刃先と基準面との間に一定距離を維持するための装置及び方法
刃先がワーク・ピース59の表面上の被覆32内に切削線を与えるときに、例えば集中レーザ・ビーム120など刃先を、ワーク・ピース59の表面66から一定距離に維持するための装置。この装置は、定荷重ばねを備える。定荷重ばねは、支持体と管の端部に取り付けられた表面追従部136とに管を連結する。表面追従部の表面134の位置と刃先の位置とは、互いに所定の関係を有する。管の外に移動する気体は、表面追従部136と管の内部表面152との間に第1の気体ベアリングを提供し、表面追従部内の通路149、150を通って移動する気体は、表面追従部136の表面134と被覆32の表面66との間に第2の気体ベアリングを提供する。刃先を被覆の表面から一定距離に維持するために、ベアリングの厚みは、追従部がワーク・ピースの表面上を移動するとき、一定に維持される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2008年12月18日出願の米国特許出願第61/138,756号の利益を主張するものである。その出願は、「レーザ・ビームの焦点とワーク表面との間の距離を維持するための装置及び方法(Apparatus For And Method Of Maintaining The Distance Between Focal Point Of A Laser Beam And A Work Surface)」という題名であり、本明細書に参照して援用される。
【0002】
本発明は、例えば切削レーザ・ビームの焦点などの刃先と、例えばシートの第1の主表面上の被覆の表面などの基準面との間に一定距離を維持し、均一な幅の切削又は分離線を被覆内に与えるための装置及び方法に関するものである。より詳細には、本発明は、基準面から一定距離で、一定の幅を有する切削又は分離線をその切削路に沿って与えるための装置及び方法に関するものである。
【背景技術】
【0003】
当技術分野の技術者によって理解される通り、航空機の積層風防ガラスは、風防ガラスの外部表面上に氷が形成されることを防ぐために、積層風防ガラスの、例えば外部ガラス・シートなど外部層の内部表面上に、1つの加熱装置を有することができる。そして、風防ガラスの内部表面の曇りを防止し、及び/又は曇りを除去するために、例えばガラス又はアクリル・シートなど構造層同士の間に、第2の加熱装置を有することができる。加熱装置は、通常、導電性の被覆を含む。例えば、導電性の被覆は、電源に接続された一対の母線の間の1つ又は複数の被膜である。導電性被覆の境界は、通常、シートの縁部から離間されており、シートの周囲形状に対応する。
【0004】
現在入手可能な加熱装置に伴う1つの制限は、それらを非線形又は湾曲した周囲を有するシート上で使用すると、非線形又は湾曲した周囲形状を有する導電性被覆を通して電流を均一に分配することが妨げられることである。被覆を通る電流の分配が不均一であることにより、被覆内にホット・スポットが生じるおそれがある。それにより風防ガラスの過熱が生じるおそれがあり、それにより風防ガラスの層間剥離が生じるおそれがある。ホット・スポットをなくすための1つの技術は、より均一な電流を被覆内に供給すように、導電性被覆を区分することである。被覆を区分するために被覆内に与えられる切削又は分離線の幅は十分小さく、限定ではないが、例えば0.048ミリメートル(以下「mm」とも称する)(0.0015インチ)の幅であり、風防ガラスを通して見る航空機の操縦者の目に見える分離線が最小限となり、又はまったく見えない。また、分離線の幅は、分離線が母線の間の領域内で区画を互いに電気的に分離するよう十分大きい。
【0005】
被覆を区分するための1つの技術は、被覆の全体にわたって1つ又は複数のレーザ・ビームの通路を作ることである。より詳細には、レーザ・ビームの焦点が、シートの基準面から所定の離間距離で導電性被膜に衝突するように位置決めされ、レーザ・ビームがその通路に沿って移動するにつれて、被覆の一部を蒸発させることによって被覆内に分離線を与える。この技術は、平坦なシートの表面に適用された導電性被膜には許容可能であるが、湾曲したシートの表面に適用された被膜に対してこの技術が実施される場合には欠点を有する。欠点の1つは、シートの表面曲率が変わるにつれて、レーザ・ビームの焦点とシートの基準面との間の距離が変わることである。その結果、レーザ・ビームの焦点と基準面との間の距離が短くなるにつれて消去線の幅が増大し、距離が長くなるにつれて消去線の幅が減少する。この欠点をなくすための1つの手法は、シートの湾曲表面の輪郭に追従するソフトウェア・プログラムを開発することである。当技術分野の技術者には理解される通り、2つのガラス・シートの湾曲表面の輪郭は同じではなく、それぞれのシート用のソフトウェア・プログラムが必要であり、これには時間がかかり、且つ高価である。欠点をなくすための別の手法は、表面曲率が変化するにつれてレーザ・ビームの焦点を変位させるように、被覆の表面と表面接触する部材を配置することである。この手法に伴う欠点は、この部材が被覆の表面の曲率変化に応答してレーザ・ビームの焦点を移動させるときに、この部材が被覆の表面を損傷させるおそれがあることである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第5,202,787号明細書
【特許文献2】米国特許第6,667,825号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開2007/0002422A1号明細書
【特許文献4】米国特許第5,965,853号明細書
【特許文献5】米国特許第5,675,944号明細書
【特許文献6】米国特許第4,610,771号明細書
【特許文献7】米国特許第4,806,220号明細書
【特許文献8】米国特許第5,821,001号明細書
【特許文献9】米国特許第4,623,389号明細書
【特許文献10】米国特許第4,894,513号明細書
【特許文献11】米国特許第4,994,650号明細書
【特許文献12】米国特許第4,902,875号明細書
【特許文献13】米国特許第6,471,360号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ここで当技術分野の技術者であれば理解することができるように、基準面から一定距離でほぼ一定の幅を有する1つ又は複数の切削線又は分離線であって、現在利用可能な技術の欠点を有さない切削線又は分離線を、導電性被覆など被覆内に与えるための技術を提供することが有利である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、形削り部材の刃先が物品の基準面に対して移動するときに、刃先を基準面から一定距離に維持するための装置に関するものである。この装置は、とりわけ、第1の端部及び反対側の第2の端部を有する管と、管の第1の端部を支持部材に連結するための一定の力を加える構造体と、管の第2の端部に取り付けられた表面追従部とを備える。表面追従部は、管の第2の端部から離れる方向を向いた主表面を有し、且つ複数の通路を有している。通路が、それぞれ表面追従部の主表面に出口部を有する。表面追従部の主表面及び形削り部材の刃先が互いに所定の関係を有する。気体を管の第2の端部に向かって管内へ移動させるための入口部が設けられる。気体が管の第2の端部の外へ移動すると、表面追従部の外部表面部分と管の第2の端部の内部表面部分との間に、第1の厚みを有する第1の気体ベアリングが提供される。表面追従部の主表面及び基準面が、互いに隣接し、互いに対面する関係にある場合、気体が表面追従部の複数の通路を通って移動すると、第2の厚みを有する第2の気体ベアリングが提供される。表面追従部が基準面上を移動し、形削り部材の刃先を物品の基準面から一定距離に維持するとき、第1の気体ベアリングの第1の厚み及び第2の気体ベアリングの第2の厚みをそれぞれ一定に維持するように、物品の基準面の曲率が、一定の力を加える構造体を拡張及び収縮させる。
【0009】
さらに、本発明は、ワーク・ピース内に切削線又は分離線を与えるための作業ステーションに関するものである。この作業ステーションは、とりわけ、ワーク支持表面を有する台、及びワーク表面の上に取り付けられたガントリを備える。ガントリは、支持部材を備え、ワーク支持表面と支持部材とは、互いに対して移動することができる。形削り部材の刃先をワーク・ピースの外部主表面から一定距離に維持するための装置は、ガントリによって支持される。そして、この装置は、とりわけ、第1の端部及び反対側の第2の端部を有する管と、管の第1の端部を支持部材に連結する一定の力を加える構造体と、管の第2の端部に取り付けられた表面追従部とを備える。表面追従部は、ワーク支持表面に対面する主表面を有し、表面追従部の主表面に出口部を有する複数の通路を有しており、表面追従部の主表面及び形削り部材の刃先が互いに所定の関係を有する。気体を管の第2の端部に向かって管内へ移動させるための入口部が設けられている。気体が管の第2の端部の外へ移動すると、表面追従部の外部表面部分と管の第2の端部の内部表面部分との間に、第1の厚みを有する第1の気体ベアリングが提供される。表面追従部の主表面及びワーク・ピースの主表面が、互いに隣接し、互いに対面する関係にある場合、気体が複数の通路を通って移動すると、第2の厚みを有する第2の気体ベアリングが提供される。
この構成では、表面追従部がワーク・ピースの主表面上を移動し、刃先をワーク・ピースの主表面から一定距離に維持するとき、第1の気体ベアリングの第1の厚み及び第2の気体ベアリングの第2の厚みをそれぞれ一定に維持するように、ワーク・ピースの主表面の曲率が、一定の力を加える構造体を拡張及び収縮させる。この構成では、刃先がその通路に沿って移動し、表面追従部がワーク・ピースの主表面上を移動する場合、刃先はワーク・ピースの主表面から一定距離に維持される。
【0010】
さらに、本発明は、ワーク・ピース内に切削線又は分離線を与える方法に関し、とりわけ、ワーク・ピースは、基準面を有する。この方法は、とりわけ、切削表面に対して所定の関係を有する主表面を有する表面追従部と、切削表面とを提供する段階と、ワーク・ピースの基準面と表面追従部の主表面との間に、一定の厚みを有する気体ベアリングを提供する段階と、ワーク・ピース内に切削線を与えるために、ワーク表面及び表面追従部を互いに対して移動させる段階とを含み、切削線は、基準面から一定の離間距離でその長さに沿って均一な幅を有する。
【0011】
本発明のさらなる非限定的な実施例は、ガラス・シートに関し、このガラス・シートは、とりわけ、シートの主表面上に導電性被覆を有する。その被覆は、とりわけ、一対の誘電体膜の間に導電膜を有する。被覆は、シートの側部間に延びる長さを有する分離線を有する。分離線は、電気絶縁分離又は切削線を導電膜内のみに与える。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施に際して使用することができる航空機の透明部を示す側面図である。
【図2】本発明の教示に従って区分することができる導電性被膜を有する、航空機の透明部の加熱装置を示す平面図である。
【図3】本発明の教示に従って区分される導電性被膜を有する、航空機の透明部の加熱装置の別の実施例を示す平面図である。
【図4】本発明の教示に従って区分されるガラス導電性被膜を有する、形状付けされた航空機の透明部を示す透視図である。
【図5】本発明の教示に従って導電性被覆内に切削線又は分離線を与えるための作業ステーションである。
【図6】本発明の教示に従って導電性被覆内に切削線又は分離線を与えるための、本発明の装置を示す側面図である。
【図7】本発明の焦点整合システムを示す、図6に示す装置の下側半分の断面図である。
【図8】本発明の表面追従部及び焦点調整器を示す、図6に示す装置の下方部分の断面図である。
【図9】本発明の表面追従部の基部を示す平面図である。
【図10】導電性被覆内のある深さの切削線又は分離線を示す図である。
【図11】導電性被覆内の別の深さの切削線又は分離線を示す図である。
【図12】導電性被覆内の別の深さの切削線又は分離線を示す図である。
【実施例】
【0013】
本明細書で用いる、「内部」、「外部」、「左」、「右」、「上へ」、「下へ」、「水平」、「垂直」など、空間的又は方向的用語は、図面に示された本発明について関係するものである。しかし、本発明は、様々な別の向きとすることができる。したがって、そのような用語は限定と考えられるべきではないことを理解されたい。さらに、本明細書及び特許請求の範囲において用いられる、寸法、物理的特徴などを表すすべての数字は、すべての場合に「約」という語によって修飾されると理解されるべきである。したがって、そうではないと指示されない限り、以下の明細書及び特許請求の範囲において示す数値は、本発明によって得ようとする所望の特性に応じて変えることができる。各数値パラメータは、少なくとも、特許請求の範囲についての均等論の適用を限定しようとするものではない。各数値パラメータは、少なくとも、報告された有効数字の桁数に照らし、且つ、通常の丸めの技法によって解釈されるべきである。さらに、本明細書で開示するすべての範囲は、その中に含まれるいずれか又はすべての部分範囲を包含することを理解されたい。例えば、「1から10」と述べられる範囲は、最小値1から最大値10の間の(及びそれらを含む)いずれか又はすべての部分範囲、即ち、例えば1〜6.7、3.2〜8.1、又は5.5〜10など、最小値が1又はそれより大きい値で始まり最大値が10又はそれより小さい値で終わるすべての部分範囲を含むと考えられるべきである。また、本明細書で用いる「上に適用される」又は「上に提供される」という用語は、表面上に、しかし必ずしも表面接触せずに、動かされ、適用され、又は設けられることを意味する。例えば、基材「上に適用される」材料は、堆積された材料と基材との間に位置付けられた同じ又は別の組成物でできた1つ又は複数の他の材料が存在することを除外せず、装置と表面との間にシート又は層が存在することを除外しない。
【0014】
本発明の非限定的な実施例を議論する前に、本発明は他の実施例とすることも可能であるので、本発明は、本明細書に示され議論される特定の非限定的な実施例の詳細に限定されないことを理解されたい。さらに、本発明を議論するために本明細書で用いられる語法は、説明のためのものであって限定のためのものではない。またさらに、以下の議論でそうではないと指示されない限り、同様の符号は同様の要素を示す。
【0015】
