなわち抑圧するように、明るい部分の輝度を抑え、暗い部分を持ち上げる、伸張動作の処理を行う。このWDR処理部104cは、システム制御部104aと接続されており、システム制御部104aからの信号に応じて、WDR機能をOFFしたり、レベル1(弱動作)とレベル2(強動作)を切り替えて実行する。弱と強の違いは、抑圧と伸張の程度の差となるので、レベルの切り替えは、レベルを可変する。程度が大きい程、WDR処理としては効果が大きいが、それに伴い、画像ノイズが増える、輪郭が甘くなる、等のデメリットも大きくなる特性がある。
【0102】
さらに、光学AD102には、対物光学系102bと、照明用のLED102cが設けられている。対物光学系102bは、挿入部103の先端部に設けられたCCD103aの撮像面上に、被写体の像を結像するように設けられている。CCD103aは、メインユニット104のCCD駆動部104fと画像処理部104bに接続され、LED102cは、メインユニット104のLED駆動部104gに接続されている。
【0103】
次に具体的な動作について図9を含めて説明する。図9は、通常モードにおけるWDRの設定データを説明するための図である。
BRT操作レベルは、操作者がリモコン105のBRT操作スイッチを操作して選択できるようになっている。BRT操作レベルは、1〜7段階で設定できる。この操作は、明るさの目標値を設定するためのもので、1〜7段階で映像信号の出力目標値を変更できるようになっている。
【0104】
図9の例では、BRT操作レベルが6と7の時にシステム制御部104aからWDRをONさせる命令をWDR処理部104cへ送り、WDRをONさせるようになっている。操作レベルが6の時、WDRはレベル1(弱動作)で、操作レベルが7の時はレベル2(強動作)させるようになっている
BRT操選択レベルが6あるいは7の選択となる時は、全体が暗い、あるいは、パイプ観察のように画面周囲は明るいが、中心の暗い部分を少しで明るくしてみたいような場合に操作されることが想定される。このような場合は、暗い部分を伸張させるWDR機能をONさせると、暗い部分が見えるようになり、操作者としてより満足がいく画像の明るさが得られる。
【0105】
また、操作者は明るさが満足できない時、リモコン105のBRT操作スイッチを操作してBRT操作レベルを操作するが、BRT操作レベルの操作だけで、自動的にWDR機能がON/OFFする。操作者はWDR機能のON,OFFを特別操作せず、WDR機能を使用できるので、操作性が向上する。BRT選択レベルが7の時はさらに明るくしたい場合である。BRT選択レベルが7のときは、WDRを強動作させることで暗い部分の伸張を一層行うことでより明るくすることができる。
【0106】
また、BRT操作レベルが5以下の場合は、十分な明るさがすでに得られている場合が多い。BRT操作レベルが5以下の場合は、WDR機能をOFFさせることにより、発生する画像ノイズや輪郭情報の欠落などはない方が好ましいため、システム制御部104aよりWDR処理部104cへOFF命令を出し、WDR機能をOFFするようにしている。
【0107】
以上のように、操作者はWDR機能のON/OFFを意識、操作せずに適切に使えるため、操作性が向上する。
【0108】
(第2参考例)
次に、図10と図11を用いて第2参考例について説明する。第2の参考例に係る内視鏡装置の構成は、上述した第1参考例の内視鏡装置と略同様であり、同様の構成要素については、説明を省略する。
【0109】
図10は、第2参考例に係る電子内視鏡装置101aの構成を示す全体構成図である。電子内視鏡装置101aのメインユニット104は、画像計測部104hを含み、計測処理を行うことができる。また、計測用のアダプタである計測光学AD102dが、内視鏡挿入部103の先端部に取り付けられる。図11は、第2参考例に係る計測モードにおけるWDRの設定データの例を説明するための図である。
【0110】
次に、図10と図11を使って計測モード時の動作の一例を示す。操作者がリモコン105の計測指示スイッチである“MEASURE“スイッチを押し、計測モードに入る命令を指示すると、システム制御部104aは、計測モードになるように、画像計測部104bへ指示を出力する。LCD106上には図示しない計測専用画面が表示される。画像計測には、通常複数のモードがあり、電子内視鏡装置101aは、計測光学AD102dを使った3D計測や、画面上を簡易計測するスケーラー計測、等の複数のモードを有するのが一般的である。ここでは、どの計測モードも一律同じ制御内容としている。
【0111】
図11に示すように、ここでは、計測モードの動作時にはWDR機能は常にOFFするように制御されている。WDR機能を常にOFFすることで計測精度の影響をなくすことができ、操作者は安心して計測操作をすることができる。一旦計測モードからリモコン操作により他のモードに変更されると、第1参考例のような動作にすることができるので、操作者は計測精度の悪化を気にせず、内視鏡を操作でき、使い勝手が良い。
【0112】
第2参考例の内視鏡装置は、BRT選択レベルとWDR機能の連動制御は必ずしも必要ではなく、単に計測モード操作の状態のみに応じて、WDR機能のON,OFFが制御される。
【0113】
なお、BRT選択レベルが6と7の場合のみ、図12のような設定制御を行うようにしてもよい。図12は、第2参考例に係る計測モードにおけるWDRの設定データの他の例を説明するための図である。
【0114】
また、上述した第1及び第2参考例で説明してきたように、WDR機能の動作具合は、図11等のようなテーブルデータとして管理し、かつ記憶されることが好ましい。テーブルデータをシステム制御部104aの図示しない不揮発性メモリに記憶させ、このテーブルデータをシステム制御部104aの図示しないCPUで読み込み、テーブルデータに従った設定を実行するようにしてもよい。
【0115】
さらに、複数のテーブルデータを予め用意しておき、例えば、テーブルデータをシーン別に細かく設定するようにしてもよい。その場合、リモコン105のMODEスイッチを押して、例えばシーン別にテーブルデータを入れ替えるように動作させれば、さらに使い勝手、操作性を向上させることができる。
【0116】
以上のように、上述した2つの参考例によれば、明るさ目標値を設定するBRT選択レベルとWDRの能力とを連動制御するようにしたため、操作者はWDRの能力切替操作を気にせず、明るさ調整を行うことができる。WDR機能を使うことが出来るので、特に明暗差のあるような被写体観察時は、様々な被写体条件で明るさ調整を容易に操作でき、観察操作性が向上する。
【0117】
さらに、画像計測を備えた電子内視鏡装置においては、操作者は、計測精度の低下を気にせず、WDR機能を使いこなすことができる。操作者はWDRの能力切替操作を必要としないため、様々な被写体で明るさ調整を容易にできるとともに、WDR機能を誤って使用してしまって計測精度が悪化するようなミス操作を防ぐことができる。
以上から、上述した2つの参考例には、次の付記に示すような特徴的な構成がある。
【0118】
(付記)
付記項1.ワイドダイナミックレンジ(WDR)機能を搭載する電子内視鏡装置は、撮像装置によって得られる画像の自動露光制御を行って画像信号を得、前記画像信号を出力する内視鏡装置であって、
前記自動露光制御のためのパラメータを設定する手段と、
画像のダイナミックレンジを拡大するWDR手段と、
前記パラメータのうち、自動露光制御のための明るさ目標値を手動で調整できる選択レベルを設定する設定手段と、
前記選択レベルに応じて、WDR手段の能力を連動調整する手段を設けたことを特徴とする電子内視鏡装置。
【0119】
付記項2.前記選択レベルが高い程、前記WDR手段の能力を高めるように連動調整することを特徴とした付記項1記載の電子内視鏡装置。
付記項3.画像計測手段と、画像計測手段を実行するための計測操作モードを有する電子内視鏡装置において、
前記計測操作モードを選択した時に、前記WDRの能力を制限するように連動制御したことを特徴とする付記項1、2記載の電子内視鏡装置。
【0120】
付記項4.ワイドダイナミックレンジ(WDR)機能を搭載する電子内視鏡装置は、撮像装置によって得られる画像の自動露光制御を行って画像信号を得、前記画像信号を出力する内視鏡装置であって、
