説明

分散系を製造するための装置および分散系を製造する方法

本発明は、分散系を製造するための装置および分散系を製造する方法である。分散系を製造するための装置には、第1の固定子、第2の固定子、第1の固定子および第2の固定子を包み込んでいるシェル、第1の固定子と第2の固定子の間に配置され、それにより第1のチャンバおよび第2のチャンバを形成する回転子、第1のチャンバの中に入る少なくとも1つの第1の入口、ならびに第2のチャンバから外に出る少なくとも1つの出口が含まれる。本装置には、所望により、少なくとも1つのさらなる第2のチャンバの中に入る第2の入口が含まれてもよい。ポリウレタン分散系を製造する方法には、次の工程:(1)第1の固定子、第2の固定子、第1の固定子および第2の固定子を包み込んでいるシェル、第1の固定子と第2の固定子の間に配置され、それにより第1のチャンバおよび第2のチャンバを形成する回転子、第1のチャンバの中に入る少なくとも1つの第1の入口、第2のチャンバから外に出る少なくとも1つの出口;ならびに、所望により1またはそれ以上のさらなる第2のチャンバの中に入る第2の入口を含む、分散系を製造するための装置を提供する工程;(2)プレポリマー相および水相を、第1の入口を経由して第1のチャンバの中に導入する工程;(3)プレポリマー相を水相中で乳化する工程;(4)それによりプレポリマー乳濁液を製造する工程;(5)鎖延長剤を、第2の入口を経由して第2のチャンバ中の乳濁液の中に導入する工程;(6)プレポリマーを鎖延長する工程;ならびに(7)それによりポリウレタン分散系を製造する工程、が含まれる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、分散系を製造するための装置および分散系を製造する方法に関する。本発明はさらに、乳濁液、懸濁液、およびラテックスを製造するための装置およびそれを製造する方法に関する。
【0002】
関連出願の相互参照
本願は、2006年12月19日出願の米国特許仮出願第60/875,657号、標題「A device for producing dispersions and method of producing dispersions」(分散系を製造するための装置および分散系を製造する方法)の優先権を主張する非仮出願であり、その教示は本明細書の下文において完全に再現されるかのように本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
ポリウレタン分散系が様々な分野で使用されることは一般に公知である。多様な装置を用いる異なる方法、例えばバッチ式または連続式を、かかる分散系を製造するために用いることができる。
【0004】
米国特許第6,720,385号には、ポリイソシアネート成分およびポリオール成分を含むプレポリマー処方物から調製された水性ポリウレタンラテックスが開示され、該ポリオール成分の重量の5〜40パーセントは、プロピレンオキシドまたは高級オキシアルキレンポリオキシアルキレンポリオールへのエンドキャップとして適用されるエチレンオキシドの形態のエチレンオキシドであり、ポリオール成分の重量の45パーセント以下がエチレンオキシドである。
【0005】
米国特許第5,959,027号には、狭分子量多分散性およびサブミクロンの粒径を有し、最初に不連続相比の高い(HIPR)ポリウレタン/尿素/チオ尿素のプレポリマー乳濁液を調製し、次に該乳濁液を、ポリマーラテックスを形成する条件下で鎖延長試薬と接触させることにより調製される、ポリウレタン/尿素/チオ尿素のラテックスが開示される。
【0006】
米国特許第5,688,842号には、転相を含まない、不連続相比の高い乳濁液を調製する方法が開示され、その方法は、a)流速Rを有する連続相液体流、および流速Rを有する分散相液体流を、乳化および安定化量の界面活性剤の存在下で連続的に分散機に合流させる工程;ならびにb)合流した流れを十分な量の剪断で混合して(R:Rは十分に一定である)、転相、または不連続相の連続相中への工程的分布のない、不連続相比の高い乳濁液を形成する工程を含み;この際、R:Rは、その範囲の下限が、不連続相比の高い乳濁液の容積平均粒度がR:Rへの逆依存を示し始める点により規定される範囲を含み、その範囲の上限は、不連続相比の高い乳濁液の転相の起こるR:Rよりほんの少し小さい。
【0007】
米国特許第5,539,021号には、転相を含まない、不連続相比の高い乳濁液を調製する方法が開示され、その方法は、a)流速Rを有する連続相液体流、および流速Rを有する分散相液体流を、乳化および安定化量の界面活性剤の存在下で連続的に分散機に合流させる工程;ならびにb)合流した流れを十分な量の剪断で混合して(R:Rは十分に一定である)、転相、または不連続相の連続相中への工程的分布のない、不連続相比の高い乳濁液を形成する工程を含み;この際、R:Rは、その範囲の下限が、不連続相比の高い乳濁液の容積平均粒度がR:Rへの逆依存を示し始める点により規定される範囲を包含し、その範囲の上限は、不連続相比の高い乳濁液の転相の起こるR:Rよりほんの少し小さい。
【0008】
米国特許第4,742,095号には、(a)約0.3〜10.0ワット/立法センチメートルの混合ワット量および少なくとも約0.1リットルの混合容積を用いる、約500〜8000rpmの速度で作動する低剪断、固定子−回転子ダイナミックミキサーで、乳化性のイソシアネート末端プレポリマーと水性媒体を混合すること(該水性媒体および該プレポリマーの平均滞留時間は約1〜30秒であり、ダイナミックミキサーによる全体的な流速は少なくとも約50kg/hである)、ならびに(b)(a)で調製した分散したイソシアネート末端プレポリマーとポリアミン鎖延長剤を反応させて水性ポリウレタン−尿素分散液を形成することによる、水性ポリウレタン−尿素分散系の製造のための連続法が開示される。
