説明

判断装置及び圧力信号出力装置

【課題】ガス器具の使用判断やガス漏れ判断にあたり、判断精度の低下を防止することが可能な判断装置及び判断方法を提供する。
【解決手段】ガスメータ40は、ガス流路からの圧力を受ける一方側43aとその他方側43bとを接続するバイパス流路44と、バイパス流路44に設けられ、一方側43aにおける圧力変化に基づく他方側43bでの圧力変化の発生を他方側43bにおいて抑制する圧力抑制部45と、を備えている。また、圧力センサ42は、一方側43aと他方側43bとの間で変位する変位部42aと、変位部42aの変位量に応じた圧力信号を出力する信号出力部42bとからなっている。マイコン50の判断部50cは、以上の構成によって圧力センサ42から出力される圧力信号に基づいて得られる圧力波形から、ガス器具10の使用及びガス漏れを判断する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、判断装置及び圧力信号出力装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ガスメータを介してガス器具に燃料ガスを供給するガス供給システムが知られている。このガス供給システムでは、ガス供給容器の出口などに調圧弁が設置されている。調圧弁は、下流側の圧力を例えば2.9kPa程度の一定値に保つように機能している(例えば特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2001−188020号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ここで、本件出願人は、特願2008−86022の技術を発明している。この発明では、ガス圧力に基づいてガバナ付きガス器具が使用されたか、ガバナ無しガス器具が使用されたか、及び、ガス漏れが発生しているか否かを判断するようになっている。
【0004】
ところが、特許文献1に記載のガス供給システムでは、日中や夜間の温度変化によってガス管内のガス圧力が上昇してしまう。すなわち、日中にガスを未使用状態で放置しているとガス管内の温度が上昇し、調圧弁からガス器具までのガス管内の圧力が上昇してしまう。圧力は、日中に約3℃温度が上昇することで1kPa程度上昇し、場合によってガス管内の圧力は4kPaに達する可能性もある。そして、ガス管内のガス圧力が上昇してしまうと、特願2008−86022の技術のようにガス圧力に基づいてガバナ付きガス器具が使用されたか否かなどを判断する場合に判断精度の低下を招いてしまう。なお、本明細書では特願2008−86022の一部技術を説明しているが、この説明は特願2008−86022の技術の公知性を認めるものではない。
【0005】
本発明はこのような従来の課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、ガス器具の使用判断やガス漏れ判断にあたり、判断精度の低下を防止することが可能な判断装置及び圧力信号出力装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の判断装置は、ガス流路から分岐された分岐空間を有する分岐管と、分岐管の分岐空間を一方側と他方側とに隔てることにより、ガス流路内の圧力変動に応じて一方側と他方側とに変位可能な変位部、及び、当該変位部の変位量に応じた圧力信号を出力する信号出力部からなる圧力センサと、一方側と他方側とを接続するバイパス流路と、バイパス流路に設けられ、一方側における圧力変化に基づく他方側での圧力変化の発生を抑制する圧力抑制手段と、圧力センサからの圧力信号に基づいて得られる圧力波形から、ガス器具の使用及びガス漏れを判断する判断手段と、を備えることを特徴とする。
【0007】
この判断装置によれば、バイパス流路に設けられ、一方側にて発生した圧力変化の発生を他方側において抑制する圧力抑制手段を備えると共に、一方側と他方側との間で変位する変位部の変位量に応じた圧力信号を出力する信号出力部を備えている。このような構成であるため、圧力が急激に変動した場合には、一方側において圧力が変動するが、他方側においては圧力抑制手段によって圧力は変動しにくくなり、圧力差が生じることによって変位部が変位して圧力信号が出力される。一方、圧力が緩やかに変動した場合には、一方側において圧力が変動すると共に、他方側においても圧力が変動し、圧力差が生じずに変位部が変位せず圧力信号が出力されない(又は僅かに変位するだけで圧力波形に影響の少ない程度の圧力信号しか出力されない)。また、ガス器具の使用やガス漏れが発生した場合、元圧から或る安定した圧力まで圧力値は低下する。配管内の圧力が上昇している場合とそうでない場合とでは、この低下成分に相異が生じる。特に、この低下成分は、緩やかな低下を示す。このため、低下成分によって変位部は変位せず(又は僅かに変位するだけ)、低下成分を除いた他の成分によって変位部は変位等することとなる。従って、得られる圧力波形は、配管内の圧力が上昇している場合とそうでない場合とで相異する低下成分の影響を少なくしたものとなる。従って、ガス器具の使用判断やガス漏れ判断にあたり、低下成分の影響を受け難くなり、判断精度の低下を防止することができる。
【0008】
また、本発明の判断装置において、変位部は、薄膜部材によって形成されたダイヤフラムであることが好ましい。
【0009】
