説明

分波器

【課題】相手帯域の減衰特性を向上させることが可能な分波器を提供すること。
【解決手段】本発明は、共通端子(Ant)と送信端子(Tx)との間に接続され、ラダー型フィルタである送信フィルタ(10)と、共通端子(Ant)と受信端子(Rx)との間に接続され、ラダー型フィルタである受信フィルタ12と、を具備し、送信フィルタ(10)の並列共振器(P11、P12)は1つの送信インダクタンスL11を介し接地され、受信フィルタ(12)の複数の並列共振器(P21、P22、P23、P24)のうち一部の並列共振器(P21、P22)は第1受信インダクタンス(L21)を介し接地され、その他の並列共振器(P23、P24)は第2受信インダクタンス(L22)を介し接地されていることを特徴とする分波器である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、分波器、特に、ラダー型フィルタを送受信フィルタに用いた分波器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、移動体通信システムの発展に伴って携帯電話、携帯情報端末等が急速に普及しており、これら端末の小型・高性能化の開発が行なわれている。また、携帯電話のシステムとして、アナログとディジタルの両方が用いられ、使用周波数は800MHz〜1GHz帯と1.5GHz〜2.0GHz帯とが主に用いられている。これら移動通信用に用いられる機器に提供する弾性表面波フィルタまたは圧電薄膜共振器フィルタを用いたアンテナ分波器が提案されている。
【0003】
近年の携帯電話器の開発では、システムの多様化によりデュアルモード(アナログとディジタルの併用、ディジタルのTDMA:時間分割変調方式、とCDMA:コード分割変調方式の併用)あるいはデュアルバンド(800MHz帯と1.9GHz帯、900MHz帯と1.8GHz帯又は1.5GHz帯の併用)化を行なうことで端末を高機能化することが行なわれている。これらに用いられる部品(フィルタ)も高機能化が求められている。
【0004】
一方、機能以外に小型且つ低コスト化も求められている。高機能端末におけるアンテナ分波器は、誘電体あるいは少なくとも一方に誘電体を用いた弾性表面波との複合分波器あるいは弾性表面波デバイスのみで構成されたものが多い。
【0005】
誘電体分波器は、サイズが大きいために、携帯端末機器の小型化や薄型化が非常に難しい。また、片方に弾性表面波デバイスを用いる場合でも誘電体デバイスのサイズが小型・薄型化を難しくしている。従来の弾性表面波フィルタを用いた分波器デバイスは、プリント板上に送信フィルタ、受信フィルタ、整合回路を個別に搭載したモジュール型のものや多層セラミックパッケージに送信及び受信用フィルタチップを搭載し整合回路をパッケージ内に設けた一体型のものがある。これらは、誘電体分波器に比べ体積は、1/3から1/15程度で、高さ方向だけでみると1/2から1/3程度の小型薄型化が可能となる。
【0006】
次に、一般的な分波器について説明する。図1は、分波器のブロック図である。図2は分波器の周波数に対する通過強度を示す図である。図1を参照に、分波器は、2つのフィルタとして例えば送信フィルタ10および受信フィルタ12、インピーダンス整合回路(以下、単に整合回路という)14、共通端子Ant、及び個別端子として例えば送信端子Tx及び受信端子Rxを有する。
【0007】
共通端子Antは、アンテナを通して電波を送受信する外部回路を接続する端子である。送信端子Txは、外部の送信用回路が接続され、所望の中心周波数を持つ信号を入力する端子である。受信端子Rxは、外部の受信用回路が接続され、所望の中心周波数を持つ信号を出力する端子である。送信端子Tx及び受信端子Rxと異なるもう一方の端子(図示せず)は、グランドレベル(GND)に接地されている。
【0008】
通常、送信フィルタ10、受信フィルタ12および整合回路14が多層の積層セラミックパッケージ内に納められる。送信フィルタ10および受信フィルタ12は例えば弾性表面波フィルタまたは圧電薄膜共振器フィルタで構成され、それぞれ互いに異なる通過帯域中心周波数F1、F2を有する。ここで、一般的には、F2>F1である。例えば、2GHz帯W−CDMAシステム向けの分波器では、送信帯域は1920MHzから1980MHz、受信帯域は2110MHzから2170MHzである。送信帯域と受信帯域の周波数差は130MHzである。
【0009】
整合回路14は、送信フィルタ10および受信フィルタ12のフィルタ特性を互いに劣化させないようにするために設けられている。共通端子Antから送信フィルタ10を見た場合の特性インピーダンスをZ1、受信フィルタ12を見た場合の特性インピーダンスをZ2とする。整合回路14の作用により、共通端子Antから入力する信号の周波数がF1の場合は受信フィルタ12側の特性インピーダンスZ1は共通端子Antの特性インピーダンス値と一致し、受信フィルタ12側の特性インピーダンスは無限大であってかつ反射係数は1となる。また、信号の周波数がF2の場合は送信フィルタ10側の特性インピーダンスは無限大かつ反射係数は1、受信フィルタ12の特性インピーダンスZ2は共通端子Antの特性インピーダンスと一致するようになっている。
【0010】
特許文献1には、分波器の小型化を目的とし、送信フィルタ10および受信フィルタ12を積層パッケージに実装し、積層パッケージのダイアタッチ層及びダイアタッチ層の下層に、インダクタンスを形成するグランド線路パターンを設ける分波器が開示されている。
【特許文献1】特開2004−328676号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
分波器においては、相手帯域の減衰特性の向上(抑圧)、すなわち受信フィルタの送信帯域における減衰特性の向上、送信フィルタの受信帯域における減衰特性の向上が求められている。特に、送信帯域と受信帯域の差が大きい例えば2GHz帯W−CDMAシステム向け分波器では、相手帯域の減衰特性の向上が難しい。
【0012】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、相手帯域の減衰特性を向上させることが可能な分波器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、共通端子と送信端子との間に接続され、ラダー型フィルタである送信フィルタと、前記共通端子と受信端子との間に接続され、ラダー型フィルタである受信フィルタと、を具備し、前記送信フィルタの並列共振器は1つの送信インダクタンスを介し接地され、前記受信フィルタの複数の並列共振器のうち一部は第1受信インダクタンスを介し接地され、前記複数の並列共振器の残りは第2受信インダクタンスを介し接地されていることを特徴とする分波器である。本発明によれば、相手帯域の減衰特性を向上させることができる。
【0014】
上記構成において、前記送信フィルタおよび前記受信フィルタが実装され、複数の積層を有する積層パッケージと、前記積層の1つに設けられ、前記送信インダクタンスの一部を構成する送信グランド線路パターンと、前記積層の1つに設けられ、前記第1受信インダクタンスの一部を構成する第1受信グランド線路パターンと、前記積層の1つに設けられ、前記第2受信インダクタンスの一部を構成する第2受信グランド線路パターンと、を具備する構成とすることができる。この構成によれば、インダクタンスを小型化することができ、パッケージを小型化することができる。
