説明

処理液供給装置

【課題】処理液の無駄をなくすことができると共に、廃液中に溶存するガスを効率的に除去でき、かつ処理液の種類に影響を受けることなく処理の最適化が図れると共に、処理効率の向上が図れるようにする。
【解決手段】気体供給管路6aを介してN2ガス供給源71に接続される薬液ボトルと、被処理基板に処理液を供給する供給ノズル70aとを接続する供給管路7a,7bにバッファタンク2とフィルタ3を介設する。バッファタンクを大気側に連通可能に形成すると共に、気体供給管路6bを介してN2ガス供給源71とバッファタンクとを接続する。フィルタ3に接続するドレイン管路7cと、ドレイン管路から分岐され、薬液ボトルとバッファタンクとの間の供給管路に接続する戻り管路8aとからなる循環管路8を設け、循環管路に設けた可変絞り9によって循環管路中を流れるレジスト液の液圧を低下してレジスト液中に溶存する気体を気泡化して除去する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば半導体ウエハや液晶ディスプレイ用のガラス基板(FPD基板)等の被処理基板にレジスト液や現像液等の処理液を供給する処理液供給装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、半導体デバイスの製造のフォトリソグラフィ技術においては、半導体ウエハやFPD基板等にフォトレジストを塗布し、これにより形成されたレジスト膜を所定の回路パターンに応じて露光し、この露光パターンを現像処理することによりレジスト膜に回路パターンが形成されている。
【0003】
このようなフォトリソグラフィ工程において、レジスト液や現像液等の処理液をウエハ等に供給する装置として、処理液が貯留された処理液貯留容器と処理液供給ノズルとを接続する供給管路に、リキッドエンドセンサ、供給ポンプ、処理液を濾過して気泡を除去するフィルタ及び吐出ポンプを介設し、フィルタと吐出ポンプに混入している気泡を含む処理液を、戻し管路を介して貯留容器側の供給配管に戻すことで、泡の除去を行う構造のものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、別のこの種の装置として、処理液貯留容器と処理液供給ノズルとを接続する供給管路に、リキッドエンドセンサ、トラップタンク、ポンプ及びフィルタを介設し、ポンプの循環口とトラップタンクに接続される循環配管を具備し、トラップタンクによって処理液中の気泡を除去する構造のものが知られている(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2001−77015号公報(特許請求の範囲、図12,図13)
【特許文献2】特開2001−269608号公報(特許請求の範囲、図17)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、この種の処理液供給装置においては、処理液の供給が一定の状態すなわち処理液中に溶存するガスを除去(脱気処理)して一定量を供給することができ、かつ処理効率の向上を図ることが重要である。
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の技術においては、フィルタから廃液される処理液の無駄を省くことができるが、戻された処理液は再びフィルタによって泡抜きされるため、処理液中に溶存するガスを効率良く除去することができないという懸念がある。
【0007】
また、特許文献2に記載の技術においては、循環配管によってポンプから戻された気泡を含む処理液中の気泡をトラップタンクによって除去すると共に、ポンプの二次側に配設されたフィルタによって処理液中の気泡を除去することができるが、フィルタによって気泡を完全に除去することができないという懸念がある。また、特許文献2に記載の構造においては、ポンプの構造が特定される、すなわち上部に気泡を分離するための循環口を設け、下部に吐出口を設けた構造のものに特定され、目的に応じたポンプを使用できないという懸念もある。
【0008】
また、この種の処理液供給装置における泡抜き処理を行うタイミングは、処理の開始前、所定の処理を行った後又は処理液貯留タンクの交換後等である。しかしながら、所定の処理を行った後の泡抜き処理においては、処理液の種類によってはガスの発生しやすさが異なるため、処理液毎の泡抜き処理すなわち供給ノズルからの処理液の吐出回数や吐出時間毎の設定を行う必要があり、処理液毎によって異なる処理の最適化を図る必要がある。
【0009】
この発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、フィルタから廃棄される処理液の無駄をなくすことができると共に、廃液中に溶存するガスを効率的に除去でき、かつ処理液の種類に影響を受けることなく処理の最適化が図れると共に、処理効率の向上が図れるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、この発明の処理液供給装置は、被処理基板に処理液を供給する供給ノズルと、上記処理液を貯留する処理液貯留容器と、上記供給ノズルと処理液貯留容器とを接続する供給管路と、気体供給管路を介して上記処理液貯留容器内の処理液を加圧して処理液を圧送する加圧気体供給源と、上記供給管路に介設され、上記処理液貯留容器から圧送された処理液を一時貯留する一時貯留容器と、上記一時貯留容器の二次側の供給管路に介設され、上記処理液を濾過して異物を除去すると共に、処理液中に混入している気泡を除去するフィルタと、上記フィルタの二次側の供給管路に介設されるポンプと、を具備する処理液供給装置において、 上記一時貯留容器を大気側に連通可能に形成し、 上記フィルタに接続するドレイン管路と、このドレイン管路から分岐され、上記処理液貯留容器と一時貯留容器との間の供給管路に接続する戻り管路とからなる循環管路と、 上記加圧気体供給源と上記一時貯留容器とを接続する第2の気体供給管路と、 上記循環管路に介設され、該循環管路中を流れる処理液の液圧を低下して処理液中に溶存する気体を気泡化する絞り手段と、を具備してなることを特徴とする(請求項1)。この場合、上記絞り手段を可変調整絞りにて形成するか、あるいは、循環管路を連通・遮断する流量調整可能な開閉弁にて形成することができる(請求項2,3)。
