制御された水蒸気透過性を有する音響防音材料及びその製造方法
【課題】所与の部屋から隣接する部屋への音の透過を減少させるのと同時に制御された湿気の輸送を可能にするための新規な材料及び新規な構成方法を提供する。
【解決手段】壁、床、天井又はドアの作成に用いるために適合された、選択された面積を有する積層構造体を提供する。前記積層構造体は、これに限定されるわけではないが石膏などの1つ或いは複数の材料からなる2つの外部層と、前記選択された面積よりも小さい面積を有する少なくとも1つの内部拘束層と、前記少なくとも1つの内部拘束層によって分離された、粘弾性接着剤からなる2以上の内部層とを備え、前記粘弾性接着剤からなる層はそれぞれ、前記積層構造体の前記面積を全て覆うのではなく、前記面積を選択された割合で覆うようにパターン形成され、それによって湿気が前記構造体を通過できるようにした。
【解決手段】壁、床、天井又はドアの作成に用いるために適合された、選択された面積を有する積層構造体を提供する。前記積層構造体は、これに限定されるわけではないが石膏などの1つ或いは複数の材料からなる2つの外部層と、前記選択された面積よりも小さい面積を有する少なくとも1つの内部拘束層と、前記少なくとも1つの内部拘束層によって分離された、粘弾性接着剤からなる2以上の内部層とを備え、前記粘弾性接着剤からなる層はそれぞれ、前記積層構造体の前記面積を全て覆うのではなく、前記面積を選択された割合で覆うようにパターン形成され、それによって湿気が前記構造体を通過できるようにした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、制御された水蒸気透過性を有する音響防音材料及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
騒音防止及び湿気管理は建設業界において急速に増加している2つの経済的問題及び公共政策的問題である。高遮音性の(一般的に「防音された」と呼ばれる)エリアは、様々な目的で必要とされ、また要求されている。アパート、共同住宅、ホテル、学校及び病院は全て、音の透過を抑える壁、天井及び床を備えた部屋を必要とし、それによって隣接する部屋にいる人に与える迷惑を最小限にする又はなくすようにする。防音は、高速道路、空港、鉄道線路などの公共輸送機関に隣接した建物において特に重要である。加えて、映画館、ホームシアター、音楽練習室、レコーディングスタジオなどは、騒音を大きく減少させる必要がある。同様に、病院及び一般の医療機関は、音響快適性を患者の回復期間の重要な要素として認識し始めた。集合住宅及び商業施設における騒音制御問題の深刻さを示す一つの目安は、建築物内部の特定の壁構造に関して音響透過クラス(Sound Transmission Class:STC)評価の下限を規定する建築条例及び設計ガイドラインにばらつきがあることである。別の目安は、許容し難い騒音レベルの問題について住宅所有者と建築業者との間で訴訟問題が広く発生していることである。米国経済にとって不利益なことに、どちらの問題も、ある自治体において大手建築業者が住宅、マンション、及びアパートの建築を拒否したり、建築業者に対する損害賠償保険の解約が広く発生したりすることをもたらしている。
【0003】
騒音制御の課題に加えて、湿気管理も建設業界にとって同様に重要な課題である。建築物の壁の空洞内の過度の湿気及びそれによって生じるかびの繁殖に関連する問題は、不衛生な建築物及び屋内空気の質の悪さに対する全国的な抗議を引き起こした。これらの問題における主要な構造体は、温度が異なるエリアの間にある壁である。凝結を防止することは、住宅又は他の建築物の外壁に関して特に重要であり、その最高最低気温(temperature extremes)は、内壁における最高最低気温よりも大きい可能性が高い。水分浸透の主な原因は建築物の外面の濡れ及び雨漏りであり、それによって屋内に過度の湿気が発生する。湿気は、人の居住及び人による使用、建築の際の湿った材料の使用、空気漏れ、又は外壁材料による輸送に起因して構造体内部に存在し得る。構造体の内部に進入する湿気(又は料理、入浴、塗装及び他の行動などによる湿気の発生)の進入速度が湿気除去速度を超えたときに湿気が溜まる。湿気及び水蒸気の流れは、蒸気凝結遅延剤(vapor retarder)と呼ばれる蒸気抵抗膜又は材料を介して制御される。蒸気凝結遅延剤は、1perm未満の水蒸気透過速度を有する膜又はパネルとして定義される。単位「perm(パーム)」の定義は段落0008に後述するので参照されたい。逆に、空気凝結遅延剤は、5perm未満の水蒸気透過速度を有する膜又はパネルである。高い透過性の値は、水蒸気の透過を容易に行わせる。一般的な蒸気凝結遅延剤は、ポリエチレンフィルム又はポリエチレン箔を含む。
【0004】
1つの壁又は構造体が、高い騒音レベルを減少させることと、漏れを生じさせずに適切な水蒸気輸送を可能にすることとの両者を効果的に行う必要がある場合、問題が複雑になることは明らかである。
【0005】
例えば、防音のために設計された新しい種類の防振ドライウォールパネルの場合、前記2つの要求における矛盾があることは明らかである。これらのパネルは、従来の技法に対して材料節減及び労働費削減をもたらすため、弾性チャネル、二重スタッド骨組み又は複数のドライウォール層などの従来の騒音制御材料に対して改良されたものである。しかし、これらのパネルは、適切な水蒸気輸送に関して重大な欠点を有する。これらの防振ドライウォールパネルは、ポリマからなる連続薄膜が組み込まれている。米国エネルギー省(DOE)及び米国暖房冷凍空調学会 (ASHRAE)及び他の建築科学団体は、推奨される壁設計及び壁内部における蒸気凝結遅延剤の適切な配置を規定している。これらの設計は、局地気候に依存する。主に冷却が必要な気候の場合、蒸気凝結遅延剤を断熱材外側に配置することが推奨されている。かなりの暖房及び冷却の両方を必要とする気候が混合するエリアでは、推奨される設計は、蒸気凝結遅延剤を完全に省略することを示唆している。これらの指針が守られていない場合、その構造体は壁の空洞内部で水蒸気凝結を生じさせる危険性がある。
【0006】
これらの材料が典型的な防湿材と共に用いられる場合、深刻な問題が発生することがある。構造体の両側に防湿材を有する壁は、湿気がこもらず且つ凝結しないようにし、かび又は木材腐敗の発生を防止しなければならない。従来の方法は、壁構造体の内側面上に1つ或いは複数の典型的なドライウォールの層(容易に水蒸気輸送させるもの)を使用し、壁構造体の外側面上に防湿材を使用してきた。そのような設計は、湿気に関連する問題を減少させる。しかし、典型的な壁構造体は、音響減衰をほとんどもたらさない。
【0007】
建設材料又は方法の音響低減特性についての性能指標は、材料又は壁組立体の音響透過クラス(STC)である。STC数値は、パーティション、ドア及び窓におけるその遮音効果を評価するために建築分野で用いられている評価である。音響試験の結果として特定のパーティションデザインに与えられる評価は、音響透過クラスを規定する一連の曲線に対して近似する最も適合するタイプを示す。前記試験は、試験環境に関係なく実施できるような方法で行われ、パーティションのみについての数値を与える。STC評価を決定する測定方法は、1/3オクターブ帯域において得られる音響測定のためのASTM E 90の実験室試験、及び或る構造体に対して音響透過損失データからSTC評価を計算するためのASTM E 413(Classification for Sound Insulation)によって規定される。これらの基準は、インターネット上のhttp://www.astm.orgにて入手可能である。
【0008】
建築材料又は方法の水蒸気輸送の測定値のための性能指標は、その透過性、即ち「perm」である。1permは、3386Pa(1水銀柱インチ(Hg))の蒸気圧差による1粒の水の輸送/1平方フィートの露出面積/1時間として定義される(即ち、1perm=10.79粒の水の輸送/1m2の露出面積/1時間)。蒸気圧は、試験構造体が曝される空気の温度と相対湿度(RH)の関数であり、多くの標準データ表において示され得る。任意の或るRHにおける蒸気圧は、RHと或る温度における飽和空気の蒸気圧との積によって得られる。例えば、摂氏21度(華氏70度)において、飽和蒸気圧は、2502Pa(0.7392インチHg)であり、相対湿度(RH)50%における蒸気圧は、1251Pa(0.3696インチHg)である。試験方法は対象の材料によって変わる。本明細書中の以下の記載で示されるデータは、ASTM E 96「ドライカップ」法を用いて得られた。更なる情報は、インターネット上のhttp://www.astm.orgにて見ることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従って、所与の部屋から隣接する部屋への音の透過を減少させるのと同時に高濃度領域から低濃度領域への制御された湿気の輸送を可能にするための新規な材料及び新規な構成方法が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明によれば、ある部屋から隣接する部屋へ、又は或る部屋の外から中へ、若しくは或る部屋の中から外への音の透過を減少させるのと同時に、高蒸気圧領域から低蒸気圧領域への水蒸気輸送を行うための壁、天井、床又はドアの能力を大幅に高める新規な層状構造体及び関連する製造プロセスが開示される。
【0011】
