冷却器
【課題】体格の増大を抑制しつつ、チューブの両面において、冷却能力を等しくすることのできる冷却器を提供する。
【解決手段】冷却器は、冷媒が流れる冷媒通路を内部に有し、一面と該一面と反対の裏面との両面が、電子部品を冷却するための冷却面とされ、一面側に冷媒通路への冷媒導入口が設けられたチューブを、少なくとも1つ備える。冷媒導入口は、冷媒通路を流れる冷媒の流れ方向(X方向)に垂直な幅方向(Y方向)において一面の中央に設けられ、X方向において、チューブにおける電子部品と対向する位置よりも上流側に、冷媒通路を等しく2分割する上流側仕切り板が配置される。この上流側仕切り板は、90°×n(n:奇数)ねじられており、上流側端部が冷媒通路をY方向において2分割するように設けられ、下流側端部が、直交方向(Z方向)において2分割するように設けられる。
【解決手段】冷却器は、冷媒が流れる冷媒通路を内部に有し、一面と該一面と反対の裏面との両面が、電子部品を冷却するための冷却面とされ、一面側に冷媒通路への冷媒導入口が設けられたチューブを、少なくとも1つ備える。冷媒導入口は、冷媒通路を流れる冷媒の流れ方向(X方向)に垂直な幅方向(Y方向)において一面の中央に設けられ、X方向において、チューブにおける電子部品と対向する位置よりも上流側に、冷媒通路を等しく2分割する上流側仕切り板が配置される。この上流側仕切り板は、90°×n(n:奇数)ねじられており、上流側端部が冷媒通路をY方向において2分割するように設けられ、下流側端部が、直交方向(Z方向)において2分割するように設けられる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷媒通路を内部に有するチューブを備え、チューブの一面及び一面と反対の裏面の両面が、電子部品を冷却するための冷却面とされる冷却器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、電子部品を冷却するための冷却器として、冷媒が流れる冷媒通路を内部に有し、一面と該一面と反対の裏面との両面が、電子部品を冷却するための冷却面とされ、一面側に冷媒通路への冷媒導入口が設けられたチューブを、少なくとも1つ備えるものが知られている。
【0003】
このような冷却器では、チューブの一面側に冷媒導入口を有するため、冷媒通路、すなわち冷媒通路を流れる冷媒の流れ方向に対し、垂直な方向から冷媒が供給される。このため、チューブ内の冷媒通路において、冷媒導入口が設けられた一面側の流量に較べ、冷媒導入口から遠い裏面側の流量のほうが大きくなる。これにより、チューブの一面と裏面とで冷却能力が異なるため、電子部品の配置の自由度が低いなどの問題が生じる。
【0004】
一方、特許文献1には、チューブ内の冷媒通路に中間壁を設けることで、冷媒通路を、複数のチューブの積層方向において、第1冷媒通路と第2冷媒通路とに分割してなる構成が示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第4140549号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1では、積層方向において隣り合うチューブに挿入穴がそれぞれ形成され、この挿入穴に連結部材の筒部が挿入されて、隣り合うチューブが連結されている。また、中間壁には、チューブの挿入穴に対向する位置に中間壁穴が設けられている。そして、筒部の内径D1と中間壁穴の内径D2との関係により、第1冷媒通路に流れる流量Q1と、第2冷媒通路に流れる流量Q2を調整することができる。特許文献1の図5によれば、内径差増減率(D2−D1)/D1を−1程度、又は、25とすると、Q1=Q2となる。しかしながら、内径差増減率が5以下においては、内径差増減率に対する流量差増減率の変化(傾き)が大きく、組み付け時の許容公差が非常に小さい。すなわち、内径差増減率が−1程度となるように組み付けるのは困難である。一方、内径差増減率が25のほうが、上記した傾きが小さいため、組み付け時の許容公差が大きい。しかしながら、例えばD1を20mmとすると、D2を520mmとしなければならない。電子部品は当然ながら、中間壁穴よりも下流側に配置されるため、上記構成とすると、筒部から電子部品までの距離を大きく取らなければならず、冷却器の体格が大型化してしまう。
【0007】
本発明は上記問題点に鑑み、体格の増大を抑制しつつ、チューブの両面において、冷却能力を等しくすることのできる冷却器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために請求項1に記載の発明は、
冷媒が流れる冷媒通路を内部に有し、一面と該一面と反対の裏面との両面が、電子部品を冷却するための冷却面とされ、一面側に冷媒通路への冷媒導入口が設けられたチューブを、少なくとも1つ備える冷却器であって、
冷媒導入口は、冷媒通路を流れる冷媒の流れ方向に垂直な幅方向において一面の中央に設けられ、
流れ方向において、チューブにおける電子部品と対向する位置よりも上流側に、冷媒通路を等しく2分割する上流側仕切り板が配置され、
上流側仕切り板は、90°×n(n:奇数)ねじられており、上流側の端部が冷媒通路を幅方向において2分割するように設けられ、下流側の端部が、流れ方向及び幅方向に直交する直交方向において2分割するように設けられていることを特徴とする。
【0009】
本発明では、冷媒導入口が、幅方向において一面の中央に設けられる。このため、冷媒通路に流れる冷媒の流量は、上記した中央を境として、幅方向両サイドで互いに等しくなる。
【0010】
また、チューブには、電子部品との対向位置よりも上流側に、冷媒通路を等しく2分割する上流側仕切り板が配置されている。この上流側仕切り板は、90°×n(n:奇数)ねじられており、上流側の端部が幅方向において冷媒通路を2分割するように設けられ、下流側の端部が、直交方向において冷媒通路を2分割するように設けられている。したがって、上流側仕切り板により、幅方向における流量の関係を、直交方向における流量の関係に置き換えることができる。すなわち、電子部品よりも上流側において、冷媒通路を流れる冷媒の一面側の流量と裏面側の流量とをほぼ等しくすることができる。
【0011】
なお、上流側仕切り板は、電子部品との対向位置よりも上流側(冷媒導入口に近い位置)に設けられればよく、冷媒の流れ方向において寸法の制約は特にない。したがって、従来に較べて、冷却器の体格の増大を抑制することができる。
【0012】
このように、本発明によれば、体格の増大を抑制しつつ、チューブの両面において、冷却能力をほぼ等しくすることができる。
【0013】
請求項2に記載のように、
複数のチューブが、直交方向に所定間隔を有して積層され、
電子部品は、隣り合うチューブにおいて、一方のチューブの裏面と他方のチューブの一面との間に保持されて、両面から冷却され、
一方のチューブの裏面側には、幅方向の中央に連結口が設けられ、該連結口と他方のチューブの冷媒導入口とが連結部によって連結されており、
一方のチューブの冷媒導入口を通じて、隣り合うチューブの冷媒通路それぞれに冷媒が供給される構成にも好適である。
【0014】
上記したように、上流側仕切り板を設けると、電子部品よりも上流側において、一面側の流量と裏面側の流量とをほぼ等しくすることができる。したがって、本発明のように、一方のチューブの裏面と他方のチューブの一面との間に、電子部品が保持されて、電子部品の両面が冷却される構成において、一方のチューブの冷媒通路を流れる冷媒の裏面側の流量と、他方のチューブの冷媒通路を流れる冷媒の一面側の流量とをほぼ等しくすることができる。このように、電子部品の両面に対する冷却能力をほぼ等しくすることができる。これにより片面だけ温度が上昇しやすいという不具合を解消することができる。
【0015】
請求項3に記載のように、
流れ方向において、チューブにおける電子部品との対向部分に、冷媒通路を直交方向において2分割する対向仕切り板を有すると良い。
【0016】
これによれば、上流側仕切り板により、冷媒通路を流れる冷媒の一面側の流量と裏面側の流量とが等しくされた流れを、対向仕切り板により維持することができる。
【0017】
特に請求項4に記載のように、
上流側仕切り板と、対向仕切り板とが、1つの仕切り板として一体化された構成とすると、上流側仕切り板により、一面側の流量と裏面側の流量とが等しくされた流れを、そのまま対向仕切り板により維持することができる。また、部品点数を削減して、構成を簡素化、組み付け工数を削減することができる。
【0018】
次に、請求項5に記載の発明は、
冷媒が流れる冷媒通路を内部に有し、一面と該一面と反対の裏面との両面が、電子部品を冷却するための冷却面とされ、一面側に冷媒通路への冷媒導入口が設けられたチューブを、少なくとも1つ備える冷却器であって、
冷媒通路を流れる冷媒の流れ方向において、チューブにおける少なくとも電子部品と対向する位置に、冷媒通路を分割する螺旋状の仕切り板が配置されていることを特徴とする。
【0019】
本発明によれば、チューブ内の冷媒通路に設けられた螺旋状の仕切り板により、冷媒が攪拌され、この結果、螺旋状の仕切り板が設けられた冷媒通路の部分、すなわち少なくとも電子部品と対向する位置において、冷媒通路を流れる冷媒の一面側の流量と裏面側の流量とをほぼ等しくすることができる。
【0020】
なお、螺旋状の仕切り板は、少なくとも電子部品との対向位置に設けられればよく、冷媒の流れ方向において寸法の制約は特にない。したがって、従来に較べて、冷却器の体格の増大を抑制することができる。
【0021】
このように、本発明によっても、体格の増大を抑制しつつ、チューブの両面において、冷却能力をほぼ等しくすることができる。
【0022】
請求項6に記載のように、
複数のチューブが、直交方向に所定間隔を有して積層され、
電子部品は、隣り合うチューブにおいて、一方のチューブの裏面と他方のチューブの一面との間に保持されて、両面から冷却され、