【0011】
このように構成することにより、フィルタの泡抜きによって廃液された処理液を循環管路によって再び処理液貯留容器と一時貯留容器との間の供給管路に戻すことができる。また、戻される処理液は、循環管路に介設された絞り手段によって液圧が低下し、液中に溶存するガスが顕在化して気泡が発生される。この気泡を含む処理液を循環管路から供給管路を介して再びフィルタを通過させることで、フィルタによって気泡が除去される。
【0012】
また、この発明において、上記第2の気体供給管路に、上記一時貯留容器と上記加圧気体供給源側又は大気側との連通を選択的に切り換える切換弁を介設する方が好ましい(請求項4)。
【0013】
このように構成することにより、一時貯留容器内に貯留された処理液を大気と接触させることで、一時貯留容器内の圧力を低下させ、処理液中に溶存するガスを顕在化して気泡を発生させることができる。一時貯留容器内で発生した気泡は、一時貯留容器内で該一時貯留容器内の気液界面にて気液分離される。分離が十分でなかった気泡も処理液と共にフィルタを通過する際に除去される。
【0014】
また、この発明において、上記供給管路の上記一時貯留容器との接続部に、処理液を一時貯留容器内の気体と接触させつつ一時貯留容器内に導く導入管を設ける方が好ましい(請求項5)。
【0015】
このように構成することにより、処理液貯留容器及び循環管路から供給管路を介して一時貯留容器内に補充される処理液を一時貯留容器内の気体(大気)と接触させることで、処理液の大気接触面積の増大により処理液中に溶存するガスを顕在化して気泡を発生させることができる。そして、一時貯留容器内で発生した気泡は処理液と共にフィルタを通過する際に除去される。
【0016】
また、この発明において、上記循環管路に、該循環管路を流れる処理液中の気泡を検出する気泡検出センサを介設し、上記気泡検出センサからの検出信号に基づいて、加圧気体供給源の加圧量、絞り手段の絞り量又は循環管路を流れる処理液の時間の少なくとも一つを制御する制御手段を更に具備する方が好ましい(請求項6)。
【0017】
このように構成することにより、気泡検出センサによって循環管路を流れる処理液中の気泡を検出し、その検出信号を制御手段に伝達し、制御手段によって加圧気体供給源の加圧量、絞り手段の絞り量又は循環管路を流れる処理液の時間の少なくとも一つを制御することができる。
【0018】
加えて、この発明において、上記フィルタとポンプとの間の供給管路に介設され、処理液中に溶存する気泡を分離する機能を有するトラップタンクを更に具備し、上記トラップタンクと循環管路とを開閉弁を介設したドレイン管路によって接続する構成とする方がよい(請求項7)。この場合、上記トラップタンクに、該トラップタンク内に貯留される処理液中の気泡を検出する気泡検出センサと、上記気泡検出センサからの検出信号に基づいて、加圧気体供給源の加圧量、絞り手段の絞り量又は循環管路を流れる処理液の時間の少なくとも一つを制御する制御手段と、を更に具備する方が好ましい(請求項8)。
【0019】
このように構成することにより、フィルタによって除去されなかった処理液中に溶存するガスにより発生する気泡をトラップタンクによって除去することができると共に、開閉弁によってトラップタンクから排出される処理液の液圧を低下させて処理液中に溶存するガスを顕在化して気泡を発生させることができ、発生した気泡をドレイン管路から外部に排出することができる。その他の処理液を循環管路によって供給管路に戻し、供給管路を介して再びフィルタを通過する際に処理液中の気泡がフィルタによって除去される。この場合、気泡検出センサによってトラップタンク内の処理液中の気泡を検出し、その検出信号を制御手段に伝達し、制御手段によって加圧気体供給源の加圧量、絞り手段の絞り量又は循環管路を流れる処理液の時間の少なくとも一つを制御することができる。
【発明の効果】
【0020】
この発明は、上記のように構成されているので、以下のような顕著な効果が得られる。
【0021】
(1)請求項1,2,3記載の発明によれば、フィルタの泡抜きによって廃液された処理液を循環管路によって再び処理液貯留容器と一時貯留容器との間の供給管路に戻すことができるので、フィルタから廃液される処理液の無駄をなくすことができる。また、戻される処理液は、循環管路に介設された絞り手段によって液圧が低下し、液中に溶存するガスが顕在化して気泡が発生されるので、処理液中の気泡は、循環管路から供給管路を介して再びフィルタを通過する際にフィルタによって除去することができる。また、処理液の種類に関係なく処理液中に溶存するガスを効率的に除去することができるので、処理の最適化が図れると共に、処理効率の向上が図れる。
【0022】
(2)請求項4記載の発明によれば、一時貯留容器内に貯留された処理液を大気と接触させることで、一時貯留容器内の圧力を低下させ、処理液中に溶存するガスを顕在化して気泡を発生させることができるので、上記(1)に加えて更に処理液中に溶存するガスを効率的に除去することができる。
【0023】