本発明の材料はいくつかの異なる材料からなる積層物を含む。一実施形態では、ドライウォールの代替となる層状構造体は、選択された厚さの石膏ボードからなる2つの外部層によるサンドイッチ構造を有する。前記サンドイッチ構造は吸音性接着剤を用いて互いに接着されており、前記吸音性接着剤は前記2つの外部層の内側面の全体より少ない部分に一定のパターンで塗布される。一実施形態では、接着剤層は特定の厚さの特別に調合されたQuietGlue(登録商標)という粘弾性材料からなる。2つの石膏ボードの内側面に設けられた接着剤層は約1.6mm(16分の1インチ)の厚さである。或る例では、1.6mm(16分の1インチ)厚さの接着剤層を用いて構成された1.22m×2.44m(4フィート×8フィート)のパネルは、全体の厚さが約15.9mm(8分の5インチ)であり、浸透性評価は約5パームであり、STC値は約38である。水蒸気は、石膏ボードにおける接着剤で覆われていない部分を通過して石膏シートによって輸送される。前述したように構成された両面壁構造体は、約49のSTC値を提供する。その結果、同等の質量及び厚さの一般的な(未加工)石膏ボードを用いた同じ構造体と比較して、壁構造体を透過する騒音は約15デシベル減少した。
【0012】
一実施形態では、本発明の積層シートは、材料の一つの層から隣接する層への音の透過を減少させる、音及び振動を実質的に吸収することのできる特殊な接着剤を用いている。結果として得られる音の減衰は、標準的なドライウォールを用いて得られる音の減衰と比較して大幅に改善される。積層シート同士の間の全面積より小さい面積を覆うことによって、例えば被覆率20%で、個々の接着剤塗布領域同士の間が所定最大間隔より小さい間隔を有して接着剤が個々の領域に塗布されることにより、石膏材料は追加的な音響低減を提供するのと同時に水蒸気の輸送も提供する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
本発明は以下の詳細な説明と図面によってより良く理解されるだろう。
【図1】材料を通過する音の透過を低減するのと同時に材料を通過する湿気の輸送を提供するための本発明に従って構成された層状構造体を示す図である。
【図2A】本発明に係る積層構造体上に接着剤を塗布するためののストリップ状パターンの例を示す図である。
【図2B】本発明に係る積層構造体上に接着剤を塗布するためのパッチのマトリックス状パターンの例を示す図である。
【図3A】本発明に係る積層構造体上に接着剤を塗布するための波状パターンの例を示す図である。
【図3B】本発明に係る積層構造体上の接着剤を塗布するためのランダムパターンの例を示す図である。
【図4】本発明に従って構成された層状材料の一試料形態の水蒸気透過性試験の結果を示す図である。
【図5】本発明に従って構成された層状材料に異なる割合の被覆率で接着剤が塗布された複数の例の水蒸気透過性試験の結果を示す図である。
【図6】構造体の一要素が本発明に従って構成された層状パネルを含む壁構造体を示す図である。
【図7】本発明の複数の実施形態の音響減衰試験の詳細な結果のデータを示す図である。
【図8】図7の試験結果を示すグラフである。
【図9】音の透過を大幅に減少させるのと同時に材料を通過する湿気の輸送を提供することのできる5層の材料を含む積層構造体の一実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下の詳細な説明は例のみを意図しており、本発明を限定するものではない。外部層材料及び内部層材料の両方の、数、種類、厚さ、寸法、面積、形状及び配置順序などの、本発明の他の実施形態は以下の説明から当業者には明らかであろう。
【0015】
本発明に従って層状パネルを形成するプロセスは、接着剤の正確な化学組成、加圧プロセス、乾燥及び脱湿プロセスなどの様々な因子を考慮に入れる。
【0016】
図1は本発明の一実施形態の層状構造体を示している。図1では、前記層状構造体は水平に配向されており、前記層状構造体の各層は上から下へと説明される。しかし、本発明の層状構造体は、垂直な壁又はドアとして設置される場合は垂直に配向され、天井や床に設置される場合は水平にさらには所定の角度で配向されることを理解されたい。従って、上層から下層へと説明するのは図1のように配向されたこれらの層について説明するためであり、前記層状構造体を垂直方向に使用する場合はこの限りではないことを理解されたい。図1では、符号100が付されたアセンブリは、本発明に従って構成された積層パネル全体を示す。最上層102は標準石膏材料から構成され、一実施形態では6.4mm(4分の1インチ)の厚さである。もちろん、所望に応じていずれの層に対しても様々な他の厚さを用いることができる。厚さは、結果として得られる層状構造体に求められる音響減衰(即ち、STC評価)及び結果として得られる構造体の重さによってのみ制限される。構造体の重さにより、その使用目的毎に壁、天井、床及びドアに層状構造体を設置する作業員の能力が制限される。
【0017】
最上層の石膏ボード102は通常は標準的な公知の技法を用いて形成されるので、石膏ボードの製造方法については説明しない。次に、石膏層102の底面には、QuietGlue(登録商標)と呼ばれる接着剤104のパターン形成された層がある。我々は、従来の理解とは異なり、或るパターンを形成して塗布された接着剤が石膏ボードの底面を約20%或いはそれ以上覆うことにより、石膏ボードの底面を全て覆う同一厚さの接着剤層と実質的に同一の音響減衰をもたらすことを見出した。接着剤104は粘弾性ポリマーから形成され、周囲の層により拘束された接着剤に衝当した音のエネルギーを効果的に吸収し、それによって広い周波数スペクトルにわたって音の振幅を低減し、従って結果として得られる層状構造体を透過する音のエネルギーを減少させる特性を有する。通常、この接着剤104は表1に示した材料で形成されるが、表1の後に記載する特性に類似する特性を有する他の接着剤を本発明において用いることもできる。接着剤層は参照符号104として概ね言及されるが、図1は接着剤層が中実ではないパターン形成された連続的な層である積層構造体の横断面を示していることを表すために、図1では接着剤層は104−0乃至104−nとして示されている。
【0018】
【表1】
【0019】
表1に示した好ましい組成は、粘弾性接着剤の一例にすぎない。同様の結果を達成するために他の組成を用いることもできる。また、表1に示した所与の範囲は、ここで検討した有用な組成の一例である。
【0020】
QuietGlue(登録商標)の物理的な固体状態の特性には以下が含まれる:
1)室温より低い広いガラス転位温度
2)ゴムに典型的な機械的応答(即ち、破断時の伸張、低弾性率)
3)室温における高い剥離強度
4)室温における低い剪断強さ
6)水に溶けない(わずかに膨張)
7)ドライアイスの温度において容易に基材から剥離。
【0021】
QuietGlue(登録商標)は、シリアス・マテリアルズ社(Serious Materials,1259 Elko Drive, Sunnyvale, CA 94089)から入手することができる。
【0022】
石膏ボード層106が構造体の最下層に配置されており、均一な圧力(パスカル(ポンド/平方インチ))、温度及び時間について制御された方法で慎重に圧力が加えられる。
【0023】
最後に、パネルを乾燥させるため、アセンブリは通常48時間脱湿及び乾燥される。
【0024】
本発明の一実施形態では、接着剤104を連続的な層又はパターンのどちらかのようにして最上層102の底面に塗り広げた際に接着剤を部分的に乾燥させるために、接着剤104を或る気体流に約45秒間曝す。気体を流す時間を短縮させる場合は、高温の気体を用いる。接着剤104は、それが塗布される任意の材料の全体に最初に塗り広げられる際は、液体である。選択された時間にわたる空気乾燥又は接着剤の表面上への気体流の供給により接着剤104を部分的に乾燥させることによって、接着剤104はテープ上の接着剤によく似た粘着性のあるペースト状になる。接着剤104上方を流れる気体は、例えば、空気又は乾燥窒素であり得る。前記気体は接着剤104を脱湿するので、層106を所定の位置に配置する前に接着剤104の乾燥を長時間行わない前述の加圧プロセスと比較して、製造処理能力が改善される。その後、第2のパネル、例えば最下層106が接着剤104上に配置され、接着剤104の反対側の面にある材料(図1の例では最上層102)に対して選択された圧力で選択された時間加圧される。
【0025】
一実施形態では、接着剤104は、石膏シート102及び106の全面積より小さい面積を覆っている。接着剤104は、様々なパターンで塗布することができる。その例には、細長い縦ストリップ、細長い横ストリップ、ドット、四角、及び格子状などのパターンが含まれる。接着剤104のパターン要素同士の間の間隔は、減衰させるべき音の最大周波数の半波長未満であり、典型的には最大15.3cm(6インチ)である。一実施形態では、接着剤104は、1.6mm(16分の1インチ)の厚さであるが、他の厚さを使用することもできる。接着剤104は、ブラシ、パテナイフ、コーキング銃、スプレー、接着剤テープの使用、又は他の手段で塗布され得る。
【0026】
図2Aは、1.22m×2.44m(4フィート×8フィート)の石膏シート上に縦ストリップとしてパターン形成された接着剤104を示す。用語「縦」及び「横」、「最上部」及び「最下部」は、説明の目的のために示される図2A、図2B、図3A及び図3Bにのみ適用される。パネル100は、任意の配向で設置され得る。図2Aを参照すると、「n」個の縦ストリップの接着剤104−0乃至104−nは、各ストリップ間の間隔が15.3cm(6インチ)或いはそれ以下で石膏シート102上に配置されている。例えば、1.22m×2.44m(4フィート×8フィート)の石膏シートの場合、1.22m(4フィート)の幅にわたって、最低n=9の縦ストライプが最上部から最下部まで存在する。1.22m×2.44m(4フィート×8フィート)のシートは、2.98m2(4,608平方インチ)の表面積を有する。接着剤が表面の20%を覆う場合(即ち、被覆率20%)、各ストリップは、長さが2.44m(96インチ)、幅が約2.54cm(((2.98/2.44)/9)*0.2)(約1インチ(((4608/96)/9)*0.20))である。被覆率80%の場合、各ストリップは、長さが2.44m(96インチ)、幅が約10.8cm(4.25インチ)である。一実施形態では、各ストリップの互いの離間間隔を狭くして、より多くのストリップが配置される。例えば、幅が約1.27cm(2分の1インチ)の17個の縦ストリップ(即ち、n=17)における各ストリップの中心線同士の間隔が約7.62cm(3インチ)の場合、被覆率は約20%になる。他の組み合わせのストリップの幅及び間隔を使用することもできる。ストリップは、縦の代わりに横に塗布することもできる。
