説明

分散ネットワーク・レーダ装置

【課題】 複数のレーダを使用して探知能力の拡大を図るレーダ装置において、車載移動型捜索レーダのように、設置場所が探索の都度に移動するために各レーダの周囲の地形環境が変化する場合であっても、電波干渉の影響を受けることなく、探知能力の拡大を図ることができる分散ネットワーク・レーダ装置を提供する。
【解決手段】 レーダ1とレーダ2を相互にネットワーク連接し、前記各レーダ間の送受信同期のために送受信同期部7−1で制御し、前記各レーダ毎に設置された送信部1−1及び2−1から互い相異なる周波数チャンネルの電波を目標3に向かってアンテナ1−3及び2−3を介して放射し、前記目標3で反射された全ての周波数チャンネルの電波を前記各アンテナ1−3及び2−3を介してそれぞれで受信し、各受信信号の電力振幅検出、ビデオ積分、測角演算、平均演算を行うようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、車載移動型捜索レーダにおいて、車載が可能な規模のレーダで大きい探知能力を得ることができる分散ネットワーク・レーダ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のレーダ装置においては、探知能力の拡大を目的に等価的にアンテナ開口の大きなレーダ装置を実現すべく、複数のレーダと、ネットワークを介して各レーダの送受信部を制御し、各レーダのアンテナを1素子とするアレイアンテナとして各レーダを動作させる総合送受信装置と、ネットワークを介して各レーダから受信信号が伝送され、各レーダのアンテナにおける受信信号を統合する受信統合装置を備えるように構成されていた。
【0003】
ここで、各レーダの使用する周波数は同一であり、受信統合装置は、既知の各レーダの位置情報を用いて、各レーダの受信データに対する移相量を決定し、各受信信号を位相制御した後に合成する。目標の受信方向や距離の測定は、この合成データを用いて信号処理装置で決定されるようになっている。
【0004】
複数のレーダを上記のように構成して1台の分散アレイレーダ装置として動作させているので、等価的に大口径のアンテナとして機能し、アンテナの開口が大きいほどビーム幅は細くなるため、探知精度や分解能の向上が実現されていた(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】特開2002−277533号公報(第4〜5頁、図1、図2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、各レーダの受信信号を位相制御した後に合成する際、各レーダの使用する電波の周波数が同一であることから、電波干渉計の原理に基づき、各レーダの周囲の地形環境に起因して目標からの反射信号が干渉の影響を受け、目標の移動に伴い常に安定したビデオ出力を得ることが困難という問題がある。
【0007】
特許文献1に記載の分散アレイレーダ装置において、規模の大きな据付型のレーダを複数台ネットワークでつなぐ場合は、各レーダの設置された周囲の地形環境が基本的に固定されているため、周囲の地形環境を考慮した上で各受信信号を位相制御して合成してやれば、干渉の影響を抑制することができる。
【0008】
一方、車載移動型捜索レーダにおいては、使用できるレーダは車載可能な規模に制約され、大きなレーダを使用して探知能力の拡大を図るという手段は採用できず、さらに、設置場所が探索の都度に移動するので各レーダの周囲の地形環境が変化する。
【0009】
したがって、複数のレーダを用いて探知能力の拡大を図るためには、電波干渉の影響をその都度考慮するという莫大な作業が必要であるが、車載移動型であるがゆえに現実的ではなく、その結果、著しい電波干渉の影響を受けて、目標の方位、高度及び距離という位置情報を精度良く高分解能で得ることができないという課題があった。
【0010】
この発明は以上のような課題を解決するためになされたものであり、車載移動型捜索レーダのように、使用できるレーダの規模に制約があり、設置場所が探索の都度に移動するために各レーダの周囲の地形環境が変化する場合であっても、電波干渉の影響をその都度考慮するという莫大な作業を行わずして、複数のレーダを用いて探知能力の拡大を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この発明に係る分散ネットワーク・レーダ装置は、2以上のレーダが相互にネットワーク連接され、前記各レーダ間の送受信同期のために送受信同期部で制御され、前記各レーダ毎に設置された送信部から互いに相異なる周波数チャンネルの電波が目標に向かってアンテナを介して放射され、前記目標で反射された前記各送信信号が前記各アンテナを介して受信部で受信され、前記各受信部で受信された受信信号の電力振幅が前記各周波数チャンネル分設けられた電力振幅検出器で検出されるとともに電力振幅信号として出力され、前記各周波数チャンネル分の前記各電力振幅信号が第1のビデオ積分器でビデオ積分されて第1のビデオ信号として出力され、前記各周波数チャンネル分の前記各第1のビデオ信号が第2のビデオ積分器でビデオ積分されて第2のビデオ信号として出力されるようにした。
【発明の効果】
【0012】
この発明に係る分散ネットワーク・レーダ装置は、上記のように構成されているので、2以上のレーダで受信される、全ての前記各レーダから放射され目標で反射された電波を用いて目標を捜索するにも関わらず、その電波の周波数チャンネルが互いに相異なっていることから、例えば車載移動型捜索レーダのように、各レーダの設置場所が探索の都度に移動して、前記各レーダの設置された周囲の地形環境が変化しても、電波干渉の原理に基づく電波干渉の影響を受けることが無いので、例えば特許文献1に記載の分散アレイレーダ装置を車載移動型捜索レーダに適用した場合とは異なり、地形環境の変化に起因した干渉の影響を考慮するという現実的では無い作業を行わずして、目標の方位、高度及び距離という位置情報を精度良く高分解能を保ちつつ、目標の探知能力の拡大を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下この発明を、その実施の形態を示す図面に基づいて具体的に説明する。なお実施の形態1では、この発明に係る分散ネットワーク・レーダ装置のレーダとしてアンテナがモノパルス測角方式反射鏡アンテナの場合を例にとり説明する。
実施の形態1.