(3)請求項5記載の発明によれば、一時貯留容器内に補充される処理液を一時貯留容器内の気体(大気)と接触させることで、処理液の大気接触面積の増大により処理液中に溶存するガスを顕在化して気泡を発生させることができるので、上記(1),(2)に加えて更に処理液中に溶存するガスを効率的に除去することができる。
【0024】
(4)請求項6記載の発明によれば、気泡検出センサによって循環管路を流れる処理液中の気泡を検出し、その検出信号に基づいて加圧気体供給源の加圧量、絞り手段の絞り量又は循環管路を流れる処理液の時間の少なくとも一つを制御することができるので、上記(1)〜(3)に加えて更に処理の最適化が図れると共に、処理効率の向上が図れる。
【0025】
(5)請求項7記載の発明によれば、フィルタによって除去されなかった処理液中に溶存するガスにより発生する気泡をトラップタンクによって除去し、この気泡を含む処理液を循環管路によって供給管路に戻し、供給管路を介して再びフィルタを通過する際に処理液中の気泡をフィルタによって除去することができる。したがって、上記(1)〜(4)に加えて、更に処理の最適化が図れると共に、処理効率の向上が図れる。この場合、気泡検出センサによってトラップタンク内の処理液中の気泡を検出し、その検出信号に基づいて加圧気体供給源の加圧量、絞り手段の絞り量又は循環管路を流れる処理液の時間の少なくとも一つを制御することで、更に処理の最適化が図れると共に、処理効率の向上が図れる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下に、この発明の最良の実施形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。ここでは、この発明に係る処理液供給装置を半導体ウエハのレジスト液塗布・現像処理システムにおけるレジスト塗布処理装置に適用した場合について説明する。
【0027】
図9は、この発明に係る処理液供給装置を具備する半導体ウエハのレジスト塗布・現像処理システムを示す概略平面図、図10は、レジスト塗布・現像処理システムの概略正面図、図11は、レジスト塗布・現像処理システムの概略背面図である。
【0028】
上記レジスト塗布・現像処理システムSは、図9に示すように、例えば25枚のウエハWをカセット単位で外部からレジスト塗布・現像処理システムSに対して搬入出すると共に、カセットCに対してウエハWを搬入出するカセットステーションS1と、このカセットステーションS1に隣接して設けられ、塗布現像工程の中で枚葉式に所定の処理を施す各種処理ユニットを多段配置してなる処理ステーションS2と、この処理ステーションS2に隣接して設けられている露光装置(図示せず)との間でウエハWの受け渡しをするインターフェース部S3とを一体に接続した構成を有している。
【0029】
カセットステーションS1は、カセット載置台A上の所定の位置に、複数のカセットCを水平のX方向に一列に載置可能となっている。また、カセットステーションS1には、搬送路B上をX方向に沿って移動可能なウエハ搬送アームDが設けられている。ウエハ搬送アームDは、カセットCに収容されたウエハWのウエハ配列方向(Z方向;鉛直方向)にも移動自在であり、X方向に配列された各カセットC内のウエハWに対して選択的にアクセスできるように構成されている。
【0030】
また、ウエハ搬送アームDは、Z軸を中心としてθ方向に回転可能に構成されており、後述するように処理ステーションS2側の第3の処理ユニット群G3に属するトランジション装置(TRS)31に対してもアクセスできるように構成されている。
【0031】
処理ステーションS2は、複数の処理ユニットが多段に配置された、例えば5つの処理ユニット群G1〜G5を備えている。図9に示すように、処理ステーションS2の正面側には、カセットステーションS1側から第1の処理ユニット群G1,第2の処理ユニット群G2が順に配置されている。また、処理ステーションS2の背面側には、カセットステーションS1側から第3の処理ユニット群G3,第4の処理ユニット群G4及び第5の処理ユニット群G5が順に配置されている。第3の処理ユニット群G3と第4の処理ユニット群G4との間には、第1の搬送機構110が設けられている。第1の搬送機構110は、第1の処理ユニット群G1,第3の処理ユニット群G3及び第4の処理ユニット群G4に選択的にアクセスしてウエハWを搬送するように構成されている。第4の処理ユニット群G4と第5の処理ユニット群G5との間には、第2の搬送機構120が設けられている。第2の搬送機構120は、第2の処理ユニット群G2,第4の処理ユニット群G4及び第5の処理ユニット群G5に選択的にアクセスしてウエハWを搬送するように構成されている。
【0032】
第1の処理ユニット群G1には、図10に示すように、ウエハWに所定の処理液を供給して処理を行う液処理ユニット、例えばウエハWにレジスト液を塗布する、この発明に係る処理液供給装置を具備するレジスト塗布処理装置を有するレジスト塗布ユニット(COT)10,11,12、露光時の光の反射を防止するための紫外線硬化樹脂液を塗布して反射防止膜を形成するボトムコーティングユニット(BARC)13,14が下から順に5段に重ねられている。第2の処理ユニット群G2には、液処理ユニット、例えばウエハWに現像処理を施す現像処理ユニット(DEV)20〜24が下から順に5段に重ねられている。また、第1の処理ユニット群G1及び第2の処理ユニット群G2の最下段には、各処理ユニット群G1及びG2内の前記液処理ユニットに各種処理液を供給するためのケミカル室(CHM)25,26がそれぞれ設けられている。
【0033】