前記自動露光制御のためのパラメータを設定する手段と、
画像のダイナミックレンジを拡大するWDR手段と、
画像計測するための計測用光学アダプタが接続された時、前記WDRの能力を制限するように連動制御することを特徴とする電子内視鏡装置。
【0121】
付記項5.ワイドダイナミックレンジ(WDR)機能を搭載する電子内視鏡装置は、撮像装置によって得られる画像の自動露光制御を行って画像信号を得、前記画像信号を出力する内視鏡装置であって、
前記自動露光制御のためのパラメータを設定する手段と、
画像のダイナミックレンジを拡大するWDR手段と、
画像計測手段と、
を有し、画像計測手段を実行するための計測操作モードを有し、前記計測操作モードを選択した時に、前記WDRの能力を制限するように連動制御したことを特徴とする電子内視鏡装置。
【図面の簡単な説明】
【0122】
【図1】本発明の実施の形態に係わる内視鏡装置の構成を説明するための構成図である。
【図2】本発明の実施の形態の第1の変形例の内視鏡装置の構成を説明するための構成図である。
【図3】本発明の実施の形態の第2の変形例の内視鏡装置の構成を説明するための構成図である。
【図4】本発明の実施の形態の第3の変形例の内視鏡装置を説明するための構成図である。
【図5】本発明の実施の形態の第3の変形例のフレームメモリ36の構成例を説明するための図である。
【図6】本発明の実施の形態の第3の変形例のフレームメモリ36A、36Bの構成例を説明するための図である。
【図7】図4の内視鏡装置の処理の流れの例を説明するためのフローチャートである。
【図8】第1参考例に係る電子内視鏡装置の構成を示す全体構成図である。
【図9】第1参考例に係る通常モードにおけるWDRの設定データを説明するための図である。
【図10】第2参考例に係る電子内視鏡装置101aの構成を示す全体構成図である。
【図11】第2参考例に係る計測モードにおけるWDRの設定データの例を説明するための図である。
【図12】第2参考例に係る計測モードにおけるWDRの設定データの他の例を説明するための図である。
【符号の説明】
【0123】
1、1A、1B 内視鏡装置、11 挿入部、12、12A、12B 操作部、13,13A メインユニット、14 メイン表示部、15、15A、15B サブ表示部、16 サブユニット、17 ユニバーサルケーブル、21 撮像素子、22 LED、24 湾曲ワイヤ、31 カメラコントロールユニット、32 記録再生部、40 記録媒体、47 映像信号処理回路、51、52、54〜57 コネクタ、53、58、58A ケーブル、59 固定部材
【技術分野】
【0001】
本発明は、内視鏡装置に関し、特に、操作部に表示部を有することの可能な内視鏡装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、内視鏡装置は、工業分野、医療分野等で広く使われている。内視鏡装置は、工業分野であれば、ボイラ、タービン、エンジン、化学プラント等の各種プラントの各種機器における、損傷、腐食等の観察、検査等に利用され、医療分野では、体腔内の各種臓器の観察、検査、処置等に利用されている。内視鏡装置は、一般に、観察画像を、動画あるいは静止画の電子データとしての記録する機能を有する。
特に、工業分野の場合、内視鏡装置は、プラントの現場に持ち込まれ、検査すべき装置の近傍で使用される。ユーザ、ここでは検査者であるエンジニアは、内視鏡装置の、細長い挿入部を機器内に挿入し、モニタに表示された被検体の検査対象部位の画像を観ながら検査をする。
【0003】
また、工業用の内視鏡装置の挿入部は、非常に長いため、検査対象によっては、挿入部の挿入操作と湾曲部の湾曲操作を行う者と、本体部で記録操作、画像処理操作、計測処理操等を行う者の2名で、それぞれの作業を分担して検査を行う場合がある。
【0004】
また、一人で観察しながら、挿入操作等を行えるように、操作部にモニタを設けた製品も開発されて製品化されている。
さらに、モニタとカメラコントロールユニットとの間で、シリアル伝送により映像信号を伝送する技術が提案されている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2003-125279号公報
【特許文献2】特開平10-75440号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、2名で検査を分担して行うような場合、モニタが内視鏡装置1台に対して一つしかないと、分担して検査を行う上で効率が良いとはいえなかった。
【0006】
また、1名で観察しながら、挿入操作等を行えるように、操作部にモニタを設けた製品も開発されて製品化されているが、操作部にモニタを設けると、操作部が重くなり、内視鏡装置の操作性が悪くなるという問題がある。特に、長時間にわたり操作部を把持していると、操作部が重いため、検査者(ユーザ)にとっては、疲労感が大きくなり、検査作業がスムーズに行い難くなってしまう。
【0007】
本発明は、以上の問題に鑑みてなされたものであり、操作部にモニタを設けたとしても、操作部の重量を重くすることのない内視鏡装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の内視鏡装置は、挿入部と、該挿入部が延出する操作部と、該操作部に第1のケーブルにより接続された本体装置と、前記挿入部先端で得られた被検体像を撮像信号に変換する撮像素子とを有する内視鏡装置において、前記操作部に対して着脱可能なあるいは固定された表示部と、前記本体装置に設けられ、前記挿入部の先端部に設けられた撮像素子からの撮像信号に基づく映像を前記表示部に表示するために、前記撮像信号を映像信号に変換する撮像信号処理部と、前記本体装置の撮像信号処理部の出力側に設けられ、前記撮像信号処理部において変換された前記映像信号をシリアル信号の形式で送信する送信部と、前記表示部の入力側に設けられ、シリアル信号の形式の映像信号をパラレル信号の形式の映像信号に変換して前記表示部に供給するシリアルパラレル変換部と、前記表示部へ前記シリアル信号の形式の映像信号を供給するために、前記本体装置と前記表示部とを接続する信号ケーブルとを有する。
【0009】
本発明の内視鏡装置は、挿入部と、該挿入部が延出する本体装置と、該本体装置に第1のケーブルにより接続された操作部と、前記挿入部先端で得た被検体像を撮像信号に変換する撮像素子とを有する内視鏡装置において、前記操作部に対して着脱可能なあるいは固定された表示部と、前記本体装置に設けられ、前記撮像素子からの撮像信号に基づく映像を前記表示部に表示するために、前記撮像信号を映像信号に変換する撮像信号処理部と、前記本体装置の撮像信号処理部の出力側に設けられ、前記撮像信号処理部において変換された前記映像信号をシリアル信号の形式で送信する送信部と、前記表示部の入力側に設けられ、シリアル信号の形式の映像信号をパラレル信号の形式の映像信号に変換して前記表示部に供給するシリアルパラレル変換部と、前記表示部へ前記シリアル信号の形式の映像信号を供給するために、前記本体装置と前記表示部とを接続する信号ケーブルとを有する。
【発明の効果】
【0010】
本発明の内視鏡装置によれば、操作部にモニタを設けたとしても、操作部の重量を重くすることがない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、図面を用いて、本発明の実施の形態を説明する。
(構成)
図1は、本発明の実施の形態に係わる内視鏡装置1の構成を説明するための構成図である。内視鏡装置1は、挿入部11と、挿入部11の一端が固定されている操作部12と、装置本体としてのメインユニット13と、液晶表示装置(以下、LCDと略す)を有する、メイン表示部14と、LCDを有する、サブ表示ユニットとしてのサブ表示部15と、そのサブ表示部15への映像信号を出力するサブ表示部用映像信号処理ユニット(以下、サブユニットという)16とを含んで構成されている。操作部11とメインユニット13とは、ユニバーサルケーブル17によって接続されている。サブユニット16は、メインユニット13とは別体で、かつメインユニット13に対して図示しない接続用部材により着脱可能になっており、後述するようにコネクタにより電気的に接続されている。また、本体装置用表示部であるメイン表示部14は、メインユニット13に対して、着脱可能に設けられていてもよいし、固定されていてもよい。