この判断装置によれば、変位部は、薄膜部材によって形成されたダイヤフラムであるため、比較的廉価で簡単な構造で圧力変動により変位する変位部を製造することができる。
【0010】
また、本発明の判断装置において、圧力抑制手段は、バイパス流路の径よりも径の小さい孔を有するオリフィスであることが好ましい。
【0011】
この判断装置によれば、圧力抑制手段は、バイパス流路よりも径の小さい孔を有するオリフィスであるため、比較的簡単な構造で圧力抑制手段を製造できると共に、孔径の調整によって抑制量を調節することができることから設計の容易化を図ることができ、比較的容易な製造を行うことができる。
【0012】
また、本発明の判断装置において、変位部が所定量一方側に変位した場合、その旨を示す第1トリガ信号を出力する第1トリガ信号出力手段をさらに備えることが好ましい。
【0013】
この判断装置によれば、変位部が所定量一方側に変位した場合、その旨を示す第1トリガ信号を出力する第1トリガ信号出力手段を備えるため流路の圧力が急減した場合に、その旨を出力することができ、マイコン等によって第1トリガ信号を入力することで、圧力の急減に応じた制御を行うことができる。
【0014】
また、本発明の判断装置において、変位部が所定量他方側に変位した場合、その旨を示す第2トリガ信号を出力する第2トリガ信号出力手段をさらに備えることが好ましい。
【0015】
この判断装置によれば、変位部が所定量他方側に変位した場合、その旨を示す第2トリガ信号を出力する第2トリガ信号出力手段を備えるため流路の圧力が急増した場合に、その旨を出力することができ、マイコン等によって第2トリガ信号を入力することで、圧力の急増に応じた制御を行うことができる。
【0016】
また、本発明の圧力信号出力装置において、ガス流路から分岐された分岐空間を有する分岐管と、分岐管の分岐空間を一方側と他方側とに隔てることにより、ガス流路内の圧力変動に応じて一方側と他方側とに変位可能な変位部、及び、当該変位部の変位量に応じた圧力信号を出力する信号出力部からなる圧力センサと、一方側と他方側とを接続するバイパス流路と、バイパス流路に設けられ、一方側における圧力変化に基づく他方側での圧力変化の発生を抑制する圧力抑制手段と、を備えることを特徴とする。
【0017】
この圧力信号出力装置によれば、ガス器具の使用判断やガス漏れ判断にあたり、低下成分の影響を受け難くなり、判断精度の低下を防止する判断装置の提供に寄与することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、ガス器具の使用判断やガス漏れ判断にあたり、判断精度の低下を防止することが可能な判断装置及び圧力信号出力装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の好適な実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の実施形態に係る判断装置を含むガス供給システムの構成図である。ガス供給システム1は、ストーブ、ファンヒータ、給湯器及びガスコンロなどの各ガス器具10に燃料ガスを供給するものであって、複数のガス器具10と、ガス供給元の調整器20と、配管31,32と、ガスメータ(判断装置)40とを備えている。なお、図1に示す例では、ガスメータ40を判断装置の一例として挙げるが、判断装置はガスメータ40に限るものではない。
【0020】
調整器20は上流からの燃料ガスを所定圧力に調整して第1配管31に流すものである。この調整器20は、例えば燃料ガスを2.9kPa程度の圧力に調整して第1配管31に流す構成となっている。第1配管31は、調整器20とガスメータ40とを接続するものである。第2配管32はガスメータ40とガス器具10とを接続する配管である。ガスメータ40は、燃料ガスの流量を測定して積算流量を表示するものである。このようなガス供給システム1では、ガスメータ40内に第1配管31及び第2配管32とつながる流路が形成されており、調整器20を通じて流れてきた燃料ガスは第1配管31からガスメータ40、及び第2配管32を通じてガス器具10に到達し、ガス器具10において燃焼されることとなる。
【0021】
また、ガス器具10は、概略的に、遮断弁12、ガバナ13、及びバーナー14を備えている。遮断弁12は、ガス器具10に設けられた弁である。ガバナ13は、ガバナ内弁13aを有し、ガス器具10のバーナー14に供給するガスの圧力をガバナ内弁13aの開度によって調整するものである。圧力調整された燃料ガスはガバナ13の先端のノズル13bを通じてバーナー14に至り、燃焼することとなる。なお、ガス器具10は、全てがガバナ13を有しているわけでなく、ガスコンロなどのようにガバナ13を有さないものもある。
【0022】
図2は、図1に示したガバナ13の一例を示す側方断面図である。なお、図2では、ガバナ13の一例を示すに過ぎず、ガバナ13の構成は図2に示すものに限られない。また、図2に示すガバナ13については図1に示したノズル13bを省略して図示する。
【0023】
図2に示すようにガバナ13は、外壁13cとガバナキャップ13dとによって形成される内部空間の一部をガス流路として用いるものである。このようなガバナ13は、ガバナ内弁13aに加えて、内部空間に、ダイヤフラム13e、調整スプリング13f、及び調整ネジ13gを備えている。
【0024】
