冷媒蒸発器
【課題】 前後左右クロスターンを構成しつつ、より簡素なタンク構造とする。
【解決手段】 各熱交換チュ−ブ4を接続すると共にタンク部14aを有するヘッダプレート14、冷媒集合部15aと冷媒分配部15bとを前後方向にそれぞれ備えてそれらの間に連通空間15cを有する空間形成プレート15、およびタンク部17aを有するタンクヘッダプレート17を積層して形成し、連通空間15c内にそれぞれ左右方向で別領域の冷媒集合部15aと冷媒分配部15bとを交差させて連通させるため連通防止部161〜165を有するセパレータ16を配設した。
これにより、より簡素な構成で前後左右クロスターンを実現することができ、冷媒側の圧力損失の低減・温度分布の改善・左右風量独立制御を可能とすると共に、簡易な加工・部品点数の低減などで生産性が向上し、コストを抑えることができる。
【解決手段】 各熱交換チュ−ブ4を接続すると共にタンク部14aを有するヘッダプレート14、冷媒集合部15aと冷媒分配部15bとを前後方向にそれぞれ備えてそれらの間に連通空間15cを有する空間形成プレート15、およびタンク部17aを有するタンクヘッダプレート17を積層して形成し、連通空間15c内にそれぞれ左右方向で別領域の冷媒集合部15aと冷媒分配部15bとを交差させて連通させるため連通防止部161〜165を有するセパレータ16を配設した。
これにより、より簡素な構成で前後左右クロスターンを実現することができ、冷媒側の圧力損失の低減・温度分布の改善・左右風量独立制御を可能とすると共に、簡易な加工・部品点数の低減などで生産性が向上し、コストを抑えることができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷凍サイクルの冷媒を蒸発させる冷媒蒸発器に関するものであり、例えば、車両用空調装置に用いて好適なものである。尚ここで、冷媒蒸発器としては、ヒ−トポンプサイクル時における室外熱交換器も含まれる。
【背景技術】
【0002】
近年、車両ユ−ザの要求により、運転席と助手席との風量を独立に制御することが検討されて実施されている。この要求に対して、冷媒蒸発器の通過風量をコア長さ方向において左右独立にコントロ−ルすることで対応してきている。従来、熱交換チュ−ブを縦置きに配置する場合の冷媒蒸発器において、左右風量独立コントロ−ルを行う場合、コア長さ方向に冷媒流れを分割すべくセパレ−タをタンク内に挿入し、冷媒が左右の違う流路にて流通する構造が必要となっていた。
【0003】
しかし、これにより、冷媒の流路距離が長くなって圧力損失が大きくなることで冷媒蒸発器の性能向上の妨げとなっていた。その対応方法として本発明者らは、特願2004−041453に記載する冷媒蒸発器(熱交換器)を出願している。これは前面の第1パス(先の出願明細書中の「ターン」と対応)を経た冷媒流れを後面の第2パスへ折り返す際、左右方向で入れ替えることで、冷媒側の圧力損失の低減と、温度分布の改善と、左右風量独立制御とを可能としている(以後、この新規冷媒パス方式を前後左右クロスターンと称する)。また、その簡素なタンク構造として特願2004−114569を出願している。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、この前後左右クロスターンを持つ熱交換器を、より量産容易な簡素な構成としてゆくことは恒久の課題である。よって本発明は、上記出願技術に鑑みて成されたものであり、その目的は、前後左右クロスターンを構成しつつ、より簡素なタンク構造を持った冷媒蒸発器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は上記目的を達成するために、請求項1ないし請求項7に記載の技術的手段を採用する。すなわち、請求項1に記載の発明では、外部を流れる被冷却流体と内部を流れる冷媒との熱交換を行う冷媒蒸発器であり、冷媒流れは、冷媒導入部(6a)と冷媒導出部(6b)との間に、少なくとも第1パス部(1P)と第2パス部(2P)とを有し、熱交換チュ−ブ(4)を並列させたチュ−ブ列で形成されるコア部と、第1パス部(1P)を経た冷媒を集合する冷媒集合部(15a)と、冷媒を第2パス部(2P)に分配する冷媒分配部(15b)と、冷媒集合部(15a)と冷媒分配部(15b)とを連通させる一対のタンク部(14a、17a)とを備え、コア部は、左右略全領域で第1パス部(1P)および第2パス部(2P)をそれぞれ形成する第1チュ−ブ列(1L)と第2チュ−ブ列(2L)とを前後の一方ずつに備え、冷媒集合部(15a)と冷媒分配部(15b)とは、それぞれ左右に分割されており、一対のタンク部(14a、17a)は、それぞれ左右方向で別領域の冷媒集合部(15a)と冷媒分配部(15b)とを連通させる冷媒蒸発器において、
冷媒集合部(15a)と冷媒分配部(15b)と一対のタンク部(14a、17a)とは、各熱交換チュ−ブ(4)を接続すると共にタンク部(14a)を有するヘッダプレート(14)、冷媒集合部(15a)と冷媒分配部(15b)とを前後方向にそれぞれ備えてそれらの間に連通空間(15c)を有する空間形成プレート(15)、およびタンク部(17a)を有するタンクヘッダプレート(17)を積層して形成し、連通空間(15c)内にそれぞれ左右方向で別領域の冷媒集合部(15a)と冷媒分配部(15b)とを交差させて連通させるため連通防止部(161〜165)を有するセパレータ(16)を配設したことを特徴としている。
【0006】
この請求項1に記載の発明によれば、従来構成に対し、より簡素な構成で前後左右クロスターンを実現することができ、冷媒側の圧力損失の低減・温度分布の改善・左右風量独立制御を可能とすると共に、簡易な加工・部品点数の低減などで生産性が向上し、コストを抑えることができる。
【0007】
また、請求項2に記載の発明では、セパレータ(16)を複数部材(16a〜16c)にて形成したことを特徴としている。この請求項2に記載の発明によれば、部品点数が若干増えても各部材(16a〜16c)の加工が簡易になり、同一部材(16a〜16c)の組み合わせにて対応できるようになる。
【0008】
また、請求項3に記載の発明では、空間形成プレート(15)における連通空間(15c)の前後上下四辺の近傍に、セパレータ(16)の連通防止部(162〜165)の端部が収まる凹部(15d)を設けたことを特徴としている。
【0009】
この請求項3に記載の発明によれば、空間形成プレート(15)に設けた凹部(15d)に、セパレータ(16)の連通防止部(162〜165)の端部を収め、そこをヘッダプレート(14)とタンクヘッダプレート(17)とで挟み込むことにより、連通防止部(162〜165)の端部の浮きが押さえられ、ロウ付け品質が向上すると共に、良好な冷媒通路が得られる。尚、空間形成プレート(15)はプレス加工にて凹部(15d)を形成しても良いし、凹部(15d)の形成された押し出し部材を母材とし、その後にプレス加工や切削加工などで孔開けを行っても良い。
【0010】