【0012】
操作部12から延出した挿入部11は、先端部に、CCD、CMOSセンサ等の撮像素子21と、照明手段としてのLED22が設けられている。また、挿入部11の先端部には、図示しない湾曲部が設けられており、ユーザは、操作部12の所定の操作ボタン等を操作することによって、挿入部11の撮像方向を変更するように、湾曲部を湾曲させることができる。
【0013】
操作部12には、湾曲部の湾曲動作をさせるための駆動手段としての湾曲モータ23が設けられている。湾曲モータ23の軸の回転動作が、湾曲動作のために湾曲用ワイヤ24の牽引及び弛緩の動作に変換されることによって、湾曲部の湾曲動作が行われる。操作部12には、他の動作のための種々の操作ボタン等が設けられている。
【0014】
さらに、操作部11には、着脱可能に、ここでは着脱自在にサブ表示部15が取り付けられている。操作部11には、例えば、固定用の係止部を有する雲台、磁石等の着脱用部材18が設けられており、ユーザは、サブ表示部15をその着脱用部材18に取り付けたり、外したりすることができる。
【0015】
サブ表示部15には、メイン表示部14のLCDパネルよりも小型でかつ軽量のLCDパネル(図示せず)が内蔵され、サブ表示部15は、コントロールハンドル部としての操作部12に、後付け、すなわち外付けされる。図示しないLCDパネルは、LCDを含み、デジタルのRGBの映像信号を入力して、映像を表示するパネルである。
【0016】
ユニバーサルケーブル17には、撮像素子21に駆動信号を供給するための信号線、撮像素子21からの撮像信号を伝送するための信号線、さらにLED22に駆動信号を供給するための信号線、さらに、湾曲モータ23への電力供給のための電源線等を含んでいる。
【0017】
メインユニット13は、カメラコントロールユニット(以下、CCUという)31と、映像信号の記録及び再生を行うための記録再生部32とを含む。撮像信号処理部としてのCCU31は、撮像素子21からの撮像信号を受信するCDS及びAGCの回路を含む、CDS/AGC回路部33と、CDS/AGC回路部33からの撮像信号を処理するためのDSP(デジタルシグナルプロセッサ)34とを有する。CCU31は、撮像信号を映像信号に変換する。さらに、記録再生部32は、DSP34からの映像信号を受信するデコーダとしてのA/D変換部35と、フレームメモリ36と、エンコーダとしてのD/A変換部37と、中央処理装置(以下、CPUという)38と、JPEGコントローラ39と、メモリカード等の記録媒体40を装着するためのスロット41とを有する。A/D変換部35、フレームメモリ36、D/A変換部37、CPU38及びJPEGコントローラ39は、互いにバス32Aによって接続されている。
【0018】
全体としては、記録再生部32のCPU38は、図示しない記憶装置に記憶されたプログラム及びデータを用いて、DSP34からの映像信号を、A/D変換部35を介して受信して、フレームメモリ36に記憶し、フレームメモリ36に記憶された映像信号をエンコーダ37を介してメイン表示部14と、サブユニット16へ出力する等の処理を実行することができる。すなわち、記録再生部32の出力であるアナログのY/C信号は、2つに分岐されて、一方は、本体装置用表示部である主観察用のメイン表示部14へ、他方は、サブユニット16へ供給される。
【0019】
また、CPU38は、記録媒体40へ静止画を記録し、あるいは記録媒体40に記憶された静止画のデータを読み出す等の処理を、JPEGコントローラ39に行わせる等の処理も実行させることができる。CPU38は、他の処理も実行可能であるが、CPU38の処理は、ユーザによる操作部12に対する操作等により、指示されて実行される。
【0020】
具体的には、撮像素子21からの撮像信号は、図示しない信号線を介してCCU31に入力される。CCU31は、入力された撮像信号に基づいて、標準的なテレビジョン信号であるY/C信号を生成して、記録再生部32に出力する。
【0021】
記録再生部32では、入力されたY/C信号に対して、種々の画像処理を施す。また、記録再生部32では、JPEG形式での画像データの記録及び再生、メニュー表示、画像計測等の処理も行われる。よって、記録再生部32は、メニュー表示、計測結果表示等の処理に加えて、文字入力などのための表示処理も行う。
【0022】
メイン表示部14は、メイン表示ユニット42と、デコーダ、スケーリング部等の回路を有する映像信号処理回路43とを含む。映像信号処理回路43のデコーダは、A/D変換、Y/C信号をRGB信号に変換する回路であり、映像信号処理回路43のスケーリング部は、接続されたメイン表示ユニット42のLCDの解像度、あるいは画素数に応じて、映像データの間引き、拡大補間等の処理を行う回路である。よって、メイン表示ユニット42は、LCDを有して、メインユニット13の出力信号を受信する映像信号処理回路43からの映像信号に基づく映像をLCDに表示することができる。
【0023】
サブユニット16は、A/D変換回路と、Y/C信号をRGB信号に変換する変換回路とを有するデコーダ44と、デコーダ44からの映像信号について、スケーリング処理を行うスケーリング回路等のスケーリング部45と、スケーリング部45からの映像信号をシリアル信号に変換するパラレルシリアル変換部46と含む、サブ表示部用の映像信号処理回路47を含む。デコーダ44では、記録再生部32からの出力信号がA/D変換され、さらにY/C信号がRGB信号に変換される。
【0024】
スケーリング部45では、デコーダ44の出力信号が入力され、接続されたサブ表示部15のLCDの解像度すなわち画素数に合わせて、映像データの間引き、あるいは拡大補間の処理が行われる。送信部としてのパラレルシリアル変換部46では、スケーリング部45からの出力信号を入力して、LVDS(Low Voltage Differential Signaling)等の所定のデジタルのシリアル信号の形式の映像信号に変換して、ケーブル58を介してサブ表示部15に送信する。
【0025】
なお、サブ表示部15の大きさ、画素数等は、検査対象或いは検査環境に応じて適したものに適宜変更可能な構成であることが好ましいので、例えば、モニタの解像度を入力あるいは検出する手段を設けることによって、モニタの解像度に対応する操作部12あるいはCPU38からの切替信号に応じて、スケーリング部45が、映像データの間引き、あるいは拡大補間の処理を行うようにしてもよい。
【0026】
例えば、メイン表示部14のLCDパネルの解像度が1024×768の解像度で、サブ表示部15のLCDパネルの解像度が640×480の解像度であれば、各映像信号処理回路43,47のスケーリング部では、それぞれのLCDパネルに応じた解像度の変換処理を行う。
【0027】
また、サブユニット16は、サブ表示部15への電力供給のための電源48を有する。その電力は、LCDのバックライト、回路用の電源として利用される。スケーリング部45は、サブ表示部15の解像度に応じた画像のサイズに変換する処理部であり、スケーリング処理を行う。
【0028】
メインユニット13とメイン表示部14とは、それぞれに設けられたコネクタ51と52に接続されたケーブル53によって接続されている。映像信号であるY/C信号が、ケーブル53を介して、メインユニット13からメイン表示部14へ供給される。
【0029】
メインユニット13とサブユニット16とは、図示しない固定部材により、着脱自在に接続されている。また、映像信号であるY/C信号が、コネクタ54と55を介して、メインユニット13からサブユニット16へ供給される。
【0030】
メインユニット13、メイン表示部14及びサブユニット16の電源は、図示しない電源からそれぞれに供給されている。
【0031】