ダイヤフラム13eは、ガバナ13の内部空間を仕切る膜状の部材である。このダイヤフラム13eには、一方側(流路側)にガバナ内弁13aが取り付けられている。また、ダイヤフラム13eの他方側(流路として機能しない側)に調整スプリング13fが取り付けられている。調整スプリング13fは、一端にダイヤフラム13eが取り付けられ、他端に調整ネジ13gが取り付けられている。調整ネジ13gは、ねじ切り溝が形成されたガバナ13の内壁に固定される構造となっており、ねじ切り溝との固定位置を変化させることで調整スプリング13fの圧縮率を変更可能となっている。また、調整ネジ13gは外部にむき出しとなっておらず、ガバナキャップ13dによって覆われた構造となっている。
【0025】
また、ガバナ13の外壁13cには、ダイヤフラム13eの他方側に通じる空気孔13hが形成されている。このため、ダイヤフラム13eの他方側は空気圧となっている。さらに、図2に示す例においてガバナ内弁13aは半球形状となっており、上下動によって通過口13iの開口割合を制御可能となっている。
【0026】
このようなガバナ13では、ガス入側のガス圧が高くなると、ダイヤフラム13eが上へ押し上げられ、同時にダイヤフラム13eに取り付けられているガバナ内弁13aも上に引き上げられる。これにより、通過口13iの開口割合が小さくなって、ガス流量が減少する。一方、ガス入側のガス圧が低くなると、ダイヤフラム13eが下がり、同時にダイヤフラム13eに取り付けられているガバナ内弁13aも下がる。これにより、通過口13iの開口割合が大きくなって、ガス流量が増大する。このように、ガバナ13は上流側の圧力の変動に対して下流側の流量を一定に保つことで、下流側の圧力を調整することとなる。
【0027】
図3は、本発明の実施形態に係るガスメータ40の構成図である。同図に示すように、本実施形態に係るガスメータ40は、流量センサ41と、圧力センサ42と、マイコン50とを備えている。
【0028】
流量センサ41は、ガスメータ40内の流路に設置され、流路内のガス流量を検出するためのものである。本実施形態に係るガスメータ40が超音波式のガスメータである場合、流量センサ41は、流路内に一定距離だけ離れて配置された例えば圧電式振動子からなる2つの音響トランスジューサによって構成される。また、本実施形態に係るガスメータ40がフローセンサなどの熱式センサを搭載したガスメータである場合、温度分布をつくり出すヒータと、その温度分布に応じた信号を発生させるサーモパイル等によって構成される。
【0029】
圧力センサ42は、ガスメータ40内の流路内に存在するガスの圧力変化に応じた圧力信号を出力するものである。すなわち、この圧力センサ42は後述の通りに差圧を検出する差圧センサとして機能するものである。詳細な説明は後述する。なお、本実施形態において圧力センサ42は、ガスメータ40内の流路に設けられているが、これ限らず、可能であれば本発明の構成を逸脱しない場合でガスメータ40の外部に存在する第1配管31側や第2配管32側に設置されていてもよい。同様に、流量センサ41についても設置箇所については変更可能である。
【0030】
なお、本実施形態では、図3において流量センサ41及び圧力センサ42からの信号が直接マイコン50に入力されているが、場合によっては増幅器等の他の要素が両者間に追加されていてもよい。
【0031】
マイコン50は、ガスメータ40の全体を制御するものであり、流量の積算制御、表示制御、遮断弁の遮断制御等を行うものである。また、本実施形態においてマイコン50は、圧力検出部(圧力検出手段)50aと、記憶部50bと、判断部(判断手段)50cとを備えている。圧力検出部50aは、圧力センサ42からの圧力信号に基づいて燃料ガスの圧力を検出するものである。記憶部50bは、圧力検出部50aにより検出された各時刻の圧力値を記憶するものである。記憶部50bに記憶される圧力値は、例えば最大で1秒程度のデータであり、約1ミリ秒に1回の計測間隔で測定されたデータである。このような各時刻における圧力値の蓄積によって圧力波形が得られる。判断部50cは、各時刻の圧力値に基づく圧力波形から、ガス器具10の使用及びガス漏れを判断するものである。
【0032】
ここで、判断部50cによるガス器具10の使用及びガス漏れの判断原理について説明する。図4は、ガバナ付きガス器具10の使用を開始したときの圧力変化の様子を示すグラフである。なお、図4において縦軸は、圧力変化量(kPa)を示し、横軸はガバナ付きガス器具10の使用を開始してからの経過時間(秒)を示している。
【0033】
ガバナ付きガス器具10の使用が開始された場合、圧力は、図4に示す所定の振幅を示した後に、安定状態となる。具体的には、ガバナ付きガス器具10の使用開始直後に、一度「−0.1」kPa弱への圧力低下を示した後(符号a1参照)、約「0.05」kPaへの圧力上昇を示す(符号a2参照)。その後、圧力は約「−0.05」kPa強への圧力低下を示した後に(符号a3参照)、約「0.05」kPa弱への圧力上昇を示す(符号a4参照)。以後、徐々に振幅が小さくなりつつも圧力は振動を繰り返し、最終的には圧力変化がない安定状態となる。
【0034】
このような圧力の振動が発生する理由は、ガバナ13内に調整スプリング13fが設けられているからである。すなわち、ガバナ付きガス器具10の使用が開始されると、調整スプリング13fが振動すると共に、ガバナ内弁13aについても振動し、通過口13iの開口割合についても小刻みに大きくなったり小さくなったりと変化するからである。
