説明

処理媒体での被処理物処理のためのノズル配列及び方法

回路基板の形態をなす被処理物(10)の水平方向の流れを伴う亜鉛めっきユニットの洗浄ノズルとしての特定用途のためのノズル配列が開示される。従って、被処理物(10)はノズル配列の入口領域(15)から出口領域(16)まで、搬送方向(18)へ運ばれる。ノズル配列は少なくとも1個のノズル開口(8)を含み、ノズル開口(8)は、被処理物(10)の流れが被処理物(10)の搬送面へ傾斜した所定の角度で移動し、処理媒体の流れが被処理物(10)の搬送方向(18)に反らされるように具体化される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は処理媒体での被処理物処理のためのノズル配列及び方法に関する。特に、本発明はサージノズル配列に関し、サージノズル配列は例えば、非常に薄い印刷回路フィルム又は印刷回路基板の湿式化学的処理のための移動システムにおいて使用される。
【背景技術】
【0002】
サージノズル形態をなすノズル配列は、例えばシステムを流通する印刷回路基板又は印刷回路フィルムの形態をなす被処理物の最速且つ最も均一な可能な処理を達成するべく、印刷回路基板の湿式化学的処理のための移動システムで使用される。この状況では、被処理物の移動面の上方及び/又は下方に配置される幾つかのサージノズルを有すると有用であり、その結果、ノズル配列は被処理物の略幅全体に亘り、被処理物の搬送方向を横断するように延出する。サージノズルによれば、処理流体は被処理物の表面に噴霧され、或いはその表面から吸い上げられる。それによって、被処理物表面上での処理流体の一定且つ均一な交換が達成される。
【0003】
特許文献1では、この点において、多数の様々なノズル配列が提案されている。この状況では、各々の場合で、円形な管が使用され、管は様々なノズル形状を有する。これらのノズル形状は例えば、斜めに配列されるスロットノズル、多数の列をなして相互に隣同士に配列される円形ノズル、又は相互に隣同士で列をなして続く様々な幅を備えたスロットノズルである。説明されるノズル配列は特に旋回ノズルに関し、処理流体の流体流方向の周期的な変化が旋回ノズルによって達成される一方で、被処理物が通過する。
【0004】
特許文献2では、スロットノズルの使用が提案されており、対応するノズルの可変スロット幅によって、個々の処理流体の流量及び噴霧圧が調整される。
特許文献3では、ノズルは水平方向に移動する印刷回路基板に形成されたドリル穴の洗浄、活性化、及び/又は金属化のために使用され、ノズルは搬送面の下側に且つ搬送方向と直角に配置され、そのノズルから定在波の形態をなす流体処理媒体がシステムを移動する個々の印刷回路基板の下側に送られる。ノズルはノズルハウジングの上側部分に配置され、ノズルハウジングは取入孔を備えた予備室によって形成される。予備室はノズルの内部空間の上側部分からホールマスクによって隔てられる。ホールマスクによって、ノズルへの流体処理媒体の流れの分配が達成される。長穴形状をなす実際のノズル孔の前方におけるノズルの内部空間は、流体処理媒体のサージの均等な蓄積のための予備室として機能する。
【0005】
特許文献4から、適当な処理流体によるワーク、特に印刷回路基板の洗浄又は化学的処理用ノズル配列が知られている。ノズル配列は下側インレットボックス及びハウジングボックスを含み、処理流体は下側インレットボックスを通り、ハウジングボックス基底の穴を通り、ハウジングボックス内部へ導入される。ハウジングボックスは中心隔壁を2個の穿孔レベル及びその上方に配置される長穴と共に有し、その結果、処理流体は2個の溝へ流入し、且つ2個の均等な正弦サージ分布がそれらの上方に形成され、そのサージ分布はワーク、特に印刷回路基板のドリル穴へ流通する。従って、材料の集中的な交換がベンチュリ効果によって保証される。
【特許文献1】欧州特許出願公開第1187515A2号明細書」
【特許文献2】ドイツ特許出願公開第3708529A1号明細書
【特許文献3】ドイツ特許出願公開第352575A1号明細書
【特許文献4】欧州特許第0280078B1号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述したサージノズル配列によれば、処理流体インレットに連結された部分において流速は最大になる。なぜならば、最大処理流体容量が出現するのがこの部分だからである。連結領域からの距離が増加するに従い、流量は減少する。なぜならば、各々の場合で、処理流体の一部はサージノズル配列の個々のノズル孔を介して流出するからである。この結果、静圧に加えて、ノズル孔では動圧及び不規則な流速が発生する。更に、処理流体の様々な出口容量に結果的になる。
【0007】
非常に薄い及び/又は敏感な被処理物の湿式化学的処理の間に、ノズル配列の入口領域において、被処理物の一縁上に発生する流体サージによって、被処理物は移動路又は搬送路から外へ屈曲させられる危険もある。これは、被処理物がノズル配列に沿って引っ掛かり、或いは完全に捕らえられる状況を導き、これにより被処理物の廃棄或いは対応する処理システム内部の妨害となる。妨害の場合、妨害物が取り除かれるように、製造が中断させられなければならず、殆どの場合、他の処理ステーションでの長期に亘る処理時間に起因して、更なる廃棄が導かれる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
従って、本発明は特に非常に薄い板状被処理物の処理流体での処理のためのノズル配列及び処理方法を提供するという目的に基づき、これによりこれまで言及された問題が解決され、特に処理流体又は別の処理媒体の流れによって、ノズル配列の入口領域において被処理物が搬送路から外へ屈曲させられることが回避される。これは、ノズル配列の入口領域では、被処理物の面と直角な力が可能な限り低くなければならないことを意味する。
【0009】
本発明によれば、本目的は独立請求項1の特徴を備えたノズル配列、及び独立請求項27の特徴を備えた方法によって達成される。従属請求項は各々、本発明の好適な又は有利な実施形態を示す。
【0010】
本発明に係る方法及びノズル配列が基づく基本的概念は、被処理物の搬送方向における流れ成分による処理媒体の送達又は除去を含む。その結果、処理媒体はノズル配列又は処理流路の入口領域の周辺領域において吸い込まれることにより、処理流路における被処理物の搬送が支援される。
【0011】
本発明に係るノズル配列は、板又はエンドレス材料としての印刷回路基板又は印刷回路フィルム等の被処理物の処理流体又は、より一般的には処理媒体による処理に役立ち、被処理物は搬送面内において搬送方向に沿って、ノズル配列の入口領域から出口領域へ搬送される。処理流体に加えて、処理媒体は例えば気体処理媒体でもある。この状況では、ノズル配列は少なくとも1個のノズル孔を含み、ノズル孔は、処理流体の流体流又は処理媒体流が、被処理物の搬送面に対して斜めの所定角度でノズル孔を通り移動するように構成される。流体流又は処理媒体流が被処理物の搬送方向へ屈曲させられるように、或いは既にこの方向に移動してノズル孔を流出するように、上記角度は決められる。
【0012】
このため、処理流体又は処理媒体は、少なくとも1個のノズル孔からノズル配列の出口領域の方向へ流れるが、ノズル配列の入口領域の方向へは流れることがない。この結果として、ノズル配列及び被処理物によって形成される負圧がノズル配列の処理流路に生じ、巡回する処理媒体が処理流路を通りノズル配列の入口領域へ吸引されると共に、被処理物が搬送面から外へ、或いは予定された搬送路から外へ曲げられる危険が回避される。
【0013】
