説明

再生装置、プログラム、再生方法

この再生装置は、BD−ROMに記録されたAVストリームの再生を行うだけでなく、WWWサーバ500からアップデートキットをダウンロードして、ローカルHD12に書き込む。ローカルHD12に格納されたAVストリームは、追加言語のためのオーディオストリームを含んでいる。制御部16は、BD−ROMに記録されているAVストリーム、及び、ローカルHD12に記録されているAVストリームをACCESS UNITずつ読み出し、オーディオデコーダ6はBD−ROM及びローカルHD12から読み出されたACCESS UNITから必要なオーディオフレームを取り出して再生する。ビデオデコーダ4は、BD−ROMから読み出されたACCESS UNITから動画データを取り出して再生する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
本発明は、Blu−Ray Disc Read Only Memory(BD−ROM)等の光ディスクに記録された動画データを再生する再生装置、光ディスクに関し、光ディスクにより頒布された映画作品等を再生する技術に関する。
【背景技術】
映画作品の頒布にあたっては、言語の違いが大きな障壁として立ちはだかる。吹き替え音声や字幕の制作期間を確保するため、映画業界では米国への光ディスク頒布を先に行い、西欧及び日本、東欧及びアジアというように、非英語圏への光ディスク頒布の時期を遅らせるというビジネス形態を採用している(このビジネス形態はタイムシフトと呼ばれる。)。タイムシフトにより世界中の各地域に、英語による音声・字幕と、その地域の母国語による音声・字幕とを有した映画作品が、頒布されることになる。尚DVDにおける音声再生、副映像再生に関する先行技術としては、以下の特許文献1に記載されたものがある。
ところで自身が属する国・地域には頒布されていないバージョンの光ディスクを欲しがるユーザは、少数であるがどの国・地域にも必ず存在する。典型的なのは、英語、母国語以外の第2言語の語学習得のため、第2言語による翻訳版ディスクを買い求めるユーザである。しかし第2言語の映画作品を記録したディスクの販売地域は、多くの場合、その言語圏内に限定されており、ユーザの母国での購入は困難である。また、その言語圏から取り寄せたとしても、リージョンコードの制約から、自身が所有する再生装置では、再生できないこともある。
習得したい第2言語は、日本語、独語、仏語、中国語、ロシア語等、ユーザ毎のバラツキが激しく、それらの言語の全てをカバーするように商品ラインアップを備えるというのは、配給者にとって負担が大きい。そしてある言語に絞って市場に投入するというのも、配給者にとって市場リスクが非常に大きい。語学習得は一例に過ぎず、自身が属する国に頒布されていないバージョンのディスクを求めるユーザは、どの国にも必ず存在するが、従来には配給者がそのような要求に応える技術は存在しない。
【特許文献1】 特許第2821030号
【発明の開示】
本発明の目的は、自身が属する国には頒布されていないバージョンのディスクを求めるようようなユーザに対し、満足感を与えることができる再生装置を提供することである。
上記目的は、第1デジタルストリームが記録された光ディスクについての再生装置であって、光ディスクから第1デジタルストリームを一部分ずつ読み出す第1読出手段と、第1デジタルストリームと対応づけられた第2デジタルストリームを予備の記録媒体から特定する制御手段と、制御手段による制御に従い、予備の記録媒体から特定された第2デジタルストリームを一部分ずつ読み出す第2読出手段と、光ディスクから読み出された一部分に含まれるデータ、及び、予備の記録媒体から読み出された一部分に含まれるデータを同期させつつ再生する再生手段とを備える再生装置により達成される。
第2デジタルストリームが母国語以外の第2言語版であれば、これを予備の記録媒体から一部分ずつ読み出す。これに並行して、光ディスクに記録された第1デジタルストリームを一部分ずつ読み出す。両者から読み出された一部分から必要なデータを取り出して、同期をとりつつ再生手段に再生させれば、第2言語版の音声又は字幕の再生を伴いながら、第1デジタルストリーム本体を再生させてゆくことができる。かかる追加の第2デジタルストリームをインターネットを介して販売すれば、第2言語習得のために、第2言語を欲する世界じゅうのユーザに、第2言語版のアップデートキットを少量販売するという新たなビジネス形態を確立することができる。かかるビジネスの確立を、映画作品の新たな収益源にすることができる。
ここで前記再生手段は、第1デジタルストリームの一部分をデマルチプレクスして、動画データ及びオーディオデータを得る第1デマルチプレクス手段と、
第2デジタルストリームの一部分をデマルチプレクスして、オーディオデータを得る第2デマルチプレクス手段と、動画データをデコードするビデオデコーダと、オーディオデコーダと、第1デマルチプレクス手段が得たオーディオデータ、及び、第2デマルチプレクス手段が得たオーディオデータの何れか一方をオーディオデコーダに供給する供給手段とを備え、
前記再生手段による同期再生は、第2デマルチプレクス手段が得たオーディオデータが供給された場合、ビデオデコーダによるデコードと同期をとりながら、オーディオデコーダが当該オーディオデータをデコードすることにより実現してもよい(2)。
第2デジタルストリームが母国語以外の第2言語版であれば、これに含まれる音声データを、第1デジタルストリームにおける動画データと同期させながら再生することができる。映画作品の動画を鑑賞しながら、第2言語のリスニング学習を行うことができるので、第2言語の学習効率が高まる。この学習効率をセールスポイントとして、第2言語の習得を希望する世界中のユーザに対し、第2デジタルストリームをアップデートキットとして販売すれば、配給者は多大な収益を得ることができる。
ここで前記第1デジタルストリーム及び第2デジタルストリームの一部分はパケット列であり、第1デマルチプレクス手段は、個々のパケットのタイムスタンプに示されている時刻にデマルチプレクスを行い、第2デマルチプレクス手段は、個々のパケットのタイムスタンプに示されている時刻と、所定のオフセットとを足し合わせた時刻にデマルチプレクスを行ってもよい(3)。
デジタルストリームに対するデマルチプレクスの段階で、2つのデジタルストリームの同期をとるため、光ディスクからのデジタルストリーム読み出しと、予備の記録媒体からのデジタルストリーム読み出しとが並行に行われていなくても、同期をとりつつオーディオデコーダへのデータ供給を行うことができる。
またエンコードで参照されたマスタークロックが違っていても、同期をとりつつオーディオデコーダへのデータ供給を行うことができる。
ここで前記第1デジタルストリーム及び第2デジタルストリームの一部分はパケット列であり、
前記ビデオデコーダは、動画データを含んでいたパケットのタイムスタンプに示されている時刻に、第1デジタルストリームに含まれる個々の動画データに対するデコードを行い、前記オーディオデコーダは、オーディオデータを含んでいたパケットのタイムスタンプに示されている時刻と所定のオフセットとを足し合わせた時刻に、第2デジタルストリームに含まれる個々のオーディオデータに対するデコードを行ってもよい(4)。
デジタルストリームに対するデコードの段階で、2つのデジタルストリームの同期をとるため、光ディスクからのデジタルストリーム読み出しと、予備の記録媒体からのデジタルストリーム読み出しとが厳密に並行に行われていなくても、オーディオデコーダは、動画データに対するデコードとの同期をとりつつデコードを行うことができる。またエンコードで参照されたマスタークロックが違っていても、同期をとりつつオーディオデコーダのデコードを行うことができる。
ここでシステムレジスタは、装置における状態設定を示すパラメータを格納しており、前記デコーダが第1デジタルストリームに属するオーディオデータをデコードするか、第2デジタルストリームに属するオーディオデータをデコードするかの切り換えは、システムレジスタに格納されているパラメータに基づいていてもよい(6)。
再生装置における状態設定により、第1デジタルストリーム側の音声、第2デジタルストリーム側の音声の切り換えが可能となるので、予備の記録媒体上の第2デジタルストリームを光ディスク上の第1デジタルストリームと一体で扱うことができる。
ここで前記予備の記録媒体には、プレイリスト情報が記録されており、
プレイリスト情報は、第1デジタルストリーム上における再生区間の開始点及び終了点を、第2デジタルストリーム上における再生区間の開始点及び終了点と対応づけて示す情報であり、前記再生装置は、プレイリスト情報を解読する再生制御手段を備え、第1、第2読出手段による読み出し、及び、再生手段による再生は再生制御手段の解読結果に基づいていてもよい(9)。
第1、第2デジタルストリームの対応をとるばかりではなく、第1デジタルストリームに対し論理的な再生区間が指定されている場合も、その論理的な再生区間に対応する部位を第2デジタルストリーム上で指定することができるので、論理区間単位での同期再生を実現することができる。
ここで前記パッケージ管理情報は、更に代替情報を含み、再生制御手段は、プレイリスト情報の解読に先立ち、プレイリスト情報が破損しているかどうかのチェックを行い、破損していれば、代替情報に示されるプレイリスト情報を解読してもよい(15)。
予備の記録媒体におけるプレイリスト情報が破損している場合のリカバリーが可能になるので、安定した再生を保証することができる。
ここで前記予備の記録媒体には、プログラムが記録されており、プログラムは、プレイリスト情報を用いた第1及び第2デジタルストリームの再生制御手順を示し、前記再生装置は、予備の記録媒体に記録されたプログラムを実行する実行モジュールを備え、前記再生制御手段によるプレイリスト情報の解読は、プログラム内の関数呼出に基づきなされてもよい(16)。
。プログラムを参照すれば、プレイリスト情報を用いてどのような手順で再生を行うかを光ディスクのリリース後、事後的に追加することができ、光ディスク販売後のアフターサービスに有益となる。
ここで前記予備の記録媒体には複数のパッケージ領域があり、
個々のパッケージ領域には、再生装置に装填された複数光ディスクのそれぞれに割り当てられており、制御手段は、光ディスクが再生装置に装填された際、その光ディスクから媒体情報を読み出すよう第1読出手段を制御して、予備の記録媒体における複数パッケージ領域のうち、読み出された媒体情報に合致するものを特定し、前記第2読出手段により読み出される第2デジタルストリームは、制御手段により特定されたパッケージ領域内に存在してもよい(20)。
再生装置に複数光ディスクが装填され、それぞれの光ディスクについてのアップデートバージョンを記録しておくことができる。
ここで再生装置はメモリを備え、
光ディスクには、プレイリスト情報、プログラム、パッケージ管理情報が記録されており、プレイリスト情報は、第1デジタルストリーム上における再生区間の開始点及び終了点を、第2デジタルストリーム上における再生区間の開始点及び終了点と対応づけて示す情報であり、
プログラムは、プレイリスト情報を用いた第1及び第2デジタルストリームの再生制御手順を示し、パッケージ管理情報は、第1、第2デジタルストリーム、プレイリスト情報、プログラムについての管理情報であり、
制御手段は、プレイリスト情報、プログラム、パッケージ管理情報のうち、パッケージ領域にあるものは、第2読出手段を制御してパッケージ領域からメモリに読み出し、レイリスト情報、プログラム、パッケージ管理情報のうち、パッケージ領域にないものは、第1読出手段を制御して光ディスクからメモリに読み出してもよい(21)。
ここで同じ識別番号が付与されているプレイリスト情報又はプログラムが光ディスク及びパッケージ領域に記録されている場合、制御手段は第2読出手段を制御して、パッケージ領域に記録されているプレイリスト情報又はプログラムをメモリに読み出し、ある識別番号が付与されているプレイリスト情報又はプログラムが光ディスクのみに記録されている場合、制御手段は第1読出手段を制御して光ディスクに記録されているプレイリスト情報又はプログラムをメモリに読み出してもよい(22)。
プレイリスト情報、プログラム、パッケージ管理情報のうち、新しいアップデートバージョンにはないものについては、光ディスク側のもので補完することができるので全てのデータをアップデートバージョンとしてユーザに伝送する必要はない。アップデートバージョンとしてユーザに供給するものを最小限にすることができるので、インターネットによるアップデートバージョンの伝送に好適である。
ところで上述したような再生装置は、光ディスクからの読み出しと並行して予備の記録媒体からの読み出しを実行せねばならない。予備の記録媒体がHDであるなら、HDの何処かのディレクトリにアップデートバージョンが存在するかのチェック(1)と、複数アップデートジョンが存在している場合、どれが最新のアップデートジョンであるかの判定(2)とを行わねばならないのでHDスキャンが必要となる。係るHDスキャンが必要になるので、光ディスクのローディングから実際のパラレル読み出しまでに時間を要する。一方、ユーザはいち早く光ディスクに記録された映画作品を視聴したいとの意思をもって光ディスクを再生装置にローディングしている。それなのに、バージョンアップの可能性の有無という都合で、光ディスク再生が遅れるのはユーザにとっては甚だ不愉快である。
このような問題は、第1デジタルストリーム、フラグが記録された光ディスクであって、フラグは、記録媒体における記録内容のアップデートバージョンが供給される可能性を示し、アップデートバージョンは、第2デジタルストリーム、対応付け情報を含み、対応付け情報は、光ディスクにおける第1デジタルストリームを、第2デジタルストリームと対応づけて示す情報であるものにより達成される(45)。
バージョンアップの可能性が全くない光ディスクのローディングにあたってHDスキャンを行わず、光ディスクのローディング後、即座に光ディスクに記録されたデジタルストリームの再生に移ることができる。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明に係る再生装置の使用行為についての形態を示す図である。
図2は、BD−ROMの構成を示す図である。
図3は、ディレクトリ構造を用いてBD−ROMの応用層フォーマットを表現した図である。
図4は、機能的な観点から、ファイルを分類した場合の分類図である。
図5は、BD−ROMが対象としているソフトウェアのレイアモデルを示す図である。
図6は、AVストリームがどのように構成されているかを模式的に示す図である。
図7は、AVストリームがどのようにBD−ROMに記録されるかを模式的に示す図である。
図8は、ストリーム管理情報の内部構成を示す図である。
図9は、PL情報の内部構成を示す図である。
図10は、PL情報による間接参照を模式化した図である。
図11は、図10に示したPLとは、別のPLを定義する場合の一例を示す図である。
図12は、再生装置200の内部構成を示す図である。
図13は、BD−ROMパッケージにおけるAVストリームと、アップデートキットにおけるAVストリームとを対比して示す図である。
図14は、BD−ROMパッケージ(XXX.TS)におけるACCESS UNITの中身と、アップデートキット(UXX.TS)におけるACCESS UNITの中身とを対比して示す図である。
図15は、アップデートキットにおけるストリーム管理情報を示す図である。
図16は、BD−ROMにおけるACCESS UNITを構成するパケットと、アップデートキットにおけるACCESS UNITを構成するパケットとを対比して示す図である。
図17は、PL情報(UYY.PL)の内部構成を示す図である。
図18は、図10と同様の表記でUYY.PLによる間接参照を示した図である。
図19は、第1実施形態に係る制御部16の処理手順を示すフローチャートである。
図20は、ステップS4〜ステップS11での読み出しの過程を示す図である。
図21は、図20に示したような出力切り換えにて、どのような音声再生がなされるかを示す図である。
図22は、第2実施形態に係るAVストリームにおいてACCESS UNITがどのように構成されているかを示す図である。
図23は、図14と同様の表記で、BD−ROMパッケージ(XXX.TS)におけるACCESS UNITの中身と、アップデートキット(UXX.TS)におけるACCESS UNITの中身とを対比して示す図である。
図24は、第2実施形態のアップデートキットに含まれるPL情報の内部構成を示す図である。
図25は、会話情報を示す図である。
図26は、第2実施形態に係る再生装置の内部構成を示す図である。
図27は、第2実施形態に係る制御部16の処理手順を示すフローチャートである。
図28は、制御部16によるBD−ROM及びHDからの読み出しの過程を示す図である。
図29は、図28に示したような出力切り換えにて、どのような字幕表示がなされるかを示す図である。
図30(a)は、第3実施形態に係るBD−ROMの記録内容を示す図である。
図30(b)は、第3実施形態に係るHDの記録内容を示す図である。
図31は、図30に示したマルチアングル区間を構成する各ILVUの所在が、どのように管理されるかを示す図である。
図32は、第3実施形態に係るストリーム管理情報の構成を示す図である。
図33は、第3実施形態に係るPL情報の内部構成を示す図である。
図34は、PL情報に含まれるAngle Entryによる間接参照を模式的に示す図である。
図35は、第3実施形態に係る再生装置の内部構成を示す図である。
図36は、第3実施形態に係る制御部16の処理手順を示すフローチャートである。
図37は、スイッチ18によるBD−ROM及びHDからのパラレル読み出しの過程を示す図である。
図38は、図37に示したような出力切り換えにて、どのような動画表示がなされるかを示す図である。
図39は、第4実施形態に係るホームシアターシステムを示す図である。
図40は、第4実施形態に係るストリーム管理情報を示す図である。
図41は、第4実施形態に係るPL情報を示す図である。
図42は、第4実施形態に係る再生装置の内部構成を示す図である。
図43は、第4実施形態に係る制御部16の処理手順を示す図である。
図44は、レイヤモデルの第4層の詳細を示す図である。
図45(a)は、動的シナリオの記述例を示す図である。
図45(b)は、図45(a)に示した動的シナリオの代わりに用いられる動的シナリオを示す図である。
図46(a)は、BD−ROMに記録される動的シナリオによる再生手順を示す図である。
図46(b)は、アップデートキットに含まれる動的シナリオによる再生手順を示す図である。
図47は、第5実施形態に係る再生装置の内部構成を示す図である。
図48(a)は、BD−ROMの記録内容を示す図である。
図48(b)は、図48(a)に示すBD−ROMに対するアップデートキットである。
図49(a)(b)は、BD−ROMに記録された動的シナリオ、アップデートキットに含まれる動的シナリオにより実現される再生手順を模式的に示す図である。
図50(a)は、BD−ROMに記録されるPL#1、PL#2、動的シナリオを示す図である。
図50(b)は、アップデートキットを示す図である。
図51(a)は、再生順序(PL#1、PL#2)を規定する動的シナリオを示す図である。
図51(b)は、置換用の動的シナリオによる再生手順を示す図である。
図52は、第6実施形態に係るHDのディレクトリ構成を示す図である。
図53は、INFO.BDの内部構成を示す図である。
図54は、第6実施形態に係るモジュールマネージャ26の処理手順を示す図である。
図55(a)(b)は、第6実施形態に係るモジュールマネージャ26の処理手順を示す図である。
図56は、BD−ROM、Version1ディレクトリ、Version2ディレクトリに格納された各種ファイルを読み出す過程を模式的に示した図である。
図57は、仮想パッケージテーブルの構成を示す図である。
図58は、各INFO.BDについての仮想パッケージテーブルの構成図である。
図59は、第7実施形態に係るモジュールマネージャ26の処理手順を示すフローチャートである。
図60は、ステップS82における一覧画面を示す図である。
図61は、第8実施形態におけるモジュールマネージャ26の処理手順を示すフローチャートである。
図62は、第9実施形態に係る再生装置200の構成を示す図である。
図63は、PL情報のバリエーションを示す図である。
図64(a)(b)は、再生装置200の内部構成のバリエーションを示す図である。
【発明を実施するための最良の形態】
(第1実施形態)
以降、本発明に係る記録媒体の実施形態について説明する。先ず始めに、本発明に係る再生装置の実施行為のうち、使用行為についての形態を説明する。図1は、本発明に係る再生装置の、使用行為についての形態を示す図である。図1において、本発明に係る再生装置は再生装置200であり、再生装置200、テレビ300、リモコン400と共にホームシアターシステムを形成する。BD−ROM100は、本ホームシステムに映画作品を供給する記録媒体であり、再生装置200は、リモコン400に対するユーザ操作に応じて、BD−ROM100に記録された映画作品を再生するという用途に供される。
本図のホームシステムが特徴的なのは、再生装置200がネットワークを介してWWWサーバ500と接続されている点である。WWWサーバ500は、再生装置200からの要求に応じて、BD−ROM100の記録内容のアップデートキットを再生装置200宛に送信する。アップデートキットが送信されれば、再生装置はこのアップデートキットをBD−ROM100の記録内容とを動的に組み合わせて、仮想的なバージョンのパッケージ(仮想パッケージ)の再生を実行する。
仮想パッケージとは、BD−ROM100の記録内容と、アップデートキットとを動的に組み合わせることにより、ユーザに供給される仮想的なパッケージである。仮想パッケージに対し、BD−ROMに記録されている記録内容全般をBD−ROMパッケージという。
以下、BD−ROMパッケージについて図2〜図11を参照しながら説明する。
図2は、BD−ROMの構成を示す図である。本図の第4段目にBD−ROMを示し、第3段目にBD−ROM上のトラックを示す。本図のトラックは、BD−ROMの内周から外周にかけて螺旋状に形成されているトラックを、横方向に引き伸ばして描画している。このトラックは、リードイン領域と、ボリューム領域と、リードアウト領域とからなる。本図のボリューム領域は、物理層、ファイルシステム層、応用層というレイヤモデルをもつ。図2に示すようなデータフォーマットを、BD−ROMの応用層上に形成することにより本発明に係る光ディスクは、工業的に生産される。
図3は、ディレクトリ構造を用いてBD−ROMの応用層フォーマット(アプリケーション)を表現した図である。本図に示すようにBD−ROMには、ROOTディレクトリの下にBD−AVディレクトリがあり、その下にJCLASSディレクトリ、BROWSERディレクトリがある。
BD−AVディレクトリの配下には、INFO.BD、XXX.M2TS、XXX.CLPI,YYY.PL、ZZZ.MOVIEといったファイルが存在する。JCLASSディレクトリの配下には、ZZZ.CLASSというファイルが、BROWSERディレクトリの配下には、ZZZ.HTMLというファイルが配置されている。
図4は、機能的な観点から、これらのファイルを分類した場合の分類図である。本図において、第1層、第2層、第3層、第4層からなる階層が本図における分類を象徴的に示す。本図においてXXX.M2TSは第2層に分類される。XXX.CLPI,YYY.PLは、第3層(静的シナリオ)に分類される。BD−AVディレクトリ配下のZZZ.MOVIE、JCLASSディレクトリ配下のZZZ.CLASS、BROWSERディレクトリ配下のZZZ.HTMは、第4層に分類される。
本図の分類(第1層〜第4層)は、図5に示すようなレイヤモデルを対象とした分類である。以降、図5を参照しながら、BD−ROMが対象としている、制御ソフトウェアのレイアモデルについて説明する。
図5の第1層は、物理層であり、処理対象たるストリーム本体の供給制御である。この第1層に示すように、処理対象たるストリームは、BD−ROMだけではなく、HD、メモリカード、ネットワークといったあらゆる記録媒体、通信媒体を供給源としている。これらHD、メモリカード、ネットワークといった供給源に対する制御(ディスクアクセス、カードアクセス、ネットワーク通信)が第1層の制御である。
第2層は、復号化方式のレイアである。第1層で供給されたストリームを、どのような復号化方式を用いて復号するのかを規定しているのがこの第2層である。本実施形態で採用する復号化方式は、MPEG2の復号化方式である。