サブ表示部15とサブユニット16とは、それぞれに設けられたコネクタ56と57に接続されたケーブル58によって接続されている。映像信号であるY/C信号が、ケーブル58を介して、メインユニット13からサブ表示部15へ供給され、かつサブ表示部15へ電力も、ケーブル58を介して、メインユニット13からサブ表示部15へ供給される。すなわち、ケーブル58は、映像信号を供給するための信号ケーブルとしての信号線と、電源供給のための電力線を含む複合ケーブルである。
【0032】
サブ表示部15は、操作部12に着脱自在に取り付けられる。サブ表示部15が操作部12に取り付けられたときに、ケーブル58をユニバーサルケーブル17に沿って這わせるために、ユニバーサルケーブル17には、ユニバーサルケーブル17の軸方向に沿って、所定の間隔を持って配置されたフック等の固定部材59が設けられている。
【0033】
これは、固定部材59がないと、2mから3mあるケーブル58がメインユニット13と操作部12の間で垂れ下がり、ケーブル58がユーザの内視鏡操作の障害になるのを防止するためである。
【0034】
従って、ユーザは、サブ表示部15を操作部12に取り付けたときには、固定部材59であるフックにケーブル58を引っ掛けることにより、ケーブル58をユニバーサルケーブルに対して固定することができる。また、ユーザは、サブ表示部15を操作部12から取り外すときには、固定部材59であるフック等からケーブル58を外す。このようにして、サブ表示15を用いるときであっても、ケーブル58は、ユニバーサルケーブル17と一体となるので、内視鏡装置1のユーザにとって、検査をするときにケーブル58が邪魔になることがない。
【0035】
さらに、サブ表示部15は、シリアルパラレル変換部60を内蔵している。すなわち、シリアルパラレル変換部60は、ケーブル59を介してサブユニット16から供給される、LVDS等の規格に沿った所定のシリアル信号の形式のRGBの映像信号をパラレル信号の形式の映像信号に変換する。すなわち、シリアルパラレル変換部60は、パラレルシリアル変換部46の行った変換の逆変換を行う回路である。シリアルパラレル変換部60のRGBの出力信号は、図示しないLCDパネルに供給されて、LCDパネルは映像を表示する。
【0036】
(動作)
内視鏡装置1のユーザは、内視鏡装置1の挿入部11と操作部12を把持しながら、メイン表示部14のLCDに表示された内視鏡画像を見ながら、被検体の検査等を行うことができる。
【0037】
しかし、メイン表示部14に表示された内視鏡画像を見にくい状況においては、ユーザは、操作部12にサブ表示部15を取り付け、そのサブ表示部14のLCDに表示された内視鏡画像を見ながら、被検体の検査等を行うことができる。
【0038】
内視鏡検査において、ユニバーサルケーブル17によっては、操作部12とメインユニット13との距離が、例えば2mから3mになる場合がある。ユニバーサルケーブル17は太くなればなるほど、重くなる。ユニバーサルケーブル17が重くなると、内視鏡装置1の操作性を悪化させるので、ユニバーサルケーブル17は、軽い方が好ましい。
【0039】
本実施の形態では、サブ表示部15は、操作部12に対して着脱可能になっているので、サブ表示部15を使用しない場合は、従来と同じ重量の操作部とユニバーサルケーブルを把持するので、内視鏡装置1の操作性の低下はない。
また、サブ表示部15を使用する場合であっても、サブ表示部15とサブユニット16とは、映像信号がシリアル伝送されるケーブル58によって接続されている。そして、映像信号処理回路47において、信号処理された映像信号がサブ表示部15に供給されるので、サブ表示部15には、シリアルパラレル変換部60があるだけで、映像信号処理回路47におけるデコーダ等がないので、サブ表示部15の重量増加も極めて少ない。特に、シリアルパラレル変換部60を、1チップの半導体装置で実現すれば、さらなる軽量化、及び小型化を実現することができる。
【0040】
さらに、サブ表示部15には、記録再生部32を介した映像信号が供給されるので、サブ表示部15には、メニュー表示、画像計測画面等の、種々の情報が付加あるいは重畳された画像が表示される。
【0041】
また、サブ表示部15とサブユニット16とを接続するケーブル58には、電源線も含まれているので、操作部12とユニバーサルケーブル17の構成は、従来の内視鏡装置と同様でよいので、内視鏡装置1のメインユニット13の回路変更等は不要である。
【0042】
さらに、ケーブル58は、電源線とシリアル信号を伝送する信号線のみを有するので、パラレル信号を伝送する信号線を有する場合に比べて、ケーブルの太さも細くなる。よって、フック等の固定部材59にケーブル58を引っ掛けても、重量増も少ないので、操作性もよい。
【0043】
例えば、スケーリング部45の出力信号をそのままパラレル信号の形で伝送するケーブルにすると、RGBの3原色で、各色が6ビットであれば、ケーブルは、色信号用に18本の信号線が必要であり、さらに、それぞれの同期信号の信号線も必要なため、計20本以上の信号線を含むことになる。さらに、パラレル信号の信号線の場合、信号線が長くなると、信号波形の劣化による画質の低下、さらにEMC性能の低下等の問題も生じる。
【0044】
これに対して、本実施の形態では、映像信号は、LVDS等のデジタルシリアル伝送により伝送されるため、信号線の数の増加も抑えられ、かつ信号波形の劣化による画質の低下を防止し、さらにEMC性能の低下も防ぐことができる。
【0045】
さらに、本実施の形態によれば、メインユニット13とサブユニット16とは着脱自在になっているので、サブ表示部15を使用しない状況においては、内視鏡装置は、メインユニット13と、メイン表示部14と、挿入部11が延出した操作部12とから構成される装置となるので、構成も操作性も従来の内視鏡装置と変わらない。
【0046】
また、サブ表示部15が操作部12に設けられれば、メイン表示部14を不要にすることもできる。
【0047】
さらになお、サブ表示部15のLCDパネル自体が、シリアルパラレル変換部を内蔵しているパネルを利用するようにしてもよい。その場合、LCDパネルとは別体のシリアルパラレル変換部60は不要となり、シリアルパラレル変換部LVDS等のデジタルシリアル信号をLCDパネル等に直接入力して、LCDパネルに映像を表示させることができる。
【0048】
以上のように、本実施の形態によれば、操作部に表示部を設けて被検体の観察等を行う場合に、今までの内視鏡装置に大きな設計変更を施すこともなく、操作部の重量増が最小限に抑えられているので、ユーザは、その表示部を見ながらの挿入操作、湾曲操作等をスムーズに行うことができ、操作性がよい。
また、表示部自体も検査環境に応じて種々選択することもできる。
【0049】
(変形例)
なお、本実施の形態の変形例として、図2から図4のような構成でもよい。
【0050】
図2は、本実施の形態の第1の変形例の内視鏡装置1Aの構成を説明するための構成図である。図2において、図1と同じ構成要素については、同じ符号を付し説明は省略する。
【0051】
内視鏡装置1Aでは、サブ表示部15Aは操作部12Aに固定され、かつサブ表示部15Aは、シリアルパラレル変換部を有さず、代わりに操作部12A内にシリアルパラレル変換部60が内蔵されている。
【0052】
また、サブ表示部15Aと操作部12Aは、図示しないコネクタにより接続され、内視鏡装置1Aは、そのコネクタを介して、デジタルのRGB信号と電力が、操作部12Aからサブ表示部15Aに供給されるように構成されている。
【0053】
そのため、シリアル信号のための信号線58Aがユニバーサルケーブル17内に挿通され、シリアルパラレル変換部60に接続されている。
【0054】
なお、サブ表示部15Aに供給される電力は、操作部12Aに供給されている電力のための電力線を分岐することによって、供給され得る。通常、操作部12Aには、湾曲モータ23用及び図示しないLED駆動用に、5Vあるいは12Vの電源線がユニバーサルケーブル17には、挿通されている。その電源線が利用されるので、電源用のユニバーサルケーブル17内の電源線の数の増加はない。
【0055】
また、メインユニット13Aには、CCU31と、記録再生部32と、映像信号処理回路47とが内蔵されている。映像信号処理回路47のパラレルシリアル変換部46の出力は、信号線58Aを介してシリアルパラレル変換部60に供給される。