流体流又は処理媒体流の屈曲は好適には、少なくとも1個のノズル孔流路によって形成される少なくとも1個のノズル孔により影響を受ける。ノズル孔流路は被処理物の搬送面
に対して鋭角の角度で延出する。この状況での角度は好適には、最大で80に達する。しかしながら、0から60、或いはより好適には10度から30度の角度が、特に有利であることが分かっている。
【0014】
本発明に係るノズル配列は、処理媒体の被処理物への散布、或いは処理媒体の吸い上げのいずれかのために構成される。第1の場合では、即ち少なくとも1個のノズル孔が処理媒体の送達のために構成されるならば、角度は被処理物の搬送方向と反対に開くことにより、処理媒体の流れが被処理物の搬送方向に曲げられる。この場合、少なくとも1個のノズル孔が、搬送面に沿って延出するノズル配列のハウジング壁において、少なくとも1個のノズル孔から入口領域までの距離が、少なくとも1個のノズル孔から出口領域までの距離よりも短くなるように配置されるならば、特に有利である。
【0015】
第2の場合、即ち少なくとも1個のノズル孔が処理媒体を受け入れ、或いは吸い上げるように構成されるならば、角度は被処理物の搬送方向に開くことにより、今度は処理媒体流が被処理物の搬送方向に曲げられる状況が達成される。この状況では、少なくとも1個のノズル孔が、搬送面に沿って延出するハウジング壁に、少なくとも1個のノズル孔から出口領域までの距離が、少なくとも1個のノズル孔から入口領域までの距離よりも短くなるように配置されるならば、特に有利である。
【0016】
ノズル配列のこの非対称的な構成の結果として、延長させられた処理流路がノズル配列及び被処理物の間に形成され、処理媒体は被処理物の搬送方向へ流れることが保証される。これは処理媒体による被処理物のより効果的な処理を保証する。しかしながら、ノズル孔が入口領域又は出口領域の付近に配置されることは必須ではない。
【0017】
好適には、ノズル配列は、ノズル配列のハウジング壁、好適には少なくとも1個のノズル孔が配置されるハウジング壁及び搬送面間の距離が、被処理物の搬送方向に進むに従い、入口領域及び少なくとも1個のノズル孔間の部分で減少するように構成される。その結果、この部分では、入口領域の方向へ楔形に開口する流路が、ハウジング壁及び搬送面の間に形成される。好適には、ノズル配列はまた、ノズル配列のハウジング壁及び搬送面間の距離間隔が、被処理物の搬送方向において、少なくとも1個のノズル孔及び出口領域間の部分で増加するように構成されることにより、この部分では、出口領域の方向へ楔形に開口する流路が、ハウジング壁及び搬送面間に形成される。
【0018】
好適には被処理物の両側に形成される楔形状の流路、特に上記に言及されている楔形状流路の組み合わせは、ベンチュリ効果と呼ばれるものによって、ノズル配列の入口に付加的な負圧を生成する。ノズル配列は好適には処理媒体内に配置されるので、処理媒体は入口領域の周辺領域から同時に吸引される。処理媒体が吸引される結果として、入口領域のその部分からノズル配列のハウジング壁に向けてクッションが形成されることにより、被処理物及びノズル配列のハウジング壁の間の接触が確実に回避される。
【0019】
好適には、被処理物を経路から外へ曲げかねない渦の形成を避けるべく、ノズル配列入口においてノズル配列の前縁は、面取りが施され或いは丸みが付けられる。
少なくとも1個のノズル孔は好適には、搬送面に沿って搬送方向と直角な幅方向において、幅全体に延出するように構成される。この状況では、幅は被処理物の対応する幅の関数として選択されることにより、被処理物の均一な面処理が保証される。ノズル配列は特に、長穴形状或いは間に距離間隔を備えて相互に隣合うように配置される孔の列として構成されることにより、被処理物の幅全体に亘り均一な処理が保証される。この方向において、ノズル孔は好適には搬送面と平行に配置される。
【0020】
ノズル配列の所望する入口吸引効果のおかげで、流体分配が移動路の幅方向に亘りむら
があるならば、被処理物が一方側に引っ張られ、従って一方側で搬送面を外れ、或いは搬送路の側縁で捕らえられる恐れが生じる。
【0021】
従って処理媒体の良好な分配のためには、ノズル配列が処理媒体の搬送のために、少なくとも1個のノズル孔に沿って延出する媒体流路或いは流体流路を含むならば有利である。好適には媒体流路は、少なくとも1個のノズル孔に沿って相互に間隔があけられた分配孔によって、少なくとも1個のノズル孔に連結される。分配孔は流通抵抗を表し、従ってノズル孔の幅全体に亘る処理媒体の分配を改善する。好適には、分配孔は同じ直径及び同じ長さを有するが、異なる距離を有する。しかしながら、他の構成も可能である。
【0022】
一実施形態によれば、ノズル配列は媒体流路に配置される挿入要素を含み、その転位量は連結孔からの距離間隔が増加するにつれて増加する。この孔は処理媒体の導入又は除去のために設けられる。その結果、連結穴からの距離が増加するにつれて、媒体流路の通過断面、即ち処理媒体の通過に利用できる断面表面積が減少することが保証される。挿入要素はこの状況では、連結孔からの距離間隔が増加するにつれて、通過断面が連続的に或いは段階的に減少されるように構成される。通過断面の連続減少は、例えば対応するように整形されるインサート或いは媒体流路ハウジングの壁厚さの対応する増加によって達成される。通過断面の段階的な減少は、例えば個々の区分或いはセグメントからなるインサートによって、達成される。これらのセグメントは単純な転位体或いは有孔体であり、例えば通過断面は穴の寸法によって決定される。個々のセグメントは接着、溶接、テンションロッド、或いはブレーシングによって組み付けられる。通過断面の段階的減少は、この場合特に、段が対応する分配孔に割り当てられるように構成され、好適には特定段における通過断面の減少は、対応する分配孔による処理媒体流に適応される。従って、媒体流路の通過断面は、特定の時間単位に媒体流路を流通する処理媒体量に適用されることにより、流速及び圧力の均一な分配が得られる。個々のセグメントからの挿入要素の段階的な構成はまた、非常に安価な製造コストという利点を提供する。
【0023】
これに関連して、媒体流路と連結する分配孔が様々な長さを備え、即ち様々な段階の壁厚さを備えたハウジング壁に形成された穴であることも可能である。同様に、少なくとも1個のノズル孔が幅方向に沿って配置される多数の孔を含むならば、個々の孔が様々な長さの流路或いは穴を形成するような構成とされる。少なくとも1個のノズル孔の1個の分配孔或いは相互に隣合うように配置される複数の孔の様々な長さ構成に起因して、様々な流通抵抗値が生じ、流速の更なる同等化に貢献する。穴の間に様々な距離間隔を備えた等しい穴直径も可能である。
【0024】
上述される分配孔は全て同じ直径を有する。しかしながら、流速を調整するという意味で、様々な直径を備えた分配孔を構成することも有利である。これは、分配孔の直径が、媒体流路における流速、及びこれに関連する圧力比に適用されることを意味する。また、様々な直径を備えた弁孔によれば、分配孔の両端には皿穴を備え、皿穴も同様に同じ直径を有する。その結果、流速、また特に分配孔からの出現流速の更なる同等化が果たされる。
【0025】
上記分配孔は、挿入要素又はハウジング壁に対応する穴の形状をなして形成される。挿入要素はその長手方向において、即ち移動方向に沿ってU字形状の断面を備えるように構成されることにより、筋かいが入れられた楕円形状が製造され、ノズル配列のハウジングにクランプによって保持される。
【0026】