第3層(静的シナリオ)は、ストリームの静的なシナリオを規定するレイアである。静的なシナリオとは、ディスク制作者によって予め規定された再生経路情報、ストリーム管理情報であり、これらに基づく再生制御を規定しているのがこの第3層(静的シナリオ)である。
第4層は、ストリームにおける動的なシナリオを実現するレイヤである。動的なシナリオとは、ユーザ操作や装置の状態によって再生進行を動的に変化させるためのシナリオであり、これらに基づく再生制御を規定しているのがこの第4層である。以降、このレイヤモデルに従い、ストリーム本体、静的なシナリオにあたるファイルについて説明してゆく。
先ず第2層に属するストリーム(XXX.M2TS)について説明する。
AVストリーム(XXX.M2TS)は、MPEG−TS(Transport Stream)形式のデジタルストリームであり、ビデオストリーム、1つ以上のオーディオストリーム、1つ以上の副映像ストリームを多重化することで得られる。ビデオストリームは映画の動画部分を、オーディオストリームは映画の音声部分を、副映像ストリームは、映画の字幕をそれぞれ示している。図6は、AVストリームがどのように構成されているかを模式的に示す図である。
AVストリームは(第4段目)、複数のビデオフレーム(ピクチャpj1,2,3)からなるビデオストリーム、複数のオーディオフレームからなるオーディオストリームを(第1段目)、PESパケット列に変換し(第2段目)、更にTSパケットに変換し(第3段目)、同じく副映像ストリーム(第7段目)を、PESパケット列に変換し(第6段目)、更にTSパケットに変換して(第5段目)、これらを多重化することで構成される。この多重化は、オーディオフレームが、同じ時刻にBD−ROMから読み出されるべきビデオフレームの近くにくるように、ビデオフレームを格納したTSパケット、オーディオフレームを格納したTSパケットを並べるというものである。
かかる過程を経て生成されたAVストリームは、通常のコンピュータファイル同様、複数のエクステントに分割され、BD−ROM上の領域に記録される。図7はAVストリームがどのようにBD−ROMに記録されるかを模式的に示す図である。
AVストリームを構成する各エクステントが、どれだけの長さであり、BD−ROMにおいてどのアドレスに記録されているかは、ファイル管理情報fk1に記述される。
ファイル管理情報fk1には、AVストリームを分割することで得られる3つのエクステント1,2,3のそれぞれについて、エクステントのアドレス(adr1,2,3)、長さ(length1,2,3)が記述されていることがわかる。AVストリームは、1つ以上のACCESS UNITとからなり、このACCESS UNITの単位で頭出し可能である。ACCESS UNITとは、1つのGOP(Group Of Picture)と、このGOPと同時に読み出されるべきオーディオフレームとを含む最小デコード単位である。GOPは、過去方向および未来方向に再生されるべき画像との時間相関特性を用いて圧縮されているBidirectionally predictive Predictive(B)ピクチャ、過去方向に再生されるべき画像との時間相関特性を用いて圧縮されているPredictive(P)ピクチャ、時間相関特性を用いず、一フレーム分の画像内での空間周波数特性を利用して圧縮されているIntra(I)ピクチャを含む。
尚、XXX.M2TSのファイル名XXXは、BD−ROMにおいてAVストリームに付与される3桁の識別番号を抽象化している。つまり本図におけるAVストリームは、このXXXを用いて一意に識別される。以上がストリーム(XXX.M2TS)についての説明である(ここでの3桁という桁数は例示に過ぎず、何桁でもよい。)。
<静的なシナリオ>
続いて、静的なシナリオであるファイル(XXX.CLPI,YYY.PL)について説明する。
ストリーム管理情報(XXX.CLPI)は、個々のAVストリームについての管理情報である。図8は、ストリーム管理情報の内部構成を示す図である。AVストリームはビデオストリーム、オーディオストリームを多重化することで得られ、AVストリームはACCESS UNITと呼ばれる単位での頭出しが可能なので、各ビデオストリーム、オーディオストリームはどのような属性をもっているか、頭出し位置がAVストリーム内の何処に存在するかが、ストリーム管理情報の管理項目になる。図中の引き出し線はストリーム管理情報の構成をクローズアップしている。引き出し線hn1に示すように、ストリーム管理情報(XXX.CLPI)は、ビデオストリーム、オーディオストリームについての「属性情報」と、ACCESS UNITを頭出しするためのリファレンステーブルである「TMAP」とからなる。
属性情報(Attribute)は、破線の引き出し線hn2に示すようにビデオストリームについての属性情報(Video属性情報)、属性情報数(Number)、AVストリームに多重化される複数オーディオストリームのそれぞれについての属性情報(Audio属性情報#1〜#m)からなる。ビデオストリームについての管理情報は、破線の引き出し線hn3に示すようにそのビデオストリームがどのような圧縮方式で圧縮されたか(Coding)、ビデオストリームを構成する個々のピクチャデータの解像度がどれだけであるか(Resolution)、アスペクト比はどれだけであるか(Aspect)、フレームレートはどれだけであるか(Framerate)を示す。
一方、オーディオストリームについての属性情報(Audio属性情報#1〜#M)は、破線の引き出し線hn4に示すようにそのオーディオストリームがどのような圧縮方式で圧縮されたか(Coding)、そのオーディオストリームのチャネル番号が何であるか(Ch.)、何という言語に対応しているか(Lang)を示す。
タイムマップ(TMAP)は、複数の頭出し位置のアドレスを、時刻情報を用いて間接参照するためのリファレンステーブルであり、破線の引き出し線hn5に示すように複数のエントリー情報(ACCESS UNIT#1エントリー情報、ACCESS UNIT#2エントリー情報、ACCESS UNIT#3エントリー情報・・・・・)と、エントリー情報数(Number)とからなる。各エントリー情報は、引き出し線hn6に示すように、対応するACCESS UNITの再生時間(Duration)と、対応するACCESS UNITのデータサイズ(Size)とを対応づけてなる。可変長符号圧縮方式が採用されるため、GOPを含む各ACCESS UNITのサイズや再生時間がバラバラであっても、この『エントリー情報』を参照することにより、任意の再生時刻から、その再生時刻に対応するACCESS UNIT内のピクチャデータへと頭出しを行うことが可能になる。尚、XXX.CLPIのファイル名XXXは、ストリーム管理情報が対応しているAVストリームと同じ名称が使用される。つまり本図におけるAVストリームのファイル名はXXXであるから、AVストリーム(XXX.M2TS)に対応していることを意味する。以上がストリーム管理情報についての説明である。続いてプレイリスト情報について説明する。
YYY.PL(プレイリスト情報)は、再生経路であるプレイリストを構成するテーブルであり、CellListからなる。図9は、PL情報の内部構成を示す図である。
CellListは、複数のCELL情報(CELL情報#1,#2,#3・・・#n)と、これらCELL情報数(Number)とからなる。セル情報は、ポインタ情報であり、プレイリストを構成する1つ以上の論理的な再生区間を定義する。セル情報の構成は、引き出し線hs1によりクローズアップされている。この引き出し線に示すようにセル情報は、再生区間のIn点及びOut点が属するAVストリームの名称を示す『AVStream Name』と、再生区間の始点を示す情報『IN点情報』と、再生区間の終点を示す情報『Out点情報』とから構成される。
セル情報の特徴は、その表記法にある。つまりタイムマップをリファレンステーブルとして用いた間接参照の形式で、再生区間が定義されている。図10は、PL情報による間接参照を模式化した図である。本図においてAVストリームは、複数のACCESS UNITから構成されている。ストリーム管理情報内のTMAPは、これら複数ACCESS UNITのセクタアドレスを、矢印ay1,2,3,4に示すように指定している。図中の矢印jy1,2,3,4は、CELL情報によるACCESS UNITの参照を模式化して示している。つまり、CELL情報による参照(矢印jy1,2,3,4)は、TMAPを介することにより、AVストリーム内に含まれる複数ACCESS UNITのアドレスを指定するという間接参照であることがわかる。
CELL情報−ストリーム管理情報−AVストリームの組みからなるBD−ROM上の再生区間を『セル』という。PL情報−ストリーム管理情報−AVストリームの組みからなるBD−ROM上の論理的な再生単位を『プレイリスト(PLと略す)』という。BD−ROMに記録された映画作品は、この論理的な再生単位(PL)にて構成される。論理的な再生単位にて、BD−ROMにおける映画作品は構成されるので、本編たる映画作品とは別に、あるキャラクタが登場するようなシーンのみを指定するようなPLを定義すれば、そのキャラクタが登場するシーンのみからなる映画作品を簡単に制作することができる。図11は、図10に示したPL情報(PL情報#1)とは、別のPL(PL情報#2)を定義する場合の一例を示す図である。
様々なPL情報を定義するだけで、映画作品のバリエーションは増えるので、映画制作者の表現の幅を増やすことが、静的なシナリオの最大のメリットである。
また、BD−ROMにおける再生単位には、PL、CELLといったものの他、Chapterがある。Chapterは、1つ、2つ以上のCELLから構成される。
尚、PL情報のファイル名YYYは、BD−ROMにおいてPL情報に付与される3桁の識別番号を抽象化している。つまり本図におけるPL情報は、この識別番号YYYを用いて一意に識別される。PL情報の識別番号を”YYY”と表現しているのは、PL情報の識別番号が、AVストリーム及びAVストリーム管理情報の識別番号XXXとは別の番号体系であることを意味している(ここでの3桁という桁数は例示に過ぎず、何桁でもよい。)。
以上がBD−ROMパッケージについての説明である。続いて再生装置200の内部構成について説明する。図12は、再生装置200の内部構成を示す図である。本図に示すように再生装置200は、BDドライブ1、BDバッファ2、デマルチプレクサ3、ビデオデコーダ4、ピクチャプレーン5、オーディオデコーダ6、イメージデコーダ7、イメージプレーン8、加算器9、静的シナリオメモリ10、ダウンロード部11、ローカルHD12、HDバッファ13、デマルチプレクサ14、スイッチ15、制御部16から構成される。
BDドライブ1は、BD−ROMのローディング/イジェクトを行い、BD−ROMに対するアクセスを実行する。
BDバッファ2は、FIFOメモリであり、BD−ROMから読み出されたACCESS UNITが先入れ先出し式に格納される。
デマルチプレクサ3は、BDバッファ2からACCESS UNITを取り出して多重分離を行い、GOPを構成するビデオフレームと、オーディオフレームとを得てビデオフレームをビデオデコーダ4に出力し、オーディオフレームをオーディオデコーダ6に出力する。副映像ストリームはイメージデコーダ7に出力する。デマルチプレクサ3による多重分離は、TSパケットをPESパケットに変換するという変換処理を含む。デマルチプレクサ3による多重分離は、BD−ROMから読み出されたAVストリームを構成するTSパケットからペイロードにあたるPESパケットを取り出し、更にこのPESパケットから、そのペイロードにあたる本体データ(ビデオフレーム、オーディオフレーム、副映像ユニットの3つがある。)を取り出して、TSパケットに付加されているTSパケットに基づきこの本体データをビデオデコーダ4、オーディオデコーダ6、イメージデコーダ7に出力することでなされる。ここでTSパケットに付加されたPID(Packet ID)がビデオストリームを示している場合、PESパケットの本体データはビデオデコーダ4に出力され、PIDがオーディオストリームを示しているなら、本体データはオーディオデコーダ6に出力される。TSパケットに対する多重分離は、TSパケットに付加されているPCR(Program Clock Reference)、ATS(Arrival Time Stamp)といったタイムスタンプを参照してなされる。つまり再生装置内部のクロックがTSパケットのタイムスタンプに示される時刻になればデマルチプレクサ3は、TSパケットに対して上述した多重分離を行う。
ビデオデコーダ4は、デマルチプレクサ3から出力されたビデオフレームを復号して非圧縮形式のピクチャをビデオプレーン15に書き込む。
ピクチャプレーン5は、非圧縮形式のピクチャを格納しておくためのメモリである。
オーディオデコーダ6は、デマルチプレクサ3から出力されたオーディオフレームを復号して、非圧縮形式のオーディオデータを出力する。
イメージデコーダ7は、圧縮符号化された副映像ストリームを伸長してイメージプレーン8に書き込む。副映像ストリームのデコードにより、各種メニュー、副映像が画面上に現れることになる。
イメージプレーン8は、一画面分の領域をもったメモリであり、伸長された副映像ストリームが配置される。
加算器9は、ピクチャプレーン5に格納された非圧縮形式のピクチャデータに、イメージプレーン8に伸長されたイメージを合成して出力する。
静的シナリオメモリ10は、カレントのPL情報やカレントのストリーム管理情報を格納しておくためのメモリである。カレントPL情報とは、BD−ROMに記録されている複数PL情報のうち、現在処理対象になっているものをいう。カレントストリーム管理情報とは、BD−ROMに記録されている複数ストリーム管理情報のうち、現在処理対象になっているものをいう。
ダウンロード部11は、WWWサーバ500との間でFTP(File Transfer Protocol)通信を実行し、WWWサーバ500からアップデートキットをダウンロードしてローカルHD12に書き込む。
ローカルHD12は、アップデートキットが書き込まれる内蔵型ディスク装置である。本図において、ローカルHD12の内部には、ディレクトリ構造をはめ込んで描いている。ローカルHD12におけるディレクトリ構造は、ROOTディレクトリの配下にディレクトリ「abc」を配置し、その中にアップデートキットを配置するというものである。図中のディレクトリ名「abc」は、アップデートキットに対応するBD−ROMのボリュームラベルと同じ名称が付加されている。ローカルHD12においてアップデートキットは、ボリュームラベル「abc」と同じ名称「abc」を有したディレクトリに記録されるのである。
ダウンロード部11は、アップデートキットのダウンロードにあたってBD−ROMのボリュームラベル「abc」を読み出し、この名称「abc」のディレクトリをローカルHD12に作成する。そしてWWWサーバ500にアクセスし、アップデートキットをダウンロードしてボリュームラベル名のディレクトリ名を有するディレクトリ「abc」に書き込む。
図中の破線枠の中身は、アップデートキットを構成するファイルを示す。この破線枠に示すようにアップデートキットは、追加のAVストリーム「UXX.M2TS」、追加のストリーム管理情報「UXX.CLPI」、更新用のPL情報「UYY.PL」からなる。
HDバッファ13は、BD−ROMに記録されたAVストリームを構成するACCESS UNITが、BDバッファ2に読み出される度に、ローカルHD12に記録された追加のストリーム(UXX.M2TS)を構成するACCESS UNITが読み出されるバッファである。
デマルチプレクサ14は、HDバッファ13に読み出されたMPEG−TS形式のACCESS UNITを多重分離して、多重化前のデータ(本実施形態の場合はオーディオフレームになる)を得る。
スイッチ15は、HDバッファ13に読み出されたACCESS UNITのオーディオフレーム、BDバッファ2に読み出されたACCESS UNIT内のオーディオフレームのうち一方を、選択的にオーディオデコーダ6に出力する。スイッチ15の出力切り換えは、SPRM(1)(音声ストリーム番号)に基づく。SRPM(1)とは、再生装置の状態が示されているレジスタのことである。
制御部16は、CPU、プログラムを格納したROM、RAMからなる典型的なコンピュータシステムである。ROMに格納されたプログラムがCPUに読み込まれ、プログラムと、ハードウェア資源とが協動することにより、使用目的に応じた情報の演算又は加工を実現する。ここでの使用目的には、BD−ROMに記録されたPLの再生(1)、WWWサーバ500からのアップデートキットのダウンロード(2)、BD−ROMパッケージとアップデートキットとを組み合わせた仮想パッケージの再生(3)といったものがあり、プログラムと、ハードウェア資源(BDドライブ1〜スイッチ15)とが協動した具体的手段が、使用目的に応じた情報の加工又は演算を行うことで、使用目的に応じた特有の情報処理装置(再生装置200)が構築される。
この制御部16は、再生装置200の状態設定を示すレジスタ(プレーヤレジスタ)を内蔵している。プレーヤレジスタは、32個のSystem Parameter Registerと、32個のGeneral Purppose Registerとからなる。Player Status Registerの設定値(SPRM)がどのような意味をもつかは、以下に示す通りである。以下のSPRM(x)という表記は、x番目のPlayer Status Registerの設定値を意味する。
SPRM(0) : Reserved
SPRM(1) : デコード対象たるオーディオストリームのストリーム番号
SPRM(2) : デコード対象たる副映像ストリームのストリーム番号
SPRM(3) : ユーザによるアングル設定を示す番号
SPRM(4) : 現在再生対象とされているタイトルの番号
SPRM(5) : 現在再生対象とされているChapterの番号
SPRM(6) : 現在再生対象とされているPLの番号
SPRM(7) : 現在再生対象とされているCELLの番号
SPRM(8) : 現在の再生時点を示す時刻情報
SPRM(9) : ナビゲーションタイマのカウント値
SPRM(10) : 現在選択状態にあるボタンの番号
SPRM(11)〜(12): Reserved
SPRM(13) : ユーザによるパレンタルレベルの設定
SPRM(14) : 再生装置の映像再生に関する設定
SPRM(15) : 再生装置の音声再生に関する設定
SPRM(16) : 再生装置における音声設定を示す言語コード
SPRM(17) : 再生装置における字幕設定を示す言語コード
SPRM(18) : メニュー描画のための言語設定
SPRM(19)〜(31): Reserved
ここでSPRM(10)は、AVストリームに属する各ピクチャデータが表示される度に更新される。つまり再生装置が新たなピクチャデータを表示させれば、その新たなピクチャデータの表示開始時刻(Presentation Time)を示す値にSPRM(10)は更新される。このSPRM(10)を参照すれば、現在の再生時点を知得することができる。
SPRMの設定にあたって制御部16は、メニューを表示する。このメニューは、音声設定、字幕、アングル設定、パレンタル設定をユーザから受け付けるものであり、このメニューに対してユーザが操作を行えば、レジスタの格納値をメニュー操作に応じて更新する。メニューを介した場合だけでなく、ユーザがリモコン400に対して操作を行った場合も、SPRMを更新する。
以上が本実施形態に係る再生装置である。
以降、本ローカルHD12に格納されているアップデートキットのAVストリーム、ストリーム管理情報、PL情報について説明する。
アップデートキットにおけるAVストリーム(UXX.M2TS)は、BD−ROMに記録されたAVストリームに新たな音声を追加するAVストリームである。図13は、BD−ROMパッケージにおけるAVストリームと、アップデートキットにおけるAVストリームとを対比して示す図である。アップデートキットにおけるAV、ストリームは、BD−ROMパッケージにおけるAVストリームと同数のACCESS UNITから構成されている。
図14は、BD−ROMパッケージ(XXX.TS)におけるACCESS UNITの中身と、アップデートキット(UXX.TS)におけるACCESS UNITの中身とを対比して示す図である。図14の上段は、BD−ROM側のACCESS UNITであり、下段はアップデートキット側のACCESS UNITである。本図におけるACCESS UNIT#98,#99,#100,#101,#102は、それぞれAVストリームの再生開始から1分38秒後、1分39秒後、1分40秒後、1分41秒後に再生されるものである(これは、1つのACCESS UNITの再生時間を1秒に近似している)。
ここでACCESS UNITに着眼すると、BD−ROM側のACCESS UNIT#100は、1分40秒に再生されるべきGOPと、同時刻に読み出されるべきオーディオフレーム列(図中の楽譜記号)を含んでいる。一方、アップデートキット側のACCESS UNIT#100は、1分40秒に再生されるべきオーディオフレームを含んでいる。本図における白抜き矢印は、各ACCESS UNITの再生時間を示す。この再生時間がACCESS UNIT毎に異なるのは、ACCESS UNITの再生時間はGOPを基準にしているため、再生時間にはACCESS UNIT毎に差違があることを示す。アップデートキットにおける各ACCESS UNITは、BD−ROMに記録された各ACCESS UNITと、同じ再生時間を有している。
BD−ROMに記録されるAVストリームと同じ数のACCESS UNITを、アップデートキット内のAVストリームに含ませておき、BD−ROMにおけるACCESS UNITと同じ時間長のオーディオフレームを、アップデートキット内のAVストリームのACCESS UNIT内に含ませておくことで、BD−ROMに記録されたAVストリームのACCESS UNITは、アップデートキット内のAVストリームのACCESS UNITと1対1に対応することになる。以上がアップデートキットにおけるAVストリームについての説明である。続いてアップデートキット内におけるストリーム管理情報について説明する。
アップデートキットにおけるストリーム管理情報(UXX.CLPI)は、音声のみのAVストリームについてのストリーム管理情報であり、音声のみのストリームと共にWWWサーバ500から配給される。図15は、アップデートキットにおけるストリーム管理情報を示す図である。このストリーム管理情報にも、図8に示したようなTMAPがあり、各ACCESS UNITについてのデータサイズ及び開始時刻が記述される。BD−ROMに記録されたAVストリームと同様のTMAPが存在するため、アップデートキット内のAVストリームにおいて、ACCESS UNIT単位での頭出しが可能になる。このストリーム管理情報が図8のストリーム管理情報と異なるのは、ビデオストリームが多重化されていないためビデオ属性が”no Video”に設定されていること、オーディオ属性に”Offset”が追加されていること(2)である。オーディオ属性に追加されたOffsetについて図16を参照しながら説明する。図16は、BD−ROMにおけるACCESS UNITを構成するパケットと、アップデートキットにおけるACCESS UNITを構成するパケットとを対比して示す図である。本図において「V」とあるのはビデオパケットを示し、「A」とあるのはオーディオパケットを示す。これらのパケットには、タイムスタンプが付与されている。タイムスタンプは何時処理を行うかという処理タイミングを再生装置に指示する時刻情報である。BD−ROMにてリリースされるAVストリームのACCESS UNITにおいて最初に位置するオーディオパケットには「702」という値のタイムスタンプが付与されている。これより後のオーディオパケットには、「703」,「704」,「705」,「706」というようにより大きな値のタイムスタンプが付与されている。一方、アップデートキット内のAVストリームのACCESS UNITにおいて最初に位置するオーディオパケットには、「150」という値のタイムスタンプが付与されている。これにより後のオーディオパケットには、「151」,「152」,「153」,「154」,「155」というように後ろにあるオーディオパケット程大きな値のタイムスタンプが付与されている。