一方、第3の処理ユニット群G3には、図11に示すように、下から順に、温調ユニット(TCP)30、ウエハWの受け渡しを行うためのトランジション装置(TRS)31及び精度の高い温度管理下でウエハWを加熱処理する熱処理ユニット(ULHP)32〜38が9段に重ねられている。
【0034】
第4の処理ユニット群G4では、例えば高精度温調ユニット(CPL)40、レジスト塗布処理後のウエハWを加熱処理するプリベーキングユニット(PAB)41〜44及び現像処理後のウエハWを加熱処理するポストベーキングユニット(POST)45〜49が下から順に10段に重ねられている。
【0035】
第5の処理ユニット群G5では、ウエハWを熱処理する複数の熱処理ユニット、例えば高精度温調ユニット(CPL)50〜53、露光後のウエハWを加熱処理するポストエクスポージャーベーキングユニット(PEB)54〜59が下から順に10段に重ねられている。
【0036】
また、第1の搬送機構110のX方向正方向側には、図9に示すように、複数の処理ユニットが配置されており、例えば図11に示すように、ウエハWを疎水化処理するためのアドヒージョンユニット(AD)80,81、ウエハWを加熱する加熱ユニット(HP)82,83が下から順に4段に重ねられている。また、第2の搬送機構120の背面側には、図9に示すように、例えばウエハWのエッジ部のみを選択的に露光する周辺露光ユニット(WEE)84が配置されている。
【0037】
また、図10に示すように、カセットステーションS1、処理ステーションS2及びインターフェース部S3の各ブロックの上部には、各ブロック内を空調するための空調ユニット90が備えられている。この空調ユニット90により、カセットステーションS1,処理ステーションS2及びインターフェース部S3内は、所定の温度及び湿度に調整できる。また、図11に示すように、例えば処理ステーションS2の上部には、第3の処理ユニット群G3、第4の処理ユニット群G4及び第5の処理ユニット群G5内の各装置に所定の気体を供給する、例えばFFU(ファンフィルタユニット)などの気体供給手段である気体供給ユニット91がそれぞれ設けられている。気体供給ユニット91は、所定の温度、湿度に調整された気体から不純物を除去した後、当該気体を所定の流量で送風できる。
【0038】
インターフェース部S3は、図9に示すように、処理ステーションS2側から順に第1のインターフェース部100と、第2のインターフェース部101とを備えている。第1のインターフェース部100には、ウエハ搬送アーム102が第5の処理ユニット群G5に対応する位置に配設されている。ウエハ搬送アーム102のX方向の両側には、例えばバッファカセット103(図9の背面側),104(図9の正面側)が各々設置されている。ウエハ搬送アーム102は、第5の処理ユニット群G5内の熱処理装置とバッファカセット103,104に対してアクセスできる。第2のインターフェース部101には、X方向に向けて設けられた搬送路105上を移動するウエハ搬送アーム106が設けられている。ウエハ搬送アーム106は、Z方向に移動可能で、かつθ方向に回転可能であり、バッファカセット104と、第2のインターフェース部101に隣接した図示しない露光装置に対してアクセスできるようになっている。したがって、処理ステーションS2内のウエハWは、ウエハ搬送アーム102,バッファカセット104,ウエハ搬送アーム106を介して露光装置に搬送でき、また、露光処理の終了したウエハWは、ウエハ搬送アーム106,バッファカセット104,ウエハ搬送アーム102を介して処理ステーションS2内に搬送できる。
【0039】
なお、レジスト塗布ユニット(COT)10,11,12に適用されるこの発明に係る処理液供給装置を具備するレジスト塗布処理装置15は、内部を密閉することができる処理容器60内に配設されている。この処理容器60の一側面には、図12に示すように、ウエハWの搬送手段である上記第1の搬送機構110の搬送領域に臨む面にウエハWの搬入出口60aが形成され、搬入出口60aには、開閉シャッタ63が開閉用昇降シリンダ64によって開閉可能に設けられている。
【0040】
レジスト塗布処理装置15は、図12に示すように、ウエハWの保持手段としてその上面にウエハWを水平に真空吸着保持するスピンチャック16と、スピンチャック16に軸部16aを介して連結され、ウエハWを水平面内で回転させる例えばサーボモータ等にて形成される回転機構16bと、ウエハWの表面にレジスト液を供給する処理液供給ノズル70aを具備する集合ノズル70を具備している。
【0041】
集合ノズル70は、回動軸66を中心として旋回する移動部材としての回動アーム65の先端に設けられている。集合ノズル70には、後述する第2の処理液供給管路7bに接続されレジスト液を吐出する処理液供給ノズル70aと、溶剤供給管路70cを介して溶剤供給源70dに接続され溶剤を吐出する溶剤供給ノズル70bが設けられおり、これらのノズル70a,70bはウエハWの半径方向内側に相前後して並置され、集合ノズル70の下面にいずれも開口している。すなわち、この処理液供給ノズル70aと溶剤供給ノズル70bは、ウエハWの半径方向内側に処理液供給ノズル70aが位置し、またウエハWの半径方向外側に溶剤供給ノズル70bが位置するように、互いに所定間隔だけ離して並置されている。そして、処理液供給ノズル70aからは第2の処理液供給管路7bにより供給されたレジスト液が、また溶剤供給ノズル70bからは溶剤供給管路70cにより供給された溶剤がそれぞれ独立に吐出されるように構成されている。
【0042】
