説明

内輪無しシェル形針状コロ軸受の軸受トルクの測定

【課題】測定子10の軸受W内への直線的な挿入動作のみで、測定子の回転動作に入ることができ、その挿入動作の高速化を図り、かつ、高速用軸受にも支障なく対応する。
【解決手段】シェル形針状コロ軸受Wの各コロ3の間に測定子の突起15を挿入し、その突起によりコロ3を押して転動させる。コロ3を押しての転動は、コロと測定子の摩擦のみにより行わないため、測定子の回転速度に関係なく、その回転に伴いコロも確実に転動する。また、測定子の直線的な挿入動作により、その押圧部材を各コロ間に挿入することができる。その突起15は、コロの転動内側面の径と同じか、それより小さい径の円盤体12の外周面に設けられているため、その測定子のコロ軸受内への挿入動作は、各突起15が各コロの間に円滑に入り、かつ円盤体がコロのなす転動内側面に円滑に入るように、測定子が位置決めされれば、その挿入速度は自由に選択できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、内輪無しシェル形針状コロ軸受の軸受トルクの測定方法、その装置及びそれに使用する測定子に関するものである。
【背景技術】
【0002】
内輪無しシェル形針状コロ軸受は、図9に示すように、断面コ字状の外輪1内に、その全周に亘り保持器(ゲージ)2を介して針状コロ3を装填したものであり、そのコロ3内に軸4を挿入し、その軸4の回転を支持固定したり、逆に、軸4を固定して外輪1側に固定した部材の回転を支持したりするものである(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平08−326744号公報
【0003】
このシェル形針状コロ軸受Wを製品として出荷する際、コロ3の転動時の抵抗力をトルクに換算した軸受トルクが一定以内であることが必要である。このとき、使用態様と同様に、ハウジング内に外輪1を埋め込み、各コロ3のなす転動内側面内に使用する軸と同等の軸を嵌めて、その軸受トルクを測れば、その軸受トルクを正確に計り得るが、そのハウジング内への埋め込みにより外輪1が変形する等の不都合が生じる。
【0004】
このため、従来の測定は、図9に示すように、円錐台状の測定子5をシェル形針状コロ軸受W内に挿入し、その測定子5をコロ3に当接させると共に回転させ、その回転時の軸受トルクを測定するようにしている。
また、図10に示すように、円柱状の測定子5をシェル形針状コロ軸受W内に挿入した後、その測定子5を鎖線のように横に移動させてコロ3に当接させると共に回転させ、その回転時の軸受トルクを測定するようにしている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
図10に示す測定方法は、測定子5のシェル形針状コロ軸受W内への挿入動作と、その後の測定子5をコロ3に当接する横移動の動作とがあって、2動作があることから、作業時間がかかる問題がある。また、測定子5が圧触するコロ3のみ外輪1に接触し、他の部分はフリーになるため、製品全体のトルクとして計測することが難しい(信頼性が低い)。
【0006】
図9に示す測定方法は、測定子5のシェル形針状コロ軸受W内への挿入動作のみで、測定子5の回転動作に入れるため、図10に示す測定方法での上記問題はないが、その測定子5の挿入の際、測定子5を強く挿入してコロ3が外輪1内面に強く押されて噛み込みが生じないように(測定子5とコロ3の当接力が高くて噛み込みが生じないように)、その挿入荷重を適正なものとしなくてはならない。
その適正荷重は、測定子5のシェル形針状コロ軸受W内への挿入動作を速くすると(高速で行うと)、その管理が困難なため、勢い、低速とならざるを得ない。しかし、今日の作業工程の高速化の下では、この軸受トルクの測定作業の高速化の要請も例外ではない。
【0007】
また、いずれの測定方法においても、噛み込みが生じないような当接力であると、高速回転させた際、図11に示す測定子5とコロ3の接点aでの摩擦抵抗が低下して両者5、3の間に大きな滑りが生じ、測定子5だけが回転する等の軸受トルクを測定できない状態となる場合がある。種々のものが高速化する今日、この種のシェル形針状コロ軸受Wにも、高速回転用のものが要求され、その高速用での軸受トルクの測定が多くなっていることから、改善が望まれている。
