説明

分岐設備

【課題】搬送経路幅にあまり関係なく構造を簡単にできる分岐設備を提供する。
【解決手段】搬送手段1により搬送経路2上で搬送する被搬送物Wを、搬送経路2の所定箇所の側方に設けた分岐搬送手段3に分岐させる分岐設備9である。所定箇所に、直進搬送装置11と分岐搬送装置21を、分岐搬送装置21を分岐搬送手段3側として経路幅方向において並設した。直進搬送装置11は、搬送経路2に沿った搬送面14を形成する遊転ローラ13群を定位置に配設することで構成した。分岐搬送装置21は、向き変更装置40に連動連結した回転体24と、搬送面35を形成すべく回転体24に配設したローラ31,32群と、ローラ31,32群に連動する回転駆動装置50とから構成した。直進搬送装置と分岐搬送装置とを並設した簡単な構造でありながら、搬送経路幅にあまり関係なく、また被搬送物の大小に関係なく、被搬送物の分岐搬送や直進搬送を常に安定して確実に行える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、たとえば搬送経路上の被搬送物を、行き先指示に応じて分岐したり、上流よりの行き先指示に従って分岐し(仕分け)たり、左右の搬送経路群へ分岐し(振り分け)たりするのに採用される分岐設備に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の分岐設備としては、次のような構成が提供されている。すなわち、搬送経路中には向き変更装置に連動連結された回転体が設けられ、この回転体には、搬送面を形成するローラ群が配設され、これらローラに連動連結される回転駆動装置が設けられ、この回転駆動装置は、駆動軸が機枠側に配設され、この駆動軸側の駆動輪体とローラ群とに亘って1個の無端回動体が巻回されることで構成されている。
【0003】
このような従来構成で、通常において分岐設備は、搬送経路に対してローラ軸心が直交状となるように回転体を位置させるとともに、被搬送物が到達する前にローラ群を駆動回転させている。この駆動回転は、回転駆動装置の駆動軸を回転させ、駆動輪体を介して無端回動体を回動させることで行うことができる。そして、搬送経路上で搬送してきた被搬送物が分岐する必要のないものであったとき、分岐設備は、通常状態を維持しており、したがって被搬送物を、ローラ群の駆動搬送力によって分岐設備の部分で通過させることができる。
【0004】
また、被搬送物が分岐するものであったとき、分岐設備を向き変更させる。すなわち、向き変更装置によって円板体を回転させることにより、ローラ群を、分岐側に向いた状態として搬送経路の方向に対して傾斜できる。したがって、分岐設備の部分に到達した被搬送物を、ローラ群の駆動搬送力によって、向きを変更しながら搬送して分岐できる。このとき、回転体に複数のローラを設けていることで、小さな被搬送物であったとしても容易に分岐できる(たとえば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2003−341830号公報(第2、5頁、第1、8、9図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記した従来構成においては、搬送経路幅などに応じて、搬送経路中に複数の回転体を並設しなければならず、また向き変更装置は、複数の回転体を同期して回転させなければならず、構造が複雑になる。
【0006】
そこで本発明の請求項1記載の発明は、搬送経路幅にあまり関係なく構造を簡単にし得る分岐設備を提供することを目的としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前述した目的を達成するために、本発明の請求項1記載の分岐設備は、搬送手段により搬送経路上で搬送される被搬送物を、搬送経路の所定箇所の側方に設けた分岐搬送手段に分岐させる分岐設備であって、前記所定箇所には、直進搬送装置と分岐搬送装置とが、分岐搬送装置を分岐搬送手段側として経路幅方向において並設され、前記直進搬送装置は、搬送経路に沿った搬送面を形成する遊転ローラ群が定位置に配設されることで構成され、前記分岐搬送装置は、向き変更装置に連動連結された回転体と、搬送面を形成すべく回転体に配設されたローラ群と、これらローラに連動される回転駆動装置とから構成されていることを特徴としたものである。