一方のチューブの裏面側には連結口が設けられ、該連結口と他方のチューブの冷媒導入口とが連結部によって連結されており、
一方のチューブの冷媒導入口を通じて、隣り合うチューブの冷媒通路それぞれに冷媒が供給される構成にも好適である。
【0023】
上記したように、螺旋状の仕切り板を設けると、少なくとも電子部品との対向位置において、一面側の流量と裏面側の流量とをほぼ等しくすることができる。したがって、本発明のように、一方のチューブの裏面と他方のチューブの一面との間に、電子部品が保持されて、電子部品の両面が冷却される構成において、一方のチューブの冷媒通路を流れる冷媒の裏面側の流量と、他方のチューブの冷媒通路を流れる冷媒の一面側の流量とをほぼ等しくすることができる。このように、電子部品の両面に対する冷却能力をほぼ等しくすることができる。これにより片面だけ温度が上昇しやすいという不具合を解消することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】第1実施形態に係る冷却器の概略構成を示す正面図である。
【図2】図1の破線IIで囲まれた部分のX−Z面に沿う断面図である。
【図3】図1の破線IIで囲まれた部分の斜視図であり、部分的に透過させて図示している。
【図4】図2のIV−IV線に沿う断面図である。
【図5】図2のV−V線に沿う断面図である。
【図6】冷却器の変形例を示す断面図であり、図2に対応している。
【図7】図6のVII−VII線に沿う断面図であり、図5に対応している。
【図8】冷却器の変形例を示す断面図であり、図4に対応している。
【図9】図8に示す冷却器の異なる断面図であり、図5に対応している。
【図10】第2実施形態に係る冷却器の概略構成を示す正面図である。
【図11】図10の破線XIで囲まれた部分のX−Z面に沿う断面図である。
【図12】図11のXII−XII線に沿う断面図である。
【図13】図11のXIII−XIII線に沿う断面図である。
【図14】第3実施形態に係る冷却器の概略構成を示す斜視図であり、部分的に透過させて図示している。
【図15】図14に示す冷却器のうち、螺旋状の仕切り板を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。なお、各図において、共通乃至関連する要素には同一の符号を付与するものとする。
【0026】
(第1実施形態)
以下においては、説明の便宜上、チューブ内の冷媒通路を流れる冷媒の流れ方向をX方向、X方向に垂直な冷媒通路の幅方向をY方向、複数のチューブの積層方向であり、上記X方向及びY方向に直交する直交方向をZ方向と示す。
【0027】
先ず冷却器10の概略構成について、図1〜図5により説明する。
【0028】
電子部品16を冷却するための冷却器10は、冷媒が流れる冷媒通路20を内部に有するとともに、冷媒通路20に流れる冷媒の流れ方向Xに対して直交するZ方向に所定間隔を有して積層配置された複数のチューブ11と、Z方向において隣り合うチューブ11同士を連結する上流側連結部12(上流側ヘッダとも言う)及び下流側連結部13(下流側ヘッダとも言う)と、を有する。また、Z方向において一端側に位置するチューブ11にろう付けされたパイプ14,15を有する。パイプ14は、各チューブ11に冷媒を供給するための入口パイプであり、パイプ15は、各チューブ11に流れた冷媒を排出するための出口パイプである。したがって、上流側連結部12は、言うなれば、入口パイプ14から供給された冷媒を複数のチューブ11に分配するものであり、下流側連結部13は、複数のチューブ11に分配された冷媒を合流させるものである。
【0029】
図1に示す例では、チューブ11と電子部品16とが、Z方向に交互に積層され、電子部品16は、2つのチューブ11によりZ方向に挟持(保持)されている。そして、各々のチューブ11に分配された冷媒が、各冷媒通路20を同一であるX方向に流れることで、電子部品16が冷却されるようになっている。
【0030】
チューブ11は、上流側の外周壁をなす上流側プレート21と下流側の外周壁をなす下流側プレート22とが、内部に冷媒通路20(空間)を有するように、X方向の両端及びY方向の両端で接合されて設けられており、扁平形状をなしている。このチューブ11は、電子部品16の冷却面(電子部品16との対向面)として、Z方向にほぼ垂直な面11a,11bを有している。面11a,11bのうち、上流側の面が一面11a、下流側の面が裏面11bとなっており、一面11aは上流側プレート21により構成され、裏面11bは下流側プレート22により構成されている。なお、各プレート21,22としては、例えばアルミニウム製の薄板をプレス成形したものを採用することができる。
【0031】
全てのチューブ11を構成する上流側プレート21には、X方向における上流側の端部付近に、チューブ11内の冷媒通路20に冷媒を導くための冷媒導入口23が形成されている。また、上流側プレート21における下流側の端部付近には、チューブ11内の冷媒通路20から冷媒を排出させるための冷媒排出口(図示略)が形成されている。すなわち、チューブ11の一面11a側に、冷媒導入口23及び冷媒排出口が形成されている。一方、大部分のチューブ11を構成する下流側プレート22には、X方向における上流側の端部付近に、Z方向に隣り合うチューブ11に冷媒を分配するための連結口24が形成されている。また、下流側プレート22(チューブ11の裏面11b)における下流側の端部付近には、Z方向に隣り合うチューブ11から排出用の冷媒を受けるための連結口(図示略)が形成されている。すなわち、大部分のチューブ11において、チューブ11の裏面11b側に、連結口24及び排出側の連結口が形成されている。
【0032】
そして、隣り合うチューブ11において、一方のチューブ11の上流側プレート21に形成された冷媒導入口23と、他方のチューブ11の下流側プレート22における上流側端部付近に形成された連結口24とが、上流側連結部12を介して連結されている。また、一方のチューブ11の上流側プレート21に形成された冷媒排出口と、他方のチューブ11の下流側プレート22における下流側端部付近に形成された連結口とが、下流側連結部13を介して連結されている。
【0033】
本実施形態では、上流側連結部12が、各プレート21,22の冷媒導入口23及び連結口24の開口縁部からZ方向に突出して設けられた筒状の突出部25,26を、互いに嵌合することで構成されている。すなわち、上流側プレート21及び下流側プレート22の一部として、上流側連結部12が構成されている。また、下流側連結部13が、各プレート21,22の冷媒排出口及び連結口の開口縁部からZ方向に突出して設けられた筒状の突出部(図示略)を、互いに嵌合することで構成されている。すなわち、上流側プレート21及び下流側プレート22の一部として、下流側連結部13が構成されている。
【0034】
なお、Z方向において入口パイプ14及び出口パイプ15が接続されるチューブ11と反対のチューブ11には、その下流側プレート22に上流側端部付近の連結口24、下流側端部付近の連結口、及び突出部が形成されていない。すなわち、連結部12,13も、パイプ14,15も連結されていない。
【0035】
入口パイプ14は、例えばアルミニウムよりなり、Z方向における一端側のチューブ11において、上流側プレート21の冷媒導入口23周辺に設けられた突出部25にろう付けされている。一方、出口パイプ15も、例えばアルミニウムよりなり、Z方向における一端側のチューブ11において、上流側プレート21の冷媒排出口周辺に設けられた突出部にろう付けされている。これらパイプ14,15は、冷媒を循環させる図示しないポンプ、及び冷媒を冷却する図示しない熱交換器に接続されている。
【0036】
電子部品16は、通電により発熱する発熱素子、縦型構造のIGBTやMOSFETなどのパワー素子、が構成された半導体チップを、放熱板(熱拡散板)などとともに、モールド樹脂にて一体化してなるものであり、半導体モジュールとも言われる。本実施形態では、IGBTにより車両用インバータ回路が構成されている。この電子部品16は、Z方向において隣り合う一組のチューブ11により挟持(保持)され、この2つのチューブ11を流れる冷媒により冷却される。
【0037】
次に、本実施形態の特徴部分について、図2〜図5により説明する。
【0038】
本実施形態では、チューブ11を構成する上流側プレート21の上流側端部付近に設けられる冷媒導入口23は、Y方向、すなわちチューブ11の幅方向において、図5に示すように、一面11aの中央に設けられている。さらに、冷媒導入口23に対応して、連結口24も、チューブ11の幅方向において、裏面11b(下流側プレート22)の中央に設けられている。また、冷媒導入口23と連結口24は、X−Y面に沿う平面がともに円形状をなしており、その直径が互いにほぼ等しくされ、互いに対向して設けられている。すなわち、上流側連結部12がZ方向に沿って設けられている。なお、図示しない冷媒排出口と、該冷媒排出口に対応する連結口についても、冷媒排出口が冷媒導入口23、排出側の連結口が連結口24の関係を満たすように構成されている。
【0039】
また、本実施形態では、X方向において、チューブ11における電子部品16と対向する位置よりも上流側に、冷媒通路20を等しく2分割する上流側仕切り板30が配置されている。本実施形態では、図2、図3、図5に示すように、X方向において、冷媒導入口23と電子部品16との間に設けられている。この上流側仕切り板30は、ほぼ90°ねじられており、上流側端部31が冷媒通路20をY方向において2分割するように設けられ、下流側端部32が冷媒通路20をZ方向において2分割するように設けられている。より詳しくは、上流側端部31が、図3、図5に示すように、X方向において冷媒導入口23に隣接して配置され、下流側端部32が、電子部品16の上流側端部に上流側で隣接して配置されている。また、上流側仕切り板30は、下流側端部32からX方向に所定の長さの部分(以下、平板部33と示す)が、上流側端部31に対して90°ねじられた位置関係となっている。すなわち、下流側端部32を含む平板部33は、X−Y面に平行となっている。そして、Y方向の両端で接合された上流側プレート21と下流側プレート22の接合部分において、平板部33のY方向両端部が挟まれて、プレート21,22とともに接合されている。このようにして、上流側仕切り板30は、チューブ11に固定されている。なお、上流側仕切り板30としては、例えばアルミニウム製の薄板をねじり加工してなるものを採用することができる。