【0008】
この発明は、測定子5のシェル形針状コロ軸受W内への直線的な挿入動作のみで、測定子5の回転動作に入ることができるとともに、その挿入動作の高速化を図り、かつ、高速用軸受にも支障なく対応できるようにすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するため、この発明においては、各コロの間に測定子の部材を挿入し、その部材によりコロを押して転動させるようにしたのである。
コロを押しての転動は、従来の測定方法のようにコロと測定子の摩擦により行わないため、測定子の回転速度に関係なく、その回転に伴いコロも確実に転動する。また、測定子の直線的な挿入動作により、その押圧部材を各コロ間に挿入することができる。
【0010】
つぎに、この発明は、上記各コロの間に挿入する測定子の部材以外を各コロのなす転動内側面(この軸受に内輪があるとすれば、その内輪外周面がなす転動面に相当する面)内に入る大きさとしたのである。
上記各コロの間に挿入する測定子の部材以外の部分がコロのなす転動内側面内に入る大きさであれば、その測定子のコロ軸受内への挿入動作は、各コロの間に挿入する測定子の部材が各コロの間に円滑に入り、かつ他の部分がコロのなす転動内側面内に円滑に入るように、測定子が位置決めされれば、その挿入速度は自由に選択できる。このため、高速化が可能である。
【発明の効果】
【0011】
この発明は、以上のようにして、測定子のシェル形針状コロ軸受内への直線的な挿入動作のみで、測定子の回転動作に入ることができるとともに、その挿入動作の高速化を図り、かつ、高速用軸受にも支障なく対応できるようにしたので、シェル形針状コロ軸受の軸受トルクの測定が簡単かつ円滑に行えることとなり、製品のコストダウンにつなげることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
この発明の測定子の実施形態としては、内輪無しのシェル形針状コロ軸受内に測定子を挿入し、その測定子をコロに当接させると共に回転させ、その回転時の軸受トルクを測定する際に使用する前記測定子において、前記コロの転動内側面の径と同じか、それより小さい径の円盤体と、その円盤体の外周面に設けられて各コロの間に挿し入れられる突起とから成り、前記測定子を前記突起が各コロの間に入り込むように前記コロ軸受内に挿入して、その測定子を回転させるとともに、前記突起により前記コロを押して確実にそのコロが回転するようにした構成を採用することができる。
上記円盤体は、コロの転動内側面内に入り得るものを言い、その入る形状であれば、通常、円柱といわれるものも含み、また、無垢に限らず、支障がない限りにおいて、筒状(独立気泡状も含む)のものも含まれる。
【0013】
上記突起は、上記円盤体の径方向に出没自在となって、ばねによりその突出方向に付勢されており、上記測定子を上記コロ軸受内に挿入する際、その突起は、前記ばねに抗し没して前記コロの間に入り込むとともに、前記ばねにより突出して前記コロに接する構成とすることができる。
このようにすれば、測定子のシェル形針状コロ軸受内への挿入時、その測定子の突起がコロに触れても、その触れたことにより、突起は円盤体内に没して円盤体の挿入の邪魔にならないため、その測定子の挿入は円滑になし得る。
【0014】
また、上記突起は、上記測定子の上記コロ軸受内への挿入方向に向かって徐々に内側に傾斜する傾斜面を有するものとすれば、測定子のシェル形針状コロ軸受内への挿入時、その突起の傾斜面へのコロの当接により、測定子がシェル形針状コロ軸受の軸心側(内側)に押されるため、その測定子の挿入は円滑になる。
このとき、上記のように、突起がばねを介して上記円盤体の径方向に出没自在となっておれば、突起の傾斜面へのコロの当接により、突起の没入が円滑になされ、測定子の挿入はより円滑になる。
【0015】
また、上記円盤体の一面に上記コロに接する押圧体を設け、上記測定子を上記コロ軸受内に挿入した際、その押圧体をコロに押し当てるようにすれば、突起によるコロの転動に、その押圧体の回転によるコロの転動も加わり、コロの回転が確実になされる。