【0027】
図2Bは、1.22m×2.44m(4フィート×8フィート)のパネル上にパッチとして示されている接着剤104を塗布するための別のパターンの例である。図示の例の場合、15.24cm(6インチ)の最大間隔を有して、環状形状のパッチを横方向に9個及び縦方向に17個塗布したことにより、図示の円からなるマトリックスが形成された。円の有効径として述べられる各パッチの領域は以下の式で示される。
【0028】
D=2(SQRT((2.98m2×(被覆率))/((17×9)×π)))
【0029】
前記式を用いると、被覆率20%の場合、各パッチの直径は約6.99cm(2.75インチ)であり、被覆率80%の場合、各パッチの直径は、約13.97cm(5.5インチ)である。前記パッチは円として言及及び図示されているが、その形状が重要なわけではない。ストリップと同様に、より小さい直径を有する、より多くの円が使用されることもあり得る。例えば、それぞれ5.08cm(2インチ)の直径を有する300個の円の場合、被覆率は20%になる。一部の実施形態では、小さな領域に設置するべく積層物の一部をカットする場合に該積層物がばらばらにならないようにするために、多数のより小さなパッチの接着剤104が使用されている。
【0030】
層状パネル100を作成する際、接着剤を塗布するのに様々なパターンが使用され得る。パターン選択における検討により、設置の際に層状パネル100をカットした場合にパネルの切り口近傍に或る程度の接着剤104が存在し、それによって取り扱いが原因でパネル100がばらばらになる可能性を減少させるべく切り口に接着状態が与えられることを確実になすようにする。例えば、図2Aのパターンが、縦ストリップの左縁部に隣接して、その右側で縦に切断されることがあり得、結果として切り口から接着剤104被覆部まで相当な空隙が生じる(左側の部分は、設置される部分とみなす)。従って、切断線の位置に関係なく、縁部の被覆を改善する複数のパターンが用いられている。そのようなパターンの一例が図3Aに示されており、この場合の接着剤パターンは波状である。図3Aに示すような接着剤104のパターンを備える積層パネル100の典型的な直線的な切断は、結果として切り口において或る程度の接着剤104が得られる。直線的な縦又は横ストリップと同様に、波状ストリップは、最大距離をもって互いに離間される。その最大間隔は、パネル102、106に使用される材料の対象周波数の半波長を超えない。図3Bに示すパターンは、接着剤104パターンの別の実施形態であり、この場合は典型的な切り口が接着剤104により被覆されている可能性が高い。図3Bに示すパターンは、例えば、接着剤塗布銃を用いてランダムな経路で形成され得る。縁部における接着剤104による完全な被覆は必要ではない。個々の縁部における部分的な接着剤104被覆部は、設置の際に結果として得られる層状パネル100部分が概ね結合された状態で保持する。所望に応じて、ランダムに形成された接着剤パターンを含む他のパターンを使用することもできる。
【0031】
図4は、石膏シート102、106の面積の20パーセントが接着剤104で覆われた実施形態の透過性試験の結果を示す。試験された試料は、図1と矛盾することなく構成されており、面積は6.13m2(66平方フィート)であった。336時間(14日)の間に、449粒の水((3877.4−3848.3)*15.432)、即ち2.02粒/1平方フィート/1時間(21.8粒/1m2/1時間)が積層構造体100試料を通過した。21℃(華氏70度)、相対湿度(RH)50%における水の蒸気圧は0.3696であり、それ故に前記試料の試験結果は、5.467perm(2.02/(0.3696))を示す。1gの水は、15.432粒の水に相当する。
【0032】
シート102、106における接着剤104で覆われた部分が減ると、完成した積層物100の透過率の値が増加する。図5は、この関係を示している。図5に示されるように、石膏シートの完全被覆(100%)は、結果として非常に小さい透過率の値をもたらし、それによって湿気及び/又は最高最低気温が予期される構造体及び間に置かれたスタッドによって形成された空洞の反対側を覆う防湿材にとって不適切な完全被覆を生じさせる。
【0033】
図6は、壁構造体の例であり、本発明に従って構成された積層パネル608(即ち、積層物100)である。この積層パネル608は、木製スタッド602、604及び606、バット型防音材612、及び標準的な石膏ドライウォールの15.9mm(8分の5インチ)のシート610を含む(これらの関係は、セクションA−Aにより示す)。図7は、積層パネル608における接着剤104の被覆部分が異なる場合の図6に示す構造体の音響試験の結果を示す。パネル608は、図1に示すように構成されている。全ての試料において音響減衰値(STC数値)は実質的に同じ(STC49)であった。当業者には知られているように、標準的な2×4構造の両面に標準的な15.9mm(8分の5インチ)のドライウォールを用いた同様の構造体のSTCは約34である。従って、本発明のこの特定の構成は、標準的なドライウォールに対してSTCを15ポイント改善している。図7の試験結果のデータは、図8にグラフ化されている。
【0034】
図8では、音響減衰量は、接着剤104による被覆における全ての被覆率で概ね同一であることが示されている。一部の実施例では、完成したパネル100のコストを抑えるために、積層パネル100の構造体において使用される接着剤104は、より少ないほうが好ましい。
【0035】
図9では、石膏ボードからなる2つの外部層902及び910は、それらの内側面上に接着剤層904及び908をそれぞれ有する。これら2つの接着剤層904及び908の間には、ビニール、鋼、木材、又は塗布に適した他の材料からなる拘束層906が配置されている。層906がビニールの場合、そのビニルは質量荷重されており、一実施例では、47.86Pa(1ポンド/平方フィート)またはそれ以上である。質量荷重されたビニールは、テクニフォーム社(Technifoam, Minneapolis, Minn)を含む多くのメーカから入手可能である。拘束層906は、このように構成された積層パネルの音響減衰特性を改善し得る。拘束層906は、接着剤領域904及び908がするように、湿気の伝達を遮断する。湿気を通過させる(即ち、「輸送する」)ためのパネルの能力は、接着剤904、接着剤908(接着剤904に対して整列されていてもいなくても良い)又は拘束層906によって塞がれた総面積により決定され得る。3つの層の内のいずれかの層が他の1つ或いは複数の層によって覆われていない場合、遮断効果は、それら3つの層(904、906、908)の総面積である。換言すれば、1つより多くの領域で覆われている面積部分は、一度しか計算されない。例えば、層904、906、及び908のパターンが同一パターンであり、互いに良好に整列されている場合、その被覆された面積は、単純に3つの層の内の1つの層の面積であり得る。各層のパターンが他の2つの層のそれぞれに対して整列されていない場合は、被覆された総面積、従って水蒸気輸送に利用できない領域は、各層により被覆された領域を合計した面積となる。水蒸気を輸送する材料からなる拘束層906(例えばタイベック(Tyvek)材料の薄いシート)は、蒸気輸送を考慮する限りにおいて、外部層902及び910の被覆には寄与しないが、追加的な音響強度の減衰に寄与し得る。即ち、層906が水蒸気を輸送する材料である場合、遮断部分を決定する際には接着剤904及び接着剤908の面積のみが考慮される。
【0036】
拘束層906の材料の例には、有孔鋼、エキスパンデッド鋼及び質量荷重されたビニール又は同様の製品が含まれる。しかし、鋼はビニールよりも大きなヤング率を有しているので、拘束層としての性能はビニールよりも優れている。しかしながら、カットしやすさなどの他の理由のため、所望に応じてビニルを鋼の代わりに層状構造体において使用することができる。セルロース、木材、プラスチックまたは他の拘束材料をビニルまたは金属の代わりに用いることもできる。代替材料は任意の種類、任意の適切な厚さとすることができる。図9の例では、拘束材料906は、それが取り付けられる接着剤904及び908のサイズ及び形状に近い。図9では、前述したように、接着剤層904及び908並びに拘束材料908が所定のパターンで塗布されていることを表すために、接着剤層904及び908並びに拘束材料908が複数の場所に示されている。
【0037】
図1の構造体を製造する場合、まず接着剤104が通常1.6mm(16分の1インチ)の厚さで石膏102の底面に選択されたパターンで所定の方法で塗布される(ただし所望に応じて他の厚さにすることもできる)。最下層106の上面は、接着剤104の露出面上に配置され、従って最上層102に対して押し付けられるようになる。水性接着剤の場合、採用される乾燥及び脱湿技法に応じて、接着剤が完全に乾くのに5分〜30時間を要する。水性接着剤の代わりに溶剤系粘弾性接着剤を使用することもできる。
【0038】