長穴形状を備えたノズル孔の場合に、ノズル孔がハウジング壁及び反対側の挿入細片によって形成されるならば、特に有利である。この場合、挿入細片はノズル配列の洗浄のために取り除かれ、従って狭いノズル孔は掃除工具が容易に接近可能とされる。
【0027】
本発明の好適な実施形態によれば、処理流路の断面は被処理物の面と平行に所望の流速となるように適切に整形することにより適応される。これは好適には、挿入細片によって果たされ、挿入細片は取替え可能に構成されることにより、ノズル配列は僅かな労力で、特定の被処理物要件に適応される。
【0028】
処理流路の整形により、負圧が画定領域に生成され得る。これも同様に好適には、少なくとも1個の取替え可能な挿入細片によって果たされる。画定領域における負圧によって、処理媒体が被処理物の止まり穴或いは通過穴に流入或いは流通させられることが可能になる。
【0029】
従って本発明によれば、処理流路の断面が特定の方法に影響されて、画定領域において流速が調整され或いは負圧が生成される。これは好適には、処理流路内において搬送方向に沿った1以上の位置において引き起こされる処理流路の狭小によって達成される。
【0030】
好適な実施形態によれば、長穴形状のノズル孔の出口断面は、ノズルレールによって調整される。ノズルレールは例えば金属或いはプラスチックから形成され、この目的のために、ノズル配列のハウジングに調整可能に位置決めされる。ノズル孔の様々な外形寸法が選択されるように、ノズルレールは取り外し可能に構成されるなら特に好適である。このように、ノズル配列は精確且つ柔軟に、様々な処理要件及び様々な被処理物種類に適応される。
【0031】
好適には、少なくとも1個のノズル孔が、被処理物の搬送方向に対して鋭角の角度で、或いは被処理物と略平行に延出する少なくとも1個のノズル孔流路によって形成されるならば、分配孔も被処理物の搬送面に対して、搬送面に対するノズル孔流路の角度よりも大きい角度をなして配置される分配流路或いは分配穴によって形成される。これに加えて、分配孔或いは分配流路或いは分配穴は、搬送方向において少なくとも1個のノズル孔に対してずれて配置される。これらの方法の結果として、処理媒体流の複数の屈曲が生じる。特にこの結果として、処理媒体流の動態作用に起因して、この媒体が高速流速でノズル孔にノズル孔流路の方向に出現することがない。
【0032】
本発明に係るノズル配列は、被処理物の一方側にノズル孔を備えた単独ノズル配列として、或いは被処理物の両側上において、下側及び上側の各々に1個のノズル孔を備えたノズル配列として構成される。
【0033】
ノズル配列が少なくとも1個の更なるノズル孔を含むならば特に有利であり、この更なるノズル孔は被処理物の搬送面の一方側上に、少なくとも1個のノズル孔の反対側に配置される。この結果として、被処理物はノズル配列を通過した時に、両側から即ち上側及び下側から処理される。これは、両側に印刷された印刷回路基板又はフィルム等、両側に処理を必要とする被処理物に特に有益である。特にこれを行うことにより処理工程が削減されると共に、総処理時間が短縮され、その結果として全般的により少ない努力及び支出が生じる。この状況では、ノズル配列が被処理物の移動面に対して鏡面対称的に構成されるならば特に有利であり、上述したノズル配列の効果が被処理物の両面に得られる。
【0034】
被処理物の止まり穴又は通過穴を処理するために、処理媒体を被処理物の表面と直角に送る少なくとも1個以上の追加ノズル孔が設けられるならば更に有利である。これら追加ノズル孔は上記ノズル孔に対して上流又は下流に配置され、搬送方向への流れ成分の効果を有する。ノズル孔が被処理物の面の両側に設けられる場合には、被処理物の異なる側に配置される追加ノズル孔は、相互に正反対にあり、或いは互いにずれる。追加ノズル孔には調整可能或いは調整不能に、処理媒体が供給される。これは同じ媒体流路を介して行わ
れ、この媒体流路はノズル孔に上述した移動方向への流れ成分を供給する。特定の利点のために、被処理物の通過穴は追加ノズル孔によって処理される。なぜならば、正圧が追加ノズル孔に付随する一方で、例えば負圧が被処理物と反対側の処理流路に存在するからである。代替方法として、別個の供給も設けられる。後者の場合では、処理媒体を送達するために、別個の送達機器或いはポンプも設けられる。
【0035】
ノズル配列の処理流路を通る被処理物の搬送は、ノズル配列の出口領域において、搬送方向への或いは被処理物の面と直角な流れ成分を減少させることにより改善されることが更に示されている。これは好適には、上述した方法に加えて、処理流路の断面がノズル配列の出口領域において拡大されることにより達成される。従って、ノズル配列或いは処理流路を整形することにより、入口領域側での処理媒体の流速が移動方向に沿って連続的に増加する一方で、出口領域側において、流速が連続的に減少するという結果が得られる。これに加えて、出口領域には流れ影響要素が設けられる。流れ影響要素として、ノズル配列の面内或いは面上に形成される突起、阻流板、或いはウェブが有利であることが分かっている。この流れ影響要素のおかげで、流れの渦が回避され、従って被処理物の面と直角であり且つ移動方向への流れ成分が最小化される。流れ影響要素はまた、被処理物への付加的な案内機能を保証する。
【0036】
本発明は、処理媒体の流れが被処理物の移動方向へ引き起こされるようにされており、ノズル配列の処理流路を通る被処理物の移動を効果的に支持するように、処理媒体がノズル配列の入口領域から吸引される。例えば「エンドレス」材料と呼ばれるものとして利用可能な非常に薄い被処理物では、更なる駆動手段、例えばローラ、ホイール、クランプ等を要することなく、このように搬送が達成されることさえ可能である。これに加えて、処理媒体の入口領域の周辺領域からの吸引は、処理媒体の効果的な循環を保証する。入口領域での処理媒体のこの吸引によって達成される容積流は、ノズル孔だけによって作り出されるものよりも大きい。また、本発明に係るノズル配列は、被処理物の非接触搬送を可能にする。
【0037】
ノズル配列は特に、対応する機器或いはシステムの一部として、処理材料としての印刷回路基板或いは印刷回路フィルムの湿式化学的処理での使用に特に適している。ノズル配列は、特別に構成された流れ状態に起因して、被処理物がその意図された搬送路から外へ曲げられないという利点を提供する。これは特に、ノズル配列の入口領域に当てはまる。ノズル配列は更に、ノズル配列の幅に沿った処理媒体の均一な流速及び流量を可能にし、その結果、より均一な処理成果が得られる。また、均一なジェット又はサージ形状寸法が得られ、特にノズル孔への処理媒体流の均一な整列が得られる。最後に大切なことであるが、ノズル配列は極めて小型にできると共に、少数の構成要素から製造され得、その結果として、対応する機器或いはシステムにおける空間的要件及び製造コストが低く抑えられる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0038】
本発明は好適な実施形態に基づき、添付の図面を参照することにより、以下に更に詳細に説明される。
図1Aは本発明の一実施形態に係るノズル配列を示しており、このノズル配列は特に、印刷回路基板又は印刷回路フィルムの水平方向移動を伴う亜鉛めっきシステムのサージノズルとして適当である。ノズル配列は搬送面に沿って延出する2個のノズルを含み、被処理物は搬送面に沿って、入口領域15から出口領域16へ移動させられる。2個のノズルは相互に正反対に、且つ搬送面と鏡面対称的に配置される。2個のノズルの間には処理流路が位置決めされており、被処理物は処理流路を通過させられる。
【0039】
ノズルは各々ハウジング2を含み、ノズル孔8が搬送面と対向する側に設けられる。処