【0014】
図1は、この発明に係る分散ネットワーク・レーダ装置の実施の形態1の一例を示す系統図である。車両に搭載されたレーダ1と数十m程度以内の範囲に停車した別の車両に搭載されたレーダ2とを使用して、例えば航空機等の目標3を捜索する場合を例に説明する。
【0015】
レーダ1において、周波数f1で変調された送信信号がf1送信部1−1で生成され、送受信切換器1−2を通って、モノパルス測角方式反射鏡アンテナ1−3から、駆動制御部1−4により捜索領域を走査すべく指向方向を制御されて、周波数f1の捜索電波1−5として空中に放射される。
【0016】
一方、レーダ2において、周波数f2で変調された送信信号がf2送信部2−1で生成され、送受信切換器2−2を通って、モノパルス測角方式反射鏡アンテナ2−3から、駆動制御部2−4により捜索領域を走査すべく指向方向を制御されて、周波数f2の捜索電波2−5として空中に放射される。
【0017】
図2に、モノパルス測角方式反射鏡アンテナの一例として、4ホーンモノパルス測角方式カセグレン型アンテナの概略構成図を示す。以下では、このアンテナの場合を例にとり図1と図2を用いて説明するものとする。
【0018】
さて、レーダ1において、周波数f1の捜索電波1−5及び周波数f2の捜索電波2−5が航空機等の目標3で反射されて生じる周波数f1及び周波数f2の両方を含んだ反射電波1−6は、モノパルス測角方式反射鏡アンテナ1−3の図2に示した主反射鏡4と副反射鏡5で反射収束されて、4個のホーンからなるホーンアンテナ6で効率良く受信される。各ホーンに対応した4個の受信信号は、送受信切換器1−2を通って、低雑音増幅器1−7で増幅される。
【0019】
なお、送受切換器1−2、モノパルス測角方式反射鏡アンテナ1−3、低雑音増幅器1−7は、通常、レーダ1の所要の全送受信帯域をカバーするだけの広帯域特性を有するものである。
【0020】
低雑音増幅器1−7から出力された4個の受信信号の各々に対して、周波数がf1の信号が分離選択されてf1受信部1−8aで復調される。復調された4個のf1受信信号1−9aは、f1電力振幅検出器1−10aで電力振幅が検出され、4個のf1電力振幅信号1−11aとなって出力される。同様に、低雑音増幅器1−7から出力された4個の受信信号の各々に対して、周波数がf2の信号が分離選択されてf2受信部1−8bで復調される。復調された4個のf2受信信号1−9bは、f2電力振幅検出器1−10bで電力振幅が検出され、4個のf2電力振幅信号1−11bとして出力される。
【0021】
4個のf1電力振幅信号1−11aと4個のf2電力振幅信号1−11bは、第1のビデオ積分器1−12に入力され、ビデオ積分が行われて、1個の第1のビデオ信号1−13として出力される。
【0022】
目標の方位及び高度を得るための仰角の情報に関しては、駆動制御部1−4から出力される指向方向信号1−14とf1受信部1−8aから出力される4個のf1受信信号1−9aがf1モノパルス測角演算器1−15aに入力されて、モノパルス測角方式において周知のように、方位と仰角についてそれぞれ1個ずつのf1測角値信号1−16aとして出力されるとともに、同様に、駆動制御部1−4から出力される指向方向信号1−14とf2受信部1−8bから出力される4個のf2受信信号1−9bがf2モノパルス測角演算器1−15bに入力されて、方位と仰角についてそれぞれ1個ずつのf2測角値信号1−16bとして出力される。
【0023】
さらに、f1測角値信号1−16aとf2測角値信号1−16bは、第1の平均演算器1−17に入力され、角度の平均演算が行われて、方位と仰角についてそれぞれ1個ずつの第1の角度信号1−18として出力される。
【0024】
次に、レーダ2において、周波数f1の捜索電波1−5及び周波数f2の捜索電波2−5が目標3で反射されて生じる周波数f1及び周波数f2の両方を含んだ反射電波2−6は、モノパルス測角方式反射鏡アンテナ2−3の図2に示した4個のホーンからなるホーンアンテナ6で受信される。各ホーンに対応した4個の受信信号は、送受信切替器2−2を通って、低雑音増幅器2−7で増幅される。
【0025】
なお、レーダ1の場合と同様に、送受切替器2−2、モノパルス測角方式反射鏡アンテナ2−3、低雑音増幅器2−7は、通常、レーダ2の所要の全送受信帯域をカバーするだけの広帯域特性を有するものである。
【0026】