【0015】
上記構成において、前記送信グランド線路パターンは、前記第1受信グランド線路パターンおよび前記第2受信グランド線路パターンの少なくとも一方とは異なる積層に設けられた構成とすることができる。この構成によれば、送信グランド線路パターンと第1受信グランド線路パターンおよび第2受信グランド線路パターンの少なくとも一方との相互インダクタンスを低減できる。よって、分波器の減衰特性を向上させることができる。
【0016】
上記構成において、前記第1受信グランド線路パターンと前記第2受信グランド線路パターンとは異なる積層に設けられた構成とすることができる。この構成によれば、第1受信グランド線路パターンと第2受信グランド線路パターンとの相互インダクタンスを低減できる。よって、分波器の減衰特性を向上させることができる。
【0017】
上記構成において、前記積層パッケージは、前記送信フィルタおよび前記受信フィルタのグランドを外部に接続するためのグランドフットパッドを有し、前記第1受信グランド線路パターンおよび前記第2受信グランド線路パターンの少なくとも一方が接続された前記グランドフットパッドは、送信グランド線路パターンが接続された前記グランドフットパッドから分離されている構成とすることができる。この構成によれば、送信グランド線路パターンと記第1受信グランド線路パターンおよび前記第2受信グランド線路パターンの少なくとも一方との結合を抑制することができる。よって、分波器の減衰特性を向上させることができる。
【0018】
上記構成において、前記第1受信インダクタンスは前記受信フィルタの前記共通端子側の並列共振器に接続されたインダクタンスであり、前記第2受信グランド線路パターンおよび前記送信グランド線路パターンが接続された前記グランドフットパッドは共通であり、前記第1受信グランド線路パターンが接続された前記グランドフットパッドは前記第2受信グランド線路パターンおよび前記送信グランド線路パターンが接続された前記グランドフットパッドから分離されている構成とすることができる。この構成によれば、分波器の減衰特性をより向上させることができる。
【0019】
上記構成において、前記送信グランド線路パターンを流れる電流の向きと前記第1受信グランド線路パターンおよび前記第2受信グランド線路パターンの少なくとも一方を流れる電流の向きとを、前記送信グランド線路パターンと前記第1受信グランド線路パターンおよび前記第2グランド線路パターンの少なくとも一方との相互インダクタンスが小さくなくなる向きとする構成とすることができる。この構成によれば、送信グランド線路パターンと第1受信グランド線路パターンおよび第2グランド線路パターンの少なくとも一方との相互インダクタンスを抑制することができる。よって、分波器の減衰特性を向上させることができる。
【0020】
上記構成において、前記送信グランド線路パターンを流れる電流の向きと前記第1受信グランド線路パターンおよび前記第2グランド線路パターンの少なくとも一方を流れる電流との向きは反対である構成とすることができる。この構成によれば、送信グランド線路パターンと第1受信グランド線路パターンおよび第2グランド線路パターンの少なくとも一方との相互インダクタンスを抑制することができる。よって、分波器の減衰特性を向上させることができる。
【0021】
上記構成において、前記第1受信グランド線路パターンと前記第2グランド線路パターンのうち前記積層の周辺に近い一方は他方よりインダクタンスが大きい構成とすることができる。この構成によれば、積層の周辺に近い受信グランド線路パターンの長さを他方より長くできる。よって、線路パターンを積層内に効率的に配置し積層パッケージの大きさを小さくすることができる。
【0022】
上記構成において、前記積層の1つに設けられ、前記送信フィルタまたは前記受信フィルタと前記共通端子とを接続する共通信号線路パターンと、前記積層の1つに設けられ、前記送信フィルタと前記送信端子とを接続するまたは前記受信フィルタと前記受信端子とを接続する送受信信号線路パターンと、前記共通信号線路パターンと前記送受信線路パターンとの間の橋絡容量を低減するための仕切りグランド線路パターンと、を具備する構成とすることができる。この構成によれば、共通信号線路パターンと送受信信号線路パターンとの橋絡容量を低減することができる。よって、分波器の減衰特性を向上させることができる。
【0023】
上記構成において、前記仕切りグランド線路パターンは、前記共通信号線路パターンの設けられた層と異なる層の前記共通信号線路パターンの設けられた位置に対応する位置に設けられた構成とすることができる。この構成によれば、インピーダンス整合がずれることがなく橋絡容量を低減することができる。
【0024】
上記構成において、前記送信フィルタまたは前記受信フィルタが形成されたチップは、前記積層の1つであるダイアッタッチ層にフェースダウンで実装されている構成とすることができる。この構成によれば、分波器の積層パッケージの大きさを小型化することができる。
【0025】
上記構成において、前記ダイアタッチ層に設けられ、前記チップをフェースダウンで実装するためのバンプパッドと、前記ダイアタッチ層に設けられ、前記バンプパッドとグランドとを接続するためのグランド線路パターンと、を具備し、前記バンプパッドの幅は前記グランド線路パターンの幅より小さい構成とすることができる。この構成によれば、グランド線路パターンとフィルタチップの表面に形成された信号線とのキャパシタンスを低減することができる。よって、低損失なフィルタ特性を得ることができる。
【0026】
上記構成において、前記送信フィルタおよび前記受信フィルタは、弾性表面波フィルタおよび圧電薄膜共振器フィルタの少なくとも一方である構成とすることができる。
【0027】
上記構成おいて、前記分波器は、2GHz帯W−CDMAシステム向けの分波器である構成とすることができる。2GHz帯W−CDMAシステム向けの分波器は、送信帯域と受信帯域の間隔が130MHzと大きい。このため、相手帯域の減衰特性を向上させるためには、大きな送信インダクタンス、受信インダクタンスが必要となる。そこで、2GHz帯W−CDMAシステム向けの分波器に本発明を適用することにより、より減衰特性を向上させ、またより実装面積を縮小させることができる。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、相手帯域の減衰特性を向上させることが可能な分波器を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下、図面を参照に本発明に係る実施例について説明する。
【実施例1】
【0030】
実施例1は、ラダー型フィルタを有する2GHz帯W−CDMAシステム向けの分波器を積層パッケージに実装して形成した例である。図3は実施例1に係る分波器の回路図である。図3を参照に、共通端子Antと送信端子Txとの間に接続され、ラダー型フィルタである送信フィルタ10と、共通端子Antと受信端子Rxとの間に接続され、ラダー型フィルタである受信フィルタ12が設けられている。共通端子Antと送信フィルタ10および受信フィルタ12との間には整合回路14が接続されている。
【0031】