理流体の形態をなす被処理物処理用処理媒体が、連結孔1を介してノズルへ供給される。連結孔1はノズルの表側に配置される。連結孔1から処理流体は流体流路6の形態をなす媒体流路へ進み、流体流路6は分配孔7によってノズル孔に連結される。処理流体の流体流は、図1では矢印11及び11’によって表される。
【0040】
ノズルのハウジング2は各々、ノズル配列の入口領域15の一方側に側壁を含むと共に、出口領域16の一方側に側壁を含む。ノズルのハウジング2はハウジングカバー13によって封鎖されることにより、ハウジング2はハウジングカバー13と共に、流体流路6を封じ込める。流体流路6にはU字形状断面を備えた挿入要素3が配置される。挿入要素3の開放側はこの場合、分配孔7へ流体流路6から自由に接近できるように、ハウジング2のノズル孔8の一方側に配置される。挿入要素は好適にはプラスチックから成ると共に、その外側にノズル及びハウジング2を安定化させるために、同じくU字状の筋かい要素4が設けられる。U字状の筋かい要素4は好適には、例えばステンレス鋼、チタン、ニオブ等、使用される化学物質に対して耐性を有する金属から成る。
【0041】
被処理物10は、矢印18によって表される搬送方向へ、水平な搬送面内にあるノズル配列を通過する。この状況では、処理流体はノズル孔8から斜めに、被処理物10へ運ばれる。その結果、ノズル配列の入口領域15の側方に、吸引効果が作用させられる。ノズル配列は例えば処理流体である流体媒体内に、吸引効果に起因して矢印11’により表されるような追加流体が処理流路へ吸引されるように配置される。
【0042】
図1Bは図1Aからのノズルの一方の拡大部分図を示す。この中では、ノズル孔8はノズル孔流路によって形成されることが特に分かる。ノズル孔流路は被処理物10の搬送面に対して鋭角の角度17を形成する。角度17は搬送方向18に対して開くことにより、処理流体はノズル孔流路によって搬送方向18へ屈曲させられる。分配孔7は各々、ハウジング2に形成された穴の形態をなす分配流路によって形成される。この流路は搬送面に対して角度をなすように配置され、この角度はノズル孔流路の角度17よりも大きい。従って、矢印11によって示されるように、流体流は被処理物10の搬送方向18へ数回屈曲させられる。
【0043】
図2は図1Aに表される断面線A−A’に沿った、即ちノズル配列の幅方向に沿った部分断面の形態をなす、図1A及び図1Bのノズル配列の断面図を示す。図2から判るように、連結孔1は密封リング14を備えた連結ノズルの形態をなすように構成され、処理流体は連結孔1を通り流体流路6へ流入する。とりわけ、挿入要素3は楔形状を備えるように構成されることにより、流体流路の通過断面は、連結孔1からの距離が増加するにつれて減少する。更に、分配孔7は相互に等距離に配置されるハウジング2壁の穴として形成される。この壁の厚さはノズルの幅に沿って一定とされることにより、分配穴7の等しい長さが実現される。
【0044】
図2から分かるように、ノズル孔8はノズルの幅方向に沿って延出する長穴として構成される。
図3は図1Aに示される断面線B−B’に沿った部分断面の形態をなす、図1A、図1B及び図2からのノズル配列の断面図を示す。図3から分かるように、分配孔7は円形断面を備え、相互に等距離に配置される穴である。とりわけ、分配孔7は相互に隣合うように列をなして配置され、入口領域15へ向けて曲げられてノズルの一方側に位置決めされる。
【0045】
従って、図1A及び図1Bにおいて矢印11により示される流体流は、楔形流体流路6から円形断面を備えた分配穴の形態をなす分配孔7を通り、均一な広い長穴として構成されるノズル孔8を通り、被処理物10へ導かれる。分配穴及びノズル孔8の間では、流体
流が平坦な噴流に変形され、噴流は被処理物の幅全体に延在する。
【0046】
楔形挿入要素3の結果として、流速は流体流路6の全ての点において等しく大きいことが保証される。全ての分配孔7は同じ寸法を有するので、極めて均一な噴霧像、即ち均一なジェット又はサージ形状寸法、並びに均一な流体流方向が得られる。
【0047】
流体流の均一な形状寸法は、ベンチュリ効果と呼ばれるものに起因する吸引効果の生成のためには特に重要である。なぜならば、幅方向に沿った不均一な吸引によって、被処理物は斜めに吸引され、その場合、搬送路の側縁で捕らえられる。
【0048】
これを回避するために、表された本発明に係るノズル及びノズル配列は、以下の特徴を有する。
A) ノズル孔8は中心に配置されず、入口領域15付近におけるノズルの横長手端縁に配置される。
B) ノズル孔8はノズル孔流路の形態をなすように構成され、ノズル孔流路は図1Bに示されるように、被処理物10の搬送面に対して鋭角の角度17で配置される。
C) 搬送面に対向するハウジング壁の厚さは、ノズル孔8及び出口領域16の間の部分で、処理流路が搬送方向18において楔形に広がるように減少する。
D) 処理流体での渦の形成を回避するべく、入口領域15及び出口領域16においてノズル端縁は丸みを付けられる。
E) 入口領域15及びノズル孔8の間の部分では、処理流路がこの楔形領域で搬送方向18において狭くなるように、搬送面に対向するハウジング壁の厚さは増加する。
【0049】
これはとりわけ、入口領域及び出口領域の両方が、図1Aに示す鏡面対称的なノズル配列を伴い、漏斗形状を呈する。
被処理物へ向けて湾曲させられたノズル外形寸法のこの特別な形状の結果として、ノズル配列の入口領域15には負圧が生成され、この負圧は図1Aにおいて矢印11’により示されるように、ノズル配列の周辺領域から処理流路への流体及び被処理物の吸引を引き起こす。とりわけ入口領域15における処理流路の楔形状或いは漏斗形状の結果として、ノズル孔8へ向かう流速が増加する。流れ及びノズルの丸形端縁の結果として、特に薄い被処理物がノズル側壁に衝突しないことが確実にされる。入口領域15におけるノズル配列の吸引効果に起因して、ノズル孔8を通り流出するよりも多くの処理流体が処理流路を通り吸引される。これは被処理物への損傷を阻止するだけでなく、処理速度を上昇させ、その結果、従来のノズル配列を伴う場合よりも短い処理時間が達成される。例えば負圧によって、止まり穴に存在する空気又は処理によって形成されるガスが吸引され、従って、処理流体による表面の湿潤が改善される。
【0050】
ノズル配列の出口領域では、処理流路の幅が増加するにつれて、流速は減少する。
入口領域15側並びに出口領域16側の両方で、コンベアローラがノズル配列の隣に配置される。コンベアローラは隣接した処理ステーションから又は隣接した処理ステーションへの被処理物の信頼ある移動を保証する。
【0051】
図4は本発明の別並びに特定の好適な実施形態に係るノズル配列の断面図を示す。図4は図5においてC−C’として表される線に沿った部分断面である。図1〜図3に示す実施形態のノズル配列の同様な特徴及び構成要素は、同じ符号で表されると共に、それらに対して以下に更なる説明は為されない。
【0052】
図1〜図3に基づいて説明された実施形態からの発展として、図4からのノズル配列は処理流路6に、ノズル孔8の側方に配置される挿入要素3aを有する。第1分配穴9は挿入要素3aに設けられており、処理流体は第1分配穴9を通り流体流路6から屈曲流路5
へ導かれる。屈曲流路5は挿入要素3aを対応して深くすることにより形成される。ここから、処理流体は第2分配穴7を通過してノズル孔8へ至る。第2分配穴7は図1〜図3からの実施形態の分配孔に対応する。第1分配孔9は第2分配孔7及びノズル孔8に対して搬送方向18へずれて配列される。この結果、約90の流体流通の第1屈曲が第1分配孔9から屈曲流路5まで発生すると共に、約90の第2屈曲流通が屈曲流路5から第2分配孔7まで発生する。処理流体が第2分配孔7からノズル孔流路へ導かれた時に、第3屈曲が発生する。この結果、被処理物10の搬送面に対して斜めの所望の流体流方向が、たとえ処理流体のより高速な流速時であっても保証される。
