説明

凍結乾燥プロセスを監視するための装置

凍結乾燥プロセスでの水蒸気(2)の監視及び制御のための装置(1)であって、滅菌可能な凍結乾燥装置(3)と、滅菌可能な凍結乾燥装置(3)の内部体積から隔離され、凍結乾燥装置の滅菌性に不利に影響することなく、凍結乾燥装置(3)の雰囲気内に存在する水蒸気(2)を測定する光学分光計(4)とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、たとえば医薬品の凍結乾燥プロセスにおける水蒸気を監視するための装置に関する。本発明はまた、装置を用いるための方法、及び前記の装置の使用に関する。
【0002】
発明の背景
凍結乾燥は、高温での乾燥に耐えることができない壊れやすい製品、たとえば薬剤を穏やかに乾燥する方法である。乾燥される製品は、容器(たとえば、ストッパで封止された、一部がガラスのバイアル)に分別され、凍結乾燥機内の冷却されて温度制御された棚に配置される。棚の温度が下げられ、製品は均一に定められた温度まで冷却される。凍結が完了した後、乾燥機内の圧力を定められた圧力まで低下させて、一次乾燥を開始させる。一次乾燥中、昇華によって水蒸気が凍結塊から徐々に除去され、同時に棚の温度及びチャンバの真空度が、定められたとおりのレベルに制御される。棚の温度を高くし、チャンバ圧力をさらに下げることによって二次乾燥が開始され、製品組成に吸収された水を、残留水分量が所望のレベルまで減少するまで除去することができる。容器はその場で、必要であれば保護雰囲気下で封止することができる。
【0003】
凍結乾燥は、本質的に既知の技術であるが、一方で未だ課題を呈しているのは、熟練したスタッフによって実施される場合でさえも、凍結乾燥される製品を破損することなくプロセスを制御するために、細心の注意が必要であるためである。
【0004】
別の重大な問題は、凍結乾燥プロセスを停止する前に、最終製品内で、定められた残留水分に達しなければならないことである。残留水分が高すぎると、活性成分の安定性、ひいては製品の医薬品グレードに影響を及ぼす場合がある。したがって、凍結乾燥プロセスを停止する前に、残留水分が定められたレベルに達したことを確認しなければならない。
【0005】
しかし、どの時点で凍結乾燥プロセスを停止しなければならないかを的確に判断することは、凍結乾燥の停止の決定を行う前に、各バイアル中の残留水分を凍結乾燥プロセス中に測定することを意味する。これは実際には、製薬分野では一般的なケースであるような数多くのバイアルで実行することがほぼ不可能であるが、それは、凍結乾燥プロセスを複数回停止し、バイアルを凍結乾燥装置外に取り出して、各バイアル中の残留水分を測定する必要があるためである。このことは、一方では非常に時間がかかり、他方では、特に凍結乾燥プロセスが滅菌状態で遂行されなければならない場合、凍結乾燥プロセスに不利益な影響を及ぼす。
【0006】
現在、製薬産業で採用されている解決策は、経験的に判断された乾燥時間を経過して、凍結乾燥の期間を延長までの安全期間を含み、残留水分が定められたレベル未満であることを確認することである。
【0007】
したがって、凍結乾燥プロセスを受けた製品中の残留水分を監視し、とりわけ凍結乾燥プロセスの終わりを判断し、安全期間に付随する費用及び不便さを省くための装置に対する要求がある。
【0008】
既述の先行技術は、後述するような一つ又は複数の物理的パラメータを監視することによって、凍結乾燥プロセスを監視又は制御することを意図している。
【0009】
これらのパラメータの一つは、製品温度である。製品温度は一次乾燥プロセス中に変化し、棚の温度に向かって集中する。昇華段階(一次乾燥)の終わりには、水(又は溶媒)はほとんど残らず、結果として蒸発による冷却量が低減する。センサによって製品温度を監視することにより、昇華段階の終わりがおおよそ推測でき、製品中の残留水分と関連付けることができる。しかし、温度プローブは凍結乾燥プロセスに影響する。これによって、二次乾燥(脱着段階)に早めに変更する結果となり、これは乾燥された製品の構造を破壊する可能性がある(メルトバック)。この試験が破壊的であるため、多数の母集団(製品)のうち、ほんのわずかな試料のみを試験することしかできず、試料の母集団全体(製品)が十分に乾燥していることを確認できない。
【0010】
別のパラメータは、圧力である。ピラニ型及び静電容量型真空ゲージが使用可能であることによって、比較による圧力測定から、チャンバ内のプロセスガスの組成に対する手がかりを得ることができる。この場合、ピラニ信号がガスの組成(特に水蒸気含有量)に依存し、静電容量信号(絶対圧力を表す)が水蒸気含有量に依存しないことにより、結果として「見かけの」圧力差になる。この差異は、乾燥プロセス及びそれに続くチャンバ内のガス組成の変化が進行するにつれて減少する。しかし、この測定は正確ではなく、乾燥プロセスの状態に対する手がかりが得られるのみである。
【0011】
圧力の測定に用いられる別の方法は、圧力上昇試験である。圧力上昇試験中、凍結乾燥チャンバは、物質移動に対して完全に封止されている。圧力差は、定められた期間(通常は数分)にわたって記録される。時間依存性の圧力差は、チャンバ内の材料の一定の乾燥状態に関連付けられる。この試験は、主に二次乾燥の終わりに適用され、チャンバ内の材料の乾燥状態が所定のレベル以内であることを確認する。しかし、数多くのアイテムを乾燥する場合、全圧の上昇結果に対する単一のアイテムの寄与は非常に小さい。したがって、この試験は、単一のアイテム、又は正しく乾燥されていないアイテムの小グループを識別できない。
【0012】
さらに別のパラメータは、凍結乾燥チャンバのプロセスガス内の水蒸気分圧である。この場合、酸化アルミニウム露点センサを用いることができる。Al静電容量式露点センサは、凍結乾燥チャンバのプロセスガス内の水蒸気分圧を直接測定できる。この技術は非常に高感度であり(たとえば、−90℃の露点)、全プロセスのプロセスガスの変化を監視することができる。このことは、一次乾燥段階の終わりを識別することを助けることができる。さらに、二次乾燥の終わりでの測定値を、製品の一定の乾燥状態と関連付けることもできる。しかし、露点センサは、薬剤等を乾燥するための要件である滅菌状態(たとえば、水蒸気121℃で15分間)に耐えることができないため、重大な障害を被る。
【0013】
また別のパラメータは、製品の重量の測定である。この場合、いくつかの領域に秤を適用して、乾燥させる材料の重量損失を検出する。医薬品用途の場合、バイアルは長時間にわたって計量され、蒸発水分による重量損失を判定する。この方法は、秤が滅菌されていない場合、臨床材料の営業生産中には適用できない。さらに、秤に直接近接したアイテムは典型的には乾燥しないことは既知である。この事実は、一つのバッチ内のほかのアイテムの乾燥状態に関しての誤った判断に繋がる可能性がある。さらなる欠点は、多数の母集団(製品)のうちほんの数個の試料しか試験できないことである。
【0014】