図9の構造体を製造する場合、その製造方法は、図1の構造体のために説明した方法と同様である。しかし、最下層910(最下層106に対応するもの)を取り付ける前に、拘束材料906を接着剤904のある場所の上側に配置する。前述した拘束層906の非輸送特性によって、結果として得られる積層物が水蒸気の輸送を遮断する度合いを検討するので、拘束材料906は、接着剤904又は908のパターン領域の面積より大きいこともあれば小さいこともあり得る。第2の接着剤層908を、拘束材料の露出面(即ち、拘束材料906における最上層902に面している側とは反対側)に塗布する。一実施形態では、接着剤層908は、層906に塗布する代わりに、最下層910の内側面に塗布する。次に、最下層910を、積層された層902、904、及び908の上側に配置する。結果として得られる構造体は、組み立てられた各構造体の正確な要求に応じて約13.8乃至34.5kPa(約2乃至5ポンド/平方インチ)の圧力下で約5分から約48時間にわたって乾燥される。所望に応じて他の圧力を用いることもできる。
【0039】
このように、本発明の層状構造体はそれに関連する音響透過クラスの数値において大幅な改善を示し、或る部屋から隣接した部屋へと透過する音を大幅に減少させると同時に、かなりの量の湿気の輸送をもたらすようにした。接着剤をパターン形成して使用することで、製造コストの削減が達成される。
【0040】
図1及び図9の構造体は、連続的な多孔質隔膜の拘束層を用いて製造することができるが、隔膜のない構造体として製造することもできる。隔膜は、2つの別体の層の材料間の薄い仕切り又は膜である。この用語は、植物又は動物の2つの組織塊の間の膜を説明するために用いられるが、本発明のコンテキストでは、用語「隔膜」は、多孔質の連続的な拘束層を説明するために用いられる。
【0041】
加えて、外層の材料(図1の2つの層102及び106、及び図9の2つの層902及び910)は、石膏のほかに、セラミック、木材、酸化マグネシウム、セメント混合物、コンクリート及びリン酸塩含有セラミック材料から作ることもできる。これらの各材料又はその組み合わせを用いて、これらの層をそれぞれ製造する方法は公知であるため、その詳細については説明しない。
【0042】
本発明の層状構造体の各材料に与えられる寸法は、コスト、全体の厚さ、重量、予期される湿度及び温度の制御条件、及びSTC値を制御するために必要に応じて変えることができる。記載した実施形態及びそれらの寸法は単に例示を目的としたものであって限定的なものではない。
【0043】
本発明の他の実施形態は上記記載から明らかであろう。
【技術分野】
【0001】
本願発明は、制御された水蒸気透過性を有する音響防音材料及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
騒音防止及び湿気管理は建設業界において急速に増加している2つの経済的問題及び公共政策的問題である。高遮音性の(一般的に「防音された」と呼ばれる)エリアは、様々な目的で必要とされ、また要求されている。アパート、共同住宅、ホテル、学校及び病院は全て、音の透過を抑える壁、天井及び床を備えた部屋を必要とし、それによって隣接する部屋にいる人に与える迷惑を最小限にする又はなくすようにする。防音は、高速道路、空港、鉄道線路などの公共輸送機関に隣接した建物において特に重要である。加えて、映画館、ホームシアター、音楽練習室、レコーディングスタジオなどは、騒音を大きく減少させる必要がある。同様に、病院及び一般の医療機関は、音響快適性を患者の回復期間の重要な要素として認識し始めた。集合住宅及び商業施設における騒音制御問題の深刻さを示す一つの目安は、建築物内部の特定の壁構造に関して音響透過クラス(Sound Transmission Class:STC)評価の下限を規定する建築条例及び設計ガイドラインにばらつきがあることである。別の目安は、許容し難い騒音レベルの問題について住宅所有者と建築業者との間で訴訟問題が広く発生していることである。米国経済にとって不利益なことに、どちらの問題も、ある自治体において大手建築業者が住宅、マンション、及びアパートの建築を拒否したり、建築業者に対する損害賠償保険の解約が広く発生したりすることをもたらしている。
【0003】
騒音制御の課題に加えて、湿気管理も建設業界にとって同様に重要な課題である。建築物の壁の空洞内の過度の湿気及びそれによって生じるかびの繁殖に関連する問題は、不衛生な建築物及び屋内空気の質の悪さに対する全国的な抗議を引き起こした。これらの問題における主要な構造体は、温度が異なるエリアの間にある壁である。凝結を防止することは、住宅又は他の建築物の外壁に関して特に重要であり、その最高最低気温(temperature extremes)は、内壁における最高最低気温よりも大きい可能性が高い。水分浸透の主な原因は建築物の外面の濡れ及び雨漏りであり、それによって屋内に過度の湿気が発生する。湿気は、人の居住及び人による使用、建築の際の湿った材料の使用、空気漏れ、又は外壁材料による輸送に起因して構造体内部に存在し得る。構造体の内部に進入する湿気(又は料理、入浴、塗装及び他の行動などによる湿気の発生)の進入速度が湿気除去速度を超えたときに湿気が溜まる。湿気及び水蒸気の流れは、蒸気凝結遅延剤(vapor retarder)と呼ばれる蒸気抵抗膜又は材料を介して制御される。蒸気凝結遅延剤は、1perm未満の水蒸気透過速度を有する膜又はパネルとして定義される。単位「perm(パーム)」の定義は段落0008に後述するので参照されたい。逆に、空気凝結遅延剤は、5perm未満の水蒸気透過速度を有する膜又はパネルである。高い透過性の値は、水蒸気の透過を容易に行わせる。一般的な蒸気凝結遅延剤は、ポリエチレンフィルム又はポリエチレン箔を含む。
【0004】
1つの壁又は構造体が、高い騒音レベルを減少させることと、漏れを生じさせずに適切な水蒸気輸送を可能にすることとの両者を効果的に行う必要がある場合、問題が複雑になることは明らかである。
【0005】
例えば、防音のために設計された新しい種類の防振ドライウォールパネルの場合、前記2つの要求における矛盾があることは明らかである。これらのパネルは、従来の技法に対して材料節減及び労働費削減をもたらすため、弾性チャネル、二重スタッド骨組み又は複数のドライウォール層などの従来の騒音制御材料に対して改良されたものである。しかし、これらのパネルは、適切な水蒸気輸送に関して重大な欠点を有する。これらの防振ドライウォールパネルは、ポリマからなる連続薄膜が組み込まれている。米国エネルギー省(DOE)及び米国暖房冷凍空調学会 (ASHRAE)及び他の建築科学団体は、推奨される壁設計及び壁内部における蒸気凝結遅延剤の適切な配置を規定している。これらの設計は、局地気候に依存する。主に冷却が必要な気候の場合、蒸気凝結遅延剤を断熱材外側に配置することが推奨されている。かなりの暖房及び冷却の両方を必要とする気候が混合するエリアでは、推奨される設計は、蒸気凝結遅延剤を完全に省略することを示唆している。これらの指針が守られていない場合、その構造体は壁の空洞内部で水蒸気凝結を生じさせる危険性がある。
【0006】
これらの材料が典型的な防湿材と共に用いられる場合、深刻な問題が発生することがある。構造体の両側に防湿材を有する壁は、湿気がこもらず且つ凝結しないようにし、かび又は木材腐敗の発生を防止しなければならない。従来の方法は、壁構造体の内側面上に1つ或いは複数の典型的なドライウォールの層(容易に水蒸気輸送させるもの)を使用し、壁構造体の外側面上に防湿材を使用してきた。そのような設計は、湿気に関連する問題を減少させる。しかし、典型的な壁構造体は、音響減衰をほとんどもたらさない。
【0007】
建設材料又は方法の音響低減特性についての性能指標は、材料又は壁組立体の音響透過クラス(STC)である。STC数値は、パーティション、ドア及び窓におけるその遮音効果を評価するために建築分野で用いられている評価である。音響試験の結果として特定のパーティションデザインに与えられる評価は、音響透過クラスを規定する一連の曲線に対して近似する最も適合するタイプを示す。前記試験は、試験環境に関係なく実施できるような方法で行われ、パーティションのみについての数値を与える。STC評価を決定する測定方法は、1/3オクターブ帯域において得られる音響測定のためのASTM E 90の実験室試験、及び或る構造体に対して音響透過損失データからSTC評価を計算するためのASTM E 413(Classification for Sound Insulation)によって規定される。これらの基準は、インターネット上のhttp://www.astm.orgにて入手可能である。
【0008】
建築材料又は方法の水蒸気輸送の測定値のための性能指標は、その透過性、即ち「perm」である。1permは、3386Pa(1水銀柱インチ(Hg))の蒸気圧差による1粒の水の輸送/1平方フィートの露出面積/1時間として定義される(即ち、1perm=10.79粒の水の輸送/1m2の露出面積/1時間)。蒸気圧は、試験構造体が曝される空気の温度と相対湿度(RH)の関数であり、多くの標準データ表において示され得る。任意の或るRHにおける蒸気圧は、RHと或る温度における飽和空気の蒸気圧との積によって得られる。例えば、摂氏21度(華氏70度)において、飽和蒸気圧は、2502Pa(0.7392インチHg)であり、相対湿度(RH)50%における蒸気圧は、1251Pa(0.3696インチHg)である。試験方法は対象の材料によって変わる。本明細書中の以下の記載で示されるデータは、ASTM E 96「ドライカップ」法を用いて得られた。更なる情報は、インターネット上のhttp://www.astm.orgにて見ることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従って、所与の部屋から隣接する部屋への音の透過を減少させるのと同時に高濃度領域から低濃度領域への制御された湿気の輸送を可能にするための新規な材料及び新規な構成方法が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明によれば、ある部屋から隣接する部屋へ、又は或る部屋の外から中へ、若しくは或る部屋の中から外への音の透過を減少させるのと同時に、高蒸気圧領域から低蒸気圧領域への水蒸気輸送を行うための壁、天井、床又はドアの能力を大幅に高める新規な層状構造体及び関連する製造プロセスが開示される。