送信フィルタ10は、直列共振器S11からS13、並列共振器P11およびP12を有するラダー型フィルタである。送信フィルタ10の全ての並列共振器P11およびP12のグランド端子側は1つに結合し1つの送信インダクタンスL11を介し接地されている。一方、受信フィルタの複数の並列共振器P21からP24のうち一部の並列共振器P21およびP22のグランド端子側は第1受信インダクタンスL21を介し接地される。複数の並列共振器P21からP24のうち残りの並列共振器P23およびP24のグランド端子側は第2受信インダクタンスL22を介し接地されている。
【0032】
実施例1においては、送信フィルタ10の並列共振器が1つに結合し、送信インダクタンスL11を介し接地される。一方、受信フィルタ12の並列共振器が2つに分かれて結合し、それぞれインダクタンスを介し接地される。これにより、分波器を構成するフィルタの相手帯域の減衰特性を向上させることができる。受信フィルタ12の並列共振器を3個と1個に分けて接地してもよいが、送信帯域と受信帯域が離れている例えば2GHz帯W−CDMAシステム向け分波器では、受信フィルタ12の並列共振器を2個と2個に分けて接地することが好ましい。相手帯域の減衰は、インダクタンスLとキャパシタンスCの積で決まる。すなわち、チップのキャパシタンスとパッケージのインダクタンスで決まる。送信帯域と受信帯域が離れている例えば2GHz帯W−CDMAシステム向けの分波器では、約3nHと大きなインダクタンスが必要である。このため、受信フィルタ12の並列共振器を3個と1個に分け接地した場合、1個側に接続するパッケージのインダクタンスは、極端に大きなインダクタンスが必要となる。この極端に大きなインダクタンスを形成するためのパッケージの線路パタ−ンが、他の線路パターンとの相互インダクタンスを大きくしてしまう。このため、減衰特性を悪化させてしまう。よって、受信フィルタ12の並列共振器2個と2個に分けて接地することが好ましい。
【0033】
実施例1は、送信フィルタ10の並列共振器が2個の例であるが、並列共振器を3個以上とすることもできる。並列共振器を3個以上とする場合は、並列共振器P11またはP12を2個の並列共振器に分離し、各並列共振器のグランド側を結合し、送信インダクタンスL11を介し接地される。一方、送信フィルタ10の並列共振器が1個の場合、2段構成になり減衰特性の確保が難しくなる。
【0034】
次に、実施例1に係る分波器が実装された積層パッケージについて説明する。図4(a)は積層パッケージ20の断面模式図であり、図4(b)は積層パッケージ20のキャップを外した上視図である。図4(a)を参照に、積層パッケージ20は積層が積み重なって構成されている。積層としては、キャップ搭載層22、キャビティ層24、ダイアタッチ層26、線路パターン層28および線路パターン/フットパッド層30がある。キャップ搭載層22およびキャビティ層24は、フィルタチップ18を格納するキャビティ40を形成するためのキャビティ層23を構成する。キャップ搭載層22上にはキャップ34が設けられ、フィルタチップ18をキャビティに封止する。ダイアタッチ層26、線路パターン層28および線路パターン/フットパッド層30はベース層25を構成する。タイアタッチ層26の表面にバンプパッド35が設けられ、フィルタチップ18はバンプ36を用いバンプパッド35に実装されている。線路パターン層/フットパッド層30の下面であるフットパッド層32にはフットパッド38が形成されている。各積層はセラミック等の絶縁体で形成され、後述する線路パターンやビア等の導電性パターンが形成されている。絶縁体としては、例えば比誘電率9.5程度のアルミナまたはガラスセラミックを用いることができる。
【0035】
図4(b)を参照に、積層パッケージ20のダイアタッチ層26には、送信フィルタ10および受信フィルタ12を有するフィルタチップ18並びに位相整合回路チップ16がフェースダウンで実装されている。積層パッケージ20の4角部にはキャップ等をフッドパット層32に形成されたグランド用フットパッド38に接続するためのキャステレーション37が設けられている。積層パッケージ20の外形寸法は約3×3×0.9mmとした。整合回路14は集中定数型の回路を用いた。フィルタチップ18に形成された送信フィルタ10および受信フィルタ12は圧電膜にAlNを用いた圧電薄膜共振器フィルタを用いた。
【0036】
図5(a)から図7(b)を用い積層パッケージ20の各積層の構成について説明する。図中、黒で図示したパターンは導電性のパターンである。図5(a)を参照に、キャップ搭載層22にはキャビティを形成する空洞が設けられ、空洞上にキャップ34が搭載される。図5(b)を参照に、キャビティ層24にはキャビティ40を形成する空洞が設けられる。
【0037】
図5(c)を参照に、ダイアタッチ層26の表面には金属等の導電性材料で形成されたバンプパッド、導体を埋めこんだビアおよび線路パターン等の導電性パターンが設けられている。図4(a)および図4(b)のように、バンプパッド35は、フィルタチップ18および位相整合回路チップ16をフェースダウンで実装するためのパッドである。そして、各チップのパッドとバンプパッド35とがバンプ36で電気的に結合される。ビアは各積層を貫通しビア内は金属等の導体で埋め込まれている。線路パターンはバンプパッドまたはビア同士を接続するための導電性パターンである。グランド線路パターンはバンプパッドとグランドとを接続する。信号線路パターンはバンプパッドと共通端子、送信端子または受信端子とを接続する。
【0038】
図5(c)には、フィルタチップ18および位相整合回路チップ16は図示していない。位相整合回路チップ16の共通端子パッドはバンプパッドAntPに接続し、共通端子用線路パターンAntLを介しビアAntVに接続される。ビアAntVは、各積層28、30に形成されたビアAntVを介しフットパッド層32の共通端子AntTに接続される。位相整合回路チップ16のグランドパッドは、バンプパッドM1PおよびM2Pに接続し、位相整合回路用グランド線路パターンM1LおよびM2Lを介しビアM1VおよびM2Vに接続される。ビアM1VおよびM2Vは各積層28、30のビアM1VおよびM2Vを介しフットパッド層32のグランドフットパッドGndFP1およびGndFP2に接続される。
【0039】
位相整合回路チップ16の送信フィルタ10からの入力パッドに接続されたバンプパッドMTP1と送信フィルタ10の出力パッドに接続されたバンプパッドMTP2とは送信フィルタ10と整合回路14の接続線路パターン(共通信号線路パターン)MTLにより接続される。位相整合回路チップ16の受信フィルタ12への出力パッドに接続されたバンプパッドMRP1と受信フィルタ12の入力パッドに接続されたバンプパッドMRP2とは受信フィルタ12と整合回路14の接続線路パターン(共通信号線路パターン)MRLにより接続される。
【0040】
送信フィルタ10の入力パッドに接続されたバンプパッドTSPは、送信信号線路パターンTSLを介しビアTSVに接続される。ビアTSVは、各積層28、30のビアTSVを介しフットパッド層32の送信端子TxTに接続される。送信フィルタ10の並列共振器P11、P12のグランド側のパッドに接続されたバンプパッドTGPはグランド線路パターンTGL1を介しビアTGV1に接続される。
【0041】