本発明の非限定的な実施例は、航空機の積層透明部の構成部材についての本発明の実施を対象とし、とりわけ、航空機の風防ガラスの加熱装置を対象とする。しかし、本発明は、いかなる特定のタイプの航空機の透明部にも限定されない。本発明は、限定ではないが、例えば米国特許第5,202,787号、同第6,667,825号、及び米国特許出願公開2007/0002422A1号に開示されるタイプの窓など、電気刺激に応答して可視的透過を増加又は減少させる媒体を有するタイプの、航空機の窓の構成部材において本発明が実施されるようになっている。また、限定ではないが、例えば米国特許第5,965,853号に開示されるタイプの窓など、一対の積層シート間の絶縁された空気間隙を有するタイプの、航空機の窓の構成部材について本発明が実施されるようになっている。これらの公開された特許文書の開示は、参照により本明細書に援用される。さらに本発明は、商業用及び住宅用の窓について実施できる。本発明は、限定ではないが、例えば、参照により本明細書に援用される米国特許第5,675,944号に開示されるタイプなど、任意のタイプの地上用乗物の窓、任意のタイプの空中及び宇宙用乗物のキャノピー、機室窓、及び風防ガラス、任意の水上及び水中用の船の窓、並びに、限定ではないが例えば冷蔵庫、棚、及び/又はオーブンのドアなど任意のタイプの容器用ののぞき窓又はドアのための窓において実施することができる。またさらに、本発明は、透明部の層又はシートの材料に限定されない。限定ではないが、層又はシートは、硬化又は非硬化プラスチック・シート製とすることができ、焼きなまされた、熱的及び化学的に強化された、透明の、色つきの、被覆された、被覆されない、ガラス・シート製とすることができる。
【0016】
図1は、本発明の教示に従って製作することができる、航空機の積層風防ガラス18の非限定的な実施例を示す。風防ガラス18の外部表面26の氷の形成を防ぐために、風防ガラス18は、例えばガラス・シートなどの外部層24の内部表面22に設けられた加熱装置20を含む。また、符号26は、風防ガラス18の外部層24の外部表面を示す。随意的に、風防ガラス18の内部表面32の曇りを防止し、及び/又は除去するために、風防ガラス18は、例えばガラス又はアクリル・シートなどの構造層28と30との間に、第2の加熱装置(図示せず)を有することができる。また、符号32は、構造層24の内部表面を示す。外部層24の内部表面22は、例えばビニール中間層シートなどの中間層シート36を介して構造層28の外部表面34に積層されている。構造層28及び30は、例えばウレタン中間層シートなどの中間層シート38を介して互いに積層されている。理解することができるように、本発明は、風防ガラス18の構造に限定されない。本発明の実施に際して、例えば風防ガラスなど、当技術分野で使用される航空機の透明部の任意の構造を使用することができる。さらに、本発明は、風防ガラス18を製作する、ガラス・シート、プラスチック・シート、ビニール中間層、又はウレタン中間層の数に限定されない。風防ガラス18は、任意の数のシート及び/又は中間層を有することもできる。
【0017】
図2を参照すると、本発明の非限定的な一実施例において、加熱装置20は、一対の母線42と43との間に、例えば1つ又は複数の膜などの導電性被覆又は層40を含む。母線42及び43は、配線(図示せず)によって電源(図示せず)に接続される。図2に示された導電性被覆40は、直線的な辺45〜48を有する長方形の平坦なシート41に適用される。図3を参照すると、本発明の別の非限定的な実施例において、加熱装置50は、平坦なシート54上に導電性被覆52を含む。図3に示された被覆52の側部56及び57は、非線形であり又は湾曲している。図4を参照すると、導電性被覆52を有する湾曲したシート59が示されている。上述のように、被覆52(図3及び図4参照)などの導電性被覆の側部が、非線形又は湾曲していることによって、母線42及び43(母線は図2及び図3にのみ示す)の間の被覆52を通過する電流の均一な分配が妨げられる。
【0018】
本発明は、加熱装置20(図2)及び50(図3及び図4)の設計及び/又は構造に限定されない。シート表面を加熱してシート表面上の氷を溶かすために、及び/又はシート表面から曇りを除去するために、当技術分野で使用される任意の導電性加熱装置を、本発明の実施に際して使用することができる。さらに、本発明は、導電性被覆40(図2)又は52(図3及び図4)の組成物に限定されない。例えば、本発明を限定せずに、導電性被覆40及び52は、任意の適当な導電性材料で製作することもできる。本発明の実施に際して使用することができる導電性被膜の非限定的な実施例には、PPG Industries,IncによってNESA(登録商標)という登録商標で販売されるタイプの熱分解蒸着フッ素ドープ酸化すず膜、PPG Industries,IncによってNESATRON(登録商標)という登録商標で販売されるタイプのマグネトロン・スパッタ蒸着すずドープ酸化インジウム膜、及び、1つ又は複数のマグネトロン・スパッタ蒸着膜で形成される被覆が含まれるが、これに限定されない。これらのマグネトロン・スパッタ蒸着膜は、例えば酸化亜鉛及び/又はすず酸亜鉛などの金属酸化膜(誘電体膜)の間に、例えば銀などの金属膜を含むが、これに限定されない。それぞれの膜は、マグネトロン・スパッタリングによって互いの上に順次に付着されることができる。マグネトロン・スパッタリングは、例えば米国特許第4,610,771号、米国特許第4,806,220号、及び米国特許第5,821,001号に開示されている。それらの開示は、参照により本明細書に援用される。
【0019】
本発明は、母線42及び43(図2及び図3)の設計及び/又は構造に限定されない。当技術分野で使用される任意のタイプの母線が、本発明の実施に際して使用することができる。本発明の実施に際して使用することができる母線の実施例には、米国特許第4,623,389号、米国特許第4,894,513号、米国特許第4,994,650号、米国特許第4,902,875号、及び米国特許第6,471,360号に開示されるタイプが含まれるが、これらに限定されない。これらの特許は、参照により本明細書に援用される。
【0020】
本発明の実施に際して、1つ又は複数の切削線又は分離線60A(非直線)及び60B(直線)が、導電性被覆内に備えられ、被覆52(図3参照)を区画62に分割する。そして、隣接する区画62を母線42と43との間で互いに電気的に分離して、被覆52を通る電流をより均一に分配し、シート54の表面上の温度分布をより均一にする。理解される通り、本発明の実施は、より均一にシート54を加熱するために被覆52を区分することに限定されない。当技術分野に知られているように、本発明は、被覆52を区分して、電流が区画を通って流れると区画62に様々な電圧を発生させ、シートの選択された部分を様々な温度に加熱し、又は様々な時間率で表面温度を得るように実施することができる。
【0021】
図5は、作業ステーション63を示す。この作業ステーション63は、本発明の非限定的な実施例を含み、例えばレーザ・ビームの焦点など、形削り部材の切削表面を、基準面から固定距離に維持する。本発明の非限定的な一実施例において、基準面は被覆52の表面66である(図5参照)。ただし、理解される通り、基準面はシート59の任意の表面とすることもできる。以下の議論において、本発明の非限定的な実施例においては、被覆上に母線を位置決めする前、及びシート59を構造層28に積層する前に、被覆52内に1つ又は複数の切削線又は分離線が与えられ、風防ガラス18(図1参照)が提供される。しかし、本発明はそれに限定されず、シート59が構造層28に積層された後に導電性被覆52を切削して区画にすることもできる。
【0022】
作業ステーション63は、シート支持体68を有する作業台67を含む。議論中の本発明の非限定的な実施例では、シート59の表面65は、シート支持体68の反対方向を向いており、シート59の被覆されていない表面64は、シート支持体68の表面69上に支持される。シート59は、任意の適当な通常の方法で、作業台67のシート支持体68上に固定される。任意の適当な通常の方法としては、例えば、保持クリップ(図示せず)があるが、それに限定されない。シート支持体68の表面69は、シート59の表面64の擦傷又は表面64への他の表面損傷を防止するために、例えばTEFLON(登録商標)被覆された表面など、非磨耗性被覆を有することが好ましい。理解することができるように、シート支持体上で支持されるシートが固定形状を有する場合、シートの形状は、支持表面69の輪郭と一致する必要はない。しかし、例えばシートが可撓性であるなど、シートが固定形状をもたない場合、支持表面69の輪郭は、それが支持するシートの最終的な形状の所望の輪郭を有することが好ましい。作業台67は、支持表面及びシート59を任意の方向に移動させるための設備(図示せず)を含むことができる。または、作業台67は、シート59を固定位置に維持するために静止させることができる。さらに本発明は、シート59の表面64をシート支持体68の表面69上に支持することに限定されない。本発明においては、被覆52の表面66をシート支持体68の表面69上に取り付けることも考えられる。さらに、本発明においては、床の振動が作業台64及びシート59を振動させることを防ぐために、作業台64を振動減衰台(図示せず)に取り付けることも考えられる。
【0023】
レーザ・システム71及び本発明(図6も参照)の非限定的な実施例である焦点整合システム72が、作業台67のシート支持体68の上方において、構造骨組又はガントリ70に取り付けられる。本発明は、レーザ・システム71のレーザに限定されない。本発明の実施に際して、レーザは、被覆52の選択された部分を消去するように選択され、例えばガラス・シート59などの被覆を支持する基材に悪影響を与えることなく、被覆52内に分離線、消去線、又は切削線60A及び/又は60B(図3)又は63(図4)を与えるようにする。より具体的には、本発明の非限定的な一実施例において、レーザ・ビームの波長は、例えばマグネロトン・スパッタリングされた多層被覆の銀の層などの被覆40及び52(図2〜4参照)の導電部材によってレーザのエネルギーの大半が吸収されるように選択される。導電膜層は、レーザ加熱された領域内において液化し、間隔をあけて離隔された微細な小球の形に再凝固する。これらの小球は、隣接する被覆区画間に所望の電気絶縁を提供する。本発明の別の非限定的な実施例では、レーザ・ビームの波長は、被覆が局所的に蒸発させられるよう、レーザ・エネルギーが被覆スタック全体によって吸収されるように選択される。蒸発させられた被覆は、被覆表面上に粒子として再凝固し、これらは、後続の被覆表面のクリーニングによって除去されることができる。本発明の非限定的な実施例は、青色のYAGレーザ(355ナノメートル、Qスイッチ、周波数増幅)及び出力1ワットのYAGレーザを用いて実施された。レーザ・ビーム74を本発明の焦点整合システム72へ向けて送るために、1つ又は複数の鏡(図示せず)が使用された。焦点整合システム72は、レーザ・システム71へ向かう方向へ移動したり、レーザ・システム71から離れる方向へ移動したりするように、例えば右から左へ、そして左から右へ移動するように、図5に示す通り、適当な方法でガントリ70に取り付けられる。理解される通り、本発明は、焦点整合システム72及びシート支持体68を互いに対して移動させるようになっている。限定ではないが、例えば、焦点整合システムとシート支持体を同時に移動させること、焦点整合システム72を静止させたままでシート支持体68を移動させること、及びシート支持体68を静止させたままで焦点整合システム72を移動させることなどが考えられる。
【0024】
図5及び図6を必要に応じて参照すると、本発明の非限定的な一実施例では、取付けブロック75(図6)が、ステッピング・モータ80(図5参照)によって駆動される一対の離間した軸76及び78上に位置決めされる。焦点整合システム72は、以下に議論する方法で取付けブロック75に取り付けられる。軸76及び78を一方向に回転させることにより、取付けブロック75と焦点整合システム70とが、シート支持体68及び作業台67の上方をレーザ・システム68(図5参照)に向かう第1の方向へ移動させられる。そして、軸76及び78を反対方向に回転させることにより、取付けブロック75と焦点整合システム70とが、シート支持体68及び作業台67の上方をレーザ・システム71から離れる第2の方向へ移動させられる。
【0025】
図6〜図8を必要に応じて参照すると、議論中の本発明の非限定的な実施例において、本発明の焦点整合システム72は、一方の端部92が定荷重ばね94によって取付けブロック75に連結された中空管90を備える。理解できる通り、本発明は、任意の1つのタイプの定荷重ばねに限定されない。本発明は、カリフォルニア州Santa Fe Springsに事務所を有するMc Master Carr社によって販売されるタイプの定荷重ばねを用いて実施された。管90の反対側の端部96は、連結ブロック100内に固定的に取り付けられている。連結ブロック100は、ブロック100の端部104からブロック100の反対側端部106へ向かって延びる第1の通路102(図7参照)、及び、ブロック100の端部106から端部104へ向かって延びる第2の通路108を有する。第1の通路102の内径は、第2の通路108の内径よりも大きくなっており、通路102と108の接合部にレンズ支持棚110が設けられている。第1の通路102の内径及び管90の外径は、管90の端部96が連結ブロック100の第1の通路102内に固定的に取り付けられて、管90の端部96とレンズ支持棚110との間に集束レンズ112が捕捉されるようにサイズ決めされる。本発明の実施に際して、60mmの集束レンズが使用された。連結ブロック100の第2の通路108は、焦点調整器114を受け入れるための雌ねじ113を有する。理解できる通り、本発明は、管90の端部96が連結ブロック100の第1の通路102内に固定的に固定される方法に限定されない。例えば、摩擦嵌め、接着剤、溶接、又はねじ切りされた表面など、当技術分野で知られた任意の技術も、本発明の実施に際して使用することができる。
【0026】
図5〜図7を必要に応じて参照すると、レーザ・ビーム74は、例えば鏡118など反射表面によって、管90(図5及び図6参照)内へ反射される。レーザ・ビーム74は、管90内を通過し、集束レンズ112を通過して、集束レーザ・ビーム120又は集中レーザ・ビーム120(図6及び図7参照)として焦点調整器114に入る。管90の内部表面122にある角度で取り付けることができる。または、鏡118は、任意の適当な方法で、取付けブロック75にある角度で固定的に取り付けることができる。本発明の非限定的な実施においては、鏡は、ブロック75に固定された支柱124に取り付けられた(図6参照)。鏡118が管90の端部92内へ延在するように取り付けられる場合、管90の端部92の区画が切り取られ、レーザ・ビーム74を鏡へ通過させるための窓126が設けられる(図5参照)。本発明の非限定的な別の実施例では、鏡118及び管90は、鏡118が管90の端部92内に入らないように位置決めされる。むしろ、管90は、レーザ71からのレーザ・ビーム74と干渉しないように鏡118の下方に位置決めされる。議論中の本発明の非限定的な実施例では、焦点整合システム72が静止しているとき、及び/又は、焦点整合システム72がシート支持体68(図7参照)の上方を移動し、焦点整合システムが取付けブロック75に向かう方向へ移動し、取付けブロック75から離れる方向へ移動するにつれて、以下に議論する方法で、鏡118及びレンズ112は位置合わせされ、レーザ・ビーム74を集束レンズ112の中心部分を通るように方向付ける。図6を参照すると、支柱130により取付けブロック75に固定されたスリーブ128内に管90を位置決めすることによって、焦点整合システム72がシート支持体68上方を移動するときの揺れが防止される。本発明の非限定的な一実施例では、スリーブ128の内部表面は、非摩擦表面である。取付けブロック75に向かう方向、及び取付けブロック75から離れる方向へ自由に管90を移動させるために、スリーブ128と管90との間に空気ベアリングを設けることによって本発明は実施された。