【0009】
米国特許出願公開第2004/0242764号には、実質的に有機溶媒を含まない、かつ、また1分子につき少なくとも2つのイソシアネート基を有する、ウレタンプレポリマーを水で乳化し、鎖延長を終了させることによる、ポリウレタン乳濁液を製造するための方法が開示される。
【0010】
より安定した分散系を開発するこれらの研究努力にもかかわらず、最適な粒径、固体レベル含量の、付着物の低下した分散系を製造するための改良された装置に対して、なお必要性が存在し、さらに、かかる分散系を製造する改良された方法に対して、なお必要性が存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】米国特許仮出願第60/875,657号
【特許文献2】米国特許第6,720,385号
【特許文献3】米国特許第5,959,027号
【特許文献4】米国特許第5,688,842号
【特許文献5】米国特許第5,539,021号
【特許文献6】米国特許第4,742,095号
【特許文献7】米国特許出願公開第2004/0242764号
【発明の概要】
【0012】
本発明は、分散系を製造するための装置および分散系を製造する方法である。分散系を製造するための装置には、第1の固定子、第2の固定子、第1の固定子および第2の固定子を包み込んでいるシェル、第1の固定子と第2の固定子の間に配置され、それにより第1のチャンバおよび第2のチャンバを形成している回転子、第1のチャンバの中に入る少なくとも1つの第1の入口、および第2のチャンバから外に出る少なくとも1つの出口が含まれる。この装置には、所望により、少なくとも1つのさらなる第2のチャンバの中に入る第2の入口が含まれてもよい。ポリウレタン分散系を製造する方法には、次の工程:(1)第1の固定子、第2の固定子、第1の固定子および第2の固定子を包み込んでいるシェル、第1の固定子と第2の固定子の間に配置され、それにより第1のチャンバおよび第2のチャンバを形成している回転子、第1のチャンバの中に入る少なくとも1つの第1の入口、第2のチャンバから外に出る少なくとも1つの出口;ならびに、所望により、1またはそれ以上のさらなる第2のチャンバの中に入る第2の入口を含む、分散系を製造するための装置を提供する工程;(2)プレポリマー相および水相を第1の入口を経由して第1のチャンバの中に導入する工程;(3)プレポリマー相を水相中で乳化する工程;(4)それによりプレポリマー乳濁液を製造する工程;(5)鎖延長剤を、第2の入口を経由して第2のチャンバ中の乳濁液の中に導入する工程;(6)プレポリマーを鎖延長する工程;ならびに(7)それによりポリウレタン分散系を製造する工程、が含まれる。
【0013】
本発明を説明する目的で、図面において例示的な形態が示される;しかし、本発明が図示される正確な配置および手段に限定されないことは、当然理解される。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明に従う分散系を製造するための装置の第1の実施形態を示す図である。
【図2】図1の分散系を製造するための装置の分解図である。
【図3】第1の固定子の平面図である。
【図4】第2の固定子の平面図である(図4A)。末端エンドキャップの平面図である(図4B)。
【図5】上昇させた回転子の側面図である(図5A)。図5Aの回転子の第1の表面の平面図である(図5B)。図5Aの回転子の第2の表面の平面図である(図5C)。
【図6】本発明に従う分散系を製造するための装置の第2の実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
同種の数字が同種の要素を示す図面を参照すると、図1および2には、本発明に従う分散系を製造するための装置10の第1の実施形態が示される。図1〜5を参照すると、分散系を製造するための装置10には、第1の固定子12、第2の固定子14、第1の固定子12および第2の固定子14を包み込んでいるシェル16、第1の固定子12と第2の固定子14の間に配置され、それにより第1のチャンバ(図示せず)および第2のチャンバ(図示せず)を形成する回転子18、第1のチャンバ(図示せず)の中に入る少なくとも1つの第1の入口20、および第2のチャンバ(図示せず)から外に出る少なくとも1つの出口22が含まれる。分散系を製造するための装置10は、所望により、第2のチャンバ(図示せず)の中に入る少なくとも1つのさらなる第2の入口24が含まれてもよい。
【0016】
図1〜2を参照すると、シェル16は任意の形状であってもよい;例えば、シェル16は円筒形であってもよい。シェル16は、第1の固定子12および第2の固定子14を包み込む。
【0017】
図1、2、および3を参照すると、第1の固定子12は任意の形状であってもよい;例えば、第1の固定子12は円形であってもよい。第1の固定子12には、チャネル72がさらに含まれてもよい。第1の固定子12には、任意の数の、一般的に環状の固定子歯26が備わっていてもよい;例えば、第1の固定子12には、少なくとも2つの一般的に環状の固定子歯26が備わっていてもよい。さらに、第1の固定子12には、一般的に環状の固定子歯26が第2の固定子14よりも少なくとも1つ多く備わっていてもよい。各々の一般的に環状の固定子歯26には、複数のくし形の歯28が円周方向に備わっている。スリット30には、それらの間に各々の複数のくし形の歯28が備わっている。一般的に環状の固定子歯26は、さらに、互いから任意の距離32の間隔が置かれてもよい。一般的に環状の固定子歯26の間の距離32は、第2のチャンバ(図示せず)よりも第1のチャンバ(図示せず)においてより高い剪断力を促進するよう適合された距離であってもよい;例えば、一般的に環状の固定子歯26の間の距離32は、本明細書の下文でさらに詳細に説明される図5Bに示されるように、第2の固定子14の一般的に環状の固定子歯34の間の距離40よりも小さくてもよい。