受信フィルタ12の出力パッドに接続されたバンプパッドRSPは、受信信号線路パターンRSLを介しビアRSVに接続される。ビアRSVは、各積層28、30のビアRSVを介しフットパッド層32の受信端子RxTに接続される。受信フィルタ12の並列共振器P21、P22のグランド側のパッドに接続されたバンプパッドRG1Pは線路パターンRG1L1を介しビアRG1V1に接続される。受信フィルタ12の並列共振器P23、P24のグランド側のパッドに接続されたバンプパッドRG2Pは第2受信グランド線路パターンRG2Lを介しビアRG2Vに接続される。ビアRG2Vは、各積層28、30のビアRG2Vを介しフットパッド層32のグランドフットパッドGndFP2に接続される。第2受信グランド線路パターンRG2Lが図3の第2受信インダクタンスL22を主に構成する。
【0042】
図6(a)を参照に、線路パターン層28の表面には、ダイアタッチ層26に形成されたビアRG1V1と線路パターン層28に形成されたビアRG1V2とを接続する第1受信グランド線路パターンRG1Lが設けられている。第1受信グランド線路パターンRG1Lは図3の第1受信インダクタンスL21を主に構成する。線路パターン層28にはビアAntV、M1V、M2V、TSV、TGV1、RSVおよびRG2Vが設けられ、ダイアタッチ層26の各ビアと線路パターン/フットパッド層30の各ビアとを接続する。
【0043】
図6(b)を参照に、線路パターン/フットパッド層30の表面には、線路パターン層28に形成されたビアTGV1と線路パターン/フットパッド層30に形成されたビアTGV2とを接続する送信グランド線路パターンTGLが設けられている。送信グランド線路パターンTGLは図3の送信グランドインダクタンスL11を主に構成する。線路パターン/フットパッド層30にはビアAntV、M1V、M2V、TSV、RG1V2、RSVおよびRG2Vが設けられ、線路パターン層28に形成された各ビアとフットパッド層32に形成された各端子またはフットパッドとを接続する。
【0044】
図7(a)を参照に、線路パターン/フットパッド層30の裏面であるフットパッド層32には金属で形成されたフッドパッドが設けられている。図7(a)には図7(b)で説明するセラミックコート50は図示していない。フッドパットである共通端子AntTはビアAntVが接続され、これにより位相整合回路チップ16の共通端子パッドと接続する。送信端子TxTはビアTSVが接続され、これにより送信フィルタ10の出力パッドに接続する。受信端子RxTはビアRSVが接続され、これにより受信フィルタ12の入力パッドに接続する。
【0045】
グランドフッドパッドGndFP1はM2VおよびRG1V2が接続され、これにより位相整合回路チップ16のグランドパッドに接続する。また、第1受信グランド線路パターンRG1Lを介し受信フィルタ12の並列共振器P21、P22のグランド側パッドに接続する。グランドフッドパッドGndFP2はM1V、TGV2およびRG2Vが接続し、これにより位相整合回路チップ16のグランドパッドに接続する。また、送信グランド線路パターンTGLを介し送信フィルタ10の並列共振器P11およびP12のグランド側パッドに接続する。さらに、第2受信グランド線路パターンRG2Lを介し、受信フィルタの並列共振器P23、P24のグランド側パッドに接続する。このように、グランドフットパッドは送信フィルタおよび前記受信フィルタのグランドを外部に接続するためのグランドフットパッドである。各フッドパッド間52には金属パターンは形成されておらず、セラミックで電気的に分離され絶縁されている。
【0046】
図7(b)を参照に、フットパッド層32にはセラミックコート50されている。セラミックコート50により、グランドフッドパッドGndFP2はグランド端子GndTとなる。このようにして外部回路等と接続される共通端子AntT、送信端子TxT、受信端子RxTおよびグランド端子GndTと位相整合回路チップ16およびフィルタチップ18が接続される。
【0047】
実施例1に係る分波器は、送信フィルタ10および受信フィルタ12が実装された複数積層を有する積層パッケージ20を有する。また、積層パッケージ20の積層の1つである線路パターン/フッドパッド層30に設けられ、送信インダクタンスL11の一部を構成する送信グランド線路パターンTGLと、積層の1つである線路パターン層28に設けられ、第1受信インダクタンスL21の一部を構成する第1受信グランド線路パターンRG1Lと、積層の1つであるダイアタッチ層26に設けられ、第2受信インダクタンスL22の一部を構成する第2受信グランド線路パターンRG2Lと、を有している。このように、積層パッケージ20の各積層に形成された線路パターンをインダクタンスL11、L21およびL22とすることにより、インダクタンスを小型化することができ、積層パッケージを小型化することができる。
【0048】
実施例1に係る分波器においては、送信グランド線路パターンTGLを受信グランド線路パターンRG1LおよびRG2Lとは異なる積層に設けている。この効果を調べるために、比較例1を試作した。図8(a)から図8(c)は比較例1に係る分波器のそれぞれダイアタッチ層26、線路パターン層28および線路パターン/フットパッド層30を示している。図8(d)から図8(f)は実施例1に係る分波器のそれぞれダイアタッチ層26、線路パターン層28および線路パターン/フットパッド層30を示している。実施例1においては、第2受信グランド線路パターンRG2L、第1受信グランド線路パターンRG1Lおよび送信グランド線路パターンTGLがそれぞれダイアタッチ層26、線路パターン層28および線路パターン/フットパッド層30に形成されている。つまり異なる積層に設けられている。一方、比較例1においては、第1受信グランド線路パターンRG1Lおよび送信グランド線路パターンTGLが同じ線路パターン層28に設けられている。その他の構成は実施例1と同じであり同じ部材は同じ符号を付し説明を省略する。
【0049】
図9は、実施例1および比較例1に係る分波器の通過特性を示し、受信フィルタ12の周波数に対する挿入損失を示している。実施例1は比較例1に対し、受信フィルタ12の送信帯域における減衰特性が向上している。すなわち高抑圧なフィルタ特性が得られている。これは、送信インダクタンスL11と第2受信インダクタンスL21との相互インダクタンスを抑制することができたためと考えられる。このように、送信グランド線路パターンTGLを、第1受信グランド線路パターンRG1Lおよび第2受信グランド線路パターンRG2Lの少なくとも一方とは異なる積層に設けることにより、送信インダクタンスL11と受信インダククタンスL21またはL22との相互インダクタンスを抑制することができ、分波器の減衰特性を向上させることができる。
【実施例2】
【0050】
図10(a)から図10(c)は、比較例2に係る分波器のそれぞれダイアタッチ層26、線路パターン層28および線路パターン/フットパッド層30を示している。図10(d)から図10(f)は実施例2に係る分波器のそれぞれダイアタッチ層26、線路パターン層28および線路パターン/フットパッド層30を示している。比較例2においては、第2受信グランド線路パターンRG2L、第1受信グランド線路パターンRG1Lおよび送信グランド線路パターンTGLが同じ積層である線路パターン/フットパッド層30に形成されている。一方、実施例2においては、比較例2と比較し、第2受信グランド線路パターンRG2Lを、線路パターン層28に設けている。つまり第2受信グランド線路パターンRG2Lを第1受信グランド線路パターンRG1Lとは異なる積層に設けている。その他の構成は実施例1と同じであり同じ部材は同じ符号を付し説明を省略する。
【0051】