また、請求項4に記載の発明では、セパレータ(16)の積層方向の高さ(H2)を、空間形成プレート(15)の厚み(H1)よりも大きくしたことを特徴としている。この請求項4に記載の発明によれば、各プレート(14、15、17)を積層して前後方向の端部にてかしめ結合すると、ヘッダプレート(14)とタンクヘッダプレート(17)との中央部がたわみにより浮き加減となり易いため、セパレータ(16)を若干量(0.05〜0.2mm程度)大きくしておくことによりロウ付け品質が向上する。
【0011】
また、請求項5に記載の発明では、セパレータ(16)の連通防止部(162〜165)に角度(θ)を付けてセパレータ(16)の積層前高さ(H2)を、空間形成プレート(15)の厚み(H1)よりも大きくしたことを特徴としている。また、請求項6に記載の発明では、連通防止部(162〜165)に付ける角度(θ)は、0〜30度の範囲であることを特徴としている。
【0012】
これら請求項5・6に記載の発明によれば、各プレート(14、15、17)を積層した時にセパレータ(16)が積層方向に若干量圧縮されて組み付くこととなる。この連通防止部(162〜165)のスプリング効果にてヘッダプレート(14)とタンクヘッダプレート(17)との良好な接触状態が得られ、ロウ付け品質が向上する。
【0013】
また、請求項7に記載の発明では、セパレータ(16)の少なくとも長手方向両端部に、積層方向に立った突っ張り板部(166)を設けたことを特徴としている。この請求項7に記載の発明によれば、連通防止部(162〜165)端部の浮きが押さえられ、ロウ付け品質が向上すると共に、良好な冷媒通路が得られる。ちなみに、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。図1の(a)は本発明の第1実施形態における冷媒蒸発器1の斜視図であり、(b)はコア部の部分拡大斜視図である。また、図2は図1の冷媒蒸発器1における上タンク部2の分解斜視構成図である。尚、本明細書中での前後方向とは風流れ方向で、風上側を前、風下側を後としてコア巾(厚み)方向と対応する。また、左右方向とは垂直方向に長手の熱交換チューブを水平方向に複数本並列させた積層方向で、コア長さ方向と対応する。
【0015】
本実施形態は、コア長さ方向に全パスとした構成の前後Uターン蒸発器に適用したものであり、二酸化炭素冷媒(以下、CO2冷媒)などを用いて高圧側の冷媒圧力が臨界圧以上となって作動する超臨界冷凍サイクルに、本発明の冷媒蒸発器1を適用した例にて説明する。冷媒上流側にある図示しない膨張弁によって減圧されたCO2冷媒が流入し、蒸発器1にて空気と熱交換することでCO2冷媒が蒸発し、気化された冷媒がより下流側へ流出されるものである。
【0016】
冷媒集合部・分配部を有する上タンク部2と冷媒導入部・導出部を有する下タンク部3との間に、第1パス部(前側コア部)1Pとなる前チュ−ブ列(第1チュ−ブ列)1Lと第2パス部(後側コア部)2Pとなる後チュ−ブ列(第2チュ−ブ列)2Lが配されたマルチフロ−(MF)型の熱交換器である。コネクタ6の冷媒導入部6aから入った冷媒は、後下の入口側タンク部8Aからコア部に流入(導入)され、前下の出口側タンク部8Bから流出(導出)し、コネクタ6の冷媒導出部6bから出る構成となっている。尚、前後下タンク部8A・8Bの両端部は、キャップ9にて封止されている。
【0017】
各コア部1P・2Pは、各熱交換チュ−ブ4と、後チュ−ブ列1Lと前チュ−ブ列2Lとで形成される各隙間には、図示の如く、コルゲ−トフィン(熱交換フィン)5が配されている。熱交換チュ−ブ4とコルゲ−トフィン5との位置関係の詳細を図1(b)に示す。
【0018】
そして、図例では、第1パスが後側コア部(後チュ−ブ列)1Pで行われて且つ上昇流となり、第2パスが前側コア部(前チュ−ブ列)2Pで行われて且つ下降流となるようになっており、従来と同様、直交対向流となるので性能・温度的に有利となる。また、第1パス部1Pを後側にして冷媒を下側から流入させた方が、各熱交換チュ−ブ4に対する分配性(ディストリビュ−ション性)が良好となり、温度分布の均一性に寄与する。
【0019】
尚、コネクタ6を上側に配し、第1パス1Pを下降流となるようにしても良い。また、第1パス1Pが前側コア部(第2チュ−ブ列)2Pで行われるようにしても良い。上記前後Uターン蒸発器において、一つのパスを経た冷媒をコア長さ方向で入れ替えて流す構造となっている。尚、以下では、コア長さ方向で各熱交換チュ−ブ4の全部を入れ替えた事例について説明をするが、部分的に入れ替えても本発明の効果は奏する。
【0020】
本実施形態に示す上タンク部2は、概略コア部上に、ヘッダプレート14・空間形成プレート15・タンクヘッダプレート17を積層して形成されている。タンクヘッダプレート17は、中央に1条のタンク部17aを形成するよう板材をプレス成形したものである。
【0021】
また、ヘッダプレート14も同様に、中央に1条のタンク部14aを形成するよう板材をプレス成形したものであり、タンクヘッダプレート17と異なるのは、熱交換チューブ4を接続するチューブ孔14bが対応する位置に開けられていることである。そして、タンク部14aと17aは第1パス部1Pと第2パス部2Pとの連通する一対の連通部となっている。
【0022】
空間形成プレート15は、冷媒集配空間機能を果たすものであり、板材の前後方向の各熱交換チュ−ブ4と対応する位置に冷媒集合部15aと冷媒分配部15bとなる空間孔15a・15bと、それらの間にあって各空間孔15a・15bと連通すると共にタンク部14a・17aと対応する位置に連通空間15cとをプレスで孔開けしたものである。セパレータ16は、左右方向でそれぞれ別領域の冷媒集合部15aと冷媒分配部15bとを交差させて連通させるため連通防止部161〜165を持たせて(図5(a)参照)板材をプレス成形したものであり、空間形成プレート15の連通空間15c内に配設される。
【0023】
これは、第1パス部1Pを経た冷媒流れを第2パス部2Pへ折り返す際、左右方向で入れ替わるよう、上記一対の連通部14a・17aを使って流路を形成するためのものである。そして、これらを積層すると空間孔15a・15bおよび連通部14a・17aを使って冷媒集合部と冷媒分配部とが形成される。タンク部14a・17aの両端部は、キャップ9が配置される。これらの部品は全てアルミニウムで形成されており、ロウ付けにて一体に接合される。
【0024】
次に、上記構造の冷媒蒸発器1での冷媒の流れを説明する。図3の(a)は図1の冷媒蒸発器1における上タンク部2の斜視図であり、(b)は(a)中のA−A断面図、(c)は(a)中のB−B断面図である。また、図4は冷媒の流れを示す模式図である。そして、本形態におけるコア長さ方向における冷媒流れの入れ替えは下記の如く行われる。
【0025】
左側第1パス1P(L)として後コア部1Pの左側チュ−ブ列から後側の空間15aを経てタンク部17a内に集合した冷媒(A−A断面図中の実線矢印)は、タンク部17a内を右方へと流れ、前側の空間15bを経て前コア部2Pの右側チュ−ブ列へ流入することにより右側第2パス2P(R)へ移る(B−B断面図中の実線矢印)。