【0008】
したがって請求項1の発明によると、通常において分岐搬送装置は、搬送経路に対してローラ軸心が直交状となるように回転体を位置させるとともに、被搬送物が到達する前に回転駆動装置によりローラ群を駆動回転させている。そして、搬送経路上で搬送してきた被搬送物が分岐する必要のないものであったとき、分岐搬送装置は、通常状態を維持しており、したがって被搬送物を、ローラ群の駆動搬送力によって分岐設備の部分で通過させ得る。このとき直進搬送装置の遊転ローラ群は、被搬送物の他側部分を支持した状態で追従回転する。
【0009】
また、被搬送物が分岐するものであったとき、分岐搬送装置を向き変更させる。すなわち、向き変更装置によって回転体を回転させることにより、ローラ群を、分岐搬送手段側に向いた状態として、搬送経路の方向に対して傾斜させる。したがって、分岐設備の部分に到達した被搬送物を、ローラ群の駆動搬送力によって、向きを変更しながら搬送して分岐し得る。このとき直進搬送装置の遊転ローラ群は、被搬送物の他側部分を支持した状態で追従回転しながら、他側部分を摺接案内することになる。
【0010】
また本発明の請求項2記載の分岐設備は、上記した請求項1記載の構成において、回転駆動装置は、駆動軸が機枠側に配設され、この駆動軸側とローラ群とに亘って1個の無端回動体が巻回されるとともに、駆動軸と回転駆動部とを、直進搬送装置の下方空間を利用した回転伝動部を介して連動連結することで構成されていることを特徴としたものである。
【0011】
したがって請求項2の発明によると、回転駆動装置によるローラ群の駆動回転は、回転駆動部により回転伝動部を介して駆動軸を回転させ、無端回動体を回動させることで行える。そして、回転体の回転によって、駆動軸側に対してローラ群が変位するが、この変位は、駆動軸側とローラ群側との間における無端回動体の捩れによって吸収し得る。その際に回転伝動部の全部または一部を、直進搬送装置の下方空間を利用して配設し得る。
【発明の効果】
【0012】
上記した本発明の請求項1によると、通常において分岐搬送装置は、搬送経路に対してローラ軸心が直交状となるように回転体を位置させるとともに、被搬送物が到達する前に回転駆動装置によりローラ群を駆動回転させている。そして、搬送経路上で搬送してきた被搬送物が分岐する必要のないものであったとき、分岐搬送装置は、通常状態を維持しており、したがって被搬送物を、ローラ群の駆動搬送力によって分岐設備の部分で通過させることができる。このとき直進搬送装置の遊転ローラ群は、被搬送物の他側部分を支持した状態で追従回転し、以て被搬送物を、直進性を損なうことなく安定して搬送できる。
【0013】
また、被搬送物が分岐するものであったとき、分岐搬送装置を向き変更させる。すなわち、向き変更装置によって回転体を回転させることにより、ローラ群を、分岐搬送手段側に向いた状態として、搬送経路の方向に対して傾斜できる。したがって、分岐設備の部分に到達した被搬送物を、ローラ群の駆動搬送力によって、向きを変更しながら搬送して分岐できる。このとき直進搬送装置の遊転ローラ群は、被搬送物の他側部分を支持した状態で追従回転しながら、他側部分を摺接案内し、以て分岐搬送を安定して行うことができる。
【0014】
このように、直進搬送装置と分岐搬送装置とを並設した簡単な構造でありながら、搬送経路幅にあまり関係なく、また被搬送物の大小に関係なく、被搬送物の分岐搬送や直進搬送を常に安定して確実に行うことができる。
【0015】