【0027】
次に図7を参照しながら、本発明の焦点調整器114について議論する。本発明の非限定的な一実施例において、焦点調整器114が使用され、集束レーザ・ビーム120の焦点132を、パック又は表面追従部136の表面134から所定の距離に設定される。議論中の本発明の非限定的な実施例では、焦点調整器114は、中空導管138を含む。中空導管138は、焦点調整器114を端部106内及びレンズ支持ブロック100の第2の通路108内にねじ込むために、雄ねじ端部140を有する。この構成では、焦点調整器114を第1の方向に回転させることによって、レンズ支持ブロック100内へ調整器114を移動させて、集束レーザ・ビーム120の焦点132と焦点調整器114の端部142との間の距離を増大させる。また、焦点調整器114を反対の第2の方向に回転させることによって、レンズ支持ブロック100の外へ焦点調整器114を移動させて、集束レーザ・ビーム120の焦点132と焦点調整器114の端部142との間の距離を減少させる。雌ねじワッシャ144は、焦点調整器114上にねじ止めされ、レンズ支持ブロック100の第2の端部106に係合させられて、集束レーザ・ビーム120の焦点132が焦点調整器114の第2の端部142から所定の離間距離となる設定位置に、焦点調整器114を固定する。
【0028】
エア・パック又は表面追従部136は、半球形の外部形状146、パック136の表面134に出口穴149を有する円錐形空洞部148、及び、パック136の表面134に出口部を有する複数の通路150を有する(図7〜図9参照)。焦点調整器114の導管138の端部142の内部表面152は、パック136の半球形外部形状146を受容するために外向きの傾斜表面である。例えば空気又は窒素などの気体が、加圧されて開口154を通してレンズ支持ブロック100内へ移動させられる。集束レンズ112は、管90内への気体の流れを遮断する。気体は、焦点調整器114の導管138を通り、焦点調整器114の端部142の外へ移動する。気体は、エア・パック136の外部表面146と焦点調整器114の内部表面152との間の間隙156を通り、またエア・パック136の開口149及び通路150を通って移動することによって、焦点調整器114から排出される。間隙152を通過する気体によって第1の空気又は気体ベアリングが提供され、エア・パック136が焦点調整器114の端部142内で自由に移動する。空気パック114の開口149及び通路150の出口端部を通過する気体によって、エア・パック114の表面134と、シート59の表面65にある被覆52の表面66(図5参照)との間に、第2の気体又は空気ベアリングが提供される。
【0029】
本発明の非限定的な一実施例では、気体がレンズ支持ブロック100内へ移動させられ、第1及び第2の気体ベアリングが提供される状態で、上述の通り焦点調整器114を回転させることによって、焦点調整器114が回転させられ、集束レーザ・ビーム120の焦点132が、例えばシート59の被覆52の表面66などの基準点から、又は焦点調整器114の第2の端部142から、所定の距離に位置付けられる。より詳細には、焦点調整器114を第1の方向に回転させることによって、レーザ・ビームの焦点132が、被覆52の表面66(図8参照)から離れる方向へ移動させられる。また、焦点調整器114を第2の方向に回転させることによって、エア・パック136の表面134が被覆52の表面66から離れる方向へ移動させられて、エア・パック36の表面134を被覆52の表面66に向かう方向へ移動させると、焦点132が被覆52の表面66に向かう方向へ移動させられる。
【0030】
議論中の本発明の非限定的な実施例では、本発明の焦点整合システム72の管90は、定荷重ばね94(図6のみに示す)によって取付けブロック75に連結されており、シート59の被覆52の形状付けされた表面66上のエア・パック136の動きによって、焦点整合システム72が、取付けブロック75に向かう方向へ、及び取付けブロック75から離れる方向へ移動させることができるようになっている。エア・パック136は、中心開口149及び円錐形空洞部148(図7及び図8参照)を備えており、エア・パックが被覆52及びシート59の表面輪郭の変化に応答して、焦点調整器114の導管138の端部142(図8参照)内で枢動及び/又は回転するとき、集束レーザ・ビーム120がエア・パック136の中心開口149を通り抜けるようになっている。
【0031】
本発明の好ましい実施において、焦点調整器114の導管138は、焦点調整器136の端部142に隣接する通路160(図8参照)を備える。開口154(図7参照)を通りレンズ支持ブロック100内へ移動した気体は、通路160を通って移動して、エア・パック136の周り又は移動するエア・パック136の前にエア・カーテンを提供し、被覆52の表面66上の粒子(図示せず)をエア・パック136の通路から吹き飛ばし、エア・パック136の表面134と被覆52の表面66との間に粒子が捕捉されることを回避する。エア・パック136及び捕捉された粒子が被覆の表面上を移動すると、捕捉された粒子が、被覆52の表面66を引っ掻くおそれがある。本発明の限定ではないが、気体は乾燥気体であり、本発明の実施に際しては、気体は窒素であった。気体中の湿分によって被覆52の表面66に粒子が付着させられるおそれがあるので、粒子を表面66から吹き飛ばすためには、乾燥気体が好ましい。
【0032】
エア・パック136の通路150及び開口149、並びに焦点調整器114の通路160を通って移動する気体の圧力は、(1)エア・パック136の表面134を、シート59上の被覆52の表面66(図8参照)から一定距離に維持するため、(2)焦点調整器114の表面152を、パック136の半球形表面156(図8参照)から一定距離に維持するため、及び(3)焦点調整器114の端部142にある通路160に気体を通し、パック136の周りに空気カーテンを提供するために十分な圧力である。この構成によれば、エア・パック136が被覆52の表面66の凸状又は盛り上がった部分を移動するとき、形状付けされたシート59上の被覆52の表面66上でのエア・パック136の動きによって、焦点整合システム70を取付けブロック75(図6参照)に向かう方向へ移動させる。そして、エア・パック136が被覆52の表面66の凹状又はへこんだ部分上で移動するときは、焦点整合システム70を取付けブロック75から離れる方向へ移動させる。この方法によれば、エア・パック136の表面134は、シート59上の被覆52の表面66(基準面)から一定の離間距離に維持される。そして、集束レーザ・ビーム120の焦点132(刃先)は、表面66(基準面)から固定された離間距離に維持され、被覆52内の切削線又は分離線60A、60B(図3)及び63(図4)が、基準面から一定距離で一定の幅を有するようにさせられる。
【0033】
本発明の非限定的な一実施例では、被覆52(図3及び図4参照)内に切削される切削線60A、60B、及び63の幅は、約0.016mm(0.0015インチ)である。エア・パック136の表面134と、シート59の表面65上の被覆52の表面66との間の距離は、約0.10mm(0.004インチ)であった。エア・パックは、プラスチックの半球形部材であり、直径が19.05mm(3/4インチ)であり、エア・パック136の表面134(図6参照)と対向する平坦な表面166を有していた。図9を参照すると、通路150は、約1.57mm(0.062インチ)の直径を有し、「十字」型の各脚部168上に2つの通路を有するように構成されており、中心開口149は、約3.18mm(0.125インチ)の直径を有していた。「十字」型の各脚部168上の通路150は、「十字」の脚部168の1/3地点にある。それぞれの通路150及び中心開口149の中心線は、エア・パック136の表面134から19.05mm(3/4インチ)の距離のところに互いに集束する。円錐形空洞部148(図8参照)は、エア・パック136の表面166にて約8.9mm(0.352インチ)の直径を有し、エア・パック136の表面134から約0.81mm(0.032インチ)の離間距離にある中心開口149において出会う傾斜壁部を有していた。中心開口149は、約3.18mm(0.125インチ)の直径を有していた。表面134と166(図8参照)の間で測定すると、エア・パックは、約8.41mm(0.331インチ)の厚みを有する。エア・パック136の表面142の縁部170は、鋭い縁部をなくすように傾斜を付けられていた(図8参照)。
【0034】
通路150は、エア・パック136の表面134に沿って所望の構成で位置決めすることができることを理解されたい。さらに、本発明の別の非限定的な実施例では、通路150をなくすことができ、気体用の通路を設けるために、パック136の本体を中空にすることができる。さらに本発明の別の非限定的な実施例では、通路150をなくし、パック136が円錐体148及び中央開口149のみを備えるようにすることができる。
【0035】
焦点調整器114の導管138は、長さ44.45mm(1.75インチ)、壁厚約3.18mm(0.125インチ)であった。8つの通路160が、導管138の端部142の周りに均等に離間された。通路160は、約2.44mm(0.096インチ)の直径を有していた。通路160の中央線は、導管138の外部表面に対して45°の角度であった。焦点調整器114の導管138の端部142にある傾斜した内壁122(図8参照)は、エア・パック136の表面146(図8参照)に合わせて形成された。理解することができるように、本発明は、エア・パック内の通路150の数、又は焦点調整器114の導管138内の通路160の数に限定されない。
【0036】
議論中の本発明の非限定的な実施例では、定荷重ばね94(図6参照)は、下向きの力を約170.1〜約396.9g(6〜14オンス)に制限され、エア・パック136にかかる圧力が制限された。気体流入口部154を通ってレンズ支持ブロック100内に入る窒素の気体圧力は、413.64パスカル(60ポンド/平方インチ)であった。上記構成では、エア・パック136は、シート59上の被覆52の表面66(図8参照)から約0.10mm(0.004インチ)離間され、エア・パック136の半球形表面146と、焦点調整器114の導管138の端部142における内部傾斜表面152との間の間隔156は、約0.10mm(0.004インチ)(図8参照)であった。焦点調整器114は、集束レーザ・ビーム120の焦点132がエア・パック136の表面134にくるように位置決めされた。
【0037】
本発明の非限定的な実施例では、シート59の被覆52の表面66がエア・パック136及び焦点整合システム72に対面する状態で、シート59はシート支持体68上に支持された。ステッピング・モータ80が通電され、焦点整合システム72がシート59の縁部に位置決めされた。焦点整合システム72は、取付けブロック75に向かって上向きに移動させられた。そして、焦点整合システム72がエア・パックをシート59の表面66上に配置するように下降させられると、エア・パック136は、焦点調整器114の導管138の端部142に保持された。乾燥窒素気体は、レンズ支持ブロック100の気体流入口部154を通して移動させられ、焦点調整器114の導管138の端部142に向かい、そしてその中を通って流れ、導管138の端部142内の通路160、エア・パック136と導管138の端部142との間の間隙152、並びにエア・パック136の通路150及び中心開口149を通って移動した。レーザ・システム71が通電され、レーザ・ビーム74が鏡118上に衝突させられた。鏡118は、管90及び集束レンズ112を通してレーザ・ビームを反射し、レーザ・ビームを焦点132に集束させた。焦点調整器114は、レーザ・ビームの焦点132を、エア・パック136の表面134に提供するように回転された。ステッピング・モータ80が通電され、焦点整合システム72及びエア・パック136が、被覆された表面66上を、例えば図5に示されるように右から左へ移動させられ、切削線60A、60B、及び/又は63が被覆52内に与えられる(図3及び図4参照)。図5に示されたシート59の向きは、図4に示されたシート59の向きと反対であることに留意されたい。焦点整合システム70が、被覆52の反対側端部に到達し、シート59の被覆されていない境界縁部167(図5参照)上へ移動させられると、レーザ・システムが非通電状態にされ、支持台64が、焦点整合システムの通路に対して垂直方向の通路に沿って、被覆区画169(図4参照)の幅と等距離にわたって移動させられる。ステッピング・モータの駆動が逆回転させられ、焦点整合システム70が図5に示されるように左から右へ移動させられ、第2の切削線63(図4参照)が被覆52内に与えられる。
【0038】
本発明の別の非限定的な実施例では、焦点整合システム70が、被覆52から、シート59の表面52の被覆されていない境界縁部167(図5参照)へ移動するとき、レーザは通電されたままであり、支持台64は、焦点整合システムの通路に対して垂直方向の通路に沿って被覆区間169の幅と等距離にわたって移動させられ、レーザ・ビームの焦点132は、シート59の被覆されていない境界縁部167に沿って移動する。ステッピング・モータの駆動は逆回転させられ、焦点整合システム70が図5に示されるように左から右へ移動させられ、第2の切削線63(図4参照)が被覆内に与えられる。本発明のさらに別の非限定的な実施例では、焦点整合システム70が被覆52の反対側端部に到達し、シート59の被覆されていない境界縁部167(図5参照)上へ移動させられると、レーザ・システムは非通電状態にさせられ、ステッピング・モータ80の駆動は逆回転させられ、焦点整合システム70をその開始位置へ移動させる。支持台64は、焦点整合システムの通路に対して垂直方向の通路に沿って、被覆区間169の幅と等距離にわたって移動させられる。レーザは通電され、焦点整合システム70は被覆52上を移動し、第2の切削線63が被覆内に与えられる。本発明の実施では、切削線60A、60B、及び/又は63を被覆52内に与えるために、通路が1つだけ製作された。本発明は、切削線63(図4参照)を与えるための通路の数に限定されず、被覆内に単一の切削線を与えるために、2つ又は複数の通路を製作することができる。理解することができるように、作業台67及び焦点整合システム70は、例えば、本発明を限定しないが、図3に示された切削線60Aと同様の切削線など、非線形の切削線を与えるために同時に移動させることができる。
