説明

分析装置

【課題】 残存すべき成分が移送されているか否かを光学的に検出する。
【解決手段】 軸心周りに配置され、液体サンプルが注入可能に構成された第1のチャンバーと、第1のチャンバーに対して前記軸心より外側に配置され、第1のキャピラリーを通じて前記第1のチャンバーと連結された第2のチャンバーとを備えた分析用ディスク100が装着され、第1のチャンバーに液体サンプルが注入された状態で、分析用ディスク100を軸心廻りに回転させて遠心分離をし、遠心分離後の前記液体サンプルの一部成分を前記第1のキャピラリーを通して第2のチャンバーに移送させるようにした分析装置において、第2のチャンバーに移送された液体サンプル中に、第1のチャンバーで分離され、第1のチャンバー中に残存すべき成分が移送されていないかどうかを、第2のチャンバーに光ピックアップ104より光を照射し検出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ディスク装置の光学スキャン技術を用いて、生物学的、化学的、または生化学的なサンプルの光学検査を行う分析装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、液体サンプルとして血液をその内部に収集した分析用ディスクを用い、この分析用ディスクを軸心周りに回転させながら、光ディスク装置の光学スキャン技術を用いて、血液の特性を分析する分析装置がある。(例えば特許文献1参照)。
【0003】
図12の分解斜視図に示すように、この分析用ディスク100は、同心円状または螺旋状のトラック101が存在するベース基板117と、血液が収集され移送の行われる流路となる溝を形成したスペーサ基板118と、これらの上部に、血液の注入口や空気口(図示せず)を形成した上カバー119を貼り合わせて構成されている。
【0004】
図13の平面図は、上記分析用ディスク100に設けられた複数の流路のうちの一つを拡大して示したものである。分析用ディスク100は、一定量の血液を収集し、血液を血球成分と血漿成分に分離する第1のチャンバー200と、第1のチャンバー200に対して軸心より外側に配置され、第1のチャンバー200にて分離された血漿成分が移送される第2のチャンバー201と、第1のチャンバー200と第2のチャンバー201とを連結するキャピラリー202とを有している。
【0005】
このような分析用ディスクを用いた分析動作としては、ピペットなどで血液208を第1のチャンバー200に形成した注入口204より充填し、第1のチャンバー200内に血液を収集した状態で、分析用ディスク100を回転させる。すると血液は、キャピラリー202の頂点202aを越えることのない状態、すなわち第1のチャンバー200に保持された状態で遠心分離が行われる。
【0006】
遠心分離後、分析用ディスク100の回転を停止させると、遠心分離された血漿成分が毛細管作用によってキャピラリーの頂点202aを越え、第2のチャンバー201の入り口まで移送される。
【0007】
そして再度、分析用ディスク100を回転させると、遠心力および毛細管作用力により、分離された血漿成分が第1のチャンバー200から第2のチャンバー201へ移送される。第2のチャンバー201には、血漿中の分析したい特定の物質と反応して呈色する試薬を保持させることができる。
【0008】
第2のチャンバー201に移送が完了して呈色反応が生じた後、分析用ディスク100を回転させながら、その内周から外周、あるいは外周から内周に向かって、上記のトラック101に沿って光を照射することで、第2のチャンバー201を走査する。そして第2のチャンバー201から得られる透過光を検出することで、上記の試薬と反応した血漿成分中の特定の物質の量を検出することができる。
【0009】
なお、第2のチャンバーに保持させる試薬の種類を変えることで、血漿成分中の他の物質の分析も可能であり、また、透過光だけでなく反射光を用いて検出することも可能となる。さらに上記の流路は、第1から第2のチャンバーのみで構成された例を挙げたが、これに限らず、さらには、もっと多くのチャンバーを第2のチャンバー以降に連結して設けるように構成されることもある。
【特許文献1】特表平10―504397号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、上記従来の分析装置においては、第1のチャンバーでの遠心分離動作において、完全に血球成分と血漿成分とに分離されなかったり、あるいは、血液中の血球成分の量が多すぎたりした場合には、血球成分の一部が、本来、移送されてはいけない第2のチャンバーにまで移送されてしまうことがあった。