低雑音増幅器2−7から出力された4個の受信信号の各々に対して、周波数がf1の信号が分離選択されてf1受信部2−8aで復調される。復調された4個のf1受信信号2−9aは、f1電力振幅検出器2−10aで電力振幅が検出され、4個のf1電力振幅信号2−11aとなって出力される。同様に、低雑音増幅器2−7から出力された4個の受信信号の各々に対して、周波数がf2の信号が分離選択されてf2受信部2−8bで復調される。復調された4個のf2受信信号2−9bは、f2電力振幅検出器2−10bで電力振幅が検出され、4個のf2電力振幅信号2−11bとして出力される。
【0027】
4個のf1電力振幅信号2−11aと4個のf2電力振幅信号2−11bは、第1のビデオ積分器2−12に入力され、ビデオ積分が行われて、1個の第1のビデオ信号2−13として出力される。
【0028】
次に、目標の方位及び高度を得るための仰角の情報に関しては、駆動制御部2−4から出力される指向方向信号2−14とf1受信部2−8aから出力される4個のf1受信信号2−9aがf1モノパルス測角演算器2−15aに入力されて、方位と仰角についてそれぞれ1個ずつのf1測角値信号2−16aとして出力されるとともに、同様に、駆動制御部2−4から出力される指向方向信号2−14とf2受信部2−8bから出力される4個のf2受信信号2−9bがf2モノパルス測角演算器2−15bに入力されて、方位と仰角についてそれぞれ1個ずつのf2測角値信号2−16bとして出力される。
【0029】
さらに、f1測角値信号2−16aとf2測角値信号2−16bは、第1の平均演算器2−17に入力され、角度の平均演算が行われて、方位と仰角についてそれぞれ1個ずつの第1の角度信号2−18として出力される。
【0030】
なお、レーダ1とレーダ2間の送受信タイミングの同期、レーダ1の送受信周波数f1及びレーダ2の送受信周波数f2の同期、レーダ1から放射される捜索電波1−5とレーダ2から放射される捜索電波2−5の指向方向の同期、レーダ1で受信される反射電波1−6とレーダ2で受信される反射電波2−6の指向方向の同期等、両レーダが一体的連携動作を可能とするように、送受信同期部7−1が両レーダの同期制御を行っている。このような同期制御により、同一目標からのf1電力振幅信号、f2電力振幅信号、f1測角値信号、及びf2測角値信号は実質的に同一時刻に出力される。なお、通常、捜索に使用するレーダの受信パルス幅は数μ秒(数百m相当)のオーダであるから、レーダ1とレーダ2の離隔距離を数十m以内としているので、離隔による受信信号の到来時間差は無視できる。
【0031】
レーダ1の第1のビデオ積分器1−12から出力された第1のビデオ信号1−13とレーダ2の第1のビデオ積分器2−12から出力された第1のビデオ信号2−13は、第2のビデオ積分器7−2に入力され、ビデオ積分が行われて、第2のビデオ信号7−3として出力される。
【0032】
また、レーダ1の第1の平均演算器1−17から出力された第1の角度信号1−18とレーダ2の第1の平均演算器2−18から出力された第1の角度信号2−18は、第2の平均演算器7−4に入力され、角度の平均演算が行われて、第2の角度信号7−5として出力される。
【0033】
第2のビデオ信号7−3から目標の距離情報を得ることができ、第2の角度信号7−5から目標の方位及び仰角を得ることができる。さらに、仰角と距離の情報から高度が算出できる。
【0034】
ところで、上記では、ビデオ積分器として、レーダ1の第1のビデオ積分器1−12、レーダ2の第1のビデオ積分器2−12、及びレーダ1とレーダ2間のビデオ積分を行う第2のビデオ積分器7−2を示したが、通常、ビデオ積分器とは、複数のビデオ信号サンプルの積分を行うもので、大別して、単純な加算を行い加算後の振幅情報を出力する加算方式のものと、各サンプルを閾値検出により2値化(1[有り]又は0[無し])し、全サンプル中の規定サンプル数以上有りの場合に信号”有り”とするバイナリ積分方式(2値化により振幅情報は失われるがデータサイズが小さくなるのでデータ処理の負荷が小さい)のものがある。
【0035】