その押圧体の態様としては、上記測定子の上記コロ軸受内への挿入方向に向かって徐々に縮径する円錐状外周面を有するものとしたり、円筒をその周方向で分割し、その各分割片を一端で他端が円筒の径方向に揺動自在にするとともに、各分割片をその拡径方向に付勢するばねを設けたものとしたりすることができる。
【0016】
以上の各態様の測定子は、内輪無しのシェル形針状コロ軸受内に測定子を挿入し、その測定子をコロに当接させると共に回転させ、その回転に伴うコロ転動時の軸受トルクを測定する従来の方法において使用することができ、そのとき、その測定子を上記突起がコロの間に入り込むように前記コロ軸受内に挿入して、その測定子を回転させるとともに、前記突起により前記コロを押して確実にそのコロが回転するようにする。
【0017】
また、上記各態様の測定子は、その測定子を有して、その測定子を回転させる手段と、内輪無しのシェル形針状コロ軸受をその外周面で保持するチャックと、前記チャックと測定子を相対的に接離させて前記測定子を前記シェル形針状コロ軸受内に挿入する手段と、そのコロ転動時の軸受トルクを測定する手段とから成る装置に採用でき、この装置は、上記軸受トルク測定方法でもって軸受トルクを測定する。
【実施例】
【0018】
図1〜図4に一実施例を示し、この実施例の測定子10は、図3に示すように、回転軸11に円盤体12を挿通し、ばね座13等を介してナット14によりその円盤体12を回転軸11に固定したものである。
円盤体12の外径は、シェル形針状コロ軸受Wのコロ3の転動内側面の径より小さい径とされ、その円盤体12の外周面周囲3等分位置に突起15が一体に設けられている。この突起15は、コロ3に疵をつけないよう、コーナー部形状、硬度を最適にし、できるだけ耐摩耗性対策をしたもの(材料)とする。
円盤体12の外径はシェル形針状コロ軸受Wのコロ3の転動内側面内に挿入し得る限りにおいて任意であり、また、突起15の数も、各コロ3の間に挿し入れ得る限りにおいて任意である。突起15の下面は、測定子10のコロ軸受W内への挿入方向に向かって徐々に内側に傾斜する傾斜面15aとなっている(図1参照)。
【0019】
この測定子10は、図2に示す軸受トルク測定装置20のチャック21に取付けられる。軸受トルク測定装置20は、被測定物であるシェル形針状コロ軸受Wを載置する台22と、その台22を昇降するプッシャー23と、その台22に設けたコロ軸受Wのチャック24と、前記チャック21に連結された静圧軸受25と、その静圧軸受25にカップリング26を介して接続されたトルク変換器27と、そのトルク変換器27にカップリング26,ベアリング28を介して接続されたトルクリミッタ29と、そのトルクリミッタ29に接続されたサーボモータ30とから成る。
静圧軸受25は軸受トルクをトルク変換器27に安定的に伝達するためであり、トルクリミッタ29は、過度のトルクがかかった時に、サーボモータ30からの動力(回転力)を遮断してこの測定系が破損することを防止する。
【0020】
この装置20により軸受トルクを測定するには、図2に示すように、台22にチャッック24によりシェル形針状コロ軸受Wを支持固定し、その状態で、プッシャー23により台22を上昇させて、図1に示すように、シェル形針状コロ軸受W内に測定子10を突起15が各コロ3の間に入り込むように直線的に挿入する。
このとき、突起15の傾斜面15aへのコロ3の当接により、測定子10がシェル形針状コロ軸受Wの軸心側(内側)に押されて、その測定子10は円滑に挿入される。測定子10の挿入度合は、後述の軸受トルクの測定に支障が無いこと等を考慮して適宜に設定する。
【0021】
測定子10のシェル形針状コロ軸受Wへの挿入が終われば(セットされれば)、図1、図2の矢印に示すように、サーボモータ30により、トルクリミッタ29等を介して測定子10を回転させると、図4の矢印に示すように、その回転に伴って突起15によりコロ3を押し、コロ3の重心gには矢印のように押圧力が働いて確実にそのコロ3が回転して転動する。突起15とコロ3の当接点bは、コロ3が前記押圧力により確実に回転するように実験等により、突起15の長さ・幅等の形状を適宜に設定して決定する。
その安定したコロ3の回転に基づき、そのコロ3の転動時の抵抗力をトルクに換算した軸受トルクをトルク変換器27により電気信号に変換して外部に取り出し、その軸受トルクを測定する。