第1の固定子12には、少なくとも1つの第1の入口20がさらに含まれてもよい。第1の固定子12には、例えば、1またはそれ以上のさらなる第1の入口20’および/または20”が含まれてもよい。代替形態では、図6を参照すると、分散系を製造するための装置10には、第1の入口21が備わっていてよく、この際、第1の入口21は、チャネル72を経由して第1のチャンバ(図示せず)と流体連通している。代替形態では、分散系を製造するための装置10には、入口20、20’、20"、および/または21(図示せず)の組合せが備わっていてもよい。第1の固定子12には、第2の固定子14と連結させるための手段42がさらに含まれてもよい。連結のための手段42としては、限定されるものではないが、インターロック機構、ナットとボルト、およびネジが挙げられる。
【0018】
図1、2、および4Aを参照すると、第2の固定子14は任意の形状であってもよい;例えば、第2の固定子14は、円形であってもよい。第2の固定子14には、任意の数の一般的に環状の固定子歯34が備わっていてもよい;例えば、第2の固定子14には、少なくとも2つの一般的に環状の固定子歯34が備わっていてもよい。さらに、第2の固定子14には、一般的に環状の固定子歯34が、第1の固定子12よりも少なくとも1つ少なく備わっていてもよい。各々の一般的に環状の固定子歯34には、複数のくし形の歯36が円周方向に備わっている。スリット38には、それらの間に各々の複数のくし形の歯36が備わっている。一般的に環状の固定子歯34は、互いから任意の距離40の間隔が置かれてもよい。一般的に環状の固定子歯34の間の距離40は、第1のチャンバ(図示せず)よりも第2のチャンバ(図示せず)においてより低い剪断速度を促進するよう適合された距離であってもよい;例えば、一般的に環状の固定子歯34の間の距離40は、本明細書の上文でさらに詳細に説明される図2に示されるように第1の固定子12の一般的に環状の固定子歯26の間の距離32よりも大きくてもよい。第2の固定子14には、少なくとも1つの出口22がさらに含まれてもよい。第2の固定子14には、所望により、少なくとも1つの第2の入口24が含まれてもよい。第2の固定子14には、例えば、さらなる第2の入口24’および/または24”が含まれてもよい。第2の固定子14には、第1の固定子12と連結のための手段46がさらに含まれてもよい。連結のための手段46としては、限定されるものではないが、インターロック機構、ナットとボルト、およびネジが挙げられる。
【0019】
図1、2、および4Bを参照すると、分散系を製造するための装置10には、末端エンドキャップ48がさらに含まれてもよい。末端エンドキャップ48には、少なくとも1つの出口22が含まれてもよい。末端エンドキャップ48には、所望により、少なくとも1つの第2の入口24が含まれてもよい。末端エンドキャップ48には、例えば、さらなる第2の入口24、24’および/または24”が含まれてもよい。末端エンドキャップ48には、第2の固定子14と第1の固定子12を連結のための手段46がさらに含まれてもよい。連結のための手段46としては、限定されるものではないが、インターロック機構、ナットとボルト、およびネジが挙げられる。
【0020】
図1、2、および5A〜Cを参照すると、回転子18は任意の形状であってもよい;例えば、回転子18は円板形であってもよい。回転子18は、例えば、チャネル72’が備わっていてもよい。回転子18には、第1の表面50、および第2の表面52を含む。第1の表面50は、第1の固定子12を補完し、第2の表面52は第2の固定子14を補完(complimentary to)する。第1の表面50は、第1の固定子12に隣接し、それにより第1のチャンバ(図示せず)が形成される。第2の表面52は、第2の固定子14に隣接し、それにより第2のチャンバが形成される。回転子18には、電源、例えば、電気モーター(図示せず)に連結された回転シャフト(図示せず)と連結のための手段54がさらに含まれてもよい。回転シャフト(図示せず)と連結のための手段54としては、限定されるものではないが、インターロック機構、ナットとボルト、およびネジが挙げられる。第1の表面50には、任意の数の一般的に環状の回転子歯56が備わっていてもよい;例えば、第1の表面50には、少なくとも2つの一般に環状の回転子歯56が備わっていてもよい。さらに、第1の表面50には、一般的に環状の回転子歯56が第2の表面52よりも少なくとも1つ多く備わっていてもよい。各々の一般的に環状の回転子歯56には、複数のくし形の歯58が円周方向に備わっている。スリット60には、それらの間に各々の複数のくし形の歯58が備わっている。一般的に環状の回転子歯56は、互いから任意の距離62の間隔が置かれてもよい。一般的に環状の回転子歯56の間の距離62は、第2のチャンバ(図示せず)よりも第1のチャンバ(図示せず)においてより高い剪断力を促進するよう適合された距離であってもよい;例えば、一般的に環状の回転子歯56の間の距離62は、本明細書の下文でさらに詳細に説明される、第2の表面52の一般的に環状の回転子歯64の間の距離70よりも小さくてもよい。第2の表面52には、任意の数の一般的に環状の回転子歯64が備わっていてもよい;例えば、第2の表面52には、少なくとも2つの一般的に環状の回転子歯64が備わっていてもよい。さらに、第2の表面52には、第1の表面50よりも少なくとも1つ少ない、一般的に環状の回転子歯64が備わっていてもよい。各々の一般的に環状の回転子歯64には、複数のくし形の歯66が円周方向に備わっている。スリット68には、それらの間に各々の複数のくし形の歯66が備わっている。一般に環状の回転子歯64は、互いから任意の距離70の間隔が置かれてもよい。一般的に環状の回転子歯64の間の距離70は、第1のチャンバ(図示せず)よりも第2のチャンバ(図示せず)においてより低い剪断力を促進するよう適合された距離であってもよい;例えば、一般的に環状の回転子歯64の間の距離70は、本明細書の上文でさらに詳細に説明される、第1の表面50の一般的に環状の回転子歯56の間の距離62よりも大きくてもよい。