【0035】
特に、ガバナ付きガス器具10の使用開始時においては、圧力振動の周波数や振幅に特徴が見られる。具体的には調整スプリング13fが小刻みに振動することから、圧力について細かな振動を示すこととなる。この結果、圧力波形は比較的高い周波数成分を多く含むこととなる。また、ガバナ付きガス器具10の使用開始時に調整スプリング13fの振動によって通過口13iが大きくなったり小さくなったりすることから、圧力波形は、大きな振幅を示す。
【0036】
なお、圧力Pは、
【数1】


なる演算式で表すことができる。ここで、Cは振幅を示し、kは摩擦力(減衰定数)を示し、ωは復元力を示し、αは初期位置を示している。この式は多くの周波数f=ω/2πの振動の重ね合わせであることを示している。
【0037】
図5は、ガバナ無しガス器具10の使用を開始したときの圧力変化の様子を示すグラフである。なお、図5において縦軸は、圧力変化量(kPa)を示し、横軸はガバナ無しガス器具10の使用を開始してからの経過時間(秒)を示している。
【0038】
ガバナ無しガス器具10の使用が開始された場合、圧力は、図5に示す所定の振幅を示した後に、安定状態となる。具体的には、ガバナ付きガス器具10の使用開始直後に、一度「−0.1」kPa弱への圧力低下を示した後(符号b1参照)、約「0.01」kPaへの圧力上昇を示す(符号b2参照)。その後、圧力は約「−0.05」kPa強への圧力低下を示す(符号b3参照)。以後、圧力上昇が無い状態のまま、圧力は振動を繰り返す。そして、振幅が徐々に振幅が小さくなり、最終的には圧力変化がない安定状態となる。このような圧力の振動が発生する理由は、以下による。
【0039】
図6は、ガバナ無しガス器具10での燃料ガスの供給の様子を示す概略図である。図6に示すように、ガバナ無しガス器具10が使用された場合、燃料ガスは第2配管32からノズルホルダ100を通じてバーナー14等に至る。ここで、ノズルホルダ100にある流速を持った気体が流入したときはその慣性力で急には流速が小さくならずに一端ガスが圧縮され圧力が上昇する。その後上昇した圧力により流入流速が小さく(場合によっては逆流)なって圧力が下がる。これを繰り返すことで圧縮膨張の振動が発生する。
【0040】
以上のように、ガバナ付きガス器具10の使用時と、ガバナ無しガス器具10の使用時とでは、圧力は振動することとなる。しかしながら、図5に示す圧力波形を図4に示す圧力波形と比較すると、以下のような差異がある。
【0041】
まず、ガバナ付きガス器具10の場合、調整スプリング13fのように細かく振動する物質を有しているのに対し、ガバナ無しガス器具10の場合、そのような物質を有していない。このため、図5に示す圧力波形は、図4に示す圧力波形と同様に振動を示しているものの、全体として振動周波数が図4に示す圧力波形よりも低くなる。
【0042】
さらに、ガバナ付きガス器具10の場合、調整スプリング13fの振動によって振幅が大きくなっているが、ガバナ付きガス器具10の場合、調整スプリング13fが無く、ノズルホルダ100の圧縮性による振動が発生しているのみである。このため、図5に示す圧力波形は、図4に示す圧力波形よりも振幅が小さくなる。
【0043】
このような特徴から、マイコン50の判断部50cは、ガバナ付きガス器具10の使用であるか、ガバナ無しガス器具10の使用であるか否かを判断できることとなる。
【0044】
図7は、ガス漏れ時の圧力変化の様子を示すグラフである。なお、図7において縦軸は、圧力変化量(kPa)を示し、横軸はガス漏れが発生してからの経過時間(秒)を示している。
【0045】
図7に示すように、ガス漏れが発生した場合、圧力は明確な振動を示すことなく緩やかに低下していくこととなる。このように、ガス漏れの場合、調整スプリング13fの振動、及び、ノズルホルダ100の圧縮性による振動の双方が発生しないため、圧力波形には明確な振動が見られない。
【0046】
以上のように、ガバナ付きガス器具10の使用開始時と、ガバナ無しガス器具10の使用開始時と、ガス漏れ発生時とでは、圧力波形に特徴的な差異がある。この特徴は、圧力変動開始から数秒(例えば1秒)以内に表れる。マイコン50の判断部50cは、上記の特徴から、ガバナ付きガス器具10の使用であるか、ガバナ無しガス器具10の使用であるか、ガス漏れであるかを判断することができる。
【0047】
しかしながら、日中にガスを未使用状態で放置していると配管31,32内の温度が上昇し、調整器20からガス器具10までの配管31,32内の圧力が上昇してしまう。圧力は、日中に約3℃温度が上昇することで1kPa程度上昇し、場合によって配管31,32内の圧力は4kPaに達する可能性もある。そして、配管31,32内のガス圧力が上昇してしまうと、図4〜図7を参照して説明したようにガス圧力に基づいてガバナ付きガス器具が使用されたか否かなどを判断する場合に、判断精度の低下を招いてしまう。
【0048】
ここで、以下の説明においてガス器具使用前やガス漏れ発生前など圧力変動前の配管31,32内の圧力を元圧と称する。
【0049】
図8は、元圧が上昇している場合と上昇していない場合とにおけるガス器具10の使用開始時の圧力波形を示すグラフである。元圧が上昇していない場合、ガス器具10の使用開始前の圧力値は、約2.95kPaとなっている。そして、ガス器具10が使用されると、圧力値は使用開始から所定の振動を示しながら1秒後には約2.8kPaとなる。一方、元圧が上昇していた場合、ガス器具10の使用開始前の圧力値は、約3.17kPaとなっている。そして、ガス器具10が使用されると、圧力値は使用開始から所定の振動を示しながら1秒後には約2.8kPaとなる。