また、図12に示すように、回動アーム65は、処理容器60の外側に鉛直に設けられた回動軸66の上部に水平姿勢で固定されおり、回動軸66の回転機構67(ノズル移動機構)によって、水平面内で回動するように構成されている。回動アーム65は、ウエハWの上方において、ウエハWの中心部付近に移動した状態と、処理容器60よりも外側の待機位置(ホームポジション)に移動した状態との間を移動する。回動アーム65を、これらの間で移動させることにより、ウエハW上に塗布膜を形成する処理を行う。
【0043】
なお、処理容器60内には、ウエハWの外周側を包囲する上下移動可能な外カップ61と、ウエハWの下部側に配置される内カップ62とが設けられている。また、処理容器60の処理空間60bには、上方から流れるダウンフローの清浄空気が下方に流れるように外カップ61と内カップ62との間に通気流路60cが形成されている。
【0044】
次に、この発明に係る処理液供給装置について、図1ないし図8を参照して説明する。
【0045】
<第1実施形態>
図1は、この発明に係る処理液供給装置の第1実施形態を示す概略断面図である。
【0046】
上記処理液供給装置は、処理液L(レジスト液)を貯留する処理液貯留容器1(以下に薬液ボトル1という)と、この薬液ボトル1に気体供給管路6a(以下に第1の気体供給管路6aという)を介して接続され、薬液ボトル1内のレジスト液Lを加圧する加圧手段である不活性ガス例えば窒素(N2)ガスの供給源71(以下に、N2ガス供給源71という)と、第1の処理液供給管路7aを介して薬液ボトル1に接続され、薬液ボトル1から導かれた処理液を一時貯留する一時貯留容器であるバッファタンク2と、このバッファタンク2と処理液供給ノズル70a(以下に供給ノズル70aという)を接続する第2の処理液供給管路7bと、第2の処理液供給管路7bにおいて、バッファタンク2側に介設され処理液中に混入している気泡を除去するフィルタ3と、フィルタ3の二次側に介設される小型のトラップタンク4と、トラップタンク4の二次側に介設され処理液を供給ノズル70aに供給するポンプ5とを具備している。
【0047】
また、一端が第1の気体供給管路6aから分岐され、他端がバッファタンク2の上部に接続する第2の気体供給管路6bが設けられている。この第2の気体供給管路6bには、バッファタンク2内と大気に開放する大気部72又はN2ガス供給源71と切換可能に連通する切換弁Vcが介設されている。この場合、切換弁Vcは、バッファタンク2側の1つのポートと、N2ガス供給源71側と、大気部72側の2つのポートとを切り換える3ポート2位置切換可能な電磁切換弁にて形成されており、この切換弁Vcの切換操作によってバッファタンク2内が大気側又はN2ガス供給源71側に連通可能に形成されている。
【0048】
また、フィルタ3の上部にドレイン管路7cが接続されており、このドレイン管路7cから分岐される戻り管路8aが薬液ボトル1とバッファタンク2との間の第1の処理液供給管路7aに接続されて循環管路8を形成している。この循環管路8を構成するフィルタ側のドレイン管路7cと、ドレイン管路7cから分岐された戻り管路8aには、それぞれ電磁式の開閉弁V1,V2が介設されており、開閉弁V1の二次側近傍には絞り手段である可変調整絞り9(以下に可変絞り9という)が介設されている。なお、ドレイン管路7cの排出側には電磁式のドレイン弁Vdが介設されている。
【0049】
上記のように循環管路8中に可変絞り9を介設することによって、フィルタ3から排出されてドレイン管路7cを流れる処理液すなわちレジスト液Lの液圧を低下させることができ、レジスト液中に溶存するガスが顕在化して気泡が発生する。発生した気泡はドレイン管路7cを介して外部に排出される。
【0050】
なお、上記説明では、絞り手段が可変絞り9にて形成される場合について説明したが、図1に一点鎖線のブロックで示すように、開閉弁V1と可変絞り9とを一体化した電磁式の流量調整可能な開閉弁V3にて形成してもよい。
【0051】
また、上記トラップタンク4はレジスト液中に溶存する気泡を分離する機能を有しており、このトラップタンク4の上部に接続するトラップタンク用ドレイン管路7dは循環管路8に接続されている。トラップタンク用ドレイン管路7dには電磁式の開閉弁V4が介設されており、この開閉弁V4によってトラップタンク4から排出されるレジスト液の液圧を低下させることができ、レジスト液中に溶存するガスが顕在化して気泡が発生する。発生した気泡はドレイン管路7cを介して外部に排出される。
【0052】
また、第1の処理液供給管路7aとバッファタンク2との接続部には、レジスト液をバッファタンク2内の気体と接触させつつバッファタンク2内に導く導入管75が設けられている。この場合、導入管75は、薬液ボトル1からバッファタンク2内に補充されるレジスト液Lがバッファタンク2内の気体と接触される構造であれば任意の形態でよく、例えば導入管75をバッファタンク2の中程まで延びる半割れの樋状に形成することができる。
【0053】
このように構成することにより、薬液ボトル1及び循環管路8から第1の処理液供給管路7aを介してバッファタンク2内に補充されるレジスト液をバッファタンク2内の気体(大気)と接触させることで、レジスト液の大気接触面積の増大によりレジスト液中に溶存するガスを顕在化して気泡を発生させることができる。そして、バッファタンク2内で発生した気泡は、バッファタンク2内で該バッファタンク2内の気液界面にて気液分離される。分離が十分でなかった気泡もレジスト液と共にフィルタ3を通過する際に除去される。
【0054】
また、薬液ボトル1とN2ガス供給源71とを接続する第1の気体供給管路6aには、可変調整可能な圧力調整手段である電空レギュレータRが介設されている。この電空レギュレータRは、後述する制御手段としての中央演算処理装置(CPU)を主体として構成されるコントローラ200からの制御信号出力によって作動する操作部例えば比例ソレノイドと、該ソレノイドの作動によって開閉する弁機構とを具備しており、弁機構の開閉によって圧力を調整するように構成されている。