タイムスタンプの差の原因は、エンコード時のマスタークロックの違いである。マスタークロックとは、タイムスタンプ付与のためにエンコード時に参照されるクロック信号であり、このマスタークロックの参照により、1つのAVストリーム内の複数オーディオパケットには、連続した値のタイムスタンプが付与されることになる。しかしアップデートキット内のAVストリームと、BD−ROMに記録されたAVストリームとでは、タイムスタンプの付与の際、参照されるマスタークロックが違うので、各オーディオパケットに付与されるタイムスタンプの値が自ずと違ってくる。ACCESS UNITに含まれる各オーディオパケットのタイムスタンプが大きく違っているのでこのままでは2つのAVストリームの音声をうまく切り換えることはできない。そこでこれらのタイムスタンプの差をストリーム管理情報のOffsetに記述しておくのである。
ストリーム管理情報にオフセットを記述しておくことで、たとえマスタークロックが違っていても、BD−ROMに記録されたAVストリーム内のオーディオパケットと、アップデートキット内のAVストリーム内のオーディオパケットとを同期再生させることができる。以上がアップデートキットにおけるストリーム管理情報の説明である。続いてアップデートキットにおけるPL情報(UYY.PL)について説明する。
アップデートキットにおけるPL情報(UYY.PL)は、BD−ROMにおけるPL情報の代わりに使用されるPL情報である。アップデートキット内のPL情報がBD−ROMに記録されものと異なるのは、PL情報におけるプレイリストは、再生区間の束を、再生順序に従って配列することで定義される点である。再生区間の束とは、複数のAVストリーム上に定義される再生区間であって、同期再生されるものをいう。図17は、PL情報(UYY.PL)の内部構成を示す図である。図17における個々のCELL情報は、BD−ROMにおけるAVストリームを示す「Clip Entry」と、「Audio Table」と、「Subtitle Table」と、Clip Entry数を示す「Number」とから構成される。
Clip Entryは、BD−ROMにおけるCELL情報の「AVStream Name」「In点情報」「Out点情報」からなる。これらは図9に示したCELL情報のCell Entryと同一である。Audio Tableは、複数のAudio Entry(Audio Entry#1〜#n)からなる。各Audio Entryは、本Cellにおいて再生可能なオーディオストリームが何というストリームであり、どのAVストリームに属しているか、そのストリームにおいてどこからどこまでが1つの再生区間を構成しているかを、AVストリームのファイル名(AVStream Name)、オーディオストリームの識別子(AudioStream ID)と、そのAVストリームにおける再生区間の開始点を示す情報(In点情報)と、そのAVストリームにおける再生区間の終了点を示す情報(Out点情報)と、オフセット(Offset)とを用いて定義している。
例えば、BD−ROMにはAVストリーム#1が記録されており、AVストリーム#2がアップデートキットとして再生装置にダウンロードされて、ローカルHD12に格納されているものとする。またAVストリーム#1は動画、英語音声を含んでおり、AVストリーム#2は、第2言語たる日本語音声を含んでいるものとする。日本語音声を、動画とは別のAVストリームに格納しておくのは、日本語音声をアップデートキットにて配信するためである。この場合、CellのClip Entry#1にAVストリーム#1上における再生区間を定義させ、Audio Entry#1に、日本語音声であるAVストリームについてのAVStream Name、AudioStreamIDを記述しておく。このように記述されたCELL情報を含むPL情報を、AVストリーム#2と共にWWWサーバ500から配信すれば、BD−ROMに記録されたプレイリストを組み合わせることで日本語音声版の映画作品をユーザに視聴させることができる。
図18は、図10と同様の表記でUYY.PLによる間接参照を示した図である。本図におけるアップデートキットのPL情報は、Clip Entryと、Audio Entryとを有している。図中の矢印rf1,rf2,rf3は、Clip Entryによる再生区間の指定を示し、図中の矢印pf1,pf2,pf3はAudio Entryによる再生区間の指定を示す。つまり図18のPL情報を構成する各CELL情報は、2つのAVストリームにおける2つの再生区間を指定しているのである。1つのCELL情報が2つの再生区間を指定しているため、PL情報によりBD−ROM上の再生区間と、HD上の再生区間との束からなる再生経路が定義されることになる。以上がローカルHD12に格納されるアップデートキットについての説明である。
アップデートキットにおけるAVストリーム、ストリーム管理情報、PL情報のファイル名「UXX.M2TS」,「UXX.CLPI」,「UYY.PL」における「U」は、アップデートキットにおけるAVストリーム、ストリーム管理情報、PL情報を、BD−ROM上のものと区別するため便宜的に設けたものに過ぎない。実際には、アップデートキット内のAVストリーム、ストリーム管理情報、PL情報のファイル名は、BD−ROM上のもの同じファイル名が付与される。このファイル名により、アップデートキット上のものと、BD−ROM上のものとの対応がとられるのである。BD−ROM(光ディスク)に記録されたAVストリームと、HD(予備の記録媒体)に記録されたAVストリームとの対応付けとは、アップデートキットに含まれるPL情報による対応付け(1)、アップデートキットに含まれるファイルのファイル名と、光ディスクに記録されたファイルのファイル名との同一性による対応付け(2)を意味する。
アップデートキット内のAVストリームを読み出す場合のデマルチプレクサ14による多重分離について説明する。デマルチプレクサ14による多重分離は、HDから読み出されたAVストリームを構成するTSパケットからペイロードにあたるPESパケットを取り出し、更にこのPESパケットから、そのペイロードにあたる本体データを取り出して、TSパケットに付加されているタイムスタンプに基づきこの本体データをオーディオデコーダ6に出力することでなされる。デマルチプレクサ14による多重分離は、TSパケットに付加されているPCR(Program Clock Refernce)、ATS(Arribval Time Stamp)といったタイムスタンプと、ストリーム管理情報に示されるオフセットとを参照してなされる。TSパケットのタイムスタンプに示される時刻にオフセットを足し合わせた時刻を、再生装置内のクロックが計時すれば、デマルチプレクサ14は、TSパケットに対して上述した多重分離を行う。タイムスタンプに示される時刻に、オフセットを足し合わせた時刻は、BD−ROMから読み出されたTSパケットのタイムスタンプの値を足し合わせた時刻と同じになるから、デマルチプレクサ14の上述した処理により、BD−ROMから読み出されたTSパケットに対する多重分離、HDから読み出されたTSパケットに対する多重分離は、同期がとられることになる。
アップデートキット内のオーディオストリームをローカルHD12から読み出す場合のオーディオデコーダ6による同期処理について説明する。BD−ROMから読み出されたオーディオフレームに対してデコードを行う場合、オーディオデコーダ6はPESパケットに付加されているPTSを参照する。つまり再生装置内部のクロックがPESパケットのPTSに示される時刻になればオーディオデコーダ6は、オーディオフレームに対してデコードを行う。一方、HDから読み出されたオーディオフレームに対してデコードを行う場合、オーディオデコーダ6はPESパケットに付加されているPTS(Presentation Time Stamp)と、ストリーム管理情報におけるオフセットとを参照する。つまりPESパケットに付加されているPTSに、オフセットを足し合わせた時刻を再生装置の内部クロックが計時すれば、オーディオデコーダ6は、オーディオフレームに対してデコードを行う。PTSに示される時刻に、オフセットを足し合わせた時刻は、BD−ROMから読み出されたビデオパケットのPTSに示される時刻とほぼ同じになる。オーディオデコーダ6の上述した処理により、BD−ROMから読み出されたビデオフレームに対する再生出力と、HDから読み出されたオーディオフレームに対する再生出力とは、同期がとられることになる。デマルチプレクサ14、オーディオデコーダ6が以上のような処理を行うことにより、音声−映像間の同期は確保されるのである。
BD−ROM、HDからの読み出しは、ACCESS UNIT単位で行われたが、デマルチプレクサ3、デマルチプレクサ14からオーディオデコーダ6への供給は、ACCESS UNITとは関係なくなされる。何故なら、デマルチプレクサ3、デマルチプレクサ14による多重分離は、TSパケット列たるACCESS UNITをPESパケット列に変換し、オーディオフレーム、ビデオフレームに変換することであり、PESパケット又はTSパケットに含まれるフレームの単位で、オーディオデコーダ6への供給はなされるからである。PESパケット、TSパケットが処理単位になるので、PESパケットにオーディオフレームの一部が入っている場合は、その一部分がオーディオデコーダ6に出力されることになる。PESパケットに複数のオーディオフレームが含まれている場合は、複数オーディオフレームがオーディオデコーダ6に供給されることになる。オーディオデコーダ6はこのように供給されたオーディオフレームやオーディオフレームの一部分を自身が内蔵しているメモリに一旦格納したうえで処理する。ここで問題となるのは、1つのオーディオフレームが複数ACCESS UNITに分割されて格納されている場合である。つまりあるACCESS UNITを構成するTSパケット列に、オーディオフレームの前半部分が格納されており、直後のACCESS UNITを構成するTSパケット列に、オーディオフレームの後半部分が格納されている場合を想定する。
1つのオーディオフレームが分割されて複数のACCESS UNITに格納されるのは珍しいことではない。AVストリームへの多重化では普通に起こり得ることである。何故なら、PESパケットのペイロードのデータサイズは、オーディオフレームのデータサイズは非整数倍であり、1つのTSパケット、PESパケットに収まりきらないオーディオフレームが必ず出現するからである。
そしてオーディオフレームの前半部分を格納したPESパケットが多重分離されてオーディオデコーダ6に出力された後、同じオーディオフレームの後半部分を格納したPESパケットが多重分離されるまでにSPRM(1)の更新による音声切り換えがなされたものとする。この場合オーディオデコーダ6には、オーディオフレームの前半部分が供給された後、別のオーディオストリームに属するオーディオフレームが供給されることになる。オーディオデコーダ6は、前半部分は得たものの、後半部分を得ることはできないので、正常にデコードを行うことができず、「ブスッ」という耳障りな異音が発してしまう恐れがある。これを避けるには、音声切換後、わずかな期間、オーディオデコーダ6による再生出力に対し消音処理(ミュート)を施す。ミュートにより、音声切り換え直後は、僅かに無音期間が発生するが、BD−ROM側音声からHD側音声、HD側音声からBD−ROM側音声というように、自由な音声切り換えが可能になる。
最後に、本実施形態における制御部16の制御手順についてより詳しく説明する。
制御部16は、BD−ROMが再生装置200に装填された際、そのBD−ROMからボリュームラベルを読み出して、ローカルHD12における複数ディレクトリのうち、読み出されたボリュームラベルに合致するものを特定する。こうして特定されたディレクトリ内部のファイルが、アップデートキットであるものとして以降の処理を行う。その以降の処理とは、図19のフローチャートに示す処理手順をコンピュータに実行させることで実現される。
本フローチャートは、PL#xに属するCELLのそれぞれについて、ステップS2〜ステップS16の処理を繰り返すというループ処理を形成している。ここで処理対象たるCELLを、PLにおいてy番目に位置するCELL(CELL#y)とする。具体的にいうとPL情報#xをメモリに読み込み(ステップS1)、PL情報#xの先頭CELLをCELL#yに設定し、PL情報#xの最後のCELLをCELL#zに設定してから(ステップS2)、CELL#yに属するACCESS UNITを、BD−ROM及びローカルHD12からパラレルに読み出し、ビデオデコーダ4、オーディオデコーダ6にデコードさせるという処理を行い(ステップS3〜ステップS12)、CELL内の全てのACCESS UNITがデコードされれば(ステップS11でYes)、CELL#yがCELL#zに達したかどうかを判定して(ステップS15)、次のCELLをCELL#とする(ステップS16)。
ステップS3〜ステップS16のうちステップS4〜ステップS12は、CELL#yに属する個々のACCESS UNITを、BD−ROM及びローカルHD12から読み出してゆくためのループ処理である。このループ処理において、読出対象たるACCESS UNITを、AVストリームにおいてu番目に位置するACCESS UNIT(ACCESS UNIT#u)とする。ステップS3では、ステップS4〜ステップS12のループ処理に先立ち、BD−ROM,HDにおけるAVストリームのうち、CELL#yのIn点ビデオフレームを含むACCESS UNITをACCESS UNIT#uに設定する。
ステップS4〜ステップS12のループ処理は、ACCESS UNIT#uをBD−ROM、HDのそれぞれからBDバッファ2、HDバッファ13に読み出して(ステップS4)、ACCESS UNIT#uを構成するビデオフレームをデコーダに投入し(ステップS5)、ステップS6、ステップS7を経てACCESS UNIT#uを構成するオーディオフレームをデコーダに投入するという処理(ステップS8〜ステップS10)を繰り返すものである。
BD−ROMからのACCESS UNIT読み出しと、HDからのACCESS UNIT読み出しとは同時に行われる必要はない。どちらかからの読み出しが早くても、または遅くてもよい。何故なら、BD−ROM、HDからの読み出されたACCESS UNITは、一旦BDバッファ2、HDバッファ13に格納されて速度調整されるため(i)、デマルチプレクサ3、デマルチプレクサ14による多重分離、ビデオデコーダ4、オーディオデコーダ6によるデコードは同期して行われるため(ii)である。
BD−ROMからBDバッファ2への読み出しにあたって制御部16は、BDバッファ2における蓄積量を監視し、この蓄積量に不足が生じればこれを補うようBD−ROMからBDバッファ2にACCESS UNITを読み出す。バッファ上の蓄積量に応じた読出制御は、HDについても同様である。
ステップS8〜ステップS10における音声切り換えは、ユーザによる音声設定に応じて、BDバッファ2に読み出されたACCESS UNIT内のオーディオフレームをデコーダに投入し(ステップS9)、HDバッファ13に読み出されたACCESS UNIT内のオーディオフレームの何れか一方をオーディオデコーダ6に投入する(ステップS10)というものである。図中の変数Audio#vは、ユーザによりSPRM(1)に設定された音声を示す。この変数Audio#vは、ユーザにより音声切換操作がなされた場合(ステップS7でYes)、SPRM(1)が更新される(ステップS13)。
もし変数Audio#vがBD−ROM側のオーディオストリームを示すものなら(ステップS8でYes)、BDバッファ2に読み出されたACCESS UNIT内のオーディオフレームのうち、変数Audio#vに対応するものをデコーダに投入する(ステップS9)。もし変数Audio#vがローカルHD12側のオーディオストリームを示すなら(ステップS8でNo)、HD側バッファ上のACCESS UNIT内のオーディオフレームをデコーダに投入する(ステップS10)。
ステップS11は、このループ処理の終了条件の判定であり、ACCESS UNIT#uが、CELLのOut点ビデオフレームを含んでいるのなら(ステップS11でYes)、このループ処理は繰り返されることになる。もしこのステップの要件が満たされないのなら、AVストリームにおける次のACCESS UNITを、ACCESS UNITに設定して(ステップS12)ステップS4に戻る。ステップS15は、1つのCELL情報に属するACCESS UNITについて、ステップS3〜ステップS12の処理が繰り返された場合に、実行される判定ステップであり、現在の処理対象たるCELL情報#yが、最後のCELL情報#zかどうかを判定するものである。もし現在の処理対象たるCELL情報#yが、CELL#zでなければCELL#yを次の設定に設定し(ステップS16)、このCELL#yに属するACCESS UNITについてステップS3〜ステップS15の処理を行うよう、ステップS3に移行する。
図20は、ステップS4〜ステップS11での読み出しの過程を示す図である。本図におけるACCESS UNIT#100は、ステップS4においてBD−ROM、ローカルHD12のそれぞれからBDバッファ2、HDバッファ13に読み出される。そしてスイッチ15はステップS8の判定にて、BDバッファ2側のACCESS UNIT#100をオーディオデコーダ6に出力する。スイッチ15は、BDバッファ2側ACCESS UNIT#100のオーディオフレームをオーディオデコーダ6に出力するか、HDバッファ13側ACCESS UNIT#100のオーディオフレームをオーディオデコーダ6に出力するかの切り換えを、SPRM(1)に従い実行する。
図21は、図20に示したような出力切り換えにて、どのような音声再生がなされるかを示す図である。スイッチ15が、BD−ROM側のACCESS UNITをオーディオデコーダ6に出力すれば、図21の左側に示すような再生、つまり英語の台詞「He Had a Person at one’s nod」を伴う再生がなされる、一方スイッチ15が、HD側のACCESS UNITをオーディオデコーダ6に出力すれば、図21の右側に示すような再生、つまり日本語の吹き替え音声を伴う再生「彼は人をアゴで使っている」が再生される。
以上のように本実施形態によれば、1対1の対応がとられたACCESS UNITをBD−ROM及びローカルHD12からパラレルに読み出し、これらの一方を択一的にデコーダに再生させるので、音声切り替えが実現されることになる。映画作品の制作者は、BD−ROMにより映画作品を配給した後でも、WWWサーバ500からの配信により、追加の音声をユーザに供給することができる。
またアップデートキットに含まれるのは追加の音声のみなので、再生装置200とWWWサーバ500との間に公衆回線が介在していたとしても、アップデートキットのダウンロードに要する時間は短期間になる。
尚第1実施形態では、アップデートキットの格納に再生装置内蔵型のHDを用いたが、過搬型の記録媒体であってもよい。
(第2実施形態)
第2実施形態は、BD−ROMに記録されたAVストリームに、副映像ストリームを追加する場合の改良に関する。BD−ROMに記録された副映像ストリーム、及び、副映像ストリーム追加を実現するためのアップデートキットを以下に説明する。BD−ROMにおいて副映像ストリームは、図6に示したようにビデオストリーム、オーディオストリームと多重化されて1つのAVストリームを構成している。図22は、第2実施形態に係るAVストリームにおいてACCESS UNITがどのように構成されているかを示す図である。第2実施形態におけるACCESS UNITは、GOPと、副映像ユニットとを含む。破線の引き出し線th1は、ACCESS UNIT内の副映像ユニットの内部構成をクローズアップするものである。副映像ユニットは、ヘッダと、ランレングスイメージデータとからなる。図中の引き出し線th2は、ヘッダの内部構成をクローズアップしている。ヘッダは、PLの再生時間軸におけるランレングスイメージデータの『表示開始時刻/表示終了時刻』、画面における『表示座標』を含む。
一方、アップデートキットにおける副映像ストリームは、AVストリーム内に格納されて再生装置に供給される。つまり本実施形態におけるアップデートキット内のAVストリームは、BD−ROMに記録されているAVストリームに、副映像を追加するためのものである。第1実施形態同様、アップデートキットにおけるAVストリームは、BD−RQMパッケージにおけるAVストリームと同数のACCESS UNITから構成されている。各ACCESS UNITには副映像ユニットが含まれるが、GOPは含まれない。
図23は、図14と同様の表記で、BD−ROMパッケージ(XXX.M2TS)におけるACCESS UNITの中身と、アップデートキット(UXX.TS)におけるACCESS UNITの中身とを対比して示す図である。図23の上段は、BD−ROM側のACCESS UNITであり、下段はアップデートキット側のACCESS UNITである。本図におけるACCESS UNIT#60,#100,#120は、それぞれAVストリームの再生開始から1分後、1分40秒後、2分後に再生されるものである(これは、1つのACCESS UNITの再生時間を1秒に近似している)。
ここでACCESS UNITに着眼すると、BD−ROM側のACCESS UNIT#100は、1分40秒に再生されるべきGOPと、同時刻に読み出されるべき副映像ユニットを含んでいる。一方、アップデートキット側のACCESS UNIT#100は、1分40秒に再生されるべき副映像ユニットを含んでいる。
BD−ROMに記録されるAVストリームと同じ数のACCESS UNITを、アップデートキット内のAVストリームに含ませておき、BD−ROMにおけるACCESS UNITと同じ時間長の副映像ユニットを、アップデートキット内のAVストリームのACCESS UNIT内に含ませておくことで、BD−ROMに記録されたAVストリームのACCESS UNITは、アップデートキット内のAVストリームのACCESS UNITと1対1に対応することになる。かかる1対1対応により、約1.0秒の時間精度での字幕切り替えが実現されることになる。以上がアップデートキットにおけるAVストリームについての説明である。続いてアップデートキット内のPL情報について説明する。
PL情報は、副映像のみのAVストリーム、これについてのストリーム管理情報と共にWEBサイトから配給されるPL情報である。図24は、第2実施形態のアップデートキットに含まれるPL情報の内部構成を示す図である。PL情報における個々のCELL情報において、Subtitle Tableに本実施形態特有の改良がある。Subtitle Tableは、複数のSubtitle Entry(Subtitle Entry#1〜#n)と、これらSubtitle Entryの個数(Number)とからなる。
『SubTitle Table』は、本プレイリストと同期再生すべき字幕の管理情報であり、複数の言語情報(Language#1〜#k)と、言語数(Number)とからなる。プレイリストが、英語圏、日本語圏、中国語圏のそれぞれに対応する場合、『SubTitle Table』には、三ヶ国語のそれぞれについての言語情報が記述される。
各言語情報は、自身がどの言語に対応するかの情報(Lang.)と、副映像に対応するAVストリームが何処にあるかを示す(Storage Name)と、その言語で記述された複数の会話情報(Speech#1〜#j)と、会話情報の個数(Number)とからなる。会話情報(Speech#1〜#j)は、プレイリストの再生中に現れる各会話についての情報である。Cellの再生時に、5つの会話があれば、5つの会話のそれぞれについて会話情報が記述される。図25は、会話情報を示す図である。本図に示すように会話情報(Speech#1〜#j)は、その会話の台詞を記述した副映像ユニットが属するAVストリームの名称『AVStream Name』と、AVストリームにおいて副映像ユニットが属する副映像ストリームを示す『Stream ID』と、その副映像ユニットの再生開始時刻を示す『In点情報』と、その副映像ユニットの再生終了時刻を示す『Out点情報』と、その副映像ユニットの表示座標を示す『Position情報』とを含む。
以上がローカルHD12に書き込まれるアップデートキットである。図26は、第2実施形態に係る再生装置の内部構成を示す図である。以下、本実施形態に係る再生装置の改良部分に関係する構成要素(ダウンロード部11、HDバッファ13、スイッチ17、イメージデコーダ7、制御部16)について説明する。
第2実施形態に係るダウンロード部11は、副映像をバージョンアップするためのアップデートキットをWWWサーバ500からダウンロードしてローカルHD12に書き込む。
第2実施形態に係るHDバッファ13は、BD−ROMに記録されたAVストリームを構成するACCESS UNITが、BDバッファ2に読み出される度に、HDに記録されたAVストリームを構成するACCESS UNITが読み出される。