【0026】
他方、右側第1パス1P(R)として後コア部1Pの右側チュ−ブ列から後側の空間15aを経てタンク部14a内に集合した冷媒(B−B断面図中の点線矢印)は、タンク部14a内を左方へと流れ、前側の空間15bを経て前コア部2Pの左側チュ−ブ列へ流入することにより左側第2パス2P(L)へ移る(A−A断面図中の点線矢印)。尚、本実施形態の冷媒蒸発器1は、どちらから冷媒を流入させても同様の流路が構成される。
【0027】
次に、本実施形態での特徴と、その効果について述べる。冷媒集合部15aと冷媒分配部15bと一対のタンク部14a・17aとは、各熱交換チュ−ブ4を接続すると共にタンク部14aを有するヘッダプレート14、冷媒集合部15aと冷媒分配部15bとを前後方向にそれぞれ備えてそれらの間に連通空間15cを有する空間形成プレート15、およびタンク部17aを有するタンクヘッダプレート17を積層して形成し、連通空間15c内にそれぞれ左右方向で別領域の冷媒集合部15aと冷媒分配部15bとを交差させて連通させるため連通防止部161〜165を有するセパレータ16を配設している。
【0028】
これによれば、従来構成に対し、より簡素な構成で前後左右クロスターンを実現することができ、冷媒側の圧力損失の低減・温度分布の改善・左右風量独立制御を可能とすると共に、簡易な加工・部品点数の低減などで生産性が向上し、コストを抑えることができる。特に、従来構成にある交差プレートの全ての爪(連通防止部)の周囲をロウ付け接合することは難易度が高いのに対して、その連通防止部をセパレータとして1つにしてしまう本実施形態の構成はロウ付け品質を確保し易い構成となる。
【0029】
(他の実施形態1)
図5の(a)は図2で示すセパレータ16の斜視図であり、(b)と(c)は他の実施形態1を示す斜視図である。(b)は階段状に折り曲げた部材16aを2つ、向きを違えて使用するようにしたものであり、(c)は同じく階段状に折り曲げた部材16bを2つ、コアの長さ方向に向きを違えて使用し、その間に仕切り板部材16cを入れるようにしたものである。
【0030】
このようにセパレータ16を複数部材16a〜16cにて形成している。これによれば、部品点数が若干増えても各部材16a〜16cの加工が簡易になり、同一部材16a〜16cの組み合わせにて対応できるようになる。
【0031】
(他の実施形態2)
図6は、他の実施形態2を示す空間形成プレート15とセパレータ16との側面図である。空間形成プレート15における連通空間15cの前後上下四辺の近傍に、セパレータ16の連通防止部162〜165の端部が収まる凹部15dを設けたものである。これによれば、空間形成プレート15に設けた凹部15dに、セパレータ16の連通防止部162〜165の端部を収め、そこをヘッダプレート14とタンクヘッダプレート17とで挟み込むことにより、連通防止部162〜165の端部の浮きが押さえられ、ロウ付け品質が向上すると共に、良好な冷媒通路が得られる。
【0032】
尚、空間形成プレート15はプレス加工にて凹部15dを形成しても良いし、凹部15dの形成された押し出し部材を母材とし、その後にプレス加工や切削加工などで孔開けを行っても良い。
【0033】
(他の実施形態3)
図7は、他の実施形態3を示す空間形成プレート15とセパレータ16との側面図である。セパレータ16の積層方向の高さH2を、空間形成プレート15の厚みH1よりも大きくしている。これによれば、各プレート14・15・17を積層して前後方向の端部にてかしめ結合すると、ヘッダプレート14とタンクヘッダプレート17との中央部がたわみにより浮き加減となり易いため、セパレータ16を若干量(0.05〜0.2mm程度)大きくしておくことによりロウ付け品質が向上する。
【0034】
(他の実施形態4)
図8は、他の実施形態4を示す空間形成プレート15とセパレータ16との部分拡大側面図である。セパレータ16の連通防止部162〜165に角度θを付けて、セパレータ16の積層前高さH2を、空間形成プレート15の厚みH1よりも大きくしている。また、その連通防止部162〜165に付ける角度θは、0〜30度の範囲としている。
【0035】
これによれば、各プレート14・15・17を積層した時にセパレータ16が積層方向に若干量圧縮されて組み付くこととなる。この連通防止部162〜165のスプリング効果にてヘッダプレート14とタンクヘッダプレート17との良好な接触状態が得られ、ロウ付け品質が向上する。
【0036】
(他の実施形態5)
図9は、他の実施形態5を示すセパレータ16の斜視図である。セパレータ16の少なくとも長手方向両端部に、積層方向に立った突っ張り板部166を設けている。これによれば、連通防止部162〜165端部の浮きが押さえられ、ロウ付け品質が向上すると共に、良好な冷媒通路が得られる。
【0037】
(他の実施形態6)
図10は、他の実施形態6を示す上タンク部2の断面図である。図10に示すように、セパレータ16の端部167・168は、ヘッダプレート14やタンクヘッダプレート17と積層(上下)方向のみで接合するだけではなく、通風(前後)方向で接合するようにしても良い。
【0038】
(他の実施形態7)
図11は、他の実施形態7を示す空間形成プレート15とキャップ9との斜視図である。図2では各部のキャップ9を別々に構成したが、図11の下側図に示すように、空間形成プレート15に挿入孔15eを設けると共に、上下一体としたキャップ9をその挿入孔15eに差し込んで組み付ける構造としても良い。
【0039】
(他の実施形態8)
図12は他の実施形態8を示すコア部中心側より見た下タンク部3の部分水平断面図であり、図13は図12中のC−C断面図、図14は図12中のD−D断面図である。本実施形態に示す下タンク部3の基本構造は、上述した上タンク部2と同じである。図13に示すように、概略コア部の下に、ヘッダプレート10・空間形成プレート11・タンクヘッダプレート12を積層して形成されている。タンクヘッダプレート12は、前後に2条の入口側タンク部8Aと出口側タンク部8Bとを形成するよう板材をプレス成形したものである。
【0040】
ヘッダプレート10は、熱交換チューブ4を接続するチューブ孔10aが対応する位置に開くよう板材をプレス成形したものである。また、空間形成プレート11は、冷媒集配空間機能を果たすものであり、板材の前後方向の各熱交換チュ−ブ4と対応する位置に冷媒集合部11aと冷媒分配部11aとなる空間孔11aをプレスで孔開けしたものである。これらを積層すると空間孔11aを使って冷媒集合部と冷媒分配部とが形成される。これらの部品は全てアルミニウムで形成されており、ロウ付けにて一体に接合される。
【0041】
そして、本実施例の下タンク部3は、図12・14に示すように、各熱交換チュ−ブ4の間に凝縮水を排水する排水溝13aや排水孔13bを設けたものである。尚、排水溝13aや排水孔13bの形状は実施例に限られるものではない。また、各熱交換チュ−ブ4の間にかしめ部10a・10bを設けたものである。図14に示す実施例では排水溝13aや排水孔13bの部分をかしめ部10a・10bとして利用したものである。