【0055】
上記第1の気体供給管路6aの電空レギュレータRと薬液ボトル1との間には電磁式の開閉弁V5が介設されている。また、第1の処理液供給管路7aの薬液ボトル1とバッファタンク2との間には電磁式の開閉弁V6が介設され、第2の供給管路7bのポンプ5と供給ノズル70aとの間における供給ノズル70a側には電磁式のエアーオペレーションバルブVaとサックバックバルブVsが隣接して介設されている。
【0056】
上記切換弁Vc,開閉弁V1〜V6,ドレイン弁Vd,エアーオペレーションバルブVa,サックバックバルブVs及びポンプ5に内蔵される電磁式の開閉弁V7は、コントローラ200と電気的に接続されており、コントローラ200からの制御信号に基づいて、切換動作や開閉動作が行われるようになっている。なお、バッファタンク2にはバッファタンク2内のレジスト液Lの上限液面と下限液面を検知する上限液面センサ73及び下限液面センサ74が設けられており、これら上限液面センサ73及び下限液面センサ74によって検知された信号がコントローラ200に伝達されるように形成されている。
【0057】
次に、上記処理液供給装置の動作態様について、図2ないし図6を参照して説明する。なお、図2ないし図6においては、コントローラ200等の制御系は省略してある。
【0058】
<バッファタンクへのレジスト液補充>
まず、新規薬液ボトル1をセットした後、コントローラ200からの制御信号に基づいて図2に示すように、第1の気体供給管路6aに介設された開閉弁V5と第1の処理液供給管路7aに介設された開閉弁V6が開放し、N2ガス供給源71から薬液ボトル1内に供給されるN2ガスの加圧によってレジスト液Lをバッファタンク2内に供給する。このとき、切換弁Vcは大気部72側に切り換えられており、バッファタンク2内は大気に連通されている。薬液ボトル1から供給されたレジスト液Lが接続部の導入管75を介してバッファタンク2に供給(補充)される際、レジスト液はバッファタンク2内の気体(大気)と接触することで、レジスト液の大気接触面積の増大によりレジスト液中に溶存するガスを顕在化して気泡が発生又は発生しやすくする。
【0059】
<レジスト液のN2加圧−レジスト液吐出(1)>
バッファタンク2内に所定量のレジスト液Lが供給(補充)されると、上限液面センサ73からの検知信号を受けたコントローラ200からの制御信号に基づいて図3に示すように、開閉弁V5と開閉弁V6が閉じると共に、切換弁VcがN2ガス供給源71側に切り換わる。これにより、N2ガス供給源71からN2ガスがバッファタンク2内に供給される一方、循環管路8の開閉弁V1,V2(V3)が開放してフィルタ3からドレイン管路7cに排出された気泡を含むレジスト液Lを循環管路8を介して薬液ボトル1内に戻す。このとき、ポンプ5が駆動して供給ノズル70aからレジスト液が被処理基板であるウエハ(図示せず)に供給(吐出)されて処理が施される。
【0060】
この状態において、循環管路8を流れるレジスト液は可変絞り9(又は流量調整可能な開閉弁V3)によって液圧が低下されてレジスト液中に溶存するガスが顕在化して気泡が発生する。発生した気泡はドレイン管路7cを介して外部に排出され、また外部に排出されずにレジスト液中に残ったガスはレジスト液と共に薬液ボトル1内に戻された後、再びバッファタンク2に供給される際、大気と接触して大気側に排出(泡抜き)される。
【0061】
なお、バッファタンク2内に供給されるN2ガスの圧力は、レジスト液が大気と接触して泡抜きするに足りる低加圧である方がよい。
【0062】
<レジスト液のN2加圧−レジスト液吐出(2)>
上記レジスト液のN2加圧−レジスト液吐出(1)に代えて、循環管路8の開閉弁V1(V3)を閉じると共に、開閉弁V2を開放する一方、トラップタンク用ドレイン管路7cに介設された開閉弁V4を開放してトラップタンク4からトラップタンク用ドレイン管路7cに排出された気泡を含むレジスト液Lを循環管路8を介して薬液ボトル1内に戻す。このとき、ポンプ5が駆動して供給ノズル70aからレジスト液がウエハ(図示せず)に供給(吐出)されて処理が施される。
【0063】
なお、レジスト液のN2加圧−レジスト液吐出(2)の工程において、その他の動作はレジスト液のN2加圧−レジスト液吐出(1)と同様である。例えば、コントローラ200からの制御信号に基づいて図4に示すように、開閉弁V5と開閉弁V6が閉じると共に、切換弁VcがN2ガス供給源71側に切り換わる。
【0064】
<ポンプへのレジスト液補充>
供給ノズル70aから所定量のレジスト液をウエハに供給(吐出)した後、図5に示すように、循環管路8に介設される開閉弁V1(V3)とトラップタンク用ドレイン管路7cに介設された開閉弁V4を閉じて、バッファタンク2内のレジスト液をポンプ5側に補充する。
【0065】
なお、この発明に係る処理液供給装置では、ポンプ5に吸引式ポンプを使用することも可能である。この場合には、切換弁Vcを大気側に切り換えた状態で吸引式ポンプを駆動してバッファタンク2内のレジスト液をポンプ側に補充する。この補充形式においてはポンプの吸引自体にも泡抜き効果があり、ポンプ側から泡抜きされたレジスト液をポンプが吸引できる。
【0066】
<薬液ボトル、バッファタンクの交換>
バッファタンク2内のレジスト液Lの補充量が所定量以下になったとき、下限液面センサ74からの検知信号がコントローラ200に伝達され、コントローラ200からの制御信号に基づいて図6に示すように、切換弁Vcが大気部72側に切り換わってバッファタンク2内が大気に連通する。この状態でバッファタンク2の交換が可能となる。なお、薬液ボトル1を交換する場合は、図6に示す状態から第1の気体供給管路6aに介設された開閉弁V5及び循環管路8に介設された開閉弁V2を閉じた状態にしてN2ガス供給源71からのN2ガスの供給を遮断した状態で薬液ボトル1を交換することができる。