【0011】
本発明の材料はいくつかの異なる材料からなる積層物を含む。一実施形態では、ドライウォールの代替となる層状構造体は、選択された厚さの石膏ボードからなる2つの外部層によるサンドイッチ構造を有する。前記サンドイッチ構造は吸音性接着剤を用いて互いに接着されており、前記吸音性接着剤は前記2つの外部層の内側面の全体より少ない部分に一定のパターンで塗布される。一実施形態では、接着剤層は特定の厚さの特別に調合されたQuietGlue(登録商標)という粘弾性材料からなる。2つの石膏ボードの内側面に設けられた接着剤層は約1.6mm(16分の1インチ)の厚さである。或る例では、1.6mm(16分の1インチ)厚さの接着剤層を用いて構成された1.22m×2.44m(4フィート×8フィート)のパネルは、全体の厚さが約15.9mm(8分の5インチ)であり、浸透性評価は約5パームであり、STC値は約38である。水蒸気は、石膏ボードにおける接着剤で覆われていない部分を通過して石膏シートによって輸送される。前述したように構成された両面壁構造体は、約49のSTC値を提供する。その結果、同等の質量及び厚さの一般的な(未加工)石膏ボードを用いた同じ構造体と比較して、壁構造体を透過する騒音は約15デシベル減少した。
【0012】
一実施形態では、本発明の積層シートは、材料の一つの層から隣接する層への音の透過を減少させる、音及び振動を実質的に吸収することのできる特殊な接着剤を用いている。結果として得られる音の減衰は、標準的なドライウォールを用いて得られる音の減衰と比較して大幅に改善される。積層シート同士の間の全面積より小さい面積を覆うことによって、例えば被覆率20%で、個々の接着剤塗布領域同士の間が所定最大間隔より小さい間隔を有して接着剤が個々の領域に塗布されることにより、石膏材料は追加的な音響低減を提供するのと同時に水蒸気の輸送も提供する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
本発明は以下の詳細な説明と図面によってより良く理解されるだろう。
【図1】材料を通過する音の透過を低減するのと同時に材料を通過する湿気の輸送を提供するための本発明に従って構成された層状構造体を示す図である。
【図2A】本発明に係る積層構造体上に接着剤を塗布するためののストリップ状パターンの例を示す図である。
【図2B】本発明に係る積層構造体上に接着剤を塗布するためのパッチのマトリックス状パターンの例を示す図である。
【図3A】本発明に係る積層構造体上に接着剤を塗布するための波状パターンの例を示す図である。
【図3B】本発明に係る積層構造体上の接着剤を塗布するためのランダムパターンの例を示す図である。
【図4】本発明に従って構成された層状材料の一試料形態の水蒸気透過性試験の結果を示す図である。
【図5】本発明に従って構成された層状材料に異なる割合の被覆率で接着剤が塗布された複数の例の水蒸気透過性試験の結果を示す図である。
【図6】構造体の一要素が本発明に従って構成された層状パネルを含む壁構造体を示す図である。
【図7】本発明の複数の実施形態の音響減衰試験の詳細な結果のデータを示す図である。
【図8】図7の試験結果を示すグラフである。
【図9】音の透過を大幅に減少させるのと同時に材料を通過する湿気の輸送を提供することのできる5層の材料を含む積層構造体の一実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下の詳細な説明は例のみを意図しており、本発明を限定するものではない。外部層材料及び内部層材料の両方の、数、種類、厚さ、寸法、面積、形状及び配置順序などの、本発明の他の実施形態は以下の説明から当業者には明らかであろう。
【0015】
本発明に従って層状パネルを形成するプロセスは、接着剤の正確な化学組成、加圧プロセス、乾燥及び脱湿プロセスなどの様々な因子を考慮に入れる。
【0016】
図1は本発明の一実施形態の層状構造体を示している。図1では、前記層状構造体は水平に配向されており、前記層状構造体の各層は上から下へと説明される。しかし、本発明の層状構造体は、垂直な壁又はドアとして設置される場合は垂直に配向され、天井や床に設置される場合は水平にさらには所定の角度で配向されることを理解されたい。従って、上層から下層へと説明するのは図1のように配向されたこれらの層について説明するためであり、前記層状構造体を垂直方向に使用する場合はこの限りではないことを理解されたい。図1では、符号100が付されたアセンブリは、本発明に従って構成された積層パネル全体を示す。最上層102は標準石膏材料から構成され、一実施形態では6.4mm(4分の1インチ)の厚さである。もちろん、所望に応じていずれの層に対しても様々な他の厚さを用いることができる。厚さは、結果として得られる層状構造体に求められる音響減衰(即ち、STC評価)及び結果として得られる構造体の重さによってのみ制限される。構造体の重さにより、その使用目的毎に壁、天井、床及びドアに層状構造体を設置する作業員の能力が制限される。
【0017】
最上層の石膏ボード102は通常は標準的な公知の技法を用いて形成されるので、石膏ボードの製造方法については説明しない。次に、石膏層102の底面には、QuietGlue(登録商標)と呼ばれる接着剤104のパターン形成された層がある。我々は、従来の理解とは異なり、或るパターンを形成して塗布された接着剤が石膏ボードの底面を約20%或いはそれ以上覆うことにより、石膏ボードの底面を全て覆う同一厚さの接着剤層と実質的に同一の音響減衰をもたらすことを見出した。接着剤104は粘弾性ポリマーから形成され、周囲の層により拘束された接着剤に衝当した音のエネルギーを効果的に吸収し、それによって広い周波数スペクトルにわたって音の振幅を低減し、従って結果として得られる層状構造体を透過する音のエネルギーを減少させる特性を有する。通常、この接着剤104は表1に示した材料で形成されるが、表1の後に記載する特性に類似する特性を有する他の接着剤を本発明において用いることもできる。接着剤層は参照符号104として概ね言及されるが、図1は接着剤層が中実ではないパターン形成された連続的な層である積層構造体の横断面を示していることを表すために、図1では接着剤層は104−0乃至104−nとして示されている。
【0018】
【表1】
【0019】
表1に示した好ましい組成は、粘弾性接着剤の一例にすぎない。同様の結果を達成するために他の組成を用いることもできる。また、表1に示した所与の範囲は、ここで検討した有用な組成の一例である。
【0020】
QuietGlue(登録商標)の物理的な固体状態の特性には以下が含まれる:
1)室温より低い広いガラス転位温度
2)ゴムに典型的な機械的応答(即ち、破断時の伸張、低弾性率)
3)室温における高い剥離強度
4)室温における低い剪断強さ
6)水に溶けない(わずかに膨張)
7)ドライアイスの温度において容易に基材から剥離。
【0021】
QuietGlue(登録商標)は、シリアス・マテリアルズ社(Serious Materials,1259 Elko Drive, Sunnyvale, CA 94089)から入手することができる。
【0022】
石膏ボード層106が構造体の最下層に配置されており、均一な圧力(パスカル(ポンド/平方インチ))、温度及び時間について制御された方法で慎重に圧力が加えられる。
【0023】
最後に、パネルを乾燥させるため、アセンブリは通常48時間脱湿及び乾燥される。
【0024】
本発明の一実施形態では、接着剤104を連続的な層又はパターンのどちらかのようにして最上層102の底面に塗り広げた際に接着剤を部分的に乾燥させるために、接着剤104を或る気体流に約45秒間曝す。気体を流す時間を短縮させる場合は、高温の気体を用いる。接着剤104は、それが塗布される任意の材料の全体に最初に塗り広げられる際は、液体である。選択された時間にわたる空気乾燥又は接着剤の表面上への気体流の供給により接着剤104を部分的に乾燥させることによって、接着剤104はテープ上の接着剤によく似た粘着性のあるペースト状になる。接着剤104上方を流れる気体は、例えば、空気又は乾燥窒素であり得る。前記気体は接着剤104を脱湿するので、層106を所定の位置に配置する前に接着剤104の乾燥を長時間行わない前述の加圧プロセスと比較して、製造処理能力が改善される。その後、第2のパネル、例えば最下層106が接着剤104上に配置され、接着剤104の反対側の面にある材料(図1の例では最上層102)に対して選択された圧力で選択された時間加圧される。
【0025】
一実施形態では、接着剤104は、石膏シート102及び106の全面積より小さい面積を覆っている。接着剤104は、様々なパターンで塗布することができる。その例には、細長い縦ストリップ、細長い横ストリップ、ドット、四角、及び格子状などのパターンが含まれる。接着剤104のパターン要素同士の間の間隔は、減衰させるべき音の最大周波数の半波長未満であり、典型的には最大15.3cm(6インチ)である。一実施形態では、接着剤104は、1.6mm(16分の1インチ)の厚さであるが、他の厚さを使用することもできる。接着剤104は、ブラシ、パテナイフ、コーキング銃、スプレー、接着剤テープの使用、又は他の手段で塗布され得る。
【0026】