デマルチプレクサ14は、HDバッファ13に読み出されたMPEG−TS形式のACCESS UNITを多重分離して、多重化前の副映像ユニットを得る。
スイッチ17は、デマルチプレクサ3の多化分離によりえられた副映像ユニット、デマルチプレクサ14の多重分離により得られた副映像ユニットのうち、何れか一方をイメージデコーダ7に出力する。以上が本実施形態に係る再生装置の改良である。スイッチ17の出力切り換えは、SPRM(2)(副映像ストリーム番号)に基づく。
イメージデコーダ7は、BD−ROMから読み出された副映像ユニットに対してデコードを行う場合、副映像ユニットのヘッダに付加されている表示開始時刻を参照する。つまり再生装置内部のクロックがヘッダの表示開始時刻に示される時刻になればイメージデコーダ7は、副映像ユニットに対してデコードを行う。一方、HDから読み出された副映像ユニットに対してデコードを行う場合、イメージデコーダ7は副映像ユニットのヘッダに付加されている表示開始時刻と、ストリーム管理情報におけるオフセットとを参照する。つまり副映像ユニットのヘッダに付加されている表示開始時刻に、オフセットを足し合わせた時刻を再生装置の内部クロックが計時すれば、イメージデコーダ7は、副映像ユニットに対してデコードを行う。表示開始時刻に示される時刻に、オフセットを足し合わせた時刻は、BD−ROMから読み出されたビデオパケットの表示開始時刻に示される時刻とほぼ同じになる。イメージデコーダ9の上述した処理により、BD−ROMから読み出されたビデオフレームに対する再生出力処理と、HDから読み出された副映像ユニットに対する再生出力とは、同期がとられることになる。一方、ヘッダの表示終了時刻とオフセットとを足した時刻を再生装置内のクロックが計時すれば、イメージデコーダ9は字幕を消去する。以上の処理により、字幕の表示・消去は、動画再生と同期してなされる。
BD−ROM、HDからの読み出しは、ACCESS UNIT単位で行われたが、デマルチプレクサ3、デマルチプレクサ14からイメージデコーダ9への供給は、ACCESS UNITとは関係なくなされる。何故なら、デマルチプレクサ3、デマルチプレクサ14による多重分離は、TSパケット列たるACCESS UNITをPESパケット列に変換し、副映像ユニット、ビデオフレームに変換することであり、PESパケット又はTSパケットに含まれる単位で、イメージデコーダ9への供給はなされるからである。PESパケット、TSパケットが処理単位になるので、PESパケットに含まれる副映像ユニットの一部分がイメージデコーダ9に出力されることになる。何故なら、副映像ユニットはランレングスイメージデータであり、ぞのサイズはPESパケットよりかなり大きいため、複数PESパケットに分割して格納されるからである。
イメージデコーダ9はこのように供給された副映像ユニットの一部分を自身が内蔵しているメモリに順次蓄積して、1つの副映像ユニットを完成させたうえでデコードする。ここで問題となるのは、1つの副映像ユニットが複数ACCESS UNITに分割されて格納されている場合である。つまりあるACCESS UNITを構成するTSパケット列に、副映像ユニットの前半部分が格納されており、直後のACCESS UNITを構成するTSパケット列に、副映像ユニットの残りの部分が格納されている場合を想定する。
そして副映像ユニットの前半部分を格納したPESパケットが多重分離されてイメージデコーダ9に出力された後、同じ副映像ユニットの残り部分を格納したPESパケットが多重分離されるまでにSPRM(2)の更新による字幕切り換えがなされたものとする。この場合イメージデコーダ9には、副映像ユニットの前半部分が供給された後、別の副映像ストリームに属する副映像ユニットが供給されることになる。イメージデコーダ9は、前半部分は得たものの、残り部分を得ることはできないので、正常にデコードを行うことができず、イメージデコーダ9は無意味なデータを表示してしまう恐れがある。これを避けるには、字幕切換後、わずかな期間、イメージデコーダ9による再生出力に対し消去処理を施す。このにより、バージョンアップ切り換え直後は、僅かに字幕が無い期間が発生する。しかし次の副映像ユニットがイメージデコーダ9内のメモリに蓄積され次第、字幕表示は再開する。これによりBD−ROM側字幕からHD側字幕、HD側字幕からBD−ROM側字幕というように、自由な字幕切り換えが可能になる。
本実施形態における制御部16は、図27のフローチャートに従い、ACCESS UNITの再生処理を行う。本フローチャートは、PL#xに属するCELLのそれぞれについて、ステップS22〜ステップS36の処理を繰り返すというループ処理を形成している。ここで処理対象たるCELLを、PLにおいてy番目に位置するCELL(CELL#y)とする。具体的にいうとPL情報#xをメモリに読み込み(ステップS21)、PL情報#xの先頭CELLをCELL#yに設定し、PL情報#xの最後のCELLをCELL#zに設定してから(ステップS22)、これらのCELLに属するACCESS UNITを、BD−ROM及びローカルHD12からパラレルに読み出し、イメージデコーダ7にデコードさせるという処理を行う(ステップS23〜ステップS36)。
ステップS23〜ステップS36のうちステップS24〜ステップS32は、CELL#yに属する個々のACCESS UNITを、BD−ROM及びローカルHD12から読み出してゆくためのループ処理である。このループ処理において、読出対象たるACCESS UNITを、AVストリームにおいてu番目に位置するACCESS UNIT(ACCESS UNIT#u)とする。ステップS23では、ステップS24〜ステップS32のループ処理に先立ち、BD−ROM,HDにおけるAVストリームのうち、CELL#yのIn点ビデオフレームを含むACCESS UNITをACCESS UNIT#uに設定する。
ステップS24〜ステップS32のループ処理は、ACCESS UNIT#uをBD−ROM、HDのそれぞれからBDバッファ2、HDバッファ13に読み出して(ステップS24)、ステップS27、S37を経てACCESS UNIT#uを構成する副映像ユニットをデコーダに投入するという処理(ステップS28〜ステップS30)を繰り返すものである。
ステップS28〜ステップS30における字幕切り換えは、SPRM(2)に応じて、バッファに読み出されたACCESS UNIT内の副映像ユニットをイメージデコーダ7に投入するというものである。図中の字幕#vは、ユーザによりSPRMに設定された字幕言語を示す。ユーザにより字幕切換操作がなされた場合(ステップS27でYes)、SPRM(2)が更新される(ステップS33)。
もし字幕#vがBD−ROM側の副映像ストリームを示すなら(ステップS28でYes)、BDバッファ2に読み出されたACCESS UNIT内の副映像ユニットうち、字幕#vに対応するものをイメージデコーダ7に投入する(ステップS29)。もし字幕#vがローカルHD12側の副映像ストリームを示すなら(ステップS28でNo)、HD側バッファ上のACCESS UNIT内の副映像ユニットをイメージデコーダ7に投入する(ステップS30)。
ステップS31は、このループ処理の終了条件の判定であり、ACCESS UNIT#uが、CELLのOut点ビデオフレームを含んでいるのなら(ステップS31でYes)、このループ処理は終了することになる。もしこのステップの要件が満たされないのなら、AVストリームにおける次のACCESS UNITを、ACCESS UNIT#uに設定して(ステップS32)、ステップS24に戻る。ステップS35は、1つのCELL情報に属するACCESS UNITについて、ステップS23〜ステップS32の処理が繰り返された場合に、実行される判定ステップであり、現在の処理対象たるCELL情報#yが、最後のCELL情報#zかどうかを判定するものである。もし現在の処理対象たるCELL情報#yが、CELL#zでなければCELL#yを次の設定に設定し(ステップS36)、このCELL#yに属するACCESS UNIT#uについてステップS23〜ステップS35の処理を行うよう、ステップS23に移行する。
図28は、制御部16によるBD−ROM及びHDからのパラレル読み出しの過程を示す図である。本図におけるACCESS UNIT#100は、ステップS4においてBD−ROM、ローカルHD12のそれぞれからBDバッファ2、HDバッファ13に読み出される。そしてスイッチ17は、BDバッファ2側ACCESS UNIT#100の副映像ユニットをデコーダに出力するか、HDバッファ13側ACCESS UNIT#100の副映像ユニットをデコーダに出力するかの切り換えを、SPRM(2)に従い実行する。
図29は、図28に示したような出力切り換えにて、どのような字幕表示がなされるかを示す図である。スイッチ17が、BD−ROM側のACCESS UNIT#100をオーディオデコーダ6に出力すれば、図29の左側に示すような再生、つまり英語字幕「run after you」が動画像に合成された再生がなされる、一方スイッチ17が、HD側のACCESS UNIT#100をオーディオデコーダ6に出力すれば、図29の右側に示すような再生、つまり日本語字幕「君を追いかける」が合成された映像が再生される。
以上のように本実施形態によれば、1対1の対応がとられたACCESS UNITをBD−ROM及びローカルHD12からパラレルに読み出し、これらの一方を択一的にデコーダに再生させるので、字幕切り替えが実現されることになる。映画作品の制作者は、BD−ROMにより映画作品を配給した後でも、WWWサーバ500からの配信により、追加の字幕をユーザに供給することができる。
BD−ROM及びHDからACCESS UNITをパラレルに読み出すことは、アップデートキット内の副映像ストリームのサイズが大きい場合には必要となるが、アップデートキット内の副映像のサイズが小さい場合は、かかるパラレル読み出しは不要となる。例えば字幕がテキストデータであり、そのサイズが僅か数Kバイト程度であれば、BD−ROMからの読み出しに先立ちHDからテキストデータを読み出しておき、この字幕を再生装置内のメモリに格納しておいて字幕描画を行ってもよい。
(第3実施形態)
マルチアングル区間をもつ動画データがBD−ROMに記録されて頒布された後に、別のアングルからの動画データを配信する場合の改良に関する。先ず始めに、本実施形態に係るBD−ROM及びアップデートキットについて、より詳しく説明する。
先ず始めに、本実施形態に係るBD−ROMについて説明する。図30(a)は、第3実施形態に係るBD−ROMの内部構成を示す。本図におけるBD−ROMには、AVストリーム#1、マルチアングル区間、AVストリーム#4、ストリーム管理情報#1,#2,#3,#4、PL情報#1,#2,#3が記録されている。
これらについて説明する。AVストリーム#1、AVストリーム#4は第1実施形態に示したAVストリームと同じものである。AVストリーム#1−AVストリーム#4間のマルチアングル区間は、AVストリーム#2、AVストリーム#3という2つのAVストリームから構成される。
AVストリーム#2、AVストリーム#3は、2つのアングルから撮影された動画データであるものとする。この場合AVストリーム#2、AVストリーム#3は、
AVストリーム#2 ⇒ ILVU(2−1),ILVU(2−2),ILVU(2−3)
AVストリーム#3 ⇒ ILVU(3−1),ILVU(3−2),ILVU(3−3)
という3つのILVU(InterLeaVe Unit)に分割される。
ここでILVU(XX−YY)という表記の「XX」はILVUが属するAVストリームを示し、「YY」は、そのAVストリームにおけるILVUの順位を示す。かかるILVUは、ディスク上では以下のようなナンバリングで記録される。
ILVU(2−1) ILVU(3−1) ILVU(2−2) ILVU(3−2) ILVU(2−3) ILVU(3−3)
VOB#1を構成するILVUと、VOB#2を構成するILVUとが交互に現れるので、例えばILVU(2−1),ILVU(3−1)をまとめて読み出させれば、ビデオデコーダ4はILVU(2−1),ILVU(3−1)のうち一方を択一的にデコードすることができる。これによりユーザ操作に応じたアングル切り換えが実現されることになる。
上述したILVUが、BD−ROM上においてどのように管理されるかについて説明する。図31は、図30に示したマルチアングル区間を構成する各ILVUの所在が、どのように管理されるかを示す図である。AVストリームを構成するILVU、AVストリームを構成する各ILVUは、ファイルを構成するエクステント同様、先頭アドレス、長さをファイル管理情報に記述しておくことで管理される。本図の下段は、BD−ROM上のどのアドレスにILVUが記録されているかを示す。AVストリーム#3を構成するILVU(3−1)(3−2)は、アドレス64,1280に記録され、1024,880という連続長を有するので、AVストリーム#3の管理情報kj3に、これらが記述される。AVストリーム#2を構成するILVU(2−1)(2−2)(2−3)は、アドレス10,1088,2160に記録され、54,92,200という連続長を有するので、AVストリーム#2の管理情報kj2に、これらが記述される。AVストリームを構成するILVUの記録アドレスは、AVストリーム毎に別々のファイル管理情報に記述されるので、AVストリーム#2、AVストリーム#3は、BD−ROM上ではマルチアングル区間を構成していても、別々のファイルとして取り扱われることになる。以上がBD−ROMにおけるマルチアングル区間についての説明である。
続いてストリーム管理情報について説明する。図32は、第3実施形態に係るストリーム管理情報の構成を示す図である。このストリーム管理情報が図8に示したストリーム管理情報と異なるのは、属性、TMAPに加え、ILVUMAPが追加されている点である。ILVUMAPは、個々のILVUについてのエントリー#1〜#nに、LT数(Number)を付してなる。ILVUエントリーには、個々のILVUに属するACCESS UNITの個数が記述される。このILVUエントリーをTMAP、ファイル管理情報と併用することで、ILVUに属する個々のACCESS UNITへの頭出しを容易に行うことができる。
以上が本実施形態に係るBD−ROMについての説明である。続いてアップデートキットに含まれるAVストリームについて説明する。
本実施形態のアップデートキットに含まれるAVストリーム(図中のAVストリーム#5)は、追加のアングル映像を構成するものである。本実施形態に係るBD−ROMは、旅客列車の展望ビデオであり、AVストリーム#2は運転席から撮影された動画、AVストリーム#3は客室の両側の窓のうち、一方から撮影された動画であるものとする。BD−ROMには、これらAVストリーム#2、AVストリーム#3が記録されていたが、客室の両側の窓のうち、他方から撮影された動画の収録は諸般の事情から見送られたものとする。かかる事情がある場合に、この他方から撮影された動画をユーザに配信するため作成されたアップデートキットが、本実施形態におけるアップデートキットである。
図30(b)に示すように、アップデートキットに含まれるAVストリームは、複数のILVUに分割された状態でローカルHD12に記録されている。ローカルHD12におけるAVストリーム#5は、このILVU単位で読み出されることになる。
ここでUXX.M2TSを分割することで得られたILVU(5−1)(5−2)の再生時間長は、XXX.M2TSを構成するILVU(1−1)(1−2),(2−1)(2−2)の再生時間長と等しい。
本実施形態のアップデートキットに含まれるストリーム管理情報は、HD上のAVストリームを管理するための管理情報である。内部構成は、図32と同一なので図示を省略する。
本実施形態のアップデートキットに含まれるPL情報は、BD−ROMに記録されたマルチアングル区間と、HDにおけるAVストリームとを1つのPLとして扱うための経路情報である。図33は、第3実施形態に係るPL情報の内部構成を示す図である。図17と異なるのは、StreamID,In,OutといったAVストリームエントリーの代わりに、Angle Entry#1〜#nが各CELL情報内に含まれている点である。Angle Entryは、各アングルにあたるAVストリームにおいて、再生区間を定義するものである。破線の矢印ay1は、Angle Entryの内部構成をクローズアップしている。これからもわかるようにAngle Entryは、そのアングルにあたるAVストリームの「AVStream Name」、そのAVストリーム上の再生区間の開始点を示す「IN点情報」、そのAVストリーム上の再生区間の終了点を示す「OUT点情報」からなる。
BD−ROMに記録されたマルチアングル区間、HDにおけるAVストリームを1つのプレイリストとして扱うため、PL情報におけるAngle Entryは、BD−ROMのマルチアングル区間を構成する各AVストリーム、HDにおけるAVストリームについて設定される。つまり、Angle Entry#1はBD−ROM上のマルチアングル区間におけるAVストリーム#2、Angle Entry#2はBD−ROM上のマルチアングル区間におけるAVストリーム#3、Angle Entry#3はHD上のアップデートキットにおけるAVストリーム#5というように設定されるのである。
図34は、PL情報に含まれるAngle Entryによる間接参照を模式的に示す図である。
本図の矢印gy1,gy2は、Angle Entry#1,#2によるBD−ROM上のAVストリームに対する再生区間の指定を示す。一方、矢印gy3は、Angle Entry#3によるローカルHD12上のAVストリームに対する再生区間の指定を示す。これら再生区間の束が、PL情報に指定されているのである。1つのPL情報が、BD−ROMにおけるマルチアングル区間上の再生区間、ローカルHD12における再生区間を指定しているので、再生にあたっては、マルチアングル区間を構成するILVU、BD−ROM上のAVストリームを構成するILVUが再生装置によりパラレルに読み出されることになる。
以上が本実施形態に係るアップデートキットである。続いて、本実施形態に係る再生装置について説明する。図35は、第3実施形態に係る再生装置の内部構成を示す図である。本図に示す再生装置は、スイッチ18が追加されていることが新規である。
以下、本実施形態に係る再生装置の改良部分に関係する構成要素(ダウンロード部11、HDバッファ13、デマルチプレクサ14、スイッチ18、ビデオデコーダ4)について説明する。
第3実施形態に係るダウンロード部11は、BD−ROMに記録されたマルチアングル区間に新たなアングル映像を追加するためのアップデートキットをWWWサーバ500からダウンロードしてローカルHD12に書き込む。
第3実施形態に係るHDバッファ13は、BD−ROMに記録されたAVストリームを構成するILVUが、BDバッファ2に読み出される度に、HDに記録されたAVストリームを構成するILVUが、読み出される。
デマルチプレクサ14は、HDバッファ13に読み出されたMPEG−TS形式のILVUを多重分離して、多重化前のGOPを得る。
スイッチ18は、デマルチプレクサ3の多重化分離によりえられたGOP、デマルチプレクサ14の多重分離により得られたGOPのうち、何れか一方をビデオデコーダ4に出力する。スイッチ18の出力切り換えは、SPRM(3)(アングル番号)に基づく。
ビデオデコーダ4は、BD−ROMから読み出されたILVUに対してデコードを行う場合、ビデオデコーダ4はILVUを構成するPESパケットに付加されているPTSを参照する。つまり再生装置内部のクロックがPESパケットのPTSに示される時刻になればビデオデコーダ4は、ILVUに対してデコードを行う。一方、HDから読み出されたILVUに対してデコードを行う場合、ビデオデコーダ4はPESパケットに付加されているPTSと、ストリーム管理情報におけるオフセットとを参照する。つまりPESパケットに付加されているPTSに、オフセットを足し合わせた時刻を再生装置の内部クロックが計時すれば、ビデオデコーダ4は、ILVUに対してデコードを行う。PTSに示される時刻に、オフセットを足し合わせた時刻は、BD−ROMから読み出されたオーディオパケットのPTSに示される時刻とほぼ同じになる。ビデオデコーダ4の上述した処理により、BD−ROMから読み出されたオーディオフレームに対する再生出力と、HDから読み出されたILVUに対するデコーダとは、同期がとられることになる。
以上が本実施形態に係る再生装置の改良である。以上のように構成された再生装置を制御すべく、本実施形態に係る制御部16は図36のフローチャートに従い再生処理を行う。
本フローチャートは、PL#xに属するCELLのそれぞれについて、ステップS42〜ステップS56の処理を繰り返すというループ処理構造を形成している。ここで処理対象たるCELL情報を、PLにおいてy番目に位置するCELL情報(CELL情報#y)とする。具体的にいうとPL情報#xをメモリに読み込み(ステップS41)、PL情報#xの先頭CELLをCELL#yに設定し、PL情報#xの最後のCELL情報をCELL情報#zに設定してから(ステップS42)、CELLに属するILVUを、BD−ROM及びローカルHD12からパラレルにILVUを読み出し、ビデオデコーダ4にデコードさせるという処理を行う(ステップS43〜ステップS56)。
ステップS43〜ステップS56のうちステップS44〜ステップS52は、CELL#yに属する個々のILVUを、BD−ROM及びローカルHD12から読み出してゆくためのループ処理である。このループ処理において、読出対象たるILVUを、AVストリームにおいてu番目に位置するILVU(ILVU#u)とする。ステップS43では、ステップS44〜ステップS52のループ処理に先立ち、BD−ROM,HDにおけるAVストリームのうち、CELL#yのIn点ビデオフレームを含むILVUをILVU#uに設定している。
ステップS44〜ステップS52のループ処理は、ILVU#uをBD−ROM、HDのそれぞれからBDバッファ2、HDバッファ13に読み出して、バッファ上のILVUを構成するACCESS UNITのそれぞれをデコーダに投入するという処理(ステップS44〜ステップS52)を繰り返し、ACCESS UNITの全てが投入されれば、次のILVUに処理を移すというものである(ステップS54)。
ビデオデコーダ4に投入されるACCESS UNITを、ILVUにおいてk番目に位置するACCESS UNIT(ACCESS UNIT#k)という。ステップS44〜ステップS50のループ処理では、バッファ上のILVUにおける先頭のACCESS UNITが、ACCESS UNIT#uに設定され(ステップS45)、以降ループ処理が一回繰り返される度に、ILVUにおける次のACCESS UNITがACCESS UNIT#kに設定される(ステップS52)。
ステップS44〜ステップS50のうちステップS48〜ステップS50は、ユーザによるアングル設定に応じて、バッファに読み出されたILVU内のACCESS UNITをデコーダに投入するというものである。図中のアングル#vは、ユーザによりSPRM(3)に設定されたアングルを示す。ユーザによりアングル切換操作がなされた場合(ステップS47でYes)、SPRM(3)は更新を受ける(ステップS53)。
もしアングル#vがBD−ROM側のアングルを示すなら(ステップS48でYes)、BDバッファ2に読み出されたILVU内のACCESS UNITのうち、アングル#vに対応するものをACCESS UNIT#kとしてデコーダに投入する(ステップS49)。もしアングル#vがローカルHD12側のアングルを示すなら(ステップS48でNo)、HD側バッファ上のILVU内のACCESS UNIT#kをデコーダに投入する(ステップS50)。
ステップS51は、このループ処理の終了条件の判定であり、ACCESS UNIT#kがILVU#uの最後のACCESS UNITでないなら(ステップS51でNo)、AVストリームにおける次のACCESS UNITを、ACCESS UNIT#kに設定して(ステップS52)ステップS47に戻る。もしACCESS UNIT#kがILVU#uの最後のACCESS UNITであるなら、ILVU#uが、CELLのOut点ビデオフレームを含んでいるかどうかを判定する(ステップS53)。ILVU#uが、CELLのOut点ビデオフレームを含んでいないのなら、CELLにおける次のILVUをILVU#uに設定して(ステップS54)、ステップS44に移行する。含んでいるのなら、ステップS55を実行する。ステップS55は、現在の処理対象たるCELL情報#yが、最後のCELL情報#zかどうかを判定するものである。もし現在の処理対象たるCELL情報#yが、CELL#zでなければCELL#yを次の設定に設定し(ステップS56)、このCELL#yに属するILVUについてステップS43〜ステップS55の処理を行うよう、ステップS43に移行する。もし再生停止操作がなされた場合は、本フローチャートの処理を終了する(ステップS53でYes)。