【0022】
測定が終了すれば、プッシャー23により台22を下降させて、シェル形針状コロ軸受W内から測定子10を引き抜き、チャック24を開放して台22からシェル形針状コロ軸受Wを取り出し、新たに測定しようとするシェル形針状コロ軸受Wを台22にセットし、以後、同様な作用を繰り返す。
【0023】
図5〜図6には、測定子10の他の実施例を示し、この実施例は、円盤体12の下面に上記コロ3に接する押圧体16を設けたものである。
この押圧体16は、円筒をその周方向で分割し、その各分割片16a、16bを一端でピン16cを介して他端が円筒の径方向に揺動自在にするとともに、各分割片16a、16bをその拡径方向に付勢するばね16dを設け、その円筒(分割片16a、16b)の基部(他端)を筒体16eで被って、分割片16a、16bの必要以上の開脚を防止したものである。
【0024】
この実施例も上記実施例と同様にして、軸受トルクの測定を行うが、その測定子10のシェル形針状コロ軸受W内への挿入時、押圧体16の分割片16a、16bを少し閉脚した状態で行う。このとき、図示のように、分割片16a、16bのコロ3との当接面rをRカット等することにより、その挿入がより円滑となる。また、分割片16a、16bを閉脚しなくても良くなる。
この実施例では、図5に示すように、押圧体16がコロ3に圧接(当接)するため、測定子10の回転がその圧接により、確実にコロ3に伝達されて、コロ3は円滑に転動する。
【0025】
図7〜図8には、押圧体16の他例の実施例を示し、この実施例の押圧体17は、円盤体12の下面に測定子10のコロ軸受W内への挿入方向に向かって徐々に縮径する円錐状外周面17aを有するものとしたものである。この押圧体17は、円盤体12と同一材質の一体物であるが、別物とすることもできる。
【0026】
押圧体17の傾斜面17aは、図9(a)に示す測定子5の傾斜面5a程きつくする必要はない。この傾斜面17aのコロ3との当接は、測定子10の回転を補助的にコロ3に伝達すれば良いため、それほどの圧接力を得る必要がないからである。このため、図7に示すように、測定子10のシェル形針状コロ軸受W内への挿入完了時、その押圧体17の傾斜面17aがコロ3に触れる程度となればよく、噛み込み等の不都合は生じない。この点は、図5の実施例も同様である。
【0027】
この実施例も上記両実施例と同様にして、軸受トルクの測定を行うが、その際、押圧体17の傾斜面17aとコロ3の当接によっても、測定子10の回転力がコロ3に伝達されるため、コロ3は円滑に転動する。
【0028】
上記各実施例は、その突起15を円盤体12に固定したが、円盤体12の径方向に出没自在となって、ばねによりその突出方向に付勢されたものとすることができる。
なお、図2に示す軸受トルク測定装置20において、台22のプッシャー23による昇降に代え、測定子用チャック21より上の各部材(静圧軸受25等)を一体に昇降可能として、シェル形針状コロ軸受Wに測定子10を挿入するようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】この発明の軸受トルク測定装置に係る一実施例の要部断面図
【図2】同実施例の概略図
【図3】同実施例の測定子の斜視図
【図4】同実施例の作用図
【図5】同軸受トルク測定装置に係る他の実施例の要部断面図
【図6】同実施例の測定子を示し、(a)は正面図、(b)は切断平面図
【図7】同軸受トルク測定装置に係る他の実施例の要部断面図
【図8】同実施例の測定子の正面図
【図9】従来の軸受トルク測定装置の一例を示し、(a)は要部断面図、(b)は切断平面図
【図10】従来の軸受トルク測定装置の他例の要部断面図
【図11】図9の一例の作用図
【符号の説明】
【0030】
W シェル形針状コロ軸受
1 シェル形針状コロ軸受の外輪
2 同保持器
3 同コロ
4 軸
5、10 測定子
11 回転軸
12 円盤体
15 突起
15a 突起の傾斜面
16、17 押圧体
16a、16b 円筒の分割片
16d ばね
17a 押圧体の傾斜面
20 軸受トルク測定装置
21 測定子用チャック
23 昇降プッシャー
24 シェル形針状コロ軸受用チャック