【0011】
血球成分が移送されてしまうと、第2のチャンバーにおける反応を阻害したり、あるいは血球が溶血して分析の妨害となる呈色を生じたりしてしまうことがあり、このような場合には、正確な分析が行われないという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するために、本発明の分析装置は、軸心周りに配置され、液体サンプルが注入可能に構成された第1のチャンバーと、前記第1のチャンバーに対して前記軸心より外側に配置され、第1のキャピラリーを通じて前記第1のチャンバーと連結された第2のチャンバーとを備えた分析用ディスクが装着され、前記第1のチャンバーに液体サンプルが注入された状態で、前記分析用ディスクを軸心廻りに回転させて遠心分離をし、遠心分離後の前記液体サンプルの一部成分を前記第1のキャピラリーを通して第2のチャンバーに移送させるようにした分析装置において、
前記第2のチャンバーに移送された液体サンプル中に、第1のチャンバーで分離され、第1のチャンバー中に残存すべき成分が移送されていないかどうかを、前記第2のチャンバーに光を照射し、その反射光または透過光の変化から検出するようにしたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0013】
このように本発明の分析装置は、第2のチャンバー内に、第1のチャンバーにて分離されるべき、分析に悪影響を及ぼす成分が移送された場合には、それを検出できるように構成している。したがって第2のチャンバーに、第1のチャンバーにて分離されるべき成分が移送されたことを検出した場合には、正確な分析結果が得られない可能性があるので、分析動作を中止したり、あるいは、さらに第2のチャンバーにおいて遠心分離動作をおこなったりすることができるようになり、分析精度を向上させ信頼性を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下に、本発明の分析装置について、その実施の形態を図面とともに詳細に説明する。
【0015】
(実施の形態1)
図1に本発明の実施の形態1における分析装置の構成図を示す。分析用ディスク100は、上記の背景技術で説明した分析用ディスクを用いることができる。
【0016】
分析装置の下部には、分析用ディスク100に光を照射する光ピックアップ104、光ピックアップ104を分析用ディスクの径方向に移動させるためのトラバースモーター105、分析用ディスク100を回転駆動させるためのスピンドルモーター106を配置している。これらは、光ピックアップ104で得たトラック101を読み取った情報を信号処理回路108にて演算して、CPU109、サーボコントロール回路107を通じて駆動される。
【0017】
分析装置の上部には、光ピックアップ104から照射されたレーザー光のうち、分析用ディスク100を通過した透過光102を検出する光検出器103が配置されている。
【0018】
光検出器103で検出した信号は、調整回路110を通じ、A/D変換器111によりA/D変換され、A/D変換されたデータは信号処理回路115により信号処理され、液体サンプル、例えば血液中の特定物質の濃度や量のほか、分析の目的に応じて、物質の形状、大きさなどを演算する。メモリー112は、信号処理回路115により算出された値を特定物質の濃度などの値に変換するテーブルを保持していたり、得られた濃度などの値を記憶したりする。得られた分析値は、表示部120に出力されるが、これらはCPU114にて制御が行われる。
【0019】
さて、本実施の形態においては、図12に示した構造の分析用ディスクを用いるが、その流路の構造は、図13で示したものとは異なり、図2に示すような流路構造を持つ分析用ディスク例に挙げ説明する。
【0020】
図2に示す流路構造は、善玉コレステロール、いわゆるHDL−Cを測定するためのものである。具体的な構造は、液体サンプルを注入する注入口204を有する第1のチャンバー200と、第1のチャンバー200とキャピラリー202で連結された第2のチャンバー201と、第2のチャンバー201とキャピラリー205で連結された第3のチャンバー203と、さらに、第3のチャンバー203とキャピラリー207で連結された第4のチャンバー206とから構成されている。なお、第3のチャンバー203、第4のチャンバー206には、HDL−Cの分析に必要な試薬が塗布されている。