図2Aは、1.22m×2.44m(4フィート×8フィート)の石膏シート上に縦ストリップとしてパターン形成された接着剤104を示す。用語「縦」及び「横」、「最上部」及び「最下部」は、説明の目的のために示される図2A、図2B、図3A及び図3Bにのみ適用される。パネル100は、任意の配向で設置され得る。図2Aを参照すると、「n」個の縦ストリップの接着剤104−0乃至104−nは、各ストリップ間の間隔が15.3cm(6インチ)或いはそれ以下で石膏シート102上に配置されている。例えば、1.22m×2.44m(4フィート×8フィート)の石膏シートの場合、1.22m(4フィート)の幅にわたって、最低n=9の縦ストライプが最上部から最下部まで存在する。1.22m×2.44m(4フィート×8フィート)のシートは、2.98m2(4,608平方インチ)の表面積を有する。接着剤が表面の20%を覆う場合(即ち、被覆率20%)、各ストリップは、長さが2.44m(96インチ)、幅が約2.54cm(((2.98/2.44)/9)*0.2)(約1インチ(((4608/96)/9)*0.20))である。被覆率80%の場合、各ストリップは、長さが2.44m(96インチ)、幅が約10.8cm(4.25インチ)である。一実施形態では、各ストリップの互いの離間間隔を狭くして、より多くのストリップが配置される。例えば、幅が約1.27cm(2分の1インチ)の17個の縦ストリップ(即ち、n=17)における各ストリップの中心線同士の間隔が約7.62cm(3インチ)の場合、被覆率は約20%になる。他の組み合わせのストリップの幅及び間隔を使用することもできる。ストリップは、縦の代わりに横に塗布することもできる。
【0027】
図2Bは、1.22m×2.44m(4フィート×8フィート)のパネル上にパッチとして示されている接着剤104を塗布するための別のパターンの例である。図示の例の場合、15.24cm(6インチ)の最大間隔を有して、環状形状のパッチを横方向に9個及び縦方向に17個塗布したことにより、図示の円からなるマトリックスが形成された。円の有効径として述べられる各パッチの領域は以下の式で示される。
【0028】
D=2(SQRT((2.98m2×(被覆率))/((17×9)×π)))
【0029】
前記式を用いると、被覆率20%の場合、各パッチの直径は約6.99cm(2.75インチ)であり、被覆率80%の場合、各パッチの直径は、約13.97cm(5.5インチ)である。前記パッチは円として言及及び図示されているが、その形状が重要なわけではない。ストリップと同様に、より小さい直径を有する、より多くの円が使用されることもあり得る。例えば、それぞれ5.08cm(2インチ)の直径を有する300個の円の場合、被覆率は20%になる。一部の実施形態では、小さな領域に設置するべく積層物の一部をカットする場合に該積層物がばらばらにならないようにするために、多数のより小さなパッチの接着剤104が使用されている。
【0030】
層状パネル100を作成する際、接着剤を塗布するのに様々なパターンが使用され得る。パターン選択における検討により、設置の際に層状パネル100をカットした場合にパネルの切り口近傍に或る程度の接着剤104が存在し、それによって取り扱いが原因でパネル100がばらばらになる可能性を減少させるべく切り口に接着状態が与えられることを確実になすようにする。例えば、図2Aのパターンが、縦ストリップの左縁部に隣接して、その右側で縦に切断されることがあり得、結果として切り口から接着剤104被覆部まで相当な空隙が生じる(左側の部分は、設置される部分とみなす)。従って、切断線の位置に関係なく、縁部の被覆を改善する複数のパターンが用いられている。そのようなパターンの一例が図3Aに示されており、この場合の接着剤パターンは波状である。図3Aに示すような接着剤104のパターンを備える積層パネル100の典型的な直線的な切断は、結果として切り口において或る程度の接着剤104が得られる。直線的な縦又は横ストリップと同様に、波状ストリップは、最大距離をもって互いに離間される。その最大間隔は、パネル102、106に使用される材料の対象周波数の半波長を超えない。図3Bに示すパターンは、接着剤104パターンの別の実施形態であり、この場合は典型的な切り口が接着剤104により被覆されている可能性が高い。図3Bに示すパターンは、例えば、接着剤塗布銃を用いてランダムな経路で形成され得る。縁部における接着剤104による完全な被覆は必要ではない。個々の縁部における部分的な接着剤104被覆部は、設置の際に結果として得られる層状パネル100部分が概ね結合された状態で保持する。所望に応じて、ランダムに形成された接着剤パターンを含む他のパターンを使用することもできる。
【0031】
図4は、石膏シート102、106の面積の20パーセントが接着剤104で覆われた実施形態の透過性試験の結果を示す。試験された試料は、図1と矛盾することなく構成されており、面積は6.13m2(66平方フィート)であった。336時間(14日)の間に、449粒の水((3877.4−3848.3)*15.432)、即ち2.02粒/1平方フィート/1時間(21.8粒/1m2/1時間)が積層構造体100試料を通過した。21℃(華氏70度)、相対湿度(RH)50%における水の蒸気圧は0.3696であり、それ故に前記試料の試験結果は、5.467perm(2.02/(0.3696))を示す。1gの水は、15.432粒の水に相当する。
【0032】
シート102、106における接着剤104で覆われた部分が減ると、完成した積層物100の透過率の値が増加する。図5は、この関係を示している。図5に示されるように、石膏シートの完全被覆(100%)は、結果として非常に小さい透過率の値をもたらし、それによって湿気及び/又は最高最低気温が予期される構造体及び間に置かれたスタッドによって形成された空洞の反対側を覆う防湿材にとって不適切な完全被覆を生じさせる。
【0033】
図6は、壁構造体の例であり、本発明に従って構成された積層パネル608(即ち、積層物100)である。この積層パネル608は、木製スタッド602、604及び606、バット型防音材612、及び標準的な石膏ドライウォールの15.9mm(8分の5インチ)のシート610を含む(これらの関係は、セクションA−Aにより示す)。図7は、積層パネル608における接着剤104の被覆部分が異なる場合の図6に示す構造体の音響試験の結果を示す。パネル608は、図1に示すように構成されている。全ての試料において音響減衰値(STC数値)は実質的に同じ(STC49)であった。当業者には知られているように、標準的な2×4構造の両面に標準的な15.9mm(8分の5インチ)のドライウォールを用いた同様の構造体のSTCは約34である。従って、本発明のこの特定の構成は、標準的なドライウォールに対してSTCを15ポイント改善している。図7の試験結果のデータは、図8にグラフ化されている。
【0034】
図8では、音響減衰量は、接着剤104による被覆における全ての被覆率で概ね同一であることが示されている。一部の実施例では、完成したパネル100のコストを抑えるために、積層パネル100の構造体において使用される接着剤104は、より少ないほうが好ましい。
【0035】
図9では、石膏ボードからなる2つの外部層902及び910は、それらの内側面上に接着剤層904及び908をそれぞれ有する。これら2つの接着剤層904及び908の間には、ビニール、鋼、木材、又は塗布に適した他の材料からなる拘束層906が配置されている。層906がビニールの場合、そのビニルは質量荷重されており、一実施例では、47.86Pa(1ポンド/平方フィート)またはそれ以上である。質量荷重されたビニールは、テクニフォーム社(Technifoam, Minneapolis, Minn)を含む多くのメーカから入手可能である。拘束層906は、このように構成された積層パネルの音響減衰特性を改善し得る。拘束層906は、接着剤領域904及び908がするように、湿気の伝達を遮断する。湿気を通過させる(即ち、「輸送する」)ためのパネルの能力は、接着剤904、接着剤908(接着剤904に対して整列されていてもいなくても良い)又は拘束層906によって塞がれた総面積により決定され得る。3つの層の内のいずれかの層が他の1つ或いは複数の層によって覆われていない場合、遮断効果は、それら3つの層(904、906、908)の総面積である。換言すれば、1つより多くの領域で覆われている面積部分は、一度しか計算されない。例えば、層904、906、及び908のパターンが同一パターンであり、互いに良好に整列されている場合、その被覆された面積は、単純に3つの層の内の1つの層の面積であり得る。各層のパターンが他の2つの層のそれぞれに対して整列されていない場合は、被覆された総面積、従って水蒸気輸送に利用できない領域は、各層により被覆された領域を合計した面積となる。水蒸気を輸送する材料からなる拘束層906(例えばタイベック(Tyvek)材料の薄いシート)は、蒸気輸送を考慮する限りにおいて、外部層902及び910の被覆には寄与しないが、追加的な音響強度の減衰に寄与し得る。即ち、層906が水蒸気を輸送する材料である場合、遮断部分を決定する際には接着剤904及び接着剤908の面積のみが考慮される。
【0036】
拘束層906の材料の例には、有孔鋼、エキスパンデッド鋼及び質量荷重されたビニール又は同様の製品が含まれる。しかし、鋼はビニールよりも大きなヤング率を有しているので、拘束層としての性能はビニールよりも優れている。しかしながら、カットしやすさなどの他の理由のため、所望に応じてビニルを鋼の代わりに層状構造体において使用することができる。セルロース、木材、プラスチックまたは他の拘束材料をビニルまたは金属の代わりに用いることもできる。代替材料は任意の種類、任意の適切な厚さとすることができる。図9の例では、拘束材料906は、それが取り付けられる接着剤904及び908のサイズ及び形状に近い。図9では、前述したように、接着剤層904及び908並びに拘束材料908が所定のパターンで塗布されていることを表すために、接着剤層904及び908並びに拘束材料908が複数の場所に示されている。
【0037】
図1の構造体を製造する場合、まず接着剤104が通常1.6mm(16分の1インチ)の厚さで石膏102の底面に選択されたパターンで所定の方法で塗布される(ただし所望に応じて他の厚さにすることもできる)。最下層106の上面は、接着剤104の露出面上に配置され、従って最上層102に対して押し付けられるようになる。水性接着剤の場合、採用される乾燥及び脱湿技法に応じて、接着剤が完全に乾くのに5分〜30時間を要する。水性接着剤の代わりに溶剤系粘弾性接着剤を使用することもできる。