【0039】
図10及び図11を参照すると、ガラス・シート59の表面65上に導電性被覆52を有するガラス・シート59が示されている。図10では、集束レーザ・ビーム120の焦点132は、ガラス・シート59の表面65にある。図11では、集束レーザ・ビーム120の焦点132は、ガラス・シート59の表面64と65との間にある。図10及び図11から、被覆52の表面66とレーザ・ビームの焦点132との間の距離が増大するにつれて切削線63の幅が増大し、そして、被覆52の表面66とレーザ・ビームの焦点132との間の距離が減少するにつれて切削線63の幅が減少することがわかる。当技術分野の技術者には理解される通り、焦点132が、例えば被覆52の表面66、又はガラス・シート59の表面64及び65のうちの一方など基準面に対して固定距離に維持される限り、レーザの焦点132によって与えられる線63の幅は一定である。
【0040】
図12を参照すると、ガラス・シート59の表面65上の被覆172は、導電膜174を備える。導電膜174は、例えば銀の膜であり、例えばすず酸亜鉛膜などの一対の誘電体膜176と178との間に設けられている。誘電体膜176は、ガラス・シート59の表面65上にある。図12に示された本発明の非限定的な実施例では、集束レーザ・ビーム120は、ガラス・シートの被覆されていない表面64及び被覆された表面65を通過させられ、焦点132を誘電体膜178の外部表面180上に有する。集束レーザ・ビーム120は、誘電体層176及び178を通過し、及び銀層174の一部を蒸発させて、銀の膜174内に空洞部又は切削線182をもたらし、隣接する被覆区画を互いに電気的に分離する。
【0041】
上記明細書において開示した概念から逸脱することなく本発明の非限定的な実施例の修正を行うことができることを、当技術分野の技術者は容易に理解することができるであろう。添付の特許請求の範囲の主題によって規定される本発明の精神から逸脱することなく、様々な変更を行うことができることが理解される。
【技術分野】
【0001】
本出願は、2008年12月18日出願の米国特許出願第61/138,756号の利益を主張するものである。その出願は、「レーザ・ビームの焦点とワーク表面との間の距離を維持するための装置及び方法(Apparatus For And Method Of Maintaining The Distance Between Focal Point Of A Laser Beam And A Work Surface)」という題名であり、本明細書に参照して援用される。
【0002】
本発明は、例えば切削レーザ・ビームの焦点などの刃先と、例えばシートの第1の主表面上の被覆の表面などの基準面との間に一定距離を維持し、均一な幅の切削又は分離線を被覆内に与えるための装置及び方法に関するものである。より詳細には、本発明は、基準面から一定距離で、一定の幅を有する切削又は分離線をその切削路に沿って与えるための装置及び方法に関するものである。
【背景技術】
【0003】
当技術分野の技術者によって理解される通り、航空機の積層風防ガラスは、風防ガラスの外部表面上に氷が形成されることを防ぐために、積層風防ガラスの、例えば外部ガラス・シートなど外部層の内部表面上に、1つの加熱装置を有することができる。そして、風防ガラスの内部表面の曇りを防止し、及び/又は曇りを除去するために、例えばガラス又はアクリル・シートなど構造層同士の間に、第2の加熱装置を有することができる。加熱装置は、通常、導電性の被覆を含む。例えば、導電性の被覆は、電源に接続された一対の母線の間の1つ又は複数の被膜である。導電性被覆の境界は、通常、シートの縁部から離間されており、シートの周囲形状に対応する。
【0004】
現在入手可能な加熱装置に伴う1つの制限は、それらを非線形又は湾曲した周囲を有するシート上で使用すると、非線形又は湾曲した周囲形状を有する導電性被覆を通して電流を均一に分配することが妨げられることである。被覆を通る電流の分配が不均一であることにより、被覆内にホット・スポットが生じるおそれがある。それにより風防ガラスの過熱が生じるおそれがあり、それにより風防ガラスの層間剥離が生じるおそれがある。ホット・スポットをなくすための1つの技術は、より均一な電流を被覆内に供給すように、導電性被覆を区分することである。被覆を区分するために被覆内に与えられる切削又は分離線の幅は十分小さく、限定ではないが、例えば0.048ミリメートル(以下「mm」とも称する)(0.0015インチ)の幅であり、風防ガラスを通して見る航空機の操縦者の目に見える分離線が最小限となり、又はまったく見えない。また、分離線の幅は、分離線が母線の間の領域内で区画を互いに電気的に分離するよう十分大きい。
【0005】
被覆を区分するための1つの技術は、被覆の全体にわたって1つ又は複数のレーザ・ビームの通路を作ることである。より詳細には、レーザ・ビームの焦点が、シートの基準面から所定の離間距離で導電性被膜に衝突するように位置決めされ、レーザ・ビームがその通路に沿って移動するにつれて、被覆の一部を蒸発させることによって被覆内に分離線を与える。この技術は、平坦なシートの表面に適用された導電性被膜には許容可能であるが、湾曲したシートの表面に適用された被膜に対してこの技術が実施される場合には欠点を有する。欠点の1つは、シートの表面曲率が変わるにつれて、レーザ・ビームの焦点とシートの基準面との間の距離が変わることである。その結果、レーザ・ビームの焦点と基準面との間の距離が短くなるにつれて消去線の幅が増大し、距離が長くなるにつれて消去線の幅が減少する。この欠点をなくすための1つの手法は、シートの湾曲表面の輪郭に追従するソフトウェア・プログラムを開発することである。当技術分野の技術者には理解される通り、2つのガラス・シートの湾曲表面の輪郭は同じではなく、それぞれのシート用のソフトウェア・プログラムが必要であり、これには時間がかかり、且つ高価である。欠点をなくすための別の手法は、表面曲率が変化するにつれてレーザ・ビームの焦点を変位させるように、被覆の表面と表面接触する部材を配置することである。この手法に伴う欠点は、この部材が被覆の表面の曲率変化に応答してレーザ・ビームの焦点を移動させるときに、この部材が被覆の表面を損傷させるおそれがあることである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第5,202,787号明細書
【特許文献2】米国特許第6,667,825号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開2007/0002422A1号明細書
【特許文献4】米国特許第5,965,853号明細書
【特許文献5】米国特許第5,675,944号明細書
【特許文献6】米国特許第4,610,771号明細書
【特許文献7】米国特許第4,806,220号明細書
【特許文献8】米国特許第5,821,001号明細書
【特許文献9】米国特許第4,623,389号明細書
【特許文献10】米国特許第4,894,513号明細書
【特許文献11】米国特許第4,994,650号明細書
【特許文献12】米国特許第4,902,875号明細書
【特許文献13】米国特許第6,471,360号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ここで当技術分野の技術者であれば理解することができるように、基準面から一定距離でほぼ一定の幅を有する1つ又は複数の切削線又は分離線であって、現在利用可能な技術の欠点を有さない切削線又は分離線を、導電性被覆など被覆内に与えるための技術を提供することが有利である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、形削り部材の刃先が物品の基準面に対して移動するときに、刃先を基準面から一定距離に維持するための装置に関するものである。この装置は、とりわけ、第1の端部及び反対側の第2の端部を有する管と、管の第1の端部を支持部材に連結するための一定の力を加える構造体と、管の第2の端部に取り付けられた表面追従部とを備える。表面追従部は、管の第2の端部から離れる方向を向いた主表面を有し、且つ複数の通路を有している。通路が、それぞれ表面追従部の主表面に出口部を有する。表面追従部の主表面及び形削り部材の刃先が互いに所定の関係を有する。気体を管の第2の端部に向かって管内へ移動させるための入口部が設けられる。気体が管の第2の端部の外へ移動すると、表面追従部の外部表面部分と管の第2の端部の内部表面部分との間に、第1の厚みを有する第1の気体ベアリングが提供される。表面追従部の主表面及び基準面が、互いに隣接し、互いに対面する関係にある場合、気体が表面追従部の複数の通路を通って移動すると、第2の厚みを有する第2の気体ベアリングが提供される。表面追従部が基準面上を移動し、形削り部材の刃先を物品の基準面から一定距離に維持するとき、第1の気体ベアリングの第1の厚み及び第2の気体ベアリングの第2の厚みをそれぞれ一定に維持するように、物品の基準面の曲率が、一定の力を加える構造体を拡張及び収縮させる。
【0009】
さらに、本発明は、ワーク・ピース内に切削線又は分離線を与えるための作業ステーションに関するものである。この作業ステーションは、とりわけ、ワーク支持表面を有する台、及びワーク表面の上に取り付けられたガントリを備える。ガントリは、支持部材を備え、ワーク支持表面と支持部材とは、互いに対して移動することができる。形削り部材の刃先をワーク・ピースの外部主表面から一定距離に維持するための装置は、ガントリによって支持される。そして、この装置は、とりわけ、第1の端部及び反対側の第2の端部を有する管と、管の第1の端部を支持部材に連結する一定の力を加える構造体と、管の第2の端部に取り付けられた表面追従部とを備える。表面追従部は、ワーク支持表面に対面する主表面を有し、表面追従部の主表面に出口部を有する複数の通路を有しており、表面追従部の主表面及び形削り部材の刃先が互いに所定の関係を有する。気体を管の第2の端部に向かって管内へ移動させるための入口部が設けられている。気体が管の第2の端部の外へ移動すると、表面追従部の外部表面部分と管の第2の端部の内部表面部分との間に、第1の厚みを有する第1の気体ベアリングが提供される。表面追従部の主表面及びワーク・ピースの主表面が、互いに隣接し、互いに対面する関係にある場合、気体が複数の通路を通って移動すると、第2の厚みを有する第2の気体ベアリングが提供される。
この構成では、表面追従部がワーク・ピースの主表面上を移動し、刃先をワーク・ピースの主表面から一定距離に維持するとき、第1の気体ベアリングの第1の厚み及び第2の気体ベアリングの第2の厚みをそれぞれ一定に維持するように、ワーク・ピースの主表面の曲率が、一定の力を加える構造体を拡張及び収縮させる。この構成では、刃先がその通路に沿って移動し、表面追従部がワーク・ピースの主表面上を移動する場合、刃先はワーク・ピースの主表面から一定距離に維持される。
【0010】
さらに、本発明は、ワーク・ピース内に切削線又は分離線を与える方法に関し、とりわけ、ワーク・ピースは、基準面を有する。この方法は、とりわけ、切削表面に対して所定の関係を有する主表面を有する表面追従部と、切削表面とを提供する段階と、ワーク・ピースの基準面と表面追従部の主表面との間に、一定の厚みを有する気体ベアリングを提供する段階と、ワーク・ピース内に切削線を与えるために、ワーク表面及び表面追従部を互いに対して移動させる段階とを含み、切削線は、基準面から一定の離間距離でその長さに沿って均一な幅を有する。
【0011】
本発明のさらなる非限定的な実施例は、ガラス・シートに関し、このガラス・シートは、とりわけ、シートの主表面上に導電性被覆を有する。その被覆は、とりわけ、一対の誘電体膜の間に導電膜を有する。被覆は、シートの側部間に延びる長さを有する分離線を有する。分離線は、電気絶縁分離又は切削線を導電膜内のみに与える。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施に際して使用することができる航空機の透明部を示す側面図である。
【図2】本発明の教示に従って区分することができる導電性被膜を有する、航空機の透明部の加熱装置を示す平面図である。
【図3】本発明の教示に従って区分される導電性被膜を有する、航空機の透明部の加熱装置の別の実施例を示す平面図である。
【図4】本発明の教示に従って区分されるガラス導電性被膜を有する、形状付けされた航空機の透明部を示す透視図である。
【図5】本発明の教示に従って導電性被覆内に切削線又は分離線を与えるための作業ステーションである。
【図6】本発明の教示に従って導電性被覆内に切削線又は分離線を与えるための、本発明の装置を示す側面図である。
【図7】本発明の焦点整合システムを示す、図6に示す装置の下側半分の断面図である。
【図8】本発明の表面追従部及び焦点調整器を示す、図6に示す装置の下方部分の断面図である。
【図9】本発明の表面追従部の基部を示す平面図である。
【図10】導電性被覆内のある深さの切削線又は分離線を示す図である。
【図11】導電性被覆内の別の深さの切削線又は分離線を示す図である。
【図12】導電性被覆内の別の深さの切削線又は分離線を示す図である。
【実施例】
【0013】
本明細書で用いる、「内部」、「外部」、「左」、「右」、「上へ」、「下へ」、「水平」、「垂直」など、空間的又は方向的用語は、図面に示された本発明について関係するものである。しかし、本発明は、様々な別の向きとすることができる。したがって、そのような用語は限定と考えられるべきではないことを理解されたい。さらに、本明細書及び特許請求の範囲において用いられる、寸法、物理的特徴などを表すすべての数字は、すべての場合に「約」という語によって修飾されると理解されるべきである。したがって、そうではないと指示されない限り、以下の明細書及び特許請求の範囲において示す数値は、本発明によって得ようとする所望の特性に応じて変えることができる。各数値パラメータは、少なくとも、特許請求の範囲についての均等論の適用を限定しようとするものではない。各数値パラメータは、少なくとも、報告された有効数字の桁数に照らし、且つ、通常の丸めの技法によって解釈されるべきである。さらに、本明細書で開示するすべての範囲は、その中に含まれるいずれか又はすべての部分範囲を包含することを理解されたい。例えば、「1から10」と述べられる範囲は、最小値1から最大値10の間の(及びそれらを含む)いずれか又はすべての部分範囲、即ち、例えば1〜6.7、3.2〜8.1、又は5.5〜10など、最小値が1又はそれより大きい値で始まり最大値が10又はそれより小さい値で終わるすべての部分範囲を含むと考えられるべきである。また、本明細書で用いる「上に適用される」又は「上に提供される」という用語は、表面上に、しかし必ずしも表面接触せずに、動かされ、適用され、又は設けられることを意味する。例えば、基材「上に適用される」材料は、堆積された材料と基材との間に位置付けられた同じ又は別の組成物でできた1つ又は複数の他の材料が存在することを除外せず、装置と表面との間にシート又は層が存在することを除外しない。
【0014】