水蒸気の測定は、Winterらの米国特許第6,848,196号に、凍結乾燥プロセスを監視するための測定可能なパラメータとして記載されている。この方法は、光ファイバに結合された近赤外分光計(NIR:近赤外線)を用いて、凍結乾燥された医薬品の残留水分量を、プロセス中にその場で測定することを含む。しかし、NIR照射は、乾燥した材料の内部数ミリメータしか入り込むことができない。したがって、全バイアルの典型的な測定は可能ではない。バイアルに近接しているあらゆる材料が、容器の中身の乾燥挙動に影響する可能性があることは既知である。このように、バイアルは典型的には乾燥しない。さらなる欠点は、多数の母集団(製品)のうちほんの数個の試料しか試験できないため、全母集団の包括的な監視を達成することができない。
【0015】
この先行技術の簡潔な再検討は、凍結乾燥プロセスを監視するための現在使用可能な手段が、完全には満足のいくものではなく、依然として多くの欠点が存在することを示す。
【0016】
発明の概要
本発明の目的は、先行技術に関連する不都合を克服し、製薬分野の要求に従って凍結乾燥プロセスを監視することを可能にする装置及び方法を提供することである。
【0017】
上記のように、一つの態様では、本発明は、凍結乾燥プロセスでの水蒸気の監視及び制御のための装置に関し、滅菌可能な凍結乾燥装置と、滅菌可能な凍結乾燥装置から隔離され、凍結乾燥装置の滅菌性に不利に影響することなく、凍結乾燥装置の雰囲気内に存在する水蒸気を測定する光学分光計とを含む。
【0018】
本発明の装置は、凍結乾燥装置から隔離された光学分光計を用いるため、完全に滅菌可能な環境で運用することができる。
【0019】
さらに、本発明のプロセスはより一層正確であり、かつ先行技術のプロセスよりも実施が容易であるが、これは、凍結乾燥装置の雰囲気中に存在する水蒸気を測定することにより、全製品中の残留水分量が提供されるためである。
【0020】
したがって、本発明のプロセスは、製品の少数の試料(たとえばバイアル)で行われた測定から水分量を推測せずに、全製品を考慮に入れている。
【0021】
さらに、本発明のプロセスは、そのユニークな特性のため、凍結乾燥プロセスのより良好な監視及び制御が可能になり、たとえば先行技術のプロセスでは凍結乾燥の停止が早すぎて、残留水分量が高すぎるためによって生じた製品の損失がより少ない、より安全な凍結乾燥プロセスにつながる。
【0022】
詳細な説明
「滅菌可能な凍結乾燥装置から隔離された光学分光計」という表現の中の用語「隔離された」は、光学分光計が、凍結乾燥装置によって画定された内部体積と直接接触していないことを意味する。本発明で記載された装置は、非接触検出方法に依拠する。言い換えれば、光学分光計は、凍結乾燥装置の内部体積と直接接触しておらず、したがって本発明の装置は、容易に清浄にして滅菌することができ、医薬品生産の必須規定に合致している。光学分光計は、凍結乾燥装置の内側又は外側に位置付けることができる。光学分光計が凍結乾燥装置の内側に位置付けられている場合、滅菌可能な壁によって分離され、光学分光計が凍結乾燥装置を汚染しないようにされる。この場合、壁は、光学分光計によって放射された照射に対して透過性である開口又は窓を含む。光学分光計が凍結乾燥装置の外側に位置付けられている場合、光照射は、凍結乾燥装置の壁に位置付けられた、光照射に対して透過性である窓を介して、又は凍結乾燥装置の内側に位置付けられた光ファイバを介して、凍結乾燥装置の雰囲気に放射される。
【0023】
用語「継続的に」とは、凍結乾燥プロセスの全継続期間に関して短期間、たとえば、60分の1秒又は1、2、3、4又は5分を表す。
【0024】
「光学分光計は、凍結乾燥装置の雰囲気中に存在する水蒸気を測定する」という表現は、光学分光計が、凍結乾燥装置の内側の少なくとも1点で濃度又は階調もしくは昇華率を、及び/又は凍結乾燥装置の少なくとも2点間で水蒸気の階調を測定することを意味する。
【0025】
昇華率とは、製品から凝縮器に伝達された昇華した又は脱着した分子の質量流量(kg/s)を表す。
【0026】
「滅菌可能な凍結乾燥装置」という表現は、当技術分野で既知である、たとえば特定の温度で加熱することによって滅菌でき、凍結乾燥プロセス中、滅菌状態を継続することができる凍結乾燥装置を表す。
【0027】
「凍結乾燥装置の外側」又は「凍結乾燥装置の内側」という表現は、凍結乾燥装置の壁によって画定された内部体積の外側又は内側を表す。
【0028】
「光照射に対して透過性」という表現は、窓によって、用いられる波長での十分な光学的透過が得られることを表す。
【0029】
本出願の状況では、「水蒸気」及び「水蒸気判定」という表現は、基本的な気体の法則に従って、単位体積あたりの水蒸気分子の数を測定することを表す。この単位は、水蒸気分圧、モル濃度、体積濃度又は質量濃度(単位体積あたりの質量)、及び体積分率又は質量分率もしくは任意の他の気体湿度量の定量的測定に容易に変換することができる。また、分圧は、対応する霜点温度に変換することができる。これらの値は、凍結乾燥される製品の残留水分量と関連付けることができる。凍結乾燥装置内の任意の場所で測定された水蒸気の分圧は、試験測定での製品内の水分含有量と関連付けることができ、Bardat らによる論説"Moisture measurement: a new method for monitoring freeze-drying cycles"、J. Parenteral Science & Technology Vol.47 No.6 (1993)に記載されているとおりである。このように、本明細書に記載の発明によって水蒸気濃度を測定することにより、製品の水分含有量を間接的に監視することが可能になる。製品と凝縮器との間の任意の場所での水蒸気濃度の判定は、昇華率の測定である。すなわち、水蒸気濃度が低くなるほど、昇華率も低くなる。昇華による製品から凝縮器への物質移動は、昇華前面(製品内部)での、及び凝縮器pでの水蒸気の分圧によって判定される。これは、凍結乾燥装置pの全圧の関数でもある。また昇華率dm/dtは、製品と凝縮器pSensorとの間の任意の場所で測定された水蒸気分圧により、
【数1】


で比例定数βをともなって表される。この概念は、N. Geninらによる論説"A new method for on-line determination of residual water content and sublimation end-point during freeze-drying" 、Chem. Eng. Processing 35:255-263 (1996)に記載されている。上記の数式から、水蒸気分圧が全圧に接近する間、昇華率は急激に高くなることが理解できる。このように、水蒸気分圧の測定値を介した昇華率の監視には、本発明で提案するような、非常に安定し、申し分なく調整されたセンサが必要である。物質移動に関するさらなる情報は、製品と凝縮器との間の2箇所又はそれ以上の場所の間での水蒸気の差異を直接測定することから引き出すことができる。以下に記載されるように、一つの好ましい実施形態では、水蒸気濃度は、真空チャンバと凝縮器との間の2箇所又はそれ以上の場所で測定される。また、濃度又は空間的階調の差異は、昇華率の測定である。水蒸気が対流及び拡散流の両方によって運ばれる区域では、昇華率dm/dtは、1からこの場所での水蒸気のモル分率xWVを引いたもので除された気体湿度濃度dc/dzの局所的な階調に比例する。