【0038】
図9の構造体を製造する場合、その製造方法は、図1の構造体のために説明した方法と同様である。しかし、最下層910(最下層106に対応するもの)を取り付ける前に、拘束材料906を接着剤904のある場所の上側に配置する。前述した拘束層906の非輸送特性によって、結果として得られる積層物が水蒸気の輸送を遮断する度合いを検討するので、拘束材料906は、接着剤904又は908のパターン領域の面積より大きいこともあれば小さいこともあり得る。第2の接着剤層908を、拘束材料の露出面(即ち、拘束材料906における最上層902に面している側とは反対側)に塗布する。一実施形態では、接着剤層908は、層906に塗布する代わりに、最下層910の内側面に塗布する。次に、最下層910を、積層された層902、904、及び908の上側に配置する。結果として得られる構造体は、組み立てられた各構造体の正確な要求に応じて約13.8乃至34.5kPa(約2乃至5ポンド/平方インチ)の圧力下で約5分から約48時間にわたって乾燥される。所望に応じて他の圧力を用いることもできる。
【0039】
このように、本発明の層状構造体はそれに関連する音響透過クラスの数値において大幅な改善を示し、或る部屋から隣接した部屋へと透過する音を大幅に減少させると同時に、かなりの量の湿気の輸送をもたらすようにした。接着剤をパターン形成して使用することで、製造コストの削減が達成される。
【0040】
図1及び図9の構造体は、連続的な多孔質隔膜の拘束層を用いて製造することができるが、隔膜のない構造体として製造することもできる。隔膜は、2つの別体の層の材料間の薄い仕切り又は膜である。この用語は、植物又は動物の2つの組織塊の間の膜を説明するために用いられるが、本発明のコンテキストでは、用語「隔膜」は、多孔質の連続的な拘束層を説明するために用いられる。
【0041】
加えて、外層の材料(図1の2つの層102及び106、及び図9の2つの層902及び910)は、石膏のほかに、セラミック、木材、酸化マグネシウム、セメント混合物、コンクリート及びリン酸塩含有セラミック材料から作ることもできる。これらの各材料又はその組み合わせを用いて、これらの層をそれぞれ製造する方法は公知であるため、その詳細については説明しない。
【0042】
本発明の層状構造体の各材料に与えられる寸法は、コスト、全体の厚さ、重量、予期される湿度及び温度の制御条件、及びSTC値を制御するために必要に応じて変えることができる。記載した実施形態及びそれらの寸法は単に例示を目的としたものであって限定的なものではない。
【0043】
本発明の他の実施形態は上記記載から明らかであろう。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
壁、床、天井又はドアの作成に用いるために適合された、選択された面積を有する積層構造体であって、
1つ或いは複数の材料からなる2つの外部層と、
前記選択された面積より小さい面積を有する少なくとも1つの内部拘束層と、
前記少なくとも1つの内部拘束層によって分離された、粘弾性接着剤からなる2以上の内部層とを備え、
前記粘弾性接着剤からなる層はそれぞれ、前記積層構造体の前記面積を全て覆うのではなく、前記面積を選択された割合で覆うようにパターン形成され、それによって湿気が前記構造体を通過できるようにしたことを特徴とする構造体。
【請求項2】
前記2つの外部層は、石膏ウォールボードからなることを特徴とする請求項1に記載の構造体。
【請求項3】
前記少なくとも1つの内部拘束層は、前記選択された面積より小さい面積を覆うことを特徴とする請求項1に記載の構造体。
【請求項4】
前記少なくとも1つの内部拘束層は、ビニール、鋼、木材、プラスチック及びセルロース系材料からなる群より選択される材料から形成されることを特徴とする請求項3に記載の構造体。
【請求項5】
前記粘弾性材料からなる2以上の内部層はそれぞれ、水性粘弾性接着剤及び溶剤系粘弾性接着剤からなる群より選択される粘弾性接着剤からなることを特徴とする請求項1に記載の構造体。
【請求項6】
前記粘弾性接着剤からなる2以上の内部層はそれぞれ、前記構造体の面積の約20%乃至約80%を覆うことを特徴とする請求項1に記載の構造体。
【請求項7】
前記拘束層は、前記構造体の前記面積の一部のみを覆うことを特徴とする請求項1に記載の構造体。
【請求項8】
前記各外部層の材料は、非金属及び非ガラス材料であることを特徴とする請求項1に記載の構造体。
【請求項9】
前記各外部層の材料は、石膏、セラミック、木材、酸化マグネシウム(MgO)、セメント、コンクリート及びリン酸塩含有セラミック混合物からなる群より選択される材料からなることを特徴とする請求項1に記載の構造体。
【請求項10】
前記少なくとも1つの内部拘束層は、連続的な隔膜状材料の形状をなすことを特徴とする請求項1に記載の構造体。
【請求項11】
壁、床、天井又はドアの作成に用いるために適合された、一方の側からもう一方の側へ湿気を通過させることができる、選択された面積を有する積層構造体を形成するための方法であって、
1つ或いは複数の材料からなる2つの外部層を形成するステップと、
前記2つの外部層の間に、前記選択された面積より小さい面積を有する少なくとも1つの内部拘束層を形成するステップと、
前記少なくとも1つの内部拘束層によって分離された粘弾性接着剤からなる2以上の内部層を用いて、前記2つの外部層を前記少なくとも1つの内部層に結合させるステップとを含み、
前記粘弾性接着剤からなる層はそれぞれ、前記積層構造体の前記面積を全て覆うのではなく、前記面積を選択された割合で覆うようにパターン形成され、それによって湿気が前記結果として得られる構造体を通過できるようにしたことを特徴とする方法。
【請求項12】
前記2つの外部層はそれぞれ、選択された厚さの石膏ボード層からなることを特徴とする請求項1に記載の積層構造体。
【請求項13】
前記接着剤が、音を吸収することができる粘弾性材料からなることを特徴とする請求項12に記載の積層構造体。
【請求項14】
前記内部拘束層は、選択された厚さのシートメタル層を含むことを特徴とする請求項4に記載の積層構造体。
【請求項15】
選択された厚さの前記シートメタル層は、亜鉛めっき鋼からなるを含むことを特徴とする請求項14に記載の積層構造体。
【請求項16】
壁、床、天井又はドアの作成に用いるために適合された、選択された面積を有する積層構造体であって、
非金属材料からなる2つの外部層と、
前記選択された面積よりも小さい面積を有する少なくとも1つの内部拘束層と、
前記少なくとも1つの内部拘束層によって分離された、粘弾性接着剤からなる2以上の内部層とを備え、
前記粘弾性接着剤からなる層がそれぞれ、前記選択された面積よりも小さい面積を有していることを特徴とする積層構造体。
【請求項17】
前記拘束層は、金属からなることを特徴とする請求項16に記載の積層構造体。
【請求項18】
積層構造体であって、
選択された材料からなる少なくとも1つの内部層と、
前記少なくとも1つの内部層の各側に1つ配置された、粘弾性接着剤からなる2つの内部層と、
前記粘弾性接着剤からなる各内部層のもう一方の側に配置された、非金属材料からなる少なくとも1つの追加層とを備え、
前記粘弾性接着剤からなる2つの内部層及び前記選択された材料からなる少なくとも1つの内部層はそれぞれ、前記粘弾性接着剤からなる各内部層のもう一方の側に配置された前記非金属材料からなる少なくとも1つの追加層の面積よりも小さい面積を覆い、それによって蒸気が前記積層構造体を通過できるようにしたことを特徴とする積層構造体。
【請求項19】
前記少なくとも1つの追加層はそれぞれ、第1の音響減衰材料からなる外部層を含むことを特徴とする請求項18に記載の積層構造体。
【請求項20】
前記第1の音響減衰材料からなる外部層はそれぞれ、石膏からなることを特徴とする請求項19に記載の積層構造体。
【請求項21】
前記少なくとも1つの外部層はそれぞれ、選択された材料からなる複数の層を含むことを特徴とする請求項20に記載の積層構造体。
【請求項22】
前記選択された材料からなる複数の層が、
金属からなる第1の層と、
粘弾性接着剤からなる第2の層と、
選択された材料からなる第3の層とを含むことを特徴とする請求項21に記載の積層構造体。
【請求項23】
前記選択された材料からなる第3の層が、石膏からなることを特徴とする請求項22に記載の積層構造体。
【請求項24】
前記少なくとも1つの内部層が、金属層からなることを特徴とする請求項18に記載の積層構造体。
【請求項25】
前記少なくとも1つの内部層が、セルロース材料からなることを特徴とする請求項18に記載の積層構造体。
【請求項26】
前記少なくとも1つの内部層が、ビニール、プラスチック複合材、及びゴムからなる群より選択された中実の石油系合成材料の層からなることを特徴とする請求項18に記載の積層構造体。
【請求項27】
壁、床、又は天井又はドアの作成に用いるために適合された積層構造体であって、
非金属材料からなる2つの外部層と、
少なくとも1つの内部拘束層と、
前記少なくとも1つの内部拘束層によって分離された、粘弾性接着剤からなる2つ以上の内部層とを備え、
前記少なくとも1つの内部拘束層は、セルロース、木材、金属、プラスチック、ビニール、プラスチック複合材及びゴムからなる群より選択され、
前記少なくとも1つの内部拘束層及び前記粘弾性接着剤からなる2つ以上の内部層はそれぞれ、前記積層構造体の面積より小さい面積にて該積層構造体を覆い、それによって湿気が前記積層構造体を通過できるようにしたことを特徴とする積層構造体。
【請求項28】
前記少なくとも1つの内部拘束層は、木材であることを特徴とする請求項27に記載の積層構造体。
【請求項29】
前記少なくとも1つの内部拘束層は、セルロースであることを特徴とする請求項27に記載の積層構造体。