【0021】
図1および6を参照すると、分散系を製造するための装置10には、電源との連結のための手段74がさらに含まれてもよい。電源との連結のための手段74としては、限定されるものではないが、インターロック機構、ナットとボルト、およびネジが挙げられる。
【0022】
図4Bを参照すると、装置10には、従来の冷却システムがさらに含まれてもよい。従来のシステムには、出口49と流体連通している冷却入口47が含まれ、それにより末端エンドキャップ48またはシェル16の外層に冷却ゾーン(図示せず)が形成される。冷却入口47には冷却液が供給され、この際、冷却液は冷却ゾーンを移動し、次に冷却出口49を経由して出て行き、それにより装置10を冷やす。
【0023】
本発明は、例えば、ポリウレタン分散系を製造するための方法に関してさらに説明される;しかし、本発明はそれに限定されるものではなく、分散系を製造するための装置10を経由してその他の高分子分散系を製造することができる。
【0024】
実施中、本明細書の下文でさらに詳細に説明されるプレポリマー相は、第1の入口20を経由して第1のチャンバの中に導入され、一方、本明細書の下文でさらに詳細に説明される水相、および、本明細書の下文でさらに詳細に説明される界面活性剤は、第1の入口20’および/または入口20”を経由して第1のチャンバ(図示せず)の中に同時に導入される。プレポリマーは、高剪断力によって水相の中で乳化し、それによりプレポリマー乳濁液を形成する。次に、プレポリマー乳濁液は第2のチャンバ(図示せず)の中を移動し、本明細書の下文でさらに詳細に説明される鎖延長剤が、第2の入口24を経由して第2のチャンバの中に導入される。プレポリマーは低剪断力によって鎖延長され、それによりポリウレタン分散系が形成される。ポリウレタン分散系は、出口22を経由して第2のチャンバ(図示せず)を去る。
【0025】
もう一つの実施中、本明細書の下文でさらに詳細に説明されるポリマー相は、 第1の入口20を経由して第1のチャンバの中に導入され、一方、本明細書の下文でさらに詳細に説明される水相、および、本明細書の下文でさらに詳細に説明される界面活性剤は、第1の入口20’および/または入口20”を経由して第1のチャンバ(図示せず)の中に同時に導入される。ポリマー相は高剪断力によって水相の中で乳化し、それによりポリマー乳濁液を形成する。次に、ポリマー乳濁液は第2のチャンバ(図示せず)の中を移動し、本明細書の下文でさらに詳細に説明される希釈剤相は、例えば、低剪断力によって高分子分散系を希釈し、それにより高分子分散系が形成されるため、所望により、第2の入口24を経由して第2のチャンバの中に導入されてもよい。高分子分散系は、出口22を経由して第2のチャンバ(図示せず)を去る。
【0026】
本明細書において用いられる、プレポリマー相という用語は、ポリウレタンプレポリマーを含有する流れをさす。ポリウレタンプレポリマーは、実質的に有機溶媒を含まず、かつ、同様に1分子につき少なくとも2つのイソシアネート基を有する。本明細書において用いられるそのようなポリウレタンプレポリマーとは、さらに、ポリウレタンプレポリマー中の有機溶媒の含量が、プレポリマー相の総重量に基づいて10重量%またはそれ以下である、ポリウレタンプレポリマーをさす。有機溶媒を除去する工程を排除するために、有機溶媒の含量は、例えば、プレポリマー相の総重量に基づいて5重量%またはそれ以下であってもよい;または、別の方法では、有機溶媒の含量は、プレポリマー相の総重量に基づいて1重量%またはそれ以下であってもよい;または、また別の方法では、有機溶媒の含量は、プレポリマー相の総重量に基づいて1重量%またはそれ以下であってもよい。
【0027】
本発明で用いられるポリウレタンプレポリマーの数平均分子量は、例えば、1,000〜200,000の範囲内でありうる。1,000〜200,000の全ての個々の数値および下位範囲が本明細書に含められ、本明細書において開示される;例えば、ポリウレタンプレポリマーの数平均分子量は、2,000〜約20,000mの範囲でありうる。
【0028】
本発明で用いられるポリウレタンプレポリマーは、任意の従来公知の方法、例えば、溶液プロセス、ホットメルト法、またはプレポリマー混合法により製造することができる。さらに、ポリウレタンプレポリマーは、例えば、ポリイソシアネート化合物と活性水素含有化合物を反応させるためのプロセスを経て製造することができ、その例としては、1)有機溶媒を使用せずにポリイソシアネート化合物とポリオール化合物を反応させるためのプロセス、および2)有機溶媒中でポリイソシアネート化合物とポリオール化合物を反応させ、それに続いて溶媒を除去するためのプロセスが挙げられる。
【0029】
例えば、ポリイソシアネート化合物は、20℃〜120℃の範囲の温度で活性水素含有化合物と反応させることができる;または別の方法では、30℃〜100℃の範囲で、例えば、1.1:1〜3:1の;または別の方法では、1.2:1〜2:1の、イソシアネート基の活性水素基に対する当量比で反応させることができる。代替形態では、プレポリマーを過剰量のポリオールで調製し、それによりヒドロキシル末端ポリマーの製造を促進させることができる。
【0030】
例えば、過剰なイソシアネート基は、所望によりアミノシランと反応させ、それにより末端基をイソシアネート基以外の反応性基、例えばアルコキシシリル基などに変換する。