【0053】
図4に示すノズル配列によれば、被処理物10と対向するノズルの面は挿入細片12によって形成される。挿入細片12は鳩尾形ガイドを有し、このガイドはこの側で同様に鳩尾形に構成されるノズルのハウジング2に挿入される。ノズル孔8は一方側が挿入細片12の端縁によって形成されると共に、他方側がハウジング2の反対縁によって形成されることにより、長穴形のノズル孔8がノズル幅に沿って配置されるように製造される。被処理物10の搬送面と対向する挿入要素の側面は、図1〜図3からのノズル配列の対応するハウジング壁について先に説明されたものと同じ形状を有する。この結果、同じ有利な流れ効果が達成されることが保証される。
【0054】
ノズルを洗浄するために、挿入要素12が取り除かれることにより、第2分配孔7へ自由に接近できる。
図5は、図4において示される断面線B−B’に沿った部分断面の形態をなす、図4からのノズル配列の側面図を示す。図5から分かるように、特に挿入要素3aの第1分配孔9は、ノズル配列の幅方向に沿って相互に等距離に配置される。挿入要素3aの楔形状に起因して、分配穴の様々な長さは各々で、個々の第1分配孔9を結果的に生じさせる。挿入要素3aの楔形状はこの場合、連結孔1からの距離が増加するにつれて、流体流路6の通過断面が減少されるように構成される。これは、分配孔が長くなるにつれて、連結孔1から離間させられることを意味しており、その結果、より大きな圧力降下が分配穴全体に同様に発生する。これは特に、連結孔1と反対側の流体流路8端へ向けて、均一化効果を有する。また、挿入要素3aの楔形は、この端における流体流路の残りの高さが零ではなく、連結孔1からもっとも離れたこの地点で、好適には2〜8ミリメートルの最終値を有するように構成される。
【0055】
図6は図4に示される断面線A−A’に沿った部分断面の形態をなす、図4及び図5からのノズル配列の側面図を示す。図6から分かるように、第1分配孔9は搬送方向18に対して、ノズル中心に形成された列に沿って配列される。しかしながら、第2分配孔7は図1〜図3からの実施形態に基づいて既に説明したように、入口領域の方向にずれて配置される。その結果、既に説明したように、流体流の有利な複数の屈曲が生成される。第1及び第2分配孔7,9は、図6から分かるように、円形断面を備えた分配穴である。本実施形態では、第1及び第2分配孔7,9は同じ直径を有する。第2分配孔7が第1分配孔9の直径と異なる直径を有するように構成されるならば、また有利である。第1分配孔9及び第2分配孔7が各々、相互に異なる直径又は異なる距離間隔を有するならば、また有利である。
【0056】
ノズル配列の後者の実施形態によれば、様々な厚さの導電フィルムを用いる多くの試験において、極めて良好な結果が得られる。この状況では、印刷回路フィルムが吸引によって取り上げられた直後に、導電フィルムの搬送速度は負圧によって実質的に増加させられることが分かっている。高速搬送速度にも拘わらず、印刷回路フィルムには損傷が生じなかった。コンベアローラの追加使用により、曲がった印刷回路フィルムでさえ、損傷又は故障を生じさせることなく、吸引効果によってノズル機器へ引っ張られ、且つ所定の搬送路上においてノズル配列を通過したことが観察された。
【0057】
ここで注目すべきであるが、先に説明した方法又はノズル配列の特徴の一部のみの実現によって、処理流体の適当な均一供給及び吸引効果が、特定の用途で既に達成され得ることにより、被処理物は化学処理の間に、ノズル配列を通り確実に案内される。
【0058】
本発明の基本概念から逸脱することなく、図面に表された実施形態への変更の範囲も、当然のことながら考えられる。
従って例えば、連結孔1がノズル配列の幅方向に対してハウジング2の中心に配置されることにより、処理流体の供給は中心に発生する。この変形例では、ハウジング2の内部における流体流路6の通過断面は次に、中央の連結孔1から開始してノズル配列の2個の端部即ち両側へ向かうに従って減少すると共に、挿入要素3又は3a夫々の厚さは、中央の連結孔1から開始して2個の端部へ向かうに従って増加することにより、挿入要素3aの分散穴9長さは両側で増加する。
【0059】
これに加えて、図示する実施形態では、流体流路6の連続的に減少する通過断面は、挿入要素3又は3aの夫々の高さを増加するだけで、実現される。また当然のことながら、流体流路6の幾つかの側壁は、ノズルの幅方向において増加する壁厚さを有することが考えられる。これに加えて、より少ない要求によって、更なる圧力分配のための屈曲流路5が省略される。
【0060】
流速の均一性を改善するために、長穴状のノズル孔8には変化する幅が備えられており、特に連結孔1から開始してノズルの幅方向に、幅が減少する。
上述したように、分配孔7又は9はまた、様々な直径を有するように構成されており、特に連続的に増加する流通抵抗を実現するために、対応する分配孔7又は9の直径の減少が考えられる。
【0061】
流体流路6の境界を定める分配孔7又は9夫々の側方において、装置にはまた、より大きな直径を有する皿穴が設けられる。ノズルの幅方向において連続的に増加する流通抵抗を得るために、これら皿穴は様々な深さ、特にノズルの幅方向において連続的に増加する深さを備える。
【0062】
また、連結孔1近くの分配孔が連結孔1から遠く放れたところの分配孔よりも小さい距離間隔を有するように、分配孔間の距離間隔が変化させられることも可能である。
また、図面に表されている筋かい4に代えて、より厚いハウジング壁が使用されるならば、筋かいを省略することも可能である。挿入要素3又は3a夫々及びハウジング2が一片として構成されることも考えられる。最後に、図示する実施形態において、1個の長穴形ノズル孔8のみがノズルの幅方向に延出するように設けられる場合も実際にあるという事実について、参照されるべきである。しかし、ノズルの幅方向に配列され、例えば相互に均一な距離間隔で配列される幾つかの長穴も使用できる。適当であるならば、相互に隣同士に配列される丸孔も使用できる。
【0063】
また、楔形状に延在する処理流路が、ノズル及び被処理物10の間に設置され、或いは漏斗形状の処理流路進路夫々が2個のノズル間に、ノズルの斜め配置及び夫々の対向面の対応調節によって形成されることも可能である。特にこの状況では、上側ノズル及び下側ノズルの非対称配列も有利である。
【0064】
図7は本発明に係るノズル配列の別の実施形態を示しており、この実施形態は図1Aに基づいて説明されたものと基本的に一致する。同様の構成要素は同じ符号で示される。しかしながら、図1Aからの発展として、ノズル孔8は調整可能に構成される。分配孔7は搬送方向18に対して斜めに、流体流路からノズル配列の入口領域15の方向に延出する
。分配孔7はノズル配列の幅方向に沿って変化する距離間隔を有し、その幅が大きくなる程、連結孔1から遠く離れたところにある。
【0065】
ノズルレール20はハウジング2の前ハウジング壁に調整可能に配列される。ノズルレール20は前ハウジング壁に沿って、当初は被処理物10の移動面と直角な方向に延出し、次に前縁領域へ移行するべく、搬送方向へ湾曲する。ノズルレール20の前縁領域内面は分配孔7と対向する一方、前縁領域外面はノズル配列の入口領域15の前縁を形成すると共に、被処理物10と対向する。従って、ノズル孔8はノズルレール20及びハウジング壁によって境界が定められる。