図37は、スイッチ18によるBD−ROM及びHDからのパラレル読み出しの過程を示す図である。本図におけるILVU(2−2)(3−2)は、ステップS44においてBD−ROMからBDバッファ2に読み出される。本図におけるILVU(5−2)は、ステップS44においてHDからHDバッファ13に読み出される。そしてスイッチ18は、BDバッファ2側のILVU(2−2)、(3−2)、HDバッファ13側のILVU(5−2)のうち、何れかを選択的にビデオデコーダ4に出力する。
図38は、図37に示したような出力切り換えにて、どのような動画表示がなされるかを示す図である。スイッチ18が、BD−ROM側のILVU(3−2)をビデオデコーダ4に出力すれば、図28の左側に示すような再生、つまり列車の運転席から撮影された動画像が再生される。一方スイッチ17が、HD側のILVU(5−2)をビデオデコーダ4に出力すれば、図38の右側に示すような再生、つまり列車の窓側から撮影された動画像が再生される。
以上のように本実施形態によれば、BD−ROMに記録された映画作品がマルチアングル型の映画作品である場合、これに新たなシーンを追加することができ、映画作品の中身を更に充実させることができる。
(第4実施形態)
第1実施形態では、BD−ROMからのACCESS UNIT読み出しと、ローカルHD12からのACCESS UNIT読み出しとをパラレルに行ったが、第4実施形態ではBD−ROMからのACCESS UNIT読み出しとパラレルに、ストリーミング再生を行う。図39は、第4実施形態に係るホームシアターシステムを示す図である。
本図におけるシステムは、ホームサーバ600が追加されている点が新しい。本図において再生装置200は、アップデートキットのうちストリーム管理情報、PL情報のみをダウンロードする。アップデートキットのうちAVストリームは、ホームサーバ600がダウンロードする。ここでホームサーバ600は、放送や配信されたコンテンツを自身が内蔵するHDに書き込む機器である。配信されたAVストリームは、かかるホームサーバ600によりダウンロードされ、内蔵されたHDに書き込まれるのである。
そして本実施形態に係る再生装置200は、このホームサーバ600からアップデートキット内のAVストリームの供給を受ける。以上が本実施形態に係るホームシアターシステムの概略構成である。
ストリーム再生にあたって再生装置外部からACCESS UNITを取得するため、アップデートキットにおけるストリーム管理情報、PL情報は図40、図41のように改良されている。ストリーム管理情報の改良は、ストリーミング再生の対象となるAVストリームの取得先URIが、Audio属性情報に記述されている点である。つまりAudio属性情報の項目のうち、AVstreamNameやAudiostreamIDの代わりに、AVストリームの取得先URIが記述されているのである。
PL情報の改良は、ストリーミング再生の対象となるAVストリームの取得先URIが、Audio Entryに記述されている点である。つまりPL情報におけるAudio Entryの項目のうち、AVstreamNameやAudiostream IDの代わりに、AVストリームの取得先URIが記述されているのである。
再生装置200はアップデートキットのうちストリーム管理情報、PL情報をダウンロードすれば、これらストリーム管理情報、PL情報に、ホームサーバ600のURIを書き込む。こうすることによりホームサーバ600からAVストリームを取り出す準備ができたことになる。
以上が本実施形態におけるアップデートキットの改良である。続いて再生装置の改良について説明する。図42は、第4実施形態に係る再生装置の内部構成を示す図である。再生装置における改良は、ストリーミングバッファ19が追加されている点が主である。制御部16による再生制御の改良は、図43のフローチャートに示す通りである。本フローチャートでは、ステップS100〜ステップS102が新規に追加されている
ステップS100では、WWWサーバ500からのACCESS UNITを読み出しをBD−ROMからの読み出しに先立って行う。これは、WWWサーバ500からのACCESS UNITの取得には長い時間がかかるので、ストリーミングバッファ19へのACCESS UNIT供給は、BD−ROMからの読み出しに先立って行っておくことが望ましいからである。そしてストリーミングバッファ19に充分な量のACCESS UNITが蓄積されるのを待ち(ステップS101)、蓄積されれば、BD−ROMからBDバッファ2へのACCESS UNIT読み出しを開始する(ステップS102)。
BDバッファ2及びストリーミングバッファ19の双方に、充分な量のACCESS UNITが蓄積されし次第、ACCESS UNITに含まれるGOP、オーディオフレームをデコーダに投入してゆく。この際、オーディオフレームについては、ユーザの設定(SPRM(1))に応じたものが選択的に再生される(ステップS5〜S17)。
以上のように本実施形態によれば、ホームネットワークにおける別の装置にダウンロードされたオーディオストリームと、BD−ROMに記録されたオーディオストリームとを択一的に再生できるので、アップデートキットを配置する場所の自由度が高まる。
尚、ホームサーバ600のようにユーザが所有する機器でなくても、配信サーバからの供給を受けてストリーミング再生を行ってもよい、しかしインターネットを介した配信は概して低速なので、BD−ROMからの読み出しに先立ち、充分な量のACCESS UNITをストリームファイルに先読みしておくことが望ましい。
(第5実施形態)
第5実施形態は、動的シナリオをダウンロードすることにより、BD−ROMに記録されている映画作品の新たなバージョンを、再生装置に再生させる改良に関する。
光ディスクによる映画作品の頒布にあたっては、世界的なヒット作品をいちはやく家庭でみたいというユーザの要望は根強く、映画作品の制作者は、過酷な日程で映画作品制作の任務に就いている。近年の映画業界には、映画作品本編以外にも、監督や俳優によるコメンテンタリーやメイキング映像、カット映像、未公開映像をBD−ROMに記録して付加価値を高めるという傾向がみられ、これらの字幕・吹き替え音声の作成は、上述した過酷な日程に追い討ちをかけている。
このような問題を解決するため、本実施形態では動的シナリオのダウンロードを行う。
動的シナリオとは、PL情報を用いたAVストリームの再生制御手順を示すプログラムであり、再生装置における制御のレイアモデルにおいて第4層に規定される。図44は、レイヤモデルの第4層を示す図である。本図において第4層には、1つのノーマルモードと、2つのエンハンスドモードとが記述されている。1つのノーマルモードは、DVDライクな再生環境での再生モードでありMOVIEモードと呼ばれる。2つのエンハンスドモードのうち、1つ目は、Java仮想マシンを主体とした再生モードであり、Javaモードと呼ばれる。2つ目のエンハンスドモードのうち、2つ目はブラウザを主体とした再生モードであり、Browserモードと呼ばれる。
第4層には、MOVIEモード、Javaモード、Browserモードという3つのモードがあるので、動的シナリオはどれかのモードで実行できるように記述されればよい。DVDプレーヤ向けのコマンドと良く似たコマンドで、制御手順を記述したい場合は、MOVIEモードの再生制御手順を記述すればよい。そうすれば既存のDVD再生装置と良く似た再生制御を再生装置に実行させることができる。ページ記述言語で制御手順を記述した場合は、Browserモードの再生制御手順を記述すればよい。ネットワーク上のサイトをアクセスしたり、ファイルをダウンロードするような制御手順を記述することができる。Javaモードの動的シナリオが図44に示したZZZ.CLASSであり、ブラウザモードの動的シナリオがZZZ.HTMである。MOVIEモードの動的シナリオがZZZ.MOVIEである。3つのPLから構成される映画作品がBD−ROMに記録されている場合、この動的シナリオがどのように記述されるかの記述例を図45(a)に示す。本図における動的シナリオは、Java言語で記述されたJavaモードの動的シナリオであり、Javaオブジェクトとよばれる。Java言語での記述が可能なので、Javaオブジェクトにおける再生制御手順は、if文等を用いたプログラミングで記述可能である。本図におけるPlayPL(XX,YY)は、第1引数XXに指定されるPLを、第2引数に示される箇所から再生させる関数である。図45(a)のプログラムの記述例では、PlayPL(PL#1,CELL#1)、PlayPL(PL#2,CELL#1)、PlayPL(PL#3,CELL#1)という3つの関数呼出が並んでいるから、PL#1,PL#2,PL#3と言う3つのPLが順次再生され、1つの映画作品が構成されることになる。尚本図におけるPL#1,#2,#3は、PL情報だけをいうのではなく、AVストリーム−ストリーム管理情報−PL情報という一連の組みを意味する。
以上が本実施形態に係るBD−ROMの説明である。続いて本実施形態に係るアップデートキットについて説明する。
本実施形態に係るアップデートキットは、動的シナリオを含む。この動的シナリオは、BD−ROMに記録された動的シナリオの代わりに用いられる。つまりアップデートキット内に新たな動的シナリオが存在する場合、BD−ROMに記録された動的シナリオの代わりに、この新たな動的シナリオが使用されることになる。
図45(b)は、図45(a)に示した動的シナリオの代わりに用いられる動的シナリオを示す図である。かかる動的シナリオはアップデートキットに組み込まれた状態でHDに書き込まれる。このアップデートキットは、言語によって再生シーンを切り替える「ランゲージクレジット」を実現するものであり、動的シナリオの他に追加のPL(PL#4)を含む。これは差し替え映像であり、択一的にPL#2の代わりに再生される。
アップデートキット内の新たな動的シナリオは、再生装置における言語設定(SPRM(0))が「日本語」なら(if(SPRM((0)==Japanese))、PL#4を再生し(Link(PL#4,Cell#1,0))、再生装置における言語設定がそれ以外なら(else)、PL#2を再生する(Link(PL#2,Cell#1,0))という条件付き再生を実現する。
図46(a)は、BD−ROMに記録される動的シナリオによる再生手順を示す図であり、図46(b)は、アップデートキットに含まれる動的シナリオによる再生手順を示す図である。図中(b)の矢印hb1,hb2は、アップデートキット内の動的シナリオによる条件付き分岐を象徴的に示したものである。
この図からもわかるようにBD−ROMに記録された動的シナリオは、BD−ROMに記録されたPL#1,#2,#3を順次再生させているに過ぎない。一方、アップデートキットに含まれる動的シナリオは、SPRM(0)の値に応じて、日本向けのPL(PL#4)を再生させるか、米国向けのPL(PL#2)を再生させるかを切り換えているのである。
以上が本実施形態に係るアップデートキットである。続いて本実施形態に係る再生装置について説明する。図47は、本実施形態に係る再生装置の内部構成を示す図である。本図における再生装置は、動的シナリオメモリ20、再生制御エンジン21、DVDライクモジュール23、Javaモジュール24、BROWSERモジュール25、モジュールマネージャ26が追加されている点が新規である。
動的シナリオメモリ20は、カレント動的シナリオを格納しておき、DVDライクモジュール23〜BROWSERモジュール25による処理に供するメモリである。カレント動的シナリオとは、現在実行対象になっている動的シナリオである。ローカルHD12にアップデートキットが格納されていない場合、BD−ROMにおける動的シナリオがカレントシナリオになり、ローカルHD12にアップデートキットが記録されている場合は、ローカルHD12における動的シナリオがカレントシナリオになる。
再生制御エンジン21は、AV再生機能(1)、プレイリストの再生機能(2)、再生装置における状態取得/設定機能(3)といった諸機能を実行する。再生装置のAV再生機能とは、DVDプレーヤ、CDプレーヤから踏襲した機能群であり、再生開始(Play)、再生停止(Stop)、一時停止(Pause On)、一時停止の解除(Pause Off)、Still機能の解除(Still off)、速度指定付きの早送り(Forward Play(speed))、速度指定付きの巻戻し(Backward Play(speed))、音声切り換え(Audio Change)、副映像切り換え(Subtitle Change)、アングル切り換え(Angle Change)といった処理をユーザからの操作に応じて実行することである。PL再生機能とは、PL情報を解読して、再生開始や再生停止をPL情報に従って行うことをいう。このPL再生機能の実行により、再生制御エンジン21はレイヤモデルの第3層(静的なシナリオに基づく再生制御)の役割を果たす。再生制御エンジン21は、AV再生機能をユーザからの操作に従って実行する。一方、機能(2)〜(3)を、DVDライクモジュール23〜BROWSERモジュール25からの関数呼出に応じて実行する。つまり再生制御エンジン21は、ユーザ操作による指示、レイヤモデルにおける上位層からの指示に応じて、自身の機能を実行する。
DVDライクモジュール23は、MOVIEモードの実行主体となるDVD仮想プレーヤであり、動的シナリオメモリ20に読み出されたカレントのMOVIEオブジェクトを実行する。
Javaモジュール24は、Javaプラットフォームであり、Java仮想マシン、コンフィグレーション、プロファイルからなる。Javaモジュール24は、動的シナリオメモリ20に読み出されたZZZ.CLASSからカレントのJavaオブジェクトを生成し、実行する。Java仮想マシンは、Java言語で記述されたJavaオブジェクトを、再生装置におけるCPUのネィティブコードに変換して、CPUに実行させる。
BROWSERモジュール25は、Browserモードの実行主体となるブラウザであり、動的シナリオメモリ20に読み出されたカレントのWebPageオブジェクトを実行する。
モジュールマネージャ26は、モード管理及び分岐制御を行う。モジュールマネージャ26によるモード管理とは、動的シナリオをどのDVDライクモジュール23〜BROWSERモジュール25のうち、どれに実行させるかという、モジュールの割り当てである。モジュール割り当ての原則は、動的シナリオをDVDライクモジュール23に実行させるというものである。イントラモードでの分岐(同一モード内の分岐)があったとしても、この原則は維持される。例外は、インターモードでの分岐(モード間の分岐)が発生した場合である。MOVIEオブジェクトからJavaオブジェクト/WebPageオブジェクトへの分岐が発生した場合、Javaモジュール24、BROWSERモジュール25がカレントオブジェクトを実行することになる。
モジュールマネージャ26による分岐制御は、分岐先となる動的シナリオを特定し、これをメモリに読み出して、DVDライクモジュール23〜BROWSERモジュール25のどれかに実行させることをいう。
以上のように構成された再生装置において、DVDライクモジュール23〜BROWSERモジュール25が、動的シナリオメモリ20に読み出された動的シナリオに従ったPL再生を再生制御エンジン21に行わせることにより、図46(a)、(b)に示したような再生がなされる。特に図46(b)の再生にて、BD−ROMに記録された米国公開版の映画作品を、日本公開版に発展させることができる。
動的シナリオの最新バージョンをアップデートキットとしてダウンロードする場合の他のバリエーションについて説明する。BD−ROMに記録された映画作品に、パレンタルロックを施すようなアップデートキットを以下に説明する。
図48(a)は、BD−ROMの記録内容を示す図である。BD−ROMの記録内容は、PL#1、PL#2、PL#3からなるものとする。PL#2は、性的または暴力的なシーンが含まれており、PG18などに代表される視聴年齢制限が必要である。
図48(b)は、図48(a)に示すBD−ROMに対するアップデートキットである。アップデートキットに含まれるPL#4は、追加のPLである。PL#4はメニューを表示してユーザ選択を受け付けるPLである。このメニューは、子供のように視聴か、大人による視聴かの選択をユーザから受け付けるものである。この選択の結果は、SPR(13)に設定される。PL#4は、PL#2と同様の趣旨の映像内容を漫画的に子供向けに表現したものである。
置き換え用の動的シナリオ(Javaオブジェクト)は、PL#1−PL#2−PL#3という3つのPLの再生に先立ち、PL#4の再生を行い、ユーザ選択を行わせてから、この選択に従いPL#4の再生を行うか、PL#2の再生を行うかを切り換える。PL#4は、再生装置におけるパレンタルレベルの設定(SPRM(13))を受け付けるものであり、このSPRM(13)が「Adult Only」なら(if(SPRM(13)==Adult Only))、PL#2を再生(Link(PL#2,Cell#1)、再生装置におけるパレンタルレベルがそれ以外なら(else)、PL#5を再生することになる(Link(PL#5,Cell#1))。SPRM(13)の設定如何で、過激なシーンの再生、子供向けシーンの再生が切り換わるので、たとえBD−ROMにて配布された映画作品に過激なシーンが含まれていたとしても、このBD−ROMに後付けでパレンタルロックを付加することができる。
図49(a)(b)は、BD−ROMに記録された動的シナリオ、アップデートキットに含まれる動的シナリオにより実現される再生手順を模式的に示す図である。図中の矢印pc1,pc2は、アップデートキット内の動的シナリオによる条件付き再生を象徴的に示したものである。この図からもわかるようにSPRM(13)の値に応じて、PL#2かPL#5かの再生切り換えが実現されているのである。SPRM(13)の値に応じて、PL#2の再生を行うか、PL#2を迂回するかの制御がなされるので、BD−ROMに記録されたプログラムに、PL#2を迂回する機能はなくてもWEBサイトから配給される動的シナリオを用いて、後付けでPL#2を迂回するとの再生制御を実現することができる。
続いて、BD−ROMに記録された劇場公開版の映画作品を、ディレクターズカット版に発展させるようなアップデートキットを以下に説明する。
劇場公開版の映画作品とは、一部のシーンをカット/編集して、映画上映時間を2時間強に納めたものをいう。上映時間を2時間強とするのは、映画館での一日の上映回数を増やすためである。つまり、映画監督の意思と相反する事情から、カット/編集が施された映画作品が、劇場公開版の映画作品である。
一方、ディレクターズカット版の映画作品とは、劇場公開版の映画作品に未公開シーンや、編集仮定でカットされたシーンを加えた映画作品であり、映画監督の意思の思想・感情がそのまま現れている映画作品をいう。
図50は、BD−ROMに記録された劇場公開版の映像編集を、ディレクターズカットに発展させるアップデートキットを示す図である。図50(a)は、BD−ROMに記録されるPL#1、PL#2、動的シナリオ(Javaオブジェクト)を示す。図50(b)は、アップデートキットを示す図である。アップデートキットは、追加のPL#4、置き換え用の動的シナリオを含む。
この動的シナリオ(Javaオブジェクト)は、図51(a)に示すような再生順序(PL#1、PL#2)がBD−ROMの動的シナリオにて規定されている場合、PL#1、PL#2の途中に、未公開シーンを構成するPL#3を挿入させるものである。図51(b)は、置き換え用動的シナリオによる再生手順を示す図である。この動的シナリオにより、PL#1,PL#3,PL#2の順に、PLは再生されることになる。
以上のように本実施形態によれば、再生装置における状態設定に応じて分岐を行うような動的シナリオを、更新用の動的シナリオとして再生装置にダウンロードすることにより、BD−ROMにないようなバージョンの映画作品をユーザに視聴させることができる。
また本実施形態によれば、ROMディスクによる映画作品の頒布後のバージョンアップと等価な動作を実現することができる。パソコンソフトのように後日のバージョンアップが、光ディスクによる映画作品頒布でも可能になるので、制作者の負担は弱らげられる。ここでソフトウェアのバージョンアップは、ROMディスクに記録されたソフトウェアをパソコンにインストールし、新たなアップデートキットをダウンロードしてこのHDに追加することで実現される。このソフトウェアのバージョンアップと異なるのは、上述した再生装置は、HDへのインストールを行わないという点である。HDへのインストールを行わせないので、HDへのインストールが、無尽蔵コピーの糸口になることはない。
(第6実施形態)
第6実施形態は、仮想パッケージのバージョン管理を実現する改良に関する。図52は、本実施形態に係るHDのディレクトリ構成を示す図であり、本図に示すようにHDには、ROOTディレクトリの下にVpackageディレクトリがあり、その下にabcディレクトリ、XYZディレクトリがある。
図中の「Vpackage」とは、各BD−ROMについてのアップデートキットを格納したディレクトリの上位に位置するディレクトリである。BD−ROMのアップデートキットを格納したディレクトリは、ディレクトリVpackageの下位に配されるので、アップデートキットを配置したディレクトリは、その他のファイルを配したディレクトリと区別されることになる。制御部16は、BD−ROMがローディングされた場合、Vpackageという名のディレクトリがあるかどうかでアップデートキットの存否をチェックすることができる。
本図において「XYZ」,「abc」はそれぞれがBD−ROMのボリュームラベルであり、「XYZ」というボリュームラベルを有したBD−ROM、「abc」というボリュームラベルを有したBD−ROMに対応したディレクトリが、ローカルHD12に存在することを意味する。ディレクトリ「XYZ」の下位に位置するサブディレクトリ「Version2,3」は、ボリュームラベル「XYZ」のBD−ROMをVersion2,3にアップデートするためのアップデートキットの置き場所を示す。各BD−ROMに対応するディレクトリにサブディレクトリを配置することで各BD−ROMの個々のバージョンについてのアップデートキットが個別に格納されるのである。
以上が本実施形態に係るローカルHD12の改良である。続いて、ローカルHD12のディレクトリ構造に係る再生装置200における構成要素の改良(ダウンロード部11、モジュールマネージャ26)について説明する。
ダウンロード部11は、WWWサーバ500からアップデートキットをダウンロードする際、BD−ROMに対応する新たなディレクトリをローカルHD12上に作成し、そのディレクトリに、BD−ROMのボリュームラベルと同じ名称を付加する。BD−ROMに対応するディレクトリがローカルHD12上に存在する場合、個々のBD−ROMに対応するディレクトリ内に新たなサブディレクトリを生成する。この新たなサブディレクトリは、BD−ROMの記録内容の新たなバージョンに対応したディレクトリ名を有する。そしてWWWサーバ500からダウンロードしたアップデートキットを、この新たなサブディレクトリに書き込むのである。例えばディレクトリ「XYZ」に配置すべきアップデートキットが第2版なら、ディレクトリ名「Version2」のサブディレクトリをディレクトリ「XYZ」の下位に生成する。アップデートキットが第3版なら、ディレクトリ名「Version3」のサブディレクトリをディレクトリ「XYZ」の下位に生成する。その後、WWWサーバ500にアクセスし、アップデートキットをダウンロードして、該当するバージョンのサブディレクトリにダウンロードしたアップデートキットを書き込む。
モジュールマネージャ26は、BD−ROMが再生装置200に装填された際、そのBD−ROMからボリュームラベルを読み出して、ローカルHD12における複数ディレクトリのうち、読み出されたボリュームラベルに合致するものを特定する。こうして特定されたディレクトリの下位に、サブディレクトリが存在するかどうかをチェックする。サブディレクトリが存在するのなら、それらのサブディレクトリのディレクトリ名を参照して、ディレクトリ名に組み込まれているバージョン番号が最も新しいものをアクセスし、そのサブディレクトリからアップデートキットを読み出す。以上が本実施形態のディレクトリ構造に係る構成要素についての改良である。