【0021】
以下に、HDL−Cを分析する流れに沿って、本実施の形態における分析装置が高精度に分析を行う動作を説明する。なお本分析装置の動作のフローを図10に示す。
【0022】
まず、分析用ディスク100の注入口204より血液208を注入し(S1)、血液で第1のチャンバー200を満たした状態の分析用ディスク100を分析装置に装着し、従来の光ディスク装置で行われるスピンアップ処理を行う。
【0023】
この後、血液を血漿成分300と血球成分301とに分離する遠心分離処理を行う(S2)。遠心分離処理は、例えば4000〜6000rpmの回転数で、2〜3分の間、分析用ディスク100を回転させる。
【0024】
所定の時間が経過した後、分析用ディスク100の回転を停止すると、第1のチャンバー200内で分離された血漿成分300がキャピラリー202を通じて移送され、第2のチャンバー201の入り口まで進む。そこで再び分析用ディスク100を1000〜3000rpmの回転数で回転させると、血漿成分が第2のチャンバー201に流入して、第2のチャンバー201を血漿成分(300)で充たす(S3)。この第2のチャンバー201の容積は、第1のチャンバー200において分離されるであろう血漿成分の容積よりも小さく設計されている。このため、第2のチャンバー201は血漿成分で充たすので、血漿成分の量を計量することができる(図3)。
【0025】
第2のチャンバー201に血漿成分(300)が充たされた状態において、光ピックアップ104を第2のチャンバー201の内周から外周方向に、分析用ディスク100のトラックを追従しながら移動させる。同時に光検出器103も光ピックアップ104と対向して移動させる(S4)。
【0026】
そして第2のチャンバー201内に血球成分301が含まれていないかどうか、分析用ディスク100からの透過光102を検査する(S5)。ここで図3に示すように、第2のチャンバー201内に血球成分301が含まれている場合、血球成分301によって光ピックアップ104からの光が遮られることにより、透過率が下がり変化が見られる。この透過光の変化を光検出器103で検出する。
【0027】
図3で示すように、血球成分が第2のチャンバー内に存在するとわかった場合、更に上記した回転数よりも高い回転数で、さらに一定時間回転させ遠心分離を実施する。または、同じ回転数の場合は、さらに長時間、分析用ディスクを回転させる(S6)。これにより、図4のように血球成分301を分析用ディスクの外周方向に移動させる。
【0028】
分析用ディスク100を回転させた後、再度、第2のチャンバー201の内周側に光ピックアップ104、光検出器103を移動させ、第2のチャンバー201を外周方向へ一定区間トレースし、内周からの一定の距離の間に、血球成分301が含まれていないかどうかを検出する(S7)。
【0029】
ここで、上述の一定区間中に血球成分301が再び検出された場合には、分析に必要な量の血漿成分を得ることができないばかりか、遠心分離できていない血球成分301が以降の分析動作に悪影響を及ぼす可能性があるので、表示部120でその旨を表示する等して、分析エラーとして終了する(S8)。
【0030】
血球が検出されなかった場合は分析動作を続行する。再度、分析用ディスクの回転を止めると、第2のチャンバー201の内周側に保持された上澄みの血漿成分300が第2のチャンバー201からキャピラリー205に流れ、第3のチャンバー203の入り口まで進行する。そこで再度、1000〜6000rpmの回転数で分析ディスク100を回転させると、血漿成分300がキャピラリー205から第3のチャンバー203に移送され、第3のチャンバー203を充たす(S9)。
【0031】
第3のチャンバー203では、チャンバー内に予め配置された試薬と移送された血漿成分が反応する(S10)。第3のチャンバー203には、血漿成分300中のHDL−C以外のコレステロール成分と凝集反応を生じる試薬を配置することができる。このような凝集試薬を配置する理由は、後の分析において、HDL−Cの光学的な分析を阻害するHDL−C以外のコレステロール成分を取り除くためである。一定時間、分析用ディスクの回転を停止させておくと、図5に示すように、第3のチャンバー203中に凝集物303が生成する。
【0032】