また上記した本発明の請求項2によると、回転駆動装置によるローラ群の駆動回転は、回転駆動部により回転伝動部を介して駆動軸を回転させ、無端回動体を回動させることで行うことができる。そして、回転体の回転によって、駆動軸側に対してローラ群が変位するが、この変位は、駆動軸側とローラ群側との間における無端回動体の捩れによって吸収でき、以て構造簡単な形式でありながら、駆動力の伝達を円滑かつ確実に行うことができる。さらに、回転伝動部の全部または一部を、直進搬送装置の下方空間を利用してコンパクトに配設できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
[実施の形態]
以下に、本発明の実施の形態を、たとえば搬送経路上の被搬送物を、行き先指示に応じて分岐するのに採用した状態として、図に基づいて説明する。
【0017】
図1、図2に示すように、搬送手段1によって、被搬送物Wの搬送経路2が形成されており、そして搬送経路2の複数箇所(所定箇所)で一側方には、それぞれ分岐搬送手段3によって分岐搬送経路4が形成されている。ここで搬送手段1は、たとえばローラコンベヤ形式やベルトコンベヤ形式などからなり、また分岐搬送手段3は、たとえばシュート形式やローラコンベヤ形式やベルトコンベヤ形式などからなる。
【0018】
なお、搬送手段1と分岐搬送手段3との間には、その回転軸心方向を搬送経路2の方向としたフィードローラ6が設けられ、このフィードローラ6には駆動装置7が連動連結されている。ここでフィードローラ6は、ライニングにより摩擦力がアップされた形式であり、そして上面が、分岐搬送装置(後述する。)の搬送面よりも少し高くして配設されている(図4参照)。
【0019】
前記搬送経路2中の各所定箇所には、それぞれ分岐設備9が設けられている。すなわち図1、図3〜図7に示すように、搬送経路2を形成する搬送手段1は複数に分断されており、その分断された始終端間に分岐設備9が設けられるとともに、これら分岐設備9の一側方に前記分岐搬送手段3の始端部分が対向されている。前記分岐設備9の本体となる機枠10は平箱枠状であって、前記搬送手段1の分断された始終端間に設けられている。そして機枠10上には、直進搬送装置11と分岐搬送装置21とが、分岐搬送装置21を分岐搬送手段3側として左右方向(経路幅方向)において並設されている。
【0020】
すなわち直進搬送装置11は、機枠10上に設けられた左右一対のコンベヤフレーム12と、両コンベヤフレーム12間に支持されて搬送経路方向の4箇所(複数箇所)に設けられた遊転ローラ13群により構成されている。そして遊転ローラ13群が定位置に配設されることで、搬送経路2に沿った搬送面14が形成されている。
【0021】
また前記分岐搬送装置21は、向き変更装置40に連動連結された回転体24と、搬送面を形成すべく回転体24に配設されたローラ31,32群と、これらローラ31,32に連動される回転駆動装置50などから構成されている。
【0022】
すなわち、機枠10上には保持枠体22が配設され、この保持枠体22の上板部分には貫通孔23が形成されている。この貫通孔23の上方位置に、向き変更装置40に連動連結された円板状の回転体24が位置されている。この回転体24における周辺部の下面側と前記保持枠体22における貫通孔23の周辺部の下面側との間にはベアリング形式の回転支持体25が設けられ、以て回転体24は縦軸心26の回りに回転自在に構成されている。
【0023】
前記回転体24にはローラ群が配設されている。すなわち、回転体24には貫通部27が形成され、この貫通部27に、2本(1本または複数本)の長尺ローラ31と2本(1本または複数本)の短尺ローラ32とが、長尺ローラ31を中間位置として平行状にかつ等ピッチ状に配設されている。これらローラ31,32は、ローラ本体31A,32Aと、このローラ本体31A,32Aの外周に積層されたゴムライニング層31B,32Bとからなり、軸受を介してローラ軸33,34の回りに遊転自在に構成されている。そしてローラ軸33,34は、回転体24の下面に連結された支持枠体28に支持されている。
【0024】