【0042】
尚、上述した本発明の前後左右クロスターンの上タンク部2も基本構造は同じであるため、上述の実施形態では説明しなかったが、同様のかしめ構造としても良い。また、上述した本発明の前後左右クロスターンのタンク部は、コア部の下側に配置しても良い。その場合にはタンク部が前後方向の略中央に配置されるため、図12のように排水孔13bを前後方向の略中央に配置することはできないが、タンク部を避けて熱交換チュ−ブ4の間に同様の排水孔を設けても良い。
【0043】
(他の実施形態9)
図15は、(a)(b)とも他の実施形態9を示す図1の冷媒蒸発器1における模式図である。被冷却流体の流れ方向にチュ−ブ列を3列以上備えた冷媒蒸発器において、前後左右で交差させて別領域にパスさせる、いわゆる前後左右クロスターンを、全部または一部のチュ−ブ列で形成しても良い。
【0044】
(他の実施形態10)
図16は、(a)(b)とも他の実施形態10を示す図1の冷媒蒸発器1における模式図である。被冷却流体の流れ方向にチュ−ブ列を複数備えた冷媒蒸発器において、前後左右で交差させて別領域にパスさせる、いわゆる前後左右クロスターンを、コア面全部または一部のチュ−ブ4で形成しても良い。
【0045】
(その他の実施形態)
本発明は、上記各実施形態に限定されることなく、特許請求の範囲に記載される範囲内で種々に及ぶものである。上述の実施形態では、CO2冷媒を用いた超臨界冷凍サイクルの例で示したが、本発明は冷媒種類や冷媒圧力を限定するものではなく、例えばフロン冷媒などを用いた冷凍サイクルに適用しても良い。また、上述の実施形態では、冷媒蒸発器について説明してきたが、本発明は、冷媒以外の熱媒体を使用し、被温調流体を温調(加熱など)する熱交換器などに適用しても良い。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】(a)は本発明の第1実施形態における冷媒蒸発器1の斜視図であり、(b)はコア部の部分拡大斜視図である。
【図2】図1の冷媒蒸発器1における上タンク部2の分解斜視構成図である。
【図3】(a)は図1の冷媒蒸発器1における上タンク部2の斜視図であり、(b)は(a)中のA−A断面図、(c)は(a)中のB−B断面図である。
【図4】図1の冷媒蒸発器1における冷媒の流れを示す模式図である。
【図5】(a)は図2で示すセパレータ16の斜視図であり、(b)と(c)は他の実施形態1を示す斜視図である。
【図6】他の実施形態2を示す空間形成プレート15とセパレータ16との側面図である。
【図7】他の実施形態3を示す空間形成プレート15とセパレータ16との側面図である。
【図8】他の実施形態4を示す空間形成プレート15とセパレータ16との部分拡大側面図である。
【図9】他の実施形態5を示すセパレータ16の斜視図である。
【図10】他の実施形態6を示す上タンク部2の断面図である。
【図11】他の実施形態7を示す空間形成プレート15とキャップ9との斜視図である。
【図12】他の実施形態8を示すコア部中心側より見た下タンク部3の部分水平断面図である。
【図13】図12中のC−C断面図である。
【図14】図12中のD−D断面図である。
【図15】(a)(b)とも他の実施形態9を示す図1の冷媒蒸発器1における模式図である。
【図16】(a)(b)とも他の実施形態10を示す図1の冷媒蒸発器1における模式図である。
【符号の説明】
【0047】
1L…後チュ−ブ列(第1チュ−ブ列)
1P…後側コア部(第1パス部)
2L…前チュ−ブ列(第2チュ−ブ列)
2P…前側コア部(第2パス部)
4…熱交換チュ−ブ
6a…冷媒導入部
6b…冷媒導出部
14…ヘッダプレート
14a…連通部、タンク部
15…空間形成プレート
15a…空間孔、冷媒集合部
15b…空間孔、冷媒分配部
15c…連通空間
15d…凹部
16…セパレータ
16a〜16c…複数部材
17…タンクヘッダプレート
17a…連通部、タンク部
161〜165…連通防止部
166…突っ張り板部
H1…空間形成プレートの厚み
H2…セパレータの高さ(積層前高さ)
θ…角度
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷凍サイクルの冷媒を蒸発させる冷媒蒸発器に関するものであり、例えば、車両用空調装置に用いて好適なものである。尚ここで、冷媒蒸発器としては、ヒ−トポンプサイクル時における室外熱交換器も含まれる。
【背景技術】
【0002】
近年、車両ユ−ザの要求により、運転席と助手席との風量を独立に制御することが検討されて実施されている。この要求に対して、冷媒蒸発器の通過風量をコア長さ方向において左右独立にコントロ−ルすることで対応してきている。従来、熱交換チュ−ブを縦置きに配置する場合の冷媒蒸発器において、左右風量独立コントロ−ルを行う場合、コア長さ方向に冷媒流れを分割すべくセパレ−タをタンク内に挿入し、冷媒が左右の違う流路にて流通する構造が必要となっていた。
【0003】
しかし、これにより、冷媒の流路距離が長くなって圧力損失が大きくなることで冷媒蒸発器の性能向上の妨げとなっていた。その対応方法として本発明者らは、特願2004−041453に記載する冷媒蒸発器(熱交換器)を出願している。これは前面の第1パス(先の出願明細書中の「ターン」と対応)を経た冷媒流れを後面の第2パスへ折り返す際、左右方向で入れ替えることで、冷媒側の圧力損失の低減と、温度分布の改善と、左右風量独立制御とを可能としている(以後、この新規冷媒パス方式を前後左右クロスターンと称する)。また、その簡素なタンク構造として特願2004−114569を出願している。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、この前後左右クロスターンを持つ熱交換器を、より量産容易な簡素な構成としてゆくことは恒久の課題である。よって本発明は、上記出願技術に鑑みて成されたものであり、その目的は、前後左右クロスターンを構成しつつ、より簡素なタンク構造を持った冷媒蒸発器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は上記目的を達成するために、請求項1ないし請求項7に記載の技術的手段を採用する。すなわち、請求項1に記載の発明では、外部を流れる被冷却流体と内部を流れる冷媒との熱交換を行う冷媒蒸発器であり、冷媒流れは、冷媒導入部(6a)と冷媒導出部(6b)との間に、少なくとも第1パス部(1P)と第2パス部(2P)とを有し、熱交換チュ−ブ(4)を並列させたチュ−ブ列で形成されるコア部と、第1パス部(1P)を経た冷媒を集合する冷媒集合部(15a)と、冷媒を第2パス部(2P)に分配する冷媒分配部(15b)と、冷媒集合部(15a)と冷媒分配部(15b)とを連通させる一対のタンク部(14a、17a)とを備え、コア部は、左右略全領域で第1パス部(1P)および第2パス部(2P)をそれぞれ形成する第1チュ−ブ列(1L)と第2チュ−ブ列(2L)とを前後の一方ずつに備え、冷媒集合部(15a)と冷媒分配部(15b)とは、それぞれ左右に分割されており、一対のタンク部(14a、17a)は、それぞれ左右方向で別領域の冷媒集合部(15a)と冷媒分配部(15b)とを連通させる冷媒蒸発器において、