本発明の非限定的な実施例を議論する前に、本発明は他の実施例とすることも可能であるので、本発明は、本明細書に示され議論される特定の非限定的な実施例の詳細に限定されないことを理解されたい。さらに、本発明を議論するために本明細書で用いられる語法は、説明のためのものであって限定のためのものではない。またさらに、以下の議論でそうではないと指示されない限り、同様の符号は同様の要素を示す。
【0015】
本発明の非限定的な実施例は、航空機の積層透明部の構成部材についての本発明の実施を対象とし、とりわけ、航空機の風防ガラスの加熱装置を対象とする。しかし、本発明は、いかなる特定のタイプの航空機の透明部にも限定されない。本発明は、限定ではないが、例えば米国特許第5,202,787号、同第6,667,825号、及び米国特許出願公開2007/0002422A1号に開示されるタイプの窓など、電気刺激に応答して可視的透過を増加又は減少させる媒体を有するタイプの、航空機の窓の構成部材において本発明が実施されるようになっている。また、限定ではないが、例えば米国特許第5,965,853号に開示されるタイプの窓など、一対の積層シート間の絶縁された空気間隙を有するタイプの、航空機の窓の構成部材について本発明が実施されるようになっている。これらの公開された特許文書の開示は、参照により本明細書に援用される。さらに本発明は、商業用及び住宅用の窓について実施できる。本発明は、限定ではないが、例えば、参照により本明細書に援用される米国特許第5,675,944号に開示されるタイプなど、任意のタイプの地上用乗物の窓、任意のタイプの空中及び宇宙用乗物のキャノピー、機室窓、及び風防ガラス、任意の水上及び水中用の船の窓、並びに、限定ではないが例えば冷蔵庫、棚、及び/又はオーブンのドアなど任意のタイプの容器用ののぞき窓又はドアのための窓において実施することができる。またさらに、本発明は、透明部の層又はシートの材料に限定されない。限定ではないが、層又はシートは、硬化又は非硬化プラスチック・シート製とすることができ、焼きなまされた、熱的及び化学的に強化された、透明の、色つきの、被覆された、被覆されない、ガラス・シート製とすることができる。
【0016】
図1は、本発明の教示に従って製作することができる、航空機の積層風防ガラス18の非限定的な実施例を示す。風防ガラス18の外部表面26の氷の形成を防ぐために、風防ガラス18は、例えばガラス・シートなどの外部層24の内部表面22に設けられた加熱装置20を含む。また、符号26は、風防ガラス18の外部層24の外部表面を示す。随意的に、風防ガラス18の内部表面32の曇りを防止し、及び/又は除去するために、風防ガラス18は、例えばガラス又はアクリル・シートなどの構造層28と30との間に、第2の加熱装置(図示せず)を有することができる。また、符号32は、構造層24の内部表面を示す。外部層24の内部表面22は、例えばビニール中間層シートなどの中間層シート36を介して構造層28の外部表面34に積層されている。構造層28及び30は、例えばウレタン中間層シートなどの中間層シート38を介して互いに積層されている。理解することができるように、本発明は、風防ガラス18の構造に限定されない。本発明の実施に際して、例えば風防ガラスなど、当技術分野で使用される航空機の透明部の任意の構造を使用することができる。さらに、本発明は、風防ガラス18を製作する、ガラス・シート、プラスチック・シート、ビニール中間層、又はウレタン中間層の数に限定されない。風防ガラス18は、任意の数のシート及び/又は中間層を有することもできる。
【0017】
図2を参照すると、本発明の非限定的な一実施例において、加熱装置20は、一対の母線42と43との間に、例えば1つ又は複数の膜などの導電性被覆又は層40を含む。母線42及び43は、配線(図示せず)によって電源(図示せず)に接続される。図2に示された導電性被覆40は、直線的な辺45〜48を有する長方形の平坦なシート41に適用される。図3を参照すると、本発明の別の非限定的な実施例において、加熱装置50は、平坦なシート54上に導電性被覆52を含む。図3に示された被覆52の側部56及び57は、非線形であり又は湾曲している。図4を参照すると、導電性被覆52を有する湾曲したシート59が示されている。上述のように、被覆52(図3及び図4参照)などの導電性被覆の側部が、非線形又は湾曲していることによって、母線42及び43(母線は図2及び図3にのみ示す)の間の被覆52を通過する電流の均一な分配が妨げられる。
【0018】
本発明は、加熱装置20(図2)及び50(図3及び図4)の設計及び/又は構造に限定されない。シート表面を加熱してシート表面上の氷を溶かすために、及び/又はシート表面から曇りを除去するために、当技術分野で使用される任意の導電性加熱装置を、本発明の実施に際して使用することができる。さらに、本発明は、導電性被覆40(図2)又は52(図3及び図4)の組成物に限定されない。例えば、本発明を限定せずに、導電性被覆40及び52は、任意の適当な導電性材料で製作することもできる。本発明の実施に際して使用することができる導電性被膜の非限定的な実施例には、PPG Industries,IncによってNESA(登録商標)という登録商標で販売されるタイプの熱分解蒸着フッ素ドープ酸化すず膜、PPG Industries,IncによってNESATRON(登録商標)という登録商標で販売されるタイプのマグネトロン・スパッタ蒸着すずドープ酸化インジウム膜、及び、1つ又は複数のマグネトロン・スパッタ蒸着膜で形成される被覆が含まれるが、これに限定されない。これらのマグネトロン・スパッタ蒸着膜は、例えば酸化亜鉛及び/又はすず酸亜鉛などの金属酸化膜(誘電体膜)の間に、例えば銀などの金属膜を含むが、これに限定されない。それぞれの膜は、マグネトロン・スパッタリングによって互いの上に順次に付着されることができる。マグネトロン・スパッタリングは、例えば米国特許第4,610,771号、米国特許第4,806,220号、及び米国特許第5,821,001号に開示されている。それらの開示は、参照により本明細書に援用される。
【0019】
本発明は、母線42及び43(図2及び図3)の設計及び/又は構造に限定されない。当技術分野で使用される任意のタイプの母線が、本発明の実施に際して使用することができる。本発明の実施に際して使用することができる母線の実施例には、米国特許第4,623,389号、米国特許第4,894,513号、米国特許第4,994,650号、米国特許第4,902,875号、及び米国特許第6,471,360号に開示されるタイプが含まれるが、これらに限定されない。これらの特許は、参照により本明細書に援用される。
【0020】
本発明の実施に際して、1つ又は複数の切削線又は分離線60A(非直線)及び60B(直線)が、導電性被覆内に備えられ、被覆52(図3参照)を区画62に分割する。そして、隣接する区画62を母線42と43との間で互いに電気的に分離して、被覆52を通る電流をより均一に分配し、シート54の表面上の温度分布をより均一にする。理解される通り、本発明の実施は、より均一にシート54を加熱するために被覆52を区分することに限定されない。当技術分野に知られているように、本発明は、被覆52を区分して、電流が区画を通って流れると区画62に様々な電圧を発生させ、シートの選択された部分を様々な温度に加熱し、又は様々な時間率で表面温度を得るように実施することができる。
【0021】
図5は、作業ステーション63を示す。この作業ステーション63は、本発明の非限定的な実施例を含み、例えばレーザ・ビームの焦点など、形削り部材の切削表面を、基準面から固定距離に維持する。本発明の非限定的な一実施例において、基準面は被覆52の表面66である(図5参照)。ただし、理解される通り、基準面はシート59の任意の表面とすることもできる。以下の議論において、本発明の非限定的な実施例においては、被覆上に母線を位置決めする前、及びシート59を構造層28に積層する前に、被覆52内に1つ又は複数の切削線又は分離線が与えられ、風防ガラス18(図1参照)が提供される。しかし、本発明はそれに限定されず、シート59が構造層28に積層された後に導電性被覆52を切削して区画にすることもできる。
【0022】
作業ステーション63は、シート支持体68を有する作業台67を含む。議論中の本発明の非限定的な実施例では、シート59の表面65は、シート支持体68の反対方向を向いており、シート59の被覆されていない表面64は、シート支持体68の表面69上に支持される。シート59は、任意の適当な通常の方法で、作業台67のシート支持体68上に固定される。任意の適当な通常の方法としては、例えば、保持クリップ(図示せず)があるが、それに限定されない。シート支持体68の表面69は、シート59の表面64の擦傷又は表面64への他の表面損傷を防止するために、例えばTEFLON(登録商標)被覆された表面など、非磨耗性被覆を有することが好ましい。理解することができるように、シート支持体上で支持されるシートが固定形状を有する場合、シートの形状は、支持表面69の輪郭と一致する必要はない。しかし、例えばシートが可撓性であるなど、シートが固定形状をもたない場合、支持表面69の輪郭は、それが支持するシートの最終的な形状の所望の輪郭を有することが好ましい。作業台67は、支持表面及びシート59を任意の方向に移動させるための設備(図示せず)を含むことができる。または、作業台67は、シート59を固定位置に維持するために静止させることができる。さらに本発明は、シート59の表面64をシート支持体68の表面69上に支持することに限定されない。本発明においては、被覆52の表面66をシート支持体68の表面69上に取り付けることも考えられる。さらに、本発明においては、床の振動が作業台64及びシート59を振動させることを防ぐために、作業台64を振動減衰台(図示せず)に取り付けることも考えられる。
【0023】
レーザ・システム71及び本発明(図6も参照)の非限定的な実施例である焦点整合システム72が、作業台67のシート支持体68の上方において、構造骨組又はガントリ70に取り付けられる。本発明は、レーザ・システム71のレーザに限定されない。本発明の実施に際して、レーザは、被覆52の選択された部分を消去するように選択され、例えばガラス・シート59などの被覆を支持する基材に悪影響を与えることなく、被覆52内に分離線、消去線、又は切削線60A及び/又は60B(図3)又は63(図4)を与えるようにする。より具体的には、本発明の非限定的な一実施例において、レーザ・ビームの波長は、例えばマグネロトン・スパッタリングされた多層被覆の銀の層などの被覆40及び52(図2〜4参照)の導電部材によってレーザのエネルギーの大半が吸収されるように選択される。導電膜層は、レーザ加熱された領域内において液化し、間隔をあけて離隔された微細な小球の形に再凝固する。これらの小球は、隣接する被覆区画間に所望の電気絶縁を提供する。本発明の別の非限定的な実施例では、レーザ・ビームの波長は、被覆が局所的に蒸発させられるよう、レーザ・エネルギーが被覆スタック全体によって吸収されるように選択される。蒸発させられた被覆は、被覆表面上に粒子として再凝固し、これらは、後続の被覆表面のクリーニングによって除去されることができる。本発明の非限定的な実施例は、青色のYAGレーザ(355ナノメートル、Qスイッチ、周波数増幅)及び出力1ワットのYAGレーザを用いて実施された。レーザ・ビーム74を本発明の焦点整合システム72へ向けて送るために、1つ又は複数の鏡(図示せず)が使用された。焦点整合システム72は、レーザ・システム71へ向かう方向へ移動したり、レーザ・システム71から離れる方向へ移動したりするように、例えば右から左へ、そして左から右へ移動するように、図5に示す通り、適当な方法でガントリ70に取り付けられる。理解される通り、本発明は、焦点整合システム72及びシート支持体68を互いに対して移動させるようになっている。限定ではないが、例えば、焦点整合システムとシート支持体を同時に移動させること、焦点整合システム72を静止させたままでシート支持体68を移動させること、及びシート支持体68を静止させたままで焦点整合システム72を移動させることなどが考えられる。
【0024】
図5及び図6を必要に応じて参照すると、本発明の非限定的な一実施例では、取付けブロック75(図6)が、ステッピング・モータ80(図5参照)によって駆動される一対の離間した軸76及び78上に位置決めされる。焦点整合システム72は、以下に議論する方法で取付けブロック75に取り付けられる。軸76及び78を一方向に回転させることにより、取付けブロック75と焦点整合システム70とが、シート支持体68及び作業台67の上方をレーザ・システム68(図5参照)に向かう第1の方向へ移動させられる。そして、軸76及び78を反対方向に回転させることにより、取付けブロック75と焦点整合システム70とが、シート支持体68及び作業台67の上方をレーザ・システム71から離れる第2の方向へ移動させられる。
【0025】
図6〜図8を必要に応じて参照すると、議論中の本発明の非限定的な実施例において、本発明の焦点整合システム72は、一方の端部92が定荷重ばね94によって取付けブロック75に連結された中空管90を備える。理解できる通り、本発明は、任意の1つのタイプの定荷重ばねに限定されない。本発明は、カリフォルニア州Santa Fe Springsに事務所を有するMc Master Carr社によって販売されるタイプの定荷重ばねを用いて実施された。管90の反対側の端部96は、連結ブロック100内に固定的に取り付けられている。連結ブロック100は、ブロック100の端部104からブロック100の反対側端部106へ向かって延びる第1の通路102(図7参照)、及び、ブロック100の端部106から端部104へ向かって延びる第2の通路108を有する。第1の通路102の内径は、第2の通路108の内径よりも大きくなっており、通路102と108の接合部にレンズ支持棚110が設けられている。第1の通路102の内径及び管90の外径は、管90の端部96が連結ブロック100の第1の通路102内に固定的に取り付けられて、管90の端部96とレンズ支持棚110との間に集束レンズ112が捕捉されるようにサイズ決めされる。本発明の実施に際して、60mmの集束レンズが使用された。連結ブロック100の第2の通路108は、焦点調整器114を受け入れるための雌ねじ113を有する。理解できる通り、本発明は、管90の端部96が連結ブロック100の第1の通路102内に固定的に固定される方法に限定されない。例えば、摩擦嵌め、接着剤、溶接、又はねじ切りされた表面など、当技術分野で知られた任意の技術も、本発明の実施に際して使用することができる。
【0026】