図11は、実施例2および比較例2に係る分波器のアイソレーション特性を示し、周波数に対する挿入損失を示している。実施例2は比較例2に対し、送信帯域におけるアイソレーション特性が向上している。すなわち高抑圧なフィルタ特性が得られている。これは、第1受信インダクタンスL21と第2受信インダクタンスL22との相互インダクタンスを抑制することができたためと考えられる。このように、第1受信グランド線路パターンRG1Lと第2受信グランド線路パターンRG2Lとを異なる積層に設けることにより、分波器のアイソレーション特性を向上させることができる。また、実施例1のように、送信グランド線路パターンTGLを、第1受信グランド線路パターンRG1Lおよび第2受信グランド線路パターンRG2Lの少なくとも一方とは異なる積層に設け、第1受信グランド線路パターンRG1Lと第2受信グランド線路パターンRG2Lとを異なる積層に設けることもできる。
【実施例3】
【0052】
図12(a)および図12(b)は、それぞれ比較例3および実施例1に係る分波器のセラミックコートを図示しないフッドパッド層32を示している。図12(b)のように、実施例1では受信フィルタ12の共通端子Ant側の並列共振器P21およびP22に接続された線路パターンである第1受信グランド線路パターンRG1Lに接続されるグランドフットパッドGndFP1は、第2受信グランド線路パターンRG2Lおよび送信グランド線路パターンTGLに接続されるグランドフットパッドGndFP2とは電気的に分離し絶縁されている。一方、図12(a)を参照に、比較例3では、送信グランド線路パターンTGL、第1受信グランド線路パターンRG1Lおよび第2受信グランド線路パターンRG2Lは同じグランドフッドパッドGndFP0に接続されている。その他の構成は実施例1と同じであり同じ部材は同じ符号を付し説明を省略する。
【0053】
図13は、実施例1および比較例3に係る分波器の受信フィルタ12の通過特性を示し、周波数に対する挿入損失を示している。実施例1は比較例3に対し、受信フィルタ12の送信帯域における減衰特性が向上している。すなわち高抑圧なフィルタ特性が得られている。
【0054】
図14(a)および図14(b)は、それぞれ比較例3および実施例3に係る分波器のセラミックコートを図示しないフッドパッド層32を示している。図14(a)は図12(a)と同じ図であり説明を省略する。図14(b)を参照に、実施例3では、送信グランド線路パターンTGL、第1受信グランド線路パターンRG1Lおよび第2受信グランド線路パターンRG2Lは、それぞれグランドフットパッドGndFP4、グランドフッドパッドGndFP1およびグランドフッドパッドGndFP3に接続されている。さらに各グランドフットパッドGndFP1、GndFP3およびGndFP4は互いに電気的に分離され絶縁されている。その他の構成は比較例3と同じであり同じ部材は同じ符号を付し説明を省略する。
【0055】
図15は、実施例3および比較例3に係る分波器の送信フィルタ10および受信フィルタ12の通過特性を示し、周波数に対する挿入損失を示している。実施例3は比較例3に対し、受信フィルタ12の送信帯域における、送信フィルタ10の受信帯域における、減衰特性が向上している。すなわち高抑圧なフィルタ特性が得られている。
【0056】
図16(a)および図16(b)、それぞれ実施例1および実施例3に係る分波器のセラミックコートを図示しないフッドパッド層32を示している。図16(a)は図12(b)と、図16(b)は図14(b)と同じであり説明を省略する。
【0057】
図17は、実施例1および実施例3に係る分波器の受信フィルタの通過特性を示し、周波数に対する挿入損失を示している。実施例1は実施例3に対し、受信フィルタ12の送信帯域における減衰特性が向上している。すなわち高抑圧なフィルタ特性が得られている。
【0058】
図13の実施例1および図15の実施例3のように、第1受信グランド線路パターンRG1Lおよび第2受信グランド線路パターンRG2Lの少なくとも一方が接続されたグランドフットパッドは、送信グランド線路パターンTGLが接続された前記グランドフットパッドから分離されている。これにより、グランド間の結合が低減でき、減衰特性を向上させることができる。
【0059】
なお、上記グランドフットパッドの構成は、実施例1、比較例1、実施例2、比較例2のように、送信グランド線路パターンTGL、第1受信グランド線路パターンRG1Lおよび第2受信グランド線路パターンRG2Lがいずれの積層に設けられたかという構成とは独立に適用することができる。
【実施例4】
【0060】
図18(a)から図18(c)は、比較例4に係る分波器のそれぞれダイアタッチ層26、線路パターン層28および線路パターン/フットパッド層30を示している。図18(d)から図18(f)は実施例4に係る分波器のそれぞれダイアタッチ層26、線路パターン層28および線路パターン/フットパッド層30を示している。比較例4および実施例4とも、第2受信グランド線路パターンRG2L、第1受信グランド線路パターンRG1Lおよび送信グランド線路パターンTGLが同じ積層である線路パターン/フットパッド層30に形成されている。その他の構成は実施例1と同じであり同じ部材は同じ符号を付し説明を省略する。
【0061】
比較例4においては、第1受信グランド線路パターンRG1Lと送信グランド線路パターンTGLとの電流の向きは概同じであり、第2受信グランド線路パターンRG2Lと送信グランド線路パターンTGLとの電流の向きは概同じである。一方、実施例4においては、第1受信グランド線路パターンRG1Lの電流の向きは図18(f)において上向きと左向きである。一方、送信グランド線路パターンTGLとの電流の向きは下向きと右向きである。このように、第1受信グランド線路パターンRG1Lの電流の向きと送信グランド線路パターンTGLの電流の向きとは反対である。また、第2受信グランド線路パターンRG2Lの電流の向きは左向きである。一方、送信グランド線路パターンTGLの電流の向きは右向きである。このように、第2受信グランド線路パターンRG2Lの電流の向きと送信グランド線路パターンTGLの電流の向きとは反対である。ここで、電流の向きが反対とは、図18(f)の送信グランド線路パターンTGLと第1受信グランド線路パターンRG1Lとのように、電流の向きが下方向および右方向と上方向および左方向と(つまり、時計方向と反時計方向)の場合または送信グランド線路パターンTGLと第2受信グランド線路パターンRG2Lとのように、直線の電流方向が右方向と左方向とのように逆方向の場合を言う。
【0062】
図19は、実施例4および比較例4に係る分波器の受信フィルタ12の通過特性を示し、周波数に対する挿入損失を示している。実施例4は比較例4に対し、受信フィルタ12の送信帯域における減衰特性が向上している。すなわち高抑圧なフィルタ特性が得られている。このように、実施例4においては、受信グランド線路パターンRG1LおよびRG2Lと送信グランド線路パターンTGLとの電流の向きを反対とすることにより、受信グランド線路パターンRG1LおよびRG2Lと送信グランド線路パターンTGLとの相互インダクタンスが比較例4より小さくなる。よって、分波器の減衰特性を向上させることができる。
【0063】