これにより、ローラ31,32群によって分岐搬送装置21の搬送面35が形成され、その際に搬送面35は、回転体24の上面に対して少し上位のレベルで、かつ直進搬送装置11の搬送面14や搬送経路2の上面と同様のレベルとされている。そして前記ローラ31,32群には、ローラ軸心方向の中央部分に環状凹部36,37が形成され、これら環状凹部36,37は、ゴムライニング層31B,32Bを削除しかつローラ本体31A,32Aを凹ませることで形成されている。
【0025】
前記ローラ31,32群の下方レベル位置には、3本(複数)のローラ状のガイド輪体38が、ローラ31,32群と平行状に設けられている。すなわち、支持枠体28の下面側に支持ブラケット29が連結され、この支持ブラケット29にガイド輪体軸39が支持されている。その際に、中央のガイド輪体38は長尺ローラ31間の下方に位置され、そして前後のガイド輪体38は、中央のガイド輪体38に接近した下方に位置されるように配設されている。
【0026】
前記向き変更装置40は、シリンダー装置部41を有し、このシリンダー装置部41は、搬送経路2の一側方(分岐搬送経路4側)において搬送経路2の方向と平行状に配置され、そのシリンダー本体42が前記機枠10からのブラケット30に縦軸44を介して左右揺動自在に取り付けられている。そして下流側に向くピストンロッド43の遊端は、前記支持枠体28の下部から垂設された連結ピン45に連結されている。なお連結ピン45は、縦軸心26に対して偏心して垂設されている。したがって、シリンダー装置部41を伸縮動させることで、回転体24を縦軸心26の回りに正逆回転し得る。以上の41〜45などにより向き変更装置40の一例が構成される。
【0027】
前記ローラ31,32群に連動連結される回転駆動装置50が設けられる。すなわち、回転駆動装置50は、その駆動軸51が回転体24から直進搬送装置11への下方で左右方向として配設され、そして軸受52を介して機枠10側に回転自在に支持されている。この機枠10の他側方で上流側には、サーボモータや減速機などからなる回転駆動部53が設けられ、この回転駆動部53と前記駆動軸51とが、前記直進搬送装置11の下方空間15を利用した巻き掛け伝動機構(回転伝動部の一例)54を介して連動連結されている。
【0028】
そして駆動軸51には、回転体24に対向される位置に環状凹部55が形成され、この環状凹部55と各ローラ31,32群の環状凹部36,37とに亘って、1個の平ベルト(無端回動体の一例)56が巻回されている。その際に平ベルト56は、各ローラ31,32の回転方向における前後の一方とガイド輪体38群とに亘って位置される状態で、かつ各ローラ31,32の前記環状凹部36,37を利用して巻回されている。
【0029】
すなわち平ベルト56は、駆動軸51から上手側のガイド輪体38に巻回され、そして上手側の短尺ローラ32から長尺ローラ31へと巻回されたのち、中間のガイド輪体38に巻回され、次いで下手側の長尺ローラ31から短尺ローラ32へと巻回されたのち、下手側のガイド輪体38に巻回されて駆動軸51に戻るように巻回されている。以上の51〜56などにより回転駆動装置50の一例が構成され、そして22〜56などにより分岐搬送装置21の一例が構成される。
【0030】
以下に、上記した実施の形態における作用を説明する。
搬送手段1によって搬送経路2上で搬送してきた被搬送物Wを、行き先指示に応じて、分岐設備9の部分を通過させたり、分岐設備9によって分岐搬送手段3側に分岐させる。すなわち、通常において分岐搬送装置21は、図1、図3〜図7に示すように、搬送経路2に対してローラ31,32のローラ軸心が直交状となるように回転体24を位置させている。そして、被搬送物Wが到達する前に、回転駆動装置50によってローラ31,32群を駆動回転させている。この駆動回転は、回転駆動部53により巻き掛け伝動機構54を介して駆動軸51を回転させ、平ベルト56を回動させることで行われる。
【0031】