図5〜図7を必要に応じて参照すると、レーザ・ビーム74は、例えば鏡118など反射表面によって、管90(図5及び図6参照)内へ反射される。レーザ・ビーム74は、管90内を通過し、集束レンズ112を通過して、集束レーザ・ビーム120又は集中レーザ・ビーム120(図6及び図7参照)として焦点調整器114に入る。管90の内部表面122にある角度で取り付けることができる。または、鏡118は、任意の適当な方法で、取付けブロック75にある角度で固定的に取り付けることができる。本発明の非限定的な実施においては、鏡は、ブロック75に固定された支柱124に取り付けられた(図6参照)。鏡118が管90の端部92内へ延在するように取り付けられる場合、管90の端部92の区画が切り取られ、レーザ・ビーム74を鏡へ通過させるための窓126が設けられる(図5参照)。本発明の非限定的な別の実施例では、鏡118及び管90は、鏡118が管90の端部92内に入らないように位置決めされる。むしろ、管90は、レーザ71からのレーザ・ビーム74と干渉しないように鏡118の下方に位置決めされる。議論中の本発明の非限定的な実施例では、焦点整合システム72が静止しているとき、及び/又は、焦点整合システム72がシート支持体68(図7参照)の上方を移動し、焦点整合システムが取付けブロック75に向かう方向へ移動し、取付けブロック75から離れる方向へ移動するにつれて、以下に議論する方法で、鏡118及びレンズ112は位置合わせされ、レーザ・ビーム74を集束レンズ112の中心部分を通るように方向付ける。図6を参照すると、支柱130により取付けブロック75に固定されたスリーブ128内に管90を位置決めすることによって、焦点整合システム72がシート支持体68上方を移動するときの揺れが防止される。本発明の非限定的な一実施例では、スリーブ128の内部表面は、非摩擦表面である。取付けブロック75に向かう方向、及び取付けブロック75から離れる方向へ自由に管90を移動させるために、スリーブ128と管90との間に空気ベアリングを設けることによって本発明は実施された。
【0027】
次に図7を参照しながら、本発明の焦点調整器114について議論する。本発明の非限定的な一実施例において、焦点調整器114が使用され、集束レーザ・ビーム120の焦点132を、パック又は表面追従部136の表面134から所定の距離に設定される。議論中の本発明の非限定的な実施例では、焦点調整器114は、中空導管138を含む。中空導管138は、焦点調整器114を端部106内及びレンズ支持ブロック100の第2の通路108内にねじ込むために、雄ねじ端部140を有する。この構成では、焦点調整器114を第1の方向に回転させることによって、レンズ支持ブロック100内へ調整器114を移動させて、集束レーザ・ビーム120の焦点132と焦点調整器114の端部142との間の距離を増大させる。また、焦点調整器114を反対の第2の方向に回転させることによって、レンズ支持ブロック100の外へ焦点調整器114を移動させて、集束レーザ・ビーム120の焦点132と焦点調整器114の端部142との間の距離を減少させる。雌ねじワッシャ144は、焦点調整器114上にねじ止めされ、レンズ支持ブロック100の第2の端部106に係合させられて、集束レーザ・ビーム120の焦点132が焦点調整器114の第2の端部142から所定の離間距離となる設定位置に、焦点調整器114を固定する。
【0028】
エア・パック又は表面追従部136は、半球形の外部形状146、パック136の表面134に出口穴149を有する円錐形空洞部148、及び、パック136の表面134に出口部を有する複数の通路150を有する(図7〜図9参照)。焦点調整器114の導管138の端部142の内部表面152は、パック136の半球形外部形状146を受容するために外向きの傾斜表面である。例えば空気又は窒素などの気体が、加圧されて開口154を通してレンズ支持ブロック100内へ移動させられる。集束レンズ112は、管90内への気体の流れを遮断する。気体は、焦点調整器114の導管138を通り、焦点調整器114の端部142の外へ移動する。気体は、エア・パック136の外部表面146と焦点調整器114の内部表面152との間の間隙156を通り、またエア・パック136の開口149及び通路150を通って移動することによって、焦点調整器114から排出される。間隙152を通過する気体によって第1の空気又は気体ベアリングが提供され、エア・パック136が焦点調整器114の端部142内で自由に移動する。空気パック114の開口149及び通路150の出口端部を通過する気体によって、エア・パック114の表面134と、シート59の表面65にある被覆52の表面66(図5参照)との間に、第2の気体又は空気ベアリングが提供される。
【0029】
本発明の非限定的な一実施例では、気体がレンズ支持ブロック100内へ移動させられ、第1及び第2の気体ベアリングが提供される状態で、上述の通り焦点調整器114を回転させることによって、焦点調整器114が回転させられ、集束レーザ・ビーム120の焦点132が、例えばシート59の被覆52の表面66などの基準点から、又は焦点調整器114の第2の端部142から、所定の距離に位置付けられる。より詳細には、焦点調整器114を第1の方向に回転させることによって、レーザ・ビームの焦点132が、被覆52の表面66(図8参照)から離れる方向へ移動させられる。また、焦点調整器114を第2の方向に回転させることによって、エア・パック136の表面134が被覆52の表面66から離れる方向へ移動させられて、エア・パック36の表面134を被覆52の表面66に向かう方向へ移動させると、焦点132が被覆52の表面66に向かう方向へ移動させられる。
【0030】
議論中の本発明の非限定的な実施例では、本発明の焦点整合システム72の管90は、定荷重ばね94(図6のみに示す)によって取付けブロック75に連結されており、シート59の被覆52の形状付けされた表面66上のエア・パック136の動きによって、焦点整合システム72が、取付けブロック75に向かう方向へ、及び取付けブロック75から離れる方向へ移動させることができるようになっている。エア・パック136は、中心開口149及び円錐形空洞部148(図7及び図8参照)を備えており、エア・パックが被覆52及びシート59の表面輪郭の変化に応答して、焦点調整器114の導管138の端部142(図8参照)内で枢動及び/又は回転するとき、集束レーザ・ビーム120がエア・パック136の中心開口149を通り抜けるようになっている。
【0031】
本発明の好ましい実施において、焦点調整器114の導管138は、焦点調整器136の端部142に隣接する通路160(図8参照)を備える。開口154(図7参照)を通りレンズ支持ブロック100内へ移動した気体は、通路160を通って移動して、エア・パック136の周り又は移動するエア・パック136の前にエア・カーテンを提供し、被覆52の表面66上の粒子(図示せず)をエア・パック136の通路から吹き飛ばし、エア・パック136の表面134と被覆52の表面66との間に粒子が捕捉されることを回避する。エア・パック136及び捕捉された粒子が被覆の表面上を移動すると、捕捉された粒子が、被覆52の表面66を引っ掻くおそれがある。本発明の限定ではないが、気体は乾燥気体であり、本発明の実施に際しては、気体は窒素であった。気体中の湿分によって被覆52の表面66に粒子が付着させられるおそれがあるので、粒子を表面66から吹き飛ばすためには、乾燥気体が好ましい。
【0032】
エア・パック136の通路150及び開口149、並びに焦点調整器114の通路160を通って移動する気体の圧力は、(1)エア・パック136の表面134を、シート59上の被覆52の表面66(図8参照)から一定距離に維持するため、(2)焦点調整器114の表面152を、パック136の半球形表面156(図8参照)から一定距離に維持するため、及び(3)焦点調整器114の端部142にある通路160に気体を通し、パック136の周りに空気カーテンを提供するために十分な圧力である。この構成によれば、エア・パック136が被覆52の表面66の凸状又は盛り上がった部分を移動するとき、形状付けされたシート59上の被覆52の表面66上でのエア・パック136の動きによって、焦点整合システム70を取付けブロック75(図6参照)に向かう方向へ移動させる。そして、エア・パック136が被覆52の表面66の凹状又はへこんだ部分上で移動するときは、焦点整合システム70を取付けブロック75から離れる方向へ移動させる。この方法によれば、エア・パック136の表面134は、シート59上の被覆52の表面66(基準面)から一定の離間距離に維持される。そして、集束レーザ・ビーム120の焦点132(刃先)は、表面66(基準面)から固定された離間距離に維持され、被覆52内の切削線又は分離線60A、60B(図3)及び63(図4)が、基準面から一定距離で一定の幅を有するようにさせられる。
【0033】
本発明の非限定的な一実施例では、被覆52(図3及び図4参照)内に切削される切削線60A、60B、及び63の幅は、約0.016mm(0.0015インチ)である。エア・パック136の表面134と、シート59の表面65上の被覆52の表面66との間の距離は、約0.10mm(0.004インチ)であった。エア・パックは、プラスチックの半球形部材であり、直径が19.05mm(3/4インチ)であり、エア・パック136の表面134(図6参照)と対向する平坦な表面166を有していた。図9を参照すると、通路150は、約1.57mm(0.062インチ)の直径を有し、「十字」型の各脚部168上に2つの通路を有するように構成されており、中心開口149は、約3.18mm(0.125インチ)の直径を有していた。「十字」型の各脚部168上の通路150は、「十字」の脚部168の1/3地点にある。それぞれの通路150及び中心開口149の中心線は、エア・パック136の表面134から19.05mm(3/4インチ)の距離のところに互いに集束する。円錐形空洞部148(図8参照)は、エア・パック136の表面166にて約8.9mm(0.352インチ)の直径を有し、エア・パック136の表面134から約0.81mm(0.032インチ)の離間距離にある中心開口149において出会う傾斜壁部を有していた。中心開口149は、約3.18mm(0.125インチ)の直径を有していた。表面134と166(図8参照)の間で測定すると、エア・パックは、約8.41mm(0.331インチ)の厚みを有する。エア・パック136の表面142の縁部170は、鋭い縁部をなくすように傾斜を付けられていた(図8参照)。
【0034】
通路150は、エア・パック136の表面134に沿って所望の構成で位置決めすることができることを理解されたい。さらに、本発明の別の非限定的な実施例では、通路150をなくすことができ、気体用の通路を設けるために、パック136の本体を中空にすることができる。さらに本発明の別の非限定的な実施例では、通路150をなくし、パック136が円錐体148及び中央開口149のみを備えるようにすることができる。
【0035】
焦点調整器114の導管138は、長さ44.45mm(1.75インチ)、壁厚約3.18mm(0.125インチ)であった。8つの通路160が、導管138の端部142の周りに均等に離間された。通路160は、約2.44mm(0.096インチ)の直径を有していた。通路160の中央線は、導管138の外部表面に対して45°の角度であった。焦点調整器114の導管138の端部142にある傾斜した内壁122(図8参照)は、エア・パック136の表面146(図8参照)に合わせて形成された。理解することができるように、本発明は、エア・パック内の通路150の数、又は焦点調整器114の導管138内の通路160の数に限定されない。
【0036】
議論中の本発明の非限定的な実施例では、定荷重ばね94(図6参照)は、下向きの力を約170.1〜約396.9g(6〜14オンス)に制限され、エア・パック136にかかる圧力が制限された。気体流入口部154を通ってレンズ支持ブロック100内に入る窒素の気体圧力は、413.64パスカル(60ポンド/平方インチ)であった。上記構成では、エア・パック136は、シート59上の被覆52の表面66(図8参照)から約0.10mm(0.004インチ)離間され、エア・パック136の半球形表面146と、焦点調整器114の導管138の端部142における内部傾斜表面152との間の間隔156は、約0.10mm(0.004インチ)(図8参照)であった。焦点調整器114は、集束レーザ・ビーム120の焦点132がエア・パック136の表面134にくるように位置決めされた。
【0037】
本発明の非限定的な実施例では、シート59の被覆52の表面66がエア・パック136及び焦点整合システム72に対面する状態で、シート59はシート支持体68上に支持された。ステッピング・モータ80が通電され、焦点整合システム72がシート59の縁部に位置決めされた。焦点整合システム72は、取付けブロック75に向かって上向きに移動させられた。そして、焦点整合システム72がエア・パックをシート59の表面66上に配置するように下降させられると、エア・パック136は、焦点調整器114の導管138の端部142に保持された。乾燥窒素気体は、レンズ支持ブロック100の気体流入口部154を通して移動させられ、焦点調整器114の導管138の端部142に向かい、そしてその中を通って流れ、導管138の端部142内の通路160、エア・パック136と導管138の端部142との間の間隙152、並びにエア・パック136の通路150及び中心開口149を通って移動した。レーザ・システム71が通電され、レーザ・ビーム74が鏡118上に衝突させられた。鏡118は、管90及び集束レンズ112を通してレーザ・ビームを反射し、レーザ・ビームを焦点132に集束させた。焦点調整器114は、レーザ・ビームの焦点132を、エア・パック136の表面134に提供するように回転された。ステッピング・モータ80が通電され、焦点整合システム72及びエア・パック136が、被覆された表面66上を、例えば図5に示されるように右から左へ移動させられ、切削線60A、60B、及び/又は63が被覆52内に与えられる(図3及び図4参照)。図5に示されたシート59の向きは、図4に示されたシート59の向きと反対であることに留意されたい。焦点整合システム70が、被覆52の反対側端部に到達し、シート59の被覆されていない境界縁部167(図5参照)上へ移動させられると、レーザ・システムが非通電状態にされ、支持台64が、焦点整合システムの通路に対して垂直方向の通路に沿って、被覆区画169(図4参照)の幅と等距離にわたって移動させられる。ステッピング・モータの駆動が逆回転させられ、焦点整合システム70が図5に示されるように左から右へ移動させられ、第2の切削線63(図4参照)が被覆52内に与えられる。
【0038】