一定時間の経過後、再び分析用ディスクを、500〜3000の回転数で9〜12分程度、回転させることにより、図6のように生成した凝集物をディスクの外周方向に移動させ、凝集物(303)の遠心分離を行う(S11)。
【0033】
ここで分析用ディスクを回転させながら、第3のチャンバー203の内周側に光ピックアップ104、光検出器103を移動させ、第3のチャンバー203を内周側から一定区間トレースする。そして内周からの一定区間中に凝集物が含まれていないか検出する(S12)。この一定区間は、次の第4のチャンバーに移送されるであろうサンプルの容積に鑑みて決定した距離である。
【0034】
この時、一定区間中に凝集物が検出された場合には、再度、高速回転で、あるいは長時間の遠心分離を行うことができる(S13)。さらなる遠心分離にても凝集物を遠心分離出来ない場合は、分析に必要なサンプルの量を得ることができないため、表示部120にエラー表示させ分析を終了することができる(S15)。
【0035】
また、第3のチャンバー203において、一定区間に凝集物が検出されなかった場合は、上述した移送方法にならって、図7に示すように、サンプルを第4のチャンバー206に移送する(S16)。
【0036】
第4のチャンバーには、HDL−Cと反応して呈色反応を生じる試薬(304)を予め保持させており、光ピックアップ104、光検出器103を第4のチャンバー206に移動させ、光ピックアップ104からレーザーを照射し光検出器103で透過光を検出し、吸光度測定を行う(S18)。
【0037】
メモリー112には、吸光度とHDL−C濃度とを関係付けるテーブルを記憶しており、分析装置は、検出した吸光度に対応するHDL−C濃度を読み出して(S19)表示部120に出力する(S20)。
【0038】
以上のように、本実施の形態によれば、HDL−C濃度の分析に不要な血球成分や、HDL−C以外のコレステロール成分を確実に除去した、高精度な分析を行うことができる。
またたとえ、遠心分離動作などにおいて、血球成分や、HDL−Cコレステロール以外のコレステロール成分の凝集物を除去できない場合には、それを検出して、事前に分析を中止するなどできるので、分析の信頼性が向上する。
【0039】
(実施の形態2)
以下に本発明の実施の形態2について説明する。本実施の形態2における分析装置および分析用ディスクの構成は、ほぼ実施の形態1のものと同一である。実施の形態1と異なる点は、分析用ディスクの第2のチャンバー201に、血球成分を溶血させる試薬を予め保持させている点が異なる。以下、この異なる点を中心に、本実施の形態の分析装置の動作を説明する。なお本分析装置の動作のフローを図11に示す。
【0040】
図2において、第1のチャンバー200において血球成分と血漿成分とに遠心分離を行い、第2のチャンバーまで血漿成分を移送させる動作は、実施の形態1と同様である(S21〜S23)。
【0041】
本実施の形態2においては、第2のチャンバー201に血球成分を溶血させる界面活性剤などを予め配置しているので、図3のように、第1のチャンバー200から第2のチャンバー201に血球成分が誤って移送されてしまった場合には、この血球成分301は溶血してしまう。これにより血球膜内からヘモグロビンが溶出するので、チャンバー内に呈色が起こる。
【0042】
第2のチャンバー201に光ピックアップ104を移動させ(S24)、光ピックアップ104から、上記の呈色により吸収される波長を持つレーザー光を第2のチャンバー201に向けて照射する(S25)ことにより、呈色が起こらない場合に比べ透過率が下がり、透過光による吸光度が高くなる。この関係を図8に示す。
【0043】
図8に示すように溶血量が多くなるにしたがって、吸光度が高くなるため、最終の第4チャンバー206にてHDL−Cの濃度を呈色反応から読み取る際、得られるHDL−C濃度よりも高く出力されてしまう可能性があるため、何らかの補正が必要となる。ここで、補正のため、上記呈色により吸収される波長を持つレーザー光を第2のチャンバー201に向けて照射した際の吸光度をメモリーに格納しておく(S26)。補正の手立てについては後ほど説明する。
【0044】
さて、第2のチャンバー201において、本来、移送されるべきではない血球成分301を溶血させた後は、上述の実施の形態1と同様な動作を行う。すなわち、続く第3のチャンバー203に一部の血球成分が溶血した血漿成分を移送させ(S27)、第3のチャンバーにてHDL−C以外のコレステロール成分の凝集反応を生じさせる(S28)。