【数2】


対流を無視できる場合、昇華率は、湿度の階調に正比例する。そうでなければ、モル分率は、圧力計を用いて同時に測定された全圧で除された、測定された水蒸気分圧によって判定することができる。
【0030】
また、昇華フラックスは、水蒸気濃度と水蒸気分子の速度との両方を同時に判定することによって判定することができる。これら2つの数量の結果は、同様に昇華率に正比例する。M. G. Allenは、自身の出版物"Diode laser absorption sensors for gas-dynamic and combustion flows"、Meas. Sci. Technol., 9:545-562 (1998) の波長可変ダイオードレーザ分光分析を用いて気体種の濃度及び速度を同時に測定することによって、気体種の流れを判定できることを示している。このことは、吸収線の振幅が吸収種の濃度に比例する一方で、ドップラー効果のため、吸収線のプロファイルの位置が吸収する分子の速度とともに変位するということに基づく。
【0031】
用語「反射器」は、光源から光学検出器への光ビームを反射する一つ又は複数の鏡から構成される鏡の構成を表す。単一反射器配列は、たとえば1つの平面鏡又は球面鏡を用いて、画定された角度下でビームを反射することによって、又は2つの平面鏡から構成される再帰反射器配列を互いに対して90度の角度で取り付けて、ビームを入射ビームに平行に反射することによって実現することができる。多重反射配列は、少なくとも2つの平面鏡又は球面鏡によって実現できる。
【0032】
用語「窓」は、光学エミッタによって放射された光照射に対して透過性である窓を表す。窓は、好ましくは壁に対して小さな角度で(たとえば10°)で取り付けられて、光路内への後方反射を回避するために、光ビームは90°以外の角度で窓を通過する。窓は好ましくは、窓の2つの端の間の反射を回避するために、非平行な端を有するウェッジ窓である。波長に依存するこれらの後方反射は、スペクトルのバックグラウンド(いわゆる「エタロン」)を生じ、光学分光計の感度を制限する場合があるため、回避する必要がある。光照射が可視領域又は近赤外スペクトル領域にあるとき、数種類のガラス、たとえば溶融石英を用いることができる。そのような窓は、たとえばドイツ国のBASF GmbHで入手することができる。
【0033】
用語「光学エミッタ」は、レーザ光源、好ましくは波長可変ダイオードレーザを表す。レーザ吸収分光法でもっとも一般的に用いられるダイオードレーザは、分布帰還型(DFB)ダイオードレーザであるが、それはこれらが非常に良好な周波数安定性をもたらすためである(たとえば、Laser Components GmbHより提供される)。他のレーザ源は、たとえば量子カスケードレーザ又は鉛塩レーザであってもよい。変調又はパルス動作中に、一つ又は複数の隔離された水蒸気吸収線を介して、注入電流、レーザチップの温度又は外部の空洞共振器の寸法形状を調節することによって、レーザ照射が調整される。
【0034】
用語「光学検出器」は、検出される吸収分子(もしあれば)による減衰後に、光学エミッタの光強度を検出する検出器を表す。光学検出器は、一般的には、たとえばHamamatsuより提供されるようなフォトダイオードである。
【0035】
既に上述したように、一つの態様では、本発明は、凍結乾燥プロセスでの水蒸気の監視及び制御のための装置(1)に関し、滅菌可能な凍結乾燥装置(3)と、滅菌可能な凍結乾燥装置(3)の内部体積から隔離され、凍結乾燥装置の滅菌性に不利に影響することなく、凍結乾燥装置(3)の雰囲気内に存在する水蒸気(2)を測定する光学分光計(4)とを含む。
【0036】
凍結乾燥装置(3)は、当技術分野で既知の凍結装置から選択することができ、本発明の装置(1)に好適に適応させて、光学分光計(4)を装備させることができる。好適な凍結乾燥装置の例は、たとえば以下のHof, Edwards又はSteris各社のいずれかから市販されて当技術分野で既知のものである。
【0037】
本発明の装置(1)の特定の実施形態では、光学分光計(4)は、窓(7)によって、滅菌可能な凍結乾燥装置(3)の内部体積から隔離される。
【0038】
本発明の装置(1)の特定の実施形態では、光学分光計(4)は、光学エミッタ(40)と、凍結乾燥装置(3)の外側に位置付けられた光学検出器(41)とを含み、光学エミッタ(40)は、凍結乾燥装置(3)の壁に位置付けられた第一の窓(7)によって凍結乾燥装置(3)の内部体積から分離され、光学検出器(41)は、凍結乾燥装置(3)の壁に位置付けられた第二の窓(7´)によって凍結乾燥装置(3)の内部体積から分離される。
【0039】
本発明の装置(1)の特定の実施形態では、光学分光計(4)は、凍結乾燥装置(3)の壁に位置付けられた窓(7)を通して凍結乾燥装置(3)の雰囲気中に光照射を放射することにより、凍結乾燥装置(3)の雰囲気内に存在する水蒸気(2)を測定する。この場合、光学分光計(4)は、光学エミッタ(40)と光学検出器(41)とを含むことができ、光学エミッタ(40)によって凍結乾燥装置(3)の雰囲気中に放射された光照射(42)が、凍結乾燥装置(3)の内側に、光学分光計(4)から画定された距離を置いて位置付けられた少なくとも1つの反射器によって、光学検出器(41)の方向に反射される。
【0040】
本発明の装置(1)の別の実施形態では、光学分光計(4)は、凍結乾燥装置(3)お内側に位置付けられた光ファイバ(6)を通して凍結乾燥装置(3)の雰囲気中に光照射を放射することによって、凍結乾燥装置(3)の雰囲気中に存在する水蒸気(2)を測定する。
【0041】
本明細書に記載された発明の任意の一つの実施形態では、光学分光計(4)は、
−凍結乾燥装置(3)内の水蒸気(2)濃度、又は/及び、
−凍結乾燥装置(3)内の2点間の水蒸気(2)の階調、又は/及び、
−凍結乾燥装置(3)内の画定された点での水蒸気(2)の昇華率
を測定する。
【0042】
本明細書に記載された発明の任意の一つの実施形態では、光学分光計(4)は、レーザ吸収分光計であることができ、赤外又は可視スペクトル領域で放射する。さらに好ましくは、レーザ分光計(4)は、約1μmと約15μmとの間で放射する。
【0043】