本発明の別の非限定的な実施例では、焦点整合システム70が、被覆52から、シート59の表面52の被覆されていない境界縁部167(図5参照)へ移動するとき、レーザは通電されたままであり、支持台64は、焦点整合システムの通路に対して垂直方向の通路に沿って被覆区間169の幅と等距離にわたって移動させられ、レーザ・ビームの焦点132は、シート59の被覆されていない境界縁部167に沿って移動する。ステッピング・モータの駆動は逆回転させられ、焦点整合システム70が図5に示されるように左から右へ移動させられ、第2の切削線63(図4参照)が被覆内に与えられる。本発明のさらに別の非限定的な実施例では、焦点整合システム70が被覆52の反対側端部に到達し、シート59の被覆されていない境界縁部167(図5参照)上へ移動させられると、レーザ・システムは非通電状態にさせられ、ステッピング・モータ80の駆動は逆回転させられ、焦点整合システム70をその開始位置へ移動させる。支持台64は、焦点整合システムの通路に対して垂直方向の通路に沿って、被覆区間169の幅と等距離にわたって移動させられる。レーザは通電され、焦点整合システム70は被覆52上を移動し、第2の切削線63が被覆内に与えられる。本発明の実施では、切削線60A、60B、及び/又は63を被覆52内に与えるために、通路が1つだけ製作された。本発明は、切削線63(図4参照)を与えるための通路の数に限定されず、被覆内に単一の切削線を与えるために、2つ又は複数の通路を製作することができる。理解することができるように、作業台67及び焦点整合システム70は、例えば、本発明を限定しないが、図3に示された切削線60Aと同様の切削線など、非線形の切削線を与えるために同時に移動させることができる。
【0039】
図10及び図11を参照すると、ガラス・シート59の表面65上に導電性被覆52を有するガラス・シート59が示されている。図10では、集束レーザ・ビーム120の焦点132は、ガラス・シート59の表面65にある。図11では、集束レーザ・ビーム120の焦点132は、ガラス・シート59の表面64と65との間にある。図10及び図11から、被覆52の表面66とレーザ・ビームの焦点132との間の距離が増大するにつれて切削線63の幅が増大し、そして、被覆52の表面66とレーザ・ビームの焦点132との間の距離が減少するにつれて切削線63の幅が減少することがわかる。当技術分野の技術者には理解される通り、焦点132が、例えば被覆52の表面66、又はガラス・シート59の表面64及び65のうちの一方など基準面に対して固定距離に維持される限り、レーザの焦点132によって与えられる線63の幅は一定である。
【0040】
図12を参照すると、ガラス・シート59の表面65上の被覆172は、導電膜174を備える。導電膜174は、例えば銀の膜であり、例えばすず酸亜鉛膜などの一対の誘電体膜176と178との間に設けられている。誘電体膜176は、ガラス・シート59の表面65上にある。図12に示された本発明の非限定的な実施例では、集束レーザ・ビーム120は、ガラス・シートの被覆されていない表面64及び被覆された表面65を通過させられ、焦点132を誘電体膜178の外部表面180上に有する。集束レーザ・ビーム120は、誘電体層176及び178を通過し、及び銀層174の一部を蒸発させて、銀の膜174内に空洞部又は切削線182をもたらし、隣接する被覆区画を互いに電気的に分離する。
【0041】
上記明細書において開示した概念から逸脱することなく本発明の非限定的な実施例の修正を行うことができることを、当技術分野の技術者は容易に理解することができるであろう。添付の特許請求の範囲の主題によって規定される本発明の精神から逸脱することなく、様々な変更を行うことができることが理解される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
形削り部材の刃先が物品の基準面に対して移動するときに、前記刃先を前記基準面から一定距離に維持するための装置において、前記装置は、
第1の端部及び反対側の第2の端部を有する管と、
前記管の前記第1の端部を支持部材に連結するための、一定の力を加える構造体と、
前記管の前記第2の端部に取り付けられた表面追従部であって、前記表面追従部は、前記管の前記第2の端部から離れる方向を向いた主表面を有し、且つ複数の通路を有しており、前記通路がそれぞれ前記表面追従部の前記主表面に出口部を有しており、前記表面追従部の前記主表面及び前記形削り部材の前記刃先が互いに所定の関係を有する、表面追従部と、
気体を前記管の前記第2の端部に向かって前記管内へ移動させるための入口部であって、前記気体が前記管の前記第2の端部の外へ移動すると、前記表面追従部の外部表面部分と前記管の前記第2の端部の内部表面部分との間に、第1の厚みを有する第1の気体ベアリングが提供され、前記表面追従部の前記主表面及び前記基準面が、互いに隣接し、互いに対面する関係にある場合、前記気体が前記表面追従部の前記複数の通路を通って移動すると、第2の厚みを有する第2の気体ベアリングが提供される、入口部とを含み、
前記表面追従部が前記基準面上を移動し、前記形削り部材の前記刃先を前記物品の前記基準面から一定距離に維持するとき、前記第1の気体ベアリングの前記第1の厚み及び前記第2の気体ベアリングの前記第2の厚みをそれぞれ一定に維持するように、前記物品の前記基準面の曲率が、前記一定の力を加える構造体を拡張及び収縮させる、前記装置。
【請求項2】
前記形削り部材が、レーザ・ビームであり、前記刃先が、前記レーザ・ビームの焦点であり、前記管が、第1の端部及び反対側の第2の端部を有する第1の中空導管と、第1の端部及び反対側の第2の端部を有する第2の中空導管とをさらに含み、前記管の前記第1の端部が、前記第1の導管の前記第1の端部であり、前記管の前記第2の端部が、前記第2の導管の前記第2の端部であり、前記管が、前記レーザ・ビームを集束して前記レーザ・ビームの前記焦点を提供するために前記第1の導管内に取り付けられたレンズをさらに含み、前記第1の導管の前記第2の端部と前記第2の導管の前記第1の端部とが、互いに接合され、前記レンズと前記第2の導管の前記第2の端部との間の距離を増大又は減少させるように互いに対して移動させることができる、請求項1に記載された装置。
【請求項3】
前記表面追従部の本体が、前記表面追従部の前記主表面に出口開口部を有する空洞部を有し、前記レーザ・ビームが、前記第2の導管の前記第2の端部に向かって前記レンズを通過し、前記表面追従部の前記空洞部の前記出口開口部を通過し、前記第2の導管を第1の方向に移動させることにより、前記レーザ・ビームの前記焦点と前記第2の導管の前記第2の端部との間の離間距離が増大し、前記第2の導管を第2の方向に移動させることにより、前記レーザの前記焦点と前記第2の導管の前記第2の端部との間の前記離間距離が減少する、請求項2に記載された装置。
【請求項4】
前記第2の導管の前記第2の端部が、円形端部であり、前記第2の導管の前記第2の端部の内部表面が、外向きに傾斜した表面であり、前記表面追従部の前記主表面が、平坦な主表面であり、前記表面追従部が、半球状外部形状を有し、前記平坦な主表面の直径が、前記第2の導管の前記第2の端部の内径より大きい、請求項3に記載された装置。
【請求項5】
前記第2の導管の前記第2の端部に隣接する前記第2の導管の壁部を通る第2の複数の通路をさらに含み、前記第2の導管を通って移動する前記気体の一部が、前記表面追従部の周りに気体カーテンを提供するように前記第2の複数の通路を通って移動する、請求項4に記載された装置。
【請求項6】
ワーク・ピース内に切削線を与えるための作業ステーションであって、前記作業ステーションは、
ワーク支持表面を有する台と、
支持部材を備え、前記ワーク表面の上に取り付けられたガントリであって、前記ワーク支持表面及び前記支持部材を互いに対して移動させることができる、ガントリと、
形削り部材の刃先を、前記ワーク・ピースの外部主表面から一定距離に維持するための装置とを含み、前記装置が、
第1の端部及び反対側の第2の端部を有する管と、
前記管の前記第1の端部を前記支持部材に連結する、一定の力を加える構造体と、
前記管の前記第2の端部に取り付けられた表面追従部であって、前記表面追従部は、前記ワーク支持表面に対面する主表面を有し、前記表面追従部が、前記表面追従部の前記主表面に出口部を有する複数の通路を有しており、前記表面追従部の前記主表面及び前記形削り部材の前記刃先が互いに所定の関係を有する、表面追従部と、
気体を前記管の前記第2の端部に向かって前記管内へ移動させるための入口部であって、前記気体が前記管の前記第2の端部の外へ移動すると、前記表面追従部の外部表面部分と前記管の前記第2の端部の内部表面部分との間に、第1の厚みを有する第1の気体ベアリングが提供され、前記表面追従部の前記主表面及び前記ワーク・ピースの前記主表面が、互いに隣接し、互いに対面する関係にある場合、前記気体が前記複数の通路を通って移動すると、第2の厚みを有する第2の気体ベアリングが提供される、入口部とを含み、
前記刃先がその通路に沿って移動し、前記表面追従部が前記ワーク・ピースの前記主表面上を移動する場合、前記表面追従部が前記ワーク・ピースの前記主表面上を移動し、前記刃先を前記ワーク・ピースの前記主表面から一定距離に維持するとき、前記第1の気体ベアリングの前記第1の厚み及び前記第2の気体ベアリングの前記第2の厚みをそれぞれ一定に維持するように、前記ワーク・ピースの前記主表面の曲率が、前記一定の力を加える構造体を拡張及び収縮させる、作業ステーション。
【請求項7】
前記支持部材に固定的に取り付けられ前記管の外部表面を取り囲むスリーブをさらに含み、前記一定の力を加える構造体が収縮及び拡張すると、それぞれ、前記管が前記支持部材に向かい、前記支持部材から離れて前記スリーブ内を摺動する、請求項6に記載の作業ステーション。
【請求項8】
空気ベアリングが、前記管の前記外部表面と、前記スリーブの内部表面との間にある、請求項7に記載された作業ステーション。
【請求項9】
前記ワーク・ピースが、第1の主表面及び反対側の第2の主表面を有するシートと、前記シートの前記第1の主表面に適用された導電膜とを含み、前記シートが、前記膜が前記ワーク支持表面から離れる方向を向いた状態で前記ワーク支持表面上に支持され、前記シートの前記第1の主表面が、前記ワーク・ピースの前記主表面である、請求項6に記載された作業ステーション。
【請求項10】
前記形削り部材が前記ガントリに取り付けられ、前記形削り部材がレーザであり、前記刃先が、前記レーザからのレーザ・ビームの焦点であり、前記管が、第1の端部及び反対側の第2の端部を有する第1の中空導管と、第1の端部及び反対側の第2の端部を有する第2の中空導管とをさらに含み、前記管の前記第1の端部が、前記第1の導管の前記第1の端部であり、前記管の前記第2の端部が、前記第2の導管の前記第2の端部であり、前記管が、前記レーザ・ビームを集束して前記レーザ・ビームの前記焦点を提供するために前記第1の導管内に取り付けられたレンズをさらに含み、前記第1の導管の前記第2の端部と前記第2の導管の前記第1の端部とが、互いに接合され、前記レンズと前記第2の導管の前記第2の端部との間の距離を増大又は減少させるように互いに対して移動させることができる、請求項9に記載された作業ステーション。
【請求項11】
前記表面追従部の本体が、前記表面追従部の前記主表面に出口開口部を有する空洞部を有し、前記作業ステーションが、前記支持部材に取り付けられた鏡をさらに含み、前記レーザ・ビームを、前記第1の導管内へ送り、前記レンズを通して前記第2の導管の前記第2の端部へ向けて、前記表面追従部の前記空洞部の前記出口開口部を通し、前記レーザ・ビームの焦点が、前記第2の導管の前記第2の端部からある離間距離にあり、前記第2の導管を第1の方向に移動させることにより、前記レーザ・ビームの前記焦点と前記第2の導管の前記第2の端部との間の前記離間距離が増大し、前記第2の導管を第2の方向に移動させることにより、前記レーザの前記焦点と前記第2の導管の前記第2の端部との間の前記離間距離が減少する、請求項10に記載された作業ステーション。
【請求項12】
前記第2の導管の前記第2の端部が、円形端部であり、前記第2の導管の前記第2の端部の内部表面が、外向きに傾斜した表面であり、前記表面追従部の前記主表面が、平坦な主表面であり、前記表面追従部が、半球状外部形状を有し、前記平坦な主表面の直径が、前記第2の導管の前記第2の端部の内径より大きい、請求項11に記載された装置。
【請求項13】
前記第2の導管の前記第2の端部に隣接する前記第2の導管の壁部を通る第2の複数の通路をさらに含み、前記第2の導管を通って移動する前記気体の一部が、前記表面追従部の周りに気体カーテンを提供するように前記第2の複数の通路を通って移動する、請求項12に記載された作業ステーション。
【請求項14】
前記一定の力を加える構造体が、定荷重ばねであり、前記作業ステーションは、前記支持部材に固定的に取り付けられ前記管の外部表面を取り囲むスリーブをさらに含み、前記管が前記支持部材に向かい、前記支持部材から離れて移動するとき、前記管が、前記スリーブ内で摺動する、請求項13に記載された作業ステーション。
【請求項15】
ワーク・ピース内に切削線を与える方法において、前記ワーク・ピースは基準面を含み、前記方法は、
表面追従部及び切削表面を提供する段階であって、前記表面追従部が、前記切削表面と所定の関係を有する主表面を有する、段階と、
前記ワーク・ピースの前記基準面と前記表面追従部の前記主表面との間に、一定の厚みを有する気体ベアリングを提供する段階と、
前記基準面から一定の離間距離でその長さに沿って均一な幅を有する切削線を前記ワーク・ピース内に与えるために、前記ワーク・ピース及び前記表面追従部を互いに対して移動させる段階とを含む方法。
【請求項16】
前記ワーク・ピースが、基準面を有する形状付けされたシートと、前記ワーク・ピースの主表面上の導電性被覆とを含み、前記切削線が前記被覆内に与えられる、請求項15に記載された方法。
【請求項17】
レーザ・ビームの焦点を前記被覆に沿って移動させると同時に、前記表面追従部を前記シートの前記基準面上を移動させることによって、前記切削線が前記導電性被覆内に与えられる、請求項16に記載された方法。
【請求項18】
前記気体ベアリングが、第1の気体ベアリングであって、前記方法は、
前記シートの前記基準面がワーク表面から離れる方向を向いた状態で、前記シートを前記ワーク表面の上に位置決めする段階と、
一定の力を加える構造体によって、管の第1の端部を支持部材に取り付ける段階と、
前記表面追従部を前記管の第2の端部内に配置する段階であって、前記表面追従部が、前記基準面に対面する主表面を有し、前記表面追従部が、複数の通路を有し、前記通路がそれぞれ、前記表面追従部の前記主表面にて出口部を有する、段階と、
前記管を通し、前記管の前記第2の端部に向けて気体を移動させる段階であって、前記気体が、前記管の前記第2の端部に向かって移動し、前記気体の第1の部分が、前記表面追従部の前記主表面と前記基準面との間に所定の厚みを有する前記第1の気体ベアリングを提供するように、前記表面追従部の前記通路を通って移動し、前記気体の第2の部分が、所定の厚みの第2の気体ベアリングを提供するように、前記管の前記第2の端部と前記表面追従部との間で移動する、段階と、
前記表面追従部を前記シートの前記基準面に沿って移動させ、前記レーザ・ビームの前記焦点を切削通路に沿って移動させるために、前記支持部材を移動させる段階であって、前記基準面の曲率は、前記表面追従部が前記基準面上を移動し、前記レーザ・ビームの前記焦点が前記切削路に沿って移動するとき、前記第1の気体ベアリングの前記第1の厚み及び前記第2の気体ベアリングの前記第2の厚みをそれぞれ一定に維持するために、前記一定の力の構成を拡張及び収縮させ、前記切削路に沿った前記レーザ・ビームの前記焦点が、前記基準面から一定の離間距離にある、段階とをさらに含む、請求項17に記載された方法。