【0031】
ポリウレタンプレポリマーには、重合可能なアクリルモノマー、スチレンモノマー、またはビニルモノマーが希釈剤としてさらに含まれてよく、次にそれらはイニシエーターを介してフリーラジカル重合により重合させることができる。
【0032】
ポリイソシアネート化合物の例としては、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6-トリレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、3,3’−ジクロロ−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、1,5−テトラヒドロナフタレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,3−シクロヘキシレンジイソシアネート、1,4−シクロヘキシレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、水素化キシリレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、それらの異性体、および/またはそれらの組合せが挙げられる。
【0033】
本発明で用いられるポリウレタンプレポリマーを製造するために用いられる活性水素含有化合物としては、限定されるものではないが、例えば、比較的高い分子量を有する化合物(以下、高分子量化合物と称される)および比較的低い分子量を有する化合物(以下、低分子量化合物と称される)が挙げられる。
【0034】
高分子量化合物の数平均分子量は、例えば、300〜20,000の範囲内であってもよい;または別の方法では、500〜5,000の範囲内であってもよい。低分子量化合物の数平均分子量は、例えば、300未満であってもよい。これらの活性水素含有化合物は、単独で用いてもよいし、またはそれらの2またはそれ以上の種類を組み合わせて用いてもよい。
【0035】
これらの活性水素含有化合物の中で、高分子量化合物の例としては、限定されるものではないが、脂肪族および芳香族ポリエステルポリオールが挙げられ、それには、カプロラクトン系ポリエステルポリオール、種油系ポリエステルポリオール、任意のポリエステル/ポリエーテルハイブリッドポリオール、PTMEG系ポリエーテルポリオール;エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシドおよびそれらの混合物に基づくポリエーテルポリオール;ポリカーボネートポリオール;ポリアセタールポリオール、ポリアクリレートポリオール;ポリエステルアミドポリオール;ポリチオエーテルポリオール;ポリオレフィンポリオール、例えば飽和もしくは不飽和ポリブタジエンポリオール、ポリオール、ポリチオエーテルポリオール、ポリオレフィンポリオール、例えばポリブタジエンポリオール、などが含まれる。
【0036】
ポリエステルポリオールとして、例えば、下文に記載されるグリコールの重縮合反応により得たポリエステルポリオール、および酸を用いることができる。
【0037】
ポリエステルポリオールを得るために使用することのできるグリコールの例としては、限定されるものではないが、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ビスヒドロキシエトキシベンゼン、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールA、1,3−および1,4−シクロヘキサンジメタノールの混合物(UNOXOL(商標)−ジオール)、水素化ビスフェノールA、ヒドロキノン、およびそれらのアルキレンオキシド付加物が挙げられる。
【0038】
ポリエステルポリオールを得るために使用することのできる酸の例としては、限定されるものではないが、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、無水マレイン酸、フマル酸、1,3−シクロペンタンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、2,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ナフタル酸、ビフェニルジカルボン酸、1,2−ビス(フェノキシ)エタン−p,p’−ジカルボン酸、およびこれらのジカルボン酸の無水物またはエステル形成性誘導体;ならびにp−ヒドロキシ安息香酸、p−(2−ヒドロキシエトキシ)安息香酸、およびこれらのヒドロキシカルボン酸のエステル形成性誘導体が挙げられる。
【0039】
また、環状エステル化合物、例えばΕ−カプロラクトンの開環重合反応により得られたポリエステル、およびそのコポリエステルを用いてもよい。
【0040】
ポリエーテルポリオールの例としては、限定されるものではないが、少なくとも2つの活性水素原子を有する1またはそれ以上の種類の化合物、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ソルビトール、スクロース、トリカブト糖(aconite saccharide)、トリメリット酸、ヘミメリット酸、リン酸、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリイソプロパノールアミン、ピロガロール、ジヒドロキシ安息香酸、ヒドロキシフタル酸、および1,2,3−プロパントリチオールなどと、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、スチレンオキシド、エピクロロヒドリン、テトラヒドロフラン、およびシクロヘキシレンの中の1またはそれ以上の種類との重付加反応により得られる化合物が挙げられる。