好ましい実施形態では、監視システムは、調整可能なダイオードレーザ分光計である。気相湿度の高感度な検出のためのそのようなシステムの用途は、B. Schirmerらによる"High precision trace humidity measurements with a fibre-coupled diode laser absorption spectrometer at atmospheric pressure" 、Meas. Sci. Technol., 11:382-391 (2000) に記載されている。1マイクロバールの検出限界が、水蒸気について実証されている。このように、本方法の感度は、凍結乾燥での適用には十分である。さらに、この技術は、物質移動係数の判定及び蒸発率の特性化に、申し分なく適することが報告されている(B. Schirmer らの"A new method for the determination of membrane permeability by spatially resolved concentration measurements."、Meas. Sci. Technol. 15: 195 - 202 (2004) 及びB. Schirmer らの"Experimental investigation of the water vapour concentration near phase boundaries with evaporation."、Meas. Sci. Technol. 15: 1671-1682 (2004)を参照)。
【0044】
本明細書に記載された発明の任意の一つの実施形態では、光学分光計(4)は、固定された又は変動する波長で、水蒸気分子による照射の吸収を測定することができる。
【0045】
本明細書に記載された発明の任意の一つの実施形態では、吸収分子の温度は、線幅が温度の平方根に比例するとして光学分光計(4)によって検出される吸収線のプロファイルから導き出される。
【0046】
本明細書に記載された発明の任意の一つの実施形態では、凍結乾燥装置(3)は、弁(8)によって分離することができるチャンバ(5)と凝縮器(6)と、凍結乾燥装置内の任意の場所における雰囲気中に、たとえばチャンバ(5)から凝縮器(6)に向かって弁(8)を通過する雰囲気中に存在する水蒸気(2)を測定する光学分光計(4)とをさらに含むことができる。
【0047】
本明細書に記載された発明の任意の一つの実施形態では、光学分光計(4)は、
継続的に又は画定された時間間隔で、凍結乾燥装置(3)内の雰囲気中に存在する水蒸気(2)を測定することができる。
【0048】
特定の実施形態では、本発明の装置(1)は、光学分光計(4)によって戻された測定を分析して、測定を凍結乾燥装置(3)内に存在する水蒸気(2)に変換することができるソフトウェアを備えるコンピュータをさらに含む。
【0049】
上記で記載された任意の一つの実施形態では、凍結乾燥装置(3)の内部体積の雰囲気中に存在する、たとえば弁(8)を通過するチャンバ(5)から凝縮器(6)への雰囲気の水蒸気(2)を、継続的に又は画定された間隔で測定することが可能である。
【0050】
上記で既に記載されたように、光は、窓(7)を通して、又は装置に貫入する光ファイバを通して、凍結乾燥装置に結合される。
【0051】
また本発明は、滅菌状態下で行うことができる凍結乾燥プロセスでの水蒸気(2)の監視及び制御のための方法に関し、
(a)本発明の装置(1)で凍結乾燥することを意図する材料を凍結乾燥する工程と、
(b)光学分光計(4)を用いて、凍結乾燥装置(3)の雰囲気内に存在する水蒸気(2)を測定する工程と
を含む。
【0052】
本発明の方法は、
(c)光学分光計(4)によって、任意にはコンピュータを用いて、工程(b)で戻された測定値を分析する工程
をさらに含むことができる。
【0053】
本発明の方法は、
(d)工程(c)で実行された分析に従って、凍結乾燥プロセスの一次又は二次乾燥段階の終わりを判定してもたらす工程
をさらに含むことができる。
【0054】
本発明の方法は、
(e)工程(c)で実行された分析に従って、凍結乾燥プロセスを調整する工程
をさらに含むことができる。
【0055】
本発明の方法では、工程(b)における水蒸気(2)の測定を、継続的に又は画定された間隔で実行することができる。
【0056】
本発明はまた、光学分光計の使用に関し、
−水蒸気を監視し、
−水蒸気を測定し、
−凍結乾燥サイクルを発展させ(たとえば、棚の温度/全圧とともに変化し、プロセスの境界を好都合に探し出すことを可能にし(たとえば、圧力、温度及び製品温度)、最小限の時間及びエネルギ作用での安全なプロセスの実行を表す信号(たとえば露点、水蒸気濃度、水蒸気質量濃度、水蒸気分圧、水蒸気濃度階調、水蒸気流速、水蒸気物質伝達))、
−凍結乾燥プロセスを制御し、
−凍結乾燥プロセスの進行を評価し(たとえば、時間とともに変化し、機械自体又はプロセスの観察要員によって一次乾燥状態から二次乾燥状態への変化、又は乾燥プロセスの終了の検出を支援する、露点又は導き出された変数(たとえば、水蒸気濃度、質量濃度、水蒸気分圧、水蒸気濃度階調、水蒸気流速、水蒸気物質伝達)の任意の計算(たとえば傾斜、第一/第二導関数))、
−凍結乾燥プロセスでの昇華率を計算し、
−凍結乾燥プロセスでの一次又は二次乾燥段階の終わりを判定し(たとえば、機械自体又はプロセスの観察要員もしくは信号(たとえば露点、水蒸気濃度、水蒸気質量濃度、水蒸気分圧、水蒸気濃度階調、水蒸気流速、水蒸気物質伝達)によって第一の乾燥状態から第二の乾燥状態に変わることを可能にする乾燥プロセスの状態を表す一定の閾値に達し、機械自体又はプロセスの観察要員によって乾燥プロセスを終了させることを可能にする乾燥プロセスの状態を表す一定の閾値に達する信号(たとえば露点、水蒸気濃度、水蒸気質量濃度、水蒸気分圧、水蒸気濃度階調、水蒸気流速、水蒸気物質伝達))、
−凍結乾燥プロセスで凍結乾燥装置(3)の不具合を検出し(たとえば、製品を傷付ける場合がある一定の閾値に達し、機械自体又はプロセスの観察要員によって危険緩和処置(たとえば高速再凍結、高速撤去)を始動させる信号(たとえば露点、水蒸気濃度、水蒸気質量濃度、水蒸気分圧、水蒸気濃度階調、水蒸気流速、水蒸気物質伝達))、
光学分光計(4)は、凍結乾燥装置(3)の雰囲気内に存在する水蒸気(2)を測定する。
【0057】
図1を参照すると、本発明の装置(1)は、凍結乾燥装置(3)及び光学分光計(4)を含む。凍結乾燥装置は、製品(10)、たとえば凍結乾燥させることを意図する製品を内包するバイアルを支持するための棚(9)を装備することができる凍結乾燥チャンバ(5)を含むことができる。さらに、凍結乾燥装置(3)は、弁(8)によってチャンバ(5)から分離された凝縮器(6)を含むことができる。
【0058】
図1に示された実施形態では、光学分光計(4)は、窓(7)を通して凍結乾燥装置(3)の雰囲気中に光照射を放射することによって、弁(8)を通過する水蒸気(2)を測定し、この窓(7)は、分光計内の雰囲気から凍結乾燥装置内の雰囲気を分離する、凍結乾燥装置(3)の壁に位置付けられる。また、窓は分光計の一部であるか又はその中に位置付けることができる。
【0059】