冷媒集合部(15a)と冷媒分配部(15b)と一対のタンク部(14a、17a)とは、各熱交換チュ−ブ(4)を接続すると共にタンク部(14a)を有するヘッダプレート(14)、冷媒集合部(15a)と冷媒分配部(15b)とを前後方向にそれぞれ備えてそれらの間に連通空間(15c)を有する空間形成プレート(15)、およびタンク部(17a)を有するタンクヘッダプレート(17)を積層して形成し、連通空間(15c)内にそれぞれ左右方向で別領域の冷媒集合部(15a)と冷媒分配部(15b)とを交差させて連通させるため連通防止部(161〜165)を有するセパレータ(16)を配設したことを特徴としている。
【0006】
この請求項1に記載の発明によれば、従来構成に対し、より簡素な構成で前後左右クロスターンを実現することができ、冷媒側の圧力損失の低減・温度分布の改善・左右風量独立制御を可能とすると共に、簡易な加工・部品点数の低減などで生産性が向上し、コストを抑えることができる。
【0007】
また、請求項2に記載の発明では、セパレータ(16)を複数部材(16a〜16c)にて形成したことを特徴としている。この請求項2に記載の発明によれば、部品点数が若干増えても各部材(16a〜16c)の加工が簡易になり、同一部材(16a〜16c)の組み合わせにて対応できるようになる。
【0008】
また、請求項3に記載の発明では、空間形成プレート(15)における連通空間(15c)の前後上下四辺の近傍に、セパレータ(16)の連通防止部(162〜165)の端部が収まる凹部(15d)を設けたことを特徴としている。
【0009】
この請求項3に記載の発明によれば、空間形成プレート(15)に設けた凹部(15d)に、セパレータ(16)の連通防止部(162〜165)の端部を収め、そこをヘッダプレート(14)とタンクヘッダプレート(17)とで挟み込むことにより、連通防止部(162〜165)の端部の浮きが押さえられ、ロウ付け品質が向上すると共に、良好な冷媒通路が得られる。尚、空間形成プレート(15)はプレス加工にて凹部(15d)を形成しても良いし、凹部(15d)の形成された押し出し部材を母材とし、その後にプレス加工や切削加工などで孔開けを行っても良い。
【0010】
また、請求項4に記載の発明では、セパレータ(16)の積層方向の高さ(H2)を、空間形成プレート(15)の厚み(H1)よりも大きくしたことを特徴としている。この請求項4に記載の発明によれば、各プレート(14、15、17)を積層して前後方向の端部にてかしめ結合すると、ヘッダプレート(14)とタンクヘッダプレート(17)との中央部がたわみにより浮き加減となり易いため、セパレータ(16)を若干量(0.05〜0.2mm程度)大きくしておくことによりロウ付け品質が向上する。
【0011】
また、請求項5に記載の発明では、セパレータ(16)の連通防止部(162〜165)に角度(θ)を付けてセパレータ(16)の積層前高さ(H2)を、空間形成プレート(15)の厚み(H1)よりも大きくしたことを特徴としている。また、請求項6に記載の発明では、連通防止部(162〜165)に付ける角度(θ)は、0〜30度の範囲であることを特徴としている。
【0012】
これら請求項5・6に記載の発明によれば、各プレート(14、15、17)を積層した時にセパレータ(16)が積層方向に若干量圧縮されて組み付くこととなる。この連通防止部(162〜165)のスプリング効果にてヘッダプレート(14)とタンクヘッダプレート(17)との良好な接触状態が得られ、ロウ付け品質が向上する。
【0013】
また、請求項7に記載の発明では、セパレータ(16)の少なくとも長手方向両端部に、積層方向に立った突っ張り板部(166)を設けたことを特徴としている。この請求項7に記載の発明によれば、連通防止部(162〜165)端部の浮きが押さえられ、ロウ付け品質が向上すると共に、良好な冷媒通路が得られる。ちなみに、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。図1の(a)は本発明の第1実施形態における冷媒蒸発器1の斜視図であり、(b)はコア部の部分拡大斜視図である。また、図2は図1の冷媒蒸発器1における上タンク部2の分解斜視構成図である。尚、本明細書中での前後方向とは風流れ方向で、風上側を前、風下側を後としてコア巾(厚み)方向と対応する。また、左右方向とは垂直方向に長手の熱交換チューブを水平方向に複数本並列させた積層方向で、コア長さ方向と対応する。
【0015】
本実施形態は、コア長さ方向に全パスとした構成の前後Uターン蒸発器に適用したものであり、二酸化炭素冷媒(以下、CO2冷媒)などを用いて高圧側の冷媒圧力が臨界圧以上となって作動する超臨界冷凍サイクルに、本発明の冷媒蒸発器1を適用した例にて説明する。冷媒上流側にある図示しない膨張弁によって減圧されたCO2冷媒が流入し、蒸発器1にて空気と熱交換することでCO2冷媒が蒸発し、気化された冷媒がより下流側へ流出されるものである。
【0016】
冷媒集合部・分配部を有する上タンク部2と冷媒導入部・導出部を有する下タンク部3との間に、第1パス部(前側コア部)1Pとなる前チュ−ブ列(第1チュ−ブ列)1Lと第2パス部(後側コア部)2Pとなる後チュ−ブ列(第2チュ−ブ列)2Lが配されたマルチフロ−(MF)型の熱交換器である。コネクタ6の冷媒導入部6aから入った冷媒は、後下の入口側タンク部8Aからコア部に流入(導入)され、前下の出口側タンク部8Bから流出(導出)し、コネクタ6の冷媒導出部6bから出る構成となっている。尚、前後下タンク部8A・8Bの両端部は、キャップ9にて封止されている。
【0017】
各コア部1P・2Pは、各熱交換チュ−ブ4と、後チュ−ブ列1Lと前チュ−ブ列2Lとで形成される各隙間には、図示の如く、コルゲ−トフィン(熱交換フィン)5が配されている。熱交換チュ−ブ4とコルゲ−トフィン5との位置関係の詳細を図1(b)に示す。
【0018】
そして、図例では、第1パスが後側コア部(後チュ−ブ列)1Pで行われて且つ上昇流となり、第2パスが前側コア部(前チュ−ブ列)2Pで行われて且つ下降流となるようになっており、従来と同様、直交対向流となるので性能・温度的に有利となる。また、第1パス部1Pを後側にして冷媒を下側から流入させた方が、各熱交換チュ−ブ4に対する分配性(ディストリビュ−ション性)が良好となり、温度分布の均一性に寄与する。
【0019】
尚、コネクタ6を上側に配し、第1パス1Pを下降流となるようにしても良い。また、第1パス1Pが前側コア部(第2チュ−ブ列)2Pで行われるようにしても良い。上記前後Uターン蒸発器において、一つのパスを経た冷媒をコア長さ方向で入れ替えて流す構造となっている。尚、以下では、コア長さ方向で各熱交換チュ−ブ4の全部を入れ替えた事例について説明をするが、部分的に入れ替えても本発明の効果は奏する。
【0020】