【0066】
ノズルレール20は調整可能にハウジング壁に取り付けられる。特に、ノズルレール20は設置ねじ21によって、搬送面と直角な方向に外される。調整可能な配置は例えば、ノズルレール20の長手穴によって保証され、設置ねじはこの長手穴に差し込まれる。このようにして、ノズルレール20は設置ねじ21を開放してノズルレール20を移動させ、次に設置ねじ21を締結することにより新しい位置に固定され、その結果、一方ではノズル孔8の断面が変化させられ、他方では前縁領域の外面及び被処理物10の搬送面間の距離が変化させられる。従って、ノズルレール20によって、ノズル孔8の断面及び入口領域15における処理流路断面の両方が調整される。ノズルレール20の調整可能な取り付けの他の実施形態も、当然のことながら考えられる。例えば、ハウジング壁のノズルレール20が位置決めされる部分は、搬送面に対して斜めに延在する。
【0067】
これに加えて、ノズルレール20は様々な方法で整形される。これは特に前縁領域に関連し、被処理物10の搬送方向18へ湾曲させられる。従って、前縁領域には様々な湾曲が備えられる。ノズルレール20の斜め配置によれば、ノズルレール20の基本的非湾曲形状も考えられる。
【0068】
好適には、様々な種類の被処理物のために、また様々な加工要件のために、様々な種類のノズルレール20が設けられ、このノズルレール20はノズル配列のハウジング2に取替え可能に嵌合される。このようにして、個々の要件に対するノズル配列の調整の精度及び柔軟性が増加される。
【0069】
図1Aと同じく、ノズル配列は被処理物の搬送面に対して両側に配置される。特にこれは、1個のノズルが搬送面の上側に配置されると共に、1個のノズルが搬送面の下側に配置されることを意味する。しかし当然のことながら、ノズル配列が1個のノズルのみを含むことも可能であり、このノズルは図1Bに従って、被処理物の一方側に配置される。これに加えて、図7に示されるノズル配列には、図4に基づいて説明されたような、挿入細片も設けられる。この場合、ノズル孔8はノズルレールの縁及び挿入細片12によって境界が定められる。
【0070】
ノズル配列が搬送面の一方側のみに配置されるならば、被処理物は例えばローラ、ホイール又はガイドレールによって、反対側で付加的に支持される。被処理物の一方側への負圧は、被処理物に形成される最も小さい通過穴に至るまでもの良好な洗浄を導く。
【0071】
図8は本発明の更なる実施形態に係るノズル配列を示す。図1〜図7のものに対応する構成要素は、同じ符号によって指し示される。図8に示されるノズル配列は、図7に基づいて説明されたものに対応するが、ノズルは各々追加ノズル孔22を有し、ノズル孔22は被処理物10の搬送面と直角な方向へ処理流体を放出するように構成される。追加ノズル孔22は、処理流体の流れが被処理物の貫通穴、例えば通過穴又は止まり穴に集中させられるようにする。このようにして、被処理物10に形成された穴の領域において、被処理物10のより効果的な処理が達成される。
【0072】
図8では、相互に対向する上側ノズル及び下側ノズルに、追加ノズル孔22が配置される。この構成は、例えば止まり穴の処理において有利である。しかしながら代替方法として、追加ノズル孔2が相互にずれて配置されることも可能であり、連続流が被処理物10の通過穴を通り形成される場合ならば、特に有利である。
【0073】
図8に示されるノズル配列によれば、処理流体は流体流路6を経由して追加ノズル孔22へ供給され、流体流路6は処理流体をノズル孔8へ供給するのにも役立つ。代替方法として、追加ノズル孔22への処理流体の別個の送達も可能である。この目的のために、流体流路6は例えば、ここには図示されていない隔壁によって、2個の別個の流路に分割される。これに加えて、追加ノズル孔22を通る処理流体流が、ノズル孔8を通る処理流体流と別々に調整又は制御されるようにする手段も設けられる。処理流体の追加ノズル孔22への別個の送達によれば、特に別個の送達機器又は送達ポンプが設けられ得る。
【0074】
図8に示されるノズル配列は対称的な構成を有しており、被処理物10の搬送面の上側及び下側にノズルを備え、これらのノズルは搬送面に対して鏡面対称的に構成される。しかし上述したように、ノズル配列が搬送面に対して対称的に構成されることは、必ずしも要求されない。これは例えば、図9に示される実施形態に関する場合である。
【0075】
図9は2個のノズルから成るノズル配列を示しており、ノズルは被処理物10の搬送面に対して両側に配置されると共に、異なる構成を有する。図1〜図8の構成要素に対応する構成要素にはまた、同じ符号が付されている。搬送面の下側に配置されたノズルは、その構成が図7に示されたものと対応する。しかしながら、被処理物10の搬送面の上側には、異なる構成を備えたノズルが配置される。特に、ノズルには1個のノズル孔23のみが備えられている点において、このノズルは搬送面の下側に配置されたノズルと異なる。ノズル孔23は処理流体を被処理物10の搬送面と直角に放出する。その結果、処理流体が略直角に出現する搬送面の側では、負圧が生成される。特に薄い被処理物では、図面には示されない付加的な案内要素又は支持ホイールが、負圧を伴う搬送面側に位置決めされる。従って、被処理物10の搬送が効果的に支持される一方で、搬送面の上側に配置されるノズルは、そのノズル孔23の構成に関して柔軟性を有すると共に、それに対向する被処理物10の表面処理における特別な要件に適合するように調整される。従って全体的に、本発明に係るノズル配列の構成に関して、高い柔軟性が付随する。
【0076】
また、図1〜図9に示されるノズル配列の入口領域又は出口領域には、案内要素が設けられることも可能であり、案内要素は一方では処理流体の乱流を減少させ又は阻止するのに役立ち、他方では被処理物10の案内機能をも提供する。案内要素は例えば、被処理物10に対向するノズルハウジング面上におけるウェブ又は突起形状をなすように構成される。これらのウェブは移動方向18と平行に整列されるが、処理流体流の適切な案内を保証するべく、これから反れる。特に出口領域16では、処理流路が一般的には広がっており、案内要素が搬送流路を画定し、その断面が処理流路の断面よりも小さくなるように構成されるならば有利である。従って、被処理物の移動は搬送面と直角な比較的小さい領域に制限される一方で、処理流体流のための更なる空間が案内要素間に得られる。案内要素を供給するおかげで、特に被処理物10の改良された案内が、ノズル配列の出口領域16において達成される。案内要素はまた、ホイール又はローラを含む。
【0077】
また、案内要素はローラ又はホイールと結合されることも可能であり、案内要素はくし状に構成されると共に、ホイールはくし状構成のウェブ間に配置される。また更に、凹部を備えたホイール又はローラが、ウェブ間のこのくし状構成の端部において突出することも可能である。これらの手段は入口領域15、また特に出口領域16において、被処理物10の案内を改善するのに適している。これは被処理物10がその搬送面から外れて容易
に曲がられる薄膜状の材料であるならば、特に有利である。
【0078】
図1〜図9に基づいて説明されたノズル配列は、全ての場合において、ノズル配列から被処理物10への処理流体の送達に関する。しかしながらノズル配列は、被処理物10の搬送方向又はノズルの配列が逆にされるならば、被処理物10からノズル配列への処理流体の吸引による除去のためにも同様に機能する。これは、処理の間に、分解物が発生し、或いは固形物が運び去られるならば、特に有利である。処理流体のノズル配列への吸引により、分解物又は固形物が携行され、最速で例えば再生ユニット又はフィルタへ進み、そこで固形物を取り除く。従って、これらの物質に起因する処理結果の欠陥は、殆ど完全に排除される。