【0056】
以上のように、第1の変形例の内視鏡装置1Aによれば、操作部12Aにはシリアルパラレル変換部60が設けられ、メインユニット13Aにはパラレルシリアル変換部46が設けられているので、ユニバーサルケーブル17は、信号ケーブルである信号線58Aが挿通されても、太くなることがない。さらに、操作部12Aに固定されるサブ表示部15Aには、映像信号処理回路47において画像処理された映像信号が供給されるので、映像信号処理回路47の画像処理のための処理回路が不要となるので、サブ表示部15Aは、小型で軽量化を図ることができる。
【0057】
さらに、本変形例においても、映像信号は、LVDS等のデジタルシリアル伝送により伝送されるため、信号波形の劣化による画質の低下を防止し、さらにEMC性能の低下も防ぐことができる。
【0058】
次に、本実施の形態の他の変形例として、内視鏡装置は、図3のような構成でもよい。図3は、本実施の形態の第2の変形例の内視鏡装置1Bの構成を説明するための構成図である。図3において、図2と同じ構成要素については、同じ符号を付し説明は省略する。
【0059】
内視鏡装置1Bでは、操作部12Bにコネクタ等により接続されたサブ表示部15Bに内蔵されたLCDパネル自体が、LVDSの規格等のデジタル信号を直接入力できるパネルであるため、操作部12Bにシリアルパラレル変換部60が内蔵されていない。すなわち、サブ表示部15Bの表示パネル自体が、シリアルパラレル変換部を有している。従って、サブ表示部15Bが操作部12Bに取り付けられている場合であっても、操作部12Bの重量は、第1の変形例の操作部12Aよりもさらに軽量化及び小型化を図ることができる。よって、内視鏡装置1Bの操作性がよい。
【0060】
さらに、本実施の形態のさらなる他の変形例として、内視鏡装置は、図4のような構成でもよい。図4は、第3の変形例の内視鏡装置1Cを説明するための構成図である。図4において、図2と図3と同じ構成要素については、同じ符号を付し、説明は省略する。
【0061】
内視鏡装置1Cにおいて、メイン表示ユニット42Aは、内部にシリアルパラレル変換部(図示せず)を有している。
内視鏡装置1Cは、バス32Aに接続された2つのラインメモリ61,62を有する。ラインメモリ61には、パラレルシリアル変換部63が接続され、ラインメモリ62には、パラレルシリアル変換部46が接続されている。パラレルシリアル変換部46の出力は、サブ表示部15Bに接続され、パラレルシリアル変換部63の出力は、メイン表示部14のメイン表示ユニット42Aに接続されている。
【0062】
内視鏡装置1Cは、A/D変換部35においてアナログ信号をデジタル信号に変換した後、メイン表示部14とサブ表示部15Bまでの信号処理は、全てデジタル処理によるため、A/D変換及びD/A変換の繰り返しによる信号の劣化を防ぐように構成されている。
【0063】
さらに、解像度の異なるメイン表示ユニット42Aとサブ表示部15Bに対するスケーリング処理を、同じスケーリング部45において行うようにしたため、メイン表示ユニット42Aとサブ表示部15Bのそれぞれにスケーリング部を設ける必要がなくなり、スケーリング部の削減をしている。
【0064】
図5は、フレームメモリ36の構成例を説明するための図である。図6は、フレームメモリ36A、36Bの構成例を説明するための図である。図7は、図4の内視鏡装置1Cの処理の流れの例を説明するためのフローチャートである。
【0065】
内視鏡装置1Cにおいて、A/D変換部35においてデジタル化された画像データは、フレームメモリ36に保存される。そして、フレームメモリ36の内部は、図5に示すように、フレームメモリ領域36Aと36Bに分けられており、画像データはフレームメモリ領域36Aと36Bの両方に書き込まれる。
【0066】
図7に沿って説明すると、まずフレームメモリ36Aに記憶された画像データの先頭の1ライン分のデータを読み出し(ステップS11)、読み出したデータは、スケーリング部45に伝送される。
【0067】
スケーリング部45は、メイン表示ユニット42Aの解像度に従ってスケーリング処理すなわちスケーリング変換を行う(ステップS12)。スケーリング変換された画像データは、ラインメモリ61に書き込まれる(ステップS13)。
【0068】
次に、再びフレームメモリ36Aに記憶された画像データの先頭の1ライン分のデータが読み出され(ステップS14)、読み出したデータは、スケーリング部45に伝送される。
【0069】
スケーリング部45は、サブ表示部15Bの解像度に従ってスケーリング処理すなわちスケーリング変換を行う(ステップS15)。スケーリング変換された画像データは、ラインメモリ62に書き込まれる(ステップS16)。
【0070】
そして、ラインメモリ61と62から、それぞれ同時にデータが読み出され(ステップS17)、パラレルシリアル変換部63と46に伝送され、シリアル化される(ステップS18,S19)。
【0071】
パラレルシリアル変換部63においてシリアル化されたデータは、メイン表示ユニット42Aに伝送される。また、パラレルシリアル変換部46においてシリアル化されたデータは、サブ表示部15Bに伝送される。
【0072】
以上の処理を、画像データの各ラインについて行われ、画像データの各ラインのデータがシリアルデータとして、メイン表示ユニット42Aとサブ表示部15Bに伝送される。
【0073】
その結果、メイン表示部14では、シリアルパラレル変換後、メイン表示部14の解像度にあった画像データが表示され(ステップS20)、サブ表示部15Bでは、シリアルパラレル変換後、サブ表示部15Bの解像度にあった画像データが表示される(ステップS21)。
【0074】
以上のような構成の第3の変形例によれば、サブ表示部15Bの小型化、及び軽量化だけでんかう、本体部13Aの小型化と軽量化を実現することができる。
【0075】
なお、第1、第2及び第3の変形例に係る内視鏡装置においても、サブ表示部が操作部に設けられれば、メイン表示部14を不要にすることもできる。
【0076】
さらになお、第1、第2及び第3の変形例に係る内視鏡装置においても、サブ表示部は、操作部に対して、固定部材により固定されても、あるいは着脱用部材により着脱可能に取り付けられるようにしてもよい。
【0077】
また、第1、第2及び第3の変形例に係る内視鏡装置においても、メインユニット13Aは、図1のようなメインユニット13とサブユニット16のような分離型にしてもよい。
【0078】
さらにまた、第1、第2及び第3の変形例に係る内視鏡装置においても、サブ表示部用の電源線を、操作部の湾曲モータ23等のための電源線とは別に設けて、ユニバーサルケーブル17内に挿通して、サブ表示部に供給するようにしてもよい。
【0079】
さらに、上述した実施の形態、第1及び第2の変形例に係る内視鏡装置においても、メイン表示部とサブ表示部が同じ解像度であれば、映像処理回路のデコーダ、スケーリング部等の回路は、共用するようにしてもよい。
【0080】
なお、上述した実施の形態では、操作部は、挿入部が延出した形態のもので説明したが、これに限られるものではなく、例えば挿入部が延出するメインユニット(本体装置)にケーブルで接続されたリモコンのようなものであってもよい。
【0081】
また、上述した実施の形態では、撮像素子は、挿入部先端に設けたもので説明したが、これに限られるものではなく、例えばイメージガイドで導かれた被検体像を本体装置内の撮像素子で撮像するものであってもよい。
【0082】
本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変えない範囲において、種々の変更、改変等が可能である。
【0083】
次に、参考例について説明する。
特開2004-321491号公報には、明るさ制御のパラメータをテーブルデータ化して詳細な設定ができる技術が提案されている。その提案に係る技術によれば、AGCの最大ゲインも選択レベルに応じて設定できるため、明るさ追従能力が従来より大きく改善することができる。
【0084】