【0067】
薬液ボトル1を交換した後は、上述と同様の操作を行うことによってレジスト液中に溶存するガスを気泡化して除去することができる。
【0068】
<第2実施形態>
図7は、この発明に係る処理液供給装置の第2実施形態を示す概略断面図である。
【0069】
第2実施形態の処理液供給装置は、第1実施形態の処理液供給装置に加えて、循環管路8に、該循環管路8中を流れるレジスト液中の気泡を検出する気泡検出センサ76を配設し、この気泡検出センサ76によって検出された検出信号をコントローラ200に伝達し、コントローラ200からの制御信号に基づいて、電空レギュレータRによるN2ガス供給源71の加圧量、可変絞り9(開閉弁V3)の絞り量又は循環管路8を流れるレジスト液の時間の少なくとも一つを制御可能に形成されている。
【0070】
このように構成することにより、フィルタ3から排出されて循環管路8を流れるレジスト液L中の気泡を気泡検出センサ76によって検出して循環管路8を流れるレジスト液中の気泡の状態を監視することができる。そして、レジスト液中の気泡の量に応じてN2ガス供給源71の加圧量、可変絞り9(開閉弁V3)の絞り量又は循環管路8を流れるレジスト液の時間の少なくとも一つを制御することで、循環管路8中を流れるレジスト液中の気泡の除去を効率的に行うことができる。なお、第2実施形態において、その他の構成は第1実施形態と同じであるので、説明は省略する。
【0071】
<第3実施形態>
図8は、この発明に係る処理液供給装置の第3実施形態を示す概略断面図である。
【0072】
第3実施形態の処理液供給装置は、第1,第2実施形態の処理液供給装置に加えて、トラップタンク4に、該トラップタンク4中を流れるレジスト液中の気泡を検出する気泡検出センサ77を配設し、この気泡検出センサ77によって検出された検出信号をコントローラ200に伝達し、コントローラ200からの制御信号に基づいて、トラップタンク用ドレイン管路7dに介設される切換弁V4を開放して、トラップタンク4から気泡を含むレジスト液Lを循環管路8に流す一方、コントローラ200からの制御信号に基づいて、電空レギュレータRによるN2ガス供給源71の加圧量、可変絞り9(開閉弁V3)の絞り量又は循環管路8を流れるレジスト液の時間の少なくとも一つを制御可能に形成されている。
【0073】
このように構成することにより、トラップタンク4中を流れるレジスト液L中の気泡を気泡検出センサ77によって検出して、フィルタ3を通過してポンプ5に供給されるレジスト液中の気泡の状態を監視することができる。そして、トラップタンク4中のレジスト液中に気泡を検出した場合は、トラップタンク4から開閉弁V4を開放して気泡を含むレジスト液Lを循環管路8に流すことで、レジスト液Lの液圧を低下させてレジスト液中に溶存するガスを顕在化して気泡を発生させることができ、発生した気泡をドレイン管路7cから外部に排出することができる。また、トラップタンク4から排出されたレジスト液は循環管路8を流れるが、気泡検出センサ77によって検出された検出信号を受けたコントローラ200からの制御信号に基づいて、気泡の量に応じてN2ガス供給源71の加圧量、可変絞り9(開閉弁V3)の絞り量又は循環管路8を流れるレジスト液の時間の少なくとも一つを制御することで、循環管路8中を流れるレジスト液中の気泡の除去を効率的に行うことができる。
【0074】
なお、第3実施形態においても、第2実施形態と同様に、循環管路8に、該循環管路8中を流れるレジスト液中の気泡を検出する気泡検出センサ76を配設し、この気泡検出センサ76によって検出された検出信号をコントローラ200に伝達し、コントローラ200からの制御信号に基づいて、電空レギュレータRによるN2ガス供給源71の加圧量、可変絞り9(開閉弁V3)の絞り量又は循環管路8を流れるレジスト液の時間の少なくとも一つを制御可能に形成してもよい。このように構成することにより、レジスト液中の気泡の除去を更に効率的に行うことができる。なお、第3実施形態において、その他の構成は第1実施形態と同じであるので、説明は省略する。
【0075】
<その他の実施形態>
上記実施形態では処理液貯留容器が薬液ボトル1にて形成され、N2ガス供給源71から供給されるN2ガスを薬液ボトル1内のレジスト液Lの液面に直接加圧してレジスト液Lを圧送する場合について説明したが、バッファタンク2が上述したように大気に連通可能な状態であれば、薬液ボトル1に代えて、処理液貯留容器内に収容される内袋内にレジスト液を貯留し、内袋の外側を加圧してレジスト液を供給ノズル70aに供給するものに適用可能である。なおこの場合においても、内袋を連続加圧すると、内袋のN2ガス透過により溶存ガス濃度が上昇するので、この発明の処理液供給装置を用いることによってレジスト液中に溶存するガスを効率良く除去することができる。
【0076】
なお、上記実施形態では、この発明に係る処理液供給装置をレジスト塗布処理装置に適用した場合について説明したが、レジスト以外の処理液例えば現像液等の供給装置や洗浄処理の供給装置にも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】この発明に係る処理液供給装置の第1実施形態を示す概略断面図である。
【図2】上記処理液供給装置におけるバッファタンクへの処理液の補充動作状態を示す概略断面図である。
【図3】上記処理液供給装置における通常処理動作及び泡抜き動作状態の一例を示す概略断面図である。