本実施形態では、光学分光計(4)は、光学エミッタ(40)及び光学検出器(41)を含み、光学エミッタ(40)によって窓(7)を通して凍結乾燥装置(3)の雰囲気中に放射された光照射(42)は、凍結乾燥装置(3)内に、光学分光計(4)から画定された距離で位置付けられた少なくとも1つの反射器(43)によって、光学検出器(41)の方向に反射される。反射器(43)によって反射された光照射(42)は、光学検出器(41)によって検出される。図1に示す実施形態では、光学エミッタ(40)及び光学検出器(41)は、ハウジング内の同じ側の、反射器(43)の反対側に位置付けられる。
【0060】
光学エミッタ(40)、光学検出器(41)及び反射器(43)を有する光学分光計(4)は、異なって組織又は配置することができる。たとえば、図2Aを参照すると、反射器(43)を、凍結乾燥装置(3)の外側に、第二の窓(7′)によって凍結乾燥装置の内部体積から分離して位置付けることができる。本実施形態では、光学エミッタ(40)によって放射された光照射(42)は、第一の窓(7)を通過し、凍結乾燥装置(3)の壁によって画定された内部体積を横断し、第二の窓(7′)を通過し、反射器(43)9によって反射され、窓(7′)を再度通過し、前記の内部体積を再度横断し、光学検出器(41)によって検出される前に窓(7)を再度通過する。
【0061】
図2Bは、別の可能な構成を示し、光学エミッタ(40)及び光学検出器(41)は、凍結乾燥装置に対向し、かつ凍結乾燥装置(3)の外側に、互いに向かって反対に位置付けられる。これらは、凍結乾燥装置(3)の壁に位置付けられた2つの窓(7)及び(7′)によって、前記の体積から分離される。本実施形態では、光学エミッタ(41)によって放射された光照射(42)は、第一の窓(7)を通過し、凍結乾燥装置(3)の内部体積を横断し、第二の窓(7′)を通過して、光学検出器(41)に達する。図2Bの実施形態は、反射器(43)が凍結乾燥装置(3)の内部体積内に配置されることを必要としないという利点を提供するが、2つの窓(7)及び(7′)を必要とする。
【0062】
図2Cは、図1にすでに示された実施形態の平面断面図であり、反射器(43)は凍結乾燥装置(3)の内側に位置付けられる。
【0063】
図2Dは、本発明の装置(1)内の光学分光計(4)及び反射器(43)のさらに別の可能な構成を示す。本実施形態では、光学エミッタ(40)及び光学検出器(41)を含む光学分光計(4)は、凍結乾燥装置(3)の外側に固定されたハウジング内に位置し、前記の凍結乾燥装置(3)の側壁上で、窓(7)によって凍結乾燥装置(3)の内部体積から分離されている。複数の、たとえば図2Dに示すように4個の反射器反射器(43)を、互いに一定の距離を置いて凍結乾燥装置(3)の内側に配置することができ、光学エミッタ(40)から光学検出器(41)までの凍結乾燥装置(3)の内部体積の一部に、光照射路が許容される。図2Dに示す光照射路の寸法形状は正方形であるが、反射器(43)の数及び体積内でのそれらの配置が適切になされている場合、全ての寸法形状が可能であることが理解されよう。本実施形態の利点は、光照射(42)の経路が、本明細書に記載されたその他の実施形態に対して、凍結乾燥装置(3)の内部体積のより多くをカバーすることである。前記の内部体積のより多くがカバーされるため、測定によってより大奥の内部体積が表される。照射が検出器に達する前に、2つ又はそれ以上の反射器の間の多重反射によって達成される光照射源と検出器との間の光路長さの増大によって、わずかな吸収力を増大させることができる。多重反射構成は、J. Opt. Soc. Am., 32: 285- 288 (1942)の中のJ. U. Whiteによる論説"Long optical paths of large aperture"及びJ. Opt. Soc. Am., 66(5):411-416 (1976)の中のJ. U. Whiteによる論説"Very long optical paths in air"に記載されている。代替の多重反射構成は、Appl. Opt., 3 (4):523-526 (1964)の中のD. Herriotらによる"Off-axis paths in spherical reflector interferometers"、Appl. Opt., 4 (8):883-889 (1964)の中のD. Herriotらによる"Folded optical delay lines"及びAppl. Opt, 34(18): 3336-3348 (1995)の中のJ. B. McManusらによる"Astigmatic reflector multipass absorption cells for long-path- length spectroscopy"に記載されている。
【0064】
図2Eは、さらに別の可能な構成を示し、光学エミッタ(40)は、凍結乾燥装置(3)の壁の開口(11)を通じて、凍結乾燥装置(3)の内部体積に照射光(43)を進める光ファイバ(400)を含む。光学検出器(41)は、凍結乾燥装置(3)の壁に対向して、光ファイバ(400)の反対側の凍結乾燥装置の外側に固定され、窓(7)によって凍結乾燥装置(3)の内部体積から分離されて、凍結乾燥装置(3)の内部体積を通る光路を追って光照射(42)を捕える。本実施形態は、1つの窓(7)のみを必要とする。
【0065】
図3は、装置(1)の代替の構成を示す。凍結乾燥装置(3)のチャンバ(5)は、ダクトによって凝縮器(6)に接続される。弁(8)は、凝縮器(6)からチャンバ(5)を分離することを可能にし、前記のダクトの内側に位置付けられる。弁(8)は、製品(10)から凝縮器(6)に昇華された水蒸気(2)の流れを中断することを可能にする。光学分光計(4)は、光学エミッタ(40)を含み、ダクトに取り付けられる。光照射(42)は、光学窓(7)を通して装置(1)の雰囲気に進入し、第二の窓(7´)を通して反対端のダクトを抜ける。光照射は、光学検出器(41)によって検出される。図2A、2B、2C、2D及び2Eと同様に、光は代替的に、光学エミッタ(40)と、ダクトの内側又は外側に位置付けられた反射器(43)を有する光学検出器(41)との両方を含む分光計(4)に向かって後方反射することができることがよく理解されよう。多重反射配列はまた、光ファイバ(400)によって装置(1)に光学分光計(4)を接続することも同様に実現可能である。光学分光計(4)は、チャンバ(5)又は凝縮器のダクトの任意の場所に、又はダクトの近くに取り付けることができる。図3には、光ビーム(42)、(42a)、(42b)、(42c)、(42d)の代替の場所が示されている。
【0066】
図3に示す実施形態では、本発明の装置は、光学エミッタ(40)と、凍結乾燥チャンバ(5)と弁(8)によって凍結乾燥チャンバ(5)から分離することができる凝縮器(6とを含む凍結乾燥装置(3)の反対側に位置付けられた光学検出器(41)とを含む光学分光計(4)を含み、光学エミッタ(40)と光学検出器(41)とが、凍結乾燥装置(3)の外側に位置付けられ、光学エミッタ(40)は、凍結乾燥装置(3)の壁に位置付けられた第一の窓(7)によって凍結乾燥装置(3)の内部体積から分離され、光学検出器(41)は、凍結乾燥装置(3)の光学エミッタ(40)と反対の壁に位置付けられた第二の窓(7´)によって凍結乾燥装置(3)の内部体積から分離される。