【請求項30】
壁、床、天井又はドアの作成に用いるために適合された、選択された面積を有する積層構造体であって、
1つ或いは複数の材料からなる2つの外部層と、
前記2つの外部層の間に配置された、粘弾性接着剤からなる1つ或いは複数の内部層とを備え、
前記粘弾性材料からなる1つ或いは複数の層は、前記積層構造体の前記選択された面積を全て覆うのではなく、前記面積を選択された割合で覆うようにパターン形成され、それによって湿気が前記構造体を通過できるようにしたことを特徴とする構造体。
【請求項31】
前記2つの外部層は、石膏ウォールボードからなることを特徴とする請求項30に記載の構造体。
【請求項1】
壁、床、天井又はドアの作成に用いるために適合された、選択された面積を有する積層構造体であって、
1つ或いは複数の材料からなる2つの外部層と、
前記選択された面積より小さい面積を有する少なくとも1つの内部拘束層と、
前記少なくとも1つの内部拘束層によって分離された、粘弾性接着剤からなる2以上の内部層とを備え、
前記粘弾性接着剤からなる層はそれぞれ、前記積層構造体の前記面積を全て覆うのではなく、前記面積を選択された割合で覆うようにパターン形成され、それによって湿気が前記構造体を通過できるようにしたことを特徴とする構造体。
【請求項2】
前記2つの外部層は、石膏ウォールボードからなることを特徴とする請求項1に記載の構造体。
【請求項3】
前記少なくとも1つの内部拘束層は、前記選択された面積より小さい面積を覆うことを特徴とする請求項1に記載の構造体。
【請求項4】
前記少なくとも1つの内部拘束層は、ビニール、鋼、木材、プラスチック及びセルロース系材料からなる群より選択される材料から形成されることを特徴とする請求項3に記載の構造体。
【請求項5】
前記粘弾性材料からなる2以上の内部層はそれぞれ、水性粘弾性接着剤及び溶剤系粘弾性接着剤からなる群より選択される粘弾性接着剤からなることを特徴とする請求項1に記載の構造体。
【請求項6】
前記粘弾性接着剤からなる2以上の内部層はそれぞれ、前記構造体の面積の約20%乃至約80%を覆うことを特徴とする請求項1に記載の構造体。
【請求項7】
前記拘束層は、前記構造体の前記面積の一部のみを覆うことを特徴とする請求項1に記載の構造体。
【請求項8】
前記各外部層の材料は、非金属及び非ガラス材料であることを特徴とする請求項1に記載の構造体。
【請求項9】
前記各外部層の材料は、石膏、セラミック、木材、酸化マグネシウム(MgO)、セメント、コンクリート及びリン酸塩含有セラミック混合物からなる群より選択される材料からなることを特徴とする請求項1に記載の構造体。
【請求項10】
前記少なくとも1つの内部拘束層は、連続的な隔膜状材料の形状をなすことを特徴とする請求項1に記載の構造体。
【請求項11】
壁、床、天井又はドアの作成に用いるために適合された、一方の側からもう一方の側へ湿気を通過させることができる、選択された面積を有する積層構造体を形成するための方法であって、
1つ或いは複数の材料からなる2つの外部層を形成するステップと、
前記2つの外部層の間に、前記選択された面積より小さい面積を有する少なくとも1つの内部拘束層を形成するステップと、
前記少なくとも1つの内部拘束層によって分離された粘弾性接着剤からなる2以上の内部層を用いて、前記2つの外部層を前記少なくとも1つの内部層に結合させるステップとを含み、
前記粘弾性接着剤からなる層はそれぞれ、前記積層構造体の前記面積を全て覆うのではなく、前記面積を選択された割合で覆うようにパターン形成され、それによって湿気が前記結果として得られる構造体を通過できるようにしたことを特徴とする方法。
【請求項12】
前記2つの外部層はそれぞれ、選択された厚さの石膏ボード層からなることを特徴とする請求項1に記載の積層構造体。
【請求項13】
前記接着剤が、音を吸収することができる粘弾性材料からなることを特徴とする請求項12に記載の積層構造体。
【請求項14】
前記内部拘束層は、選択された厚さのシートメタル層を含むことを特徴とする請求項4に記載の積層構造体。
【請求項15】
選択された厚さの前記シートメタル層は、亜鉛めっき鋼からなるを含むことを特徴とする請求項14に記載の積層構造体。
【請求項16】
壁、床、天井又はドアの作成に用いるために適合された、選択された面積を有する積層構造体であって、
非金属材料からなる2つの外部層と、
前記選択された面積よりも小さい面積を有する少なくとも1つの内部拘束層と、
前記少なくとも1つの内部拘束層によって分離された、粘弾性接着剤からなる2以上の内部層とを備え、
前記粘弾性接着剤からなる層がそれぞれ、前記選択された面積よりも小さい面積を有していることを特徴とする積層構造体。
【請求項17】
前記拘束層は、金属からなることを特徴とする請求項16に記載の積層構造体。
【請求項18】
積層構造体であって、
選択された材料からなる少なくとも1つの内部層と、
前記少なくとも1つの内部層の各側に1つ配置された、粘弾性接着剤からなる2つの内部層と、
前記粘弾性接着剤からなる各内部層のもう一方の側に配置された、非金属材料からなる少なくとも1つの追加層とを備え、
前記粘弾性接着剤からなる2つの内部層及び前記選択された材料からなる少なくとも1つの内部層はそれぞれ、前記粘弾性接着剤からなる各内部層のもう一方の側に配置された前記非金属材料からなる少なくとも1つの追加層の面積よりも小さい面積を覆い、それによって蒸気が前記積層構造体を通過できるようにしたことを特徴とする積層構造体。
【請求項19】
前記少なくとも1つの追加層はそれぞれ、第1の音響減衰材料からなる外部層を含むことを特徴とする請求項18に記載の積層構造体。
【請求項20】
前記第1の音響減衰材料からなる外部層はそれぞれ、石膏からなることを特徴とする請求項19に記載の積層構造体。
【請求項21】
前記少なくとも1つの外部層はそれぞれ、選択された材料からなる複数の層を含むことを特徴とする請求項20に記載の積層構造体。
【請求項22】
前記選択された材料からなる複数の層が、
金属からなる第1の層と、
粘弾性接着剤からなる第2の層と、
選択された材料からなる第3の層とを含むことを特徴とする請求項21に記載の積層構造体。
【請求項23】
前記選択された材料からなる第3の層が、石膏からなることを特徴とする請求項22に記載の積層構造体。
【請求項24】
前記少なくとも1つの内部層が、金属層からなることを特徴とする請求項18に記載の積層構造体。
【請求項25】
前記少なくとも1つの内部層が、セルロース材料からなることを特徴とする請求項18に記載の積層構造体。
【請求項26】
前記少なくとも1つの内部層が、ビニール、プラスチック複合材、及びゴムからなる群より選択された中実の石油系合成材料の層からなることを特徴とする請求項18に記載の積層構造体。
【請求項27】
壁、床、又は天井又はドアの作成に用いるために適合された積層構造体であって、
非金属材料からなる2つの外部層と、
少なくとも1つの内部拘束層と、
前記少なくとも1つの内部拘束層によって分離された、粘弾性接着剤からなる2つ以上の内部層とを備え、
前記少なくとも1つの内部拘束層は、セルロース、木材、金属、プラスチック、ビニール、プラスチック複合材及びゴムからなる群より選択され、
前記少なくとも1つの内部拘束層及び前記粘弾性接着剤からなる2つ以上の内部層はそれぞれ、前記積層構造体の面積より小さい面積にて該積層構造体を覆い、それによって湿気が前記積層構造体を通過できるようにしたことを特徴とする積層構造体。
【請求項28】
前記少なくとも1つの内部拘束層は、木材であることを特徴とする請求項27に記載の積層構造体。
【請求項29】
前記少なくとも1つの内部拘束層は、セルロースであることを特徴とする請求項27に記載の積層構造体。
【請求項30】
壁、床、天井又はドアの作成に用いるために適合された、選択された面積を有する積層構造体であって、
1つ或いは複数の材料からなる2つの外部層と、
前記2つの外部層の間に配置された、粘弾性接着剤からなる1つ或いは複数の内部層とを備え、
前記粘弾性材料からなる1つ或いは複数の層は、前記積層構造体の前記選択された面積を全て覆うのではなく、前記面積を選択された割合で覆うようにパターン形成され、それによって湿気が前記構造体を通過できるようにしたことを特徴とする構造体。
【請求項31】
前記2つの外部層は、石膏ウォールボードからなることを特徴とする請求項30に記載の構造体。
【図1】
【図2A】
【図2B】
【図3A】
【図3B】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図2A】
【図2B】
【図3A】
【図3B】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【公表番号】特表2010−525190(P2010−525190A)
【公表日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−503215(P2010−503215)
【出願日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【国際出願番号】PCT/US2008/059960
【国際公開番号】WO2008/128002
【国際公開日】平成20年10月23日(2008.10.23)
【出願人】(509278014)シリアス・マテリアルズ・エルエルシー (3)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【国際出願番号】PCT/US2008/059960
【国際公開番号】WO2008/128002
【国際公開日】平成20年10月23日(2008.10.23)
【出願人】(509278014)シリアス・マテリアルズ・エルエルシー (3)
【Fターム(参考)】
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