こうして、バージョン毎に格納されたアップデートキットにて構成される仮想パッケージは、パッケージ統合情報により統合管理される。以降、各仮想パッケージについてのパッケージ統合情報(INFO.BD)について説明する。図53は、INFO.BDの内部構成を示す図である。BD−ROMパッケージ及び仮想パッケージにおけるINFO.BDは、Index Table、一般情報(General)、PLListを有している。
Index Tableは、動的シナリオについての複数INDEXからなる。このINDEXには、FirstPlayINDEX、メニューINDEXがある。FirstPlayINDEXは、BD−ROMが再生装置にローディングされた際、再生装置が最初に実行すべき動的シナリオ(スタートアップ用動的シナリオ)を指定する。
メニューINDEXは、ユーザがメニューコールを行った際、再生装置が実行すべき動的シナリオを指定するINDEXである。メニューには、Topメニュー、Titleメニュー、Chapterメニュー、Audioメニュー、SubTitleメニューがある。このようなINDEXにより、BD−ROMパッケージにおいては、再生装置へのローディイング時の処理やメニューコール時の処理が規定される。結果としてこのINFO.BDにより、BD−ROMパッケージの挙動が規定されるのである。
続いて一般情報(General)、PLListについて説明する。
破線の引き出し線gh1は、一般情報「General」の内部構成をクローズアップしている。この引き出し線に示すように、一般情報「General」は、「パッケージ名(Package Name)」、「パッケージバージョン(Package Version)」、「ダウンロード許可フラグ(DownLoadability)」「URI」、「有効期限(ExpireDate)」を持つ。
「パッケージ名(PakckageName)」は、BD−ROMパッケージおよび仮想パッケージで統一されたパッケージとしての名称である。通常、映画のタイトル名が「パッケージ名(PakckageName)」として設定される。このパッケージ名は、BD−ROMパッケージと仮想パッケージの対応付けに利用される。
「パッケージバージョン(PakcageVersion)」は、INFO.BDが属しているバージョンを番号で示す。例えば、BD−ROM上のINFO.BDであれば、本情報はVersion1と設定され、仮想パッケージ上のINFO.BDであれば、本情報は、バージョン2以降の値が設定される。
「ダウンロード許可フラグ(Downloadability)」は、アップデートキットが後日供給される可能性の有無を示すフラグである。BD−ROMに記録されたINFO.BDのフラグが「不可」を示している場合は、アップデートキットが供給される可能性がないことを意味する。このフラグが可を示している場合は、以降のバージョンにアップデートするためのアップデートキットが供給され得ることを示す。
DownLoadabilityフラグをバージョンアップ不可と設定することにより、アップデートキットを用いた仮想パッケージ再生は禁じられることになる。これはバージョンアップの途が閉ざされるため、一件業者にとって不利なように見える。しかしDownLoadabilityフラグが不可を示しているなら、アップデートキットをBD−ROMと組合せた再生が禁じられるので、アップデートキットを悪用して映画作品のパロディ版を作成し、制作者を誹謗・中傷することも不可能となる。このような誹謗・中傷をさけ得る点からすれば、DownLoadabilityフラグを不可と設定することのメリットは大きい。
「URI」は、Unified Resource Identifierであり、アップデートキットの供給の可能性があれば、ネットワーク上のどのWWWサイトに、このアップデートキットが存在するかを示す。ダウンロード部11は、このURIに示されるWWWサイトへアクセスすれば、最新バージョンのアップデートキットを入手することができる。
「有効期限(ExpirationDate)」はアップデートキットのダウンロードが有効になる期日を示している。再生制御エンジン21は、再生装置内のカレンダ・時計が計時する現日時とこの情報とを比較し、アップデートキットが有効になっているか、または、期限が過ぎていないかを確認する。期間内であれば、INFO.BDを含むアップデートキットを用いた再生を行う。一方期限を過ぎていれば、INFO.BDを含むアップデートキットを用いた再生は行わない。
次に、PLリスト「PLList」の内部構成について説明する。破線の引き出し線gh2は、PLリスト「PLList」の内部構成をクローズアップして示している。PLListは、当該パッケージが有するプレイリストの数(Number)と各プレイリスト毎のエントリ情報(PLEntry#1〜#n)を有している。
「プレイリストエントリ情報(PLEntry)」は夫々「パッケージバージョン(Package Version)」、「ストレージ名(StorageName)」、「プレイリスト名(PlayListName)」、「代替PL情報(Alternative)」という情報を、個々のPL情報に設定できるようになっている。
「パッケージバージョン(Package Version)」は、PLEntryに対応するPL情報が属しているバージョンを番号で示す。例えば、BD−ROM上のPL情報であれば、本情報はVersion1と設定され、仮想パッケージ上のPL情報であれば、本情報は、バージョン2以降の値が設定される。
「ストレージ名(StorageName)」は、PLEntryに対応するPL情報が、BD−ROM,HD,半導体メモリカード,インターネット上のサーバのうち何処に置かれているかを示す。PL情報をHD,半導体メモリカードに配置するのはダウンロード部11なので、アップデートキットがダウンロードした後にダウンロード部11が自動的に付与する情報になる。
「プレイリスト名(PlayListName)」は、PLEntryに対応するPL情報のシリアル番号であり、PL#1などの値が設定されてる。
「代替PL情報(Alternative)」は、PLEntryに対応するPL情報が、ダウンロードの失敗やHDのトラブルなどによって破損した場合に、代替として再生されるべきプレイリストを示す。PL情報の破損とは、PL情報を構成するCELL清報が、AVストリームを指定していないこと(i)、PL情報を構成するCELL情報のIN点、OUT点が不正であること(ii)、PL情報が既に削除されていること(iii)等の事情があり、PL情報を正しく解読できないことをいう。代替PL情報は通常、BD−ROMに記録されているPL情報を指定する。BD−ROM上のPL情報が破損することは稀だからである。
以上が仮想パッケージ用のINFO.BDである。続いてINFO.BDに係る再生装置の改良(ダウンロード部11、モジュールマネージャ26)について説明する。
ダウンロード部11は、INFO.BDにおける一般情報のURIを参照し、ネットワークにおいてURIに示されているWWWサーバ500からバージョンアップのためのアップデートキットをダウンロードし、ローカルHD12における個々のBD−ROMに対応するディレクトリに書き込む。ダウンロード部11は、再生装置200内部のカレンダを参照し、現在日時がこのINFO.BDにおける一般情報のExpirationDateに示される日時に達したかどうかの判定を行い、もし達すれば、INFO.BD一般情報のURIに基づきWWWサーバ500をアクセスしてダウンロードを試みる。
再生制御エンジン21は、PL情報の処理に先立ち、PLEntryのStorage Nameに示される場所のPL情報が破損しているかどうかのチェックを行う。破損がなければPLEntryのStorage Nameに示される場所のPL情報を解読するが、もし破損があれば、PLEntryのAlternativeに示されるPL情報を読み出し解読する。
モジュールマネージャ26は、図54のフローチャートに従って仮想パッケージの再生を行う。以降本フローチャートを参照しながら、本実施形態に係るモジュールマネージャ26の処理手順について説明する。
図54のフローチャートにおいて動的シナリオiとは、BD−ROM又はローカルHD12からの読み込みの対象となる動的シナリオiである。
BD−ROMにおけるINFO.BDのAbilityFlagが「可能性無し」を示していないかどうかの判定を行い(ステップS60でYes)、HDにおける下位ディレクトリから最新バージョンのINFO.BDを読み出してから(ステップS61)。この動的シナリオiの初期設定を行う(ステップS63)。
もしINFO.BDのAbilityFlagが「可能性無し」を示しているなら、BD−ROMからINFO.BDを読み出し、BD−ROMのみを対象とした制御を実行する。AbilityFlagが「可能性無し」を示している場合、ローカルHD12に対するアクセス一切行うことなく、動的シナリオ、PL情報、AVストリーム、ストリーム管理情報を読み出すことができるので、再生処理を迅速に行うことができる。初期設定において動的シナリオiには、INFO.BD内のINDEX TABLEにおけるFirstPlayINDEXに記述されている動的シナリオが設定される(ステップS63)。
ステップS64は、動的シナリオの最新バージョンの検索である。HDにおける下位ディレクトリに動的シナリオiの最新バージョンが存在するなら(ステップS64でYes)、HDにおける下位ディレクトリから動的シナリオiの最新バージョンを読み出す(ステップS66)。存在しないのなら、BD−ROMから動的シナリオiを読み出す(ステップS65)。
動的シナリオiが読み出されたなら、動的シナリオiを構成する個々のコマンドを実行する(ステップS67〜ステップS71)。実行すべきコマンドが分岐コマンドであるなら、コマンドにおける分岐先を動的シナリオiに設定して(ステップS71)、ステップS64に移行する。
実行すべきコマンドがPlayPL関数を呼び出すコマンドであるなら、ステップS72にてPL再生処理を行う。このPL再生にあたって、PL情報の最新バージョン探索が必要となる。以降、図55(a)のフローチャートを参照しながらPLの探索手順について説明する。本フローチャートにおいてステップS91〜ステップS95にて再生されるべきPLをPL#kとする。
INFO.BDにおけるPLListのPL#kについてのPLEntryから、Storage名を読み出し(ステップS91)、Storageにおける格納内容に破損があるかどうかを再生制御エンジン21に判定させる(ステップS92)。有効であれば、PL#kについてのPLEntryに示されたPL情報をPL情報#kに設定する(ステップS93)。無効であれば、PL#kのPLEntryにおけるAlternative情報に示されたPL情報をPL情報#kに設定する(ステップS94)。以上の過程でPL情報#kが設定されれば、PL情報#kの読み出しを行う(ステップS95)。
以上がPL探索手順である。続いてPL情報にて指定されるAVストリームの最新バージョン探索について説明する。
図55(b)は、AVストリームのバージョン探索の処理手順を示すフローチャートである。ステップS78〜ステップS82は、CELL情報内のEntryのそれぞれについて、ステップS80〜ステップS82の処理繰り返すものである(ステップS78、ステップS79)。
CELL情報内のEntryには、CELL情報におけるAudioTableのAudio Entry、SubTitleTableのSubTitle Entry、Angle Entryがある。これらのEntryのうち、処理対象となるものをEntry#pという。ステップS80〜ステップS82は、各Entryにて指示されるAVストリームを、HD,BD−ROMのうち何処から読み出すかという読出対象の判定処理である。ステップS80は、HDにおける下位ディレクトリに,Entry#pで指定されるAVストリームの最新バージョンが存在するかの判定であり、もし存在すれば(ステップS80でYes)、ローカルHD12における最新バージョンのAVストリーム及びストリーム管理情報と、BD−ROMにおけるAVストリーム及びストリーム管理情報とを読出対象に設定する(ステップS81)。存在しなければ、BD−ROMにおけるAVストリーム及びストリーム管理情報を読出対象に設定する(ステップS82)。こうして設定された読出対象を読み出すよう、第1実施形態〜第3実施形態の処理を行えば、BD−ROMに記録された音声、字幕、アングルと、ローカルHD12に記録された音声、字幕、アングルとを選択的に出力することができる。
以降、具体例を交えながら、本フローチャートの処理手順にて、AVストリーム、ストリーム管理情報、PL情報が読み出される過程について説明する。この説明の前提は、図52のようなディレクトリ構成である。
上述したフローチャートでは、BD−ROMに記録されたファイルより新しいVersionのファイルが、HD内に存在する場合、それらHD内のファイルのうち、最も新しいものを選んで読み出されることになる。図56は、BD−ROM、Version2ディレクトリ、Version3ディレクトリに格納された各種ファイルを読み出す過程を模式的に示した図である。
本図において横方向に並ぶ4つの破線枠は、BD−ROM、Version2ディレクトリ、Version3ディレクトリ、再生装置内のバッファを象徴的に示している。また白抜きの矢印は、BD−ROM、Version2ディレクトリ、Version3ディレクトリに格納されているファイルのうち、制御部16がどれを選ぶかといいう選択を、象徴的に示している。
矢印nj1は、ステップS61によるINFO.BDの読み出しを模式的に示す。BD−ROM、Version2ディレクトリ、Version3ディレクトリにINFO.BDが格納されている場合、この読み出しにより、Version3ディレクトリに格納されたINFO.BDがメモリに読み出される。
矢印nj2は、ステップS66によるPL情報002.PLの読み出しを模式的に示す。BD−ROM、Version2,3ディレクトリに002.PLが格納されている場合、この読み出しにより、Version3ディレクトリに格納された002.PLがメモリに読み出される。
同じファイルに複数のVersionがある場合は、最も新しいVersionのディレクトリからファイルをとるとの選択によりAVストリーム、PL情報、動的シナリオを供給するので、BD−ROMリリースされたパッケージの機能を、WWWサーバ500からダウンロードしたアップデートキットで補完することができる。
既に配布されたBD−ROMやアップデートキットに欠けていた機能を新しいバージョンのアップデートキットで補うことができるので、配布者は、既に配布されたBD−ROMやアップデートキットに問題が生じた場合、これを回収することなく、その瑕疵を補修することができる。回収のリスクがなくなるので、映画作品配布時における配給者の不安を払拭することができる。
尚、図54、図55のフローチャートでは、最新バージョンのINFO.BD、動的シナリオ、PL情報のみをメモリに読み出すようにしたが、全てのバージョンのINFO.BD、動的シナリオ、PL情報をメモリに順次読み出し、古いバージョンのINFO.BD、動的シナリオ、PL情報は、新しいバージョンのINFO.BD、動的シナリオ、PL情報で上書きするとの原則で、最新のINFO.BD、動的シナリオ、PL情報からなる仮想パッケージをメモリ上で生成してもよい。
(第7実施形態)
第6実施形態では、複数バージョンのアップデートキットがローカルHD12に存在していた場合、これらの中から最新バージョンのものを再生させるようにしていたが、第7実施形態は各バージョンの仮想パッケージをユーザに提示し、好みの仮想パッケージをユーザに選択させるようにする実施形態である。
各バージョンの仮想パッケージ再生が可能になるので、本実施形態ではバージョン毎に記録や再生の履歴をローカルHD12やサーバ、半導体メモリカード上に残すようにしている。バージョン毎の再生や記録の履歴を示す情報を仮想バージョン情報という。また、各バージョンの仮想パッケージについての仮想バージョン情報からなるテーブルを仮想パッケージテーブルという。
図57は、仮想パッケージテーブルの構成を示す図である。仮想パッケージテーブル(BDTable)は、ファイル「VP.INFO」に格納されて、図52のディレクトリ「VPackage」に配置される。仮想パッケージテーブルは、個々のBDエントリー(BDEntry#)と、エントリー数(Number)とを持っている。個々のBDエントリーが、対応する「INFO.BD」の情報(仮想パッケージ情報)である。
図58は、各INFO.BDについての仮想パッケージテーブルの構成図である。仮想パッケージテーブルは、個々のバージョンの「パッケージ名」と、仮想パッケージを構成するアップデートキットが何処に記録されているかを示す「記録位置情報」と、前回に当該パッケージを再生した際の再生終了時点を示す「終了位置情報」から構成されている。例えば、パッケージ「ABC」の場合は、アップデートキットの記録位置がローカルのHDの「ABC」ディレクトリであり、前回このパッケージを再生した場合の終了位置が、PL#2のCELL#1の時刻3分24秒の時点である事を示している。またパッケージ「XYZ」は、記録位置情報が無い(図中の「−−−」)。これは当該パッケージは仮想パッケージではなく、BD−ROMに記録されたオリジナルパッケージであることを示している。パッケージ「WWW」は、記録位置が「Memory:¥WWW」であり、これは、アップデートキットの記録位置が、半導体メモリカードのディレクトリWWWで有ることを意味している。また、終了位置情報が無いのは、未だ当該パッケージの再生は行われていないことを意味している。
パッケージ「JKF」は、ホームサーバのディレクトリ「JKF」に記録されていることを示している。
以上が仮想バージョン情報の説明である。続いて本実施形態における再生装置側の改良(ダウンロード部11、再生制御エンジン21、モジュールマネージャ26)について説明する。
ダウンロード部11は、アップデートキットをWWWサーバ500からダウンロードした際、その書込位置を示す記録位置情報を、アップデートキットに対応するバージョンの仮想バージョン情報に設定する。
再生制御エンジン21は、PLの再生を終了した際、再生終了時点を示す情報を生成して、そのPLに対応するバージョンの仮想バージョン情報に設定する。
モジュールマネージャ26は、図59のフローチャートに従って、再生装置200の統合制御を行う。以下図59を参照して、PL再生の手順について説明する。
本フローチャートの実行が開始されれば、仮想パッケージテーブルが存在するか否かを判定し(ステップS81)、仮想パッケージを一覧表示する(ステップS82)。
図60は、ステップS82における一覧画面を示す図である。一覧画面におけるボタン(図中の1:オリジナル 2:仮想パッケージ1 3:仮想パッケージ2)は複数バージョンの仮想パッケージのそれぞれを視覚化したものであり、ユーザの操作により選択状態、確定状態を変える。この一覧画面を表示してユーザによる仮想パッケージの選択を待ち(ステップS83)、選択されれば、選択された仮想パッケージ#rに記録位置情報が存在するかどうかを判定する(ステップS84)。存在すれば、記録位置情報に示されるStorageからバージョン#rのINFO.BDを読み出し(ステップS85)、バージョン#rのINDEX TABLEにおけるFirstPlayINDEXに記述されている動的シナリオを動的シナリオiに設定する(ステップS86)。
記録位置情報が存在しないなら、BD−ROMからINFO.BDを読み出し(ステップS87)、INFO.BDのINDEX TABLEにおけるFirstPlayINDEXに記述されている動的シナリオを動的シナリオiに設定する(ステップS88)。この際、ユーザが選択した仮想パッケージの番号を、SPRM(24)に格納しておく。
以上の過程で動的シナリオiが設定されれば、ステップS67〜ステップS73の処理を行う。この処理において再生制御エンジン21によりPL再生がなされる度に(ステップS72)、最終的な再生位置が仮想バージョン情報の終了位置情報に書き込まれることになる(ステップS89)。
以上のように本実施形態によれば、1つの仮想パッケージに複数バージョンが存在する場合、個々のバージョンをユーザがどれだけ見たかをバージョン毎に管理するので、複数バージョンが同時存在することによるユーザの混同を防止することができる。
(第8実施形態)
第1実施形態においてアップデートキットは、再生装置のローカルHD12に格納されているものとしたが、第8実施形態は半導体メモリカード、ホームサーバ等、様々な場所にアップデートキットが格納され得る場合の改良である。半導体メモリカード、ホームサーバ等様々な場所に格納され得るので、本実施形態に係る再生装置は、図54のステップS64〜ステップS66、図55(b)のステップS80〜ステップS81に代えて図61のステップS91〜ステップS96の手順でアップデートキットの探索を行う。
本フローチャートにおけるステップS8は、アップデートキットをローカルHD12、サーバ、半導体メモリカードの何れかから読み出すものである。一方ステップS10は、アップデートキットが存在しない場合に、BD−ROMからPL情報、ストリーム管理情報、AVストリームを読み出すものである。
最新バージョンの検索にあたって、ローカルHD12を内蔵しているかを判断し、HDを内蔵している場合(ステップS91)、ローカルHD12上に仮想パッケージ情報があれば(ステップS92でYes)、ステップS97にてアップデートキットの読み出しが行われることになる。
、一方、ローカルHD12には仮想パッケージ情報はないが、再生装置がサーバに接続可能であり(ステップS93)、サーバに仮想パッケージ情報が存在する場合も(ステップS94)、ステップS97にてアップデートキットの読み出しが行われることになる。
最後に、ローカルHD12やホームサーバ上には仮想パッケージ情報がないが、再生装置200が半導体メモリカードに接続可能であり(ステップS95)、ホームサーバに仮想パッケージ情報が存在する場合も(ステップS96)、アップデートキットの読み出しが行われることになる(ステップS97)。
ローカルHD12を内蔵しておらず、ホームサーバ、半導体メモリカードとの接続も不可能であれば、BD−ROMからPL情報、ストリーム管理情報、AVストリームが読み出されることになる(ステップS98)。
以上のように本実施形態によれば、様々な機器や媒体にアップデートキットが散在している場合であっても、それらから必要なアップデートキットを取り出すので、アップデートキットのダウンロード時に、アップデートキットの置き場所を決めておかなくてもよいので、アップデートキットの置き場所の自由度が高まる。
本実施例では、HD、ホームサーバ、半導体メモリカードの順で処理を進めたが、これらの順番は入れ替えることが可能であり、例えば、最初にサーバ接続を確認し、次に半導体メモリカード、最後にHDの順番でも良い。
(第9実施形態)
第1実施形態〜第7実施形態では、アップデートキットをHDに記録した。これに対し本実施形態は、アップデートキットを、セキュアな領域と、非セキュアな領域とをもったSDメモリカードに書き込む改良である。図62は、本実施形態に係る再生装置200の構成を示す図である。本図において新規なのは、SDメモリカード30を内蔵している点である。本実施形態にかかる再生装置は、アップデートキットを構成する各ファイルを暗号化してSDメモリカード30の非プロテクト領域に記録し、暗号鍵をSDメモリカード30のプロテクト領域に記録する。プロテクト領域に記録された暗号鍵はSDメモリカードによる認証により、正当性が確認されない限り、読み出されることはない。これによりアップデートキットは、不正にコピーされることなく、BD−ROMと併用されるときのみ読み出されることになる。
SDメモリカードにアップデートキットを格納させておく場合、制御部16は、そのアップデートキットに対応する原本のBD−ROMの媒体識別情報をプロテクト領域に書き込んでおく。こうすることで、オリジナルのBD−ROMと、SDメモリカードとの対応がとられることになる。そして、以降の再生にあたっては、再生に先立ちSDメモリカードとBD−ROMとが揃っているかどうかのチェックを行い、揃っている場合に映画作品の再生を許可し、揃っていなければ再生装置200による再生を禁止する。
こうすれば、アップデートキットが存在する場合、BD−ROMのみの再生が禁じられ、絶えずアップデートキットとのペアでの再生のみが行われることになる。
以上のように本実施形態によれば、アップデートキットを暗号化して、暗号鍵と共にSDメモリカードに格納しておくので、アップデートキットに対する不正コピーを制限することができる。
また過去に頒布したBD−ROMパッケージに何等かのトラブルがある場合、後日送付するアップデートキットをSDメモリカードに格納させ、絶えずSDメモリカードとBD−ROMとのペアで再生を行わせるので、過去のトラブルを表面化させないような制御を実現することができる。