【0040】
次に、上記した特徴部分の効果について説明する。
【0041】
本実施形態では、冷媒導入口23が、Y方向においてチューブ11(又は一面11a)の中央に設けられる。このため、冷媒通路20に流れる冷媒の流量を、Y方向中央を境として、幅方向両サイドで互いに等しくすることができる。
【0042】
ところで、例えば冷媒通路20内に仕切り板が配置されない構成では、冷媒導入口23から冷媒通路20に冷媒が流れ込む際、すなわち、Z方向に沿う冷媒の流れが、X方向の流れに変わる際、冷媒導入口23の開口縁部が邪魔となり、一面11a側(上流側プレート21付近)の流量が、裏面11b側(下流側プレート22付近)よりも小さくなる。すなわち、同一の冷媒通路20内でZ方向に流量の差が生じる。これに対し、本実施形態では、チューブ11内の冷媒通路20にであって電子部品16との対向位置よりも上流側に、冷媒通路20を等しく2分割する上流側仕切り板30を配置している。この上流側仕切り板30は、90°ねじられており、上流側端部31がY方向において冷媒通路20を2分割するように設けられ、下流側端部32が、Z方向において冷媒通路20を2分割するように設けられている。したがって、上流側仕切り板30により、上記したY方向における流量の関係を、図3及び図4に示すように、Z方向における流量の関係に置き換えることができる。すなわち、電子部品16よりも上流側において、同一のチューブ11の冷媒通路20を流れる冷媒の、一面11a側の流量と裏面11b側の流量とをほぼ等しくすることができる。なお、図3では、Y方向において上面側仕切り板30の上流側端部31よりも紙面奥側の流れが、上流側仕切り板30の平板部33よりも紙面上方、すなわち裏面11b側の流れ(図中の実線矢印)となっている。また、Y方向において上面側仕切り板30の上流側端部31よりも紙面手前の流れが、上流側仕切り板30の平板部33よりも紙面下方、すなわち一面11a側の流れ(図中の破線矢印)となっている。
【0043】
なお、上流側仕切り板30は、電子部品16との対向位置よりも上流側(冷媒導入口23に近い位置)に設けられればよく、X方向において寸法の制約は特にない。したがって、従来に較べて、冷却器10の体格の増大を抑制することができる。
【0044】
このように、本実施形態に示す冷却器10によれば、冷却器10の特にX方向の体格増大を抑制しつつ、チューブ11の両面11a,11bにおいて、冷却能力をほぼ等しくすることができる。
【0045】
また、上記したように、例えば冷媒通路20内に仕切り板が配置されない構成では、同一チューブ11の冷媒通路20において、一面11a側(上流側プレート21付近)の流量が、裏面11b側(下流側プレート22付近)の流量よりも小さくなる。このため、電子部品16の両面を、隣り合う一組のチューブ11、詳しくは一方のチューブ11の裏面11bと他方のチューブ11の一面11aとで冷却する構成では、冷却能力に差が生じる。これは、一方のチューブ11の裏面11b側を流れる冷媒の流量は大きく、他方のチューブ11の一面11a側を流れる冷媒の流量は小さいからである。これに対し、本実施形態では、各チューブ11において、一面11a側を流れる冷媒の流量と裏面11b側を流れる冷媒の流量とをほぼ等しくすることができる。このため、隣り合う一組のチューブ11において、各チューブ11の対向する面側の流量を、互いにほぼ等しくすることができる。すなわち、一方のチューブ11の冷媒通路20を流れる冷媒の裏面11b側の流量と、他方のチューブ11の冷媒通路20を流れる冷媒の一面11a側の流量とをほぼ等しくすることができる。このように、電子部品16の両面に対する冷却能力をほぼ等しくすることができるので、片面だけ温度が上昇しやすいという不具合を解消することができる。
【0046】
(変形例)
上記実施形態では、上流側仕切り板30が90°ねじられる例を示した。しかしながら、ねじり角度としては、90°×n(n:奇数)であれば良い。これによれば、上流側仕切り板30により、Y方向における流量の関係を、Z方向における流量の関係に置き換えることができる。
【0047】
上記実施形態では、各プレート21,22に突出部25,26が設けられ、これらが嵌合されて上流側連結部12が構成される例を示した。また、下流側連結部13についても上流側連結部12と同様の構成であった。しかしながら、筒状の連結部材(例えば蛇腹状のベローズ)を、プレート21,22とは別部材として用意し、この連結部材により、隣り合うチューブ11を連結しても良い。
【0048】
上記実施形態では、冷媒通路20の断面形状(Y−Z面に沿う断面形状)が六角形である例を示したが、断面形状は上記例に限定されるものではない。また、チューブ11の外形輪郭(Y−Z面に沿う断面の外形輪郭)も上記例に限定されるものではない。
【0049】
上記実施形態では、上流側仕切り板30をプレート21,22とともに接合し、チューブ11に固定する例を示した。しかしながら、固定方法としては、上記例に限定されるものではない。例えばプレート21,22にて挟んで圧着固定しても良いし、かしめ等により固定しても良い。
【0050】
上記実施形態では、冷媒通路20を区画する仕切り板として、上流側仕切り板30のみを有する例を示した。しかしながら、上流側仕切り板30に加えて、チューブ11における少なくとも電子部品16との対向部分に、冷媒通路20をZ方向においてほぼ等しく2分割する対向仕切り板34を有しても良い。図6及び図7に示す例では、上流側仕切り板30と対向仕切り板34とが、1つの仕切り板35として一体化されている。このように、対向仕切り板34を有すると、上流側仕切り板30により、冷媒通路20を流れる冷媒の一面11a側の流量と裏面11b側の流量とがほぼ等しくされた流れを、対向仕切り板34により、電子部品16との対向部分において維持することができる。また、一体化された構成とすると、上流側仕切り板30と対向仕切り板34との間に隙間がないため、乱流などが生じず、一面11a側の流量と裏面11b側の流量とが等しくされた流れを、そのまま対向仕切り板34により維持することができる。また、部品点数を削減して、構成を簡素化、組み付け工数を削減することができる。なお、上流側仕切り板30と対向仕切り板34とが一体化される場合、対向仕切り板34の部分でチューブ11に固定すれば良いため、平板部33を不要とすることができる。また、上流側仕切り板30と対向仕切り板34とが、互いに分離された構成としても良い。
【0051】
上記実施形態では、チューブ11内にフィンが配置されない例を示したが、例えば図8及び図9に示すように、冷媒通路20に、電子部品16から冷媒への熱伝達料を高めるフィン27が配置された構成としても良い。このフィン27は、各プレート21,22に接合されている。図8及び図9に示す例では、対向仕切り板34がないため、チューブ11の単一空間にフィン27が配置されている。しかしながら、図6及び図7の変形例に示したように、対向仕切り板34が設けられて、冷媒通路20がZ方向で2分割された構成では、対向仕切り板34にて区画された各空間(分割された冷媒通路20)に、それぞれフィン27が配置されても良い。この場合、フィン27は、対向仕切り板34に接合されても良い。
【0052】
(第2実施形態)
本実施形態において、上記実施形態に示した冷却器10と共通する部分についての説明は割愛する。第1実施形態では、冷却器10が複数のチューブ11を有し、Z方向において隣り合うチューブ11により電子部品16が挟まれて、電子部品16の両面が冷却される例を示した。しかしながら、チューブ11の本数は上記例に限定されない。本実施形態では、冷却器10がチューブ11を一本のみ有し、チューブ11の両面に電子部品16がそれぞれ配置されて冷却される点を特徴とする。
【0053】
図10〜図13に示す例では、第1実施形態に示した構成(図1〜図5参照)において、チューブ11を一本のみとしており、該チューブ11の両面11a,11bに電子部品16を配置している。すなわち、チューブ11が一本のみであり、隣り合うチューブ11の冷媒通路20同士を連結する上流側連結部12、下流側連結部13、チューブ11(下流側プレート22)の連結口24及び排出側の連結口を有さない点を除けば、基本的に第1実施形態に示した構成(図1〜図5参照)と同じである。
【0054】
一本のチューブ11は、上流側プレート21と下流側プレート22からなる。また、上流側プレート21には、X方向における上流側端部付近に冷媒導入口23が形成され、下流側端部付近に図示しない冷媒排出口が形成されている。なお、冷媒導入口23及び冷媒排出口は、Y方向において一面11aの中央に設けられている。このように、チューブ11の一面11a側に、冷媒導入口23及び冷媒排出口が形成されている。そして、冷媒導入口23及び冷媒排出口の開口縁部からZ方向に突出して設けられた筒状の突出部25に、入口パイプ14及び出口パイプ15がそれぞれろう付けされている。
【0055】
また、上流側仕切り板30は、X方向において、チューブ11における電子部品16と対向する位置よりも上流側に、冷媒通路20を等しく2分割するように配置されている。本実施形態でも、図11、図13に示すように、X方向において、冷媒導入口23と電子部品16との間に設けられている。この上流側仕切り板30は、ほぼ90°ねじられており、上流側端部31が冷媒通路20をY方向において2分割するように設けられ、下流側端部32が冷媒通路20をZ方向において2分割するように設けられている。そして、下流側端部32を含み、X−Y面に平行とされた平板部33のY方向端部が、Y方向の両端で接合された上流側プレート21と下流側プレート22の接合部分において挟まれて、プレート21,22とともに接合されている。