本実施形態に示す上タンク部2は、概略コア部上に、ヘッダプレート14・空間形成プレート15・タンクヘッダプレート17を積層して形成されている。タンクヘッダプレート17は、中央に1条のタンク部17aを形成するよう板材をプレス成形したものである。
【0021】
また、ヘッダプレート14も同様に、中央に1条のタンク部14aを形成するよう板材をプレス成形したものであり、タンクヘッダプレート17と異なるのは、熱交換チューブ4を接続するチューブ孔14bが対応する位置に開けられていることである。そして、タンク部14aと17aは第1パス部1Pと第2パス部2Pとの連通する一対の連通部となっている。
【0022】
空間形成プレート15は、冷媒集配空間機能を果たすものであり、板材の前後方向の各熱交換チュ−ブ4と対応する位置に冷媒集合部15aと冷媒分配部15bとなる空間孔15a・15bと、それらの間にあって各空間孔15a・15bと連通すると共にタンク部14a・17aと対応する位置に連通空間15cとをプレスで孔開けしたものである。セパレータ16は、左右方向でそれぞれ別領域の冷媒集合部15aと冷媒分配部15bとを交差させて連通させるため連通防止部161〜165を持たせて(図5(a)参照)板材をプレス成形したものであり、空間形成プレート15の連通空間15c内に配設される。
【0023】
これは、第1パス部1Pを経た冷媒流れを第2パス部2Pへ折り返す際、左右方向で入れ替わるよう、上記一対の連通部14a・17aを使って流路を形成するためのものである。そして、これらを積層すると空間孔15a・15bおよび連通部14a・17aを使って冷媒集合部と冷媒分配部とが形成される。タンク部14a・17aの両端部は、キャップ9が配置される。これらの部品は全てアルミニウムで形成されており、ロウ付けにて一体に接合される。
【0024】
次に、上記構造の冷媒蒸発器1での冷媒の流れを説明する。図3の(a)は図1の冷媒蒸発器1における上タンク部2の斜視図であり、(b)は(a)中のA−A断面図、(c)は(a)中のB−B断面図である。また、図4は冷媒の流れを示す模式図である。そして、本形態におけるコア長さ方向における冷媒流れの入れ替えは下記の如く行われる。
【0025】
左側第1パス1P(L)として後コア部1Pの左側チュ−ブ列から後側の空間15aを経てタンク部17a内に集合した冷媒(A−A断面図中の実線矢印)は、タンク部17a内を右方へと流れ、前側の空間15bを経て前コア部2Pの右側チュ−ブ列へ流入することにより右側第2パス2P(R)へ移る(B−B断面図中の実線矢印)。
【0026】
他方、右側第1パス1P(R)として後コア部1Pの右側チュ−ブ列から後側の空間15aを経てタンク部14a内に集合した冷媒(B−B断面図中の点線矢印)は、タンク部14a内を左方へと流れ、前側の空間15bを経て前コア部2Pの左側チュ−ブ列へ流入することにより左側第2パス2P(L)へ移る(A−A断面図中の点線矢印)。尚、本実施形態の冷媒蒸発器1は、どちらから冷媒を流入させても同様の流路が構成される。
【0027】
次に、本実施形態での特徴と、その効果について述べる。冷媒集合部15aと冷媒分配部15bと一対のタンク部14a・17aとは、各熱交換チュ−ブ4を接続すると共にタンク部14aを有するヘッダプレート14、冷媒集合部15aと冷媒分配部15bとを前後方向にそれぞれ備えてそれらの間に連通空間15cを有する空間形成プレート15、およびタンク部17aを有するタンクヘッダプレート17を積層して形成し、連通空間15c内にそれぞれ左右方向で別領域の冷媒集合部15aと冷媒分配部15bとを交差させて連通させるため連通防止部161〜165を有するセパレータ16を配設している。
【0028】
これによれば、従来構成に対し、より簡素な構成で前後左右クロスターンを実現することができ、冷媒側の圧力損失の低減・温度分布の改善・左右風量独立制御を可能とすると共に、簡易な加工・部品点数の低減などで生産性が向上し、コストを抑えることができる。特に、従来構成にある交差プレートの全ての爪(連通防止部)の周囲をロウ付け接合することは難易度が高いのに対して、その連通防止部をセパレータとして1つにしてしまう本実施形態の構成はロウ付け品質を確保し易い構成となる。
【0029】
(他の実施形態1)
図5の(a)は図2で示すセパレータ16の斜視図であり、(b)と(c)は他の実施形態1を示す斜視図である。(b)は階段状に折り曲げた部材16aを2つ、向きを違えて使用するようにしたものであり、(c)は同じく階段状に折り曲げた部材16bを2つ、コアの長さ方向に向きを違えて使用し、その間に仕切り板部材16cを入れるようにしたものである。
【0030】
このようにセパレータ16を複数部材16a〜16cにて形成している。これによれば、部品点数が若干増えても各部材16a〜16cの加工が簡易になり、同一部材16a〜16cの組み合わせにて対応できるようになる。
【0031】
(他の実施形態2)
図6は、他の実施形態2を示す空間形成プレート15とセパレータ16との側面図である。空間形成プレート15における連通空間15cの前後上下四辺の近傍に、セパレータ16の連通防止部162〜165の端部が収まる凹部15dを設けたものである。これによれば、空間形成プレート15に設けた凹部15dに、セパレータ16の連通防止部162〜165の端部を収め、そこをヘッダプレート14とタンクヘッダプレート17とで挟み込むことにより、連通防止部162〜165の端部の浮きが押さえられ、ロウ付け品質が向上すると共に、良好な冷媒通路が得られる。
【0032】
尚、空間形成プレート15はプレス加工にて凹部15dを形成しても良いし、凹部15dの形成された押し出し部材を母材とし、その後にプレス加工や切削加工などで孔開けを行っても良い。
【0033】
(他の実施形態3)
図7は、他の実施形態3を示す空間形成プレート15とセパレータ16との側面図である。セパレータ16の積層方向の高さH2を、空間形成プレート15の厚みH1よりも大きくしている。これによれば、各プレート14・15・17を積層して前後方向の端部にてかしめ結合すると、ヘッダプレート14とタンクヘッダプレート17との中央部がたわみにより浮き加減となり易いため、セパレータ16を若干量(0.05〜0.2mm程度)大きくしておくことによりロウ付け品質が向上する。
【0034】
(他の実施形態4)
図8は、他の実施形態4を示す空間形成プレート15とセパレータ16との部分拡大側面図である。セパレータ16の連通防止部162〜165に角度θを付けて、セパレータ16の積層前高さH2を、空間形成プレート15の厚みH1よりも大きくしている。また、その連通防止部162〜165に付ける角度θは、0〜30度の範囲としている。
【0035】
これによれば、各プレート14・15・17を積層した時にセパレータ16が積層方向に若干量圧縮されて組み付くこととなる。この連通防止部162〜165のスプリング効果にてヘッダプレート14とタンクヘッダプレート17との良好な接触状態が得られ、ロウ付け品質が向上する。
【0036】
(他の実施形態5)