【0041】
ポリカーボネートポリオールの例としては、限定されるものではないが、グリコール、例えば1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、およびジエチレングリコールなどと、ジフェニルカーボネートおよびホスゲンとの反応により得られる化合物が挙げられる。
【0042】
活性水素含有化合物の中で、低分子量化合物は、1分子につき少なくとも2つの活性水素を有し、300未満の数平均分子量を有する化合物であり、その例としては、限定されるものではないが、ポリエステルポリオールの原材料として用いられるグリコール成分;ポリヒドロキシ化合物、例えばグリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ソルビトール、およびペンタエリトリトールなど;およびアミン化合物、例えばエチレンジアミン、1,6−ヘキサメチレンジアミン、ピペラジン、2,5−ジメチルピペラジン、イソホロンジアミン、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジアミン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジシクロヘキシルメタンジ−アミン、1,4−シクロヘキサンジアミン、1,2−プロパンジアミン、ヒドラジン(hydazine)、ジエチレントリアミン、およびトリエチレンテトラミンが挙げられる。
【0043】
ウレタンプレポリマーには、親水基がさらに含まれてもよい。本明細書において用いられる、用語「親水基」とは、アニオン性基(例えば、カルボキシル基、スルホン酸基、またはリン酸基)、またはカチオン性基(例えば、第三級アミノ基、または第四級アミノ基)、または非イオン性親水基(例えば、エチレンオキシドの反復単位からなる基、または、エチレンオキシドの反復単位と別のアルキレンオキシドの反復単位からなる基)をさす。
【0044】
親水基の中で、エチレンオキシドの反復単位を有する非イオン性親水基が、例えば、最終的に得られるポリウレタン乳濁液がその他の種類の乳濁液と優れた適合性を有するので、好ましいであろう。カルボキシル基および/またはスルホン酸基の導入は、粒径をより細かくするために効果的である。
【0045】
イオン基とは、中和による水中自己分散性に寄与する親水性イオン基としての機能を果たすことのできる官能基をさし、凝集に対する加工の間のコロイド安定性;輸送、保存およびその他の添加剤との処方の間の安定性をもたらす。これらの親水基はまた、用途特異的特性、例えば付着を導入することもできうる。
【0046】
イオン基がアニオン性基である場合、中和に用いる中和剤としては、例えば、不揮発性塩基、例えば水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムなど;ならびに揮発性塩基、例えば第三級アミン(例えばトリメチルアミン、トリエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、およびトリエタノールアミン)などが挙げられ、アンモニアを使用してもよい。
【0047】
イオン基がカチオン性基である場合、有用な中和剤としては、例えば、無機酸、例えば塩酸、硫酸、および硝酸など;ならびに有機酸、例えばギ酸および酢酸などが挙げられる。
【0048】
中和は、イオン基を有する化合物の重合の前、最中、または後に行ってもよい。あるいは、中和は、ポリウレタン重合反応の最中または後に行ってもよい。
【0049】
ポリウレタンプレポリマー中に親水基を導入するために、1分子につき少なくとも1つの活性水素原子を有し、かつ上記親水基も有する化合物を、活性水素含有化合物として用いてもよい。1分子につき少なくとも1つの活性水素原子を有し、かつ上記親水基も有する化合物の例としては、
(1)スルホン酸基含有化合物、例えば2−オキシエタンスルホン酸、フェノールスルホン酸、スルホ安息香酸、スルホコハク酸、5−スルホイソフタル酸、スルファニル酸、1,3−フェニレンジアミン−4,6−ジスルホン酸、および2,4−ジアミノトルエン−5−スルホン酸、ならびにそれらの誘導体、またはそれらを共重合することにより得られるポリエステルポリオール;
(2)カルボン酸含有化合物、例えば2,2−ジメチロールプロピオン酸、2,2−ジメチロール酪酸、2,2−ジメチロール吉草酸、ジオキシマレイン酸、2,6−ジオキシ安息香酸、および3,4−ジアミノ安息香酸、ならびにそれらの誘導体、またはそれらを共重合することにより得られるポリエステルポリオール;第三級アミノ基含有化合物、例えばメチルジエタノールアミン、ブチルジエタノールアミン、およびアルキルジイソプロパノールアミン、ならびにそれらの誘導体、またはそれらを共重合することにより得られるポリエステルポリオールもしくはポリエーテルポリオール;
(3)上記第三級アミノ基含有化合物の反応生成物、またはそれらの誘導体、または四級化剤、例えばメチルクロライド、メチルブロミド、ジメチル硫酸、ジエチル硫酸、ベンジルクロライド、ベンジルブロミド、エチレンクロロヒドリン、エチレンブロモヒドリン、エピクロロヒドリン、およびブロモブタンなどを用いてそれらを共重合することにより得られるポリエステルポリオールもしくはポリエーテルポリオール;
(4)非イオン基含有化合物、例えばポリオキシエチレングリコールまたはポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン共重合体グリコール(少なくとも30重量%のエチレンオキシド反復単位と少なくとも1つの活性水素をポリマー中に有し、また、300〜20,000の分子量を有する)、ポリオキシエチレン−ポリオキシブチレン共重合体グリコール、ポリオキシエチレン−ポリオキシアルキレン共重合体グリコール、およびそれらのモノアルキルエーテル、あるいはそれらを共重合することにより得られるポリエステル−ポリエーテルポリオール;ならびに