また、特開2007-37565号公報には、光学アダプタの接続時に、アダプタの種別を判別し、アダプタ毎に異なる映像信号処理を自動的に選択設定し動作させる内視鏡の技術が開示されている。さらに、その提案において、ワイドダイナミックレンジ技術(WDR)動作機能についても詳細に記述されている。
【0085】
しかし、パイプの内面観察のような周辺部が明るく、中心部が暗いような明暗差のあるような被写体の場合、AGCゲインを高く設定すれば、全体が明るくなるものの、周辺部が明るい場合は周囲部分の測光による影響で、全体の感度があまり上げられない。そのため、結局、暗い中心部を明るくして観察するために、AGCや選択レベルで設定する明るさ目標値やスローシャッターなどの露光制御のためのテーブルのパラメータ値を変更設定しても良好な観察ができなかった。
【0086】
ところで近年ではワイドダイナミックレンジ技術(以下WDR)が開発され、明暗差を伴うパイプのような被写体でも、周辺部はそのままにして、中心部の暗い部分を高感度にして、輝度を持ち上げ、見やすくする技術が存在する。
【0087】
しかし、この技術は、複雑な画像処理を行うことによって実現されるため、コスト増になるため、まだ一般的ではなく、高価なTVカメラに搭載されているだけである。
また、この機能を利用すれば、上述した問題は解決できるものの、常時使用するとなると、画像処理によるデジタルノイズや高感度のためのランダムノイズが増え、常時使用するにはノイズが目立ち、好ましくない画質となっていた。
【0088】
そこで、WDR機能は使用したい時だけONする使い方が適切であり、特に画質重視の場合はOFF操作をしなければならず、ユーザにとっては使い勝手が悪かった。また、明るさの目標値である選択レベルの操作の他に、WDR機能のON/OFF操作や能力調整も必要で、配管等を検査する検査者が操作しきれない、という問題もあった。
【0089】
さらにまた、特開2007-37565で示されるようにWDR処理された画像で画像計測処理を行うと、計測精度が低下するという別の問題もある。画像計測処理において、計測用の光学アダプタを挿入部に接続し、三角測量の原理で計測を行うステレオ計測方法が内視鏡では提案されている。
【0090】
計測点の指定は、画面上に通常カーソルを表示させ、そのカーソルによって操作者が指定することにより行うため、WDRの画像処理された画像の場合、輪郭部分が別のデータで置き換わる場合があり、実際測定しようとした点を正確に指定できないという問題があった。また、画像計測においては、画像処理で置き換わった偽データで画像から演算処理にて長さや面積等を演算処理するため、計測時の精度が悪化する場合があった。このように計測時で精度を維持したい場合はWDR機能はOFFするか、影響ないように弱く動作させることが必要であり、計測と観察を繰り返すような用途の場合、WDR機能のON/OFF操作がいちいち必要になり、操作性が悪い、という問題があった。
【0091】
そこで、この参考例に係る発明は、このような問題に鑑みなされたものであり、WDR処理による明暗差のある被写体に対しても良好に観察でき、かつ操作性も良く、良好な画質で観察できる明るさ制御にを行うことができる内視鏡装置を提供することを目的とするものである。
【0092】
そのために、本参考例に係る内視鏡装置では、明るさ制御の目標値として設定された選択レベルと連動して、WDRの効き具合が調整される。WDRの効き具合は、単にON/0FF操作の他に、OFF/ON/レベル1/レベル2というように調整連動するようにしてもよい。
【0093】
選択レベルが高い時は操作者としては明るさが不足している状況である。よって、選択レベルが1〜7まで可変できる場合、例えば6、7はWDR機能をONさせるようにすれば、WDR機能がOFF(WDR非搭載)機器にくらべ、より明るくでき、観察能力が向上させることができる。しかも操作者はWDR機能がONしていることを意識せずに機器を使用でき、使い勝手が向上する。
【0094】
あるいは、計測時への影響を自動的に軽減するように動作が行われる。WDR処理は画像処理をしているため、画像の輪郭が別の情報で置き換わる場合があり、特に画像計測時には計測精度が低下する場合がある。計測精度の維持は重要なため、計測時はWDR機能をOFFさせるか、計測精度の影響がないレベルまで能力(効き具合:動作レベル)を落とすように連動が行われる。
【0095】
以下に説明する参考例では、計測モード設定時に、WDRの能力を制限するように連動が行われる。このようにすることにより、操作者は計測精度の低下を心配せずにWDR機能を使用することができ、内視鏡装置の操作性を大きく向上させることができる。
【0096】
以下、具体的に、本参考例を説明する。
(第1参考例)
図8から図10を用いて、第1参考例を説明する。第1参考例に係る内視鏡装置の構成は、上述した特開2004-321491号公報に開示の内視鏡装置と略同様であり、同様の構成要素については、説明を省略する。
【0097】
図8は、電子内視鏡装置101の構成を示す全体構成図である。電子内視鏡装置101は、LED照明内蔵の着脱式光学アダプタ(以下、光学ADという)102と、内視鏡の挿入部103と、画像処理と操作および装置の制御を行うメインユニット104と、操作を行うリモコン105と、内視鏡画像を表示する表示部としてのLCD106とを有して構成されている。
【0098】
光学AD102には、アダプタの種別を判別するための抵抗102aが内蔵されている。この抵抗の抵抗値は種類の異なる光学AD毎、異なる抵抗値を有しており、接続されるシステム制御部104aにおいて、この抵抗102aの抵抗値または抵抗を流れる電流値、または抵抗の両端の電圧等、抵抗を流れる電流、電圧等の情報を測定し、光学AD102の種別を判別するようになっている。操作を行うリモコン105には、輝度(以下、BRTと略す)操作スイッチ+と−のボタンが設けられ、明るさの目標値である選択レベルを可変できるようになっている。ここでは、リモコン105では、例えば7段階でレベルを設定できるようになっている。
【0099】
内視鏡画像は、CCD103aからの信号を画像処理部104bで一般的なデジタル映像信号に変換し、WDR処理部(WDR:ワイドダイナミックレンジ)104cへ送られ、WDR処理することによって、LCD106の画面上に表示される。またWDR処理部104cの出力は、画像記録再生部104dへも送られ、静止画や動画をCFカードやSDカード等の記録媒体107へ記録できるように、メディアスロット104eがメインユニット104に設けられている。
【0100】
WDR処理部104cや画像処理部104bは、装置全体の制御を行うシステム制御部104aと接続されており、システム制御部104aからの信号に基づき、信号処理を行う。
【0101】
WDR処理部104cは、画像の明暗差を減らすよう、すなわち抑圧するように、明るい部分の輝度を抑え、暗い部分を持ち上げる、伸張動作の処理を行う。このWDR処理部104cは、システム制御部104aと接続されており、システム制御部104aからの信号に応じて、WDR機能をOFFしたり、レベル1(弱動作)とレベル2(強動作)を切り替えて実行する。弱と強の違いは、抑圧と伸張の程度の差となるので、レベルの切り替えは、レベルを可変する。程度が大きい程、WDR処理としては効果が大きいが、それに伴い、画像ノイズが増える、輪郭が甘くなる、等のデメリットも大きくなる特性がある。
【0102】
さらに、光学AD102には、対物光学系102bと、照明用のLED102cが設けられている。対物光学系102bは、挿入部103の先端部に設けられたCCD103aの撮像面上に、被写体の像を結像するように設けられている。CCD103aは、メインユニット104のCCD駆動部104fと画像処理部104bに接続され、LED102cは、メインユニット104のLED駆動部104gに接続されている。
【0103】
次に具体的な動作について図9を含めて説明する。図9は、通常モードにおけるWDRの設定データを説明するための図である。
BRT操作レベルは、操作者がリモコン105のBRT操作スイッチを操作して選択できるようになっている。BRT操作レベルは、1〜7段階で設定できる。この操作は、明るさの目標値を設定するためのもので、1〜7段階で映像信号の出力目標値を変更できるようになっている。