【0056】
このように構成される冷却器10において、チューブ11の一面11a及び裏面11bに、電子部品16がそれぞれ配置されている。これら電子部品16におけるチューブ11と反対の面には、図10に示すように、例えば金属材料からなる固定部材40が配置され、固定部材40とチューブ11とに挟まれて、電子部品16がチューブ11に固定されている。なお、固定部材40は、鍋底状をなしており、外周縁のフランジ部にてチューブ11を構成する各プレート21,22に例えば接合されている。
【0057】
本実施形態では、第1実施形態同様、冷媒導入口23が、Y方向において一面11aの中央に設けられる。このため、冷媒通路20に流れる冷媒の流量を、上記した中央を境として、幅方向両サイドで互いに等しくすることができる。
【0058】
また、チューブ11内の冷媒通路20には、電子部品16との対向位置よりも上流側に、冷媒通路20を等しく2分割する上流側仕切り板30が配置されている。この上流側仕切り板30は、90°×n(n:奇数)ねじられており、上流側端部31がY方向において冷媒通路20を2分割するように設けられ、下流側端部32が、Z方向において冷媒通路20を2分割するように設けられている。したがって、上流側仕切り板30により、上記したY方向における流量の関係を、図12に示すように、Z方向における流量の関係に置き換えることができる。すなわち、電子部品16よりも上流側において、冷媒通路20を流れる冷媒の一面11a側の流量と裏面11b側の流量とをほぼ等しくすることができる。
【0059】
なお、上流側仕切り板30は、電子部品16との対向位置よりも上流側(冷媒導入口23に近い位置)に設けられればよく、X方向において寸法の制約は特にない。したがって、従来に較べて、冷却器10の体格の増大を抑制することができる。
【0060】
このように、本実施形態に示す冷却器10によれば、冷却器10の特にX方向の体格増大を抑制しつつ、チューブ11の両面11a,11bにおいて、冷却能力をほぼ等しくすることができる。すなわち、一面11aと裏面11bの冷却能力がほぼ等しいため、同一チューブの一面11aと裏面11bの冷却能力に差がある構成に較べて、電子部品16の配置の自由度を向上することができる。
【0061】
(第3実施形態)
本実施形態において、上記実施形態に示した冷却器10と共通する部分についての説明は割愛する。上記実施形態では、冷却器10が、冷媒通路20に配置された仕切り板として、電子部品16との対向位置よりも上流側に、90°×n(n:奇数)ねじられた上流側仕切り板30を有し、上流側端部31がY方向において冷媒通路20を2分割するように設けられ、下流側端部32が、Z方向において冷媒通路20を2分割するように設けられる例を示した。
【0062】
これに対し、本実施形態では、冷却器10が、仕切り板として、冷媒通路20を分割(複数の空間に区画)する螺旋状の仕切り板50を有し、この仕切り板50が、X方向において、チューブ11における少なくとも電子部品16と対向する位置に設けられる点を特徴とする。なお、上流側仕切り板30に代えて、螺旋状の仕切り板50を採用する点を除けば、第1実施形態に示す構成(図1〜図5参照)と同じである。
【0063】
図14に示す例では、X方向において、仕切り板50の上流側端部が冷媒導入口23に隣接し、下流側端部が冷媒排出口28に隣接するように設けられている。また、図15に示すように、Z方向に沿う垂直部51と、X−Y面に沿う水平部52とがねじり部53を介してX方向に交互に設けられ(周期構造を有し)、ねじり部53は、隣り合う垂直部51と水平部52とを、X方向を回転軸として90°位置がずれるように連結している。なお、水平部52は、上記実施形態における平板部33に相当し、水平部52のY方向端部が、Y方向の両端で接合された上流側プレート21と下流側プレート22の接合部分において挟まれて、プレート21,22とともに接合されている。また、本実施形態では、螺旋状の仕切り板50が、X方向の全長で、冷媒通路20をほぼ等しく2分割するようになっている。
【0064】
次に、本実施形態に係る特徴部分の効果について説明する。
【0065】
本実施液体では、チューブ11内の冷媒通路20に設けられた螺旋状の仕切り板50により、冷媒が攪拌され、この結果、仕切り板50が設けられた冷媒通路20の部分、すなわち少なくとも電子部品16と対向する位置において、冷媒通路20を流れる冷媒の一面11a側の流量と裏面11b側の流量とをほぼ等しくすることができる。仕切り板50が設けられた冷媒通路20の部分で、螺旋状の仕切り板50の効果により、冷媒通路20の一面11a側と裏面11b側とで流量が平均化されるからである。
【0066】
なお、螺旋状の仕切り板50は、少なくとも電子部品16との対向位置に設けられればよく、X方向において寸法の制約は特にない。したがって、従来に較べて、冷却器10の体格の増大を抑制することができる。
【0067】
このように、本実施形態に係る冷却器10によれば、冷却器10の特にX方向の体格増大を抑制しつつ、チューブ11の両面11a,11bにおいて、冷却能力をほぼ等しくすることができる。
【0068】
特に、電子部品16の両面を、隣り合う一組のチューブ11にて冷却する構成においては、各チューブ11の対向する面側の流量を、互いにほぼ等しくすることができる。すなわち、一方のチューブ11の冷媒通路20を流れる冷媒の裏面11b側の流量と、他方のチューブ11の冷媒通路20を流れる冷媒の一面11a側の流量とをほぼ等しくすることができる。このように、電子部品16の両面に対する冷却能力をほぼ等しくすることができるので、片面だけ温度が上昇しやすいという不具合を解消することができる。
【0069】
(変形例)
上記実施形態に示す螺旋状の仕切り板50は、第2実施形態に示すように、チューブ11を一本のみ有する冷却器10においても適用することができる。この場合、冷却器10の特にX方向の体格増大を抑制しつつ、チューブ11の両面11a,11bにおいて、冷却能力をほぼ等しくすることができる。すなわち、一面11aと裏面11bの冷却能力がほぼ等しいため、同一チューブの一面11aと裏面11bの冷却能力に差がある構成に較べて、電子部品16の配置の自由度を向上することができる。
【0070】
仕切り板50の形状、配置は上記例に限定されるものではない。その配置は、X方向において電子部品16との対向位置の全域に少なくとも配置されれば良い。また形状は、図15に示したように、垂直部51と水平部52をねじり部53に連結した周期構造に限定されず、螺旋状であれば採用することができる。
【0071】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態になんら制限されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々変形して実施することが可能である。
【符号の説明】
【0072】
10・・・冷却器
11・・・チューブ
11a・・・一面
11b・・・裏面
12・・・上流側連結部
13・・・下流側連結部
16・・・電子部品
20・・・冷媒通路
23・・・冷媒導入口
24・・・連結口
30・・・上流側仕切り板
31・・・上流側端部
32・・・下流側端部
34・・・対向仕切り板
50・・・(螺旋状の)仕切り板
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷媒通路を内部に有するチューブを備え、チューブの一面及び一面と反対の裏面の両面が、電子部品を冷却するための冷却面とされる冷却器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、電子部品を冷却するための冷却器として、冷媒が流れる冷媒通路を内部に有し、一面と該一面と反対の裏面との両面が、電子部品を冷却するための冷却面とされ、一面側に冷媒通路への冷媒導入口が設けられたチューブを、少なくとも1つ備えるものが知られている。
【0003】
このような冷却器では、チューブの一面側に冷媒導入口を有するため、冷媒通路、すなわち冷媒通路を流れる冷媒の流れ方向に対し、垂直な方向から冷媒が供給される。このため、チューブ内の冷媒通路において、冷媒導入口が設けられた一面側の流量に較べ、冷媒導入口から遠い裏面側の流量のほうが大きくなる。これにより、チューブの一面と裏面とで冷却能力が異なるため、電子部品の配置の自由度が低いなどの問題が生じる。
【0004】
一方、特許文献1には、チューブ内の冷媒通路に中間壁を設けることで、冷媒通路を、複数のチューブの積層方向において、第1冷媒通路と第2冷媒通路とに分割してなる構成が示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第4140549号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1では、積層方向において隣り合うチューブに挿入穴がそれぞれ形成され、この挿入穴に連結部材の筒部が挿入されて、隣り合うチューブが連結されている。また、中間壁には、チューブの挿入穴に対向する位置に中間壁穴が設けられている。そして、筒部の内径D1と中間壁穴の内径D2との関係により、第1冷媒通路に流れる流量Q1と、第2冷媒通路に流れる流量Q2を調整することができる。特許文献1の図5によれば、内径差増減率(D2−D1)/D1を−1程度、又は、25とすると、Q1=Q2となる。しかしながら、内径差増減率が5以下においては、内径差増減率に対する流量差増減率の変化(傾き)が大きく、組み付け時の許容公差が非常に小さい。すなわち、内径差増減率が−1程度となるように組み付けるのは困難である。一方、内径差増減率が25のほうが、上記した傾きが小さいため、組み付け時の許容公差が大きい。しかしながら、例えばD1を20mmとすると、D2を520mmとしなければならない。電子部品は当然ながら、中間壁穴よりも下流側に配置されるため、上記構成とすると、筒部から電子部品までの距離を大きく取らなければならず、冷却器の体格が大型化してしまう。