その際に平ベルト56を、図6、図7に示すように、各ローラ31,32の回転方向における前後の一方とガイド輪体38群とに亘って位置させた状態に巻回していることで、各ローラ31,32に対する平ベルト56の巻き付け範囲(巻き付け角度)を充分に確保し得るとともに、扁平面の巻き付けによって摩擦伝動面を充分に確保し得、以て構造簡単な形式でありながら、駆動力の伝達を円滑かつ確実に行える。
【0032】
搬送経路2上において被搬送物Wは、分岐搬送手段3側に寄せて搬送させる。そして搬送してきた被搬送物Wが分岐する必要のないものであったとき、その行き先指示に応じて、分岐搬送装置21は、図1、図3に示す状態を維持しており、したがって被搬送物Wは図1の仮想線に示すように、ローラ31,32群の駆動搬送力によって分岐設備9の部分を通過される。その際に、被搬送物Wを分岐搬送手段3側に寄せて搬送していることで、その重心は必ず分岐搬送装置21上を移動することから、ローラ31,32群の十分な駆動搬送力によって直進搬送し得、このとき直進搬送装置11の遊転ローラ13群は、被搬送物Wの他側部分を支持した状態で追従回転することになり、以て被搬送物Wを、直進性を損なうことなく安定して搬送し得る。
【0033】
また、搬送経路2上で搬送してきた被搬送物Wが分岐するものであったとき、その行き先指示に応じて分岐設備9の分岐搬送装置21が向き変更される。すなわち、向き変更装置40のシリンダー装置部41を収縮動し、連結ピン45を縦軸心26の回りに回転させる。これにより、回転体24を縦軸心26の回りで同方向に回転し得、以て図8に示すように、ローラ31,32群を分岐搬送手段3側に向いた状態として、搬送経路2の方向に対して傾斜させる。
【0034】
したがって、搬送経路2上で搬送してきた被搬送物Wが分岐設備9の部分に到達したとき、この被搬送物Wを、ローラ31,32群の駆動搬送力によって向きを変更しながら分岐搬送手段3側へ搬送し得、以て図8の仮想線に示すように、分岐搬送手段3側に分岐し得る。その際に、被搬送物Wを分岐搬送手段3側に寄せて搬送していることで、その重心は必ず分岐搬送装置21上を移動することから、ローラ31,32群の十分な駆動搬送力によって分岐搬送し得、このとき直進搬送装置11の遊転ローラ13群は、被搬送物Wの他側部分を支持した状態で追従回転しながら、他側部分を摺接案内することになり、以て分岐搬送を常に安定して行える。
【0035】
そして被搬送物Wは、ローラ31,32群の駆動搬送力によって向きを変更しながらフィードローラ6に接触し、ローラ31,32群による搬送面35よりも少し高くしてあるフィードローラ6の強じんな駆動搬送力によって分岐搬送手段3側に引きこまれて分岐されることになる。
【0036】
なお、回転体24の回転によって、駆動軸51側に対してローラ31,32群が変位するが、この変位は、駆動軸51側とガイド輪体38との間における平ベルト56の捩れによって容易に吸収し得る。さらに平ベルト56が、ローラ31,32に形成された環状凹部36,37や、駆動軸51に形成された環状凹部55を利用して巻回されていることで、前述した捩れによって平ベルト56がローラ31,32群や駆動軸51に対して不測に移動することを防止し得、以て駆動力の伝達を確実に行えるとともに、たとえ高速仕分けであったとしても十分に対応し得ることになる。
【0037】
上記した実施の形態では、直進搬送装置11における遊転ローラ13の長さが、分岐搬送装置21における長尺ローラ31の長さに対してかなり短い形式が示されているが、これは遊転ローラ13の長さが、長尺ローラ31の長さに対して同等状の形式、または長い形式などであってもよい。
【0038】
上記した実施の形態では、駆動軸51と回転駆動部53とを、直進搬送装置11の下方空間15を利用した回転伝動部を介して連動連結した形式が示されているが、これは回転駆動部を搬送経路2の経路幅外方に配設するなど、下方空間15を利用しないで配設した形式などであってもよい。
【0039】
上記した実施の形態では、向き変更装置40としてシリンダー装置部41の形式が示されているが、これは螺子軸形式や歯車形式などであってもよい。