図9は、他の実施形態5を示すセパレータ16の斜視図である。セパレータ16の少なくとも長手方向両端部に、積層方向に立った突っ張り板部166を設けている。これによれば、連通防止部162〜165端部の浮きが押さえられ、ロウ付け品質が向上すると共に、良好な冷媒通路が得られる。
【0037】
(他の実施形態6)
図10は、他の実施形態6を示す上タンク部2の断面図である。図10に示すように、セパレータ16の端部167・168は、ヘッダプレート14やタンクヘッダプレート17と積層(上下)方向のみで接合するだけではなく、通風(前後)方向で接合するようにしても良い。
【0038】
(他の実施形態7)
図11は、他の実施形態7を示す空間形成プレート15とキャップ9との斜視図である。図2では各部のキャップ9を別々に構成したが、図11の下側図に示すように、空間形成プレート15に挿入孔15eを設けると共に、上下一体としたキャップ9をその挿入孔15eに差し込んで組み付ける構造としても良い。
【0039】
(他の実施形態8)
図12は他の実施形態8を示すコア部中心側より見た下タンク部3の部分水平断面図であり、図13は図12中のC−C断面図、図14は図12中のD−D断面図である。本実施形態に示す下タンク部3の基本構造は、上述した上タンク部2と同じである。図13に示すように、概略コア部の下に、ヘッダプレート10・空間形成プレート11・タンクヘッダプレート12を積層して形成されている。タンクヘッダプレート12は、前後に2条の入口側タンク部8Aと出口側タンク部8Bとを形成するよう板材をプレス成形したものである。
【0040】
ヘッダプレート10は、熱交換チューブ4を接続するチューブ孔10aが対応する位置に開くよう板材をプレス成形したものである。また、空間形成プレート11は、冷媒集配空間機能を果たすものであり、板材の前後方向の各熱交換チュ−ブ4と対応する位置に冷媒集合部11aと冷媒分配部11aとなる空間孔11aをプレスで孔開けしたものである。これらを積層すると空間孔11aを使って冷媒集合部と冷媒分配部とが形成される。これらの部品は全てアルミニウムで形成されており、ロウ付けにて一体に接合される。
【0041】
そして、本実施例の下タンク部3は、図12・14に示すように、各熱交換チュ−ブ4の間に凝縮水を排水する排水溝13aや排水孔13bを設けたものである。尚、排水溝13aや排水孔13bの形状は実施例に限られるものではない。また、各熱交換チュ−ブ4の間にかしめ部10a・10bを設けたものである。図14に示す実施例では排水溝13aや排水孔13bの部分をかしめ部10a・10bとして利用したものである。
【0042】
尚、上述した本発明の前後左右クロスターンの上タンク部2も基本構造は同じであるため、上述の実施形態では説明しなかったが、同様のかしめ構造としても良い。また、上述した本発明の前後左右クロスターンのタンク部は、コア部の下側に配置しても良い。その場合にはタンク部が前後方向の略中央に配置されるため、図12のように排水孔13bを前後方向の略中央に配置することはできないが、タンク部を避けて熱交換チュ−ブ4の間に同様の排水孔を設けても良い。
【0043】
(他の実施形態9)
図15は、(a)(b)とも他の実施形態9を示す図1の冷媒蒸発器1における模式図である。被冷却流体の流れ方向にチュ−ブ列を3列以上備えた冷媒蒸発器において、前後左右で交差させて別領域にパスさせる、いわゆる前後左右クロスターンを、全部または一部のチュ−ブ列で形成しても良い。
【0044】
(他の実施形態10)
図16は、(a)(b)とも他の実施形態10を示す図1の冷媒蒸発器1における模式図である。被冷却流体の流れ方向にチュ−ブ列を複数備えた冷媒蒸発器において、前後左右で交差させて別領域にパスさせる、いわゆる前後左右クロスターンを、コア面全部または一部のチュ−ブ4で形成しても良い。
【0045】
(その他の実施形態)
本発明は、上記各実施形態に限定されることなく、特許請求の範囲に記載される範囲内で種々に及ぶものである。上述の実施形態では、CO2冷媒を用いた超臨界冷凍サイクルの例で示したが、本発明は冷媒種類や冷媒圧力を限定するものではなく、例えばフロン冷媒などを用いた冷凍サイクルに適用しても良い。また、上述の実施形態では、冷媒蒸発器について説明してきたが、本発明は、冷媒以外の熱媒体を使用し、被温調流体を温調(加熱など)する熱交換器などに適用しても良い。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】(a)は本発明の第1実施形態における冷媒蒸発器1の斜視図であり、(b)はコア部の部分拡大斜視図である。
【図2】図1の冷媒蒸発器1における上タンク部2の分解斜視構成図である。
【図3】(a)は図1の冷媒蒸発器1における上タンク部2の斜視図であり、(b)は(a)中のA−A断面図、(c)は(a)中のB−B断面図である。
【図4】図1の冷媒蒸発器1における冷媒の流れを示す模式図である。
【図5】(a)は図2で示すセパレータ16の斜視図であり、(b)と(c)は他の実施形態1を示す斜視図である。
【図6】他の実施形態2を示す空間形成プレート15とセパレータ16との側面図である。
【図7】他の実施形態3を示す空間形成プレート15とセパレータ16との側面図である。
【図8】他の実施形態4を示す空間形成プレート15とセパレータ16との部分拡大側面図である。
【図9】他の実施形態5を示すセパレータ16の斜視図である。
【図10】他の実施形態6を示す上タンク部2の断面図である。
【図11】他の実施形態7を示す空間形成プレート15とキャップ9との斜視図である。
【図12】他の実施形態8を示すコア部中心側より見た下タンク部3の部分水平断面図である。
【図13】図12中のC−C断面図である。
【図14】図12中のD−D断面図である。
【図15】(a)(b)とも他の実施形態9を示す図1の冷媒蒸発器1における模式図である。
【図16】(a)(b)とも他の実施形態10を示す図1の冷媒蒸発器1における模式図である。
【符号の説明】
【0047】
1L…後チュ−ブ列(第1チュ−ブ列)
1P…後側コア部(第1パス部)
2L…前チュ−ブ列(第2チュ−ブ列)
2P…前側コア部(第2パス部)
4…熱交換チュ−ブ
6a…冷媒導入部
6b…冷媒導出部
14…ヘッダプレート
14a…連通部、タンク部
15…空間形成プレート
15a…空間孔、冷媒集合部
15b…空間孔、冷媒分配部
15c…連通空間
15d…凹部
16…セパレータ
16a〜16c…複数部材
17…タンクヘッダプレート
17a…連通部、タンク部
161〜165…連通防止部
166…突っ張り板部
H1…空間形成プレートの厚み
H2…セパレータの高さ(積層前高さ)
θ…角度
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部を流れる被冷却流体と内部を流れる冷媒との熱交換を行う冷媒蒸発器であり、
冷媒流れは、冷媒導入部(6a)と冷媒導出部(6b)との間に、少なくとも第1パス部(1P)と第2パス部(2P)とを有し、