【0050】
このように、元圧が上昇している場合と上昇していない場合とでは、得られる圧力波形が相違してしまう。このような相違から、判断部50cは、ガバナ付きガス器具が使用されたか否かなどを判断する場合に、判断を誤ってしまう可能性がある。
【0051】
しかし、本実施形態に係るガスメータ40では、圧力センサ42が変位部42aと、信号出力部42bとから構成されていると共に、分岐管43、バイパス流路44及び圧力抑制部45等を備えているため、判断精度の低下を防止することができる。再度、図3を参照する。
【0052】
まず、分岐管43は、ガス流路から分岐された配管であって、ガス流路から分岐された分岐空間43a,43bを形成している。また、圧力センサ42は、変位部42aと、信号出力部42bとから構成されている。変位部42aは、薄膜部材のダイヤフラムによって形成され、分岐空間43a,43bを一方側43aと他方側43bとに隔てる構成となっている。ここで、一方側43aとは、圧力変動と正対する正対側であって、ガス流路と正対する正対側ともいう。すなわち、この一方側43aは、バイパス流路44を介することなくガス流路と空間を同じとする側となる。また、この変位部42aは、薄膜ダイヤフラムによって形成されていることから、ガス流路の圧力変動に応じて一方側43aと他方側43bとに変位可能となっている。信号出力部42bは、変位部42a上に設けられた歪みゲージである。この歪みゲージは、歪み量に応じた信号を発生させる構成となっている。このため、信号出力部42bは、変位部42aが一方側43a又は他方側43bに変位した場合、その変位量に応じた圧力信号を出力することとなる。
【0053】
バイパス流路44は、一方側43aと他方側43bとを接続する流路である。圧力抑制部45は例えばオリフィスであって、オリフィスはバイパス流路44の径よりも径の小さい孔を有した部材である。このオリフィスにより、一方側43aにおける圧力変化に基づく他方側43bでの圧力変化の発生を抑制することとなる。すなわち、ガス流路内の圧力が急激に上昇した場合には、一方側43aにおいて圧力が上昇するが、他方側43bにおいては圧力抑制部45によって圧力は上昇しにくくなる。これにより、圧力差が生じ、変位部42aが変位して圧力信号が出力される。一方、圧力が緩やかに上昇した場合には、一方側43aにおいて圧力が上昇すると共に、他方側43bにおいても圧力が上昇する。これにより、圧力差が生じずに変位部42aが変位せず圧力信号が出力されない(又は僅かに変位するだけで圧力波形に影響の少ない程度の圧力信号しか出力されない)。
【0054】
なお、圧力センサ42は、ガスメータ40内の流路に限らず、第1配管31側や第2配管32側に設置されてもよいが、この場合、分岐管43及び圧力抑制部45等についても第1配管31側や第2配管32側に設置することは言うまでもない。
【0055】
また、本件出願人は、ガス器具10が使用された場合、圧力値が安定するまでの区間(例えば図8の時間「0」〜「0.2」程度までの区間)において、圧力波形がある一定速度で低下する低下成分と、ある特定成分とからなっている点を見出した。ある特定成分とは、ガス器具10の使用時には細かな振動成分となり、ガス漏れ発生時には明確に振動とは言えない成分となる。さらに、本件出願人は、元圧が上昇している場合と上昇していない場合とでは、低下成分が異なるが、特定成分には大きな差が見られない点を見出した。
【0056】
本実施形態においては、ガスメータ40では、上記圧力センサ42、分岐管43及び圧力抑制部45等を有しているため、緩やかに圧力が変化する低下成分については検出されず除去されることとなり、得られる圧力波形は、特定成分に基づくものとなる。これにより、温度の影響を受けて配管31,32内の圧力が上昇した場合とそうでない場合とで同じような圧力波形を得て、判断精度が低下しないようにしている。
【0057】
図9は、元圧が上昇している場合と上昇していない場合とにおける圧力変化の波形を示すグラフである。図9に示すように、両者の波形は低下成分が除去されることとなり、似た圧力波形となっている。このように、圧力波形は、配管31,32内の圧力に影響を受けることなく、似たものとなるため、判断部50cにおいて判断精度が低下してしまうことを防止することができる。
【0058】
再度、図3を参照する。本実施形態に係るガスメータ40は、変位部42aに接点51を有している。この接点51はグランドに接続されている。また、ガスメータ40は、第1接点52と、第2接点53とを備えている。このため、ガス流路内のガス圧が急減して変位部42aが所定量一方側43aに変位した場合、接点51と第1接点52とが接触する。これにより、変位部42aが所定量一方側43aに変位した旨を示す第1トリガ信号がマイコン50に出力される。なお、接点51と第1接点52とで第1トリガ信号出力部が構成されている。
【0059】
同様に、ガス流路内のガス圧が急増して変位部42aが所定量他方側43bに変位した場合、接点51と第2接点53とが接触する。これにより、変位部42aが所定量他方側43bに変位した旨を示す第2トリガ信号がマイコン50に出力される。なお、接点51と第2接点53とで第2トリガ信号出力部が構成されている。