上記のビデオ積分器1−12及びビデオ積分器2−12は、加算方式、バイナリ積分方式のいずれでも良いが、両者は同じ方式のものを使用する必要がある。さらに、第1のビデオ積分器1−12及び第1のビデオ積分器2−12が加算方式の場合は、第2のビデオ積分器7−2は加算方式、バイナリ積分方式のいずれでも良いが、第1のビデオ積分器1−12及び第1のビデオ積分器2−12がバイナリ積分方式の場合は、それらのf1電力振幅信号及びf2電力振幅信号は振幅の有無だけでその大きさに関する振幅情報が失われているので、第2のビデオ積分器7−2は必ずバイナリ積分方式を使用する必要がある。
【0036】
図3は、送受信タイミング同期及び加算方式のビデオ積分器を用いた場合のS/N改善の状況を説明する信号波形図である。
【0037】
図3において、レーダ1のf1送信波形(A)とレーダ2のf2送信波形(D)は時間軸で同期しており、レーダ1のf1電力振幅信号(B)及びf2電力振幅信号(C)、さらに、レーダ2のf1電力振幅信号(E)及びf2電力振幅信号(F)は、いずれも同じ時間に出力され、レーダ1及びレーダ2と目標3とが同じ距離に位置するとみなせることを意味している。なお、既に説明した通り、両レーダの捜索電波は同一方向を指向するように同期制御が行われている。また、各電力振幅信号は既に説明した通り、4個のホーンに対応して4個の信号から成っており、都合16個の信号をビデオ積分していることとなる。
【0038】
したがって、第1のビデオ積分器1−12、第1のビデオ積分器2−12、及び第2のビデオ積分器7−2で、以上16個のランダム無相関の雑音成分を含む信号をビデオ積分することで、16の2乗根である概ね4倍のS/N改善が行われ、図3の第2のビデオ信号(G)の波形のように、S/N改善が得られ、その結果、目標の距離に関する探知能力の拡大を図ることが可能となる。
【0039】
次に、方位及び仰角の角度情報に関して、図4は、平均演算処理による測角精度改善の状況を説明する角度ばらつきの分布図である。
【0040】
図4において、レーダ1のf1測角値信号(A)及びf2測角値信号(B)、レーダ2のf1測角値信号(C)及びf2測角値信号(D)は、正規分布をした角度ばらつきを有している想定できるが、そのばらつきの程度は同じ受信信号に基づくものであるから、いずれも標準偏差がσと同じばらつきを有するものである。方位と仰角の各々に対してこれら4個の測角値信号をもとに、第1の平均演算器1−17、第1の平均演算器2−17、及び第2の平均演算器7−4で平均演算を行うことで、方位と仰角の各々における角度ばらつきσは4の2乗根分の1である概ねσの2分の1に低減され、第2の角度信号(E)に示されるように、測角精度の改善が得られ、目標の方位及び高度に関する探知能力の拡大を図ることが可能となる。
【0041】
以上のように、実施の形態1では、2台のレーダを相互にネットワーク連接し、前記各レーダ間の送受信同期のために送受信同期部で両レーダを制御し、前記各レーダ毎に設置された送信部から互いに相異なる2つの周波数チャンネルの電波を目標に向かって各モノパルス測角方式カセグレン型アンテナを介して空中に放射し、目標で反射された前記各送信信号をそれぞれに前記アンテナを介して受信し、その受信信号を各周波数チャンネル分設けられた電力振幅検出器で検出し、前記各周波数チャンネル分の第1のビデオ積分器でビデオ積分されて第1のビデオ信号として出力され、前記各周波数チャンネル分の前記各第1のビデオ信号が第2のビデオ積分器でビデオ積分されるとともに、前記アンテナの指向方向を制御する駆動制御部から出力される指向方向信号と前記受信信号に基づいて各周波数チャンネル分のモノパルス測角演算器で測角され、前記各周波数チャンネル分の第1の平均演算器で平均されて第1の角度信号として出力され、前記各周波数チャンネル分の前記各第1の角度信号が第2の平均演算器で平均されるようにしたので、第2のビデオ信号のS/N改善と第2の角度信号の測角精度改善が実現され、目標の距離に関する探知能力と目標の方位及び高度に関する探知能力の拡大を図ることができた。
【0042】
上記では、この発明に係る分散ネットワーク・レーダ装置のアンテナがカセグレン型アンテナの場合を一例に説明したが、通常のパラボラアンテナやオフセット型パラボラアンテナのような反射鏡アンテナであっても、モノパルス測角方式に対応したものであれば良いのは言うまでも無い。
【0043】
また、上記では、車両に搭載されたレーダ1とレーダ2の2台のレーダから構成された分散ネットワーク・レーダ装置について説明したが、レーダの台数がさらに多い場合については、いっそうの探索能力の向上を図ることが可能となる。
【0044】
実施の形態2.