上記した実施の形態では、ローラ31,32群の下方レベル位置に複数のガイド輪体38を設けた形式が示されているが、これはガイド輪体38が単数の形式、ガイド輪体38が省略された形式などであってもよい。
【0040】
上記した実施の形態では、ローラ軸心方向の中央部分に環状凹部36,37を形成したローラ31,32が示されているが、これはローラ軸心方向の端部分に環状凹部36,37を形成したローラ31,32、環状凹部36,37が形成されていないローラ31,32などであってもよい。
【0041】
上記した実施の形態では、駆動軸51に環状凹部55を形成した形式が示されているが、これは駆動軸51に駆動輪体を設け、この駆動輪体に平ベルト56が巻回された形式などであってもよい。
【0042】
上記した実施の形態では、無端回動体として平ベルト56が示されているが、これは丸ベルトやチェーンなどであってもよい。
上記した実施の形態では、搬送経路2上の被搬送物Wを、行き先指示に応じて分岐する分岐設備9が示されているが、これは上流よりの行き先指示に従って仕分けたり、左右の分岐搬送手段3群へ振り分けたりする分岐設備などであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明の実施の形態を示し、分岐設備を組み込んだ分岐ラインの直進状態での要部の平面図である。
【図2】同分岐設備を組み込んだ分岐ラインの平面図である。
【図3】同分岐設備における直進状態での平面図である。
【図4】同分岐設備の一部切り欠き背面図である。
【図5】同分岐設備における要部の一部切り欠き背面図である。
【図6】同分岐設備の一部切り欠き側面図である。
【図7】同分岐設備の縦断側面図である。
【図8】同分岐設備を組み込んだ分岐ラインの分岐状態での要部の平面図である。
【符号の説明】
【0044】
1 搬送手段
2 搬送経路
3 分岐搬送手段
4 分岐搬送経路
6 フィードローラ
9 分岐設備
10 機枠
11 直進搬送装置
13 遊転ローラ
14 搬送面
15 下方空間
21 分岐搬送装置
22 保持枠体
24 回転体
25 回転支持体
26 縦軸心
31 長尺ローラ
32 短尺ローラ
35 搬送面
36 環状凹部
37 環状凹部
38 ガイド輪体
40 向き変更装置
41 シリンダー装置部
50 回転駆動装置
51 駆動軸
53 回転駆動部
54 巻き掛け伝動機構(回転伝動部)
55 環状凹部
56 平ベルト(無端回動体)
W 被搬送物

【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送手段により搬送経路上で搬送される被搬送物を、搬送経路の所定箇所の側方に設けた分岐搬送手段に分岐させる分岐設備であって、前記所定箇所には、直進搬送装置と分岐搬送装置とが、分岐搬送装置を分岐搬送手段側として経路幅方向において並設され、前記直進搬送装置は、搬送経路に沿った搬送面を形成する遊転ローラ群が定位置に配設されることで構成され、前記分岐搬送装置は、向き変更装置に連動連結された回転体と、搬送面を形成すべく回転体に配設されたローラ群と、これらローラに連動される回転駆動装置とから構成されていることを特徴とする分岐設備。
【請求項2】
回転駆動装置は、駆動軸が機枠側に配設され、この駆動軸側とローラ群とに亘って1個の無端回動体が巻回されるとともに、駆動軸と回転駆動部とを、直進搬送装置の下方空間を利用した回転伝動部を介して連動連結することで構成されていることを特徴とする請求項1記載の分岐設備。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−27899(P2006−27899A)
【公開日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−328303(P2004−328303)
【出願日】平成16年11月12日(2004.11.12)
【出願人】(000003643)株式会社ダイフク (1,209)
【Fターム(参考)】