(備考)
上記実施形態に基づいて説明してきたが、現状において最善の効果が期待できるシステム例として提示したに過ぎない。本発明はその要旨を逸脱しない範囲で変更実施することができる。代表的な変更実施の形態として、以下(A)(B)(C)‥‥のものがある。
(A)PL情報は、図63のように構成してもよい。つまり図17のPL情報におけるClip Entryは、BD−ROMに記録されるAVストリームのみを指定しており、ローカルHD12における音声はAudio Entryで指定していた。これに対し図63のPL情報は、2以上のClip Entryを有し、2つ目以降のClip Entryに、ローカルHD12におけるAVストリームを指定させているのである。
(B)図12に示したBDバッファ2、デマルチプレクサ3、ビデオデコーダ4、オーディオデコーダ6、HDバッファ13、デマルチプレクサ14、スイッチ15は、図64(a)、図64(b)のように構成してもよい。バッファ71、バッファ72は、BDバッファ2、HDバッファ13から出力されたACCESS UNITを一旦格納する。フィルタ73は、一旦バッファ71、バッファ72に格納されたACCESS UNITを1つのストリームに統合する。デマルチプレクサ3は、統合された1つのストリームに対し多重分離を行い、ビデオストリーム及びオーディオストリームを得て、ビデオデコーダ4及びオーディオデコーダ6に出力するのである。更に、図64(b)のように構成してもよい。HDバッファ13から出力されたオーディオフレームをデコードするオーディオデコーダ76を、オーディオデコーダ6とは別に設けるのである。そしてオーディオデコーダ6によるデコード結果、オーディオコーダ76によるデコード結果のうち一方を、セレクタ75に選択的に出力させるのである。
オーディオデコーダ76は、TSパケットに付加されたタイムスタンプにオフセットを足し合わせた時刻を参照してデコード処理を行うものである。かかるオーディオデコーダ76を設けることで、オーディオデコーダ6はOffsetを参照するかどうかの切り換えを行う必要がなくなる。
(C)WWWサーバ500からのアップデートキットの供給は、あくまでも一例に過ぎない。アップデートキットのみが記録されたBD−ROMやDVDをユーザに配布し、BD−ROM、DVDからアップデートキットを取り込むようにしてもよい。WWWサーバ500からKIOSK端末に対してアップデートキットを配信し、KIOSK端末にアップデートキットを半導体メモリカードに書き込ませて、この半導体メモリカードを介して再生装置に取り込めるようにしてもよい。
(D)WWWサーバ500からのダウンロードは、Javaモードやえブラウザモードの動的シナリオに基づいて行うことが望ましい。Javaモードやブラウザモードの動的シナリオは、Java言語、HTML,XML等のマークアップ言語により記述され、BD−ROMに記録される。かかる動画データにてダウンロードを行うことにより、予め定められた時期が到来すれば、アップデートキットを自動的にダウンロードするようプログラミングしておくことができる。また提起的にダウンロードを行うようプログラミングしておくことも有用である。アップデートキットのダウンロードは、PL再生と同期して行っても良い。例えばBD−ROMに記録されている映画作品の予告編にあたる再生期間内にアップデートキットのダウンロードを行うようプログラミングしてもよい。
(E)米国向けに頒布されたバージョンのみに含まれるデータをアップデートキットとして米国以外の国に居住するユーザに販売してもよい。米国以外の国向けに配布された映画作品は、その国の母国語(非英語)の音声・字幕をAVストリームに多重化しておく必要がある。AVストリームの生成時にあたっては、これら副映像・音声のための帯域を予め確保せねばならない。この帯域確保のため、米国版ではAVストリームに多重化されていた対話操作用のデータが、米国以外の国向けのAVストリームでは、カットされてしまうことが多い。このような事情から、米国版を欲するユーザが多数存在する場合、これら米国向けのデータをアップデートキットとして世界中の様々な国に存在するユーザに配布すれば、ユーザの要望に応えることができる。
(F)ディレクトリ名には、ボリュームラベルをBD−ROMの媒体情報に用いて、BD−ROMに対応するディレクトリをローカルHD12内に作成したが、媒体についての情報といえるものなら、他のものでもよい。BD−ROMにユニークなコード(媒体識別情報)であってもよい、
(G)各BD−ROMに対応するディレクトリの配下に、ユーザ毎のディレクトリを設け、各ユーザが用いる動的シナリオやPL情報、AVストリーム、ストリーム管理情報を、それらユーザ毎のディレクトリに格納してもよい。そして各ユーザがBD−ROMを再生する際、各ユーザに割り当てられたディレクトリ内の動的シナリオ、PL情報、AVストリーム、ストリーム管理情報を用いてAVストリームを再生できるようにしてもよい。家族のうち父用のディレクトリでは、パレンタルロックを解除した状態でPLを再生させつつ、家族のうち子供用のディレクトリでは、パレンタルロックを解除した状態でPLを再生させるという制御が可能になる。
(H)第1実施形態においてアップデートキット内のAVストリームは、日本語音声という単一言語のオーディオストリームのみが含まれていたが、例えば日本語+中国語+韓国語のように複数言語のオーディオストリームをAVストリームとして記録しておいてもよい。この場合アップデートキットは、複数オーディオストリームが多重化されたAVストリームを含むことになる。第2実施形態においてアップデートキット内のAVストリームは、日本語字幕という単一言語の副映像ストリームのみが含まれていたが、例えば日本語+中国語+韓国語のように複数言語の副映像ストリームをAVストリームとして記録しておいてもよい。この場合アップデートキットは、複数副映像ストリームが多重化されたAVストリームを含むことになる。
更に、副映像ストリームと、オーディオストリームとを多重化したAVストリームをアップデートキットに含ませてダウンロード部11にダウンロードさせてもよい。
(I)ダウンロード部11によるFTPでのアップデートキット取得は、以下のようなFTPの制御コネクション、FTPのデータコネクションによりなされる。FTPの制御コネクションは、再生装置200内のユーザPI(プロトコルインタプリタ)と、WWWサーバ500内のユーザPI(プロトコルインタプリタ)との間で確立し、FTPコマンド,FTPリプライをそれぞれ伝送する。
FTPのデータコネクションは、再生装置200内のユーザDTP(データ転送プロセス)と、WWWサーバ500内のユーザDTP(データ転送プロセス)との間で確立し、アップデートキットを伝送する。
(J)全ての実施形態では、再生装置の再生の対象となる光ディスクをBD−ROMとし、アップデートキットが記録される記録媒体をHDとして説明したが、本発明の再生装置の特徴は、BD−ROM、HDの物理的性質に依存するものではない。AVストリームを記録しうる記録媒体なら、どのような記録媒体であってもよい。例えば、DVD−ROM,DVD−RAM,DVD−RW,DVD−R,DVD+RW,DVD+R,CD−R,CD−RW等の光ディスク、PD,MO等の光磁気ディスクであってもよい。また、コンパクトフラッシュカード、スマートメディア、メモリスティック、マルチメディアカード、PCM−CIAカード等の半導体半導体メモリカードであってもよい。フレシキブルディスク、SuperDisk,Zip,Clik!等の磁気記録ディスク(i)、ORB,Jaz,SparQ,SyJet,EZFley,マイクロドライブ等のリムーバルハードディスクドライブ(ii)であってもよい。更に、機器内蔵型のハードディスクであってもよい。
(K)全ての実施形態における再生装置は、BD−ROMに記録されたAVストリームをデコードした上でTVに出力していたが、再生装置をBDドライブのみとし、これ以外の構成要素をTVに具備させてもい、この場合、再生装置と、TVとをIEEE1394で接続されたホームネットワークに組み入れることができる。また、実施形態における再生装置は、テレビと接続して利用されるタイプであったが、ディスプレイと一体型となった再生装置であってもよい。更に、各実施形態の再生装置において、処理の本質的部分をなす部分のみを、再生装置としてもよい。これらの再生装置は、何れも本願明細書に記載された発明であるから、これらの何れの態様であろうとも、各実施形態に示した再生装置の内部構成を元に、再生装置を製造する行為は、本願の明細書に記載された発明の実施行為になる。各実施形態に示した再生装置の有償・無償による譲渡(有償の場合は販売、無償の場合は贈与になる)、貸与、輸入する行為も、本発明の実施行為である。店頭展示、カタログ勧誘、パンフレット配布により、これらの譲渡や貸渡を、一般ユーザに申し出る行為も本再生装置の実施行為である。
(L)図19、図27、図36、図43、図54、図55、図61に示したプログラムによる情報処理は、ハードウェア資源を用いて具体的に実現されていることから、上記フローチャートに処理手順を示したプログラムは、単体で発明として成立する。全ての実施形態は、再生装置に組み込まれた態様で、本発明に係るプログラムの実施行為についての実施形態を示したが、再生装置から分離して、各実施形態に示したプログラム単体を実施してもよい。プログラム単体の実施行為には、これらのプログラムを生産する行為(1)や、有償・無償によりプログラムを譲渡する行為(2)、貸与する行為(3)、輸入する行為(4)、双方向の電子通信回線を介して公衆に提供する行為(5)、店頭展示、カタログ勧誘、パンフレット配布により、プログラムの譲渡や貸渡を、一般ユーザに申し出る行為(6)がある。
(M)図19、図27、図36、図43、図54、図55、図61のフローチャートにおいて時系列に実行される各ステップの「時」の要素を、発明を特定するための必須の事項と考える。そうすると、これらのフローチャートによる処理手順は、再生方法の使用形態を開示していることがわかる。各ステップの処理を、時系列に行うことで、本発明の本来の目的を達成し、作用及び効果を奏するよう、これらのフローチャートの処理を行うのであれば、本発明に係る記録方法の実施行為に該当することはいうまでもない。
(N)BD−ROMに記録されるにあたって、AVストリームを構成する各TSパケットには、拡張ヘッダを付与しておくことが望ましい。拡張ヘッダは、TP_extra_headerと呼ばれ、『Arribval_Time_Stamp』と、『copy_permission_indicator』とを含み4バイトのデータ長を有する。TP_extra_header付きTSパケット(以下EX付きTSパケットと略す)は、32個毎にグループ化されて、3つのセクタに書き込まれる。32個のEX付きTSパケットからなるグループは、6144バイト(=32×192)であり、これは3個のセクタサイズ6144バイト(=2048×3)と一致する。3個のセクタに収められた32個のEX付きTSパケットを”Aligned Unit”という。
IEEE1394を介して接続されたホームネットワークでの利用時において、再生装置200は、以下のような送信処理にてAligned Unitの送信を行う。つまり送り手側の機器は、Aligned Unitに含まれる32個のEX付きTSパケットのそれぞれからTP_extra_headerを取り外し、TSパケット本体をDTCP規格に基づき暗号化して出力する。TSパケットの出力にあたっては、TSパケット間の随所に、isochronousパケットを挿入する。この挿入箇所は、TP_extra_headerのArribval_Time_Stampに示される時刻に基づいた位置である。TSパケットの出力に伴い、再生装置200はDTCP_Descriptorを出力する。DTCP_Descriptorは、TP_extra_headerにおけるコピー許否設定を示す。ここで「コピー禁止」を示すようDTCP_Descriptorを記述しておけば、IEEE1394を介して接続されたホームネットワークでの利用時においてTSパケットは、他の機器に記録されることはない。
(O)再生装置200が記録型光ディスク(BD−RE,BD−R等)への記録機能を有しているのなら、BD−ROMにおけるBD−ROMパッケージと、1つ以上のアップデートキットとからなる仮想パッケージを1つのBDパッケージに変換して記録型光ディスクに書き込んでもよい。
この際、AVストリームのコピーは、AVストリームに埋め込まれたコピー世代情報(CGI)に基づいて実行することが望ましい。コピー世代情報には、自由にコピー可能な旨を示す『copy free』と、1世代の複製物の記録が許可されている旨を示す『one generation copy』と、複製物の更なる複製は禁止されている旨を示す『no more copy』と、一切のコピーを認めない旨を示す『never copy』とがある。
AVストリームに権利管理情報は付加されている場合、権利管理情報に定められた利用条件において、AVストリームのコピーを行ってもよい。
権利管理情報において回数指定で、コピーの許可条件が規定されているなら、この条件内でコピーを行う。有効期間の指定(年月日の指定がでコピーの条件が規定されているのならこの条件内でコピーを行う。
(P)コピー処理に、移動やマイグレイト、チェックアウトといったバリエーションが存在する場合、これらバリエーション毎に、定められた利用条件に基づきコピーを行っても良い。移動とは、コピー元のコンテンツの削除が伴うコピー処理であり、複数記録媒体間でコンテンツを移動する場合に用いられる。
マイグレイトとは、コピー先記録媒体において、利用条件情報を生成させることを前提にしたコピー処理である。
チェックアウトとは、回数制限されたコピーの一種であり、コピー回数を1回デクリメントした上でコンテンツのコピーが実行される。一般にいう回数制限付きのコピーと、チェックアウトとの違いは、コピー回数のインクリメントが可能である点である。コピー回数のインクリメントは、コピーにより記録媒体に記録されたコンテンツを再生不能にするという処理(”チェックイン”と呼ばれる。)を行った後でなされる。
(Q)各実施形態におけるAVストリームは、DVD−Video規格、DVD−Video Recording規格のVOB(Video Object)であってもよい。VOBは、ビデオストリーム、オーディオストリームを多重化することにより得られたISO/IEC13818−1規格準拠のプログラムストリームである。また、各実施形態におけるAVストリームを、”AVClip”と呼んでもよい。この場合、ストリーム管理情報はClip情報と呼ぶことになる。またAVストリームにおけるビデオストリームは、MPEG4やWMV方式であってもよい。更にオーディオストリームは、Linear−PCM方式、Dolby−AC3方式、MP3方式、MPEG−AAC方式であってもよい。
各実施形態におけるCELL情報は、時間情報により再生区間の開始点、終了点を指定していたが、BD−ROMにおける論理アドレスを用いて再生区間の開始点、終了点を指定してもよい。また、各実施形態におけるCELLを”PlayItem”と呼んでもよい。
(R)図44に示したレイアモデルにおいて、Javaモードの上にブラウザモード及びMOVIEモードを配置してもよい。特にMOVIEモードでの動的シナリオの解釈や、動的シナリオに基づく制御手順の実行は、再生装置に対する負担が軽いので、MOVIEモードをJavaモード上で実行させても何等問題は生じないからである。また再生装置や映画作品の開発にあたって、動作保証が1つのモードで済むからである。
更に3つのモードを設けず、JavaモードだけでJavaモードの処理を実行してもよい。JavaモードでもPLの再生と同期した再生制御が可能になるから、強いてMOVIEモードを設けなくてもよいという理由による。更に動的シナリオにおける制御は、MOVIEモードだけでも、ブラウザモードだけでもよい。
(S)ストリーム管理情報におけるTMAPは、EP_mapと呼んでもよい。この場合、ACCESS UNITの再生開始時刻を、ACCESS UNIT先頭に位置するピクチャデータのタイムスタンプ(Presentation Time Stamp)で表現するのが望ましい。またACCESS UNITにおけるアドレスは、PESパケットの連番(SPN(Serial Packet Number))で表現するのが望ましい。
(T)再生装置の構成において、動的シナリオメモリ20には、カレントの動的シナリオのみを格納し、静的シナリオメモリ10には、カレントのストリーム管理情報、カレントのPL情報のみを格納するとしたが、キャッシュメモリのように、複数のシナリオ、ストリーム管理情報、PL情報を予め格納しておいてもよい。こうすれば、これらのデータをBD−ROMから読み出すまでのタイムラグを短くすることができる。
(U)PLを構成する2以上のCELLを連続再生させるには、これらのCELLがシームレス接続されよう、加工を施しておくことが望ましい。シームレス接続のための加工は、動画データにおいて先行する側の再生区間の終端部と、後続する側の再生区間の先端部とを複製することにより、予め複製部分を作成しておき、これらを再エンコードすることで、実現される。尚、シームレス接続のために作成された複製部分を、Bridge−Clipと呼んでもよい。
ここで終端部、先端部は、以下のように設定するのが望ましい。
つまり先行するAVストリームのうち先行再生区間のOut点を含むACCESS UNITから、2個先のACCESS UNITまでを終端部とし、また後続するCELL情報#x+1のうち後続再生区間のIn点を含むACCESS UNITを先端部とするのが望ましい。終端部及び先端部をこのように定める根拠は、同出願人の先行技術米国特許USP,6148,140公報により記載されているので、詳細に関してはこの公報を参照されたい。
更に、シームレス接続のために作成された複製部分については、シームレス接続情報を設けておくことが望ましい。シームレス接続情報とは、最初のビデオフレームの再生開始時刻、最後のビデオフレームの再生終了時刻、オーディオギャップの開始時刻、オーディオギャップの時間長、オーディオギャップの位置情報を含む情報である。かかるシームレス接続情報が定義されていれば、最初のビデオフレームの再生開始時刻、最後のビデオフレームの再生終了時刻から、両区間のタイムスタンプの差(STC−Offset)を計算して、再生装置に設定することができる。また、これらオーディオギャップの情報を参照して、オーディオデコーダを制御すれば、1つの区間から別の区間への移行する際の音声の途切れを防止することができる。
(V)各実施形態における映画作品は、テレビ映画、ゲームソフト等、映像をもって表現されている全ての著作物を意味する。何故なら、各実施形態における映画作品は、ブラウン管や液晶での表示など、視覚的又は視聴覚的効果を生じさせる方法で表現され(i)、BD−ROMという有体物に、何らかの方法で結びつくことにより同一性を保ちながら存続しており(ii)、かつ再現が可能な状態におかれているので(iii)、映画の著作物の存在形式としての要件を満たすからである。
しかし本発明の本質的要素は、この映画作品であることに限定されるものではないので、本発明の動画データは、監視カメラの映像や家庭用ビデオカメラの映像であってもよい。
(W)各実施形態では、ユーザによる操作を、リモコンから受け付けたが、再生装置のフロントパネルから受け付けてもよい。キーボード、タッチパネル、マウスやパッド、トラックボール等の入力機器にてユーザの指定を受け付けてもよい。この場合は、クリック操作、ドラッグ操作でこれらの操作を受け付けてもよい。
(X)各実施形態における映画作品は、アナログ放送で放送されたアナログ映像信号をエンコードすることにより得られたものでもよい。デジタル放送で放送されたトランスポートストリームから構成されるストリームデータであってもよい。
またビデオテープに記録されているアナログ/デジタルの映像信号をエンコードしてコンテンツを得ても良い。更にビデオカメラから直接取り込んだアナログ/デジタルの映像信号をエンコードしてコンテンツを得ても良い。他にも、配信サーバにより配信されるデジタル著作物でもよい。
(Y)Javaモジュール24は、衛星放送受信のために機器に組み込まれたJavaプラットフォームであってもよい。Javaモジュール24がかかるJavaプラットフォームであれば、本発明に係る再生装置は、MHP用STBとしての処理を兼用することになる。
更に携帯電話の処理制御のために機器に組み込まれたJavaプラットフォームであってもよい。かかるJavaモジュール24がかかるJavaプラットフォームであれば、本発明に係る再生装置は、携帯電話としての処理を兼用することになる。
またBROWSERモジュール25は、MicroSoft社のInternet Explore等、パソコン組み込み型のブラウザソフトであってもよい。
(Z)尚、アップデートキットの送信は、SSL(Secure Socket Layer)を用いて行うことが望ましい。SSLに対応したWWWサーバ500は、デジタル証明書がプリインストールされており、再生装置200からSSL要求を受けると、再生装置200にデジタル証明書を送る。このデジタル証明書は、公開鍵を暗号化したものであり、再生装置200は、この証明書を認証する。この認証で正当な公開鍵が得られたなら、このWWWサーバ500は信頼できると判定する。そして再生装置200は、この公開鍵で暗号化された共通鍵を送信する。WWWサーバ500は、送信された暗号化された共通鍵を秘密鍵で復号して、再生装置200と共通鍵を共有する。こうして共有した共通鍵を用いて、アップデートキットの送受信を行う。アップデートキットの送受信に共通化鍵を用いるのは、暗号化処理を高速に行うためである。また、このデータの送受信には、HTTP、mail,FTP,Telnetが適用される。ここで再生装置200においてかかる処理は、Javaモードの動的シナリオ、ブラウザモードの動的シナリオにて記述しておき、BD−ROMにて供給するようにしてもよい。
またアップデートキットの配信にあたっての決済は、電子商取引を前提にして行うことが望ましい。この場合、WWWサーバ500にマーチャントソフトを組み込んでおき、再生装置200に、ウオレットソフトを組み込んでおく。また図1に示したネットワークは、金融機関に設置されるペイメントゲートウェイと接続されている。かかるネットワーク上でSET(Secure Electric Transaction)を用いることでクレジットカード決済を実現する。再生装置200は、発注情報をサーバ500に送信するとともに、代金決済情報をペイメントゲートウェイに送信する。発注情報を受けた時点で、サーバ500は、アップデートキットを再生装置200に送信する。発注情報、代金決済情報を別々に送信するため、決済の安全性を高めることができる。再生装置200においてかかる処理は、Javaモードの動的シナリオ、ブラウザモードの動的シナリオにて記述しておき、BD−ROMにて供給するようにしてもよい。
BD−ROMに記録された映画作品に、動的シナリオを含むアップデートキットを付け加えることにより、この映画作品をオンラインゲームに発展させてもよい。アップデートキットに含まれる動的シナリオは、PL再生を行うだけでなく、WEBサイトからデータを取得してCGを描画させることができる。
このゲームは、BD−ROMという閉じた世界ではなくインターネットを介した世界的な広がりをもつようになるので、ユーザを末永く楽しませることができる。
【符号の説明】
1 BDドライブ
2 BDバッファ
3 デマルチプレクサ
4 ビデオデコーダ
5 ピクチャプレーン
6 オーディオデコーダ
7 イメージデコーダ
8 イメージプレーン
9 加算器
10 静的シナリオメモリ
11 ダウンロード部
13 HDバッファ
14 デマルチプレクサ
15 スイッチ
15 ビデオプレーン
16 制御部
17 スイッチ
18 スイッチ
19 ストリーミングバッファ
20 動的シナリオメモリ
21 再生制御エンジン
23 DVDライクモジュール
24 Javaモジュール
25 Browserモジュール
26 モジュールマネージャ
30 SDメモリカード
200 再生装置
300 テレビ
400 リモコン
500 WWWサーバ
600 ホームサーバ
【産業上の利用可能性】
本発明に係る再生装置は、光ディスクの記録内容に、アップデートキットを加えた仮想的なパッケージの再生処理を行い、光ディスクの付加価値を効果的に高めるので、より映画ディスクを市場に供給することができ、映画市場や民生機器市場を活性化させることができる。故に本発明に係る再生装置は、映画産業や民生機器産業において高い利用可能性をもつ。
【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】