【0045】
この時、第3チャンバーにて、一定区間中に凝集物が検出された場合には、再度、高速回転で、あるいは長時間の遠心分離を行うことができる(S38)。さらなる遠心分離にても凝集物を遠心分離出来ない場合は、分析に必要なサンプルの量を得ることができないため、表示部120にエラー表示させ分析を終了することができる(S31)。
【0046】
また、第3のチャンバー203において、一定区間に凝集物が検出されなかった場合は、
第3のチャンバーにてこの凝集物を遠心分離させた後のサンプルを、第4のチャンバー206へ移送させる(S32)。そして第4のチャンバー206において、HDL−Cの吸光度測定を行う(S34)。
【0047】
ここで、第4のチャンバーにおける吸光度は、上述したように、ヘモグロビンの呈色のため正確なHDL−C濃度を表していない可能性がある。図9は、真のHDL−C濃度と吸光度との関係と、溶血したサンプルにおける見かけ上のHDL−C濃度と吸光度との関係を示すものである。図に示すように吸光度測定から得られた値が0.3だった時、真のHDL−C濃度(検量線b)が100[mg/dl]であるにもかかわらず、150[mg/dl]と実際の値より高く(検量線a)出力される。
【0048】
ここで図8に示したあらかじめメモリー112に書き込んでおいた、溶血量と吸光度の関係を示す溶血量測定検量線データと溶血によって高くなった吸光度を読出し(S35)、これにもとづき補正することで、HDL−C濃度を100[mg/dl]と正しく演算することができる(S36)。そして、測定結果を表示部120に出力する(S37)。
【0049】
このように、本実施の形態によれば、たとえ第1のチャンバーから第2のチャンバーへ血球成分が移送されてしまったとしても、分析動作を中止することなく、そのまま分析を続行して正しい検査結果をえることができる。このため収集した血液を無駄にすることなく分析を行うことができる。
【0050】
なお本発明は、以上の実施の形態1、2において説明した流路の構造に限らず、チャンバーの個数は分析の目的に合わせて構成すればよく、2つ以上のチャンバーがあれば、本発明を実施することが可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0051】
本発明にかかる分析装置は、液体サンプルを回転可能なディスクに収集し、少なくとも第1のチャンバーにて遠心分離を行ってから第2のチャンバーにて液体サンプル中の特定物質について分析をおこなう装置に適用することができ、医療分野に限らず、環境分野などの分析装置においても適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明の実施の形態における分析装置の構成図
【図2】同実施の形態で使用する分析用ディスクの要部平面図
【図3】同実施の形態で使用する分析用ディスクの要部平面図
【図4】同実施の形態で使用する分析用ディスクの要部平面図
【図5】同実施の形態で使用する分析用ディスクの要部平面図
【図6】同実施の形態で使用する分析用ディスクの要部平面図
【図7】同実施の形態で使用する分析用ディスクの要部平面図
【図8】同実施の形態2における溶血量と吸光度の関係を示す図
【図9】同実施の形態2における溶血量と補正の関係を示す図
【図10】同実施の形態1における測定動作を示すフローチャート
【図11】同実施の形態2における測定動作を示すフローチャート
【図12】従来の分析装置に用いる分析用ディスクの分解斜視図
【図13】従来の分析用ディスクの要部平面図
【符号の説明】
【0053】
100 分析用ディスク
101 トラック
102 透過光
103 光検出器
104 光ピックアップ
105 トラバースモーター
106 スピンドルモーター
117 ベース基板
118 スペーサ基板
119 上カバー
200 第1のチャンバー
202、205、207 キャピラリ
201 第2のチャンバー
203 第3のチャンバー
204 注入口
206 第4のチャンバー
208 血液
300 血漿
301 血球
303 凝集物
304 試薬(呈色用)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸心周りに配置され、液体サンプルが注入可能に構成された第1のチャンバーと、前記第1のチャンバーに対して前記軸心より外側に配置され、第1のキャピラリーを通じて前記第1のチャンバーと連結された第2のチャンバーとを備えた分析用ディスクが装着され、前記第1のチャンバーに液体サンプルが注入された状態で、前記分析用ディスクを軸心廻りに回転させて遠心分離をし、遠心分離後の前記液体サンプルの一部成分を前記第1のキャピラリーを通して第2のチャンバーに移送させるようにした分析装置において、