【0060】
このように構成することにより、マイコン50に第1及び第2トリガ信号を入力して、圧力の急減や急増に応じた制御を行うことができる。例えば、本実施形態においてガス器具10の使用及びガス漏れの判断は、ガス流量やガス圧の変動が発生してから数秒(1秒〜2秒)程度の圧力データに基づいて行われる。このため、ガス流量の変化が無い場合、すなわちガス圧力の変動が無い場合には圧力を検出せず、圧力が急変して第1又は第2トリガ信号が発生した場合にのみ、圧力を検出して記憶部50bに記憶させるなどの制御を行うことができる。
【0061】
次に、本実施形態に係るガスメータ40の動作を説明する。図10は、本実施形態に係るガスメータ40の動作を示すフローチャートである。なお、図10に示す処理は、マイコン50が第1トリガ信号や第2トリガ信号を入力した場合に実行される。
【0062】
図10に示すように、まずマイコン50の圧力検出部50aは、圧力センサ42からの圧力信号に応じて、ガス圧力を検出する(S10)。次いで、記憶部50bは、ステップS10において検出された圧力値を記憶する(S11)。そして、マイコン50は、計測終了か否かを判断する(S12)。計測時間は数秒(例えば1秒から2秒)であり、マイコン50は、この数秒が経過したか否かを判断する。計測終了でないと判断した場合(S12:NO)、処理はステップS10に移行し、圧力検出部50aは、圧力センサ42からの圧力信号に応じてガス圧力を検出する(S10)。
【0063】
一方、計測終了と判断した場合(S12:YES)、判断部50cは、ステップS11における記憶によって得られる圧力波形に基づいて、ガス器具10の使用やガス漏れを判断する(S13)。その後、マイコン50は、ステップS13の処理においてガス漏れ無しと判断されたか否かを判断する(S14)。
【0064】
ガス漏れ無しと判断されていた場合(S14:YES)、図10に示す処理は終了する。一方、ガス漏れ無しと判断されていなかった場合(S14:NO)、すなわち、ガス漏れがあったと判断されていた場合、マイコン50は、遮断弁を遮断すると共に、警報等を行う(S15)。その後、図10に示す処理は終了する。
【0065】
図11は、図10に示したステップS13の詳細を示すフローチャートであり、ガス器具10の使用及びガス漏れ判断に関する処理を示している。図11に示すように、まず、マイコン50は、図10のステップS12において生成された補正波形の周波数を分析すると共に(S30)、振幅を分析する(S31)。
【0066】
その後、マイコン50は、ステップS30の分析結果に基づいて、波形内に判別値以上の周波数成分が規定値以上含まれるか否かを判断する(S32)。判別値以上の周波数成分が規定値以上含まれると判断した場合(S32:YES)、すなわち図4に示した圧力波形のようにある程度周波数が高い場合、マイコン50は、ガバナ付きガス器具10の使用であると判断する(S33)。そして、図11に示す処理は終了し、処理は図10のステップS14に移行する。
【0067】
また、判別値以上の周波数成分が規定値以上含まれないと判断した場合(S32:NO)、マイコン50は、第1の山の振幅値(すなわち圧力が変化してから最初に振幅が正方向に大きくなったときの最大値、又は、全体を通して最も振幅が正方向に大きくなったときの値)が元圧(図4等の縦軸で「0」の圧力)に所定量を加えた値以上であるか否かを判断する(S34)。第1の山の振幅値が元圧に所定量を加えた値以上であると判断した場合(S34:YES)、マイコン50は、ガバナ付きガス器具10の使用であると判断する(S33)。そして、図11に示す処理は終了し、処理は図10のステップS14に移行する。
【0068】
一方、第1の山の振幅値が元圧に所定量を加えた値以上でないと判断した場合(S34:NO)、マイコン50は、第1の山の振幅値が元圧とほぼ同等の値(具体的には元圧±規定の値)であるか否かを判断する(S35)。第1の山の振幅値が元圧とほぼ同等の値であると判断した場合(S35:YES)、マイコン50は、ガバナ無しガス器具10の使用であると判断する(S36)。そして、図11に示す処理は終了し、処理は図10のステップS14に移行する。
【0069】
また、第1の山の振幅値が元圧とほぼ同等の値でないと判断した場合(S35:NO)、マイコン50は、第1の山の振幅値が元圧に所定量を減算した値以下であるか否かを判断する(S37)。第1の山の振幅値が元圧に所定量を減算した値以下であると判断した場合(S37:YES)、マイコン50は、流量センサ41からの信号に基づいて規定量以上の流量が検出されるか否かを判断する(S38)。
【0070】
規定量以上の流量が検出されると判断した場合(S38:YES)、すなわち、ガス器具10の使用による周波数及び振幅の特徴が得られず、流路内のガス圧が低下し、しかも規定量以上の流量が検出された場合、マイコン50は、ガス漏れであると判断する(S39)。そして、図11に示す処理は終了し、処理は図10のステップS14に移行する。
【0071】
ところで、第1の山の振幅値が元圧に所定量を減算した値以下でないと判断した場合(S37:NO)、及び、規定量以上の流量が検出されないと判断した場合(S38:NO)、マイコン50は、ガス器具10の使用及びガス漏れのいずれにも該当しないと判断する(S40)。そして、図11に示す処理は終了し、処理は図10のステップS14に移行する。