このように、送信グランド線路パターンTGLを流れる電流の向きと第1受信グランド線路パターンRG1Lおよび第2受信グランド線路パターンRG2Lの少なくとも一方を流れる電流の向きとを、送信グランド線路パターンTGLと第1受信グランド線路パターンRG1Lおよび第2受信グランド線路パターンRG2Lの少なくとも一方との相互インダクタンスが小さくなるようにすることにより、分波器の減衰特性を向上させることができる。特に、送信グランド線路パターンTGLを流れる電流の向きと第1受信グランド線路パターンRG1Lおよび第2受信グランド線路パターンRG2Lの電流の向きとを、送信グランド線路パターンTGLと第1受信グランド線路パターンRG1Lおよび第2受信グランド線路パターンRG2Lとの相互インダクタンスが小さくなるようにすることにより、分波器の減衰特性をより向上させることができる。
【0064】
また、送信グランド線路パターンTGLを流れる電流の向きと第1受信グランド線路パターンRG1Lおよび第2受信グランド線路パターンRG2Lの少なくとも一方を流れる電流との向きを反対とすることにより、分波器の減衰特性を向上させることができる。特に送信グランド線路パターンTGLを流れる電流の向きと第1受信グランド線路パターンRG1Lおよび第2受信グランド線路パターンRG2Lの電流との向きを反対とすることにより、分波器の減衰特性をより向上させることができる。
【0065】
なお、実施例4は、送信グランド線路パターンTGL、第1受信グランド線路パターンRG1Lおよび第2受信グランド線路パターンRG2Lが設けられた積層が同じ場合の例であったが、他の実施例、比較例のように、これらグランド線路パターンが異なる積層に設けられた場合も、送信グランド線路パターンTGLを流れる電流の向きと第1受信グランド線路パターンRG1Lおよび第2受信グランド線路パターンRG2Lの少なくとも一方を流れる電流との向きとを概反対とすることにより、相互インダクタンスを抑制することができる。よって、分波器の減衰特性をより向上させることができる。
【実施例5】
【0066】
図20(a)から図20(c)は、実施例1に係る分波器のそれぞれダイアタッチ層26、線路パターン層28および線路パターン/フットパッド層30を示している。図20(d)から図21(f)は実施例5に係る分波器のそれぞれダイアタッチ層26、線路パターン層28および線路パターン/フットパッド層30を示している。実施例1および実施例5においては、ダイアタッチ層26に、送信フィルタ10と整合回路14を介し共通端子Antとを接続する共通線路パターンMTLおよび受信フィルタ12と整合回路14を介し共通端子Antとを接続する共通線路パターンMRLが設けられている。また、ダイアタッチ層26に、送信フィルタ10と送信端子Txとを接続する送信信号線路パターンTSLと、受信フィルタ12と受信端子Rxとを接続する受信信号線路パターンRSLとが設けられている。
【0067】
そして、共通線路パターンMRLおよびMTLの一部に重なる様に(つまり、対応する位置に)、線路パターン層28にそれぞれ仕切りグランド線路パターンSL1およびSL2が形成されている。なお、図20(d)の点線は仕切りグランド線路パターンSL1およびSL2の対応する位置を示している。仕切りグランド線路パターンSL1およびSL2は線路パターン/フットパッド層30に設けられたビアSL1VおよびSL2Vを介しグランドフットパッドに接続されている。仕切りグランド線路パターンSL1およびSL2は、それぞれ共通信号線路パターンMRLと受信信号線路パターンRSLおよび共通信号線路パターンMTLと送信信号線路パターンTSLとの間の橋絡容量を低減するために用いられている。ここで、受信信号線路パターンRSL、送信信号線路パターンTSLを送受信信号線路パターンという。
【0068】
図21(a)は、実施例1および比較例5に係る分波器の送信フィルタ10の通過特性を示し、周波数に対する挿入損失を示している。図21(b)は図21(a)の受信帯域付近の拡大図である。実施例5は実施例1に対し、送信フィルタ10の受信帯域における減衰特性が向上している。すなわち高抑圧なフィルタ特性が得られている。このように、共通信号線路パターンMRLと受信信号線路パターンRSLおよび共通信号線路パターンMTLと送信信号線路パターンTSLとの間の橋絡容量を低減するための仕切りグランド線路パターンSL1およびSL2を設けることにより、分波器の減衰特性を向上させることができる。
【0069】
仕切りグランド線路パターンSL1、SL2は、それぞれ送受信信号線路パターンRSLおよびTSLの近くに設けることもできる。しかし、この場合、受信端子Rxおよび送信端子Txのインピーダンスが変化してしまいインピーダンス整合が悪化する。一方、仕切りグランド線路パターンSL1、SL2をそれぞれ共通信号線路パターンMRLおよびMTLの近くに設けた場合もインピーダンスが変化するが、整合回路14を変更することによりインピーダンスの調整が容易である。そこで、仕切りグランド線路パターンSL1、SL2はそれぞれ共通信号線路パターンMRLおよびMTLの近くに設けることが好ましい。さらに、実施例5のように、共通信号線路パターンMRL、MTLの設けられた層と異なる層の共通信号線路パターンの設けられた位置に対応する位置に仕切りグランド線路パターンSL1、SL2を設けることが好ましい。これにより、積層パッケージ20の実装面積を小さくすることができる。
【0070】
なお、実施例5は実施例1に仕切りグランド線路パターンSL1、SL2を設ける例であったが、他の実施例、比較例に適用することもできる。
【0071】
図22(a)および図22(b)は、それぞれ比較例5および実施例1に係る分波器のダイアタッチ層26を示している。図22(a)を参照に、比較例5では、送信フィルタ10の並列共振器P11およびP12のグランド側のパッドが接続するバンプパッド間を接続するグランド線路パターンTGL2の幅は、バンプパッドの幅より大きい。その他の構成は実施例1と同じであり説明を省略する。図22(b)を参照に、実施例1では、グランド線路パターンTGL1の幅はバンプパッドの幅より小さい。
【0072】
図23(a)は、実施例1および比較例5に係る分波器の送信フィルタ12の通過特性を示し、周波数に対する挿入損失を示している。実施例1は比較例5に対し、送信フィルタの送信帯域における挿入損失が小さい。すなわち低損失なフィルタ特性が得られている。これは、図23(b)の矢印のように、比較例5より実施例1が信号線のキャパシタンスを低減できためである。このように、グランド線路パターンTGL1の幅をバンプパッドの幅より小さくすることにより、フィルタチップ18表面の信号線とグランド線路パターンとのキャパスタンスを低減できる。これにより、低損失なフィルタ特性を得ることができる。幅をバンプパッドの幅より小さくするグランド線路パターンは送信用のグランド線路パターンに限られない。その他のグランド線路パターンであっても、位相整合回路チップ16またはフィルタチップ18の表面に形成された信号線とのキャパシタンスを低減することができる。よって、低損失なフィルタ特性を得ることができる。
【実施例6】
【0073】
図24は、実施例6に係る電子装置のブロック図である。この電子装置は携帯電話の送受信系である。携帯電話の送受信系は、RF部70、変調器71およびIF部72を有する。RF部70は、アンテナ73、分波器74、ローノイズアンプ83、段間フィルタ84、ミキサ75、局部発信機76、段間フィルタ77、ミキサ78、段間フィルタ79およびパワーアンプ80を有する。音声処理系から入力した音声信号は、変調器71で変調され、RF部70のミキサ78で局部発信器76の発振信号を用い周波数変換される。ミキサ78の出力は段間フィルタ79およびパワーアンプ80を通り分波器に至る。