前記第2のチャンバーに移送された液体サンプル中に、第1のチャンバーで分離され、第1のチャンバー中に残存すべき成分が移送されていないかどうかを、前記第2のチャンバーに光を照射し、その反射光または透過光の変化から検出するようにしたことを特徴とする分析装置。
【請求項2】
液体サンプルが血液であり、前記第1のチャンバーにて血液を血球成分と血漿成分とに分離して、前記第2のチャンバーに血漿成分を移送させた後に、前記第2のチャンバー中に第1のチャンバーで分離されるべき血球成分が移送されていないかどうかを検出するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の分析装置。
【請求項3】
前記分析用ディスクは、第2のチャンバー中に、前記第1のチャンバーにおいて遠心分離されるべき成分と反応して呈色する試薬を保持しており、前記第2のチャンバーにおける前記呈色にともなって生じる透過光の変化から、第2のチャンバーに第1のチャンバーで分離されるべき成分が移送されたことを検出するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の分析装置。
【請求項4】
前記液体サンプルが血液であり、前記第2のチャンバーに保持される試薬が、血球成分を溶血させる試薬であることを特徴とする請求項3に記載の分析装置。
【請求項5】
前記第2のチャンバーに液体サンプルを移送した後に、第1のチャンバーで分離され、第1のチャンバーに残存すべき成分が検出された場合に、前記分析用ディスクを軸心周りに回転させて、第2のチャンバーにて、前記分離されるべき成分をさらに遠心分離するようにしたことを特徴とする請求項1記載の分析装置。
【請求項6】
前記分析用ディスクは、前記第2のチャンバーに対して前記軸心より外側に配置され、第2のキャピラリーを通じて前記第2のチャンバーと連結された第3のチャンバーをさらに備えたものであり、
第1のチャンバーで分離されるべき成分が前記第2のチャンバー中に検出された場合に、前記分析用ディスクを軸心周りに回転させて、第2のチャンバーにて前記分離されるべき成分を遠心分離する動作を行ってから、液体サンプルを前記第2のチャンバーから第3のチャンバーへ移送させるようにしたことを特徴とする請求項1に記載の分析装置。
【請求項7】
前記分析用ディスクは、前記第2のチャンバーに対して前記軸心より外側に配置され、第2のキャピラリーを通じて前記第2のチャンバーと連結された第3のチャンバーをさらに備えたものであり、
前記第2のチャンバーから第3のチャンバーに液体サンプルを移送させた後に、前記第1のチャンバーまたは第2のチャンバーにて遠心分離されるべき成分が移送されていないかどうか、前記第3のチャンバーを光学的に検出するようにしたことを特徴とする請求項1記載の分析装置。
【請求項8】
前記分析用ディスクは、前記第2のチャンバーに対して前記軸心より外側に配置され、第2のキャピラリーを通じて前記第2のチャンバーと連結された第3のチャンバーをさらに備えたものであり、
第1のチャンバーで分離されるべき成分が前記第2のチャンバー中に検出された場合に、第3のチャンバーで検出された分析結果を、第2のチャンバーで検出した呈色に基づいて補正することを特徴とする請求項3に記載の分析装置。
【請求項9】
前記第2または第3のチャンバーにおいて、第1または第2のチャンバーにおいて分離されるべき成分を検出した量に応じて、それ以降の分析動作を中止するようにしたことを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の分析装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2007−114034(P2007−114034A)
【公開日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−305497(P2005−305497)
【出願日】平成17年10月20日(2005.10.20)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】