【0007】
本発明は上記問題点に鑑み、体格の増大を抑制しつつ、チューブの両面において、冷却能力を等しくすることのできる冷却器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために請求項1に記載の発明は、
冷媒が流れる冷媒通路を内部に有し、一面と該一面と反対の裏面との両面が、電子部品を冷却するための冷却面とされ、一面側に冷媒通路への冷媒導入口が設けられたチューブを、少なくとも1つ備える冷却器であって、
冷媒導入口は、冷媒通路を流れる冷媒の流れ方向に垂直な幅方向において一面の中央に設けられ、
流れ方向において、チューブにおける電子部品と対向する位置よりも上流側に、冷媒通路を等しく2分割する上流側仕切り板が配置され、
上流側仕切り板は、90°×n(n:奇数)ねじられており、上流側の端部が冷媒通路を幅方向において2分割するように設けられ、下流側の端部が、流れ方向及び幅方向に直交する直交方向において2分割するように設けられていることを特徴とする。
【0009】
本発明では、冷媒導入口が、幅方向において一面の中央に設けられる。このため、冷媒通路に流れる冷媒の流量は、上記した中央を境として、幅方向両サイドで互いに等しくなる。
【0010】
また、チューブには、電子部品との対向位置よりも上流側に、冷媒通路を等しく2分割する上流側仕切り板が配置されている。この上流側仕切り板は、90°×n(n:奇数)ねじられており、上流側の端部が幅方向において冷媒通路を2分割するように設けられ、下流側の端部が、直交方向において冷媒通路を2分割するように設けられている。したがって、上流側仕切り板により、幅方向における流量の関係を、直交方向における流量の関係に置き換えることができる。すなわち、電子部品よりも上流側において、冷媒通路を流れる冷媒の一面側の流量と裏面側の流量とをほぼ等しくすることができる。
【0011】
なお、上流側仕切り板は、電子部品との対向位置よりも上流側(冷媒導入口に近い位置)に設けられればよく、冷媒の流れ方向において寸法の制約は特にない。したがって、従来に較べて、冷却器の体格の増大を抑制することができる。
【0012】
このように、本発明によれば、体格の増大を抑制しつつ、チューブの両面において、冷却能力をほぼ等しくすることができる。
【0013】
請求項2に記載のように、
複数のチューブが、直交方向に所定間隔を有して積層され、
電子部品は、隣り合うチューブにおいて、一方のチューブの裏面と他方のチューブの一面との間に保持されて、両面から冷却され、
一方のチューブの裏面側には、幅方向の中央に連結口が設けられ、該連結口と他方のチューブの冷媒導入口とが連結部によって連結されており、
一方のチューブの冷媒導入口を通じて、隣り合うチューブの冷媒通路それぞれに冷媒が供給される構成にも好適である。
【0014】
上記したように、上流側仕切り板を設けると、電子部品よりも上流側において、一面側の流量と裏面側の流量とをほぼ等しくすることができる。したがって、本発明のように、一方のチューブの裏面と他方のチューブの一面との間に、電子部品が保持されて、電子部品の両面が冷却される構成において、一方のチューブの冷媒通路を流れる冷媒の裏面側の流量と、他方のチューブの冷媒通路を流れる冷媒の一面側の流量とをほぼ等しくすることができる。このように、電子部品の両面に対する冷却能力をほぼ等しくすることができる。これにより片面だけ温度が上昇しやすいという不具合を解消することができる。
【0015】
請求項3に記載のように、
流れ方向において、チューブにおける電子部品との対向部分に、冷媒通路を直交方向において2分割する対向仕切り板を有すると良い。
【0016】
これによれば、上流側仕切り板により、冷媒通路を流れる冷媒の一面側の流量と裏面側の流量とが等しくされた流れを、対向仕切り板により維持することができる。
【0017】
特に請求項4に記載のように、
上流側仕切り板と、対向仕切り板とが、1つの仕切り板として一体化された構成とすると、上流側仕切り板により、一面側の流量と裏面側の流量とが等しくされた流れを、そのまま対向仕切り板により維持することができる。また、部品点数を削減して、構成を簡素化、組み付け工数を削減することができる。
【0018】
次に、請求項5に記載の発明は、
冷媒が流れる冷媒通路を内部に有し、一面と該一面と反対の裏面との両面が、電子部品を冷却するための冷却面とされ、一面側に冷媒通路への冷媒導入口が設けられたチューブを、少なくとも1つ備える冷却器であって、
冷媒通路を流れる冷媒の流れ方向において、チューブにおける少なくとも電子部品と対向する位置に、冷媒通路を分割する螺旋状の仕切り板が配置されていることを特徴とする。
【0019】
本発明によれば、チューブ内の冷媒通路に設けられた螺旋状の仕切り板により、冷媒が攪拌され、この結果、螺旋状の仕切り板が設けられた冷媒通路の部分、すなわち少なくとも電子部品と対向する位置において、冷媒通路を流れる冷媒の一面側の流量と裏面側の流量とをほぼ等しくすることができる。
【0020】
なお、螺旋状の仕切り板は、少なくとも電子部品との対向位置に設けられればよく、冷媒の流れ方向において寸法の制約は特にない。したがって、従来に較べて、冷却器の体格の増大を抑制することができる。
【0021】
このように、本発明によっても、体格の増大を抑制しつつ、チューブの両面において、冷却能力をほぼ等しくすることができる。
【0022】
請求項6に記載のように、
複数のチューブが、直交方向に所定間隔を有して積層され、
電子部品は、隣り合うチューブにおいて、一方のチューブの裏面と他方のチューブの一面との間に保持されて、両面から冷却され、
一方のチューブの裏面側には連結口が設けられ、該連結口と他方のチューブの冷媒導入口とが連結部によって連結されており、
一方のチューブの冷媒導入口を通じて、隣り合うチューブの冷媒通路それぞれに冷媒が供給される構成にも好適である。
【0023】
上記したように、螺旋状の仕切り板を設けると、少なくとも電子部品との対向位置において、一面側の流量と裏面側の流量とをほぼ等しくすることができる。したがって、本発明のように、一方のチューブの裏面と他方のチューブの一面との間に、電子部品が保持されて、電子部品の両面が冷却される構成において、一方のチューブの冷媒通路を流れる冷媒の裏面側の流量と、他方のチューブの冷媒通路を流れる冷媒の一面側の流量とをほぼ等しくすることができる。このように、電子部品の両面に対する冷却能力をほぼ等しくすることができる。これにより片面だけ温度が上昇しやすいという不具合を解消することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】第1実施形態に係る冷却器の概略構成を示す正面図である。
【図2】図1の破線IIで囲まれた部分のX−Z面に沿う断面図である。
【図3】図1の破線IIで囲まれた部分の斜視図であり、部分的に透過させて図示している。
【図4】図2のIV−IV線に沿う断面図である。
【図5】図2のV−V線に沿う断面図である。
【図6】冷却器の変形例を示す断面図であり、図2に対応している。
【図7】図6のVII−VII線に沿う断面図であり、図5に対応している。
【図8】冷却器の変形例を示す断面図であり、図4に対応している。
【図9】図8に示す冷却器の異なる断面図であり、図5に対応している。
【図10】第2実施形態に係る冷却器の概略構成を示す正面図である。
【図11】図10の破線XIで囲まれた部分のX−Z面に沿う断面図である。
【図12】図11のXII−XII線に沿う断面図である。
【図13】図11のXIII−XIII線に沿う断面図である。
【図14】第3実施形態に係る冷却器の概略構成を示す斜視図であり、部分的に透過させて図示している。
【図15】図14に示す冷却器のうち、螺旋状の仕切り板を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。なお、各図において、共通乃至関連する要素には同一の符号を付与するものとする。
【0026】
(第1実施形態)
以下においては、説明の便宜上、チューブ内の冷媒通路を流れる冷媒の流れ方向をX方向、X方向に垂直な冷媒通路の幅方向をY方向、複数のチューブの積層方向であり、上記X方向及びY方向に直交する直交方向をZ方向と示す。
【0027】
先ず冷却器10の概略構成について、図1〜図5により説明する。
【0028】
電子部品16を冷却するための冷却器10は、冷媒が流れる冷媒通路20を内部に有するとともに、冷媒通路20に流れる冷媒の流れ方向Xに対して直交するZ方向に所定間隔を有して積層配置された複数のチューブ11と、Z方向において隣り合うチューブ11同士を連結する上流側連結部12(上流側ヘッダとも言う)及び下流側連結部13(下流側ヘッダとも言う)と、を有する。また、Z方向において一端側に位置するチューブ11にろう付けされたパイプ14,15を有する。パイプ14は、各チューブ11に冷媒を供給するための入口パイプであり、パイプ15は、各チューブ11に流れた冷媒を排出するための出口パイプである。したがって、上流側連結部12は、言うなれば、入口パイプ14から供給された冷媒を複数のチューブ11に分配するものであり、下流側連結部13は、複数のチューブ11に分配された冷媒を合流させるものである。
【0029】
図1に示す例では、チューブ11と電子部品16とが、Z方向に交互に積層され、電子部品16は、2つのチューブ11によりZ方向に挟持(保持)されている。そして、各々のチューブ11に分配された冷媒が、各冷媒通路20を同一であるX方向に流れることで、電子部品16が冷却されるようになっている。
【0030】