実施の形態1の分散ネットワーク・レーダ装置の例では、アンテナとして反射鏡アンテナの場合を説明したが、アンテナとしてアクティブフェーズドアレイアンテナを使用しても良い。
【0045】
図5は、アンテナがアクティブフェーズドアレイアンテナの場合のこの発明に係る分散ネットワーク・レーダ装置の実施の形態2の一例を示す系統図で、図1と同一符号は同一又は相当部分を示すので説明を省略する。
【0046】
レーダ1において、周波数f1で変調された送信信号がf1送信部1−1で生成され、送受信切替器1−2を通って、アクティブフェーズドアレイアンテナ1−19から、移相器制御部1−20により捜索領域を走査すべく指向方向を制御されて、周波数f1の捜索電波1−5として空中に放射される。
【0047】
一方、レーダ2において、周波数f2で変調された送信信号がf2送信部2−1で生成され、送受信切替器2−2を通って、アクティブフェーズドアレイアンテナ2−19から、移相器制御部2−20により捜索領域を走査すべく指向方向を制御されて、周波数f2の捜索電波2−5として空中に放射される。
【0048】
次に、レーダ1において、周波数f1の捜索電波1−5及び周波数f2の捜索電波2−5が目標で反射されて生じる周波数f1及び周波数f2の両方を含んだ反射電波1−6は、アクティブフェーズドアレイアンテナ1−19で受信され、送受信器切替器1−2を通って、低雑音増幅器1−7で増幅される。以下の動作は、図1で説明した場合と同様である。
【0049】
次に、レーダ2において、周波数f1の捜索電波1−5及び周波数f2の捜索電波2−5が前記目標で反射されて生じる周波数f1及び周波数f2の両方を含んだ反射電波2−6は、アクティブフェーズドアレイアンテナ2−3で受信され、送受信切替器2−2を通って、低雑音増幅器2−7で増幅される。レーダ1と同様、以下の動作は、図1で説明した場合と同様である。
【0050】
アクティブフェーズドアレイアンテナを使用すると、指向方向が機械的に駆動制御されるアンテナに比べて、機械部品が無い分故障に対する信頼性が高く、また、車両の屋根部分を利用してコンパクトに搭載できるという利点がある。
【0051】
実施の形態3.
実施の形態1及び実施の形態2では、アンテナがモノパルス測角方式に対応している場合を説明したが、アンテナとしてビーム・スプリット測角方式反射鏡アンテナを使用しても良い。
【0052】
図6は、アンテナがビーム・スプリット測角方式反射鏡アンテナの場合のこの発明に係る分散ネットワーク・レーダ装置の実施の形態3の一例を示す系統図で、図1と同一符号は同一又は相当部分を示すので説明を省略する。
【0053】
実施の形態1及び実施の形態2の場合は、モノパルス測角方式反射鏡アンテナの4個のホーンで受信された4個の受信信号が、それぞれに送受信切替器を通って低雑音増幅器で増幅される。次に、周波数がf1の信号がf1受信部並びにf1電力振幅検出器で、周波数がf2の信号がf2受信部並びにf2電力振幅検出器で、それぞれ復調と振幅検出が行われ、4個のf1電力振幅信号と4個のf2電力振幅信号となる。しかし、ビーム・スプリット測角方式の場合は、アンテナのホーンの数は1個であり、f1ビデオ信号とf2ビデオ信号のいずれも各々1個ずつとなっている。
【0054】
図6のレーダ1において、f1電力振幅検出器1−10aから出力された1個のf1電力振幅信号1−22aとf2電力振幅検出器1−10bから出力された1個のf2電力振幅信号1−22bは、第1のビデオ積分器に相当するここではバイナリ積分器1−23に入力され、バイナリ積分方式のビデオ積分が行われて、第1のビデオ信号に相当する1個の第1のバイナリビデオ信号1−24として出力される。
【0055】
目標の方位及び高度を得るための仰角の情報に関しては、駆動制御部1−4から出力される指向方向信号1−14とf1電力振幅検出器1−10aから出力された1個のf1ビデオ信号1−22aがf1ビーム・スプリット測角演算器1−25aに入力されて、方位と仰角についてそれぞれ1個ずつのf1測角値信号1−16aとして出力されるとともに、同様に、駆動制御部1−4から出力される指向方向信号1−14とf1電力振幅検出器1−10bから出力された1個のf1電力振幅信号1−22bがf2ビーム・スプリット測角演算器1−25bに入力されて、方位と仰角についてそれぞれ1個ずつのf2測角値信号1−16bとして出力される。
【0056】
さらに、f1測角値信号1−16aとf2測角値信号1−16bが第1の平均演算器1−17に入力され、角度の平均演算が行われて、方位と仰角についてそれぞれ1個ずつの第1の角度信号1−18として出力されるのは、実施の形態1に係る図1の場合と同様である。
【0057】
同様に、図6のレーダ2においても、バイナリ積分器2−23から第1のビデオ信号に相当する1個の第1のバイナリビデオ信号2−24が出力される。