【0079】
更に、たとえ上記実施形態が処理流体による処理物の処理のためのノズル又はノズル配列に関するとしても、本発明はこれに限定されない。むしろ、本発明に係るノズル配列は、気体処理媒体又は流体及び気体処理媒体の混合物にも適している。従って、例えば可撓性薄層被処理物を乾燥するために温風が使用され、(斑点又はしみの形成に対する保護として)加湿のための処理媒体として水と空気の混合物が使用される。これに加えて、本発明に係るノズル配列は、処理媒体の均一な分配に起因して、被処理物表面への化学的効果を作用させる他の気体での処理にも適している。
【0080】
示されたノズル配列によれば、処理媒体の搬送は水平方向だけでなく垂直方向にも果たされる。その場合、流れを均一に適用させるために、分配孔及び調整可能なノズルレールを通る流れの分配に関して、垂直方向に位置決めされたノズルの測位圧力差に対して注意が払われなければならない。従って、従来からの「垂直型システム」での使用は可能であり、このシステムでは板が異なる処理タンクへ個々に下降され、或いはラックに相互に隣同士で取り付けられる。この状況では、入口領域における吸引効果及びノズルの他の効果が役に立つ。
【0081】
気体処理媒体の場合では、ノズル配列が気体媒体、例えば気体処理媒体内に配置されると有利である。
当然のことながら、図1〜図9に基づく上記ノズル配列は、相互に組み合わされることも可能である。特に、幾つかのノズル配列が並列に、被処理物の搬送路に沿って配置される。これらノズル配列は好適には、補完的な処理域を画定する。
【0082】
例えば、処理域は片面又は両面上における泥粒子のノズル孔への吸引除去用に構成される。更なる処理域は、流体によって引き起こされる負圧によって、片面又は両面上におけるガスの止まり穴からの吸引除去用に構成される。別の更なる処理域は、上記に説明したように、被処理物の一方側において正圧が形成されると共に、被処理物のもう一方側において負圧が形成されて、通過穴を洗浄するように構成される。
【0083】
当然のことながら、1個のノズル配列に幾つかの処理域が形成されることも可能である。
また、処理媒体の流れ、即ち時間単位毎にノズル孔或いはノズル配列に送られる処理媒体の量、及び処理媒体の圧力が、被処理物の性質の関数として制御又は調整されるならば好適である。この状況では、特に被処理物の厚さ、止まり穴又は通過穴の存在、及び泥汚染の程度全てが考慮される。
【0084】
この状況では、被処理物の搬送路からの横方向への屈曲が阻止されるように、ノズル配列内部の幾つかのノズル列の処理媒体の流れ及び/又は圧力が別々に制御又は調整されることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】Aは2個のノズルが図2に表される断面線C−C’に沿った部分断面を備えた状態における、本発明に係るノズル配列の一実施形態を示す側面図。Bは図1Aに表されるノズルの1個を示す拡大断面図。
【図2】図1Aに表される断面線A−A’に沿った部分断面における、図1Aからの実施形態を示す断面図。
【図3】図1Aに表される断面線B−B’に沿った部分断面における、図1Aからの実施形態を示す断面図。
【図4】図5に表される断面線C−C’に沿った本発明に係るノズル配列の別の実施形態を示す断面図。
【図5】図4に表される断面線B−B’に沿った部分断面における、図4からの実施形態を示す断面図。
【図6】図4に表される断面線A−A’に沿った部分断面における、図4からの実施形態を示す断面図。
【図7】調整可能なノズルレールを備えた本発明に係るノズル配列の別の実施形態を示す断面図。
【図8】追加ノズル孔を備えた本発明に係るノズル配列の別の実施形態を示す図。
【図9】搬送面の両側に配置されるノズル配列の一部が異なる構成を備えた、本発明に係るノズル配列の別の実施形態を示す図。
【符号の説明】
【0086】
1 連結孔1
2 ハウジング
3,3a 挿入要素
4 筋かい
5 屈曲流路
6 流体流路
7 分配孔
8 ノズル孔
9 分配孔
10 被処理物
11,11’ 流体路
12 挿入細片
13 ハウジングカバー
14 密封リング
15 入口領域
16 出口領域
17 角度
18 搬送方向
19 流体路
20 ノズルレール
21 設置ねじ
22,23 追加ノズル孔
【図1A】

【図1B】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理媒体を用いた被処理物処理用ノズル配列であって、該被処理物(10)は搬送面内において、該ノズル配列の入口領域(15)から出口領域(16)まで搬送方向(18)へ搬送され、
少なくとも1個のノズル孔(8)を含み、該ノズル孔(8)は、前記処理媒体の該ノズル孔(8)を通る流れが、前記被処理物(10)の搬送面に対して斜めとなる所定の角度で移動するように構成されることにより、該処理媒体の流れが該被処理物(10)の搬送方向(18)へ屈曲させられる
ことを特徴とするノズル配列。
【請求項2】
前記少なくとも1個のノズル孔(8)は少なくとも1個のノズル孔流路によって形成され、該ノズル孔流路は前記被処理物(10)の搬送面に対して鋭角の角度(17)をなして延出することを特徴とする請求項1に記載のノズル配列。
【請求項3】
前記角度(17)は最大で80度に達することを特徴とする請求項2に記載のノズル配列。
【請求項4】
前記少なくとも1個のノズル孔(8)は前記処理媒体を放出するように構成され、且つ前記角度(17)は前記被処理物(10)の搬送方向(18)に対して開くことを特徴とする請求項2又は3に記載のノズル配列。
【請求項5】
前記少なくとも1個のノズル孔(8)は、前記搬送面に沿って延出するハウジング壁に、該少なくとも1個のノズル孔(8)及び前記入口領域(15)間の距離が、該少なくとも1個のノズル孔(8)及び前記出口領域(16)間の距離よりも短くなるように配置されることを特徴とする請求項4に記載のノズル配列。
【請求項6】
前記少なくとも1個のノズル孔(8)は前記処理媒体を受け入れるように構成され、且つ前記角度(17)は前記被処理物(10)の搬送方向(18)に開くことを特徴とする請求項2又は3に記載のノズル配列。
【請求項7】
前記少なくとも1個のノズル孔(8)は前記搬送面に沿って延出するハウジング壁に、該少なくとも1個のノズル孔(8)及び前記出口領域(15)間の距離が、該少なくとも1個のノズル孔(6)及び入口領域(16)間の距離よりも短くなるように配置されることを特徴とする請求項6に記載のノズル配列。
【請求項8】
前記ノズル配列は、該ノズル配列のハウジング壁及び前記搬送面間の距離が、前記入口領域(15)及び前記少なくとも1個のノズル孔(8)間の部分において、前記被処理物(10)の搬送方向に進むに従い減少するように構成されることにより、この部分において、該入口領域(15)の方向へ楔形に開口する流路が該ハウジング壁及び該搬送面間に形成されることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載のノズル配列。
【請求項9】
前記ノズル配列は、該ノズル配列のハウジング壁及び前記搬送面間の距離が、前記少なくとも1個のノズル孔(8)及び前記出口領域間の部分において、前記被処理物(10)の搬送方向に進むに従い増加するように構成されることにより、この部分において、該出口領域の方向に楔形に開口する流路が該ハウジング壁及び該搬送面間に形成されることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載のノズル配列。