チューブ11は、上流側の外周壁をなす上流側プレート21と下流側の外周壁をなす下流側プレート22とが、内部に冷媒通路20(空間)を有するように、X方向の両端及びY方向の両端で接合されて設けられており、扁平形状をなしている。このチューブ11は、電子部品16の冷却面(電子部品16との対向面)として、Z方向にほぼ垂直な面11a,11bを有している。面11a,11bのうち、上流側の面が一面11a、下流側の面が裏面11bとなっており、一面11aは上流側プレート21により構成され、裏面11bは下流側プレート22により構成されている。なお、各プレート21,22としては、例えばアルミニウム製の薄板をプレス成形したものを採用することができる。
【0031】
全てのチューブ11を構成する上流側プレート21には、X方向における上流側の端部付近に、チューブ11内の冷媒通路20に冷媒を導くための冷媒導入口23が形成されている。また、上流側プレート21における下流側の端部付近には、チューブ11内の冷媒通路20から冷媒を排出させるための冷媒排出口(図示略)が形成されている。すなわち、チューブ11の一面11a側に、冷媒導入口23及び冷媒排出口が形成されている。一方、大部分のチューブ11を構成する下流側プレート22には、X方向における上流側の端部付近に、Z方向に隣り合うチューブ11に冷媒を分配するための連結口24が形成されている。また、下流側プレート22(チューブ11の裏面11b)における下流側の端部付近には、Z方向に隣り合うチューブ11から排出用の冷媒を受けるための連結口(図示略)が形成されている。すなわち、大部分のチューブ11において、チューブ11の裏面11b側に、連結口24及び排出側の連結口が形成されている。
【0032】
そして、隣り合うチューブ11において、一方のチューブ11の上流側プレート21に形成された冷媒導入口23と、他方のチューブ11の下流側プレート22における上流側端部付近に形成された連結口24とが、上流側連結部12を介して連結されている。また、一方のチューブ11の上流側プレート21に形成された冷媒排出口と、他方のチューブ11の下流側プレート22における下流側端部付近に形成された連結口とが、下流側連結部13を介して連結されている。
【0033】
本実施形態では、上流側連結部12が、各プレート21,22の冷媒導入口23及び連結口24の開口縁部からZ方向に突出して設けられた筒状の突出部25,26を、互いに嵌合することで構成されている。すなわち、上流側プレート21及び下流側プレート22の一部として、上流側連結部12が構成されている。また、下流側連結部13が、各プレート21,22の冷媒排出口及び連結口の開口縁部からZ方向に突出して設けられた筒状の突出部(図示略)を、互いに嵌合することで構成されている。すなわち、上流側プレート21及び下流側プレート22の一部として、下流側連結部13が構成されている。
【0034】
なお、Z方向において入口パイプ14及び出口パイプ15が接続されるチューブ11と反対のチューブ11には、その下流側プレート22に上流側端部付近の連結口24、下流側端部付近の連結口、及び突出部が形成されていない。すなわち、連結部12,13も、パイプ14,15も連結されていない。
【0035】
入口パイプ14は、例えばアルミニウムよりなり、Z方向における一端側のチューブ11において、上流側プレート21の冷媒導入口23周辺に設けられた突出部25にろう付けされている。一方、出口パイプ15も、例えばアルミニウムよりなり、Z方向における一端側のチューブ11において、上流側プレート21の冷媒排出口周辺に設けられた突出部にろう付けされている。これらパイプ14,15は、冷媒を循環させる図示しないポンプ、及び冷媒を冷却する図示しない熱交換器に接続されている。
【0036】
電子部品16は、通電により発熱する発熱素子、縦型構造のIGBTやMOSFETなどのパワー素子、が構成された半導体チップを、放熱板(熱拡散板)などとともに、モールド樹脂にて一体化してなるものであり、半導体モジュールとも言われる。本実施形態では、IGBTにより車両用インバータ回路が構成されている。この電子部品16は、Z方向において隣り合う一組のチューブ11により挟持(保持)され、この2つのチューブ11を流れる冷媒により冷却される。
【0037】
次に、本実施形態の特徴部分について、図2〜図5により説明する。
【0038】
本実施形態では、チューブ11を構成する上流側プレート21の上流側端部付近に設けられる冷媒導入口23は、Y方向、すなわちチューブ11の幅方向において、図5に示すように、一面11aの中央に設けられている。さらに、冷媒導入口23に対応して、連結口24も、チューブ11の幅方向において、裏面11b(下流側プレート22)の中央に設けられている。また、冷媒導入口23と連結口24は、X−Y面に沿う平面がともに円形状をなしており、その直径が互いにほぼ等しくされ、互いに対向して設けられている。すなわち、上流側連結部12がZ方向に沿って設けられている。なお、図示しない冷媒排出口と、該冷媒排出口に対応する連結口についても、冷媒排出口が冷媒導入口23、排出側の連結口が連結口24の関係を満たすように構成されている。
【0039】
また、本実施形態では、X方向において、チューブ11における電子部品16と対向する位置よりも上流側に、冷媒通路20を等しく2分割する上流側仕切り板30が配置されている。本実施形態では、図2、図3、図5に示すように、X方向において、冷媒導入口23と電子部品16との間に設けられている。この上流側仕切り板30は、ほぼ90°ねじられており、上流側端部31が冷媒通路20をY方向において2分割するように設けられ、下流側端部32が冷媒通路20をZ方向において2分割するように設けられている。より詳しくは、上流側端部31が、図3、図5に示すように、X方向において冷媒導入口23に隣接して配置され、下流側端部32が、電子部品16の上流側端部に上流側で隣接して配置されている。また、上流側仕切り板30は、下流側端部32からX方向に所定の長さの部分(以下、平板部33と示す)が、上流側端部31に対して90°ねじられた位置関係となっている。すなわち、下流側端部32を含む平板部33は、X−Y面に平行となっている。そして、Y方向の両端で接合された上流側プレート21と下流側プレート22の接合部分において、平板部33のY方向両端部が挟まれて、プレート21,22とともに接合されている。このようにして、上流側仕切り板30は、チューブ11に固定されている。なお、上流側仕切り板30としては、例えばアルミニウム製の薄板をねじり加工してなるものを採用することができる。
【0040】
次に、上記した特徴部分の効果について説明する。
【0041】
本実施形態では、冷媒導入口23が、Y方向においてチューブ11(又は一面11a)の中央に設けられる。このため、冷媒通路20に流れる冷媒の流量を、Y方向中央を境として、幅方向両サイドで互いに等しくすることができる。
【0042】
ところで、例えば冷媒通路20内に仕切り板が配置されない構成では、冷媒導入口23から冷媒通路20に冷媒が流れ込む際、すなわち、Z方向に沿う冷媒の流れが、X方向の流れに変わる際、冷媒導入口23の開口縁部が邪魔となり、一面11a側(上流側プレート21付近)の流量が、裏面11b側(下流側プレート22付近)よりも小さくなる。すなわち、同一の冷媒通路20内でZ方向に流量の差が生じる。これに対し、本実施形態では、チューブ11内の冷媒通路20にであって電子部品16との対向位置よりも上流側に、冷媒通路20を等しく2分割する上流側仕切り板30を配置している。この上流側仕切り板30は、90°ねじられており、上流側端部31がY方向において冷媒通路20を2分割するように設けられ、下流側端部32が、Z方向において冷媒通路20を2分割するように設けられている。したがって、上流側仕切り板30により、上記したY方向における流量の関係を、図3及び図4に示すように、Z方向における流量の関係に置き換えることができる。すなわち、電子部品16よりも上流側において、同一のチューブ11の冷媒通路20を流れる冷媒の、一面11a側の流量と裏面11b側の流量とをほぼ等しくすることができる。なお、図3では、Y方向において上面側仕切り板30の上流側端部31よりも紙面奥側の流れが、上流側仕切り板30の平板部33よりも紙面上方、すなわち裏面11b側の流れ(図中の実線矢印)となっている。また、Y方向において上面側仕切り板30の上流側端部31よりも紙面手前の流れが、上流側仕切り板30の平板部33よりも紙面下方、すなわち一面11a側の流れ(図中の破線矢印)となっている。
【0043】
なお、上流側仕切り板30は、電子部品16との対向位置よりも上流側(冷媒導入口23に近い位置)に設けられればよく、X方向において寸法の制約は特にない。したがって、従来に較べて、冷却器10の体格の増大を抑制することができる。
【0044】
このように、本実施形態に示す冷却器10によれば、冷却器10の特にX方向の体格増大を抑制しつつ、チューブ11の両面11a,11bにおいて、冷却能力をほぼ等しくすることができる。
【0045】
また、上記したように、例えば冷媒通路20内に仕切り板が配置されない構成では、同一チューブ11の冷媒通路20において、一面11a側(上流側プレート21付近)の流量が、裏面11b側(下流側プレート22付近)の流量よりも小さくなる。このため、電子部品16の両面を、隣り合う一組のチューブ11、詳しくは一方のチューブ11の裏面11bと他方のチューブ11の一面11aとで冷却する構成では、冷却能力に差が生じる。これは、一方のチューブ11の裏面11b側を流れる冷媒の流量は大きく、他方のチューブ11の一面11a側を流れる冷媒の流量は小さいからである。これに対し、本実施形態では、各チューブ11において、一面11a側を流れる冷媒の流量と裏面11b側を流れる冷媒の流量とをほぼ等しくすることができる。このため、隣り合う一組のチューブ11において、各チューブ11の対向する面側の流量を、互いにほぼ等しくすることができる。すなわち、一方のチューブ11の冷媒通路20を流れる冷媒の裏面11b側の流量と、他方のチューブ11の冷媒通路20を流れる冷媒の一面11a側の流量とをほぼ等しくすることができる。このように、電子部品16の両面に対する冷却能力をほぼ等しくすることができるので、片面だけ温度が上昇しやすいという不具合を解消することができる。