【0058】
また、目標の方位及び高度を得るための仰角の情報に関しても、レーダ1と同様に、第1の平均演算器2−17から、方位と仰角についてそれぞれ1個ずつの第1の角度信号2−18が出力される。
【0059】
次に、レーダ1のバイナリ積分器1−23から出力された第1のバイナリビデオ信号1−23とレーダ2のバイナリ積分器2−23から出力された第1のバイナリビデオ信号2−23は、第2のビデオ積分器に相当するバイナリ積分器7−6に入力され、バイナリ積分方式のビデオ積分が行われて、第2のビデオ信号7−3として出力される。
【0060】
また、レーダ1の第1の平均演算器1−17から出力された第1の角度信号1−18とレーダ2の第1の平均演算器2−18から出力された第1の角度信号2−18が第2の平均演算器7−4に入力され、角度の平均演算が行われて、第2の角度信号7−5として出力されるのは、実施の形態1に係る図1の場合と同様である。
【0061】
以上により、第2のビデオ信号7−3から目標の距離情報を得ることができ、第2の角度信号7−5から目標の方位及び仰角を、さらに、仰角と距離の情報から高度を得ることができる。
【0062】
ところで、上記では、第1のビデオ積分器及び第2のビデオ積分器としてデータ処理の負荷が小さく高速で処理でき小型化の容易なバイナリ積分器の場合を説明したが、第1のビデオ積分器として加算式のビデオ積分器である加算式積分器を用いても良いのは言うまでも無い。
【0063】
また、第1のビデオ積分器としてバイナリ積分器を使用した場合、第のビデオ積分器も必ずバイナリ積分器を使用する必要があるのは、実施の形態1の場合と同様である。
【0064】
以上のように、実施の形態3では、アンテナとしてビーム・スプリット測角方式反射鏡アンテナを使用したので、目標の探知能力の点では実施の形態1や実施の形態2の場合には及ばないが、処理すべき受信信号が少なくて良いため、高速データ処理ができ、かつ、小型で車両に搭載しやすい分散ネットワーク・レーダ装置を実現できるという利点がある。
【0065】
実施の形態4.
実施の形態3に係る分散ネットワーク・レーダ装置においては、目標の方位及び高度を得るための仰角の情報を得るために、各周波数チャンネル毎に、ビデオ信号と指向方向信号を
入力とするビーム・スプリット測角演算器を使用する場合を示したが、入力として、第1のビデオ積分器から出力される第1のビデオ信号を追加した限定式ビーム・スプリット測角演算器を使用しても良い。
【0066】
第1のビデオ信号を追加することによって、捜索すべき領域を限定することが可能となるので、ビーム・スプリット測角演算器の処理負荷が大幅に軽減でき、高速データ処理及び小型化を図ることが可能となる。
【0067】
図7は、測角演算器として、限定式ビーム・スプリット測角演算器を使用した場合のこの発明に係る分散ネットワーク・レーダ装置の実施の形態4の一例を示す系統図で、図6と同一符号は同一又は相当部分を示すので説明を省略する。
【0068】
図7のレーダ1において、駆動制御部1−4から出力される指向方向信号1−14とf1電力振幅検出器1−10aから出力された1個のf1電力振幅信号1−22aに加えて、第1のビデオ積分器に相当するバイナリ積分器1−23から出力された第1のビデオ信号に相当する第1のバイナリビデオ信号1−24が限定式f1ビーム・スプリット測角演算器1−26aに入力されて、方位と仰角についてそれぞれ1個ずつのf1測角値信号1−16aとして出力されるとともに、同様に、駆動制御部1−4から出力される指向方向信号1−14とf2電力振幅検出器1−10bから出力された1個のf2電力振幅信号1−22bに加えて、第1のビデオ積分器に相当するバイナリ積分器1−23から出力された第1のビデオ信号に相当する第1のバイナリビデオ信号1−24が限定式f2ビーム・スプリット測角演算器1−26bに入力されて、方位と仰角についてそれぞれ1個ずつのf2測角値信号1−16bとして出力される。
【0069】
図7のレーダ2においても、同様に、限定式f1ビーム・スプリット測角演算器2−26a及び限定的f2ビーム・スプリット測角演算器2−26bの入力として第1のバイナリビデオ信号2−24が追加される。
【0070】
この際、レーダ1においては第1のバイナリビデオ信号1−24に基づいて、また、レーダ2においては第1のバイナリビデオ信号2−24に基づいて、捜索すべき方位及び仰角の範囲を限定することができるので、捜索領域全体に対して測角する必要が無く、処理負荷を極めて小さくすることができるという利点がある。
【0071】
上記では、第1のビデオ積分器として、バイナリ積分器の場合を説明したが、捜索すべき方位及び仰角の範囲を限定することができれば良いので、加算式積分器を使用しても良いのは言うまでも無い。
【0072】
実施の形態5.