(5)それらの組合せ
が挙げられる。
【0050】
本明細書において用いられる、用語「界面活性剤」とは、水または水溶液に溶解されると表面張力を低下させる、あるいは、2種類の液体間の、または液体と固体の間の界面張力を低下させる、あらゆる化合物をさす。本発明の実践において安定な分散系を調製するために有用な界面活性剤は、陽イオン性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤、双性イオン性、もしくは非イオン性界面活性剤であってもよい。陰イオン性界面活性剤の例としては、限定されるものではないが、スルホン酸塩、カルボン酸塩、およびリン酸塩が挙げられる。陽イオン性界面活性剤の例としては、限定されるものではないが、第四級アミンが挙げられる。非イオン性界面活性剤の例としては、限定されるものではないが、ブロック共重合体含有エチレンオキシドおよびシリコーン界面活性剤、例えばエトキシル化アルコール、エトキシル化脂肪酸、ソルビタン誘導体、ラノリン誘導体、エトキシル化ノニルフェノールまたはアルコキシル化ポリシロキサンが挙げられる。さらに、界面活性剤は外部界面活性剤または内部界面活性剤のいずれであってもよい。外部界面活性剤は、分散系調製の最中に化学的に反応してポリマーの中に入らない界面活性剤である。本明細書において有用な外部界面活性剤の例としては、限定されるものではないが、ドデシルベンゼンスルホン酸の塩、およびラウリルスルホン酸塩が挙げられる。内部界面活性剤は、分散系調製の最中に化学的に反応してポリマーの中に入る界面活性剤である。本明細書において有用な内部界面活性剤の例としては、限定されるものではないが、2,2−ジメチロールプロピオン酸およびその塩、四級化アンモニウム塩、ならびに親水性の種、例えばポリエチレンオキシドポリオールが挙げられる。
【0051】
ポリウレタンプレポリマーは、典型的に鎖延長剤を用いて鎖延長される。ポリウレタンを調製するために有用であることが当業者に公知である任意の鎖延長剤を本発明とともに用いてもよい。かかる鎖延長剤は、典型的に30〜500の分子量を有し、少なくとも2つの活性水素含有基を有する。ポリアミンが好ましい種類の鎖延長剤である。その他の物質、特に水は、鎖長を延長させる働きをすることができ、そのため本発明の目的において鎖延長剤である。鎖延長剤は、水または水とアミンの混合物、例えば、アミノ化ポリプロピレングリコール、例えばHuntsman Chemical Company製のJeffamine D−400など、アミノエチルピペラジン、2−メチルピペラジン、1,5−ジアミノ−3−メチル−ペンタン、イソホロンジアミン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、トリエチレンペンタミン、エタノールアミン、そのあらゆる立体異性形および塩のリジン、ヘキサンジアミン、ヒドラジンおよびピペラジンなどであることが特に好ましい。本発明の実践において、鎖延長剤は、水中で鎖延長剤の水溶液として用いられてもよい。
【0052】
本発明で用いられる鎖延長剤の例としては、水;ジアミン類、例えばエチレンジアミン、1,2−プロパンジアミン、1,6−ヘキサメチレンジアミン、ピペラジン、2−メチルピペラジン、2,5−ジメチルピペラジン、イソホロンジアミン、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジアミン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジシクロヘキシルメタンジアミン、1,2−シクロヘキサンジアミン、1,4−シクロヘキサンジアミン、アミノエチルエタノールアミン、アミノプロピルエタノールアミン、アミノヘキシルエタノールアミン、アミノエチルプロパノールアミン、アミノプロピルプロパノールアミン、およびアミノヘキシルプロパノールアミンなど;ポリアミン類、例えばジエチレントリアミン、ジプロピレントリアミン、およびトリエチレンテトラミンなど;ヒドラジン類;酸ヒドラジド類が挙げられる。これらの鎖延長剤は、単独で用いても、または組み合わせて用いてもよい。
【0053】
本明細書において用いられる、用語「水相」とは、水;ポリビニルアセテート、ポリエチレン−ビニルアセテート、ポリアクリル、およびポリアクリル−スチレンの乳濁液;ポリスチレン−ブタジエン、ポリアクリロニトリル−ブタジエン、およびポリアクリル−ブタジエンのラテックス;ポリエチレンおよびポリオレフィンアイオノマーの水分散液;ならびにポリウレタン、ポリエステル、ポリアミド、およびエポキシ樹脂の様々な水分散液をさす。
【0054】
本明細書において用いられる、用語「ポリマー相」とは、ポリビニルアセテート、ポリエチレン−ビニルアセテート、ポリアクリル、およびポリアクリル−スチレンの乳濁液;ポリスチレン−ブタジエン、ポリアクリロニトリル−ブタジエン、およびポリアクリル−ブタジエンのラテックス;ポリエチレンおよびポリオレフィンアイオノマーの水分散液;ならびにポリウレタン、ポリエステル、ポリアミド、およびエポキシ樹脂の様々な水分散液をさす。
【0055】
本明細書において用いられる、用語「希釈剤相」とは、水;ポリビニルアセテート、ポリエチレン−ビニルアセテート、ポリアクリル、およびポリアクリル−スチレンの乳濁液;ポリスチレン−ブタジエン、ポリアクリロニトリル−ブタジエン、およびポリアクリル−ブタジエンのラテックス;ポリエチレンおよびポリオレフィンアイオノマーの水分散液;ならびにポリウレタン、ポリエステル、ポリアミド、およびエポキシ樹脂の様々な水分散液をさす。