【0067】
図4は、図3に類似した装置(1)の構成を示す。図2Eとは対照的に、光学分光計(4)の少なくとも2つの光ビーム(42)及び(42´)が、少なくとも2つの異なる場所で、水蒸気分圧を測定するために、装置(1)の雰囲気を通して照射される。図2Eと同様に、2つ又はそれ以上のビームを、装置の異なる場所に位置付けてもよい。同様に、2つ又はそれ以上のビーム(42a)の互いの距離を変えてもよいことが理解されよう。分光計(4)のビームは、光学窓(7)を通して照射する光ファイバ(400)を用いて、凍結乾燥装置(3)に導かれる。また、第二の一組の窓(7´)を通して凍結乾燥装置(3)を出るビームは、光ファイバ(400)に結合され、光学検出器(41)を用いて同様に検出される。これに代えて、ビームは、装置に突出して付けられた2つ又はそれ以上の光学検出器(41)によって検出することができる。また、多重ビーム構成は、装置か、図2A、2B、2C、2D及び2Eで提案された光学構成のいずれかに取り付けられた複数の光学分光計(4)によって実現することができる。
【0068】
この構成は、昇華率を導き出すために、異なる場所での水蒸気分圧の差異と、その結果の濃度階調とを検出することを可能にする。
【0069】
図4に示す実施形態では、本発明の装置は、光学エミッタ(40)と光学検出器(41)とを含む光学分光計(4)と、凍結乾燥チャンバ(5)と、弁(8)によって閉じることができるダクト(12)によって凍結乾燥チャンバ(5)から分離することができる凝縮器(6)とを含む凍結乾燥装置(3)とを含み、光学エミッタ(40)と光学検出器(41)とが、ダクト(12)の外側に位置付けられ、光学エミッタ(40)は、前記のダクト(12)の壁に位置付けられた第一の窓(7)によってダクト(12)の内部体積から分離され、光学検出器(41)は、ダクト(12)の光学エミッタ(40)と反対の壁に位置付けられた第二の窓(7´)によって、ダクト(12)の内部体積から分離される。
【0070】
本実施形態では、本装置は、光学エミッタ(40)から、及び検出器(41)から画定された距離でダクト(12)の内側に位置付けられ、光学エミッタ(40)によって光学検出器(41)に向かって放射された光照射(42)を反射する少なくとも1つの反射器(43)をさらに含むことができる。
【0071】
実施例1
本発明の装置の図1の実施形態の機能性を試験するために、医薬品の試料を凍結乾燥することによる試験運用が行われた。凝縮器温度及び露点温度が再計算されて、水蒸気分圧として表された。加えて、凍結乾燥機の圧力ゲージによって報告された全圧は、図5のグラフのように報告された。
【0072】
図5を参照すると、実験期間中、凍結乾燥機の全圧はおよそ450〜500マイクロバールで一定に保たれた(圧力調整システムの特性による小さな変動のみを示した)。また、凝縮器温度(非常に低いレベル)を表す水蒸気分圧は、軽微な変動性のみを示した。実験結果は、プロセスガスの水蒸気分圧(レーザ分光計によって報告された露点温度から計算)が、凍結乾燥機の全圧と凝縮器面の水蒸気分圧との間に見られることを明らかに(予想されたとおり)示した。昇華段階中、プロセスガス中の水蒸気(250〜300マイクロバール)の量は定常かつ比較的大量であった。この段階中、水蒸気分圧は、凍結乾燥機内の全圧のおよそ60%に寄与した。実験中、水蒸気分圧は、全圧量の減少に寄与した。水蒸気分圧が、凝縮器温度を表す水蒸気圧力に近いか又は等しい値(0マイクロバール付近)を示した時点で、乾燥プロセスは終了に達した。
【0073】
実施例2
2度の凍結乾燥サイクルを実行して、図1に図示された本発明の装置を試験した。これら2度の特定の凍結乾燥サイクルは説明を目的としているが、本発明は、用いられた特定の設定に限定されない。凍結乾燥サイクルは、前記の製品では一般的である。棚の温度、全圧、および凝縮器温度の他の組み合わせは、当業者の権限の範囲内である。
【0074】
実験の設定は、本発明の装置の通常的な利用に対応するものである。
【0075】
2度の凍結乾燥サイクルはそれぞれ、2つの試料(試料1及び試料2)を用いて実行された。試料1及び2は、同じ医薬品の試料であった。
【0076】
試料1及び2を用いた第一の凍結乾燥サイクル中に収集されたデータは、図6に報告され、試料1及び2を用いた第二の凍結乾燥サイクル中に収集されたデータは、図7に報告されている。
【0077】
図8は、図7に基づく簡略化された図であり、図7に図示する本発明のプロセスの以下の説明及び解釈のために用いることができる。
【0078】
図6、7及び8では、曲線は、
−正方形の記号は、棚の温度を表し、
−円形の記号は、製品試料1の温度を表し、
−三角形の記号は、製品試料2の温度を表し、
−逆三角形の記号は、露点温度を表し、
−十字形の記号は、凝縮器温度を表し、
−ひし形の記号は、全圧を表す
ように識別される。
【0079】
図6を参照すると、第一の凍結乾燥サイクル中、一次乾燥は、実験開始後およそ8.5時間に(棚の温度が40℃に上昇したとき)開始された。その時から、分光計によって報告された値は、適正な露点の値を表した。
【0080】
一次乾燥(昇華段階)の始まりに、凍結乾燥機によって加えられた熱が、バイアルから凝縮器への水蒸気の強力かつ定常な流れを生成したことが観察できた。いくつかの要因が、システム内の水分の昇華を示した。
・製品温度は、棚の温度よりもおよそ60K低かった。これは、蒸発による高い熱損失によるものであった。
・凝縮器温度は、完全な乾燥システム内にある場合よりもおよそ10K高かった。これは、水分子の凝縮による、凝縮器を温める高い熱量によるものであった。
・レーザ吸収分光計は、凝縮器内の氷上の露点温度と、凍結乾燥機正面(バイアル内側)の氷上の露点温度との間である露点を測定した。説明:バイアルから水分が蒸発しない場合、プローブの信号は凝縮器温度に非常に類似するが、これはこのことがシステム内部の最も冷たいスポットを表すためである。
【0081】
水分子の定常かつ強力な昇華の期間は、運用開始後およそ17〜18時間まで継続した。以下の要因は、その時点でバイアル中の氷の大部分が除去されて、凝縮器面に閉じ込められたことを示している。
・製品温度は棚の温度に向かって集中し始め、およそ26時間後にそれに達した。試験運用1のデータは、製品温度の有意な不均質性(2個の試料バイアル間の大きな差異)を示した。
・凝縮器温度は、有意には、乾燥プロセスの開始時に報告されたよりも低かったが、これは、冷却面上の水分子の凝縮量がより少ないことにより、より少ない熱が伝えられたためであった。
・レーザ吸収分光計の信号の傾斜が変化した。説明:バイアルから凝縮器に向かってより少ない水蒸気が流れ、より小さな水蒸気分圧につながった(一方、システムの全圧は一定のままであった)。
【0082】