【0104】
図9の例では、BRT操作レベルが6と7の時にシステム制御部104aからWDRをONさせる命令をWDR処理部104cへ送り、WDRをONさせるようになっている。操作レベルが6の時、WDRはレベル1(弱動作)で、操作レベルが7の時はレベル2(強動作)させるようになっている
BRT操選択レベルが6あるいは7の選択となる時は、全体が暗い、あるいは、パイプ観察のように画面周囲は明るいが、中心の暗い部分を少しで明るくしてみたいような場合に操作されることが想定される。このような場合は、暗い部分を伸張させるWDR機能をONさせると、暗い部分が見えるようになり、操作者としてより満足がいく画像の明るさが得られる。
【0105】
また、操作者は明るさが満足できない時、リモコン105のBRT操作スイッチを操作してBRT操作レベルを操作するが、BRT操作レベルの操作だけで、自動的にWDR機能がON/OFFする。操作者はWDR機能のON,OFFを特別操作せず、WDR機能を使用できるので、操作性が向上する。BRT選択レベルが7の時はさらに明るくしたい場合である。BRT選択レベルが7のときは、WDRを強動作させることで暗い部分の伸張を一層行うことでより明るくすることができる。
【0106】
また、BRT操作レベルが5以下の場合は、十分な明るさがすでに得られている場合が多い。BRT操作レベルが5以下の場合は、WDR機能をOFFさせることにより、発生する画像ノイズや輪郭情報の欠落などはない方が好ましいため、システム制御部104aよりWDR処理部104cへOFF命令を出し、WDR機能をOFFするようにしている。
【0107】
以上のように、操作者はWDR機能のON/OFFを意識、操作せずに適切に使えるため、操作性が向上する。
【0108】
(第2参考例)
次に、図10と図11を用いて第2参考例について説明する。第2の参考例に係る内視鏡装置の構成は、上述した第1参考例の内視鏡装置と略同様であり、同様の構成要素については、説明を省略する。
【0109】
図10は、第2参考例に係る電子内視鏡装置101aの構成を示す全体構成図である。電子内視鏡装置101aのメインユニット104は、画像計測部104hを含み、計測処理を行うことができる。また、計測用のアダプタである計測光学AD102dが、内視鏡挿入部103の先端部に取り付けられる。図11は、第2参考例に係る計測モードにおけるWDRの設定データの例を説明するための図である。
【0110】
次に、図10と図11を使って計測モード時の動作の一例を示す。操作者がリモコン105の計測指示スイッチである“MEASURE“スイッチを押し、計測モードに入る命令を指示すると、システム制御部104aは、計測モードになるように、画像計測部104bへ指示を出力する。LCD106上には図示しない計測専用画面が表示される。画像計測には、通常複数のモードがあり、電子内視鏡装置101aは、計測光学AD102dを使った3D計測や、画面上を簡易計測するスケーラー計測、等の複数のモードを有するのが一般的である。ここでは、どの計測モードも一律同じ制御内容としている。
【0111】
図11に示すように、ここでは、計測モードの動作時にはWDR機能は常にOFFするように制御されている。WDR機能を常にOFFすることで計測精度の影響をなくすことができ、操作者は安心して計測操作をすることができる。一旦計測モードからリモコン操作により他のモードに変更されると、第1参考例のような動作にすることができるので、操作者は計測精度の悪化を気にせず、内視鏡を操作でき、使い勝手が良い。
【0112】
第2参考例の内視鏡装置は、BRT選択レベルとWDR機能の連動制御は必ずしも必要ではなく、単に計測モード操作の状態のみに応じて、WDR機能のON,OFFが制御される。
【0113】
なお、BRT選択レベルが6と7の場合のみ、図12のような設定制御を行うようにしてもよい。図12は、第2参考例に係る計測モードにおけるWDRの設定データの他の例を説明するための図である。
【0114】
また、上述した第1及び第2参考例で説明してきたように、WDR機能の動作具合は、図11等のようなテーブルデータとして管理し、かつ記憶されることが好ましい。テーブルデータをシステム制御部104aの図示しない不揮発性メモリに記憶させ、このテーブルデータをシステム制御部104aの図示しないCPUで読み込み、テーブルデータに従った設定を実行するようにしてもよい。
【0115】
さらに、複数のテーブルデータを予め用意しておき、例えば、テーブルデータをシーン別に細かく設定するようにしてもよい。その場合、リモコン105のMODEスイッチを押して、例えばシーン別にテーブルデータを入れ替えるように動作させれば、さらに使い勝手、操作性を向上させることができる。
【0116】
以上のように、上述した2つの参考例によれば、明るさ目標値を設定するBRT選択レベルとWDRの能力とを連動制御するようにしたため、操作者はWDRの能力切替操作を気にせず、明るさ調整を行うことができる。WDR機能を使うことが出来るので、特に明暗差のあるような被写体観察時は、様々な被写体条件で明るさ調整を容易に操作でき、観察操作性が向上する。
【0117】
さらに、画像計測を備えた電子内視鏡装置においては、操作者は、計測精度の低下を気にせず、WDR機能を使いこなすことができる。操作者はWDRの能力切替操作を必要としないため、様々な被写体で明るさ調整を容易にできるとともに、WDR機能を誤って使用してしまって計測精度が悪化するようなミス操作を防ぐことができる。
以上から、上述した2つの参考例には、次の付記に示すような特徴的な構成がある。
【0118】
(付記)
付記項1.ワイドダイナミックレンジ(WDR)機能を搭載する電子内視鏡装置は、撮像装置によって得られる画像の自動露光制御を行って画像信号を得、前記画像信号を出力する内視鏡装置であって、
前記自動露光制御のためのパラメータを設定する手段と、
画像のダイナミックレンジを拡大するWDR手段と、
前記パラメータのうち、自動露光制御のための明るさ目標値を手動で調整できる選択レベルを設定する設定手段と、
前記選択レベルに応じて、WDR手段の能力を連動調整する手段を設けたことを特徴とする電子内視鏡装置。
【0119】
付記項2.前記選択レベルが高い程、前記WDR手段の能力を高めるように連動調整することを特徴とした付記項1記載の電子内視鏡装置。
付記項3.画像計測手段と、画像計測手段を実行するための計測操作モードを有する電子内視鏡装置において、
前記計測操作モードを選択した時に、前記WDRの能力を制限するように連動制御したことを特徴とする付記項1、2記載の電子内視鏡装置。
【0120】
付記項4.ワイドダイナミックレンジ(WDR)機能を搭載する電子内視鏡装置は、撮像装置によって得られる画像の自動露光制御を行って画像信号を得、前記画像信号を出力する内視鏡装置であって、
前記自動露光制御のためのパラメータを設定する手段と、
画像のダイナミックレンジを拡大するWDR手段と、
画像計測するための計測用光学アダプタが接続された時、前記WDRの能力を制限するように連動制御することを特徴とする電子内視鏡装置。
【0121】
付記項5.ワイドダイナミックレンジ(WDR)機能を搭載する電子内視鏡装置は、撮像装置によって得られる画像の自動露光制御を行って画像信号を得、前記画像信号を出力する内視鏡装置であって、
前記自動露光制御のためのパラメータを設定する手段と、
画像のダイナミックレンジを拡大するWDR手段と、
画像計測手段と、
を有し、画像計測手段を実行するための計測操作モードを有し、前記計測操作モードを選択した時に、前記WDRの能力を制限するように連動制御したことを特徴とする電子内視鏡装置。
【図面の簡単な説明】
【0122】
【図1】本発明の実施の形態に係わる内視鏡装置の構成を説明するための構成図である。
【図2】本発明の実施の形態の第1の変形例の内視鏡装置の構成を説明するための構成図である。
【図3】本発明の実施の形態の第2の変形例の内視鏡装置の構成を説明するための構成図である。
【図4】本発明の実施の形態の第3の変形例の内視鏡装置を説明するための構成図である。
【図5】本発明の実施の形態の第3の変形例のフレームメモリ36の構成例を説明するための図である。