【0072】
なお、ガス器具10の使用及びガス漏れについては、図11に示すものに限らず、例えば、他の方法によって判断されてもよい。例えば、マイコン50は、ステップS32又はステップS34において「YES」と判断した場合、ガバナ付きガス器具10の使用であると判断するが、これに限らず、ステップS32及びステップS34の双方において「YES」と判断した場合、ガバナ付きガス器具10の使用であると判断してもよい。
【0073】
また、マイコン50は、圧力波形の減衰係数が予め定められた値以下である場合に、ガバナ付きガス器具10の使用であると判断してもよい。さらに、マイコン50は、第1の山の振幅値が、第1の谷の振幅値(すなわち圧力が変化してから最初に振幅が負方向に大きくなったときの最小値、又は、全体を通して最も振幅が負方向に大きくなったときの値)よりも小さい場合に、ガバナ付きガス器具10の使用であると判断してもよい。さらには、上記した内容を各種組み合わせて、ガバナ付きガス器具10の使用を判断してもよい。
【0074】
このようにして、本実施形態に係るガスメータ40によれば、バイパス流路44に設けられ、一方側43aにて発生した圧力変化の発生を他方側43bにおいて抑制する圧力抑制部45を備えると共に、一方側43aと他方側43bとの間で変位する変位部42aの変位量に応じた圧力信号を出力する信号出力部42bを備えている。このような構成であるため、圧力が急激に変動した場合には、一方側43aにおいて圧力が変動するが、他方側43bにおいては圧力抑制部45によって圧力は変動しにくくなり、圧力差が生じることによって変位部42aが変位して圧力信号が出力される。一方、圧力が緩やかに変動した場合には、一方側43aにおいて圧力が変動すると共に、他方側43bにおいても圧力が変動し、圧力差が生じずに変位部が変位せず圧力信号が出力されない(又は僅かに変位するだけで圧力波形に影響の少ない程度の圧力信号しか出力されない)。また、ガス器具10の使用やガス漏れが発生した場合、元圧から或る安定した圧力まで圧力値は低下する。元圧が上昇している場合とそうでない場合とでは、この低下成分に相異が生じる。特に、この低下成分は、緩やかな低下を示す。このため、低下成分によって変位部42aは変位せず(又は僅かに変位するだけ)、低下成分を除いた他の成分によって変位部42aは変位等することとなる。従って、得られる圧力波形は、元圧が上昇している場合とそうでない場合とで相異する低下成分の影響を少なくしたものとなる。従って、ガス器具10の使用判断やガス漏れ判断にあたり、低下成分の影響を受け難くなり、判断精度の低下を防止することができる。
【0075】
また、変位部42aは、薄膜部材によって形成されたダイヤフラムであるため、比較的廉価で簡単な構造で圧力変動により変位する変位部を製造することができる。
【0076】
また、圧力抑制部45は、バイパス流路44よりも径の小さい孔を有するオリフィスであるため、比較的簡単な構造で圧力抑制部45を製造できると共に、孔径の調整によって抑制量を調節することができることから設計の容易化を図ることができ、比較的容易な製造を行うことができる。
【0077】
また、変位部42aが所定量一方側43aに変位した場合、その旨を示す第1トリガ信号を出力する第1トリガ信号出力部を備えるため流路の圧力が急減した場合に、その旨を出力することができ、マイコン50によって第1トリガ信号を入力することで、圧力の急減に応じた制御を行うことができる。
【0078】
また、変位部42aが所定量他方側43bに変位した場合、その旨を示す第2トリガ信号を出力する第2トリガ信号出力部を備えるため流路の圧力が急増した場合に、その旨を出力することができ、マイコン50によって第2トリガ信号を入力することで、圧力の急増に応じた制御を行うことができる。
【0079】
以上、実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、変更を加えてもよい。例えば、本実施形態において圧力値は1ミリ秒に1回の計測間隔となっていたが、これに限らず、計測間隔は適宜変更可能である。
【0080】
また、本実施形態において判断装置はガスメータ40の内部構成として存在しているが、これに限らず、判断装置をガスメータ40から取り出して構成してもよい。
【0081】
また、本実施形態において圧力センサ42は、歪みゲージを備えるものであったが、これに限らず、静電容量式やピエゾ抵抗式など、他の構成を備えるものであってもよい。
【0082】
さらに、ガスメータ40内から、圧力センサ42、分岐管43及び圧力抑制部45を取り出して、圧力信号出力装置として構成してもよい。この場合、ガス器具の使用判断やガス漏れ判断にあたり、低下成分の影響を受け難くなり、判断精度の低下を防止する判断装置の提供に寄与することができるからである。
【0083】