実施の形態3及び実施の形態4に係る分散ネットワーク・レーダ装置においては、目標の方位及び高度を得るための仰角の情報を得るために、各周波数チャンネル毎に、電力振幅信号と指向方向信号を入力として用いるが、第1のビデオ積分器として加算式積分器を使用し、指向方向信号と加算式ビデオ信号のみから測角するようにしても良い。
【0073】
各周波数チャンネル毎に測角演算器を設ける必要が無く、その結果、第1の平均演算器が不要となり、さらに、処理すべきデータ量が減るため、分散ネットワーク・レーダ装置の構成が簡素化され、小型化及び高速処理化が図れるという利点がある。
【0074】
図8は、測角演算器として、指向方向信号と加算式ビデオ信号のみを入力とするビーム・スプリット測角演算器を使用した場合のこの発明に係る分散ネットワーク・レーダ装置の実施の形態5の一例を示す系統図で、図6と同一符号は同一又は相当部分を示すので説明を省略する。
【0075】
図8のレーダ1において、駆動制御部1−4から出力される指向方向信号1−14と第1のビデオ積分器に相当する加算式積分器1−27から出力された加算式ビデオ信号1−28がビーム・スプリット測角演算器1−29に入力されて、方位と仰角についてそれぞれ1個ずつの第1の角度信号1−18として出力される。
【0076】
図8のレーダ2においても、同様に、駆動制御部2−4から出力される指向方向信号2−14と加算式積分器2−27から出力された加算式ビデオ信号2−28がビーム・スプリット測角演算器2−29に入力されて、方位と仰角についてそれぞれ1個ずつの第1の角度信号2−18として出力される。
【0077】
次に、レーダ1の加算式積分器1−27から出力された加算式ビデオ信号1−28とレーダ2の加算式積分器2−27から出力された加算式ビデオ信号2−28は、ビデオ積分器7−7に入力され、ビデオ積分が行われて、ビデオ信号7−8として出力される。
【0078】
また、レーダ1のビーム・スプリット測角演算器1−29から出力された第1の角度信号1−18とレーダ2のビーム・スプリット測角演算器2−29から出力された第1の角度信号2−18が平均演算器7−9に入力され、角度の平均演算が行われて、第2の角度信号7−10として出力される。
【0079】
以上のように、指向方向信号と加算式ビデオ信号のみから測角するようにしたので、分散ネットワーク・レーダ装置の構成が簡素化され、捜索の高速化が図れると同時に、車両に搭載する上で重要な小型化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】この発明に係る分散ネットワーク・レーダ装置の実施の形態1の一例を示す系統図である。
【図2】4ホーンモノパルス測角方式カセグレン型アンテナの概略構成図である。
【図3】S/N改善の状況を説明する信号波形図である。
【図4】測角精度改善の情況を説明する角度ばらつきの分布図である。
【図5】アクティブフェーズドアレイアンテナの場合のこの発明に係る分散ネットワーク・レーダ装置の実施の形態2の一例を示す系統図である。
【図6】ビーム・スプリット測角方式反射鏡アンテナの場合のこの発明に係る分散ネットワーク・レーダ装置の実施の形態3の一例を示す系統図である。
【図7】限定式ビーム・スプリット測角演算器を使用した場合のこの発明に係る分散ネットワーク・レーダ装置の実施の形態4の一例を示す系統図である。
【図8】ビーム・スプリット測角演算器を使用した場合のこの発明に係る分散ネットワーク・レーダ装置の実施の形態5の一例を示す系統図である。
【符号の説明】
【0081】
1 レーダ
1−1 f1送信部
1−3 モノパルス測角方式反射鏡アンテナ
1−8a f1受信部
1−8b f2受信部
1−10a f1電力振幅検出器
1−10b f2電力振幅検出器
1−11a f1電力振幅信号
1−11b f2電力振幅信号
1−12 第1のビデオ積分器
1−13 第1のビデオ信号
2 レーダ
2−1 f2送信部
2−3 モノパルス測角方式反射鏡アンテナ
2−8a f1受信部
2−8b f2受信部
2−10a f1電力振幅検出器
2−10b f2電力振幅検出器
2−11a f1電力振幅信号
2−11b f2電力振幅信号
2−12 第1のビデオ積分器
2−13 第1のビデオ信号
7−1 送受信同期部
7−2 第2のビデオ積分器
7−3 第2のビデオ信号

【特許請求の範囲】
【請求項1】
相互にネットワーク連接された2以上のレーダと、前記各レーダ間の送受信同期のための制御を行う送受信同期部と、前記各レーダ毎に設置され、互いに相異なる周波数チャンネルで送信する送信部と、前記各送信部から送出された送信信号を目標に向けて放射するアンテナと、前記目標から反射された前記各送信信号が前記各アンテナを介して受信され、前記各周波数チャンネルに対応した受信信号を出力する前記各周波数チャンネル分の受信部と、前記各受信信号に基づいて電力振幅信号を出力する前記各周波数チャンネル分の電力振幅検出器と、前記各周波数チャンネル分の前記各電力振幅信号をビデオ積分し、第1のビデオ信号を出力する第1のビデオ積分器と、前記各レーダの前記各第1のビデオ信号をビデオ積分し、第2のビデオ信号を出力する第2のビデオ積分器とを備えたことを特徴とする分散ネットワーク・レーダ装置。