【請求項10】
前記少なくとも1個のノズル孔(8)は、前記搬送面に沿って、前記搬送方向(18)と直角な方向において幅全体に延出することを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一項に
記載のノズル配列。
【請求項11】
前記少なくとも1個のノズル孔(8)は長穴形状に構成されることを特徴とする請求項10に記載のノズル配列。
【請求項12】
前記長穴は前記ノズル配列のハウジング壁及び取り外し可能な細片(12)によって形成されることを特徴とする請求項11に記載のノズル配列。
【請求項13】
前記長穴は少なくとも一方の側において、ノズルレール(20)によって境界が定められ、該ノズルレール(20)は調整可能に前記ノズル配列のハウジング壁に位置決めされることを特徴とする請求項11に記載のノズル配列。
【請求項14】
前記ノズル孔の様々な形状寸法を選択できるように、前記ノズルレール(20)は交換可能であることを特徴とする請求項13に記載のノズル配列。
【請求項15】
前記ノズルレール(20)は前記入口領域(15)において、前記ノズル配列の前縁を画定することを特徴とする請求項13又は14に記載のノズル配列。
【請求項16】
前記少なくとも1個のノズル孔(8)は幾つかの孔を含み、該幾つかの孔は前記搬送方向(18)と直角であり且つ前記搬送面と平行な方向に沿って、相互に間隔があけられることを特徴とする請求項10に記載のノズル配列。
【請求項17】
前記ノズル配列は、前記少なくとも1個のノズル孔(8)に沿って延出し前記処理媒体を搬送する媒体流路(6)を含み、該媒体流路(6)は該少なくとも1個のノズル孔(8)に沿って相互に間隔があけられた分配孔(7,9)によって、該少なくとも1個のノズル孔(8)に連結されることを特徴とする請求項10乃至16のいずれか一項に記載のノズル配列。
【請求項18】
前記媒体流路(6)は、前記処理媒体の送達又は除去夫々のために設けられる連結孔(1)からの距離が増加するにつれて、該媒体流路(6)の通過断面が減少するように構成されることを特徴とする請求項17に記載のノズル配列。
【請求項19】
前記ノズル配列は前記媒体流路(6)に配置される挿入要素(3,3a)を含み、該挿入要素(3,3a)の転位量は前記連結孔(1)からの距離間隔が増加するにつれて増加することを特徴とする請求項18に記載のノズル配列。
【請求項20】
前記少なくとも1個のノズル孔(8)は少なくとも1個のノズル孔流路によって形成され、該ノズル孔流路は前記被処理物(10)の搬送面に対して鋭角の角度(17)で延出し、
前記分配孔(7)は分配流路によって形成され、該分配流路は前記被処理物(10)の搬送面に対して、前記ノズル孔流路の前記搬送面に対する角度(17)よりも大きい角度で配置されることを特徴とする請求項17乃至19のいずれか一項に記載のノズル配列。
【請求項21】
前記分配孔(9)は、前記少なくとも1個のノズル孔(8)に対して、前記被処理物(10)の搬送方向(18)にずれることを特徴とする請求項17乃至20のいずれか一項に記載のノズル配列。
【請求項22】
前記ノズル配列は少なくとも1個の更なるノズル孔(8)を含み、該更なるノズル孔(8)は前記被処理物(10)の搬送面の前記少なくとも1個のノズル孔(8)と反対側に配置されることを特徴とする請求項1乃至21のいずれか一項に記載のノズル配列。
【請求項23】
前記ノズル配列は前記被処理物(10)の搬送面に対して鏡面対称的に構成されることを特徴とする請求項22に記載のノズル配列。
【請求項24】
前記ノズル配列は追加ノズル孔(22,23)を含み、該追加ノズル孔(22,23)は前記処理媒体を前記被処理物(10)の搬送面に対して直角に放出するように構成されることを特徴とする請求項1乃至23のいずれか一項に記載のノズル配列。
【請求項25】
前記ノズル配列は前記被処理物(10)としての印刷回路基板又は印刷回路フィルムの湿式化学的処理のための機器で使用するように構成されることを特徴とする請求項1乃至24のいずれか一項に記載のノズル配列。
【請求項26】
印刷回路基板又は印刷回路フィルムの湿式化学的処理用機器であって、
請求項1乃至25のいずれか一項に記載のノズル配列を含むことを特徴とする機器。
【請求項27】
処理媒体による被処理物の処理方法であって、該被処理物(10)は搬送面内において、ノズル配列の入口領域(15)から出口領域(16)まで搬送方向(18)へ移動させられ、
前記ノズル配列のノズル孔(8)によって放出され或いは受け取られる前記処理媒体の流れを、前記被処理物(10)の搬送方向(18)へ屈曲させる工程を含む
ことを特徴とする方法。
【請求項28】
前記処理媒体は前記被処理物(10)の搬送面に対して1から30の所定の鋭角の角度で放出され或いは受け取られることを特徴とする請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記角度(17)は最大で80に達することを特徴とする請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記方法は、前記ノズル配列の処理流路の画定された少なくとも一領域で、負圧を生成するために、該ノズル配列の整形を適応する工程を含むことを特徴とする請求項27乃至29のいずれか一項に記載の方法。
【請求項31】
前記処理媒体が前記ノズル配列の入口領域(15)の周囲から吸引されるように、前記負圧は該入口領域(15)に生成されることを特徴とする請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記方法は、
前記処理媒体の流速を調整するために、前記ノズル配列の整形を適応する工程を含む
ことを特徴とする請求項27乃至31のいずれか一項に記載の方法。
【請求項33】
前記方法は、
前記ノズル配列の特定の領域において、前記被処理物の一方側に負圧が生成されると共に、反対側に正圧が生成されるように、前記ノズル配列の整形並びに前記ノズル孔(8)及び前記少なくとも1個の追加ノズル孔(22;23)の位置決めを適応する工程を含むことを特徴とする請求項27乃至32のいずれか一項に記載の方法。
【請求項34】
前記方法は、
前記ノズル配列に供給される前記処理媒体の流れを制御する工程を含むことを特徴とする請求項27乃至33のいずれか一項に記載の方法。
【請求項35】
前記方法は、
前記ノズル配列に供給される前記処理媒体の圧力を制御する工程を含むことを特徴とす
る請求項27乃至34のいずれか一項に記載の方法。
【請求項36】
前記ノズル配列は請求項1乃至26のいずれか一項に従い構成されることを特徴とする請求項27乃至35のいずれか一項に記載の方法。

【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2007−517649(P2007−517649A)
【公表日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−548263(P2006−548263)
【出願日】平成17年1月13日(2005.1.13)
【国際出願番号】PCT/EP2005/000269
【国際公開番号】WO2005/069704
【国際公開日】平成17年7月28日(2005.7.28)
【出願人】(503037583)アトテック・ドイチュラント・ゲーエムベーハー (55)
【氏名又は名称原語表記】ATOTECH DEUTSCHLAND GMBH
【Fターム(参考)】