【請求項19】
前記表面追従部の本体が、前記表面追従部の前記主表面にて出口開口部を有する空洞部を有しており、前記方法が、前記レーザ・ビームの前記焦点を、前記表面追従部の主表面からある離間距離に位置決めするように、集束レーザ・ビームを前記表面追従部の前記空洞部へ向けその中へ方向付ける段階をさらに含む、請求項18に記載された方法。
【請求項20】
主表面上に導電性被覆を含むガラス・シートにおいて、前記被覆が一対の誘電体膜の間に導電膜を含み、前記導電膜が分離通路を有し、前記分離通路が、前記一対の誘電体膜の表面の間にある、ガラス・シート。
【請求項1】
形削り部材の刃先が物品の基準面に対して移動するときに、前記刃先を前記基準面から一定距離に維持するための装置において、前記装置は、
第1の端部及び反対側の第2の端部を有する管と、
前記管の前記第1の端部を支持部材に連結するための、一定の力を加える構造体と、
前記管の前記第2の端部に取り付けられた表面追従部であって、前記表面追従部は、前記管の前記第2の端部から離れる方向を向いた主表面を有し、且つ複数の通路を有しており、前記通路がそれぞれ前記表面追従部の前記主表面に出口部を有しており、前記表面追従部の前記主表面及び前記形削り部材の前記刃先が互いに所定の関係を有する、表面追従部と、
気体を前記管の前記第2の端部に向かって前記管内へ移動させるための入口部であって、前記気体が前記管の前記第2の端部の外へ移動すると、前記表面追従部の外部表面部分と前記管の前記第2の端部の内部表面部分との間に、第1の厚みを有する第1の気体ベアリングが提供され、前記表面追従部の前記主表面及び前記基準面が、互いに隣接し、互いに対面する関係にある場合、前記気体が前記表面追従部の前記複数の通路を通って移動すると、第2の厚みを有する第2の気体ベアリングが提供される、入口部とを含み、
前記表面追従部が前記基準面上を移動し、前記形削り部材の前記刃先を前記物品の前記基準面から一定距離に維持するとき、前記第1の気体ベアリングの前記第1の厚み及び前記第2の気体ベアリングの前記第2の厚みをそれぞれ一定に維持するように、前記物品の前記基準面の曲率が、前記一定の力を加える構造体を拡張及び収縮させる、前記装置。
【請求項2】
前記形削り部材が、レーザ・ビームであり、前記刃先が、前記レーザ・ビームの焦点であり、前記管が、第1の端部及び反対側の第2の端部を有する第1の中空導管と、第1の端部及び反対側の第2の端部を有する第2の中空導管とをさらに含み、前記管の前記第1の端部が、前記第1の導管の前記第1の端部であり、前記管の前記第2の端部が、前記第2の導管の前記第2の端部であり、前記管が、前記レーザ・ビームを集束して前記レーザ・ビームの前記焦点を提供するために前記第1の導管内に取り付けられたレンズをさらに含み、前記第1の導管の前記第2の端部と前記第2の導管の前記第1の端部とが、互いに接合され、前記レンズと前記第2の導管の前記第2の端部との間の距離を増大又は減少させるように互いに対して移動させることができる、請求項1に記載された装置。
【請求項3】
前記表面追従部の本体が、前記表面追従部の前記主表面に出口開口部を有する空洞部を有し、前記レーザ・ビームが、前記第2の導管の前記第2の端部に向かって前記レンズを通過し、前記表面追従部の前記空洞部の前記出口開口部を通過し、前記第2の導管を第1の方向に移動させることにより、前記レーザ・ビームの前記焦点と前記第2の導管の前記第2の端部との間の離間距離が増大し、前記第2の導管を第2の方向に移動させることにより、前記レーザの前記焦点と前記第2の導管の前記第2の端部との間の前記離間距離が減少する、請求項2に記載された装置。
【請求項4】
前記第2の導管の前記第2の端部が、円形端部であり、前記第2の導管の前記第2の端部の内部表面が、外向きに傾斜した表面であり、前記表面追従部の前記主表面が、平坦な主表面であり、前記表面追従部が、半球状外部形状を有し、前記平坦な主表面の直径が、前記第2の導管の前記第2の端部の内径より大きい、請求項3に記載された装置。
【請求項5】
前記第2の導管の前記第2の端部に隣接する前記第2の導管の壁部を通る第2の複数の通路をさらに含み、前記第2の導管を通って移動する前記気体の一部が、前記表面追従部の周りに気体カーテンを提供するように前記第2の複数の通路を通って移動する、請求項4に記載された装置。
【請求項6】
ワーク・ピース内に切削線を与えるための作業ステーションであって、前記作業ステーションは、
ワーク支持表面を有する台と、
支持部材を備え、前記ワーク表面の上に取り付けられたガントリであって、前記ワーク支持表面及び前記支持部材を互いに対して移動させることができる、ガントリと、
形削り部材の刃先を、前記ワーク・ピースの外部主表面から一定距離に維持するための装置とを含み、前記装置が、
第1の端部及び反対側の第2の端部を有する管と、
前記管の前記第1の端部を前記支持部材に連結する、一定の力を加える構造体と、
前記管の前記第2の端部に取り付けられた表面追従部であって、前記表面追従部は、前記ワーク支持表面に対面する主表面を有し、前記表面追従部が、前記表面追従部の前記主表面に出口部を有する複数の通路を有しており、前記表面追従部の前記主表面及び前記形削り部材の前記刃先が互いに所定の関係を有する、表面追従部と、
気体を前記管の前記第2の端部に向かって前記管内へ移動させるための入口部であって、前記気体が前記管の前記第2の端部の外へ移動すると、前記表面追従部の外部表面部分と前記管の前記第2の端部の内部表面部分との間に、第1の厚みを有する第1の気体ベアリングが提供され、前記表面追従部の前記主表面及び前記ワーク・ピースの前記主表面が、互いに隣接し、互いに対面する関係にある場合、前記気体が前記複数の通路を通って移動すると、第2の厚みを有する第2の気体ベアリングが提供される、入口部とを含み、
前記刃先がその通路に沿って移動し、前記表面追従部が前記ワーク・ピースの前記主表面上を移動する場合、前記表面追従部が前記ワーク・ピースの前記主表面上を移動し、前記刃先を前記ワーク・ピースの前記主表面から一定距離に維持するとき、前記第1の気体ベアリングの前記第1の厚み及び前記第2の気体ベアリングの前記第2の厚みをそれぞれ一定に維持するように、前記ワーク・ピースの前記主表面の曲率が、前記一定の力を加える構造体を拡張及び収縮させる、作業ステーション。
【請求項7】
前記支持部材に固定的に取り付けられ前記管の外部表面を取り囲むスリーブをさらに含み、前記一定の力を加える構造体が収縮及び拡張すると、それぞれ、前記管が前記支持部材に向かい、前記支持部材から離れて前記スリーブ内を摺動する、請求項6に記載の作業ステーション。
【請求項8】
空気ベアリングが、前記管の前記外部表面と、前記スリーブの内部表面との間にある、請求項7に記載された作業ステーション。
【請求項9】
前記ワーク・ピースが、第1の主表面及び反対側の第2の主表面を有するシートと、前記シートの前記第1の主表面に適用された導電膜とを含み、前記シートが、前記膜が前記ワーク支持表面から離れる方向を向いた状態で前記ワーク支持表面上に支持され、前記シートの前記第1の主表面が、前記ワーク・ピースの前記主表面である、請求項6に記載された作業ステーション。
【請求項10】
前記形削り部材が前記ガントリに取り付けられ、前記形削り部材がレーザであり、前記刃先が、前記レーザからのレーザ・ビームの焦点であり、前記管が、第1の端部及び反対側の第2の端部を有する第1の中空導管と、第1の端部及び反対側の第2の端部を有する第2の中空導管とをさらに含み、前記管の前記第1の端部が、前記第1の導管の前記第1の端部であり、前記管の前記第2の端部が、前記第2の導管の前記第2の端部であり、前記管が、前記レーザ・ビームを集束して前記レーザ・ビームの前記焦点を提供するために前記第1の導管内に取り付けられたレンズをさらに含み、前記第1の導管の前記第2の端部と前記第2の導管の前記第1の端部とが、互いに接合され、前記レンズと前記第2の導管の前記第2の端部との間の距離を増大又は減少させるように互いに対して移動させることができる、請求項9に記載された作業ステーション。
【請求項11】
前記表面追従部の本体が、前記表面追従部の前記主表面に出口開口部を有する空洞部を有し、前記作業ステーションが、前記支持部材に取り付けられた鏡をさらに含み、前記レーザ・ビームを、前記第1の導管内へ送り、前記レンズを通して前記第2の導管の前記第2の端部へ向けて、前記表面追従部の前記空洞部の前記出口開口部を通し、前記レーザ・ビームの焦点が、前記第2の導管の前記第2の端部からある離間距離にあり、前記第2の導管を第1の方向に移動させることにより、前記レーザ・ビームの前記焦点と前記第2の導管の前記第2の端部との間の前記離間距離が増大し、前記第2の導管を第2の方向に移動させることにより、前記レーザの前記焦点と前記第2の導管の前記第2の端部との間の前記離間距離が減少する、請求項10に記載された作業ステーション。
【請求項12】
前記第2の導管の前記第2の端部が、円形端部であり、前記第2の導管の前記第2の端部の内部表面が、外向きに傾斜した表面であり、前記表面追従部の前記主表面が、平坦な主表面であり、前記表面追従部が、半球状外部形状を有し、前記平坦な主表面の直径が、前記第2の導管の前記第2の端部の内径より大きい、請求項11に記載された装置。
【請求項13】
前記第2の導管の前記第2の端部に隣接する前記第2の導管の壁部を通る第2の複数の通路をさらに含み、前記第2の導管を通って移動する前記気体の一部が、前記表面追従部の周りに気体カーテンを提供するように前記第2の複数の通路を通って移動する、請求項12に記載された作業ステーション。
【請求項14】
前記一定の力を加える構造体が、定荷重ばねであり、前記作業ステーションは、前記支持部材に固定的に取り付けられ前記管の外部表面を取り囲むスリーブをさらに含み、前記管が前記支持部材に向かい、前記支持部材から離れて移動するとき、前記管が、前記スリーブ内で摺動する、請求項13に記載された作業ステーション。
【請求項15】
ワーク・ピース内に切削線を与える方法において、前記ワーク・ピースは基準面を含み、前記方法は、
表面追従部及び切削表面を提供する段階であって、前記表面追従部が、前記切削表面と所定の関係を有する主表面を有する、段階と、
前記ワーク・ピースの前記基準面と前記表面追従部の前記主表面との間に、一定の厚みを有する気体ベアリングを提供する段階と、
前記基準面から一定の離間距離でその長さに沿って均一な幅を有する切削線を前記ワーク・ピース内に与えるために、前記ワーク・ピース及び前記表面追従部を互いに対して移動させる段階とを含む方法。
【請求項16】
前記ワーク・ピースが、基準面を有する形状付けされたシートと、前記ワーク・ピースの主表面上の導電性被覆とを含み、前記切削線が前記被覆内に与えられる、請求項15に記載された方法。
【請求項17】
レーザ・ビームの焦点を前記被覆に沿って移動させると同時に、前記表面追従部を前記シートの前記基準面上を移動させることによって、前記切削線が前記導電性被覆内に与えられる、請求項16に記載された方法。
【請求項18】
前記気体ベアリングが、第1の気体ベアリングであって、前記方法は、
前記シートの前記基準面がワーク表面から離れる方向を向いた状態で、前記シートを前記ワーク表面の上に位置決めする段階と、
一定の力を加える構造体によって、管の第1の端部を支持部材に取り付ける段階と、
前記表面追従部を前記管の第2の端部内に配置する段階であって、前記表面追従部が、前記基準面に対面する主表面を有し、前記表面追従部が、複数の通路を有し、前記通路がそれぞれ、前記表面追従部の前記主表面にて出口部を有する、段階と、
前記管を通し、前記管の前記第2の端部に向けて気体を移動させる段階であって、前記気体が、前記管の前記第2の端部に向かって移動し、前記気体の第1の部分が、前記表面追従部の前記主表面と前記基準面との間に所定の厚みを有する前記第1の気体ベアリングを提供するように、前記表面追従部の前記通路を通って移動し、前記気体の第2の部分が、所定の厚みの第2の気体ベアリングを提供するように、前記管の前記第2の端部と前記表面追従部との間で移動する、段階と、
前記表面追従部を前記シートの前記基準面に沿って移動させ、前記レーザ・ビームの前記焦点を切削通路に沿って移動させるために、前記支持部材を移動させる段階であって、前記基準面の曲率は、前記表面追従部が前記基準面上を移動し、前記レーザ・ビームの前記焦点が前記切削路に沿って移動するとき、前記第1の気体ベアリングの前記第1の厚み及び前記第2の気体ベアリングの前記第2の厚みをそれぞれ一定に維持するために、前記一定の力の構成を拡張及び収縮させ、前記切削路に沿った前記レーザ・ビームの前記焦点が、前記基準面から一定の離間距離にある、段階とをさらに含む、請求項17に記載された方法。
【請求項19】
前記表面追従部の本体が、前記表面追従部の前記主表面にて出口開口部を有する空洞部を有しており、前記方法が、前記レーザ・ビームの前記焦点を、前記表面追従部の主表面からある離間距離に位置決めするように、集束レーザ・ビームを前記表面追従部の前記空洞部へ向けその中へ方向付ける段階をさらに含む、請求項18に記載された方法。
【請求項20】
主表面上に導電性被覆を含むガラス・シートにおいて、前記被覆が一対の誘電体膜の間に導電膜を含み、前記導電膜が分離通路を有し、前記分離通路が、前記一対の誘電体膜の表面の間にある、ガラス・シート。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公表番号】特表2012−512749(P2012−512749A)
【公表日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−542204(P2011−542204)
【出願日】平成21年11月30日(2009.11.30)
【国際出願番号】PCT/US2009/066059
【国際公開番号】WO2010/080233
【国際公開日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【出願人】(399074983)ピーピージー・インダストリーズ・オハイオ・インコーポレイテッド (60)
【氏名又は名称原語表記】PPG Industries Ohio,Inc.
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年11月30日(2009.11.30)
【国際出願番号】PCT/US2009/066059
【国際公開番号】WO2010/080233
【国際公開日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【出願人】(399074983)ピーピージー・インダストリーズ・オハイオ・インコーポレイテッド (60)
【氏名又は名称原語表記】PPG Industries Ohio,Inc.
【Fターム(参考)】
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