【0074】
分波器74は、実施例1から実施例5のいずれかの分波器であり、送信用フィルタ74aと受信用フィルタ74bと、整合回路(図示せず)を有している。パワーアンプ80からの送信信号は、分波器74の送信用フィルタ74aを通りアンテナ73に供給される。アンテナ73からの受信信号は、分波器74の受信用フィルタ74bを通り、ローノイズアンプ83、段間フィルタ84を経てミキサ75に至る。ミキサ75は、局部発信器76の発振周波数を段間フィルタ77を介し受け取り、受信信号の周波数を変換して、IF部72に出力する。IF部72は、この信号をIFフィルタ81を介して受け取り、復調器82で復調し、音声信号を音声処理系に出力する。
【0075】
実施例6は、実施例1から5のいずれか係る分波器を使用しているため、性能の良い電子装置を提供することができる。
【0076】
実施例1から実施例5においては、第1受信グランド線路パターンRG1Lと第2受信グランド線路パターンRG2Lのうち積層の周辺に近い一方は他方よりグランド線路パターンが長い。実施例1から実施例4においては、積層の周辺に近い第2受信グランド線路パターンRG2Lは第1受信グランド線路パターンRG1Lより長い。このため、第2受信グランド線路パターンRG2Lは第1受信グランド線路パターンRG1Lよりインダクタンスが大きい。積層の周辺は中心より長いグランド線路パターンを配置することが可能である。よって、積層の周辺に近い一方の受信グランド線路パターンのインダクタンスを他方の受信グランド線路パターンより大きくすることにより、より効率的に受信グランド線路パターンを配置することができる。よって、積層パッケージを小型化することができる。なお、第1受信グランド線路パターンRG1Lと第2受信グランド線路パターンRG2Lは同じ積層に設けられるものに限られない。第1受信グランド線路パターンRG1Lと第2受信グランド線路パターンRG2Lが別の積層に設けられた場合も、実施例1のように、各積層の対応する位置が周辺の受信グランド線路パターンのインダクタンスを大きくすることにより、積層パッケージを小型化することができる。
【0077】
送信フィルタ10または受信フィルタ12が形成されたフィルタチップ18および位相整合回路チップ16は、フェースアップで実装することもできる。しかし、フェースアップ実装の場合、ワイヤ接続が必要なため、デバイス高さが大きくなるという欠点が生じてしまう。このため、デバイスを小型化するにはフェースダウン方式が好ましい。フィルタチップ18をフェースダウンで実装した場合、フェースアップで実装した場合のように、インダクタンスをワイヤで形成することができない。そのため、積層パッケージ20の各積層に形成されたグランド線路パターンで送信インダクタンスL11、L21およびL22を形成することが求められる。
【0078】
実施例1から実施例5において、送信フィルタ10および受信フィルタ12は、圧電薄膜共振器フィルタの例であった。送信フィルタ10および受信フィルタ12は、弾性表面波フィルタおよび圧電薄膜共振器フィルタの少なくとも一方を用いることができる。
【0079】
実施例1から実施例5に係る分波器は、2GHz帯W−CDMAシステム向けの分波器の例であった。本発明はこれに限られず、その他の分波器に適用することが可能である。2GHz帯W−CDMAシステム向けの分波器は、送信帯域と受信帯域の間隔が130MHzと大きい。このため、相手帯域の減衰特性を向上させるためには、大きな送信インダクタンスL11、受信インダクタンスL21およびL22が必要となる。そこで、本発明を適用することにより、より減衰特性を向上させ、またより実装面積を縮小させることができる。
【0080】
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明は係る特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】図1は分波器のブロック図である。
【図2】図2は分波器の通過特性を示す図であり、周波数に対する通過強度を示す図である。
【図3】図3は実施例1に係る分波器の回路図である
【図4】図4(a)は実施例1に係る積層パッケージに実装された分波器の断面図である。図4(b)は分波器の上視図である。
【図5】図5(a)は実施例1のキャップ搭載層、図5(b)はキャビティ層、図5(c)はダイアタッチ層を示す図である。
【図6】図6(a)は線路パターン層、図6(b)は線路パターン/フットパッド層を示す図である。
【図7】図7(a)はセラミックコートを図示しないフットパッド層、図7(b)はセラミックコートを図示したフットパッド層を示す図である。
【図8】図8(a)から図8(c)は比較例1に係る分波器のダイアタッチ層、線路パターン層および線路パターン/フットパッド層を示した図である。図8(d)から図8(f)は実施例1に係る分波器のダイアタッチ層、線路パターン層および線路パターン/フットパッド層を示した図である。
【図9】図9は比較例1および実施例1の受信フィルタの通過特性を示す図である。
【図10】図10(a)から図10(c)は比較例2に係る分波器のダイアタッチ層、線路パターン層および線路パターン/フットパッド層を示した図である。図10(d)から図10(f)は実施例2に係る分波器のダイアタッチ層、線路パターン層および線路パターン/フットパッド層を示した図である。
【図11】図11は比較例2および実施例2のアイソレーション特性を示す図である。
【図12】図12(a)は比較例3に係る分波器のセラミックコートを図示しないフットパッド層を示した図である。図12(b)は実施例1に係る分波器のセラミックコートを図示しないフットパッド層を示した図である。
【図13】図13は比較例3および実施例1の受信フィルタの通過特性を示す図である。
【図14】図14(a)は比較例3に係る分波器のセラミックコートを図示しないフットパッド層を示した図である。図14(b)は実施例3に係る分波器のセラミックコートを図示しないフットパッド層を示した図である。
【図15】図15は比較例3および実施例3の送信フィルタおよび受信フィルタの通過特性を示す図である。
【図16】図16(a)は実施例1に係る分波器のセラミックコートを図示しないフットパッド層を示した図である。図16(b)は実施例3に係る分波器のセラミックコートを図示しないフットパッド層を示した図である。
【図17】図17は実施例1および実施例3の受信フィルタの通過特性を示す図である。
【図18】図18(a)から図18(c)は比較例4に係る分波器のダイアタッチ層、線路パターン層および線路パターン/フットパッド層を示した図である。図18(d)から図18(f)は実施例4に係る分波器のダイアタッチ層、線路パターン層および線路パターン/フットパッド層を示した図である。
【図19】図19は比較例4および実施例4の受信フィルタの通過特性を示す図である。
【図20】図20(a)から図20(c)は実施例1に係る分波器のダイアタッチ層、線路パターン層および線路パターン/フットパッド層を示した図である。図20(d)から図20(f)は実施例5に係る分波器のダイアタッチ層、線路パターン層および線路パターン/フットパッド層を示した図である。
【図21】図21(a)および図21(b)は実施例1および実施例5の送信フィルタの通過特性を示す図である。