【0046】
(変形例)
上記実施形態では、上流側仕切り板30が90°ねじられる例を示した。しかしながら、ねじり角度としては、90°×n(n:奇数)であれば良い。これによれば、上流側仕切り板30により、Y方向における流量の関係を、Z方向における流量の関係に置き換えることができる。
【0047】
上記実施形態では、各プレート21,22に突出部25,26が設けられ、これらが嵌合されて上流側連結部12が構成される例を示した。また、下流側連結部13についても上流側連結部12と同様の構成であった。しかしながら、筒状の連結部材(例えば蛇腹状のベローズ)を、プレート21,22とは別部材として用意し、この連結部材により、隣り合うチューブ11を連結しても良い。
【0048】
上記実施形態では、冷媒通路20の断面形状(Y−Z面に沿う断面形状)が六角形である例を示したが、断面形状は上記例に限定されるものではない。また、チューブ11の外形輪郭(Y−Z面に沿う断面の外形輪郭)も上記例に限定されるものではない。
【0049】
上記実施形態では、上流側仕切り板30をプレート21,22とともに接合し、チューブ11に固定する例を示した。しかしながら、固定方法としては、上記例に限定されるものではない。例えばプレート21,22にて挟んで圧着固定しても良いし、かしめ等により固定しても良い。
【0050】
上記実施形態では、冷媒通路20を区画する仕切り板として、上流側仕切り板30のみを有する例を示した。しかしながら、上流側仕切り板30に加えて、チューブ11における少なくとも電子部品16との対向部分に、冷媒通路20をZ方向においてほぼ等しく2分割する対向仕切り板34を有しても良い。図6及び図7に示す例では、上流側仕切り板30と対向仕切り板34とが、1つの仕切り板35として一体化されている。このように、対向仕切り板34を有すると、上流側仕切り板30により、冷媒通路20を流れる冷媒の一面11a側の流量と裏面11b側の流量とがほぼ等しくされた流れを、対向仕切り板34により、電子部品16との対向部分において維持することができる。また、一体化された構成とすると、上流側仕切り板30と対向仕切り板34との間に隙間がないため、乱流などが生じず、一面11a側の流量と裏面11b側の流量とが等しくされた流れを、そのまま対向仕切り板34により維持することができる。また、部品点数を削減して、構成を簡素化、組み付け工数を削減することができる。なお、上流側仕切り板30と対向仕切り板34とが一体化される場合、対向仕切り板34の部分でチューブ11に固定すれば良いため、平板部33を不要とすることができる。また、上流側仕切り板30と対向仕切り板34とが、互いに分離された構成としても良い。
【0051】
上記実施形態では、チューブ11内にフィンが配置されない例を示したが、例えば図8及び図9に示すように、冷媒通路20に、電子部品16から冷媒への熱伝達料を高めるフィン27が配置された構成としても良い。このフィン27は、各プレート21,22に接合されている。図8及び図9に示す例では、対向仕切り板34がないため、チューブ11の単一空間にフィン27が配置されている。しかしながら、図6及び図7の変形例に示したように、対向仕切り板34が設けられて、冷媒通路20がZ方向で2分割された構成では、対向仕切り板34にて区画された各空間(分割された冷媒通路20)に、それぞれフィン27が配置されても良い。この場合、フィン27は、対向仕切り板34に接合されても良い。
【0052】
(第2実施形態)
本実施形態において、上記実施形態に示した冷却器10と共通する部分についての説明は割愛する。第1実施形態では、冷却器10が複数のチューブ11を有し、Z方向において隣り合うチューブ11により電子部品16が挟まれて、電子部品16の両面が冷却される例を示した。しかしながら、チューブ11の本数は上記例に限定されない。本実施形態では、冷却器10がチューブ11を一本のみ有し、チューブ11の両面に電子部品16がそれぞれ配置されて冷却される点を特徴とする。
【0053】
図10〜図13に示す例では、第1実施形態に示した構成(図1〜図5参照)において、チューブ11を一本のみとしており、該チューブ11の両面11a,11bに電子部品16を配置している。すなわち、チューブ11が一本のみであり、隣り合うチューブ11の冷媒通路20同士を連結する上流側連結部12、下流側連結部13、チューブ11(下流側プレート22)の連結口24及び排出側の連結口を有さない点を除けば、基本的に第1実施形態に示した構成(図1〜図5参照)と同じである。
【0054】
一本のチューブ11は、上流側プレート21と下流側プレート22からなる。また、上流側プレート21には、X方向における上流側端部付近に冷媒導入口23が形成され、下流側端部付近に図示しない冷媒排出口が形成されている。なお、冷媒導入口23及び冷媒排出口は、Y方向において一面11aの中央に設けられている。このように、チューブ11の一面11a側に、冷媒導入口23及び冷媒排出口が形成されている。そして、冷媒導入口23及び冷媒排出口の開口縁部からZ方向に突出して設けられた筒状の突出部25に、入口パイプ14及び出口パイプ15がそれぞれろう付けされている。
【0055】
また、上流側仕切り板30は、X方向において、チューブ11における電子部品16と対向する位置よりも上流側に、冷媒通路20を等しく2分割するように配置されている。本実施形態でも、図11、図13に示すように、X方向において、冷媒導入口23と電子部品16との間に設けられている。この上流側仕切り板30は、ほぼ90°ねじられており、上流側端部31が冷媒通路20をY方向において2分割するように設けられ、下流側端部32が冷媒通路20をZ方向において2分割するように設けられている。そして、下流側端部32を含み、X−Y面に平行とされた平板部33のY方向端部が、Y方向の両端で接合された上流側プレート21と下流側プレート22の接合部分において挟まれて、プレート21,22とともに接合されている。
【0056】
このように構成される冷却器10において、チューブ11の一面11a及び裏面11bに、電子部品16がそれぞれ配置されている。これら電子部品16におけるチューブ11と反対の面には、図10に示すように、例えば金属材料からなる固定部材40が配置され、固定部材40とチューブ11とに挟まれて、電子部品16がチューブ11に固定されている。なお、固定部材40は、鍋底状をなしており、外周縁のフランジ部にてチューブ11を構成する各プレート21,22に例えば接合されている。
【0057】
本実施形態では、第1実施形態同様、冷媒導入口23が、Y方向において一面11aの中央に設けられる。このため、冷媒通路20に流れる冷媒の流量を、上記した中央を境として、幅方向両サイドで互いに等しくすることができる。
【0058】
また、チューブ11内の冷媒通路20には、電子部品16との対向位置よりも上流側に、冷媒通路20を等しく2分割する上流側仕切り板30が配置されている。この上流側仕切り板30は、90°×n(n:奇数)ねじられており、上流側端部31がY方向において冷媒通路20を2分割するように設けられ、下流側端部32が、Z方向において冷媒通路20を2分割するように設けられている。したがって、上流側仕切り板30により、上記したY方向における流量の関係を、図12に示すように、Z方向における流量の関係に置き換えることができる。すなわち、電子部品16よりも上流側において、冷媒通路20を流れる冷媒の一面11a側の流量と裏面11b側の流量とをほぼ等しくすることができる。
【0059】
なお、上流側仕切り板30は、電子部品16との対向位置よりも上流側(冷媒導入口23に近い位置)に設けられればよく、X方向において寸法の制約は特にない。したがって、従来に較べて、冷却器10の体格の増大を抑制することができる。
【0060】
このように、本実施形態に示す冷却器10によれば、冷却器10の特にX方向の体格増大を抑制しつつ、チューブ11の両面11a,11bにおいて、冷却能力をほぼ等しくすることができる。すなわち、一面11aと裏面11bの冷却能力がほぼ等しいため、同一チューブの一面11aと裏面11bの冷却能力に差がある構成に較べて、電子部品16の配置の自由度を向上することができる。
【0061】
(第3実施形態)
本実施形態において、上記実施形態に示した冷却器10と共通する部分についての説明は割愛する。上記実施形態では、冷却器10が、冷媒通路20に配置された仕切り板として、電子部品16との対向位置よりも上流側に、90°×n(n:奇数)ねじられた上流側仕切り板30を有し、上流側端部31がY方向において冷媒通路20を2分割するように設けられ、下流側端部32が、Z方向において冷媒通路20を2分割するように設けられる例を示した。
【0062】
これに対し、本実施形態では、冷却器10が、仕切り板として、冷媒通路20を分割(複数の空間に区画)する螺旋状の仕切り板50を有し、この仕切り板50が、X方向において、チューブ11における少なくとも電子部品16と対向する位置に設けられる点を特徴とする。なお、上流側仕切り板30に代えて、螺旋状の仕切り板50を採用する点を除けば、第1実施形態に示す構成(図1〜図5参照)と同じである。
【0063】
図14に示す例では、X方向において、仕切り板50の上流側端部が冷媒導入口23に隣接し、下流側端部が冷媒排出口28に隣接するように設けられている。また、図15に示すように、Z方向に沿う垂直部51と、X−Y面に沿う水平部52とがねじり部53を介してX方向に交互に設けられ(周期構造を有し)、ねじり部53は、隣り合う垂直部51と水平部52とを、X方向を回転軸として90°位置がずれるように連結している。なお、水平部52は、上記実施形態における平板部33に相当し、水平部52のY方向端部が、Y方向の両端で接合された上流側プレート21と下流側プレート22の接合部分において挟まれて、プレート21,22とともに接合されている。また、本実施形態では、螺旋状の仕切り板50が、X方向の全長で、冷媒通路20をほぼ等しく2分割するようになっている。