25 静圧軸受
27 トルク変換器
29 トルクリミッタ
30 サーボモータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内輪無しのシェル形針状コロ軸受(W)内に、測定子(10)を挿入し、その測定子(10)をコロ(3)に当接させると共に回転させ、その回転時の軸受トルクを測定する際に使用する前記測定子(10)であって、
上記コロ(3)の転動内側面の径と同じか、それより小さい径の円盤体(12)と、その円盤体(12)の外周面に設けられて各コロ(3)の間に挿し入れられる突起(15)とから成り、
上記測定子(10)を上記突起(15)が各コロ(3)の間に入り込むように上記コロ軸受(W)内に挿入して、その測定子(10)を回転させるとともに、前記突起(15)により前記コロ(3)を押して確実にそのコロ(3)が回転するようにしたことを特徴とする軸受トルク測定用測定子。
【請求項2】
上記突起(15)は、上記円盤体(12)の径方向に出没自在となって、ばねによりその突出方向に付勢されており、上記測定子(10)を上記コロ軸受(W)内に挿入する際、その突起(15)は、前記ばねに抗し没して前記コロ(3)の間に入り込むとともに、前記ばねにより突出して前記コロ(3)に接することを特徴とする請求項1に記載の軸受トルク測定用測定子。
【請求項3】
上記突起(15)は、上記測定子(10)の上記コロ軸受(W)内への挿入方向に向かって徐々に内側に傾斜する傾斜面(15a)を有するものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の軸受トルク測定用測定子。
【請求項4】
上記円盤体(12)の一面に上記コロ(3)に接する押圧体(16、17)を設け、上記測定子(10)を上記コロ軸受(W)内に挿入した際、その押圧体をコロ(3)に押し当ててそのコロ(3)の回転が確実になるようにしたことを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の軸受トルク測定用測定子。
【請求項5】
上記押圧体(17)が、上記測定子(10)の上記コロ軸受(W)内への挿入方向に向かって徐々に縮径する円錐状外周面(17a)を有するものであることを特徴とする請求項4に記載の軸受トルク測定用測定子。
【請求項6】
上記押圧体(16)が、円筒をその周方向で分割し、その各分割片(16a、16b)を一端で他端が円筒の径方向に揺動自在にするとともに、各分割片(16a、16b)をその拡径方向に付勢するばね(16d)を設けたものとしたことを特徴とする請求項4に記載の軸受トルク測定用測定子。
【請求項7】
内輪無しのシェル形針状コロ軸受(W)内に、測定子(10)を挿入し、その測定子(10)をコロ(3)に当接させると共に回転させ、その回転時の軸受トルクを測定する方法であって、
上記測定子(10)を請求項1乃至6の何れかに記載のものとし、その測定子(10)を上記突起(15)が上記コロ(3)の間に入り込むように上記コロ軸受(W)内に挿入して、その測定子(10)を回転させるとともに、前記突起(15)により前記コロ(3)を押して確実にそのコロ(3)が回転するようにしたことを特徴とする軸受トルク測定方法。
【請求項8】
内輪無しのシェル形針状コロ軸受(W)をその外周面で保持するチャック(24)と、請求項1乃至6の何れかに記載の測定子(10)を有して、その測定子(10)を回転させる手段(21、30)と、前記チャック(24)と測定子(10)を相対的に接離させて前記測定子(10)を前記シェル形針状コロ軸受(W)内に挿入する手段(23)と、その回転時の軸受トルクを測定する手段(27)とから成る請求項7に記載の軸受トルク測定方法をなす軸受トルク測定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2007−248264(P2007−248264A)
【公開日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−72047(P2006−72047)
【出願日】平成18年3月16日(2006.3.16)
【出願人】(000102692)NTN株式会社 (9,006)
【Fターム(参考)】