【図4】上記処理液供給装置における通常処理動作及び泡抜き動作状態の別の例を示す概略断面図である。
【図5】上記処理液供給装置におけるポンプへの処理液の補充状態を示す概略断面図である。
【図6】上記処理液供給装置における処理液貯留容器内の処理液の空状態を示す概略断面図である。
【図7】この発明に係る処理液供給装置の第2実施形態を示す概略断面図である。
【図8】この発明に係る処理液供給装置の第3実施形態を示す概略断面図である。
【図9】この発明に係る処理液供給装置を適用したレジスト液塗布・現像処理システムの一例を示す概略平面図である。
【図10】上記レジスト液塗布・現像処理システムの概略正面図である。
【図11】上記レジスト液塗布・現像処理システムの概略背面図である。
【図12】上記レジスト液塗布・現像処理システムにおける塗布ユニットを示す概略断面図である。
【符号の説明】
【0078】
1 薬液ボトル(処理液貯留容器)
2 バッファタンク(一時貯留容器)
3 フィルタ
4 トラップタンク
5 ポンプ
6a 第1の気体供給管路
6b 第2の気体供給管路
7a 第1の処理液供給管路
7b 第2の処理液供給管路
7c ドレイン管路
7d トラップタンク用ドレイン管路
8 循環管路
8a 戻り管路
9 可変絞り
71 N2ガス供給源(加圧気体供給源)
72 大気部
75 導入管
76 気泡検出センサ
77 気泡検出センサ
200 コントローラ(制御手段)
L レジスト液(処理液)
V1〜V5,V7 開閉弁
Vc 切換弁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被処理基板に処理液を供給する供給ノズルと、
上記処理液を貯留する処理液貯留容器と、
上記供給ノズルと処理液貯留容器とを接続する供給管路と、
気体供給管路を介して上記処理液貯留容器内の処理液を加圧して処理液を圧送する加圧気体供給源と、
上記供給管路に介設され、上記処理液貯留容器から圧送された処理液を一時貯留する一時貯留容器と、
上記一時貯留容器の二次側の供給管路に介設され、上記処理液を濾過して異物を除去すると共に、処理液中に混入している気泡を除去するフィルタと、
上記フィルタの二次側の供給管路に介設されるポンプと、を具備する処理液供給装置において、
上記一時貯留容器を大気側に連通可能に形成し、
上記フィルタに接続するドレイン管路と、このドレイン管路から分岐され、上記処理液貯留容器と一時貯留容器との間の供給管路に接続する戻り管路とからなる循環管路と、
上記加圧気体供給源と上記一時貯留容器とを接続する第2の気体供給管路と、
上記循環管路に介設され、該循環管路中を流れる処理液の液圧を低下して処理液中に溶存する気体を気泡化する絞り手段と、
を具備してなることを特徴とする処理液供給装置。
【請求項2】
請求項1記載の処理液供給装置において、
上記絞り手段が可変調整絞りである、ことを特徴とする処理液供給装置。
【請求項3】
請求項1記載の処理液供給装置において、
上記絞り手段が循環管路を連通・遮断する流量調整可能な開閉弁である、ことを特徴とする処理液供給装置。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれかに記載の処理液供給装置において、
上記第2の気体供給管路に、上記一時貯留容器と上記加圧気体供給源側又は大気側との連通を選択的に切り換える切換弁を介設してなる、ことを特徴とする処理液供給装置。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれかに記載の処理液供給装置において、
上記供給管路の上記一時貯留容器との接続部に、処理液を一時貯留容器内の気体と接触させつつ一時貯留容器内に導く導入管を設けてなる、ことを特徴とする処理液供給装置。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれかに記載の処理液供給装置において、
上記循環管路に介設され、該循環管路を流れる処理液中の気泡を検出する気泡検出センサと、
上記気泡検出センサからの検出信号に基づいて、加圧気体供給源の加圧量、絞り手段の絞り量又は循環管路を流れる処理液の時間の少なくとも一つを制御する制御手段と、を更に具備してなる、ことを特徴とする処理液供給装置。
【請求項7】
請求項1ないし6のいずれかに記載の処理液供給装置において、
上記フィルタとポンプとの間の供給管路に介設され、処理液中に溶存する気泡を分離する機能を有するトラップタンクを更に具備し、
上記トラップタンクと循環管路とを開閉弁を介設したドレイン管路によって接続してなる、ことを特徴とする処理液供給装置。
【請求項8】
請求項7記載の処理液供給装置において、
上記トラップタンクに、該トラップタンク内に貯留される処理液中の気泡を検出する気泡検出センサと、
上記気泡検出センサからの検出信号に基づいて、加圧気体供給源の加圧量、絞り手段の絞り量又は循環管路を流れる処理液の時間の少なくとも一つを制御する制御手段と、を更に具備してなる、ことを特徴とする処理液供給装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate


【公開番号】特開2010−135535(P2010−135535A)
【公開日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−309449(P2008−309449)
【出願日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【出願人】(000219967)東京エレクトロン株式会社 (5,184)
【Fターム(参考)】