【図9】

【図10】

【図11】

【図12】

【図13】

【図14】

【図15】

【図16】

【図17】

【図18】

【図19】

【図20】

【図21】

【図22】

【図23】

【図24】

【図25】

【図26】

【図27】

【図28】

【図29】

【図30】

【図31】

【図32】

【図33】

【図34】

【図35】

【図36】

【図37】

【図38】

【図39】

【図40】

【図41】

【図42】

【図43】

【図44】

【図45】

【図46】

【図47】

【図48】

【図49】

【図50】

【図51】

【図52】

【図53】

【図54】

【図55】

【図56】

【図57】

【図58】

【図59】

【図60】

【図61】

【図62】

【図63】

【図64】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1デジタルストリームが記録された光ディスクについての再生装置であって、
光ディスクから第1デジタルストリームを一部分ずつ読み出す第1読出手段と、
第1デジタルストリームと対応づけられた第2デジタルストリームを予備の記録媒体から特定する制御手段と、
制御手段による制御に従い、予備の記録媒体から特定された第2デジタルストリームを一部分ずつ読み出す第2読出手段と、
光ディスクから読み出された一部分に含まれるデータ、及び、予備の記録媒体から読み出された一部分に含まれるデータを同期させつつ再生する再生手段と
を備えることを特徴とする再生装置。
【請求項2】
前記再生手段は、
第1デジタルストリームの一部分をデマルチプレクスして、動画データ及びオーディオデータを得る第1デマルチプレクス手段と、
第2デジタルストリームの一部分をデマルチプレクスして、オーディオデータを得る第2デマルチプレクス手段と、
動画データをデコードするビデオデコーダと、
オーディオデコーダと、
第1デマルチプレクス手段が得たオーディオデータ、及び、第2デマルチプレクス手段が得たオーディオデータの何れか一方をオーディオデコーダに供給する供給手段とを備え、
前記再生手段による同期再生は、
第2デマルチプレクス手段が得たオーディオデータが供給された場合、ビデオデコーダによるデコードと同期をとりながら、オーディオデコーダが当該オーディオデータをデコードすることにより実現される、請求項1記載の再生装置。
【請求項3】
前記第1デジタルストリーム及び第2デジタルストリームの一部分はパケット列であり、
第1デマルチプレクス手段は、個々のパケットのタイムスタンプに示されている時刻にデマルチプレクスを行い、
第2デマルチプレクス手段は、個々のパケットのタイムスタンプに示されている時刻と、所定のオフセットとを足し合わせた時刻にデマルチプレクスを行う
ことを特徴とする請求項2記載の再生装置。
【請求項4】
前記第1デジタルストリーム及び第2デジタルストリームの一部分はパケット列であり、
前記ビデオデコーダは、動画データを含んでいたパケットのタイムスタンプに示されている時刻に、第1デジタルストリームに含まれる個々の動画データに対するデコードを行い、
前記オーディオデコーダは、オーディオデータを含んでいたパケットのタイムスタンプに示されている時刻と所定のオフセットとを足し合わせた時刻に、第2デジタルストリームに含まれる個々のオーディオデータに対するデコードを行う
ことを特徴とする請求項2記載の再生装置。
【請求項5】
前記予備の記録媒体には、第2デジタルストリームに対応付けられてストリーム管理情報が格納されており、
ストリーム管理情報は、第2デジタルストリームについての属性情報と、オフセット情報とを含み、
属性情報は、第2デジタルストリームに含まれるオーディオデータの符号化方式、オーディオデータのチャネル、オーディオデータが対応している言語のうち何れかを示し、
前記オフセット情報は、タイムスタンプに示される時刻に足し合わせるべきオフセットを示す
ことを特徴とする請求項4記載の再生装置。
【請求項6】
前記再生装置は、システムレジスタを備え、
システムレジスタは、装置における状態設定を示すパラメータを格納しており、
前記デコーダが第1デジタルストリームに属するオーディオデータをデコードするか、第2デジタルストリームに属するオーディオデータをデコードするかの切り換えは、システムレジスタに格納されているパラメータに基づく
ことを特徴とする請求項2記載の再生装置。
【請求項7】
前記再生装置は、前記制御手段は、メニューを表示し、
前記システムレジスタに格納されているパラメータは、制御手段が表示するメニューに対する選択に応じて更新される
ことを特徴とする請求項6記載の再生装置。
【請求項8】
前記再生装置は、ユーザ操作を受け付ける受付手段を備え、
前記システムレジスタに格納されているパラメータは、受付手段が受け付けたユーザ操作に応じて更新される
ことを特徴とする請求項6記載の再生装置。
【請求項9】
前記予備の記録媒体には、プレイリスト情報が記録されており、
プレイリスト情報は、第1デジタルストリーム上における再生区間の開始点及び終了点を、第2デジタルストリーム上における再生区間の開始点及び終了点と対応づけて示す情報であり、
前記再生装置は、プレイリスト情報を解読する再生制御手段を備え、
第1、第2読出手段による読み出し、及び、再生手段による再生は再生制御手段の解読結果に基づく
ことを特徴とする請求項1記載の再生装置。
【請求項10】
前記第1、第2デジタルストリームは複数のアクセスユニットからなり、
第1デジタルストリームにおけるアクセスユニットは、動画データを含み、
動画データは、フレーム内符号化されたピクチャデータを少なくとも1つ含み、
第1読出手段により読み出される第1デジタルストリームの一部分とは、第1デジタルストリームにおける再生区間の開始点を含むアクセスユニットから、終了点を含むアクセスユニットまでであり、
第2読出手段により読み出される第2デジタルストリームの一部分とは、第2デジタルストリームにおける再生区間の開始点を含むアクセスユニットから、終了点を含むアクセスユニットまでである請求項9記載の再生装置。
【請求項11】
前記光ディスクにはマップ情報が記録されており、
マップ情報は、アクセスユニットの再生開始時刻と、アドレスとを対応づけて示しており、
制御手段は、マップ情報を参照して、開始点を含むアクセスユニット及び終了点を含むアクセスユニットの光ディスク上のアドレスを得る
ことを特徴とする請求項10記載の再生装置。
【請求項12】
前記第2デジタルストリームは、第1デジタルストリームと同数のアクセスユニットにより構成され、
第2デジタルストリームを構成するアクセスユニットの再生時間は、第1デジタルストリームを構成する各アクセスユニットの再生時間と等しい
ことを特徴とする請求項10記載の再生装置。
【請求項13】
前記再生装置はメモリを備え、
制御手段は、プレイリスト情報の最新バージョンが予備の記録媒体に存在しているかどうかの判定を行い、もし存在すれば前記予備の記録媒体を制御して、最新バージョンのプレイリスト情報を予備の記録媒体からメモリに読み出し、
前記再生制御手段によるプレイリスト情報の解読は、メモリに読み出された最新バージョンのプレイリスト情報に対してなされる
ことを特徴とする請求項9記載の再生装置。
【請求項14】
前記予備の記録媒体には、複数のパッケージ領域が存在しており、個々のパッケージ領域は、再生装置に装填される複数光ディスクのそれぞれに対応しており、
パッケージ領域には、パッケージ管理情報が記録されており、当該パッケージ管理情報は、ストレージ情報を含み、
再生制御手段は、パッケージ領域の内部領域のうち、ストレージ情報に示される場所から、プレイリスト情報を取り出して解読する
ことを特徴とする請求項9記載の再生装置。
【請求項15】
前記パッケージ管理情報は、更に代替情報を含み、
再生制御手段は、プレイリスト情報の解読に先立ち、プレイリスト情報が破損しているかどうかのチェックを行い、
破損していれば、代替情報に示されるプレイリスト情報を解読する
ことを特徴とする請求項9記載の再生装置。
【請求項16】
前記予備の記録媒体には、プログラムが記録されており、
プログラムは、プレイリスト情報を用いた第1及び第2デジタルストリームの再生制御手順を示し、
前記再生装置は、予備の記録媒体に記録されたプログラムを実行する実行モジュールを備え、
前記再生制御手段によるプレイリスト情報の解読は、プログラム内の関数呼出に基づきなされる
ことを特徴とする請求項9記載の再生装置。
【請求項17】
前記再生制御とは、プレイリスト情報を用いた再生を条件付きで行うことであり、
この条件は、システムパラメータを用いて規定されており、
システムパラメータは、再生装置におけるレジスタに格納された値であり、再生装置における状態設定を示す
ことを特徴とする請求項16記載の再生装置。
【請求項18】
前記再生装置は、予備の記録媒体におけるプログラムの最新バージョンの有無を判定し、
前記実行モジュールによるプログラム実行は、予備の記録媒体に最新バージョンのプログラム有りと判定した場合になされる
ことを特徴とする請求項16記載の再生装置。
【請求項19】
再生装置は
光ディスクから読み出された第1デジタルストリームの一部分を格納する第1バッファと、
予備の記録媒体から読み出された第2デジタルストリームの一部分を格納する第2バッファとを備え、
前記再生手段は、第1バッファ及び第2バッファを介して、第1デジタルストリームの一部分及び第2デジタルストリームの一部分の供給を受ける
ことを特徴とする請求項1記載の再生装置。
【請求項20】
前記予備の記録媒体には複数のパッケージ領域があり、
個々のパッケージ領域には、再生装置に装填された複数光ディスクのそれぞれに割り当てられており、
制御手段は、光ディスクが再生装置に装填された際、その光ディスクから媒体情報を読み出すよう第1読出手段を制御して、予備の記録媒体における複数パッケージ領域のうち、読み出された媒体情報に合致するものを特定し、
前記第2読出手段により読み出される第2デジタルストリームは、制御手段により特定されたパッケージ領域内に存在する
ことを特徴とする請求項1記載の再生装置。
【請求項21】
再生装置はメモリを備え、
光ディスクには、プレイリスト情報、プログラム、パッケージ管理情報が記録されており、
プレイリスト情報は、第1デジタルストリーム上における再生区間の開始点及び終了点を、第2デジタルストリーム上における再生区間の開始点及び終了点と対応づけて示す情報であり、
プログラムは、プレイリスト情報を用いた第1及び第2デジタルストリームの再生制御手順を示し、
パッケージ管理情報は、第1、第2デジタルストリーム、プレイリスト情報、プログラムについての管理情報であり、
制御手段は、プレイリスト情報、プログラム、パッケージ管理情報のうち、パッケージ領域にあるものは、第2読出手段を制御してパッケージ領域からメモリに読み出し、
プレイリスト情報、プログラム、パッケージ管理情報のうち、パッケージ領域にないものは、第1読出手段を制御して光ディスクからメモリに読み出す
ことを特徴とする請求項20記載の再生装置。
【請求項22】
同じ識別番号が付与されているプレイリスト情報又はプログラムが光ディスク及びパッケージ領域に記録されている場合、制御手段は第2読出手段を制御して、パッケージ領域に記録されているプレイリスト情報又はプログラムをメモリに読み出し、
ある識別番号が付与されているプレイリスト情報又はプログラムが光ディスクのみに記録されている場合、制御手段は第1読出手段を制御して光ディスクに記録されているプレイリスト情報又はプログラムをメモリに読み出す
ことを特徴とする請求項21記載の再生装置。
【請求項23】
前記制御手段による前記第1デジタルストリーム及び第2デジタルストリームの読み出しは、
光ディスク及びパッケージ領域に記録されている複数のデジタルストリームのうち、同じ識別情報が付与されているものを第1及び第2読出手段に読み出させることでなされ、
ある識別番号が付与されているデジタルストリームが光ディスクのみに記録されている場合、制御手段は第1読出手段を制御して光ディスクに記録されているデジタルストリームを読み出す
ことを特徴とする請求項22記載の再生装置。
【請求項24】
前記パッケージ領域の内部には、2以上のバージョン領域があり、
個々のバージョン領域は、光ディスクにおける記録内容の2以上のバージョンに対応しており、
前記制御手段は、特定したパッケージ領域内の2以上のバージョン領域のうち、所望のバージョンに対応するものの特定を行い、
前記第2読出手段により読み出される第2デジタルストリームは、制御手段により特定されたバージョン領域内に存在する
ことを特徴とする請求項20記載の再生装置。
【請求項25】
前記個々のバージョン領域には、自身が対応しているバージョンを示すバージョン番号が付与されており、
前記制御手段によるバージョン領域の特定とは、
パッケージ領域内の複数バージョン領域のうち、付与されているバージョン番号が最も新しいものを特定することでなされる請求項24記載の再生装置。
【請求項26】
前記制御手段は、複数バージョンのパッケージを一覧表示して、何れかのパッケージを選択する操作をユーザから受け付け、
前記制御手段によるバージョン領域の特定とは、
パッケージ領域内の複数バージョン領域のうち、ユーザにより選択されたバージョンのパッケージに対応するものを特定することでなされる請求項24記載の再生装置。
【請求項27】
再生装置はメモリを備え、
光ディスクには、プレイリスト情報、プログラム、パッケージ管理情報が記録されており、
プレイリスト情報は、第1デジタルストリーム上における再生区間の開始点及び終了点を、第2デジタルストリーム上における再生区間の開始点及び終了点と対応づけて示す情報であり、
プログラムは、プレイリスト情報を用いた第1及び第2デジタルストリームの再生制御手順を示し、
パッケージ管理情報は、第1、第2デジタルストリーム、プレイリスト情報、プログラムについての管理情報であり、
制御手段は、プレイリスト情報、プログラム、パッケージ管理情報のうち、特定されたバージョン領域にあるものは、第2読出手段を制御してバージョン領域からメモリに読み出し、
プレイリスト情報、プログラム、パッケージ管理情報のうち、特定されたバージョン領域にないものは、第2読出手段を制御して特定されたバージョン領域より古いバージョンのバージョン領域からメモリに読み出し、
プレイリスト情報、プログラム、パッケージ管理情報のうち、何れのバージョン領域にもないものは、第1読出手段を制御して光ディスクからメモリに読み出す
ことを特徴とする請求項24記載の再生装置。
【請求項28】
同じ識別番号が付与されているプレイリスト情報又はプログラムが光ディスク及び複数のバージョン領域に記録されている場合、制御手段は第2読出手段を制御して、特定されたバージョン領域に記録されているプレイリスト情報又はプログラムをメモリに読み出し、
ある識別番号が付与されているプレイリスト情報又はプログラムが光ディスクのみに記録されている場合、制御手段は第1読出手段を制御して光ディスクに記録されているプレイリスト情報又はプログラムをメモリに読み出し、
ある識別番号が付与されているプレイリスト情報又はプログラムが特定されたバージョン領域より古いバージョンに対応するバージョン領域のみに記録されている場合、制御手段は第2読出手段を制御してバージョン領域に記録されているプレイリスト情報又はプログラムをメモリに読み出す
ことを特徴とする請求項27記載の再生装置。
【請求項29】
前記制御手段による前記第1デジタルストリーム及び第2デジタルストリームの読み出しは、
光ディスク及び特定されたバージョン領域に記録されている複数のデジタルストリームのうち、同じ識別情報が付与されているものを第1及び第2読出手段に読み出させることでなされ、
ある識別番号が付与されているデジタルストリームが光ディスクのみに記録されている場合、制御手段は第1読出手段を制御して光ディスクに記録されているデジタルストリームを読み出し、
ある識別番号が付与されているデジタルストリームが特定されたバージョン領域より古いバージョンのバージョン領域のみに記録されている場合、制御手段は第2読出手段を制御して当該バージョン領域に記録されているデジタルストリームを読み出す
ことを特徴とする請求項28記載の再生装置。
【請求項30】
前記パッケージ領域には、パッケージ一般情報が記録されており、
パッケージ一般情報は、ネットワークアドレスを含み、
前記再生装置は、ダウンロード手段を備え、
ダウンロード手段は、
一般情報のネットワークアドレスに示されているサーバからバージョンアップのためのアップデートキットをダウンロードし、予備の記録媒体におけるパッケージ領域に書き込み
前記第2デジタルストリームは、アップデートキットに含まれる
ことを特徴とする請求項20記載の再生装置。
【請求項31】
前記パッケージ一般情報は日時情報を含み、
制御手段は、現在日時が日時情報に示される期間内である場合、アップデートキットに含まれる第2デジタルストリームの読み出しを行うよう第2読出手段を制御し、現在日時が日時情報に示される期間内を過ぎれば、第2デジタルストリームの読み出しを行わないことを特徴とする請求項30記載の再生装置。
【請求項32】
前記パッケージ一般情報はフラグを含み、
フラグは、新しいバージョンへのアップデートのためのアップデートキットが供給される可能性があるか否かを示し、
ダウンロード手段がダウンロードを行うのは、フラグが供給される可能性有りを示している場合である
ことを特徴とする請求項30記載の再生装置。
【請求項33】
前記ダウンロード手段は、アップデートキットをダウンロードする際、光ディスクに対応する新たなパッケージ領域を予備の記録媒体上に作成し、そのパッケージ領域に識別情報を割り当てて、その新たなパッケージ領域内にアップデートキットを書き込み、
当該識別情報は、光ディスクに付加された媒体情報に合致する識別情報であり、
前記第2読出手段により読み出される第2デジタルストリームは、ダウンロード手段により新たなパッケージ領域に書き込まれたアップデートキット内にある
ことを特徴とする請求項1記載の再生装置。
【請求項34】
前記ダウンロード手段は、光ディスクに対応するパッケージ領域が予備の記録媒体上に存在する場合、パッケージ領域内に新たなバージョン領域を生成し、
この新たなバージョン領域は、光ディスクの記録内容の新たなバージョンに対応しており、
前記ダウンロード手段は、ダウンロードされたアップデートキットをそのバージョン領域に書き込み、
前記第2読出手段により読み出される第2デジタルストリームは、ダウンロード手段によりバージョン領域内に書き込まれたアップデートキット内にある
ことを特徴とする請求項33記載の再生装置。
【請求項35】
前記パッケージ領域には、複数のバージョン管理情報が記録されており、
バージョン管理情報は、光ディスクの記録内容の個々のバージョンについての管理情報であり、
ダウンロード手段は、アップデートキットをダウンロードしてバージョン領域に書き込んだ際、その書込位置を示す記録位置情報を、アップデートキットに対応するバージョンの管理情報内に設定する
ことを特徴とする請求項34記載の再生装置。
【請求項36】
前記予備の記録媒体には、光ディスクに対応するパッケージ領域があり、
前記パッケージ領域には、複数のバージョン管理情報が記録されており、
バージョン管理情報は、光ディスクの記録内容の個々のバージョンについての管理情報であり、
前記第2デジタルストリームは、光ディスクの記録内容の複数バージョンのうち、何れか1つのバージョンに属し、
前記再生手段は、第1及び第2デジタルストリームの再生を終了した際、再生終了時点を示す情報を生成して、第2デジタルストリームが属するバージョンの管理情報内に設定する
ことを特徴とする請求項34記載の再生装置。
【請求項37】
前記再生手段は、第1デジタルストリームの一部分をデマルチプレクスして、動画データと、副映像ユニットとを得る第1デマルチプレクス手段と、
第2デジタルストリームの一部分をデマルチプレクスして、副映像ユニットを得る第2デマルチプレクス手段と、
動画データをデコードするビデオデコーダと、
イメージデコーダと
第1デマルチプレクス手段が得た副映像ユニット及び第2デマルチプレクス手段が得た副映像ユニットのうち何れか一方をイメージデコーダに供給する供給手段とを備え、
前記再生手段による同期再生は、
第2デマルチプレクス手段が得た副映像ユニットが供給された場合、ビデオデコーダによるデコードと同期をとりながら、前記イメージデコーダが当該副映像ユニットをデコードすることにより実現される、請求項1記載の再生装置。
【請求項38】
前記第1デジタルストリーム及び第2デジタルストリームの一部分はパケット列であり、
第1デマルチプレクス手段は、個々のパケットのタイムスタンプに示されている時刻にデマルチプレクスを行い、
第2デマルチプレクス手段は、個々のパケットのタイムスタンプに示されている時刻と、所定のオフセットとを足し合わせた時刻にデマルチプレクスを行う
ことを特徴とする請求項37記載の再生装置。
【請求項39】
前記第1デジタルストリーム及び第2デジタルストリームの一部分はパケット列であり、
前記ビデオデコーダは、動画データを含んでいたパケットのタイムスタンプに示されている時刻に従って第1デジタルストリームに含まれる動画データに対するデコードを行い、
前記イメージデコーダは、副映像ユニットを含んでいたパケットのタイムスタンプに示されている時刻と、所定のオフセットとを足し合わせた時刻に第2デジタルストリームに含まれる副映像ユニットに対するデコードを行う
ことを特徴とする請求項37記載の再生装置。
【請求項40】
前記光ディスクにおける第1デジタルストリームの一部分は、1つ以上のアングルから撮影された1つ以上の動画データを含み、
予備の記録媒体における第2デジタルストリームの一部分は、別のアングルから撮影された1つ以上の動画データを含み、
前記再生手段は、
第1デジタルストリームの一部分をデマルチプレクスして、動画データを得る第1デマルチプレクス手段と、
第2デジタルストリームの一部分をデマルチプレクスして、動画データを得る第2デマルチプレクス手段と、
動画データをデコードするビデオデコーダと、
第1デマルチプレクス手段が得た動画データ及び第2デマルチプレクス手段が得た動画データのうち何れか一方をビデオデータに供給する供給手段とを備え、前記再生手段による同期再生は、
第2デマルチプレクス手段が得た動画データが供給された場合、第1デマルチプレクス手段が得た動画データに対するデコードと同期をとりつつ、前記ビデオデコーダが第2デマルチプレクス手段が得た動画データをデコードすることにより実現される請求項1記載の再生装置。
【請求項41】
前記第1デジタルストリーム及び第2デジタルストリームの一部分はパケット列であり、
第1デマルチプレクス手段は、個々のパケットのタイムスタンプに示されている時刻にデマルチプレクスを行い、
第2デマルチプレクス手段は、個々のパケットのタイムスタンプに示されている時刻と、所定のオフセットとを足し合わせた時刻にデマルチプレクスを行う
ことを特徴とする請求項40記載の再生装置。
【請求項42】
前記第1デジタルストリーム及び第2デジタルストリームの一部分はパケット列であり、
前記ビデオデコーダは、パケットのタイムスタンプに示されている時刻に第1デジタルストリームに含まれる動画データに対するデコードを行い、
前記ビデオデコーダは、パケットのタイムスタンプに示されている時刻と、所定のオフセットとを足し合わせた時刻に第2デジタルストリームに含まれる動画データに対するデコードを行う
ことを特徴とする請求項40記載の再生装置。
【請求項43】
前記第1デジタルストリームに含まれる2以上の動画データは複数に分割され、各動画データの分割部分は、交互に配置されて光ディスクに記録されており、
第2デジタルストリームに含まれる動画データも複数分割されて予備の記録媒体上に記録されており、
第2デジタルストリームを構成する分割部分の再生時間長は、第1デジタルストリームを構成する分割部分の再生時間長に等しい
ことを特徴とする請求項40記載の再生装置。
【請求項44】
第1デジタルストリームが記録された光ディスクについての再生装置であって、
予備の記録媒体と、
光ディスクに記録されている第1デジタルストリームを一部分ずつ読み出す第1読出手段と、
サーバに記録されている第2デジタルストリームを一部分ずつ読み出す第2読出手段と、
予備の記録媒体からの読み出しを光ディスクからの読み出しと並行して行うよう第1、第2読出手段を制御する制御手段と、
光ディスク及び予備の記録媒体から読み出された一部分から必要なデータを取り出して再生する再生手段とを備え、
予備の記録媒体には、ストリーム管理情報及びプレイリスト情報が記録されており、
プレイリスト情報は、第1デジタルストリーム上における再生区間の開始点及び終了点を、第2デジタルストリーム上における再生区間の開始点及び終了点と対応づけて示す情報であり、
ストリーム管理情報は、第2デジタルストリームについての管理情報であり、
ストリーム管理情報及びプレイリスト情報のうち少なくとも一方はアクセス先清報を含み、
アクセス先情報は、第2デジタルストリームを格納したサーバのアドレスを示す
ことを特徴とする再生装置。
【請求項45】
光ディスクであって、第1デジタルストリーム、フラグが記録されており、
フラグは、記録媒体における記録内容のアップデートバージョンが供給される可能性を示し、
アップデートバージョンは、第2デジタルストリーム、対応付け情報を含み、対応付け情報は、
光ディスクにおける第1デジタルストリームを、第2デジタルストリームと対応づけて示す情報である
ことを特徴とする光ディスク。
【請求項46】
前記対応付け情報は、プレイリスト情報であり、
プレイリスト情報は、第1デジタルストリーム上における再生区間の開始点及び終了点を、第2デジタルストリーム上における再生区間の開始点及び終了点と対応づけて示す情報である
ことを特徴とする請求項45記載の光ディスク。
【請求項47】
前記光ディスクにはアドレス情報、日時情報が記録されており、
アドレス情報は、アップデートバージョンの取得先アドレスを示し、
日時情報は、アップデートバージョンの有効期限を示し、
アップデートバージョンに含まれる第2プレイリスト情報を用いた再生は、日時情報に示される有効期限内に行われ、
日時情報に示される有効期限を過ぎれば、アップデートバージョンに含まれる第2プレイリスト情報を用いた再生は行われない
ことを特徴とする請求項45記載の光ディスク。
【請求項48】
前記アップデートバージョンは、プログラムを含み、
プログラムは、システムパラメータを用いた再生制御手順を示すものであり、
システムパラメータとは、再生装置における状態設定を示すパラメータである
ことを特徴とする請求項45記載の光ディスク。
【請求項49】
第1デジタルストリームが記録された光ディスクの予備に用いられる記録媒体であって、
第2デジタルストリームと、対応付け情報とが記録されており、
当該対応付け情報は、
予備の記録媒体上の第2デジタルストリームを、第1デジタルストリームと対応付けて示す情報である
ことを特徴とする記録媒体。
【請求項50】
対応付け情報は、プレイリスト情報であり、
プレイリスト情報は、第2デジタルストリーム上における再生区間の開始点及び終了点を、光ディスク上の第1デジタルストリーム上における再生区間の開始点及び終了点と対応づけて示す情報である
ことを特徴とする請求項49記載の記録媒体。
【請求項51】
前記予備の記録媒体には、ストリーム管理情報が記録されており、
ストリーム管理情報は、第2デジタルストリームについての属性情報と、オフセット情報とを含み、
前記オフセット情報は、第2デジタルストリームに付与されたタイムスタンプの値と、第1デジタルストリームに付与されたタイムスタンプの値との差分を示す
ことを特徴とする請求項50記載の記録媒体。
【請求項52】
前記予備の記録媒体には、複数のパッケージ領域が存在しており、個々のパッケージ領域は、本予備の記録媒体と共に用いられる複数光ディスクのそれぞれに対応しており、
前記第2デジタルストリーム、プレイリスト情報は、複数パッケージ領域のうち1つに配置されている
ことを特徴とする請求項50記載の記録媒体。
【請求項53】
前記パッケージ領域には一般情報が記録されており、
一般情報は、アドレス情報、日時情報を含み、
アドレス情報は、アップデートバージョンの取得先アドレスを示し、
日時情報は、アップデートバージョンの有効期限を示す
ことを特徴とする請求項52記載の記録媒体。
【請求項54】
前記パッケージ領域には一般情報が記録されており、
一般情報は、ストレージ情報、代替情報を含み、
ストレージ情報は、予備の記録媒体上における複数の領域のうち、何処にプレイリスト情報が配置されるかを示し、
代替情報は、プレイリスト情報が再生装置により破損有りと判定された場合に、代わりに用いるべきプレイリスト情報を示す
ことを特徴とする請求項52記載の記録媒体。
【請求項55】
前記各パッケージ領域の内部には、2以上のバージョン領域があり、
個々のバージョン領域は、
光ディスクにおける記録内容の2以上のバージョンに対応しており、
前記第2デジタルストリーム、プレイリスト情報は、複数パッケージ領域のうち1つに配置されている
ことを特徴とする請求項52記載の記録媒体。
【請求項56】
前記予備の記録媒体には、プログラムが記録されており、
プログラムは、プレイリスト情報を用いた再生制御手順を示す
ことを特徴とする請求項50記載の記録媒体。
【請求項57】
前記再生制御手順とは、
予備の記録媒体上のプレイリスト情報を用いた再生を条件付きで行うものであり、
この条件は、システムパラメータにより規定され、
システムパラメータとは、再生装置における状態設定を示すパラメータである
ことを特徴とする請求項56記載の記録媒体。
【請求項58】
前記第1デジタルストリームは、動画データと、オーディオデータとを含み、
第2デジタルストリームは、オーディオデータを含む
ことを特徴とする請求項50記載の記録媒体。
【請求項59】
前記第1デジタルストリームは、動画データと、副映像ユニットとを含み、
第2デジタルストリームは、副映像ユニットを含む
ことを特徴とする請求項50記載の記録媒体。
【請求項60】
前記光ディスクにおける第1デジタルストリームは、2つ以上のアングルから撮影された2つ以上の動画データを含み、
予備の記録媒体における第2デジタルストリームは、別のアングルから撮影された1つ以上の動画データを含む
ことを特徴とする請求項50記載の記録媒体。
【請求項61】
前記第1デジタルストリームに含まれる2以上の動画データは複数に分割され、各勤画データの分割部分は、交互に配置されて光ディスクに記録されており、
第2デジタルストリームに含まれる動画データも複数分割されて予備の記録媒体上に記録されており、
第1デジタルストリームの分割部分の再生時間長は、第2デジタルストリームの分割部分の再生時間長に等しい
ことを特徴とする請求項60記載の記録媒体。
【請求項62】
前記第1、第2デジタルストリームは複数のアクセスユニットからなり、
第1デジタルストリームにおけるアクセスユニットは、動画データを含み、
前記第2デジタルストリームは、第1デジタルストリームと同数のアクセスユニットにより構成され、
第2デジタルストリームを構成するアクセスユニットの再生時間は、第1デジタルストリームを構成する各アクセスユニットの再生時間と等しい
ことを特徴とする請求項50記載の記録媒体。
【請求項63】
前記光ディスクにはマップ情報が記録されており、
マップ情報は、アクセスユニットの再生開始時刻と、サイズとを対応づけて示しており、
第1読出手段は、マップ情報を参照して、開始点を含むアクセスユニット及び終了点を含むアクセスユニットの光ディスク上のアドレスを得る
ことを特徴とする請求項62記載の記録媒体。
【請求項64】
前記第1デジタルストリームは、第2デジタルストリームと同数のアクセスユニットにより構成され、
第2デジタルストリームを構成するアクセスユニットの再生時間は、第1デジタルストリームを講成する各アクセスユニットの再生時間と等しい
ことを特徴とする請求項62記載の記録媒体。
【請求項65】
第1デジタルストリームが記録された光ディスクについての再生プログラムであって、
光ディスクから第1デジタルストリームを一部分ずつ読み出す第1読出ステップと、
第1デジタルストリームと対応づけられた第2デジタルストリームを予備の記録媒体から特定する制御ステップと、
制御手段による制御に従い、予備の記録媒体から特定された第2デジタルストリームを一部分ずつ読み出す第2読出ステップと、
光ディスクから読み出された一部分に含まれるデータ、及び、予備の記録媒体から読み出された一部分に含まれるデータを同期させつつ再生する再生ステップと
をコンピュータに行わせることを特徴とするプログラム。
【請求項66】
第1デジタルストリームが記録された光ディスクについての再生方法であって、
光ディスクから第1デジタルストリームを一部分ずつ読み出す第1読出ステップと、
第1デジタルストリームと対応づけられた第2デジタルストリームを予備の記録媒体から特定する制御ステップと、
制御手段による制御に従い、予備の記録媒体から特定された第2デジタルストリームを一部分ずつ読み出す第2読出ステップと、
光ディスクから読み出された一部分に含まれるデータ、及び、予備の記録媒体から読み出された一部分に含まれるデータを同期させつつ再生する再生ステップと
を有することを特徴とする再生方法。

【国際公開番号】WO2004/030356
【国際公開日】平成16年4月8日(2004.4.8)
【発行日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−539489(P2004−539489)
【国際出願番号】PCT/JP2003/012127
【国際出願日】平成15年9月24日(2003.9.24)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
JAVA
コンパクトフラッシュ
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】