製品温度プローブは、実験開始後およそ26の棚で平衡に達した。この時点で、試料バイアル内の自由水(氷)は消失した。乾いた凍結乾燥ケークは、ケーク内の分子と結合した水分とともにバイアル内に留まった。結合した水分は、脱着によって、したがって昇華によって放出された氷からの水分よりもかなりゆっくりとケークから放出された。結果的に、レーザ吸収分光計信号は再度傾斜が変わり、一定であるとして測定された全圧に対する水蒸気のごくわずかな寄与を表した。
【0083】
測定信号の変化(露点)は、乾燥プロセス中に製品が受ける物理的ステージを、非常によく表している。
1.一次乾燥段階(氷はバイアルの外に昇華し、上記は凝縮器に移動する)中の強力かつ定常な昇華(およそ16時間まで)
2.昇華プロセスを表す露点値(傾斜の変化)の低減(残された氷はほとんどない(水分に結合しない))、及び脱着段階の開始(結合した水分は、ゆっくりと凝縮器に伝達される)
3.脱着(二次乾燥)段階終了時(24時間)の、凝縮器温度に達する傾斜及び絶対値のさらなる変化。製品は最終乾燥に達する。
【0084】
図7及び8を参照すると、二次凍結乾燥サイクルは、非常に類似したプロセスを示した。2つの実験の主な差異は、およそ20時間後の棚の温度の低下が欠落していることである。この変化は結果として、試料の乾燥がより早まり、製品温度のより早期の変化によって表わされ(試料1/2として表わされる)、実験1での26時間後に代わって、20〜22時間後に棚の温度に達する。
【0085】
これら3種の実験の記録データは、本測定原理が、要求される使用分野に適用可能であることを明らかに示した。記録された信号は、製品温度信号とは対照的に、凍結乾燥チャンバ内の全てのバイアルを代表するものであった。結果として、製品温度ほど急速には変化しないが、目に見える傾斜変化は、明らかに昇華から脱着段階への変化示した。これにより、大多数のバイアルで(必要であれば)二次乾燥を始めてもよいという明らかな手がかりが得られた。乾燥プロセスの終わりには、新しい信号を用いて、バイアルに栓が付いているか、又はバイアルが乾燥状態下で乾燥基準に達するためにもう少し時間を必要としているかの判断を支援することができる。プローブの信号は、関係するプロセス要因に直接関連付けられたパラメータ、すなわち水蒸気/残留湿分との関連があった。
【図面の簡単な説明】
【0086】
【図1】本発明の特定の実施形態による、凍結乾燥装置の断面図である。
【図2A】本発明の4つの異なる実施形態による、凍結乾燥装置の平面図である。
【図2B】本発明の4つの異なる実施形態による、凍結乾燥装置の平面図である。
【図2C】本発明の4つの異なる実施形態による、凍結乾燥装置の平面図である。
【図2D】本発明の4つの異なる実施形態による、凍結乾燥装置の平面図である。
【図2E】本発明の4つの異なる実施形態による、凍結乾燥装置の平面図である。
【図3】本発明の特定の実施形態による、凍結乾燥装置の断面図である。
【図4】本発明の特定の実施形態による、凍結乾燥装置の断面図である。
【図5】図1に図示された装置設定を用いて、医薬品の試料を凍結乾燥することによって行われた試験運用中に収集されたデータを示す図である。
【図6】図1に図示された装置設定及び説明の対応するパーツを用いて詳細に述べられた、元のプロセスデータを示す図である。
【図7】図1に図示された装置設定及び説明の対応するパーツを用いて詳細に述べられた、元のプロセスデータを示す図である。
【図8】図5及び6のプロセスデータの簡略化された概略図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
凍結乾燥プロセスでの水蒸気(2)の監視及び制御のための装置(1)であって、
滅菌可能な凍結乾燥装置(3)と、
滅菌可能な凍結乾燥装置(3)の内部体積から隔離され、凍結乾燥装置の滅菌性に不利に影響することなく、凍結乾燥装置(3)の雰囲気内に存在する水蒸気(2)を測定する
光学分光計(4)と、
を含む装置。
【請求項2】
光学分光計(4)が、窓(7)によって、滅菌可能な凍結乾燥装置(3)の内部体積から隔離される、請求項1記載の装置。
【請求項3】
光学分光計(4)が、凍結乾燥装置(3)によって画定された体積の壁に位置付けられた窓(7)を通して凍結乾燥装置(3)の雰囲気中に光照射を放射することにより、凍結乾燥装置(3)の雰囲気内に存在する水蒸気(2)を測定する、請求項1又は2のいずれか一項記載の装置。
【請求項4】
光学分光計(4)が、
凍結乾燥装置(3)の壁に位置付けられた第一の窓(7)によって凍結乾燥装置(3)の内部体積から分離された光学エミッタ(40)と、
凍結乾燥装置(3)の外側に位置付けられ、凍結乾燥装置(3)の壁に位置付けられた第二の窓(7´)によって凍結乾燥装置(3)の内部体積から分離された光学検出器(41)と
を含む、請求項1〜3のいずれか一項記載の装置。
【請求項5】
光学分光計(4)が、光学エミッタ(40)と光学検出器(41)とを含み、
光学エミッタ(40)によって凍結乾燥装置(3)の雰囲気中に放射された光照射が、凍結乾燥装置(3)の内側に、光学エミッタ(40)から画定された距離を置いて位置付けられた少なくとも1つの反射器によって、光学検出器(41)の方向に反射される、請求項1〜3のいずれか1項記載の装置。
【請求項6】
光学分光計(4)が、凍結乾燥装置(3)によって画定された体積内に位置付けられた光ファイバ(6)を通して凍結乾燥装置(3)の雰囲気中に光照射を放射することによって、凍結乾燥装置(3)の雰囲気中に存在する水蒸気(2)を測定する、請求項1記載の装置。
【請求項7】
光学分光計(4)が、凍結乾燥装置(3)内の水蒸気(2)の濃度を測定する、請求項1〜5のいずれか一項記載の装置。
【請求項8】
光学分光計(4)が、凍結乾燥装置(3)内の2点間の水蒸気(2)の階調を測定する、請求項1〜5のいずれか一項記載の装置。
【請求項9】
光学分光計(4)が、凍結乾燥装置(3)内の画定された点での水蒸気(2)の排出を測定する、請求項1〜5のいずれか一項記載の装置。
【請求項10】
光学分光計(4)が、レーザ吸収分光計である、請求項1〜8のいずれか一項記載の装置。
【請求項11】
レーザ分光計(4)が、赤外スペクトル領域で放射する、請求項8又は9のいずれか一項記載の装置。
【請求項12】
レーザ分光計(4)が、約1μmと約15μmとの間で放射する、請求項10記載の装置。
【請求項13】
光学分光計(4)が、固定された又は変動する波長で、水蒸気分子による照射の吸収を測定する、請求項1〜11のいずれか一項記載の装置。
【請求項14】
凍結乾燥装置(3)が、弁(8)によって分離することができるチャンバ(5)と凝縮器(6)とをさらに含み、
監視システムが、弁(8)を通過するチャンバ(5)から凝縮器(6)への雰囲気中に存在する水蒸気(2)を継続的に測定する、請求項1〜12のいずれか一項記載の装置。
【請求項15】
監視システムによって戻される測定を取り扱うことができるソフトウェアを備えるコンピュータをさらに含む、請求項1〜13のいずれか一項記載の装置。
【請求項16】
光学エミッタ(40)及び光学検出器(41)を含む光学分光計(4)と、