【0056】
本発明は、その精神および本質的特性から逸脱することなくその他の形態で具体化されてもよい、したがって、参照は、前述の明細書よりも、本発明の範囲を示す、添付の特許請求の範囲に対してなされるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の固定子と;
第2の固定子と;
前記第1の固定子および前記第2の固定子を包み込んでいる(encasing)シェルと;
回転子(rotor)と、ここで、前記回転体(rotator)は前記第1の固定子と前記第2の固定子との間に配置され、それにより第1のチャンバおよび第2のチャンバを形成し;
前記第1のチャンバの中に入る少なくとも1つの第1の入口と;
前記第2のチャンバから外に出る少なくとも1つの出口と
を備える、分散系を製造するための装置。
【請求項2】
前記装置が、前記第2のチャンバの中に入る少なくとも1つの第2の入口をさらに含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記第1のチャンバが高剪断チャンバであり、かつ前記第2のチャンバが低剪断チャンバである、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記第2の固定子が、前記第1の固定子よりも少ない数の環状の(ring-shaped)固定子歯を有する、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記回転子が第1の表面および第2の表面を有し、かつ、前記第2の表面が前記第1の表面よりも少ない数の環状の回転子歯を有する、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
ポリウレタン分散系を製造する方法であって、
第1の固定子と;
第2の固定子と;
前記第1の固定子および前記第2の固定子を包み込んでいるシェルと;
回転子と、ここで、前記回転体は前記第1の固定子と前記第2の固定子との間に配置され、それにより第1のチャンバおよび第2のチャンバを形成し;
前記第1のチャンバの中に入る少なくとも1つの第1の入口と;
前記第2のチャンバから外に出る少なくとも1つの出口と;
前記第2のチャンバの中に入る少なくとも1つの第2の入口と
を備える、分散系を製造するための装置を準備する工程と;
プレポリマー相および水相を、前記第1の入口を経由して前記第1のチャンバの中に導入する工程と;
前記プレポリマー相を前記水相中で乳化する工程と;
それによりプレポリマー乳濁液を製造する工程と;
鎖延長剤を、前記第2の入口を経由して前記第2のチャンバ中の前記乳濁液の中に導入する工程と;
前記プレポリマーを鎖延長する工程と;
それによりポリウレタン分散系を製造する工程と
を含む、方法。
【請求項7】
前記第1のチャンバが高剪断チャンバであり、かつ前記第2のチャンバが低剪断チャンバである、請求項6に記載のポリウレタン分散系を製造する方法。
【請求項8】
前記第2の固定子が、前記第1の固定子よりも少ない数の環状の固定子歯を有する、請求項6に記載のポリウレタン分散系を製造する方法。
【請求項9】
前記回転子が第1の表面および第2の表面を有し、かつ、前記第2の表面が前記第1の表面よりも少ない数の環状の回転子歯を有する、請求項6に記載のポリウレタン分散系を製造する方法。
【請求項10】
高分子分散系、乳濁液またはラテックスを製造する方法であって、
第1の固定子と;
第2の固定子と;
前記第1の固定子および前記第2の固定子を包み込んでいるシェルと;
回転子と、ここで、前記回転体は前記第1の固定子と前記第2の固定子との間に配置され、それにより第1のチャンバおよび第2のチャンバを形成し;
前記第1のチャンバの中に入る少なくとも1つの第1の入口と;
前記第2のチャンバから外に出る少なくとも1つの出口と;
所望により、前記第2のチャンバの中に入る少なくとも1つの第2の入口と
を備える、分散系を製造するための装置を準備する工程と;
ポリマー相および水相を、前記第1の入口を経由して前記第1のチャンバの中に導入する工程と;
前記ポリマー相を前記水相中で乳化する工程と;
それによりポリマー乳濁液を製造する工程と;
所望により、希釈剤相を、前記随意の前記第2の入口を経由して前記第2のチャンバの中に導入する工程と;
それにより前記高分子分散系、乳濁液またはラテックスを製造する工程と
を含む、方法。
【請求項11】
前記第1のチャンバが高剪断チャンバであり、かつ前記第2のチャンバが低剪断チャンバである、請求項10に記載の高分子分散系を製造する方法。
【請求項12】
前記第2の固定子が、前記第1の固定子よりも少ない数の環状の固定子歯を有する、請求項10に記載の高分子分散系を製造する方法。
【請求項13】
前記回転子が第1の表面および第2の表面を有し、かつ、前記第2の表面が前記第1の表面よりも少ない数の環状の回転子歯を有する、請求項10に記載の高分子分散系を製造する方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2010−513027(P2010−513027A)
【公表日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−543193(P2009−543193)
【出願日】平成19年12月19日(2007.12.19)
【国際出願番号】PCT/US2007/088189
【国際公開番号】WO2008/077116
【国際公開日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【出願人】(502141050)ダウ グローバル テクノロジーズ インコーポレイティド (1,383)
【Fターム(参考)】