【請求項2】
アンテナがモノパルス測角方式反射鏡アンテナで、送受信同期部に制御されて各レーダ間の送受信同期のために前記モノパルス測角方式反射鏡アンテナの指向方向を制御するとともに指向方向信号を出力する駆動制御部と、受信信号と前記指向方向信号に基づいて測角値信号を出力する各周波数チャンネル分のモノパルス測角演算器と、前記各周波数チャンネル分の前記各測角値信号を平均演算し、第1の角度信号を出力する第1の平均演算器と、前記各レーダの前記各第1の角度信号を平均演算し、第2の角度信号を出力する第2の平均演算器とを備えることを特徴とする請求項1に記載の分散ネットワーク・レーダ装置。
【請求項3】
アンテナがアクティブフェーズドアレイアンテナで、送受信同期部に制御されて各レーダ間の送受信同期のために前記アクティブフェーズドアレイアンテナの指向方向を制御するとともに指向方向信号を出力する移相器制御部と、受信信号と前記指向方向信号に基づいて測角値信号を出力する各周波数チャンネル分のモノパルス測角演算器と、前記各周波数チャンネル分の前記各測角値信号を平均演算し、第1の角度信号を出力する第1の平均演算器と、前記各レーダの前記各第1の角度信号を平均演算し、第2の角度信号を出力する第2の平均演算器とを備えることを特徴とする請求項1に記載の分散ネットワーク・レーダ装置。
【請求項4】
アンテナがビーム・スプリット測角方式反射鏡アンテナで、送受信同期部に制御されて各レーダ間の送受信同期のために前記ビーム・スプリット測角方式反射鏡アンテナの指向方向を制御するとともに指向方向信号を出力する駆動制御部と、電力振幅信号と前記指向方向信号に基づいて測角値信号を出力する各周波数チャンネル分のビーム・スプリット測角演算器と、前記各周波数チャンネル分の前記各測角値信号を平均演算し、第1の角度信号を出力する第1の平均演算器と、前記各レーダの前記各第1の角度信号を平均演算し、第2の角度信号を出力する第2の平均演算器とを備えることを特徴とする請求項1に記載の分散ネットワーク・レーダ装置。
【請求項5】
第1のビデオ積分器と第2のビデオ積分器のいずれもがバイナリ方式のビデオ積分を行うバイナリ積分器であることを特徴とする請求項4に記載の分散ネットワーク・レーダ装置。
【請求項6】
ビーム・スプリット測角演算器が、電力振幅信号と指向方向信号に加えて第1のビデオ信号にも基づいて測角値信号を出力することを特徴とする請求項4に記載の分散ネットワーク・レーダ装置。
【請求項7】
第1のビデオ積分器と第2のビデオ積分器のいずれもがバイナリ方式のビデオ積分を行うバイナリ積分器であることを特徴とする請求項6に記載の分散ネットワーク・レーダ装置。
【請求項8】
相互にネットワーク連接された2以上のレーダと、前記各レーダ間の送受信同期のための制御を行う送受信同期部と、前記各レーダ毎に設置され、互いに相異なる周波数チャンネルで送信する送信部と、前記各送信部から送出された送信信号を目標に向けて放射するビーム・スプリット測角方式反射鏡アンテナと、前記目標から反射された前記各送信信号が前記各ビーム・スプリット測角方式反射鏡アンテナを介して受信され、前記各周波数チャンネルに対応した受信信号を出力する前記各周波数チャンネル分の受信部と、前記各受信信号に基づいて電力振幅信号を出力する前記各周波数チャンネル分の電力振幅検出器と、前記各周波数チャンネル分の前記各電力振幅信号をビデオ積分し、加算式ビデオ信号を出力する加算式積分器と、前記各レーダの前記各加算式ビデオ信号をビデオ積分し、ビデオ信号を出力するビデオ積分器と、前記送受信同期部に制御されて前記各レーダ間の送受信同期のために前記各ビーム・スプリット測角方式反射鏡アンテナの指向方向を制御するとともに指向方向信号を出力する駆動制御部と、前記加算式ビデオ信号と前記指向方向信号に基づいて第1の角度信号を出力するビーム・スプリット測角演算器と、前記各レーダの前記各第1の角度信号を平均演算し、第2の角度信号を出力する平均演算器とを備えることを特徴とする分散ネットワーク・レーダ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−33129(P2007−33129A)
【公開日】平成19年2月8日(2007.2.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−214153(P2005−214153)
【出願日】平成17年7月25日(2005.7.25)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】