【図6】本発明の実施の形態の第3の変形例のフレームメモリ36A、36Bの構成例を説明するための図である。
【図7】図4の内視鏡装置の処理の流れの例を説明するためのフローチャートである。
【図8】第1参考例に係る電子内視鏡装置の構成を示す全体構成図である。
【図9】第1参考例に係る通常モードにおけるWDRの設定データを説明するための図である。
【図10】第2参考例に係る電子内視鏡装置101aの構成を示す全体構成図である。
【図11】第2参考例に係る計測モードにおけるWDRの設定データの例を説明するための図である。
【図12】第2参考例に係る計測モードにおけるWDRの設定データの他の例を説明するための図である。
【符号の説明】
【0123】
1、1A、1B 内視鏡装置、11 挿入部、12、12A、12B 操作部、13,13A メインユニット、14 メイン表示部、15、15A、15B サブ表示部、16 サブユニット、17 ユニバーサルケーブル、21 撮像素子、22 LED、24 湾曲ワイヤ、31 カメラコントロールユニット、32 記録再生部、40 記録媒体、47 映像信号処理回路、51、52、54〜57 コネクタ、53、58、58A ケーブル、59 固定部材
【特許請求の範囲】
【請求項1】
挿入部と、
該挿入部が延出する操作部と、
該操作部に第1のケーブルにより接続された本体装置と、
前記挿入部先端で得られた被検体像を撮像信号に変換する撮像素子と、
を有する内視鏡装置において、
前記操作部に対して着脱可能なあるいは固定された表示部と、
前記本体装置に設けられ、前記撮像素子からの撮像信号に基づく映像を前記表示部に表示するために、前記撮像信号を映像信号に変換する撮像信号処理部と、
前記本体装置の撮像信号処理部の出力側に設けられ、前記撮像信号処理部において変換された前記映像信号をシリアル信号の形式で送信する送信部と、
前記表示部の入力側に設けられ、シリアル信号の形式の映像信号をパラレル信号の形式の映像信号に変換して前記表示部に供給するシリアルパラレル変換部と、
前記表示部へ前記シリアル信号の形式の映像信号を供給するために、前記本体装置と前記表示部とを接続する信号ケーブルとを有することを特徴とする内視鏡装置。
【請求項2】
挿入部と、
該挿入部が延出する本体装置と、
該本体装置に第1のケーブルにより接続された操作部と
前記挿入部先端で得た被検体像を撮像信号に変換する撮像素子と、
を有する内視鏡装置において、
前記操作部に対して着脱可能なあるいは固定された表示部と、
前記本体装置に設けられ、前記撮像素子からの撮像信号に基づく映像を前記表示部に表示するために、前記撮像信号を映像信号に変換する撮像信号処理部と、
前記本体装置の撮像信号処理部の出力側に設けられ、前記撮像信号処理部において変換された前記映像信号をシリアル信号の形式で送信する送信部と、
前記表示部の入力側に設けられ、シリアル信号の形式の映像信号をパラレル信号の形式の映像信号に変換して前記表示部に供給するシリアルパラレル変換部と、
前記表示部へ前記シリアル信号の形式の映像信号を供給するために、前記本体装置と前記表示部とを接続する信号ケーブルと
を有することを特徴とする内視鏡装置。
【請求項3】
前記表示部が前記操作部に対して着脱可能に設けられている場合、前記表示部への前記シリアル形式の映像信号を供給するための前記信号ケーブルと、前記表示部への電力供給のための電源線とを含む第2のケーブルを、前記第1のケーブルに係止するための係止部材とを有することを特徴とする請求項1又は2に記載の内視鏡装置。
【請求項4】
前記撮像信号処理部からの前記映像信号に対して所定の映像信号処理を施す映像信号処理部を有し、
該映像信号処理部は、前記本体装置に着脱可能なユニットに、前記送信部と共に設けられていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の内視鏡装置。
【請求項5】
前記所定の映像信号処理は、スケーリング処理を含むことを特徴とする請求項4に記載の内視鏡装置。
【請求項6】
前記本体装置に着脱可能なあるいは固定された本体装置用表示部と、前記操作部に対して着脱可能なあるいは固定された前記表示部の解像度が異なる場合に、同一のスケーリング部によりスケーリング処理が行われることを特徴とする請求項5に記載の内視鏡装置。
【請求項1】
挿入部と、
該挿入部が延出する操作部と、
該操作部に第1のケーブルにより接続された本体装置と、
前記挿入部先端で得られた被検体像を撮像信号に変換する撮像素子と、
を有する内視鏡装置において、
前記操作部に対して着脱可能なあるいは固定された表示部と、
前記本体装置に設けられ、前記撮像素子からの撮像信号に基づく映像を前記表示部に表示するために、前記撮像信号を映像信号に変換する撮像信号処理部と、
前記本体装置の撮像信号処理部の出力側に設けられ、前記撮像信号処理部において変換された前記映像信号をシリアル信号の形式で送信する送信部と、
前記表示部の入力側に設けられ、シリアル信号の形式の映像信号をパラレル信号の形式の映像信号に変換して前記表示部に供給するシリアルパラレル変換部と、
前記表示部へ前記シリアル信号の形式の映像信号を供給するために、前記本体装置と前記表示部とを接続する信号ケーブルとを有することを特徴とする内視鏡装置。
【請求項2】
挿入部と、
該挿入部が延出する本体装置と、
該本体装置に第1のケーブルにより接続された操作部と
前記挿入部先端で得た被検体像を撮像信号に変換する撮像素子と、
を有する内視鏡装置において、
前記操作部に対して着脱可能なあるいは固定された表示部と、
前記本体装置に設けられ、前記撮像素子からの撮像信号に基づく映像を前記表示部に表示するために、前記撮像信号を映像信号に変換する撮像信号処理部と、
前記本体装置の撮像信号処理部の出力側に設けられ、前記撮像信号処理部において変換された前記映像信号をシリアル信号の形式で送信する送信部と、
前記表示部の入力側に設けられ、シリアル信号の形式の映像信号をパラレル信号の形式の映像信号に変換して前記表示部に供給するシリアルパラレル変換部と、
前記表示部へ前記シリアル信号の形式の映像信号を供給するために、前記本体装置と前記表示部とを接続する信号ケーブルと
を有することを特徴とする内視鏡装置。
【請求項3】
前記表示部が前記操作部に対して着脱可能に設けられている場合、前記表示部への前記シリアル形式の映像信号を供給するための前記信号ケーブルと、前記表示部への電力供給のための電源線とを含む第2のケーブルを、前記第1のケーブルに係止するための係止部材とを有することを特徴とする請求項1又は2に記載の内視鏡装置。
【請求項4】
前記撮像信号処理部からの前記映像信号に対して所定の映像信号処理を施す映像信号処理部を有し、
該映像信号処理部は、前記本体装置に着脱可能なユニットに、前記送信部と共に設けられていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の内視鏡装置。
【請求項5】
前記所定の映像信号処理は、スケーリング処理を含むことを特徴とする請求項4に記載の内視鏡装置。
【請求項6】
前記本体装置に着脱可能なあるいは固定された本体装置用表示部と、前記操作部に対して着脱可能なあるいは固定された前記表示部の解像度が異なる場合に、同一のスケーリング部によりスケーリング処理が行われることを特徴とする請求項5に記載の内視鏡装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2009−6118(P2009−6118A)
【公開日】平成21年1月15日(2009.1.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−9784(P2008−9784)
【出願日】平成20年1月18日(2008.1.18)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年1月15日(2009.1.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年1月18日(2008.1.18)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]