さらに、第1トリガ信号出力部及び第2トリガ信号出力部は以下のようになっていてもよい。図12は、第1トリガ信号出力部及び第2トリガ信号出力部の他の例を示す構成図である。図12に示す例では、2つの分岐管43A,43Bを備えている。なお、分岐管43A,43Bの数は2つに限らず、3つ以上であってもよい。また、それぞれの分岐管43A,43Bごとにバイパス流路44A,44Bが設けられ、それぞれのバイパス流路44A,44Bには、圧力抑制部45A,45Bが設けられている。また、第1の分岐管43A側には、接点51Aと第1接点52が設けられており、変位部42Aaが所定量一方側43aに変位した場合、その旨を示す第1トリガ信号を出力する。一方、第2の分岐管43B側には、接点51Aと第2接点53が設けられており、変位部42Baが所定量他方側43bに変位した場合、その旨を示す第2トリガ信号を出力する。以上のように構成された場合も、マイコン50によって第1トリガ信号を入力することで、圧力の急減に応じた制御を行うことができると共に、マイコン50によって第2トリガ信号を入力することで、圧力の急増に応じた制御を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】本発明の実施形態に係る判断装置を含むガス供給システムの構成図である。
【図2】図1に示したガバナの一例を示す側方断面図である。
【図3】本発明の実施形態に係るガスメータの構成図である。
【図4】ガバナ付きガス器具の使用を開始したときの圧力変化の様子を示すグラフである。
【図5】ガバナ無しガス器具の使用を開始したときの圧力変化の様子を示すグラフである。
【図6】ガバナ無しガス器具での燃料ガスの供給の様子を示す概略図である。
【図7】ガス漏れ時の圧力変化の様子を示すグラフである
【図8】元圧が上昇している場合と上昇していない場合とにおけるガス器具の使用開始時の圧力波形を示すグラフである。
【図9】元圧が上昇している場合と上昇していない場合とにおける圧力変化の波形を示すグラフである。
【図10】本実施形態に係るガスメータの動作を示すフローチャートである。
【図11】図10に示したステップS13の詳細を示すフローチャートであり、ガス器具の使用及びガス漏れ判断に関する処理を示している。
【図12】第1トリガ信号出力部及び第2トリガ信号出力部の他の例を示す構成図である。
【符号の説明】
【0085】
1…ガス供給システム
10…ガス器具
12…遮断弁
13…ガバナ
13a…ガバナ内弁
13b…ノズル
13c…外壁
13d…ガバナキャップ
13e…ダイヤフラム
13f…調整スプリング
13g…調整ネジ
13h…空気孔
14…バーナー
20…調整器
31…第1配管
32…第2配管
40…ガスメータ(判断装置)
41…流量センサ
42…圧力センサ
42a,42Aa,42Ab…変位部
42b,42Ba,42Bb…信号出力部
43,43A,43B…分岐管
44,44A,44B…バイパス流路
45…圧力抑制部
50…マイコン
50a…圧力検出部(圧力検出手段)
50b…記憶部
50c…判断部(判断手段)
51…接点
52…第1接点
53…第2接点

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガス流路から分岐された分岐空間を有する分岐管と、
前記分岐管の分岐空間を一方側と他方側とに隔てることにより、ガス流路内の圧力変動に応じて一方側と他方側とに変位可能な変位部、及び、当該変位部の変位量に応じた圧力信号を出力する信号出力部からなる圧力センサと、
前記一方側と他方側とを接続するバイパス流路と、
前記バイパス流路に設けられ、一方側における圧力変化に基づく他方側での圧力変化の発生を抑制する圧力抑制手段と、
前記圧力センサからの圧力信号に基づいて得られる圧力波形から、ガス器具の使用及びガス漏れを判断する判断手段と、
を備えることを特徴とする判断装置。
【請求項2】
前記変位部は、薄膜部材によって形成されたダイヤフラムである
ことを特徴とする請求項1に記載の判断装置。
【請求項3】
前記圧力抑制手段は、前記バイパス流路の径よりも径の小さい孔を有するオリフィスである
ことを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれかに記載の判断装置。
【請求項4】
前記変位部が所定量前記一方側に変位した場合、その旨を示す第1トリガ信号を出力する第1トリガ信号出力手段をさらに備える
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の判断装置。
【請求項5】
前記変位部が所定量前記他方側に変位した場合、その旨を示す第2トリガ信号を出力する第2トリガ信号出力手段をさらに備える
ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の判断装置。
【請求項6】
ガス流路から分岐された分岐空間を有する分岐管と、
前記分岐管の分岐空間を一方側と他方側とに隔てることにより、ガス流路内の圧力変動に応じて一方側と他方側とに変位可能な変位部、及び、当該変位部の変位量に応じた圧力信号を出力する信号出力部からなる圧力センサと、
前記一方側と他方側とを接続するバイパス流路と、
前記バイパス流路に設けられ、一方側における圧力変化に基づく他方側での圧力変化の発生を抑制する圧力抑制手段と、
を備えることを特徴とする圧力信号出力装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate


【公開番号】特開2010−139285(P2010−139285A)
【公開日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−313776(P2008−313776)
【出願日】平成20年12月9日(2008.12.9)
【出願人】(000006895)矢崎総業株式会社 (7,019)
【Fターム(参考)】