凍結乾燥チャンバ(5)と、弁(8)によって凍結乾燥チャンバ(5)から分離することができる凝縮器(6)とを含む凍結乾燥装置(3)とを含み、
光学エミッタ(40)が、凍結乾燥装置(3)の外側にあり、前記凍結乾燥装置(3)の壁に位置付けられた窓(7)によって凍結乾燥装置の内部体積から分離され、凍結乾燥装置が、光学エミッタ(40)から、及び検出器(41)から画定された距離を置いて、凍結乾燥装置(3)の内側又は外側に位置付けられた少なくとも1つの反射器(43)を含み、光学エミッタ(40)によって光学検出器(41)に向けて放射された光照射(42)を反射する、請求項1〜14のいずれか一項記載の装置。
【請求項17】
光学エミッタ(40)と、凍結乾燥チャンバ(5)と、弁(8)によって凍結乾燥チャンバ(5)から分離することができる凝縮器(6)とを含む凍結乾燥装置(3)の反対側に位置付けられた光学検出器(41)とを含む光学分光計(4)を含み、
前記凍結乾燥装置(3)の壁に位置付けられた第一の窓(7)によって、凍結乾燥装置(3)の内部体積から分離された光学エミッタ(40)と、前記凍結乾燥装置(3)の光学エミッタ(40)と反対の壁に位置付けられた第二の窓(7´)によって、凍結乾燥装置(3)の内部体積から分離された光学検出器(41)とが、凍結乾燥装置(3)の外側に位置付けられる、請求項1〜14のいずれか一項記載の装置。
【請求項18】
光学エミッタ(40)と光学検出器(41)とを含む光学分光計(4)と、
凍結乾燥チャンバ(5)と、弁(8)によって閉じることができるダクト(12)によって凍結乾燥チャンバ(5)から分離することができる凝縮器(6)とを含む凍結乾燥装置(3)とを含み、
前記ダクト(12)の壁に位置付けられた第一の窓(7)によって、ダクト(12)の内部体積から分離された光学エミッタ(40)と、前記ダクト(12)の光学エミッタ(40)と反対の壁に位置付けられた第二の窓(7´)によって、ダクト(12)の内部体積から分離された光学検出器(41)とが、ダクト(12)の外側に位置付けられる、請求項1〜14のいずれか一項記載の装置。
【請求項19】
光学エミッタ(40)によって光学検出器(41)に向かって放射された光照射(42)を反射するために、光学エミッタ(40)から、及び検出器(41)から画定された距離を置いてダクト(12)の内側に位置付けられた少なくとも1つの反射器(43)をさらに含む、請求項17記載の装置。
【請求項20】
滅菌状態下で行うことができる凍結乾燥プロセスでの水蒸気(2)の監視及び制御のための方法であって、
(a)請求項1〜18のいずれか一項の装置で凍結乾燥することを意図する材料を凍結乾燥する工程と、
(b)光学分光計(4)を用いて、凍結乾燥装置(3)の雰囲気内に存在する水蒸気(2)を測定する工程と、
を含む方法。
【請求項21】
(c)光学分光計(4)によって、任意にはコンピュータを用いて、工程(b)で戻された測定を分析する工程
をさらに含む、請求項19記載の方法。
【請求項22】
(d)工程(c)で実行された分析に従って、凍結乾燥プロセスの一次又は二次乾燥段階を終了する工程
をさらに含む、請求項20記載の方法。
【請求項23】
(d)工程(c)で実行された分析に従って、凍結乾燥プロセスを調整する工程
をさらに含む、請求項21記載の方法。
【請求項24】
工程(b)で、水蒸気(2)の測定が、継続的に又は画定された間隔で実行される、請求項19〜22のいずれか一項記載の方法。
【請求項25】
滅菌状態下で行うことができる、凍結乾燥プロセス中の水蒸気(2)を監視するための光学分光計(4)の使用であって、光学分光計(4)が、凍結乾燥装置(3)の雰囲気中に存在する水蒸気(2)を測定する使用。
【請求項26】
滅菌状態下で行うことができる、凍結乾燥プロセス中の水蒸気(2)を測定するための光学分光計(4)の使用であって、光学分光計(4)が、凍結乾燥装置(3)の雰囲気中に存在する水蒸気(2)を測定する使用。
【請求項27】
滅菌状態下で行うことができる、凍結乾燥プロセスを制御するための光学分光計(4)の使用であって、光学分光計(4)が、凍結乾燥装置(3)の雰囲気中に存在する水蒸気(2)を測定する使用。
【請求項28】
滅菌状態下で行うことができる、凍結乾燥プロセスの進行を評価するための光学分光計(4)の使用であって、光学分光計(4)が、凍結乾燥装置(3)の雰囲気中に存在する水蒸気(2)を測定する使用。
【請求項29】
滅菌状態下で行うことができる、凍結乾燥プロセスでの昇華率を計算するための光学分光計(4)の使用であって、光学分光計(4)が、凍結乾燥装置(3)の雰囲気中に存在する水蒸気(2)を測定する使用。
【請求項30】
滅菌状態下で行うことができる、凍結乾燥サイクルを発展させるための光学分光計(4)の使用であって、光学分光計(4)が、凍結乾燥装置(3)の雰囲気中に存在する水蒸気(2)を測定する使用。
【請求項31】
滅菌状態下で行うことができる、凍結乾燥プロセスでの一次又は二次乾燥段階の終わりを判定するための光学分光計(4)の使用であって、光学分光計(4)が、凍結乾燥装置(3)の雰囲気中に存在する水蒸気(2)を測定する使用。
【請求項32】
滅菌状態下で行うことができる、凍結乾燥プロセスで凍結乾燥装置(3)の不具合を検出するための光学分光計(4)の使用であって、光学分光計(4)が、凍結乾燥装置(3)の雰囲気中に存在する水蒸気(2)を測定する使用。
【請求項33】
光学分光計(4)がレーザ吸収分光計である、請求項25〜32のいずれか一項記載の使用。
【請求項34】
レーザ分光計(4)が赤外スペクトル範囲で放射する、請求項33記載の使用。
【請求項35】
レーザ分光計(4)が、約1μm〜約15μmの間で放射する、請求項34記載の使用。
【請求項36】
レーザ分光計(4)が、請求項1〜19のいずれか一項記載の装置で動作する、請求項25〜35のいずれか一項記載の使用。
【請求項37】
本明細書に記載の発明。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図2D】
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【図2E】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2009−533662(P2009−533662A)
【公表日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−504687(P2009−504687)
【出願日】平成19年4月2日(2007.4.2)
【国際出願番号】PCT/EP2007/053149
【国際公開番号】WO2007/115965
【国際公開日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【出願人】(591003013)エフ.ホフマン−ラ ロシュ アーゲー (1,754)
【氏名又は名称原語表記】F. HOFFMANN−LA ROCHE AKTIENGESELLSCHAFT
【Fターム(参考)】