熱交換チュ−ブ(4)を並列させたチュ−ブ列で形成されるコア部と、前記第1パス部(1P)を経た冷媒を集合する冷媒集合部(15a)と、冷媒を前記第2パス部(2P)に分配する冷媒分配部(15b)と、前記冷媒集合部(15a)と前記冷媒分配部(15b)とを連通させる一対のタンク部(14a、17a)とを備え、
前記コア部は、左右略全領域で前記第1パス部(1P)および前記第2パス部(2P)をそれぞれ形成する第1チュ−ブ列(1L)と第2チュ−ブ列(2L)とを前後の一方ずつに備え、
前記冷媒集合部(15a)と前記冷媒分配部(15b)とは、それぞれ左右に分割されており、
前記一対のタンク部(14a、17a)は、それぞれ左右方向で別領域の前記冷媒集合部(15a)と前記冷媒分配部(15b)とを連通させる冷媒蒸発器において、
前記冷媒集合部(15a)と前記冷媒分配部(15b)と前記一対のタンク部(14a、17a)とは、前記各熱交換チュ−ブ(4)を接続すると共に前記タンク部(14a)を有するヘッダプレート(14)、前記冷媒集合部(15a)と前記冷媒分配部(15b)とを前後方向にそれぞれ備えてそれらの間に連通空間(15c)を有する空間形成プレート(15)、および前記タンク部(17a)を有するタンクヘッダプレート(17)を積層して形成し、前記連通空間(15c)内にそれぞれ左右方向で別領域の前記冷媒集合部(15a)と前記冷媒分配部(15b)とを交差させて連通させるため連通防止部(161〜165)を有するセパレータ(16)を配設したことを特徴とする冷媒蒸発器。
【請求項2】
前記セパレータ(16)を複数部材(16a〜16c)にて形成したことを特徴とする請求項1に記載の冷媒蒸発器。
【請求項3】
前記空間形成プレート(15)における前記連通空間(15c)の前後上下四辺の近傍に、前記セパレータ(16)の前記連通防止部(162〜165)の端部が収まる凹部(15d)を設けたことを特徴とする請求項2に記載の冷媒蒸発器。
【請求項4】
前記セパレータ(16)の前記積層方向の高さ(H2)を、前記空間形成プレート(15)の厚み(H1)よりも大きくしたことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の冷媒蒸発器。
【請求項5】
前記セパレータ(16)の前記連通防止部(162〜165)に角度(θ)を付けて前記セパレータ(16)の積層前高さ(H2)を、前記空間形成プレート(15)の厚み(H1)よりも大きくしたことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の冷媒蒸発器。
【請求項6】
前記連通防止部(162〜165)に付ける前記角度(θ)は、0〜30度の範囲であることを特徴とする請求項5に記載の冷媒蒸発器。
【請求項7】
前記セパレータ(16)の少なくとも長手方向両端部に、前記積層方向に立った突っ張り板部(166)を設けたことを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載の冷媒蒸発器。
【請求項1】
外部を流れる被冷却流体と内部を流れる冷媒との熱交換を行う冷媒蒸発器であり、
冷媒流れは、冷媒導入部(6a)と冷媒導出部(6b)との間に、少なくとも第1パス部(1P)と第2パス部(2P)とを有し、
熱交換チュ−ブ(4)を並列させたチュ−ブ列で形成されるコア部と、前記第1パス部(1P)を経た冷媒を集合する冷媒集合部(15a)と、冷媒を前記第2パス部(2P)に分配する冷媒分配部(15b)と、前記冷媒集合部(15a)と前記冷媒分配部(15b)とを連通させる一対のタンク部(14a、17a)とを備え、
前記コア部は、左右略全領域で前記第1パス部(1P)および前記第2パス部(2P)をそれぞれ形成する第1チュ−ブ列(1L)と第2チュ−ブ列(2L)とを前後の一方ずつに備え、
前記冷媒集合部(15a)と前記冷媒分配部(15b)とは、それぞれ左右に分割されており、
前記一対のタンク部(14a、17a)は、それぞれ左右方向で別領域の前記冷媒集合部(15a)と前記冷媒分配部(15b)とを連通させる冷媒蒸発器において、
前記冷媒集合部(15a)と前記冷媒分配部(15b)と前記一対のタンク部(14a、17a)とは、前記各熱交換チュ−ブ(4)を接続すると共に前記タンク部(14a)を有するヘッダプレート(14)、前記冷媒集合部(15a)と前記冷媒分配部(15b)とを前後方向にそれぞれ備えてそれらの間に連通空間(15c)を有する空間形成プレート(15)、および前記タンク部(17a)を有するタンクヘッダプレート(17)を積層して形成し、前記連通空間(15c)内にそれぞれ左右方向で別領域の前記冷媒集合部(15a)と前記冷媒分配部(15b)とを交差させて連通させるため連通防止部(161〜165)を有するセパレータ(16)を配設したことを特徴とする冷媒蒸発器。
【請求項2】
前記セパレータ(16)を複数部材(16a〜16c)にて形成したことを特徴とする請求項1に記載の冷媒蒸発器。
【請求項3】
前記空間形成プレート(15)における前記連通空間(15c)の前後上下四辺の近傍に、前記セパレータ(16)の前記連通防止部(162〜165)の端部が収まる凹部(15d)を設けたことを特徴とする請求項2に記載の冷媒蒸発器。
【請求項4】
前記セパレータ(16)の前記積層方向の高さ(H2)を、前記空間形成プレート(15)の厚み(H1)よりも大きくしたことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の冷媒蒸発器。
【請求項5】
前記セパレータ(16)の前記連通防止部(162〜165)に角度(θ)を付けて前記セパレータ(16)の積層前高さ(H2)を、前記空間形成プレート(15)の厚み(H1)よりも大きくしたことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の冷媒蒸発器。
【請求項6】
前記連通防止部(162〜165)に付ける前記角度(θ)は、0〜30度の範囲であることを特徴とする請求項5に記載の冷媒蒸発器。
【請求項7】
前記セパレータ(16)の少なくとも長手方向両端部に、前記積層方向に立った突っ張り板部(166)を設けたことを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載の冷媒蒸発器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2006−10263(P2006−10263A)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−190102(P2004−190102)
【出願日】平成16年6月28日(2004.6.28)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年6月28日(2004.6.28)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】
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