【図22】図22(a)は比較例5に係る分波器のダイアタッチ層を示した図である。図22(b)は実施例1に係る分波器のダイアタッチ層を示した図である。
【図23】図23(a)は比較例5および実施例1の送信フィルタの通過特性を示す図である。図23(b)は送信端子の反射特性を示すスミスチャートである。
【図24】図24は実施例6に係る電子装置のブロック図である。
【符号の説明】
【0082】
10 送信フィルタ
12 受信フィルタ
14 整合回路
16 位相整合回路チップ
18 フィルタチップ
20 積層パッケージ
22 キャップ搭載層
24 キャビティ層
26 ダイアタッチ層
28 線路パターン層
30 線路パターン/フットパッド層
32 フットパッド層
34 キャップ
35 バンプパッド
36 バンプ
38 フットパッド
40 キャビティ
S11、S12、S13 送信フィルタの直列共振器
S21、S22、S23 受信フィルタの直列共振器
P11、P12 送信フィルタの並列共振器
P21、P22、P23、P24 受信フィルタの並列共振器
L11 送信インダクタンス
L21 第1受信インダクタンス
L22 第2受信インダクタンス
Ant 共通端子
Tx 送信端子
Rx 受信端子
TGL 送信グランド線路パターン
RG1L 第1受信グランド線路パターン
RG2L 第2受信グランド線路パターン
MTL,MRL 共通線路パターン
TSL 送信信号線路パターン
RSL 受信信号線路パターン
SL1、SL2 仕切りグランド線路パターン
GndFP0 グランドフットパッド
GndFP1、GndFP2 グランドフットパッド
GndFP3、GndFP4 グランドフットパッド

【特許請求の範囲】
【請求項1】
共通端子と送信端子との間に接続され、ラダー型フィルタである送信フィルタと、
前記共通端子と受信端子との間に接続され、ラダー型フィルタである受信フィルタと、を具備し、
前記送信フィルタの並列共振器は1つの送信インダクタンスを介し接地され、
前記受信フィルタの複数の並列共振器のうち一部は第1受信インダクタンスを介し接地され、前記複数の並列共振器の残りは第2受信インダクタンスを介し接地されていることを特徴とする分波器。
【請求項2】
前記送信フィルタおよび前記受信フィルタが実装され、複数の積層を有する積層パッケージと、
前記積層の1つに設けられ、前記送信インダクタンスの一部を構成する送信グランド線路パターンと、
前記積層の1つに設けられ、前記第1受信インダクタンスの一部を構成する第1受信グランド線路パターンと、
前記積層の1つに設けられ、前記第2受信インダクタンスの一部を構成する第2受信グランド線路パターンと、を具備することを特徴とする請求項1記載の分波器。
【請求項3】
前記送信グランド線路パターンは、前記第1受信グランド線路パターンおよび前記第2受信グランド線路パターンの少なくとも一方とは異なる積層に設けられたことを特徴とする請求項2記載の分波器
【請求項4】
前記第1受信グランド線路パターンと前記第2受信グランド線路パターンとは異なる積層に設けられたことを特徴とする請求項2または3記載の分波器。
【請求項5】
前記積層パッケージは、前記送信フィルタおよび前記受信フィルタのグランドを外部に接続するためのグランドフットパッドを有し、
前記第1受信グランド線路パターンおよび前記第2受信グランド線路パターンの少なくとも一方が接続された前記グランドフットパッドは、送信グランド線路パターンが接続された前記グランドフットパッドから分離されていることを特徴とする請求項2から4のいずれか一項記載の分波器。
【請求項6】
前記第1受信インダクタンスは前記受信フィルタの前記共通端子側の並列共振器に接続されたインダクタンスであり、
前記第2受信グランド線路パターンおよび前記送信グランド線路パターンが接続された前記グランドフットパッドは共通であり、前記第1受信グランド線路パターンが接続された前記グランドフットパッドは前記第2受信グランド線路パターンおよび前記送信グランド線路パターンが接続された前記グランドフットパッドから分離されていることを特徴とする請求項2から5のいずれか一項記載の分波器。
【請求項7】
前記送信グランド線路パターンを流れる電流の向きと前記第1受信グランド線路パターンおよび前記第2グランド線路パターンの少なくとも一方を流れる電流の向きとを、前記送信グランド線路パターンと前記第1受信グランド線路パターンおよび前記第2グランド線路パターンの少なくとも一方との相互インダクタンスが小さくなくなる向きとすることを特徴とする請求項2から6のいずれか一項記載の分波器。
【請求項8】
前記送信グランド線路パターンを流れる電流の向きと前記第1受信グランド線路パターンおよび前記第2グランド線路パターンの少なくとも一方を流れる電流との向きは反対であることを特徴とする請求項2から6のいずれか一項記載の分波器。
【請求項9】
前記第1受信グランド線路パターンと前記第2受信グランド線路パターンのうち前記積層の周辺に近い一方は他方よりインダクタンスが大きいことを特徴とする請求項2から8のいずれか一項記載の分波器。
【請求項10】
前記積層の1つに設けられ、前記送信フィルタまたは前記受信フィルタと前記共通端子とを接続する共通信号線路パターンと、
前記積層の1つに設けられ、前記送信フィルタと前記送信端子とを接続するまたは前記受信フィルタと前記受信端子とを接続する送受信信号線路パターンと、
前記共通信号線路パターンと前記送受信線路パターンとの間の橋絡容量を低減するための仕切りグランド線路パターンと、を具備することを特徴とする請求項2から9のいずれか一項記載の分波器。
【請求項11】
前記仕切りグランド線路パターンは、前記共通信号線路パターンの設けられた層と異なる層の前記共通信号線路パターンの設けられた位置に対応する位置に設けられたことを特徴とする請求項10記載の分波器。
【請求項12】
前記送信フィルタまたは前記受信フィルタが形成されたチップは、前記積層の1つであるダイアッタッチ層にフェースダウンで実装されていることを特徴とする請求項2から11のいずれか一項記載の分波器。
【請求項13】
前記ダイアタッチ層に設けられ、前記チップをフェースダウンで実装するためのバンプパッドと、
前記ダイアタッチ層に設けられ、前記バンプパッドとグランドとを接続するためのグランド線路パターンと、を具備し、
前記バンプパッドの幅は前記グランド線路パターンの幅より小さいことを特徴とする請求項12記載の分波器。
【請求項14】
前記送信フィルタおよび前記受信フィルタは、弾性表面波フィルタおよび圧電薄膜共振器フィルタの少なくとも一方であることを特徴とする請求項1から13のいずれか一項記載の分波器。
【請求項15】
前記分波器は、2GHz帯W−CDMAシステム向けの分波器であることを特徴とする請求項1から14のいずれか一項記載の分波器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公開番号】特開2007−142560(P2007−142560A)
【公開日】平成19年6月7日(2007.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−330335(P2005−330335)
【出願日】平成17年11月15日(2005.11.15)
【出願人】(398067270)富士通メディアデバイス株式会社 (198)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】