【0064】
次に、本実施形態に係る特徴部分の効果について説明する。
【0065】
本実施液体では、チューブ11内の冷媒通路20に設けられた螺旋状の仕切り板50により、冷媒が攪拌され、この結果、仕切り板50が設けられた冷媒通路20の部分、すなわち少なくとも電子部品16と対向する位置において、冷媒通路20を流れる冷媒の一面11a側の流量と裏面11b側の流量とをほぼ等しくすることができる。仕切り板50が設けられた冷媒通路20の部分で、螺旋状の仕切り板50の効果により、冷媒通路20の一面11a側と裏面11b側とで流量が平均化されるからである。
【0066】
なお、螺旋状の仕切り板50は、少なくとも電子部品16との対向位置に設けられればよく、X方向において寸法の制約は特にない。したがって、従来に較べて、冷却器10の体格の増大を抑制することができる。
【0067】
このように、本実施形態に係る冷却器10によれば、冷却器10の特にX方向の体格増大を抑制しつつ、チューブ11の両面11a,11bにおいて、冷却能力をほぼ等しくすることができる。
【0068】
特に、電子部品16の両面を、隣り合う一組のチューブ11にて冷却する構成においては、各チューブ11の対向する面側の流量を、互いにほぼ等しくすることができる。すなわち、一方のチューブ11の冷媒通路20を流れる冷媒の裏面11b側の流量と、他方のチューブ11の冷媒通路20を流れる冷媒の一面11a側の流量とをほぼ等しくすることができる。このように、電子部品16の両面に対する冷却能力をほぼ等しくすることができるので、片面だけ温度が上昇しやすいという不具合を解消することができる。
【0069】
(変形例)
上記実施形態に示す螺旋状の仕切り板50は、第2実施形態に示すように、チューブ11を一本のみ有する冷却器10においても適用することができる。この場合、冷却器10の特にX方向の体格増大を抑制しつつ、チューブ11の両面11a,11bにおいて、冷却能力をほぼ等しくすることができる。すなわち、一面11aと裏面11bの冷却能力がほぼ等しいため、同一チューブの一面11aと裏面11bの冷却能力に差がある構成に較べて、電子部品16の配置の自由度を向上することができる。
【0070】
仕切り板50の形状、配置は上記例に限定されるものではない。その配置は、X方向において電子部品16との対向位置の全域に少なくとも配置されれば良い。また形状は、図15に示したように、垂直部51と水平部52をねじり部53に連結した周期構造に限定されず、螺旋状であれば採用することができる。
【0071】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態になんら制限されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々変形して実施することが可能である。
【符号の説明】
【0072】
10・・・冷却器
11・・・チューブ
11a・・・一面
11b・・・裏面
12・・・上流側連結部
13・・・下流側連結部
16・・・電子部品
20・・・冷媒通路
23・・・冷媒導入口
24・・・連結口
30・・・上流側仕切り板
31・・・上流側端部
32・・・下流側端部
34・・・対向仕切り板
50・・・(螺旋状の)仕切り板
【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷媒が流れる冷媒通路を内部に有し、一面と該一面と反対の裏面との両面が、電子部品を冷却するための冷却面とされ、一面側に前記冷媒通路への冷媒導入口が設けられたチューブを、少なくとも1つ備える冷却器であって、
前記冷媒導入口は、前記冷媒通路を流れる冷媒の流れ方向に垂直な幅方向において前記一面の中央に設けられ、
前記流れ方向において、前記チューブにおける電子部品と対向する位置よりも上流側に、前記冷媒通路を等しく2分割する上流側仕切り板が配置され、
前記上流側仕切り板は、90°×n(n:奇数)ねじられており、上流側の端部が前記冷媒通路を幅方向において2分割するように設けられ、下流側の端部が、前記流れ方向及び幅方向に直交する直交方向において2分割するように設けられていることを特徴とする冷却器。
【請求項2】
複数の前記チューブが、前記直交方向に所定間隔を有して積層され、
前記電子部品は、隣り合う前記チューブにおいて、一方の前記チューブの裏面と他方の前記チューブの一面との間に保持されて、両面から冷却され、
一方の前記チューブの裏面側には、前記幅方向の中央に連結口が設けられ、該連結口と他方の前記チューブの冷媒導入口とが連結部によって連結されており、
一方の前記チューブの冷媒導入口を通じて、隣り合う前記チューブの冷媒通路それぞれに冷媒が供給されることを特徴とする請求項1に記載の冷却器。
【請求項3】
前記流れ方向において、前記チューブにおける電子部品と対向する位置に、前記冷媒通路を直交方向において2分割する対向仕切り板を有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の冷却器。
【請求項4】
前記上流側仕切り板と、前記対向仕切り板とが、1つの仕切り板として一体化されていることを特徴とする請求項3に記載の冷却器。
【請求項5】
冷媒が流れる冷媒通路を内部に有し、一面と該一面と反対の裏面との両面が、電子部品を冷却するための冷却面とされ、一面側に前記冷媒通路への冷媒導入口が設けられたチューブを、少なくとも1つ備える冷却器であって、
前記冷媒通路を流れる冷媒の流れ方向において、前記チューブにおける少なくとも電子部品と対向する位置に、前記冷媒通路を分割する螺旋状の仕切り板が配置されていることを特徴とする冷却器。
【請求項6】
複数の前記チューブが、前記直交方向に所定間隔を有して積層され、
前記電子部品は、隣り合う前記チューブにおいて、一方の前記チューブの裏面と他方の前記チューブの一面との間に保持されて、両面から冷却され、
一方の前記チューブの裏面側には連結口が設けられ、該連結口と他方の前記チューブの冷媒導入口とが連結部によって連結されており、
一方の前記チューブの冷媒導入口を通じて、隣り合う前記チューブの冷媒通路それぞれに冷媒が供給されることを特徴とする請求項5に記載の冷却器。
【請求項1】
冷媒が流れる冷媒通路を内部に有し、一面と該一面と反対の裏面との両面が、電子部品を冷却するための冷却面とされ、一面側に前記冷媒通路への冷媒導入口が設けられたチューブを、少なくとも1つ備える冷却器であって、
前記冷媒導入口は、前記冷媒通路を流れる冷媒の流れ方向に垂直な幅方向において前記一面の中央に設けられ、
前記流れ方向において、前記チューブにおける電子部品と対向する位置よりも上流側に、前記冷媒通路を等しく2分割する上流側仕切り板が配置され、
前記上流側仕切り板は、90°×n(n:奇数)ねじられており、上流側の端部が前記冷媒通路を幅方向において2分割するように設けられ、下流側の端部が、前記流れ方向及び幅方向に直交する直交方向において2分割するように設けられていることを特徴とする冷却器。
【請求項2】
複数の前記チューブが、前記直交方向に所定間隔を有して積層され、
前記電子部品は、隣り合う前記チューブにおいて、一方の前記チューブの裏面と他方の前記チューブの一面との間に保持されて、両面から冷却され、
一方の前記チューブの裏面側には、前記幅方向の中央に連結口が設けられ、該連結口と他方の前記チューブの冷媒導入口とが連結部によって連結されており、
一方の前記チューブの冷媒導入口を通じて、隣り合う前記チューブの冷媒通路それぞれに冷媒が供給されることを特徴とする請求項1に記載の冷却器。
【請求項3】
前記流れ方向において、前記チューブにおける電子部品と対向する位置に、前記冷媒通路を直交方向において2分割する対向仕切り板を有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の冷却器。
【請求項4】
前記上流側仕切り板と、前記対向仕切り板とが、1つの仕切り板として一体化されていることを特徴とする請求項3に記載の冷却器。
【請求項5】
冷媒が流れる冷媒通路を内部に有し、一面と該一面と反対の裏面との両面が、電子部品を冷却するための冷却面とされ、一面側に前記冷媒通路への冷媒導入口が設けられたチューブを、少なくとも1つ備える冷却器であって、
前記冷媒通路を流れる冷媒の流れ方向において、前記チューブにおける少なくとも電子部品と対向する位置に、前記冷媒通路を分割する螺旋状の仕切り板が配置されていることを特徴とする冷却器。
【請求項6】
複数の前記チューブが、前記直交方向に所定間隔を有して積層され、
前記電子部品は、隣り合う前記チューブにおいて、一方の前記チューブの裏面と他方の前記チューブの一面との間に保持されて、両面から冷却され、
一方の前記チューブの裏面側には連結口が設けられ、該連結口と他方の前記チューブの冷媒導入口とが連結部によって連結されており、
一方の前記チューブの冷媒導入口を通じて、隣り合う前記チューブの冷媒通路それぞれに冷媒が供給されることを特徴とする請求項5に記載の冷却器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2013−89877(P2013−89877A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−231055(P2011−231055)
【出願日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】
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